概要
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(a)刺激されたT細胞集団を生成するために集団のT細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともに、対象から得られた生体試料由来のT細胞を含む細胞集団をインキュベートすること;(b)抗原提示細胞(APC)の存在下で、対象から得られた腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、刺激されたT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞を含有する集団を生成すること;(c)共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性である腫瘍反応性T細胞集団を富化すること;および(d)集団内のT細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程を含み、培養する工程の1つまたは複数の段階が、共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で行われる。いくつかの態様では、方法は、(e)方法によって生成された細胞を採取する工程をさらに含む。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)刺激されたT細胞集団を生成するために集団のT細胞の増大を刺激するための条件下で、第1のT細胞刺激物質とともに、腫瘍を有する対象から得られた生体試料由来のT細胞を含む細胞集団をインキュベートすること;(b)抗原提示細胞(APC)の存在下で、対象から得られた腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、刺激されたT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞を含有する集団を生成すること;(d)共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性である腫瘍反応性T細胞集団を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成することであって、腫瘍反応性T細胞が、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む、生成すること;および(e)集団内のT細胞の増大を刺激するための条件下で、第2のT細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程の1つまたは複数の段階が、共刺激アゴニスト、またはカスパーゼの活性化もしくは活性を阻害するアポトーシス阻害物質であるアポトーシスから選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で行われる、工程と、(2)腫瘍反応性T細胞が富化された増大T細胞の組成物を生成するために方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、第1または第2のT細胞刺激物質は、1つまたは複数の組換えサイトカインの存在を含み、T細胞刺激物質の存在下でインキュベートすることは、1つまたは複数のT細胞アジュバントの存在下でのインキュベーションの前、最中、および/または後に行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションは、共培養の少なくとも一部の最中に行われる。態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることの少なくとも一部は、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることと同時に行われる。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)刺激されたT細胞集団を生成するために集団内のT細胞の増大を刺激するための条件下で、1つまたは複数の組換えサイトカインを含む第1のT細胞刺激物質とともに、腫瘍を有する対象からの生体試料由来のT細胞を含む細胞集団をインキュベートすることであって、1つまたは複数の組換えサイトカインとのインキュベーションが、カスパーゼの活性化または活性を阻害するアポトーシス阻害物質である少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下である、インキュベートすること;(b)抗原提示細胞(APC)の存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、刺激されたT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞を含有する集団を生成すること;(c)共培養物から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;(d)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、第2のT細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程と、(2)方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、少なくとも1つの共刺激アゴニストをさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つの共刺激アゴニストおよびアポトーシス阻害物質とともにインキュベートすることは、同時に、断続的に、または連続的に行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、少なくとも1つのチェックポイント阻害物質をさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのチェックポイント阻害物質およびアポトーシス阻害物質とともにインキュベートすることは、同時に、断続的に、または連続的に行われる。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)刺激されたT細胞集団を生成するために集団のT細胞の増大を刺激するための条件下で、第1のT細胞刺激物質とともに、腫瘍を有する対象から得られた生体試料由来のT細胞を含む細胞集団をインキュベートすること;(b)抗原提示細胞(APC)の存在下で、対象から得られた腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、刺激されたT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞を含有する集団を生成すること;(d)共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性である腫瘍反応性T細胞集団を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成することであって、腫瘍反応性T細胞が、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む、生成すること;および(d)集団内のT細胞の増大を刺激するための条件下で、第2のT細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程の1つまたは複数の段階が、共刺激アゴニストまたはアポトーシスから選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で行われる、工程と、(2)腫瘍反応性T細胞が富化された増大T細胞の組成物を生成するために方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、第1または第2のT細胞刺激物質は、1つまたは複数の組換えサイトカインの存在を含み、T細胞刺激物質の存在下でインキュベートすることは、1つまたは複数のT細胞アジュバントの存在下でのインキュベーションの前、最中、および/または後に行われる。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を含むT細胞のエクスビボ集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、T細胞集団が、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化され、インキュベーションの少なくとも一部が、T細胞を活性化するための条件下でT細胞刺激物質とともにT細胞をインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われ、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、(2)方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)刺激されたT細胞集団を生成するために集団内のT細胞の増大を刺激するための条件下で、1つまたは複数の組換えサイトカインを含む第1のT細胞刺激物質とともに、腫瘍を有する対象からの生体試料由来のT細胞を含む細胞集団をインキュベートすることであって、1つまたは複数の組換えサイトカインとのインキュベーションが、共刺激アゴニストである少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下である、インキュベートすること;(b)抗原提示細胞(APC)の存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、刺激されたT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞を含有する集団を生成すること;(c)共培養物から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;(d)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、第2のT細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程と、(2)方法によって生成された増大細胞を採取する工程とを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、少なくとも1つのアポトーシス阻害物質をさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのアポトーシス阻害物質およびチェックポイントアゴニストは、同時に、断続的に、または連続的に行われる。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、少なくとも1つのチェックポイント阻害物質をさらに含む。態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのチェックポイント阻害物質および共刺激アゴニストは、同時に、断続的に、または連続的に行われる。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は(1)(a)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントとともに、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を含むT細胞のエクスビボ集団をインキュベートすることであって、T細胞集団が、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化される、インキュベートすること;ならびに(b)T細胞を活性化するための条件下で、T細胞刺激物質とともにT細胞をインキュベートすることであって、インキュベートすることの少なくとも一部が、(a)でインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われる、インキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、(2)方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は(1)(a)刺激されたT細胞集団を生成するために集団のT細胞の増大を刺激するための条件下で、第1のT細胞刺激物質とともに、腫瘍を有する対象から得られた生体試料由来のT細胞を含む細胞集団をインキュベートすること:(b)抗原提示細胞(APC)の存在下で、対象から得られた腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、刺激されたT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞を含有する集団を生成すること;(d)共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性である腫瘍反応性T細胞集団を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成することであって、腫瘍反応性T細胞が、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む、生成すること;および(d)集団内のT細胞の増大を刺激するための条件下で、第2のT細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程の1つまたは複数の段階が、チェックポイント阻害物質である少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で行われる、工程と、(2)方法によって生成された増大細胞を採取する工程とを含む。
態様のいずれかでは、T細胞を培養する工程は、1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で細胞をインキュベートすることをさらに含み、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることは、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることおよび/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、第1または第2のT細胞刺激物質は、1つまたは複数の組換えサイトカインの存在を含み、T細胞刺激物質の存在下でインキュベートすることは、1つまたは複数のT細胞アジュバントの存在下でのインキュベーションの前、最中、および/または後に行われる。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションは、共培養の少なくとも一部の最中に行われる。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることの少なくとも一部は、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることと同時に行われる。
態様のいずれかの一部では、T細胞刺激作用物質は、1つまたは複数の組換えサイトカインの存在を含み、T細胞刺激物質の存在下でインキュベートすることは、1つまたは複数のT細胞アジュバントの存在下でのインキュベーションの前、最中、および/または後に行われる。
態様のいずれかの一部では、T細胞作用物質は、TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質と、共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質とを含み、任意で、共刺激受容体はCD28であり、T細胞作用物質の存在下でインキュベートすることは、1つまたは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、方法は、培養のための段階のうちの1つまたは複数の最中に、例えば、T細胞刺激物質および/または1つもしくは複数のT細胞アジュバント、例えば、共刺激アゴニスト、アポトーシス阻害物質(例えばカスパーゼ阻害物質)、またはチェックポイント阻害物質とのインキュベーションの最中に、細胞を洗浄する工程をさらに含む。いくつかの態様では、提供される方法は、1つまたは複数の段階の最中に、T細胞アジュバント、例えば、共刺激アゴニスト、アポトーシス阻害物質(例えばカスパーゼ阻害物質)またはチェックポイント阻害物質の一過性の添加(例えば、インキュベーションまたは培養の開始時などに1回のみ)を加える工程を含む。いくつかの態様では、提供される方法は、1つまたは複数の段階の最中に、T細胞アジュバントの連続的な添加を含む。例えば、1つまたは複数のT細胞アジュバント、例えば、共刺激アゴニスト、アポトーシス阻害物質(例えばカスパーゼ阻害物質)、またはチェックポイント阻害物質は、細胞をインキュベートする段階の1つまたは複数の最中、例えば、T細胞刺激物質とのインキュベーションの最中に連続的に加えられる。例えば、1つまたは複数の段階の最中または後に細胞を洗浄した後、培養培地に同じ濃度などのT細胞アジュバントを補充する。場合によっては、1つまたは複数のT細胞刺激物質も洗浄とともに補充される。洗浄は、該段階の最中、例えば、1つまたは複数のT細胞刺激物質とのインキュベーションの最中に、連日、1日おきに、2日おきに、3日おきに、4日おきに、5日おきに、または週に1回行われ得る。
態様のいずれかの一部では、方法は、T細胞刺激物質、少なくとも1つのT細胞アジュバントおよび/または1つもしくは複数の組換えサイトカインとともに細胞をインキュベートする段階のうちの1つまたは複数の後に細胞を洗浄する工程をさらに含む。
態様のいずれかの一部では、培養する工程は、閾値量の細胞が得られるまで、および/または最大20日間にわたり行われる。
態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団は、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含む。態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団は、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞について富化される。提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団は、腫瘍反応性T細胞について富化される。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞は、対象、任意でヒト対象からの初代T細胞を含む。
提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団は、対象からの生体試料由来の自己T細胞と抗原提示細胞(APC)とを含むエクスビボ共培養物中に存在し、共培養は、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で行われる。提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団は、(a)対象からの健常組織および腫瘍組織のエクソームシーケンシングによって、1つまたは複数の腫瘍関連抗原に関連する体細胞変異を同定する段階;(b)1つまたは複数の腫瘍関連抗原の少なくとも1つのエピトープを同定する段階であって、任意で、少なくとも1つのエピトープがネオエピトープである、段階(c)対象からの生体試料から自己T細胞集団を単離する段階;ならびに(d)主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の表面上にペプチドのうちの1つまたは複数を提示するための条件下で、1つまたは複数の腫瘍関連抗原の少なくとも1つのエピトープを含む1つまたは複数のペプチドに曝露されたことがあるまたは接触したことがある抗原提示細胞(APC)とT細胞集団を共培養し、それによって、1つまたは複数のペプチドに対して反応性である腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を生成する段階を含むプロセスによって生成される。
いくつかの態様では、APCを1つまたは複数のペプチドに曝露または接触させることは、1つまたは複数のエピトープを含むペプチドの変異ライブラリーを生成することであって、任意で、ペプチドが、8~32アミノ酸長、8~24アミノ酸長、8~18アミノ酸長、8~10アミノ酸長、10~32アミノ酸長、10~24アミノ酸長、10~18アミノ酸長、18~32アミノ酸長、18~24アミノ酸長または24~32アミノ酸長であり、任意で9量体または約9量体である、生成すること;および主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の表面上にペプチドのうちの1つまたは複数を提示するための条件下で、ペプチドの変異ライブラリーを用いてAPCをパルスすることであって、任意で、MHCがMHCクラスIである、パルスすることを含む。いくつかの態様では、APCを1つまたは複数のペプチドに曝露または接触させることは、1つもしくは複数の腫瘍関連抗原、または体細胞変異を含むその一部をコードするDNA、任意でミニ遺伝子構築物を生成すること;DNAをRNAにインビトロ転写すること;および主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の表面上にペプチドのうちの1つまたは複数を提示するための条件下で、インビトロ転写されたRNAをAPCに導入することであって、任意で、MHCがMHCクラスIIである、導入することを含む。
態様のいずれかの一部では、共培養は、1~7日間行われる。いくつかの態様では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションは、共培養の少なくとも一部の最中に行われる。いくつかの態様では、方法は、共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性であるT細胞をさらに選択し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化する工程を含む。いくつかの態様では、富化する工程は、少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションの前に行われる。いくつかの態様では、T細胞刺激物質とのインキュベーションは、共培養の前に行われ、対象からの生体試料由来の自己T細胞集団は、T細胞刺激物質とともにインキュベートされる。いくつかの態様では、T細胞刺激物質とのインキュベーションは、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化する工程の後に行われる。いくつかの態様では、APCは、対象にとって自己由来であるか、または対象にとって同種異系である。
提供される態様のいずれかの一部では、抗原提示細胞とT細胞の共培養比は、20:1~1:1、15:1~1:1、10:1~1:1、5:1~1:1、2.5:1~1:1、1:20~1:1、1:15~1:1、1:10~1:1、1:5~1:1、または1:2.5~1:1である。提供される態様のいずれかの一部では、抗原提示細胞とT細胞の共培養比は、1:1または約1:1である。提供される態様のいずれかの一部では、共培養は2時間~24時間にわたる。提供される態様のいずれかの一部では、共培養は6時間または約6時間にわたる。
提供される態様のいずれかの一部では、対象は、健常であるか、または疾患もしくは状態を示すことが知られていない。
提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、対象からの生体試料由来のT細胞を含む細胞集団を単離すること;集団のT細胞を活性化して活性化細胞を含むT細胞集団を生成する条件下で、T細胞刺激物質とともに、T細胞を含む細胞集団をインキュベートすること;APCの存在下で、対象からからの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、活性化細胞を含むT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を生成することであって、共培養が、少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で行われ、それによって、少なくとも1つのアジュバントとともに、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団をインキュベートする、生成すること;共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性であるT細胞を選択し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化すること;および1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすることを含み、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることは、T細胞刺激物質とともにインキュベートすること、APCの存在下で共培養すること、および/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われ、培養する工程は、T細胞集団の細胞の増大を刺激する。
提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、対象からの生体試料由来のT細胞を含む細胞集団を単離すること;集団のT細胞を活性化して活性化細胞を含むT細胞集団を生成する条件下で、T細胞刺激物質とともに、T細胞を含む細胞集団をインキュベートすること;APCの存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、活性化細胞を含むT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を生成すること;共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性であるT細胞を選択し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化すること;少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍反応性細胞を含むT細胞の富化された集団をインキュベートすること;および1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすることを含み、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることは、T細胞刺激物質とともにインキュベートすること、APCの存在下で共培養すること、および/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われ、培養する工程は、T細胞集団の細胞の増大を刺激する。
提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、対象からの生体試料由来のT細胞を含む細胞集団を単離すること;APCの存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、T細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を生成すること;集団のT細胞を活性化して活性化細胞を含むT細胞集団を生成する条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞を含む集団をインキュベートすること;共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性であるT細胞を選択し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化することであって、選択することが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることの前または後に行われる、富化すること;少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすること;および1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすることを含み、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることは、T細胞刺激物質とともにインキュベートすること、APCの存在下で共培養すること、および/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われ、培養する工程は、T細胞集団の細胞の増大を刺激する。
提供される態様のいずれかの一部では、共培養は1~7日間行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団は、対象からの生体試料から単離されるか、直接選択される。提供される態様のいずれかの一部では、対象は、疾患または状態を示し、任意で、疾患または状態は、がんである。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団を単離または選択することの前に、対象に共刺激アゴニストが前もって投与されている。
提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団は、治療される対象にとって同種異系であるか、または治療される対象にとって自己由来であり、任意で、治療される対象は、腫瘍またはがんを有する。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、末梢血試料、リンパ節試料、または腫瘍試料である。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は末梢血試料であり、末梢血試料は採血またはアフェレーシスによって収集され、任意で、アフェレーシスは白血球アフェレーシスである。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、50mL~400mLの体積を有する。提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を富化することは、フローサイトメトリーによるものであり、任意で、自動ハイスループットフローサイトメトリーによって行われる。いくつかの態様では、富化することは、FX500細胞選別機を使用して行われ得る。提供される態様のいずれかの一部では、試料から腫瘍反応性T細胞を富化するために、フローサイトメトリーによる1回の実行、2回の実行、3回の実行、または4回の実行が行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、リンパ節試料、または腫瘍試料であり、試料は、針生検、任意で、コア針生検または穿刺吸引によって収集される。態様のいずれかの一部では、生体試料は腫瘍断片を含む。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団は腫瘍浸潤リンパ球を含む。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)T細胞を含む生体試料から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;および(b)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることであって、インキュベーションの少なくとも一部が、T細胞集団の細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われる、インキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、(2)方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)T細胞を含む生体試料から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;(b)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントとともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすること;および(c)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることであって、インキュベートすることの少なくとも一部が、(b)でインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われる、インキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、(2)方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞を培養することは、1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で細胞をインキュベートすることをさらに含み、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることは、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることおよび/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われる。
態様のいずれかの一部では、T細胞刺激物質は、1つまたは複数の組換えサイトカインの存在を含み、T細胞刺激物質の存在下でインキュベートすることは、1つまたは複数のT細胞アジュバントの存在下でのインキュベーションの前、最中、および/または後に行われる。
態様のいずれかの一部では、T細胞作用物質は、TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質と、共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質とを含み、任意で、共刺激受容体はCD28であり、T細胞作用物質の存在下でインキュベートすることは、1つまたは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、方法は、T細胞刺激物質、少なくとも1つのT細胞アジュバントおよび/または1つもしくは複数の組換えサイトカインとともに細胞をインキュベートする段階のうちの1つまたは複数の後に細胞を洗浄する工程をさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、閾値量の細胞が得られるまで、および/または最大20日間にわたり行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることの少なくとも一部は、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることと同時に行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることは、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることの後に行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、T細胞を含む生体試料から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;集団のT細胞を活性化して活性化細胞を含むT細胞集団を生成する条件下で、T細胞刺激物質とともに、反応性T細胞を含むT細胞集団をインキュベートすること;少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、活性化T細胞を含むT細胞集団をインキュベートすること;および1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすることを含み、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることは、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることおよび/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われ、培養する工程は、T細胞集団の細胞の増大を刺激する。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることは、細胞を採取する工程の1~5日前に行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることは、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることの前に行われる。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることの後、およびT細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることの前に、腫瘍反応性T細胞、および/または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーを発現するT細胞を富化することであって、富化されたT細胞集団は、T細胞刺激物質とともにインキュベートされる、富化すること。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞は、対象、任意でヒト対象からの初代T細胞である。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、対象からの自己T細胞と抗原提示細胞(APC)とを含むエクスビボ共培養物であり、共培養は、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で行われる。提供される態様のいずれかの一部では、APCは、対象にとって自己由来であるか、または対象にとって同種異系である。提供される態様のいずれかの一部では、対象は、健常であるか、または疾患もしくは状態を示すことが知られていない。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、対象から得られるものであり、選択することは、生体試料からT細胞を直接単離することを含む。提供される態様のいずれかの一部では、対象は、疾患または状態を示し、任意で、疾患または状態は、がんである。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団を単離または選択することの前に、対象に共刺激アゴニストが前もって投与されている。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団は、治療される対象にとって同種異系であるか、治療される対象にとって自己由来であり、任意で、治療される対象は、腫瘍またはがんを有する。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、末梢血試料、リンパ節試料、または腫瘍試料である。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は末梢血試料であり、末梢血試料は採血またはアフェレーシスによって収集され、任意で、アフェレーシスは白血球アフェレーシスである。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、50mL~400mLの体積を有する。提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を富化することは、フローサイトメトリーによるものであり、任意で、自動ハイスループットフローサイトメトリーによって、任意で、FX500細胞選別機によって行われる。提供される態様のいずれかの一部では、試料から腫瘍反応性T細胞を富化するために、フローサイトメトリーによる1回の実行、2回の実行、3回の実行、または4回の実行が行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、リンパ節試料、または腫瘍試料であり、試料は、針生検、任意で、コア針生検または穿刺吸引によって収集される。いくつかの態様では、生体試料は腫瘍断片を含む。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団は腫瘍浸潤リンパ球を含む。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)集団内のT細胞の増大を刺激するための1つまたは複数の組換えサイトカインとともに、対象からの生体試料由来のT細胞集団をインキュベートすることであって、1つまたは複数の組換えサイトカインとのインキュベーションが、共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下である、インキュベートすること;(b)T細胞集団から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;(c)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程と、(2)方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントとともに、T細胞集団をインキュベートすること;(b)T細胞集団から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;(c)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすること;および(d)1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすることであって、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることおよび/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われる、インキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、(2)方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)刺激されたT細胞集団を生成するために集団内のT細胞の増大を刺激するための条件下で、1つまたは複数の組換えサイトカインを含むT細胞刺激物質とともに、腫瘍を有する対象からの生体試料由来のT細胞を含む細胞集団をインキュベートすることであって、1つまたは複数の組換えサイトカインとのインキュベーションが、チェックポイント阻害物質である少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下である、インキュベートすること;(b)抗原提示細胞(APC)の存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、刺激されたT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞を含有する集団を生成すること;(c)共培養物から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;(d)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、第2のT細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程と、(2)方法によって生成された増大細胞を採取する工程とを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、少なくとも1つのアポトーシス阻害物質をさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのアポトーシス阻害物質およびチェックポイント阻害物質は、同時に、断続的に、または連続的に行われる。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、少なくとも1つの共刺激アゴニストをさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つの共刺激アゴニストおよびチェックポイント阻害物質は、同時に、断続的に、または連続的に行われる。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、カスパーゼの活性化または活性を阻害する。
提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、カスパーゼ2、カスパーゼ8、カスパーゼ9、カスパーゼ10、カスパーゼ3、カスパーゼ6、またはカスパーゼ7のうちの1つまたは複数を阻害する。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、エムリカサン(IDN-6556、PF-03491390)、NAIP(ニューロンアポトーシス阻害タンパク質;BIRC1)、cIAP1およびcIAP2(アポトーシスの細胞阻害物質1および2;それぞれBIRC2およびBIRC3)、XIAP(X染色体結合IAP;BIRC4)、サバイビン(BIRC5)、BRUCE(アポロン;BIRC6)、リビン(BIRC7)およびTs-IAP(精巣特異的IAP;BIRC8)、ウェデロラクトン、NS3694、NSCI、ならびにZ-フルオロメチルケトンZ-VAD-FMKまたはそのフルオロメチルケトン変異体からなる群より選択される。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、2つまたはそれ以上のカスパーゼの活性化または活性を阻害するパンカスパーゼ阻害物質である。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質はZ-VAD-FMKである。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、Z-FA-FMK、Z-VAD(OH)-FMK、Z-DEVD-FMK、Z-VAD(OM2)-FMK、およびZ-VDVAD-FMKからなる群より選択される。
提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質(例えばカスパーゼ阻害物質)は、約0.5μMから約50μM、約0.5μMから約40μM、約0.5μMから約30μM、約0.5μMから約20μM、約0.5μMから約10μM、約0.5μMから約5μM、約0.5μMから約1μM、約1μMから約50μM、約1μMから約40μM、約1μMから約30μM、約1μMから約20μM、約1μMから約10μM、約1μMから約5μM(両端の値を含む)の濃度で加えられる。いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質(例えばカスパーゼ阻害物質)は、2μMまたはおよそ約2μMの濃度で加えられる。いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質(例えばカスパーゼ阻害物質)は、10μMまたは約10μMの濃度で加えられる。いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質(例えばカスパーゼ阻害物質)は、25μMまたは約25μMの濃度で加えられる。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質(例えばカスパーゼ阻害物質)は、約0.5μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、または10μg/mLもしくは約10μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL(両端の値を含む)の濃度で加えられる。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)集団内のT細胞の増大を刺激するための1つまたは複数の組換えサイトカインとともに、対象からの生体試料由来のT細胞集団をインキュベートすることであって、1つまたは複数の組換えサイトカインとのインキュベーションが、共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下にある、インキュベートすること;(b)抗原提示細胞(APC)の存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、(a)で生成されたT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞を含有する集団を生成すること;(c)(b)で生成された腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成することであって、腫瘍反応性T細胞が、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む、生成すること;(d)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程と、(2)方法によって生成された細胞を採取する工程とを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、方法は、T細胞刺激物質、少なくとも1つのT細胞アジュバント、および/または1つもしくは複数の組換えサイトカインとともに細胞をインキュベートする段階のうちの1つまたは複数の後に細胞を洗浄する工程をさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、閾値量の細胞が得られるまで、および/または最大30日間にわたり行われる。提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、閾値量の細胞が得られるまで、および/または最大20日間にわたり行われる。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団は、対象、任意でヒト対象からの初代T細胞を含む。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団は、対象からの生体試料由来の自己T細胞と抗原提示細胞(APC)とを含むエクスビボ共培養物から単離され、共培養は、対象からの腫瘍由来の1つまたは複数のネオ抗原ペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で行われる。提供される態様のいずれかの一部では、APCは、対象にとって自己由来であるか、または対象にとって同種異系である。提供される態様のいずれかの一部では、対象は、健常であるか、または疾患もしくは状態を示すことが知られていない。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団は、対象からの生体試料から単離されるか、または直接選択される。提供される態様のいずれかの一部では、対象は、疾患または状態を示し、任意で、疾患または状態は、がんである。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団は、治療される対象にとって同種異系であるか、または治療される対象にとって自己由来であり、任意で、治療される対象は、腫瘍またはがんを有する。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、末梢血試料、リンパ節試料、または腫瘍試料である。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は末梢血試料であり、末梢血試料は採血またはアフェレーシスによって収集され、任意で、アフェレーシスは白血球アフェレーシスである。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、50mL~400mLの体積を有する。提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を富化することは、フローサイトメトリーによるものであり、任意で、自動ハイスループットフローサイトメトリーによって、任意で、FX500細胞選別機によって行われる。提供される態様のいずれかの一部では、試料から腫瘍反応性T細胞を富化するために、フローサイトメトリーによる1回の実行、2回の実行、3回の実行、または4回の実行が行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、リンパ節試料または腫瘍試料であり、試料は、針生検、任意で、コア針生検、または穿刺吸引によって収集される。いくつかの態様では、生体試料は腫瘍断片を含む。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団は腫瘍浸潤リンパ球を含む。
提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞を富化することは、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞について選択することを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞を富化することは、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の選択を含む。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD69、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD38、CD39、CD6、CD90、CD134、およびCD137からなる群より選択される。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD134および/またはCD137である。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、およびCD256からなる群より選択される。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、およびCD38からなる群より選択される。
提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107aおよびCD39、CD107aおよびCD103、CD107aおよびCD59、CD107aおよびCD90、CD107aおよびCD38、CD39およびCD103、CD39およびCD59、CD39およびCD90、CD39およびCD38、CD103およびCD59、CD103およびCD90、CD103およびCD38、CD59およびCD90、CD59およびCD38、ならびにCD90およびCD38から選択される少なくとも2つのマーカーを含む。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD137をさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107aおよびCD137、CD38およびCD137、CD103およびCD137、CD59およびCD137、CD90およびCD137、ならびにCD38およびCD137から選択される少なくとも2つのマーカーを含む。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される少なくとも1つのマーカーをさらに含む。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞は、CD4+T細胞、CD8+T細胞、またはCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化される。提供される態様のいずれかの一部では、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を富化することは、細胞表面マーカーCD3に対して表面陽性のT細胞について選択することを含むか、または細胞表面マーカーCD4に対して表面陽性のT細胞、および細胞表面マーカーCD8に対して表面陽性のT細胞の連続選択もしくは同時選択を含む。提供される態様のいずれかの一部では、CD4+T細胞およびCD8+T細胞が富化された集団は、集団内の全細胞の割合として60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超のCD3+T細胞を含むか、またはCD4+T細胞およびCD8+T細胞が富化された集団は、集団内の全細胞の割合として60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超のCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む。提供される態様のいずれかの一部では、CD8+T細胞とCD4+T細胞の比は、1:100もしくは約1:100から、100:1もしくは約100:1、1:50もしくは約1:50から、50:1もしくは約50:1、1:25もしくは約1:25から、25:1もしくは約25:1、1:10もしくは約1:10から、10:1もしくは約10:1、1:5もしくは約1:5から、5:1もしくは約5:1、または1:2.5もしくは約1:2.5から、2.5:1もしくは約2.5:1である。
提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍関連抗原はネオ抗原であり、かつ/または腫瘍反応性T細胞は、ネオ抗原に対して反応性である内因性TCRを含むT細胞を含み、提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍反応性T細胞が富化された集団は、集団内の全細胞または全T細胞の割合として60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超の腫瘍反応性T細胞を含み;かつ/または腫瘍反応性T細胞が富化された集団は、集団内の全細胞または全T細胞の割合として60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超の、活性化表現型を有するT細胞を含み、活性化表現型は、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含む。
提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、およびCD256からなる群より選択される。提供される態様のいずれかの一部では、方法は、生体試料から、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、およびCD256からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞を選択する工程を含む。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントおよび/またはT細胞刺激物質の存在下で、細胞の増大または増殖のための条件下で、選択された細胞をインキュベートすることをさらに含む。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞は、対象、任意でヒト対象からの初代T細胞である。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、対象からの自己T細胞と抗原提示細胞(APC)とを含むエクスビボ共培養物であり、共培養は、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で行われる。提供される態様のいずれかの一部では、APCは、対象にとって自己由来であるか、または対象にとって同種異系である。提供される態様のいずれかの一部では、対象は、健常であるか、または疾患もしくは状態を示すことが知られていない。
提供される態様のいずれかの一部では、抗原提示細胞は、有核細胞、例えば、樹状細胞、単核貪食細胞、Bリンパ球、内皮細胞、または胸腺上皮である。提供される態様のいずれかの一部では、抗原提示細胞は樹状細胞である。提供される態様のいずれかの一部では、抗原提示細胞は、対象にとって自己由来であるか、または対象にとって同種異系である。提供される態様の一部では、1つまたは複数のペプチドは、対象からの腫瘍関連抗原由来の少なくとも1つのネオエピトープを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、対象から得られるものであり、選択することは、生体試料からT細胞を直接単離することを含む。提供される態様のいずれかの一部では、対象は、疾患または状態を示し、任意で、疾患または状態は、がんである。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞集団を単離または選択することの前に、対象に共刺激アゴニストが前もって投与されている。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞は、治療される対象にとって同種異系であるか、または治療される対象にとって自己由来であり、任意で、治療される対象は、腫瘍またはがんを有する。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、末梢血試料、リンパ節試料、または腫瘍試料である。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は末梢血試料であり、末梢血試料は採血またはアフェレーシスによって収集され、任意で、アフェレーシスは白血球アフェレーシスである。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、リンパ節試料または腫瘍試料であり、試料は、針生検、任意で、コア針生検、または穿刺吸引によって収集される。
提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、およびCD38からなる群より選択される。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107aおよびCD39、CD107aおよびCD103、CD107aおよびCD59、CD107aおよびCD90、CD107aおよびCD38、CD39およびCD103、CD39およびCD59、CD39およびCD90、CD39およびCD38、CD103およびCD59、CD103およびCD90、CD103およびCD38、CD59およびCD90、CD59およびCD38、ならびにCD90およびCD38から選択される少なくとも2つのマーカーを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD137をさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数の反応性T細胞活性化マーカーは、CD107aおよびCD137、CD38およびCD137、CD103およびCD137、CD59およびCD137、CD90およびCD137、ならびにCD38およびCD137から選択される少なくとも2つのマーカーを含む。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数の反応性T細胞マーカーは、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される少なくとも1つのマーカーをさらに含む。
提供される態様のいずれかの一部では、選択することは、免疫親和性に基づく選択を含む。提供される態様のいずれかの一部では、免疫親和性に基づく選択は、細胞とマーカーに特異的に結合する抗体とを接触させることと、抗体に結合した細胞を回収することとによって行われる。提供される態様のいずれかの一部では、抗体は、粒子上に固定化され、任意で、粒子はビーズまたはナノ粒子であり、任意で、粒子は磁性粒子である。提供される態様のいずれかの一部では、選択することは、磁性に基づく選択を含む。提供される態様のいずれかの一部では、抗体は検出可能な作用物質によって標識され、任意で、検出可能な作用物質はフルオロフォアである。提供される態様のいずれかの一部では、選択することは、フローサイトメトリーを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、可溶性であり、かつ/または固体支持体に結合または付着しておらず、任意で、固体支持体はビーズである。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、少なくとも1つの共刺激アゴニストと、少なくとも1つのアポトーシス遮断剤とを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つの共刺激アゴニストおよび少なくとも1つのアポトーシス遮断剤とともにインキュベートすることは、同時に、断続的に、または連続的に行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、少なくとも1つの共刺激アゴニストを含む。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、CD28に特異的に結合しないか、抗CD28抗体ではない。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)アゴニストである。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、TNFRSFメンバーに特異的に結合する抗体または抗原結合断片であるか、またはTNFRSFメンバーのリガンドの細胞外ドメインもしくはその結合部分を含む融合タンパク質である。提供される態様のいずれかの一部では、TNFRSFメンバーは、OX40、4-1BB、GITR、およびCD27から選択される。
提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、OX40に特異的に結合する。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、タボリキシズマブ(Tavolixizumab)、ポガリズマブ(Pogalizumab)、11D4、18D8、Hu119-122、Hu106-222、PF-04518600、GSK3174998、MEDI6469、BMS 986178、または9B12から選択される抗体または抗原結合断片であるか、その抗原結合断片である。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、MEDI6383であるOX40L融合タンパク質である。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストはタボリキシズマブである。
提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、4-1BBに特異的に結合する。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、ウレルマブもしくはウトミルマブであるか、または前述のいずれかの抗原結合断片である。
提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、CD27に特異的に結合する。
提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、バルリルマブであるか、または前述のいずれかの抗原結合断片である。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、GITRに特異的に結合する。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激アゴニストは、MK-1248であるか、または前述のいずれかの抗原結合断片である。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントは、少なくとも1つのアポトーシス阻害物質を含む。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、CD95(Fas)によって誘導されるアポトーシスを減少させ、任意で、アポトーシス阻害物質は、CD95(Fas)またはCD95リガンド(Fasリガンド)に特異的に結合する。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は抗体または抗原結合断片であり、任意で、アポトーシス阻害物質は抗Fas抗体または抗Fasリガンド抗体である。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、Fc免疫グロブリンドメインに融合したCD95リガンド(Fasリガンド)に結合するCD95(Fas)またはその特異的結合断片の細胞外ドメインを含む融合タンパク質であり、任意で、アポトーシス阻害物質はAPG101またはCAN008である。
提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、カスパーゼの活性化または活性を阻害し、任意で、カスパーゼは、カスパーゼ2、カスパーゼ8、カスパーゼ9、カスパーゼ10、カスパーゼ3、カスパーゼ6、またはカスパーゼ7であり、任意で、カスパーゼはカスパーゼ3である。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、NAIP(ニューロンアポトーシス阻害タンパク質;BIRC1)、cIAP1およびcIAP2(アポトーシスの細胞阻害物質1および2;それぞれBIRC2およびBIRC3)、XIAP(X染色体結合IAP;BIRC4)、サバイビン(BIRC5)、BRUCE(アポロン;BIRC6)、リビン(BIRC7)、ならびにTs-IAP(精巣特異的IAP;BIRC8)からなる群より選択される。提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質はエメリカサン(emericasan)である。
提供される態様のいずれかの一部では、アポトーシス阻害物質は、0.5μg/mLまたは約0.5μg/mLから、25μg/mLまたは約25μg/mL、0.5μg/mLまたは約0.5μg/mLから、10μg/mLまたは約10μg/mL、0.5μg/mLまたは約0.5μg/mLから、5μg/mLまたは約5μg/mL、0.5μg/mLまたは約0.5μg/mLから、1μg/mLまたは約1μg/mL、1μg/mLまたは約1μg/mLから、25μg/mLまたは約25μg/mL、1μg/mLまたは約1μg/mLから、10μg/mLまたは約10μg/mL、1μg/mLまたは約1μg/mLから、5μg/mLまたは約5μg/mL、5μg/mLまたは約5μg/mLから、25μg/mLまたは約25μg/mL、5μg/mLまたは約5μg/mLから、10μg/mLまたは約10μg/mL、および10μg/mLまたは約10μg/mLから、25μg/mLまたは約25μg/mL(両端の値を含む)の濃度で加えられる。
提供される態様のいずれかの一部では、チェックポイント阻害物質は、PD-1/PD-L1、CTLA-4、OX40、LAG-3、TIM-3、およびB7-H3からなる群より選択される免疫チェックポイントの活性を阻害する。提供される態様のいずれかの一部では、免疫チェックポイントは、PD-1/PD-L1から選択される。提供される態様のいずれかの一部では、チェックポイント阻害物質は抗PD-1抗体であり、任意で、抗体は、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、ニボルマブから選択されるか、または前述のいずれかの抗原結合断片である。提供される態様のいずれかの一部では、チェックポイント阻害物質はペンブロリズマブである。提供される態様のいずれかの一部では、チェックポイント阻害物質は抗PDL1抗体であり、任意で、抗体は、アベルマブ、デュルバルマブ、およびアテゾリズマブから選択されるか、または前述のいずれかの抗原結合断片である。
提供される態様のいずれかの一部では、免疫チェックポイントはOX40である。提供される態様のいずれかの一部では、チェックポイント阻害物質は抗OX40L抗体であり、任意で、抗体は、オキセルマブ(Oxelumab)であるか、またはその抗原結合断片である。
提供される態様のいずれかの一部では、免疫チェックポイントはCTLA-4である。提供される態様のいずれかの一部では、チェックポイント阻害物質は抗CTLA-4抗体であり、任意で、抗体は、イピリムマブであるか、その抗原結合断片である。
提供される態様のいずれかの一部では、チェックポイント阻害物質は、0.5μg/mLまたは約0.5μg/mLから、25μg/mLまたは約25μg/mL、0.5μg/mLまたは約0.5μg/mLから、10μg/mLまたは約10μg/mL、0.5μg/mLまたは約0.5μg/mLから、5μg/mLまたは約5μg/mL、0.5μg/mLまたは約0.5μg/mLから、1μg/mLまたは約1μg/mL、1μg/mLまたは約1μg/mLから、25μg/mLまたは約25μg/mL、1μg/mLまたは約1μg/mLから、10μg/mLまたは約10μg/mL、1μg/mLまたは約1μg/mLから、5μg/mLまたは約5μg/mL、5μg/mLまたは約5μg/mLから、25μg/mLまたは約25μg/mL、5μg/mLまたは約5μg/mLから、10μg/mLまたは約10μg/mL、および10μg/mLまたは約10μg/mLから、25μg/mLまたは約25μg/mL(両端の値を含む)の濃度で加えられる。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞アジュバントは、培養する工程の1つまたは複数の段階の最中に連続的に加えられ、T細胞アジュバントは、培養する工程の最中に1回または複数回補充または交換される。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞アジュバントは、1つまたは複数の組換えサイトカインとのインキュベーション中に連続的に加えられ、T細胞アジュバントは、インキュベーション中に1回または複数回補充または交換される。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞アジュバントは、培養する工程の1つまたは複数の段階の最中に一時的に加えられ、T細胞アジュバントは、培養する工程の1つまたは複数の段階の最中に1回だけ加えられる。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞刺激物質は、TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質および共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質から選択され、任意で、共刺激受容体はCD28である。提供される態様のいずれかの一部では、TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質は、抗CD3抗体、任意でOKT3である。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質は、末梢血単核細胞(PBMC)、任意で非分裂(non-dividing)PBMCまたは放射線照射PBMCを含む。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質は抗CD28抗体である。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞刺激物質は、それぞれ可溶性である抗CD3抗体および抗CD28抗体である。
いくつかの態様では、組換えサイトカインは、IL-10、IL-1a、IL-5、IL-7、IL-12、IL-23p40、IL-16、IL-17A、IL-15、IL-22、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL12p70、IL13、およびIL-1bからなる群より選択され、任意で、組換えサイトカインは、IL-2、IL-15、IL-7、およびIL-21のうちの1つまたは複数から選択される。
提供される態様のいずれかの一部では、第2のT細胞刺激物質は、IL-10、IL-1a、IL-5、IL-7、IL-12、IL-23p40、IL-16、IL-17A、IL-15、IL-22、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL12p70、IL13、およびIL-1bからなる群より選択される組換えサイトカインを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞刺激物質は、組換えIL-2であるか、または組換えIL-2を含む。
提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数の組換えサイトカインは組換えIL-2を含む。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法は、(1)(a)刺激されたT細胞集団を生成するために集団のT細胞の増大を刺激するための条件下で、IL-7、IL-15、およびIL-21のうちの1つまたは複数から選択される1つまたは複数の組換えサイトカインを含む第1のT細胞刺激物質とともに、腫瘍を有する対象から得られた生体試料由来のT細胞を含む細胞集団をインキュベートすること;(b)抗原提示細胞(APC)の存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、刺激されたT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞を含有する集団を生成すること;(d)共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性である腫瘍反応性T細胞集団を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成することであって、腫瘍反応性T細胞が、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む、生成すること;ならびに(d)集団内のT細胞の増大を刺激するための条件下で、第2のT細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程と、(2)方法によって生成された増大細胞を採取する工程とを含む。
提供される態様のいずれかの一部では、第1のT細胞刺激物質は、IL-7およびIL-15を含む1つまたは複数の組換えサイトカインを含む。提供される態様のいずれかの一部では、第1のT細胞刺激物質は組換えIL-2をさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、第1のT細胞刺激物質は組換えIL-2を含まない。
提供される態様のいずれかの一部では、第2のT細胞刺激物質は、IL-10、IL-1a、IL-5、IL-7、IL-12、IL-23p40、IL-16、IL-17A、IL-15、IL-22、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL12p70、IL13、およびIL-1bからなる群より選択される1つまたは複数の組換えサイトカインを含む。提供される態様のいずれかの一部では、組換えサイトカインは、IL-2、IL-15、IL-7、およびIL-21のうちの1つまたは複数から選択される。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数の組換えサイトカインは組換えIL-2を含む。
提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数の組換えサイトカインの各々の濃度は、個別に100IU/mL~6000IU/mLである。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数の組換えサイトカインの各々の濃度は、個別に300IU/mL~1000IU/mLであり、任意で、1つまたは複数の組換えサイトカインの各々の濃度は、300IU/mLもしくは約300IU/mLであるか、または1000IU/mLもしくは約1000IU/mLである。
提供される態様のいずれかの一部では、第2のT細胞刺激物質は、抗CD3抗体、任意でOKT3をさらに含み、任意で、抗CD3抗体の濃度は、50ng/mLまたは約50ng/mLである。
提供される態様のいずれかの一部では、共培養は、(a)対象からの健常組織および腫瘍組織のエクソームシーケンシングによって、1つまたは複数の腫瘍関連抗原に関連する体細胞変異を同定すること;(b)1つまたは複数の腫瘍関連抗原の少なくとも1つのネオエピトープを同定すること;(c)対象からの生体試料から自己T細胞集団を単離すること;ならびに(d)主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の表面上にペプチドのうちの1つまたは複数を提示するための条件下で、1つまたは複数の腫瘍関連抗原の少なくとも1つのネオエピトープを含む1つまたは複数のペプチドに曝露されたことがあるまたは接触したことがある抗原提示細胞(APC)とT細胞集団を共培養し、それによって、1つまたは複数のペプチドに対して反応性である腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を生成することを含むプロセスによって行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、MHC分子はクラスI分子である。提供される態様のいずれかの一部では、MHC分子はクラスII分子である。提供される態様のいずれかの一部では、MHC分子はMHCクラスIおよびIIである。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞はCD4+細胞である。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞はCD8+細胞である。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞はCD4+細胞およびCD8+細胞である。
提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のペプチドは、個々のペプチド、またはペプチドプールを含む。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のペプチドは、1つまたは複数のペプチドをコードするインビトロ転写合成ミニ遺伝子構築物のトランスフェクションによって抗原提示細胞上にロードされ、任意で、1つまたは複数のペプチドの両側に内因性タンパク質由来の12個のアミノ酸がタンデムに隣接し、転写ミニ遺伝子構築物は、個々のペプチドを生成する。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のペプチドは、ペプチドパルスによって、任意でエレクトロポレーションによって、抗原提示細胞上にロードされる。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のペプチドは、それぞれ個別に、5~30アミノ酸長、任意で12~25アミノ酸長、任意で25アミノ酸長または約25アミノ酸長である。
提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のペプチドは、ペプチドプールであり、ペプチドパルスのためのペプチドプール内のペプチドの濃度は、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、0.01μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、または1μg/mLもしくは約1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mLであるか、または、1つまたは複数のペプチドは、個々のペプチドであり、ペプチドパルスのための個々のペプチドの濃度は、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、または0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLである。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のペプチドの個々のペプチドの濃度は、平均して、0.00001μg/mLまたは約0.00001μg/mLから、0.01μg/mLまたは約0.01μg/mLである。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のペプチドの個々のペプチドの濃度は、平均して、0.0001μg/mLまたは約0.0001μg/mLから、0.001μg/mLまたは約0.001μg/mLである。
提供される態様のいずれかの一部では、採取する工程は、腫瘍反応性細胞を含むT細胞の培養および/または富化の開始後20日以内に行われる。提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、IL-2、IL-15、IL-7、およびIL-21からなる群より選択される組換えサイトカインの存在下で行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、細胞は、培養の開始後7~20日、7~14日、7~10日、10~20日、10~14日、または14~20日に採取される。
提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、1×108個もしくは約1×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、12×109個もしくは約12×109個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、12×109個もしくは約12×109個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、または30×109個もしくは約30×109個から、60×109個もしくは約60×109個の全細胞もしくは全生細胞(両端の値を含む)である閾値量の細胞が達成されるまで行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、方法は、少なくとも2倍もしくは少なくとも約2倍、少なくとも5倍もしくは少なくとも約5倍、少なくとも10倍もしくは少なくとも約10倍、少なくとも25倍もしくは少なくとも約25倍、少なくとも50倍もしくは少なくとも約50倍、少なくとも100倍もしくは少なくとも約100倍、少なくとも250倍もしくは少なくとも約250倍、少なくとも500倍もしくは少なくとも約500倍、少なくとも1000倍もしくは少なくとも約1000倍、またはそれ以上である、T細胞の増大倍率または腫瘍反応性T細胞の増大倍率をもたらす。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、末梢血試料、任意でアフェレーシス試料であり、培養の開始時の細胞の数は、1×109個または約1×109個から、7×109個の全生細胞であるか;または1×109個もしくは約1×109個の全生細胞、2×109個もしくは約2×109個の全生細胞、3×109個の全生細胞、4×109個の全生細胞、5×109個の全生細胞、6×109個の全生細胞、もしくは7×109個の全生細胞、または前述のいずれかの間の任意の値であり;かつ/または培養の開始時の腫瘍反応性T細胞の割合は、0.02%もしくは約0.02%から、40%もしくは約40%、0.02%もしくは約0.02%から、24%もしくは約24%、0.02%もしくは約0.02%から、18%もしくは約18%、0.02%もしくは約0.02%から、0.9%もしくは約0.9%、または0.02%もしくは約0.02%から、6.0%もしくは約6.0%であり;かつ/または培養の開始時にT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の数は、0.1×106個もしくは約0.1×106個から、60×106個もしくは約60×106個のT細胞、0.1×106個から、8×106個もしくは約8×106個のT細胞、0.1×106個から、20×106個もしくは約20×106個のT細胞、0.3×106個から、35×106個もしくは約35×106個のT細胞、または0.3×106個から、60×106個もしくは約60×106個のT細胞であるか;または、0.1×106個のT細胞、0.3×106個のT細胞、0.6×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5×106個のT細胞、10×106個のT細胞、35×106個のT細胞、もしくは60×106個のT細胞または約0.1×106個のT細胞、0.3×106個のT細胞、0.6×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5×106個のT細胞、10×106個のT細胞、35×106個のT細胞、もしくは60×106個のT細胞、または前述のいずれかの間の任意の値である。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、リンパ由来試料または腫瘍由来試料であり、培養の開始時の細胞の数は、10×106個もしくは約10×106個から、100×106個の全生細胞、20×106個から、100×106個の全生細胞、または12×106個から、43×106個の全生細胞であるか;または10×106個もしくは約10×106個の全生細胞、12×106個もしくは約12×106個の全生細胞、20×106個の全生細胞、40×106個の全生細胞、60×106個の全生細胞、もしくは100×106個の全生細胞、または前述のいずれかの間の任意の値であるか;かつ/または培養の開始時の腫瘍反応性T細胞の割合は、1%もしくは約1%から、90%もしくは約90%、1%もしくは約1%から、75%もしくは約75%、1%もしくは約1%から、50%もしくは約50%、1%もしくは約1%から、25%もしくは約25%、または1%もしくは約1%から、14%もしくは約14%であり;かつ/または培養の開始時にT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の数は、0.7×106個もしくは約0.7×106個から、15×106個もしくは約15×106個のT細胞、1×106個から、15×106個もしくは約15×106個のT細胞、または0.7×106個もしくは約0.7×106個から、5.4×106個もしくは約5.4×106個のT細胞であるか;または、0.7×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5.4×106個のT細胞、もしくは15×106個のT細胞また約0.7×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5.4×106個のT細胞、もしくは15×106個のT細胞、または前述のいずれかの間の任意の値である。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞を含む細胞集団は、腫瘍浸潤リンパ球、リンパ球(lymph lymphocyte)、または末梢血単核細胞を含む。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は腫瘍であり、T細胞を含む細胞集団は、腫瘍浸潤リンパ球を含む。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、切除された腫瘍であり、T細胞を含む細胞集団は、切除された腫瘍由来の1つまたは複数の腫瘍断片である。提供される態様のいずれかの一部では、1つまたは複数の腫瘍断片は、約1個の腫瘍断片/2cm2で、第1のT細胞刺激物質とのインキュベーションのために播種される。提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍はメラノーマである。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、切除された腫瘍であり、T細胞を含む細胞集団は、切除された腫瘍由来の1つまたは複数の腫瘍断片の均質化および/または酵素消化によって単一細胞懸濁液として処理される。提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、切除された腫瘍であり、T細胞を含む細胞集団は、切除された腫瘍由来の1つまたは複数の腫瘍断片の均質化および酵素消化によって処理された単一細胞懸濁液である。提供される態様のいずれかの一部では、酵素消化は、コラゲナーゼ、任意でコラゲナーゼIVまたはコラゲナーゼI/IIとのインキュベーションによるものである。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞を含む細胞集団は、約5×105個から、2×106個または約2×106個の全細胞/2cm2で、第1のT細胞刺激物質とのインキュベーションのために播種される。提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍は結腸直腸がん(CRC)である。
提供される態様のいずれかの一部では、少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションは、最低24時間から細胞の採取時までの間であるか、または、24時間または約24時間から、96時間または約96時間であるか、または、24時間または約24時間から、48時間または約48時間であるか、または、24時間もしくは約24時間、36時間もしくは約36時間、または48時間もしくは約48時間である。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞刺激物質とのインキュベーションは、24時間または約24時間から、96時間または約96時間であるか、または、24時間または約24時間から、48時間または約48時間であるか、または、24時間もしくは約24時間、36時間もしくは約36時間、または48時間もしくは約48時間である。
提供される態様のいずれかの一部では、第1のT細胞刺激物質とともにインキュベートすることは、7~21日間、任意で7~14日間にわたる。提供される態様のいずれかの一部では、第1のT細胞刺激物質とともにインキュベートすることは、閉鎖系内である。提供される態様のいずれかの一部では、第1のT細胞刺激物質とともにインキュベートすることは、ガス透過性培養容器内である。提供される態様のいずれかの一部では、第1のT細胞刺激物質とともにインキュベートすることは、バイオリアクターを使用して行われる。提供される態様のいずれかの一部では、第2のT細胞刺激物質とともにインキュベートすることは、7~21日間、任意で7~14日間にわたる。提供される態様のいずれかの一部では、第2のT細胞刺激物質とともにインキュベートすることは、閉鎖系内である。提供される態様のいずれかの一部では、第2のT細胞刺激物質とともにインキュベートすることは、ガス透過性培養容器内である。提供される態様のいずれかの一部では、第2のT細胞刺激物質とともにインキュベートすることは、バイオリアクターを使用して行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、方法の段階のうちの1つまたは複数は、閉鎖系内で行われ、任意で、選択および/または富化またはインキュベーションのための段階のうちの1つまたは複数は、閉鎖系内で行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、方法は、対象に投与するために採取された細胞を製剤化する工程をさらに含む。提供される態様のいずれかの一部では、製剤化する工程は、凍結保存を含み、細胞は、対象に投与する前に解凍される。
提供される方法のいずれかによって生成された組成物が、本明細書において提供される。
腫瘍反応性T細胞を含む組成物が本明細書において提供され、組成物中の全細胞または全T細胞の少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%は、腫瘍反応性T細胞であるか、または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性である。
本明細書において組成物が提供され、組成物は、提供される方法のいずれかによって生成された腫瘍反応性T細胞が富化された増大T細胞を含む。
提供される方法のいずれかによって生成された、薬学的に許容される賦形剤を含む組成物が、本明細書において提供される。
提供される組成物の態様のいずれかの一部では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、およびCD256からなる群より選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90およびCD38からなる群より選択される。いくつかの態様では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD107aおよびCD39、CD107aおよびCD103、CD107aおよびCD59、CD107aおよびCD90、CD107aおよびCD38、CD39およびCD103、CD39およびCD59、CD39およびCD90、CD39およびCD38、CD103およびCD59、CD103およびCD90、CD103およびCD38、CD59およびCD90、CD59およびCD38、ならびにCD90およびCD38から選択される少なくとも2つのマーカーを含む。いくつかの態様では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、CD137をさらに含む。いくつかの態様では、1つまたは複数の反応性T細胞活性化マーカーは、CD107aおよびCD137、CD38およびCD137、CD103およびCD137、CD59およびCD137、CD90およびCD137、ならびにCD38およびCD137から選択される少なくとも2つのマーカーを含む。いくつかの態様では、1つまたは複数の反応性T細胞マーカーは、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される少なくとも1つのマーカーをさらに含む。
提供される組成物の態様のいずれかの一部では、T細胞は、CD3+T細胞であるか、またはCD4+T細胞および/もしくはCD8+T細胞を含む。いくつかの態様では、T細胞は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を含み、CD8+T細胞とCD4+T細胞の比は、1:100もしくは約1:100から、100:1もしくは約100:1、1:50もしくは約1:50から、50:1もしくは約50:1、1:25もしくは約1:25から、25:1もしくは約25:1、1:10もしくは約1:10から、10:1もしくは約10:1、1:5もしくは約1:5から、5:1もしくは約5:1、または1:2.5もしくは約1:2.5から、2.5:1もしくは約2.5:1である。
提供される態様のいずれかの一部では、方法は、少なくとも2倍もしくは少なくとも約2倍、少なくとも5倍もしくは少なくとも約5倍、少なくとも10倍もしくは少なくとも約10倍、少なくとも25倍もしくは少なくとも約25倍、少なくとも50倍もしくは少なくとも約50倍、少なくとも100倍もしくは少なくとも約100倍、少なくとも250倍もしくは少なくとも約250倍、少なくとも500倍もしくは少なくとも約500倍、少なくとも1000倍もしくは少なくとも約1000倍、またはそれ以上である、T細胞の増大倍率または腫瘍反応性T細胞の増大倍率をもたらす。
提供される態様のいずれかの一部では、増大細胞の組成物は、抗原特異的刺激の後に、30pg/mL超または約30pg/mL超、任意で60pg/mL超または約60pg/mL超の濃度で、IFNγを産生することができる。提供される態様のいずれかの一部では、方法は、凍結保護剤を用いて、採取された細胞を製剤化する工程を含む。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞は、CD3+T細胞であるか、またはCD4+T細胞および/もしくはCD8+T細胞を含む。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を含み、CD8+T細胞とCD4+T細胞の比は、1:100もしくは約1:100から、100:1もしくは約100:1、1:50もしくは約1:50から、50:1もしくは約50:1、1:25もしくは約1:25から、25:1もしくは約25:1、1:10もしくは約1:10から、10:1もしくは約10:1、1:5もしくは約1:5から、5:1もしくは約5:1、または1:2.5もしくは約1:2.5から、2.5:1もしくは約2.5:1である。
提供される態様のいずれかの一部では、組成物中の腫瘍反応性T細胞の数、もしくはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の総数、またはその生細胞の数は、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個、0.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、1×108個もしくは約1×108個、1×108個から、50×109個もしくは約50×109個、1×108個もしくは約1×108個から、30×109個もしくは約30×109個、1×108個から、12×109個もしくは約12×109個、1×108個もしくは約1×108個から、60×108個もしくは約60×108個、1×108個もしくは約1×108個から、15×108個もしくは約15×108個、1×108個もしくは約1×108個から、8×108個もしくは約8×108個、1×108個もしくは約1×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個、8×108個もしくは約8×108個から、50×109個もしくは約50×109個、8×108個もしくは約8×108個から、30×109個もしくは約30×109個、8×108個もしくは約8×108個から、12×109個もしくは約12×109個、8×108個もしくは約8×108個から、60×108個もしくは約60×108個、8×108個もしくは約8×108個から、15×108個もしくは約15×108個、15×108個もしくは約15×108個から、50×109個もしくは約50×109個、15×108個もしくは約15×108個から、30×109個もしくは約30×109個、15×108個もしくは約15×108個から、12×109個もしくは約12×109個、15×108個もしくは約15×108個から、60×108個もしくは約60×108個、60×108個もしくは約60×108個から、50×109個もしくは約50×109個、60×108個もしくは約60×108個から、30×109個もしくは約30×109個、60×108個もしくは約60×108個から、12×109個もしくは約12×109個、12×109個もしくは約12×109個から、50×109個もしくは約50×109個、12×109個もしくは約12×109個から、30×109個もしくは約30×109個、または30×109個もしくは約30×109個から、60×109個もしくは約60×109個(両端の値を含む)である。
提供される組成物の態様のいずれかの一部では、組成物中の腫瘍反応性T細胞の数、もしくはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の総数、またはその生細胞の数は、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個、0.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、1×108個もしくは約1×108個、1×108個から、50×109個もしくは約50×109個、1×108個もしくは約1×108個から、30×109個もしくは約30×109個、1×108個から、12×109個もしくは約12×109個、1×108個もしくは約1×108個から、60×108個もしくは約60×108個、1×108個もしくは約1×108個から、15×108個もしくは約15×108個、1×108個もしくは約1×108個から、8×108個もしくは約8×108個、1×108個もしくは約1×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個、8×108個もしくは約8×108個から、50×109個もしくは約50×109個、8×108個もしくは約8×108個から、30×109個もしくは約30×109個、8×108個もしくは約8×108個から、12×109個もしくは約12×109個、8×108個もしくは約8×108個から、60×108個もしくは約60×108個、8×108個もしくは約8×108個から、15×108個もしくは約15×108個、15×108個もしくは約15×108個から、50×109個もしくは約50×109個、15×108個もしくは約15×108個から、30×109個もしくは約30×109個、15×108個もしくは約15×108個から、12×109個もしくは約12×109個、15×108個もしくは約15×108個から、60×108個もしくは約60×108個、60×108個もしくは約60×108個から、50×109個もしくは約50×109個、60×108個もしくは約60×108個から、30×109個もしくは約30×109個、60×108個もしくは約60×108個から、12×109個もしくは約12×109個、12×109個もしくは約12×109個から、50×109個もしくは約50×109個、12×109個もしくは約12×109個から、30×109個もしくは約30×109個、または30×109個もしくは約30×109個から、60×109個もしくは約60×109個(両端の値を含む)である。
提供される態様のいずれかの一部では、治療有効用量は、1×109~10×109個のT細胞である。
提供される組成物の態様のいずれかの一部では、組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含有する。いくつかの態様では、組成物は、凍結保護剤を含む。
提供される組成物の態様のいずれかの一部では、組成物は無菌である。
腫瘍を有する対象に、提供される方法のいずれかによって生成された組成物の治療用量を投与する工程を含む治療方法が、本明細書において提供される。
がんを有する対象に、提供される組成物のいずれかを投与する工程を含む治療方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、投与される組成物の細胞は、対象にとって自己由来である。いくつかの態様では、がんは上皮がんである。
いくつかの態様では、がんは、メラノーマ、肺扁平上皮、肺腺がん、膀胱がん、肺小細胞がん、食道がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、頭頸部がん、胃がん、または子宮がんである。いくつかの態様では、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、CRC、卵巣がん、乳がん、食道がん、胃がん、膵がん、胆管細胞がん、子宮内膜がんであり、任意で、乳がんは、HR+/Her2-乳がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、またはHER2+乳がんである。
提供される態様のいずれかの一部では、対象のがんを治療するために、方法によって生成された増大細胞を含む組成物が使用される。提供される態様のいずれかの一部では、腫瘍は、上皮がんの腫瘍である。提供される方法のいずれかの一部では、腫瘍は、メラノーマ、肺扁平上皮、肺腺がん、膀胱がん、肺小細胞がん、食道がん、結腸直腸がん(CRC)、子宮頸がん、頭頸部がん、胃がん、または子宮がんの腫瘍である。提供される方法のいずれかの一部では、腫瘍は、非小細胞肺がん(NSCLC)、CRC、卵巣がん、乳がん、食道がん、胃がん、膵がん、胆管細胞がん、子宮内膜がんの腫瘍であり、任意で、乳がんは、HR+/Her2-乳がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、またはHER2+乳がんである。
詳細な説明
腫瘍などの標的細胞の表面上のペプチドを認識する細胞表面受容体を発現するT細胞を製造するための方法が、本明細書において提供される。T細胞は、腫瘍関連抗原、例えばネオ抗原を認識する腫瘍反応性T細胞であり得る。方法は、T細胞をエクスビボで培養する工程を含み、T細胞は、T細胞の細胞供給源としての生体試料から単離されるか得られる。場合によっては、細胞供給源は、末梢血リンパ球、リンパ節由来リンパ球、または腫瘍浸潤リンパ球を含む。細胞を培養する方法は、細胞を増殖させ増大する方法を含み、特に、腫瘍反応性T細胞の増殖および増大のために、例えば、そのような細胞の選択によって、またはそのような細胞に関連するT細胞活性化マーカーに基づいて富化するための段階を含む。提供される方法はまた、T細胞療法のエクスビボ作製では、特定のT細胞アジュバントを使用する。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは共刺激アゴニストである。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは、細胞内でアポトーシスまたはアポトーシス経路を阻害する作用物質(以下、「アポトーシス阻害物質」)である。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは免疫チェックポイント調節因子である。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは、細胞内で熱ショックタンパク質または熱ショックタンパク質活性を阻害する作用物質である。エクスビボでT細胞の機能性を高め、インビボでの治療方法に使用するために、T細胞の製造にT細胞アジュバントを加えることができる。特定の態様では、そのような方法は、非反応性と比較して反応性T細胞の増大を富化し、エクスビボでの培養ではそれらの生存および増殖を促進することができる。提供される方法は、既存の方法よりもはるかに大きな程度まで治療用量までの増大を増加させ、および/または治療効果のためにT細胞療法の機能性を高めることができると考えられる。提供される方法は、例えば、患者ドナーまたは別の患者に再送達するためのT細胞療法の作製方法に関連して、体外でのドナー細胞の増殖および生存を支援するために使用することができる。
提供される方法は、ネオ抗原などの腫瘍関連抗原に対して反応性であるT細胞療法の作製に関する。がん細胞は、腫瘍化プロセスの一部として多くの異なるDNA変異を蓄積する。これらの変異は、タンパク質コード領域のアミノ酸変化を引き起こす可能性がある。免疫系によって変異が認識されるためには、タンパク質が細胞内でプロセシングされ、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によって表面上に提示される変異ペプチドを提示される必要がある。ペプチドネオ抗原(本明細書においてネオエピトープまたはペプチドネオエピトープとも呼ばれる)は、TCR結合を介してT細胞によって認識され得る、MHC複合体によって提示される変異ペプチドである。免疫系が変異を認識するためには、変異がMHC複合体を介してがん細胞の表面上に発現していなければならず、T細胞は、変異ペプチドを認識するTCRを有しなければならない。これらのネオ抗原は、MHCクラスIおよびMHCクラスIIによって提示され得、それぞれCD8+T細胞およびCD4+T細胞によって認識される。
提供される方法の特定の態様では、T細胞集団は、標的細胞の表面上のペプチド抗原を認識することができるT細胞受容体(TCR)などの細胞表面受容体を発現する反応性T細胞であるか、またはそれを含む。具体的には、免疫系によって認識される抗原については、タンパク質は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によって表面上に提示されるペプチド断片に細胞内でプロセシングされる必要がある。TCRは、特定の細胞の表面上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)タンパク質によって提示される特定のペプチドと結合するように設計された2つのタンパク質鎖を有する。TCRは、標的細胞の表面上に発現されるMHC分子に関連してペプチドを認識するため、TCRは、標的細胞、例えば、がん細胞の表面上に直接提示されるだけでなく、例えば、腫瘍微小環境、炎症性微小環境および感染微小環境、ならびに二次リンパ器官では抗原提示細胞によって提示される抗原も認識する可能性を有する。そのような細胞表面受容体を発現する反応性T細胞は、限定されることなく、感染細胞、損傷細胞または機能不全細胞を含むいずれかの標的細胞を標的とし、死滅させるために使用され得る。そのような標的細胞の例には、がん細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、機能不全に活性化された炎症細胞(例えば、炎症性内皮細胞)、および機能不全の免疫反応に関与する細胞(例えば、自己免疫疾患に関与する細胞)が含まれ得る。
いくつかの態様では、「T細胞受容体」または「TCR」は、可変α鎖および可変β鎖(それぞれTCRαおよびTCRβとしても知られている)もしくは可変γ鎖および可変δ鎖(それぞれTCRγおよびTCRδとしても知られている)またはその抗原結合部分を含み、MHC分子に結合したペプチドに特異的に結合することができる分子である。いくつかの態様では、TCRはαβ形態である。典型的には、αβ形態およびγδ形態で存在するTCRは、一般に構造的に類似しているが、それらを発現するT細胞は、異なる解剖学的な位置または機能を有し得る。TCRは、T細胞(またはTリンパ球)の表面上に見出され得、そこで、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合した抗原の認識を一般に担う。
いくつかの局面では、反応性T細胞は、がん抗原を認識する腫瘍反応性T細胞である。がん細胞は、腫瘍化プロセスの一部として多くの異なるDNA変異を蓄積する。これらの変異は、タンパク質コード領域のアミノ酸変化を引き起こす可能性がある。ネオ抗原は、腫瘍特異的変異遺伝子によってコードされ、TCR結合を介してT細胞によって認識され得る、MHC複合体によって提示される変異ペプチドである。免疫系が変異を認識するために、変異ペプチドを認識するTCRを有するT細胞による認識のためにMHC複合体を介してがん細胞の表面上にネオ抗原が発現される。これらのネオ抗原は、MHCクラスIおよびMHCクラスIIによって提示され得、それぞれCD8+T細胞およびCD4+T細胞によって認識される。ネオ抗原の大部分は、パッセンジャー変異から生じ、これは、それらが、がん細胞に対するいかなる増殖上の利点も暗示しないことを意味する。比較的少数の変異が腫瘍増殖を活発に促進し、これらはドライバー変異として知られている。パッセンジャー変異は、各患者に固有であり、あらゆるがん細胞のサブセットにおいて押圧している可能性があるネオ抗原を生じさせる可能性が高い。ドライバー変異は、個体のあらゆる腫瘍細胞に存在し、潜在的に共有される可能性が高いネオ抗原を生じさせる。提供される方法のいくつかの態様では、T細胞集団は、パッセンジャー変異および/またはドライバー変異を含むネオ抗原を認識することができる腫瘍反応性T細胞を含有する。
特定の局面では、提供される方法は、自己腫瘍反応性T細胞のエクスビボ増大を含む、T細胞療法のエクスビボ作製に使用することができる。いくつかの局面では、ネオ抗原は疾患特異的標的であるため、免疫療法の理想的な標的である。例えば、そのような抗原は、がんが発症する前には体内に一般に存在せず、真にがん特異的であり、正常細胞上に発現せず、オフターゲット免疫毒性に供されない。したがって、患者に特異的なネオ抗原の固有のレパートリーは、がん細胞に特異的な強力な免疫応答を誘発し、正常細胞を回避することができる。これは、正常細胞上の低レベルの標的抗原であっても、一般的な抗原を標的とする操作された治療の状況では重篤な致死的自己免疫毒性をもたらし得るため、疾患特異的標的ではない可能性がある他の細胞療法標的に対する利点である。例えば、メラノーマ患者では、抗MAGE-A3-TCRプログラムは、脳内に低レベルで発現される類似の標的MAGE-A12との交差反応性に起因する試験関連の死亡のために中止された。がん免疫療法における重要な課題は、がん標的の同定である。
近年の臨床試験では、外科的に切除された腫瘍から単離されたT細胞が、ネオ抗原を認識するTCRを有し、これらのネオ抗原反応性TIL集団を増大させ、それらを患者に再注入すると、場合によっては劇的な臨床的利益がもたらされ得ることが実証されている。この個別化された療法は、一般的な上皮腫瘍を有する特定の患者では、顕著な臨床応答をもたらした。
腫瘍反応性T細胞を得、生成するための既存の方法は、完全に満足のいくものではない。例えば、腫瘍反応性T細胞を増大せずに対象から直接単離することは、治療有効量のそのような細胞を得ることができないため、実現不可能である。代替として、これらの細胞は、自己抗原提示細胞の存在下での自己バルクT細胞のエクスビボ共培養法によって同定することができる。そのような方法では、自己抗原提示細胞を供給源または潜在的な腫瘍ペプチドに接触させるか、それを提示させて、ネオ抗原変異に対して反応性であるTCRを同定する。既存の方法は反応性T細胞を生成し得るが、この手順は多くの場合長く、液滴技術を使用する単一細胞共培養を必要とし、かつ/またはエンドトキシン、マイコプラズマ(mycoplasma)および無菌性に関連する安全性リスクをもたらす、GMP制御環境外の方法を含む。また、養子細胞療法方法に使用するためのT細胞へのTCRの組換え操作のために、所望のネオ抗原に特異的なTCRを同定する試みも行われてきた。ただし、そのような手法は、特定のネオ抗原に対して単一のTCRしか生成せず、それにより、複数の腫瘍特異的変異のさらに広いレパートリーを認識するための多様性を欠く。他の方法は、腫瘍抗原に対して反応性ではないT細胞を増大するリスクを有する、および/または阻害活性を示し得る多数のバイスタンダー細胞を含み得る、腫瘍供給源由来のT細胞のバルク増大を含む。例えば、腫瘍制御性T細胞(Treg)は、免疫応答の抑制に特化し、T細胞産物の反応性を制限し得るCD4+T細胞の亜集団である。エクスビボで腫瘍反応性T細胞を増大させようとしたこれらのさらなる手法は選択的ではなく、その結果、培養物中の非反応性T細胞が反応性T細胞よりも優先的に増大し、満足のいく反応性を欠くおよび/または腫瘍反応性T細胞の数が不十分なままである最終生成物をもたらす可能性がある。治療のために腫瘍反応性T細胞を生成する方法が必要である。
提供される態様は、T細胞療法に使用するための腫瘍反応性T細胞を含むT細胞をエクスビボで同定および増大するための改善された方法に関する。いくつかの態様では、提供される方法は、体外の腫瘍反応性T細胞などのT細胞の増殖および生存を改善するか増加させる。特定の態様では、方法は、非反応性と比較して反応性T細胞の増大を富化し、エクスビボでの培養ではそれらの生存および増殖を促進する。いくつかの態様では、得られた方法は、閉鎖系内で行うことができる。いくつかの態様における方法は、自動化された様式または部分的に自動化された様式で行われる。
提供される態様では、方法は、試料中のT細胞のうちの1つまたは複数によって発現される共刺激受容体を刺激または活性化する条件下でのT細胞集団が富化された細胞と共刺激アゴニストとのエクスビボインキュベーションを含む。特定の態様では、共刺激アゴニストは4-1BBアゴニストである。他の特定の態様では、共刺激アゴニストはOX40アゴニストである。組換えIL-2、組換えIL-7、組換えIL-15および/または組換えIL-21由来の1つまたは複数の組換えサイトカインも、対象からの細胞集団内でT細胞を最初に増大するためにインキュベーション中に含めることができる。いくつかの態様では、共刺激アゴニストとのインキュベーションに続いて、または共刺激アゴニストとのインキュベーションと同時に、集団内のT細胞の増殖を誘導または媒介する条件下で、T細胞集団をT細胞刺激物質、例えば、組換えIL-2に単独でまたは1つもしくは複数の他の組換えサイトカイン(例えば、IL-7、IL-15および/またはIL-21)と組み合わせて接触させる。いくつかの態様では、共刺激物質とのインキュベーションに続いて、または共刺激物質とのインキュベーションと同時に、集団内のT細胞の増殖を誘導または媒介する条件下で、T細胞集団をT細胞刺激物質、例えば、抗CD3抗体(例えばOKT3)、または例えば抗CD3/抗CD28ビーズとしての抗CD3/抗CD28刺激物質に接触させる。いくつかのそのような局面では、4-1BBアゴニストまたはOX40アゴニストなどの共刺激アゴニストは、集団内のT細胞の増殖能力および/または機能的活性を増強または促進するための初期刺激を提供する。
提供される態様では、方法は、試料中のT細胞のアポトーシスを低減または防止する条件下でのT細胞集団が富化された細胞とアポトーシス阻害物質とのエクスビボインキュベーションを含む。特定の態様では、アポトーシス阻害物質は、Fas/Fasリガンド軸の阻害物質であるか、カスパーゼの阻害物質であり、これらはいずれも、特に活性化T細胞のアポトーシスの誘導に関与する。特定の態様では、アポトーシス阻害物質は、1つまたは複数のカスパーゼの阻害物質(カスパーゼ阻害物質とも呼ばれる)である。本明細書において示されるように、カスパーゼ阻害物質は、本明細書において、特に患者腫瘍由来の腫瘍反応性T細胞の増大能、または腫瘍微小環境に存在し得る条件下で細胞が活性化された場合の増殖能を顕著に改善することが見出される。組換えIL-2、組換えIL-7、組換えIL-15および/または組換えIL-21由来の1つまたは複数の組換えサイトカインも、対象からの細胞集団内でT細胞を最初に増大するためにインキュベーション中に含めることができる。いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質とのインキュベーションに続いて、またはアポトーシス阻害物質とのインキュベーションと同時に、集団内のT細胞の増殖を誘導または媒介する条件下で、T細胞集団をT細胞刺激物質、例えば、組換えIL-2に単独でまたは1つもしくは複数の他の組換えサイトカイン(例えば、IL-7、IL-15および/またはIL-21)と組み合わせて接触させる。いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質とのインキュベーションに続いて、またはアポトーシス阻害物質とのインキュベーションと同時に、集団内のT細胞の増殖を誘導または媒介する条件下で、T細胞集団をT細胞刺激物質、例えば、抗CD3抗体(例えばOKT3)、または例えば抗CD3/抗CD28ビーズとしての抗CD3/抗CD28刺激物質に接触させる。いくつかのそのような局面では、アポトーシス阻害物質は、T細胞をアポトーシスから保護し、それによって、集団内のT細胞が増殖し増大される可能性を取り戻させる。
特定の態様では、T細胞アジュバント、例えば、共刺激アゴニスト、アポトーシス阻害物質、免疫チェックポイント調節因子および/または熱ショックタンパク質阻害物質は、可溶性タンパク質、例えば、固体表面(例えば、ビーズまたは他の固体支持体)に結合または付着していないタンパク質である。T細胞アジュバントは、小分子、ペプチドまたはタンパク質を含み得る。そのようなT細胞アジュバントの中には、可溶性リガンド、抗体もしくは抗原結合断片または他の結合剤がある。いくつかの態様では、共刺激アゴニストは、4-1BBまたはOX40などの共刺激分子に特異的に結合して、細胞内の共刺激シグナルを誘導または刺激する分子を含み得る。いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質は、細胞内でアポトーシスの誘導を媒介するか、細胞内でアポトーシスの誘導に関与する受容体に特異的に結合する分子を含み得る。いくつかの態様では、免疫チェックポイント調節因子は、PD1などの「チェックポイント」タンパク質に特異的に結合する分子を含み得る。いくつかの態様では、熱ショックタンパク質阻害物質は、Hsp90などの熱ショックタンパク質に特異的に結合する分子を含み得る。いくつかの態様では、これらの分子は、例えば、細胞製造に関連してまたは投与のための細胞の最終製剤化の前に細胞を洗浄することによって、製造プロセス中に容易に除去することができる。
提供される方法のいくつかの態様では、腫瘍ネオ抗原ペプチドに対して反応性であるT細胞の増大を含むプロセスにおいてネオ抗原に対して反応性であるTCRを同定するために、潜在的な腫瘍ペプチドの供給源が使用される。提供される方法には、生体試料(例えば、腫瘍断片もしくは末梢血または他のT細胞源)から増大されたT細胞集団が、ネオ抗原ペプチドに接触させたか、ネオ抗原ペプチドを提示させた抗原提示細胞の存在下でインキュベートされるエクスビボ共培養法が含まれる。特定の局面では、T細胞および抗原提示細胞は、ペプチドが同定された腫瘍担持対象にとって自己由来である。提供される方法は、追加のエクスビボ増大の前に、または追加のエクスビボ増大に関連して、共培養物から腫瘍反応性T細胞を分離、富化、および/または選択するための段階をさらに含む。
図1Aは、提供される方法に従ってT細胞治療組成物を製造するための例示的なプロセスの概略図を示す。例示的なプロセスでは、腫瘍試料は、ペプチドを提示する抗原提示細胞(APC)との、および同じ対象から得られた自己抗原T細胞との共培養法で使用するためのペプチドの同定および生成のために、患者から得られる。場合によっては、主要組織適合遺伝子複合体上に提示するためにペプチドネオエピトープに接触または曝露した抗原提示細胞と共培養する前に、細胞を増大するための条件下で、例えば、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)または末梢血リンパ球(PBL)を含む、患者から得られたT細胞集団を刺激する。抗原提示細胞が主要組織適合遺伝子複合体に関連してペプチドを提示する条件下で共培養した後、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する1つもしくは複数のT細胞活性化マーカー(アップレギュレーションマーカーまたは反応性T細胞マーカー、例えばCD70aとも呼ばれる)に対して表面陽性のT細胞を選択し、T細胞刺激物質(例えば、組換えIL-2、抗CD3および/または抗CD28)とのインキュベーションなど、提供される方法に従って増大するための条件下で培養することができる。培養する工程は、細胞の増殖および増大を支援するために、1つまたは複数の組換えサイトカイン(例えば、IL-2)の存在下で行うことができる。このプロセスは、栄養素を含有する無血清培地の存在下で行うことができる。段階の1つもしくは複数または全部は、閉鎖系内で、例えば、細胞を環境に曝露することなく行うことができる。治療用量、または細胞の閾値数に達したら、細胞を採取および製剤化し、場合によっては濃縮または凍結保存し、例えば、注入によって対象に投与するのに使用することができる。提供される例では、段階のうちの1つまたは複数は、共刺激アゴニスト、アポトーシス阻害物質、免疫チェックポイント調節因子および/または熱ショックタンパク質阻害物質などのT細胞アジュバントの存在下で行われる。図1Bは、凍結保存段階が段階のうちの1つまたは複数の後に行われ得る例示的なプロセスを示す。
提供される方法は、例えば、ペプチド提示APCとの共培養段階に続いて、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーをアップレギュレートした反応性T細胞クローンを選択することによって、腫瘍反応性細胞を富化するための段階を含むため、提供される方法は、増大TILを生成するための既存の方法と比較して利点を提供する。このプロセスにより、生体試料(例えば、腫瘍)から増大した腫瘍反応性T細胞の最初の小集団は、その後の第2の増大段階の前に、腫瘍反応性細胞であるか腫瘍反応性細胞である可能性が高い細胞について富化され、それによって、関心対象の細胞の保存および増大が促進され、腫瘍抗原に対して反応性ではなくかつ/または阻害活性を示す細胞を含み得るバイスタンダーT細胞の増大が制限される(図2A)。これは、腫瘍由来の全T細胞が、例えば、高いIL-2濃度を用いる第1の初期増大に供され、続いて初期増大後に存在するT細胞の第2の急速な増大に供される、バルクT細胞の受動的増大を含む既存の方法とは対照的である。そのような他の方法では、これらの代替プロセスによって全生細胞(TVC)を大幅に増大することができるが、腫瘍反応性T細胞が主に増殖することを能動的に確実にする段階はない(図2B)。さらに、提供される方法は、例えば、最初の増大後に増殖させた全細胞をペプチド提示APCと共培養し、次いで、共培養後の全バルク細胞の中から、後続の第2の増大前に1つまたは複数の活性化マーカーに対して陽性の細胞を選択することによって、収集され得る腫瘍反応性細胞の数を最大化するために行われる。提供される方法の局面では、方法の全段階が閉鎖系内で行われる。
提供される方法は、エクスビボで腫瘍反応性T細胞治療組成物を生成するための改善された、さらに効率的なおよび/またはさらに堅牢なプロセスを提供するか、それに関連する1つまたは複数の特徴を含む。特に、本開示は、TIL治療用細胞組成物を生成するための利用可能な方法を超える利点を提供する方法に関する。そのような利点には、例えば、コストの削減、合理化、治療組成物中の腫瘍反応性T細胞の富化の改善、ならびに例えば様々な対象および腫瘍状態にわたる治療組成物の有効性の増加が含まれる。
本明細書における知見の中には、一方または両方の増大段階中に比較的低濃度の組換えIL-2を成功裏に使用することができるという観察結果がある。多くの既存の方法は、TILのT細胞増大のために6000IU/mLという高濃度のIL-2を使用する。しかし、高いIL-2濃度は、プロセスのコストを増加させる可能性があり、限定的であり得る。場合によっては、高いIL-2濃度は、治療用T細胞組成物中でさらに望ましい場合がある初期メモリーT細胞よりもエフェクターT細胞分化を促進することによって、T細胞分化に対して負の影響をもたらし得る。提供される方法は、6000IU/mLよりも数倍低い濃度、例えば、1000IU/mL未満または約1000IU/mL未満の濃度、例えば、300IU/mLまたは約300IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mLの濃度を用いて行うことができる。特定の態様では、IL-2の濃度は、300IU/mLまたは約300IU/mLである。
提供される方法の態様では、T細胞集団は、T細胞を含有することが知られている生体試料から得られる。いくつかの態様では、T細胞集団は、対象、特にヒト対象からの生体試料から富化される。生体試料は、T細胞のバルク集団を含有する任意の試料であり得る。いくつかの態様では、生体試料は、末梢血単核細胞であるか、末梢血単核細胞を含む。いくつかの態様では、生体試料は、末梢血試料または血清試料である。いくつかの態様では、生体試料はリンパ節試料である。いくつかの態様では、生体試料は腫瘍試料である。いくつかの局面では、バルクT細胞は、腫瘍浸潤T細胞(TIL)を含み得る。いくつかの態様では、対象はヒト対象である。いくつかの態様では、対象は、がん、ウイルス感染、細菌感染を有する対象であるか、炎症状態を有する対象である。特定の態様では、対象はがんを有する。
提供される方法の局面では、方法における細胞の出発源は、腫瘍断片(例えば、直径1~8mmの断片)であり得るか、腫瘍断片の酵素消化から得られた単一細胞懸濁調製物であり得る。いくつかの腫瘍型では特定の供給源が優れている可能性があるが、断片および単一細胞懸濁液の両方が、T細胞増大、および腫瘍反応性T細胞の富化を支援することができることが本明細書において見出される。場合によっては、腫瘍細胞供給源は、例えば、腫瘍からの腫瘍反応性T細胞の増大および富化を最適化するか増加させるために、腫瘍型またはがんに応じて選択され得る。一例では、がんはメラノーマであり、リンパ球の出発集団は、例えば、切除された腫瘍由来の腫瘍断片である。別の例では、がんは結腸直腸がんであり、リンパ球の出発集団は、腫瘍断片の酵素消化、例えばコラゲナーゼによって得られた単一細胞懸濁液である。
いくつかの態様では、方法は、最初に増大したT細胞と、ペプチドをロードされた自己抗原提示細胞とを共培養する段階を含む。本明細書における所見は、各個々のペプチドが20ng/mL未満であり、さらには0.1ng/mLという低さである場合など、比較的低濃度のペプチドまたはペプチドプール(複数のペプチド、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100個以上、または前述のいずれかの間の任意の値を含む)が、培養中のT細胞の活性化の増加をもたらし得ることを実証している。いくつかの態様では、これにより、1つまたは複数のT細胞活性化マーカー(すなわち、アップレギュレーションマーカーまたは反応性T細胞マーカー)に対して陽性の細胞を選択する前に、共培養物中の腫瘍反応性T細胞の富化の改善がもたらされ得る。いくつかの態様では、提供される方法における共培養段階は、T細胞を含有する腫瘍由来細胞と自己APC(例えば樹状細胞)の比が1:5または約1:5から、5:1または約5:1、例えば1:1または約1:1として、例えば1:3から、3:1または約3:1であることを含み、APCに個々のペプチド、またはペプチドプールをロードさせる工程を含む。いくつかの態様では、APCには、個々のペプチド、またはペプチドプールの個々のペプチドが平均して20ng/mL未満または約20ng/mL未満、例えば、0.1ng/mLまたは約0.1ng/mLから、1ng/mLまたは約1ng/mL、例えば0.1ng/mLまたは約0.1ng/mLである濃度のペプチドまたはペプチドプールがロードされる。
いくつかの態様では、提供される方法は、生体試料由来のT細胞集団を富化または選択する工程を含む。いくつかの局面では、T細胞、またはT細胞の特異的亜集団、例えば、高レベルの1つまたは複数の表面マーカーに対して陽性であるか、それらを発現する細胞、例えば、CD3+T細胞、CD4+T細胞またはCD8+T細胞が、陽性選択技術または陰性選択技術によって単離される。いくつかの局面では、富化されたT細胞は、CD4+T細胞について富化または選択される。いくつかの局面では、富化されたT細胞は、CD8+T細胞について富化または選択される。いくつかの局面では、富化されたT細胞は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化または選択される。例えば、CD4+T細胞およびCD8+T細胞は、CD3を発現するバルクT細胞を陽性に選択することができる。あるいは、CD4+T細胞およびCD8+T細胞は、CD4を発現するT細胞亜集団の陽性選択と、CD8を発現するT細胞亜集団の陽性選択とによって、同時に、またはいずれかの順序で連続的に別個に選択され得る。CD4+T細胞およびCD8+T細胞の選択は、がん抗原などの抗原の多様なレパートリーを認識することができる汎腫瘍スキャン標的であるT細胞療法を提供するために、MHCクラスIIおよびMHCクラスIを発現するT細胞の富化を確実にする。
いくつかの態様では、提供される方法は、その発現が反応性T細胞または活性化T細胞(例えば、休止T細胞または非活性化T細胞と比較して)上でアップレギュレートされるか反応性T細胞または活性化T細胞に特異的な1つまたは複数のマーカー(以下、「反応性T細胞マーカー」またはT細胞活性化マーカー)にさらに基づいて、T細胞、例えば、CD3+T細胞またはそのCD4および/またはCD8サブセットを富化することを含む。反応性T細胞は、それらの内因性TCRが標的細胞または標的組織上の抗原を認識する場合、例えば、TCRが腫瘍上のネオ抗原を認識する場合、特定の反応性マーカーを発現する。例示的な反応性T細胞マーカーには、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、またはLAG-3のうちの1つまたは複数、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれ以上が含まれる。1つまたは複数のそのような反応性T細胞マーカーに対して陽性の細胞の富化または選択は、増大方法の1つまたは複数の段階の前または最中に行うことができる。特定の態様では、提供される方法は、ペプチド提示APC(例えば樹状細胞、DC)との共培養インキュベーションによるT細胞集団の活性化後の反応性T細胞または活性化T細胞上の1つまたは複数のアップレギュレーションマーカーに対して陽性の細胞の富化または選択を含む。いくつかの態様では、共培養物由来の反応性T細胞または活性化T細胞上の1つまたは複数のアップレギュレーションマーカーに対して陽性の細胞を選択する段階は、抗原特異的腫瘍反応性T細胞の2倍またはそれ以上の富化および/またはTCRクローン性の実質的な減少をもたらし、腫瘍反応性T細胞の富化と一致するTCRクローン型の富化を証明することができる。さらに、そのような富化されたT細胞は、共培養物由来の選択されていないT細胞またはバルクT細胞と比較して、抗原特異的刺激後にIFN-γを産生する能力の改善を示し得る。
いくつかの態様では、方法は、疾患または状態に関連する細胞または組織が、T細胞によって認識される抗原標的を発現することが知られているか疑われる疾患または状態を治療するための養子細胞療法方法に使用するためのT細胞を生成または増大させる。いくつかの態様では、T細胞療法は、対象にとって自己由来である。いくつかの態様では、T細胞療法は、対象にとって同種異系である。
本出願で言及される特許文書、科学論文およびデータベースを含むすべての刊行物は、あたかも各個々の刊行物が参照により個別に組み入れられるのと同程度に、あらゆる目的のために参照によりその全体が組み入れられる。本明細書において記載される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、出願、公開された出願および他の刊行物に記載される定義と相反するか、そうでなければ矛盾する場合、本明細書において記載される定義は、参照により本明細書に組み入れられる定義よりも優先される。
本明細書において用いられるセクションの見出しは、編成のみを目的としたものであり、記述されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。
I. エクスビボ増大方法
特にがんの治療に関連して使用するためのT細胞治療組成物のエクスビボ増大および生成のための方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、製造方法は、体外での患者細胞の増殖および操作を含む。特定の態様では、方法は、腫瘍関連抗原に特異的な内因性TCRを含むT細胞(以下、「腫瘍反応性T細胞」)を増大させる方法に関する。本開示の目的のために、腫瘍反応性T細胞への言及には、腫瘍抗原に対する反応性を示すT細胞、またはT細胞活性化マーカーのアップレギュレーションもしくは表面陽性発現に起因して腫瘍反応性T細胞である可能性が高いか腫瘍反応性T細胞であることが疑われるT細胞が含まれる。いくつかの局面では、これらの細胞の頻度は低い場合があり、これらの細胞を治療用量まで増大させるためには、富化および増大のためのエクスビボ方法が必要である。
腫瘍反応性T細胞の増大のための提供される方法は、T細胞集団内でT細胞の増殖を刺激または誘導するための一連の増大段階を含む。場合によっては、方法は、細胞に一次および二次(共刺激)シグナルを提供するために、組換えIL-2とともに、単独で、または1つもしくは複数の他の組換えサイトカイン(例えば、IL-7、IL-21および/またはIL-15)、および場合によっては1つもしくは複数の他の刺激性T細胞作用物質と組み合わせてインキュベートすることを含む。さらに、場合によっては、アポトーシス阻害物質および熱ショックタンパク質阻害物質ならびに免疫チェックポイント調節因子を含む1つまたは複数のT細胞調節物質を使用することができる。T細胞を培養して一次および二次(共刺激)シグナルを細胞に提供するための標準的な方法は、抗CD3(例えばOKT3)試薬および抗CD28試薬によって提供されるT細胞刺激作用物質とのインキュベーションを含む。いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、抗CD3抗体(例えばOKT3)および抗CD28抗体を含む。典型的には、そのような刺激はまた、細胞が体外で生存することができるように、1つまたは複数の追加の組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-21および/またはIL-15)および栄養素含有培地を含む。
提供される方法では、方法は、腫瘍反応性T細胞を含有するT細胞集団をエクスビボで培養する工程であって、培養する工程の少なくとも一部が、医薬アゴニストと、場合によってはアポトーシス媒介経路または熱ショックタンパク質媒介経路の阻害物質とを含む追加のTアジュバントとのインキュベーションを含む、工程を含む。T細胞を製造する工程に1つまたは複数のT細胞アジュバントを加えると、エクスビボおよびインビボでT細胞の機能性を高めることができる。提供される方法に関連して、方法は、所望の治療用細胞の増大を最大化するために、腫瘍関連抗原に特異的な内因性TCRを含むT細胞(「腫瘍反応性T細胞」)の富化をさらに含む。いくつかの態様では、腫瘍関連抗原は、ネオ抗原であるか、ネオ抗原を含む。
したがって、提供される方法の中には、(1)例えば、抗CD3/抗CD28および/または組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-21および/またはIL-15)などの標準的なT細胞刺激物質の前またはそれと同時に、追加のT細胞調節物質を使用する工程をともに含み、(2)腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞の富化または選択をさらに含む、腫瘍反応性T細胞を製造するためにT細胞を培養する方法がある。提供される方法は、既存の方法よりもはるかに大きな程度まで治療用量までの増大を増加させ、かつ/または治療効果のためにT細胞療法の機能性を高めることができると考えられる。
提供される方法は、対象から、腫瘍反応性T細胞を含有することが知られているか腫瘍反応性T細胞を含有する可能性が高い生体試料を収集する工程を含む。いくつかの態様では、生体試料は、腫瘍を有する対象から直接収集することができ、場合によっては、そのような単離されたか得られたT細胞は、インビボで腫瘍と共培養されているか腫瘍に曝露されていてもよい。提供される方法の態様では、T細胞を含有する集団(以下、第1のT細胞集団とも呼ばれる)は、ヒト対象などの対象からの生体試料から得られたか、選択されたか、単離されたT細胞集団である。いくつかの態様では、T細胞を含有する集団は、腫瘍反応性T細胞であるか、または腫瘍反応性T細胞を含み得るもしくは潜在的に含み得るT細胞を含有することが知られているか疑われる任意の供給源試料由来のものであり得る。試料は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含有する腫瘍試料、末梢血単核細胞(PBMC)を含有する血液試料(例えば、アフェレーシス試料または白血球アフェレーシス試料)、またはリンパ節試料を含み得る。いくつかの態様では、試料は、腫瘍浸潤リンパ球またはTILを含有する腫瘍試料または腫瘍断片である。T細胞を含有する集団は、例えば、対象からの生体試料からT細胞またはそのサブセットを選択することによって、対象(例えば、健常対象またはがん対象)から直接得ることができる。特定の態様では、生体試料は、腫瘍を有し、腫瘍反応性T細胞を含むか、または提供される方法によって富化され得る腫瘍反応性T細胞を含む可能性を有するか、または提供される方法によって富化され得る腫瘍反応性T細胞を含み得る対象に由来する。
腫瘍反応性T細胞の増大のための提供される方法は、典型的には組換えIL-2を含む(例えば、IL-2、IL-7、IL-21、および/またはIL-15)のうちの1つまたは複数からの組換えサイトカインとともに、T細胞を含有する選択されたまたは単離された集団(すなわち、第1のT細胞集団)を培養する工程を含む第1の増大を含む。場合によっては、T細胞刺激物質は、例えば、抗CD3(例えばOKT3)試薬および抗CD28試薬、例えば抗CD3抗体(例えばOKT3)および抗CD28抗体によって提供される一次および二次(共刺激)シグナルを細胞にさらに提供する。場合によっては、第1の増大はまた、1つまたは複数のT細胞調節物質、例えば、記載されるようなTNFSFRアゴニストおよび/または免疫チェックポイント調節因子および/またはアポトーシス阻害物質および/または熱ショックタンパク質阻害物質の存在下で行われる。最初のまたは第1の増大は、第1の集団に存在するT細胞の増大または増殖の結果として、T細胞が富化された第2のT細胞集団をもたらす。
提供される方法の他の態様では、生体試料を収集し、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、人工提示細胞(APC)とともに、対象(例えば、健常対象またはがん対象)から直接得られたT細胞をインキュベートするエクスビボ共培養に使用することができる。収集された試料は、腫瘍上に存在する変異に対して反応性である内因性TCRを有するリンパ球を含有する。これらの細胞は、限定されることなく、抗原提示細胞の存在下での共培養、または腫瘍との共培養などの様々な方法によって同定され得る。提供される方法では、腫瘍反応性T細胞は、刺激されまたは増大させたT細胞(すなわち、第2のT細胞集団)と、抗原提示細胞、および腫瘍抗原のネオエピトープを含む1つまたは複数のペプチド(APC/ペプチドネオエピトープ)とのエクスビボ共培養を含む1つまたは複数のさらなる段階によって、第1の段階で増大させた刺激されたT細胞からさらに同定または富化され得る。提供される方法は、腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、1つまたは複数のペプチド、例えば合成ペプチドに曝露されたことがあるまたは接触したことがある人工提示細胞(APC)とともに、第2のT細胞集団がインキュベートされるエクスビボ共培養を含む。いくつかの態様では、集団T細胞は、腫瘍を有する対象からの自己T細胞であり、合成ペプチドの供給源は、同じ対象の腫瘍抗原由来の腫瘍抗原ペプチドである。いくつかの態様では、エクスビボ共培養物から得られた細胞は、腫瘍反応性T細胞が富化された細胞の供給源であるT細胞集団(場合によっては第3のT細胞集団)を含む。場合によっては、T細胞とAPCおよびペプチドとの共培養は、1つまたは複数のT細胞調節物質(例えば、TNFSFRアゴニストおよび/またはアポトーシス阻害物質)の存在下で行うこともできる。
場合によっては、腫瘍反応性T細胞は、腫瘍反応性T細胞に関連する1つまたは複数の活性化マーカーを発現する細胞の分離または選択によって、さらに富化され得る。提供される局面の中でも、対象から直接得られた試料、またはエクスビボで生成された共培養試料を含む、腫瘍反応性T細胞を含有する生体試料は、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する1つもしくは複数の活性化マーカーを発現するT細胞についてさらに富化され得る。T細胞活性化マーカーには、その発現がアップレギュレートされるか、抗原に曝露され活性化されたT細胞に特異的である細胞表面マーカーが含まれる。そのようなマーカーの例を以下に記載する。提供される局面では、腫瘍反応性T細胞を含有するT細胞集団は、提供される方法に従ってそのような細胞を増大させる前に、またはそのような増大に関連して、生体試料から単離されるか、選択されるか、富化される。いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する特定の活性化マーカーを発現するT細胞は、腫瘍を有することが知られているがん対象に内因的に存在するものである。他の態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する特定の活性化マーカーを発現するT細胞は、腫瘍反応性T細胞が生成および同定され得る条件下で、腫瘍を有する対象からの自己T細胞と腫瘍抗原ペプチドの供給源とをエクスビボ共培養した後に得られる。
特定の態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞の分離または選択後などに、共培養物から富化または単離されたT細胞に対して、第2の増大が行われる。第2の増大は、抗CD3抗体(例えばOKT3)、抗CD28抗体および組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-21および/またはIL-15)などのT細胞刺激物質と、任意で1つまたは複数のT細胞調節物質(例えば、記載される共刺激アゴニストおよび/または免疫チェックポイント調節因子および/またはアポトーシス阻害物質および/または熱ショックタンパク質阻害物質)とを用いてT細胞をさらに刺激するためのインキュベーションを含む。T細胞、例えば、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞は、所望に応じて、および/または治療用量または採取用量が満たされるまで、一定の日数にわたり増大させることができる。次いで、対象のがんの治療のために対象に投与するために、増大T細胞の組成物を採取および製剤化することができる。
腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が本明細書において提供され、方法が、共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を含有するか、または含有する可能性があるもしくは含有し得るT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによって細胞がエクスビボで培養され、インキュベーションの少なくとも一部が、T細胞集団の細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質、例えば、抗CD3抗体(例えばOKT3)、抗CD28抗体および/または組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-21、および/またはIL-15から)とともにT細胞集団をインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われる。記載されるT細胞アジュバント、例えば、共刺激アゴニストおよび/または免疫チェックポイント調節因子および/またはアポトーシス阻害物質および/または熱ショックタンパク質阻害物質は、提供される方法に従って、第1の増大または第2の増大のいずれか一方または両方の最中に含めることができる。いくつかの態様では、培養する方法は、(a)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントとともに、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を含むT細胞のエクスビボ集団をインキュベートする工程;および(b)細胞集団の細胞の増殖を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートする工程であって、例えば、第1または第2の増大のいずれか一方または両方では、T細胞を刺激するまたは増大させるためにインキュベートする工程の少なくとも一部が、少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにインキュベートする工程の前、それと同時、またはその後に行われる、工程を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下でインキュベートされるT細胞集団は、対象からの生体試料からT細胞集団を得たか、選択したか、単離した後の第1のT細胞集団であり得る。態様では、T細胞集団は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化される。場合によっては、腫瘍反応性T細胞は、少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにインキュベートする工程の前および/または少なくとも1つのT細胞刺激物質とともにインキュベートする工程の前に、T細胞を含む生体試料から富化され得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下でインキュベートされるT細胞集団は、APC/ペプチドネオエピトープとの共培養後に腫瘍反応性T細胞、または活性化マーカーを発現するT細胞について富化または選択されているT細胞集団(例えば、場合によっては、T細胞の第4の集団)であり得る。いくつかの態様では、方法は、閾値量の細胞が得られるまで、および/または少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションの開始後最大20日まで、増大のための条件下で細胞を培養する工程を含み、培養する工程の少なくとも一部は、1つまたは複数のT細胞アジュバントとのインキュベーションおよび/またはT細胞刺激物質とのインキュベーション中に行われる。
T細胞を含む試料から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成する段階;および共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートする段階であって、インキュベーションの少なくとも一部が、T細胞集団の細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質、例えば、抗CD3抗体(例えばOKT3)、抗CD28抗体および/または組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-21、および/またはIL-15)とともにT細胞集団をインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われる、段階を含むプロセスによって細胞がエクスビボで培養される、腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞は、APCが1つまたは複数のMHC関連非天然ペプチドを提示する条件下で複数のペプチドのうちの1つまたは複数に接触または曝露された抗原提示細胞(APC)の存在下で刺激されたT細胞を含有するT細胞集団(場合によっては、第2のT細胞集団)を共培養した後に、選択または単離される。いくつかの態様では、培養方法は、(a)T細胞を含む生体試料から、例えば、T細胞とAPC/ネオエピトープペプチドとの共培養物から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成する工程;(b)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントとともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートする工程;および(c)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートする工程であって、T細胞刺激物質とともにインキュベートする工程の少なくとも一部が、少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにインキュベートする工程の前、それと同時、またはその後に行われる、工程を含む。態様では、T細胞集団は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化される。いくつかの態様では、方法は、閾値量の細胞が得られるまで、および/または少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションの開始後最大20日まで、増大のための条件下で細胞を培養する工程を含み、培養する工程の少なくとも一部は、1つまたは複数のT細胞アジュバントとのインキュベーションおよび/またはT細胞刺激物質とのインキュベーション中に行われる。
T細胞刺激物質、例えば、少なくとも組換えIL-2を一般的に含むようなIL-2、IL-7、IL-21および/またはIL-15からの組換えサイトカイン、および共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントとともに、T細胞集団をインキュベートすることであって、インキュベーションが、集団内のT細胞を刺激してまたは増大させて第2のT細胞集団を生成する条件下で行われる、インキュベートすること;T細胞集団から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;ならびに腫瘍反応性T細胞が富化された細胞集団の細胞の増大をさらに刺激するための条件下で、T細胞刺激物質、例えば、抗CD3抗体(例えばOKT3)、抗CD28抗体および組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-21および/またはIL-15)とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることを含むプロセスによって細胞がエクスビボで培養される、腫瘍反応性T細胞を製造するための方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞は、APCが1つまたは複数のMHC関連非天然ペプチドを提示する条件下で複数のペプチドのうちの1つまたは複数に接触または曝露された抗原提示細胞(APC)の存在下で刺激されたT細胞を含有するT細胞集団(場合によっては、第2のT細胞集団)を共培養した後に、選択または単離される。態様では、T細胞集団は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化される。いくつかの態様では、方法は、閾値量の細胞が得られるまで、および/または少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションの開始後最大20日まで、増大のための条件下で細胞を培養する工程を含み、培養する工程の少なくとも一部は、1つまたは複数のT細胞アジュバントとのインキュベーションおよび/またはT細胞刺激物質とのインキュベーション中に行われる。
特定の態様では、提供される方法は、限定されることなく、(1)対象の腫瘍に特異的なネオエピトープを含む複数のペプチドを同定するか、得るか、生成する段階、(2)ドナー対象から、例えば、切除された腫瘍から得られるか、生体試料、例えば、腫瘍、血液、骨髄、リンパ節、胸腺または他の組織もしくは体液からT細胞を直接選択することによって得られるT細胞集団(第1のT細胞集団)を得る段階;(3)IL-2、IL-7、IL-21および/またはIL-15からの1つまたは複数の組換えサイトカイン(例えば、組換えIL-2を少なくとも含む)などのT細胞刺激物質と、任意でTNFRSFアゴニストおよび/またはアポトーシス阻害物質などの1つまたは複数の追加のT細胞調節物質とを用いて、第1のT細胞集団を刺激または活性化することによって第1の増大を行って、増大させたまたは刺激されたT細胞を含有する第2のT細胞集団を生成する段階、(3)複数のペプチドのうちの1つまたは複数に接触または曝露された抗原提示細胞(APC)の存在下で、APCが1つまたは複数のMHC関連非天然ペプチドを提示する条件下で、刺激されたT細胞を含有する第2の集団を共培養して、第3のT細胞集団を生成する段階;および(5)第3のT細胞集団から、抗原提示細胞(APC)上に存在するペプチドに対して反応性である内因性TCRを含むT細胞を富化して、第4のT細胞集団を生成する段階を含む。いくつかの局面では、内因性TCRを含むT細胞は、抗原提示細胞をT細胞集団から分離することによって富化される。代替的にまたは追加的に、そのような細胞は、腫瘍反応性T細胞に関連する1つまたは複数の活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞を選択することによって富化される。特定の態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞の分離または選択後などに、共培養物から富化または単離されたT細胞に対して、第2の増大が行われる。第2の増大は、抗CD3抗体(例えばOKT3)、抗CD28抗体および組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-21および/またはIL-15)などのT細胞刺激物質と、任意で1つまたは複数のT細胞調節物質(例えば、TNFSFRアゴニストおよび/または免疫チェックポイント調節因子および/またはアポトーシス阻害物質および/または熱ショックタンパク質阻害物質)とを用いてT細胞をさらに刺激するためのインキュベーションを含む。
提供される方法の態様では、段階のうちの1つまたは複数は、無血清培地中で行われ得る。一態様では、無血清培地は、OpTmizer CTS(LifeTech)、Immunocult XF(Stemcell technologies)、CellGro(CellGenix)、TexMacs(Miltenyi)、Stemline(Sigma)、Xvivo15(Lonza)、PrimeXV(Irvine Scientific)、またはStem XVivo(RandD systems)である。無血清培地には、LifeTech製のICSR(免疫細胞血清代替物(immune cell serum replacement))などの代用血清を補充することができる。代用血清(例えば、ICSR)のレベルは、例えば、最大5%、例えば、約1%、約2%、約3%、約4%または約5%であり得る。いくつかの態様では、無血清培地は、L-グルタミンのジペプチド形態、例えば、L-アラニル-L-グルタミン(Glutamax(商標))を0.5mM~5mM含有する。いくつかの態様では、L-グルタミンのジペプチド形態、例えば、L-アラニル-L-グルタミンの濃度は、0.5mM~5mM、0.5mM~4mM、0.5mM~3mM、0.5mM~2mM、0.5mM~1mM、1mM~5mM、1mM~4mM、1mM~3mM、1mM~2mM、2mM~5mM、2mM~4mM、2mM~3mM、3mM~5mM、3mM~4mM、もしくは4mM~5mM、または約0.5mM~5mM、約0.5mM~4mM、約0.5mM~3mM、約0.5mM~2mM、約0.5mM~1mM、約1mM~5mM、約1mM~4mM、約1mM~3mM、約1mM~2mM、約2mM~5mM、約2mM~4mM、約2mM~3mM、約3mM~5mM、約3mM~4mM、もしくは約4mM~5mM(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、L-グルタミンのジペプチド形態、例えば、L-アラニル-L-グルタミンの濃度は、2mMまたは約2mMである。
提供される方法のいずれかの態様では、少なくとも1つのT細胞アジュバント、例えば、1つまたは複数の共刺激アゴニスト、免疫チェックポイント調節因子、熱ショックタンパク質阻害物質またはアポトーシス阻害物質の各々とのインキュベーションは、培養する工程の過程全体の最中、またはその一部の最中、独立して継続される。いくつかの態様では、少なくとも1つのT細胞アジュバントの各々とのインキュベーションは、14日間以下、12日間以下、10日間以下、7日間以下、5日間以下、3日間以下、または2日間以下にわたる。いくつかの態様では、少なくとも1つのT細胞アジュバントの各々とのインキュベーションは、独立して、12時間~96時間、例えば24時間~48時間にわたり、一般に48時間または約48時間である。
態様では、組換えサイトカイン(例えばIL-2)および/または抗CD3/抗CD28抗体などのT細胞刺激物質の各々とのインキュベーションは、細胞を活性化または刺激するのに十分な期間にわたって継続され得る。いくつかの態様では、T細胞刺激物質とのインキュベーションは、1日もしくは約1日、例えば一般に、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、もしくは約2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、または前述のいずれかの間の任意の範囲の時間にわたって行われる。いくつかの態様では、インキュベーションは7~10日間にわたって行われる。いくつかの態様では、インキュベーションは7日間または約7日間にわたる。いくつかの態様では、インキュベーションは8日間または約8日間にわたる。いくつかの態様では、インキュベーションは9日間または約9日間にわたる。いくつかの態様では、インキュベーションは10日間または約10日間にわたる。いくつかの態様では、組換えサイトカイン(例えばIL-2)および/または抗CD3/抗CD28抗体などのT細胞刺激物質の各々とのインキュベーションは、12時間~96時間、例えば24時間~48時間、一般に48時間または約48時間にわたる。
いくつかの態様では、細胞は、培養中に存在する作用物質を除去するために、および/または培養培地に1つまたは複数の追加の作用物質を補充するために、培養中に1回または複数回洗浄される。いくつかの態様では、細胞は、培養の完了前に少なくとも1つのT細胞アジュバントおよび/または少なくとも1つのT細胞刺激物質を低減または除去するために、培養中に洗浄される。
いくつかの態様では、T細胞アジュバントおよび/またはT細胞刺激物質とのインキュベーションを含む、本明細書において提供されるT細胞の培養方法は、ヒトTリンパ球の増殖に適した温度、例えば、少なくとも約25°C、一般に少なくとも約30度、一般に37°Cまたは約37°Cを含む。いくつかの態様では、T細胞アジュバントおよび/またはT細胞刺激物質とのインキュベーションを含む培養方法は、無血清培地中で行われる。
特定の態様では、提供される方法は、生体試料(インビボで試料から直接供給されるか、1つまたは複数のT細胞活性化マーカー(例えば、CD107、CD107a、CD039、CD137、CD59、CD90、CD38またはCD103)に対して表面陽性であるT細胞について選択することなどによって、腫瘍関連抗原、例えばネオ抗原を認識する内因性TCRを有する抗原提示細胞(APC)T細胞とのエクスビボ共培養に由来する)から富化する工程を含む。
いくつかの態様では、方法の段階のうちのいずれか1つまたは複数は、閉鎖系内で、またはGMP条件下で行われ得る。特定の態様では、全プロセス操作がGMPスイートで行われる。いくつかの態様では、細胞療法を製造、生成または作製するための方法の他の処理段階のうちの1つまたは複数を行うために閉鎖系が使用される。いくつかの態様では、処理段階、例えば単離、選択および/または富化、処理、細胞の増大に関連するインキュベーションを含む培養段階、および製剤化工程うちの1つもしくは複数または全部が、統合システムまたは自己完結型システム内でおよび/または自動化された様式またはプログラム可能な様式でシステム、装置または機器を使用して行われる。いくつかの態様では、システムまたは機器は、システムまたは機器と通信するコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、これにより、ユーザは、処理、単離、操作および製剤化工程の様々な局面をプログラムし、制御し、処理、単離、操作、および製剤化段階の様々な局面の結果を評価し、かつ/または処理、単離、操作、および製剤化段階の様々な局面を調整することができる。
いくつかの態様では、提供される方法のいずれかに従って細胞を増大させるための培養方法は、閾値量の細胞、例えば、腫瘍反応性細胞、または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して陽性の細胞が得られるまで、および/または少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションの開始後最大20日まで行われる。いくつかの態様では、培養する工程は、7~20日間、7~14日間、7~10日間、10~20日間、10~14日間または14~20日間にわたって行われる。
いくつかの態様では、培養する工程は、閾値量の細胞が得られるまで行われ、閾値量は、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、1×108個もしくは約1×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、12×109個もしくは約12×109個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、12×109個もしくは約12×109個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、または30×109個もしくは約30×109個から、60×109個もしくは約60×109個の全細胞もしくは全生細胞(両端の値を含む)である。
提供される態様のいずれかの一部では、方法は、少なくとも2倍もしくは少なくとも約2倍、少なくとも5倍もしくは少なくとも約5倍、少なくとも10倍もしくは少なくとも約10倍、少なくとも25倍もしくは少なくとも約25倍、少なくとも50倍もしくは少なくとも約50倍、少なくとも100倍もしくは少なくとも約100倍、少なくとも250倍もしくは少なくとも約250倍、少なくとも500倍もしくは少なくとも約500倍、少なくとも1000倍もしくは少なくとも約1000倍、またはそれ以上である、T細胞の増大倍率または腫瘍反応性T細胞の増大倍率をもたらす。
以下のサブセクションでは、提供される方法の局面の非限定的な説明がさらに記載される。
A. ネオエピトープ同定およびペプチド生成
提供される方法は、少なくとも1つのがん特異的がんネオエピトープを含む複数のペプチド(「P」または「n量体」とも呼ばれる)をインシリコで生成または同定する段階、およびペプチドをインシリコでフィルタリングしてネオエピトープ配列のサブセットを得るさらなる段階を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つの合成ペプチドが、ネオエピトープ配列のサブセットからの配列情報を使用して調製され、次いで、合成ペプチドは、提供される方法に従って腫瘍反応性T細胞を富化する方法で使用される。
いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞のエクスビボ生成のための方法は、対象からのがん細胞から腫瘍関連抗原またはそのペプチド配列を同定または単離する工程を含む。がん細胞は、腫瘍細胞またはがん細胞を含有するか、含有すると予測される、患者に由来する任意の身体試料から得られ得る。身体試料は、血液などの任意の組織試料、原発腫瘍もしくは腫瘍転移から得られた組織試料、リンパ節試料、または腫瘍細胞もしくはがん細胞を含有する任意の他の試料であり得る。いくつかの局面では、そのようながん細胞由来の核酸が得られ、シーケンシングされる。態様では、ゲノム中の遺伝子のタンパク質コード領域は、全エクソームシーケンシングなどによってシーケンシングされる。腫瘍特異的配列を同定するために、シーケンシングデータと、参照シーケンシングデータ、例えば、同じ対象からの正常細胞または非がん性細胞をシーケンシングすることによって得られたデータとを比較することができる。いくつかの態様では、次世代シーケンシング(NGS)法が使用される。
いくつかの態様では、腫瘍は血液腫瘍である。血液腫瘍の非限定的な例には、白血病、例えば、急性白血病(l lq23陽性急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、急性骨髄性白血病および骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病ならびに赤白血病など)、慢性白血病(慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性白血病および慢性リンパ性白血病など)、真性赤血球増加症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(緩徐進行型および高悪性度型)、多発性骨髄腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、重鎖病、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病および脊髄形成異常症が挙げられる。
いくつかの態様では、腫瘍は固形腫瘍である。肉腫およびがん腫などの固形腫瘍の非限定的な例には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫および他の肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸がん、リンパ系腫瘍、膵がん、乳がん(基底乳がん(basal breast carcinoma)、乳管がん、および乳房の小葉がんを含む)、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、肝細胞がん、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、甲状腺髄様がん、甲状腺乳頭がん、クロム親和細胞腫皮脂腺がん(pheochromocytomas sebaceous gland carcinoma)、乳頭状がん、乳頭状腺がん、髄様がん、気管支原性がん、腎細胞がん、肝細胞腫、胆管がん、絨毛がん、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、セミノーマ、膀胱がんならびにCNS腫瘍(神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫など)が挙げられる。いくつかの例では、腫瘍は、メラノーマ、肺がん、リンパ腫乳がんまたは結腸がんである。
いくつかの態様では、がんは、消化管(GI管)のがん、例えば、がん、もしくは上部消化管もしくは下部消化管、または食道、胃、胆管系、膵臓、小腸、大腸、直腸もしくは肛門などの消化の副器官を含む消化管がんである。いくつかの態様では、がんは、食道がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、膵がん、肝がん(肝細胞がん)、胆嚢がん、粘膜関連リンパ組織のがん(MALTリンパ腫)、胆管のがん、結腸直腸がん(結腸がん、直腸がんまたはその両方を含む)、肛門がん、または消化管カルチノイド腫瘍である。特定の態様では、がんは結腸直腸がんである。
いくつかの態様では、腫瘍は、乳管がんまたは小葉がんなどの乳がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は前立腺がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は、基底細胞がん、扁平上皮がん、カポジ肉腫またはメラノーマなどの皮膚がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は、腺がん、細気管支肺胞上皮がん、大細胞がんまたは小細胞がんなどの肺がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は、神経膠芽腫または髄膜腫などの脳がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は、上記のいずれかなどの消化管がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は結腸がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は、肝細胞がんなどの肝がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は膵がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は、腎細胞がんなどの腎がんに由来する。いくつかの態様では、腫瘍は精巣がんに由来する。
いくつかの態様では、がんは、メラノーマではない。メラノーマは、一般に変異率が高いがんである。高い腫瘍変異負荷は、腫瘍ネオ抗原を標的とする免疫療法による治療に関連する成功のための特に望ましい予後マーカーであると考えられてきた(Simpson et al.,Journal of Clinical Oncology 2017,35:15補遺、9567-9567;McGranahan et al. Science 2016,351:1463-1469)。いくつかの態様では、提供される方法は、腫瘍反応性T細胞を能動的に(受動的ではなく)富化するために行われるため、腫瘍変異負荷が比較的低いがんに使用され得る。
いくつかの態様では、対象は、8未満の変異の腫瘍変異負荷(TMB)を有する対象である。TMBは、腫瘍1つ当たりの非同義変異の数を含む。いくつかの態様では、TMBは、0.8~1.2メガベース(Mb)領域にわたる同義変異および非同義変異の数を計数し、その結果を変異/Mbとして報告することによって計算することができる。いくつかの態様では、TMBは、腫瘍組織試料に対する次世代シーケンシング(NGS)によって決定することができる。場合によっては、全エクソームシーケンシングを使用することができるか、コンピュテーショナルジャームラインステータスフィルタリング(computational germline status filtering)を使用することができる(Chalmers et al. Genome Med 2017 9:34)。いくつかの態様では、対象は、60変異/Mb未満もしくは約60変異/Mb未満、例えば、55変異/Mb未満もしくは約55変異/Mb未満、50変異/Mb未満もしくは約50変異/Mb未満、45変異/Mb未満もしくは約45変異/Mb未満、40変異/Mb未満もしくは約40変異/Mb未満、30変異/Mb未満もしくは約30変異/Mb未満、25変異/Mb未満もしくは約25変異/Mb未満、もしくは20変異/Mb未満もしくは約20変異/Mb未満、または前述のいずれかの間の任意の値のTMBを有する。いくつかの態様では、対象は、41変異/Mb未満もしくは約41変異/Mb未満、40変異/Mb未満もしくは約40変異/Mb未満、39変異/Mb未満もしくは約39変異/Mb未満、38変異/Mb未満もしくは約38変異/Mb未満、37変異/Mb未満もしくは約37変異/Mb未満、またはそれ未満のTMBを有する。
いくつかの態様では、ペプチド(P)は、上皮内がんの変異体、または外陰上皮内腫瘍、子宮頸部上皮内腫瘍または膣上皮内腫瘍などの前悪性状態に由来する腫瘍関連抗原である。
いくつかの局面では、腫瘍またはがんのそのような細胞由来の核酸が得られ、シーケンシングされる。態様では、ゲノム中の遺伝子のタンパク質コード領域は、例えば、オミクス解析によって、例えば、全ゲノムシーケンシングデータ、エクソームシーケンシングデータおよび/またはトランスクリプトームデータの解析によって得られる。腫瘍特異的配列を同定するために、シーケンシングデータと、参照シーケンシングデータ、例えば、同じ対象からの正常細胞または非がん性細胞から得られたデータとを比較することができる。いくつかの態様では、次世代シーケンシング(NGS)法が使用される。
いくつかの態様では、方法は、腫瘍の適合された正常オミクスデータを使用する段階を含む。そのような方法では、インシリコ解析は、同じ患者の正常組織、例えば、同じ患者の非疾患組織と比較して腫瘍内の変異を同定するオミクス解析を含む。適合された正常オミクスデータは、全ゲノムシーケンシングデータ、エクソームシーケンシングデータおよび/またはトランスクリプトームデータであり、適合された正常オミクスデータは、患者の治療前に正常と適合されると一般に考えられる。特定の態様では、全エクソームシーケンシングは、腫瘍に関連する体細胞変異を同定するために健常組織および疾患組織に対して行われる。
いくつかの態様では、オミクスデータは、標準的な組織処理プロトコルおよびシーケンシングプロトコルに従って1つまたは複数の患者生検試料から得られる。特定の態様では、データは、患者適合腫瘍データ(例えば、腫瘍対同じ患者の正常)である。場合によっては、他の参照(例えば、以前の同じ患者の正常、もしくは以前の同じ患者の腫瘍、またはホモ統計)に対する非適合または適合も、本明細書において使用するのに適していると考えられる。オミクスデータは、新たなオミクスデータ、または以前の手順(または異なる患者)から得られたオミクスデータであり得る。例えば、ネオエピトープは、腫瘍生検(またはリンパ生検、もしくは転移部位の生検)および適合された正常組織(すなわち、同じ患者から得られた非疾患組織、例えば末梢血)の全ゲノム分析および/またはエクソーム分析によって、第1の段階で患者腫瘍から同定され得る。いくつかの態様では、ゲノム分析は、そのようにして得られたオミクス情報の位置ガイド同期比較を介して処理することができる。
ゲノム分析は、任意の数の分析方法によって行うことができる。特定の態様では、方法は、超並列シーケンシング法、イオントレントシーケンシング、パイロシーケンシングなどの次世代シーケンシングを使用した、腫瘍および適合された正常試料の両方のWGS(全ゲノムシーケンシング)およびエクソームシーケンシングを含む。配列データの計算分析は、多くの方法で行われ得る。いくつかの態様では、データフォーマットは、SAM、BAM、GARまたはVCFフォーマットである。一例として、分析は、例えば、BAMファイルおよびBAMサーバを使用する米国特許第2012/0059670号および米国特許第2012/0066001号に開示されているように、腫瘍試料および正常試料の位置ガイド同期アライメントによってインシリコで行うことができる。配列分析のための代替的なファイルフォーマット(例えば、SAM、GAR、FASTAなど)も企図される。
任意の態様のいくつかでは、ミスセンス変異から生じるネオ抗原を含むペプチド(P)は、1つまたは複数のヌクレオチド多型によってコードされるアミノ酸変化を包含する。フレームシフト変異、スプライス部位変異体、挿入、逆位および欠失から生じるネオ抗原を含むペプチド(P)は、新規なペプチド配列と、新規なペプチド配列の連結部とを包含すべきである。新規な翻訳後修飾を有するネオ抗原を含むペプチド(P)は、ホスフェートまたはグリカンなどの翻訳後修飾を有するアミノ酸を包含すべきである。
これらの変異が同定されると、次いでネオエピトープが同定される。ネオエピトープとは、患者のT細胞によって認識される変異ペプチドである。これらのネオエピトープは、MHC複合体によって腫瘍または抗原提示細胞によって提示され、次いで、T細胞上のTCRによって認識されなければならない。いくつかの態様では、提供される方法は、腫瘍および患者に特異的なネオエピトープを定義するために1つまたは複数のネオエピトープを計算する段階を含む。したがって、患者およびがんに特異的なネオエピトープが、排他的にインシリコの環境では、患者および腫瘍型に固有の潜在的なエピトープを最終的に予測するオミクス情報から同定され得ることを認識すべきである。特定の局面では、そのように同定されたがんネオエピトープは、患者、および患者の特定のがん(例えば、全ネオエピトープの0.1%未満、さらに典型的には、同じがんと診断されたがん患者の集団内で0.01%未満の頻度を有する)に固有であるが、そのように同定されたがんネオエピトープは、腫瘍で提示される可能性が高い。
任意の態様のいくつかでは、ペプチド(P)の長さは具体的な用途に依存し、典型的には約5~約50アミノ酸である。好ましい態様では、ペプチド(P)は、約7~35アミノ酸、例えば、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35アミノ酸である。いくつかの局面では、方法は、アミノ酸配列の変化(例えば、変異)を含む個々のペプチドを用いて行われ得る。いくつかの局面では、方法は、ペプチドプールを用いて行われ得、プールのペプチドは、アミノ酸配列の変化(例えば、変異)を含む。ペプチドプールは、数十から数百の個々のペプチドを含み得る。場合によっては、ペプチドプールは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、もしくはそれ以上の個々のペプチド、または前述のいずれかの間の任意の値を含む。ペプチドプールは、1つのネオ抗原を表し得るか、いくつかのネオ抗原を表し得る。場合によっては、ペプチドプールは、同じネオ抗原の複数の重複ペプチドを含み得る。したがって、腫瘍関連抗原の場合、抗原は、各ペプチド(P)が固有の組成のアミノ酸を含む、7~35アミノ酸、例えば25アミノ酸のペプチド(P)に分割され得るか、ペプチド(P)は、抗原が、重複配列を有する、7~35アミノ酸、例えば25アミノ酸のペプチド(P)の設定数に分割される重複ペプチドプールであり得る。例えば、100アミノ酸の抗原を含む重複ペプチドプールは、それぞれ12アミノ酸によって相殺される、8つの25アミノ酸のペプチド(P)に分割され得る(すなわち、100アミノ酸のペプチド配列を含む各後続の25アミノ酸のペプチドは、前のペプチドから13番目のアミノ酸位置で開始する)。当業者であれば、抗原からペプチドプールを生成するために多くの順列が存在することを理解している。
本明細書において企図されるネオエピトープ配列は、比較的短い長さ(例えば、5~30量体、さらに典型的には7~11量体または12~25量体)の配列ストレッチとして定義され得、そのようなストレッチは、アミノ酸配列の変化(例えば、変異)を含む。最も典型的には、変化は、中心または中心付近(例えば、中心位置から4未満、または5未満、または6未満のアミノ酸)に位置する。特定の局面では、本明細書において企図されるネオエピトープ配列は、単一のアミノ酸が、適合された正常配列に対して交換され、変化したアミノ酸の位置が、ネオエピトープ配列の中心または中心付近に位置するものを特に含む(例えば、9量体では、変化したアミノ酸は、2位、3位、4位または5位にあり、さらに典型的には3位、4位または5位にあり、最も典型的には4位または5位にある)。単一のアミノ酸変化は、変化したアミノ酸の位置に応じて、変化したアミノ酸を含む多数のネオエピトープ配列で提示され得ることを理解されたい。
特定の態様では、ネオエピトープは、2~50アミノ酸、さらに典型的には5~30アミノ酸、最も典型的には9~15アミノ酸の長さを有するように計算される。例えば、エピトープがMHC-I複合体によって提示される場合、典型的なエピトープ長は約8~11アミノ酸であるのに対して、MHC-II複合体を介して提示するための典型的なエピトープ長は、約13~17アミノ酸の長さを有する。容易に理解されるように、ネオエピトープでは、変化したアミノ酸の位置が中心以外である可能性があるため、実際のペプチド配列、およびネオエピトープの実際のトポロジーはかなり変化し得る。さらに、ネオエピトープが合成ペプチドとして免疫担当(または他の)細胞に提示される場合、合成ペプチドは、細胞内のタンパク質分解プロセシングを可能にするために、MHC-I系またはMHC-II系によって最終的に結合されるペプチド部分よりも顕著に長い可能性があることを理解されたい。したがって、例えば、企図される合成ペプチドは、変化したアミノ酸の上流および下流に8~15アミノ酸を有し得る。
様々なアルゴリズムが開発されており、様々な起源のタンパク質分子内のT細胞エピトープ(MHCクラスI制限およびMHCクラスII制限の両方)をマッピングするために使用することができる。いくつかの態様では、多くのプログラムが、実験測定値からの大規模ペプチド-MHC結合親和性マトリックスの利用可能性を利用して、機械学習(ML)ベースの分類器を訓練して、MHC-結合剤を非結合剤と区別する(例えば、Zhao et al.(2018)PLoS Comput Biol 14(11):e1006457を参照されたい)。MHCクラスI(例えば、9量体)の例示的な予測方法には、smm、smmpmbec、ann(NetMHC3.4)、NetMHC4、PickPocket、consensus、NetMHCpan2.8、NetMHCpan3、NetMHCpan4、NetMHCcons、mhcflurry、mhcflurry_panまたはMixMHCpredが含まれる。MHCクラスII(例えば、15量体)の例示的な予測方法には、NetMHCIIpan、NetMHCII2.3、nn_align、smm_align、consensus、comblib、tepitopeまたはmhcflurryが含まれる。これらの方法はいずれも使用することができる。
合成ペプチドが直接MHC-I結合に使用される態様では、全長は8~10アミノ酸である。合成ペプチドが直接MHC-II結合に使用される態様では、全長は、12~25アミノ酸、例えば14~20アミノ酸である。場合によっては、合成ペプチドがMHC提示の前に細胞内で(典型的にはプロテアソームプロセシングを介して)プロセシングされる場合、全長は典型的には10~40アミノ酸であり、変化したアミノは合成ペプチドの中心位置またはその付近にある。いくつかの態様では、MHC-I結合のためのペプチドは、9量体である。いくつかの態様では、MHC-II結合のためのペプチドは、23量体である。いくつかの態様では、MHC-II結合のためのペプチドは、25量体である。
一例として、ペプチド(P)は、アミノ酸変化、または変異に起因して生じる新規連結部に隣接する両側に0~25個のアミノ酸を含み得る。一態様では、ペプチド(P)は、一塩基多型から生じるアミノ酸変化に隣接する両側に12個のアミノ酸を含むネオ抗原配列、例えば25個のアミノ酸ペプチドであり、13番目のアミノ酸は、一塩基多型から生じるアミノ酸残基である。いくつかの態様では、ペプチド(P)は、新規翻訳後修飾を有するアミノ酸に隣接する両側に12個のアミノ酸を含むネオ抗原配列、例えば25個のアミノ酸ペプチドであり、13番目のアミノ酸は、新規翻訳後修飾部位から生じるアミノ酸残基である。他の態様では、ペプチド(P)は、挿入、欠失または逆位によって作り出された新規連結部に隣接する両側に0~12個のアミノ酸を含むネオ抗原配列である。場合によっては、新規配列から生じるネオ抗原を含むペプチド(P)は、同様に生じ得る新規連結部の両側に0~25個のアミノ酸を含む新規配列全体を包含し得る。
いくつかの態様では、そのように同定された配列の相違に対して追加の下流分析が行われて、がんおよび患者特異的変異に基づいて新しいペプチド配列をもたらすものを同定してもよい。したがって、ネオエピトープは、変異の種類(例えば、欠失、挿入、塩基転換、塩基転位、転座)および影響(例えば、非センス、ミスセンス、フレームシフトなど)を考慮することによって同定され得、したがって、サイレントおよび他の非関連(例えば、非発現)変異が排除されるコンテンツフィルタとして機能し得る。
いくつかの態様では、同定されたネオエピトープは、同定された患者HLA型に対してインシリコでさらにフィルタリングされ得る。そのようなHLA適合は、有核細胞のMHC-I複合体、および特異的抗原提示細胞のMHC-II複合体へのネオエピトープの強力な結合を確実にすると考えられている。両抗原提示系を標的とすることは、免疫系の細胞分岐(cellular branch)および体液分岐(humoral branch)の両方を含む治療上有効かつ永続的な免疫応答をもたらすと特に考えられている。このようにして同定されたHLA適合ネオエピトープは、インビトロで生化学的に検証され得ることも理解されたい。
様々な方法を使用して、MHC-IおよびMHC-IIの両方に対するHLA決定を行うことができる。いくつかの態様では、HLA型は、公知および/または一般的なHLA型のほとんどまたは全部を含む参照配列を使用してインシリコでオミクスデータから予測することができる。例えば、患者のHLA型が(湿式化学またはインシリコ決定を使用して)確認され、HLA型に対する構造的解決策がデータベースから計算または取得され、次いで、データベースが、HLA構造的解決策に対するネオエピトープの結合親和性を決定するためのインシリコでのドッキングモデルとして使用される。結合親和性を決定するための好適なシステムには、NetMHCプラットフォーム(例えば、Nucleic Acids Res. 2008 Jul 1;36(ウェブサーバ発行):W509-W512を参照)、HLAMatchmaker(http://www.epitopes.net/downloads.html)およびIEDB Analysis Resource(http://tools.immuneepitope.org/mhcii/)が含まれる。次いで、以前に決定されたHLA型に対する高い親和性(例えば、MHC-Iについて100nM未満、75nM未満、50nM未満;MHC-IIについて500nM未満、300nM未満、100nM未満)を有するネオエピトープが選択される。最も高い親和性を計算する際に、N末端および/またはC末端修飾をエピトープに付加して患者のHLA型に対する合成ネオエピトープの結合をさらに増加させることによって、ネオエピトープに対する修飾が実施され得る。したがって、ネオエピトープは、同定されるように天然のものであるか、特定のHLA型にさらによく適合するようにさらに修飾され得る。いくつかの態様では、ネオエピトープは、対立遺伝子頻度に100万個当たりの転写物を乗算して尤度スコアを得ることに基づいてスコア化/ランク付けされ得る。次いで、このスコアは、HLA情報と、患者のHLA型に対する計算された結合親和性または実際の結合親和性とを使用してさらに増強され得る。
提供される態様の中には、ネオエピトープが、ヒト同一配列の使用を回避するように公知のヒト配列を含むデータベースと比較される態様がある。
好適なネオエピトープ配列のインシリコ同定後、対応する合成ペプチドがインビトロで調製される(例えば、固相合成を使用する)。特定の態様では、対象からの複数の異なるネオエピトープを表す、合成ペプチドのライブラリーが調製される。ライブラリーは、100、1000、10000、またはそれ以上の異なるペプチドを含み得る。同定されたネオエピトープに対する合成抗体を得るために、インシリコで同定されたものをインビトロで調製して合成ペプチドを得ることが企図される。
様々な方法を使用して合成ペプチドを調製することができる。例えば、がんネオエピトープ配列を有するペプチドは、固相(例えば、Merrified合成を使用して)を用いて、液相合成を介して、または比較的小さいペプチド断片から調製することができる。ペプチドエピトープは、市販の自動ペプチド合成装置を使用して、化学合成によって得ることができる。いくつかの態様では、ペプチドは、例えば、Lu et al(1981). J. Org. Chem. 46,3433およびその中の参考文献によって開示されている、固相ペプチド合成のFmoc-ポリアミドモードを使用することによって合成することができる。いくつかの局面では、ペプチドは、好適な宿主において好適な発現系を用いた組換え核酸の発現によって生成することができる。いくつかの局面では、複数のネオエピトープが、例えば、ネオエピトープ間または切断部位間にスペーサーを有する単一のペプチド鎖上にある組換え方法を使用することができる。
ペプチドは、再結晶、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、および例えばアセトニトリル/水勾配分離を使用する逆相高速液体クロマトグラフィーなどの技術のいずれか1つまたは組合せによって精製することができる。いくつかの態様では、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によってペプチドを沈殿させ、さらに精製することができる。ペプチドの分析は、薄層クロマトグラフィー、電気泳動、特にキャピラリー電気泳動、固相抽出(CSPE)、逆相高速液体クロマトグラフィー、酸加水分解後のアミノ酸分析を使用して、高速原子衝撃(FAB)質量分析、ならびにMALDIおよびESI-Q-TOF質量分析によって行うことができる。
B. 腫瘍反応性T細胞を含有する細胞試料
提供される方法は、第1のT細胞集団、またはT細胞の投入集団として使用するために、生体試料からT細胞集団を得る工程、および富化または選択する工程を含む。場合によっては、第1のT細胞集団は、腫瘍抗原に対して反応性であるT細胞を含有することが知られているか腫瘍抗原に対して反応性であるT細胞を含有する可能性が高いか、例えば腫瘍抗原の自己供給源とのエクスビボ共培養後に腫瘍抗原に対して反応性であることができるものである。例えば、典型的には、第1のT細胞集団は、腫瘍から、または腫瘍を有することが知られているか腫瘍を有する可能性が高い対象からの生体試料に由来する。特定の態様では、第1のT細胞集団は、増大T細胞を含有するT細胞の第2のまたは刺激された集団を生成するために、1つまたは複数のT細胞刺激物質(例えば、IL-2などの1つまたは複数の組換えサイトカイン)と、場合によっては、1つまたは複数のT細胞アジュバントとによってさらに刺激される。
場合によっては、1つまたは複数のT細胞刺激物質と、場合によっては、1つまたは複数のT細胞アジュバントとの培養によってT細胞を刺激するための条件は、第1のT細胞集団、またはT細胞の投入集団に存在するT細胞の増大または成長をもたらす。いくつかの態様では、1つまたは複数のT細胞刺激物質と、場合によっては、1つまたは複数のT細胞アジュバントとによってT細胞を刺激するための条件は、T細胞のバルク増大をもたらす条件下でT細胞を培養することを含み得る。他の特定の態様では、T細胞を刺激するための条件は、望ましくない可能性がある特定のT細胞サブセットを最小限に抑えるか減少させながら、所望のT細胞の優先的または有利な富化または成長をもたらすように行われる条件下でT細胞を培養することを含み得る。
提供される方法では、T細胞の刺激された組成物は、次いで、腫瘍反応性T細胞の富化および増大のための後続の下流段階、例えば、腫瘍反応性T細胞であるT細胞を生成するか、生じさせるか、取り出すために、T細胞ネオエピトープ(変異)ペプチド抗原の存在下での刺激されたT細胞と抗原提示細胞(APC)との共培養を含む段階で使用される。特定の態様では、提供される方法はまた、T細胞とAPC/ペプチドネオエピトープとを共培養した後に、腫瘍抗原に対して反応性であるT細胞(腫瘍反応性T細胞)を選択または富化するための段階を含み得る。腫瘍反応性T細胞集団は、例えば、治療用T細胞組成物を生成するために、増大のための条件下で培養され得る。
いくつかの態様では、生体試料は、腫瘍反応性T細胞を含むことが知られているか腫瘍反応性T細胞を含む可能性が高い腫瘍を有する対象からの試料であり、そのようなT細胞は、インビボで腫瘍ネオ抗原に曝露されているか、腫瘍ネオ抗原によって活性化されている。いくつかの態様では、生体試料からT細胞を選択することは、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する1つもしくは複数の活性化マーカーを発現するT細胞を富化または選択することをさらに含む。T細胞活性化マーカーには、その発現がアップレギュレートされるか、抗原に曝露され活性化されたT細胞に特異的である細胞表面マーカーが含まれる。例示的なマーカーは、以下のセクションI.Dに記載されている。
提供される方法のいずれかの局面では、T細胞のインプット集団、または第1のT細胞集団は、T細胞刺激物質の存在下でインキュベートされる。特定の態様では、インキュベーションは、T細胞刺激物質が細胞を活性化または刺激するか、T細胞の投入集団、または第1のT細胞集団に存在するT細胞の増大を促進する条件下で行われる。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、IL-2、IL-7、IL-15および/またはIL-21などの組換えT細胞刺激サイトカインを含む。いくつかの態様では、T細胞刺激サイトカインは、IL-2を単独で、またはIL-7、IL-15および/またはIL-21の中からの別のサイトカインと組み合わせて含む。いくつかの態様では、T細胞刺激サイトカインは、IL-7およびIL-15である。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、CD3および共刺激分子、例えばCD28に関与する単数または複数の作用物質を含むことができる。T細胞刺激物質は、OKT3などの抗CD3抗体と、(APCによってまたは可溶性抗体として提示される)抗CD28剤とを含むことができる。態様では、T細胞とAPCとの共培養の少なくとも一部の前および/または最中に、抗CD3(例えばOKT3)/抗CD28抗体などのT細胞刺激物質の存在下で、生体試料から選択されたT細胞(すなわち、インプット集団または第1の集団)がインキュベートされる。したがって、APCの存在下での共培養の前、または反応性細胞の選択の後のいずれかに、リンパ球の1つまたは複数のT細胞刺激作用物質、例えば、限定されることなく、抗CD3抗体(例えば、OKT3)および抗CD28(APCによってまたは可溶性抗体として提示される)とともにT細胞がインキュベートされて、活性化または刺激されたT細胞を含む第2のT細胞集団を生成する。特定の態様では、1つまたは複数の組換えサイトカインも、インキュベーション中に追加のT細胞刺激物質として存在する。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質とのインキュベーションは、対象からの生体試料から選択されるT細胞のインプット集団、または第1のT細胞集団に対して直接行われ、生体試料から選択されるT細胞集団(例えば、対象からの自己T細胞)は、T細胞刺激物質とともにインキュベートされる。他の態様では、T細胞の投入集団は、腫瘍反応性T細胞である可能性が高いか、腫瘍反応性T細胞であると疑われるT細胞を含み、そのような細胞は、活性化T細胞上でアップレギュレートされる表面マーカー(例えば、4-1BBまたはOX40)に対して陽性の細胞を選択することによって、対象からの生体試料から選択されるT細胞集団から最初に選択される。そのような態様では、T細胞刺激物質とのインキュベーションは、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化した後に行われる。提供される態様では、T細胞刺激物質とのインキュベーションは、そのようなT細胞(刺激されたT細胞)とAPC/ペプチドネオエピトープとの共培養の前に行われる。
1. T細胞集団の選択
提供される方法は、1つまたは複数のT細胞刺激物質(例えば、組換えIL-1および/または抗CD3/抗CD28)と、提供される態様ではT細胞調節物質(例えば、T細胞アゴニストまたはアポトーシス阻害物質)とによって刺激するためのT細胞の供給源または投入物として使用され得る、生体試料由来のT細胞集団を選択するか得る工程を含む。いくつかの態様では、T細胞は、腫瘍反応性T細胞を含有することが知られているか腫瘍反応性T細胞を含有する可能性が高い、対象からの生体試料に由来する。収集された生体試料は、腫瘍上に存在する変異に対して反応性である内因性TCRを有するリンパ球を含有するか、含有すると疑われる。
提供される態様のいずれかの局面では、対象、例えば、関心対象の患者、すなわち、がんを有することが疑われるかがんを有することが知られている患者由来の好適な生体試料が得られる。いくつかの態様では、試料は、T細胞、例えば、腫瘍関連抗原に特異的であるか、腫瘍関連抗原に結合するか、腫瘍関連抗原を認識する内因性T細胞受容体(TCR)であり得るか、そのような内因性T細胞受容体を発現する可能性が高いT細胞を含有することが知られているか、疑われる試料である。試料は、そのようなT細胞を含有し得るまたはそのようなT細胞を含有することが疑われる任意の初期供給源に由来し得る。いくつかの局面では、関心対象の生体試料源には、限定されることなく、多くの異なる生理学的供給源、例えば組織由来試料、例えばホモジネート、および血液またはその誘導体が含まれる。
潜在的に反応性のT細胞の供給源として、様々な試料のいずれかを使用することができる。腫瘍および下流リンパ節は、反応性T細胞の最も高い頻度を有し得るが(Powell et al.,Clin. Cancer. Res.,2014)、他の試料供給源も使用することができる。場合によっては、試料は、腫瘍試料、三次リンパ系部位、排出リンパ節、末梢血または骨髄である。いくつかの態様では、試料は腫瘍試料である。いくつかの態様では、試料はリンパ試料である。いくつかの態様では、試料は末梢血試料である。
試料は、対象から直接採取された組織、体液および他の試料、ならびに分離、例えば選択または富化、遠心分離、洗浄および/またはインキュベーションなどの1つまたは複数の処理段階から生じる試料を含む。生体試料は、生物学的供給源から直接得られる試料、または処理される試料であり得る。生体試料には、限定されることなく、体液、例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗、組織および器官の試料が含まれ、これらに由来する処理済み試料が含まれる。
いくつかの局面では、試料は、血液または血液由来試料であるか、アフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物であるか、それらに由来する。例示的な試料には、全血、末梢血単核細胞(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓、他のリンパ組織、肝臓、肺、胃、腸、大腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸部、精巣、卵巣、扁桃または他の器官、および/またはそれらに由来する細胞が含まれる。細胞療法、例えば、養子細胞療法の文脈では、試料には、自己および同種異系の供給源由来の試料が含まれる。
多くの態様では、試料は、関心対象のT細胞が存在することが少なくとも疑われる体液に由来し得る。多くの態様では、試料にとって好適な初期供給源は血液である。いくつかの態様では、生体試料は血液由来試料である。血液由来試料は、全血またはその画分、例えば血清、血漿などに由来し得、多くの態様では、試料は、全血から採取された血球に由来する。いくつかの局面では、試料供給源は単核細胞を含有する。例えば、生体試料は、末梢血単核細胞(PBMC)であるもしくは末梢血単核細胞(PBMC)を含有するか、またはPBMCに由来する。
試料がPBMC由来試料であるいくつかの態様では、試料は一般に流体PBMC由来試料である。流体PBMC試料を生成するための任意の好都合な方法が使用され得る。多くの態様では、流体PBMC由来試料は、全血からPBMCを分離すること、すなわち、例えば、遠心分離によって(例えば、Ficoll-Hypaque密度勾配遠心分離によって、ここで、そのような分離手順の代表的なプロトコルは、国際公開公報第98/15646号および米国特許第5,985,565号に開示されている)PBMCを収集することによって調製される。
いくつかの態様では、試料は腫瘍試料であり、それによって、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の供給源を提供する。いくつかの局面では、TILは、対象の血流を離れ、腫瘍の中に遊走したか腫瘍に浸潤したT細胞である。特定の局面では、TILは、腫瘍抗原に対して反応性である。
患者腫瘍試料は、腫瘍細胞とTIL細胞との混合物を含有する試料を得る様々な方法のいずれかによって得られ得る。いくつかの態様では、腫瘍試料は、外科的切除によって得られる。いくつかの態様では、腫瘍試料は、針生検によって得られる。一般に、腫瘍試料は、原発腫瘍、浸潤性腫瘍または転移性腫瘍を含む任意の固形腫瘍に由来し得る。腫瘍試料はまた、液体腫瘍、例えば、血液悪性腫瘍から得られる腫瘍であってよい。固形腫瘍は、限定されることなく、乳房、膵臓、前立腺、結腸直腸、肺、脳、腎臓、胃(胃腸)および皮膚を含む任意のがん型(限定されることなく、扁平上皮がん、基底細胞がんおよびメラノーマを含む)であってよい。特定の態様では、腫瘍は、セクションIVに記載されているいずれかである。いくつかの態様では、腫瘍試料は、ペプチドネオエピトープを調製するためのネオ抗原を同定するために使用されたのと同じ腫瘍供給源に由来する。
提供される態様では、得られた腫瘍試料は、サイズが1mm3または約1mm3から、8mm3または約8mm3、例えば、1mm3または約1mm3から、6mm3または約6mm3、1mm3または約1mm3から、4mm3または約4mm3、1mm3または約1mm3から、2mm3または約2mm3の小片に断片化される。いくつかの態様では、腫瘍断片は約2~3mm3である。いくつかの態様では、腫瘍断片は約1~2mm3である。いくつかの態様では、腫瘍断片は、物理的断片化によって、例えば剥離によって得られる。いくつかの態様では、腫瘍断片は、鋭的剥離によって得られる。
提供される態様のいずれかの一部では、得られた腫瘍試料は、直径1mmまたは約1mmから、直径8mmまたは約8mm、例えば、直径1mmまたは約1mmから、直径6mmまたは約6mm、直径1mmまたは約1mmから、直径4mmまたは約4mm、直径1mmまたは約1mmから、直径2mmまたは約2mmの小片に断片化される。いくつかの態様では、腫瘍断片は直径約2~3mmである。いくつかの態様では、腫瘍断片は直径約1~2mmである。いくつかの態様では、腫瘍断片は、物理的断片化によって、例えば剥離によって得られる。いくつかの態様では、腫瘍断片は、鋭的剥離によって得られる。
いくつかの態様では、腫瘍試料は、断片化の前に凍結保存される。いくつかの態様では、腫瘍断片は凍結保存される。
いくつかの態様では、得られた腫瘍断片は、T細胞の刺激のために、下記サブセクションI.B.2に記載される条件のいずれかなど、T細胞増大を維持するための条件下で、T細胞増大を維持するための適切な栄養素とともに培養培地に入れられる。いくつかの態様では、1~500個の腫瘍断片(例えば、各1~8mmのサイズ)が、増大のための条件下で適切な培養容器に入れられる。いくつかの態様では、10、20、30、40、50個、またはそれ以上の断片が、増大のための条件下で培養される。培養容器は、マイクロウェル、フラスコ、チューブ、バッグまたは他の閉鎖系装置であり得る。いくつかの態様では、培養容器は、ガス透過性フラスコなどのガス透過性表面積を提供する密閉容器である。ガス透過性表面積を提供する例示的な培養容器には、G-Rexプレートまたはフラスコが含まれる。いくつかの態様では、1個の腫瘍断片(直径約1~8mm)が、培養容器の約2cm2の面積ごとに配置される。特定の培養容器が、利用可能な腫瘍断片の数および/または細胞の所望の収率に基づいて選択され得る。培養容器(例えば、G-Rex)の選択は、培養容器の表面積に播種された断片の数を線形にスケーリングすることによって選択され得る。いくつかの態様では、培養容器の表面積は約2cm2(例えば、G-Rex 24ウェルプレート)であり、約1個の腫瘍断片(直径約1~8mm)が培養容器に入れられる。いくつかの態様では、培養容器の表面積は約10cm2(例えば、G-Rex 10またはG-Rex 10M)であり、約5個の腫瘍断片(それぞれ直径約1~8mm)が培養容器に入れられる。いくつかの態様では、培養容器の表面積は約100cm2(例えば、G-Rex 100 M/100M-CS)であり、約50個の腫瘍断片(それぞれ直径約1~8mm)が培養容器に入れられる。いくつかの態様では、培養容器の表面積は約500cm2(例えば、G-Rex 500 M/500M-CS)であり、約250個の腫瘍断片(それぞれ直径約1~8mm)が培養容器に入れられる。提供される方法の局面では、培養容器のサイズ、したがって1容器当たりの腫瘍断片の数を増加させると、さらに小さい培養容器および/または1容器当たりのさらに少ない断片を含む方法と比較して、例えば、さらに多くの断片をプールして断片間の腫瘍間変動性を最小限に抑えることによって、変動性を減少させることができる。
いくつかの態様では、腫瘍断片は、下記サブセクションI.B.2に記載される条件のいずれかを使用して細胞を刺激するために培養培地に入れられる。いくつかの態様では、培養培地は、IL-2、IL-7、IL-15および/またはIL-21、例えば、組換えIL-12または組換えIL-7およびIL-15由来の組換えサイトカインを含有する無血清培地である。組換えサイトカインの濃度は、記載されているいずれかのものを含み得る。特定の態様では、培養培地は、例えば300IU/mLまたは約300IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、例えば300IU/mLまたは約300IU/mLの組換えIL-2を含有する無血清培地である。いくつかの態様では、培養培地は、抗CD3抗体および/またはCD28標的剤(例えば抗CD28抗体)と、1つまたは複数の組換えサイトカイン(例えば、IL-2)とを含有する無血清培地である。いくつかの態様では、培養培地は、セクションIIに記載されているように、1つまたは複数の追加のT細胞刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質を含有する。
いくつかの態様では、提供される方法は、例えば、TILを得るための腫瘍断片の酵素消化によって、腫瘍断片から細胞を得る工程を含む。酵素消化は、IV型コラゲナーゼまたはI/II型コラゲナーゼなどのコラゲナーゼを使用して行うことができる。コラゲナーゼなどの酵素は、酵素消化のための培地中に、1mg/mLもしくは約1mg/mLから、5mg/mLもしくは約5mg/mL、例えば1mg/mLもしくは約1mg/mL、2mg/mLもしくは約2mg/mL、3mg/mLもしくは約3mg/mL、4mg/mLもしくは約4mg/mL、もしくは5mg/mLもしくは約5mg/mL、または前述のいずれかの間の任意の値の濃度で存在することができる。いくつかの態様では、酵素消化は、例えば、1mg/mLもしくは約1mg/mLから、5mg/mLもしくは約5mg/mLのIV型コラゲナーゼを含む培地によるものである。いくつかの態様では、酵素消化は、例えば、1mg/mLもしくは約1mg/mLから、5mg/mLもしくは約5mg/mLのI/II型コラゲナーゼを含む培地によるものである。他の態様では、Miltenyiヒト腫瘍解離キットからの酵素を使用することができる(例えば、カタログ.O.130-095-929;Miltenyi Biotec)。酵素を含有する酵素培地は、記載されているいずれかのものなどの無血清培地であり得る。特定の態様では、酵素培地は、コラゲナーゼ、例えば、Roswell Park Memorial Institute(RPMI)1640緩衝液、2mMグルタメート(例えば、GlutaMAX)、10mg/mLゲンタマイシン、30単位/mLのDNase、および1.0mg/mLのコラゲナーゼ)を含む。いくつかの態様では、酵素培地には、2mMグルタメート(例えば、GlutaMAX)、10μg/mLゲンタマイシン、免疫細胞血清代替物(例えば、CTS免疫細胞血清代替物)、および1.0mg/mL~5.0mg/mLのコラゲナーゼ)を含有する無血清培地(例えば、OpTmizer)が含まれる。いくつかの態様では、コラゲナーゼはIV型コラゲナーゼである。いくつかの態様では、コラゲナーゼはI/II型コラゲナーゼである。
腫瘍断片は、次いで、例えば組織解離器を使用してTILを解離させるために機械的に切断される。腫瘍を酵素培地に入れ、約1分間かけて腫瘍を機械的に解離させ、続いて5%CO2中、37°Cで30分間インキュベートし、続いて小さな組織片のみが存在するまで機械的解離と前述の条件下でのインキュベーションとの反復サイクルを行うことによって、腫瘍消化物が生成され得る。このプロセスの終了時に、細胞懸濁液が多数の赤血球または死細胞を含有する場合、FICOLLを使用して密度勾配分離を行ってこれらの細胞を除去することができる。その開示が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2012/0244133号に記載されているものなど、当技術分野において公知の代替方法を使用してもよい。前述の方法のいずれかは、提供される方法に使用するためのTILを得る方法について本明細書において記載される態様のいずれかで使用され得る。
いくつかの態様では、腫瘍断片由来の消化細胞は、T細胞の刺激のために、下記サブセクションI.B.2に記載される条件のいずれかなど、T細胞増大を維持するための条件下で、T細胞増大を維持するための適切な栄養素とともに培養培地に入れられる。細胞は、特定の培養容器に適した特定の密度で播種される。培養容器は、マイクロウェル、フラスコ、チューブ、バッグまたは他の閉鎖系装置であり得る。いくつかの態様では、培養容器は、ガス透過性フラスコなどのガス透過性表面積を提供する密閉容器である。ガス透過性表面積を提供する例示的な培養容器には、G-Rexプレートまたはフラスコが含まれる。いくつかの態様では、約5×105~2×106個の細胞の酵素消化された単一細胞懸濁液が、培養容器の約2cm2の面積ごとに播種される。特定の培養容器が、利用可能な細胞の数および/または細胞の所望の収率に基づいて選択され得る。培養容器(例えば、G-Rex)の選択は、培養容器の表面積に播種された細胞の数を線形にスケーリングすることによって選択され得る。いくつかの態様では、培養容器の表面積は約2cm2(例えば、G-Rex 24ウェルプレート)であり、約5×105~2×106個の細胞の酵素消化された単一細胞懸濁液が培養容器に入れられる。いくつかの態様では、培養容器の表面積は約10cm2(例えば、G-Rex 10またはG-Rex 10M)であり、約2.5×106~1×107個の細胞の酵素消化された単一細胞懸濁液が培養容器に入れられる。いくつかの態様では、培養容器の表面積は約100cm2(例えば、G-Rex 100 M/100M-CS)であり、約2.5×107~1×108個の細胞の酵素消化された単一細胞懸濁液が培養容器に入れられる。いくつかの態様では、培養容器の表面積は約500cm2(例えば、G-Rex 500 M/500M-CS)であり、約1.25×108~5×108個の細胞の酵素消化された単一細胞懸濁液が培養容器に入れられる。
いくつかの態様では、培養培地は、組換えIL-2を含有する無血清培地である。いくつかの態様では、1つまたは複数の追加のT細胞刺激作用物質も含めることができる。いくつかの態様では、培養培地は、抗CD3抗体および/またはCD28標的剤(例えば抗CD28抗体)と、1つまたは複数の組換えサイトカイン(例えば、IL-2)とを含有する無血清培地である。いくつかの態様では、培養培地は、セクションIIに記載されているように、1つまたは複数の追加のT細胞刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質を含有する。
試料は、様々な異なる対象/患者/宿主から得られ得る。一般に、そのような宿主は「哺乳類」または「哺乳動物」であり、これらの用語は、肉食目(例えば、イヌおよびネコ)、齧歯目(例えば、マウス、モルモットおよびラット)および霊長目(例えば、ヒト、チンパンジーおよびサル)を含む哺乳綱に属する生物を表すために広く使用される。多くの態様では、宿主はヒトである。
いくつかの局面では、対象はヒトである。したがって、いくつかの態様では、細胞は、初代細胞、例えば、初代ヒト細胞である。いくつかの態様では、試料は、治療される対象、例えば、提供される方法に従って細胞が単離、処理、および/または増大される養子細胞療法などの特定の治療的介入を必要とする患者である対象にとって自己由来である。いくつかの態様では、試料は、治療される対象にとって同種異系である。
いくつかの態様では、提供される方法に関連して使用するためのT細胞は、限定されることなく、磁性ビーズ分離、蛍光細胞選別、および使い捨ての閉鎖型カートリッジベースの細胞選別機を含む様々な方法で富化または選別され得る。特定の局面では、細胞選択設備、限定されることなく、CliniMACS、Sony FX500またはTyto cell sorting systems(Miltenyi)上の蛍光抗体、ナノ粒子またはビーズを非限定的に含む、T細胞またはそのサブセットに特異的な1つまたは複数の試薬、例えば、反応性細胞を選択するためのT細胞活性化マーカーに特異的な試薬を使用することができる。
いくつかの局面では、T細胞は、例えば、T細胞マーカーCD3、CD4またはCD8に基づいて、生体試料から選択することができる。いくつかの態様では、1つまたは複数の細胞表面マーカーに対して表面陽性であるT細胞を選択することは、そのようなマーカーに基づく分離のための任意の方法を含む。
いくつかの態様では、分離は、親和性または免疫親和性に基づく分離である。例えば、いくつかの局面では、単離は、1つまたは複数のマーカー、典型的には細胞表面マーカーの細胞の発現または発現レベルに基づく細胞および細胞集団の分離を含み、これは、例えば、抗体とのインキュベーション、またはそのようなマーカーと特異的に結合する結合パートナーとのインキュベーション、続いて、一般に洗浄段階、および抗体または結合パートナーに結合していない細胞から抗体または結合パートナーに結合した細胞を分離することによる。いくつかの態様では、免疫親和性に基づく選択は、細胞を含有する試料、例えばCD3+T細胞、またはCD4+細胞およびCD8+細胞を含むT細胞、例えば初代ヒトT細胞のバルク集団を含有する試料と、単数または複数の細胞表面マーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーとを接触させることを含む。いくつかの態様では、抗体または結合パートナーは、球体またはビーズ、例えば、ナノ粒子、マイクロビーズ、アガロースを含むナノビーズ、磁性ビーズまたは常磁性ビーズなどの固体支持体またはマトリックスに結合して、陽性選択および/または陰性選択のための細胞の分離を可能にする。いくつかの態様では、球体またはビーズをカラムに充填してイムノアフィニティークロマトグラフィーを行うことができ、イムノアフィニティークロマトグラフィーでは、CD3+T細胞、またはCD4+細胞およびCD8+細胞を含む初代ヒトT細胞などの細胞を含有する試料をカラムのマトリックスと接触させ、続いてそこから溶出または放出させる。他の態様では、抗体または結合パートナーは検出可能に標識される。
いくつかの局面では、分離される、細胞の試料または組成物は、磁気応答性の粒子または微小粒子、例えばナノ粒子または常磁性ビーズなどの小さな磁化可能材料または磁気応答性材料とともにインキュベートされる。磁気応答性材料、例えば粒子は、一般に、分離することが望まれる、例えば陰性または陽性に選択することが望まれる単数もしくは複数の細胞または細胞集団上に存在する分子、例えば表面マーカーに特異的に結合する結合パートナー、例えば抗体に直接または間接的に付着する。そのようなビーズは公知であり、いくつかの局面では、Dynabeads(登録商標)(Life Technologies、Carlsbad,CA)、MACS(登録商標)ビーズ(Miltenyi Biotec、San Diego,CA)またはStreptamer(登録商標)ビーズ試薬(IBA、Germany)を含む様々な供給元から市販されている。いくつかの局面では、磁場に試料を置き、磁気応答性粒子または磁化可能粒子を付着させた細胞を磁石に引きつけ、未標識細胞から分離する。陽性選択の場合、磁石に引きつけられる細胞が保持される。陰性選択の場合、引きつけられない細胞(未標識細胞)が保持される。
特定の態様では、試料と、細胞表面マーカーに特異的に結合する結合剤、例えば検出可能に標識された結合剤とを接触させる。特定の態様では、検出可能に標識された結合剤は、蛍光標識される。特定の態様では、細胞表面マーカーに特異的な結合剤によって標識されたT細胞は、フローサイトメトリーによって同定される。特定の態様では、方法は、結合剤によって標識された任意の得られたT細胞を試料の他の成分から分離して、1つまたは複数の細胞表面マーカーに対して表面陽性のT細胞が富化された組成物を生成する工程をさらに含む。大きな体積および細胞数を取り扱うのに十分に高いスループットを有する細胞選択選別設備を使用することができる。非限定的な細胞選別設備には、例えば、Sony FX500またはTyto細胞選別システム(Miltenyi)が含まれる。
インキュベーションは、一般に、抗体もしくは結合パートナー、または分子、例えば、磁性粒子または磁性ビーズに付着しているおよび/または検出可能に標識されたそのような抗体または結合パートナーに特異的に結合する二次抗体または他の試薬が、試料内の細胞上に存在する場合に細胞表面分子に特異的に結合する条件下で行われる。いくつかの局面では、抗体に結合した細胞は、試料中の非結合細胞から回収または分離され得る。
いくつかの局面では、陽性選択および陰性選択の組合せは、同じ選択段階中に行われ、ここで、陽性画分および陰性画分は保持され、さらに処理されるか、追加の分離段階に供される。そのような分離段階は、試薬と結合した細胞がその後の使用のために保持される陽性選択、および/または抗体または結合パートナーに結合していない細胞が保持される陰性選択に基づくことができる。いくつかの例では、両画分がその後の使用のために保持される。いくつかの局面では、所望の集団以外の細胞が発現させるマーカーに基づいて分離が最もよく行われるように、異種集団内の細胞型を特異的に同定する陰性選択が、抗体が利用可能でない場合に特に有用であり得る。
分離は、特定の細胞集団、または特定のマーカーを発現する細胞の100%の富化または除去をもたらす必要はない。例えば、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陽性選択または富化は、そのような細胞の数または割合を増加させることを示すが、マーカーを発現しない細胞が完全な不在をもたらす必要はない。同様に、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陰性選択、除去、または枯渇は、そのような細胞の数または割合を減少させることを示すが、そのような細胞いずれもが完全に除去される必要はない。例えば、いくつかの局面では、CD4+集団またはCD8+集団の一方の選択は、該集団、CD4+集団またはCD8+集団のいずれかを富化するが、場合によっては、富化された集団に依然として存在する、CD4集団またはCD8集団の他方を含み得る、いくらかの残存する非選択細胞、またはわずかな割合の他の非選択細胞も含有し得る。
いくつかの態様では、単離は、陽性選択による特定の細胞集団の富化、または陰性選択による特定の細胞集団の枯渇によって行われる。いくつかの態様では、陽性選択または陰性選択は、それぞれ陽性または陰性に選択された細胞に発現した、または比較的高いレベル(マーカーhigh)で発現(マーカー+)した1つまたは複数の表面マーカーに特異的に結合する1つもしくは複数の抗体または他の結合剤とともに細胞をインキュベートすることによって達成される。
特定の態様では、T細胞集団は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞の両方を含むものである。場合によっては、CD4+細胞集団およびCD8+T細胞集団が、生体試料から単離、選択または富化される。固形腫瘍、例えば、多くの一般的な上皮適応症(例えばGI)を含む多くのがんは、クラスI制限変異およびクラスII制限変異を発現する。T細胞産物がそのような適応症、例えば一般的な上皮適応症を標的とするためには、CD8+T細胞がクラスI MHC制限分子を認識すること、およびCD4+T細胞がクラスII MHC制限分子を認識することの両方が必要であると考えられる。
いくつかの態様では、方法は、CD3+細胞の単離、選択および/または富化を含む。いくつかの態様では、方法は、CD4+細胞およびCD8+細胞の単離、選択および/または富化を含む。いくつかの局面では、CD4+またはCD8+の選択段階、例えば、CD4に対する陽性選択およびCD8に対する陽性選択を使用して、CD4+ヘルパーT細胞とCD8+細胞傷害性T細胞とを分離する。そのような選択は、いくつかの局面では同時に行われ、他の局面ではいずれかの順序で連続的に行われる。いくつかの態様では、方法は、CD3に対して表面陽性のT細胞を選択することによって、またはCD4に対して表面陽性のT細胞とCD8に対して表面陽性のT細胞とを連続的にもしくは同時に選択することによって、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を富化する工程を含む。そのようなCD3+T細胞、またはCD4+および/またはCD8+集団は、例えば、セクションI.D.に記載されているように、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞活性化マーカーの発現を有するT細胞上に発現されるか比較的高度に発現されるマーカーに関する陽性選択または陰性選択によって、亜集団にさらに選別され得る。
いくつかの態様では、細胞または集団の単離は、1つまたは複数の調製および/または非親和性に基づく細胞分離段階をさらに含む。いくつかの例では、細胞を洗浄、遠心分離、および/または1つもしくは複数の試薬の存在下でインキュベートして、例えば、不要な成分を除去し、所望の成分を富化し、特定の試薬に感受性のある細胞を溶解または除去する。いくつかの例では、密度、付着特性、サイズ、感度および/または特定の成分に対する耐性などの1つまたは複数の特性に基づいて細胞が分離される。
いくつかの態様では、被選択集団は、CD3+T細胞について富化され、60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超である、集団内の全細胞の割合としてCD3+T細胞を含む。いくつかの態様では、被選択集団は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化され、60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超である、集団内の全細胞の割合としてCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む。特定の態様では、CD8+T細胞とCD4+T細胞の比は、1:100もしくは約1:100から、100:1もしくは約100:1、1:50もしくは約1:50から、50:1もしくは約50:1、1:25もしくは約1:25から、25:1もしくは約25:1、1:10もしくは約1:10から、10:1もしくは約10:1、1:5もしくは約1:5から、5:1もしくは約5:1、または1:2.5もしくは約1:2.5から、2.5:1もしくは約2.5:1である。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、末梢血試料、任意でアフェレーシス試料であり、培養の開始時の細胞の数は、1×109個または約1×109個から、7×109個の全生細胞であるか;または、1×109個もしくは約1×109個の全生細胞、2×109個もしくは約2×109個の全生細胞、3×109個の全生細胞、4×109個の全生細胞、5×109個の全生細胞、6×109個の全生細胞、もしくは7×109個の全生細胞、または前述のいずれかの間の任意の値であり;かつ/または培養の開始時の腫瘍反応性T細胞の割合は、0.02%もしくは約0.02%から、40%もしくは約40%、0.02%もしくは約0.02%から、24%もしくは約24%、0.02%もしくは約0.02%から、18%もしくは約18%、0.02%もしくは約0.02%から、0.9%もしくは約0.9%、または0.02%もしくは約0.02%から、6.0%もしくは約6.0%であり;かつ/または培養の開始時にT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の数は、0.1×106個もしくは約0.1×106個から、60×106個もしくは約60×106個のT細胞、0.1×106個から、8×106個もしくは約8×106個のT細胞、0.1×106個から、20×106個もしくは約20×106個のT細胞、0.3×106個から、35×106個もしくは約35×106個のT細胞、または0.3×106個から、60×106個もしくは約60×106個のT細胞であるか;または、0.1×106個のT細胞、0.3×106個のT細胞、0.6×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5×106個のT細胞、10×106個のT細胞、35×106個のT細胞、もしくは60×106個のT細胞または約0.1×106個のT細胞、0.3×106個のT細胞、0.6×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5×106個のT細胞、10×106個のT細胞、35×106個のT細胞、もしくは60×106個のT細胞、または前述のいずれかの間の任意の値である。
提供される態様のいずれかの一部では、生体試料は、リンパ由来試料または腫瘍由来試料であり、培養の開始時の細胞の数は、10×106個もしくは約10×106個から、100×106個の全生細胞、20×106個から、100×106個の全生細胞、または12×106個から、43×106個の全生細胞であるか;または10×106個もしくは約10×106個の全生細胞、12×106個もしくは約12×106個の全生細胞、20×106個の全生細胞、40×106個の全生細胞、60×106個の全生細胞、もしくは100×106個の全生細胞、または前述のいずれかの間の任意の値であるか;かつ/または培養の開始時の腫瘍反応性T細胞の割合は、1%もしくは約1%から、90%もしくは約90%、1%もしくは約1%から、75%もしくは約75%、1%もしくは約1%から、50%もしくは約50%、1%もしくは約1%から、25%もしくは約25%、または1%もしくは約1%から、14%もしくは約14%であり;かつ/または培養の開始時にT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の数は、0.7×106個もしくは約0.7×106個から、15×106個もしくは約15×106個のT細胞、1×106個から、15×106個もしくは約15×106個のT細胞、または0.7×106個もしくは約0.7×106個から、5.4×106個もしくは約5.4×106個のT細胞であるか;または、0.7×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5.4×106個のT細胞、もしくは15×106個のT細胞または約0.7×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5.4×106個のT細胞、もしくは15×106個のT細胞、または前述のいずれかの間の任意の値である。
いくつかの態様では、選択されたT細胞は、活性化T細胞に関連するマーカーの発現に基づいて腫瘍反応性T細胞についてさらに富化され得る。そのような腫瘍反応性T細胞の選択または富化に使用するための特定のマーカーは、下記セクションI.D.に記載されている。他の場合では、腫瘍反応性T細胞の選択または富化は、1つまたは複数の変異ペプチド(ペプチドネオエピトープ)との共培養の後など、プロセスの1つまたは複数の後続の段階で行われる。
2. 初期増大のためのT細胞の刺激
提供される方法の局面では、生体試料由来のT細胞(例えば、切除された腫瘍断片中に存在するT細胞のインプット集団、または第1のT細胞集団)は、T細胞を刺激するための条件下で、例えば、T細胞を増大させるために、1つまたは複数のT細胞刺激物質の存在下でインキュベートまたは培養される。場合によっては、培養またはインキュベーションは、1つまたは複数のT細胞調節物質またはアジュバント、例えば、T細胞アゴニストまたはアポトーシス阻害物質の存在下でさらに行われる。いくつかの態様では、1つまたは複数のT細胞刺激物質および/またはT細胞調節物質またはアジュバントとのインキュベーションまたは培養は、提供される方法の後続の段階で使用するために、選択されたT細胞、またはその所望のサブセットもしくはサブタイプ、もしくはその生細胞の増大または成長をもたらす。T細胞刺激物質および/またはT細胞調節物質またはアジュバント、およびインキュベーションまたは培養のための条件の非限定的な例は、本明細書において記載されている。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、IL-2、IL-7、IL-15および/またはIL-21などの組換えT細胞刺激サイトカインを含む。いくつかの態様では、T細胞刺激サイトカインは、IL-2を単独で、またはIL-7、IL-15および/またはIL-21の中からの別のサイトカインと組み合わせて含む。いくつかの態様では、T細胞刺激サイトカインは、IL-7およびIL-15を含む。
提供される方法のいずれかの局面では、T細胞集団は、T細胞刺激物質の存在下でインキュベートされる。特定の態様では、インキュベーションは、T細胞刺激物質が細胞を活性化または刺激するか、細胞の増大を促進する条件下で行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞刺激物質は、TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質および共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質から選択される。提供される態様のいずれかの一部では、TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質は、OKT3などの抗CD3抗体である。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質は、末梢血単核細胞(PBMC)、任意で非分裂(non-dividing)PBMCまたは放射線照射PBMCを含む。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質は抗CD28抗体である。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞刺激物質は、それぞれ可溶性である抗CD3抗体および抗CD28抗体である。
したがって、提供される方法の中には、腫瘍反応性T細胞を製造するためにT細胞を培養する方法があり、該方法では、T細胞が、T細胞刺激物質の存在下で、共培養物中に存在するようなT細胞を増大させる条件下で培養またはインキュベートされる。いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、抗CD3抗体および抗CD28抗体であるか、それらを含む。
提供される方法の態様では、刺激条件は、T細胞内でTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードおよび/またはT細胞内で共刺激シグナルをオンにするか開始させる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。そのような作用物質には、抗体、例えばTCR成分、例えば抗CD3および/または共刺激受容体、例えば抗CD28または抗4-1BBに特異的なものが含まれ得る。いくつかの態様では、そのような作用物質は、可溶性抗体として培養培地に加えられる。他の態様では、そのような作用物質は、ビーズなどの固体支持体に結合される。いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、抗CD3/CD28コンジュゲート磁性ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander)を含む。
抗CD3抗体には、T細胞、典型的にはヒトT細胞上のヒトCD3の表面上のCD3受容体に対して向けられるか、そのようなCD3受容体に特異的に結合することができる任意の抗体が含まれ得る。抗CD3抗体には、ムロモナブとしても知られるOKT3が含まれる。抗CD3抗体には、T3およびCD3Eとしても知られるUHCTIクローンも含まれる。他の抗CD3抗体には、例えば、オテリキシズマブ、テプリズマブおよびビシリズマブが含まれる。抗CD3抗体は、可溶性試薬として加えることができるか、ビーズに結合させることができる。特定の態様では、抗CD3抗体は可溶性である。
特定の態様では、T細胞刺激物質は、インキュベーション中に細胞培養培地に加えられる抗CD3抗体を含む。いくつかの態様では、抗CD3抗体は、0.1ng/mLもしくは約0.1ng/mLから、50ng/mL、例えば、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、50ng/mLもしくは約50ng/mL、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、30ng/mLもしくは約30ng/mL、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、15ng/mLもしくは約15ng/mL、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、5ng/mLもしくは約5ng/mL、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、1ng/mLもしくは約1ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、50ng/mLもしくは約50ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、30ng/mLもしくは約30ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、15ng/mLもしくは約15ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、5ng/mLもしくは約5ng/mL、5ng/mLもしくは約5ng/mLから、50ng/mLもしくは約50ng/mL、5ng/mLもしくは約5ng/mLから、30ng/mLもしくは約30ng/mL、5ng/mLもしくは約5ng/mLから、15ng/mLもしくは約15ng/mL、15ng/mLもしくは約15ng/mLから、50ng/mLもしくは50ng/mL、15ng/mLもしくは約15ng/mLから、30ng/mLもしくは約30ng/mL、または30ng/mLもしくは約30ng/mLから、50ng/mLもしくは約50ng/mL(両端の値を含む)の範囲の濃度で加えられる。
特定の態様では、抗CD3抗体はOKT3である。一態様では、細胞培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mLおよび約1μg/mLのOKT3抗体を含む。一態様では、細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mL、1ng/mL~5ng/mL、5ng/mL~10ng/mL、10ng/mL~20ng/mL、20ng/mL~30ng/mL、30ng/mL~40ng/mL、40ng/mL~50ng/mLおよび50ng/mL~100ng/mLのOKT3抗体を含む。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、抗CD3抗体とのインキュベーション、およびCD28に特異的に結合するか、細胞内でCD28媒介シグナルを刺激または誘導する追加の作用物質とのインキュベーションを含む。いくつかの態様では、CD28媒介シグナルは、抗CD28抗体またはその抗原結合断片によって開始または提供され得る。いくつかの態様では、CD28媒介シグナルは、末梢血単核細胞(PBMC)などの抗原提示フィーダー細胞(APC)によって提供され得る。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、T細胞フィーダー細胞、例えば非分裂末梢血単核細胞(PBMC)の集団に加えることを含み得る。いくつかの局面では、非分裂フィーダー細胞は、ガンマ放射線照射PBMCフィーダー細胞を含み得る。いくつかの態様では、PBMCは、細胞分裂を防ぐために約3000~3600ラドの範囲のガンマ線を照射される。いくつかの局面では、フィーダー細胞は、T細胞集団の添加の前に培養培地に加えられる。いくつかの態様では、得られた細胞集団は、増大させる最初の集団内の各Tリンパ球に対して少なくとも約5、10、20、もしくは40またはそれ以上のPBMCフィーダー細胞を含有する。いくつかの態様では、T細胞とPBMCおよび/または抗原提示細胞の比は、約1対25、約1対50、約1対100、約1対125、約1対150、約1対175、約1対200、約1対225、約1対250、約1対275、約1対300、約1対325、約1対350、約1対375、約1対400、または約1対500である。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、細胞集団に抗CD28抗体またはその抗原結合断片を加えることを含み得る。抗CD28抗体には、T細胞の表面上のCD28受容体に対して向けられるか、そのようなCD28受容体に特異的に結合することができる任意の抗体が含まれ得る。抗CD28抗体の非限定的な例には、NA/LE(例えばBD Pharmingen)、IM1376(例えばBeckman Coulter)または15E8(例えばMiltenyi Biotec)が挙げられる。抗CD28抗体は、可溶性試薬として加えることができるか、ビーズに結合させることができる。特定の態様では、抗CD3抗体は可溶性である。いくつかの態様では、抗CD28抗体は、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、1000ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、500ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、100ng/mLもしくは約100ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、10ng/mLもしくは約10ng/mL、10ng/mLもしくは約10ng/mLから、1000ng/mLもしくは約1000ng/mL、10ng/mLもしくは約10ng/mLから、500ng/mLもしくは約500ng/mL、10ng/mLもしくは約10ng/mLから、100ng/mLもしくは約100ng/mL、100ng/mLもしくは約100ng/mLから、1000ng/mLもしくは約1000ng/mL、100ng/mLもしくは約100ng/mLから、500ng/mLもしくは約500ng/mL、または500ng/mLもしくは約500ng/mLから、1000ng/mLもしくは約1000ng/mLの範囲の濃度で加えられる。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、1つまたは複数の組換えサイトカインを含む。いくつかの態様では、サイトカインは、培養培地に加えられるか、培養培地に外因性である。いくつかの態様では、組換えサイトカインは、IL-2、IL-7、IL-15、またはIL-21のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの態様では、培養およびインキュベーションは、組換えIL-2、組換えIL-15および組換えIL-7の存在下で行われる。いくつかの態様では、培養はIL-2の存在下で行われる。いくつかの態様では、培養は、IL-15およびIL-7の存在下で行われ、いくつかの局面ではIL-2をさらに含まない。特定の態様では、組換えサイトカインはヒトである。
組換えサイトカインは、一般に、組換えヒトタンパク質である。特定の態様では、組換えサイトカインは、インキュベーション中の細胞培養培地中に、少なくとも10IU/mLもしくは少なくとも約10IU/mLもしくは10IU/mLもしくは約10IU/mL、少なくとも100IU/mLもしくは少なくとも約100IU/mLもしくは100IU/mLもしくは約100IU/mL、少なくとも1000IU/mLもしくは少なくとも約1000IU/mLもしくは1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、少なくとも1500IU/mLもしくは少なくとも約1500IU/mLもしくは1500IU/mLもしくは約1500IU/mL、少なくとも2000IU/mLもしくは少なくとも約2000IU/mLもしくは2000IU/mLもしくは約2000IU/mL、少なくとも2500IU/mLもしくは少なくとも約2500IU/mLもしくは2500IU/mLもしくは約2500IU/mL、少なくとも3000IU/mLもしくは少なくとも約3000IU/mLもしくは3000IU/mLもしくは約3000IU/mL、少なくとも3500IU/mLもしくは少なくとも約3500IU/mLもしくは3500IU/mLもしくは約3500IU/mL、少なくとも4000IU/mLもしくは少なくとも約4000IU/mLもしくは4000IU/mLもしくは約4000IU/mL、少なくとも4500IU/mLもしくは少なくとも約4500IU/mLもしくは4500IU/mLもしくは約4500IU/mL、少なくとも5000IU/mLもしくは少なくとも約5000IU/mLもしくは5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、少なくとも5500IU/mLもしくは少なくとも約5500IU/mLもしくは5500IU/mLもしくは約5500IU/mL、少なくとも6000IU/mLもしくは少なくとも約6000IU/mLもしくは6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、少なくとも6500IU/mLもしくは少なくとも約6500IU/mLもしくは6500IU/mLもしくは約6500IU/mL、少なくとも7000IU/mLもしくは少なくとも約7000IU/mLもしくは7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、少なくとも7500IU/mLもしくは少なくとも約7500IU/mLもしくは7500IU/mLもしくは約7500IU/mL、または少なくとも8000IU/mLもしくは少なくとも約8000IU/mLもしくは8000IU/mLもしくは約8000IU/mLの濃度で存在する。一態様では、細胞培養培地は、10IU/mLまたは約10IU/mLから、100IU/mLまたは約100IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、2000IU/mLまたは約2000IU/mLから、3000IU/mLまたは約3000IU/mL、3000IU/mLまたは約3000IU/mLから、4000IU/mLまたは約4000IU/mL、4000IU/mLまたは約4000IU/mLから、5000IU/mLまたは約5000IU/mL、5000IU/mLまたは約5000IU/mLから、6000IU/mLまたは約6000IU/mL、6000IU/mLまたは約6000IU/mLから、7000IU/mLまたは約7000IU/mL、7000IU/mLまたは約7000IU/mLから、8000IU/mLまたは約8000IU/mL(両端の値を含む)を含む。
いくつかの態様では、組換えIL-2が、細胞培養培地中に存在する。IL-2は、T細胞の回収および増殖を支援するサイトカインである。IL-2はまた、T細胞の恒常性を支援し、それによって、それらの表現型、分化状態および免疫記憶を支援する。場合によっては、腫瘍微小環境内で制御性T細胞を誘導すると、IL-2の低いバイオアベイラビリティがもたらされ得る。組換えIL-2は、様々な状況でT細胞の広範囲な増大に定期的に使用されている。組換えIL-2は市販されている。特定の態様では、組換えIL-2は、GMPグレード(例えば、MACS GMP Recombinant Human IL-2、Miltenyi Biotec)である。
組換えIL-2は、提供されるプロセスの様々な段階の最中に細胞培養培地に含めることができる。場合によっては、組換えIL-2は、例えば、TILの成長を促進し、固形腫瘍からのそれらの増殖を可能にするために、初期T細胞増大(第1の増大)に含めることができる。IL-2はまた、例えば、それらの分離または選択の前にネオ抗原反応性Tのピーク活性化を可能にするために、セクションI.Cに記載されているように抗原提示細胞共培養に含めることができる。場合によっては、組換えIL-2は、例えば、セクションI.Eに記載されているように、第2の増大期中に腫瘍反応性T細胞を増大させるために培養物に含めることもできる。
いくつかの態様では、組換えIL-2は、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、例えば、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、50IU/mLもしくは約50IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、400IU/mLもしくは約400IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、400IU/mLもしくは約400IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、または600IU/mLもしくは約600IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-2は、50~400IU/mLの量で存在する。
いくつかの態様では、インキュベーションは、さらに高用量のIL-2を用いて行われる。いくつかの局面では、IL-2は、培養物に加えられる唯一の組換えサイトカインである。いくつかの態様では、組換えIL-2は、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、例えば、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、4000IU/mLもしくは約4000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、2000IU/mLもしくは約2000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、4000IU/mLもしくは約4000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、5000IU/mLもしくは約5000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、5000IU/mLもしくは約5000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、5000IU/mLもしくは約5000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、6000IU/mLもしくは約6000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、6000IU/mLもしくは約6000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、または7000IU/mLもしくは約7000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-2は、6000IU/mLまたは約6000IU/mLの量で存在する。
いくつかの態様では、組換えIL-15が、細胞培養培地中に存在する。IL-15は、メモリーT細胞の恒常性および活性化に関与するサイトカインである。場合によっては、IL-15は、抗原の非存在下で抗原を経験したT細胞のエフェクター機能を促進し、枯渇した表現型へのそれらの分化を防止することができる。IL-15はまた、T細胞増殖に何らかの役割を果たす。組換えIL-15は市販されている。特定の態様では、組換えIL-15は、GMPグレード(例えば、MACS GMP Recombinant Human IL-15、Miltenyi Biotec)である。
組換えIL-15は、提供されるプロセスの様々な段階の最中に細胞培養培地に含めることができる。場合によっては、組換えIL-15は、例えば、TILの増大を促進してそれらの成長を促進し、それらの増殖を可能にし、かつ/または固形腫瘍からの表現型を安定化するために、初期T細胞増大(第1の増大)に含めることができる。組換えIL-15はまた、例えば、それらの分離または選択の前にネオ抗原反応性Tのピーク活性化を可能にするために、セクションI.Cに記載されているように抗原提示細胞共培養に含めることができる。場合によっては、組換えIL-15はまた、例えば、セクションI.Eに記載されているように、第2の増大期中に腫瘍反応性T細胞を増大させるために培養物に含めることもできる。場合によっては、提供される方法では、組換えIL-15と組換えIL-7とを組み合わせて、腫瘍反応性T細胞の活性化、生存および/または増大を提供することができる。いくつかのそのような態様では、組換えIL-7と組換えIL-15との組合せは、培養物中の組換えIL-2の使用の代替であり、培養培地は組換えIL-2をさらに含有しない。
いくつかの態様では、組換えIL-15は、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、500IU/mL、例えば、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、70IU/mLもしくは約70IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、50IU/mLもしくは約50IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、30IU/mLもしくは約30IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、500IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、70IU/mLもしくは約70IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、50IU/mLもしくは約50IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、70IU/mLもしくは約70IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、300IU/mLもしくは約300IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、または400IU/mLもしくは約400IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-15は、100IU/mLまたは約100IU/mLから、200IU/mLまたは約200IU/mLの量で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-15は、180IU/mLまたは約180IU/mLで培養培地に加えられる。
いくつかの態様では、組換えIL-7が培養培地に加えられる。IL-7は、T細胞の維持および恒常性の促進に関与するサイトカインである。場合によっては、IL-7は、メモリーT細胞の生存および増殖、特にセントラルメモリー区画を増強することができる。組換えIL-7は市販されている。特定の態様では、組換えIL-7は、GMPグレード(例えば、MACS GMP Recombinant Human IL-7、Miltenyi Biotec)である。
組換えIL-7は、提供されるプロセスの様々な段階の最中に細胞培養培地に含めることができる。場合によっては、組換えIL-7は、例えば、TILの増大を促進してそれらの成長を促進し、それらの増殖を可能にし、かつ/または固形腫瘍からの表現型を安定化するために、初期T細胞増大(第1の増大)に含めることができる。IL-7はまた、例えば、それらの分離または選択の前にネオ抗原反応性Tのピーク活性化を可能にするために、セクションI.Cに記載されているように抗原提示細胞共培養に含めることができる。場合によっては、組換えIL-7はまた、例えば、セクションI.Eに記載されているように、第2の増大期中に腫瘍反応性T細胞を増大させるために培養物に含めることもできる。このプロセスに組換えIL-7を含めることにより、このプロセスにおけるメモリーT細胞サブセットの増大を維持または支援することができる。場合によっては、提供される方法では、組換えIL-7と組換えIL-15とを組み合わせて、腫瘍反応性T細胞の活性化、生存および/または増大を提供することができる。いくつかのそのような態様では、組換えIL-7と組換えIL-15との組合せは、培養物中の組換えIL-2の使用の代替であり、培養培地は組換えIL-2をさらに含有しない。
いくつかの態様では、組換えIL-7は、100IU/mLまたは約100IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、600IU/mLまたは約600IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、400IU/mLまたは約400IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、200IU/mLまたは約200IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、600IU/mLまたは約600IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、400IU/mLまたは約400IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、600IU/mLまたは約600IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、800IU/mLまたは約800IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、800IU/mLまたは約800IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、800IU/mLまたは約800IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、1500IU/mLまたは約1500IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-7は、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mLの量で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-7は、600IU/mLまたは約600IU/mLで培養培地に加えられる。
いくつかの態様では、組換えIL-21が培養培地に加えられる。IL-21は、制御性T細胞シグナル伝達を増加させることなく広範囲のT細胞活性化を支援するサイトカインである。場合によっては、IL-21は、メモリー細胞の安定化と、エフェクター機能と、抗原を経験したT細胞の増殖とを支援することができる。IL-21は、CD4 T細胞およびCD8 T細胞の両方でエフェクター分子のアップレギュレーションを誘導することができる。組換えIL-21は市販されている。特定の態様では、組換えIL-21は、GMPグレード(例えば、MACS GMP Recombinant Human IL-21、Miltenyi Biotec)である。
組換えIL-21は、提供されるプロセスの様々な段階の最中に細胞培養培地に含めることができる。場合によっては、組換えIL-21は、例えば、メモリーT細胞の活性化、機能および/または増殖を安定化することによって、例えば、固形腫瘍からのTILの成長を促進するために、初期T細胞増大(第1の増大)に含めることができる。いくつかの局面では、IL-21の存在は、TILの改善された回収を可能にする。組換えIL-21はまた、例えば、ネオ抗原反応性TIL上の活性化マーカーの発現を含むT細胞活性化マーカーの発現を刺激する能力のために、セクションI.Cに記載されているように、抗原提示細胞共培養に含めることができる。場合によっては、組換えIL-21は、例えば、メモリー表現型の増殖および安定化を支援するために、セクションI.Eに記載されているように、第2の増大期中に腫瘍反応性T細胞を増大させるために培養物に含めることもできる。
いくつかの態様では、組換えIL-21は、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、5IU/mLもしくは約5IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、1IU/mLもしくは約1IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、5IU/mLもしくは約5IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、5IU/mLもしくは約5IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、または15IU/mLもしくは約15IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-21は、0.5IU/mLまたは約0.5IU/mLから、2.5IU/mLまたは約2.5IU/mLの量で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-21は、1IU/mLまたは約1IU/mLで培養培地に加えられる。
特定の態様では、例えば、細胞の増大のためのインキュベーション中に存在するT細胞刺激作用物質は、組換えIL-2を含有する。いくつかの態様では、1つまたは複数の他の刺激作用物質、例えば、IL-7、IL-15、IL-21または抗CD3抗体(例えばOKT-3)由来の1つまたは複数の他の組換えサイトカインが含まれ得る。抗CD3抗体(例えばOKT-3)のそのような場合、T細胞刺激作用物質は、PBMCなどの抗原提示フィーダー細胞によって提供されるような共刺激作用物質、または可溶性抗CD28抗体も含み得る。
特定の態様では、例えば、細胞の増大のためのインキュベーション中に存在するT細胞刺激物質は、組換えIL-2、抗CD3抗体、例えばOKT-3と、抗原提示フィーダー細胞、例えばPBMCとを含有する。
特定の態様では、例えば、細胞の増大のためのインキュベーション中に存在するT細胞刺激物質は、組換えIL-2と、抗CD3抗体、例えばOKT-3と、抗CD28抗体とを含有する。いくつかの態様では、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体は可溶性である。いくつかの態様では、抗CD3抗体および抗CD28抗体の一方または両方が、ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander)などの固体表面に結合している。
特定の態様では、例えば、細胞の増大のためのインキュベーション中に存在するT細胞刺激物質は、組換えIL-2と、組換えIL-15と、組換えIL-7と、抗CD3抗体、例えばOKT-3と、抗原提示フィーダー細胞、例えばPBMCとを含有する。
特定の態様では、例えば、細胞の増大のためのインキュベーション中に存在するT細胞刺激物質は、組換えIL-2と、組換えIL-15と、組換えIL-7と、抗CD3抗体、例えばOKT-3と、抗CD28抗体とを含有する。いくつかの態様では、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体は可溶性である。いくつかの態様では、抗CD3抗体および抗CD28抗体の一方または両方が、ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander)などの固体表面に結合している。
特定の態様では、例えば、細胞の増大のためのインキュベーション中に存在するT細胞刺激物質は、組換えIL-15および組換えIL-7と、抗CD3抗体、例えばOKT-3と、抗原提示フィーダー細胞、例えばPBMCとを含有する。
特定の態様では、例えば、細胞の増大のためのインキュベーション中に存在するT細胞刺激物質は、組換えIL-15および組換えIL-7と、抗CD3抗体、例えばOKT-3と、抗CD28抗体とを含有する。いくつかの態様では、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体は可溶性である。いくつかの態様では、抗CD3抗体および抗CD28抗体の一方または両方が、ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander)などの固体表面に結合している。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質とのインキュベーションは、生体試料由来のT細胞の初期増大のための条件下で行われる。いくつかの態様では、細胞は、約37°Cで、約5%CO2を用いて培養される。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質とのインキュベーションは、1日もしくは約1日、例えば一般に、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、もしくは約2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、または前述のいずれかの間の任意の範囲の時間にわたって行われる。いくつかの態様では、インキュベーションは7~10日間にわたって行われる。いくつかの態様では、インキュベーションは7日間または約7日間にわたる。いくつかの態様では、インキュベーションは8日間または約8日間にわたる。いくつかの態様では、インキュベーションは9日間または約9日間にわたる。いくつかの態様では、インキュベーションは10日間または約10日間にわたる。
例えば、生体試料中のT細胞の初期増大のためのインキュベーションは、GMP条件下で行われ得る。いくつかの態様では、インキュベーションは、いくつかの局面では閉鎖自動化システムであり得る閉鎖系内である。いくつかの態様では、T細胞刺激物質を含有する培養培地は、無血清培地であり得る。いくつかの態様では、インキュベーションは、閉鎖自動化システム内で、無血清培地を用いて行われる。
いくつかの態様では、1つまたは複数の刺激条件下での細胞の初期増大は、細胞増大に適した培養容器内である。いくつかの態様では、培養容器は、G-Rexシステム(例えば、G-Rex 10、G-Rex 10M、G-Rex 100 M/100M-CSまたはG-Rex 500 M/500M-CS)などのガス透過性培養容器である。いくつかの態様では、培養容器は、閉鎖系内での細胞の増大に適したマイクロプレート、フラスコ、バーまたは他の培養容器である。いくつかの態様では、増大は、バイオリアクター内で行われ得る。いくつかの態様では、初期増大は、例えば、バイオリアクター(例えば、Xuri Cell Expansion System W25(GE Healthcare))に関連して、ガス透過性バッグに細胞を移すことによって、細胞増大システムを使用して行われ得る。一態様では、細胞増大システムは、約50mL、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、約1L、約2L、約3L、約4L、約5L、約6L、約7L、約8L、約9Lおよび約10L、または前述のいずれかの間の任意の値の体積を有するバッグ、例えばガス透過性細胞バッグなどの培養容器を含む。いくつかの態様では、プロセスは、自動化または半自動化される。自動灌流増大に適したバイオリアクターの例には、限定されることなく、GE Xuri W25、GE Xuri W5、Sartorius BioSTAT RM 20 | 50、Finesse SmartRocker Bioreactor Systems、およびPall XRS Bioreactor Systems、またはMiltenyi Prodigyが挙げられる。いくつかの局面では、増大は、静的条件下で行われる。いくつかの態様では、増大は、揺動条件下で行われる。培地は、ボーラスで加えられ得るか、灌流スケジュールで加えられ得る。いくつかの態様では、バイオリアクターは、0.01L/分、0.05L/分、約0.05L/分、もしくは少なくとも0.05L/分、0.1L/分、約0.1L/分、もしくは少なくとも0.1L/分、0.2L/分、約0.2L/分、もしくは少なくとも0.2L/分、0.3L/分、約0.3L/分、もしくは少なくとも0.3L/分、0.4L/分、約0.4L/分、もしくは少なくとも0.4L/分、0.5L/分、約0.5L/分、もしくは少なくとも0.5L/分、1.0L/分、約1.0L/分、もしくは少なくとも1.0L/分、1.5L/分、約1.5L/分、もしくは少なくとも1.5L/分、または2.0L/分、約2.0L/分、もしくは少なくとも2.0L/分、または2.0L/分超の一定の空気流を用いて、温度を37°C、または37°C付近に維持し、CO2レベルを5%、または5%付近に維持する。特定の態様では、培養の少なくとも一部は、例えば、290ml/日、580ml/日および/または1160ml/日の速度を用いて、灌流を用いて行われる。
いくつかの態様では、細胞は、0.5×106細胞/mL~1.5×106細胞/mLの密度で適切な培養容器(例えば、ガス透過性バッグ)に播種される。いくつかの態様では、密度は、0.5×106細胞/mL、0.75×106細胞/mL、1×106細胞/mL、1.25×106細胞/mLもしくは1.5×106細胞/mL、もしくは約0.5×106細胞/mL、0.75×106細胞/mL、1×106細胞/mL、1.25×106細胞/mLもしくは1.5×106細胞/mL、または前述のいずれかの間の任意の値である。
いくつかの局面では、細胞は、灌流が可能な自動閉鎖増大システム内で増大させる。灌流液は、細胞に培地を連続的に加えて、最適な増殖速度が達成されることを確実にすることができる。
増大方法は、閉鎖自動化システム内、および無血清培地を使用することを含むGMP条件下で行われ得る。いくつかの態様では、方法の段階のうちのいずれか1つまたは複数は、閉鎖系内で、またはGMP条件下で行われ得る。特定の態様では、全プロセス操作がGMPスイートで行われる。いくつかの態様では、細胞療法を製造、生成または作製するための方法の他の処理段階のうちの1つまたは複数を行うために閉鎖系が使用される。いくつかの態様では、処理工程、例えば単離、選択および/または富化、処理、細胞の増大に関連するインキュベーションを含む培養段階、および製剤化段階うちの1つもしくは複数または全部が、統合システムまたは自己完結型システム内でおよび/または自動化された様式またはプログラム可能な様式でシステム、装置または機器を使用して行われる。いくつかの態様では、システムまたは機器は、システムまたは機器と通信するコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、これにより、ユーザは、処理、単離、操作、および製剤化段階の様々な局面をプログラムし、制御し、処理、単離、操作、および段階工程の様々な局面の結果を評価し、かつ/または処理、単離、操作、および段階工程の様々な局面を調整することができる。
いくつかの態様では、インキュベーションの直後に、例えば下記セクションI.Cに記載される方法に従って、APCとの後続の共培養のために、刺激された細胞を収集することができる。
いくつかの態様では、刺激された細胞は、収集され、クライオ凍結される(cryofrozen)。初期増大期後の凍結保存による中間保持段階の提供を使用して、セクションI.Aに記載されているようなネオエピトープ同定およびペプチド生成、および/またはセクションI.Cに記載されているようなAPC生成とタイミングを合わせることができる。いくつかの態様では、凍結保存のために、刺激された細胞は、凍結保護剤を含む組成物として製剤化される。いくつかの態様では、凍結保護剤は、DMSOおよび/またはグリセロールであるか、DMSOおよび/またはグリセロールを含む。いくつかの態様では、凍結保存のために製剤化された組成物は、低温、例えば超低温で、例えば-40°C~-150°C、例えばまたは約80°C±6.0°Cの温度範囲による保存で保存することができる。
いくつかの態様では、凍結保存された細胞は、解凍することによって後続の段階のために調製される。場合によっては、細胞は、1つまたは複数の洗浄段階後の解凍直後に、APCおよびペプチドとの後続の培養のための準備ができていてもよい。
C. T細胞とAPCとの共培養
いくつかの態様では、増大のための細胞の供給源は、腫瘍反応性T細胞について富化されるために生成された細胞のエクスビボ共培養供給源から得ることができる。抗原特異性を有する細胞を生成する方法は公知であり、例えば、米国特許出願公開第US2017/0224800号を参照されたい。したがって、態様、提供される方法には、腫瘍関連抗原(例えば、ネオ抗原)、または腫瘍関連抗原のペプチドに対して抗原特異性を示すT細胞などの腫瘍反応性T細胞を含有するT細胞集団がエクスビボで同定または生成されるものが含まれる。そのような方法には、限定されることなく、(1)生体試料、例えば、腫瘍、血液、骨髄、リンパ節、胸腺または他の組織もしくは体液からT細胞を直接選択することなどによって、ドナー対象から得られたT細胞集団を富化する段階;(2)上記のような1つまたは複数のT細胞刺激作用物質(例えば、抗CD3(例えば、OKT3)試薬および抗CD28試薬、例えば、抗CD3抗体(例えば、OKT3)および抗CD28抗体、ならびに1つまたは複数の追加の組換えサイトカイン、例えば、IL-2、IL-7、IL-21、および/またはIL-15)によって集団を刺激して、活性化T細胞を含有する集団を生成する段階;(3)1つまたは複数のMHC関連非天然ペプチドを提示する抗原提示細胞(APC)の存在下で活性化T細胞を含有する集団を共培養する段階;ならびに(4)抗原提示細胞(APC)上に存在するペプチドに対して反応性である内因性TCRを含むT細胞を富化する段階が含まれる。いくつかの局面では、内因性TCRを含むT細胞は、抗原提示細胞をT細胞集団から分離することによって富化される。代替的にまたは追加的に、そのような細胞は、腫瘍反応性T細胞に関連する1つまたは複数の活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞を選択することによって富化される。
特定の態様では、タンパク質をコードするネオエピトープが合成されると、MHC分子に関連してペプチドを提示するための条件下で、複数の合成ペプチドを抗原提示細胞と接触させ、APC上に提示されたペプチドの認識のためにT細胞集団由来のT細胞とともにインキュベートする。いくつかの態様では、合成ペプチドは、自己APCまたは同種異系APCにパルスされ、次いでこれらが患者T細胞とともに培養される。抗原提示細胞は、これらのペプチドを提示するために使用される。次いで、APCの表面上のこれらのペプチドを認識するT細胞が、例えば以下に記載される方法によって単離され得る。インキュベートされた細胞は、培養物中の腫瘍反応性T細胞、すなわち、APC上に存在するペプチドに対して反応性である内因性TCRを含むT細胞を富化するかつ増大させる条件下で培養され得る。いくつかの態様では、方法は、閾値量のT細胞が得られるまで、および/またはインキュベーションの開始後最大20日まで、増大のための条件下でT細胞を培養する工程を含む。提供される方法のいくつかの態様では、方法は、T細胞とAPCとを数時間から数日間にわたって共培養する工程、次いで、腫瘍反応性T細胞を富化するまたは増大させるための条件下でT細胞を増大させるためにT細胞集団から抗原提示細胞を分離する工程を含み得る。提供される方法のいくつかの態様では、方法は、T細胞とAPCとを1~7日間にわたって共培養する工程、次いで、腫瘍反応性T細胞を富化するまたは増大させるための条件下でT細胞を増大させるためにT細胞集団から抗原提示細胞を分離する工程を含み得る。いくつかの態様では、分離する工程は、T細胞上の1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに基づいて、培養物から反応性T細胞を単離または選択することを含み得る。
方法は、変異アミノ酸配列を提示するように患者の自己抗原提示細胞(APC)を誘導する工程を含み得る。方法は、変異アミノ酸配列を提示するように患者の自己抗原提示細胞(APC)を誘導する工程を含み得る。APCは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に関連するタンパク質のペプチド断片をそれらの細胞表面に提示する任意の細胞を含み得る。APCは、例えば、マクロファージ、DC、ランゲルハンス細胞、Bリンパ球およびT細胞のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。好ましくは、APCはDCである。患者から得られた自己APCを使用することによって、方法は、患者によって発現されるMHC分子に関連して提示される、がん特異的変異によってコードされる変異アミノ酸配列に対して抗原特異性を有するT細胞を同定し得る。MHC分子は、限定されることなく、MHCクラスI分子、MHCクラスII分子、HLA-A分子、HLA-B分子、HLA-C分子、HLA-DM分子、HLA-DO分子、HLA-DP分子、HLA-DQ分子およびHLA-DR分子を含む、患者によって発現される任意のMHC分子であり得る。
特定の態様では、APCは、クラスI制限分子およびクラスII制限分子を提示することができる細胞を含む。例えば、B細胞およびDCはいずれも、MHCクラスI制限分子およびMHCクラスII制限分子を提示する能力を有する。いくつかの態様では、APC細胞試料は、B細胞およびDCを含む。いくつかの態様では、APC細胞試料は、例えば、初代細胞試料からの選択または単離によって、B細胞について富化される。いくつかの態様では、APC細胞試料は、例えば、初代細胞試料からの選択または単離によって、DCについて富化される。
いくつかの態様では、APCは、T細胞の供給源が得られた適合HLAを有するMHCクラスI分子および/またはMHCクラスII分子を発現する。特定の態様では、APCおよびT細胞の両方が、同じ対象から単離されている、すなわち、がん患者にとって自己由来である。いくつかの態様では、方法は、変異アミノ酸配列を提示するように患者の自己抗原提示細胞(APC)を誘導する工程を含み得る。患者から得られた自己APCを使用することによって、方法は、患者によって発現されるMHC分子に関連して提示される、がん特異的変異によってコードされる変異アミノ酸配列に対して抗原特異性を有するT細胞を同定し得る。
いくつかの態様では、APCは、患者などの対象からの血液試料またはアフェレーシス試料由来の細胞である。いくつかの態様では、APCは、末梢血単核細胞(PBMC)試料中に存在する細胞を含む。典型的には、PBMC培養物中で機能するAPCは、単球およびB細胞を主に含む。いくつかの態様では、単離されたPBMCの集団は、提供される方法におけるAPCとして使用され得る。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準的な方法を使用して得ることができる。場合によっては、APCは、血液試料もしくはアフェレーシス試料から、またはPBMC試料から単離されるB細胞であるか、そのようなB細胞を含む。他の場合では、APCは、血液試料もしくはアフェレーシス試料から、またはPBMC試料から単離された単球であるか、そのような単球を含む。いくつかの局面では、単球は、APCとして使用するための単球由来DCを調製するための供給源として使用され得る。いくつかの態様では、単球由来DC(例えば、CD11chighMHCIIhighCD14low細胞)の供給源は、GM-CSFおよびIL-4とともに4~6日間培養して単球由来樹状細胞を生成することによって、単離された単球からエクスビボで生成され得る。特定の態様では、単球は、CD14選択などによってPBMCから単離され、次いで、GM-CSFおよびIL-4とともに4~6日間培養される。
いくつかの態様では、APCは、複製能を有する初代細胞(例えば、B細胞または単球由来DC)であり、例えば、細胞は、それらの不活性化をもたらすであろう照射、熱処理または他の方法に供されない。特定の態様では、提供される方法は、照射APCを使用しない。いくつかの態様では、APCは、対象から得られた新たに単離された初代細胞であるか、対象から得られた初代細胞に由来する。いくつかの態様では、APCは、凍結保存されており、その後、提供される方法に従って、刺激されたT細胞との共培養の前に解凍されている。
いくつかの特定の態様では、B細胞は、APCの供給源として使用され、患者のアフェレーシス、例えば、腫瘍断片および/またはT細胞が得られた対象にとって自己由来のアフェレーシスから生成される。他の特定の態様では、単球由来樹状細胞は、APCの供給源として使用され、患者のアフェレーシス、例えば、腫瘍断片および/またはT細胞が得られた対象にとって自己由来のアフェレーシス由来の単球から生成される。
いくつかの態様では、単離または生成されたAPCは、収集され、クライオ凍結される。APCの単離または生成後の凍結保存による中間保持段階の提供を使用して、セクションI.Aに記載されているようなネオエピトープ同定およびペプチド生成、および/またはセクションI.Bに記載されているようなT細胞の初期増大とタイミングを合わせることができる。いくつかの態様では、凍結保存のために、単離または生成されたAPCは、凍結保護剤を含む組成物として製剤化される。いくつかの態様では、凍結保護剤は、DMSOおよび/またはグリセロールであるか、DMSOおよび/またはグリセロールを含む。いくつかの態様では、凍結保存のために製剤化された組成物は、低温、例えば超低温で、例えば-40°C~-150°C、例えばまたは約80°C±6.0°Cの温度範囲による保存で保存することができる。
いくつかの態様では、凍結保存された細胞は、解凍することによって後続の段階のために調製される。場合によっては、細胞は、1つまたは複数の洗浄段階後の解凍直後にT細胞およびペプチドとの後続の培養のための準備ができていてもよい。
特定の態様では、腫瘍反応性細胞を富化または選択する方法は、PBMCと、変異アミノ酸配列、例えば1つまたは複数、例えば複数のネオエピトープペプチドとを接触させることによって開始される。次いで、PBMC/ペプチドは、刺激されたT細胞とともに培養され得る。PBMCおよびT細胞は、同じ対象から得ることができる。
特定の態様では、腫瘍反応性細胞を富化または選択する方法は、B細胞と、変異アミノ酸配列、例えば1つまたは複数、例えば複数のネオエピトープペプチドとを接触させることによって開始される。次いで、B細胞/ペプチドは、刺激されたT細胞とともに培養され得る。B細胞およびT細胞は、同じ対象から得ることができる。
特定の態様では、腫瘍反応性細胞を富化または選択する方法は、単球由来DCと、変異アミノ酸配列、例えば1つまたは複数、例えば複数のネオエピトープペプチドとを接触させることによって開始される。次いで、単球由来Dc/ペプチドは、刺激されたT細胞とともに培養され得る。単球由来DCおよびT細胞は、同じ対象から得ることができるか、同じ対象に由来し得る。
いくつかの態様では、APCは、人工抗原提示細胞(aAPC)である。典型的には、aAPCは、MHC分子、刺激分子および共刺激分子、Fc受容体、接着分子の発現、および/またはサイトカイン(例えば、IL-2)を産生または分泌する能力を含む、天然APCの特徴を含む。通常、aAPCは、上記のうちの1つまたは複数の発現を欠く細胞株であり、MHC分子、低親和性Fc受容体(CD32)、高親和性Fc受容体(CD64)、共刺激シグナルのうちの1つまたは複数(例えば、CD7、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、PD-L1、PD-L2、4-1BBL、OX40L、ICOS-L、ICAM、CD30L、CD40、CD70、CD83、HLA-G、MICA、MICB、HVEM、リンフォトキシンβ受容体、ILT3、ILT4、3/TR6、もしくはB7-H3のリガンド;またはCD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、LFA-1、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、Tollリガンド受容体、もしくはCD83のリガンドに特異的に結合する抗体)、細胞接着分子(例えば、ICAM-1またはLFA-3)および/またはサイトカイン(例えば、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、インターフェロン-α(IFNα)、インターフェロン-β(IFNβ)、インターフェロン-γ(IFNγ)、腫瘍壊死因子-α(TNFα)、腫瘍壊死因子-β(TNFβ)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)および顆粒球コロニー刺激因子(GCSF))からの欠損要素のうちの1つまたは複数の導入によって(例えば、トランスフェクションまたは形質導入によって)生成される。場合によっては、aAPCは、MHC分子を通常発現しないが、MHC分子を発現するように操作され得るか、場合によっては、例えばサイトカインによる刺激によってMHC分子を発現するように誘導されるか、誘導され得る。場合によっては、aAPCにはまた、例えば、抗CD3抗体、抗CD28抗体または抗CD2抗体を含むことができる刺激リガンドまたは共刺激リガンドをロードすることができる。aAPCを生成するための骨格として使用することができる細胞株の例には、K562細胞株または線維芽細胞細胞株がある。様々なaAPCが当技術分野において公知であり、例えば、米国特許第8,722,400号、米国特許出願公開第US2014/0212446号;Butler and Hirano(2014)Immunol Rev.,257(1):10.1111/imr.12129;Suhoshki et al.(2007)Mol. Ther.,15:981-988)を参照されたい。特定の態様では、腫瘍反応性細胞を富化または選択する方法は、aAPCと、変異アミノ酸配列、例えば1つまたは複数、例えば複数のネオエピトープペプチドとを接触させることによって開始される。次いで、aAPC/ペプチドは、刺激されたT細胞とともに培養され得る。
特定の態様では、全エクソームシーケンシングは、腫瘍に関連する体細胞変異を同定するために健常組織および疾患組織に対して行われる。これらの変異が同定されると、次いでネオエピトープ、反応性ネオ抗原が同定される。ネオ抗原とは、患者のT細胞によって認識される変異ペプチドである。これらのネオ抗原は、MHC複合体によって腫瘍または抗原提示細胞によって提示され、次いで、T細胞上のTCRによって認識されなければならない。タンパク質をコードするネオエピトープが同定されると、変異ライブラリーが生成され得る。長いペプチドが、抗原提示細胞へのエレクトロポレーションを使用して合成およびパルスされ得る。次いで、CD8細胞によって認識されるように、抗原提示細胞によって長いペプチドを提示することができる。長いペプチドは、CD8細胞による認識のためのMHCクラスI制限分子による発現に適している。長いペプチドは、CD4細胞による認識のためのMHCクラスII制限分子には作用しない。MHCクラスII制限分子は、変異のDNAをコードする遺伝子として提示され、抗原提示細胞にエレクトロポレーションされなければならない。
様々な好適な方法を使用して、変異アミノ酸配列を提示するように患者の自己APC(例えば、B細胞または単球由来DC)を誘導することが行われ得る。一態様では、変異アミノ酸配列(すなわち、ペプチドネオエピトープ)を提示するように患者の自己APCを誘導することは、変異アミノ酸配列を含むペプチド、またはペプチドプールによって自己APCをパルスすることを含み、プール内の各ペプチドは異なる変異アミノ酸配列を含む。場合によっては、抗原提示細胞へのエレクトロポレーションを使用して、APCにペプチドをパルスする。次いで、CD8細胞(MHCクラスI)またはCD4細胞(MHCクラスII)によって認識されるように、抗原提示細胞によって合成ペプチドを提示することができる。ある特定の態様では、合成ペプチドは、CD8細胞による認識のためのMHCクラスI制限分子による発現に適しているように生成される。他の特定の態様では、合成ペプチドは、CD4細胞による認識のためのMHCクラスII制限分子による発現に適しているように生成される。
いくつかの態様では、APC(例えば、PBMC、B細胞または単球由来DC)と単一のペプチド、またはペプチドプールとを接触させる。ペプチドプールとは、多くの異なる変異アミノ酸配列、例えば5、10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、もしくは100個のペプチド、または前述のいずれかの間の任意の値に相当し得る。
ペプチドまたはペプチドプールは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の表面上でのそれらの提示に適した濃度で、ペプチドパルスなどによって抗原提示細胞(例えば樹状細胞)にロードされる。
いくつかの態様では、個々のまたは単一のペプチドに相当するペプチド濃度は、0.000001μg/mLまたは約0.000001μg/mLから、10μg/mLまたは約10μg/mLの範囲であり得る。いくつかの態様では、個々のまたは単一のペプチドに相当するペプチド濃度は、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、10μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、または1μg/mLもしくは約1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mLの範囲であり得る。いくつかの態様では、個々のまたは単一のペプチドに相当する濃度は、0.000001μg/mLもしくは約0.000001μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mL、または前述のいずれかの間の任意の値であり得る。
いくつかの態様では、ペプチドは、多くの異なる変異アミノ酸配列に相当するペプチドプールであり、プール内の個々のまたは単一のペプチドの平均濃度は、0.000001μg/mLまたは約0.000001μg/mLから、10μg/mLまたは約10μg/mLの範囲であり得る。いくつかの態様では、ペプチドは、多くの異なる変異アミノ酸配列に相当するペプチドプールであり、プール内の個々のまたは単一のペプチドの平均濃度は、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、10μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、または1μg/mLもしくは約1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mLの範囲であり得る。いくつかの態様では、プール内の個々のまたは単一のペプチドの平均濃度は、0.00000 1μg/mLもしくは約0.00000 1μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mL、または前述のいずれかの間の任意の値であり得る。
いくつかの態様では、1つまたは複数の非天然ペプチドの個々のペプチドの濃度は、平均して0.02μg/mL未満である。いくつかの態様では、1つまたは複数の非天然ペプチドの個々のペプチドの濃度は、平均して、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、例えば、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.005μg/mLもしくは約0.005μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.002μg/mLもしくは約0.002μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.0005μg/mLもしくは約0.0005μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.0002μg/mLもしくは約0.0002μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.00005μg/mLもしくは約0.00005μg/mL、0.00001μg/mLもしくは約0.00001μg/mLから、0.00002μg/mLもしくは約0.00002μg/mL、0.00002μg/mLもしくは約0.00002μg/mLから、0.005μg/mLもしくは約0.005μg/mL、0.00002μg/mLもしくは約0.00002μg/mLから、0.002μg/mLもしくは約0.002μg/mL、0.00002μg/mLもしくは約0.00002μg/mLから、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.00002μg/mLもしくは約0.00002μg/mLから、0.0005μg/mLもしくは約0.0005μg/mL、0.00002μg/mLもしくは約0.00002μg/mLから、0.0002μg/mLもしくは約0.0002μg/mL、0.00002μg/mLもしくは約0.00002μg/mLから、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mL、0.00002μg/mLもしくは約0.00002μg/mLから、0.00005μg/mLもしくは約0.00005μg/mL、0.00005μg/mLもしくは約0.00005μg/mLから、0.005μg/mLもしくは約0.005μg/mL、0.00005μg/mLもしくは約0.00005μg/mLから、0.002μg/mLもしくは約0.002μg/mL、0.00005μg/mLもしくは約0.00005μg/mLから、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.00005μg/mLもしくは約0.00005μg/mLから、0.0005μg/mLもしくは約0.0005μg/mL、0.00005μg/mLもしくは約0.00005μg/mLから、0.0002μg/mLもしくは約0.0002μg/mL、0.00005μg/mLもしくは約0.00005μg/mLから、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.005μg/mLもしくは約0.005μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.002μg/mLもしくは約0.002μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.0005μg/mLもしくは約0.0005μg/mL、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mLから、0.0002μg/mLもしくは約0.0002μg/mL、0.0005μg/mLもしくは約0.0005μg/mLから、0.005μg/mLもしくは約0.005μg/mL、0.0005μg/mLもしくは約0.0005μg/mLから、0.002μg/mLもしくは約0.002μg/mL、0.0005μg/mLもしくは約0.0005μg/mLから、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、0.005μg/mLもしくは約0.005μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、0.002μg/mLもしくは約0.002μg/mL、または0.002μg/mLもしくは約0.002μg/mLから、0.005μg/mLもしくは約0.005μg/mLである。
いくつかの態様では、単一のペプチド、またはペプチドプールに相当するペプチド濃度は、0.0001μg/mLまたは約0.0001μg/mLから、40μg/mLまたは約40μg/mLの範囲であり得る。単一のペプチド、またはペプチドプールに相当するペプチド濃度は、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.001μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.001μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.001μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.001μg/mLから、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mL、0.001μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.001μg/mLから、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、例えば、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mLから、0.05μg/mLもしくは約0.05μg/mL、0.05μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、0.05μg/mLもしくは約0.05μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.05μg/mLもしくは約0.05μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.05μg/mLもしくは約0.05μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.05μg/mLもしくは約0.05μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.05μg/mLもしくは約0.05μg/mLから、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mL、0.05μg/mLもしくは約0.05μg/mLから、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、0.1μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、例えば、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mL、0.5μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、1μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、5μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、10μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mL、10μg/mLもしくは約10μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、または25μg/mLもしくは約25μg/mLから、40μg/mLもしくは約40μg/mLの範囲であり得る。いくつかの態様では、単一のペプチド、またはペプチドプールに相当するペプチド濃度は、0.0001μg/mLもしくは約0.0001μg/mL、0.001μg/mLもしくは約0.001μg/mL、0.01μg/mLもしくは約0.01μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mL、10μg/mLもしくは約10μg/mL、20μg/mLもしくは約20μg/mL、30μg/mLもしくは約30μg/mL、もしくは40μg/mLもしくは約40μg/mL、または前述のいずれかの間の任意の値であり得る。いくつかの態様では、ペプチド濃度はペプチドプールの濃度である。いくつかの態様では、ペプチド濃度は、単一のまたは個々のペプチドの濃度である。
いくつかの態様では、ペプチドパルスのために、APC(例えば、B細胞または単球由来DC)は、ペプチドとともに、2時間もしくは約2時間から、48時間もしくは約48時間、例えば、2時間もしくは約2時間から、36時間もしくは約36時間、2時間もしくは約2時間から、24時間もしくは約24時間、2時間もしくは約2時間から、24時間もしくは約24時間、2時間もしくは約2時間から、18時間もしくは約18時間、2時間もしくは約2時間から、12時間もしくは約12時間、2時間もしくは約2時間から、6時間もしくは約6時間、6時間もしくは約6時間から、48時間もしくは約48時間、6時間もしくは約6時間から、36時間もしくは約36時間、6時間もしくは約6時間から、24時間もしくは約24時間、6時間もしくは約6時間から、24時間もしくは約24時間、6時間もしくは約6時間から、18時間もしくは約18時間、6時間もしくは約6時間から、12時間もしくは約12時間、12時間もしくは約12時間から、48時間もしくは約48時間、12時間もしくは約12時間から、36時間もしくは約36時間、12時間もしくは約12時間から、24時間もしくは約24時間、12時間もしくは約12時間から、18時間もしくは約18時間、18時間もしくは約18時間から、48時間もしくは約48時間、18時間もしくは約18時間から、36時間もしくは約36時間、18時間もしくは約18時間から、24時間もしくは約24時間、24時間もしくは約24時間から、48時間もしくは約48時間、24時間もしくは約24時間から、36時間もしくは約36時間、または36時間もしくは約36時間から、48時間もしくは約48時間にわたりインキュベートされる。いくつかの態様では、APC(例えば、B細胞または単球由来DC)は、ペプチドとともに、4時間もしくは約4時間、6時間もしくは約6時間、7時間もしくは約7時間、8時間もしくは約8時間、9時間もしくは約9時間、10時間もしくは約10時間、12時間もしくは約12時間、14時間もしくは約14時間、16時間もしくは約16時間、18時間もしくは約18時間、20時間もしくは約20時間、22時間もしくは約22時間、24時間もしくは約24時間、または前述のいずれかの間の任意の値にわたりインキュベートされる。特定の態様では、APC(例えば、PBMC、B細胞または単球由来DC)は、ペプチドとともに、一晩、例えば、8~12時間または約8~12時間にわたりインキュベートされる。いくつかの態様では、共培養インキュベーションは、6時間または約6時間にわたる。
一態様では、変異アミノ酸配列を提示するように患者の自己APCを誘導することは、変異アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列をAPCに導入することを含む。ヌクレオチド配列は、APCが、MHC分子に結合した変異アミノ酸配列を細胞膜上に発現および提示するように、APCに導入される。変異アミノ酸をコードするヌクレオチド配列は、RNAまたはDNAであり得る。APCにヌクレオチド配列を導入することは、様々な異なる方法のいずれかで行われ得る。APCにヌクレオチド配列を導入するのに有用な技術の非限定的な例には、形質転換、形質導入、トランスフェクションおよびエレクトロポレーションが挙げられる。複数の遺伝子が同定される態様では、方法は、異なる遺伝子によってコードされる変異アミノ酸配列を各々がコードする複数のヌクレオチド配列を調製する工程、および各ヌクレオチド配列を自己APCの異なる集団に導入する工程を含み得る。これに関して、各集団が異なる変異アミノ酸配列を発現および提示する、自己APCの複数の集団が得られ得る。
場合によっては、MHCクラスII制限分子に結合するためのペプチドは、変異のDNAをコードする遺伝子として提示され、抗原提示細胞にエレクトロポレーションされる。次いで、このDNAは、CD4+細胞による認識のために表面上のペプチドをコードするRNAにインビトロ転写される。場合によっては、Tandem Mini Gene法(National Cancer Institute)を使用して、MHCクラスII制限分子に対してこれを行うことができ、例えば、米国特許出願第PCT/US2014/058796号およびParkhurst et al.(2016)Clin Cancer Res.,23:2491-505を参照されたい。タンデムミニ遺伝子が使用されるいくつかの場合、APC(例えば、B細胞または単球由来DC)に、異なる変異アミノ酸配列をコードするDNAの混合物(複数のDNA)をエレクトロポレーションし、次いでこれを、CD4+T細胞による表面認識のためにペプチドをコードするRNAにインビトロ転写する。いくつかの態様では、APC(例えば、B細胞または単球由来DC)は、Lonza 4D Nucleofector連続エレクトロポレーションシステムを使用してエレクトロポレーションされる。
これらの長いペプチドおよびDNAが合成され、自己抗原提示細胞または同種異系抗原提示細胞にパルスされると、それらは患者T細胞とともに培養される。抗原提示細胞は、これらのペプチドを提示するために使用される。次いで、APCの表面上のこれらのペプチドを認識するT細胞が、例えば以下に記載される方法によって単離され得る。方法は、ペプチドを提示するAPCの培養物とともに、T細胞(例えば、腫瘍を有する患者由来)を加える工程、ならびにAPCとT細胞とを一定期間共培養して、集団内の1つまたは複数のT細胞によるAPCの表面上のペプチドの提示および認識を可能にする工程を含む。提供される態様では、T細胞は、刺激されたT細胞集団を含む。
T細胞(例えば刺激されたT細胞)およびAPC(例えば、B細胞または単球由来DC)は、T細胞とAPCの比が1:100~100:1、例えば、1:50~50:1、1:25~25:1、1:10~10:1または1:5~5:1の培養物中に存在し得る。いくつかの態様では、T細胞(例えば刺激されたT細胞)とAPCの比は、1:100もしくは約1:100、1:50もしくは約1:50、1:25もしくは約1:25、1:10もしくは約1:10、1:5もしくは約1:5、1:2.5もしくは約1:2.5、1:1もしくは約1:1、2:5:1もしくは約2:5:1、5:1もしくは約5:1、10:1もしくは約10:1、25:1もしくは約25:1、50:1もしくは約50:1、100:1もしくは約100:1、または前述のいずれかの間の任意の値である。いくつかの態様では、T細胞(例えば刺激されたT細胞)とAPCの比は、20:1~1:1、15:1~1:1、10:1~1:1、5:1~1:1、または2.5:1~1:1である。いくつかの態様では、T細胞(例えば刺激されたT細胞)とAPCの比は、1:20~1:1、1:15~1:1、1:10~1:1、1:5~1:1、または1:2.5~1:1である。特定の態様では、共培養は、T細胞、例えば刺激されたT細胞集団とAPC(例えば、B細胞または単球由来DC)とを約3:1の比で混合することによって行われる。いくつかの態様では、共培養は、T細胞、例えば刺激されたT細胞集団とAPC(例えば、B細胞または単球由来DC)とを約1:1の比で混合することによって行われる。
いくつかの態様では、T細胞を維持するための1つまたは複数の組換えサイトカインが共培養物に加えられる。いくつかの態様では、組換えサイトカインは、IL-2、IL-7、IL-15またはIL-21のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの態様では、共培養は、組換えIL-2、組換えIL-15および組換えIL-7の存在下で行われる。いくつかの態様では、共培養は、IL-2の存在下で行われる。いくつかの態様では、共培養は、IL-15およびIL-17の存在下で行われ、いくつかの局面ではIL-2をさらに含まない。
組換えサイトカインは、一般に、組換えヒトタンパク質である。特定の態様では、組換えサイトカインは、共培養中の細胞培養培地中に、少なくとも10IU/mLもしくは少なくとも約10IU/mLもしくは10IU/mLもしくは約10IU/mL、少なくとも100IU/mLもしくは少なくとも約100IU/mLもしくは100IU/mLもしくは約100IU/mL、少なくとも1000IU/mLもしくは少なくとも約1000IU/mLもしくは1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、少なくとも1500IU/mLもしくは少なくとも約1500IU/mLもしくは1500IU/mLもしくは約1500IU/mL、少なくとも2000IU/mLもしくは少なくとも約2000IU/mLもしくは2000IU/mLもしくは約2000IU/mL、少なくとも2500IU/mLもしくは少なくとも約2500IU/mLもしくは2500IU/mLもしくは約2500IU/mL、少なくとも3000IU/mLもしくは少なくとも約3000IU/mLもしくは3000IU/mLもしくは約3000IU/mL、少なくとも3500IU/mLもしくは少なくとも約3500IU/mLもしくは3500IU/mLもしくは約3500IU/mL、少なくとも4000IU/mLもしくは少なくとも約4000IU/mLもしくは4000IU/mLもしくは約4000IU/mL、少なくとも4500IU/mLもしくは少なくとも約4500IU/mLもしくは4500IU/mLもしくは約4500IU/mL、少なくとも5000IU/mLもしくは少なくとも約5000IU/mLもしくは5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、少なくとも5500IU/mLもしくは少なくとも約5500IU/mLもしくは5500IU/mLもしくは約5500IU/mL、少なくとも6000IU/mLもしくは少なくとも約6000IU/mLもしくは6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、少なくとも6500IU/mLもしくは少なくとも約6500IU/mLもしくは6500IU/mLもしくは約6500IU/mL、少なくとも7000IU/mLもしくは少なくとも約7000IU/mLもしくは7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、少なくとも7500IU/mLもしくは少なくとも約7500IU/mLもしくは7500IU/mLもしくは約7500IU/mL、または少なくとも8000IU/mLもしくは少なくとも約8000IU/mLもしくは8000IU/mLもしくは約8000IU/mLの濃度で存在する。一態様では、細胞培養培地は、10IU/mLまたは約10IU/mLから、100IU/mLまたは約100IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、2000IU/mLまたは約2000IU/mLから、3000IU/mLまたは約3000IU/mL、3000IU/mLまたは約3000IU/mLから、4000IU/mLまたは約4000IU/mL、4000IU/mLまたは約4000IU/mLから、5000IU/mLまたは約5000IU/mL、5000IU/mLまたは約5000IU/mLから、6000IU/mLまたは約6000IU/mL、6000IU/mLまたは約6000IU/mLから、7000IU/mLまたは約7000IU/mL、7000IU/mLまたは約7000IU/mLから、8000IU/mLまたは約8000IU/mL(両端の値を含む)を含む。
いくつかの態様では、組換えIL-2が、細胞培養培地中に存在する。いくつかの態様では、組換えIL-2は、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、例えば、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、50IU/mLもしくは約50IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、400IU/mLもしくは約400IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、400IU/mLもしくは約400IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、または600IU/mLもしくは約600IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-2は、50~400IU/mLの量で存在する。
いくつかの態様では、インキュベーションは、さらに高用量のIL-2を用いて行われる。いくつかの局面では、IL-2は、培養物に加えられる唯一の組換えサイトカインである。いくつかの態様では、組換えIL-2は、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、例えば、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、4000IU/mLもしくは約4000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、2000IU/mLもしくは約2000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、4000IU/mLもしくは約4000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、5000IU/mLもしくは約5000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、5000IU/mLもしくは約5000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、5000IU/mLもしくは約5000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、6000IU/mLもしくは約6000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、6000IU/mLもしくは約6000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、または7000IU/mLもしくは約7000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-2は、6000IU/mLまたは約6000IU/mLの量で存在する。
いくつかの態様では、組換えIL-15が、細胞培養培地中に存在する。いくつかの態様では、組換えIL-15は、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、500IU/mL、例えば、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、70IU/mLもしくは約70IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、50IU/mLもしくは約50IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、30IU/mLもしくは約30IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、500IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、70IU/mLもしくは約70IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、50IU/mLもしくは約50IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、70IU/mLもしくは約70IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、300IU/mLもしくは約300IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、または400IU/mLもしくは約400IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-15は、100IU/mLまたは約100IU/mLから、200IU/mLまたは約200IU/mLの量で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-15は、180IU/mLまたは約180IU/mLで培養培地に加えられる。
いくつかの態様では、組換えIL-7が培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-7は、100IU/mLまたは約100IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、600IU/mLまたは約600IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、400IU/mLまたは約400IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、200IU/mLまたは約200IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、600IU/mLまたは約600IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、400IU/mLまたは約400IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、600IU/mLまたは約600IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、800IU/mLまたは約800IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、800IU/mLまたは約800IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、800IU/mLまたは約800IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、1500IU/mLまたは約1500IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-7は、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mLの量で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-7は、600IU/mLまたは約600IU/mLで培養培地に加えられる。
いくつかの態様では、組換えIL-21が培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-21は、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、5IU/mLもしくは約5IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、1IU/mLもしくは約1IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、5IU/mLもしくは約5IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、5IU/mLもしくは約5IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、または15IU/mLもしくは約15IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-21は、0.5IU/mLまたは約0.5IU/mLから、2.5IU/mLまたは約2.5IU/mLの量で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-21は、1IU/mLまたは約1IU/mLで培養培地に加えられる。
提供される態様では、T細胞とAPC/ペプチドとの共培養は、セクションIIに記載されているいずれかなどのT細胞アジュバントを用いて行うこともできる。いくつかの局面では、T細胞アジュバントは、共刺激アゴニスト、例えば、限定されることなく、OX40および41BBのアゴニストを含む腫瘍壊死因子スーパーファミリー受容体(TNFSR)アゴニストである。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは、限定されることなく、カスパーゼ阻害物質、またはFas/Fasリガンド軸の阻害物質を含むアポトーシス阻害物質である。
APCとT細胞との共培養物は、MHC上のペプチドの提示と、培養物中のT細胞の活性化とに適した温度、例えば、少なくとも約25°C、一般に少なくとも約30度、一般に37°Cまたは約37°Cでインキュベートすることができる。いくつかの態様では、インキュベーションは、最大96時間にわたって行われる。インキュベーションは、24時間~96時間、例えば、24時間もしくは約24時間、36時間もしくは約36時間、48時間もしくは約48時間、60時間もしくは約60時間、72時間もしくは約72時間、84時間もしくは約84時間、もしくは96時間もしくは約96時間にわたって、または前述のいずれかの間の時間にわたって行うことができる。特定の態様では、共培養物は、24~48時間にわたってインキュベートされる。
いくつかの態様では、共培養の終了時に、腫瘍反応性T細胞は、共培養物中に存在するAPCから分離される。いくつかの態様では、分離は、APCを選択除去または除去する方法を含み得る。いくつかの態様では、分離は、共培養物中に存在するT細胞を陽性に選択または保持する方法を含み得る。いくつかの態様では、共培養物中の全T細胞が選択され得る。特定の態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連する1つもしくは複数の活性化マーカーを発現するT細胞が選択され得る。
D. 腫瘍反応性T細胞の選択
提供される方法の態様では、方法は、腫瘍反応性T細胞に関連する1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞を選択または単離することによって、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞である可能性が高いか腫瘍反応性T細胞であることが疑われるT細胞を富化または選択する工程を含む。いくつかの態様では、1つまたは複数の活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞は、セクションI.B.1に記載されているように、生体試料から単離または選択されたT細胞集団からさらに選択または富化される。いくつかの態様では、1つまたは複数の活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞は、セクションI.B.2に記載されているように、刺激されたT細胞集団からさらに選択または富化される。いくつかの態様では、1つまたは複数の活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞は、セクションI.Cに記載されているように、APCとの共培養後にT細胞集団からさらに選択または富化される。いくつかの態様では、方法は、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞である可能性が高いか腫瘍反応性T細胞であることが疑われるT細胞を得るか富化するための上記選択のいずれかの組合せを含み得る。いくつかの態様では、富化された細胞集団は、後続の処理段階、例えば、提供される方法のいずれかの1つまたは複数の段階によるインキュベーション、刺激または活性化、および/または増大を含む後続の処理段階で使用される。
提供される態様のいずれかの局面では、腫瘍反応性T細胞、および/または腫瘍反応性T細胞に関連する少なくとも1つのT細胞活性化マーカーを発現するT細胞は、提供される方法のいずれかに従って生体試料から富化される。いくつかの局面では、富化の前または富化と同時に、例えば、T細胞マーカーCD3、CD4またはCD8に基づいて、T細胞が生体試料から富化または選択され得る。いくつかの態様では、1つまたは複数の細胞表面マーカーに対して表面陽性であるT細胞を富化することは、そのようなマーカーに基づく分離のための任意の方法を含む。いくつかの態様では、分離は、親和性または免疫親和性に基づく分離である。例えば、いくつかの局面では、単離は、1つまたは複数のマーカー、典型的には細胞表面マーカーの細胞の発現または発現レベルに基づく細胞および細胞集団の分離を含み、これは、例えば、抗体とのインキュベーション、またはそのようなマーカーと特異的に結合する結合パートナーとのインキュベーション、続いて、一般に洗浄段階、および抗体または結合パートナーに結合していない細胞から抗体または結合パートナーに結合した細胞を分離することによる。
いくつかの態様では、共培養物からのT細胞のさらなる増大の前に、提供される方法は、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞である可能性が高いか腫瘍反応性T細胞であることが疑われるT細胞の富化または選択をさらに含む。いくつかの態様では、そのような富化は、腫瘍反応性T細胞に関連する1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞を共培養物から選択または単離することを含む。いくつかの態様では、共培養物から選択されるT細胞は、そのようなT細胞活性化マーカーのうちの1つまたは複数に対してさらに陽性である、CD3+T細胞またはCD4+細胞およびCD8+細胞が富化されたT細胞集団をもたらす。いくつかの態様では、そのような細胞は、腫瘍反応性T細胞、もしくは腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞を含むか、または腫瘍反応性T細胞、もしくは腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞について富化される。例えば、そのようなCD3+T細胞、またはCD4+集団および/またはCD8+集団は、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞活性化マーカーの発現を有するT細胞上に発現されるか比較的高度に発現されるマーカーに関する陽性選択または陰性選択によって亜集団にさらに選別することができる。特定の態様では、富化された細胞集団は、セクションI.Eに記載されているように、増大のための条件下で培養される。
いくつかの局面では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーについて、陽性選択が行われる。T細胞が標的または変異ペプチドによって活性化されると、T細胞は、限定されることなく、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134(OX40)、CD258、CD256、PD-1、TIM-3および/またはLAG-3などのアップレギュレーションマーカーを発現し始める。特定の態様では、アップレギュレーションマーカーは、CD107、CD107a、CD39、CD137、CD59、CD90、CD38またはCD103である。次いで、これらのマーカーを使用して反応性細胞を選択することができる。特に、T細胞活性化マーカーの中には、細胞を活性化または刺激している抗原の代理として抗原特異的エフェクターが同定され得るように、T細胞の抗原刺激後にアップレギュレートされるおよび/または発現が特異的に検出されるものがある。例えば、抗原誘導性刺激の後、ヒトT細胞は、例えば、CD25、CD69、CD38などの複数の活性化関連分子のアップレギュレートされた表面発現を含む、動的な機能的および表現型の変化を受ける。表面分子のアップレギュレーションは、アップレギュレートされた決定因子の抗体結合と、磁気分離および蛍光活性化細胞選別(FACS)を含む方法により含む、フローサイトメトリーによる後続の富化とを介して、腫瘍反応性T細胞などの抗原特異的T細胞を同定および単離する機会を提供する。
いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、いずれか1つまたは複数のCD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3および/またはLAG-3について選択される。いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258および/またはCD256のうちのいずれか1つまたは複数から選択される。いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90および/またはCD38のうちのいずれか1つまたは複数から選択される。
いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD107aであるか、CD107aを含む。CD107aは、T細胞表面に通常見られるリソソーム関連タンパク質である。TCRが誘発されると、CD8 T細胞の脱顆粒が迅速に起こり得、CD107および他のリソソームタンパク質が細胞膜に輸送されて、パーフォリンおよびグランザイムの放出を促進し得る。例えば、場合によっては、CD107発現は、抗原特異的CD8 T細胞上で、例えば、刺激後30分という早い時点で検出され得る。(Betts et al.(2003)J. Immunol. Methods 281:6578)。
いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD39であるか、CD39を含む。いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD103であるか、CD103を含む。いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD59であるか、CD59を含む。いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD90であるか、CD90を含む。いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD38であるか、CD38を含む。
いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD137(41BB)であるか、CD137(41BB)を含む。いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD134(OX40)であるか、CD134(OX40)を含む。
いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞は、少なくとも2つまたはそれ以上のT細胞活性化マーカー、例えば、少なくとも3つ、4つ、5つ、または6つのT細胞活性化マーカーの陽性表面発現に基づいて選択、富化または単離される。いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞は、PD-1、TIM-3、LAG-3、CD137、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、および/またはCD256のうちの2つまたはそれ以上の陽性表面発現に基づいて選択、富化または単離される。
いくつかの態様では、少なくとも2つのT細胞活性化マーカーは、CD107aおよびCD39、CD107aおよびCD103、CD107aおよびCD59、CD107aおよびCD90、CD107aおよびCD38、CD39およびCD103、CD39およびCD59、CD39およびCD90、CD39およびCD38、CD103およびCD59、CD103およびCD90、CD103およびCD38、CD59およびCD90、CD59およびCD38、ならびにCD90およびCD38から選択される。
いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞は、PD-1、TIM-2、LAG-3および/またはCD137、および少なくとも1つの他のT細胞活性化マーカーの陽性表面発現に基づいて選択、富化または単離される。いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞は、CD137および少なくとも1つの他のT細胞活性化マーカーの陽性表面発現に基づいて選択、富化または単離される。いくつかの態様では、少なくとも1つの他のT細胞活性化マーカーは、PD-1、TIM-3、LAG-3、CD107、CD107a、CD137、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、およびCD256のうちの1つまたは複数から選択される。いくつかの態様では、少なくとも1つの他のT細胞活性化マーカーは、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、およびCD256のうちの1つまたは複数から選択される。いくつかの態様では、少なくとも1つの他のT細胞活性化マーカーは、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90およびCD38のうちの1つまたは複数から選択される。いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞は、CD107aおよびCD137、CD38およびCD137、CD103およびCD137、CD59およびCD137、CD90およびCD137、ならびにCD38およびCD137の陽性表面発現に基づいて選択、富化または単離される。
いくつかの態様では、T細胞活性化マーカーは、CD137(41BB)およびCD134(OX40)を含む。
いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞は、変異関連ペプチドまたは腫瘍関連ペプチドに結合したMHCテトラマーを使用して選択される。いくつかの態様では、テトラマーは、MHCクラスIアルゴリズムまたはMHCクラスIIアルゴリズムを使用して調製される。いくつかの態様では、テトラマーは、検出可能に標識され、例えば、蛍光標識される。いくつかの態様では、テトラマーは、生物学的細胞の供給源が得られる対象にHLA適合する。いくつかの態様では、MHCテトラマーを使用した細胞の選択は、対象からの試料について、細胞供給源、例えば末梢血から直接である。いくつかの態様では、MHCテトラマーを使用した細胞の選択は、T細胞活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞を選択または富化した後である。
細胞を単離、選択および/または富化する方法は、例えば、上記セクションI.Bに記載されている任意の方法を使用して、陽性選択または陰性選択に基づくなど、様々な方法のいずれかによるものであり得る。いくつかの態様では、方法は、免疫親和性に基づく選択を含むことができる。いくつかの態様では、T細胞は、限定されることなく、磁性ビーズ分離、蛍光細胞選別、および使い捨ての閉鎖型カートリッジベースの細胞選別機を含む様々な方法で富化または選別され得る。特定の局面では、細胞選択設備、限定されることなく、CliniMACS、Sony FX500またはTyto cell sorting systems(Miltenyi)上の蛍光抗体、ナノ粒子またはビーズを非限定的に使用して反応性細胞を選択するために、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーを使用することができる。
いくつかの態様では、選択は、そのようなT細胞活性化マーカーのうちの1つまたは複数に対してさらに陽性である、富化された細胞集団、例えば、CD3+T細胞またはCD4+細胞およびCD8+細胞が富化された細胞集団をもたらす。いくつかの態様では、そのような細胞は、腫瘍反応性T細胞、もしくは腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞を含むか、または腫瘍反応性T細胞、もしくは腫瘍反応性T細胞に関連するT細胞について富化される。いくつかの態様では、富化された細胞集団は、後続の処理段階、例えば、提供される方法のいずれかの1つまたは複数の段階によるインキュベーション、刺激または活性化、および/または増大を含む後続の処理段階で使用される。
いくつかの態様では、富化された細胞集団は、上記のような出発試料由来の富化された細胞であり、富化された細胞集団内の特定の表現型の細胞、例えば、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞の割合は、出発試料中のそのような細胞の割合よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、500%、1000%、5000%、またはそれ以上増加する。いくつかの態様では、富化された組成物中の腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞の純度、すなわち、細胞富化された集団内の全細胞に対する選択された細胞表面マーカーに対して陽性の細胞の割合は、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%であり、一般に少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上である。
E. さらなる増大および採取
いくつかの態様では、共培養物由来のT細胞、またはそこから選択されたT細胞は、共培養後にエクスビボで細胞を増大させる条件下でさらにインキュベートされる。インキュベーションは、例えばT細胞を増大させるために、T細胞を刺激するための条件下で、1つまたは複数のT細胞刺激物質の存在下で行われる。T細胞刺激物質は、上記セクションB.2に記載されているいずれかのものを含むことができる。
APCの存在下での共培養の前、または反応性細胞の選択の後のいずれかに、リンパ球の1つまたは複数のT細胞刺激作用物質、例えば、限定されることなく、APCによってまたは可溶性抗体として提示される抗CD3および抗CD28とともにT細胞をインキュベートして、活性化T細胞集団を生成する。提供される態様では、この増大は、7~20日間にわたって、共刺激アゴニスト、例えば、限定されることなく、OX40および41BBのアゴニストを含む腫瘍壊死因子スーパーファミリー受容体(TNFSR)アゴニストの存在下、および/または限定されることなく、カスパーゼ阻害物質、またはFas/Fasリガンド軸の阻害物質を含むアポトーシス阻害物質の存在下で行うことができる。これらの可溶性アゴニストおよびアポトーシス阻害物質は、増大段階の最大培養時間まで、または最小24時間にわたり培養物中に存在することができる。一般に、培養およびインキュベーションは、組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-15および/またはIL-21)の存在下で行うことができる。増大方法は、閉鎖自動化システム内、および無血清培地を使用することを含むGMP条件下で行われ得る。増大後に治療用量に達すると、生成物を濃縮し、凍結保存培地中で凍結することができる。本明細書において記載される方法によって生成されたT細胞集団、およびその薬学的組成物も本明細書において提供される。
提供される態様のいずれかの一部では、T細胞刺激物質は、TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質および/または共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質から選択される。提供される態様のいずれかの一部では、TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質は、OKT3などの抗CD3抗体である。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質は、末梢血単核細胞(PBMC)、任意で非分裂(non-dividing)PBMCまたは放射線照射PBMCを含む。提供される態様のいずれかの一部では、共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質は抗CD28抗体である。提供される態様のいずれかの一部では、T細胞刺激物質は、それぞれ可溶性である抗CD3抗体および抗CD28抗体である。
提供される方法の態様では、刺激条件は、T細胞内でTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードおよび/またはT細胞内で共刺激シグナルをオンにするか開始させる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。そのような作用物質には、抗体、例えばTCR成分、例えば抗CD3および/または共刺激受容体、例えば抗CD28または抗4-1BBに特異的なものが含まれ得る。いくつかの態様では、そのような作用物質は、可溶性抗体として培養培地に加えられる。他の態様では、そのような作用物質は、ビーズなどの固体支持体に結合される。いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、抗CD3/CD28コンジュゲート磁性ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander)を含む。
抗CD3抗体には、T細胞、典型的にはヒトT細胞上のヒトCD3の表面上のCD3受容体に対して向けられるか、そのようなCD3受容体に特異的に結合することができる任意の抗体が含まれ得る。抗CD3抗体には、ムロモナブとしても知られるOKT3が含まれる。抗CD3抗体には、T3およびCD3Eとしても知られるUHCTIクローンも含まれる。他の抗CD3抗体には、例えば、オテリキシズマブ、テプリズマブおよびビシリズマブが含まれる。抗CD3抗体は、可溶性試薬として加えることができるか、ビーズに結合させることができる。特定の態様では、抗CD3抗体は可溶性である。
特定の態様では、T細胞刺激物質は、インキュベーション中に細胞培養培地に加えられる抗CD3抗体を含む。いくつかの態様では、抗CD3抗体は、0.1ng/mLもしくは約0.1ng/mLから、50ng/mL、例えば、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、50ng/mLもしくは約50ng/mL、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、30ng/mLもしくは約30ng/mL、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、15ng/mLもしくは約15ng/mL、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、5ng/mLもしくは約5ng/mL、0.5ng/mLもしくは約0.5ng/mLから、1ng/mLもしくは約1ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、50ng/mLもしくは約50ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、30ng/mLもしくは約30ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、15ng/mLもしくは約15ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、5ng/mLもしくは約5ng/mL、5ng/mLもしくは約5ng/mLから、50ng/mLもしくは約50ng/mL、5ng/mLもしくは約5ng/mLから、30ng/mLもしくは約30ng/mL、5ng/mLもしくは約5ng/mLから、15ng/mLもしくは約15ng/mL、15ng/mLもしくは約15ng/mLから、50ng/mLもしくは50ng/mL、15ng/mLもしくは約15ng/mLから、30ng/mLもしくは約30ng/mL、または30ng/mLもしくは約30ng/mLから、50ng/mLもしくは約50ng/mL(両端の値を含む)の範囲の濃度で加えられる。
特定の態様では、抗CD3抗体はOKT3である。一態様では、細胞培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mLおよび約1μg/mLのOKT3抗体を含む。一態様では、細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mL、1ng/mL~5ng/mL、5ng/mL~10ng/mL、10ng/mL~20ng/mL、20ng/mL~30ng/mL、30ng/mL~40ng/mL、40ng/mL~50ng/mLおよび50ng/mL~100ng/mLのOKT3抗体を含む。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、抗CD3抗体とのインキュベーション、およびCD28に特異的に結合するか、細胞内でCD28媒介シグナルを刺激または誘導する追加の作用物質とのインキュベーションを含む。いくつかの態様では、CD28媒介シグナルは、抗CD28抗体またはその抗原結合断片によって開始または提供され得る。いくつかの態様では、CD28媒介シグナルは、末梢血単核細胞(PBMC)などの抗原提示フィーダー細胞(APC)によって提供され得る。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、T細胞フィーダー細胞、例えば非分裂末梢血単核細胞(PBMC)の集団に加えることを含み得る。いくつかの局面では、非分裂フィーダー細胞は、ガンマ放射線照射PBMCフィーダー細胞を含み得る。いくつかの態様では、PBMCは、細胞分裂を防ぐために約3000~3600ラドの範囲のガンマ線を照射される。いくつかの局面では、フィーダー細胞は、T細胞集団の添加の前に培養培地に加えられる。いくつかの態様では、得られた細胞集団は、増大させる最初の集団内の各Tリンパ球に対して少なくとも約5、10、20、もしくは40またはそれ以上のPBMCフィーダー細胞を含有する。いくつかの態様では、T細胞とPBMCおよび/または抗原提示細胞の比は、約1対25、約1対50、約1対100、約1対125、約1対150、約1対175、約1対200、約1対225、約1対250、約1対275、約1対300、約1対325、約1対350、約1対375、約1対400、または約1対500である。
いくつかの態様では、T細胞刺激物質は、細胞集団に抗CD28抗体またはその抗原結合断片を加えることを含み得る。抗CD28抗体には、T細胞の表面上のCD28受容体に対して向けられるか、T細胞の表面上のCD28受容体に特異的に結合することができる任意の抗体が含まれ得る。抗CD28抗体の非限定的な例には、NA/LE(例えばBD Pharmingen)、IM1376(例えばBeckman Coulter)または15E8(例えばMiltenyi Biotec)が挙げられる。抗CD28抗体は、可溶性試薬として加えることができるか、ビーズに結合させることができる。特定の態様では、抗CD3抗体は可溶性である。いくつかの態様では、抗CD28抗体は、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、1000ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、500ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、100ng/mLもしくは約100ng/mL、1ng/mLもしくは約1ng/mLから、10ng/mLもしくは約10ng/mL、10ng/mLもしくは約10ng/mLから、1000ng/mLもしくは約1000ng/mL、10ng/mLもしくは約10ng/mLから、500ng/mLもしくは約500ng/mL、10ng/mLもしくは約10ng/mLから、100ng/mLもしくは約100ng/mL、100ng/mLもしくは約100ng/mLから、1000ng/mLもしくは約1000ng/mL、100ng/mLもしくは約100ng/mLから、500ng/mLもしくは約500ng/mL、または500ng/mLもしくは約500ng/mLから、1000ng/mLもしくは約1000ng/mLの範囲の濃度で加えられる。
一般に、培養およびインキュベーションは、組換えサイトカインの存在下で行うことができる。いくつかの態様では、サイトカインは、培養培地に加えられるか、培養培地に外因性である。提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、IL-2、IL-15、IL-7およびIL-21からなる群より選択される組換えサイトカインの存在下で行われる。いくつかの態様では、培養およびインキュベーションは、組換えIL-2、組換えIL-15および組換えIL-7の存在下で行われる。いくつかの態様では、培養はIL-2の存在下で行われる。いくつかの態様では、培養は、IL-15およびIL-17の存在下で行われ、いくつかの局面ではIL-2をさらに含まない。
組換えサイトカインは、一般に、組換えヒトタンパク質である。特定の態様では、組換えサイトカインは、インキュベーション中の細胞培養培地中に、少なくとも0.5IU/mLもしくは少なくとも約0.5IU/mL、少なくとも1.0IU/mLもしくは少なくとも約1.0IU/mL、少なくとも5IU/mLもしくは少なくとも約5IU/mL、少なくとも10IU/mLもしくは少なくとも約10IU/mLもしくは10IU/mLもしくは約10IU/mL、少なくとも100IU/mLもしくは少なくとも約100IU/mLもしくは100IU/mLもしくは約100IU/mL、少なくとも1000IU/mLもしくは少なくとも約1000IU/mLもしくは1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、少なくとも1500IU/mLもしくは少なくとも約1500IU/mLもしくは1500IU/mLもしくは約1500IU/mL、少なくとも2000IU/mLもしくは少なくとも約2000IU/mLもしくは2000IU/mLもしくは約2000IU/mL、少なくとも2500IU/mLもしくは少なくとも約2500IU/mLもしくは2500IU/mLもしくは約2500IU/mL、少なくとも3000IU/mLもしくは少なくとも約3000IU/mLもしくは3000IU/mLもしくは約3000IU/mL、少なくとも3500IU/mLもしくは少なくとも約3500IU/mLもしくは3500IU/mLもしくは約3500IU/mL、少なくとも4000IU/mLもしくは少なくとも約4000IU/mLもしくは4000IU/mLもしくは約4000IU/mL、少なくとも4500IU/mLもしくは少なくとも約4500IU/mLもしくは4500IU/mLもしくは約4500IU/mL、少なくとも5000IU/mLもしくは少なくとも約5000IU/mLもしくは5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、少なくとも5500IU/mLもしくは少なくとも約5500IU/mLもしくは5500IU/mLもしくは約5500IU/mL、少なくとも6000IU/mLもしくは少なくとも約6000IU/mLもしくは6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、少なくとも6500IU/mLもしくは少なくとも約6500IU/mLもしくは6500IU/mLもしくは約6500IU/mL、少なくとも7000IU/mLもしくは少なくとも約7000IU/mLもしくは7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、少なくとも7500IU/mLもしくは少なくとも約7500IU/mLもしくは7500IU/mLもしくは約7500IU/mL、または少なくとも8000IU/mLもしくは少なくとも約8000IU/mLもしくは8000IU/mLもしくは約8000IU/mLの濃度で存在する。一態様では、細胞培養培地は、10IU/mLまたは約10IU/mLから、100IU/mLまたは約100IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、2000IU/mLまたは約2000IU/mLから、3000IU/mLまたは約3000IU/mL、3000IU/mLまたは約3000IU/mLから、4000IU/mLまたは約4000IU/mL、4000IU/mLまたは約4000IU/mLから、5000IU/mLまたは約5000IU/mL、5000IU/mLまたは約5000IU/mLから、6000IU/mLまたは約6000IU/mL、6000IU/mLまたは約6000IU/mLから、7000IU/mLまたは約7000IU/mL、7000IU/mLまたは約7000IU/mLから、8000IU/mLまたは約8000IU/mL(両端の値を含む)を含む。
いくつかの態様では、組換えIL-2が、細胞培養培地中に存在する。いくつかの態様では、組換えIL-2は、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、例えば、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、50IU/mLもしくは約50IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、400IU/mLもしくは約400IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、400IU/mLもしくは約400IU/mLから、600IU/mLもしくは約600IU/mL、または600IU/mLもしくは約600IU/mLから、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-2は、50~400IU/mLの量で存在する。
いくつかの態様では、インキュベーションは、さらに高用量のIL-2を用いて行われる。いくつかの局面では、IL-2は、培養物に加えられる唯一の組換えサイトカインである。いくつかの態様では、組換えIL-2は、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、例えば、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、4000IU/mLもしくは約4000IU/mL、1000IU/mLもしくは約1000IU/mLから、2000IU/mLもしくは約2000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、2000IU/mLもしくは約2000IU/mLから、4000IU/mLもしくは約4000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、4000IU/mLもしくは約4000IU/mLから、5000IU/mLもしくは約5000IU/mL、5000IU/mLもしくは約5000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、5000IU/mLもしくは約5000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、5000IU/mLもしくは約5000IU/mLから、6000IU/mLもしくは約6000IU/mL、6000IU/mLもしくは約6000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mL、6000IU/mLもしくは約6000IU/mLから、7000IU/mLもしくは約7000IU/mL、または7000IU/mLもしくは約7000IU/mLから、8000IU/mLもしくは約8000IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-2は、6000IU/mLまたは約6000IU/mLの量で存在する。
いくつかの態様では、組換えIL-15が、細胞培養培地中に存在する。いくつかの態様では、組換えIL-15は、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、500IU/mL、例えば、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、70IU/mLもしくは約70IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、50IU/mLもしくは約50IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、30IU/mLもしくは約30IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、500IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、70IU/mLもしくは約70IU/mL、30IU/mLもしくは約30IU/mLから、50IU/mLもしくは約50IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから、70IU/mLもしくは約70IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、70IU/mLもしくは約70IU/mLから、100IU/mLもしくは約100IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから、200IU/mLもしくは約200IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、300IU/mLもしくは約300IU/mL、300IU/mLもしくは約300IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mL、200IU/mLもしくは約200IU/mLから、400IU/mLもしくは約400IU/mL、または400IU/mLもしくは約400IU/mLから、500IU/mLもしくは約500IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-15は、100IU/mLまたは約100IU/mLから、200IU/mLまたは約200IU/mLの量で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-15は、180IU/mLまたは約180IU/mLで培養培地に加えられる。
いくつかの態様では、組換えIL-7が培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-7は、100IU/mLまたは約100IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、600IU/mLまたは約600IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、400IU/mLまたは約400IU/mL、100IU/mLまたは約100IU/mLから、200IU/mLまたは約200IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、600IU/mLまたは約600IU/mL、200IU/mLまたは約200IU/mLから、400IU/mLまたは約400IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、400IU/mLまたは約400IU/mLから、600IU/mLまたは約600IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、600IU/mLまたは約600IU/mLから、800IU/mLまたは約800IU/mL、800IU/mLまたは約800IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、800IU/mLまたは約800IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、800IU/mLまたは約800IU/mLから、1000IU/mLまたは約1000IU/mL、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mL、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、1500IU/mLまたは約1500IU/mL、1500IU/mLまたは約1500IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-7は、1000IU/mLまたは約1000IU/mLから、2000IU/mLまたは約2000IU/mLの量で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-7は、600IU/mLまたは約600IU/mLで培養培地に加えられる。
いくつかの態様では、組換えIL-21が培養培地に加えられる。いくつかの態様では、組換えIL-21は、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、5IU/mLもしくは約5IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mL、0.5IU/mLもしくは約0.5IU/mLから、1IU/mLもしくは約1IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、5IU/mLもしくは約5IU/mL、1IU/mLもしくは約1IU/mLから、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、2.5IU/mLもしくは約2.5IU/mLから、5IU/mLもしくは約5IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから、10IU/mLもしくは約10IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから、15IU/mLもしくは約15IU/mL、または15IU/mLもしくは約15IU/mLから、20IU/mLもしくは約20IU/mLの濃度で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-21は、0.5IU/mLまたは約0.5IU/mLから、2.5IU/mLまたは約2.5IU/mLの量で培養培地に加えられる。いくつかの態様では、IL-21は、1IU/mLまたは約1IU/mLで培養培地に加えられる。
提供される態様では、この増大は、セクションIIに記載されているいずれかなどのT細胞アジュバントの存在下で行うことができる。いくつかの局面では、T細胞アジュバントは、共刺激アゴニスト、例えば、限定されることなく、OX40および41BBのアゴニストを含む腫瘍壊死因子スーパーファミリー受容体(TNFSR)アゴニストである。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは、限定されることなく、カスパーゼ阻害物質、またはFas/Fasリガンド軸の阻害物質を含むアポトーシス阻害物質である。これらの可溶性アゴニストおよびアポトーシス阻害物質は、増大段階の最大培養時間まで、または最小24時間にわたり培養物中に存在することができる。
選別または選択されたT細胞は、例えば、バイオリアクター(例えば、Xuri Cell Expansion System W25(GE Healthcare))に関連して、ガス透過性バッグに細胞を移すことによって、細胞増大システムを使用して増大させ得る。一態様では、細胞増大システムは、約50mL、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、約1L、約2L、約3L、約4L、約5L、約6L、約7L、約8L、約9Lおよび約10L、または前述のいずれかの間の任意の値の体積を有するバッグ、例えばガス透過性細胞バッグなどの培養容器を含む。いくつかの態様では、プロセスは、自動化または半自動化される。自動灌流増大に適したバイオリアクターの例には、限定されることなく、GE Xuri W25、GE Xuri W5、Sartorius BioSTAT RM 20 | 50、Finesse SmartRocker Bioreactor Systems、およびPall XRS Bioreactor Systems、またはMiltenyi Prodigyが挙げられる。いくつかの局面では、増大は、静的条件下で行われる。いくつかの態様では、増大は、揺動条件下で行われる。培地は、ボーラスで加えられ得るか、灌流スケジュールで加えられ得る。いくつかの態様では、バイオリアクターは、0.01L/分、0.05L/分、0.1L/分、0.2L/分、0.3L/分、0.4L/分、0.5L/分、1.0L/分、1.5L/分、もしくは2.0L/分、もしくは2.0L/分超、または約0.01L/分、0.05L/分、0.1L/分、0.2L/分、0.3L/分、0.4L/分、0.5L/分、1.0L/分、1.5L/分、もしくは2.0L/分、もしくは2.0L/分超、または少なくとも0.01L/分、0.05L/分、0.1L/分、0.2L/分、0.3L/分、0.4L/分、0.5L/分、1.0L/分、1.5L/分、もしくは2.0L/分、もしくは2.0L/分超の一定の空気流を用いて、温度を37°C、または37°C付近に維持し、CO2レベルを5%、または5%付近に維持する。特定の態様では、培養の少なくとも一部は、例えば、290ml/日、580ml/日および/または1160ml/日の速度を用いて、灌流を用いて行われる。
いくつかの態様では、細胞は、0.5×106細胞/mL~1.5×106細胞/mLの密度で適切な培養容器(例えば、ガス透過性バッグ)に播種される。いくつかの態様では、密度は、0.5×106細胞/mL、0.75×106細胞/mL、1×106細胞/mL、1.25×106細胞/mL、もしくは1.5×106細胞/mL、もしくは、約0.5×106細胞/mL、0.75×106細胞/mL、1×106細胞/mL、1.25×106細胞/mL、もしくは1.5×106細胞/mL、または前述のいずれかの間の任意の値である。
いくつかの局面では、細胞は、灌流が可能な自動閉鎖増大システム内で増大させる。灌流液は、細胞に培地を連続的に加えて、最適な増殖速度が達成されることを確実にすることができる。
いくつかの態様では、増大は、Xuri細胞増大システムバイオリアクターを使用して行われる。細胞は、50万~150万個の細胞/mLで播種され得る。細胞は、静的条件下または揺動条件下で培養され得る。培地は、ボーラスまたは灌流スケジュールで加えられ得る。態様では、バイオリアクターは、温度を37°C、または37°C付近に維持し、CO2レベルを5%、または5%付近に維持する。培養物の体積は、約0.5L~1.0Lに維持され得る。いくつかの態様では、増大は、7~14日間、例えば7~10日間にわたって行われる。いくつかの局面では、増大は、この増大後に1億~500億個の細胞をもたらし、かつ/または10の増大倍率から1000の増大倍率をもたらす。
いくつかの態様では、増大は、Miltenyi Prodigyバイオリアクターを使用して行われる。細胞は、50万~150万個の細胞/mLで播種され得る。細胞は、静的条件下または振盪条件下で培養され得る。培地は、ボーラスまたは灌流スケジュールで加えられ得る。態様では、バイオリアクターは、温度を37°C、または37°C付近に維持し、CO2レベルを5%、または5%付近に維持する。培養物の体積は、約70mL~400mLに維持され得る。いくつかの態様では、増大は、7~14日間、例えば7~10日間にわたって行われる。いくつかの局面では、増大は、この増大後に1億~30億個の細胞をもたらし、かつ/または10~1000の増大倍率をもたらす。
いくつかの態様では、増大は、ガス透過性バッグを使用して行われる。細胞は、50万~150万個の細胞/mLで播種され得る。細胞は、静的条件下で培養され得る。態様では、バイオリアクターは、温度を37°C、または37°C付近に維持し、CO2レベルを5%、または5%付近に維持する。そのような局面では、細胞濃度が200万個の細胞/mLを超える場合、培地を加えて細胞濃度を50万~100万個の細胞/mLにすることができる。体積がバッグの最大体積に達した場合、細胞は、同じ条件下で培養するために、さらに大きなバッグまたは複数のバッグに加えられる。いくつかの態様では、増大は、7~14日間、例えば7~10日間にわたって行われる。
増大方法は、閉鎖自動化システム内、および無血清培地を使用することを含むGMP条件下で行われ得る。いくつかの態様では、方法の段階のうちのいずれか1つまたは複数は、閉鎖系内で、またはGMP条件下で行われ得る。特定の態様では、全プロセス操作がGMPスイートで行われる。いくつかの態様では、細胞療法を製造、生成または作製するための方法の他の処理段階のうちの1つまたは複数を行うために閉鎖系が使用される。いくつかの態様では、処理段階、例えば単離、選択、および/または富化、処理、細胞の増大に関連するインキュベーションを含む培養段階、および製剤化段階うちの1つもしくは複数または全部が、統合システムまたは自己完結型システム内でおよび/または自動化された様式またはプログラム可能な様式でシステム、装置、または機器を使用して行われる。いくつかの態様では、システムまたは機器は、システムまたは機器と通信するコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、これにより、ユーザは、処理、単離、操作、および製剤化段階の様々な局面をプログラムし、制御し、処理、単離、操作、および製剤化段階の様々な局面の結果を評価し、かつ/または処理、単離、操作、および製剤化段階の様々な局面を調整することができる。
いくつかの態様では、腫瘍反応性細胞を増大させるためのT細胞刺激物質とのインキュベーションは、1日もしくは約1日、例えば一般に、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、もしくは約2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、または前述のいずれかの間の任意の範囲の時間にわたって行われる。いくつかの態様では、腫瘍反応性細胞を増大させるためのT細胞刺激物質とのインキュベーションは、7~21日間、例えば、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間もしくは21日間、または前述のいずれかの間の任意の値にわたって行われる。いくつかの態様では、インキュベーションは7~14日間にわたって行われる。いくつかの態様では、インキュベーションは7~10日間にわたって行われる。いくつかの態様では、インキュベーションは7日間または約7日間にわたる。いくつかの態様では、インキュベーションは8日間または約8日間にわたる。いくつかの態様では、インキュベーションは9日間または約9日間にわたる。いくつかの態様では、インキュベーションは10日間または約10日間にわたる。場合によっては、培地は、培養またはインキュベーションの期間中、毎日、1日おき、2日おき、4日おき、または週に1回交換することができる。いくつかの態様では、刺激作用物質(例えば、サイトカイン、抗CD3)は、各培地交換時に補充される。
いくつかの態様では、提供される方法のいずれかに従って細胞を増大させるための培養方法は、閾値量の細胞、例えば、腫瘍反応性細胞、または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して陽性の細胞が得られるまで行われる。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかに従って細胞を増大させるための培養方法は、リンパ球を富化した時点から最大30日まで行われる。例えば、特定の態様では、提供される方法のいずれかに従って細胞を増大させるための培養方法は、培養開始時から最大30日まで行われる。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかに従って細胞を増大させるための培養方法は、第1の増大の開始後20日まで行われる。いくつかの態様では、提供される方法のいずれかに従って細胞を増大させるための培養方法は、共培養の開始後20日まで行われる。提供される態様のいずれかの一部では、採取する工程は、腫瘍反応性細胞を含むT細胞の培養および/または富化の開始後20日以内に行われる。いくつかの局面では、細胞は、7日もしくは約7日、8日もしくは約8日、9日もしくは約9日、10日もしくは約10日、11日もしくは約11日、12日もしくは約12日、13日もしくは約13日、14日もしくは約14日、15日もしくは約15日、16日もしくは約16日、17日もしくは約17日、18日もしくは約18日、19日もしくは約19日、20日もしくは約20日、21日もしくは約21日、22日もしくは約22日、22日もしくは約22日、23日もしくは約23日、24日もしくは約24日、25日もしくは約25日、26日もしくは約26日、27日もしくは約27日、28日もしくは約28日、29日もしくは約29日、30日もしくは約30日、または前述のいずれかの間の任意の値の時点で採取される。提供される態様のいずれかの一部では、細胞は、培養の開始後7~20日、7~14日、7~10日、10~20日、10~14日または14~20日に採取される。日数への言及は、細胞が培養物中に存在する日数を参照するものであり、段階のうちのいずれか1つまたは複数からの細胞が凍結保存のための条件下で保存され得る時間を含まないことが理解される。
提供される態様のいずれかの一部では、培養する工程は、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、1×108個もしくは約1×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、12×109個もしくは約12×109個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、12×109個もしくは約12×109個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、または30×109個もしくは約30×109個から、60×109個もしくは約60×109個の全細胞もしくは全生細胞(両端の値を含む)である閾値量の細胞が達成されるまで行われる。
提供される態様のいずれかの一部では、方法は、少なくとも2倍もしくは少なくとも約2倍、少なくとも5倍もしくは少なくとも約5倍、少なくとも10倍もしくは少なくとも約10倍、少なくとも25倍もしくは少なくとも約25倍、少なくとも50倍もしくは少なくとも約50倍、少なくとも100倍もしくは少なくとも約100倍、少なくとも250倍もしくは少なくとも約250倍、少なくとも500倍もしくは少なくとも約500倍、少なくとも1000倍もしくは少なくとも約1000倍、またはそれ以上である、T細胞の増大倍率または腫瘍反応性T細胞の増大倍率をもたらす。
増大後に治療用量に達すると、生成物を濃縮し、凍結保存培地中で凍結することができる。本明細書において記載される方法によって生成されたT細胞集団、およびその薬学的組成物も本明細書において提供される。
II. T細胞調節物質またはアジュバント
提供される方法のいずれかの局面では、T細胞集団は、1つまたは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートされる。特定の態様では、インキュベーションは、アジュバントが、提供される方法によって、集団内のT細胞の生存を促進または増加させ、アポトーシスを低減または防止し、かつ/または細胞の増大を持続させる条件下で行われる。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは、共刺激アゴニスト、例えば、限定されることなく、OX40および41BBのアゴニストを含む腫瘍壊死因子スーパーファミリー受容体(TNFSR)アゴニストであるか、それを含むことができる。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは、限定されることなく、カスパーゼ阻害物質、またはFas/Fasリガンド軸の阻害物質を含むアポトーシス阻害物質であるか、それを含むことができる。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは、チェックポイント調節因子、例えば、限定されることなく、PD-1のアンタゴニストを含むチェックポイント阻害物質である。いくつかの態様では、T細胞アジュバントは、限定されることなく、Hsp90タンパク質の阻害物質を含む熱ショックタンパク質阻害物質であるか、それを含むことができる。
提供される方法の局面では、1つまたは複数のT細胞アジュバント(例えば、共刺激アゴニストおよび/またはアポトーシス阻害物質および/またはチェックポイント阻害物質)は、提供される方法の段階のうちの1つもしくは複数または全部の最中に含まれ得る。いくつかの態様では、1つまたは複数のT細胞アジュバントは、生体試料由来のT細胞の第1のまたは初期増大中に含まれる。いくつかの態様では、1つまたは複数のT細胞アジュバントは、共培養物からの腫瘍反応性T細胞の富化後のT細胞の第2のまたは最終増大中に含まれる。いくつかの態様では、1つまたは複数のT細胞アジュバントは、第1の増大および第2の増大の両方の最中に含まれる。場合によっては、1つまたは複数のT細胞アジュバントは、T細胞とAPC/ペプチドネオエピトープとの共培養中に含まれる。
提供される方法のいずれかの態様では、少なくとも1つのT細胞アジュバント、例えば、1つまたは複数の共刺激アゴニスト、アポトーシス阻害物質、チェックポイント阻害物質または熱ショックタンパク質阻害物質の各々とのインキュベーションは、培養する工程の過程全体の最中、またはその一部の最中、独立して継続される。いくつかの態様では、少なくとも1つのT細胞アジュバントの各々とのインキュベーションは、14日間以下、12日間以下、10日間以下、7日間以下、5日間以下、3日間以下、または2日間以下にわたる。いくつかの態様では、少なくとも1つのT細胞アジュバントの各々とのインキュベーションは、独立して、12時間~96時間、例えば24時間~48時間、例えば一般に48時間または約48時間にわたる。
A. 作用物質またはアジュバント
1. 共刺激アゴニスト
提供される方法のいずれかの局面では、T細胞集団は、1つまたは複数の共刺激アゴニストの存在下でインキュベートされる。特定の態様では、共刺激アゴニストは、T細胞の表面上の共刺激分子に特異的に結合して、細胞内の1つまたは複数の細胞内シグナルを刺激し、かつ/またはT細胞の1つまたは複数の機能的活性または生物学的活性を刺激する分子である。いくつかの態様では、アゴニストは、T細胞の生存および活性を促進する。いくつかの態様では、共刺激分子は、受容体の腫瘍壊死因子スーパーファミリー(TNFSR)のメンバーである。例示的な共刺激分子には、限定されることなく、4-1BB、OX40、GITR、およびCD27が含まれる。いくつかの態様では、共刺激アゴニストは、4-1BBアゴニスト、OX40アゴニスト、GITRアゴニストまたはCD27アゴニストである。
いくつかの態様では、共刺激アゴニストは、共刺激受容体に特異的に結合する抗体もしくは抗原結合断片であるか、またはそれを含む。
いくつかの態様では、共刺激アゴニストは、共刺激受容体のリガンドの細胞外結合ドメインまたはその特異的結合部分であるか、それを含む。場合によっては、細胞外結合ドメインまたはその特異的結合断片は、例えば、アゴニストの結合アビディティーを増加させるために、別のポリペプチドとの融合タンパク質として提供される。例えば、場合によっては、ポリペプチドは、分子の二量体化、三量体化、四量体化または五量体化を促進することができる多量体化ドメインである。特定の態様では、融合タンパク質は二量体である。いくつかの態様では、多量体化ドメインは、相補的な多量体化ドメインと相互作用して安定なタンパク質-タンパク質相互作用を形成して、ポリペプチド分子と別のポリペプチド分子との多量体を生成することができるアミノ酸の任意の配列を含む。例えば、多量体化ドメインは、相補的分子とジスルフィド結合を形成することができる分子であり得る。例示的な多量体化ドメインには、免疫グロブリン配列またはその一部、ロイシンジッパー、疎水性領域、親水性領域、および適合性のあるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインが含まれる。多量体化ドメインは、例えば、免疫グロブリン定常領域またはドメイン、例えば、IgG1サブタイプ、IgG2サブタイプ、IgG3サブタイプまたはIgG4サブタイプを含むIgG由来のFcドメインまたはその一部、IgA、IgE、IgDおよびIgMならびにその修飾形態などであり得る。いくつかの態様では、共刺激アゴニストはFc融合タンパク質である。
いくつかの態様では、共刺激アゴニストはOX40(CD134)アゴニストである。細胞表面糖タンパク質であり、腫瘍壊死因子受容体ファミリー(TNFRSF)のメンバーであるOX40は、Tリンパ球上に発現し、活性化T細胞の増殖および生存のための共刺激シグナルを提供する。OX40は、一般に、CD28とは異なり、休止ナイーブT細胞上に構成的に発現されない。OX40は、二次共刺激免疫チェックポイント分子であり、これは、いくつかの局面では、活性化後24~72時間後に発現される。そのリガンドであるOX40Lも休止抗原提示細胞上に発現されないが、それらの活性化に従っている。OX40の発現は、T細胞の完全な活性化に依存する。場合によっては、例えば、CD28の刺激がなければ、OX40の発現が遅延し、その発現が低下する。OX40は、腫瘍抗原標的を提示するように誘導されたAPCの活性化後(例えば、抗CD3、例えば、OKT3/抗CD28による)またはエクスビボ共培養後に、体内のT細胞上に発現され得る(腫瘍との共培養)。OX40LによるOX40の結合は、OX40経路の活性化を引き起こす。いくつかの態様では、この経路の活性化は、他の経路のアップレギュレーションをもたらし、これにより、活性化、生存、記憶応答の増加と、免疫抑制活性の低下とがもたらされる。
いくつかの態様では、OX40アゴニストは、ヒトまたは哺乳動物のOX40に結合することができる抗体もしくは抗原結合断片または融合タンパク質であり得る。いくつかの態様では、OX40アゴニストは、ヒトOX40、例えば、T細胞の表面上に発現されたヒトOX40に結合する。いくつかの態様では、OX40アゴニストは、OX40に特異的に結合し、抗体依存性細胞毒性(ADCC)、例えばNK細胞細胞傷害性を抑止する。いくつかの態様では、OX40アゴニストは、抗体依存性細胞食作用(ADCP)を抑止する。いくつかの態様では、OX40アゴニストは、補体依存性細胞傷害性(CDC)を抑止する。いくつかの局面では、OX40アゴニストは、OX40タンパク質受容体に結合すると、T細胞および炎症性サイトカインの産生の増加に関連する共刺激シグナルを誘発する。提供される方法で使用するためのOX40アゴニストには、当業者に公知の任意のものが含まれる。
いくつかの態様では、OX40アゴニストは、融合タンパク質である。OX40融合タンパク質には、OX40Lの一部に融合したFcドメインを含むものが含まれ、例えば、Sadun et al.,(2009)J. Immunother.,182:1481-89を参照されたい。いくつかの態様では、多量体OX40アゴニスト、例えば、三量体OX40アゴニストまたは六量体OX40アゴニスト(6つのリガンド結合ドメインのうちの3つを有する)が使用され得る。3つのTNFRSF結合ドメインを含み、Fcとの融合物としての三量体(三価)もしくは六量体(もしくは六価)またはそれ以上の融合タンパク質が公知であり、使用され得、例えば、Gieffers et al.(2013)Cancer Therapeutics,12:2735-47を参照されたい。
いくつかの態様では、OX40アゴニストは、OX40Lの1つまたは複数のドメインが1つまたは複数の追加のタンパク質ドメインに共有結合している融合タンパク質である。OX40アゴニストとして使用され得る例示的なOX40L融合タンパク質は、米国特許第6,312,700号、米国特許第7,622,444号、国際特許出願公開第WO2011109789号および国際特許出願公開第WO2010105068号に記載されている。いくつかの態様では、OX40アゴニストは、多量体(例えば、三量体または六量体)OX40L融合タンパク質に自己集合するOX40L融合ポリペプチドを含む。そのような融合タンパク質は、例えば、Morris et al.(2007)Mol Immunol. 44(12):3112-3121、米国特許第7,959,925号に記載されている。本明細書において提供されるいくつかの態様に従って使用され得る特定の融合タンパク質は、ヒトOX40リガンド融合タンパク質であるMEDI6383(AZY/Medlmmuneによって製造される)であり、例えば、米国特許第6,312,700号を参照されたい。
いくつかの態様では、OX40アゴニストは、OX40に特異的に結合する抗体または抗原結合断片である。提供される方法で使用するための例示的なOX40アゴニストには、限定されることなく、タボリキシズマブ(MEDI0562またはMEDI-0562としても知られている)、11D4(米国特許第7,960,515号、米国特許第8,236,930号、米国特許第9,028,824号を参照されたい)、18D8(例えば、米国特許第7,960,515号、米国特許第8,236,930号、米国特許第9,028,824号を参照されたい);Hu119-122(例えば、米国特許第9,006,399号および米国特許第9,163,085号、ならびに国際特許公開第WO2012/027328号を参照されたい);Hu106-222(例えば、米国特許第9,006,399号および米国特許第9,163,085号、ならびに国際特許公開第WO2012/027328号を参照されたい);MEDI6469(9B12としても知られている;例えば、Weinberg et al.(2006)J. Immunother.,29:575-585を参照されたい);ポガリズマブ(MOXR0916およびRG7888;Genentech,Inc.としても知られている);GSK3174998(GlaxoSmithKline)、もしくはPF-04518600(PF-8600;Hamid et al.(2016)Journal of Clinical Immunology,34:3079);BMS 986178;または前述のいずれかの抗原結合断片が含まれる。OX40アゴニストにはまた、任意の結合分子、例えば、タボリジズマブ(tavolizizumab)、11D4、18D8、Hu119-122、Hu106-22、MED16469、ポガリズマブ、GSK3174998、PF-04518600またはBMS 986178に含まれるように6つのCDRを含む任意の抗体または抗原結合断片が含まれる。
いくつかの態様では、OX40アゴニストは、国際特許出願公開第WO95/12673号、国際特許出願公開第WO95/21925号、国際特許出願公開第WO2006/121810号、国際特許出願公開第WO2012/027328号、国際特許出願公開第WO2013/028231号、国際特許出願公開第WO2013/038191号および国際特許出願公開第WO2014/148895号;欧州特許出願EP0672141号;米国特許出願公開第US2010/136030号、米国特許出願公開第US2014/377284号、米国特許出願公開第US2015/190506号および米国特許出願公開第US2015/132288号(クローン20E5およびクローン12H3を含む);ならびに米国特許第7,504,101号、米国特許第7,550,140号、米国特許第7,622,444号、米国特許第7,696,175号、米国特許第7,960,515号、米国特許第7,961,515号、米国特許第8,133,983号、米国特許第9,006,399号および米国特許第9,163,085号のいずれかに記載されているOX40アゴニストである。OX40アゴニストには、市販の抗体、例えば、L106 BD(Pharmingen Product #340420);ACT35(Santa Cruz Biotechnology、カタログ番号20073);または、InVivoMAb、BioXcell Inc、West Lebanon、NHから市販されている抗mCD134/mOX40(クローンOX86)も含まれ得る。
提供される態様のいずれかに従って使用され得る他のOX40アゴニストには、例えば、Linch et al.(2015)Front Oncol. 5:34、米国特許第6,312,700号および米国特許出願公開第20140271677号に開示されているようなヌクレオチド、発現ベクターおよびペプチドが含まれる。
いくつかの態様では、共刺激アゴニストは4-1BB(CD137)アゴニストである。いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、ヒトまたは哺乳動物の4-1BBに結合することができる抗体もしくは抗原結合断片または融合タンパク質であり得る。いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、T細胞の表面上に発現されるヒト4-1BBなどのヒト4-1BBに結合する。4-1BB(CD137、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー9)は、活性化T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞上に発現される誘導性共刺激受容体である。T細胞上の4-1BBライゲーションは、抗アポトーシス分子のアップレギュレーション、サイトカイン分泌、およびエフェクター機能の増強をもたらすシグナル伝達カスケードを引き起こす。低下した細胞傷害能を有する機能不全T細胞では、4-1BBライゲーションは、エフェクター機能を回復させる強力な能力を示す。NK細胞では、4-1BBシグナル伝達は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性を増加させることができる。4-1BBを標的とするアゴニスト性モノクローナル抗体は、がん免疫療法のために4-1BBシグナル伝達を利用するために開発された。様々な誘導性腫瘍モデルおよび自発性腫瘍モデルを対象とした前臨床結果は、アゴニスト抗体による4-1BBの標的化が、腫瘍クリアランスおよび持続的な抗腫瘍免疫をもたらし得ることを示唆している。
いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、毒性を低下させるのに十分な様式で4-1BBに特異的に結合する。いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、抗体依存性細胞毒性(ADCC)、例えばNK細胞細胞傷害性を抑止するアゴニスト性4-1BBモノクローナル抗体または融合タンパク質である。いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、抗体依存性細胞食作用(ADCP)を抑止するアゴニスト性4-1BBモノクローナル抗体または融合タンパク質である。いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、補体依存性細胞傷害性(CDC)を抑止するアゴニスト性4-1BBモノクローナル抗体または融合タンパク質である。
いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、融合タンパク質である。4-1BB融合タンパク質には、4-1BBLに融合したFcドメインを含むものが含まれる。いくつかの態様では、融合タンパク質は、Fcに融合した4-1BBに結合するための4-1BBLの2つまたはそれ以上、例えば3つ、4つ、またはそれ以上のドメインを含む二量体(二価)、三量体(三価)もしくは六量体(六価)、またはそれ以上の融合物である。
一態様では、4-1BBアゴニストは、国際特許出願公開第WO2008/025516号、国際特許出願公開第WO2009/007120号、国際特許出願公開第WO2010/003766号、国際特許出願公開第WO2010/010051号および国際特許出願公開第WO2010/078966号;米国特許出願公開第US2011/0027218号、米国特許出願公開第US2015/0126709号、米国特許出願公開第US2011/0111494号、米国特許出願公開第US2015/0110734号および米国特許出願公開第US2015/0126710号;ならびに米国特許第9,359,420号、米国特許第9,340,599号、米国特許第8,921,519号および米国特許第8,450,460号に記載されている4-1BBアゴニスト性融合タンパク質である。
いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、4-1BBに特異的に結合する抗体または抗原結合断片である。いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、EU-101(Eutilex Co. Ltd.)ウトミルマブ、もしくはウレルマブ、またはその抗原結合断片である。いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、ウトミルマブ(PF-05082566、PF-2566、またはMOR-7480としても知られている)である。ウトミルマブならびにその変異体および断片の調製および特性は、米国特許第8,821,867号、米国特許第8,337,850号および米国特許第9,468,678号ならびに国際特許出願公開第WO2012/032433号に記載されている。いくつかの態様では、4-1BBアゴニストは、ウレルマブ(BMS-663513または20H4,9.h4aとしても知られている)である。ウレルマブならびにその変異体および断片の調製および特性は、米国特許第7,288,638号および米国特許第8,962,804号に記載されている。OX40アゴニストにはまた、任意の結合分子、例えば、ウトミルマブまたはウレルマブに含まれるように6つのCDRを含む任意の抗体または抗原結合断片が含まれる。
一態様では、4-1BBアゴニストは、1D8、3El、または4B4(BioLegend 309809)、H4-1BB-M127(BD Pharmingen 552532)、BBK2(Thermo Fisher MS621PABX)、145501(Leinco Technologies B591)、ATCC番号HB-11248として寄託され、米国特許第6,974,863号に開示されている細胞株によって生成された抗体、5F4(BioLegend 31 1503)、C65-485(BD Pharmingen 559446)、米国特許出願公開第US2005/0095244号に開示されている抗体、米国特許第7,288,638号に開示されている抗体(20H4.9-IgG1(BMS-663031)など)、米国特許第6,887,673号に開示されている抗体(4E9またはBMS-554271など)、米国特許第7,214,493号に開示されている抗体、米国特許第6,303,121号に開示されている抗体、米国特許第6,569,997号に開示されている抗体、米国特許第6,905,685号に開示されている抗体(4E9またはBMS-554271など)、米国特許第6,362,325号に開示されている抗体(1D8もしくはBMS-469492;3H3もしくはBMS-469497;または3Elなど)、米国特許第6,974,863号に開示されている抗体(53A2など);米国特許第6,210,669号に開示されている抗体(1D8、3B8または3Elなど)、米国特許第5,928,893号に記載されている抗体、米国特許第6,303,121号に開示されている抗体、米国特許第6,569,997号に開示されている抗体、国際特許出願公開第WO2012/177788号、国際特許出願公開第WO2015/119923号および国際特許出願公開第WO2010/042433号に開示されている抗体、ならびにその断片、誘導体、コンジュゲート、変異体またはバイオ後続品からなる群より選択される。
いくつかの態様では、共刺激アゴニストはCD27アゴニストである。いくつかの態様では、CD27アゴニストは、毒性を低下させるのに十分な様式でCD27に特異的に結合する。いくつかの態様では、CD27アゴニストは、抗体依存性細胞毒性(ADCC)、例えばNK細胞細胞傷害性を抑止するアゴニスト性CD27モノクローナル抗体または融合タンパク質である。いくつかの態様では、CD27アゴニストは、抗体依存性細胞食作用(ADCP)を抑止するアゴニスト性CD27モノクローナル抗体または融合タンパク質である。いくつかの態様では、CD27アゴニストは、補体依存性細胞傷害性(CDC)を抑止するアゴニスト性CD27モノクローナル抗体または融合タンパク質である。
いくつかの態様では、CD27アゴニストは、CD27に特異的に結合する抗体または抗原結合断片である。特定の態様では、CD27アゴニストは、モノクローナル抗体バルリルマブ(CDX-1127またはIFSとしても知られている)であり、その抗原結合断片である。バルリルマブの調製および特性は、国際特許出願公開第WO2016/145085号および米国特許出願公開第US2011/0274685号および米国特許出願公開第US2012/0213771号に記載されている。
いくつかの態様では、CD27アゴニストは融合タンパク質である。CD27融合タンパク質には、CD27(CD70)のリガンドに融合したFcドメインを含むものが含まれる。いくつかの態様では、融合タンパク質は、Fcに融合したCD27に結合するための2つまたはそれ以上、例えば3つ、4つ、またはそれ以上のCD70ドメインを含む二量体(二価)、三量体(三価)、もしくは六量体(六価)またはそれ以上の融合物である。
一態様では、CD27アゴニストは、米国特許出願公開第US2014/0112942号、米国特許出願公開第US2011/0274685号もしくは米国特許出願公開第US2012/0213771号または国際特許出願公開第WO2012/004367号に記載されているCD27アゴニストである。
いくつかの態様では、共刺激アゴニストはGITRアゴニストである。いくつかの態様では、GITRアゴニストは、毒性を低下させるのに十分な様式でGITRに特異的に結合する。いくつかの態様では、GITRアゴニストは、抗体依存性細胞毒性(ADCC)、例えばNK細胞細胞傷害性を抑止するアゴニスト性GITRモノクローナル抗体または融合タンパク質である。いくつかの態様では、GITRアゴニストは、抗体依存性細胞食作用(ADCP)を抑止するアゴニスト性GITRモノクローナル抗体または融合タンパク質である。いくつかの態様では、GITRアゴニストは、補体依存性細胞傷害性(CDC)を抑止するアゴニスト性GITRモノクローナル抗体または融合タンパク質である。
いくつかの態様では、GITRアゴニストは、GITRに特異的に結合する抗体または抗原結合断片である。一態様では、GITRアゴニストは、6C8およびCh-6C8-Aglyとしても知られているアゴニスト性抗GITRモノクローナル抗体TRX518(TolerRx,Inc.)である。6C8抗体および2F8抗体ならびにそれらの変異体の調製、特性および使用は、米国特許第7,812,135号、米国特許第8,388,967号および米国特許第9,028,823号に記載されている。
いくつかの態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体1D7またはその抗原結合断片である。1D7の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体33C9またはその抗原結合断片である。33C9の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体33F6であるか、その抗原結合断片である。33F6の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体34G4であるか、その抗原結合断片である。34G4の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体35B10であるか、その抗原結合断片である。35B1Oの調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体41E11であるか、その抗原結合断片である。41E11の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体41GSであるか、その抗原結合断片である。41G5の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体42A11であるか、その抗原結合断片である。42A11の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体44C1であるか、その抗原結合断片である。44C1の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体45A8であるか、その抗原結合断片である。45A8の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体46E11であるか、その抗原結合断片である。46E11の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体48H12であるか、その抗原結合断片である。48H12の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体48H7であるか、その抗原結合断片である。48H7の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体49D9であるか、その抗原結合断片である。49D9の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体49E2であるか、その抗原結合断片である。49E2の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体48A9であるか、その抗原結合断片である。48A9の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体5H7であるか、その抗原結合断片である。5H7の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体7A10であるか、その抗原結合断片である。7A10の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。一態様では、GITRアゴニストは、モノクローナル抗体9H6であるか、その抗原結合断片である。9H6の調製および特性は、米国特許出願公開第US2015/0064204号に記載されている。
一態様では、GITRアゴニストは、米国特許第8,709,424号、米国特許出願公開第US2012/0189639号および米国特許出願公開第US2014/0348841号、ならびに国際特許出願公開第WO2011/028683号(Merck Sharp&Dohme Corp.)に記載されているアゴニスト性抗GITRモノクローナル抗体である。一態様では、GITRアゴニストは、36E5、3D6、61 G6、6H6、61F6、1D8、17F10、35D8、49A1、9E5および31H6ならびにその抗原結合断片からなる群より選択されるアゴニスト性抗GITRモノクローナル抗体である。これらの抗体の構造、特性および調製は、米国特許第8,709,424号、米国特許出願公開第US2012/0189639号および米国特許出願公開第US2014/0348841号に記載されている。
一態様では、GITRアゴニストは、国際特許出願公開第WO2013/039954号および国際特許出願公開第WO2011/028683号;米国特許出願公開第US2013/0108641号、米国特許出願公開第US2012/0189639号および米国特許出願公開第US2014/0348841号;ならびに米国特許第7,812,135号;米国特許第8,388,967号;および米国特許第9,028,823号に記載されているGITRアゴニストである。
提供される方法のいずれかの態様では、増大方法におけるT細胞(例えば、腫瘍反応性T細胞)と共刺激アゴニストの比(細胞対モル)は、約1対25、約1対50、約1対100、約1対125、約1対150、約1対175、約1対200、約1対225、約1対250、約1対275、約1対300、約1対325、約1対350、約1対500、約1対1000または約1対10000である。
提供される方法のいずれかの態様では、1つまたは複数の共刺激アゴニストは、インキュベーション中に細胞培養培地に加えられる。いくつかの態様では、1つまたは複数の共刺激アゴニストの各々は、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mL、0.5μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、1μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、10μg/mLもしくは約10μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、10μg/mLもしくは約10μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、10μg/mLもしくは約10μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、25μg/mLもしくは約25μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、25μg/mLもしくは約25μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、または50μg/mLもしくは約50μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL(両端の値を含む)の範囲の濃度で独立して加えられる。
いくつかの態様では、共刺激アゴニストは、増大のための培養方法を行うためのT細胞の単離または選択の前に対象に投与される。そのような態様では、腫瘍反応性T細胞、または記載される1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞が、提供される方法に従って細胞を培養するためのエクスビボ単離、選択および/または富化の前にインビボで再活性化されることが企図される。いくつかのそのような態様では、共刺激アゴニストは、約5mg、約8mg、約10mg、約20mg、約25mg、約50mg、約75mg、100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg、約1600mg、約1700mg、約1800mg、約1900mgおよび約2000mgまたは前述のいずれかの間の値からなる群より選択される用量を注入することによって対象に投与される。いくつかの態様では、本明細書において開示される共刺激アゴニストの有効投与量は、約1mg~約500mg、約10mg~約300mg、約20mg~約250mg、約25mg~約200mg、約1mg~約50mg、約5mg~約45mg、約10mg~約40mg、約15mg~約35mg、約20mg~約30mg、約23mg~約28mg、約50mg~約150mg、約60mg~約140mg、約70mg~約130mg、約80mg~約120mg、約90mg~約110mg、または約95mg~約105mg、約98mg~約102mg、約150mg~約250mg、約160mg~約240mg、約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、約195mg~約205mg、または約198~約207mgの範囲である。
一態様では、共刺激アゴニストは週1回投与される。一態様では、共刺激アゴニストは2週間ごとに投与される。一態様では、共刺激アゴニストは3週間ごとに投与される。一態様では、共刺激アゴニストは月1回投与される。一態様では、共刺激アゴニストは、12週間にわたって4回の投与で3週間ごとに与えられる8mgの用量で静脈内投与される。一態様では、共刺激アゴニストは、比較的低い初期用量で投与され、これは、月1回投与されるその後の間隔で投与された場合に漸増される。例えば、最初の注入は300mgの共刺激アゴニストを送達することができ、その後の週1回の用量は8週間かけて2,000mgの共刺激アゴニストを送達し、続いて月1回の用量は2,000mgの共刺激アゴニストを送達し得る。
2. 免疫チェックポイント阻害物質
いくつかの態様では、T細胞調節物質は、免疫チェックポイント経路を阻害する免疫チェックポイント阻害物質である。免疫系は、自己寛容の維持および免疫応答の調節に関与する複数の阻害経路を有する。腫瘍は、特に腫瘍抗原に特異的なT細胞に対する免疫耐性の主要な機構として特定の免疫チェックポイント経路を使用することができることが知られている(Pardoll,2012,Nature Reviews Cancer 12:252-264)。多くのそのような免疫チェックポイントはリガンド-受容体相互作用によって開始されるため、それらは、リガンドおよび/またはそれらの受容体に対する抗体によって容易に遮断され得る。
したがって、免疫チェックポイント経路を遮断するアンタゴニスト分子、例えば、小分子、核酸阻害物質(例えば、RNAi)または抗体分子による治療は、がんおよび他の疾患の免疫療法の有望な手段になりつつある。
本明細書において使用される場合、用語「免疫チェックポイント阻害物質」は、1つまたは複数のチェックポイントタンパク質を完全にまたは部分的に減少させるか、阻害するか、それらに干渉するか、それらを調節する分子を指す。チェックポイントタンパク質は、T細胞の活性化または機能を調節する。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激または阻害相互作用を担う。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容、ならびに生理学的免疫応答の持続時間および振幅を調節および維持する。
免疫チェックポイント阻害物質には、免疫系の阻害経路を統計的に有意に遮断または阻害する任意の作用物質が含まれる。そのような阻害物質には、免疫チェックポイント受容体リガンドに結合し、それを遮断または阻害する小分子阻害物質が含まれ得るか、抗体またはその抗原結合断片が含まれ得る。遮断または阻害の標的となり得る例示的な免疫チェックポイント分子には、限定されることなく、PD1(CD279)、PDL1(CD274、B7-H1)、PDL2(CD273、B7-DC)、CTLA-4、LAG3(CD223)、TIM3、4-1BB(CD137)、4-1BBL(CD137L)、GITR(TNFRSF18、AITR)、CD40、OX40(CD134、TNFRSF4)、CXCR2、腫瘍関連抗原(TAA)、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、GAL9、B7H3、B7H4、VISTA、KIR、2B4(CD2分子ファミリーに属し、あらゆるNK細胞、γδ細胞およびメモリーCD8+(αβ)T細胞上に発現される)、CD160(BY55とも呼ばれる)およびCGEN-15049が含まれる。いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害物質は抗体である。免疫チェックポイント阻害物質には、PD1、PDL1、PDL2、CTLA-4、LAG3、TIM3、4-1BB、4-1BBL、GITR、CD40、OX40、CXCR2、TAA、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、GAL9、B7H3、B7H4、VISTA、KIR、2B4、CD160およびCGEN-15049のうちの1つまたは複数に結合し、それらの活性を遮断または阻害する抗体もしくはその抗原結合断片または他の結合タンパク質が含まれる。例示的な免疫チェックポイント阻害物質には、イピリムマブ(抗CTLA4)、ペンブロリズマブ(抗PD1)、トレメリムマブ(CTLA-4遮断抗体)、抗OX40L(例えば、オキセルムマブ(oxelumbab))およびPD-L1モノクローナル抗体(抗B7-H1;MEDI4736)が含まれる。
いくつかの態様では、チェックポイント阻害物質は、PD1の活性を阻害する。プログラム細胞死1(PD1)は、B細胞、NK細胞およびT細胞に発現される免疫チェックポイントタンパク質である(Shinohara et al.,1995,Genomics 23:704-6;Blank et al.,2007,Cancer Immunol Immunother 56:739-45;Finger et al.,1997,Gene 197:177-87;Pardoll,2012,Nature Reviews Cancer 12:252-264)。PD1の主な役割は、感染に応答した炎症中に末梢組織内でT細胞の活性を制限すること、および自己免疫を制限することである(Pardoll,2012,Nature Reviews Cancer 12:252-264)。活性化T細胞ではPD1発現が誘導され、PD1の内因性リガンドの1つへのPD1の結合は、刺激キナーゼを阻害することによってT細胞活性化を阻害するように作用するほか、TCR「停止シグナル」を阻害するように作用する(Pardoll,2012,Nature Reviews Cancer 12:252-264)。PD1は、制御性T細胞上に高度に発現され、リガンドの存在下でそれらの増殖を増加させ得る(Pardoll,2012,Nature Reviews Cancer 12:252-264)。抗PD1抗体は、メラノーマ、非小細胞肺がん、膀胱がん、前立腺がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、トリプルネガティブ乳がん、白血病、リンパ腫および腎細胞がんの治療に使用されている(Topalian et al.,2012,N Engl J Med 366:2443-54;Lipson et al.,2013,Clin Cancer Res 19:462-8;Berger et al.,2008,Clin Cancer Res 14:3044-51;Gildener-Leapman et al.,2013,Oral Oncol 49:1089-96;Menzies&Long,2013,Ther Adv Med Oncol 5:278-85)。例示的な抗PD1抗体には、ニボルマブ(BMS製のオプジーボ)、ペンブロリズマブ(Merck製のキイトルーダ)、ピディリズマブ(Cure Tech製のCT-011)、ランブロリズマブ(Merck製のMK-3475)およびAMP-224(Merck)が含まれる。
いくつかの態様では、チェックポイント阻害物質は、PD-L1の活性を阻害する。PD-L1(CD274およびB7-H1としても知られている)およびPD-L2(CD273およびB7-DCとしても知られている)は、活性化T細胞、B細胞、骨髄系細胞、マクロファージ、およびいくつかの種類の腫瘍細胞上に見られる、PD1のリガンドである。PD1とPD-L1との複合体は、CD8+T細胞の増殖を阻害し、免疫応答を低下させる(Topalian et al.,2012,N Engl J Med 366:2443-54;Brahmer et al.,2012,N Eng J Med 366:2455-65)。抗PD-L1抗体は、非小細胞肺がん、メラノーマ、結腸直腸がん、腎細胞がん、膵がん、胃がん、卵巣がん、乳がんおよび悪性血液疾患の治療に使用されている(Brahmer et al.,N Eng J Med 366:2455-65;Ott et al.,2013,Clin Cancer Res 19:5300-9;Radvanyi et al.,2013,Clin Cancer Res 19:5541;Menzies&Long,2013,Ther Adv Med Oncol 5:278-85;Berger et al.,2008,Clin Cancer Res 14:13044-51)。例示的な抗PD-L1抗体には、MDX-1105(Medarex)、MEDI4736(Medimmune)MPDL3280A(Genentech)、BMS-935559(Bristol-Myers Squibb)およびMSB0010718Cが含まれる。
いくつかの態様では、チェックポイント阻害物質は、CTLA-4の活性を阻害する。CD152としても知られている細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA-4)は、T細胞活性化を調節するように機能する共阻害分子である。CTLA-4は、T細胞上にのみ発現される免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。CTLA-4は、T細胞活性化を阻害するように作用し、ヘルパーT細胞活性を阻害し、制御性T細胞免疫抑制活性を増強することが報告されている(Pardoll,2012,Nature Reviews Cancer 12:252-264)。抗CTLA-4抗体は、メラノーマ、前立腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がんの治療のための臨床試験で使用されている(Robert&Ghiringhelli,2009,Oncologist 14:848-61;Ott et al.,2013,Clin Cancer Res 19:5300;Weber,2007,Oncologist 12:864-72;Wada et al.,2013,J Transl Med 11:89)。例示的な抗CTLA-4抗体には、イピリムマブ(Bristol-Myers Squibb)およびトレメリムマブ(Pfizer)が含まれる。イピリムマブは、転移性メラノーマの治療についてFDAの承認を受けている(Wada et al.,2013,J Transl Med 11:89)。
いくつかの態様では、チェックポイント阻害物質は、LAG-3の活性を阻害する。CD223としても知られているリンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、別の免疫チェックポイントタンパク質である。LAG-3は、リンパ球活性の阻害に、および場合によってはリンパ球アネルギーの誘導に関連している。LAG-3は、免疫系の様々な細胞、例えば、B細胞、NK細胞および樹状細胞上に発現される。LAG-3は、MHCクラスII受容体の天然リガンドであり、強力な免疫抑制活性を有するものを含め、メラノーマ浸潤T細胞上に実質的に発現される(Goldberg et al.,Curr Top Microbiol Immunol(344)269-278,2011)。例示的な抗LAG-3抗体には、レラトリマブとしても知られているBMS-986016が含まれる。IMP321は、免疫チェックポイント分子LAG-3の可溶性バージョンであり、樹状細胞を活性化し、抗原提示を増加させる。
いくつかの態様では、チェックポイント阻害物質は、TIM-3の活性を阻害する。CD366としても知られているT細胞免疫グロブリンドメインおよびムチンドメイン-3(TIM-3)は、活性化Th1細胞上で最初に同定され、免疫応答の負の調節因子であることが示されている。TIM-3の遮断は、T細胞媒介抗腫瘍免疫を促進し、ある範囲のマウス腫瘍モデルでは抗腫瘍活性を有する。TIM-3遮断と抗PDL1抗体などの他の免疫療法剤との組合せは、抗腫瘍効果を増加させる点で相加的または相乗的であり得る。TIM-3の発現は、メラノーマ、NSCLCおよび腎がんを含むいくつかの異なる腫瘍型と関連しており、さらに、腫瘍内TIM-3の発現は、NSCLC、子宮頸がんおよび胃がんを含む様々な腫瘍型にわたって予後不良と相関することが示されている。例示的な抗TIM3抗体には、TSR-022およびLY3321367が含まれる。
3. アポトーシス阻害物質
提供される方法のいずれかの局面では、T細胞集団は、細胞内のアポトーシスまたはアポトーシスシグナル伝達経路の1つまたは複数の阻害物質(以下、「アポトーシス阻害物質」)の存在下でインキュベートされる。いくつかの態様では、T細胞療法のエクスビボ製造プロセス中にアポトーシス阻害物質を含めることにより、増大プロセス中の関心対象のT細胞の収率が改善される。特定の局面では、そのような方法は、細胞の稀で希少な内因性集団である腫瘍反応性T細胞のエクスビボ製造に関連して使用される。記載された共培養法によってそのような細胞がエクスビボで富化される場合であっても、それらは依然として、細胞を増大させるプロセス中にアポトーシスを受けやすい可能性がある。提供される方法は、アポトーシスを防止または低減しながら、増殖を増加させ、それらの活性化および増大を支援することによって、そのような細胞を再活性化する。
いくつかの局面では、アポトーシスの非存在を示す1つまたは複数の表現型が、提供される方法によって生成される細胞内で低下する。アポトーシスとは、特徴的な細胞変化および細胞死をもたらす一連の常同的な形態学的事象および生化学的事象を含むプログラム細胞死のプロセスである。これらの変化には、小疱形成、細胞収縮、核断片化、クロマチン凝縮、染色体DNA断片化および全体的なmRNA分解が含まれる。アポトーシスは十分に特徴付けられたプロセスであり、様々な段階に関連する特異的分子は当技術分野において周知である。アポトーシスの初期段階では、細胞膜およびミトコンドリア膜の変化が明らかになる。細胞の細胞質および核では、生化学的変化も明らかである。例えば、アポトーシスの初期段階は、特定のカスパーゼ、例えば、2、8、9および10の活性化によって示され得る。アポトーシスの中期段階から後期段階は、膜の完全性がさらに失われることと、クロマチン凝縮と、DNA断片化とを特徴とし、カスパーゼ3、6および7の活性化などの生化学的事象を含む。
特定の態様では、提供される方法によって生成される細胞、または本明細書において提供される治療用T細胞組成物では、アポトーシスのマーカーに対して陽性の細胞の割合または頻度が低下している。様々なアポトーシスマーカーが当業者に公知であり、それらには、限定されることなく、1つもしくは複数のカスパーゼの活性、すなわち活性化カスパーゼの増加、PARP切断の増加、Bcl-2ファミリータンパク質の活性化および/または転位、細胞死経路のメンバー、例えばFasおよびFADD、核収縮の存在(例えば、顕微鏡によって監視される)、および染色体DNA断片化の存在(例えば、染色体DNAラダーの存在)、またはTUNEL染色およびアネキシンV染色を含むアポトーシスアッセイによるが含まれる。アネキシンVは、アポトーシス中に原形質膜の内尖から外尖に移行する脂質である高親和性ホスファチジルセリン(PS)と優先的に結合するタンパク質である。いくつかの態様では、提供される方法によって生成される細胞、または本明細書において提供される治療用T細胞組成物では、アポトーシスを開始させることが知られているアポトーシス促進因子、例えば、細胞死受容体経路のメンバー、ミトコンドリア(内因性)経路の活性化メンバー、例えば、Bcl-2ファミリーメンバー、例えば、Bax、BadおよびBid、ならびにカスパーゼを含む、アポトーシスに関連する1つまたは複数の因子の発現に対して陽性の細胞の割合または頻度が低下している。特定の態様では、提供される方法によって生成される細胞、または本明細書において提供される治療用T細胞組成物では、細胞組成物とインキュベートまたは接触した場合にアポトーシスを起こしている細胞に優先的に結合する指示薬、例えばアネキシンV分子による染色に対して陽性の細胞の割合または頻度が低下している。そのような態様のいずれかでは、そのような細胞の低下した頻度または割合は、同様のプロセスによって生成されるが、そのようなプロセスがアポトーシス阻害物質とのインキュベーションを含まない治療用T細胞組成物と比較して低下している。いくつかの態様では、アポトーシスは、1.5分の1超もしくは約1.5分の1超、2分の1超もしくは約2分の1超、3分の1超もしくは約3分の1超、5分の1超もしくは約5分の1超、10分の1超もしくは約10分の1超、またはそれ以上低下している。
特定の態様では、アポトーシス阻害物質は、Fas/Fasリガンド軸の阻害物質であるか、カスパーゼの阻害物質であり、これらはいずれも、特に活性化T細胞のアポトーシスの誘導に関与する。提供される方法の局面では、アポトーシス阻害物質は、Fas/Fasリガンド軸によって媒介されるシグナル伝達および/またはカスパーゼによって媒介されるシグナル伝達を低減または妨害し得る。
いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質は、Fas/Fasリガンド軸(CD95/CD95L軸)を妨害することによってアポトーシスを阻害する。いくつかの局面では、アポトーシス阻害物質は、CD95によって誘導または媒介されるアポトーシスを阻害する。Fasリガンド(FasLまたはCD95L)は、腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーに属するII型膜貫通タンパク質である。その受容体とのその結合はアポトーシスを誘導する。Fasリガンド/受容体相互作用は、免疫系の調節、およびがんの進行に重要な役割を果たす。T細胞の活性化は、Fasリガンドの発現をもたらす。T細胞は、クローン増大中のFas媒介性アポトーシスに対して最初は耐性であるが、活性化される時間が長くなるにつれて次第に感受性が高くなり、最終的に活性化誘導性細胞死(AICD)をもたらす。いくつかの局面では、このプロセスは、過剰な免疫応答を防止し、自己反応性T細胞を排除するためにインビボで必要である。FasまたはFasリガンドの有害な変異を有するヒトおよびマウスは、リンパ節症、脾腫および紅斑性狼瘡をもたらす異常なT細胞の蓄積を起こす。
提供される方法の局面では、T細胞集団、例えば、腫瘍反応性T細胞を含有する集団が、FasとFasリガンドとの間の相互作用を妨害または遮断するアポトーシス阻害物質とインキュベートされるか接触させられ、そのようなインキュベーションは、抗原によるT細胞の活性化、および/または集団内のT細胞を活性化するか刺激する1つもしくは複数のT細胞刺激物質によるT細胞の活性化と同時に、またはそのような活性化に続いて行われる。いくつかの態様では、T細胞の活性化は、細胞表面にも発現されるFasと相互作用することができるFasリガンドの発現をアップレギュレートし、それによってFasに関与し、アポトーシスを引き起こすことができる。いくつかの態様では、この相互作用を遮断するアポトーシス阻害物質は、FasまたはFasリガンドに特異的に結合してそれらの相互作用を遮断し、それによって、細胞のFasシグナル伝達経路および/またはアポトーシスを少なくとも部分的に低減または遮断する結合分子であり得る。Fasシグナル経路活性を決定および/または評価するための方法は当業者に公知であり、例えば、Lavrik et.al.(2012)Cell Death Differ.,19(1):36-41によって記載されている。
本開示による阻害物質は、タンパク質レベルおよび/または核酸レベルに作用し得る。タンパク質レベルに作用する阻害物質は、抗体、タンパク質および/または小分子から選択され得る。核酸レベルに作用する阻害物質は、例えば、アンチセンス分子、RNAi分子および/またはリボザイムである。阻害物質は、Fas(CD95)および/またはFasリガンド(CD95L)に結合する。さらなる態様では、Fas/Fasリガンド相互作用が阻害され得る。
いくつかの態様では、阻害物質は、抗体またはその機能的断片である。いくつかの局面では、抗体である阻害物質は、Fas(CD95)に結合し得る。いくつかの態様では、抗体である阻害物質は、CD95Lに結合し得る。CD95Lに結合する抗体の例は、Nok-1またはその抗原結合断片であり、例えば、カタログ番号16-9919-81、ThermoFisher Scientific、Waltham MAを参照されたい。
いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質は、Fasリガンドに特異的に結合することができる可溶性タンパク質である。いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質は、CD95の細胞外部分を含むが膜貫通ドメインを含まない可溶性CD95受容体分子である。可溶性CD95受容体分子は、EP-A-0595659またはEP-A-0965637に記載されている。いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質は、国際公開公報第99/65935号に記載されているようなCD95受容体ペプチドであるか、そのようなCD95受容体ペプチドを含む。
いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質は、Fasリガンドに結合する融合タンパク質である。特定の態様では、アポトーシス阻害物質は、Fasリガンドに結合する、Fas(CD95)の細胞外ドメインまたはその特異的結合タンパク質を含有し、細胞外ドメインまたは特異的結合部分は、Fc免疫グロブリン分子などの異種ポリペプチドに融合している。いくつかの態様では、可溶性Fas分子は、国際公開公報第99/144330号または国際公開公報第99/50413号に記載されているいずれかのものである。いくつかの態様では、可溶性Fas分子は、FLINTもしくはDCR3として知られている分子またはその断片である。
特定の態様では、アポトーシス阻害物質は、Fasリガンド(CD95リガンド)に結合し、細胞外Fas(CD95)ドメインおよびFcドメイン、特にヒトFcドメインを含む融合タンパク質である。一態様では、アポトーシス阻害物質は、例えば、CD95のアミノ酸26~173として示される成熟CD95の細胞外ドメインの全部または連続部分を含む、Fasの細胞外ドメインを含む(例えば、UniProtアクセッション番号P25445;米国特許第5,891,434号を参照されたい)。いくつかの態様では、CD95は、ヒトCD95であり、以下の配列(ヒトCD95のアミノ酸26~173)を有する細胞外ドメインを含む:
。
いくつかの態様では、Fas(CD95)-Fc融合タンパク質には、国際公開公報第2014/013039号または国際公開公報第2014/013037号に記載されているいずれかのものが含まれる。いくつかの態様では、融合タンパク質の細胞外Fas(CD95)ドメインは、ヒトCD95のアミノ酸170、171、172または173までのアミノ酸配列を含む。特定の態様では、融合タンパク質は、ヒトCD95のアミノ酸26~172を含む。いくつかの態様では、Fcドメインまたはその機能的断片は、免疫グロブリンのCH2および/またはCH3ドメインと、任意で、ヒンジ領域ドメインまたはそれに由来する修飾免疫グロブリンドメインの少なくとも一部とを含む。免疫グロブリンドメインは、IgG、IgM、IgDもしくはIgEの免疫グロブリンドメイン、またはそれに由来する修飾免疫グロブリンドメインであり得る。いくつかの態様では、Fcドメインは、定常IgGの免疫グロブリンドメインの少なくとも一部を含む、IgGのFcである。IgGの免疫グロブリンドメインは、IgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4のドメインまたはそれに由来する修飾ドメインから選択され得る。いくつかの態様では、Fcは、ヒトFcドメイン、例えばIgGのFcドメイン、例えばヒトIgG1のFcドメインである。特定の態様では、Fasの細胞外ドメインまたはその特異的結合断片は、例えばヒトIgG1分子由来のヒンジ領域を含むFc免疫グロブリン分子に融合する。細胞外CD95ドメインおよびヒトFcドメインを含む融合タンパク質は、国際公開公報第95/27735号または国際公開公報第2004/085478号に記載されている。
いくつかの態様では、Fas(CD95)-Fc融合タンパク質は、APG101(アスネルセプト(asunercept))であるか、その機能的断片である。
いくつかの態様では、Fas(CD95)-Fc融合タンパク質は、CAN008であるか、その機能的断片である。
いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質は、カスパーゼによって誘導または媒介されるアポトーシスを阻害する。カスパーゼは、アポトーシスおよび炎症をもたらす機能を含む細胞機能の調節因子として重要な役割を果たす関連システインプロテアーゼのファミリーである。カスパーゼの活性化および調節は、いくつかの機構によって厳密に制御される。上記の7つのカスパーゼは、アポトーシスの過程に特異的に関与している。カスパーゼは、プロドメインの長さと、活性化機構とに基づいて、イニシエーターカスパーゼとエフェクターカスパーゼとにさらに細分化される。イニシエーターカスパーゼは、それらの伸長したプロドメインの結果としてカスパーゼ活性化複合体に動員され得る。エフェクターカスパーゼ3および7は、タンパク質分解切断によって活性化される。それらは、多種多様な細胞タンパク質を切断することができ、それにより、核凝縮、DNA断片化、原形質膜小疱形成と、最終的には細胞死とがもたらされ得る。カスパーゼ媒介性アポトーシスの阻害は、上記のカスパーゼ経路成分のうちの1つまたはいずれかの阻害から生じ得る。
カスパーゼ活性化を介したアポトーシスは、例えば、ミトコンドリア経路を介して、細胞死受容体経路(すなわち、Fas/FasL、TNF/TNF受容体)を介して、小胞体ストレス経路を介して、およびアポトーシス誘導プロテアーゼであるグランザイムBを介して、いくつかの重複する方法で開始され得る。
特定の態様では、カスパーゼの阻害物質であるアポトーシス阻害物質は、集団の細胞内でカスパーゼの活性化を減少させる。特定の態様では、カスパーゼ活性化は、当業者に公知の方法によって検出することができる。いくつかの態様では、活性化カスパーゼに特異的に結合する(すなわち、切断されたポリペプチドに特異的に結合する)抗体を使用して、カスパーゼ活性化を検出することができる。別の例では、カスパーゼ活性の蛍光色素阻害物質(FLICA)アッセイを利用して、カスパーゼ-3によるアセチルAsp-Glu-Val-Asp 7-アミド-4-メチルクマリン(Ac-DEVD-AMC)の加水分解を検出する(すなわち、蛍光7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC)の放出を検出する)ことによって、カスパーゼ-3活性化を検出することができる。FLICAアッセイを使用して、複数のカスパーゼによってプロセシングされた基質の生成物を検出することによって、カスパーゼ活性化を決定することができる(例えば、FAM-VAD-FMK FLICA)。他の技術には、発光原性カスパーゼ-8テトラペプチド基質(Z-LETD-アミノルシフェリン)、カスパーゼ-9テトラペプチド基質(Z-LEHD-アミノルシフェリン)、カスパーゼ-3/7基質(Z-DEVD-アミノルシフェリン)、カスパーゼ-6基質(Z-VEID-アミノルシフェリン)またはカスパーゼ-2基質(Z-VDVAD-アミノルシフェリン)を使用するCASPASE-GLO(登録商標)カスパーゼアッセイ(PROMEGA)が含まれる。
アポトーシス阻害物質の例には、パンカスパーゼ特異的阻害物質およびカスパーゼ特異的阻害物質の両方が挙げられる。アポトーシス阻害物質の例には、カスパーゼ阻害物質、例えば、エムリカサン(IDN-6556、PF-03491390)、NAIP(ニューロンアポトーシス阻害タンパク質;BIRC1)、cIAP1およびcIAP2(アポトーシスの細胞阻害物質1および2;それぞれBIRC2およびBIRC3)、XIAP(X染色体結合IAP;BIRC4)、サバイビン(BIRC5)、BRUCE(アポロン;BIRC6)、リビン(BIRC7)およびTs-IAP(精巣特異的IAP;BIRC8)、ウェデロラクトン、NS3694、NSCI、およびZ-フルオロメチルケトンZ-VAD-FMK、ならびにその中の任意のフルオロメチルケトン変異体(すなわち、Z-FA-FMK、Z-VAD(OH)-FMK、Z-DEVD-FMK、Z-VAD(OM2)-FMK、Z-VDVAD-FMKなど)が挙げられる。いくつかの態様では、カスパーゼ阻害物質は、カスパーゼ特異的阻害物質である。いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質は、パンカスパーゼ阻害物質である。
特定の態様では、カスパーゼ阻害物質はXIAPである。いくつかの局面では、XIAPは、例えば、カスパーゼ3、7および9に結合して阻害するその能力を介して、カスパーゼの過剰産生によって誘導されるアポトーシス細胞死を停止させることができる。XIAPのBIR2ドメインはカスパーゼ3および7を阻害するが、BIR3はカスパーゼ9に結合して阻害する。
特定の態様では、カスパーゼ阻害物質は、Z-VAD-FMK(カルボベンゾキシ-バリル-アラニル-アスパルチル-[O-メチル]-フルオロメチルケトン)である。いくつかの局面では、Z-VAD-FMKは、例えば、いくつかのカスパーゼプロテアーゼの活性部位に結合するその能力を介して、カスパーゼによって誘導されるアポトーシス細胞死を停止させることができる。
提供される方法のいずれかの態様では、増大方法におけるT細胞(例えば、腫瘍反応性T細胞)とアポトーシス阻害物質の比(細胞対モル)は、約1対25、約1対50、約1対100、約1対125、約1対150、約1対175、約1対200、約1対225、約1対250、約1対275、約1対300、約1対325、約1対350、約1対500、約1対1000または約1対10000である。
提供される方法のいずれかの態様では、1つまたは複数のアポトーシス阻害物質は、インキュベーション中に細胞培養培地に加えられる。いくつかの態様では、1つまたは複数のアポトーシス阻害物質の各々は、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、0.1μg/mLもしくは約0.1μg/mLから、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mL、0.5μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、0.5μg/mLもしくは約0.5μg/mLから、1μg/mLもしくは約1μg/mL、1μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、1μg/mLもしくは約1μg/mLから、5μg/mLもしくは約5μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、5μg/mLもしくは約5μg/mLから、10μg/mLもしくは約10μg/mL、10μg/mLもしくは約10μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、10μg/mLもしくは約10μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、10μg/mLもしくは約10μg/mLから、25μg/mLもしくは約25μg/mL、25μg/mLもしくは約25μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL、25μg/mLもしくは約25μg/mLから、50μg/mLもしくは約50μg/mL、または50μg/mLもしくは約50μg/mLから、100μg/mLもしくは約100μg/mL(両端の値を含む)の範囲の濃度で独立して加えられる。
いくつかの態様では、アポトーシス阻害物質は、約0.5μMから約50μM、約0.5μMから約40μM、約0.5μMから約30μM、約0.5μMから約20μM、約0.5μMから約10μM、約0.5μMから約5μM、約0.5μMから約1μM、約1μMから約50μM、約1μMから約40μM、約1μMから約30μM、約1μMから約20μM、約1μMから約10μM、約1μMから約5μMの濃度で加えられる。いくつかの態様では、濃度は2μMまたは約2μMである。いくつかの態様では、濃度は10μMまたは約10μMである。いくつかの態様では、濃度は25μMまたは約25μMである。
特定の態様では、T細胞調節物質は、熱ショックタンパク質の阻害物質である。熱ショックタンパク質(Hsp)は、ストレスに応答して細胞によって産生され得る分子シャペロンを含む多様なタンパク質群である。ストレッサーには、限定されることなく、熱、酸化ストレス、感染、虚血、重金属への曝露、および栄養素不足が含まれ得る。いくつかのHspは、実証可能な抗アポトーシス効果を有し、例えば、Hsp70は、Baxタンパク質のミトコンドリア転位の阻害を介してアポトーシスを減弱すると記載されている。他のHspは、プロカスパーゼ3の活性化に関与するHsp10のように、アポトーシス応答を促進することができるシグナル伝達カスケードに関与する(Ikwegbue et al.,Pharmaceuticals 11(1):2,2018)。
特定の態様では、Hsp阻害物質は、Hsp90の阻害物質である。Hsp90は、Hsp90とHsp70とが協働してストレスに応答して熱ショック因子1を介したタンパク質の危険な凝集を防ぐにもかかわらず、Hsp70を負に阻害するATP依存性タンパク質シャペロンである。Hsp90の過剰発現は、タンパク質安定化、細胞増殖、血管新生、およびがん細胞の生存率の増加をもたらすことが観察されている。Hsp90はまた、EGFRを含む発がん性シグナル伝達経路に関与するいくつかの受容体を安定化することが実証されている(Chatterjee et al.,Int J Mol Sci(18)9,2017)。これらの理由などのために、Hsp90阻害物質は、がんの前臨床モデルならびに複数の第I相試験および第II相試験では、単一薬剤として、および他の薬剤と組み合わせて評価されている(Spreafico et al.,Brit J of Cancer(112)650-659,2015)。
hsp阻害物質の例には、限定されることなく、MKT-077、ジヒドロピリミジン(すなわち、SW02、MAL2-IIB、MAL3-101、NSC630668など)、フラボノイド(すなわち、エピガロカテキン、ミリセチンなど)、15-DSG、アポプトゾール(Apoptozole)、VER-155008、アプタマーA17、アプタマーA8、cmHSP70.1が挙げられる。hsp90阻害物質の例には、限定されることなく、17-AAg、17-DMAG、IPI-504、NVP-AUY922、AT13387、ガネテスピブ、KW-2478、CNF-2024(BIIB021)、Debio 0932、PU-H71、MPC-310、SNX-5422、Ds-2248、XL-888、TAS-116およびNVP-HSP990が挙げられる。
B. 例示的な増大方法
特定の態様では、標的細胞の表面上のペプチドを認識する内因性TCRを発現するT細胞を製造するための方法が提供される。
いくつかの態様では、方法は、限定されることなく、(1)限定されることなく、末梢血リンパ球、リンパ節由来リンパ球、または腫瘍浸潤リンパ球を含む、ドナー対象から得られたリンパ球集団を富化して、第1のT細胞集団を生成する段階;(2)限定されることなく、APCによって提示される、または可溶性抗体としての抗CD3および抗CD28(例えば、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体)および/または組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-15および/またはIL-21)など、リンパ球の1つまたは複数の第1のT細胞刺激作用物質によって第1のT細胞集団を刺激して、刺激によってT細胞が増大された、活性化T細胞を含有する第2のT細胞集団を生成する段階であって、刺激が、無血清培地を使用して閉鎖系内で行われる、段階;(3)1つまたは複数のMHC関連非天然ペプチドを提示する抗原提示細胞の存在下で、第2のT細胞集団を共培養する段階であって、ペプチドがペプチドネオエピトープであり、共培養が、培養物中のAPC上に存在するペプチドに対して反応性である活性化T細胞を含有する第3のT細胞集団をもたらす、段階;(4)閉鎖系内で第3のT細胞集団から抗原提示細胞を分離して、腫瘍反応性T細胞が富化された第4のT細胞集団をもたらす段階であって、分離することが、ペプチドを提示する有核細胞の存在下で培養した後にT細胞上の1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに基づいて、APC上に存在するペプチドに対して反応性である内因性TCRを含むT細胞集団を第3のT細胞集団から選択することによって行うことができ、選択することが、無血清培地を使用した閉鎖系内である、段階を含む。いくつかの態様では、この選択は、細胞選択設備、限定されることなく、CliniMACS、Sony FX500またはMiyltenyi Tyto細胞選別システム上で蛍光抗体、ナノ粒子またはビーズを使用して行うことができ;ならびに(5)無血清培地を使用する閉鎖自動化システム内で、限定されることなく、可溶性抗体としての抗CD3および抗CD28(例えば、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体)および/または組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-15および/またはIL-21)など、リンパ球の第2のT細胞刺激作用物質の存在下で、選択された細胞の第4の集団を増大させる工程。増大後に治療用量に達すると、細胞組成物を濃縮し、凍結保存培地中で凍結することができる。いくつかの態様では、第1の細胞集団の刺激は、限定されることなく、OX40および41BBのアゴニストを含むTNFSRアゴニストなどの共刺激アゴニストの存在下で、および/または限定されることなく、カスパーゼ阻害物質、またはFas/Fasリガンドの阻害物質を含むアポトーシス阻害物質の存在下で、および/またはチェックポイント阻害物質(例えば抗PD1抗体)の存在下で、および/または本明細書において記載されるT細胞調節物質のいずれかの存在下で7~10日間にわたって行うことができる。いくつかの態様では、共培養は、限定されることなく、OX40および41BBのアゴニストを含むTNFSRアゴニストなどの共刺激アゴニストの存在下で、および/または限定されることなく、カスパーゼ阻害物質、またはFas/Fasリガンドの阻害物質を含むアポトーシス阻害物質の存在下で、および/またはチェックポイント阻害物質(例えば抗PD1抗体)の存在下で、および/または本明細書において記載されるT細胞調節物質のいずれかの存在下で1~7日間にわたって行うことができる。いくつかの態様では、選択された細胞の第4の集団を増大させる工程は、限定されることなく、OX40および41BBのアゴニストを含むTNFSRアゴニストなどの共刺激アゴニストの存在下で、および/またはチェックポイント阻害物質(例えば抗PD1抗体)の存在下で、および/または限定されることなく、カスパーゼ阻害物質、またはFas/Fasリガンドの阻害物質を含むアポトーシス阻害物質の存在下で、および/または本明細書において記載されるT細胞調節物質のいずれかの存在下で7~10日間にわたって行うことができる。特定の態様では、第1のT細胞刺激作用物質は、IL-2、IL-7、IL-15、およびIL-21、例えば組換えIL-2からの少なくとも1つの組換えサイトカインを含む。特定の態様では、第2のT細胞刺激作用物質は、IL-2、IL-7、IL-15、およびIL-21、例えば組換えIL-2からの少なくとも1つの組換えサイトカインを含む。本明細書において記載される方法によって生成されたT細胞集団、およびその薬学的組成物も本明細書において提供される。
いくつかの態様では、方法は、限定されることなく、(1)限定されることなく、末梢血リンパ球、リンパ節由来リンパ球、または腫瘍浸潤リンパ球を含む、ドナー対象から得られたリンパ球集団を富化して、第1のT細胞集団を生成する段階;(2)限定されることなく、APCによって提示される、または可溶性抗体としての抗CD3および抗CD28(例えば、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体)および/または組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-15および/またはIL-21)など、リンパ球の1つまたは複数の第1のT細胞刺激作用物質によって集団を刺激して、刺激によってT細胞が増大された、活性化T細胞を含有する第2のT細胞集団を生成する段階であって、刺激が、無血清培地を使用して閉鎖系内で行われる、段階;(3)1つまたは複数のMHC関連非天然ペプチドを提示する抗原提示細胞の存在下で、第2のT細胞集団を共培養する段階であって、ペプチドがペプチドネオエピトープであり、共培養が、培養物中のAPC上に存在するペプチドに対して反応性である活性化T細胞を含有する第3のT細胞集団をもたらす、段階;(4)閉鎖系内で第3のT細胞集団から抗原提示細胞を分離して、腫瘍反応性T細胞が富化された第4のT細胞集団をもたらす段階であって、分離することが、ペプチドを提示する有核細胞の存在下で培養した後にT細胞上の1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに基づいて、APC上に存在するペプチドに対して反応性である内因性TCRを含むT細胞集団を第3のT細胞集団から選択することによって行うことができ、選択することが、無血清培地を使用した閉鎖系内である、段階を含む。いくつかの態様では、この選択は、細胞選択設備、限定されることなく、CliniMACS、Sony FX500またはMiltenyi Tyto細胞選別システム上で蛍光抗体、ナノ粒子またはビーズを使用して行うことができ;ならびに(5)無血清培地を使用する閉鎖自動化システム内で、限定されることなく、可溶性抗体としての抗CD3および抗CD28(例えば、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体)および組換えサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7、IL-15および/またはIL-21)など、リンパ球のT細胞刺激作用物質の存在下で、選択された細胞の第4の集団を増大させる工程。特定の態様では、第1のT細胞刺激作用物質は、IL-2、IL-7、IL-15、およびIL-21、例えば組換えIL-2からの少なくとも1つの組換えサイトカインを含む。特定の態様では、第2のT細胞刺激作用物質は、IL-2、IL-7、IL-15、およびIL-21、例えば組換えIL-2からの少なくとも1つの組換えサイトカインを含む。増大後に治療用量に達すると、生成物は濃縮され、凍結保存培地中で凍結される。本明細書において記載される方法によって生成されたT細胞集団、およびその薬学的組成物も本明細書において提供される。
いくつかの態様では、方法は、試料から直接得られたT細胞上の1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに基づいて、インビボでAPC上に提示されるペプチドに対して反応性である内因性TCRを含むT細胞集団を選択することによって、限定されることなく、末梢血リンパ球、リンパ節由来リンパ球、または腫瘍浸潤リンパ球を含む、ドナー対象から得られたリンパ球集団を富化する工程であって、選択することが、無血清培地を使用した閉鎖系内である、工程を含む。いくつかの態様では、この選択は、限定されることなく、細胞選択設備、限定されることなく、CliniMACS、Sony FX500またはMiltenyi Tyto細胞選別システム上で蛍光抗体、ナノ粒子またはビーズを使用して行うことができる。
いくつかの態様では、増大のための方法は、限定されることなく、OX40および41BBのアゴニストを含むTNFSFRアゴニストなどの共刺激アゴニストの存在下で、および/または限定されることなく、カスパーゼ阻害物質、またはFas/Fasリガンドの阻害物質を含むアポトーシス阻害物質の存在下で、および/またはチェックポイント阻害物質(例えば抗PD1抗体)の存在下で、および/または本明細書において記載されるT細胞調節物質のいずれかの存在下で7~20日間にわたって行うことができる。提供される方法のいずれかでは、方法は、カスパーゼ阻害物質であるアポトーシス阻害物質を用いて行われる。提供される方法のいずれかでは、方法は、4-1BB、CD27、OX40またはGITRのアゴニストなどの共刺激アゴニストを用いて行われる。提供される方法のいずれかでは、方法は、抗PD-1抗体などのチェックポイント阻害物質を用いて行われる。これらの可溶性のアゴニストおよび阻害物質、例えば、アポトーシス阻害物質またはチェックポイント阻害物質は、増大方法の最大培養時間まで、または方法の任意の段階、または最低24時間にわたって含まれ得る。共刺激アゴニストおよび/またはアポトーシス阻害物質および/または他の調節物質は、提供される方法では、初期刺激、共培養、選択または増大の少なくとも一部の最中に使用され得る。いくつかの態様では、これらのアゴニストは、限定されることなく、選択前、選択後、増大中、ならびに細胞生成物の採取および凍結保存の5~1日前を含む、方法の少なくとも一部の最中に使用され得る。増大後に治療用量に達すると、生成物は濃縮され、凍結保存培地中で凍結される。本明細書において記載される方法によって生成されたT細胞集団、およびその薬学的組成物も本明細書において提供される。
III. 組成物および薬学的製剤
提供される方法のいずれかによって生成されるような増大T細胞を含有する組成物が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍関連抗原、例えばネオ抗原に特異的な内因性TCRを含むT細胞を含有する。特に、提供される組成物の中には、腫瘍反応性T細胞、または腫瘍関連抗原、例えばネオ抗原に特異的な内因性TCRを含むT細胞が富化された細胞の組成物がある。
いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性T細胞、または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を約5~99%含むか、または、5~99%(両端の値を含む)の、そのような細胞の任意の割合を有する。いくつかの態様では、組成物は、細胞が単離された対象または生体試料中に天然に存在する総CD3+T細胞または全細胞に対するそのような腫瘍反応性CD3+T細胞の割合、または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞の割合と比較して、組成物中の全CD3+T細胞または全細胞に対する腫瘍反応性CD3+T細胞の増加したもしくは増大した割合、または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞の増加したもしくは増大した割合を含み得る。いくつかの態様では、割合は、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、もしくはそれ以上、または少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、もしくはそれ以上増加する。そのような態様では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、記載されているいずれかのもの、例えば、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、および/またはCD38のうちのいずれか1つまたは複数であり得る。
いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも65%もしくは少なくとも約65%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも75%もしくは少なくとも約75%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも81%もしくは少なくとも約81%、少なくとも82%もしくは少なくとも約82%、少なくとも83%もしくは少なくとも約83%、少なくとも84%もしくは少なくとも約84%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、少なくとも86%もしくは少なくとも約86%、少なくとも87%もしくは少なくとも約87%、少なくとも88%もしくは少なくとも約88%、少なくとも89%もしくは少なくとも約89%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または実質的に100%含み得る。いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を30%超含む。いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を40%超含む。いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を50%超含む。いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を60%超含む。いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を70%超含む。いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を80%超含む。いくつかの態様では、組成物は、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を90%超含む。そのような態様では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、記載されているいずれかのもの、例えば、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90および/またはCD38のうちのいずれか1つまたは複数であり得る。
いくつかの態様では、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞は、治療有効量で組成物中に存在し得る。細胞の有効量は、患者、ならびに疾患の種類、重症度および程度に応じて変化し得る。したがって、医師は、対象の健康状態、疾患の程度および重症度、ならびに他の変数を考慮した後、有効量が何であるかを決定することができる。
特定の態様では、組成物中のそのような細胞の数は、治療有効量である。いくつかの態様では、量は、動物のがん、ウイルス感染、微生物感染または敗血症性ショックに関連する重症度、持続期間および/または症状を軽減する量である。いくつかの態様では、治療有効量は、本明細書において記載される組成物を投与された患者または動物において、組成物を投与されていない患者(または動物)または患者(または動物)の群におけるがんの増殖または広がりと比較して、がんの増殖または広がりを少なくとも2.5%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも35%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%減少させる細胞の用量である。いくつかの態様では、治療有効量は、がん、ウイルスおよび微生物細胞の増殖を阻害または低減する活性をもたらす細胞傷害活性をもたらす量である。
いくつかの態様では、組成物は、105個もしくは約105個から、1012個もしくは約1012個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または105個もしくは約105個から、108個もしくは約108個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または106個もしくは約106個から、1012個もしくは約1012個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または108個もしくは約108個から、1011個もしくは約1011個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または109個もしくは約109個から、1010個もしくは約1010個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞である、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞の量を含む。いくつかの態様では、組成物は、105個超もしくは105個超もしくは約105個超の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、106個もしくは約106個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、107個もしくは約107個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、108個もしくは約108個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、109個もしくは約109個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、1010個もしくは約1010個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、1011個もしくは約1011個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または1012個もしくは約1012個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を含む。いくつかの態様では、そのような量は、疾患または状態を有する対象に、例えばがん患者に投与することができる。そのような態様では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、記載されているいずれかのもの、例えば、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90および/またはCD38のうちのいずれか1つまたは複数であり得る。
いくつかの態様では、組成物は、60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超である、集団内の全細胞の割合としてCD3+T細胞を含む。いくつかの態様では、組成物は、60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超である、集団内の全細胞の割合としてCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含有する。特定の態様では、組成物は、1:100もしくは約1:100から、100:1もしくは約100:1、1:50もしくは約1:50から、50:1もしくは約50:1、1:25もしくは約1:25から、25:1もしくは約25:1、1:10もしくは約1:10から、10:1もしくは約10:1、1:5もしくは約1:5から、5:1もしくは約5:1、または1:2.5もしくは約1:2.5から、2.5:1もしくは約2.5:1である、CD8+T細胞とCD4+T細胞の比を含む。
いくつかの態様では、組成物の体積は、少なくとも10mL、50mL、100mL、200mL、300mL、400mLもしくは500mL、または少なくとも約10mL、50mL、100mL、200mL、300mL、400mLもしくは500mL、例えば、10mL~500mL、10mL~200mL、10mL~100mL、10mL~50mL、50mL~500mL、50mL~200mL、50mL~100mL、100mL~500mL、100mL~200mLもしくは200mL~500mL、または約10mL~500mL、約10mL~200mL、約10mL~100mL、約10mL~50mL、約50mL~500mL、約50mL~200mL、約50mL~100mL、約100mL~500mL、約100mL~200mLもしくは約200mL~500mL(両端の値を含む)である。いくつかの態様では、組成物は、少なくとも1×105個の細胞/mL、5×105個の細胞/mL、1×106個の細胞/mL、5×106個の細胞/mL、1×107個の細胞/mL、5×107個の細胞/mLもしくは1×108個の細胞/mL、または少なくとも約1×105個の細胞/mL、5×105個の細胞/mL、1×106個の細胞/mL、5×106個の細胞/mL、1×107個の細胞/mL、5×107個の細胞/mLもしくは1×108個の細胞/mLの細胞密度を有する。いくつかの態様では、組成物の細胞密度は、1×105個の細胞/mL~1×108個の細胞/mL、1×105個の細胞/mL~1×107個の細胞/mL、1×105個の細胞/mL~1×106個の細胞/mL、1×106個の細胞/mL~1×107個の細胞/mL、1×106個の細胞/mL~1×108個の細胞/mL、1×106個の細胞/mL~1×107個の細胞/mLもしくは1×107個の細胞/mL~1×108個の細胞/mL、または約1×105個の細胞/mL~1×108個の細胞/mL、約1×105個の細胞/mL~1×107個の細胞/mL、約1×105個の細胞/mL~1×106個の細胞/mL、約1×106個の細胞/mL~1×107個の細胞/mL、約1×106個の細胞/mL~1×108個の細胞/mL、約1×106個の細胞/mL~1×107個の細胞/mLもしくは約1×107個の細胞/mL~1×108個の細胞/mL(両端の値を含む)である。
組成物の中には、例えば養子細胞療法のための投与のための薬学的組成物および薬学的製剤がある。いくつかの態様では、操作された細胞は、薬学的に許容される担体とともに製剤化される。
薬学的に許容される担体は、薬学的投与に適合するあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤ならびに吸収遅延剤などを含むことができる(Gennaro,2000,Remington:The science and practice of pharmacy,Lippincott,Williams&Wilkins,Philadelphia,PA)。そのような担体または希釈剤の例には、限定されることなく、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液および5%ヒト血清アルブミンが挙げられる。リポソームおよび非水性ビヒクル、例えば固定油も使用され得る。補助活性化合物も組成物に組み込まれ得る。薬学的担体は、生理食塩水、デキストロース溶液、またはヒト血清アルブミンを含む溶液など、NK細胞に適したものであるべきである。
いくつかの態様では、そのような組成物のための薬学的に許容される担体またはビヒクルは、NK細胞が生NK細胞の投与を可能にするのに十分な時間にわたって維持されるか、生存可能なままであり得る任意の非毒性水溶液である。例えば、薬学的に許容される担体またはビヒクルは、生理食塩水または緩衝生理食塩水であり得る。薬学的に許容される担体またはビヒクルはまた、NK細胞の効率を高め得る様々なバイオ材料を含み得る。細胞ビヒクルおよび担体は、例えば、多糖、例えば、メチルセルロース(参照によりその全体が本明細書に組み入れられるM.C.Tate,D.A.Shear,S.W.Hoffman,D.G.Stein,M.C.LaPlaca,Biomaterials 22,1113,2001)、キトサン(各々参照によりその全体が本明細書に組み入れられるSuh J K F,Matthew H W T.Biomaterials,21,2589,2000;Lahiji A,Sohrabi A,Hungerford D S,et al.,J Biomed Mater Res,51,586,2000)、N-イソプロピルアクリルアミドコポリマーP(NIPAM-co-AA)(各々参照によりその全体が本明細書に組み入れられるY.H.Bae,B.Vernon,C.K.Han,S.W.Kim,J.Control.Release 53,249,1998;H.Gappa,M.Baudys,J.J.Koh,S.W.Kim,Y.H.Bae,Tissue Eng. 7,35,2001)、ならびにポリ(オキシエチレン)/ポリ(D,L-乳酸-co-グリコール酸)(参照によりその全体が本明細書に組み入れられるB.Jeong,K.M.Lee,A.Gutowska,Y.H.An,Biomacromolecules 3,865,2002)、P(PF-co-EG)(参照によりその全体が本明細書に組み入れられるSuggs L J,Mikos A G.Cell Trans,8,345,1999)、PEO/PEG(各々参照によりその全体が本明細書に組み入れられるMann B K,Gobin A S,Tsai A T,Schmedlen R H,West J L.,Biomaterials,22,3045,2001;Bryant S J,Anseth K S.Biomaterials,22,619,2001)、PVA(参照によりその全体が本明細書に組み入れられるChih-Ta Lee,Po-Han Kung and Yu-Der Lee,Carbohydrate Polymers,61,348,2005)、コラーゲン(参照によりその全体が本明細書に組み入れられるLee C R,Grodzinsky A J,Spector M.,Biomaterials 22,3145,2001)、アルジネート(各々参照によりその全体が本明細書に組み入れられるBouhadir K H,Lee K Y,Alsberg E,Damm K L,Anderson K W,Mooney D J.Biotech Prog 17,945,2001;Smidsrd O,Skjak-Braek G.,Trends Biotech,8,71,1990)を含み得る。
いくつかの態様では、薬学的組成物を含む組成物は無菌である。いくつかの態様では、細胞の単離または富化は、例えば、エラー、使用者の取扱いおよび/または汚染を最小限に抑えるために、閉鎖環境または無菌環境で行われる。いくつかの態様では、無菌性は、例えば、無菌濾過膜による濾過によって容易に達成され得る。
腫瘍反応性T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含む提供されるT細胞を凍結保存するのに適した組成物も、本明細書において提供される。いくつかの態様では、組成物は凍結保護剤を含む。いくつかの態様では、凍結保護剤は、DMSOおよび/またはグリセロールであるか、DMSOおよび/またはグリセロールを含む。いくつかの態様では、凍結保存のために製剤化された組成物は、低温、例えば超低温で、例えば-40°C~-150°C、例えばまたは約80°C±6.0°Cの温度範囲による保存で保存することができる。
いくつかの態様では、凍結保存された細胞は、解凍することによって投与のために調製される。場合によっては、細胞は、解凍直後に対象に投与され得る。そのような態様では、組成物は、さらに処理することなく、すぐに使用可能である。他の場合では、細胞は、解凍後に、例えば、薬学的に許容される担体との再懸濁、活性化剤または刺激作用物質とのインキュベーションによってさらに処理されるか、活性化され、洗浄され、対象への投与前に薬学的に許容される緩衝液に再懸濁される。
IV. 治療方法および治療用途
対象の疾患または状態、例えばがんを治療する際に使用するための、本明細書において記載される提供される治療用細胞組成物に関する組成物および方法が、本明細書において提供される。そのような方法および使用には、例えば、疾患、状態または障害を有する対象への治療用細胞またはそれを含有する組成物の投与を含む治療方法および使用が含まれる。場合によっては、疾患または障害は、腫瘍またはがんである。いくつかの態様では、細胞またはその薬学的組成物は、疾患または障害の治療を行うのに有効な量で投与される。使用には、そのような方法および治療、ならびにそのような治療方法を行うための医薬品の調製における細胞またはその薬学的組成物の使用が含まれる。いくつかの態様では、方法は、それにより、対象の疾患または状態または障害を治療する。
いくつかの態様では、治療方法は、腫瘍反応性CD3+T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を含有する組成物の有効量を投与する工程を含む。そのような組成物は、提供される方法によって生成された組成物を含め、本明細書において記載されるいずれかのものを含み得る。
いくつかの態様では、対象(例えば、自己)には、提供される方法のいずれかによって生成された105個もしくは約105個から、1012個もしくは約1012個のCD3+T細胞、または提供される方法のいずれかによって生成された105個もしくは約105個から、108個もしくは約108個のCD3+T細胞、または提供される方法のいずれかによって生成された106個もしくは約106個から、1012個もしくは約1012個のCD3+T細胞、または提供される方法のいずれかによって生成された108個もしくは約108個から、1011個もしくは約1011個のCD3+T細胞、または提供される方法のいずれかによって生成された109個もしくは約109個から、1010個もしくは約1010個のCD3+T細胞が投与される。いくつかの態様では、投与のための治療有効量は、提供される方法のいずれかによって生成された105個超もしくは105個超もしくは約105個超のCD3+T細胞、提供される方法のいずれかによって生成された106個もしくは約106個のCD3+T細胞、提供される方法のいずれかによって生成された107個もしくは約107個のCD3+T細胞、提供される方法のいずれかによって生成された108個もしくは約108個のCD3+T細胞、提供される方法のいずれかによって生成された109個もしくは約109個のCD3+T細胞、提供される方法のいずれかによって生成された1010個もしくは約1010個のCD3+T細胞、提供される方法のいずれかによって生成された1011個もしくは約1011個のCD3+T細胞、または提供される方法のいずれかによって生成された1012個もしくは約1012個のCD3+T細胞を含む。いくつかの態様では、そのような量は、疾患または状態を有する対象に、例えばがん患者に投与することができる。いくつかの態様では、投与されるT細胞の数は生存T細胞である。
いくつかの態様では、105個もしくは約105個から、1012個もしくは約1012個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または105個もしくは約105個から、108個もしくは約108個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または106個もしくは約106個から、1012個もしくは約1012個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または108個もしくは約108個から、1011個もしくは約1011個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または109個もしくは約109個から、1010個もしくは約1010個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞が個体に投与される。いくつかの態様では、投与のための治療有効量は、105個超もしくは105個超もしくは約105個超の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、106個もしくは約106個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、107個もしくは約107個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、108個もしくは約108個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、109個もしくは約109個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、1010個もしくは約1010個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、1011個もしくは約1011個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞、または1012個もしくは約1012個の腫瘍反応性CD3+T細胞、もしくは1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のCD3+T細胞を含む。いくつかの態様では、そのような量は、疾患または状態を有する対象に、例えばがん患者に投与することができる。そのような態様では、1つまたは複数のT細胞活性化マーカーは、記載されているいずれかのもの、例えば、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90および/またはCD38のうちのいずれか1つまたは複数であり得る。
いくつかの態様では、量は、一律の用量として投与される。他の態様では、量は、対象の体重1キログラム当たりに投与される。
いくつかの態様では、例えば、腫瘍反応性T細胞、またはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含有する提供される方法のいずれかによって生成された組成物は、提供される方法による増大後すぐに個体に投与される。他の態様では、増大T細胞、例えば、増大腫瘍反応性T細胞、またはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性の増大T細胞は、投与前に、例えば上記の方法によって凍結保存される。例えば、T細胞、例えば、腫瘍反応性T細胞、またはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞は、個体への投与前に6、12、18または24カ月を超えて保存され得る。そのような凍結保存された細胞は、投与前に解凍され得る。
いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞、またはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含有する提供される組成物は、非経口経路、例えば、皮下、筋肉内、静脈内および/または硬膜外投与経路を含む任意の好都合な経路によって対象に投与され得る。
いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞、またはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含有する組成物は、単回用量で投与され得る。そのような投与は、注射、例えば静脈内注射によるものであり得る。いくつかの態様では、腫瘍反応性T細胞、またはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞は、複数回用量で投与され得る。投与は、1年に1回、2回、3回、4回、5回、6回または6回超であり得る。投与は、1カ月に1回、2週間に1回、1週間に1回、または1日おきに1回であり得る。そのような組成物および細胞の投与は、必要な限り継続し得る。
いくつかの態様では、対象に、例えば、提供される方法のいずれかによって生成された、または腫瘍反応性T細胞、もしくはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含有する提供される組成物からの細胞の用量を投与する前に、リンパ球除去療法(lymphodepleting therapy)が投与される。リンパ球除去療法は、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミド(活性型はマホスファミドと呼ばれる)およびそれらの組合せの投与を含み得る。そのような方法は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み入れられるGassner et al.(Cancer Immunol Immunother. 201 1,60(l):75-85、Muranski,et al,Nat Clin Pract Oncol,2006 3(12):668-681、Dudley,et al.,J Clin Oncol 2008,26:5233-5239、およびDudley,et al.,J Clin Oncol. 2005,23(10):2346-2357に記載されている。いくつかの態様では、フルダラビンは、10mg/kg/日、15mg/kg/日、20mg/kg/日、25mg/kg/日、30mg/kg/日、35mg/kg/日、40mg/kg/日もしくは45mg/kg/日の投与量、または前述のいずれかの範囲の間の投与量で投与される。いくつかの態様では、フルダラビンは、2~7日間、例えば、3~5日間、例えば、3日間もしくは約3日間、4日間もしくは約4日間、または5日間もしくは約5日間にわたる。いくつかの態様では、シクロホスファミドは、100mg/m2/日、150mg/m2/日、175mg/m2/日、200mg/m2/日、225mg/m2/日、250mg/m2/日、275mg/m2/日または300mg/m2/日の投与量で投与される。いくつかの態様では、シクロホスファミドは、静脈内(すなわち、i.v.)投与される。いくつかの態様では、シクロホスファミド治療は、2~7日間、例えば、3~5日間、3日間もしくは約3日間、4日間もしくは約4日間、または5日間もしくは約5日間にわたる。リンパ球除去療法は、提供される細胞組成物の前に投与される。いくつかの態様では、リンパ球除去療法は、提供される細胞組成物の投与の1週間以内、例えば、細胞の用量の投与の5~7日前に行われる。
本明細書において記載される組成物は、過剰増殖性障害を治療するための方法で使用することができる。好ましい態様では、それらはがんの治療に使用するためのものである。いくつかの局面では、がんは、メラノーマ、卵巣がん、子宮頸がん、肺がん、膀胱がん、乳がん、頭頸部がん、腎細胞がん、急性骨髄性白血病、結腸直腸がんおよび肉腫であり得る。いくつかの態様では、がんは、高い変異負荷を有するがんである。いくつかの態様では、がんは、メラノーマ、肺扁平上皮、肺腺がん、膀胱がん、肺小細胞がん、食道がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、頭頸部がん、胃がん、または子宮がんである。
いくつかの態様では、がんは上皮がんである。いくつかの態様では、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、CRC、卵巣がん、乳がん、食道がん、胃がん、膵がん、胆管細胞がん、子宮内膜がんから選択される。いくつかの態様では、乳がんはHR+/Her2-乳がんである。いくつかの態様では、乳がんはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)である。いくつかの態様では、乳がんはHER2+乳がんである。
いくつかの態様では、対象は、血液腫瘍であるがんを有する。血液腫瘍の非限定的な例には、白血病、例えば、急性白血病(l lq23陽性急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、急性骨髄性白血病および骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病ならびに赤白血病など)、慢性白血病(慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性白血病および慢性リンパ性白血病など)、真性赤血球増加症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(緩徐進行型および高悪性度型)、多発性骨髄腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、重鎖病、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病および脊髄形成異常症が挙げられる。
いくつかの態様では、対象は、固形腫瘍がんを有する。肉腫およびがん腫などの固形腫瘍の非限定的な例には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫および他の肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸がん、リンパ系腫瘍、膵がん、乳がん(基底乳がん、乳管がん、および乳房の小葉がんを含む)、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、肝細胞がん、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、甲状腺髄様がん、甲状腺乳頭がん、クロム親和細胞腫皮脂腺がん、乳頭状がん、乳頭状腺がん、髄様がん、気管支原性がん、腎細胞がん、肝細胞腫、胆管がん、絨毛がん、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、セミノーマ、膀胱がんならびにCNS腫瘍(神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫など)が挙げられる。いくつかの例では、腫瘍は、メラノーマ、肺がん、リンパ腫乳がんまたは結腸がんである。
いくつかの態様では、がんは皮膚がんである。特定の態様では、がんは、皮膚メラノーマなどのメラノーマである。いくつかの態様では、がんは、メルケル細胞がんまたは転移性皮膚扁平上皮がん(CSCC)である。
いくつかの態様では、腫瘍はがん腫であり、がん腫は、上皮細胞から発生するがんであるか、上皮起源のがんである。いくつかの態様では、がんは、限定されることなく、乳がん、基底細胞がん(basal cell carcinoma)、腺がん、消化管がん、口唇がん、口腔がん、食道がん、小腸がんおよび胃がん、結腸がん、肝がん、膀胱がん、膵がん、卵巣がん、子宮頸がん、肺がん、乳がんおよび皮膚がん、例えば、扁平上皮がんおよび基底細胞がん(basal cell cancer)、前立腺がん、腎細胞がん、ならびに全身の上皮細胞に影響を及ぼす他の公知のがんを含む上皮細胞から生じる。
いくつかの態様では、対象は、消化管(GI管)のがん、例えば、がん、もしくは上部消化管もしくは下部消化管、または食道、胃、胆管系、膵臓、小腸、大腸、直腸もしくは肛門などの消化の副器官を含む消化管がんであるがんを有する。いくつかの態様では、がんは、食道がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、膵がん、肝がん(肝細胞がん)、胆嚢がん、粘膜関連リンパ組織のがん(MALTリンパ腫)、胆管のがん、結腸直腸がん(結腸がん、直腸がんまたはその両方を含む)、肛門がん、または消化管カルチノイド腫瘍である。特定の態様では、がんは結腸直腸がんである。いくつかの態様では、がんは結腸直腸がんである。結腸直腸がん(CRC)は、発生率が増加している一般的な腫瘍であり、多くの場合、チェックポイント阻害または他の免疫療法に応答しない。これは、そのようながんが、応答、例えば、ある程度高い変異率、および予後とT細胞浸潤のレベルとの十分に確立された関連性に関連する特性を有する場合であっても当てはまる。
いくつかの態様では、がんは卵巣がんである。いくつかの態様では、がんはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)である。
いくつかの態様では、がんは肺がんである。いくつかの態様では、がんは乳がんである。いくつかの態様では、がんは結腸直腸がんである。いくつかの態様では、がんは膵がんである。いくつかの態様では、がんはメルケル細胞がんである。いくつかの態様では、がんは転移性皮膚扁平上皮がん(CSCC)である。いくつかの態様では、がんはメラノーマである。
いくつかの態様では、対象は、がんが抗PD1療法または抗PD-L1療法などのチェックポイント遮断に対して抵抗性であるか、そのようなチェックポイント遮断による治療後に再発した対象である。
いくつかの態様では、対象は、治療用細胞組成物を生成するために生体試料が得られたのと同じ対象である。いくつかのそのような態様では、提供される治療方法は、対象にとって自己由来のT細胞を含有する治療組成物による養子細胞療法である。
いくつかの態様では、本明細書において提供される細胞組成物は、治療される対象にとって自己由来である。そのような態様では、増大のための出発細胞は、場合によっては記載の1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の富化を含め、本明細書において記載されるように対象からの生体試料から直接単離され、本明細書において提供される増大のための条件下で培養される。いくつかの態様では、培養する工程は、記載されるように、共刺激アゴニストおよび/またはアポトーシス阻害物質などの1つまたは複数のT細胞アジュバントとのインキュベーションと、1つまたは複数のT細胞刺激物質とのインキュベーションとを含む。いくつかの局面では、対象からの生体試料は、腫瘍試料またはリンパ節試料およびそのような試料腫瘍であるか、それらを含み、そのような組織の量が、例えば、切除または生検(例えば、コア針生検または穿刺吸引)によって得られる。いくつかの態様では、対象からの生体試料は、アフェレーシス試料などの末梢血試料であるか、そのような末梢血試料を含む。いくつかの態様では、増大のための条件下で培養した後、細胞を製剤化し、任意で、同じ対象へのその後の投与のために凍結保存し、がんを治療する。
いくつかの態様では、本明細書において提供される細胞組成物は、治療される対象にとって同種異系である。いくつかの局面では、細胞が由来するか単離される対象は、健常対象であるか、がんなどの疾患または状態を有することが知られていない。そのような態様では、増大のための出発細胞は、場合によっては記載の1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の富化を含め、本明細書において記載されるようにそのような対象からの生体試料から直接単離され、本明細書において提供される増大のための条件下で培養される。いくつかの態様では、培養する工程は、記載されるように、共刺激アゴニストおよび/またはアポトーシス阻害物質などの1つまたは複数のT細胞アジュバントとのインキュベーションと、1つまたは複数のT細胞刺激物質とのインキュベーションとを含む。いくつかの局面では、対象からの生体試料は、腫瘍試料またはリンパ節試料およびそのような試料腫瘍であるか、それらを含み、そのような組織の量が、例えば、切除または生検(例えば、コア針生検または穿刺吸引)によって得られる。いくつかの態様では、対象からの生体試料は、アフェレーシス試料などの末梢血試料であるか、そのような末梢血試料を含む。いくつかの態様では、増大のための条件下で培養した後、細胞を製剤化し、任意で、異なる対象へのその後の投与のために凍結保存し、そのような異なる対象のがんを治療する。
いくつかの態様では、提供される方法は、1つまたは複数の他の免疫療法を用いて行うことができる。いくつかの態様では、免疫療法は、免疫チェックポイント阻害物質である免疫調節剤である。いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害物質は、CD25、PD-1、PD-L1、PD-L2、CTLA-4、LAG-3、TIM-3、4-1BB、GITR、CD40、CD40L、OX40、OX40L、CXCR2、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、CD28、TIGITおよびVISTAの中から選択される分子に特異的に結合する。いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害物質は、抗体または抗原結合断片、小分子またはポリペプチドである。いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害物質は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MK-3475、BMS-936559、MPDL3280A、イピリムマブ、トレメリムマブ、IMP31、BMS-986016、ウレルマブ、TRX518、ダセツズマブ、ルカツムマブ、SEQ-CD40、CP-870、CP-893、MED16469、MEDI4736、MOXR0916、AMP-224、およびMSB001078Cの中から選択されるか、またはその抗原結合断片である。
いくつかの態様では、提供される方法は、記載される細胞療法とPD-1阻害物質またはPD-L1阻害物質との併用療法を含む。PD-1阻害物質またはPD-L1阻害物質は、結合抗体、アンタゴニストまたは阻害物質(すなわち、遮断剤)を含み得る。
一態様では、PD-I阻害物質は、ニボルマブ(Bristol-Myers Squibb Co.からOPDIVOとして市販されている)、またはそのバイオ後続品、抗原結合断片、コンジュゲートもしくは変異体である。ニボルマブは、PD-I受容体を遮断する完全ヒトIgG4抗体である。一態様では、抗PD-I抗体は、免疫グロブリンG4κ、抗(ヒトCD274)抗体である。ニボルマブは、Chemical Abstracts Service(CAS)登録番号946414-94-4を割り当てられており、5C4、BMS-936558、l\tIDX-1106およびONO-4538としても知られている。ニボルマブの調製および特性は、米国特許第8,008,449号および国際特許公開第WO2006/121168号に記載されている。
別の態様では、PD-1阻害物質は、ペンブロリズマブ(Merck&Co.,Inc.,Kenilworth,NJ,USAからKEYTRUDAとして市販されている)、またはその抗原結合断片、コンジュゲートもしくは変異体を含む。ペンブロリズマブは、CAS登録番号1374853-91-4を割り当てられており、ランブロリズマブ、MK-3475およびSCH-900475としても知られている。ペンブロリズマブの特性、使用および調製は、国際特許公開第WO2008/156712号、米国特許第8,354,509号ならびに米国特許出願公開第US2010/0266617号、米国特許出願公開第US2013/0108651号および米国特許出願公開第US2013/0109843号に記載されている。
一態様では、PD-LI阻害物質は、MEDI4736(AstraZeneca plc.の子会社であるMedimmune,LLC,Gaithersburg,JVIarylandから市販されている)としても知られるデュルバルマブ、またはその抗原結合断片、コンジュゲートもしくは変異体である。一態様では、PD-LI阻害物質は、米国特許第8,779,108号または米国特許出願公開第2013/0034559号に開示されている抗体である。
一態様では、PD-LI阻害物質は、MSB0010718C(Merck KGaA/EMD Seronoから市販されている)としても知られるアベルマブ、またはその抗原結合断片、コンジュゲートもしくは変異体である。アベルマブの調製および特性は、米国特許出願公開第US2014/0341917号に記載されている。
一態様では、PD-LI阻害物質は、MPDL3280AもしくはRG7446(Roche Holding AG,Basel,Switzerlandの子会社であるGenentech,Inc.からTECENTRIQとして市販されている)としても知られるアテゾリズマブ、またはその抗原結合断片、コンジュゲートもしくは変異体である。一態様では、PD-LI阻害物質は、その開示が参照により本明細書に具体的に組み入れられる米国特許第8,217,149号に開示されている抗体である。一態様では、PD-LI阻害物質は、米国特許出願公開第2010/0203056号、米国特許出願公開第2013/0045200号、米国特許出願公開第2013/0045201号、米国特許出願公開第2013/0045202号または米国特許出願公開第2014/0065135号に開示されている抗体である。アテゾリズマブの調製および特性は、米国特許第8,217,149号に記載されている。
V. キットおよび製造物品
腫瘍反応性T細胞、またはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含有するか、それらが富化された提供される組成物を含む製造物品およびキットが、本明細書において提供される。いくつかの態様では、組成物は、提供される方法のいずれかによって生成される。
キットは、任意で、使用説明書、装置および追加の試薬(例えば、組成物の希釈および/または凍結乾燥タンパク質の再構成のための滅菌水または生理食塩水)などの1つまたは複数の構成要素、ならびに方法を実施するためのチューブ、容器およびシリンジなどの構成要素を含むことができる。いくつかの態様では、キットは、試料の収集、試料の調製および処理のための試薬、および/または試料中の1つまたは複数の表面マーカーの量を定量するための試薬、例えば、限定されることなく、検出試薬、例えば、抗体、緩衝液、酵素染色のための基質、クロマジェンまたは他の材料、例えば、スライド、容器、マイクロタイタープレート、ならびに任意で方法を行うための説明書をさらに含むことができる。当業者であれば、提供される方法に従って使用することができる多くの他の可能な容器およびプレートおよび試薬を認識するであろう。
いくつかの態様では、キットは、細胞、抗体もしくは試薬、もしくはその組成物、または1つもしくは複数の他の成分を包装するための包装材料を含む製造物品として提供され得る。例えば、キットは、容器、ボトル、チューブ、バイアル、およびキットの構成要素を分離または編成するのに適した任意の包装材料を含むことができる。1つまたは複数の容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成されてもよい。いくつかの態様では、1つまたは複数の容器は、方法で使用するための細胞もしくは抗体または他の試薬を含む組成物を保持する。本明細書における製造物品またはキットは、別個の容器または同じ容器に細胞、抗体または試薬を含み得る。
いくつかの態様では、組成物を保持する1つまたは複数の容器は、単回使用バイアルまたは複数回使用バイアルであってよく、場合によっては、組成物の繰り返し使用を可能にし得る。いくつかの態様では、製造物品またはキットは、好適な希釈剤を含む第2の容器をさらに含み得る。製造物品またはキットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、治療剤および/または使用説明書付きの添付文書を含む、商業的観点、治療的観点および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
いくつかの態様では、キットは、任意で、説明書を含むことができる。説明書は、典型的には、細胞組成物、任意で、キットに含まれる他の成分、およびそのようなものを使用するための方法を記載する具体的な表現を含む。いくつかの態様では、説明書は、例えば、提供される態様のいずれかに従って、疾患または状態を治療するために対象に投与するための細胞組成物を使用するための方法を示す。いくつかの態様では、説明書は、容器上にあるか容器に関連付けられたラベルまたは添付文書として提供される。いくつかの態様では、説明書は、組成物の再構成および/または使用のための指示を示し得る。
VI. 定義
他に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語、表記ならびに他の技術的および科学的な用語または専門用語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。場合によっては、一般的に理解される意味を有する用語は、明確にするためおよび/または容易に参照するために本明細書において定義され、本明細書においてそのような定義を含めることは、当技術分野において一般に理解されるものとの実質的な違いを表すと必ずしも解釈されるべきではない。
本明細書において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の言及を含む。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。本明細書において記載される局面および変形例は、局面および変形例「からなる」および/または「から本質的になる」ことを含むことが理解される。
本開示を通して、特許請求される主題の様々な局面は、範囲形式で提示される。範囲形式での説明は、単に便宜および簡潔さのためのものであり、特許請求される主題の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、すべての可能な部分範囲、およびその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると考えられるべきである。例えば、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値、およびその記載された範囲内の任意の他の記載値または介在値は、特許請求される主題内に包含されることが理解される。これらのさらに小さい範囲の上限および下限は、そのさらに小さい範囲に独立して含まれてもよく、また、記載された範囲内の任意の具体的に除外された限界を条件として、特許請求される主題内に包含される。記載された範囲が限界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界値の一方または両方を除外した範囲も、特許請求される主題に含まれる。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
本明細書において使用される用語「約」は、この技術分野の当業者に容易に知られているそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」何らかの値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする態様を含む(および説明する)。例えば、「約X」を参照する記載は、「X」という記載を含む。
用語「エピトープ」は、タンパク質抗原に由来する短いペプチドを意味し、ペプチドは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合し、MHCに結合した状況でT細胞によって認識される。エピトープは、MHCクラスI分子(例えば、HLA-A1 HLA-A2またはHLA-A3)またはMHCクラスII分子に結合し得る。
用語「T細胞アジュバント」は、T細胞の生存を促進し、細胞をアポトーシスから救済し、増大を維持し、かつ/またはサイトカイン産生を増加させる作用物質または分子を指す。例示的なT細胞アジュバントには、例えば、T細胞共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質が含まれる。
用語「アゴニスト」および「アゴニスト性」は、例えば、共刺激アゴニストに関して、共刺激受容体、例えば、OX40もしくは4-1BBまたは他の共刺激受容体によって媒介される生物学的活性または生物学的活性化を直接的または間接的に、実質的に誘導、促進または増強することができる分子を指すか、記載する。アゴニストは、抗体または抗原結合断片であり得るか、共刺激受容体のリガンドであり得る。例えば、アゴニストは、その相補的な生物学的に活性な受容体に結合し、それを活性化して受容体に対して生物学的応答を引き起こすか、受容体の既存の生物学的活性を増強する生物学的に活性なリガンドであり得る。
本明細書において使用される用語「同種異系」は、1つの生物から取り出され、次いで同じ種の遺伝的に異なる生物に注入または養子移入される細胞または組織を意味する。
本明細書において使用される用語「自己」は、それが後に注入または養子移入される同じ生物から取り出される細胞または組織を意味する。
本明細書における用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、断片抗原結合(Fab)断片、F(ab’)2断片、Fab’断片、Fv断片、組換えIgG(rIgG)断片、一本鎖可変断片(scFv)を含む一本鎖抗体断片、および単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)断片を含むインタクトな抗体および機能的(抗原結合)抗体断片を含むポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を含む。この用語は、遺伝子操作されたおよび/または他の方法で改変された形態の免疫グロブリン、例えば、イントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性、例えば二重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディ、タンデムジ-scFv、タンデムトリ-scFvを包含する。特に指示しない限り、用語「抗体」は、その機能的抗体断片を包含すると理解されるべきである。この用語はまた、IgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgAならびにIgDを含む任意のクラスまたはサブクラスの抗体を含むインタクトな抗体または全長抗体を包含する。提供される抗体の中には抗体断片がある。
「抗体断片」または「抗原結合断片」は、抗原に結合する可変領域を少なくとも含む従来のまたはインタクトな抗体の一部を含む、従来のまたはインタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、限定されることなく、Fv、一本鎖Fv(sdFv)、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;線状抗体;VH領域(VHH)のみを含む単一ドメイン抗体が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「結合する」「結合した」またはその文法的変形例は、分子が別の分子とのいずれかの引力相互作用に関与し、2つの分子が互いに近接している安定した会合をもたらすことを指す。結合には、限定されることなく、非共有結合、共有結合(可逆的共有結合および不可逆的共有結合など)が含まれ、限定されることなく、タンパク質、核酸、炭水化物、脂質および小分子、例えば、薬物を含む化合物などの分子間の相互作用が含まれる。
用語「生体試料」は、生き物または以前生きていた物から得られたある量の物質を意味する。そのような物質には、限定されることなく、血液、(例えば、全血)、血漿、血清、尿、羊水、滑液、内皮細胞、白血球、単球、他の細胞、器官、組織、骨髄、リンパ節および脾臓が含まれる。
本明細書において使用される場合、1つまたは複数の特定の細胞型または細胞集団を指す場合の「富化する」は、例えば、組成物中の細胞の総数、もしくは組成物の体積と比較して、または他の細胞型と比較して、例えば、集団もしくは細胞によって発現されるマーカーに基づく陽性選択によって、または枯渇される細胞集団もしくは細胞上に存在しないマーカーに基づく陰性選択によって、細胞型または集団の数または割合を増加させることを指す。この用語は、組成物からの他の細胞、細胞型または集団の完全な除去を必要とせず、そのように富化された細胞が富化された組成物中に100%またはさらには100%近く存在することを必要としない。
用語「同時に」は、本明細書において、2つまたはそれ以上の作用物質を伴うインキュベーション、選択、富化、または投与などの手順を指すために使用され、1つの作用物質を用いる特定の手順の少なくとも一部は、少なくとも第2の作用物質と時間的に重複する。
用語「断続的に」は、本明細書において、2つまたはそれ以上の作用物質を伴うインキュベーション、選択、富化、または投与などの手順を指すために使用され、各作用物質を伴う特定の手順は、一定の間隔で発生しないか、連続しないか、その間の期間で繰り返し停止および開始する。
用語「連続的に」は、本明細書において、2つまたはそれ以上の作用物質を伴うインキュベーション、選択、富化、または投与などの手順を指すために使用され、各作用物質を伴う特定の手順は時間的に重複しない。
本明細書において使用される場合、ペプチド、タンパク質またはポリペプチドに関して「単離された」または「精製された」は、他のあらゆるポリペプチド、夾雑物、出発試薬または他の材料を実質的に含まないか、化学合成された場合に化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない分子を指す。調製物は、当業者がそのような純度を評価するために使用する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)もしくはキャピラリー電気泳動(CE)などの標準的な分析方法によって決定されるように、またはさらに精製しても物質の物理的および化学的な特性を検出可能に変化させないように十分に純粋であるように容易に検出可能な不純物を含まないと思われる場合、容易に検出可能な不純物を実質的に含まないと決定され得る。
本明細書において使用される場合、用語「組換え」は、外因性、例えば異種核酸分子の導入によって修飾された細胞、微生物、核酸分子またはベクターを指すか、内因性の核酸分子または遺伝子の発現が制御されるか、調節解除されるか、構成的になるように改変された細胞または微生物を指し、そのような改変または修飾は遺伝子工学によって導入され得る。遺伝子改変には、例えば、1つもしくは複数のタンパク質もしくは酵素をコードする核酸分子(プロモーターなどの発現制御要素を含み得る)を導入する修飾、または他の核酸分子の付加、欠失、置換、もしくは細胞の遺伝物質の他の機能的破壊もしくは細胞の遺伝物質への付加が含まれ得る。例示的な修飾には、参照分子または親分子由来の異種ポリペプチドまたは相同ポリペプチドのコード領域またはその機能的断片における修飾が含まれる。用語「組換え」はまた、そのような核酸分子もしくはベクターから、または外因性核酸が導入されたか外因性核酸によって修飾されたそのような細胞もしくは微生物から発現されるタンパク質産物を指し得る。
本明細書において使用される場合、組成物とは、細胞を含む2つまたはそれ以上の生成物、物質または化合物の任意の混合物を指す。組成物は、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性、またはその任意の組合せであり得る。
本明細書において使用される場合、「任意の」または「任意で」は、続いて記載される事象または状況が発生するか、発生しないことを意味し、その説明が、該事象または状況が発生する場合と、発生しない場合とを含むことを意味する。例えば、置換されていてもよい基とは、その基が非置換であるか置換されていることを意味する。
用語「薬学的組成物」は、哺乳動物対象、多くの場合ヒトに対する薬学的使用に適した組成物を指す。薬学的組成物は、典型的には、有効量の活性薬剤(例えば、提供される方法に従って増大されたような細胞)および担体、賦形剤または希釈剤を含む。担体、賦形剤、または希釈剤は、典型的には、それぞれ薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤である。
「薬学的に許容される担体」は、対象への投与のための「薬学的組成物」を一緒に含む治療剤とともに使用するための当技術分野において慣用的な非毒性の固体、半固体もしくは液体の充填剤、希釈剤、カプセル化材料、製剤補助剤または担体を指す。薬学的に許容される担体は、使用される投与量および濃度で受容者にとって非毒性であり、製剤の他の成分と適合性がある。薬学的に許容される担体は、使用される製剤にとって適切である。
本明細書における「細胞集団」への言及は、共通の形質を共有するいくつかの細胞を指すことを意味する。細胞集団は、一般に、複数の細胞、例えば、100個超または約100個超の細胞、1000個または約1000個の細胞を含有し、典型的には数が1×104~1×1010個に及ぶ。
タンパク質に関して本明細書において使用される用語「可溶性」は、タンパク質が細胞または固体支持体、例えばビーズなどの粒子に結合、固定化または付着していないことを意味する。例えば、可溶性タンパク質には、細胞の細胞膜に膜貫通タンパク質として結合していないタンパク質が含まれる。場合によっては、タンパク質の溶解度は、Fcドメインなどの別の分子への直接的またはリンカーを介した間接的な連結または付着によって改善することができ、これにより、場合によっては、タンパク質の安定性および/または半減期も改善することができる。いくつかの局面では、可溶性タンパク質はFc融合タンパク質である。
本明細書において使用される用語「特異的に結合する」は、特異的結合条件下で、その親和性またはアビディティーが、十分な統計的サイズのランダムペプチドまたはポリペプチドの集合体に対する同じタンパク質の平均親和性または平均アビディティーの少なくとも10倍であるが、任意で50、100、250、もしくは500倍、または少なくとも1000倍でさえあるように、タンパク質が標的タンパク質に結合する能力を意味する。特異的に結合するタンパク質は、単一の標的分子に排他的に結合する必要はなく、複数の標的分子に特異的に結合してもよい。場合によっては、特異的に結合するタンパク質は、標的タンパク質と構造的立体配座が類似しているタンパク質(例えば、パラログまたはオルソログ)に結合し得る。当業者であれば、異なる動物種では同じ機能を有する分子(すなわち、オルソログ)への、または標的分子と実質的に同様のエピトープを有する分子(例えば、パラログ)への特異的結合が可能であり、固有の非標的の統計的に有効な集合体(例えば、ランダムポリペプチド)と比較して決定される結合の特異性を損なわないことを認識するであろう。固相ELISAイムノアッセイ、ForteBio OctetまたはBiacoreの測定値を使用して、2つのタンパク質間の特異的結合を決定することができる。一般に、2つの結合タンパク質間の相互作用は、約1×10-5M未満、多くの場合約1×10-12Mという低さの解離定数(Kd)を有する。本開示の特定の局面では、2つの結合タンパク質間の相互作用は、約1×10-6M、1×10-7M、1×10-8M、1×10-9M、1×10-10M、もしくは1×10-11Mまたはそれ未満を下回る解離定数を有する。
本明細書において使用される場合、細胞または細胞集団が特定のマーカーに対して「陽性」であるという記述は、特定のマーカー、典型的には表面マーカーが細胞上または細胞内に検出可能に存在することを指す。表面マーカーに言及する場合、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体によって染色し、該抗体を検出することによって検出される表面発現の存在を指し、染色は、他の点では同一の条件下でアイソタイプを適合させた対照を用いて同じ手順を行う検出された染色を実質的に上回るレベルで、および/またはマーカーに対して陽性であると知られている細胞のレベルと実質的に同様のレベルで、および/またはマーカーに対して陰性であると知られている細胞のレベルよりも実質的に高いレベルで、フローサイトメトリーによって検出可能である。
本明細書において使用される場合、細胞または細胞集団が特定のマーカーに対して「陰性」であるという記述は、特定のマーカー、典型的には表面マーカーが細胞上または細胞内に実質的に検出可能に存在しないことを指す。表面マーカーに言及する場合、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体によって染色し、該抗体を検出することによって検出される表面発現の非存在を指し、染色は、他の点では同一の条件下でアイソタイプを適合させた対照を用いて同じ手順を行う検出された染色を実質的に上回るレベルで、および/またはマーカーに対して陽性であると知られている細胞のレベルよりも実質的に低いレベルで、および/またはマーカーに対して陰性であると知られている細胞のレベルと比較して実質的に同様のレベルで、フローサイトメトリーによって検出可能である。
本明細書において使用される場合、「対象」は、ヒトまたは他の動物などの哺乳類であり、典型的にはヒトである。対象は、男性または女性であり得、乳児、若年、青年、成人および老人の対象を含む任意の好適な年齢であり得る。
用語「有効量」または「治療有効量」は、患者に投与された場合に、状態、障害もしくは疾患または他の適応症の症状が改善されるか、他の点で有益に変化する任意の様式をもたらす、例えば、提供される方法に従って増大させた細胞を含有するような治療組成物の量および/または濃度を指す。疾患または障害を治療するための有効量は、疾患または障害に関連する少なくとも1つの症状または生物学的応答もしくは作用を軽減、低減または緩和するか、疾患または障害の進行を予防するか、患者の身体機能を改善する量であり得る。特定の局面では、例えば、症状および/または疾患の原因を改善または排除することによる、疾患進行の統計学的に有意な阻害がある。細胞療法の場合、有効量は、患者に投与される細胞の有効な用量または数である。いくつかの態様では、患者はヒト患者である。
本明細書において使用される場合、「疾患」、「障害」または「状態」は、限定されることなく、感染、後天性状態、遺伝的状態を含む原因または状態から生じ、識別可能な症状を特徴とする、生物における病理学的状態を指す。特に、それは、治療が必要とされる、および/または所望される状態である。
本明細書において使用される場合、疾患または障害を「治療する(treating)」、疾患または障害の「治療」または「療法」という用語は、臨床的または診断的な症状のいずれかの減少、停止または排除によって、免疫調節タンパク質、または本発明の操作された細胞を単独でまたは本明細書において記載される別の化合物と組み合わせて投与することによって証明されるように、疾患または障害の進行を遅らせる、停止させるまたは逆転させることを意味する。「治療する」、「治療」または「療法」はまた、急性もしくは慢性の疾患もしくは障害における症状の重症度の減少、または例えば再発もしくは寛解する自己免疫疾患の経過の場合のような再発率の減少、または自己免疫疾患の炎症性の局面の場合の炎症の減少を意味する。本発明の文脈で使用される疾患または障害を「予防する(preventing)」、疾患または障害の「予防(prophylaxis)」または「予防(prevention)」は、疾患もしくは障害、もしくは疾患もしくは障害の症状の一部もしくは全部の発生もしくは発症を予防するために、または疾患もしくは障害の発症の可能性を低下させるために、単独でまたは別の化合物と組み合わせて、本発明の免疫調節タンパク質、または免疫調節タンパク質を発現する操作された細胞を投与することを指す。例えば、がんの文脈では、がんの「治療」またはがんを「阻害する(inhibit)」、「阻害する(inhibiting)」もしくはがんの「阻害(inhibition)」という用語は、限定されることなく、Response Evaluation Criteria for Solid Tumors(RECIST)などの標準的な基準によって測定した場合の腫瘍増殖速度の統計的に有意な減少、腫瘍増殖の停止、もしくは腫瘍のサイズ、質量、代謝活性もしくは体積の減少、または無増悪生存期間(PFS)もしくは全生存期間(OS)の統計的に有意な増加のうちの少なくとも1つを指す。
用語「抗原」は、免疫応答を誘導することができる分子を指す。典型的には、抗原は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子によって提示される場合、抗体またはT細胞受容体などの免疫分子上の認識部位によって結合され得る分子である。抗原は、抗原の一部である各エピトープが抗体またはTCR/MHC複合体の認識部位によって結合され得る1つまたは複数のエピトープを有することができる。いくつかの態様では、抗原は、Bリンパ球および/またはTリンパ球の活性化をもたらす液性免疫応答または細胞性免疫応答を誘導することができる。
本明細書において使用される場合、「腫瘍関連抗原」または「腫瘍特異的抗原」は、正常細胞上ではなくがん細胞上にのみ見られるタンパク質または他の分子を指す。
本明細書において使用される場合、「ネオ抗原」は、ウイルス感染、腫瘍性形質転換、薬物代謝または他の様式による宿主抗原の変化によって生じるものなど、免疫系が以前に曝露されていない抗原を指す。特定の局面では、ネオ抗原は、腫瘍特異的変異遺伝子によってコードされる抗原、または腫瘍細胞に発生する新しい抗原である。
用語「インビボ」は、哺乳動物対象の体内で起こる事象を指す。
用語「エクスビボ」は、哺乳動物対象由来であるが哺乳動物対象の体外の組織もしくは細胞上または組織もしくは細胞内で起こる事象を指す。典型的には、事象は外部環境で行われる。特定の局面では、エクスビボ手順は、器官、細胞または組織が、治療または手順のために対象、典型的には生体から採取され、次いで対象に戻されるいずれかのものを含む。
用語「インビトロ」は、実験室などの試験系で起こる事象を指す。
本明細書において使用される場合、キットとは、包装された組合せであり、包装された組合せは、他の要素、例えば、追加の試薬、および組合せまたはその要素の使用説明書を任意で含む。
用語「添付文書」は、治療用製品の市販パッケージに通常含まれる説明書であって、そのような治療用製品の使用に関する適応症、用法、投与量、投与、併用療法、禁忌および/または警告に関する情報を含む、説明書を指すために使用される。
本明細書において使用される場合、「製造物品」は、作製され、場合によっては販売可能な製品である。いくつかの態様では、この用語は、容器などの包装物品に含まれる組成物を指し得る。
本明細書において記載される本発明の局面および態様は、局面および態様「を含む」、「からなる」および「から本質的になる」ことを含むことが理解される。
例示的な態様
提供される態様の中には以下がある。
1. 腫瘍反応性T細胞を製造するための方法であって、方法が、共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を含むT細胞のエクスビボ集団をインキュベートすることを含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、T細胞集団が、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化され、インキュベーションの少なくとも一部が、T細胞を活性化するための条件下でT細胞刺激物質とともにT細胞をインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われ、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、
方法によって生成された細胞を採取する工程と
を含む、方法。
2. 腫瘍反応性T細胞を製造するための方法であって、
(1)(a)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントとともに、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を含むT細胞のエクスビボ集団をインキュベートすることであって、T細胞集団が、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化される、インキュベートすること;ならびに
(b)T細胞を活性化するための条件下で、T細胞刺激物質とともにT細胞をインキュベートすることであって、インキュベートすることの少なくとも一部が、(a)でインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われる、インキュベートすること
を含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、
(2)方法によって生成された細胞を採取する工程と
を含む、方法。
3. T細胞を培養する工程が、1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で細胞をインキュベートすることをさらに含み、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることおよび/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われる、態様1または態様2の方法。
4. T細胞刺激物質、少なくとも1つのT細胞アジュバント、および/または1つもしくは複数の組換えサイトカインとともに細胞をインキュベートする段階のうちの1つまたは複数の後に細胞を洗浄する工程をさらに含む、態様1~3のいずれかの方法。
5. 培養する工程が、閾値量の細胞が得られるまで、および/または最大20日間にわたり行われる、態様1~4のいずれかの方法。
6. 腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団が、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含む、態様1または態様5の方法。
7. 腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団が、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞について富化される、態様1~6のいずれかの方法。
8. 腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団が、腫瘍反応性T細胞について富化される、態様1~7のいずれかの方法。
9. T細胞が、対象、任意でヒト対象からの初代T細胞を含む、態様1~8のいずれかの方法。
10. 腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団が、対象からの生体試料由来の自己T細胞と抗原提示細胞(APC)とを含むエクスビボ共培養物中に存在し、共培養が、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で行われる、態様1~9のいずれかの方法。
11. 腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団が、
(a)対象からの健常組織および腫瘍組織のエクソームシーケンシングによって、1つまたは複数の腫瘍関連抗原に関連する体細胞変異を同定する段階;
(b)1つまたは複数の腫瘍関連抗原の少なくとも1つのエピトープを同定する段階であって、任意で、少なくとも1つのエピトープがネオエピトープである、段階;
(c)対象からの生体試料から自己T細胞集団を単離する段階;
(d)主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の表面上にペプチドのうちの1つまたは複数を提示するための条件下で、1つまたは複数の腫瘍関連抗原の少なくとも1つのエピトープを含む1つまたは複数のペプチドに曝露されたことがあるまたは接触したことがある抗原提示細胞(APC)とT細胞集団を共培養し、それによって、1つまたは複数のペプチドに対して反応性である腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を生成する段階
を含むプロセスによって生成される、態様1~10のいずれかの方法。
12. APCを1つまたは複数のペプチドに曝露または接触させることが、
1つまたは複数のエピトープを含むペプチドの変異ライブラリーを生成することであって、任意で、ペプチドが、8~32アミノ酸長、8~24アミノ酸長、8~18アミノ酸長、8~10アミノ酸長、10~32アミノ酸長、10~24アミノ酸長、10~18アミノ酸長、18~32アミノ酸長、18~24アミノ酸長、または24~32アミノ酸長であり、任意で9量体または約9量体である、生成すること;および
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の表面上にペプチドのうちの1つまたは複数を提示するための条件下で、ペプチドの変異ライブラリーを用いてAPCをパルスすることであって、任意で、MHCがMHCクラスIである、パルスすることを含む、
態様11の方法。
13. APCを1つまたは複数のペプチドに曝露または接触させることが、
1つもしくは複数の腫瘍関連抗原、または体細胞変異を含むその一部をコードするDNA、任意でミニ遺伝子構築物を生成すること;
DNAをRNAにインビトロ転写すること;
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の表面上にペプチドのうちの1つまたは複数を提示するための条件下で、インビトロ転写されたRNAをAPCに導入することであって、任意で、MHCがMHCクラスIIである、導入すること
を含む、態様11の方法。
14. 共培養が1~7日間行われる、態様10~13のいずれかの方法。
15. 少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションが、共培養の少なくとも一部の最中に行われる、態様10~24のいずれかの方法。
16. 共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性であるT細胞をさらに選択し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化する工程を含む、態様11~14のいずれかの方法。
17. 富化する工程が、少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションの前に行われる、態様16の方法。
18. T細胞刺激物質とのインキュベーションが、共培養の前に行われ、対象からの生体試料由来の自己T細胞集団が、T細胞刺激物質とともにインキュベートされる、態様10~17のいずれかの方法。
19. T細胞刺激物質とのインキュベーションが、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化する工程の後に行われる、態様15または態様16の方法。
20. APCが、対象にとって自己由来であるか、または対象にとって同種異系である、態様10~19のいずれかの方法。
21. 対象が、健常であるか、または疾患もしくは状態を示すことが知られていない、態様9~20のいずれかの方法。
22. 培養する工程が、
対象からの生体試料由来のT細胞を含む細胞集団を単離すること;
集団のT細胞を活性化して活性化細胞を含むT細胞集団を生成する条件下で、T細胞刺激物質とともに、T細胞を含む細胞集団をインキュベートすること;
APCの存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、活性化細胞を含むT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を生成することであって、共培養が、少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で行われ、それによって、少なくとも1つのアジュバントとともに、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団をインキュベートする、生成すること;
共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性であるT細胞を選択し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化すること;および
1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすること
を含み、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすること、APCの存在下で共培養すること、および/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われ、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、態様1~21のいずれかの方法。
23. 培養する工程が、
対象からの生体試料由来のT細胞を含む細胞集団を単離すること;
集団のT細胞を活性化して活性化細胞を含むT細胞集団を生成する条件下で、T細胞刺激物質とともに、T細胞を含む細胞集団をインキュベートすること;
APCの存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、活性化細胞を含むT細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を生成すること;
共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性であるT細胞を選択し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化すること;
少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍反応性細胞を含むT細胞の富化された集団をインキュベートすること;
1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすること
を含み、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすること、APCの存在下で共培養すること、および/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われ、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、態様1~21のいずれかの方法。
24. 培養する工程が、
対象からの生体試料由来のT細胞を含む細胞集団を単離すること;
APCの存在下で、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で、T細胞集団を共培養し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を生成すること;
集団のT細胞を活性化して活性化細胞を含むT細胞集団を生成する条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞を含む集団をインキュベートすること;
共培養物から、1つまたは複数のペプチドに対して反応性であるT細胞を選択し、それによって、腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団を富化することであって、選択することが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることの前または後に行われる、富化すること;および
少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすること;および
1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすること
を含み、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすること、APCの存在下で共培養すること、および/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われ、培養する工程が、T細胞集団の細胞の増大を刺激する、態様1~21のいずれかの方法。
25. 共培養が1~7日間行われる、態様10~23のいずれかの方法。
26. 腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団が、対象からの生体試料から単離されるか、または直接選択される、態様1~9のいずれかの方法。
27. 対象が、疾患または状態を示し、任意で、疾患または状態ががんである、態様9~20および26のいずれかの方法。
28. T細胞集団を単離または選択することの前に、対象に共刺激アゴニストが前もって投与されている、態様26または態様27の方法。
29. 腫瘍反応性T細胞を含むT細胞集団が、治療される対象にとって同種異系であるか、または治療される対象にとって自己由来であり、任意で、治療される対象が腫瘍またはがんを有する、態様1~28のいずれかの方法。
30. 生体試料が、末梢血試料、リンパ節試料、または腫瘍試料である、態様1~29のいずれかの方法。
31. 生体試料が末梢血試料であり、末梢血試料が採血またはアフェレーシスによって収集され、任意で、アフェレーシスが白血球アフェレーシスである、態様30の方法。
32. 生体試料が50mL~400mLの体積を有する、態様30または態様31の方法。
33. 腫瘍反応性T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を富化することが、フローサイトメトリーによるものであり、任意で、自動ハイスループットフローサイトメトリーによって、任意で、FX500細胞選別機またはMiltenyi Tyto細胞選別機によって行われる、態様30~32のいずれかの方法。
34. 試料から腫瘍反応性T細胞を富化するために、フローサイトメトリーによる1回の実行、2回の実行、3回の実行、または4回の実行が行われる、態様30~33のいずれかの方法。
35. 生体試料が、リンパ節試料または腫瘍試料であり、試料が、針生検、任意で、コア針生検または穿刺吸引によって収集される、態様30の方法。
36. T細胞集団が腫瘍浸潤リンパ球を含む、態様1~30または35のいずれかの方法。
37. 腫瘍反応性T細胞を製造するための方法であって、
(1)(a)T細胞を含む生体試料から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;および
(b)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることであって、インキュベーションの少なくとも一部が、T細胞集団の細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われる、インキュベートすること
を含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、
(2)方法によって生成された細胞を採取する工程と
を含む、方法。
38. 腫瘍反応性T細胞を製造するための方法であって、
(1)(a)T細胞を含む生体試料から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;
(b)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントとともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすること;および
(c)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすることであって、インキュベートすることの少なくとも一部が、(b)でインキュベートすることの前、それと同時、またはその後に行われる、インキュベートすること
を含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、
(2)方法によって生成された細胞を採取する工程と
を含む、方法。
39. T細胞を培養する工程が、1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で細胞をインキュベートすることをさらに含み、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることおよび/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われる、態様37または態様38の方法。
40. T細胞刺激物質、少なくとも1つのT細胞アジュバント、および/または1つもしくは複数の組換えサイトカインとともに細胞をインキュベートする段階のうちの1つまたは複数の後に細胞を洗浄する工程をさらに含む、態様37~39のいずれかの方法。
41. 培養する工程が、閾値量の細胞が得られるまで、および/または最大20日間にわたり行われる、態様37~40のいずれかの方法。
42. 少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることの少なくとも一部が、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることと同時に行われる、態様1~38のいずれかの方法。
43. 少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることの後に行われる、態様1~38のいずれかの方法。
44. 培養する工程が、
T細胞を含む生体試料から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;
集団のT細胞を活性化して活性化細胞を含むT細胞集団を生成する条件下で、T細胞刺激物質とともに、反応性T細胞を含むT細胞集団をインキュベートすること;
少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下で、活性化T細胞を含むT細胞集団をインキュベートすること;および
1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすること
を含み、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることおよび/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われ、培養する工程が、T細胞集団の細胞の増大を刺激する、態様26~43のいずれかの方法。
45. 少なくとも1つのT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることが、細胞を採取する工程の1~5日前に行われる、態様43または態様44の方法。
46. 少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることの前に行われる、態様1~38のいずれかの方法。
47. 少なくとも1つのT細胞アジュバントとともにT細胞集団をインキュベートすることの後、およびT細胞刺激物質とともにT細胞集団をインキュベートすることの前に、腫瘍反応性T細胞、および/または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーを発現するT細胞を富化することであって、富化されたT細胞集団が、T細胞刺激物質とともにインキュベートされる、富化すること、態様46の方法。
48. T細胞が、対象、任意でヒト対象からの初代T細胞である、態様37~47のいずれかの方法。
49. 生体試料が、対象からの自己T細胞と抗原提示細胞(APC)とを含むエクスビボ共培養物であり、共培養が、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で行われる、態様37~48のいずれかの方法。
50. APCが、対象にとって自己由来であるか、または対象にとって同種異系である、態様49の方法。
51. 対象が、健常であるか、または疾患もしくは状態を示すことが知られていない、態様48~50のいずれかの方法。
52. 生体試料が、対象から得られるものであり、選択することが、生体試料からT細胞を直接単離することを含む、態様37~49のいずれかの方法。
53. 対象が、疾患または状態を示し、任意で、疾患または状態ががんである、態様37~49および52のいずれかの方法。
54. T細胞集団を単離または選択することの前に、対象に共刺激アゴニストが前もって投与されている、態様52または態様53の方法。
55. T細胞集団が、治療される対象にとって同種異系であるか、または治療される対象にとって自己由来であり、任意で、治療される対象が腫瘍またはがんを有する、態様37~54のいずれかの方法。
56. 生体試料が、末梢血試料、リンパ節試料、または腫瘍試料である、態様37~55のいずれかの方法。
57. 生体試料が末梢血試料であり、末梢血試料が採血またはアフェレーシスによって収集され、任意で、アフェレーシスが白血球アフェレーシスである、態様56の方法。
58. 生体試料が50mL~400mLの体積を有する、態様57の方法。
59. 腫瘍反応性T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を富化することが、フローサイトメトリーによるものであり、任意で、自動ハイスループットフローサイトメトリーによって、任意で、FX500細胞選別機またはMiltenyi Tyto細胞選別機によって行われる、態様57または態様58の方法。
60. 試料から腫瘍反応性T細胞を富化するために、フローサイトメトリーによる1回の実行、2回の実行、3回の実行、または4回の実行が行われる、態様57~59のいずれかの方法。
61. 生体試料が、リンパ節試料または腫瘍試料であり、試料が、針生検、任意で、コア針生検または穿刺吸引によって収集される、態様56の方法。
62. T細胞集団が腫瘍浸潤リンパ球を含む、態様37~56または61のいずれかの方法。
63. 腫瘍反応性T細胞を製造するための方法であって、
(1)(a)共刺激アゴニストまたはアポトーシス阻害物質から選択される少なくとも1つのT細胞アジュバントとともに、T細胞集団をインキュベートすること;
(b)T細胞集団から、腫瘍関連抗原に対して反応性である内因性TCRを含む腫瘍反応性T細胞を富化し、それによって、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団を生成すること;
(c)細胞集団の細胞についての細胞の増大を刺激するための条件下で、T細胞刺激物質とともに、腫瘍反応性T細胞が富化されたT細胞集団をインキュベートすること;および
(d)1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で、細胞をさらにインキュベートすることであって、任意で、1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすることが、T細胞刺激物質とともにインキュベートすることおよび/または1つもしくは複数のT細胞アジュバントの存在下でインキュベートすることの前、最中、および/または後に行われる、インキュベートすること
を含むプロセスによってT細胞を培養する工程であって、培養する工程がT細胞集団の細胞の増大を刺激する、工程と、
(2)方法によって生成された細胞を採取する工程と
を含む、方法。
64. T細胞刺激物質、少なくとも1つのT細胞アジュバント、および/または1つもしくは複数の組換えサイトカインとともに細胞をインキュベートする段階のうちの1つまたは複数の後に細胞を洗浄する工程をさらに含む、態様63の方法。
65. 培養する工程が、閾値量の細胞が得られるまで、および/または最大20日間にわたり行われる、態様63または態様64の方法。
66. T細胞集団が、対象、任意でヒト対象からの初代T細胞を含む、態様63の方法。
67. T細胞集団が、対象からの生体試料由来の自己T細胞と抗原提示細胞(APC)とを含むエクスビボ共培養物から単離され、共培養が、対象からの腫瘍由来の1つまたは複数のネオ抗原ペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で行われる、態様63または態様66の方法。
68. APCが、対象にとって自己由来であるか、または対象にとって同種異系である、態様67の方法。
69. 対象が、健常であるか、または疾患もしくは状態を示すことが知られていない、態様66~68のいずれかの方法。
70. T細胞集団が、対象からの生体試料から単離されるか、または直接選択される、態様63または態様66の方法。
71. 対象が、疾患または状態を示し、任意で、疾患または状態ががんである、態様63、66および70のいずれかの方法。
72. T細胞集団が、治療される対象にとって同種異系であるか、または治療される対象にとって自己由来であり、任意で、治療される対象が腫瘍またはがんを有する、態様63~71のいずれかの方法。
73. 生体試料が、末梢血試料、リンパ節試料、または腫瘍試料である、態様63~72のいずれかの方法。
74. 生体試料が末梢血試料であり、末梢血試料が採血またはアフェレーシスによって収集され、任意で、アフェレーシスが白血球アフェレーシスである、態様73の方法。
75. 生体試料が50mL~400mLの体積を有する、態様74の方法。
76. 腫瘍反応性T細胞、または1つもしくは複数の活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を富化することが、フローサイトメトリーによるものであり、任意で、自動ハイスループットフローサイトメトリーによって、任意で、FX500細胞選別機またはMiltenyi Tyto細胞選別機によって行われる、態様74または態様75のいずれかの方法。
77. 試料から腫瘍反応性T細胞を富化するために、フローサイトメトリーによる1回の実行、2回の実行、3回の実行、または4回の実行が行われる、態様74~76のいずれかの方法。
78. 生体試料が、リンパ節試料または腫瘍試料であり、試料が、針生検、任意で、コア針生検または穿刺吸引によって収集される、態様73の方法。
79. T細胞集団が腫瘍浸潤リンパ球を含む、態様6~73または78のいずれかの方法。
80. 腫瘍反応性T細胞を富化することが、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞について選択することを含む、態様37~79のいずれかの方法。
81. T細胞が、CD4+T細胞、CD8+T細胞、またはCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む、態様37~80のいずれかの方法。
82. T細胞集団が、CD4+T細胞およびCD8+T細胞について富化される、態様37~81のいずれかの方法。
83. CD4+T細胞およびCD8+T細胞を富化することが、細胞表面マーカーCD3に対して表面陽性のT細胞について選択することを含むか、または細胞表面マーカーCD4に対して表面陽性のT細胞、および細胞表面マーカーCD8に対して表面陽性のT細胞の連続選択もしくは同時選択を含む、態様1~36および82のいずれかの方法。
84. CD4+T細胞およびCD8+T細胞が富化された集団が、集団内の全細胞の割合として60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超のCD3+T細胞を含むか、または
CD4+T細胞およびCD8+T細胞が富化された集団が、集団内の全細胞の割合として60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超のCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む、
態様1~36、82、および83のいずれかの方法。
85. CD8+T細胞とCD4+T細胞の比が、1:100もしくは約1:100から、100:1もしくは約100:1、1:50もしくは約1:50から、50:1もしくは約50:1、1:25もしくは約1:25から、25:1もしくは約25:1、1:10もしくは約1:10から、10:1もしくは約10:1、1:5もしくは約1:5から、5:1もしくは約5:1、または1:2.5もしくは約1:2.5から、2.5:1もしくは約2.5:1である、態様1~36および82~84のいずれかの方法。
86. 腫瘍関連抗原がネオ抗原であり、かつ/または
腫瘍反応性T細胞が、ネオ抗原に対して反応性である内因性TCRを含むT細胞を含む、
態様1~85のいずれかの方法。
87. 腫瘍反応性T細胞が富化された集団が、集団内の全細胞または全T細胞の割合として60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超の腫瘍反応性T細胞を含み;かつ/または
腫瘍反応性T細胞が富化された集団が、集団内の全細胞または全T細胞の割合として60%超もしくは約60%超、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超の、活性化表現型を有するT細胞を含み、活性化表現型が、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞を含む、
態様8~86のいずれかの方法。
88. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーが、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される、態様6~36および80~87のいずれかの方法。
89. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーが、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、およびCD256からなる群より選択される、態様6~36および80~88の方法。
90. 腫瘍反応性T細胞を単離するための方法であって、生体試料から、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、およびCD256からなる群より選択される1つまたは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性であるT細胞を選択する工程を含む、方法。
91. 少なくとも1つのT細胞アジュバントおよび/またはT細胞刺激物質の存在下で、細胞の増大または増殖のための条件下で、選択された細胞をインキュベートする工程をさらに含む、態様90の方法。
92. T細胞が、対象、任意でヒト対象からの初代T細胞である、態様90または態様91の方法。
93. 生体試料が、対象からの自己T細胞と抗原提示細胞(APC)とを含むエクスビボ共培養物であり、共培養が、対象からの腫瘍関連抗原由来の1つまたは複数のペプチドを提示するようにAPCが誘導されている条件下で行われる、態様90~92のいずれかの方法。
94. APCが、対象にとって自己由来であるか、または対象にとって同種異系である、態様93の方法。
95. 対象が、健常であるか、または疾患もしくは状態を示すことが知られていない、態様92~94のいずれかの方法。
96. 生体試料が対象から得られるものであり、選択する工程が、生体試料からT細胞を直接単離することを含む、態様90~95のいずれかの方法。
97. 対象が疾患または状態を示し、任意で、疾患または状態ががんである、態様90~93および96のいずれかの方法。
98. T細胞集団を単離または選択する工程の前に、対象に共刺激アゴニストが前もって投与されている、態様96または態様97の方法。
99. T細胞が、治療される対象にとって同種異系であるか、または治療される対象にとって自己由来であり、任意で、治療される対象が腫瘍またはがんを有する、態様90~98のいずれかの方法。
100. 生体試料が、末梢血試料、リンパ節試料、または腫瘍試料である、態様90~99のいずれかの方法。
101. 生体試料が末梢血試料であり、末梢血試料が採血またはアフェレーシスによって収集され、任意で、アフェレーシスが白血球アフェレーシスである、態様95の方法。
102. 生体試料が、リンパ節試料または腫瘍試料であり、試料が、針生検、任意で、コア針生検または穿刺吸引によって収集される、態様100の方法。
103. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーが、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、およびCD38からなる群より選択される、態様6~36および80~102のいずれかの方法。
104. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーが、CD107aおよびCD39、CD107aおよびCD103、CD107aおよびCD59、CD107aおよびCD90、CD107aおよびCD38、CD39およびCD103、CD39およびCD59、CD39およびCD90、CD39およびCD38、CD103およびCD59、CD103およびCD90、CD103およびCD38、CD59およびCD90、CD59およびCD38、ならびにCD90およびCD38から選択される少なくとも2つのマーカーを含む、態様103のいずれかの方法。
105. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーがCD137をさらに含む、態様89~104の方法。
106. 1つまたは複数の反応性T細胞活性化マーカーが、CD107aおよびCD137、CD38およびCD137、CD103およびCD137、CD59およびCD137、CD90およびCD137、ならびにCD38およびCD137から選択される少なくとも2つのマーカーを含む、態様105の方法。
107. 1つまたは複数の反応性T細胞マーカーが、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される少なくとも1つのマーカーをさらに含む、態様89~106のいずれかの方法。
108. 選択することが免疫親和性に基づく選択を含む、態様80~107のいずれかの方法。
109. 免疫親和性に基づく選択が、細胞とマーカーに特異的に結合する抗体とを接触させることと、抗体に結合した細胞を回収することとによって行われる、態様108の方法。
110. 抗体が粒子上に固定化され、任意で粒子がビーズまたはナノ粒子であり、任意で粒子が磁性粒子である、態様109の方法。
111. 選択することが、磁性に基づく選択を含む、態様110の方法。
112. 抗体が検出可能な作用物質によって標識され、任意で、検出可能な作用物質がフルオロフォアである、態様110の方法。
113. 選択することがフローサイトメトリーを含む、態様112の方法。
114. 少なくとも1つのT細胞アジュバントが、可溶性であり、かつ/または固体支持体に結合または付着しておらず、任意で、固体支持体がビーズである、態様1~89および91~113のいずれかの方法。
115. 少なくとも1つのT細胞アジュバントが、少なくとも1つの共刺激アゴニストと、少なくとも1つのアポトーシス遮断剤とを含む、態様1~89および91~114のいずれかの方法。
116. 少なくとも1つの共刺激アゴニストおよび少なくとも1つのアポトーシス遮断剤とともにインキュベートすることが、同時に、断続的に、または連続的に行われる、態様115の方法。
117. 少なくとも1つのT細胞アジュバントが、少なくとも1つの共刺激アゴニストを含む、態様1~89および91~116のいずれかの方法。
118. 共刺激アゴニストが、CD28に特異的に結合しないか、または抗CD28抗体ではない、態様1~117のいずれかの方法。
119. 共刺激アゴニストが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)アゴニストである、態様1~89および91~118のいずれかの方法。
120. 共刺激アゴニストが、TNFRSFメンバーに特異的に結合する抗体もしくは抗原結合断片であるか、またはTNFRSFメンバーのリガンドの細胞外ドメインもしくはその結合部分を含む融合タンパク質である、態様119の方法。
121. TNFRSFメンバーが、OX40、4-1BB、GITR、およびCD27から選択される、態様119または態様120の方法。
122. 共刺激アゴニストがOX40に特異的に結合する、態様1~89および91~121のいずれかの方法。
123. 共刺激アゴニストが、タボリキシズマブ、ポガリズマブ、11D4、18D8、Hu119-122、Hu106-222、PF-04518600、GSK3174998、MEDI6469、BMS 986178、もしくは9B12から選択される抗体もしくは抗原結合断片であるか、またはその抗原結合断片である、態様1~89および91~122のいずれかの方法。
124. 共刺激アゴニストが、MEDI6383であるOX40L融合タンパク質である、態様1~89および91~121のいずれかの方法。
125. 共刺激アゴニストが4-1BBに特異的に結合する、態様1~89および91~121のいずれかの方法。
126. 共刺激アゴニストが、ウレルマブもしくはウトミルマブであるか、または前述のいずれかの抗原結合断片である、態様1~89、89~121、および125のいずれかの方法。
127. 共刺激アゴニストがCD27に特異的に結合する、態様1~89および91~121のいずれかの方法。
128. 少なくとも1つのT細胞アジュバントが、少なくとも1つのアポトーシス阻害物質を含む、態様1~89および91~116のいずれかの方法。
129. アポトーシス阻害物質が、CD95(Fas)によって誘導されるアポトーシスを減少させ、任意で、アポトーシス阻害物質が、CD95(Fas)またはCD95リガンド(Fasリガンド)に特異的に結合する、態様1~89、91~116、および128のいずれかの方法。
130. アポトーシス阻害物質が抗体または抗原結合断片であり、任意で、アポトーシス阻害物質が抗Fas抗体または抗Fasリガンド抗体である、態様129の方法。
131. アポトーシス阻害物質が、Fc免疫グロブリンドメインに融合したCD95リガンド(Fasリガンド)に結合するCD95(Fas)またはその特異的結合断片の細胞外ドメインを含む融合タンパク質であり、任意で、アポトーシス阻害物質がAPG101またはCAN008である、態様129の方法。
132. アポトーシス阻害物質が、カスパーゼの活性化または活性を阻害し、任意で、カスパーゼが、カスパーゼ2、カスパーゼ8、カスパーゼ9、カスパーゼ10、カスパーゼ3、カスパーゼ6、またはカスパーゼ7であり、任意で、カスパーゼがカスパーゼ3である、態様1~89、91~116、および128のいずれかの方法。
133. アポトーシス阻害物質が、NAIP(ニューロンアポトーシス阻害タンパク質;BIRC1)、cIAP1およびcIAP2(アポトーシスの細胞阻害物質1および2;それぞれBIRC2およびBIRC3)、XIAP(X染色体結合IAP;BIRC4)、サバイビン(BIRC5)、BRUCE(アポロン;BIRC6)、リビン(BIRC7)、ならびにTs-IAP(精巣特異的IAP;BIRC8)からなる群より選択される、態様1~89、91~116、128、および132の方法。
134. アポトーシス阻害物質がエメリカサンである、態様1~89、91~116、128、および132のいずれかの方法。
135. T細胞刺激物質が、TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質および共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質から選択され、任意で、共刺激受容体がCD28である、態様1~89および91~134のいずれかの方法。
136. TCR/CD3細胞内シグナル伝達を開始させる作用物質が、抗CD3抗体、任意でOKT3である、態様135の方法。
137. 共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質が、末梢血単核細胞(PBMC)、任意で非分裂PBMCまたは放射線照射PBMCを含む、態様135または態様136の方法。
138. 共刺激受容体を介してシグナル伝達を開始させる作用物質が抗CD28抗体である、態様135または態様136の方法。
139. T細胞刺激物質が、それぞれ可溶性である抗CD3抗体および抗CD28抗体である、態様138の方法。
140. T細胞刺激物質が、IL-10、IL-1a、IL-5、IL-7、IL-12、IL-23p40、IL-16、IL-17A、IL-15、IL-22、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL12p70、IL13、およびIL-1bからなる群より選択される組換えサイトカインを含み、任意で、組換えサイトカインが、IL-2、IL-15、IL-7、およびIL-22のうちの1つまたは複数から選択される、態様135~139のいずれかの方法。
141. 採取する工程が、腫瘍反応性細胞を含むT細胞の培養および/または富化の開始後20日以内に行われる、態様1~140のいずれかの方法。
142. 培養する工程が、IL-2、IL-15、IL-7、およびIL-21からなる群より選択される組換えサイトカインの存在下で行われる、態様141の方法。
143. 細胞が、培養の開始後7~20日、7~14日、7~10日、10~20日、10~14日、または14~20日に採取される、態様141または態様142の方法。
144. 0.5×108個もしくは約0.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個の全細胞もしくは全生細胞、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、1×108個もしくは約1×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、1×108個もしくは約1×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、8×108個もしくは約8×108個から、15×108個もしくは約15×108個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、15×108個もしくは約15×108個から、60×108個もしくは約60×108個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、60×108個もしくは約60×108個から、12×109個もしくは約12×109個の全細胞もしくは全生細胞、12×109個もしくは約12×109個から、50×109個もしくは約50×109個の全細胞もしくは全生細胞、12×109個もしくは約12×109個から、30×109個もしくは約30×109個の全細胞もしくは全生細胞、または30×109個もしくは約30×109個から、60×109個もしくは約60×109個の全細胞もしくは全生細胞(両端の値を含む)である閾値量の細胞が達成されるまで、培養する工程が行われる、態様5~143のいずれかの方法。
145. 少なくとも2倍もしくは少なくとも約2倍、少なくとも5倍もしくは少なくとも約5倍、少なくとも10倍もしくは少なくとも約10倍、少なくとも25倍もしくは少なくとも約25倍、少なくとも50倍もしくは少なくとも約50倍、少なくとも100倍もしくは少なくとも約100倍、少なくとも250倍もしくは少なくとも約250倍、少なくとも500倍もしくは少なくとも約500倍、少なくとも1000倍もしくは少なくとも約1000倍、またはそれ以上である、T細胞の増大倍率または腫瘍反応性T細胞の増大倍率をもたらす、態様1~144のいずれかの方法。
146. 生体試料が、末梢血試料、任意でアフェレーシス試料であり、
培養の開始時の細胞の数が、1×109個または約1×109個から、7×109個の全生細胞であるか;または、1×109個もしくは約1×109個の全生細胞、2×109個もしくは約2×109個の全生細胞、3×109個の全生細胞、4×109個の全生細胞、5×109個の全生細胞、6×109個の全生細胞、もしくは7×109個の全生細胞、または前述のいずれかの間の任意の値であり;かつ/または
培養の開始時の腫瘍反応性T細胞の割合が、0.02%もしくは約0.02%から、40%もしくは約40%、0.02%もしくは約0.02%から、24%もしくは約24%、0.02%もしくは約0.02%から、18%もしくは約18%、0.02%もしくは約0.02%から、0.9%もしくは約0.9%、または0.02%もしくは約0.02%から、6.0%もしくは約6.0%であり;かつ/または
培養の開始時にT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の数が、0.1×106個もしくは約0.1×106個から、60×106個もしくは約60×106個のT細胞、0.1×106個から、8×106個もしくは約8×106個のT細胞、0.1×106個から、20×106個もしくは約20×106個のT細胞、0.3×106個から、35×106個もしくは約35×106個のT細胞、または0.3×106個から、60×106個もしくは約60×106個のT細胞であるか;または、0.1×106個のT細胞、0.3×106個のT細胞、0.6×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5×106個のT細胞、10×106個のT細胞、35×106個のT細胞、もしくは60×106個のT細胞または約0.1×106個のT細胞、0.3×106個のT細胞、0.6×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5×106個のT細胞、10×106個のT細胞、35×106個のT細胞、もしくは60×106個のT細胞、または前述のいずれかの間の任意の値である、
態様1~145のいずれかの方法。
147. 生体試料が、リンパ由来試料または腫瘍由来試料であり、
培養の開始時の細胞の数が、10×106個もしくは約10×106個から、100×106個の全生細胞、20×106個から、100×106個の全生細胞、または12×106個から、43×106個の全生細胞であるか;または、10×106個もしくは約10×106個の全生細胞、12×106個もしくは約12×106個の全生細胞、20×106個の全生細胞、40×106個の全生細胞、60×106個の全生細胞、もしくは100×106個の全生細胞、または前述のいずれかの間の任意の値であり;かつ/または
培養の開始時の腫瘍反応性T細胞の割合が、1%もしくは約1%から、90%もしくは約90%、1%もしくは約1%から、75%もしくは約75%、1%もしくは約1%から、50%もしくは約50%、1%もしくは約1%から、25%もしくは約25%、または1%もしくは約1%から、14%もしくは約14%であり;かつ/または
培養の開始時にT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の数が、0.7×106個もしくは約0.7×106個から、15×106個もしくは約15×106個のT細胞、1×106個から、15×106個もしくは約15×106個のT細胞、または0.7×106個もしくは約0.7×106個から、5.4×106個もしくは約5.4×106個のT細胞であるか;または、0.7×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5.4×106個のT細胞、もしくは15×106個のT細胞または約0.7×106個のT細胞、1×106個のT細胞、5.4×106個のT細胞、もしくは15×106個のT細胞、または前述のいずれかの間の任意の値である、
態様1~145のいずれかの方法。
148. 方法の段階のうちの1つまたは複数が閉鎖系内で行われ、任意で、選択および/または富化またはインキュベーションのための段階のうちの1つまたは複数が閉鎖系内で行われる、態様1~146のいずれかの方法。
149. 少なくとも1つのT細胞アジュバントとのインキュベーションが、最低24時間から細胞の採取時までの間であるか、または、24時間もしくは約24時間から、96時間もしくは約96時間であるか、または、24時間もしくは約24時間から、48時間もしくは約48時間であるか、または、24時間もしくは約24時間、36時間もしくは約36時間、または48時間もしくは約48時間であり;かつ/または
T細胞刺激物質とのインキュベーションが、24時間もしくは約24時間から、96時間もしくは約96時間であるか、または、24時間もしくは約24時間から、48時間もしくは約48時間であるか、または、24時間もしくは約24時間、36時間もしくは約36時間、または48時間もしくは約48時間である、
態様1~148のいずれかの方法。
150. 対象に投与するために採取された細胞を製剤化する工程をさらに含む、態様1~148のいずれかの方法。
151. 製剤化する工程が凍結保存を含み、細胞が、対象に投与する前に解凍される、態様150の方法。
152. 態様1~151のいずれかの方法によって生成される組成物。
153. 腫瘍反応性T細胞を含む組成物であって、組成物中の全細胞または全T細胞の少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%が、腫瘍反応性T細胞であるか、または1つもしくは複数のT細胞活性化マーカーに対して表面陽性である、組成物。
154. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーが、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD137(4-1BB)、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、CD256、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される、態様153の組成物。
155. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーが、CD107、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、CD38、CD30、CD154、CD252、CD134、CD258、およびCD256からなる群より選択される、態様153または態様154の組成物。
156. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーが、CD107a、CD39、CD103、CD59、CD90、およびCD38からなる群より選択される、態様153~155のいずれかの組成物。
157. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーが、CD107aおよびCD39、CD107aおよびCD103、CD107aおよびCD59、CD107aおよびCD90、CD107aおよびCD38、CD39およびCD103、CD39およびCD59、CD39およびCD90、CD39およびCD38、CD103およびCD59、CD103およびCD90、CD103およびCD38、CD59およびCD90、CD59およびCD38、ならびにCD90およびCD38から選択される少なくとも2つのマーカーを含む、態様153~156のいずれかの組成物。
158. 1つまたは複数のT細胞活性化マーカーがCD137をさらに含む、態様153~157のいずれかの組成物。
159. 1つまたは複数の反応性T細胞活性化マーカーが、CD107aおよびCD137、CD38およびCD137、CD103およびCD137、CD59およびCD137、CD90およびCD137、ならびにCD38およびCD137から選択される少なくとも2つのマーカーを含む、態様158の組成物。
160. 1つまたは複数の反応性T細胞マーカーが、PD-1、TIM-3、およびLAG-3からなる群より選択される少なくとも1つのマーカーをさらに含む、態様153~159のいずれかの組成物。
161. T細胞が、CD3+T細胞であるか、またはCD4+T細胞および/もしくはCD8+T細胞を含む、態様153~160のいずれかの組成物。
162. T細胞が、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を含み、CD8+T細胞とCD4+T細胞の比が、1:100もしくは約1:100から、100:1もしくは約100:1、1:50もしくは約1:50から、50:1もしくは約50:1、1:25もしくは約1:25から、25:1もしくは約25:1、1:10もしくは約1:10から、10:1もしくは約10:1、1:5もしくは約1:5から、5:1もしくは約5:1、または1:2.5もしくは約1:2.5から、2.5:1もしくは約2.5:1である、態様153~161のいずれかの組成物。
163. 組成物中の腫瘍反応性T細胞の数、もしくはT細胞活性化マーカーに対して表面陽性のT細胞の総数、またはその生細胞の数が、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個、0.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個、0.5×108個もしくは約0.5×108個から、1×108個もしくは約1×108個、1×108個から、50×109個もしくは約50×109個、1×108個もしくは約1×108個から、30×109個もしくは約30×109個、1×108個から、12×109個もしくは約12×109個、1×108個もしくは約1×108個から、60×108個もしくは約60×108個、1×108個もしくは約1×108個から、15×108個もしくは約15×108個、1×108個もしくは約1×108個から、8×108個もしくは約8×108個、1×108個もしくは約1×108個から、3.5×108個もしくは約3.5×108個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、50×109個もしくは約50×109個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、30×109個もしくは約30×109個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、12×109個もしくは約12×109個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、60×108個もしくは約60×108個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、15×108個もしくは約15×108個、3.5×108個もしくは約3.5×108個から、8×108個もしくは約8×108個、8×108個もしくは約8×108個から、50×109個もしくは約50×109個、8×108個もしくは約8×108個から、30×109個もしくは約30×109個、8×108個もしくは約8×108個から、12×109個もしくは約12×109個、8×108個もしくは約8×108個から、60×108個もしくは約60×108個、8×108個もしくは約8×108個から、15×108個もしくは約15×108個、15×108個もしくは約15×108個から、50×109個もしくは約50×109個、15×108個もしくは約15×108個から、30×109個もしくは約30×109個、15×108個もしくは約15×108個から、12×109個もしくは約12×109個、15×108個もしくは約15×108個から、60×108個もしくは約60×108個、60×108個もしくは約60×108個から、50×109個もしくは約50×109個、60×108個もしくは約60×108個から、30×109個もしくは約30×109個、60×108個もしくは約60×108個から、12×109個もしくは約12×109個、12×109個もしくは約12×109個から、50×109個もしくは約50×109個、12×109個もしくは約12×109個から、30×109個もしくは約30×109個、または30×109個もしくは約30×109個から、60×109個もしくは約60×109個(両端の値を含む)である、態様153~162のいずれかの組成物。
164. 薬学的に許容される賦形剤を含む、態様153~162のいずれかの組成物。
165. 凍結保護剤を含む、態様153~164のいずれかの組成物。
166. 無菌である、態様153~165のいずれかの組成物。
167. がんを有する対象に態様151の組成物を投与する工程を含む、治療の方法。
168. 投与される組成物の細胞が対象にとって自己由来である、態様168の方法。
169. がんが上皮がんである、態様167または態様168の方法。
170. がんが、メラノーマ、肺扁平上皮、肺腺がん、膀胱がん、肺小細胞がん、食道がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、頭頸部がん、胃がん、または子宮がんである、態様167~169のいずれかの方法。
171. がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)、CRC、卵巣がん、乳がん、食道がん、胃がん、膵がん、胆管細胞がん、子宮内膜がんであり、任意で、乳がんが、HR+/Her2-乳がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、またはHER2+乳がんである、態様167~169のいずれかの方法。
VII. 実施例
以下の実施例は、例示のみを目的として含まれ、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1 腫瘍由来T細胞集団を得る際の腫瘍処理方法の評価
以下に記載するように結腸直腸がん(CRC)またはメラノーマを有する患者から得られた腫瘍を処理し、細胞数生存率について、得られた浸潤性T細胞集団を分析した。
A. 結腸直腸がん
腫瘍を結腸直腸がん患者の原発腫瘍から得、4°CのHypoThermosol中で一晩かけて輸送した。断片または単一細胞懸濁(SCS)培養物として腫瘍を処理した。
断片培養のために、腫瘍を直径1~8mmの断片に切り刻み、各1~8mmの断片を、5%ヒト血清を含有するRoswell Park Memorial Institute(RPMI)、または無血清OpTmizer培地(ThermoFisher)の存在下で、ガス透過性24ウェル培養プレートまたは従来の6ウェルプレートのいずれかの培養容器のウェルに入れた。培地に300または6000IU/mLのいずれかの組換えIL-2を補充し、また、10μg/mlのゲンタマイシンと、製造業者の推奨に従って2~5%の免疫細胞血清代替物(ThermoFisher)と、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを含有させた。断片培養を維持し、培養の約5~11日目に細胞計数を行うまで視覚的に監視した。
SCS培養のためにも、腫瘍を直径1~8mmの断片に切り刻んだ。次いで、1mg/mlまたは5mg/mlの、Miltenyi Tumor Dissociation Kitからの酵素カクテル、製造業者の推奨に従って使用されるヒト(製品130-095-929)、コラゲナーゼI/IIブレンド(Nordmark,Collagenase NB 4G Proved Grade、製品:S1746503)またはコラゲナーゼIV(Worthington Biomedical製品:LS004130)のいずれかの、腫瘍を消化する酵素の存在下または非存在下でMiltenyi GentleMACSを使用して、断片を閉鎖系内で均質化した。均質化および酵素消化を伴うSCSに指定された断片を、酵素カクテルまたはコラゲナーゼとともに合計60分間インキュベートした。SCSの生成直後に、NC-200 Automated Cell Counter(ChemoMetec)を用いて、細胞計数および生存率評価を行った。
図3Aに示すように、SCS培養は、酵素消化の有無にかかわらず、CRC腫瘍断片からの培養後に得られたよりも多くの全生細胞(TVC)をもたらした。図3Bに示すように、酵素の存在下での均質化によって生成された断片またはSCSから生成された培養物では、生細胞の割合は類似していた。
B. メラノーマ
メラノーマ患者の原発腫瘍から腫瘍を得、4°CのHypoThermosol中で一晩かけて輸送した。上記と同様に細胞を培養した。
要約すると、断片培養のために、腫瘍を直径1~8mmの断片に切り刻み、各1~8mmの断片を、ガス透過性24ウェル培養プレートまたは従来の6ウェルプレートのウェル内で、300IU/mlまたは6000IU/mlの濃度の組換えIL-2を補充した、5%ヒト血清を含有するRPMI、または無血清OpTmizer培地の存在下で培養した。培地にはまた、10μg/mlのゲンタマイシンと、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを含有させた。断片培養を維持し、培養の5~9日目に細胞計数を行うまで視覚的に監視した。
SCS培養物を生成するために、1mg/mLもしくは5mg/mLの濃度のコラゲナーゼIVまたは1mg/mLもしくは5mg/mLのコラゲナーゼI/IIブレンド(Nordmark,Collagenase NB 4G Proved Grade、製品:S1746503)を含む酵素の存在下または非存在下で、Miltenyi GentleMACSを使用して腫瘍断片を均質化した。上記のように、NC-200 Automated Cell Counter(Chemometec)を使用して、SCSの生成直後に細胞計数および生存率評価を行った。
図4Aに示すように、メラノーマ腫瘍断片から生成された培養物は、酵素による均質化および解離によって生成されたSCSよりも多くの全生細胞をもたらした。図4Bに示すように、断片培養物はまた、酵素的均質化に関係なく、SCS培養物中の細胞よりも高い割合の生細胞を有した。
実施例2 腫瘍由来細胞のT細胞増大動態の評価
実施例1に記載されるように腫瘍を処理して、直径1~8mmの断片またはSCS培養物を生成し、次いで、それらを腫瘍内に存在するT細胞集団を増大させるための条件下でインキュベートした。細胞増大を評価するために、以下に記載されるように、組換えIL-2の存在下で、様々な試験条件下で培養物を増殖させた。試験した条件の中には、細胞増大に対する培養プレートの種類、培養培地、およびIL-2の濃度の影響があった。
A. 培養条件
実施例1に記載されるように、従来の6ウェルプレートまたはガス透過性24ウェル培養プレート内で、CRCまたはメラノーマを有するドナー患者由来の原発腫瘍の均質化および酵素消化によって得られた単一細胞懸濁液(SCS)を培養した。可能な場合、各ドナーからの複数の条件を開始し、平均化した(エラーバーは±標準偏差を表す)。6ウェルプレートの場合、250,000個の細胞/mL~1,000,000個の細胞/mLで細胞を播種し、ガス透過性24ウェルプレートの場合、5,000個の細胞/mL~750,000個の細胞/mLで細胞を播種した。いずれの場合も、300IU/mLまたは6000IU/mLのIL-2の濃度で組換えIL-2を補充した、5%ヒト血清を含有するRPMI、または無血清OpTmizer培地のいずれかに細胞を播種した。培地にはまた、10μg/mlのゲンタマイシンと、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを含有させた。細胞を最大31日間、典型的には14~21日間インキュベートし、培養5日目から1日おきに50%の細胞培地を交換した。
腫瘍断片からの増大のために、CRCまたはメラノーマを有するドナー患者の原発腫瘍から実施例1に記載されるように得られた個々の1~8mmの腫瘍断片をガス透過性24ウェル培養プレートまたは6ウェルプレートのウェルに入れ、300IU/mLまたは6000IU/mLの濃度で組換えIL-2を補充した、5%ヒト血清を含有するRPMI、または無血清OpTmizer培地中で培養した。培地にはまた、10μg/mlのゲンタマイシンと、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを含有させた。細胞を最大31日間、例えば典型的には14~21日間インキュベートし、培養の5日目から1日おきに50%の細胞培地を交換した。
いずれの条件でも、NC-200 Automated Cell Counter(Chemometec)を使用して約1日おきに細胞計数を行い、蛍光活性化細胞選別(FACS)のために試料を収集した。増大期(例えば14~31日目)の完了後、細胞をPBS中で洗浄し、次いで、凍結保護剤の存在下で凍結保存した。CoolCell装置(Corning)またはVIA Freeze(GE Healthcare)を使用して凍結保存を行った。
B. 結果
1. 増殖曲線
異なる培養容器内で増大させた後のCRCドナー患者由来の腫瘍断片から得られたSCSの増大の増殖曲線を図5Aおよび図5Bに示す。示されている結果は、いずれかの培地タイプで、300IU/mLまたは6000IU/mLの両濃度で組換えIL-2とともにインキュベートした培養物から得られたものであるが、出発細胞の供給源に基づいて分離されている。示されるように、これらの条件下でCRCドナーの腫瘍由来のSCSから腫瘍由来細胞を増大させることが可能であった。一部のドナーでは、CRC腫瘍から直接得られた細胞のこの初期増大期に、2倍超、さらには10倍またはそれ以上の増大が観察された。
CRC腫瘍生検生成物由来の腫瘍断片と比較して、SCSから達成された増大を評価した。図5Cおよび図5Dに示すように、断片として、またはSCSとして抽出および培養しても、これらの条件下でCRC腫瘍から細胞を増大させることが可能であった。ただし、一般に、断片を介して抽出された培養細胞よりも高い総細胞数(図5C)および増大倍率(図5D)によって証明されるように、SCSとして抽出されたCRC培養物の方が大きな増大を達成した。
異なる培養容器内で増大させた後の異なるメラノーマドナーから得られた、抽出された腫瘍断片として、または腫瘍断片からのSCSとして培養された細胞の増大の増殖曲線を図6Aおよび図6Bに示す。示されている結果は、いずれかの培地タイプで、300IU/mLまたは6000IU/mLの両濃度で組換えIL-2とともにインキュベートした培養物から得られたものであるが、出発細胞の供給源に基づいて分離されている。示されるように、いずれかの培養容器内で腫瘍断片として抽出されたメラノーマ培養物では実質的な増大が観察されたのに対して、SCSとして培養されたメラノーマ細胞では、比較的少ない増大が観察された。
先の観察結果と一致して、特定のドナーから得られた腫瘍細胞は、腫瘍型に関係なく、増大に適しておらず、ドナー間、さらには同じドナー腫瘍の腫瘍断片間の増大能の固有の変動性が示された。ドナー患者から得られた腫瘍断片を培養中にプールするさらに大規模な方法では、同じドナー腫瘍由来の腫瘍断片を組み合わせることによって腫瘍内変動性が軽減されると予測される。
2. 細胞培地による増殖評価
増大後14~21日間にわたって、5%ヒト血清または血清代替製剤(OpTmizer培地)のいずれかを含有するRPMI培地中で上記のように生成した増大物を比較した。示されている結果は、300IU/mLまたは6000IU/mLの両濃度の組換えIL-2とともに、いずれかのタイプの培養容器内でインキュベートした培養物から得られたものであるが、培地のタイプに基づいて分離されている。CRC腫瘍に関する結果は、腫瘍断片から得られたSCSの培養物から得られたものであるのに対して(図7Aおよび図7B)、メラノーマ腫瘍からの結果は、腫瘍断片の培養物から得られたものである(図8Aおよび図8B)。
両腫瘍型について、両腫瘍型の5%ヒト血清培地または血清代替培地中の培養によって、総細胞数(図7Aおよび図8A)および増大倍率(図7Bおよび図8B)の増加が観察された。試験した試料では、初期増大期の終了時の比較的高い総細胞数によって証明されるように、OpTmizer培地を使用すると増大が改善される傾向があった(図7Aおよび図8A)。
3. IL-2濃度
異なる腫瘍型からの増大中の異なるIL-2濃度の効果を比較した。培養物を、14~21日間にわたって、300IU/mLまたは6000IU/mLのいずれかの組換えIL-2で、5%ヒト血清または血清代替製剤(OpTmizer培地)のいずれかを含有するRPMI培地中で上記のように増大させた。示されている結果は、いずれかの培地タイプの存在下で、いずれかのタイプの培養容器内でインキュベートされた培養物から得られたものであるが、IL-2濃度に基づいて分離されている。CRC腫瘍に関する結果は、腫瘍断片から得られたSCSの培養物から得られたものであるのに対して(図9Aおよび図9B)、メラノーマ腫瘍からの結果は、腫瘍断片の培養物から得られたものである(図10Aおよび図10B)。
両腫瘍型について、結果は、増大後の同様の総細胞数(図9Aおよび図10A)、および増大倍率(図9Bおよび図10B)によって証明されるように、高濃度または低濃度のIL-2のいずれかで増殖させた細胞の同様の増大を示した。これらのデータは、約300IU/mLの用量のIL-2が増大を支援し、6000IU/mLなどの高用量のIL-2がCRC培養物またはメラノーマ培養物のいずれの細胞増大にも必要でないという観察結果を裏付けている。
まとめると、結果は、増大はドナー依存性、さらには腫瘍試料依存性であり得るが、CRC腫瘍浸潤T細胞はSCS培養物から、メラノーマ浸潤T細胞は複数のドナーにわたる断片培養物から、首尾よく増殖したことを示している。メラノーマ由来T細胞培養物およびCRC由来T細胞培養物の両方について、高濃度のIL-2を加えても、低用量と比較した場合、感知できるほど明確な増大応答がもたらされなかったことが同様に観察された。
実施例3 腫瘍由来細胞の増大に対する抗CD3刺激の評価
50ng/mLのOKT3、ヒト抗CD3モノクローナル抗体の存在下または非存在下で、実施例1および2に記載されるようにメラノーマ腫瘍断片から処理された細胞を培養した。従来の6ウェルプレートまたはガス透過性培養プレート内でRPMI培地またはOpTmizer培地を用いて、細胞培養を14~31日間行った。培養物にはまた、300または6000IU/mLの組換えIL-2と、10μg/mLのゲンタマイシンと、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを補充した。前述のように培養の5日目から1日おきに、細胞培地の約50%を交換した。次いで、NC-200 Automated Cell Counter(Chemometec)を使用して細胞を計数した。
示されている結果は、300IU/mLまたは6000IU/mLの両濃度の組換えIL-2とともに、異なる培地で、いずれかのタイプの培養容器内でインキュベートした培養物から得られたものであるが、抗CD3刺激の非存在の存在に基づいて分離されている。抗CD3刺激の存在下または非存在下の両方で、ドナー6から得られた細胞を試験し、これらの細胞はいずれの条件でも2~4倍の増大倍率を示し、300IU/mLのIL-2を補充したOpTmizer培地では、抗CD3刺激の非存在下(-OKT3)でのインキュベーションによって13倍の増大倍率が観察された。図11A~図11Bに示される結果は、OKT3を介したCD3刺激はT細胞増大を支援したが、総細胞数(図11A)または増大倍率(図11B)に実質的に影響を及ぼさなかったことを実証している。これらのデータは、抗CD3刺激(例えば、OKT3を介して)が腫瘍培養物からの細胞の増大に必要でない可能性があるという知見と一致している。
実施例4 刺激後のCD4+およびCD8+活性化マーカーの評価
健常ドナー3例から得られたT細胞を解凍し、300IU/mLの組換えIL-2を補充したOpTmizer培地中で一晩静置し、次いで、50ng/mLのOKT3、ヒト抗CD3モノクローナル抗体を使用して活性化した。フローサイトメトリーを使用して3~48時間の時間経過にわたって、CD4+およびCD8+細胞集団上の活性化の特異的マーカーを測定した。具体的には、以下のマーカーを評価した:CD38およびCD39(図12Aおよび図13A)、CD134およびCD137(図12Bおよび図13B)、ならびにCD69およびCD90(図12Cおよび図13C)。
CD8細胞の表面上の活性化マーカーの発現の結果を図12A~図12Cに示し、ここでは、OKT3の非存在下での培養と比較して、OKT3による刺激後48時間のCD8+T細胞上のマーカーのアップレギュレーションの動態が示されている。場合によっては、刺激前の0日目にマーカーのいくらかの基礎レベルが見られ得る。示されるように、評価されたマーカーはいずれも、この時間経過中にある程度アップレギュレートされ、この試験中に、マーカーCD38(図12A)、CD134(図12B)およびCD69(図12C)について最も高い割合の細胞がアップレギュレートされた。
CD4細胞の表面上の活性化マーカーの発現の結果を図13A~図13Cに示し、ここでは、OKT3の非存在下での培養と比較して、OKT3による刺激後の最初の48時間のCD4+T細胞上のマーカーのアップレギュレーションの動態が示されている。示されるように、評価されたマーカーはいずれも、この時間経過中にある程度アップレギュレートされ、この試験中に、マーカーCD38(図13A)、CD137(図13B)およびCD69(図13C)について最も高い割合の細胞がアップレギュレートされた。
まとめると、これらのデータは、ネオ抗原性ペプチドを提示する抗原提示細胞との共培養後に起こるように、TCR-CD3複合体を介したシグナル伝達を刺激すると予測される活性化条件下を含めて、上記マーカーの発現が、活性化されたT細胞を選択するためのアップレギュレーションマーカーとして使用され得ることを裏付けている。
実施例5 ドナー細胞の表現型および細胞生存率の決定
実施例1に記載されるように、メラノーマまたはCRCを有する患者の原発腫瘍からT細胞を得た。実施例1に記載されるように腫瘍由来の細胞を腫瘍断片またはSCSのいずれかとして抽出し、次いで、フローサイトメトリーによってT細胞表現型について評価した。
腫瘍断片について、各1~8mmの断片をガス透過性24ウェル培養プレートまたは従来の6ウェルプレートのいずれかの培養容器のウェルに入れ、5%ヒト血清を含有するRPMI、または無血清OpTmizer培地(ThermoFisher)の存在下で5~11日間インキュベートした。培地に300または6000IU/mLの組換えIL-2を補充し、さらに10μg/mlのゲンタマイシンと、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを含有させた。また、50ng/mLの抗CD3抗体OKT3を用いてまたは用いずにインキュベーションを行った。細胞計数を行うことができると決定されるまで(典型的には培養の5~9日目)断片培養物を視覚的に監視し、次いで、細胞を染色し、フローサイトメトリーによってT細胞マーカーについて分析した。
あるいは、SCS培養のために、腫瘍を直径1~8mmの断片に切り刻み、次いで、1mg/mlもしくは5mg/mlのコラゲナーゼIV(Worthington Biomedical製品:LS004130)または1mg/mLのコラゲナーゼNB4G Proved Grade(Nordmark Biomedicals;カタログ番号S1746503)の存在下または非存在下で均質化した。約90分間酵素とインキュベートした後、細胞を直ちに染色し、フローサイトメトリーによってT細胞マーカーについて分析した。
ゲーティング階層を以下のように設計した:最初に、全細胞事象の親集団からのCD3+細胞の割合を記録し、続いてCD3+親集団からの生存CD4+細胞の割合を記録し、次に同じ親CD3+集団からの生存CD8+細胞の割合を記録した。次いで、それぞれのCD4+親集団およびCD8+親集団に基づいて、メモリーT細胞集団(Tem)を計算した。このように、CD4/Temを生存CD4+細胞の親集団から決定し、CD8/Temを生存CD8+細胞の親集団から決定した。したがって、結果は、図12に示されるように、記録された全細胞事象の親集団からのCD3+細胞の割合であり、これらは、階層内のそれぞれの親集団の割合として階層内で亜集団に選別された。図14は、例示的なCRCドナー(ドナー1)からの均質化および酵素消化による腫瘍断片の抽出直後の単一細胞懸濁液中の選択されたT細胞マーカーに対して陽性の生細胞の割合を示す。
均質化のみ(コラゲナーゼ無し)によって、または低濃度のコラゲナーゼ(1mg/mL)もしくは高濃度のコラゲナーゼ(5mg/mL)による消化後の均質化によって抽出したSCS試料を対象に、CD3+細胞の割合を比較した。第2のCRCおよびメラノーマ患者から得られた結果をそれぞれ図15Aおよび図15Bに示す。図15Aに示すように、結果は、低濃度のコラゲナーゼによる均質化および消化後のCRCドナー由来のSCSでは、CD3+T細胞の回収率が増加したことを実証している。メラノーマドナー由来のSCSの方がCD3+細胞の割合が低かったが、結果はまた、低濃度のコラゲナーゼによる均質化および消化が最も高い割合のCD3+T細胞をもたらしたことを実証している(図15B)。まとめると、これらの観察結果は、メラノーマ腫瘍から得られたSCS由来の細胞の比較的高い純度が達成され得、これにより、SCSがメラノーマ由来CD3+細胞の生存可能な供給源であることが裏付けられ得ることを実証している。
追加の例示的なCRCドナーの腫瘍から抽出されたSCS中のCD3+細胞の割合も評価した。さらに、この同じドナーを対象に、均質化および消化直後のSCS中のCD3+T細胞の割合と、(1)300IU/mLのIL-2(低)もしくは6000IU/mLのIL-2(高)とともに6日間SCSを培養した後のCD3+細胞の割合、または(2)CD3刺激(OKT3)の非存在の存在下で300IU/mLのIL-2(低)もしくは6000IU/mL(高)とともに最大6日間にわたり個々の腫瘍断片を培養した後のCD3+細胞の割合とを比較した。図15Cに示すように、ベースライン(0日目)SCS中のCD3細胞の割合は、IL-2またはOKT3とともに6日間腫瘍断片を培養した後に得られた培養物中のCD3+細胞の割合よりも実質的に高かった。追加のドナー2例から得られた腫瘍断片の培養から同様の結果が観察され、様々な評価した条件下でCRC腫瘍断片から腫瘍細胞を抽出した場合、IL-2および/またはOKT3とともにCRC由来腫瘍断片を11日間(図15D)または9日間(図15E)培養した後に得られた培養物中のCD3+細胞の割合もまた、一般に低い収率を示した。これらの結果は、CRC患者の腫瘍生検由来のSCSの方が、腫瘍断片の培養から得られた細胞よりも増加した数のT細胞を増大のために提供することができる可能性があるという知見と一致している。
CRC患者に関する腫瘍断片の培養から得られた結果とは対照的に、図16は、低濃度(300IU/mL)もしくは高濃度(6000IU/mL)のIL-2の存在、CD3刺激(OKT3)もしくは異なる培地の非存在の存在などの様々な条件下でのメラノーマ腫瘍断片の培養から、高い割合のCD3+T細胞を得ることができることを示す。図16に示される結果は、0日目の培養から得られたものである。これらの結果は、メラノーマ患者から得られた腫瘍断片の培養が、腫瘍生検のSCSから得られた細胞よりも増加した数のT細胞を増大のために提供することができる可能性があるという知見と一致している。
実施例6 抗原提示細胞との共培養後の腫瘍由来T細胞の活性化の定量
実施例1に記載されるように、メラノーマまたはCRCを有する患者の原発腫瘍から、腫瘍断片としてT細胞を得た。300IU/mLの組換えIL-2と、10μg/mlのゲンタマイシンと、製造業者の推奨に従って2~5%の免疫細胞血清代替物(ThermoFisher)と、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを補充した無血清OpTmizer培地(ThermoFisher)中で5日間培養した後、OpTmizer培地を用いて腫瘍由来細胞を洗浄してから、300×gで5分間遠心分離し、2×106個の細胞/mLで懸濁した。次いで、従来の6ウェル培養プレートに10,000,000個の細胞/ウェルで細胞を播種した。
並行培養では、供給されたT細胞と同じ患者(自己)から得られたPBMCから、抗原提示樹状細胞(DC)を分化させた。アフェレーシスしたドナーから単離した凍結PBMCのクライオバイアルを液体窒素貯蔵から解凍した。細胞を10倍体積の1× DPBS(Gibco)中で解凍し、計数した(NucleoCounter NC200)。洗浄後、製造業者のキットの説明書に従って、CD14マイクロビーズ陽性選択(MACS Miltenyi)に細胞を直ちに使用した。精製CD14(単球)細胞を計数し、細胞をDendriMAC(MACS Miltenyi)に再懸濁し、適切な培養フラスコに0.5~2×106個の細胞/mLの密度で播種した。GM-CSF(100ng/mL)およびIL-4(20ng/mL)を培養物に加えて、未成熟樹状細胞への分化を促進した。単球を培養し、合計5日間かけて分化させ、2日目に、培地の出発量の50%に等しい50%の培地を加えた。
Parkhurst,Maria R.,et al.’’Unique neoantigens arise from somatic mutations in patients with gastrointestinal cancers.’’Cancer discovery 9.8(2019):1022-1035に記載されているように、全エクソームシーケンシングおよびRNAシーケンシングから、各患者について、腫瘍特異的ペプチドのコード化転写物を自家的に(autologously)同定した。急速凍結された未固定の腫瘍組織および正常な末梢血細胞(正常な供給源)に対して、患者試料の全エクソームシーケンシング(WES)を行った。novocraft(http://www.novocraft.com/)からヒトゲノム構築hg19までのnovoalign MPIを使用して、腫瘍試料対正常試料からの配列のアライメントを行った。PicardのMarkDuplicatesツールを使用して重複をマークした。GATK best practicesワークフロー(https://www.broadinstitute.org/gatk/)に従って、挿入欠失再アライメントと塩基の再較正とを行った。データのクリーンアップ後、samtools mpileup(http://samtools.sourceforge.net)およびVarscan2(http://varscan.sourceforge.net)、SomaticSniper(http://gmt.genome.wustl.edu/packages/somatic-sniper/)、Strelka(https://sites.google.com/site/strelkasomaticvariantcaller/)、ならびにMutect(https://www.broadinstitute.org/gatk/)を使用してパイルアップファイルを作成した。GATK CombineVariantsツールを使用してVCFファイルをマージし、Annovar(http://annovar.openbioinformatics.org)を使用してアノテーションした。次いで、Annovar(http://annovar.openbioinformatics.org)を使用して、患者の腫瘍に存在する変異体(変異)をアノテーションした。
以下のフィルターを使用して、評価のための推定変異の初期リストを生成した:(1)腫瘍、および10を超える正常カバレッジ、(2)7%またはそれ以上の変異体対立遺伝子頻度(VAF)、(3)4またはそれ以上の変異体リードカウント、(4)ならびに変異を同定する4つのコーラーのうちの2つ。挿入および欠失の場合、varscanおよびstrelkaによってのみコーリングされたため、変異を同定する単一のコーラーのみがフィルターを通過する必要があったことを除いて、同じカットオフを使用した。4つのフィルターを通過した変異体について、単一ヌクレオチド変異体(SNV)(Nmer)の上流および下流の領域によってコードされる12個のアミノ酸に連結された変異残基に対応するアミノ酸配列の表を生成した。フレームシフト転写物の場合、正常なコード領域または3’非翻訳領域のいずれかに終止コドンが生成されるまで配列を翻訳した。次いで、マッピングされたアライメントを視覚化することを可能にするIntegrative Genomics Viewer(IGV、Broad Institute)を使用して、バリアントコールの手動キュレーションを行った。手動キュレーションにより、Nmerをコードする転写物内に存在する追加の体細胞変異体または生殖系列変異体に起因する非同義的変化が明らかにされた場合、Nmerの配列に変更を加えた。複数のミスマッチのヌクレオチドを含むリードから推測される変異体、異なるリード内の異なる位置への挿入/欠失マッピング、および高頻度のSNPに対応する変異体に、除去のためのフラグを立てた。
複数の患者腫瘍で検出され、全腫瘍の2.5%未満で検出された変異体にフラグを立てたが、通過した変異体のリストに含めた。ENSEMBLデータベースでのみアノテーションされた変異体転写物は、未検証のコード領域を一般に表し、これを除去した。T細胞によって認識される産物をコードする可能性が低い潜在的な偽陽性を除去することは、偽陰性を表す可能性がある候補を除去することよりも重要ではなかったため、公知の一塩基多型であるか複数の腫瘍に存在するとフラグが立てられた変異体を自動的に除去しなかったが、IGVを使用してさらに評価した。
次いで、これらのシーケンシングデータを使用して、腫瘍に関連する変異ペプチドと、非疾患末梢血細胞に関連する野生型ペプチドとを表すペプチドプールを生成した。
Fmoc化学を介して合成ペプチドを合成した。インデルについては、次の終止コドンまでのフレームシフト配列の翻訳に基づいて、25個のアミノ酸ペプチドを10個のアミノ酸だけ重複して合成した。場合によっては、最小エピトープのペプチドを合成した。ペプチドをDMSOに溶解し、等量で混合した。
分化したDCに、上記のように同定されたペプチドプールから様々な数および濃度のペプチドをロードした後、それらを腫瘍細胞:DCのいくつかの比で腫瘍由来培養物に加えた。次いで、DCおよび腫瘍由来細胞を37°Cで6時間、5%CO2で共培養した後、培養物を穏やかに撹拌し、懸濁液中の細胞を回収した。次いで、T細胞活性化のマーカー4-1BBおよびOX40を使用して、回収した細胞を活性化T細胞についてフローサイトメトリーによって選別した。
図17Aおよび図17Bは、20~0.1ng/mLのペプチド範囲に対する腫瘍由来T細胞活性化を示す。図17Aに示すように、試験した3つのペプチド濃度の各々をロードされたDCとのT細胞共培養は、1ng/mLペプチドで約80%もの高さを含む、容易に検出可能なレベルの4-1BB/OX40+T細胞をもたらした。非ロードDCとともに培養した細胞と比較した場合のT細胞活性化マーカー発現の増加を図17Bに示し、図17Bでは、0.1ng/mLが最大のデルタをもたらしたが、ペプチドの3つの濃度がいずれも正の変化倍率をもたらした。これらのデータは、20ng/mL未満の比較的低いペプチド濃度が、共培養後のT細胞活性化マーカー(アップレギュレーションマーカー)のアップレギュレーションを増加させ得ることを実証している。
図18は、共培養中の表面提示のためにDCに1つまたは2つのペプチドをパルスした試験における41BB/OX40発現の関数としての腫瘍由来T細胞活性化を同様に示している。図18Aおよび再び図18Bに変化倍率として示すように、1つのペプチドのみをロードされたDCの方が、共培養時にT細胞を活性化する点で顕著に効率的であった。
図19に示すように、腫瘍由来T細胞をDCと1:1と比較して1:2(T細胞:DC)の比で共培養した場合、T細胞活性化のマーカー41BBおよびOX40は実質的にアップレギュレートされた。
実施例7 細胞選別による活性化T細胞の富化および回収
免疫親和性に基づく選択によって、健常ドナーから得られたT細胞を単離し、次いで凍結保存した。T細胞を解凍し、一晩静置し、次いで、50ng/mLのOKT3を用いて24~48時間活性化した後、抗CD4 FITC(BD)、抗CD8 PerCPCy.5.5(BD)、抗CD134(Beckman Couleter)および抗CD137(MACs Miltenyi)を用いて染色した。細胞を約20×106個の細胞/mLの濃度にし、BD FACSAriaIIを使用して約15,000事象/秒の選別速度で選別した。CD134、CD137、またはCD134およびCD137の両方を発現する細胞の周りにゲートを引き、単一の集団に選別した。これが陽性選別集団であった。CD134発現およびCD137発現の両方を欠く細胞を別個の集団に選別した。これが陰性選別集団であった。選別後、陽性選別集団および陰性選別集団ならびに非選別集団からの細胞を代替のフローサイトメーターを用いて分析して、純度を検証し、回収率を評価した。
図20に示すように、非選別腫瘍由来T細胞集団(選別前)と、実施例6で先に記載されたように変異ペプチドをロードされた自己樹状細胞との共培養の後で収集され、41BB/OX40陽性集団に選別された陽性選別集団とを比較した。このゲーティング戦略は、ドナー3例の反応性TCR率(図20A)および平均クラスI反応性(図20B)について富化の増加をもたらすことが観察された。
細胞選別からの総細胞回収率は、全細胞アウトプットに関して図21Aに示されている。同様に、図21Bに見られるように、2回の独立した実行からの回収率は約80%であった。結果は、アップレギュレーションマーカーに対して陽性の細胞の選択および選別後に、細胞の高い回収率を得ることが可能であることを実証している。
図22は、OKT3によって活性化され、上記のように染色された健常ドナーT細胞のフローサイトメトリーによるCD4+集団純度を示す。最初にCD4+に関して細胞をゲートしてから、最高強度のCD134+を発現する集団を次にゲートし、生産量は、CD4+対CD8+およびCD137+対CD134+を示すことを示した。これらのデータは、腫瘍浸潤T細胞の高純度集団をゲーティングするためのこれらのマーカーの使用を裏付けている。
実施例8 活性化腫瘍由来T細胞の選別後の増大
実施例1に記載されるように、原発性CRC腫瘍に由来するT細胞を処理し、次いで、実施例6に記載される方法を使用して、ペプチド提示樹状細胞と共培養した。要約すると、健常組織に関連するペプチド(野生型、WT)を発現するようにロードされたか、腫瘍組織に関連するペプチド(変異)を発現するようにロードされたか、ペプチドを全くロードされなかった(ペプチド無し)自己DCとともに、単離された腫瘍浸潤リンパ球を培養した。T細胞の対照亜集団をDCを用いずに培養した(非活性化)。共培養後、活性化マーカー4-1BBおよびOX40の表面発現に基づいて、蛍光対応Sony FX500を介して細胞を選別した。
次いで、300IU/mLの濃度の組換えIL-2と、10μg/mLのゲンタマイシンと、グルタミンのジペプチド形態である、2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを補充した無血清OpTmizer培地中、250,000~1,000,000個の細胞/cm2でガス透過性24ウェル培養プレートに細胞を播種した。細胞を合計7日間インキュベートし、培養5日目から1日おきに50%の培地を交換した。各培養日に、NC-200 Automated Cell Counter(Chemometec)を使用して細胞計数を行った。
図23Aおよび再び図23Bに増大倍率として示すように、試験した各腫瘍浸潤リンパ球(TIL)T細胞集団は、培養3~5日目に測定可能に増大させ、培養期間の7日目の終了時に上昇傾向を継続した。変異腫瘍関連ペプチドをロードされたDCとともに培養した腫瘍浸潤T細胞は、実験の過程にわたって最も高い総細胞数に達した。
上記のデータを使用して、図23Cに示す理論的数学モデルを作成して、選別後に回収された細胞の数と増大期後の培養中に存在する細胞の予測数との間の関係を予測した。
実施例9 腫瘍由来T細胞のモンテカルロモデリングエクスビボ増大
実施例8の決定論的点分析を補完するために、第1の確率的モンテカルロシミュレーションを設計して、実施例2に記載されるように、第1の増大から生じる腫瘍浸潤リンパ球の数を予測した。固有の不確実性、回収効率および増大倍率能のうちの2つの因子に確率分布を代入することによって、抽出後および第1の増大後の可能性のある総生存T細胞数および総反応性T細胞数のモンテカルロシミュレーションを行った。回収された細胞の平均値が低および中回収について定義され、増大の変化倍率の平均値が低、中および高増大能について定義された正常な分布として、結果を何万回も反復的に計算した。次いで、総生存T細胞数および総反応性T細胞について分布を計算した。
可能性のあるT細胞生産量が第1の増大について計算される最初のモンテカルロシミュレーションでは、テストケースを実行して、低回収/低増大、中回収/低増大、中回収/中増大、および中回収/高増大の条件をモデル化した。回収変数および増大変数の両方について、平均値および標準偏差の値を以下のように割り当てた:(1)低回収は、600万の標準偏差で処理された腫瘍からの合計2000万個の生細胞を培養することと定義し、(2)中回収は、1500万の標準偏差で5000万または6000万個の細胞と定義し、(3)低初期増大倍率は、11の標準偏差で50倍と定義し、(4)中増大は、15の標準偏差で75倍と定義し、(5)高増大は、160の標準偏差で500倍と定義した。
第1のモンテカルロシミュレーションAから得られた各テストケースのデータを以下の表E1に示す。
(表E1)第1の増大に関するモンテカルロシミュレーション
これらのデータを使用して、第2のセットのモンテカルロシミュレーションを設計して、APCとの共培養、フローサイトメトリーによる選別、および実施例8に記載の第2の増大後の反応性腫瘍浸潤リンパ球の最終数を予測した。腫瘍断片またはSCSのいずれかから培養した全T細胞集団に存在する反応性T細胞の割合の固定値を、平均8%および標準偏差(standard variation)2.50に割り当てた。何万回もの反復計算に続いて、第2のモンテカルロシミュレーションから得られた各テストケースのデータを以下の表E2に示す。
(表E2)第2および最終増大に関するモンテカルロシミュレーション
腫瘍処理後の第1の増大、またはAPCとの下流共培養後の第2の増大からの腫瘍浸潤反応性T細胞の回収および増大能は、ドナー間および腫瘍細胞集団内で本質的に可変の因子である。本明細書において記載されるプロセスによって生成されるT細胞数の予測範囲は、10~90パーセンタイル以内に含まれる。10パーセンタイル未満の細胞数は、生成される可能性が低く、使用可能な製剤をもたらさない可能性が高い。したがって、表E1および表E2のモンテカルロシミュレーションからの観察結果は、10~90パーセンタイルのあらゆるシナリオでは、増大能の変動レベルの範囲を考えると、本明細書において記載される方法が、治療的投与に必要とされる細胞数に近いロバストなT細胞生産量を提供する可能性が高いことを裏付けている。
実施例10 IFN-γ産生およびTCRクローン性による腫瘍反応性TCR富化の評価
実施例1に記載されるように、卵巣がん(試料A)、CRC(試料B)またはメラノーマ(試料C)を有する患者の原発腫瘍に由来するT細胞を腫瘍断片から処理した。次いで、初期増大に続いて、実施例6に実質的に記載される方法を使用して、6時間にわたり、ペプチド提示自己樹状細胞とT細胞を共培養した。共培養のために、自己DCに、患者腫瘍に固有の変異単一長ペプチド(例えば25量体)、または患者から得られた正常試料と比較して変異していない野生型単一長ペプチドのいずれかをロードした。共培養後、4-1BB(CD137)および/またはOX40(CD134)の発現について細胞を染色し、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって細胞を選別することによって、腫瘍反応性T細胞を富化した。41BBおよびOX40のいずれかまたは両方に対して陽性であった細胞を「陽性」集団(「変異富化」集団とも呼ばれる)として収集し、41BBおよびOX40に対して二重陰性であった細胞を「陰性」集団(「野生型非富化」集団とも呼ばれる)として収集した。
次いで、培地単独で、またはIFN-γ分泌を刺激するための条件下で、変異T細胞集団および野生型T細胞集団を16時間培養した。41BBおよびOX40の発現に基づいて選別されていない、共培養物から得られた非選別非富化T細胞(バルクT細胞)を選択前対照として含め、同様に刺激した。培養上清を収集し、IFN-γ分泌レベルをELISAによって決定した。
単一細胞TCRシーケンシングによって、ペプチドネオエピトープに対して反応性であるTCRを発現する被選別集団内のT細胞の割合を決定した。また、TCR-β鎖およびTCR-α鎖に関する単一細胞RNAシーケンシングによって、T細胞集団のTCRクローン性も決定した。
1. 試料A(卵巣がん)
試料A腫瘍細胞から生成された変異富化T細胞集団および野生型富化T細胞集団、または対照バルクT細胞を、培地単独で16時間培養するか、それぞれの患者腫瘍から得られた変異ペプチド(ネオエピトープ)または野生型ペプチドに対応する最小ペプチドエピトープ(8量体)とともに抗CD28抗体および抗CD49d抗体を用いた培養によって刺激した。図24Aに示すように、バルクT細胞は、IFN-γ分泌の増加によって証明されるように、培養培地単独と比較してネオエピトープとの培養後に改善された反応性を示した。IFN-γを産生する能力は、ネオエピトープによって刺激された変異富化T細胞集団ではさらに増加したが、ネオエピトープ条件を用いた刺激と比較して培地単独での刺激後の野生型富化T細胞集団では差は観察されなかった。さらに、野生型非富化T細胞集団は、培地単独と比較してIFN-γ分泌のそれらのアップレギュレーションによって証明されるように、ある程度のネオ抗原反応性T細胞を依然として含んでいた。このデータは、共培養後のバルクT細胞が、41BBおよびOX40の発現に基づく選別によって富化されるネオ抗原反応性集団を含有することを示している。さらに、結果はまた、ネオ抗原富化の特異性を実証している。
RNAシーケンシングおよびフローサイトメトリーによるネオエピトープ特異的TCRの分析は、初期バルクT細胞集団の2%または野生型富化T細胞集団の0.1%と比較して、17%のネオ抗原特異的TCRを有する変異富化T細胞集団のTCR「A」ネオ抗原特異的TCRの富化を示した(図24B)。被選択集団(変異富化T細胞集団)と比較した非選択集団(野生型富化T細胞集団)におけるT細胞のTCRクローン性を図24Cに示しており、ここでは、非選別T細胞集団では入ってくるTCR多様性が高く、被選択集団では固有のTCRクローンの富化が達成されることが示されている。図24Dは、選別前(バルク)および選別後の細胞集団がCD4細胞およびCD8細胞を含有することを実証し、クラスIおよびクラスII反応性細胞が、富化された集団に存在することを示している。
2. 試料B(CRC患者)
試料B腫瘍細胞から生成された変異富化T細胞集団および野生型富化T細胞集団、または対照バルクT細胞を、培地単独で16時間培養するか、抗CD3抗体(OKT3)を使用して一般的なTCR刺激に応答して刺激した。図25Aに示すように、T細胞集団はいずれも、一般的なTCR刺激に応答した共培養および選別後に機能性(すなわち、IFNg産生)を示した。
ネオエピトープ特異的TCRの分析は、初期バルクT細胞集団の42%または野生型富化T細胞集団の17%と比較して、71%のネオ抗原特異的TCRを有する変異富化T細胞集団のネオ抗原「B」特異的TCRの富化を示した(図25B)。共培養後のバルクT細胞と比較して、これは、被選別T細胞集団における腫瘍反応性T細胞の約1.7倍の富化と、非選別T細胞集団における腫瘍反応性T細胞の約2.5倍の減少とを表す。被選択集団(変異富化T細胞集団)と比較した非選択集団(野生型富化T細胞集団)におけるT細胞のTCRクローン性を図25Cに示しており、ここでは、非選別T細胞集団(807個の固有のTCRクローン)では入ってくるTCR多様性が高く、被選択集団(64個の固有のTCRクローン)では固有のTCRクローンの富化が達成されることが示されている。図25Dは、選別前(バルク)および選別後の細胞集団がCD4細胞およびCD8細胞を含有することを実証し、クラスIおよびクラスII反応性細胞が、富化された集団に存在することを示している。
3. 試料C(メラノーマ患者)
試料C腫瘍細胞から生成された変異富化T細胞集団および野生型富化T細胞集団内のT細胞、または対照バルクT細胞を、RNAシーケンシングおよびフローサイトメトリーならびにTCRクローン性によってネオエピトープ特異的TCRについて評価した。結果は、初期バルクT細胞集団の5%または野生型富化T細胞集団の4%と比較して、33%のネオ抗原特異的TCRを有する変異富化T細胞集団のネオ抗原「C」特異的TCRの富化を示した(図26A)。共培養後のバルクT細胞と比較して、これは、被選別T細胞集団における腫瘍反応性T細胞の約7倍の富化と、非選別T細胞集団では腫瘍反応性T細胞の富化が認められないこととを表す。被選択集団(変異富化T細胞集団)と比較した非選択集団(野生型富化T細胞集団)におけるT細胞のTCRクローン性を図26Bに示しており、ここでは、非選別T細胞集団(182個の固有のTCRクローン)では入ってくるTCR多様性が高く、被選択集団(15個の固有のTCRクローン)では固有のTCRクローンの富化が達成されることが示されている。図26Cは、選別前(バルク)および選別後の細胞集団がCD4細胞およびCD8細胞を含有することを実証し、クラスIおよびクラスII反応性細胞が、富化された集団に存在することを示している。
4. 結論
まとめると、結果は、非選別T細胞集団では、入ってくるTCR多様性が高いことを示している(例えば、100~900個のTCR)。この非選別集団は、低レベルのIFNγ(例えば、5~25pg/mL)を産生する。活性化マーカー、例えばOX40/41BBに基づいてTCR集団を選別した後、TCRの非選別集団および陰性選別集団(5pg/mL)よりも高いIFNγ(例えば、65.3~98.6pg/mL)を産生するTCRの反応性集団(例えば、15~64個のTCR)に、TCR集団を富化する。結果は、これが、野生型の非選別共培養物では見られないことから、腫瘍反応性T細胞の富化と一致する特異的活性化であることを示している。
実施例11 T細胞生存率に対するT細胞アジュバントの効果の評価
健常ドナー3例のアフェレーシス材料からのFicoll勾配分離に由来するPBMCから細胞を増大させた。300IU/mLの組換えIL-2と、10μg/mlのゲンタマイシンと、2~5%の免疫細胞血清代替物(ThermoFisher)と、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを補充したOpTmizer細胞培養培地中に2×106個の細胞/mlでPBMCを播種し、ヒト抗CD3抗体OKT3抗体を用いて48時間活性化した。次に、ガス透過性100M培養容器に細胞を播種し、7~14日間増大させて、T細胞の大きなバンクを得、凍結保存した。健常ドナー3例から得られた、先に増大させたヒトT細胞を解凍し、次いで、300IU/mLの組換えIL-2と、10μg/mlのゲンタマイシンと、2~5%の免疫細胞血清代替物(ThermoFisher)と、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを補充したOpTmizer細胞培養培地中、一定範囲の濃度の試験アジュバント剤を用いて、5×105個の細胞/mLの最終細胞密度まで、96ウェル培養プレートに播種した。ウェルの半分に、50ng/mLのOKT3、ヒト抗CD3モノクローナル抗体をさらに補充した。抗CD3活性化の存在下および非存在下での細胞生存率に対する影響について、合計で15種の試験アジュバント剤を試験した(表E3を参照)。培養3日目の50%培地交換を含めて、細胞を合計6日間培養し、総生存CD3+細胞数を監視した。
(表E3)ハイスループットスクリーニングに使用した化合物および濃度
OKT3刺激の非存在下および存在下で増殖させた細胞の総生存CD3+細胞数をそれぞれ図27A~Cおよび図28A~Cに示す。示されている結果は、アジュバントの以下の濃度に関するものである:試験した抗体については10μg/mL(タボリキシズマブ、オキセルマブ、イピリムマブ、トシリズマブ、ウレルマブ、ペンブロリズマブ、バルリルマブ、抗GITR MK-1248、抗ヒトFasL);Z-VAD-FMKパンカスパーゼ阻害物質については25μM;HSP阻害物質NVP-HSP990については250nM;およびサイトカイン(IL-7、IL-15またはIL-21)については1000IU/mL。
全体として、試験した化合物のいずれにも毒性は観察されず、これらの化合物がTIL製造にとって有害ではないことを示している。固有のドナー変動性が観察されたが、抗PD1抗体ペンブロリズマブと、抗OX40L抗体オキセルマブと、パンカスパーゼ阻害物質Z-VAD-FMKとを用いた処理は、活性化状態に関係なく、DMSO処理対照よりも一定して高い生細胞数をもたらした。
図29Aおよび図29Bにそれぞれ示すIL-7およびIL-15の用量反応曲線は、用量依存性応答を示し、細胞数は濃度の増加とともに増加した。これらのデータは、この範囲の試験濃度のIL-7およびIL-15が培養中の総T細胞数を増強するのに有益であり得ることを裏付けている。
実施例12 Fasリガンドまたはカスパーゼ阻害によるT細胞増大
Fas媒介経路およびカスパーゼ媒介経路に対するアポトーシス阻害物質を評価して、製造中の腫瘍反応性T細胞に対する効果を決定した。試験は健常ドナーを対象に実施したため、腫瘍微小環境(TME)に存在する状態を模倣するために、抗CD3(OKT3)または抗CD3/抗CD28刺激によってT細胞の刺激を行った。抗CD3または抗CD3/抗CD28活性化によって刺激され得るように、腫瘍微小環境に存在する一定の活性化シグナルは、T細胞増殖にとって有害である可能性がある。細胞生存率および予測細胞数を使用して、一過性活性化アッセイ、および腫瘍微小環境をさらに厳密に再現する連続活性化アッセイの両方におけるアポトーシス経路の調節の影響を比較した。
A. 抗CD3刺激
健常ドナー3例から得られたPBMCを解凍し、300IU/mLの組換えIL-2と、10μg/mlのゲンタマイシンと、5%の免疫細胞血清代替物(ThermoFisher)と、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを補充したOpTmizer細胞培養培地を用いて洗浄した。次いで、24ウェルガス透過性細胞培養プレートに2.14×105個の細胞/mL(7.5×105個の細胞/cm2)の密度で細胞を播種した。50ng/mlのOKT3、ヒト抗CD3モノクローナル抗体を使用して細胞を48時間かけて活性化し、以下に記載されるような作用物質を用いてさらに処理した。
培養ウェルを以下のように5つの処理群のうちの1つに割り当てた:(1)追加のアポトーシス調節因子を含まない、記載の細胞培地のみを含有させた阻害物質無し培養対照;(2)培養0日目にのみ培地に加えた2μMのパンカスパーゼ阻害物質Z-VAD-FMK(一過性);(3)培養0日目に加え、各培地交換で同じ濃度でさらに補充した2μMのパンカスパーゼ阻害物質Z-VAD-FMK(連続);(4)0日目にのみ培養培地に加えた500ng/mlのFasリガンド(FasL)遮断抗体NOK-1(BioLegend)(一過性);または(5)0日目にのみ培養培地に加え、各培地交換でさらに補充した500ng/mlのFasリガンド(FasL)遮断抗体NOK-1(BioLegend)(連続阻害)。
培養を少なくとも13日間維持し、培養2日目から1日おきに50%の培地を交換した。細胞数および生存率を1日おきに監視した。細胞が3×106個の細胞/mlに達したら、1.5×106個の細胞を、7mLの最終体積の培地を含む24ウェルガス透過性培養プレートの新しいウェルに継代培養し、培養を上記のように継続した。
ドナー3例の各々の総細胞数および細胞生存率を図30A~図30B(ドナー1)、図31A~図31B(ドナー2)および図32A~図32B(ドナー3)に示す。生存率は、培養期間を通していずれの処理条件でも高いままであったが、連続的なFasL遮断を伴う条件では、他の条件よりも名目上低い生存率が示された。これらの細胞はまた、全ドナーにわたって、他の条件のいずれかの前に最も遅く増殖し、それらの増殖はプラトーに達した。培地中にカスパーゼ阻害物質が連続的に存在する細胞培養物は、ドナー全体で最大の細胞増殖を示したが、対照および一過性処理条件は同様に増殖した。FasL遮断抗体NOK-1による一過性処理もまた、かなりのT細胞増大をもたらした。
これらの結果は、カスパーゼ阻害物質の使用が、特に高密度培養では、増大を最大化し、生存率を維持するために、TIL製造の増大段階中に有用であり得ることを示す。T細胞活性化、共培養、または他の細胞型、特に腫瘍細胞の存在下での処理という条件中のFasL遮断の一過性の使用もまた、アポトーシス促進環境ではFasシグナル伝達を遮断するのに有用であり得る。
B. 抗CD3/抗CD28刺激
健常ドナー2例から得られたPBMCを解凍し、300IU/mLの組換えIL-2と、10μg/mlのゲンタマイシンと、5%の免疫細胞血清代替物(ThermoFisher)と、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを補充したOpTmizer細胞培養培地を用いて洗浄した。次いで、24ウェルガス透過性細胞培養プレートに1.5×105個の細胞/mL(5.0×105個の細胞/cm2)の密度で細胞を播種した。
培養ウェルを一過性活性化または連続活性化の2つの処理群のうちの1つに割り当てた。一過性活性化のために、抗CD3/抗CD28常磁性ビーズ(Dyanbeads(商標))を培養0日目から1ビーズ/細胞の比で培養培地に加え、次いで2日目に培地交換中に除去した。連続活性化のために、抗CD3/抗CD28常磁性ビーズ(Dyanbeads(商標))を培養0日目から1ビーズ/細胞の比で培養培地に加え、次いで、4日目に再び加え、6日目に1ビーズ/細胞の比で再び加えた。2日目、4日目または6日目に、抗CD3/抗CD28常磁性ビーズを除去しなかった。
連続活性化および一過性活性化の両方のために、合計10の条件/ドナーについて上記の5つの処理群のうちの1つに培養ウェルを割り当てた。
細胞数および生存率を1日おきに監視した。細胞が3×106個の細胞/mlに達したら、1.5×106個の細胞を、7mLの最終体積の培地を含む24ウェルガス透過性培養プレートの新しいウェルに継代培養し、培養を上記のように継続した。
抗CD3/抗CD28(一過性活性化)処理群による単一活性化の細胞生存率を図33A(ドナー1)および図33B(ドナー2)に示し、同じ処理の総細胞数をそれぞれ図34A(ドナー1)および図34B(ドナー2)に示す。固有のドナー変動性が観察されたが、一過性活性化(単一活性化)刺激に曝露された処理条件ではいずれも、生存率は高いままであった。生存率は、生存率および総生細胞数の両方が経時的に低下したFasLの連続遮断を伴う条件を除いて、いずれの処理条件でも高いままであった(図33A~B)。
抗CD3/抗CD28処理群による連続活性化の細胞生存率を図35A(ドナー1)および図35B(ドナー2)に示し、同じ処理の総細胞数を図36A(ドナー1)および図36B(ドナー2)に示す。天然の腫瘍微小環境に似た抗CD3/抗CD28による連続活性化に曝露された場合、総生細胞数および生存率の両方が、一過性活性化事象のみを伴う条件よりも処理条件間で異なった。連続的に活性化された集団では、カスパーゼ阻害物質に一過性および連続的に曝露された細胞は、他の条件よりも優れており、連続的なカスパーゼ阻害は一過性の条件よりも優れているようであった。加えて、FasL遮断に曝露された細胞は、総細胞数および生存率の両方で最大の低下を示したのに対して、FasL遮断に一過性に曝露された細胞、および同様に行われなかった追加の処理。
これらの結果は、培養中にカスパーゼ阻害を使用すると、このアッセイ系と同様に活性化シグナルを構成的に提示し得る腫瘍から細胞が直接処理される場合など、正常なT細胞増殖に敵対し得る環境で細胞が機能する能力を向上させることができることを示す。これらの結果はまた、FasLシグナル伝達の連続的な遮断が、一過性T細胞活性化および連続的T細胞活性化の両条件でT細胞増殖にとって有害であり得ることと、FasLの遮断が、それが一過性に提供される場合ほどT細胞増殖に強く影響を及ぼさないこととを示す。
実施例13 腫瘍処理におけるカスパーゼ阻害の評価
実施例1に記載されるように、コラゲナーゼI/IIブレンド(Nordmark、Collagenase NB 4G Proved Grade、製品:S1746503)を使用して、ドナーから得られたCRC腫瘍を処理して、断片培養物またはSCS培養物を生成した。300IU/mLの組換えIL-2と、10μg/mlのゲンタマイシンと、5%の免疫細胞血清代替物(ThermoFisher)と、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを補充したOpTmizer培地を使用して、ガス透過性24ウェル培養プレート内で腫瘍断片培養物およびSCS培養物の両方を維持した。培養物の半分に、各培地交換時に補充された2μMのパンカスパーゼ阻害物質Z-VAD-FMKをさらに補充した培地を含有させた。培養物を約37°Cで最低18日間インキュベートし、培養5日目の後2~3日ごとに50%培地交換を行った。5日目、およびNC-200 Automated Cell Counter(ChemoMetec)を使用した各培地交換時に細胞計数を行った。
図37A~Cは、Z-VAD-FMKの存在下または非存在下で増殖させたSCSおよび腫瘍断片由来培養物の両方の増大倍率(図37A)、全生細胞(図37B)および生存率(図37C)を示す。図37Aおよび図37Bは、細胞の成長が、パンカスパーゼ阻害物質を含有する腫瘍断片由来条件では優れていたことを実証している。さらに、図37Cに見られるように、この条件では細胞生存率も高かった。T細胞の成長はSCS条件では観察されなかったが、カスパーゼ阻害の存在下でSCSとして培養した細胞についても同様に細胞生存率が高かった。これらのデータは、カスパーゼ阻害が、腫瘍から増殖させたT細胞の高い生存率および成長を維持する機構であり得ることを示している。
実施例14 T細胞表現型に対するチェックポイント調節因子および共刺激アゴニスト抗体の評価
健常ドナー2例から得られたPBMCを解凍し、300IU/mLの組換えIL-2と、10μg/mlのゲンタマイシンと、5%の免疫細胞血清代替物(ThermoFisher)と、グルタミンのジペプチド形態である、最終濃度2.0mMのL-アラニル-L-グルタミン(GlutaMAX Supplement;Thermofisher)とを補充したOpTmizer細胞培養培地を用いて洗浄した。次いで、24ウェルガス透過性細胞培養プレートに5.0×105個の細胞/cm2の密度で細胞を播種した。50ng/mlのOKT3、ヒト抗CD3モノクローナル抗体を使用して細胞を48時間かけて活性化し、以下に記載されるような作用物質を用いてさらに処理した。培養48時間後、表現型について細胞を分析した。
細胞を以下のように6つの処理群に分けた:イピリムマブ(抗CTLA4)、ペンブロリズマブ(抗PD1)、タボリキシズマブ(抗TNFRSF4)、ウレルマブ(抗CD137)およびバルリルマブ(抗CD27)、ならびに作用物質対照を加えず。いずれの試験群でも、各処理群の細胞を0.5、1、10、または20μg/mLのモノクローナル抗体の存在下で培養した。
試験した抗体のいずれも、T細胞のメモリー分化状態に影響を及ぼすようには見えなかった。活性化のマーカーOX40、41BB、CD107aおよびPD1について、フローサイトメトリーによって独立してCD4+細胞およびCD8+細胞についてT細胞表現型を評価した。結果を図38(CD3+)、図39(CD4+)および図40(CD8+)に示す。アゴニスト抗CD27抗体である比較的高濃度のバルリルマブは、CD3+T細胞(図38Bおよび図38C)、CD4+T細胞(図39Bおよび図39C)およびCD8+T細胞(図40Bおよび図40C)上の41BBおよびCD107aの発現を促進した。アゴニストCD137受容体抗体であるウレルマブは、CD4 T細胞(図39B)およびCD8+T細胞(図40B)上の41BBの発現を促進した。抗PD-1アンタゴニストであるペンブロリズマブは、CD4 T細胞(図39D)上のPD1の発現を減少させた。
これらのデータは、細胞活性化状態を緩和する手段としての、T細胞増大に使用するためのモノクローナル抗体調節因子の使用を裏付けている。
本発明は、例えば、本発明の様々な局面を説明するために提供される特定の開示された態様に範囲が限定されることを意図しない。記載される組成物および方法に対する様々な改変は、本明細書における記載および教示から明らかになるであろう。そのような変形例は、本開示の真の範囲および趣旨から逸脱することなく実施することができ、本開示の範囲内に入ることが意図される。