JP2022524351A - 車両用の荷物室カバーの製造方法及び荷物室カバー - Google Patents
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Abstract
本発明は、車両用の荷物室カバー（１）を製造するための方法に関し、この方法は、第１の成分及び第２の成分を有する少なくとも１つの２成分糸を含む織物（２）を提供するステップと、２成分糸の第１の成分が少なくとも部分的に溶融し、かつ第２の成分が凝集固体状態のままであるように、繊維（２）を熱処理するステップとを含む。本発明は、車両、特に自動車用の荷物室カバー（１）にさらに関する。
Description
本発明は、車両、特に自動車用の荷物室カバーの製造方法及び荷物室カバーに関する。
ＤＥ１９５１７３５０Ｃ１からは、組成の異なる２種類のポリマー溶融物を多成分糸にして、フィラメントを溶融紡糸する方法が知られている。この種類のいわゆる２成分フィラメントは、基本的には、固有の捲縮等の特定の効果を得るために、異なる物理的特性を有するフィラメント中に一体化された溶融成分に基づいている。
ＤＥ１０２５６３４７Ａ１からは、固定装置が知られている。この固定装置は、一方では、垂直位置において、乗客領域と荷物室との間の分離装置として利用することができ、他方では、分離装置の水平位置において、荷物室カバーとして利用することができる柔軟な平面構造が提供される。この固定装置が水平位置で車両の荷物室を完全に覆うことができるように、後部に可撓性の平面構造とは別に三角形の付加部を設け、非使用時には、この三角形の付加部を車両の被覆材の中に折り畳むことが可能であり、平面構造を巻き取りシャフトから取り出すと、荷物室内に自動的に旋回する。
多層又は複数の合板で構成されるローラシャッタウェブが、不織構造で形成された一方の合板と、織物材料で形成された他方の合板とをそれぞれ有するローラシャッタは、ＤＥ１０２００５０１０７８８Ａ１から知られている。この不織構造は、織物材料のキャリア材料として機能する。
本発明は、最初に述べた種類の織物平面構造を改良すること、特に、より軽量又はより安定した平面構造及び対応する荷物室カバーを提供することを目的とする。
この目的は、本発明によれば、車両用の荷物室カバーの製造方法によって達成され、この方法は、第１の成分と第２の成分とを有する少なくとも１つの２成分糸を含む織物平面構造を提供するステップと、前記２成分糸の前記第１の成分が少なくとも部分的に溶融し、かつ前記第２の成分が固体凝集状態のままであるように、前記平面構造（２）を熱処理するステップとを含む。
本発明によって提案された方法によれば、高強度であると同時に軽量な荷物室カバーが得られる。さらに、製造された荷物室カバーは、寸法的に高度に安定しており、特にロールアップカバーのために、引き込み装置内で巻き上げられたときにもつれ又は絡まる傾向がない。
前記織物平面構造は、少なくとも１つのさらなる糸を有し得る。
前記平面構造の前記２成分糸は、前記第１の成分を溶解することによって、さらなる２成分糸又はさらなる糸との材料的に一体の接続を確立することができる。
前記２成分糸の少なくとも前記第１の成分は、低融点のポリエステルであり得る。前記２成分糸の前記第１の成分の溶融温度が、前記少なくとも１つの２成分糸の前記第２の成分の溶融温度よりも低くてもよい。２成分糸の第１の成分の溶融温度は、１１０°Ｃ～１６０°Ｃの範囲、特に１２５°Ｃ～１４０°Ｃの範囲とすることができる。２成分糸の第２の成分の溶融温度は、２４０°Ｃ～２８０°Ｃの範囲、特に２５０°Ｃ～２６５°Ｃの範囲とすることができる。
２成分糸の第２の成分は、プラスチック材料繊維であり得る。２成分糸の第２の成分は、ポリエステル繊維であり得る。２成分糸の第２の成分は、天然繊維であり得る。
２成分糸は、繊維から形成されてもよく、この繊維は２成分繊維である。２成分繊維は、第２のポリエステル材料から作られた芯と、低融点の第１のポリエステル材料から作られた被覆とを有し得る。低融点の第１のポリエステル材料は、第２のポリエステル材料と比較してより低い溶融温度を有し得る。さらなる糸は、第２のポリエステル材料から作られ得る。さらなる糸は、さらなる２成分糸であり得る。
２成分糸、特に２成分糸の被覆とさらなる糸との間の材料的に一体の接続は、さらなる糸と２成分糸のそれぞれの接触点における平面構造の熱処理によって生成することができる。
２成分糸は複数の繊維から形成されてもよく、ここで繊維の第１の部分は第１の成分から形成され、繊維の第２の部分は第２の成分から形成される。
織物平面構造は、不織布であってもよい。織物平面構造は、編み生地とすることができる。織物平面構造は、織布であってもよい。織布は、横糸方向に加工された少なくとも１つの２成分糸を有し得る。織物平面構造は、横糸方向に加工された少なくとも１つの２成分糸を有する織布とすることができる。織布は、経糸方向に加工されたさらなる糸を有し得る。織物平面構造は、縦糸方向に加工された２成分糸を有する織布であってもよい。
同様に、基本的な目的は、上記の説明に従った方法によって製造された、車両、特に自動車用の荷物室カバーによって、本発明に従って達成される。
荷物室カバーは、例えば、荷物室カバーを荷物室壁に組み付けることが可能な第１の締結手段を有し得る。荷物室カバーは、ロールアップ装置上に荷物室カバーを組み付けるための第１の締結手段を有し得る。荷物室カバーは、例えば、特に車両の荷物室ハッチの領域において、荷物室カバーを荷物室壁に組み付けることが可能な第２の締結手段を有し得る。
本発明の設計の実施形態を図面によってより詳細に説明する前に、まず、本発明は、説明された要素又は説明された方法ステップに限定されないことに留意されたい。さらに、使用される用語は、いかなる限定も示さず、単に例示的な特徴を有する。以下の本明細書及び特許請求の範囲において単数形が使用される限り、文脈によって明示的に除外されない限り、それぞれの場合には複数形が含まれる。
以下、図面に例示された有利な例示的な実施形態によって本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、この例示的な実施形態に限定されるものではない。
図１には、本発明による荷物室カバー１が示されている。図２には、図１の荷物室カバーの平面図が示されている。図３には、図２の線ＩＩＩ－ＩＩＩに沿った荷物室カバー１の断面図が示されている。
以下に、これらの図面を合わせて説明する。
荷物室カバー１は、織物平面構造２を有する。荷物室カバー１は、例えば、荷物室カバー１を荷物室壁に固定可能な第１の締結手段４を有する。また、第１の締結手段４は、図示しないロールアップ装置に荷物室カバー１を組み付けるように機能し得る。
荷物室カバー１は、特に車両の荷物室ハッチの領域において、荷物室カバー１を荷物室壁に固定可能な第２の締結手段６を有する。荷物室カバー１のための車両近位取り付け具に手動で引っ掛け、又はそこから引っ掛けを外すために、荷物室カバー１はハンドル８を有する。ハンドル８は、好ましくは、荷物室カバー１の縁において中心にあるように配置される。
荷物室カバー１は、好ましくは、車両用の荷物室カバー１の製造方法により製造され、この方法は、第１の成分と第２の成分とを有する少なくとも１つの２成分糸を含む織物平面構造２を提供するステップと、２成分糸の第１の成分が少なくとも部分的に溶融する一方で、第２の成分が固体凝集状態のままとなるように、平面構造２を熱処理するステップとを含む。
織物平面構造２は、好ましくは、横糸方向に加工された２成分糸と、経糸方向に加工されたさらなる糸とを有する織布である。
２成分糸は、好ましくは、２成分繊維から形成される糸である。しかしながら、２成分糸は、複数の繊維を用いて形成することもできる。
好ましい実施形態によれば、２成分繊維は、第２のポリエステル材料から作られた芯と、低融点の第１のポリエステル材料から作られた被覆とを有する。ここで、低融点の第１のポリエステル材料は、特に、第２のポリエステル材料に比べて溶融温度が低い。さらなる糸は、好ましくは、第２のポリエステル材料から作られる。さらなる糸は、同様に、別のプラスチック材料又は天然繊維によって形成することができる。
２成分糸、特に２成分糸の被覆とさらなる糸との間の材料的に一体の接続は、さらなる糸と２成分糸のそれぞれの接触点において２成分糸の第１の成分を溶解させることにより、平面構造２の熱処理によって生成される。換言すれば、２成分糸の被覆は、少なくとも部分的にさらなる糸と融合することができ、したがって、２成分糸の芯とさらなる糸との間の接続を確立することができる。
上記の説明、特許請求の範囲及び図面に開示された特徴は、本発明の様々な構成を実装するために個別に関連すると共に、組み合わせることもできる。
本発明は、図面及び上記の説明で詳細に記載されているが、説明は実例であり、例示目的であり、限定ではないと理解されるべきである。特に、図面中の個々の要素について図示された比率の選択は、必須又は限定であると解釈されるべきではない。さらに、本発明は、特に、説明した例示の実施形態に限定されるものではない。本発明及びその実装のさらなる変形は、上記開示、図面及び特許請求の範囲から当業者によって収集することができる。
特許請求の範囲において使用される「備える」、「有する」、「含む」等の用語は、他の要素又はステップを除外しない。不定冠詞の使用は、複数を除外しない。個々の装置が、特許請求の範囲に記載された複数の装置又はユニットの機能を実行することができる。
１ 荷物室カバー
２ 平面構造
４ 第１の締結手段
６ 第２の締結手段
８ ハンドル
２ 平面構造
４ 第１の締結手段
６ 第２の締結手段
８ ハンドル
Claims (15)
- 第１の成分及び第２の成分を有する少なくとも１つの２成分糸を含む織物平面構造（２）を提供するステップと、
前記２成分糸の前記第１の成分が少なくとも部分的に溶融し、かつ前記第２の成分が固体凝集状態のままであるように、前記平面構造（２）を熱処理するステップと
を含む、車両用の荷物室カバー（１）を製造するための方法。 - 前記織物平面構造（２）は、少なくとも１つのさらなる糸を有する、請求項１に記載の方法。
- 前記平面構造の前記少なくとも１つの２成分糸は、前記第１の成分を溶解することによって、さらなる２成分糸又はさらなる糸との材料的に一体の接続を確立する、請求項１又は２に記載の方法。
- 前記２成分糸の少なくとも前記第１の成分は、低融点のポリエステルである、請求項１～３のいずれか１項に記載の方法。
- 前記第１の成分の溶融温度が、前記少なくとも１つの２成分糸の前記第２の成分の溶融温度よりも低い、請求項１～４のいずれか１項に記載の方法。
- 前記２成分糸の前記第２の成分は、プラスチック材料繊維である、請求項１～５のいずれか１項に記載の方法。
- 前記２成分糸の前記第２の成分は、ポリエステル繊維である、請求項１～６のいずれか１項に記載の方法。
- 前記２成分糸の前記第２の成分は、天然繊維である、請求項１～７のいずれか１項に記載の方法。
- 前記２成分糸は、２成分繊維から形成される、請求項１～８のいずれか１項に記載の方法。
- 前記織物平面構造（２）は、横糸方向に加工された少なくとも１つの２成分糸を有する織布である、請求項１～９のいずれか１項に記載の方法。
- 前記織物平面構造（２）は、経糸方向に加工された２成分糸を有する織布である、請求項１～１０のいずれか１項に記載の方法。
- 請求項１～１１のいずれか１項に記載の方法により製造された、車両、特に自動車用の荷物室カバー（１）。
- 前記荷物室カバー（１）は、例えば、前記荷物室カバー（１）を荷物室壁に組み付けることが可能な第１の締結手段（４）を有する、請求項１２に記載の荷物室カバー（１）。
- 前記荷物室カバー（１）は、前記荷物室カバー（１）をロールアップ装置に組み付けるための第１の締結手段（４）を有する、請求項１２又は１３に記載の荷物室カバー（１）。
- 前記荷物室カバー（１）は、例えば、前記荷物室カバー（１）を荷物室壁に組み付けることが可能な第２の締結手段（６）を有する、請求項１２～１４のいずれか１項に記載の荷物室カバー（１）。
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