JP2022521543A - 抗菌活性を有するポリペプチド、これを含む敗血症の予防または治療用組成物、および抗菌用組成物 - Google Patents

抗菌活性を有するポリペプチド、これを含む敗血症の予防または治療用組成物、および抗菌用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、抗菌活性を有するペプチド、これを含む敗血症の予防または治療用組成物、および抗菌用組成物等を提供する。【解決手段】 より具体的に、本発明によるペプチドは、バクテリアの増殖抑制だけでなく、バクテリア由来の内毒素を除去する優れた効果を有していて、優れた敗血症治療効果を発揮するところ、敗血症の予防または治療に有用に用いることができる。また、本発明によるペプチドは、グラム陽性・陰性菌に対して選択的に優れた抗菌活性を有していて、グラム陽性・陰性菌に対する抗菌用組成物またはグラム陽性・陰性菌によって誘発される様々な感染性疾患の予防または治療に有用に用いることができる。また、本発明によるペプチドは、タンパク質分解酵素に対して優れた抵抗性を示すので、高い安定性を有して、薬学的組成物、化粧学的組成物、食品組成物、健康食品組成物、飼料組成物および医薬部外品組成物など様々な形態で活用可能なものと期待される。【選択図】図4

Description

本発明は、抗菌活性を有するポリペプチド、これを含む敗血症の予防または治療用組成物、および抗菌用組成物等に関する。
本出願は、2019年2月28日に出願された韓国特許出願第10-2019-0023534号および2020年2月26日に出願された韓国特許出願第10-2020-0023629号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書および図面に開示されたすべての内容は本出願に援用される。
敗血症(sepsis)は、病原性グラム陰性細菌が生体に感染した場合、細胞壁の成分であるリポポリサッカライド(lipopolysaccharide,LPS)が毒素として作用して生体の免疫体系が過度に活性化することによって誘発される炎症反応であり、全身に感染症を起こしたり、症状がひどい場合、ショックを伴うことがある。具体的に、敗血症は、悪性腫瘍、白血病、悪性リンパ腫、後天性免疫不全症候群(AIDS)、膠原病、腎不全、肝疾患、脳血管障害、糖尿病等の基礎疾患を有する患者や高齢者、早産児のような体液性免疫不全または細胞性免疫不全を有する抵抗力の弱い宿主が、副腎ステロイドや抗腫瘍剤の化学療法、コバルト照射等の放射線治療または留置カテーテル、血液透析、臓器移植、心臓手術等の処置、手術を受けた場合に主に発病する。敗血症は、病院の重症患者用の病床に入院した患者が死亡する主要な原因となり、これによる致死率が通常30%以上である、非常に深刻な病気である。医学技術の発展にもかかわらず、まだ全世界的に手術後遺症によって感染することで敗血症が発生する場合が多く、新生児や高齢者のように体内の免疫力の弱いヒトが感染した場合、敗血症に進行する場合も多い。代表的に、新生児敗血症の場合、正期産児1,000人のうち3人程度が発生することが知られており、早産児は、発病率が3~4倍増加することが知られている。
敗血症にかかった場合、たいていは抗生剤治療を受けることになるが、適切な処置が遅れて菌が多く増殖した場合や抗生剤に耐性の強い菌株により感染した場合には、抗生剤のみでは効果的な治療ができず、様々な抗生剤に対する耐性を有する病原菌が次第に増加していて、あらたな敗血症治療剤の開発が急務である。
一方、抗菌剤耐性細菌とは、特定の抗菌剤に耐性を示し、抗菌剤が効かない細菌をいう。例えば、ペニシリンの効かないペニシリン耐性黄色ブドウ球菌がこれに該当する。これ以外にも、1961年に最初に学界に報告されて、その後、全世界的に主な病原性感染菌となっているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus,MRSA)が報告されたことがあり、1988年にバンコマイシンに耐性を示す腸球菌(vancomycin resistant enterococcus,VRE)がヨーロッパで初めて発見され、また、人体感染の最もありふれた原因菌である黄色ブドウ球菌の最後の治療剤として知られたバンコマイシンに高度な耐性を示すブドウ球菌(vancomycin-resistant staphylococcus aureus,VRSA)が、2002年アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control)で世界で初めて報告されることによって、いわゆるスーパーバクテリアの拡散の可能性が非常に高まっている。
これより、本発明者らは、上記のような要求を満たすために研究を繰り返した結果、特定のアミノ酸配列を有するペプチドが、バクテリアの増殖抑制だけでなく、死んだバクテリアから分離した内毒素を除去するという優れた効果を有していて、敗血症の治療に効果的であるという点と、グラム陽性・陰性菌に対して選択的に優れた抗菌活性を示すことを確認することによって、本発明を完成した。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、抗菌活性を有するペプチド、これを含む敗血症の予防または治療用組成物、抗菌用組成物等を提供することにある。
しかし、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が明らかに理解できる。
本発明の目的を達成するために、本発明は、下記の配列一般式で表されるポリペプチドを提供する:
[一般式]
Ln-X1-L-X2-V-X3-X4-X5-R-X6-L-X7
上記一般式中、
nは、0または1;
Lは、ロイシン(leucine);
Vは、バリン(valine);
Rは、アルギニン(arginine);
X1は、リシン(lysine:K)またはアルギニン(arginine:R);
X2は、グリシン(glycine:G)またはアルギニン(arginine:R);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E)またはリシン(lysine:K);
X4は、アラニン(alanine:A)またはロイシン(leucine:L);
X5は、リシン(lysine:K)またはアルギニン(arginine:R);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、アラニン(alanine:A)、トリプトファン(tryptophan:W)、リシン(lysine:K)またはアスパラギン酸(aspartic acid:D);および
X7は、アスパラギン酸(aspartic acid:D)またはアルギニン(arginine:R)、
ただし、上記一般式中、K-L-G-V-E-A-K-R-Y-L-Dの配列で表されるポリペプチドは除く。
本発明の一具現例において、以下の1)~9)からなる9種のポリペプチドのうちいずれか1つのポリペプチドを提供する:
1)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、グリシン(glycine:G);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
X4は、アラニン(alanine:A);
X5は、リシン(lysine:K);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチド;
2)上記一般式中、
nは、1;
X1は、アルギニン(arginine:R);
X2は、グリシン(glycine:G);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
X4は、アラニン(alanine:A);
X5は、リシン(lysine:K);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチド;
3)上記一般式中、
nは、1;
X1は、アルギニン(arginine:R);
X2は、グリシン(glycine:G);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、リシン(lysine:K);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチド;
4)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、グリシン(glycine:G);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
X4は、アラニン(alanine:A);
X5は、ロイシン(leucine:L);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アスパラギン酸(aspartic acid:D)である、
ポリペプチド;
5)上記一般式中、
nは、0;
X1は、アルギニン(arginine:R);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチド;
6)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチド;
7)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、アラニン(alanine:A)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチド;
8)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、トリプトファン(tryptophan:W)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチド;および
9)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、リシン(lysine:K)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチド。
本発明の一具現例において、上記ポリペプチドは、L型、D型およびペプトイド(peptoid)を含むペプチド模倣体または非天然アミノ酸である、ポリペプチドを提供する。
本発明の一具現例において、上記ポリペプチドの末端をアルキレーション(Alkylation)、ペギュレーション(PEGylation)、またはアミデーション(Amidation)したものである、ポリペプチドを提供する。
本発明の一具現例において、上記ポリペプチドのC末端にアミン基(NH)が追加されたものである、ポリペプチドを提供する。
本発明の一具現例において、上記ポリペプチドは、以下の特徴のうち1つ以上の特徴を有するものである、ポリペプチドを提供する:
グラム陰性菌のリポポリサッカライド(LPS)への結合能;
バクテリア細胞膜の選択的破壊能;
タンパク質分解酵素に対する抵抗性;
グラム陽性菌の細胞膜破壊能;および
グラム陽性菌由来のLTA(lipoteichoic acid)またはLPP(lipoprotein)への結合能。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid:TFA)のアセテート塩置換体を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、敗血症の予防、改善または治療用組成物を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、敗血症の予防、改善または治療用薬学的/食品/健康食品/化粧品/医薬部外品/飼料組成物を提供する。
本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を、これを必要とする個体に投与する段階を含む敗血症の予防または治療方法を提供する。
更に、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の敗血症に対する予防、改善または治療用途を提供する。
しかも、本発明は、敗血症の予防、改善または治療用製剤の製造のための上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の用途を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、抗菌用組成物を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、抗菌用薬学的/食品/健康食品/化粧品/医薬部外品/飼料組成物を提供する。
本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を、これを必要とする個体に投与する段階を含む抗菌方法を提供する。
更に、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の抗菌用途を提供する。
しかも、本発明は、抗菌剤の製造のための上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の用途を提供する。
本発明の一具現例において、上記抗菌用組成物の抗菌対象菌は、Escherichia coli DH5α、Escherichia coli K1、Acinetobacter baumannii、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella enteritidis、Salmonella typhimurium、Klebsiella pneumoniae、Staphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidisよりなる群から選ばれた1以上である、抗菌用組成物を提供する。
本発明の一具現例において、上記抗菌用組成物の抗菌対象菌は、拡張型β-ラクタム系抗生剤分解酵素(ESBL;Extended Spectrum Beta Lactamase)耐性菌、カルバペネム耐性菌およびコリスチン耐性菌よりなる群から選ばれた1以上の抗生剤耐性菌である、抗菌用組成物を提供する。
本発明の一具現例において、上記抗生剤耐性菌は、ESBL(E.coli)、Carbapenem resistant(CR)-Acinetobactor baumannii、CR-Klebsiella pneumoniae、CR-Pseudomonas aeruginosa、およびColistin resistant Acinetobactor baumanniiよりなる群から選ばれた1以上である、抗菌用組成物を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、感染性疾患の予防、改善または治療用組成物を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、感染性疾患の予防、改善または治療用薬学的/食品/健康食品/化粧品/医薬部外品/飼料組成物を提供する。
本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を、これを必要とする個体に投与する段階を含む感染性疾患の予防または治療方法を提供する。
更に、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の感染性疾患に対する予防、改善または治療用途を提供する。
しかも、本発明は、感染性疾患の予防、改善または治療用製剤の製造のための上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の用途を提供する。
本発明の一具現例において、上記感染性疾患は、肺炎、腹膜炎、脳膜炎、創傷感染、骨関節炎、胆嚢炎、尿路感染症、脳髄膜炎、心内膜炎、心筋炎、心外膜炎、関節炎、 咽頭炎、淋病、細菌性疫痢、腸炎、結膜炎、胃炎、中耳炎、膀胱炎、およびリンパ管炎よりなる群から選ばれるグラム陰性菌によって誘発される感染性疾患である、組成物を提供する。
本発明の一具現例において、上記感染性疾患は、咽喉炎、膿痂疹、リウマチ熱、糸球体腎炎、新生児敗血症、髄膜炎、咽頭炎、肺炎、心内膜炎、 猩紅熱、皮膚軟部組織感染、深部軟組織感染、膿胸および膣炎よりなる群から選ばれるグラム陽性菌によって誘発される感染性疾患である、組成物を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
また、本発明は、上記ポリヌクレオチドを含む組換えベクターを提供する。
また、本発明は、上記組換えベクターで形質転換された宿主細胞を培養する段階を含む、上記配列一般式で表されるポリペプチドの製造方法を提供する。
本発明によるペプチドは、標準バクテリアおよび抗生剤耐性バクテリアの増殖抑制だけでなく、バクテリア由来の内毒素を除去するという優れた効果を有していて、優れた敗血症治療効果を有しており、抗生剤と併用する場合、抗生剤による副作用を最小化することができて、敗血症の予防または治療に有用に用いることができる。
また、本発明によるペプチドは、グラム陽性・陰性菌に対して選択的に優れた抗菌活性を有していて、グラム陽性・陰性菌に対する抗菌用組成物またはグラム陽性・陰性菌によって誘発される様々な感染性疾患の予防または治療に有用に用いることができる。
また、本発明によるペプチドは、人体に安全なだけでなく、タンパク質分解酵素に対しても安定性を示すので、様々な用途に活用することができる。
図1は、本発明の実施例4の溶血活性の測定結果を示すグラフである。上段の左側から右側方向に、FP12-NH(配列番号6)/allD_FP12-NH(配列番号8);およびFP13-NH(配列番号7)/allD_FP13-NH(配列番号9)。下段の左側から右側方向に、allD_FP13_9A(配列番号10)/allD_FP13_9D(配列番号18);およびallD_FP13_9W(配列番号11)/allD_FP13_9K(配列番号12)。 図2は、本発明の実施例5の円偏光二色性分光器でペプチドの2次構造を測定した結果を示すグラフである。 図3は、本発明の実施例6のバクテリア細胞膜(上段)と赤血球細胞膜(下段)を模倣するリポソームに対するペプチドの破壊能の測定結果を示す図である。 図4は、本発明の実施例8のallD FP13-NHペプチドの抗生効果を示す図である。それぞれ、左側から右側方向に、標準菌株Escherichia coli K1に対するallD FP13-NHペプチドの抗生効果;臨床菌株Escherichia coli(ESBL)に対するallD FP13-NHペプチドの抗生効果;および臨床菌株Carbapenem-resistant Acinetobacter baummaniiに対するallD FP13-NHペプチドの抗生効果を示すものである。 図5a~図5cは、本発明の実施例9のallD FP13-NH(AcOH)ペプチドの抗生効果、毒性効果および抗炎症サイトカイン抑制効果の確認結果を示すものである。図5aは、Escherichia coli(ESBL)に対する抗生効果の比較、AllD FP13-NH(TFA)(上)およびAllD FP13-NH(AcOH)(下);図5bは、in vivo毒性の比較、AllD FP13-NH(TFA)(上)およびAllD FP13-NH(AcOH)(下);および図5cは、抗炎症サイトカイン(IL-6)抑制効果の比較、AllD FP13-NH(TFA)(上)およびAllD FP13-NH(AcOH)(下)。 図6は、本発明の実施例11のグラム陽性菌細胞膜を模倣するリポソームに対するペプチドの破壊能の測定結果を示す図である。
本発明は、下記の配列一般式で表されるポリペプチドを提供する:
[一般式]
Ln-X1-L-X2-V-X3-X4-X5-R-X6-L-X7
上記一般式中、
nは、0または1;
Lは、ロイシン(leucine);
Vは、バリン(valine);
Rは、アルギニン(arginine);
X1は、リシン(lysine:K)またはアルギニン(arginine:R);
X2は、グリシン(glycine:G)またはアルギニン(arginine:R);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E)またはリシン(lysine:K);
X4は、アラニン(alanine:A)またはロイシン(leucine:L);
X5は、リシン(lysine:K)またはアルギニン(arginine:R);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、アラニン(alanine:A)、トリプトファン(tryptophan:W)、リシン(lysine:K)またはアスパラギン酸(aspartic acid:D);および
X7は、アスパラギン酸(aspartic acid:D)またはアルギニン(arginine:R)、
ただし、上記一般式中、K-L-G-V-E-A-K-R-Y-L-Dの配列で表されるポリペプチドは除く。
本発明の一具現例において、以下の1)~9)からなる9種のポリペプチドのうちいずれか1つ以上のポリペプチドを提供する:
1)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、グリシン(glycine:G);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
X4は、アラニン(alanine:A);
X5は、リシン(lysine:K);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチドであり、
すなわち、KLGVEAKRYLR(配列番号2)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
2)上記一般式中、
nは、1;
X1は、アルギニン(arginine:R);
X2は、グリシン(glycine:G);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
X4は、アラニン(alanine:A);
X5は、リシン(lysine:K);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチドであり、
すなわち、LRLGVEAKRYLR(配列番号3)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
3)上記一般式中、
nは、1;
X1は、アルギニン(arginine:R);
X2は、グリシン(glycine:G);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、リシン(lysine:K);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチドであり、
すなわち、LRLGVELKRYLR(配列番号4)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
4)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、グリシン(glycine:G);
X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
X4は、アラニン(alanine:A);
X5は、ロイシン(leucine:L);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アスパラギン酸(aspartic acid:D)である、
ポリペプチドであり、
すなわち、KLGVEALRYLD(配列番号5)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
5)上記一般式中、
nは、0;
X1は、アルギニン(arginine:R);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチドであり、
すなわち、RLRVKLRRYLR(配列番号15)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
6)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチドであり、
すなわち、KLRVKLRRYLR(配列番号16)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
7)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、アラニン(alanine:A)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチドであり、
すなわち、KLRVKLRRALR(配列番号10)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
8)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、トリプトファン(tryptophan:W)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチドであり、
すなわち、KLRVKLRRWLR(配列番号11)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;および
9)上記一般式中、
nは、0;
X1は、リシン(lysine:K);
X2は、アルギニン(arginine:R);
X3は、リシン(lysine:K);
X4は、ロイシン(leucine:L);
X5は、アルギニン(arginine:R);
X6は、リシン(lysine:K)、および
X7は、アルギニン(arginine:R)である、
ポリペプチドであり、
すなわち、KLRVKLRRKLR(配列番号12)のアミノ酸配列を有するポリペプチド。
本明細書において使用された用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合によりアミノ酸残基が互いに結合されて形成された線形(linear)の分子を意味する。本発明のポリペプチドは、分子生物学的な方法と共に、当業界における公知の化学的合成方法(例えば、固相合成技術( 例えば、solid-phase synthesis techniques))によって製造できる(Merrifield,J.Amer.Chem.Soc.85:2149-54(1963);Stewart,et al.,Solid Phase Peptide Synthesis、2nd.ed.,Pierce Chem.Co.:Rockford、111(1984))。
また、本発明のポリペプチドの範囲には、本発明のポリペプチドと同等な生物学的活性を示すアミノ酸配列の変異を有する生物学的機能同等物が含まれ得る。このようなアミノ酸配列の変異は、アミノ酸の側鎖置換体の相対的類似性、例えば、疎水性、親水性、電荷およびサイズ等に基づいてなされる。アミノ酸の側鎖置換体のサイズ、形態および種類に対する分析によって、アルギニン、リシンとヒスチジンは、いずれも、正電荷を帯びた残基であり;アラニン、グリシンとセリンは、類似したサイズを有し;フェニルアラニン、トリプトファンとチロシンは、類似した形態を有することが分かる。したがって、このような考慮事項に基づいて、アルギニン、リシンとヒスチジン;アラニン、グリシンとセリン;そしてフェニルアラニン、トリプトファンとチロシンは、生物学的に機能同等物といえる。
変異を導入するにあたって、アミノ酸の疎水性インデックスが考慮されることができる。それぞれのアミノ酸は、疎水性と電荷によって疎水性インデックスが付与されている。また、類似した親水性値(hydrophilicity value)を有するアミノ酸間の置換が同等な生物学的活性を有するペプチドを招くことも知られている。
分子の活性を全体的に変更させないペプチドにおけるアミノ酸交換は、当該分野において一般的に知られている(H.Neurath,R.L.Hill,The Proteins,Academic Press,New York,1979)。最も通常的に起こる交換は、アミノ酸残基Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Thy/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、Asp/Gly間の交換である。
上述した生物学的同等活性を有する変異を考慮すると、本発明のポリペプチドは、配列リストに記載された配列と実質的な同一性(substantial identity)を示す配列も含むものと解釈される。上記の実質的な同一性は、本発明の配列と任意の他の配列を最大限対応するようにアラインし、当業界において通常的に用いられるアルゴリズムを用いてアラインされた配列を分析した場合に、最小80%の相同性、90%の相同性または95%の相同性を示す配列を意味し得る。配列比較のためのアラインメント方法は、当業界において一般的に知られている(Huang et al.,Comp.Appl.BioSci.8:155-65(1992);Pearson et al.,Meth.Mol.Biol.24:307-31(1994))。
また、本発明の一具現例において、本発明による配列一般式で表されるポリペプチドは、L型、D型およびペプトイド(peptoid)を含むペプチド模倣体または非天然アミノ酸でありうる。
上記D型ポリペプチドは、L型ポリペプチドとアミノ酸配列が同じ鏡像異性体であり、allomeric typeのポリペプチドを意味する。
本発明の具体的な実施例において、例えば、FP12-NH(配列番号6)とアミノ酸配列が同じallomeric typeのポリペプチドとしてallD FP12-NH(配列番号8)を提供する。
本明細書においてポリペプチドを命名して使用された用語「allD」は、D型ポリペプチドを指す。
上記L型、D型およびペプトイド(peptoid)を含むペプチド模倣体または非天然アミノ酸のポリペプチドは、定められたアミノ酸配列によって当業界における公知の様々な方法で製造できる。
本発明の一具現例において、本発明による配列一般式で表されるポリペプチドの末端をアルキレーション(Alkylation)、ペギュレーション(PEGylation)またはアミデーション(Amidation)したものでありうる。
本発明の具体的な実施例において、本発明によるポリペプチドのうちallD FP13-NH(AcOH)(配列番号13)のN末端をペギュレーションして、PEG-allD FP13-NH(AcOH)(配列番号14)を提供する。これに制限されないが、上記ペギュレーションのために、本発明によるポリペプチドとFmoc-NH-PEG2-CHCOOHを反応させることができ、この際、polyethylene glycolのMw(分子量)は、385.4Daである。
選択されるポリペプチドによって通常の技術者がペギュレーションのための条件を調節することができ、ペギュレーションする方法は、当業界における公知の様々な方法に従うことができる。
アルキレーションまたはアミデーションも、選択されるポリペプチドによって通常の技術者がアルキレーションまたはアミデーションのための条件を調節することができ、アルキレーションまたはアミデーションする方法は、当業界における公知の様々な方法に従うことができる。
本発明の一具現例において、本発明による配列一般式で表されるポリペプチドのC末端にアミン基(NH)が追加されたものでありうる。
本発明の具体的な実施例において、本発明によるポリペプチドのうちFP12(配列番号15)のC末端にアミン基(NH)が追加されたポリペプチドとしてFP12-NH(配列番号6)を提供する。
本明細書においてポリペプチドを命名して使用された用語「-NH」は、ポリペプチドのC末端にアミン基(NH)が追加されたものを指す。
ポリペプチドのC末端にアミン基(NH)を追加することは、当業界における公知の様々な方法に従うことができる。
また、本発明のポリペプチドの範囲には、その薬学的に許容可能な塩も含まれ得る。
本明細書において使用された用語「薬学的に許容可能な」は、過度な毒性、刺激、アレルギー反応またはその他問題点や合併症なしにベネフィット/リスクの割合が合理的であるので、対象体(例:ヒト)の組織と接触して使用するのに適しており、健全な医学的判断の範疇以内であるペプチドを意味する。上記薬学的に許容可能な塩は、例えば薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩および薬学的に許容可能な金属塩を含む。
好適な酸の例としては、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、グルコン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。酸付加塩は、通常の方法、例えば化合物を過量の酸水溶液に溶解させ、この塩をメタノール、エタノール、アセトンまたはアセトニトリルのような水混和性有機溶媒を使用して沈殿させて製造することができる。また、同モル量の化合物および水中の酸またはアルコールを加熱し、引き続いて、上記混合物を蒸発させて乾燥させたり、または析出された塩を吸引濾過させて製造することができる。
好適な塩基から誘導された塩は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属、およびアンモニウム等を含むことができるが、これに制限されるものではない。アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、例えば化合物を過量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物溶液中に溶解し、非溶解化合物塩を濾過した後、ろ液を蒸発、乾燥させて得ることができる。この際、金属塩としては、特にナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩を製造することが製薬上好ましく、また、これに対応する銀塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を適当な銀塩(例、硝酸銀)と反応させて得ることができる。
上述したポリペプチドの薬学的に許容可能な塩の一環として、本発明は、上述したポリペプチドのアセテート塩を提供する。
より具体的に、本発明によるポリペプチドのトリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid:TFA)のアセテート塩置換体を提供する。
より具体的に、本発明は、上述した配列一般式で表されるポリペプチド;L型、D型およびペプトイド(peptoid)を含むペプチド模倣体または非天然アミノ酸であるポリペプチド;末端がアルキレーション(Alkylation)、ペギュレーション(PEGylation)またはアミデーション(Amidation)したポリペプチド;またはC末端にアミン基(NH)が追加されたポリペプチドのアセテート塩を提供する。
本明細書においてポリペプチドを命名して使用された用語「(AcOH)」は、ポリペプチドのアセテート塩を意味する。
本発明によるポリペプチドとその塩置換体は、以下の特徴のうち1つ以上の特徴を有する:
グラム陰性菌のリポポリサッカライド(LPS)への結合能;
バクテリア細胞膜の選択的破壊能;
タンパク質分解酵素に対する抵抗性;
グラム陽性菌の細胞膜破壊能;および
グラム陽性菌由来のLTA(lipoteichoic acid)またはLPP(lipoprotein)への結合能。
本発明の具体的な実施例では、本発明によるポリペプチドとその塩置換体の後述するような特徴を確認したが、これらの特徴に制限されるものではない。
本発明の具体的な実施例では、本発明によるポリペプチドとその塩置換体がリポポリサッカライド(LPS)に強い結合力を有することを確認した(実施例1)。
また、本発明の具体的な実施例では、本発明によるポリペプチドとその塩置換体がバクテリア細胞膜に対する破壊能を有することを確認した(実施例6および実施例11)。特に、赤血球細胞膜に対しては破壊能を示さないところ、安全性が立証された(実施例6)。
また、本発明の具体的な実施例では、本発明によるポリペプチドとその塩置換体がタンパク質分解酵素に対する優れた抵抗性を有することを確認した(実施例7)。タンパク質分解酵素とともに処理しても、優れた抗菌活性を示すところ、タンパク質分解酵素に対して安定性を確保していることを確認した。
また、本発明の具体的な実施例では、本発明によるポリペプチドとその塩置換体がグラム陽性菌の細胞壁の成分であるLTA(lipoteichoic acid)とLPP(lipoprotein)に優れた結合力を有することを確認した(実施例12)。
また、本発明の具体的な実施例では、本発明によるポリペプチドとその塩置換体が微々たる溶血活性を示すので、非常に毒性が低いことを確認した(実施例4)。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、敗血症の予防、改善または治療用組成物を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、敗血症の予防、改善または治療用薬学的/食品/健康食品/化粧品/医薬部外品/飼料組成物を提供する。
本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を、これを必要とする個体に投与する段階を含む敗血症の予防または治療方法を提供する。
更に、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の敗血症に対する予防、改善または治療用途を提供する。
しかも、本発明は、敗血症の予防、改善または治療用製剤の製造のための上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の用途を提供する。
本明細書において使用された用語「敗血症」とは、微生物に感染して全身に深刻な炎症反応が現れる状態をいう。体温が38℃以上に上がる発熱症状あるいは36℃以下に下がる低体温症、呼吸数が1分当たり24回以上に増加(頻呼吸)、1分当たり90回以上の心拍数(頻脈)、血液検査上の白血球数の増加あるいは顕著な減少の中で、2つ以上の症状を示す場合、これを全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome;SIRS)と呼ぶ。このような全身性炎症反応症候群が微生物の感染によるものである場合、敗血症という。身体の感染病巣から病原菌が持続的または断続的に血流に入り、複数の臓器の組織に定着して病巣を作り、激しい全身症状を示すものである。原因菌としては、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、緑膿菌、結核菌、肺炎桿菌、真菌、嫌気性菌等があるが、これに制限されない。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、抗菌用組成物を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、抗菌用薬学的/食品/健康食品/化粧品/医薬部外品/飼料組成物を提供する。
本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を、これを必要とする個体に投与する段階を含む抗菌方法を提供する。
更に、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の抗菌用途を提供する。
しかも、本発明は、抗菌剤の製造のための上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の用途を提供する。
本明細書において使用された用語「抗菌」または「抗菌活性」とは、細菌やかびのような微生物に対して抵抗する性質を意味し、より詳細には、抗生物質等が細菌の成長または増殖を抑制する特性を意味する。
本明細書において使用された用語「抗菌用組成物」は、細菌やかびのような微生物の生育を阻害する活性を有する組成物であり、抗菌効果が要求される様々な分野において使用されるすべての形態が含まれ得、例えば、医薬品、化粧品、医薬部外品、食品添加剤または飼料添加剤等の形態でありうる。具体的に、医薬においては抗生剤や汚染防止剤のような目的で、食品においては防腐や抗菌目的で、農業においては抗菌、殺菌、消毒の目的で、化粧品や生活用品においてはふけ抑制用、水虫防止用、ワキガ臭抑制用、抗にきび用など微生物と直接関係のある製品に使用したり、清掃用洗浄剤や食器洗浄用洗浄剤等に防腐や抗菌または殺菌目的で使用することができ、このような目的にのみ限定されるものではない。
本発明の一具現例において、本発明による抗菌用組成物の抗菌対象は、グラム陰性菌、グラム陽性菌、抗生剤耐性グラム陰性菌および抗生剤耐性グラム陽性菌等が含まれる。
本明細書において使用された用語「グラム陰性菌(gram negative bacteria)」は、グラム染色法で染色する際に赤色に染色される細菌を意味するもので、一般的に色素抵抗力が強く、界面活性剤の耐性が強い。本発明のグラム陰性菌には、エンドトキシン(endotoxin)を保有するすべての種類のグラム陰性菌が含まれ、例えば、エシェリキア(Escherichia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、サルモネラ(Salmonella)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、ナイセリア(Neisseria)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、シゲラ(Shigella)属、モラクセラ(Moraxella)属、ヘリコバクター(Helicobacter)属、ステノトロホモナス(Stenotrophomonas)属、ブデロビブリオ(Bdellovibrio)属、レジオネラ(Legionella)属菌株等が含まれ、これに制限されない。具体的に、グラム陰性菌には、大腸菌(Escherichia coli)、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)、シュードモナス・ペルツシノゲナ(Pseudomonas pertucinogena)、シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、アシネトバクター・ルオフィイ(Acinetobacter lwoffii)、アシネトバクター・カルコアセティカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アシネトバクター・ヘモリティカス(Acinetobacter haemolyticus)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)、サルモネラ・ボンゴリ(Salmonella bongori)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・ガリナルム(Salmonella gallinarum)、サルモネラ・プロラーム(Salmonella pullorum)、サルモネラ・ムバンダカ(Salmonella mbandaka)、サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis)、サルモネラ・トンプソン(Salmonella thompson)、サルモネラ・インファンティス(Salmonella infantis)、サルモネラ・ダービー(Salmonella derby)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・グラニュロマティス(Klebsiella granulomatis)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、クレブシエラ・テリゲナ(Klebsiella terrigena)、ナイセリア・ゴノロエエ(Neisseria gonorrhoeae)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、シゲラ・ボイディイ(Shigella boydii)、シゲラ・ディセンテリアエ(Shigella dysenteriae)、シゲラ・フレクスネリ(Shigella flexneri)、シゲラ・ソンネイ(Shigella sonnei)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、モラクセラ・ラクナータ(Moraxella lacunata)、モラクセラ・ボビス(Moraxella bovis)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、ヘリコバクター・ヘイルマニ(Helicobacter heilmannii)、ヘリコバクター・フェリス(Helicobacter felis)、ヘリコバクター・ムステラエ(Helicobacter mustelae)、ヘリコバクター・フェネリアエ(Helicobacter fenelliae)、ヘリコバクター・ラッピニ(Helicobacter rappini)、ヘリコバクター・ヘパティカス(Helicobacter hepaticus)、ヘリコバクター・ビリス(Helicobacter bilis)、ヘリコバクター・プローラム(Helicobacter pullorum)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、ステノトロホモナス・ニトリティレデュセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)、ブデロビブリオ・バクテリオボルス(Bdellovibrio bacteriovorus)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、レジオネラ・アニーサ(Legionella anisa)、レジオネラ・バーミンガメンシス(Legionella birminghamensis)、レジュネラ・ボゼマニー(Legionella bozemanii)、レジオネラ・シンシンナティエンシス(Legionella cincinnatiensis)、レジオネラ・ダモフィイ(Legionella dumoffii)、レジオネラ・フィーレイイ(Legionella feeleii)、レジュネラ・ゴルマニー(Legionella gormanii)、レジオネラ・ハッケリアエ(Legionella hackeliae)、レジオネラ・イスラエレンシス(Legionella israelensis)、レジオネラ・ジョルダニス(Legionella jordanis)、レジオネラ・ランシンゲンシス(Legionella lansingensis)、レジオネラ・ロングビーチアエ(Legionella longbeachae)、レジオネラ・マセアケルニイ(Legionella maceachernii)、レジオネラ・ミクダデイ(Legionella micdadei)、レジオネラ・オークリジェンシス(Legionella oakridgensis)、レジオネラ・セントヘレンシ(Legionella sainthelensi)、レジオネラ・ツクソネンシス(Legionella tucsonensis)、レジオネラ・ワズワーシイ(Legionella wadsworthii)等が含まれて、これに制限されない。
本明細書において使用された用語「グラム陽性菌(gram positive bacteria)」は、グラム染色で群青色または紫色に染色される細菌であり、Staphylococcus属、Enterococcus属、Streptococcus属、Clostridium属菌株等が含まれ、これに制限されない。具体的に、グラム陽性菌には、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミジス(Staphylococcus epidermidis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、バチルス・アンシラシス(Bacillus anthracis)等が含まれ、これに制限されない。
本明細書において使用された用語「抗生剤耐性グラム陽性菌」には、例えば、Methicillin耐性グラム陽性菌、Carbapenem耐性グラム陽性菌、Vancomycin耐性グラム陽性菌、Macrolideおよび多剤耐性グラム陽性菌等が含まれ、これに制限されない。
本明細書において使用された用語「抗生剤耐性グラム陰性菌」には、例えば、Streptomycin耐性グラム陰性菌、Colistin耐性グラム陰性菌、Carbapenem耐性グラム陰性菌、Chloramphenicol耐性グラム陰性菌、Tetracyclines耐性グラム陰性菌、Cefotaxime耐性グラム陰性菌、┐enem耐性グラム陰性菌、拡張型β-ラクタム系抗生剤分解酵素(ESBL;Extended Spectrum Beta Lactamase)耐性グラム陰性菌、Tigecycline耐性グラム陰性菌および多剤耐性グラム陰性菌等が含まれ、これに制限されない。
本発明の一具現例において、上記抗菌用組成物の抗菌対象菌は、Escherichia coli DH5α、Escherichia coli K1、Acinetobacter baumannii、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella enteritidis、Salmonella typhimurium、Klebsiella pneumoniae、Staphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidisよりなる群から選ばれた1以上でありうる。
また、本発明の一具現例において、上記抗菌用組成物の抗菌対象菌は、拡張型β-ラクタム系抗生剤分解酵素(ESBL;Extended Spectrum Beta Lactamase)耐性菌、カルバペネム耐性菌およびコリスチン耐性菌よりなる群から選ばれた1以上の抗生剤耐性菌でありうる。例えば、上記抗生剤耐性菌は、ESBL(E.coli)、Carbapenem resistant(CR)-Acinetobactor baumannii、CR-Klebsiella pneumoniae、CR-Pseudomonas aeruginosa、およびColistin resistant Acinetobactor baumanniiでありうるが、これに制限されない。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、感染性疾患の予防、改善または治療用組成物を提供する。
また、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、感染性疾患の予防、改善または治療用薬学的/食品/健康食品/化粧品/医薬部外品/飼料組成物を提供する。
本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を、これを必要とする個体に投与する段階を含む感染性疾患の予防または治療方法を提供する。
更に、本発明は、上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の感染性疾患に対する予防、改善または治療用途を提供する。
しかも、本発明は、感染性疾患の予防、改善または治療用製剤の製造のための上記配列一般式で表されるポリペプチドまたは上記配列一般式で表されるポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の用途を提供する。
本明細書において使用された用語「感染性疾患」は、ウイルス、細菌、かび、寄生虫のように病気を起こす病原体が動物やヒトに伝播、侵入して起こす疾患を意味し、本発明の目的上、グラム陰性菌またはグラム陽性菌によって誘発されるすべての感染性疾患を意味する。
例えば、上記感染性疾患には、肺炎、腹膜炎、脳膜炎、創傷感染、骨関節炎、胆嚢炎、尿路感染症、脳髄膜炎、心内膜炎、心筋炎、心外膜炎、関節炎、 咽頭炎 、淋病、細菌性疫痢、腸炎、結膜炎、胃炎、中耳炎、膀胱炎、リンパ管炎等のグラム陰性菌によって誘発される感染性疾患が含まれるか、これに制限されない。
例えば、上記感染性疾患には、咽喉炎、膿痂疹、リウマチ熱、糸球体腎炎、新生児敗血症、髄膜炎、咽頭炎、肺炎、心内膜炎、 猩紅熱 、皮膚軟部組織感染、深部軟組織感染、膿胸および膣炎等のグラム陽性菌によって誘発される感染性疾患が含まれるか、これに制限されない。
本発明の薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常的に使用する適切な担体、賦形剤および希釈剤をさらに含むことができる。本発明による薬学的組成物は、それぞれ、通常の方法により散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾル等の経口型剤形、外用剤、坐剤および滅菌注射溶液の形態で剤形化して使用することができる。
本発明の薬学的組成物に含まれ得る担体、賦形剤および希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアガム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレートおよび鉱物油が挙げられる。
本発明の薬学的組成物を製剤化する場合には、通常的に使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤等の希釈剤または賦形剤を使用して調製される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等が含まれており、このような固形製剤は、上記有効成分に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート、スクロース、ラクトース、ゼラチン等を混ぜて調製される。また、単純な賦形剤以外にマグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用される。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤等が該当するが、頻用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤等が含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレートのような注射可能なエステル等を使用できる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチン等を使用できる。
本明細書において使用された用語「予防」とは、本発明による組成物の投与によって疾患による症状を遮断したり、抑制または遅延させるすべての行為を意味する。
本明細書において使用された用語「治療」または「改善」とは、本発明による組成物の投与によって症状が好転したり有益に変更されるすべての行為を意味する。
本明細書において使用される用語「投与」は、任意の適切な方法で個体に所定の本発明の組成物を提供することを意味する。
本明細書において使用された用語「個体」とは、病気の予防または治療を必要とする対象を意味する。例えば、上記個体は、ヒト、または非ヒトである霊長類、マウス(mouse)、犬、猫、馬、羊および牛を含む哺乳類でありうる。
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与される。上記「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的なベネフィット/リスクの割合で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量水準は、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路および排出比率、治療期間、同時使用される薬物を含む要素およびその他医学分野によく知られた要素によって決定することができる。好ましい投与量は、個体の状態および体重、病気の程度、薬物形態、投与経路および期間によって選択することができる。具体的な例として、上記薬学的組成物は、0.001~1000 mg/kg、0.01~100mg/kg、0.01~10mg/kg、0.1~10mg/kgまたは0.1~1mg/kgの量を1日に1回~数回に分けて投与することができる。上記した要素を全部考慮して副作用なしに最小限の量で最大効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは、当業者によって決定することができる。具体的に、本発明による薬学的組成物の有効量は、患者の年齢、性別、状態、体重、体内での活性成分の吸収度、不活性率および排泄速度、病気の種類、併用される薬物によって変わることができる。
本発明の薬学的組成物は、個体に様々な経路で投与することができる。投与のすべての方式は予想されることができるが、例えば、経口、直腸または静脈、筋肉、皮下、子宮内硬膜または脳血管内注射によって投与することができる。
本発明による薬学的組成物は、上記有効成分以外に敗血症または敗血症性ショック;抗菌;感染性疾患の改善、予防または治療効果を有する公知の物質を1つ以上さらに含むことができる。
本発明による薬学的組成物は、上記有効成分以外に、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤または消炎鎮痛剤をさらに含むことができる。
例えば、上記気管支拡張剤としては、β効能剤、抗コリン剤、メチルキサンチン等を使用でき、上記抗ヒスタミン剤としては、アクリバスチン(acrivastine)、セチリジン(cetirizine)、デスロラタジン(desloratadine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、レボセチリジン(levocetirizine)、ロラタジン(loratadine)、ミゾラスチン(mizolastine)、アリメマジン(alimemazine)、 クロセチリジン(chlorcetirizine)、クレマスチン(clemastine)、シプロヘプタジン(cyproheptadine)、ヒドロキシジン(hydroxyzine)、ケトチフェン(ketotifen)、プロメタジン(promethazine)等を使用でき、上記消炎鎮痛剤としては、アスピリン(aspirin)、ジクロフェナク(diclofenac)、フェノプロフェン(fenoprofen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、イブプロフェン(ibuprofen)、インドメタシン(indomethacin)、ケトプロフェン(ketoprofen)、ナプロキセン(naproxen)、ピロキシカム(piroxicam)、スリンダク(sulindac)、セレコキシブ(celecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)等を使用できる。
本発明の具体的な実施例では、本発明によるポリペプチドとその塩のLPSとの結合能を測定して、本発明によるポリペプチドおよびその塩がLPSとの結合力が高いことを確認した(実施例1)。
また、本発明の具体的な実施例では、本発明によるポリペプチドとその塩が、優れた抗菌活性を示すことを確認した(実施例2、実施例3および実施例10)。
また、本発明の具体的な実施例では、本発明によるポリペプチドとその塩が、強い抗生効果を示すことを確認した(実施例8および実施例9)。
また、本発明は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
本明細書において使用された用語「ポリヌクレオチド(polynucleotide)」は、単鎖または二本鎖の形態で存在するデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドの重合体である。RNAゲノム配列、DNA(gDNAおよびcDNA)およびこれから転写されるRNA配列を包括し、特に別の言及がない限り、天然のポリヌクレオチドの類似体を含む。
上記ポリヌクレオチドは、上記ヌクレオチド配列だけでなく、その配列に相補的な(complementary)配列も含む。上記相補的な配列は、完ぺきに相補的な配列だけでなく、実質的に相補的な配列も含む。これは、当業界における公知の厳しい条件(stringent conditions)下で、上記ヌクレオチド配列とハイブリダイゼーションしうる配列を意味する。
また、上記ポリヌクレオチドは変形が可能である。上記変形は、ヌクレオチドの追加、欠失または非保存的置換または保存的置換を含む。上記アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドは、上記ヌクレオチド配列に対して実質的な同一性を示すヌクレオチド配列も含むものと解釈される。上記の実質的な同一性は、上記ヌクレオチド配列と任意の他の配列を最大限対応するようにアラインし、当業界において一般的に用いられるアルゴリズムを用いてアラインされた配列を分析した場合に、最小80%の相同性、最小90%の相同性または最小95%の相同性を示す配列でありうる。
また、本発明は、上記ポリヌクレオチドを含む組換えベクターを提供する。
本明細書において使用された用語「ベクター(vector)」は、宿主細胞で目的遺伝子を発現させるための手段を意味する。例えば、プラスミドベクター、コスミドベクターおよびバクテリオファージベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターおよびアデノ随伴ウイルスベクターのようなウイルスベクターを含む。上記組換えベクターとして使用可能なベクターは、当業界において頻用されるプラスミド(例えば、pSC101、pGV1106、pACYC177、ColE1、pKT230、pME290、pBR322、pUC8/9、pUC6、pBD9、pHC79、pIJ61、pLAFR1、pHV14、pGEXシリーズ、pETシリーズおよびpUC19等)、ファージ(例えば、λλλλΔおよびM13等)またはウイルス(例えば、CMV、SV40等)を操作して製作することができる。
上記組換えベクターにおいて上記ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、プロモーターに作動可能に連結されうる。本明細書において使用された用語「作動可能に連結された(operatively linked)」は、ヌクレオチド発現調節配列(例えば、プロモーター配列)と他のヌクレオチド配列との間の機能的な結合を意味する。したがって、これによって、上記調節配列は、上記他のヌクレオチド配列の転写および/または解読を調節することができる。
上記組換えベクターは、典型的にクローニングのためのベクターまたは発現のためのベクターとして構築することができる。上記発現用ベクターは、当業界において植物、動物または微生物で外来のタンパク質を発現するのに用いられる通常のものを使用できる。上記組換えベクターは、当業界における公知の様々な方法を用いて構築することができる。
また、本発明は、上記組換えベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。
宿主細胞は、当業界における公知のいかなる宿主細胞も用いることができ、原核細胞としては、例えば、E.coli JM109、E.coli BL21、E.coli RR1、E.coli LE392、E.coli B、E.coli X 1776、E.coli W3110、バチルス・サブティリス、バチルス・チューリンゲンシスのようなバチルス属菌株、そしてサルモネラ・チフィムリウム、セラチア・マルセッセンスおよび様々なシュードモナス種のような腸内菌と菌株等があり、真核細胞に形質転換させる場合には、宿主細胞として、酵母(Saccharomyce cerevisiae)、昆虫細胞、植物細胞および動物細胞、例えば、SP2/0、CHO(Chinese hamster ovary)K1、CHO DG44、PER.C6、W138、BHK、COS-7、293、HepG2、Huh7、3T3、RINおよびMDCK細胞株等を用いることができる。
本発明は、上記宿主細胞を培養する段階を含む、本発明による配列一般式で表されるポリペプチドの製造方法を提供する。
上記ポリヌクレオチドまたはこれを含む組換えベクターの宿主細胞内への挿入は、当業界において広く知られた挿入方法を使用できる。上記運搬方法は、例えば、宿主細胞が原核細胞である場合、CaCl方法または電気穿孔法等を使用でき、宿主細胞が真核細胞である場合には、微細注入法、カルシウムホスフェート沈殿法、電気穿孔法、リポソーム媒介形質感染法および遺伝子ボンバードメント等を使用できるが、これに限定されない。
上記形質転換された宿主細胞を選別する方法は、選択標識によって発現する表現型を用いて、当業界において広く知られた方法により容易に実施することができる。例えば、上記選択標識が特定抗生剤耐性遺伝子である場合には、上記抗生剤が含有された培地で形質転換体を培養することによって、形質転換体を容易に選別することができる。
以下では、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記実施例により本発明の内容が限定されるものではない。
実施例1:E.coli K1に対するADK由来のペプチド候補のLPS結合能の測定
FP1(ADK 44-54)をWT(wild type)で表記し、WTにおいて様々な部分に対して点突然変異(point mutation)したペプチドを製作した(FP3、FP5、FP6、およびFP9)。FP3の残基配列において、LPSとの相互作用を高めるために、FP3とLPS結合モデルに基づいてペプチドを設計し(FP12-NHおよびFP13-NH)、非天然アミノ酸とアミノ酸異性体(allomeric D型アミノ酸)を追加導入してペプチドを設計した(allD FP12-NH、allD FP13-NH、allD FP-13-9a、allD FP-13-9w、allD FP-13-9k、およびallD FP13-NH(AcOH))。また、N-末端ペグ化(pegylation)したペプチド(PEG-alld FP13-NH(AcOH))を追加設計して、(株)アニジェンから合成後に提供を受けた。提供を受けたそれぞれのペプチドとリポポリサッカライド(lipopolysaccharide,LPS)、2つの物質間のBinding affinity(Kd)を測定するIsothermal Titration Calorimeter(ITC)を用いてLPSとのbinding affinityを確認した。
具体的に、ペプチドとLPS間の結合力(Binding affinity(Kd))の分析方法は、以下の通りである。
Malvern microcal peaq-itc cell装備を使用して測定し、LPSとのinteractionを確認するために、以下のような前処理を行った。Cellのサンプル量および形態は、300μl、coin-shaped、fixed-in-place;シリンジー回転率は、1200RPM;そして温度は、30℃、35℃、25℃とした。
試験前にあらかじめPBSでLPSとpeptideを希釈させて、LPS 2mMとpeptide 0.2mMを作った。Washが終わったITC機器のcell中にpeptide 300μLを入れ、syringeには、LPS 40μLを入れた。ITCの測定条件(温度、injection回数)を設定した後、syringeをcell中に差し、ITC測定を始めた。測定が完了すると、分析を通じてLPSとpeptideのKd値を算出した。
測定結果、FP3、FP5、FP6、FP9、FP12-NH、FP13-NH、allD FP12-NH、allD FP13-NH、allD FP-13-9a、allD FP-13-9w、およびallD FP-13-9k、およびallD FP13-NH(AcOH)のすべての種類のペプチドにおいてLPS binding affinityがあることが確認され、FP1(wild type,WT)と同等またはそれ以上の強いLPS binding affinityを示すことが分かった。
Figure 2022521543000002
Figure 2022521543000003
(上記表1および表2で、allDは、D型アミノ酸を意味する。)
(上記表1および表2で、(AcOH)は、ペプチドのN末端から9番目のアミノ酸の末端のTrifluoroacetic acid(TFA)をアセテート塩で置換した塩置換体を意味する。)
(上記表2で、PEGは、ペグ化(pegylation)を意味する。ペプチドN-末端pegylationの情報:PEG(polyethylene glycol)、Mw(分子量)=385.4Da、Fmoc-NH-PEG2-CHCOOH)
実施例2:allD FP13-NH と市販中の抗生剤4種のグラム陽・陰性標準菌株に対する抗菌活性の比較評価
実施例1で設計したペプチドのうち、LPSに強いaffinityを確認したペプチド1種(allD FP13-NH)と市販中の抗生剤4種のグラム陽性・陰性標準菌株に対する抗菌活性を比較確認した。
抗生剤4種(Ampicillin、Gentamicin、Levofloxacin、Imipenem)とallD FP13-NH(AcOH)ペプチドの抗菌活性を比較するために、グラム陰性およびグラム陽性標準菌株(Escherichia coli DH5α、Escherichia coli K1、Acinetobacter baumannii、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella enteritidis、Salmonella typhimurium、およびKlebsiella pneumoniae)に対する最小阻害濃度(Minimum Inhibitory Concentration、MIC50とMIC80)の測定を通した抗菌活性実験法で評価した。
より具体的に、96 well plateの各wellに培地100μLと1列目に培地200μLと抗生剤およびペプチドを分注した。1列目から11列目まで1/2ずつserial dilutionし、あらかじめ培養したグラム陰性およびグラム陽性バクテリアを希釈して(希釈時にOD600nmの値は約0.0025)、各wellに分注した。Plateを37℃インキュベーターで4時間培養した後、OD600nmで測定した。blank(培地と菌のみが入ったwell)のOD600nmの値で菌の生長率を100%で算定し、生長抑制率が50%のOD600nm値を有する抗生剤およびペプチドの濃度を確認して、MIC50で算出し、生長抑制率80%は、MIC80に該当する濃度(μg/ml)で算出した。
その結果、allD FP13-NH(AcOH)ペプチドは、市販中の抗生剤4種(Ampicillin、Gentamicin、Levofloxacin、Imipenem)と比較して、同等またはさらに優れた程度でグラム陽性・陰性菌株7種全体に対して抗菌活性を示すことを確認することができた。
Figure 2022521543000004
実施例3:ペプチドおよび抗生剤3種の抗生剤耐性バクテリア(ESBLおよびカルバペネム耐性バクテリア)に対する抗菌活性の比較評価
ペプチド9種を対象に抗菌活性を分析するために、AMP(ampicillin)、imipenem、colistinと5種の抗生剤耐性バクテリア(ESBL-E.coli、Carbapenem resistant A.baumannii、Carbapenem resistant Klebsiella pneumoniae、Carbapenem resistant Pseudomonas aeruginosa、Colistin resistant Acinetobactor baumannii)に対する抗菌活性を確認した。
最小阻害濃度(MIC50、Minimum Inhibitory Concentration 50、50%の菌を死滅させる最小濃度)の測定を通した抗菌活性実験法で評価した。
より具体的に、96 well plateの各wellに培地100μLと1列目に培地200μLと抗生剤およびペプチドを分注した。1列目から11列目まで1/2ずつserial dilutionし、あらかじめ培養した5種の抗生剤耐性バクテリア(ESBL-E.coli、Carbapenem resistant A.baumannii、Carbapenem resistant Klebsiella pneumoniae、Carbapenem resistant Pseudomonas aeruginosa、Colistin resistant Acinetobactor baumannii)を希釈して(希釈時にOD600nmの値は約0.0025)、各wellに分注した。Plateを37℃インキュベーターで4時間培養した後、OD600nmで測定した。blank(培地と菌のみが入ったwell)のOD600nmの値で菌の生長率を100%で算定し、生長率が50%のOD600nmの値を有する抗生剤およびペプチドの濃度を確認して、MIC50値を算出した。
その結果、本発明によるペプチドにおいて比較抗生剤3種(AMP(ampicillin)、imipenem、colistin)に比べて抗菌活性が改善されたことを確認した。特に、これらの抗生剤に対する耐性菌(特に、カルバペネム、コリスチン耐性菌株)に対しても抗菌活性があることを確認した。
Figure 2022521543000005
実施例4:ペプチドの溶血活性の測定
ヒトの赤血球溶血活性の測定を通してペプチドの毒性の有無を判別するために、以下のような実験を実施した。
ヒトの赤血球をPBSで希釈した後、10分間遠心分離して3回洗浄した。PBSで希釈した8.0%赤血球溶液を96ウェルマイクロ滴定プレートに100μlずつローディングした後、ペプチド溶液100μlずつ混ぜた後、37℃で1時間培養した後、96ウェルマイクロ滴定プレートを5分間遠心分離した。上澄み液を100μlずつ取って、他の96ウェルマイクロ滴定プレートに移した後、405nmでの吸光度を測定した。この際、0.1%トリトンX-100で処理した場合の値を100%溶血で計算し、ペプチドの溶血活性を%hemolysisとして下記数式1によって算出した。
ここで、Aは、ペプチド溶液における405nmの吸光度であり、Bは、0.1%トリトンX-100における405nmの吸光度であり、Cは、PBS溶液における405nmの吸光度を示す。
この際、対照群のペプチドとして強い抗菌活性を有すると同時に、強い溶血活性を示す抗菌ペプチドであるメリチンを使用した。
Figure 2022521543000006
その結果、図1に示されたように、本発明によるペプチドは、100uMの高濃度でもほとんど溶血活性を示さなくて、毒性が低いことが分かった。反面、対照群であるメリチンは、低い濃度でも100%溶血活性を示すことで、毒性が非常に高いことが分かった。
実施例5:円偏光二色性分光法を用いたペプチド2次構造の測定
FP12-NHとFP13-NHペプチドの2次構造を測定するために、以下のようにして実施した。
生体膜類似環境でのペプチドの2次構造を研究するために、水溶液、100mM SDS、50mM DPCでペプチド試料当たり100μMになるように、溶媒0.3mlに溶かした。1mm path lengthのcellを用いてJasco J-720円偏光二色性分光器で100nm/minの注射速度で0.1nmごとに吸収値が得られ、6回の注射が平均になって測定値を得た。
円偏光二色性分光法は、ポリペプチドの主骨格の2次構造によって特徴的な吸収形態を示す。FP12-NHとFP13-NHペプチドは、水溶液では2次構造を有しないが、生体膜類似環境であるDPC micelleでは、α-helix構造の特徴的な吸収形態である208、222nm近くの波長で2つの最小点を有した(図2)。
上記結果から、これらのペプチドは、バクテリアの生体膜においてα-helix構造を形成することで、抗菌活性を示すものであることを予測することができる。反面、D-amino acid置換をしたall_D(FP12-NH)、all_D(FP13-NH)ペプチドは、正確に母体ペプチドの鏡像を有することが分かった。母体ペプチドのCD spectrumがright-handed α-helix(右巻きアルファヘリックス)構造を有することとは反対に、negative intensityを有することで、left-handed α-helix構造を有することを確認した(図2)。
実施例6:グラム陰性バクテリア細胞膜と赤血球細胞膜を模倣するリポソームに対するペプチドの破壊能の測定
FP12-NH、FP13-NH、allD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドを対象に作用機序を研究するために、バクテリア細胞膜と赤血球細胞膜を模倣するリポソームに対するペプチドの破壊能を測定した。
ペプチドの抗菌作用がバクテリアの細胞膜を標的として細菌を殺す作用機序を示すものであるかを確認するために、蛍光染料(fluorescent dye)であるカルセイン(calcein)を捕獲させたグラム陰性バクテリアの細胞膜を模倣するEYPC/EYPG(7:3、w/w)で構成されたリポソームとヒトの赤血球を模倣するEYPC/CH(1:10、w/w)を製作して、以下の蛍光染料放出実験(dye leakage assay)を行った。
EYPGは、egg yolk L-α-phosphatidyl-DL-glycerolの略語であり、EYPCは、egg yolk 1,2-diacyl-sn-glycero-3-phosphocholineの略語である。CHは、コレステロールの略字である。各構成成分の含量に基づいて構成されたリン脂質をクロロホルムに溶かした後、rotary evaporatorでクロロホルムを除去し、一晩中凍結乾燥させた。その後、乾燥した脂質フィルムをトリス-緩衝溶液にカルセインを溶かして、液体窒素で冷凍-解凍を繰り返した後、extruder装置を用いてカルセインを捕獲したリポソームを製作した。しかして、Spectrofluorimeter(Shimadzu RF 5301 PC spectrofluorimeter,Japan)のexcitation wavelengthを490nmに、emission wavelengthを520nmに合わせ、リポソームにペプチドを投与して、100% dye leakageは、0.01% Triton-X100を入れたときの蛍光強度で表示して、相対的な染料放出を測定した。
その結果を図3に示した。図3の上段は、ペプチドによる蛍光染料(fluorescent dye)カルセイン(calcein)を捕獲させた、バクテリア細胞を模倣するEYPC/EYPG(7:3、w/w)リポソームに対する%染料放出(dye leakage)をペプチド濃度によって示すものであり、ここでは、対照群(細胞膜標的の作用機序を示すペプチド)として抗菌ペプチドmelittinを使用した。図3の下段は、ペプチドによる蛍光染料(fluorescent dye)カルセイン(calcein)を捕獲させたヒトの赤血球を模倣する中性脂質であるEYPC/CH(10:1、w/w)リポソームに対する%染料放出(dye leakage)をペプチド濃度によって示すものであり、ここでは、対照群(細胞膜標的の作用機序を示すペプチド)として抗菌ペプチドmelittinを使用した。
図3に示されたように、対照ペプチドであるmelittinは、低い濃度でもバクテリアの細胞膜を模倣するPC/PG(7:3、w/w)で構成されたリポソームからカルセインを放出させた。ヒトの赤血球を模倣するPC/CH(10:1、w/w)リポソームにおいてMelittinが0.25μMで100%に近いカルセイン放出を起こして、全くバクテリア細胞に対する選択性を示さなく、毒性の非常に高いことを予測することができる。
反面、FP12-NH、FP13-NH、allD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドは、バクテリア細胞膜を模倣するPC/PG(7:3、w/w)リポソームに対して大きい染料放出を起こして、バクテリア細胞膜破壊能が高いことが分かった。FP12-NH、FP13-NH、allD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドは、選択的に哺乳動物の赤血球細胞膜を模倣するPC/CH(1:1、w/w)リポソームに対しては、ほとんど染料放出を示さなくて、低い溶血活性と一致する結果を示した。したがって、本発明によるペプチドは、バクテリア細胞膜を選択的に破壊する作用機序を有することが分かった。
実施例7:ペプチドのタンパク質分解酵素抵抗性の測定を通した安定性の評価
設計されたallD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドのタンパク質分解酵素抵抗性の測定を通して血液内安定性を確認した。
より具体的に、3つのタンパク質分解酵素であるtrypsin、protease K、chymotrypsinに対する抵抗性を確認するために、タンパク質分解酵素を処理した後、E.coli、A.baumanniiおよびS.aureusに対するペプチドの抗菌活性を測定した。
その結果、非天然アミノ酸であるD-amino acid置換を経て設計されたallD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドは、これらのタンパク質分解酵素に対する抵抗性が非常に増進されたことを確認することができた。
表5でのE.coli、A.baumanniiに対する実験で、allD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドは、タンパク質分解酵素を処理しない場合と比較して、類似しているか、または2~4倍程度減少されることに過ぎない抗菌活性を示すことによって、安定性の非常に高い高機能性ペプチドであることを確認した。
また、表6でのS.aureusに対する実験でも、allD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドは、安定性の非常に高い高機能性ペプチドであることを確認した。
Figure 2022521543000007
Figure 2022521543000008
実施例8:標準菌株E.coli K1と臨床菌株2種に対するallD FP13-NH の抗生効果
ペプチドの抗菌活性の評価のために、E.coli K1(標準菌株)、E.coli(ESBL)とカルバペネム耐性バクテリア(Carbapenem-resistant Acinetobacter baummanii(CRAB))に対するペプチドの抗生効果および治療効果を動物実験を通じて検証した。
E.coli K1(標準菌株)以外に、E.coli(ESBL)とカルバペネム耐性バクテリア(CRAB)は、高麗大学校の感染内科で重症感染症患者から採取した抗生剤耐性菌の分譲を受けた。実験菌は、形態学的に同じ10~20個のコロニーを採取して、好適な液体培地(Mueller Hinton Broth)10mlが入っている試験管に接種して、37℃インキュベーターで12時間培養した。培養液は、1mlずつ滅菌されたクライオチューブーに入れて、-80℃で保管した。
試験菌株は、37℃インキュベーターで2日間培養後[BAP(blood agar plate)]、MHB(Mueller Hinton Broth)液体培地に接種菌株量(1×10または8×10)に合わせて準備し、6週齢マウスの腹腔内に(1mL)注入して、感染を誘導した。各実験グループにマウス(1グループ当たりn=5または6)を区分し、HARTMANN’S DEX solution(vehicle)と混合したallD FP13-NHをマウス腹腔内に0時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間で6回に分けて接種し、12時間間隔で3日生存率(survival rate)を観察した。
その結果、Escherichia coli K1、Escherichia coli(ESBL)、Carbapenem-resistant Acinetobacter baumanniiをそれぞれ感染させた敗血症動物モデルに1kg当たり合計3mgから12mgの濃度範囲で生存率が増加(抗生効果)することを確認した(図4)。実施例1で設計したペプチドが、標準菌株および臨床菌株感染動物モデルでもin vivoで抗生および抗敗血症効果を示すことを検証したものである。
実施例9:ペプチドのアセテート塩置換体
allD FP13-NHのアセテート塩置換体の治療効果および薬物学的効果を確認するために、Escherichia coli(標準菌株およびESBL)菌株をそれぞれ腹腔投与して誘導した敗血症動物モデルあるいは正常マウスにペプチドallD FP13-NH(AcOH)を処理して、塩置換体の抗生効果と、毒性、抗炎症サイトカインIL-6の抑制活性をTrifluoroacetic acid(TFA)末端の同一ペプチドと比較した。
実験方法は、以下の通りである:
6週齢の雌性平均体重25gのICRマウス(SPF mouse、サムタコ社)を実験動物として使用した。実験動物は、滅菌飼料と水を提供し、ケージ別に10匹未満の動物を飼育し、昼夜周期は12時間とした。
試験菌株は、37℃インキュベーターで2日間培養後[BAP(blood agar plate)]、MHB(Mueller Hinton Broth)液体培地に接種菌株量(1×10)に合わせて準備し、6週齢マウスの腹腔内に(1×10/200μl)注入して感染を誘導した。各実験グループにマウス(1グループ当たりn=5または6)を区分し、HARTMANN’S DEX sol(vehicle)と混合したallD FP13-NH(TFA)とallD FP13-NH(AcOH)をマウス腹腔内に0時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間で6回に分けて接種し、12時間間隔で生存率(survival rate)を観察した。
in vivo毒性評価のために、各実験グループにマウス(1グループ当たりn=5または6)を区分し、HARTMANN’S DEX sol(vehicle)と混合したallD FP13-NH(TFA)、allD FP13-NH(AcOH)をマウス腹腔内に0時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間で6回に分けて接種し、12時間間隔、72時間生存率(survival rate)を観察した。
また、BMDC(骨髄由来の樹状細胞)に対するIL-6分泌試験は、allD FP13-NH(TFA)、allD FP13-NH(AcOH)のLPS媒介免疫反応の評価を、ペプチド処理30分後にLPSにより分泌されるサイトカインを比較分析することによって行った。
その結果、敗血症動物モデル(E.coli ESBL誘発モデル)に対する抗生効果および毒性試験の結果、ED50が約1mpk(mg/kg)、LD50が80mpkで希望する反応を示すための薬物用量に対する毒性を示す薬物用量の比(治療指数、therapeutic index=LD50/ED50)が80を上回るので、十分な安全域(safety margin)を確保するこが予想されて、優れた抗敗血症の新薬の開発可能性があることを確認した。また、allD FP13-NH(AcOH)が、LPSにより増加したIL-6の分泌を顕著に減少させることを確認した(図5a~図5c)。
実施例10:allD-typeペプチドのグラム陽性バクテリア3種(S.aureus 2種およびS.epidermidis)に対する抗菌活性の評価
allD-typeペプチドのグラム陽性菌に対する抗菌活性を分析するために、グラム陽性バクテリア3種(S.aureus 2種およびS.epidermidis)に対する抗菌活性を確認した。
最小阻害濃度(MIC50、50%の菌を死滅させる最小濃度;MIC100、菌を完全死滅させるのに要する最小濃度)の測定のために、抗菌活性実験法で評価した。
より具体的に、96 well plateの各wellに培地100μLと1列目に培地200μLと抗生剤およびペプチドを分注した。1列目から11列目まで1/2ずつserial dilutionし、あらかじめ培養した3種のグラム陽性バクテリア(S.aureus 2種およびS.epidermidis)を希釈して(希釈時にOD600nmの値は約0.0025)、各wellに分注した。Plateを37℃インキュベーターで4時間培養した後、OD600nmで測定した。blank(培地と菌のみが入ったwell)のOD600nmの値で菌の生長率を100%で算定し、生長率が50%あるいは100%のOD600nmの値を有するペプチドの濃度を確認して、MIC50とMIC100値を算出した。
その結果、グラム陽性バクテリアに対する抗菌活性分析の結果、非天然アミノ酸とアミノ酸異性体(allomeric D-typeアミノ酸)を追加導入した3種のペプチド(allD FP12-NH、allD FP13-NH、allD FP21-NH)が、Melittinと同等な水準でグラム陽性バクテリアに対する優れた抗菌活性を示すことを確認した。
Figure 2022521543000009
実施例11:グラム陽性バクテリア細胞膜を模倣するリポソームに対するペプチドの破壊能の測定
FP12-NH、FP13-NH、allD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドを対象に作用機序を研究するために、バクテリア細胞膜を模倣するリポソームに対するペプチドの破壊能を測定した。
ペプチドの抗菌作用がグラム陽性バクテリアの細胞膜を標的にしてバクテリアを殺す作用機序を示すものであるかを確認する実験を進めるために、蛍光染料(fluorescent dye)であるカルセイン(calcein)を捕獲させたグラム陽性バクテリアの細胞膜を模倣するEYPG/EYPC(6:4、w/w)で構成されたリポソームを製作して、蛍光染料放出実験(dye leakage assay)を行った。
その結果、FP12-NH、FP13-NH、allD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドは、バクテリア細胞膜を模倣するEYPG/EYPC(6:4、w/w)リポソームに対して多くの染料放出を起こして、バクテリア細胞膜の破壊能に優れていることが分かった。これによって、本発明によるFP12-NH、FP13-NH、allD FP12-NH、allD FP13-NHペプチドが、グラム陽性バクテリア細胞膜を破壊する作用機序も有することが分かった(図6)。
実施例12:allD FP13-NH のグラム陽性菌由来のLTAおよびLPP結合能の測定
ペプチドのグラム陽性菌に対する抗菌活性を確認して作用機序を確認するために、以下の実験を進めた。
allD FP13-NHを用いて、グラム陽性菌(S.aureus)の細胞壁の成分であるLTA(lipoteichoic acid)とLPP(lipoprotein)に対する結合力をITC分析を通じて確認した。
ITC分析法を用いた結合能を確認するところ、実験方法は、実施例1の方法を準用した。
その結果、allD FP13-NHが、グラム陽性菌の細胞壁の成分であるLTAとLPPに結合することを確認した。LTAにLPPが含まれており、突然変異したLTAを含むLPPに結合しないことを確認し、FP13-NHとLTAの結合にLPPがさらに重要な役割をすることが予想された。したがって、FP13-NHのグラム陽性菌に対する抗菌活性機序は、グラム陽性菌の細胞壁の成分であるLPP(lipoprotein)結合が重要であることを確認した。
上述した本発明の説明は例示のためのもので、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できる。したがって、以上で記述した実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的ではないものと理解すべきである。
本発明によるペプチドは、標準バクテリアおよび抗生剤耐性バクテリアの増殖抑制だけでなく、バクテリア由来の内毒素を除去するという優れた効果を有していて、優れた敗血症治療効果を有しており、抗生剤と併用する場合、抗生剤による副作用を最小化することができて、敗血症の予防または治療に有用に用いることができる。また、本発明によるペプチドは、グラム陽性・陰性菌に対して選択的に優れた抗菌活性を有していて、グラム陽性・陰性菌に対する抗菌用組成物またはグラム陽性・陰性菌によって誘発される様々な感染性疾患の予防または治療に有用に用いることができる。また、本発明によるペプチドは、人体に安全なだけでなく、タンパク質分解酵素に対しても安定性を示すので、様々な用途に活用できる。
以下、下記の項目を記載する。
[配列番号、
ポリペプチド名称、
アミノ酸配列]
1
FP1(WT)
Lys Leu Gly Val Glu Ala Lys Arg Tyr Leu Asp
2
FP3
Lys Leu Gly Val Glu Ala Lys Arg Tyr Leu Arg
3
FP5
Leu Arg Leu Gly Val Glu Ala Lys Arg Tyr Leu Arg
4
FP6
Leu Arg Leu Gly Val Glu Leu Lys Arg Tyr Leu Arg
5
FP9
Lys Leu Gly Val Glu Ala Leu Arg Tyr Leu Asp
6
FP12-NH2
Arg Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Tyr Leu Arg
7
FP13-NH2
Lys Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Tyr Leu Arg
8
allD FP12-NH2
Arg Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Tyr Leu Arg
9
allD FP13-NH2
Lys Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Tyr Leu Arg
10
allD FP-13-9a-NH2
Lys Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Ala Leu Arg
11
allD FP-13-9w-NH2
Lys Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Trp Leu Arg
12
allD FP-13-9k-NH2
Lys Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Lys Leu Arg
13
allD FP13-NH2(AcOH)
Lys Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Tyr Leu Arg
14
PEG-allD FP13-NH2(AcOH)
Lys Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Tyr Leu Arg
15
FP12
Arg Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Tyr Leu Arg
16
FP13
Lys Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Tyr Leu Arg
17
allD FP21-NH2
Arg Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Trp Leu Arg
18
allD FP-13-9d-NH2
Lys Leu Arg Val Lys Leu Arg Arg Asp Leu Arg

Claims (27)

  1. 下記の配列一般式で表されるポリペプチド:
    [一般式]
    Ln-X1-L-X2-V-X3-X4-X5-R-X6-L-X7
    上記一般式中、
    nは、0または1;
    Lは、ロイシン(leucine);
    Vは、バリン(valine);
    Rは、アルギニン(arginine);
    X1は、リシン(lysine:K)またはアルギニン(arginine:R);
    X2は、グリシン(glycine:G)またはアルギニン(arginine:R);
    X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E)またはリシン(lysine:K);
    X4は、アラニン(alanine:A)またはロイシン(leucine:L);
    X5は、リシン(lysine:K)またはアルギニン(arginine:R);
    X6は、チロシン(tyrosine:Y)、アラニン(alanine:A)、トリプトファン(tryptophan:W)、リシン(lysine:K)またはアスパラギン酸(aspartic acid:D);および
    X7は、アスパラギン酸(aspartic acid:D)またはアルギニン(arginine:R)、
    ただし、上記一般式中、K-L-G-V-E-A-K-R-Y-L-Dの配列で表されるポリペプチドは除く。
  2. 1)~9)からなる9種のポリペプチドのうちのいずれか1つである、請求項1に記載のポリペプチド:
    1)請求項1の一般式中、
    nは、0;
    X1は、リシン(lysine:K);
    X2は、グリシン(glycine:G);
    X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
    X4は、アラニン(alanine:A);
    X5は、リシン(lysine:K);
    X6は、チロシン(tyrosine:Y)、およびX7は、アルギニン(arginine:R)である、ポリペプチド;
    2)請求項1の一般式中、
    nは、1;
    X1は、アルギニン(arginine:R);
    X2は、グリシン(glycine:G);
    X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
    X4は、アラニン(alanine:A);
    X5は、リシン(lysine:K);
    X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
    X7は、アルギニン(arginine:R)である、ポリペプチド;
    3)請求項1の一般式中、
    nは、1;
    X1は、アルギニン(arginine:R);
    X2は、グリシン(glycine:G);
    X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
    X4は、ロイシン(leucine:L);
    X5は、リシン(lysine:K);X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
    X7は、アルギニン(arginine:R)である、ポリペプチド;
    4)請求項1の一般式中、
    nは、0;
    X1は、リシン(lysine:K);
    X2は、グリシン(glycine:G);
    X3は、グルタミン酸(glutamic acid:E);
    X4は、アラニン(alanine:A);
    X5は、ロイシン(leucine:L);
    X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
    X7は、アスパラギン酸(aspartic acid:D)である、ポリペプチド;
    5)請求項1の一般式中、
    nは、0;
    X1は、アルギニン(arginine:R);
    X2は、アルギニン(arginine:R);
    X3は、リシン(lysine:K);
    X4は、ロイシン(leucine:L);
    X5は、アルギニン(arginine:R);
    X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
    X7は、アルギニン(arginine:R)である、ポリペプチド;
    6)請求項1の一般式中、nは、0;
    X1は、リシン(lysine:K);
    X2は、アルギニン(arginine:R);
    X3は、リシン(lysine:K);
    X4は、ロイシン(leucine:L);
    X5は、アルギニン(arginine:R);
    X6は、チロシン(tyrosine:Y)、および
    X7は、アルギニン(arginine:R)である、ポリペプチド;
    7)請求項1の一般式中、
    nは、0;
    X1は、リシン(lysine:K);
    X2は、アルギニン(arginine:R);
    X3は、リシン(lysine:K);
    X4は、ロイシン(leucine:L);
    X5は、アルギニン(arginine:R);
    X6は、アラニン(alanine:A)、および
    X7は、アルギニン(arginine:R)である、ポリペプチド;
    8)請求項1の一般式中、
    nは、0;
    X1は、リシン(lysine:K);
    X2は、アルギニン(arginine:R);
    X3は、リシン(lysine:K);
    X4は、ロイシン(leucine:L);
    X5は、アルギニン(arginine:R);
    X6は、トリプトファン(tryptophan:W)、および
    X7は、アルギニン(arginine:R)である、
    ポリペプチド;および
    9)請求項1の一般式中、
    nは、0;
    X1は、リシン(lysine:K);
    X2は、アルギニン(arginine:R);
    X3は、リシン(lysine:K);
    X4は、ロイシン(leucine:L);
    X5は、アルギニン(arginine:R);
    X6は、リシン(lysine:K)、および
    X7は、アルギニン(arginine:R)である、ポリペプチド。
  3. 前記ポリペプチドは、L型、D型およびペプトイド(peptoid)を含むペプチド模倣体または非天然アミノ酸である、請求項1に記載のポリペプチド。
  4. 前記ポリペプチドの末端をアルキレーション(Alkylation)、ペギュレーション(PEGylation)またはアミデーション(Amidation)したものである、請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチドのC末端にアミン基(NH)が追加されたものである、請求項1に記載のポリペプチド。
  6. 前記ポリペプチドは、以下の特徴のうち1つ以上の特徴を有するものである、請求項1に記載のポリペプチド:
    グラム陰性菌のリポポリサッカライド(LPS)への結合能;
    バクテリア細胞膜の選択的破壊能;
    タンパク質分解酵素に対する抵抗性;
    グラム陽性菌の細胞膜破壊能;および
    グラム陽性菌由来のLTA(lipoteichoic acid)またはLPP(lipoprotein)への結合能。
  7. 請求項1に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid:TFA)のアセテート塩置換体。
  8. 請求項1に記載のポリペプチドまたは第7項のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、敗血症の予防または治療用組成物。
  9. 請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、抗菌用組成物。
  10. 上記抗菌用組成物の抗菌対象菌は、Escherichia coli DH5α、Escherichia coli K1、Acinetobacter baumannii、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella enteritidis、Salmonella typhimurium、Klebsiella pneumoniae、Staphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidisよりなる群から選ばれた1以上である、請求項9に記載の抗菌用組成物。
  11. 上記抗菌用組成物の抗菌対象菌は、拡張型β-ラクタム系抗生剤分解酵素(ESBL;Extended Spectrum Beta Lactamase)耐性菌、カルバペネム耐性菌およびコリスチン耐性菌よりなる群から選ばれた1以上の抗生剤耐性菌である、請求項9に記載の抗菌用組成物。
  12. 上記抗生剤耐性菌は、ESBL(E.coli)、Carbapenem resistant(CR)-Acinetobactor baumannii、CR-Klebsiella pneumoniae、CR-Pseudomonas aeruginosa、およびColistin resistant Acinetobactor baumanniiよりなる群から選ばれた1以上である、請求項11に記載の抗菌用組成物。
  13. 請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を有効成分として含む、感染性疾患の予防または治療用組成物。
  14. 上記感染性疾患は、肺炎、腹膜炎、脳膜炎、創傷感染、骨関節炎、胆嚢炎、尿路感染症、脳髄膜炎、心内膜炎、心筋炎、心外膜炎、関節炎、 咽頭炎 、淋病、細菌性疫痢、腸炎、結膜炎、胃炎、中耳炎、膀胱炎、およびリンパ管炎よりなる群から選ばれるグラム陰性菌によって誘発される感染性疾患である、請求項13に記載の組成物。
  15. 上記感染性疾患は、咽喉炎、膿痂疹、リウマチ熱、糸球体腎炎、新生児敗血症、髄膜炎、咽頭炎、肺炎、心内膜炎、 猩紅熱 、皮膚軟部組織感染、深部軟組織感染、膿胸および膣炎よりなる群から選ばれるグラム陽性菌によって誘発される感染性疾患である、請求項13に記載の組成物。
  16. 請求項1に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  17. 請求項16に記載のポリヌクレオチドを含む組換えベクター。
  18. 請求項17に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞を培養する段階を含む、請求項1に記載のポリペプチドの製造方法。
  19. 請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を、これを必要とする個体に投与する段階を含む敗血症の治療方法。
  20. 請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の敗血症に対する予防、改善または治療用途。
  21. 敗血症の予防、改善または治療用製剤の製造のための請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の用途。
  22. 請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を、これを必要とする個体に投与する段階を含む感染性疾患の治療方法。
  23. 請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の感染性疾患に対する予防、改善または治療用途。
  24. 感染性疾患の予防、改善または治療用製剤の製造のための請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の用途。
  25. 請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体を、これを必要とする個体に投与する段階を含む抗菌方法。
  26. 請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の抗菌用途。
  27. 抗菌剤の製造のための請求項1に記載のポリペプチドまたは請求項7に記載のポリペプチドのトリフルオロ酢酸のアセテート塩置換体の用途。
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