JP2022519527A - 磁気抵抗磁場センサのための隣接層構造体の配列、磁気抵抗磁場センサ及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗磁場センサのための隣接層構造体の配列、磁気抵抗磁場センサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、磁気抵抗磁場センサのための、隣接して配置された少なくとも2つの層構造体の配列に関する。それぞれの層構造体は、少なくとも1つの反強磁性層と、第1の磁気モーメントを有する第1の強磁性層とを備える。交換結合が、反強磁性層と第1の強磁性層との間に存在する。さらに、第2の磁気モーメントを有する第2の強磁性層が、含まれ、第2の強磁性層は、第1の強磁性層と第2の強磁性層との間に配置された非磁性結合層を介して、第1の強磁性層に反平行に結合される。隣接して配置された層構造体の対応する第1の強磁性層及び対応する第2の強磁性層の磁化が、相互に異なる、特に、実質的に相互に反対の配向とすることを提案するものである。本発明は、さらに、このような層構造体の配列を有する磁気抵抗磁場センサと、層構造体の配列及び磁気抵抗磁場センサを製造する方法とに関するものである。【選択図】図3

Description

本発明は、磁気抵抗磁場センサのための隣接層構造体の配列に関し、当該隣接構造体は、少なくとも1つの反強磁性層と、第1の磁気モーメントを有する第1の強磁性層であって、交換結合が反強磁性層と第1の強磁性層との間に存在する、第1の磁気モーメントを有する第1の強磁性層と、第2の磁気モーメントを有する第2の強磁性層であって、当該第2の強磁性層が、第1の強磁性層と第2の強磁性層との間に配置された非磁性結合層を介して第1の強磁性層と反平行に結合される、第2の磁気モーメントを有する第2の強磁性層とを備える。
本発明は、さらに、このような層構造体の配列を有する磁気抵抗磁場センサと、層構造体の配列及び磁気抵抗磁場センサの製造方法とに関する。
磁気抵抗磁場センサは、抵抗ベースの磁場測定において役立つものである。適切な幾何学的配列によって、さらに、例えば、経路、角度又は電流強度等の物理量を検出可能である。磁気抵抗磁場センサは、磁気抵抗効果に基づくものである。これは、外部磁場を印加又は変更した結果として、材料の電気抵抗に変化が表される。磁気抵抗効果が比較的高い磁場センサは、抵抗変化率(ΔR=RMax-RMin)及び最小抵抗RMinにより説明できるものだが、巨大磁気抵抗効果(GMR効果)又はトンネル磁気抵抗効果(TMR効果)に基づくものである。あるいは、AMR(異方性磁気抵抗)効果を表す材料を利用可能である。このような効果はまた、xMR効果と総称される。
GMR及びTMR磁場センサは、非磁性材料及び磁性材料の薄膜構造体を備え、当該薄膜構造体では、層への磁気結合又はスピン効果が、電気抵抗に影響する。GMR及びTMRベースの磁気抵抗層構造体において、外部磁場に基づく電気抵抗に50%(GMR)又は600%(TMR)までの変化を実現することができる。
TMR磁場センサを製造するために、層構造体が、少なくとも2つの強磁性層と、トンネルバリアとして機能し中間層とも呼ばれる電気絶縁バリア層とから形成され、その結果、トンネル電流が、2つの強磁性層間を流れることができる。TMR磁場センサの場合、バリア層は、例えば、Al又はMgOからなる。GMR磁場センサの場合、薄く非磁性だが導電性のCu又はRuの層が用いられることが多い。表面積等の幾何学的パラメータとは別に、トンネル素子の電気抵抗は、2つの強磁性層を相互にいかに磁化させるかに依存する。2つの強磁性層が相互に平行に磁化された場合、抵抗RMinは、最小である。他方で、2つの強磁性層が相互に反平行に磁化された場合、抵抗RMaxは、最大である。
実際には、2つの強磁性層の一方の磁化方向は、固定又はピン止めされることが多く、その結果、この層の磁化が、外部場に反応しないか又は弱くしか反応しない。この層は、基準層又はピン止め層(pinned layer)と呼ばれる。他方の層は、その磁化が、所定の方法で外部場に追従し得るように構成される。この層はまた、検出層又は自由層として知られている。
このように、外部場に異なる反応をする基準層及び検出層に分割することで、外部場の変化に伴う抵抗の変化を実現することができ、検出装置を得られる。抵抗における依存性は、「自由層」とも呼ばれる検出層の磁化方向と、「ピン止め層」とも呼ばれる基準層の磁化方向との間の角度と相関する。
層構造体は、この場合、典型的には基板表面に垂直な1つの軸線においては、一連の薄膜として、その一方で、それに直角の他方の軸線においては、幾何学的形状を有するもの、と、説明できる構造である。
薄膜技術を、このような構造体又は抵抗素子を製造するのに用いる。製造方法に関連して、基準層の磁化方向は、永続的に確立され得、これは、ピン止めと呼ばれることが多い。強磁性層又は基準層をピン止めするために、強磁性層が、一般に、反強磁性体隣接層に結合される。磁化方向を確立するために、抵抗素子、すなわち、層構造体を、反強磁性層と強磁性層との間の交換結合が消失する「ブロッキング温度」を上回るまで加熱し、この温度は、概して、強磁性層のキュリー温度よりも低い。ブロッキング温度を上回りキュリー温度を下回る所望の温度に一旦達すると、強磁性層は、外部のピン止め場に曝され、これにより、これらの層が、所定の磁化方向になる。この目的のために、印加されるピン止め場は、強磁性層をピン止め場に完全に平行に配向させるのに十分大きくする必要がある。この磁化方向は、ピン止め場を印加して、層構造体が再び冷却され温度がブロッキング温度を下回った場合、維持される。
これに関連して、ピン止め場は、さらに、局所的に作用する磁場であって、所望のピン止め方向において、層構造体の強磁性層に、一連の層に対して直角で、すなわち基板表面に接線方向に、透通し、局所的な磁場成分となる局所的に作用する磁場と説明される。これは、ピン止め場が、磁場をガイドすることにより、例えば、磁束ガイド素子としての強磁性パターニング素子により誘導される配向磁場全体としての「前処理用磁場」とは異なる。前処理用磁場全体は、一般に、局所的なピン止め場より強く、それとは異なる方向に配向され得る。
「シンプルスピンバルブ(SSV)」とも呼ばれる、強磁性基準層を1つしか有していないこのような基準多層システムの欠点は、熱安定性が低いことのみである。応用例では、特に、ピン止め方向が、高温及び磁場の発生により回転してしまうリスクがある。この現象は、この基準層を用いたセンサの挙動にドリフトを引き起こす。このことは、基準層の磁気モーメントが低くなるほど、磁場の注入がさらに弱くなって、層が回転してしまうことを意味する。したがって、この場合、基準層の層厚さを薄くしたまま、いかなるドリフトもより少なくすることが、有利である。しかしながら、このようなSSV構造体における磁気抵抗効果は、比較的少ないものである。といえ、1つの利点は、基準層を調整するには、磁場強度が低いことだけでよいということにある。
改良された基準層構造体の場合、第2の強磁性層が、反強磁性層に配置された第1の強磁性層に加えて、設けられる。この2つの強磁性層の間に、反平行の、RKKY結合(Ruderman-Kittel-Kasuya-Yoshida型相互作用)を2つの強磁性層の間に引き起こす結合層が、設けられる。このような層構造体はまた、「反平行結合ピン止め層スピンバルブ(APP-SV)」とも呼ばれる。
2つの強磁性層の磁気モーメントが、典型的にはおよそ等しい大きさであり、強磁性層の全磁気モーメントが反平行アライメントによりおよそゼロに相殺されるので、作動時に、外部磁場によって、基準層システムの磁化方向の変化がわずかしか起こらず、このことは、このようにバランスのとれたAPP-SVが、比較的高温でも安定することを意味する。SSVと比較して、APP-SVの磁気抵抗効果は、さらに高くなる。
しかしながら、重大な不利点は、2つの強磁性層の磁気モーメントが相互に取り消し合う(全磁気モーメントがおよそゼロになる)ので、この層構造体のピン止めは、磁束密度が強磁性層間のRKKY結合を克服する程大きなものである場合にのみ可能であることである。この目的のため、磁束密度を1Tより大きくする必要がある。これには、ピン止め工程に対する大きな労力を必要とする。複数の層積層体又は抵抗器素子が各種磁気配向を持つことを意図して設けられた磁場センサは、非常に多大な労力をかけても全く製造できないか、又はそうすることでしか製造できない。
ピン止め方向を確立するために、選択的加熱方法、特にレーザーを用いて、基板が支持する層構造体の空間が制限された領域を選択的に加熱し、ピン止め目的で基板表面に平行な所望の方向に外部磁場を印加することが知られている。それにより、局所的に加熱された領域を層構造体とともに同一の方向にピン止めすることができる。各種ピン止め方向が、基板上に発生する場合、本方法を複数回、各種外部磁場のアライメントを行って繰り返さなければならならず、当該方法では、空間において近接して隣接する層構造体を、各種方向にピン止めすることはできない。他方では、従来の方向選択型磁場センサを構築するためには、各種好ましい方向を有する層構造体が、必要であり、同じプロセス工学的特性の影響を受けるので、層構造体を近接した隣接層構造体において各種方向にピン止めすることが望ましい。
さらに、1秒以下のレーザーによるピン止めは、例えば、PtMn又はNiMn等、ピン止め工程中に反強磁性L1規則相にしか再結晶できない反強磁性材料には不利である。再結晶工程は、典型的には、数時間続き、実際には、レーザー光による局所的加熱では実現できない。
国際公開第2016/078793号は、前処理用磁場を層構造体に注入する軟磁性パターニング素子、すなわち、磁束ガイド素子が層構造体に隣接して配置される、磁場センサを複数の方向にピン止めする方法及び装置を開示する。提示された本方法によって、前処理用磁場を基板表面に直角に注入することができ、これにより、基板表面に接線方向の任意の所望のピン止め方向が、複数の方向にピン止めする方法で確立され得る。このように複数の方向にピン止めすることによって、国際公開第2016/083420号に記載のように、例えば、センサ信号を高調波フィルタリングして、高精度の角度センサを製造することができる。しかしながら、実際には、この方法では、1Tをずっと下回る範囲の低いピン止め磁束密度しか達成できず、その結果、この方法は、強い磁気結合を有する多層積層構造体では用いることはできない。
米国特許出願公開第2015/0213815号明細書は、上部シールドと底部シールドとの間に配置された層積層体を備える磁気抵抗センサを開示する。層積層体は、反強磁性層と、第1の強磁性ピン止め層と、第2の強磁性基準層とからなり、2つの層が、非磁性結合層により反平行に結合される。第1の強磁性層の第1の磁気モーメントと第2の強磁性層の第2の磁気モーメントとの比率は、1.1を超える。しかしながら、磁気抵抗磁場センサの基板における好ましい方向を相違させて全く同一に構築された、2つの隣接したTMR素子の配列又はその製造方法は、当該文献からは分からない。
米国特許第7,505,233号明細書は、2つのセンサからなる磁場センサを明示している。2つのセンサは、それぞれ、2つの強磁性素子と、X-Y平面における感度を有する1つの磁気抵抗素子とを備える。測定されZ方向にガイドされる外部磁場は、磁気抵抗素子では測定不可能である。Z方向にガイドされる磁場は、2つの強磁性素子によりX方向に向きを変えられる場合があるので、測定される磁場は、磁気抵抗素子により同一の方向に検出され得る。この点において、強磁性素子は、測定されるZ磁場の方向をX-Y平面に偏向し、磁束をX-Y平面にガイドすることに役立つ。当該明細書に記載の磁気抵抗磁場センサは、2つの強磁性基準層を有する層構造体を具えておらず、さらに、隣接し同一に構築され、基板上における好ましい方向を相違させた第2のTMR素子は、開示されていない。
米国特許出願公開第2017/0328963号明細書が、磁場センサ装置の強磁性層の永久磁化方法を教示している。ピン止め場が、チップ基板表面に垂直に注入され、軟磁性パターニング素子の境界の形状によって、チップ基板平面において調整可能な方向にピン止めを可能とする、水平に配向された磁場成分が生成される。これによって、磁場センサ素子を、チップ基板表面に各種軸方向にともにかつ同時にピン止めすることができ、当該素子が、ランダムに湾曲した2つ以上の方向に高感度となる。本文献は、ピン止めされた単一の基準層、すなわち、「SSV層積層体」を有するセンサの層構造体に関するものであって、反平行の基準層の応用例又はピン止め場強度が低いピン止め方法は、開示しておらず、提案された任意の関連する構造体でもない。
米国特許出願公開第2015/0318465号明細書は、TMR層積層体の幅を相違させた、磁場を測定するための磁気抵抗構造体を備える磁気抵抗装置に関連するものである。磁気抵抗構造体は、2つのTMRバリアを層積層体に有する積層型二重TMR層のように構築されている。自由層が、2つのTMR層積層型層の間に配置され、基準層が、さらに上下に配置されている。米国特許第7,605,437号明細書は、同様に、2つのTMRバリアを1つの層積層体に有する積層型二重TMR層に関するものである。
独国特許出願公開第112010003775号は、Z成分をX-Y平面において検出することができるフィールドセンサを記載している。この目的のため、センサは、軟磁性磁束ガイドを含み、この唯一の目的は、垂直磁場の進路をその平面に変えることである。この場合、すべての磁気抵抗素子は、同一のピン止め方向を有する。
独国特許出願公開第112010003775号及び米国特許出願公開第2018/0238972号明細書は、X-Y平面においてZ成分を測定するフィールドセンサに関するものである。当該文献は、Z成分を、軟磁性構造体により測定される場をガイドすることにより、検出し得る方法を説明している。
国際公開第2016/078793号 国際公開第2016/083420号 米国特許出願公開第2015/0213815号明細書 米国特許第7,505,233号明細書 米国特許出願公開第2017/0328963号明細書 米国特許出願公開第2015/0318465号明細書 米国特許第7,605,437号明細書 独国特許出願公開第112010003775号 米国特許出願公開第2018/0238972号明細書
先行技術を超える改善がされた、磁気抵抗磁場センサのための層構造体、磁気抵抗磁場センサ、及び層構造体若しくは磁場センサの製造方法を示すことが本発明の目的である。
その目的は、少なくとも2つの隣接層構造体の配列及びこの配列を用いた磁気抵抗磁場センサと、層構造体のこの配列の製造方法と、独立請求項及び同等の位置づけの請求項に係る磁気抵抗磁場センサの製造方法とにより達成される。
隣接して配置された少なくとも2つの層構造体の配列において、それぞれの層構造体は、少なくとも1つの反強磁性層と、第1の磁気モーメントを有する第1の強磁性層であって、交換結合が反強磁性層と第1の強磁性層との間に存在する、第1の磁気モーメントを有する第1の強磁性層と、第2の磁気モーメントを有する第2の強磁性層であって、当該第2の強磁性層が、第1の強磁性層と第2の強磁性層との間に配置された非磁性結合層を介して第1の強磁性層と反平行に結合される、第2の磁気モーメントを有する第2の強磁性層と、を備える。
隣接して配置された層構造体の対応の第1の強磁性層及び第2の強磁性層の磁化、すなわち、ピン止め方向は、相互に異なるものであって、特に、実質的に相互に反対の配向とすることを提案する。反対のとは、反平行の配向を意味し、すなわち、2つのピン止め方向が相互に180°回転したことを意味する。実質的に反対の配向によって、160°から200°の角度範囲内の相互のずれが可能となって、その結果、ピン止め方向が、実質的に180°反平行に配向され、すなわち、反対の配向がされ、反平行配向からの+/-20°までさらなるずれが可能となる。
隣接とは、隣接層構造体が、基板上においてその表面を相互に隣り合わせにして配置され、これ以上の層構造体は、隣接層構造体の間には配置されないことを意味する。複数の隣接層構造体に言及する場合、このことは、この複数の層構造体のそれぞれが、少なくとも1つのさらなる層構造体を有するものの、その間には、さらなる層構造体はないことを、意味する。しかしながら、他の構造体、例えば、導体トラック若しくは磁束ガイド素子、又は軟磁性パターニング素子を2つの隣接層構造体の間に位置させることができる。同様に、「ダミーの」層構造体、すなわち、その抵抗がセンサの抵抗の一部ではなく、実質上プレースホルダー層構造体としてのみ存在するとともにその磁化方向がセンサの抵抗挙動においていかなる役割も果たさない層構造体を、2つの隣接層構造体の間に配置することが考えられる。
反強磁性層、第1の強磁性層及び第2の強磁性層と、結合層とが、2つの強磁性層を使用することにより非常に低い磁場強度でピン止めされ得る基準層積層体を形成する。層構造体の2つの強磁性層MFM1及びMFM2の結果として得られる全磁気モーメントM_APP_SVは、以下の式から得られ、
Figure 2022519527000002
それは、同等の磁気抵抗特性を有するシンプルスピンバルブ型層構造体(SSV)の結果として得られるモーメントMSSVを、実質的に下回る。この層構造体は、不平衡の反平行結合されたピン止め層(APP-反平行結合されたピン止め層スピンバルブ)を指し得る。
上述の層構造体に関連して、特に、全磁気モーメントが実質的にゼロの平衡APP構造体に関連して、必要なピン止め場の強度は、桁違いに10分の1に低下する。よって、本発明に係る層構造体は、ピン止め工程の実施可能性、熱磁気安定性及びxMR効果の大きさの点で、最適化されている。結果としてピン止め場の強度が初めて著しく低下することによって、近接した隣接層構造体を各種方向にピン止めすることができる。
有利には、それぞれの層構造体が円形又は楕円形の外形を有する。さらに、隣接層構造体は、有利には、用いられる層順序、層膜厚さ及び層材料の点で同一の構築とすることができる。少なくとも2つの隣接層構造体の第1の強磁性層は、ここでは、材料及び層厚さの点で同一の構築とすることができ、又、少なくとも2つの隣接層構造体の第2の強磁性層は、ここでは、材料及び層厚さの点で同一の構築とすることができる。少なくとも2つの隣接層構造体の非磁性結合層はまた、少なくとも2つの隣接層構造体の反強磁性層のように、材料及び層厚さの点で同一の構築とすることができる。
1つの有利な実施形態において、隣接層構造体の中心間距離ΔDを、小型の層構造体に対して、50μm以下、好ましくは、20μm以下、特に10μm以下とすることができる。よって、間隔を狭くした結果、材料特性及び製造工程の条件が同一であれば、最も限られた空間内において、実質的に同一の構築とした層構造体に対して、各種ピン止め方向を実現し得る。これは、例えば、軟磁性パターニング素子を、隣接層構造体の間の限られた間隔の領域に導入することができるからである。これに、層積層体の平面の位置に垂直に配向していることが好ましい前処理用磁場が透過した場合、漂遊磁場が、パターニング素子の境界に生じ、この漂遊磁場は、パターニング素子の境界縁に対して垂直に、ピン止め場としての隣接層構造体を透過する。よって、パターニング素子の形状(長方形、正方形、四角形、多角形、円形等)に依存して、隣接層構造体が単に50μm未満、好ましくは20μm未満、特に、10μm未満の間隔をあけて配置される最も変化に富んだピン止め方向を実現することができる。この間隔は、最小限の間隔とみなすことができ、実際の構造体では、間隔をおいて配置された層構造体の列は、相互に機能的に配置され電気的に相互接続されるとともに、少なくとも2つの隣接層構造体は、必ずしもすべての層構造体ではないが、この最小限の間隔を実現する。
それぞれの層構造体の反強磁性層は、例えば、FeMn、IrMn、PtMn、NiMnから製造することができ、厚さを5nmと30nmとの間とすることができる。
それぞれの層構造体の結合層は、第2の強磁性層の、第1の強磁性層に対する反平行の配向を引き起こすものであって、例えば、金属の非磁性材料、例えば、Ru又はRhからなり、厚さを0.3nmと1.5nmとの間とすることができる。
それぞれの層構造体の第1の強磁性層及び第2の強磁性層の好ましい実施形態を、さらに詳細に以下に説明する。
有利な一実施形態において、層構造体の配列は、少なくとも3つ、特に、4つ以上の層構造体を備えることができ、当該層構造体は、相互に隣接して配置され、特に、単に間隔を置くことにより又は軟磁性パターニング素子により相互に離れている。特に、層構造体の磁化は、対において、相互に、好ましくは90°だが、60°、45°、36°、30°、18°又は15°の角度をつけて配置され、それぞれの対の隣接層構造体のそれぞれの対の対応する第1の強磁性層及び第2の強磁性層の磁化は、相互に異なり、好ましくは、実質的に相互に反対、すなわち、相互に反平行である。特に、一対の対向した層構造体の磁化のピン止め方向は、相互に反対に実質的に180°に配向される。よって、隣接層構造体の、2つの相互に異なるピン止め方向のみならず、特に、実質的に180°反対に配向したピン止め方向を実現することができる。むしろ、2x2以上の対、例えば、6x2の対の層構造体に、相互に異なるピン止め方向を設けることができ、特に、実質的に180°反対のピン止め方向を設けた層構造体の相互に対応する対に、それぞれ順に、相互に所望の任意の角度、例えば、90°だが、例えば、15°、18°、30°、36°、45°又は60°の角度オフセットすることができる。よって、層構造体の配列は、例えば、国際公開第2016/083420号に記載のように、例えば、回転角センサの誤差を最小限にするための高調波フィルタリングのために製造することができる。対応し対向する層構造体のそれぞれの対はまた、180°だが、例えば、160°又は200°ずれたピン止め方向を具えることができる。これは、軟磁性パターニング素子のくさび形の外部構造により実現することができ、高周波の高調波誤差をフィルタリングするために使用することができる。よって、パターニング素子の側面には、例えば、階段状の角度プロファイル、好ましくは、15°、18°、30°、36°、45°、60°、75°又は90°の角度の1つを形成する角度プロファイルを具えることができ、対向する側面は、好ましくは、中心軸において鏡映させて形成することができる。4つ以上、例えば、6つ、8つ又は複数の対の層構造体はまた、好ましくは、相互に、鏡映対称に又は回転対称に配置することができる。6つの対の場合、これは、それぞれの場合、相互に30°オフセットさせることができ、又は4つの対は、相互に45°オフセットさせることができ、それぞれの対は、180°反対の磁化、すなわち、ピン止め方向を具える。
上の実施形態から始めると、2つの対の層構造体は、好ましくは、相互に隣接して配置され、第1の層構造体の対が、実質的に反対方向に磁化され、第2の層構造体の対は、2つ一組で実質的に反対方向に磁化される。第2の対の磁化方向は、さらに、第1の対の磁化方向と同一にせずともよく、好ましくは、90°、60°、45°、36°、30°、18°又は15°の角度をつけることができる。層構造体のピン止め方向は、よって、それぞれの場合、2つ一組で反平行であり、層構造体の隣接した対のピン止め方向は、90°以下の角度で相互に離れる方を向いている。層構造体の対の層構造体の個々の層は、それぞれの場合、材料及び層厚さに関して相互に同一とすることができる。
有利な一実施形態において、それぞれの層構造体では、反強磁性層と結合される第1の強磁性層の第1の磁気モーメントと第1の強磁性層と反平行に結合される第2の強磁性層の第2の磁気モーメントとの比率は、1とは異なり、好ましくは、1.7と2.3との間になり得る。よって、交換結合により反強磁性層と結合される第1の強磁性層は、第1の強磁性層の、反強磁性層と遠い側に配置され、非磁性結合層を介して第1の強磁性層と反平行に結合される第2の強磁性層のおよそ2倍の磁気モーメントを有する。
第1の磁気モーメント及び第2の磁気モーメントの所定の比率は、例えば、堆積されているがまだピン止めされていない第1の強磁性層及び第2の強磁性層の状態に関連するか又は2つの層のピン止め後の状態に関連し得る。
有利な一実施形態によれば、それぞれの層構造体は、第2の強磁性層の、結合層から遠い側に配置された第3の強磁性層を備え、非磁性の、特に、好ましくはMgOからなる非導電性バリア層が、特に、第2の強磁性層と第3の強磁性層との間に配置される。第3の強磁性層は、従来、検出層の形をとる。第3の強磁性層は、好ましくは、Co、CoFe、NiFe又はCoNiからなり、任意選択的に、1つ以上のさらなる元素、特に、ホウ素又はシリコンを合金に追加することができる。それはまた、軟磁性のCoFe又はCoNiを含む各種材料の多層システムからなるようにすることができる。バリア層は、特に、磁気抵抗トンネル効果を最適化するよう機能する。
さらに、上の実施形態によれば、それぞれの層構造体は、第3の強磁性層の、第2の強磁性層から遠い側に配置された、少なくとも1つの非磁性の、特に、金属の被覆層を含むことができる。被覆層は、その上に配置された隣接構造体に対して層構造体を画定するものであり、特に、測定電流を伝導するようにも機能し得る。
終端化電極層は、電気接触のための接触電極として機能することができ、それぞれの層構造体の被覆層に続いて、又は任意選択的に直接第3の強磁性層の上に配置することができる。
終端化又は被覆層は、好ましくは、すべての層構造体において、材料及び層厚さに関連して同一であることが、好ましい。
それぞれの層構造体は、有利には、基板に施され、「シード層」を基板と反強磁性層との間に施すことができ、当該「シード層」は、反強磁性層の成長を促進し、ベース電極として機能することができる。基本的には、シード層と、被覆又は終端化電極層との間の層構造体は、基板に、本明細書に記載したものと逆の順番で施してよい。
本発明のさらに有利な実施形態によれば、それぞれの層構造体において、第1の強磁性層は、第1の強磁性材料組成物からなり、第2の強磁性層は、第2の強磁性材料組成物からなり、第1の強磁性材料組成物は、第2の強磁性材料組成物とは異なるものである。各種材料組成物は、含有されている化学元素及び/又はその割合という点で異なる場合があり、基準層積層体の強磁性層の各種磁気モーメントの形成を促進する。
有利には、第1の強磁性材料組成物は、CoFe合金であって、特に、Feのモル分率又は原子パーセントが5%と15%との間、好ましくは10%である。
有利には、それぞれの層構造体における第2の強磁性材料組成物は、CoFeB合金であって、各許容偏差(tolerance deviation)に関して、Co及びFeのモル分率又は原子パーセントは、それぞれの場合において40%であり、Bの比率は20%であり、当該許容偏差によって、各比率は、5パーセント以下、好ましくは、2.5パーセント以下、その比率に対する各所定の値から外れ得る。
上述の材料組成物は、所望の比率の磁気モーメントで、強磁性層を形成するのに特に適切であることが、証明された。
有利な一実施形態によれば、それぞれの層構造体おける第1の強磁性層は、第1の層厚さΔl1を有し、前記第2の強磁性層は、第2の層厚さΔl2を有し、第1の層厚さと第2の層厚さとの比率Δl1/Δl2は、1.2と2.5との間である。
有利には、それぞれの層構造体における第1の層厚さΔl1は、0.5nmと2.0nmとの間、好ましくは、1.2nmであり、第2の層厚さΔl2は、第1の磁気モーメントと第2の磁気モーメントとの比率が1.7と2.3との間になるように選択され、特に、磁気モーメントの比率は、堆積されているがまだピン止めされていない第1の強磁性層及び第2の強磁性層の状態に関連する。
上述の好ましい2つの材料組成物、すなわち、第1の強磁性層についてはCo90Fe10、第2の強磁性層についてはCo40Fe40B20に対して、第1の層厚さと第2の層厚さとの比率は、好ましくは、1.36と1.84との間、特に、1.6となる。
有利な一実施形態によれば、それぞれの層構造体の結合層は、(特に主として)Ruを含み、厚さが0.35nmと0.85nmとの間、好ましくは、0.5nmである。結合層をこのような大きさにすることが、特に適切であることが証明された。
それぞれの層構造体の反強磁性層は、マンガン合金として構成され得ることが、有利である。イリジウム-マンガン(IrMn)、白金-マンガン(PtMn)、ニッケル-マンガン(NiMn)若しくは鉄-マンガン(FeMn)合金又はその合金混合物が、特に、当該層に適切である。マンガン合金、特に、白金-マンガン(PtMn)若しくはニッケル-マンガン(NiMn)は、L1規則相で存在することが、好ましい。L1規則相は、金属合金の金属間化合物規則相であって、規則的な混合結晶構造により区別され、そのために、マンガン合金の反強磁性体特性が、非常に顕著に現れる。このようなマンガンベースの反強磁性層は、ピン止め時間が数時間続き、温度がブロッキング温度を上回った場合でさえ、その優れた反強磁性体特性を保持又は実現する。スパッタリングされるPtMn及びNiMn層について、225℃を上回る温度で数時間加熱するだけで、好ましいL1結晶秩序が実現されることが、知られており、このような結晶秩序が、最適な反強磁性体特性を実現し、これは、選択的レーザーピン止め方法を用いた短時間の加熱では実現できないことである。
それぞれの層構造体は、TMRシステムとして構成されると有利である。この目的のため、層構造体は、下部ベース電極と、上部終端化電極とを有し、その結果、電流が、層構造体を、電気的接触可能に、層構造体に垂直に、すなわち、基板表面に垂直に流れることができる。シード層は、層構造体、特に反強磁性層を構築するための基板上のベース層として使用され、導電性ベース電極として形成されることが好ましい。さらに、第1の強磁性層において、磁化を1つのピン止め方向に印加し、第2の強磁性層において、反平行に配向された磁化を実現することができて、その結果、外部磁場に対する抵抗変化の感度が、ピン止め方向に非常に高くなり得る。有利な実施形態を含む本発明に係る層構造体は、特に、TMRベースの磁場センサにおける応用、特に、角度センサ及び2D磁場センサにおける使用に適することが証明された。しかしながら、GMRベースの磁場センサでの使用が、代替的に同様に可能であって、この目的のため、ベース電極及び終端化電極を層構造体上に横方向に配置することができる。
少なくとも2つの同一の構築がされた、隣接TMR素子が、有利には、基板に配置され、対応の第1の強磁性層及び対応の第2の強磁性層の磁化方向は、相互に異なるものにすることができ、特に、反対方向に又は180°と若干異なるが実質的に相互に反平行に配向され得る。この場合の隣接TMR素子は、層の同一のパッケージを備え、同じ堆積工程において、特に、同時に製造し得る。この場合、隣接TMR素子の中心間距離ΔDは、50μm以下、好ましくは、20μm以下、特に、10μm以下にし得ることが、好ましい。この場合、2つのTMR素子間の軟磁性パターニング素子の少なくとも一時的な配列において、前処理用磁場を、パターニング素子に、好ましくは基板表面に垂直に注入し得る。パターニング素子の漂遊磁場は、基板表面に平行にかつパターニング素子の側面プロファイルに垂直に配向された磁場成分を含み、パターニング素子の縁に沿って、有効なピン止め場として、第1の強磁性層に磁気配向をさせるように、作用する。この目的のため、基板上において層構造体又はTMR素子の比較的狭い中心間距離ΔDを選択することができ、パターニング素子が、基板上のその間に構築されるか又は例えばパンチの形態で一時的に導入される。前処理用磁場は、基板の表面全体に作用することができ、縁の配向に対応するパターニング素子の位置において、ピン止めは、前処理用磁場から誘導されたピン止め場が局所的に作用した結果として、基板表面に平行な各種方向に実現され得る。従来のレーザーピン止め法では、面内ピン止め場を基板表面に平行に注入し(よって、前処理用磁場はピン止め場と等しくなり)、短時間のレーザー加熱によりブロッキング温度を超えていたのに対して、今回のさらなる開発によれば、基板上の実質的にすべての層構造体を各種方向に、低い磁場強度で任意の所望の時間をかけて、総合的にピン止めを行うことができる。このことは、実際に、ウェハ基板上のすべてのセンサのすべてのTMR素子が、1つのステップでピン止めされ得ることを意味する。
2つ以上の、隣接し、同一の構築及び堆積が行われ、相互に角度をつけた、特に、相互に反平行のピン止め方向を有するTMR素子の上述の配列は、あるいは、第1の磁気モーメントと第2の磁気モーメントとの比率が1.7と2.3との間に制限されることなく、実施することができる。重要な要因は、2つの強磁性層の磁気モーメントが比較的低い磁場強度でピン止め可能なものであることであって、その結果、上述のパターニング素子を用いた多方向のピン止め方法が、TMR素子でも可能となる。
本発明に係る磁気抵抗磁場センサは、先行する実施形態の1つによれば、基板と、当該基板上に相互に隣接して配置された少なくとも2つ以上の層構造体の配列と、少なくとも1つの、少なくとも一時的に導入可能であり、各層構造体に隣接して又は部分的に重ねて配置される軟磁性パターニング素子と、を備え、パターニング素子は、前処理用磁場に影響を与えるように構成され配置され、当該前処理用磁場は、パターニング素子内へ、隣接層構造体の少なくとも第1の強磁性層において異なる配向がされて、層構造体の表面に平行に延びる磁場成分が、ピン止め場として使用するためのパターニング素子の漂遊磁場として活性化するという効果を有するように、パターニング素子内へ透通する。前処理用磁場は、基板表面に垂直にパターニング素子内に注入可能であることが好ましい。通常は、ピン止め操作後、一時的に導入されたパターニング素子を元通りに取り除く。通常、磁場センサは、磁気抵抗ブリッジ抵抗器の1つ以上のホイートストン測定ブリッジを備える。それぞれのブリッジ抵抗器は、少なくとも1つの、特に、複数の直列接続された層構造体を備え、当該層構造体は、一般に、実質的に同一の配向がされた磁化方向を有する。この点、隣接させそれぞれ少なくとも対にした、配列の層構造体は、それぞれの場合、ホイートストン測定ブリッジの種々のブリッジ抵抗器において相互接続され得る。
軟磁性パターニング素子は、例えば、リソグラフィー法によりニッケル-鉄合金にパターン形成して製作されるものであって、前処理用磁場が、パターニング素子内に、各層構造体の表面に同時にかつ垂直に注入され、層構造体の場所において、各層構造体の表面に平行に磁場成分を生成し、第1の強磁性層及び第2の強磁性層に少なくとも所定の場所から透通するように配置される。隣接層構造体には、このように、異なる配向をさせた、好ましくは実質的に反対方向のピン止め場が、透通し得る。前処理用磁場は、例えば、均一磁場とすることができ、当該磁場は、層構造体の表面に垂直に当たり、また、磁場特性と、パターニング素子の幾何学的形状とにより、不均一な漂遊磁場の形態で、層構造体表面に平行に境界縁から出て、隣接層構造体のピン止めを引き起こす。このように、任意の所望のピン止め方向を各層構造体に提供することができ、個々のパターニング素子が、複数の層構造体を同時に各種方向にピン止めすることができる。各種ピン止め方向は、実質的に、パターニング素子を基板表面に対して結合させる、パターニング素子の外形に依存する。
磁気抵抗磁場センサにおける軟磁性パターニング素子の配列と、対応の磁場センサ製造方法とは、磁場センサの層構造体のピン止めを説明するものであって、例として、国際公開第2016/078793号に記載されており、その開示内容全体が、参照により、本願に含まれる。軟磁性パターニング素子の各種構成もまた、本書類から分かる。
驚くことには、国際公開第2016/078793号に記載の軟磁性パターニング素子が、特に、磁場センサにおける層構造体のピン止めに適することが分かっており、これは、本発明に係る層構造体をピン止めするために必要とされるのが、比較的低い、130mTを下回る強度の前処理用磁場だけであり、工程において生じるピン止め場が、概して80%未満、一般的には50%未満の前処理用磁場の強度を有するものであり、繰り返すが強度が著しく低いことによる。特に、1つの磁場センサにおいて本発明に係る複数の層構造体を提供することができ、当該構造体は、例えば、国際公開第2016/083420号に記載のように、各種空間の方向に磁化され、特に、ホイートストーンブリッジを形成する。
本発明に係る、上の態様の一つによる層構造体の配列を製造する方法は、以下のステップ、
・層を基板に、被覆層とシード層との間に所定の又は逆の順番で施し、層構造体を、反強磁性層と第1の強磁性層との間の交換結合が消失するブロッキング温度を上回る温度に加熱するステップと、
・前処理用磁場を、少なくとも、層構造体の温度がブロッキング温度よりも高い間、隣接層構造体の第1の強磁性層の各種磁化方向を有するピン止め場を確立するように、特に基板(110)の表面に垂直に配向させて、加熱した層構造体に注入するステップと、
・層構造体をブロッキング温度より低い温度に冷却するステップと、を含む。
第1のステップにおいて、少なくとも2つの、特に、複数の磁気抵抗層構造体の配列が、相互に隣接して施され、好ましくは、GMR又はTMR層構造体は、上述の態様の1つ以上に対応する層構造体を有する。特に、すべての層構造体の層は、同時に1つの又は同一の被覆工程において堆積され、これにより、同一の層厚さ及び材料が、隣接層構造体に対して実現される。すべてのパターン形成工程はまた、好ましくは、すべての層構造体に対して、順番にではなく、平行してかつ同時に進行させることができ、このことは、第1の層構造体が、第1層構造体の後に第2の層構造体が続くようには形成されないことを意味する。すべての層構造体を同一の被覆工程で製造し、各種層構造体に、基板上で順番に又は異なる処理を行わないことが極めて有利であることが証明された。第1の強磁性層を配向するために、ブロッキング温度よりも高い温度を適用して、その結果、第1の強磁性層と反強磁性層との間の交換相互作用が、消失する。次いで、強磁性層は、隣接する反強磁性層によるピン止めはもはやされず、自由層と同様の作用をする。次に、前処理用磁場とも呼ばれる外部磁場を注入し、磁場の力線が、適切な箇所から、層構造体に、ピン止め場として、層平面に平行に入り、第1の強磁性層の調整可能な磁化を引き起こすように、ガイドされる。
有利には、層構造体の配列は、少なくとも260℃、好ましくは、特に、イリジウム-マンガンがブロッキング温度に達するのに十分な280℃に加熱され、よって、ピン止め、すなわち、第1の強磁性層の磁化の配向が可能となる。PtMn又はNiMn合金を含む反強磁性層の場合、典型的な温度は、好ましくは、300℃を超え、特に、300℃と350℃との間である。
注入された前処理用磁場の磁束密度は、200mT以下であり、好ましくは、100mT以下であって、その結果、反平行結合スピンバルブ型層構造体(APP-反平行結合ピン止め層スピンバルブ)に基づくTMR素子又はGMR素子の製造が容易にかつ安価になる。
ピン止め場が、ブロッキング温度を上回るまで加熱された層構造体の配列内に注入される時間は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも5時間、特に好ましくは12時間である。高温での注入時間が非常に長いことによって、反強磁性層のL1規則層配向が可能となり、反強磁性体特性が大きく改善される。
上述の態様に係る少なくとも1つの軟磁性パターニング素子を備える、本発明に係る磁気抵抗磁場センサを製造する、本発明に係る方法であって、当該方法は、上記の、本方法の有利な構成と少なくとも1つのパターニング素子を少なくとも一時的に施すことを含む、本発明に係る層構造体の配列を製造する方法とを含む。
本発明によれば、前処理用磁場が、ピン止め場として、パターニング素子を介して、各種磁化方向で隣接層構造体内に注入される。一旦、ピン止めが終わると、パターニング素子は、元通りに取り除かれることが好ましく、例えば、従来のリソグラフィー法及び電気めっき法を用いて基板に一時的に施し、エッチング法又は材料除去法を用いて元通りに取り除くことができる。パターニング素子を一時的に基板上においてパンチの形態で低くし、このように前処理用磁場を注入することも考えられる。その代わりに、軟磁性パターニング素子はまた、少なくとも所定の場所において外部磁場のための磁束ガイド素子として保持され得る。
上の製造方法の有利なさらなる1つの開発において、隣接し相互に間隔をおいて配置された少なくとも2つの層構造体の配列が、基板と、少なくとも一時的に層構造体の間に施されたパターニング素子とに適用され得る。ブロッキング温度を上回るまで加熱している間、前処理用磁場を、基板表面に垂直にパターニング素子又は複数のパターニング素子内に注入することができ、その結果、パターニング素子により生成される不均一な漂遊磁場が、実質的に基板表面に平行なピン止め場の所望の配向を提供する。前処理用磁場から基板表面に平行な、ピン止め活性した磁場成分の配向は、パターニング素子の縁の形状に依存し、その結果、隣接層構造体のピン止め場の配向は、好ましくは相互に異なる、特に、実質的に反対方向の配向がされる。この製造方法のさらなる開発によって、GMR及びTMR素子は、GMR又はTMR素子の基準層が反平行に結合された2つの強磁性体を含むものの、200mT未満、好ましくは100mT未満の比較的弱い前処理用磁場を用いて、空間上近接し隣接する配列で各種好ましい方向にピン止めすることができる。
方法を組み合わせて、特に、数分から数時間にわたる長い時間のピン止めを可能とし、近接し隣接した配列及び材料(材料の選択)を用いて層構造体を特定の順序にすることによって、最適化したL1相のPtMn及びNiMn等、特に熱的安定性のある反強磁性体材料を、センサにおいて反強磁性結合させた熱的安定性のある第1の強磁性層及び第2の強磁性層を追加して、使用することができ、さらに、部分的に方向が相違し好ましくは実質的に反対方向に配向され、すなわち相互に160°から200°の範囲の角度をつけられた基準層のピン止め方向を除いて、同一の設計及び製造とされている各種TMR又はGMR素子を限られた空間に配置することができる。
層構造体、磁気抵抗磁場センサ及びその製造方法のさらに有利な構成は、説明、図面及び従属請求項により明らかになる。
さらなる利点が、本図面及び図面に関する説明において明らかになる。図面は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。図面、説明及び特許請求の範囲は、組み合わせられる多数の特徴を含んでいる。当業者はまた、便宜上、特徴を個々に検討し、意味あるさらなる組み合せにするだろう。
図1は、本発明の例示的な一実施形態に係る配列のための層構造体の概略図である。 図2aは、このような層構造体の配列の本発明に係る一実施形態を含むTMR用の層構造体の概略断面図である。 図2bは、このような層構造体の配列の本発明に係る一実施形態を含むTMR用の層構造体の概略断面図である。 図3は、本発明の例示的な一実施形態に係るTMR素子としての一対の層構造体の配列の一実施形態の概略断面図である。 図4は、例示的な一実施形態に係る複数の層構造体及び軟磁性パターニング素子の配列を有する磁気抵抗磁場センサの斜視図である。 図5は、図4に図示した磁場センサのためのピン止めステップの概略図である。 図6は、例示的な一実施形態に係るピン止め工程中の磁気抵抗磁場センサの平面図を示す。 図7a-dは、ピン止め方向が異なる層構造体の配列の実施形態の概略図を示す。
図において、同じ要素は、同じ参照符号を用いて呼ぶ。
図1は、本例示的な実施形態においてTMRシステムとして説明する、本発明に係る配列のための層構造体100の一実施形態を示す。例示的な実施形態の一変更形態に係るGMRシステムとしての構成のため、TMRシステムに関連して行う必要がある変更が、一般に当業者に知られている。
層構造体100の種々の層が、半導体技術、例えば化学蒸着法又は物理蒸着法において一般に知られており従来からあるコーティング方法を用いて施される。
複数の層構造体100が、半導体基板又は基板110に施される。第一に、シード層112が、基板110に施され、シード層は、続いて施される反強磁性層114が最適な特性を有して成長するように、選択される。シード層112は、ベース電極132として第1の電気的接続ポイントを形成するのに十分な電気伝導率と最低限の表面粗さとによって、区別される。
反強磁性層114はまた、ピン止め層を意味し得るものであって、シード層112に施される。反強磁性層114は、例えば、典型的な層厚さが5nmと30nmとの間のFeMn、NiMn、IrMn又はPtMnからなる。
第1の強磁性層116が、次に、反強磁性層114に施され、当該反強磁性層は、CoFe合金、典型的にはCo90Fe10(質量百分率で記す)が、厚さ0.5nmから2.0nm、典型的には1.2nmで施される。
中間層又は結合層118が、例えば、Ruから、厚さを0.35nmと0.85nmとの間、典型的には0.5nmにして形成されて、第1の強磁性層116と隣接する。RKKY結合によって、結合層118は、第2の強磁性層120を第1の強磁性層116に対して反平行の磁気方向に配向させる。
第2の強磁性層120は、CoFeB合金、典型的にはCo40Fe40B20からなるもので、結合層118に堆積される。第2の強磁性層120の層厚さは、堆積されているがまだピン止めされていない強磁性層116、120の磁気モーメントが、所望の比をとるように選択される。この比、さらに正確には、第1の強磁性層116の磁気モーメントM1と、第2の強磁性層120の磁気モーメントM2との比率、M1/M2が、1.7と2.3との間の値、典型的には2.0をとり得ることが有利である。強磁性層116、120の上述の材料の組成に関連して、これは、第1の強磁性層116の物理的厚さD1と、第2の強磁性層120の物理的厚さD2との比又は比率、D1/D2に、1.36と1.94との間、典型的には1.6に対応するものである。
反強磁性層114、第1の強磁性層116、結合層118及び第2の強磁性層120がともに、基準層積層体126を形成する。各種磁気モーメントを実現するために、2つの強磁性層116、120は、各種材料組成及び/又は各種層厚さを具え得る。この目的のため、第1の強磁性層116を厚さΔl1として、強磁性層120を厚さΔl2として、示しており、厚さを薄くすることは、磁気モーメントが減少することを示す。
非導電層の形態のMgOのバリア層122が、さらに、基準層積層体126に又は第2の強磁性層120の上部に施され、その厚さは、典型的には20%と200%との間であり得る磁電気トンネル効果と、典型的には100Ωと30kΩとの間となり得る層積層体全体のトンネル抵抗とが、関連の応用のために最適化されるように、選択される。最後に、CoFe、Co又はNiFeを含む第3の強磁性層124が、バリア層122に施され、1つ以上のさらなる元素、例えば、Bが、合金にさらに追加され得る。第3の強磁性層124が、TMR効果が最大となるように構成される。
同一の若しくは異なる材料組成物又は厚さを有するさらに別の強磁性層を、任意選択的に、第3の強磁性層124に施してよく、その結果、任意選択的にさらなる強磁性層を含む、第3の電磁気層124の磁気特性が、検出層として最適化され得る。
さらに、1つ以上の非磁性の金属終端化層又は被覆層128を、層構造体100に、層構造体100を環境の影響又はその上に配置された隣接する素子に対して画定することを目的に、設けることができる。
図2aは、本発明に係る配列のためのTMR素子140の一実施形態として、図1の層構造体100に対して層構造体が追加されたものを示す。これは、基板110直上のベース電極層132と、終端化被覆電極層130とを、被覆層128とともに備える。電極130、132は、例えば、磁場センサ10の測定ブリッジ構成における接続のためのTMR素子の電気接続において、機能する。基板110に垂直なZ方向の電極構成によって、層構造体100が、TMR素子140の形態をとることができ、その一方、横方向の電極構成はまた、GMR素子を提供することができる。
絶縁層134が、TMR素子140の側面を被覆し、その結果、構築物において、所定の一連の層及び隣接層構造体に対する横方向の画定が可能となる。
述べてきた層114~124はまた、被覆層128とシード層112との間に逆順に基板110に施し得る、すなわち、第3の強磁性層124から始まり、反強磁性層114で又はさらなる被覆層128及びベース電極132で終端し得る。
シード層112は、同様に、ベース電極132の底部の電気的接続ポイントとして使用してよく、又はその代わりにベース電極132を、シード層112から離して、基板110のすぐ上のシード層112と垂直に隣接させて構築することができる。被覆層128において、終端化電極130を、層構造体の上部接続ポイントとして施してよい。よって、電流が、層構造体の中を垂直にガイドされて、その結果、層構造体に、磁気抵抗型抵抗器として、好ましい磁化方向が2つの強磁性層の磁化方向に従って画定される。結果として得られる磁気抵抗型抵抗層の配列は、磁場センサ配列において又は磁気記憶配列において、高感度要件とともに用いることができる。
図2bは、図2aに示したTMR素子140を、さらに縮尺して、示したものであり、さらに大きい絶縁層134が、TMR素子140を、封じ込め、基板110上の隣接構造体に対して絶縁し不動態化している。
図3は、中心軸の間隔が5μmから50μmの範囲となった、隣接する2つのTMR素子140の配列の一実施形態の概略図であって、それぞれのTMR素子140は、実質的に、図2aに示した実施形態と対応している。しかしながら、ベース電極132は、導電性シード層112として実施されて、その結果、シード層112は、同時にTMR素子140の電気的接続のために機能する。磁場センサにおいて使用するためには、測定用ブリッジの磁気抵抗型抵抗器の各種ピン止め方向が必要とされ、当該抵抗器は、抵抗挙動を均一にするように同一の構築物であることが理想的であり、間隔をあけ非常に近接して隣接する。このことは、図3において、基準層積層体126の中心間距離ΔDが5μmと50μmとの間でありかつ隣接する基準層積層体126のピン止め方向が反対を向いている、すなわち、180°反平行に配向されている点で、実現されている。+/-20°から180°のずれによるわずかなずれも、実質的に反平行であるものとする。2つの積層体の電気抵抗は、よって、外部磁場と相互に反対方向に作用する。
2つのピン止め方向の配向を相違させ得るように、軟磁性パターニング素子18が、有利には、一時的に、2つのTMR素子140の間に組み込まれ、Z方向に、前処理用磁場Hzにより磁化され、このことは、図4では斜視図で示され、図5では側面で概略が示されている。
本発明に係る層構造体を製造するための例示的な方法によれば、層構造体100に、ピン止め工程を受けさせることができる。この目的のために、層構造体100を、層構造体100のブロッキング温度を上回る温度、好ましくは260℃、典型的には280℃へ加熱する。層構造体100を、次に、130mT以下、好ましくは100mT以下という比較的低い磁場強度を有する前処理用磁場Hzに曝し、そこから誘導されパターニング素子により散乱するピン止め場M0の力線が、層構造体100の表面に平行に延びる。
層構造体のピン止めは、特に有利には、1つ以上の軟磁性パターニング素子18の補助で進行し得る。対応する磁場センサの配列は、図4には斜視図で、図5にはピン止め場の場の強度プロファイルの概略を表す側面図で概略が示されている。磁気抵抗型磁場センサ10が、パターニング素子18が施されて図6の平面図に示されているように、複数の抵抗器素子14を備え、当該抵抗器素子14は、図1に係るそれぞれの層構造体100により形成される。磁場センサ10は、抵抗器素子14が配置された半導体チップ基板又は基板12を備える。抵抗器素子は、ホイートストン測定ブリッジを形成するように内部接続し得る。抵抗器素子14の強磁性層の磁気的な予備配向、すなわち、「ピン止め(pinning)」のため、前処理用磁場Hz38が用いられ、当該磁場は、基板12の表面36に垂直に配向される。
磁場38は、図示していない磁極により発せられ、基板12を透過し、同様に図示していないが基板12の下に配置された対極面58により再び上方へ引き上げられる。前処理用磁場Hz38は、軟磁性パターニング素子18に垂直に入り、内部で集中するようにガイドされ、ピン止め場M0 60として、すなわち、不均一な漂遊磁場として、パターニング素子18の表面44に直角に、基板110の表面と実質的に平行に出ていく。
図5に概略を図示したように、パターニング素子18は、前処理用磁場Hz38を、それが、基板表面36に平行にピン止め場M0 60として境界縁20から出ていき、TMR素子140として実施された抵抗器素子14を基板110の表面に平行に透過するように、ガイドする。抵抗器素子14の改良された透通は、特に、抵抗器素子14の反強磁性層のブロッキング温度を上回る温度が確立されるという点で、抵抗器素子14の磁束のガイドを改善するように、実現される。
パターニング素子18の境界縁20は、有利な一実施形態において、抵抗器素子14の境界縁22と部分的に重なり合う。抵抗器素子14には、よって、その幅全体を、基板表面36に平行な成分を有する磁場が透過する。最終的に、磁力線は、基板12から対極面58に向けられて、その結果、各種ピン止め方向が、基板12のパターニング素子18の境界縁20の配向の関数として確立され得る。
図6は、磁場センサ10の2つの直線磁場成分X及びYを測定するための2つのホイートストン測定ブリッジからなる複合角度センサの製品を示す。分かりやすく図示するために、抵抗器素子を、直列回路又は並列回路において、例えば、ホイートストン測定ブリッジを形成するように接続する配線レベルは、図示していない。同様に、外界と接触するための端子又はパッドは、図示していない。図6は、磁場センサ10のピン止めステップを示し、当該ステップにおいて、図2の層構造体140の配列に対応する、複数の抵抗器素子14、例えば、TMR抵抗器素子14が、基板12の基板表面36に配置されている。これらは、対にして角度をつけられた、ここでは反平行にピン止めされた、少なくともTMR素子140に対して相互に中心間距離ΔDをあけて配置されている。この間隔のあいた領域ΔDにおいて、例えば、NiFeからなる軟磁性パターニング素子18が、抵抗器素子14の境界縁22に対して部分的に重ねて施され、その境界縁20は、少なくとも部分的に、抵抗器素子14の境界縁22を覆っている。磁場を基板表面36に、小さな矢印で示したように、垂直に向けて印加することによって、パターニング素子18の境界縁の漂遊磁場46が、生成され、抵抗器素子14のピン止めを行う。ピン止め後、パターニング素子18は、基板110から、材料除去方法を用いて元通り除去することができる。
図6は、本発明によって、複数のピン止め方向を有する複合センサを、PtMn又はNiMn等の熱的安定性のある反強磁性体と、反強磁性結合された基準層を有する熱的安定性のある層積層体とを用いて、製造することができることを、説明するものである。ウェハ基板上に造られるすべてのセンサは、1ステップで同時に任意の所望の方向に長期間に渡ってピン止めすることができ、これによって、好ましいL1相を発現させるための長いピン止めを必要とする反強磁性体を用いたときでも、経済的に採算がとれる実施が可能である。
図7は、TMR素子140として構成された層構造体100の各種配列を示す。製造中に各種ピン止め方向M0を実施するために、軟磁性パターニング素子18を、一時的に、複数の、2つ一組の層構造体100の間の間隔に導入する。ブロッキング温度を上回る温度で、パターニング素子18を、層構造体100の積層面に垂直に配向させた前処理用磁場Hz38に曝し、周りの縁から離れて直角を向く浮遊磁場が、ピン止め場M0 60となる。ピン止め場M0 60は、パターニング素子の積層面にあり、磁化される、すなわち、対応の強磁性層116を、よって、層構造体100の層120も、それぞれ異なる方向にピン止めする。
図7aは、6つのTMR素子140を、それぞれ対にして一列にし、中心間距離ΔDをあけて配置して、直方体のパターニング素子18により反対方向にピン止めしたTMR素子140の概略図である。TMR素子の直列回路において反対の磁場の感度を有する磁場センサ10のハーフブリッジの2つのブリッジ抵抗器が、それにより形成され得る。
図7bは、例えば、磁気抵抗角度センサのために使用可能であり、その目的のため内部接続可能であるTMR素子140の複数の配列の概略図である。図7aのTMR素子を複数の対にした配列は、90°オフセットさせて、X方向及びY方向に高感度のブリッジ抵抗器を形成するように用いることができる。それに応じて、一時的にTMR素子140の間に導入されるパターニング素子を、X又はY方向にピン止め場M0 60を提供するために、相互に90°オフセットさせる。
図7c及び図7dは、角度をつけられた境界縁20を有するパターニング素子18がその間に配置された、TMR素子140としての層構造体100の配列のさらなる実施形態を示す。図7cにおいて、パターニング素子18は、六角形であり、当該パターニング素子において、2つの対の180°オフセットさせたピン止め方向が提供され得る。その対は、90°、60°、45°、36°、30°、18°又は15°相違するピン止め方向を持ち得る。
図7dのパターニング素子は、十四角形として構成され、2つの鏡面対称に対向する境界縁20が、-60°、-45°、30°、0°、30°、45°及び60°の3つの対称的な角度増分α1、α2及びα3を有する。この点において、直列に接続されたTMR素子は、特に角度センサとして使用するとき、例えば、高調波フィルタリングのための各種ピン止め方向を具え得る。それぞれの抵抗器配列について示したTMR素子140の数は、大まかなものであり、概して、それぞれのブリッジ抵抗器におけるTMR素子の数は、示したよりも著しく多い。
基本的には、層構造体100(図1)の本発明に係る配列のピン止めはまた、任意の他の適切な方法で進行し得る。軟磁性パターニング素子18の配列はまた、要するに上方から基板構造体内へ落ち込むパンチとして構成され得る。
10 磁場センサ
12 基板
14 抵抗器素子
18 軟磁性パターニング素子
20 パターニング素子の境界縁
22 抵抗器素子の境界縁
36 基板表面
38 前処理用磁場
42 基板底部
44 パターニング素子の表面
46 境界縁の漂遊磁場
58 対極面
60 ピン止め場
100 層構造体
110 基板
112 シード層
114 反強磁性層
116 第1の強磁性層
118 結合層
120 第2の強磁性層
122 バリア層
124 第3の強磁性層、検出層
126 基準層積層体
128 被覆層
130 終端化電極
132 ベース電極
134 絶縁層
140 TMR素子
Hz Z方向の前処理用磁場
Δl1 第1の強磁性層の幅
Δl2 第2の強磁性層の幅
ΔD 隣接層構造体の中心間距離
M0 ピン止め場
α1 第1の側面角度
α2 第2の側面角度
α3 第3の側面角度

Claims (20)

  1. 磁気抵抗磁場センサ(10)のための隣接して配置された少なくとも2つの層構造体(100)の配列であって、それぞれの層構造体(100)は、少なくとも1つの反強磁性層(114)と、第1の磁気モーメントを有する第1の強磁性層(116)であって、交換結合が前記反強磁性層(114)と前記第1の強磁性層(116)との間に存在する、第1の磁気モーメントを有する第1の強磁性層(116)と、第2の磁気モーメントを有する第2の強磁性層(120)であって、当該第2の強磁性層(120)が、前記第1の強磁性層(116)と前記第2の強磁性層(120)との間に配置された非磁性結合層(118)を介して前記第1の強磁性層(116)と反平行に結合される、第2の磁気モーメントを有する第2の強磁性層(120)と、を備え、前記隣接して配置された層構造体(100)の前記対応する第1の強磁性層(116)及び前記対応する第2の強磁性層(120)の磁化は、相互に異なり、特に、実質的に相互に反対の配向であることを特徴とする、少なくとも2つの層構造体(100)の配列。
  2. 少なくとも3つの、特に、4つ以上の層構造体(100)が、相互に隣接して配置され、その磁化は相互に異なるものであって、特に、前記2つ一組で対向する層構造体(100)の磁化は、相互に実質的に反対の配向であるとともに、特に、前記層構造体(100)の種々の組の磁化は、好ましくは、90°、60°、45°、36°、30°、18°又は15°の角度がつけられることを特徴とする、請求項1に記載の層構造体(100)の配列。
  3. 前記隣接層構造体(100)の中心間距離ΔDが、50μm以下、好ましくは、20μm以下、特に10μm以下になることを特徴とする、請求項1又は2に記載の層構造体(100)の配列。
  4. それぞれの層構造体(100)において、それぞれの層構造体(100)の前記第1の磁気モーメントと前記第2の磁気モーメントとの比率は、1とは異なり、特に、1.7と2.3との間になることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の層構造体(100)の配列。
  5. それぞれの層構造体(100)は、前記第2の強磁性層(120)の、前記結合層(118)から遠い側に配置された第3の強磁性層(124)であって、非磁性、特に、非導電性で、好ましくはMgOからなるバリア層(122)が、特に、前記第2の強磁性層(120)と前記第3の強磁性層(124)との間に配置された第3の強磁性層(124)を含み、それぞれの層構造体(100)が、好ましくは、少なくとも1つの非磁性の、特に、金属の被覆層(128)であって、前記第3の強磁性層(124)の、前記第2の強磁性層(120)から遠い側に配置された被覆層(128)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の層構造体(100)の配列。
  6. それぞれの層構造体(100)において、前記第1の強磁性層(116)が、第1の強磁性材料組成物からなり、前記第2の強磁性層(120)が、第2の強磁性材料組成物からなることを特徴とし、前記第1の強磁性材料組成物は、前記第2の強磁性材料組成物とは異なる、請求項1~5のいずれか一項に記載の層構造体(100)の配列。
  7. それぞれの層構造体(100)において、前記第1の強磁性材料組成物が、CoFe合金であって、特に、Feのモル分率が5%と15%との間、好ましくは10%であることを特徴とする、請求項6に記載の層構造体(100)の配列。
  8. それぞれの層構造体(100)における前記第2の強磁性材料組成物は、CoFeB合金であって、各許容偏差に関して、Co及びFeのモル分率は、それぞれの場合において40%であり、Bの分率は20%であり、当該許容偏差によって、各分率が、5パーセント以下、好ましくは、2.5パーセント以下、その分率に対する各所定の値から外れ得る、請求項6又は7に記載の層構造体(100)。
  9. それぞれの層構造体100における前記第1の強磁性層(116)が、第1の層厚さΔl1を有し、前記第2の強磁性層(120)が、第2の層厚さΔl2を有することを特徴とし、前記第1の層厚さと前記第2の層厚さとの比率Δl1/Δl2は、1.2と2.5との間である、請求項1~8のいずれか一項に記載の層構造体(100)の配列。
  10. それぞれの層構造体(100)における前記第1の層厚さΔl1は、0.5nmと2.0nmとの間、好ましくは、1.2nmであり、前記第2の層厚さΔl2は、前記第1の磁気モーメントと前記第2の磁気モーメントとの比率が、1.7と2.3との間になるように選択される、請求項9に記載の層構造体(100)の配列。
  11. それぞれの層構造体(100)において、前記結合層(118)は、特に主としてルテニウムからなり、厚さが0.35nmと0.85nmとの間、好ましくは0.5nmであることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の層構造体(100)の配列。
  12. それぞれの層構造体(100)において、前記反強磁性層(114)は、マンガン合金であり、特に、イリジウム-マンガン(IrMn)、白金-マンガン(PtMn)、ニッケル-マンガン(NiMn)、鉄-マンガン(FeMn)又はそれらの合金混合物であることを特徴とし、前記マンガン合金、特に、白金マンガン(PtMn)又はニッケル-マンガン(NiMn)が、L1規則相で存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載の層構造体(100)の配列。
  13. 前記層構造体(100)の配列は、基板(110)上に配置され、それぞれの層構造体(100)は、下方のベース電極(132)、好ましくは、シード層(112)として構成されたベース電極(132)と、上方の終端化電極(130)とを有するTMR素子(140)の形態を取り、前記第1の強磁性層(116)において、磁化は、ピン止め方向に印加され、前記第2の強磁性層(120)において、反平行に配向された磁化が、確立される、請求項1~12のいずれか一項に記載の層構造体(100)の配列。
  14. 基板(110)と、当該基板(110)上に隣接して配置された少なくとも2つ以上の層構造体(100)の配列と、少なくとも1つの、少なくとも一時的に導入可能であり、各層構造体(100)に隣接して配置され又は一部分が重なるとともに、好ましくは、隣接して配置された2つ以上の層構造体(100)の間において部分的に重なる軟磁性パターニング素子(18)と、を備え、前記パターニング素子(18)は、前処理用磁場Hz(38)に影響を与えるように構成され配置され、当該前処理用磁場Hz(38)は、前記パターニング素子(18)内に、隣接層構造体(100)の少なくとも前記第1の強磁性層(116)において異なる配向がされた磁場成分が、ピン止め場M0(60)としての、前記パターニング素子(18)の漂遊磁場として活性化し、前記層構造体(100)の表面に平行に延びるように、透通し、前記前処理用磁場Hz(38)は、好ましくは、前記基板(110)の表面に垂直に前記パターニング素子(18)内に注入可能であり、前記層構造体(100)の配列は請求項1~13のいずれか一項に記載の層構造体(100)の配列である、磁気抵抗磁場センサ(10)。
  15. 前記層を、基板(110)に、被覆層(128)とシード層(112)との間に所定順又は逆順に施すステップと、前記層構造体(100)を、前記反強磁性層(114)と前記第1の強磁性層(116)との間の交換結合が消失するブロッキング温度を上回る温度まで加熱するステップと、特に、前記基板(110)の表面に垂直に配向された前処理用磁場Hz(38)を、前記加熱された層構造体(100)に、少なくとも、隣接層構造体(110)の前記第1の強磁性層(116)の、各種磁化方向を有するピン止め場M0(60)を確立するように、少なくとも、前記層構造体(100)の温度が前記ブロッキング温度より高い間に、注入するステップと、前記層構造体(100)をブロッキング温度を下回る温度まで冷却するステップと、を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の層構造体(100)の配列を製造する方法。
  16. 前記層構造体(100)の配列を、少なくとも260℃、好ましくは、280℃、特に少なくとも300℃に加熱する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記注入された前処理用磁場Hz(38)の磁束密度が、200mT以下、好ましくは100mT以下となる、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記前処理用磁場Hz(38)が、ブロッキング温度を上回るまで加熱された前記層構造体(100)内に注入される期間が、少なくとも1時間、好ましくは、少なくとも5時間、特に好ましくは、少なくとも12時間である、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 請求項16~19のいずれか一項に記載の方法に係る前記層構造体(100)の配列を製造するステップと、前記少なくとも1つのパターニング素子(18)を少なくとも一時的に施すステップとを有し、前記前処理用磁場Hz(38)が、前記層構造体(100)内に、ピン止め場M0(60)として、前記パターニング素子(18)を介した異なる磁化方向を伴って、注入され、その後、前記パターニング素子(18)が、好ましくは、前記ピン止めの終了後元通りに除去される、請求項14に記載の磁気抵抗磁場センサ(10)を製造する方法。
  20. 少なくとも2つの、隣接し相互に間隔をおいて配置された層構造体(100)の配列が、前記基板(110)に施され、前記パターニング素子(18)が、少なくとも一時的に前記層構造体(100)の間に施され、前記前処理用磁場Hz(38)が、前記パターニング素子(18)内に、前記基板(110)の表面に垂直に注入されて、その結果、前記パターニング素子(18)により生成された漂遊磁場が、前記基板(110)の表面に実質的に平行なピン止め場M0(60)として、前記隣接層構造体(100)のピン止め場M0(60)の異なる配向を提供し、その配向は、前記パターニング素子(18)の側面形状に依存し、その結果、前記隣接層構造体(100)のピン止め場M0(60)の配向が、相互に異なる、特に、実質的に反対方向を向く配向となる、請求項19に記載の方法。
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