本発明の出願者は本分野における上記課題に鑑みて深く考察した結果、新しいハロゲン化アリルアミン系化合物(以下「本発明にかかる化合物」とも呼ばれる)又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体がSSAO/VAP-1阻害剤として開発された。これらの阻害剤の化合物は、SSAO/VAP-1たんぱく質に対して優れた抑制活性を示しているため、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患の予防及び/又は治療に適用できる。
また、本発明にかかるSSAO/VAP-1阻害剤の化合物は、rhAOC1たんぱく質やMAOたんぱく質よりもSSAO/VAP-1たんぱく質に対して優れた選択性抑制効果を示しているため、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患の予防及び/又は治療と同時に、その他の必要とされない副作用を伴わない。
また、本発明にかかるSSAO/VAP-1阻害剤の化合物は、既存の医薬品よりも血液脳関門を通過しにくいため、神経系に対する毒性リスクが非常に低く、優れた医薬品安全性を示している。
本発明は具体的に下記の実施形態を提供する。
実施形態1. 下記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素、任意に置換基Aで置換されたC1-6アルキル基から選ばれ、又は、それらと結合する窒素原子と任意に置換基Aで置換された含窒素5-10員複素環基を形成する。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素、任意に置換基Aで置換されたC1-6アルキル基から選ばれる。
L1は結合、-CR'R''-、-NR'-、-S-、-SO2-、-S(O)-、-SONR'-、-SO2NR'-、又は-NR'CONR'-であり、R'及びR''はそれぞれ独立的に水素、任意に置換基Aで置換されたC1-6アルキル基から選ばれる。
Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(A)、(a)、(b)又は(c)で表される原子団である。
mは0-3の整数であり、nは0-2の整数である。
Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれ独立的にCRcRc、NRd、O、Sから選ばれる。
X1、X2、X3、X4、X9、X10はそれぞれ独立的にCRcRc、NRd、O、Sから選ばれ、X5、X6、X7、X8はそれぞれ独立的にCRcRc、NRdから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはNRdである。
各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC2-6アルケニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC2-6アルキニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルチオ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルチオC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノスルホニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノスルホニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノスルホニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノスルホニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルスルホニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルスルホニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルスルホニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルスルホニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
Cy2はそれぞれ独立的に3-12員シクロアルキル基、3-12員シクロアルケニル基、3-12員複素環基、6-10員アリール基、5-14員ヘテロアリール基から選ばれる。
各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルアミノスルホニル基、(C1-6アルキル)2アミノスルホニル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニル基から選ばれる。
置換基Aはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルアミノスルホニル基、(C1-6アルキル)2アミノスルホニル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルキルチオ基、3-12員シクロアルキル基、6-10員アリール基、3-12員複素環基、5-14員ヘテロアリール基、オキソ基から選ばれる。
Rcは存在せず、又は出現する度に、それぞれ独立的に水素原子から選ばれ、又は、2個のRcはオキソ基を形成する。
Rdは存在せず、又は出現する度に、それぞれ独立的に水素原子から選ばれる。
は単結合又は二重結合を示す。
は環構造において任意に存在する二重結合部分を示す。
条件として、Cy1が式(c)である場合、式(c)が1個以上のRaで置換される。
条件として、Cy1が式(b)である場合、X1、X2、X3、X9、X10はC=Oではない。)
実施形態2. 実施形態1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。
L1は結合、-CR'R''-、-NR'-、又は-S-であり、R'及びR''はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。
mは0-3の整数であり、nは0-2の整数である。
Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれ独立的にCRcRc、NRdから選ばれる。
X1、X2、X3、X4、X9、X10はそれぞれ独立的にCRcRc、NRdから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはNRdである。
X5、X6、X7、X8はそれぞれ独立的にCRcRc、NRdから選ばれる。
各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルチオ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルチオC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
Cy2はそれぞれ独立的に3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基から選ばれる。
各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
置換基Aはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基、オキソ基から選ばれる。
好ましくは、各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルコキシC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルコキシC1-4アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルチオ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルチオC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-4アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルアミノC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-4アルキル)2アミノC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-4アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルアミノカルボニルC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-4アルキル)2アミノカルボニルC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルカルボニルアミノC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルカルボニルC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-4アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
好ましくは、各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、アミノC1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、C1-4アルコキシC1-4アルキル基、C1-4アルコキシC1-4アルコキシ基、アミノC1-4アルコキシ基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基、C1-4アルキルチオ基、C1-4アルキルアミノ基、(C1-4アルキル)2アミノ基、C1-4アルキルアミノカルボニル基、(C1-4アルキル)2アミノカルボニル基、C1-4アルキルカルボニルアミノ基、C1-4アルキルカルボニル基から選ばれる。
好ましくは、置換基Aはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、アミノC1-4アルキル基、C1-4アルコキシC1-4アルキル基、C1-4アルコキシC1-4アルコキシ基、アミノC1-4アルコキシ基、C1-4アルキルアミノ基、(C1-4アルキル)2アミノ基、C1-4アルキルアミノカルボニル基、(C1-4アルキル)2アミノカルボニル基、C1-4アルキルカルボニルアミノ基、C1-4アルキルカルボニル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基、C1-4アルキルチオ基、3-6員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基、オキソ基から選ばれる。
好ましくは、Y1、Y2、Y3、Y4の少なくとも1つはC=Oである。
好ましくは、式(A)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY1、Y2、Y3、Y4の何れか1つと結合される。
好ましくは、式(a)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY1、Y2、Y3の何れか1つと結合される。
好ましくは、式(c)について、Raが少なくとも1つ存在し、且つその少なくとも1つはX5、X6、X7、X8の何れか1つと結合される。
好ましくは、式(A)について、L1原子団は式(A)におけるX1、X2又はX3と結合される。
好ましくは、式(a)について、L1原子団は式(a)におけるX1、X2又はX3と結合される。
好ましくは、式(c)について、L1原子団は式(c)におけるX1、X2、X3又はX4と結合される。
好ましくは、L1原子団は窒素原子と結合される。)
実施形態3. 実施形態1又は実施形態2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(A-1)、(A-2)、(A-3)、(a)、(b)又は(c)で表される原子団である。)
実施形態4. 実施形態1-実施形態3の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(A-11)、(a-1)、(a-2)、(b-1)、(c-1)又は(c-2)で表される原子団である。
ただし、mは1-2の整数である。
Y1、Y2、Y3はそれぞれ独立的にCH2、NH、CH、Nから選ばれる。
X1、X2、X3、X4、X9はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NH、C=Oから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
条件として、Cy1が式(c-1)、(c-2)である場合、式(c-1)、(c-2)が1個以上のRaで置換される。
条件として、Cy1が式(b-1)である場合、X1、X2、X3、X9はC=Oではない。
好ましくは、式(A-11)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY2と結合される。
好ましくは、式(a-1)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY2と結合される。
好ましくは、式(a-2)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY1と結合される。
好ましくは、式(b-1)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つは環構成炭素原子と結合される。
好ましくは、式(c-1)、(c-2)について、Raが少なくとも1つ存在し、且つその少なくとも1つはベンゼン環原子団と結合される。)
実施形態5. 実施形態1-実施形態4の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(A-11)、(a-1)で表される原子団である。
mは1-2の整数である。
Y2、Y3はそれぞれ独立的にCH2、NH、CH、Nから選ばれる。
X1、X2、X3はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NH、C=Oから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
Cy2はそれぞれ独立的に3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基から選ばれる。
各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
好ましくは、Cy2はそれぞれ独立的に3-6員シクロアルキル基、5-6員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、ハロゲン原子、シアノ基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3-6員シクロアルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたC1-6アルキル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-8員シクロアルキル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
より好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、ハロゲン原子、シアノ基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3-5員シクロアルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたC1-4アルキル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-5員シクロアルキル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員含窒素ヘテロアリール基から選ばれる。
好ましくは、式(A-11)において、X1、X2はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NHから選ばれる。
好ましくは、式(a-1)において、X1、X2はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NHから選ばれる。
好ましくは、式(A-11)、式(a-1)において、Y2はNHである。
好ましくは、式(A-11)、式(a-1)において、Y3はCH2又はCHである。
好ましくは、式(A-11)、式(a-1)において、Raが存在する場合、その少なくとも1つのRaはY2位置と結合される。
好ましくは、式(A-11)、式(a-1)において、L1原子団はX1、X2又はX3と結合される。
好ましくは、式(A-11)、式(a-1)において、L1原子団は窒素原子と結合される。)
実施形態6. 実施形態5に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。
L1は結合である。
Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された下記原子団である。
各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
Cy2はそれぞれ独立的に3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基から選ばれる。
各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
好ましくは、Cy2はそれぞれ独立的に3-6員シクロアルキル基、5-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、ハロゲン原子、シアノ基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3-6員シクロアルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたC1-6アルキル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-8員シクロアルキル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
より好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、フッ素、塩素、臭素;シアノ基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3-5員シクロアルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基から選ばれる。)
実施形態7. 実施形態1-実施形態4の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(b-1)で表される原子団である。
X1、X2、X3、X9はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NHから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
Cy2はそれぞれ独立的に3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基から選ばれる。
各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
好ましくは、Cy2はそれぞれ独立的に3-6員シクロアルキル基、5-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキル基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-8員シクロアルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員ヘテロアリールアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-10員複素環カルボニル基から選ばれる。
より好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、アミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたC1-4アルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換された(C1-4アルキル)2アミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-5員シクロアルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員含窒素複素環カルボニル基から選ばれる。
好ましくは、式(b-1)において、L1原子団は式(b-1)における窒素原子と結合される。
好ましくは、式(b-1)において、Raが存在する場合、その少なくとも1つは式(b-1)における炭素原子と結合される。)
実施形態8. 実施形態7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。
L1は結合である。
Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された下記原子団である。
各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
Cy2はそれぞれ独立的に3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、5-10員ヘテロアリール基から選ばれる。
各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
好ましくは、Cy2はそれぞれ独立的に3-6員シクロアルキル基、5-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキル基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-8員シクロアルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員ヘテロアリールアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-10員複素環カルボニル基から選ばれる。
より好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、アミノカルボニル基;任意にハロゲンで置換されたメチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたエチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたイソプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたn-ブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたイソブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたs-ブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたt-ブチルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロペンチルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピロリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペラジニルカルボニル基から選ばれる。)
実施形態9. 実施形態1-実施形態4の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、Cy1は1個以上のRaで置換された、下記一般式(c-1)で表される原子団である。
X1、X2、X3はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NH、C=Oから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
Cy2はそれぞれ独立的に3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基から選ばれる。
各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
好ましくは、Cy2はそれぞれ独立的に3-6員シクロアルキル基、5-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキル基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-8員シクロアルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員ヘテロアリールアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-10員複素環カルボニル基から選ばれる。
より好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、アミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたC1-4アルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換された(C1-4アルキル)2アミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-5員シクロアルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員含窒素複素環カルボニル基から選ばれる。
好ましくは、式(c-1)において、少なくとも1つのRaは式(c-1)におけるベンゼン環部分と結合される。
好ましくは、式(c-1)において、L1原子団はX1、X2又はX3と結合される。
好ましくは、式(c-1)において、L1原子団は式(c-1)における窒素原子と結合される。)
実施形態10. 実施形態9に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体。
(ただし、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。
R5及びR6はそれぞれ水素、C1-6アルキル基から選ばれる。
L1は結合である。
Cy1は1個以上の置換基Raで置換された下記原子団である。
各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
Cy2はそれぞれ独立的に3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、5-10員ヘテロアリール基から選ばれる。
各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
好ましくは、Cy2はそれぞれ独立的に3-6員シクロアルキル基、5-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキル基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-8員シクロアルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員ヘテロアリールアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-10員複素環カルボニル基から選ばれる。
より好ましくは、Raはそれぞれ独立的に、アミノカルボニル基;任意にハロゲンで置換されたメチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたエチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたイソプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたn-ブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたイソブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたs-ブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたt-ブチルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロペンチルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたアゼチジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピロリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペラジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたモルホリニルカルボニル基から選ばれる。)
実施形態11. 実施形態1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体であって、前記化合物は下記から選ばれる。
実施形態12. 任意に一種又は多種の薬物キャリアを含むことを特徴とする、実施形態1-実施形態11の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体を含む医薬品組成物。
実施形態13. 実施形態1-実施形態11の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、或いは実施形態12に記載の医薬品組成物の、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患を予防及び/又は治療するための医薬品の製造における適用。
本発明は、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患の治療及び/又は予防において有効である新しいハロゲン化アリルアミン系化合物を提供する。具体的に、本発明にかかる式Iで表される化合物、その薬学的に許容される塩、エステル、又はその立体異性体、互変異性体は、SSAO/VAP-1たんぱく質に対して優れた抑制活性を示しているため、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患の予防及び/又は治療に適用できる。
また、本発明にかかる化合物は、rhAOC1たんぱく質やMAOたんぱく質よりもSSAO/VAP-1たんぱく質に対して優れた選択性抑制効果を示しているため、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患の予防及び/又は治療と同時に、その他の必要とされない副作用を伴わない。
また、本発明にかかる化合物は、既存の医薬品よりも血液脳関門を通過しにくいため、神経系に対する毒性リスクが非常に低く、優れた医薬品安全性を示している。
これにより、本発明は、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患を、高安全性で予防及び/又は治療するための、化合物、その薬学的に許容される塩、エステル又はその立体異性体、互変異性体を提供することができる。
発明の詳細
以下は具体的実施態様を挙げて本発明の実施形態をより詳しく説明するが、当業者は、これから説明する実施態様は単に本発明を説明するものであり、本発明の保護範囲に対する限定ではないことを理解される。逆に、本発明は請求範囲により限定された本発明範囲内の全ての代替、修正及び等価の形態を含む。特段の断りがない限り、本発明の各実施形態は任意に組合わせることができるが、これにより得られた技術思想の転換、変形、変動も本発明範囲に含まれるものとする。
定義
本発明において、「Ca-b原子団」(aとbは1以上の整数であり、a<b)の記述は「原子団」にa-b個の炭素原子があることを示しているが、例えば、C1-6アルキル基は炭素原子数が1-6個であるアルキル基を示し、C1-6アルコキシ基は炭素原子数が1-6個であるアルコキシ基を示し、C3-8シクロアルキル基は炭素原子数が3-8個であるシクロアルキル基を示し、C1-6アルコキシC1-6アルキル基は炭素原子数が1-6個であるアルコキシ基と炭素原子数が1-6個であるアルキル基とが結合して形成される原子団を示す。また、本発明において、「原子団」の記述は2個以上のサブ原子団を含む原子団も示しているが、この場合、「Ca-b」の記述は2個以上のサブ原子団を含む原子団全体の炭素原子数を限定している。例えば、「C7-12アルキルアリール基」の記述はアルキル基部分とアリール基部分を含むアルキルアリール原子団の炭素原子総数が7-10であることを示し、即ち、C1-6アルキルフェニル基やC1-2アルキルナフチル基に分解されてもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明において、「基」と「原子団」は1価原子団又は必要に応じて化学価に適合する2価以上の原子団を示しているが、例えば、「シクロアルキル基(シクロアルキル原子団とも呼ぶ)」は、シクロアルカンから1個の水素原子を除去して得られた1価原子団も含み、シクロアルカンの同一炭素原子又は異なる2個以上の炭素原子から2個以上の水素原子を除去して誘導して得られた2価以上の原子団も含む。例えば、「シクロアルキル基」を末端原子団とする場合、置換基がないものは1価原子団の形で化合物構造式のその他の部分と結合されるが、置換基があるものは置換基の数に応じてそれ相応の価電子数(置換基の数+1)を示す。当業者は疑義なく「基」と「原子団」に示される価電子数を確定できる。また、本発明において、「原子団」は化学価が2価以上である原子団を示す場合、原子団における異なる原子(炭素原子、窒素原子など、これらに限定されるものではない)と結合されることが好ましい。
本発明にかかる「ハロゲン」又は「ハロゲン原子」とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示す。好ましくは、フッ素原子、塩素原子である。
本発明にかかる「C1-6アルキル基」とは1-6個の炭素原子を含むアルカン部分から1個の水素原子を除去して誘導して得られた直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、直鎖C1-6アルキル基及び分岐鎖C1-6アルキル基を含む。現実から言えば、当業者に公知されるのは、C1-6アルキル基が分岐鎖(分岐鎖C1-6アルキル基)を持つ状況で、少なくとも3個の炭素原子を持つ。「C1-6アルキル基」の例として、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、2-メチルブチル基、ネオペンチル基、1-エチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基及び1-メチル-2-メチルプロピル基などが挙げられる。前記「C1-4アルキル基」とは1-4個の炭素原子を有する上記実例である。
本発明にかかる「C2-6アルケニル基」とは、炭素-炭素二重結合を少なくとも1つ有する2-6個炭素原子のアルケン部分から1個の水素原子を除去して誘導して得られた直鎖又は分岐鎖のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1,3-ブタジエン-1-イル、1-ペンテン-3-イル、2-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-2-イル、1,3-ペンタジエン-1-イル、1,4-ペンタジエン-3-イル、1-ヘキセン-3-イル、1,4-ヘキサジエン-1-イルなどが挙げられる。好ましくは、「C2-6アルケニル基」には1個の炭素-炭素二重結合が含まれる。
本発明にかかる「C2-6アルキニル基」とは、炭素-炭素三重結合を少なくとも1つ有する2-6個炭素原子のアルキン部分から1個の水素原子を除去して誘導して得られた直鎖又は分岐鎖のアルキニル基であり、例えば、エチニル基、プロピニル基、2-ブチン-1-イル、2-ペンチン-1-イル、3-ペンチン-1-イル、4-メチル-2-ペンチン-1-イル、2-ヘキシン-1-イル、3-ヘキシン-2-イル、3-ヘキシン-1-イル、3-ヘキシン-2-イルなどが挙げられる。好ましくは、「C2-6アルキニル基」には1個の炭素-炭素三重結合が含まれる。
本発明にかかる「C1-6アルコキシ基」とは上記のように定義された「C1-6アルキル基」が酸素原子により化学構造式のその他の部分と結合される原子団であり、即ち、「C1-6アルキル-O-」原子団であり、例えば、上記「C1-6アルキル基」に挙げられた原子団が-O-と結合して得られた原子団が挙げられるが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペンチロキシ基、ネオペンチロキシ基、n-ヘキシロキシ基などを含むが、これらに限定されるものではない。前記「C1-4アルコキシ基」とは1-4個炭素原子を有する上記実例であり、即ち「C1-4アルキル-O-」原子団である。
前記「C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基」とは、C1-6アルコキシ基でC1-6アルコキシ基における1個以上の水素原子を置換して形成された原子団である。
本発明にかかる「C1-6アルキルアミノ基」、「(C1-6アルキル)2アミノ基」、「C1-6アルキルカルボニルアミノ基」、「C1-6アルキルアミノカルボニル基」、「C1-6アルキルカルボニル基」、「C1-6アルキルアミノスルホニル基」、「C1-6アルキルスルホニルアミノ基」、「C1-6アルキルスルホニル基」、「C1-6アルキルチオ基(C1-6アルキルチオ基)」などとは、C1-6アルキル基がそれぞれ-NH2、-CO-NH2-、-NH2-CO-、-CO-、-NH2SO2-、-SO2NH2-、-SO2-、-S-などそれ相応の原子団と結合して形成された原子団である。
本発明にかかる「C1-6アルコキシC1-6アルキル基」、「C1-6アルキルチオC1-6アルキル基」、「C1-6アルキルアミノC1-6アルキル基」、「C1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基」、「C1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基」、「C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基」、「C1-6アルキルアミノスルホニルC1-6アルキル基」、「C1-6アルキルスルホニルアミノC1-6アルキル基」、「C1-6アルキルスルホニルC1-6アルキル基」などとは、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルアミノスルホニル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニル基がC1-6アルキル基における1個以上の水素原子を置換して形成された原子団である。
本発明で言われる「縮合環」とは2個以上の環状構造が結合、スピロ、架橋の結合方式で形成された多環系構造を表す。前記結合環とは、2個以上の環状構造が隣接する2個の環原子を互いに共用する(つまり1個の結合を共用する)ことで形成された縮合環構造である。前記架橋環とは、2個以上の環状構造が隣接しない2個の環原子を互いに共用することで形成された縮合環構造である。前記スピロ環とは、2個以上の環状構造が1個の環原子を互いに共用することで形成された縮合環構造である。
本発明にかかる「シクロアルキル基」とは、シクロアルカンから誘導して得られた1価原子団又は(必要に応じて)2価原子団であり、前記シクロアルカンは単環シクロアルカン又は縮合環シクロアルカンを含むが、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個の炭素原子を有してもよい。特段の断りがない限り、某員シクロアルキル基は、形成可能なあらゆる単環、縮合環(結合、スピロ、架橋の形式での縮合を含む)の場合を含む。シクロアルキル基は3-12員の1価原子団又は(必要に応じて)2価以上の原子団、3-10員の1価原子団又は(必要に応じて)2価以上の原子団、3-8員の1価原子団又は(必要に応じて)2価以上の原子団、3-6員の1価原子団又は(必要に応じて)2価以上の原子団、4-6員の1価原子団又は(必要に応じて)2価以上の原子団、5-7員の1価原子団又は(必要に応じて)2価以上の原子団であってもよい。
(1価又は2価以上の)単環シクロアルキル基は3-12員シクロアルキル基、3-10員シクロアルキル基、3-8員シクロアルキル基、3-6員シクロアルキル基、4-6員シクロアルキル基、5-7員シクロアルキル基であってもよいが、その実例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロペンタン-1,3-ジイル、シクロヘキサン-1,4-ジイル、シクロヘプタン-1,4-ジイルなどを含むが、これらに限定されるものではない。
(1価又は2価以上の)縮合環シクロアルキル基は結合環シクロアルキル基、架橋シクロアルキル基、スピロシクロアルキル基を含む。
(1価又は2価以上の)結合環シクロアルキル基は6-12員結合環シクロアルキル基、7-10員結合環シクロアルキル基であってもよいが、その実例は、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[3.2.2]ノニル基、ビシクロ[3.3.1]ノニル基、ビシクロ[4.2.1]ノニル基を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明にかかる「シクロアルケニル基」とは、上記シクロアルキル基において炭素-炭素二重結合を少なくとも1つ有して得られた原子団である。好ましくは、1個の炭素-炭素二重結合を有する。
「シクロアルキル基」及び「シクロアルケニル基」はさらに6-12員スピロ環、7-11員スピロ環から1個の水素原子を除去して得られた1価原子団、又は必要に応じて異なる2個の炭素原子からそれぞれ1個の水素原子を除去して得られた2価原子団であってもよい。スピロ環の実例は
を含むが、これらに限定されるものではない。
「シクロアルキル基」及び「シクロアルケニル基」はさらに6-12員架橋環、7-11員架橋環から1個の水素原子を除去して得られた1価原子団、又は必要に応じて異なる2個の炭素原子からそれぞれ1個の水素原子を除去して得られた2価原子団であってもよい。前記架橋環の実例は
を含むが、これらに限定されるものではない。
そのため、特段の断りがない限り、本発明にかかる「3-12員シクロアルケニル基」は、形成可能なあらゆる単環、縮合環(結合、スピロ、架橋の形式での縮合を含む)の場合を含み、上記挙げられた3-12員の1価原子団又は(必要に応じて)2価以上原子団のシクロアルキル基において炭素-炭素二重結合を少なくとも1つ有する原子団である。例えば、3-8員シクロアルケン、7-11員スピロ環シクロアルケン、7-11員結合環シクロアルケン、6-11員架橋環シクロアルケンなどから誘導して得られた1価又は2価原子団であってもよい。例えば、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,4-シクロヘキサジエニル基、シクロヘプテニル基、1,4-シクロヘプタジエニル基、シクロオクテニル基、1,5-シクロオクタジエニル基が挙げられる。
本発明にかかる「複素環基」は上記シクロアルキル基の少なくとも1つの環構成炭素原子がO、S、Nから選ばれるヘテロ原子で置換された非芳香族性の1価又は2価の環状原子団である。好ましくは、炭素-炭素二重結合を有しない、又は1個の炭素-炭素二重結合を有する。好ましくは、上記環構成アルキル基の環構成炭素原子がO、S、Nから選ばれる1-3個のヘテロ原子で置換されて得られた複素環基である。また、本発明にかかる複素環基はさらに環構成原子とする炭素原子、硫黄原子が酸素原子、窒素原子で置換された場合も含むが、例えば、環構成炭素原子がC(=O)、S(=O)、S(=O)2、S(=O)(=NH)で置換される。
具体的に、本発明にかかる「複素環基」は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12個の環構成原子を有する原子団であってもよいが、3-14員複素環基、3-12員複素環基、3-10員複素環基、4-10員複素環基、3-8員複素環基、4-12員複素環基、4-8員複素環基、4-6員複素環基、5-10員複素環基であってもよい。
また、「複素環基」はさらに1価又は(必要に応じて)2価以上の単環複素環基システム、又は1価又は(必要に応じて)2価以上の多環複素環基システム(縮合環システムとも呼ぶ)を含み、飽和、不飽和の複素環基を含むが、全体的に芳香族性を有しない。特段の断りがない限り、形成可能なあらゆる単環、縮合環(結合、スピロ、架橋の形式での縮合を含む)、飽和、不飽和の場合を含むが、全体的に芳香族性を有しない。
1価又は(必要に応じて)2価以上の単環複素環基は、3-14員複素環基、3-12員複素環基、3-10員複素環基、4-10員複素環基、3-8員複素環基、4-12員複素環基、4-8員複素環基、4-6員複素環基、5-10員複素環基、3-8員飽和複素環基、3-6員複素環基、4-12員複素環基、4-7員複素環基、4-6員複素環基、5-10員複素環基、5-7員複素環基、5-6員複素環基、5-6員含酸素複素環基、5-6員含窒素複素環基、5-6員飽和複素環基、5-7員飽和複素環基などであってもよく、飽和、一部飽和又は不飽和であってもよいが、芳香族性ではない。その実例は、アジリジニル基、2H-アジリジニル基、ジアジリジニル基、3H-ジアジリニル基、アゼチジニル基、1,4-ジオキサニル基、1,3-ジオキサニル基、1,3-ジオキソラニル基、1,4-ジオキシニル基、テトラヒドロフラニル基、ピロリニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、4,5-グリオキサリジニル基、ピラゾリジニル基、4,5-ピラゾリニル基、2,5-ジヒドロチオフェニル基、テトラヒドロチオフェニル基、4,5-チアゾリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ヘキサヒドロピリミジニル基、ヘキサヒドロピリダジニル基、4,5-ジヒドロオキサゾリル基、4,5-ジヒドロイソオキサゾリル基、2,3-ジヒドロイソオキサゾリル基、2H-1,2-オキサジニル基、6H-1,3-オキサジニル基、4H-1,3-チアジニル基、6H-1,3-チアジニル基、2H-ピラニル基、2H-ピラニル-2-ケトニル基、3,4-ジヒドロ-2H-ピラニル基、1,1-ジオキソテトラヒドロチオピラニル基、1,1-ジオキソテトラヒドロチオフェニル基、1-イミノ-1-オキソ-テトラヒドロチエタニル基、1-イミノ-1-オキソ-テトラヒドロチオフェニル基、1-イミノ-1-オキソ-ヘキサヒドロチオピラニル基などを含むが、これらに限定されるものではない。
1価又は(必要に応じて)2価以上の縮合複素環は結合複素環基、スピロ複素環基、架橋複素環基を含み、飽和、一部飽和又は不飽和であってもよいが、芳香族性ではない。
前記結合複素環基は、6-12員結合複素環基、7-10員結合複素環基、6-10員結合環基、6-12員飽和結合複素環基、7-8員飽和結合複素環基、8員飽和結合複素環基であってもよいが、その実例は、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、3,6-ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプチル基、3,8-ジアザビシクロ[4.2.0]オクチル基、3,7-ジアザビシクロ[4.2.0]オクチル基、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリル基、オクタヒドロピロロ[3,4-b]ピロリル基、オクタヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジニル基、オクタヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジニル基、2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル、インドリン-1-イル、インドリン-2-イル、インドリン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾチオフェン-2-イル、オクタヒドロ-1H-インドリル基、オクタヒドロベンゾフラニル基、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル基、ヘキサヒドロシクロペンタ[c]フラニル基、2,2-ジオキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]チオフェニル基、2-イミノ-2-オキソ-オクタヒドロシクロペンタ[c]チオフェニル基を含むが、これらに限定されるものではない。
前記スピロ複素環基は、6-12員スピロ複素環、7-11員スピロ複素環、6-12員飽和スピロ複素環、7員飽和スピロ複素環から1個の水素原子を除去して得られた1価原子団、又は必要に応じて異なる2個の炭素原子からそれぞれ1個の水素原子を除去して得られた2価原子団であってもよいが、スピロ複素環の実例は、
を含むが、これらに限定されるものではない。
前記架橋複素環基は、6-12員架橋複素環、7-11員架橋複素環、6-12員飽和架橋複素環、7-8員飽和架橋複素環から1個の水素原子を除去して得られた1価原子団、又は必要に応じて異なる2個の炭素原子からそれぞれ1個の水素原子を除去して得られた2価原子団であってもよいが、架橋複素環の実例は、
を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明にかかる「アリール基」とは、芳香族性を有する環状炭化水素から誘導して得られた1価原子団又は必要に応じて2価以上の原子団であり、前記芳香族性を有する環状炭化水素は6-8員単環芳香族炭化水素及び8-14員縮合環芳香族炭化水素を含む。6-8員単環アリール基は例えばフェニル基である。8-14員縮合環アリール基は例えばナフチル基、フェナントリル基、アントリル基である。2価原子団の場合、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
本発明にかかる「ヘテロアリール基」は、5-14員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリール基、5-6員ヘテロアリール基であってもよく、O、S、Nから選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する、環構成原子数が5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14である芳香族性の1価又は2価環状原子団であってもよい。好ましくは、1-3個の環構成ヘテロ原子を有する。また、ヘテロアリール基はさらに環構成原子とする炭素原子、硫黄原子が酸素原子、窒素原子で置換された場合も含むが、例えば、炭素原子がC(=O)、S(=O)、S(=O)2、S(=O)(=NH)で置換された場合である。本発明にかかる芳香族ヘテロ環は単環システムであってもよいが、縮合環システム(結合、スピロ、架橋の形式で縮合する)であってもよい。ヘテロアリール基は単環ヘテロアリール基と縮合環ヘテロアリール基を含み、特段の断りがない限り、某員ヘテロアリール基は、形成可能なあらゆる単環、縮合環、全部芳香、一部芳香の場合を含む。単環ヘテロアリール基は、例えば、5-7員ヘテロアリール基、5-6員ヘテロアリール基であってもよいが、その実例は、フラニル基、イミダゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピリドニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピロリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チオフェニル基、トリアゾリル基、トリアジニル基を含むが、これらに限定されるものではない。縮合環ヘテロアリール基は、8-12員結合ヘテロアリール基、9-10員結合ヘテロアリール基であってもよいが、その実例は、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、シンノリニル基、インダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、プリニル基、キノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基を含むが、これらに限定されるものではない。前記ヘテロアリール基は上記原子団から誘導して得られた2価原子団であってもよい。
本発明において、「ヘテロ原子」はS、O、Nから選ばれる原子を示す。また、S、Oが酸素原子、窒素原子で置換された場合も含む。
本発明にかかる「3-6員環」、「3-8員環」、「4-6員環」、「4-7員環」とは化学構造で可能性のある、3-6個環原子、3-8個環原子、4-6個環原子、4-7個環原子を有する環状構造を示し、環原子は任意にC、N、O、S、C(=O)、S(=O)、S(=O)2、S(=O)(=NH)から選ばれ、形成される環状構造は単環であってもよく、縮合の多環であってもよく、飽和であってもよく、一部飽和であってもよく、芳香族性であってもよい。具体的に、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基に挙げられた原子団として、上記が挙げられる。
本発明にかかる「アミノ基」、又は「アミノ基」を含む原子団のうちの、アミノ基を末端とする原子団/サブ原子団は-N(Re)2で表する(ただし、Reはそれぞれ独立的に、水素、任意に本発明にかかる置換基Aで置換された上記C1-6アルキル基、任意に本発明にかかる置換基Aで置換された上記C2-6アルケニル基、任意に本発明にかかる置換基Aで置換された上記C2-6アルキニル基、任意に本発明にかかる置換基Aで置換された上記シクロアルキル基、任意に本発明にかかる置換基Aで置換された上記シクロアルケニル基、任意に本発明にかかる置換基Aで置換された上記アリール基、任意に本発明にかかる置換基Aで置換された上記ヘテロアリール基、任意に本発明にかかる置換基Aで置換された上記複素環基、任意に本発明にかかる置換基Aで置換された上記本発明にかかるCy2、本発明にかかる「アミノ基」を含む原子団におけるアミノ基と結合されるその他の原子団(カルボニル基、スルホニル基などを含むが、これらに限定されるものではない)から選ばれる)。本発明において、「アミノ基」を含む原子団のうちの、アミノ基を末端とする原子団/サブ原子団とは、アミノ基が2個のReと結合されるとともに、さらにその他の原子団と結合されるものである。例えば、「(C1-6アルキル)2アミノ基」の場合、「アミノ基」を含む原子団のうちの、アミノ基を末端とする原子団である;「C1-6アルキルアミノ基」の場合、「アミノ基」を含む原子団のうちの、アミノ基を末端とする原子団であるが、該原子団において、一方のReが「C1-6アルキル基」を示すが、他方のReが上記に挙げられた原子団を示す;「(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基」の場合、その「(C1-6アルキル)2アミノ基」とは、「アミノ基」を含む原子団のうちの、アミノ基を末端とするサブ原子団であるが、即ち、アミノ基が2個のC1-6アルキル基(Reに相当)と結合されるとともに、さらにC1-6アルキル基と結合される;「(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基」の場合、その「(C1-6アルキル)2アミノ基」とは、「アミノ基」を含む原子団のうちの、アミノ基を末端とするサブ原子団であるが、即ち、アミノ基が2個のC1-6アルキル基(Reに相当)と結合されるとともに、さらにカルボニル基と結合される;「C1-6アルキルアミノカルボニル基」の場合、その「C1-6アルキルアミノ基」とは、「アミノ基」を含む原子団のうちの、アミノ基を末端とするサブ原子団であるが、即ち、アミノ基が1個のC1-6アルキル基(Reに相当)と結合されるとともに、さらにカルボニル基と結合されるが、該原子団において、一方のReが「C1-6アルキル基」を示すが、他方のReが上記に挙げられた原子団を示す;「アミノC1-6アルキル基」の場合、その「アミノ基」とは、「アミノ基」を含む原子団のうちの、アミノ基を末端とするサブ原子団であるが、該原子団においてアミノ基が-N(Re)2を示し、即ち、該原子団が「N(Re)2-C1-6アルキル基」を示す。上記のことから、本発明にかかるアミノ基において、Nの化学価が3価
であるが、その2個がReと結合される。また、本発明において、「-N(Re)2」における2個のReが窒素原子と含窒素複素環基を形成できるが、該複素環基が本発明の上記定義と合致する。
本発明において、用語「任意に置換された」又は「任意に…で置換された」とは、当業者周知の置換可能な該部分の何れか一部が未置換又は本発明にかかる置換基で置換されるが、1個以上の置換基がある場合、各置換基が独立的に選択できるものとする。置換された場合、置換基の数は、置換された原子団の置換可能位置の数によって決められるが、置換された原子団の置換可能位置の数を超えない限り、1、2、3、4、5、6、7、8又はそれ以上であってもよい。置換基がある場合、「一個乃至複数」の置換基とは、1個以上の置換基であるが、実際の置換基の数は、置換された原子団によって異なるが、置換された原子団の置換可能位置の数を超えない限り、1、2、3、4、5、6、7、8又はそれ以上であってもよい。
本発明において、原子団の前に付く「任意に置換された」又は「任意に…で置換された」とは、該原子団に含まれる全てのサブ原子団が任意に置換されてもよい。例えば、「任意にハロゲンで置換されたC7-12アルキルアリール基」とは、アルキル基部分がハロゲンで置換されてもよく、アリール基部分がハロゲンで置換されてもよく、さらにアルキル基部分とアリール基部分が共にハロゲンで置換されてもよい。
本発明において、環構造における
は環に任意に存在する二重結合を示すが、該二重結合が1個、2個又は3個存在してもよいが、環に存在可能な最大数を限界とする。例えば、五員環において、1個又は2個の二重結合が存在してもよいが、六員環において、1個、2個又は3個の二重結合が存在してもよい。
本発明において、
は単結合又は二重結合を示す。
本発明において、某原子団が「存在せず」とは、該原子団そのものが存在しないことであってもよいが、例えば、「Rdが存在せず」の定義に関して、環構成窒素原子が環においてそれぞれ単結合及び二重結合で隣接する原子と結合される場合、「NRd」の定義では、Rdが存在しないことを示す。また、某原子団が「存在せず」とは、該原子団が結合であることであってもよいが、例えば、本発明の「L1が存在せず」の定義に関して、L1が結合であり、Cy1原子団をR6原子団と結合される炭素原子と直接的に結合させることを示す。
本発明において、「任意に置換基で置換された」における置換基は本発明にかかる「置換基A」であってもよい。該置換基の数は、置換された原子団の置換可能位置の数によって決められるが、1、2、3、4、5、6、7、8又はそれ以上であってもよい。
本発明において、全ての原子団、置換基、化学結合位置、原子などの化学価は化学分野の一般的な常識と乖離していない。例えば、炭素原子が4価を示し、窒素原子が3価を示し、酸素原子が2価を示し、水素原子が1価を示す。
具体的に、本発明は下記式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体を提供する。
(ただし、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素、任意に置換基Aで置換されたC1-6アルキル基から選ばれ、又は、それらと結合する窒素原子と任意に置換基Aで置換された含窒素5-10員複素環基を形成する。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素、任意に置換基Aで置換されたC1-6アルキル基から選ばれる。
L1は結合、-CR'R''-、-NR'-、-S-、-SO2-、-S(O)-、-SONR'-、-SO2NR'-、又は-NR'CONR'-であり、R'及びR''はそれぞれ独立的に水素、任意に置換基Aで置換されたC1-6アルキル基から選ばれる。
Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(A)、(a)、(b)又は(c)で表される原子団である。
mは0-3の整数であり、nは0-2の整数である。
Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれ独立的にCRcRc、NRd、O、Sから選ばれる。
X1、X2、X3、X4、X9、X10はそれぞれ独立的にCRcRc、NRd、O、Sから選ばれ、X5、X6、X7、X8はそれぞれ独立的にCRcRc、NRdから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはNRdである。
各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC2-6アルケニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC2-6アルキニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルチオ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルチオC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノスルホニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノスルホニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノスルホニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノスルホニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルスルホニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルスルホニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルスルホニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルスルホニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
Cy2はそれぞれ独立的に3-12員シクロアルキル基、3-12員シクロアルケニル基、3-12員複素環基、6-10員アリール基、5-14員ヘテロアリール基から選ばれる。
各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルアミノスルホニル基、(C1-6アルキル)2アミノスルホニル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニル基から選ばれる。
置換基Aはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルアミノスルホニル基、(C1-6アルキル)2アミノスルホニル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルキルチオ基、3-12員シクロアルキル基、6-10員アリール基、3-12員複素環基、5-14員ヘテロアリール基、オキソ基から選ばれる。
Rcは存在せず、又は出現する度に、それぞれ独立的に水素原子から選ばれ、又は、2個のRcはオキソ基を形成する。
Rdは存在せず、又は出現する度に、それぞれ独立的に水素原子から選ばれる。
は単結合又は二重結合を示す。
は環構造において任意に存在する二重結合部分を示す。
条件として、Cy1が式(c)である場合、式(c)が1個以上のRaで置換される。
条件として、Cy1が式(b)である場合、X1、X2、X3、X9、X10はC=Oではない。)
本発明の一実施態様において、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。本発明の一実施態様において、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれ、且つ同時に水素ではない。本発明の一実施態様において、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、フッ素、塩素から選ばれ、且つ同時に水素ではない。本発明の一実施態様において、R1は水素であり、R2はフッ素である。本発明の一実施態様において、R1及びR2はそれらと結合する窒素原子と5-8員含窒素複素環基を形成する。
本発明の一実施態様において、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素、C1-4アルキル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、R3及びR4は水素である。本発明の一実施態様において、R3及びR4はそれらと結合する窒素原子と含窒素5-6員複素環基を形成する。本発明の一実施態様において、R3及びR4はそれらと結合する窒素原子とピロリニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基を形成する。
本発明の一実施態様において、R5及びR6はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、R5及びR6はそれぞれ独立的に水素、C1-4アルキル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、R5及びR6はそれぞれ独立的に水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、R5及びR6は水素である。
本発明の一実施態様において、L1は結合、-CR'R''-、-NR'-、又は-S-であり、R'及びR''はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、L1は結合、-NR'-、又は-S-であり、R'及びR''はそれぞれ独立的に水素、C1-6アルキル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、L1は結合、-NR'-であり、R'は水素、C1-6アルキル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、L1は結合である。
本発明の一実施態様において、式(A)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY1、Y2、Y3、Y4の何れか1つと結合される。本発明の一実施態様において、式(a)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY1、Y2、Y3の何れか1つと結合される。本発明の一実施態様において、式(c)について、Raが少なくとも1つ存在し、且つその少なくとも1つはX5、X6、X7、X8の何れか1つと結合される。
本発明の一実施態様において、式(A)について、L1原子団は式(A)におけるX1、X2又はX3と結合される。本発明の一実施態様において、式(a)について、L1原子団は式(a)におけるX1、X2又はX3と結合される。本発明の一実施態様において、式(c)について、L1原子団は式(c)におけるX1、X2、X3又はX4と結合される。
本発明の一実施態様において、L1原子団は窒素原子と結合される。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(A-1)、(A-2)、(A-3)、(a)、(b)又は(c)で表される原子団である。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(A-11)、(a-1)、(a-2)、(b-1)、(c-1)又は(c-2)で表される原子団である。
本発明の一実施態様において、Cy1が式(c-1)、(c-2)である場合、式(c-1)、(c-2)が1個以上のRaで置換される。
本発明の一実施態様において、Cy1が式(b-1)である場合、X1、X2、X3、X9はC=Oではない。
本発明の一実施態様において、式(A-11)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY2と結合される。本発明の一実施態様において、式(a-1)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY2と結合される。本発明の一実施態様において、式(a-2)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つはY1と結合される。本発明の一実施態様において、式(b-1)について、Raが存在する場合、その少なくとも1つは環構成炭素原子と結合される。本発明の一実施態様において、式(c-1)、(c-2)について、Raが少なくとも1つ存在し、且つその少なくとも1つはベンゼン環原子団と結合される。
本発明の一実施態様において、mは0-3の整数である。本発明の一実施態様において、mは1又は2である。本発明の一実施態様において、nは0-2の整数である。本発明の一実施態様において、nは1又は2である。
本発明の一実施態様において、Rcは存在せず、又は出現する度に、それぞれ独立的に水素原子から選ばれ、又は、2個のRcはオキソ基を形成する。
本発明の一実施態様において、Rdは存在せず、又は出現する度に、それぞれ独立的に水素原子から選ばれる。
本発明の一実施態様において、Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれ独立的にCRcRc、NRdから選ばれる。本発明の一実施態様において、Y1、Y2、Y3、Y4の少なくとも1つはC=Oである。本発明の一実施態様において、Y1、Y2、Y3はそれぞれ独立的にCH2、NH、CH、Nから選ばれる。
本発明の一実施態様において、X1、X2、X3、X4、X9、X10はそれぞれ独立的にCRcRc、NRdから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNRdである。本発明の一実施態様において、X1、X2、X3、X4、X9はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NH、C=Oから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
本発明の一実施態様において、X5、X6、X7、X8はそれぞれ独立的にCRcRc、NRdから選ばれる。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(A-11)、(a-1)で表される原子団である。
本発明の一実施態様において、式(A-11)、(a-1)において、Y2、Y3はそれぞれ独立的にCH2、NH、CH、Nから選ばれる。本発明の一実施態様において、式(A-11)、(a-1)において、X1、X2、X3はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NH、C=Oから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
本発明の一実施態様において、式(A-11)において、X1、X2はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NHから選ばれる。本発明の一実施態様において、式(a-1)において、X1、X2はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NHから選ばれる。本発明の一実施態様において、式(A-11)、式(a-1)において、Y2はNHである。本発明の一実施態様において、式(A-11)、式(a-1)において、Y3はCH2又はCHである。本発明の一実施態様において、式(A-11)、式(a-1)において、Raが存在する場合、その少なくとも1つのRaはY2位置と結合される。本発明の一実施態様において、式(A-11)、式(a-1)において、L1原子団はX1、X2又はX3と結合される。本発明の一実施態様において、式(A-11)、式(a-1)において、L1原子団は窒素原子と結合される。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された下記原子団である。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された、下記一般式(b-1)で表される原子団である。
本発明の一実施態様において、式(b-1)において、X1、X2、X3、X9はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NHから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
本発明の一実施態様において、式(b-1)において、L1原子団は式(b-1)における窒素原子と結合される。本発明の一実施態様において、式(b-1)において、Raが存在する場合、その少なくとも1つは式(b-1)の炭素原子と結合される。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は1個以上のRaで置換された下記原子団である。
本発明の一実施態様において、Cy1は1個以上のRaで置換された、下記一般式(c-1)で表される原子団である。
本発明の一実施態様において、式(c-1)において、X1、X2、X3はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NH、C=Oから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
本発明の一実施態様において、式(c-1)において、少なくとも1つのRaは式(c-1)におけるベンゼン環部分と結合される。本発明の一実施態様において、式(c-1)において、L1原子団はX1、X2又はX3と結合される。本発明の一実施態様において、式(c-1)において、L1原子団は式(c-1)における窒素原子と結合される。
本発明の一実施態様において、Cy1は1個以上の置換基Raで置換された下記原子団である。
本発明の一実施態様において、各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルチオ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルチオC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-6アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、各Raはそれぞれ独立的に、ハロゲン原子、シアノ基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3-6員シクロアルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたC1-6アルキル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-8員シクロアルキル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、Raはそれぞれ独立的に、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキル基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたC1-6アルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換された(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-8員シクロアルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員ヘテロアリールアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-10員複素環カルボニル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、各Raはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルコキシC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルコキシC1-4アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルチオ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルチオC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-4アルキル)2アミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルアミノC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-4アルキル)2アミノC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルアミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-4アルキル)2アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルアミノカルボニルC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換された(C1-4アルキル)2アミノカルボニルC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルカルボニルアミノ基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルカルボニルアミノC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたC1-4アルキルカルボニルC1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-4アルキル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-C1-4アルコキシ基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-アミノカルボニル基、任意に1個以上のRbで置換されたCy2-カルボニルアミノ基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、Raはそれぞれ独立的に、ハロゲン原子、シアノ基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3-5員シクロアルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたC1-4アルキル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-5員シクロアルキル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員含窒素ヘテロアリール基から選ばれる。本発明の一実施態様において、Raはそれぞれ独立的に、フッ素、塩素、臭素;シアノ基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3-5員シクロアルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、Raはそれぞれ独立的に、アミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたC1-4アルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換された(C1-4アルキル)2アミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された3-5員シクロアルキルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換された5-6員含窒素複素環カルボニル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、Raはそれぞれ独立的に、アミノカルボニル基;任意にハロゲンで置換されたメチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたエチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたイソプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたn-ブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたイソブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたs-ブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたt-ブチルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロペンチルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピロリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペラジニルカルボニル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、Raはそれぞれ独立的に、アミノカルボニル基;任意にハロゲンで置換されたメチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたエチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたイソプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたn-ブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたイソブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたs-ブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲンで置換されたt-ブチルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロプロピルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロブチルアミノカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたシクロペンチルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニルアミノカルボニル基;任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたアゼチジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピロリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペラジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたモルホリニルカルボニル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、Raはそれぞれ独立的に、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたアゼチジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピロリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペリジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたピペラジニルカルボニル基、任意にハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる少なくとも1つで置換されたモルホリニルカルボニル基から選ばれる場合、環にある環構成窒素原子がカルボニル基(C=O)と結合される。
本発明の一実施態様において、Cy2はそれぞれ独立的に3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基から選ばれる。本発明の一実施態様において、Cy2はそれぞれ独立的に3-6員シクロアルキル基、5-6員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-6員ヘテロアリール基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。本発明の一実施態様において、各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、各Rbはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アミノカルボニル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、アミノC1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、C1-4アルコキシC1-4アルキル基、C1-4アルコキシC1-4アルコキシ基、アミノC1-4アルコキシ基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基、C1-4アルキルチオ基、C1-4アルキルアミノ基、(C1-4アルキル)2アミノ基、C1-4アルキルアミノカルボニル基、(C1-4アルキル)2アミノカルボニル基、C1-4アルキルカルボニルアミノ基、C1-4アルキルカルボニル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、置換基Aはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、アミノC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、(C1-6アルキル)2アミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基、オキソ基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、置換基Aはそれぞれ独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、アミノC1-4アルキル基、C1-4アルコキシC1-4アルキル基、C1-4アルコキシC1-4アルコキシ基、アミノC1-4アルコキシ基、C1-4アルキルアミノ基、(C1-4アルキル)2アミノ基、C1-4アルキルアミノカルボニル基、(C1-4アルキル)2アミノカルボニル基、C1-4アルキルカルボニルアミノ基、C1-4アルキルカルボニル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基、C1-4アルキルチオ基、3-6員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、ナフチル基、5-10員ヘテロアリール基、オキソ基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、式(b)、式(b-1)において、環構造にアミノカルボニル基原子団(
ただし、窒素原子が本発明にかかる上記原子団と結合される、又は窒素原子が含窒素複素環に含まれる)が結合される。本発明の一実施態様において、式(b)、式(b-1)において、アミノカルボニル基原子団(
ただし、窒素原子が本発明にかかる上記原子団と結合される、又は窒素原子が含窒素複素環に含まれる)が環構成炭素原子と結合される。
本発明の一実施態様において、式(c)において、X5、X6、X7又はX8にアミノカルボニル基原子団(
ただし、窒素原子が本発明にかかる上記原子団と結合される、又は窒素原子が含窒素複素環に含まれる)が結合される。本発明の一実施態様において、式(c-1)、式(c-2)において、アミノカルボニル基原子団(
ただし、窒素原子が本発明にかかる上記原子団と結合される、又は窒素原子が含窒素複素環に含まれる)がベンゼン環構造と結合される。本発明の一実施態様において、式(c)において、X5、X6、X7、X8はそれぞれ独立的にCHを示す。
本発明の一実施態様において、式(c)において、X5、X6、X7、X8はC=Oではない。
本発明の一実施態様において、式(A-1)、式(A-2)において、Y1はC=Oであり、Y2はNRdを示す。
本発明の一実施態様において、環にある環構成窒素原子はカルボニル基(C=O)と結合してアミノカルボニル基を形成する。
本発明の一実施態様において、本発明にかかる化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体を提供するが、前記化合物は下記から選ばれる。
本発明の一実施態様において、本発明にかかる上記化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体を含む医薬品組成物を提供するが、前記医薬品組成物はさらに任意に一種又は多種の薬物キャリアを含む。
本発明の一実施態様において、本発明にかかる上記化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体の医薬品組成物、又は本発明にかかる上記医薬品組成物の、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患を予防及び/又は治療するための医薬品の製造における適用を提供する。
本発明の一実施態様において、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患を予防及び/又は治療ための方法を提供するが、前記方法は、治療を必要とする対象に、本発明にかかる上記化合物、又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体の医薬品組成物、又は本発明にかかる上記医薬品組成物を、有効量で投与する。
本発明の一実施態様において、式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体を提供する。
(ただし、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれ、又は、それらと結合する窒素原子と任意に置換基で置換された含窒素5-10員複素環を形成する。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
L1は存在せず、又は、-CR'R''-、-N-、-O-、-S-、-SO2-、S(O)、-SONR'-、-SO2NR'-、-NR'CONR'-であり、R'及びR''はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
Cy1は未置換又は一個乃至複数のRaで置換された、下記一般式(A)、(a)、(b)又は(c)で表される原子団である。
mは0-3の整数であり、nは0-2の整数である。
Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれ独立的にCH2、CH、NH、N、O、S、C=Oから選ばれる。
X1、X2、X3、X4、X9、X10はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、O、S、NH、C=Oから選ばれ、X5、X6、X7、X8はそれぞれ独立的にCH又はNから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
各Raは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又は、未置換又は一個乃至複数のRbで置換されたC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルチオC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノスルホニル基、C1-6アルキルアミノスルホニルC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルキルスルホニルC1-6アルキル基、Cy2-、Cy2-C1-6アルキル基、Cy2-C1-6アルコキシ基、Cy2-カルボニル基、Cy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
Cy2は3-12員シクロアルキル基、3-12員シクロアルケニル基、3-12員複素環基、アリール基、5-14員ヘテロアリール基である。
各Rbは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルアミノスルホニル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニル基から選ばれる。
条件として、Cy1が式(c)である場合、式(c)は一個乃至複数のRaで置換される。
条件として、Cy1が式(b)である場合、X1、X2、X3、X9、X10はC=Oではない。
は単結合又は二重結合を示す。
は環構造において任意に存在する二重結合部分を示す。)
本発明の一実施態様において、下記式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体を提供する。
(ただし、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれ、又は、それらと結合する窒素原子と任意に置換基で置換された含窒素5-10員複素環を形成する。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
L1は存在せず、又は、-CR'R''-、-N-、-O-、-S-、-SO2-、S(O)、-SONR'-、-SO2NR'-、-NR'CONR'-であり、R'及びR''はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
Cy1は未置換又は一個乃至複数のRaで置換された、下記一般式(A-1)、(A-2)、(A-3)、(a)、(b)又は(c)で表される原子団である。
mは0-3の整数であり、nは0-2の整数である。
Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれ独立的にCH2、CH、NH、N、O、S、C=Oから選ばれる。
X1、X2、X3、X4、X9、X10はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、O、S、NH、C=Oから選ばれ、X5、X6、X7、X8はそれぞれ独立的にCH又はNから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
各Raは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又は、未置換又は一個乃至複数のRbで置換されたC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルチオC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、(C1-6アルキル)2アミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノスルホニル基、C1-6アルキルアミノスルホニルC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルキルスルホニルC1-6アルキル基、Cy2-、Cy2-C1-6アルキル基、Cy2-C1-6アルコキシ基、Cy2-カルボニル基、Cy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
Cy2は3-12員シクロアルキル基、3-12員シクロアルケニル基、3-12員複素環基、アリール基、5-14員ヘテロアリール基である。
各Rbは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、(C1-6アルキル)2アミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルアミノスルホニル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニル基から選ばれる。
条件として、Cy1が式(c)である場合、式(c)は一個乃至複数のRaで置換される。
条件として、Cy1が式(b)である場合、X1、X2、X3、X9、X10はC=Oではない。
は単結合又は二重結合を示す。
は環構造において任意に存在する二重結合部分を示す。)
本発明の一実施態様において、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
L1は存在せず、又は-CR'R''-、-N-、-O-、-S-であり、R'及びR''はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
Cy1は未置換又は一個乃至複数のRaで置換された、下記一般式(A-1)、(A-2)、(A-3)、(a)、(b)又は(c)で表される原子団である。
mは0-3の整数であり、nは0-2の整数である。
Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれ独立的にCH2、CH、NH、N、C=Oから選ばれる。
X1、X2、X3、X4、X9、X10はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NH、C=Oから選ばれ、X5、X6、X7、X8はそれぞれ独立的にCH又はNから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
各Raは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又は、未置換又は一個乃至複数のRb置換基で置換されたC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルチオC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、Cy2、Cy2-C1-6アルキル基、Cy2-C1-6アルコキシ基、Cy2-カルボニル基、Cy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
Cy2は3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、5-10員ヘテロアリール基である。
各Rbは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
条件として、Cy1が式(c)である場合、式(c)は一個乃至複数のRaで置換される。
条件として、Cy1が式(b)である場合、X1、X2、X3、X9、X10はC=Oではない。
は環構造において任意に存在する二重結合部分を示す。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は一個乃至複数のRaで置換された、下記一般式(A-11)、(a-1)、(a-2)、(b-1)、(c-1)又は(c-2)で表される原子団である。
mは1-2の整数である。
Y1、Y2、Y3はそれぞれ独立的にCH2、CH、NH、Nから選ばれる。
X1、X2、X3、X4、X9はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NH、C=Oから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
条件として、Cy1が式(c-1)、(c-2)である場合、式(c-1)、(c-2)は一個乃至複数のRaで置換される。
条件として、Cy1が式(b-1)である場合、X1、X2、X3、X9はC=Oではない。
は環構造において任意に存在する二重結合部分を示す。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は一個乃至複数のRaで置換された、下記一般式(A-11)、(a-1)で表される原子団である。
mは1-2の整数である。
Y2、Y3はそれぞれ独立的にCH2、CH、NH、Nから選ばれる。
X1、X2、X3はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NHから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
は環構造において任意に存在する二重結合部分を示す。
本発明の一実施態様において、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
L1は存在しない。
Cy1は未置換又は一個乃至複数のRaで置換された下記原子団である。
各Raは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又は、未置換又は一個乃至複数のRb置換基で置換されたC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、Cy2、Cy2-C1-6アルキル基、Cy2-C1-6アルコキシ基、Cy2-カルボニル基、Cy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
Cy2は3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、5-10員ヘテロアリール基である。
各Rbは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
は環構造において任意に存在する二重結合部分を示す。
好ましくは、Cy2は3-6員シクロアルキル基、5-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基である。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は一個乃至複数のRaで置換された、下記一般式(b-1)で表される原子団である。
X1、X2、X3、X9はそれぞれ独立的にCH2、CH、N、NHから選ばれ、且つX1、X2、X3の少なくとも1つはN又はNHである。
は環構造において任意に存在する二重結合部分を示す。
条件として、一般式(b-1)において、X1、X2、X3、X9はC=Oではない。
本発明の一実施態様において、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、ハロゲンから選ばれ、且つ同時に水素ではない。
R3及びR4はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
R5及びR6はそれぞれ独立的に水素又はC1-6アルキル基から選ばれる。
L1は存在しない。
Cy1は未置換又は一個乃至複数のRaで置換された下記原子団である。
各Raは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又は、未置換又は一個乃至複数のRb置換基で置換されたC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルアミノカルボニルC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニルアミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルC1-6アルキル基、Cy2、Cy2-C1-6アルキル基、Cy2-C1-6アルコキシ基、Cy2-カルボニル基、Cy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
Cy2は3-8員シクロアルキル基、5-10員複素環基、フェニル基、5-10員ヘテロアリール基である。
各Rbは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、Cy1は未置換又は一個乃至複数のRaで置換された下記原子団である。
本発明の一実施態様において、R1及びR2はそれぞれ独立的に水素、フッ素から選ばれ、且つ同時に水素ではない。
本発明の一実施態様において、Cy1は一個乃至複数の置換基Raで置換された下記原子団である。
本発明の一実施態様において、各Raは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又は、未置換又は一個乃至複数のRb置換基で置換されたC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、Cy2、Cy2-カルボニル基、Cy2-アミノカルボニル基から選ばれる。
Cy2は3-6員シクロアルキル基、5-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基である。
本発明の一実施態様において、各Rbは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、Cy1は一個乃至複数の置換基Raで置換された下記原子団である。
本発明の一実施態様において、各Raは独立的に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又は、未置換又は一個乃至複数のRb置換基で置換されたC1-6アルキル基、3-6員シクロアルキル基から選ばれる。
本発明の一実施態様において、各Rbは独立的に水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子から選ばれる。
本発明にかかる「薬学的に許容される塩」とは式I化合物の薬用可能な酸と塩基の付加塩又はその溶媒化物の付加塩である。化合物に酸性官能基(例えば、-COOH、-OH、-SO3Hなど)が存在する場合、適切な無機又は有機カチオン(塩基)と形成できる塩であるが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属などと形成される塩、アンモニウム塩、及び含窒素有機塩基と形成される塩を含む。化合物に塩基性官能基(例えば、-NH2など)が存在する場合、適切な無機又は有機アニオン(酸)と形成できる塩であるが、無機酸、有機酸と形成される塩を含む。これらの「薬学的に許容される塩」は、塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、2,3-ジヒドロキシブタン二酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、粘液酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩などの酸塩を含むが、これらに限定されるものではない。特に好ましくは、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、アルカン酸(HOOC-(CH2)n-COOH(ただし、nは0~4である))塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩)である。また、「薬学的に許容される塩」は、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチル-モルホリン、N-エチルピペリジン、メグルミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルコサミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩基と形成される塩ををさらに含むが、これらに限定されるものではない。また、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、バリウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、銅塩、第一鉄塩、マンガン塩、2価マンガン塩などであってもよい。
本発明にかかる化合物の「薬学的に許容されるエステル」とは本発明にかかる化合物がインビボ(in vivo)で加水分解されるエステルであり、人間の体内で容易に分解され母体化合物又はその塩が残されるエステルを含む。適切なエステル基は、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸(特に、アルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸、アルカン二酸)から誘導されるエステル基を含むが、好ましくは、各アルキル基又はアルケニル基部分が6個以下の炭素原子を有する。特定エステルの代表的な実例は、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル、エチルコハク酸エステルを含む(これらに限定されるものではない)。
本発明において、反応時に任意にアミノ保護基でアミノ基の窒素原子を保護してもよい。「アミノ保護基」とはアミノ基と結合されて一定の条件で離脱しやすい原子団であるが、アルコキシカルボニル基類、アシル基類、アルキル基類を含むが、これらに限定されるものではない。例えば、t-ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フタロイル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、トリチル基などである。当業者は本分野でよく使われる教科書Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(4thedition)を参照して適切な選択及び取扱いを実施できる。
連語「薬学的に許容される」とは、該物質又は組成物が製剤及び/又は医薬品組成物に含まれるその他の成分と薬学的に及び/又は毒理学的に適合性を有するものとする。
本発明にかかる「異性体」は立体異性体及び互変異性体を含む。
立体異性体とは、化合物に不斉炭素が存在する場合、鏡像異性体が発生するが、化合物に炭素-炭素二重結合又は環状構造が存在する場合、シス-トランス異性体が発生するものである。
「互変異性体」とは、分子中のある原子が2つの位置で迅速に移動することにより発生される官能基異性体であるが、特殊な官能基異性体である。α-Hを備えるカルボニル基化合物の互変異性体である場合、例えば、
であってもよいが、T、T1、T2はそれぞれ独立的に任意に化合物結合生成ルールに則る原子団である。
「互変異性体」は、例えば、その他のプロトトロピー互変異性体であってもよいが、具体的にはフェノール-ケト互変異性体、ニトロソ-オキシム互変異性体、イミン-エナミン互変異性体であるが、これらに限定されるものではない。当業者は化合物の互変異性体が存在するか、又はその具体的な形式を容易に判断することができる。
従って、あらゆる式I化合物の鏡像異性体、非鏡像異性体、ラセミ異性体、シス-トランス異性体、幾何異性体、エピ異性体、互変異性体、及びその混合物は、全て本発明の範囲に含まれる。
本発明にかかる医薬品組成物は式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体の少なくとも1つ、及び任意に選ばれる一種又は多種の薬物キャリアを含む。
本発明の医薬品組成物は業界公知のいずれかの適切な投与方式、例えば経口、胃腸外(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、鞘内と硬膜外を含む)、経皮、直腸、経鼻、経肺、局部(口腔と舌下を含む)、膣、腹膜内、肺内と鼻内などの投与などの投与方式により、予防及び/又は治療が必要な患者又は受験者に投与できる。
本発明の医薬品組成物は例えば錠剤、カプセル剤、丸薬、顆粒剤など通常の固体製剤を作成することもでき;また例えば、内服溶液剤、内服懸濁剤、シロップ剤など口服液体製剤を作成することもできる。口服製剤を作成するとき、適当な賦形剤、希釈剤、甘味剤、溶解補助剤、潤滑剤、接着剤、錠剤崩壊剤、安定剤、防腐剤又は包封材料の1種又は多種の物質を配合できる。胃腸外投与に用いられる場合、前記医薬品組成物は注射液、注射用無菌粉末及び注射用濃溶液を含む注射剤に作成できる。注射剤を作成するとき、現在製薬業界の通常方法で生産でき、注射剤を調製するとき、付加剤を配合せず、又は医薬品の性質に応じて適宜な付加剤を配合して作成できる。直腸投与に用いられるとき、前記医薬品組成物は坐剤などに作成できる。経肺投与の場合、前記医薬品組成物は吸入剤又は噴霧剤などに作成できる。本発明において、適切な固体キャリアは、例えばセルロース、グルコース、乳糖、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、ショ糖、デキストリン、タルク、澱粉、ペクチン、ゼラチン、トラントガム、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、ココアバターなどを含むが、これらに限定されるものではない。適切な液体キャリアは水、エタノール、ポリオール(例えばグリセリン、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、グリセリド及びその混合物を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の医薬品組成物は普通既知の方法で製造する。本発明の医薬品組成物を製造する既知の方法は通常の混合、造粒、打錠、コーティング、溶解又は凍結乾燥方法である。
医薬品製剤は好ましくは単位用量形態である。当該形式で、製剤を適当量の活性成分を含む単位用量に細かく分ける。単位用量形態を、例えば包装された錠剤、カプセル剤又は小瓶もしくはアンプル中の粉剤など、離散量を含む製剤の包装に包装できる。
医薬品の投与量は患者の年齢、体重、状態及び投与ルートなど、様々な要因によるものである。投与の正確な用量は治療医師の判断で確定される。活性化合物を投与する通常用量は例えば毎日に約0.01乃至約100 mgであり、約0.05乃至約75 mg/日であり、約0.1乃至約50 mg/日、又は約5乃至約10 mg/日であってもよい。所望の用量はまた採用する具体的な化合物疾患の深刻さ、投与ルート、患者の体重と健康状況及び治療医師の判断にもよる。
本発明にかかる化合物はさらに、1つ又は複数の水素原子、フッ素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が放射性同位元素又は安定同位元素で置換された化合物を含む。これらの標識化合物は代謝又は薬物動態学の研究に適用され、受容体のリガンドなどとして生物学分析などを行う。
本発明にかかる化合物はSSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患の治療及び/又は予防に適用できるが、対象に対する本発明にかかる化合物の投与を含む。
本発明にかかる化合物を含む医薬品組成物はSSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患の治療及び/又は予防に適用できるが、対象に対する本発明にかかる化合物の投与を含む。
本発明の一般式(I)の化合物の調製方法
標準化学方法を含む多種類の方法により、本発明にかかる化合物を製造できる。特段の断りがない限り、前に定義された変数は前に定義された意義を継続する。例示的な通常合成方法は以下の実施形態で説明されるが、それらは容易に改善して本発明のその他の化合物を製造できる。当業者は本分野で知られる通常方法(例えばOrganic Synthesis 2nd edition, Michael B. Smith etc.)により以下の反応を実施できる。実施例部分において具体的に本発明の化合物を調製する。
本発明の一実施態様において、一般式(I)化合物は式(SM1)と式(SM2)の反応により得られる。
(ただし、Cy1、R1、R2、R3、R4、R5、R6、L1は前記に示される通りである。X1は脱離基であり、ハロゲン又はスルホナートを含むが、これらに限定されるものではない。)
さらに、R3及びR4が水素である場合、製造中に
構造におけるNと結合される水素原子を保護して、
を形成するが、ただし、G1及びG2はそれぞれアミノ保護基である。
前記「アミノ保護基」は、当業者によく使われる保護基であり、例えば、t-ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、t-ブチル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、トリフェニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、4-メトキシベンジル基、2,4-ジメトキシベンジル基、o-ニトロベンゼンスルホニル基、フタロイル基である。また、アミノ基の保護と脱保護の方法は、当業者に公知される方法を採用してもよいが、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd editionに記載される工程を参照してもよい。
本発明の一実施態様において、一般式(I')で表される化合物
(ただし、Cy1、G1、G2、X1の定義は前記に示される通りである)は、
(1)式(SM1)を有機溶剤1に溶解させ、適切な塩基を入れ、式(SM2-a)と反応させて、式(II-a)を得る工程と、
(2)式(II-a)を有機溶剤2に溶解させ、適切な脱保護試薬を入れ、脱保護を行って、式(I')を得る工程と、により製造される。
本発明の一実施態様において、一般式(I')で表される化合物
(ただし、Cy1、X1の定義は前記に示される通りである。
G2は、t-ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、t-ブチル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、トリフェニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、4-メトキシベンジル基、2,4-ジメトキシベンジル基、o-ニトロベンゼンスルホニル基から選ばれる)は、
(1)式(SM1)を有機溶剤1に溶解させ、(SM2-c)と塩基を入れて、式(II-c)を得る工程と、
(2)式(II-c)を有機溶剤2に溶解させ、脱保護剤を入れ、脱保護を行って、式(I')を得る工程と、により製造される。
本発明の一実施態様において、一般式(I')で表される化合物
(ただし、Cy1、X1の定義は前記に示される通りである)は、
(1)式(SM1)を有機溶剤1に溶解させ、適切な塩基を入れ、式(SM2-b)と反応させて、式(II-b)を得る工程と、
(2)式(II-b)を有機溶剤2に溶解させ、ヒドラジン水和物を入れ、ヒドラジン分解反応を行って、式(I')を得る工程と、により製造される。
本発明の一実施態様において、前記有機溶剤1は、DMF、DMA、ACN、メタノール、エタノール、イソプロパノール、THFである。
本発明の一実施態様において、前記有機溶剤2は、メタノール、エタノール、イソプロパノールである。
本発明の一実施態様において、前記塩基は、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウムである。
本発明の一実施態様において、前記脱保護剤は、塩酸、トリフルオロ酢酸、臭化水素酸、ヨードトリメチルシランなどである。
本発明の一実施態様において、反応中に目標化合物を得るために相間移動触媒を入れてもよいが、前記相間移動触媒は本分野でよく使われる触媒であってもよく、例えば、酢酸銅、塩化銅、パラジウム炭素、塩化鉄、酢酸パラジウム、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリドなどを含むが、これらに限定されるものではない。
前記「適切な脱保護剤」とは、当業者が化学構造におけるアミノ保護基G1及びG2によりそれ相応の酸、塩基又は酸化剤を選択して脱保護反応を行うための試薬である。Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd editionに記載されるものを使用してもよい。
本発明において、前記「酸」は、本分野でよく使われる酸類であってもよいが、有機酸及び無機酸を含む。有機酸として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸が挙げられる。無機酸として、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸などが挙げられる。好ましくは塩酸である。
本発明において、前記「塩基」は、本分野でよく使われる塩基類であってもよいが、有機塩基及び無機塩基を含む。有機塩基として、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリンなどが挙げられる。無機塩基として、アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム)の水素化物、炭酸塩、炭酸水素塩;アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)の水素化物、炭酸塩、炭酸水素塩;ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムエトキシドなどが挙げられる。
本発明において、前記「酸化剤」は、本分野でよく使われる酸化剤であってもよいが、硝酸セリウムアンモニウム、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアン-p-ベンゾキノン、塩化銅、二酸化マンガン、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酢酸、過安息香酸などを含むが、これらに限定されるものではない。
本発明において、前記「有機溶剤1」は、本分野でよく使われる単一又は混合有機溶剤であるが、エーテル類、アルカン類、ハロゲン化アルカン類、芳香族炭化水素類、アルコール類などを含むが、これらに限定されるものではない。具体的に、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例えばトルエン、ベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、飽和炭化水素類(例えばシクロヘキサン、ヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなど)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなど)、エステル類(例えば酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例えばアセトニトリルなど)、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノールなど)、水とそれらの混合溶剤などが挙げられる。
本発明において、前記「有機溶剤2」は、本分野でよく使われる単一又は混合有機溶剤であるが、エーテル類、アルカン類、ハロゲン化アルカン類、芳香族炭化水素類、アルコール類などを含むが、これらに限定されるものではない。具体的に、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、芳香族炭化水素類(例えばトルエン、ベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、飽和炭化水素類(例えばシクロヘキサン、ヘキサンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなど)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなど)、エステル類(例えば酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル類(例えばアセトニトリルなど)、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノールなど)、水とそれらの混合溶剤などが挙げられる。
本発明において、上記反応中に必要に応じて反応温度を調節してもよいが、例えば、高温、室温、低温などに調節する。高温とは通常30℃より高い温度であり、必要に応じて加熱処理を行ってもよい。室温とは通常15~30℃である。低温とは通常15℃より低い温度であり、必要に応じて冷却処理を行ってもよい。
実施例において具体的な反応条件を明記していないものは通常条件又はメーカの薦める条件で行う。メーカを明記していない試薬又は計器は、いずれも市販で得られる通常製品である。
本発明において、特に断らない限り、(i)温度は摂氏温度(℃)で表示され、操作は室温環境で行う;(ii)反応の進展は薄層クロマトグラフィー(TLC)又はLC-MSでフォローアップする;(iii)最終製品は明確なプロトン核磁気共鳴(1H-NMR)データ及び質量分析(MS)データを持つ。
本発明で使用される略語及び英語記述は以下の意味を有する:
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
-Boc:t-ブトキシカルボニル基
(Boc)2O:二炭酸ジt-ブチルメチル
TEA:トリエチルアミン
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMA又はDMAc:ジメチルアセトアミド
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
EDCI:1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOH:エタノール
EtONa:ナトリウムエトキシド
aq.HCl:希塩酸
NaH:水素化ナトリウム
N2H4:ヒドラジン
AcONa:酢酸ナトリウム
Ac2O:無水酢酸
ACN:アセトニトリル
THF:テトラヒドロフラン
CuI:ヨウ化第一銅
Cs2Co3:炭酸セシウム
K2CO3:炭酸カリウム
EA:酢酸エチル
MeOH:メタノール
MTBE:メチルt-ブチルエーテル
PE:石油エーテル
HATU:2-(7-アザベンゾトリアゾール)-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩
TBAB:テトラブチルアンモニウムブロミド
(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオンは、
Ian A. McDonaldらによって報告された該中間体の合成方法(Ian A. McDonald, Philipe Bey. A general preparation of fluoroallylamine enzyme inhibitors incorporating a β-substituted heteroatom. Tetrahedron Letters, Vo1.26, No.32, pp 3807-3810, 1985)により調製される。
実施例1:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A1)の合成
工程1:(E)-1-シクロプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
原料のシクロプロピルピペリジン-2,4-ジオン(5 g, 32.6 mmol, 1.0 eq)をDMF-DMA(5 g, 41.8 mmol, 1.28 eq)に緩やかに入れ、25℃で2時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応系を濃縮させ、粗製品(理論収率6.789 g)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程2:5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
前の工程で得られた(E)-1-シクロプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの粗製品(6.789 gで計算、32.6 mmol)をMeOH(50 mL)に溶解させ、85%のヒドラジン水和物(2.1 g, 35.9 mmol, 1.1 eq)を入れ、還流させながら0.5時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液を濃縮させて静置し、大量の白色固体を析出させ、少量のMTBEを入れ、吸引濾過させ、ケークを2倍体積の95%EtOHで再結晶させ、吸引濾過させ、50℃で乾燥させて、製品(3.7 g, 2工程の収率:64%)を得る。
工程3:(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオンの合成
中間体の5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(1.0 g, 5.643 mmol, 1 eq)をDMF(2.5 mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、窒素ガスの保護で60%含有量のNaH(248 mg, 6.207 mmol, 1.1 eq)を入れ、窒素ガスの保護で30 min攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオン(2.019 g, 6.722 mmol, 1.2 eq)のDMF(2.5 mL)溶液を滴下し、18℃室温で1時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。水(10 mL)、DCM:MeOH=10:1(15 mL×3)を入れて抽出し、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離して(溶離剤DCM:MeOH=200:1)、製品(583 mg, 収率:26.2%)を得る。
工程4:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオン(583 mg, 1.478 mmol, 1 eq)をEtOH(15 mL)に溶解させ、85%のヒドラジン水和物(305 mg, 5.174 mmol, 3.5 eq)を入れ、還流させながら2時間反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、吸引濾過させ、濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(70 mg, 収率:17.9%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.12 (s, 1H), 6.79-7.00 (d, 1H), 4.70-4.71 (d, 2H), 3.48-3.51 (t, 2H), 3.04-3.05 (d, 2H), 2.75-2.78 (t, 2H), 2.59-2.65 (m, 1H), 0.71-0.76(m, 2H), 0.59-0.61 (m, 2H).
分子式:C13H17FN4O,分子量:264.30, LC-MS (Pos, m/z)=265.25 [M+H]+.
実施例2:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A2)塩酸塩の合成
工程1:(E)-1-シクロプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
原料のシクロプロピルピペリジン-2,4-ジオン(20 g, 0.130 mol, 1.0 eq)をDMF-DMA(19.9 g, 0.167 mol, 1.28 eq)に緩やかに入れ、攪拌しながら25℃で2時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応系を50℃で濃縮させ、粗製品を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程2:5-シクロプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の(E)-1-シクロプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオン(27.073 gで計算、0.130 mol)をMeOH(100 mL)に溶解させ、85%含有量のヒドラジン水和物(8.4 g, 0.143 mol, 1.1 eq)を入れ、還流させながら1時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液を濃縮させ、粗製品を得て、95%のEtOHで再結晶させ、吸引濾過させ、ケークを50℃で乾燥させて、製品(16 g, 収率:69.6%)を得る。
工程3:(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオンの合成
中間体の5-シクロプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(2000 mg, 11.286 mmol, 1 eq)をDMF(5 mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、窒素ガスの保護で60%含有量のNaH(496 mg, 12.414 mmol, 1.1 eq)を入れ、窒素ガスの保護で30 min攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオン(4037 mg, 13.543 mmol, 1.2 eq)のDMF(5 mL)溶液を滴下し、19℃室温で一晩反応させ、TLCにより反応完了と検出する。水(20 mL)、DCM:MeOH=10:1(30 mL×3)を入れて、反応液を抽出し、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(溶離剤DCM:MeOH=200:1)、製品(100 mg, 収率:2.2%)を得る。
工程4:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオン(70 mg, 0.177 mmol, 1 eq)をEtOH(1.75 mL)に溶解させ、85%含有量のヒドラジン水和物(36 mg, 0.621 mmol, 3.5 eq)を入れ、還流させながら2時間反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、吸引濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、粗製品を得て、粗製品を少量のエタノールに溶解させ、塩化水素エタノール(0.1 mL)を入れ、1 h攪拌し、固体が析出され、MTBEとPEを入れ、白色固体が析出され、吸引濾過させ、ケークを乾燥させて、製品(40 mg, 収率74.9%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.46 (s, 3H), 7.72 (s, 1H), 7.06-7.26 (d, 1H), 4.89 (d, 2H), 3.54-3.57 (t, 2H), 3.43-3.44 (d, 2H), 2.98-3.02 (t, 2H), 2.57-2.62 (m, 1H), 0.71-0.76 (t, 2H), 0.56-0.60 (m, 2H).
分子式:C13H18ClFN4O 分子量:300.76 LC-MS(Pos, m/z)=264.8 [M+H]+.
実施例3:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A6)塩酸塩の合成
工程1:中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((5-エチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチル(1.0 g, 3.08 mmol, 1.0 eq)をテトラヒドロフラン(10 mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(160 mg, 4.0 mmol, 1.3 eq, 60%)を入れ、室温で30 min反応させ、ヨードエタン(576 mg, 3.7 mmol, 1.2 eq)を入れ、60℃まで昇温して4 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。反応フラスコに水(10 mL)を入れ、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:20)、製品(180 mg, 収率:16%)を得る。
工程2:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((5-エチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチル(180 mg, 0.51 mmol, 1.0 eq)を、エタノール(2 mL)に溶解させ、塩化水素エタノール溶液(2 mL)を入れ、12 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、水を入れて溶解させ、凍結乾燥させて、製品(120 mg, 収率:83%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.47 (s, 3H), 8.27 (s, 1H), 7.37 (s, 0.5H), 7.16 (s, 0.5H), 4.93 (s, 2H), 3.52-3.56 (m, 2H), 3.39-3.42 (m, 2H), 3.32-3.33 (d, 2H), 2.81-2.84(m, 2H), 1.04-1.07 (m, 3H).
分子式:C12H17FN4O 分子量:252.29 LC-MS(Pos, m/z)=253.22[M+H]+.
実施例4:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-t-ブチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A7)塩酸塩の合成
工程1:3-(t-ブチルアミノ)プロピオン酸エチルの合成
t-ブチルアミン(87.66 g, 1.20 mol, 1.2 eq)をエタノール(400 mL)に溶解させ、氷浴でアクリル酸エチル(100.00 g, 1.00 mol, 1.0 eq)を緩やかに滴下し、室温で一晩反応させ、GCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させて、製品(173 g, 収率:99%)を得る。
工程2:3-(t-ブチル(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-(t-ブチルアミノ)プロピオン酸エチル(70.00 g, 0.404 mol, 1.0 eq)、マロン酸モノエチル(53.37 g, 0.404 mol, 1.0 eq)、4-ジメチルアミノピリジン(9.88 g, 0.0808 mmol, 0.2 eq)とトリエチルアミン(102.30 g, 1.010 mol, 2.5 eq)をジクロロメタン(490 mL)に溶解させ、氷浴で15 min攪拌し、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(93.02 g, 0.485 mol, 1.2 eq)を数回に分けて入れ、室温まで自然に昇温して一晩反応させ、TLCにより反応完了と検出する。氷浴で反応フラスコに水と濃塩酸(3:1,360 mL)を入れ、15 min攪拌し、分液し、水相をジクロロメタン(300 mL)で抽出し、有機相を合併し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(800 mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(800 mL×2)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(114 g, 収率:98.2%)を得る。
工程3:1-t-ブチルピペリジン-2,4-ジオンの合成
3-(t-ブチル(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(114.00 g, 0.397 mol, 1.0 eq)とナトリウムエトキシド(53.99 g, 0.793 mol, 2.0 eq)をエタノール(456 mL)に溶解させ、80℃で4 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、中間体の1-t-ブチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチルのナトリウム塩を得て、水を入れ、濃塩酸でpH=2となるように調整し、85℃で5時間反応させ、95℃で1.5時間反応させ、LC-MSにより反応完了と表示される。反応液を室温まで冷却し、反応液が飽和するまで塩化ナトリウムを入れ、ジクロロメタン(400 mL×3)で抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮させ、油状粗製品を得て、冷却してから固体が析出され、MTBEを入れ、攪拌して大量の固体が析出され、吸引濾過させ、ケークを少量のMTBEで洗浄し、乾燥させて、製品(45.3g, 収率:67.48%)を得る。
工程4:5-t-ブチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の1-t-ブチルピペリジン-2,4-ジオン(40 g, 0.207 mol, 1.0 eq)をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(35.04 g, 0.265 mol, 1.28 eq)に溶解させ、室温で3 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、中間体の(E)-1-t-ブチル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンを得る。メタノール(200 mL)とヒドラジン水和物(15.3 g, 0.228 mol, 1.1 eq)を入れ、還流させながら1 h反応させる。LC-MSにより反応完了と表示されたら、減圧濃縮させ、MTBE(300 mL)を入れ、一晩攪拌し、大量の固体が析出され、吸引濾過させ、ケークをMTBEで洗浄し、乾燥させて、製品(40.00 g, 収率:87.7%)を得る。
工程5:(E)-2-(2-((5-t-ブチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン
5-t-ブチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(1.08 g, 5.59 mmol, 1.0 eq)をDMF(10 mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、NaH(質量パーセント60%, 246 mg, 6.147 mmol, 1.1 eq)を入れ、30 min攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(2.00 g, 6.706 mmol, 1.2 eq)のDMF(5 mL)溶液を滴下し、室温で1 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。水(12 mL)を入れ、ジクロロメタンとメタノールの混合液(10:1, 25 mL×3)で抽出し、分液し、有機相を合併し、水で逆流洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=3:1~2:1, 0.5%トリエチルアミンを入れる)、製品の(E)-2-(2-((5-t-ブチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.3 g, 収率56.7%)、及び位置異性体の(E)-2-(2-((5-(t-ブチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(350 mg, 収率15.3%)を得る。
工程6:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-t-ブチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
(E)-2-(2-((5-t-ブチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1000 mg, 2.438 mmol, 1.0 eq)をEtOH(30 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(502.4 mg, 8.531 mmol, 3.5 eq, 85%)を入れ、還流させながら2 h反応させる。LC-MSにより反応完了と検出したら、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、EA(30 mL)を入れ、還流させ、熱いうちに濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、少量のエタノールを入れて希釈し、塩化水素エタノール溶液を入れ、室温で30 min攪拌し、アセトニトリルを入れ、減圧濃縮させて、製品の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-t-ブチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩(747.9 mg, 収率:98%)を得る。
1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.51 (brs, 3H), 8.22 (s, 1H), 7.16-7.36 (d, J=82 Hz, 1H), 4.93 (s, 2H), 3.52-3.56 (t, 2H), 3.31-3.32(d, 2H), 2.73-2.76 (t, 2H), 2.08 (s, 1H), 1.42 (s, 9H).
分子式:C14H21FN4O 分子量:280.35 LC-MS(Pos, m/z)=281.23[M+H]+.
実施例5:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロブチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A9)塩酸塩の合成
工程1:3-(シクロブチルアミノ)プロピオン酸エチルの合成
原料のシクロブチルアミン(4.26 g, 59.93 mmol, 1.2 eq)をエタノール(50 mL)に溶解させ、氷浴でアクリル酸エチル(5.0 g, 49.94 mmol, 1.0 eq)を緩やかに滴下し、12 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。80℃で減圧濃縮させて、製品(8.55 g, 収率:100%)を得る。
工程2:3-(シクロブチル(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-(シクロブチルアミノ)プロピオン酸エチル(8.55 g, 49.94 mmol, 1.0 eq)をジクロロメタン(100 mL)に溶解させ、氷水浴で0℃まで降温し、マロン酸モノエチル(6.6 g, 49.94 mmol, 1.0 eq)を滴下し、滴下完了後、10分間攪拌し、トリエチルアミン(12.6 g, 124.85 mmol, 2.5 eq)、4-ジメチルアミノピリジン(609.6 mg, 4.99 mmol, 0.1 eq)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(11.5 g, 59.93 mmol, 1.2 eq)の順で入れ、12時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。2.5 mol/L塩酸(100 mL)を入れ、10分間攪拌し、分液し、水相をジクロロメタン(50 mL)で抽出し、有機相を合併し、有機相を飽和炭酸ナトリウム水溶液(50 mL)と水(50 mL)の順で洗浄し、分液し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(10.1 g, 収率:71.1%)を得る。
工程3:1-シクロブチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチルの合成
中間体の3-(シクロブチル(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(10.1 g, 35.40 mmol, 1.0 eq)をエタノール(50 mL)に溶解させ、ナトリウムエトキシド(6.0 g, 88.49 mmol, 2.5 eq)を入れ、80℃で1 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させて、製品(8.47 g, 収率:100%)を得る。
工程4:1-シクロブチルピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-シクロブチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチル(8.47 g, 35.40 mmol, 1.0 eq)を水(20 mL)と濃塩酸(30 mL)に溶解させ、120℃で2 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。室温まで冷却し、ジクロロメタン(50 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させて、製品(3 g,収率:50.8%)を得る。
工程5:1-シクロブチル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-シクロブチルピペリジン-2,4-ジオン(3 g, 17.94 mmol, 1.0 eq)をジクロロメタン(2 mL)に溶解させ、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.35 g, 19.74 mmol, 1.1 eq)を入れ、室温で1 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させて、製品(3.98 g, 収率:100%)を得る。
工程6:5-シクロブチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の(E)-1-シクロブチル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオン(3.98 g, 17.94 mmol, 1.0 eq)とヒドラジン水和物(1.16 g, 19.73 mmol, 1.1 eq)をメタノール(4 mL)に溶解させ、還流させながら1 h反応させるまで昇温し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=100:1~50:1)、製品(2.1 g, 収率:61.2%)を得る。
工程7:(E)-2-(2-((5-シクロブチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の5-シクロブチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(1.0 g, 5.23 mmol, 1.0 eq)をDMF(5 mL)に溶解させ、氷水浴で降温し、NaH(質量パーセント60%, 230 mg, 5.75 mmol, 1.1 eq)入れ、室温で30分間攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(2.0 g, 6.29 mmol, 1.2 eq)のDMF(5 mL)溶液を滴下し、滴下完了後、1時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。水(50 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を水(50 mL×2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=1:2)、製品(572 mg, 収率:27.2%)を得る。
工程8:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロブチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-2-(2-((5-シクロブチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(572 mg, 1.40 mmol, 1.0 eq)をEtOH(10 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(245 mg, 4.90 mmol, 3.5 eq)を入れ、80℃で3 h反応させる。LC-MSにより反応完了と検出したら、室温まで降温し、吸引濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品にジクロロメタン(10 mL)を入れてパルプ化させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、油状液体(296 mg)を得て、ジクロロメタン(2 mL)を入れて溶解させ、塩化水素エタノール溶液(129 mg)を滴下し、10分間攪拌し、減圧濃縮させて、製品(256 mg, 収率:58%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.43 (s, 3H), 8.26 (s, 1H), 7.36 (s, 0.5H), 7.15 (s, 0.5H), 4.93-4.92 (m, 3H), 3.57-3.54 (m, 2H), 3.34-3.33 (m, 2H), 2.83-2.80 (m, 2H), 2.20-2.13(m, 2H), 2.06-1.99 (m, 2H), 1.67-1.66 (m, 2H).
分子式:C14H19FN4O 分子量:278.33 LC-MS(Pos, m/z)=279.19[M+H]+.
実施例6:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロペンチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A10)塩酸塩の合成
工程1:中間体の3-(シクロペンチルアミノ)プロピオン酸エチルの合成
原料のシクロペンチルアミン(5.1 g, 60 mmol, 1.0 eq)をエタノール(10 mL)に溶解させ、氷浴でアクリル酸エチル(5.0 g, 50 mmol, 1.0 eq)を緩やかに滴下し、12 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させ、製品(9.2 g, 収率:99%)を得る。
工程2:中間体の3-(シクロペンチル(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-(シクロペンチルアミノ)プロピオン酸エチル(8.2 g, 44.26 mmol, 1.0 eq)、マロン酸モノエチル(5.85 g, 44.26 mmol, 1.0 eq)、4-ジメチルアミノピリジン(1.08 g, 8.85 mmol, 0.2 eq)とトリエチルアミン(10.3 g, 101.8 mmol, 2.3 eq)をジクロロメタン(100 mL)に溶解させ、5 min攪拌した後、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(8.49 g, 53.11 mmol, 1.2 eq)を数回に分けて入れ、12時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応フラスコに水と濃塩酸(3:1, 100 mL)を入れ、10 min攪拌し、分液し、水相をジクロロメタン(100 mL)で抽出し、有機相を合併し、飽和炭酸ナトリウム水溶液(100 mL)と水(100 mL×2)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、減圧濃縮させて、製品(11.5 g, 収率:87%)を得る。
工程3:中間体の1-シクロペンチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチルの合成
中間体の3-(シクロペンチル(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(11.5 g, 38.4 mmol, 1.0 eq)とナトリウムエトキシド(5.23 g, 76.8 mmol, 2.0 eq)をエタノール(100 mL)に溶解させ、80℃で2 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、製品(9.73 g, 収率:100%)を得る。
工程4:中間体の1-シクロペンチルピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-シクロペンチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチル(9.72 g, 38.4 mmol, 1.0 eq)を水(50 mL)と濃塩酸(20 mL)に溶解させ、120℃で1.5 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。室温まで冷却し、飽和するまで塩化ナトリウムの固体を入れ、ジクロロメタン(100 mL×3)で抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮させて、製品(6.95 g, 収率:100%)を得る。
工程5:中間体の1-シクロペンチル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-シクロペンチルピペリジン-2,4-ジオン(6.95 g, 38.4 mmol, 1.0 eq)をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(5.04 g, 42.24 mmol, 1.1 eq)に溶解させ、1 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させて、製品(9.07 g, 収率:100%)を得る。
工程6:中間体の5-シクロペンチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の1-シクロペンチル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオン(9.07 g, 38.4 mmol, 1.0 eq)とヒドラジン水和物(2.114 g, 42.24 mmol, 1.1 eq)をメタノール(50 mL)に溶解させ、60℃で40 min反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。室温まで冷却し、減圧濃縮させ、粗製品をまずシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=50:1)、次にメチルt-ブチルエーテル(50 mL)でパルプ化させ、吸引濾過させて、製品(3.1 g, 収率:39%)を得る。
工程7:中間体の(E)-2-(2-((5-シクロペンチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の5-シクロペンチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(1.0 g, 4.87 mmol, 1.0 eq)をDMF(5 mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(214 mg, 5.36 mmol, 1.12 eq, 60%)を入れ、30 min攪拌した後、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.74 g, 5.84 mmol, 1.2 eq)のDMF(5 mL)溶液を滴下し、1時間反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。水(10 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×2)で抽出し、分液し、有機相を水(50 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=1:1)、製品(700 mg, 収率:34%)を得る。
工程8:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロペンチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-2-(2-((5-シクロペンチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(700 mg, 1.65 mmol, 1.0 eq)をEtOH(10 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(290 mg, 5.77 mmol, 3.5 eq)を入れ、80℃で30 min反応させる。LC-MSにより反応完了と検出したら、吸引濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=10:1)、得られた油状物をメタノール(2 mL)に入れて溶解させ、さらに塩化水素エタノール溶液(0.25 mL)を滴下し、30 min攪拌し、減圧濃縮させて、製品(230 mg, 収率:42%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.37 (s, 3H), 8.24 (s, 1H), 7.36 (s, 0.5H), 7.16 (s, 0.5H), 4.91 (s, 3H), 3.42-3.45 (m, 2H), 3.34-3.35 (d, 2H), 2.78-2.81 (m, 2H), 1.69 (s, 4H), 1.54 (s, 4H).
分子式:C15H21FN4O 分子量:292.36 LC-MS(Pos, m/z)=293.20[M+H]+.
実施例7:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(t-ブチル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-4(2H)-オン(化合物A13)の合成
工程1:中間体のt-ブチルグリシンエチルエステルの合成
ブロモ酢酸エチル(10.0 g, 59.88 mmol, 1.0 eq)をt-ブチルアミン(21.9 g, 299.40 mmol, 5.0 eq)のメチルt-ブチルエーテル(200 mL)溶液に1滴ずつ滴下し、滴下後、室温で攪拌しながら40 h反応させ、反応液を濾過させ、濾液を濃縮させ、濃縮液にメチルt-ブチルエーテル(100 mL)を入れ、水(30 mL)と飽和食塩水(50 mL)の順で洗浄し、乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させて、製品(8.5 g, 収率:89.2%)を得る。
工程2:中間体の3-(t-ブチル(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
t-ブチルグリシンエチルエステル(6.0 g, 37.68 mmol, 1.0 eq)、マロン酸モノエチル(5.48 g, 41.15 mmol, 1.1 eq)、トリエチルアミン(8.77 g, 86.67 mmol, 2.3 eq)とDMAP(921 mg, 7.54 mmol, 0.2 eq)をその順でDCM(150 mL)に入れ、さらにEDCI(8.62 g, 45.22 mmol, 1.2 eq)を数回に分けてDCMに入れ、室温で攪拌しながら一晩反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を1 mol/L塩酸(300 mL)に入れ、分液し、有機相を水(50 mL)と飽和食塩水(100 mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させて、製品(10.0 g, 収率:97.1%)を得る。
工程3:中間体の1-(t-ブチル)-2,4-ジオキソピロリジン-3-カルボン酸エチルの合成
ナトリウムエトキシド(4.98 g, 73.17 mmol, 2.0 eq)をエタノール(100 mL)に入れ、室温で攪拌しながら、3-(t-ブチル(2-エトキシ-2-オキソエチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(10.0 g, 36.59 mmol, 1.0 eq)を上記ナトリウムエトキシドのエタノール溶液に入れ、室温で攪拌しながら5 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を濃縮させて、粗製品(理論収率で計算)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程4:中間体の1-(t-ブチル)ピロリジン-2,4-ジオンの合成
1-(t-ブチル)-2,4-ジオキソピロリジン-3-カルボン酸エチル(8.31 g, 36.57 mmol, 1.0 eq)を数回に分けて1 mol/L塩酸(150 mL)に入れ、滴下後、85℃まで昇温し、攪拌しながら4 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。室温まで冷却し、DCM(200 mL)を入れ、分液し、有機相を水(50 mL)と飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させて、製品(4.2 g, 2工程の収率:74.0%)を得る。
工程5:中間体の1-(t-ブチル)-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピロリジン-2,4-ジオンの合成
1-(t-ブチル)ピロリジン-2,4-ジオン(2.20 g, 14.18 mmol, 1.0 eq)を1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチルメチルアミン(1.69 g, 14.18 mmol, 1.0 eq)に入れ、室温で攪拌しながら0.5 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。減圧下でメタノールを留去し、製品(粗製品、理論収率で計算)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程6:中間体の1-ベンジル-5-(t-ブチル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-4(1H)-オンの合成
ベンジルヒドラジン二塩酸塩(2.76 g, 14.17 mmol, 1.0 eq)と1-(t-ブチル)-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピロリジン-2,4-ジオン(2.98 g, 14.17 mmol, 1.0 eq)をその順でエタノール(30 mL)に入れ、20℃で攪拌しながら1 h反応させた後、90℃まで加熱し、3 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 mL)に入れ、DCM(25 mL×3)で抽出し、有機相を水(20 mL)と飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)、製品(3.0 g, 2工程の収率:78.6%)を得る。
工程7:中間体の5-(t-ブチル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-4(2H)-オンの合成
中間体の1-ベンジル-5-(t-ブチル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-4(1H)-オン(3.0 g, 11.14 mmol, 1.0 eq)をメタノール(45 mL)に溶解させ、さらに濃塩酸(1.0 mL)とウェットパラジウム炭素(1.0 g)を入れ、水素ガス下で40 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液をセライトで濾過させ、濾液を濃縮させて、製品(1.8 g, 収率:90.2%)を得る。
工程8:中間体の(E)-2-(2-((5-(t-ブチル)-4-オキソ-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
5-(t-ブチル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-4(2H)-オン(359 mg, 2.01 mmol, 1.2 eq)、炭酸セシウム(1.20 g, 3.69 mmol, 2.2 eq)と(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(500 mg, 1.68 mmol, 1.0 eq)をDMAc(10 mL)に入れ、55℃で攪拌しながら16 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。濾過させ、ケークを酢酸エチル(30 mL)で洗浄し、有機相を水(20 mL)と飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(酢酸エチル)、製品(320 mg, 0.81 mmol, 収率:48.0%)と位置異性体の(E)-2-(2-((5-(t-ブチル)-4-オキソ-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-1(4H)-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオン(100 mg, 収率:15.0%)を得る。
工程9:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(t-ブチル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-4(2H)-オンの合成
中間体の(E)-2-(2-((5-(t-ブチル)-4-オキソ-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(320 mg, 0.81 mmol, 1.0 eq)と85%ヒドラジン水和物(190 mg, 3.23 mmol, 4.0 eq)をその順でエタノール(8.0 mL)に入れ、40℃で攪拌しながら15 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。室温まで冷却し、濾過させ、ケークを少量のエタノールで洗浄し、濾液を濃縮させ、さらに無水エタノール(4 mL)を入れ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(ジクロロメタン:メタノール, 5:1, v/v)、製品(85 mg, 収率:39.54%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.05 (s, 1H), 6.87-7.08 (d, 1H), 4.83 (d, 2H), 4.43 (s, 2H), 3.16 (s, 2H), 3.10 (d, 2H), 1.43 (s, 9H).
分子式:C13H19FN4O 分子量:266.32 LC-MS(m/z)=267.24 [M+H]+.
実施例8:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(4-フルオロフェニル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(化合物A14)塩酸塩の合成
工程1:中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((5-(4-フルオロフェニル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチル(200 mg, 0.62 mol, 1.0 eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(2 mL)に溶解させ、1-フルオロ-4-ヨードベンゼン(412.9 mg, 1.86 mmol, 3.0 eq)、無水炭酸カリウム(171.1 mg, 1.24 mmol, 2.0 eq)、ヨウ化第一銅(11.8 mg, 0.06 mmol, 0.1 eq)を入れ、窒素ガスの保護で130℃まで加熱し、16 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液を室温まで冷却し、水(20 mL)を入れ、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出し、分液し、有機相を合併し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:20)、製品(97 mg, 収率:40.5%)を得る。
工程2:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(4-フルオロフェニル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン塩酸塩の合成
中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((5-(4-フルオロフェニル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチル(97 mg, 0.23 mmol, 1.0 eq)を30%塩化水素エタノール溶液(2 mL)に溶解させ、室温で3 h攪拌し、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品を逆相カラムクロマトグラフィーにより精製し(0.5%トリフルオロ酢酸水溶液で溶離させ)、凍結乾燥させて、製品(25 mg, 収率:30.6%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.37-8.35 (s, 4H), 7.39-7.34 (m, 2.5H), 7.25-7.19 (m, 2.5H), 4.94 (m, 2H), 3.96-3.93 (m, 2H), 3.39-3.38 (m, 2H), 3.00-2.97 (m, 2H).
分子式:C16H16F2N4O 分子量:318.33 LC-MS(Pos, m/z)=319.13 [M+H]+.
実施例9:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-2-(3-フルオロフェニル)-1,2,6,7-テトラヒドロ-3H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,4(5H)-ジオン(化合物A19)の合成
工程1:5-シクロプロピル-2-(3-フルオロフェニル)-1,2,6,7-テトラヒドロ-3H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,4(5H)-ジオンの合成
1-シクロプロピル-5-(エトキシカルボニル)-6-オキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-ナトリウムアルコキシド(1.0 g, 4.05 mmol)とm-フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(656.3 mg, 4.05 mmol)をエタノール(10 mL)に入れ、80℃で加熱し、一晩反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液にクエン酸水溶液を入れ、pH値が6~7となるまで調整する。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=40:1~20:1)、製品(440.0 mg, 収率:37.8%)を得る。
工程2:(E)-5-シクロプロピル-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-2-(3-フルオロフェニル)-1,2,6,7-テトラヒドロ-3H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,4(5H)-ジオンの合成
5-シクロプロピル-2-(3-フルオロフェニル)-1,2,6,7-テトラヒドロ-3H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,4(5H)-ジオン(440.0 mg, 1.54 mmol)、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(551.0 mg, 1.85 mmol)と炭酸カリウム(425.6 mg, 3.08 mmol)をDMA(8 mL)に入れ、室温で12時間攪拌し、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、酢酸エチル(50 mL)を入れ、水(10 mL×4)で洗浄し、飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH= 200:1~40:1)、製品(450.0 mg, 収率:58.0%)を得る。
工程3:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-2-(3-フルオロフェニル)-1,2,6,7-テトラヒドロ-3H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,4(5H)-ジオンの合成
(E)-5-シクロプロピル-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-2-(3-フルオロフェニル)-1,2,6,7-テトラヒドロ-3H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,4(5H)-ジオン(450.0 mg, 0.893 mmol)をエタノール(5 mL)とヒドラジン水和物(49% wt, 446.8 mg, 8.93 mmol)に入れ、室温で一晩攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(100.0 mg, 収率:29.9%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 7.95 (s, 2H), 7.57-7.47 (m, 3H), 7.38 (s, 0.5H), 7.29-7.24 (m, 1H), 7.18 (s, 0.5H), 5.19-5.18 (d, 2H), 3.61-3.58 (t, 2H), 3.57-3.51 (d, 2H), 2.85-2.81 (t, 2H), 2.73-2.69 (m, 1H), 0.79-0.76 (m, 2H), 0.69-0.66 (m, 2H).
分子式:C19H20F2N4O2 分子量:375.24 LC-MS(Pos, m/z)=375.22[M+H]+.
実施例10:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(t-ブチル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A21)の合成
工程1:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(t-ブチル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
実施例4で調製された(E)-2-(2-((5-(t-ブチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(350 mg, 0.853 mmol, 1.0 eq)をEtOH(15 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(175.8 mg, 2.984 mmol, 3.5 eq)を入れ、還流させながら2 h反応させる。LC-MSにより反応完了と検出したら、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、EA(20 mL)を入れ、還流させ、熱いうちに濾過させ、濾液を冷却してから、さらに吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品の(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(t-ブチル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(192.2 mg, 収率:80.0%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 7.63 (s, 1H), 6.78-6.99 (d, J=84 Hz, 1H), 4.70 (d, 2H), 3.56-3.59 (t, 2H), 3.04-3.05 (d, 2H), 2.90-2.94 (t, 2H), 1.43 (s, 9H).
分子式:C14H21FN4O 分子量:280.35 LC-MS(Pos, m/z)=281.22[M+H]+.
実施例11:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(化合物A22)の合成
工程1:中間体の1-シクロプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
1-シクロプロピルピペリジン-2,4-ジオン(2.50 g, 16.33 mmol, 1.0 eq)を1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチルメチルアミン(2.14 g, 17.95 mmol, 1.1 eq)に入れ、室温で攪拌しながら0.5 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。減圧下で過剰な1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチルメチルアミンを留去し、粗製品(理論収率で計算)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程2:中間体の((1-シクロプロピル-2,4-ジオキソピペリジン-3-イリデン)メチル)グリシンの合成
前の工程で得られた1-シクロプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの粗製品(3.40 g, 16.33 mmol, 1.0 eq)、グリシン(1.23 g, 16.33 mmol, 1.0 eq)と酢酸ナトリウム(1.61 g, 19.59 mmol, 1.2 eq)をエタノール(50 mL)に入れ、50℃まで加熱し、反応完了となるまで攪拌し、濃縮させ、粗製品(理論収率で計算)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程3:中間体の2-アセチル-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
((1-シクロプロピル-2,4-ジオキソピペリジン-3-イリデン)メチル)グリシン(3.89 g, 16.33 mmol, 1.0 eq)を無水酢酸(40 mL)に入れ、120℃まで加熱し、攪拌しながら5 h反応させ、LC-MSにより反応完了と表示される。濃縮させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)に入れ、酢酸エチル(30 mL×2)で抽出し、有機相を飽和食塩水(40 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品(理論収率で計算)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程4:中間体の5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
2-アセチル-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(3.55 g, 16.33 mmol, 1.0 eq)と炭酸カリウム(4.51g, 32.66 mmol, 2.0 eq)をその順でメタノール(30 mL)と水(30 mL)の混合溶剤に入れ、室温で攪拌しながら3 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を濃縮させ、酢酸エチル(100 mL)を入れ、水(30 mL)と飽和食塩水(30 mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:酢酸エチル=1:1~0:1, v/v)、製品(950 mg, 4工程の収率:33.1%)を得る。
工程5:中間体の(Z)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオンの合成
5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(900 mg, 5.11 mmol, 1.0 eq)、炭酸セシウム(2.50 g, 7.66 mmol, 1.5 eq)と(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.67 g, 5.62 mmol, 1.1 eq)をアセトニトリル(30 mL)に入れ、55℃で攪拌しながら16 h反応させ、TLCにより少量の原料残留が表示される。反応液を室温まで冷却し、濾過させ、ケークを酢酸エチル(15 mL)で1回洗浄し、濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:酢酸エチル=1:1~0:1, v/v)、製品(1.05 g, 2.67 mmol, 収率:52.3%)を得る。
工程6:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
(Z)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(600 mg, 1.53 mmol, 1.0 eq)と85%ヒドラジン水和物(898 mg, 15.25 mmol, 10 eq)をその順でエタノール(15 mL)に入れ、40℃で攪拌しながら5 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。室温まで冷却し、濾過させ、ケークを少量のエタノールで洗浄し、濾液を濃縮させ、さらに無水エタノール(10 mL)を入れ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(ジクロロメタン:メタノール, 5:1, v/v)、製品(105 mg, 収率:26.2%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.09 (brs, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.31-7.10 (d, 1H), 6.66 (s, 1H), 4.70 (s, 2H), 3.37-3.41 (m, 2H), 3.20 (s, 2H), 2.60-2.63 (m, 3H), 0.69-0.74 (m, 2H), 0.55-0.56 (m, 2H).
分子式:C14H18FN3O 分子量:263.32 LC-MS(m/z)=264.20 [M+H]+.
実施例12:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A23)塩酸塩の合成
工程1:中間体の(E)-2-(2-((5-(t-ブチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の5-(t-ブチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(5.0 g, 25.87 mmol, 1.0 eq)をDMF(20 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で-10℃まで降温し、水素化ナトリウム(1.14 g, 28.46 mmol, 1.1 eq, 60%)を入れ、30 min反応させ、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(9.3 g, 31.04 mmol, 1.2 eq)のDMF(10 mL)溶液を緩やかに滴下し、2 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。飽和塩化アンモニウム水溶液(100 mL)を入れ、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出し、有機相を水(100 mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=1:1)、製品(5.9 g, 収率:59%)を得る。
工程2:中間体の(E)-2-(3-フルオロ-2-((4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の(E)-2-(2-((5-(t-ブチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(6.3 g, 15.34 mmol, 1.0 eq)を濃塩酸(30 mL)とエタノール(30 mL)に溶解させ、60℃で12時間反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品を酢酸エチル(50 mL)でパルプ化させ、吸引濾過させて、製品(5.4 g, 収率:99%)を得る。
工程3:中間体の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の(E)-2-(3-フルオロ-2-((4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオン(5.4 g, 15.24 mmol, 1.0 eq)とヒドラジン水和物(3.05 g, 60.96 mmol, 4.0 eq)をエタノール(100 mL)に溶解させ、80℃で1.5 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。室温まで降温し、濾過させ、母液を減圧濃縮させて、製品(3.4 g, 収率:100%)を得る。
工程4:中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
中間体の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(3.4 g, 15.24 mmol, 1.0 eq)、二炭酸ジt-ブチル(6.65 g, 30.48 mmol, 2.0 eq)、4-ジメチルアミノピリジン(171 mg, 1.52 mmol, 0.1 eq)とトリエチルアミン(2.31 g, 22.86 mmol, 1.5 eq)をジクロロメタン(50 mL)に溶解させ、2.5 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。飽和炭酸ナトリウム水溶液(50 mL)を入れ、ジクロロメタン(50 mL×3)で抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:60)、製品(2.57 g, 収率:51%)を得る。
工程5:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチル(200 mg, 0.61 mmol, 1.0 eq)をエタノール(2 mL)に溶解させ、塩化水素エタノール溶液(2 mL)を入れ、2.5 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品を酢酸エチル(5 mL)でパルプ化させ、吸引濾過させ、ケークを乾燥させて、製品(150 mg, 収率:93%)を得る。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.55 (s, 3H), 8.30 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.37 (s, 0.5H), 7.17 (s, 0.5H), 4.97 (s, 2H), 3.35-3.38 (m, 2H), 3.31-3.33 (d, 2H), 2.72-2.76 (m, 2H).
分子式:C10H13FN4O 分子量:224.24 LC-MS(Pos, m/z)=225.16[M+H]+.
実施例13:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A24)塩酸塩の合成
工程1:中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((5-メチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチル(500 mg, 1.54 mmol, 1.0 eq)をテトラヒドロフラン(5 mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(80 mg, 2.0 mmol, 1.3 eq, 60%)を入れ、室温で30 min反応させ、ヨードメタン(263 mg, 1.85 mmol, 1.2 eq)を入れ、2 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。反応フラスコに水(5 mL)を入れ、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:80)、製品(100 mg, 収率:19%)を得る。
工程2:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-(3-フルオロ-2-((5-メチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチル(100 mg, 0.29 mmol, 1.0 eq)をエタノール(1 mL)に溶解させ、塩化水素エタノール溶液(1 mL)を入れ、12 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させて、製品(55 mg, 収率:69%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.41 (s, 3H), 8.25 (s, 1H), 7.37 (s, 0.5H), 7.16 (s, 0.5H), 4.91-4.92 (d, 2H), 3.52-3.56 (m, 2H), 3.33-3.35 (d, 2H), 2.92 (s, 3H), 2.83-2.85 (m, 2H).
分子式:C11H15FN4O 分子量:238.27 LC-MS(Pos, m/z)=239.19[M+H]+.
実施例14:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(化合物A25)の合成
工程1:中間体の3-(エチルアミノ)プロピオン酸エチルの合成
65%エチルアミン水溶液(29.1 g, 419.51 mmol, 1.4 eq, 65%)をエタノール(100 mL)に溶解させ、アクリル酸エチル(30.00 g, 299.65 mmol, 1.0 eq)のエタノール溶液(20 mL)を上記溶液(1.5 h)に1滴ずつ滴下し、滴下後、室温で攪拌しながら1 h反応させ、反応液を濃縮させて、製品(42.0 g, 収率:96.5%)を得る。
工程2:中間体の3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)(エチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-(エチルアミノ)プロピオン酸エチル(20.0 g, 137.74 mmol, 1.0 eq)、マロン酸モノエチル(18.20 g, 137.74 mmol, 1.0 eq)、トリエチルアミン(32.06 g, 316.80 mmol, 2.3 eq)とDMAP(3.37 g, 27.55 mmol, 0.2 eq)をその順でDCM(500 mL)に入れ、さらにEDCI(31.69 g, 165.29 mmol, 1.2 eq)を数回に分けて入れ、室温で攪拌しながら一晩反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を水(300 mL)に入れ、3 mol/L塩酸でpH値が3-4となるまで調整し、分液し、有機相を水(150 mL×2)で洗浄し、飽和食塩水(300 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させて、製品(29.0 g, 収率:81.2%)を得る。
工程3:中間体の1-エチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチルの合成
ナトリウム(5.14 g, 223.68 mmol, 2.0 eq)をエタノール(150 mL)に入れ、反応が完了するまで攪拌し、3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)(エチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(29.0 g, 118.84 mmol, 1.0 eq)を上記ナトリウムエトキシドのエタノール溶液に入れ、滴下後、室温で攪拌しながら2 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を濃縮させ、粗製品(理論収率で計算)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程4:中間体の1-エチルピペリジン-2,4-ジオンの合成
1-エチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチル(23.85 g, 111.84 mmol, 1.0 eq)を数回に分けて2 mol/L塩酸(300 mL)に入れ、100℃まで加熱し、3 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。室温まで冷却し、DCM(150 mL×3)で抽出し、有機相を水(100 mL)と飽和食塩水(100 mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させて、製品(12.0 g, 2工程の収率:76.0%)を得る。
工程5:中間体の1-エチル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-エチルピペリジン-2,4-ジオン(6.00 g, 42.50 mmol, 1.0 eq)を1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチルメチルアミン(5.32 g, 44.63 mmol, 1.05 eq)に入れ、室温で攪拌しながら0.5 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を濃縮させ、粗製品(理論収率で計算)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程6:中間体の((1-エチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-イリデン)メチル)グリシンの合成
中間体の1-エチル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオン(8.85 g, 42.49 mmol, 1.0 eq)、グリシン(3.19 g, 42.49 mmol, 1.0 eq)と酢酸ナトリウム(4.18 g, 50.99 mmol, 1.2 eq)をエタノール(100 mL)に入れ、50℃で加熱し、反応が完了するまで攪拌し、濃縮させ、粗製品(理論収率で計算)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程7:中間体の2-アセチル-5-エチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の((1-エチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-イリデン)メチル)グリシン(10.12 g, 42.49 mmol, 1.0 eq)を無水酢酸(80 mL)に入れ、120℃まで加熱し、攪拌しながら5 h反応させ、LC-MSにより反応完了と表示される。濃縮させ、残留物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)に入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品(理論収率で計算)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程8:中間体の5-エチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の2-アセチル-5-エチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(8.76 g, 42.49 mmol, 1.0 eq)と炭酸カリウム(11.74 g, 84.98 mmol, 2.0 eq)をその順でメタノール(50 mL)と水(50 mL)の混合溶剤に入れ、室温で攪拌しながら3 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を濃縮させ、酢酸エチル(200 mL)を入れ、水(50 mL)と飽和食塩水(50 mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(酢酸エチル:石油エーテル, 1:1~1:0, v/v)、製品(2.2 g, 4工程の収率:31.53%)を得る。
工程9:中間体の(Z)-2-(2-((5-エチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
5-エチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(1.5 g, 9.13 mmol, 1.0 eq)、炭酸セシウム(4.46 g, 13.70 mmol, 1.5 eq)と(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(3.00 g, 10.05 mmol, 1.1 eq)をDMA(20 mL)に入れ、55℃で攪拌しながら16 h反応させ、TLCにより少量の原料残留が表示される。反応液を室温まで冷却し、濾過させ、ケークを酢酸エチル(40 mL)で洗浄し、有機相を水(20 mL×2)と飽和食塩水(20 mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(酢酸エチル)、製品(1.45 g, 収率:41.6%)を得る。
工程10:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
(Z)-2-(2-((5-エチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.45 g, 3.80 mmol, 1.0 eq)と85%のヒドラジン水和物(1.12 g, 19.01 mmol, 5 eq)をその順でエタノール(20 mL)に入れ、40℃で攪拌しながら15 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。室温まで冷却し、濾過させ、ケークを少量のエタノールで洗浄し、濾液を濃縮させ、さらに無水エタノール(10 mL)を入れ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品(750 mg)を得て、そのうちの375 mgを取り、薄層クロマトグラフィーにより精製し(ジクロロメタン:メタノール, 5:1, v/v)、製品(85 mg, 収率17.8%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 7.22 (s, 1H), 6.96-7.17 (d, 1H), 6.61 (s, 1H), 4.58 (d, 2H), 3.37-3.44 (m, 4H), 3.13 (d, 2H), 2.65-2.68(t, 2H), 1.02-1.06 (t, 3H).
分子式:C13H18FN3O 分子量:251.31 LC-MS(m/z)=252.28 [M+H]+.
実施例15:化合物の(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(t-ブチル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-4(1H)-オン(化合物A26)の合成
工程1:化合物の(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(t-ブチル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-4(1H)-オンの合成
実施例7で調製された(E)-2-(2-((5-(t-ブチル)-4-オキソ-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-1(4H)-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオン(100 mg, 0.25 mmol, 1.0 eq)と85%ヒドラジン水和物(59 mg, 1.01 mmol, 4.0 eq)をその順でエタノール(5.0 mL)に入れ、40℃で攪拌しながら5 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。室温まで冷却し、濾過させ、ケークを少量のエタノールで洗浄し、濾液を濃縮させ、さらに無水エタノール(3.0 mL)を入れ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(ジクロロメタン:メタノール, 5:1, v/v)、製品(35 mg, 収率:52.1%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 7.58 (s, 1H), 7.02-7.23 (d, 1H), 4.85 (d, 2H), 4.54 (s, 2H), 3.26 (d, 2H), 1.43 (m, 9H).
分子式:C13H19FN4O 分子量:266.32 LC-MS(m/z)=267.22 [M+H+].
実施例16:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-イソプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A27)塩酸塩の合成
工程1:3-(イソプロピルアミノ)プロピオン酸エチルの合成
原料のイソプロピルアミン(7.09 g, 0.12 mol, 1.2 eq)をエタノール(20 mL)に溶解させ、氷浴でアクリル酸エチル(10 g, 0.1 mol, 1.0 eq)を緩やかに滴下し、12 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させて、製品(15 g, 収率:94%)を得る。
工程2:3-(イソプロピル(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-(イソプロピルアミノ)プロピオン酸エチル(15 g, 94.2 mmol, 1.0 eq)、マロン酸モノエチル(12.44 g, 94.2 mmol, 1.0 eq)、4-ジメチルアミノピリジン(2.3 g, 18.84 mmol, 0.2 eq)とトリエチルアミン(21.9 g, 220 mmol, 2.3 eq)をジクロロメタン(150 mL)に溶解させ、10分間攪拌し、氷浴で1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(21.66 g, 113 mmol, 1.2 eq)を数回に分けて入れ、滴下後、自然に室温まで昇温し、2時間反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、水と濃塩酸(4:1, 150 mL)を入れ、10分間攪拌し、分液し、水相をジクロロメタン(100 mL×2)で抽出し、有機相を合併し、飽和炭酸ナトリウム水溶液(150 mL)と水(150 mL×2)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、減圧濃縮させて、製品(17.25 g, 収率:67%)を得る。
工程3:1-イソプロピル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチルの合成
中間体の3-(イソプロピル(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(17.25 g, 63.11 mmol, 1.0 eq)とナトリウムエトキシド (8.59 g, 126 mmol, 2.0 eq)をエタノール(100 mL)に溶解させ、80℃で1 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させて、製品(14.34 g, 収率:100%)を得る。
工程4:1-イソプロピルピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-イソプロピル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチル(14.23 g, 63.11 mmol, 1.0 eq)を水(80 mL)と濃塩酸(20 mL)に溶解させ、110℃で1 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。室温まで冷却し、反応液をジクロロメタン(100 mL×3)で抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮させて、製品(7.14 g, 収率:72%)を得る。
工程5:1-イソプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-イソプロピルピペリジン-2,4-ジオン(7.14 g, 46 mmol, 1.0 eq)をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(6.03 g, 50.6 mmol, 1.1 eq)に溶解させ、0.5時間反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させて、製品(9.67 g, 収率:100%)を得る。
工程6:5-イソプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の1-イソプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオン(9.67 g, 46 mmol, 1.0 eq)とヒドラジン水和物(2.506 g, 50.06 mmol, 1.1 eq)をメタノール(50 mL)に溶解させ、60℃で30分間反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。室温まで冷却し、減圧濃縮させ、粗製品を酢酸エチル(80 mL)で再結晶させ、吸引濾過させ、ケークを乾燥させて、製品(4.5 g, 収率:54%)を得る。
工程7:(E)-2-(2-((5-イソプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の5-イソプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(300 mg, 1.67 mmol, 1.0 eq)をDMF(1.5 mL)に溶解させ、NaH(87 mg, 2.21 mmol, 1.3 eq)を入れ、30分間攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(599 mg, 2.0 mmol, 1.2 eq)のDMF(1.5 mL)溶液を滴下し、30分間反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。水(10 mL)を入れ、酢酸エチル(20 mL×2)で抽出し、有機相を水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=1:2)、製品(200 mg, 収率:30%)を得る。
工程8:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-イソプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-2-(2-((5-イソプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(200 mg, 0.5 mmol, 1.0 eq)をEtOH(2 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(88 mg, 1.75 mmol, 3.5 eq)を入れ、80℃で30分間反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、吸引濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=10:1)、油状液体を得て、メタノール(2 mL)を入れ、さらに塩化水素エタノール溶液(0.15 mL)を入れ、5分間攪拌し、減圧濃縮させて、製品(60 mg, 収率:39%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.24 (s, 3H), 8.20 (s, 1H), 7.36 (s, 0.5H), 7.16 (s, 0.5H), 4.86-4.87 (d, 2H), 4.73-4.80 (m, 1H), 3.40-3.44 (m, 2H), 3.34 (s, 2H), 2.77-2.79 (m, 2H), 1.11 (s, 3H), 1.09 (s, 3H)。
分子式:C13H20ClFN4O 分子量:302.78 LC-MS(Pos, m/z)=267.28[M+H]+.
実施例17:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-メチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド(化合物B1)の合成
工程1:1H-ピラゾール-4-カルボン酸メチルの合成
1H-ピラゾール-4-カルボン酸(10.0 g, 0.0892 mol, 1.0 eq)をメタノール(36.0 mL)に溶解させ、0℃で硫酸(10.0 mL)を滴下し、75℃まで昇温し、一晩静置し、LC-MSにより反応完了と表示される。反応液を冷水(50.0 mL)に入れ、飽和炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、pH値が8~9となるまで調整し、酢酸エチル(20.0 mL×4)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮させて、製品(10.37 g, 収率:92.2%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸メチルの合成
1H-ピラゾール-4-カルボン酸メチル(2.0 g, 15.86 mmol, 1.0 eq)、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(5.2 g, 17.44 mmol, 1.1 eq)と炭酸カリウム(3.29 g, 23.79 mmol, 1.5 eq)をアセトニトリル(20.0 mL)に溶解させ、室温で一晩静置し、TLCにより反応完了と表示される。反応液に水(30.0 mL)を入れ、酢酸エチル(20.0 mL×2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮させて、製品(6.0 g粗製品)を得る。
工程3:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸メチルの合成
(E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸メチル(6.0 g粗製品)をエタノール(60.0 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(10.27 g, 174.44 mmol, 85%)を入れ、室温で一晩反応させ、LC-MSにより反応完了と表示される。反応液を濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、トルエンを入れ、減圧濃縮させて、製品(5.0 g粗製品)を得る。
工程4:(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸メチルの合成
(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸メチル(5.0 g粗製品)と炭酸ナトリウム(1.85 g, 17.44 mmol, 1.0 eq)をテトラヒドロフラン(20.0 mL)と水(10.0 mL)に溶解させ、40℃で2.5 h反応させ、TLCにより原料反応完了と表示される。反応液を減圧濃縮させ、酢酸エチル(40.0 mL×2)を入れて抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、減圧濃縮させて、製品(3.2 g, 3工程の収率:64.4%)を得る。
工程5:(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸の合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸メチル(1.98 g, 6.32 mmol, 1.0 eq)、NaOH(1.517 g, 37.915 mmol)をメタノール(9.0 mL)と水(9.0 mL)に溶解させ、60℃で4 h反応させ、TLCにより原料反応完了と表示される。反応液を減圧濃縮させ、水(20.0 mL)を入れ、クエン酸でpH値が5~6となるまで調整し、ジクロロメタン(20.0 mL×4)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮させ、粗製品に少量の酢酸エチル(2.5 mL)を入れてパルプ化させ、吸引濾過させ、ケークを製品(690.0 mg, 収率:36.5%)とする。
工程6:(E)-(3-フルオロ-2-((4-(メチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(150.0 mg, 0.501 mmol, 1.0 eq)とDIPEA(272.0 mg, 2.11 mmol, 4.2 eq)をDMF(2.0 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で、0℃でHATU(286.0 mg, 0.752 mmol, 1.5 eq)を入れ、0℃で0.5 h攪拌し、メチルアミン塩酸塩(41.0 mg, 0.601 mmol, 1.2 eq)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、一晩静置し、TLCにより反応完了と表示される。反応液に酢酸エチル(40.0 mL)を入れ、飽和炭酸ナトリウム水溶液(4.0 mL)、飽和塩化アンモニウム水溶液(4.0 mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(4.0 mL)の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより(DCM:MeOH=150:1~30:1)精製して、製品(133.0 mg, 収率:85%)を得る。
工程7:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-メチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミドの合成
(E)-(3-フルオロ-2-((4-(メチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アリル)カルバミン酸t-ブチル(133.0 mg, 0.426 mmol, 1.0 eq)をエタノール(1.0 mL)に溶解させ、塩化水素エタノール溶液(1.0 mL)を滴下し、室温で2 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=8:1)、製品(80.0 mg, 収率:88.9%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.16 (s, 1H), 8.03-8.01 (d, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.03-6.82 (d, 1H), 4.76-4.75 (d, 2H), 3.06-3.05 (d, 2H), 2.71-2.69 (d, 3H), 1.71(s, 2H).
分子式:C9H13FN4O 分子量:212.23 LC-MS(Pos, m/z)=213.19[M+H]+
実施例18:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-エチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド(化合物B2)の合成
工程1:(E)-(2-((4-(エチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(500.0 mg, 1.67 mmol, 1.0 eq.)をDMF(4.0 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(1.29 g, 10.02 mmol, 6.0 eq.)とHATU(952.5 g, 2.50 mmol, 1.5 eq.)を入れ、2時間攪拌し、さらにエチルアミン塩酸塩(340.4 mg, 4.17 mmol, 2.5 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、12時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。EA(70 mL)と炭酸ナトリウム水溶液(40 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(426.0 mg, 収率:78.1%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-エチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミドの合成
(E)-(2-((4-(エチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(426.0 mg, 1.30 mmol, 1.0 eq.)をEtOH(4 mL)に入れ、氷浴で塩化水素エタノール溶液(4 mL)を滴下し、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液でpH値が7~8となるまで調整し、DCM(50 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(157.0 mg, 収率:53.4%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.16 (s, 1H), 8.04-8.06 (m, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.03 (s, 0.5H), 6.82 (s, 0.5H), 4.75 (m, 2H), 3.18-3.22 (m, 2H), 3.04-3.05 (m, 2H), 1.55 (s, 2H), 1.06-1.10 (m, 3H).
分子式:C10H15FN4O 分子量:226.26 LC-MS(Pos, m/z)=227.21[M+H]+.
実施例19:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-(t-ブチル)-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド(化合物B3)の合成
工程1:(E)-(2-((4-(t-ブチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(440.0 mg, 1.47 mmol, 1.0 eq.)をDMF(4.5 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(285.0 mg, 2.20 mmol, 1.5 eq.)とHATU(1.67 g, 4.41 mmol, 3.0 eq.)を入れ、氷浴で2時間攪拌し、t-ブチルアミン(150.5 mg, 2.05 mmol, 1.4 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、12時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、EA(100 mL)と炭酸ナトリウム水溶液(60 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(400.0 mg, 収率:76.7%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-(t-ブチル)-1H-ピラゾール-4-ホルムアミドの合成
(E)-(2-((4-(t-ブチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(300.0 mg, 0.84 mmol, 1.0 eq.)をEtOH(4 mL)に入れ、氷浴で塩化水素エタノール溶液(4 mL)を滴下し、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液でpH値が7~8となるまで調整し、DCM(30 mL)を入れ、分液し、さらに水相をn-ブタノール(10 mL)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(92.0 mg, 収率:43%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.19 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.03 (s, 0.5H), 6.82 (s, 0.5H), 4.73-4.74 (d, 2H), 3.05 (d, 2H), 1.53-1.70 (s, 2H), 1.34 (s, 9H).
分子式:C12H19FN4O 分子量:254.31 LC-MS(Pos, m/z)=255.24[M+H]+.
実施例20:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-シクロプロピル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド(化合物B4)塩酸塩の合成
工程1:(E)-(2-((4-(シクロプロピルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(133.0 mg, 0.44 mmol, 1.0 eq.)をDMF(3.0 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(170.4 mg, 1.32 mmol, 3.0 eq.)とHATU(253.4 mg, 0.667 mmol, 1.5 eq.)を入れ、2時間攪拌し、さらにシクロプロピルアミン(32.6 mg, 0.57 mmol, 1.3 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、12時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、EA(50 mL)、飽和塩化アンモニウム水溶液(30 mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(30 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、製品(97.6 mg, 収率:65.5%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-シクロプロピル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド塩酸塩の合成
(E)-2-((4-(シクロプロピルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(97.6 mg, 0.28 mmol, 1.0 eq.)をEtOH(3 mL)に入れ、氷浴で塩化水素エタノール溶液(3 mL)を滴下し、室温まで緩やかに昇温し、2時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させて、製品(35.7 mg, 収率:46.3%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.27 (s, 2H), 8.24 (s, 1H), 8.13-8.14 (d, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.35 (s, 0.5H), 7.15 (s, 0.5H), 4.89-4.90 (d, 2H), 2.71-2.75 (m, 1H), 0.64-0.67 (m, 2H), 0.49-0.51 (m, 2H).
分子式:C11H15FN4O 分子量:238.27 LC-MS(Pos, m/z) =239.21[M+H]+.
実施例21:(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-エチル-1H-ピロール-3-ホルムアミド(化合物B11)塩酸塩の合成
工程1:(Z)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチルの合成
1H-ピロール-3-ギ酸メチル(1.77 g, 14.19 mmol, 1.0 eq.)、(E)-2-(2-ブロモメチル-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(5.50 g, 18.45 mmol, 1.3 eq)と炭酸カリウム(5.88 g, 42.57 mmol, 3.0 eq)をDMF(100 mL)に入れ、室温で攪拌しながら2 h反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、減圧濃縮させ、酢酸エチル(100 mL)を入れ、水(50 mL×4)で洗浄し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(5.89 g粗製品)を得る。
工程2:(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチルの合成
(Z)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチル(5.89 g粗製品)とヒドラジン水和物(85%, 10.16 g, 172.6 mmol, 10.0 eq)をエタノール(60 mL)に入れ、室温で攪拌しながら一晩反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、酢酸エチル(60 mL)を入れ、飽和NH4Cl水溶液(30 mL×4)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(1.96 g粗製品)を得る。
工程3:(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチルの合成
(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチル(1.96 g粗製品)とトリエチルアミン(1.40 g, 13.85 mmol, 1.5 eq)をテトラヒドロフラン(20 mL)に入れ、(Boc)2O(2.22 g, 10.16 mmol, 1.1 eq)を滴下し、室温で攪拌しながら2 h反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、酢酸エチル(80 mL)を入れ、飽和NH4Cl水溶液(40 mL×2)を入れて洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過させ、減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、製品(2.87 g, 3工程の収率:65.0%)を得る。
工程4:(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸の合成
(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチル(2.87 g, 9.19 mmol, 1.0 eq.)をメタノール(15 mL)に溶解させ、NaOH(2.21 g, 55.13 mmol, 6.0 eq)水溶液(15 mL)を入れ、60℃で攪拌しながら4 h反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、減圧濃縮させ、5%クエン酸水溶液を入れて、pH値が4となるまで調整し、DCM(50 mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(2.00 g, 収率:73.0%)を得る。
工程5:(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-エチル-1H-ピロール-3-ホルムアミドの合成
(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸(200.0 mg, 0.67 mmol, 1.0 eq.)をDMF(2 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(519.8 mg, 4.02 mmol, 6.0 eq.)とHATU(382.4 mg, 1.01 mmol, 1.5 eq.)を入れ、1時間攪拌し、エチルアミン塩酸塩(164.0 mg, 2.01 mmol, 3.0 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、一晩攪拌する。TLCにより反応完了と検出したら、減圧濃縮させ、EA(60 mL)で溶解させ、飽和NaHCO3水溶液(50 mL)、飽和NH4Cl水溶液(50 mL)と飽和食塩水(50 mL×4)の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=40:1)、製品(133.0 mg, 収率:61.0%)を得る。
工程6:(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-エチル-1H-ピロール-3-ホルムアミド塩酸塩の合成
(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-エチル-1H-ピロール-3-ホルムアミド(133.0 mg, 0.41 mmol)をEtOH(5.0 mL)に入れ、氷浴で塩化水素エタノール溶液(5.0 mL)を滴下し、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をメチルt-ブチルエーテルで2hパルプ化させ、濾過させて、製品(93.0 mg, 収率:86.9%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.55 (s, 3H), 7.84 (s, 1H), 7.37-7.36 (t, 1H), 7.32 (s, 0.5H), 7.11 (s, 0.5H), 6.88-6.87 (t, 1H), 6.49-6.47 (q, 1H), 4.74-4.73 (d, 2H), 3.24-3.16 (m, 4H), 1.06 (t, 3H).
分子式:C11H17ClN3FO 分子量:261.73 LC-MS(Pos, m/z)=226.18[M+H]+.
実施例22:(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-t-ブチル-1H-ピロール-3-ホルムアミド(化合物B12)の合成
工程1:(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-t-ブチル-1H-ピロール-3-ホルムアミドの合成
(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸(200.0 mg, 0.67 mmol, 1.05 eq.)をDMF(2 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(248.3 mg, 1.92 mmol, 3.0 eq.)とHATU(365.2 mg, 0.96 mmol, 1.5 eq.)を入れ、氷浴で1時間攪拌し、t-ブチルアミン(51.5 mg, 0.70 mmol, 1.1 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、一晩攪拌する。TLCにより反応完了と検出したら、減圧濃縮させ、EA(60 mL)で溶解させ、飽和NaHCO3水溶液(50 mL)、飽和NH4Cl水溶液(50 mL)と飽和食塩水(50×4mL)の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(165.0 mg, 収率:69.6%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-t-ブチル-1H-ピロール-3-ホルムアミドの合成
(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-t-ブチル-1H-ピロール-3-ホルムアミド(165.0 mg, 0.47 mmol)をEtOH(5.0 mL)に入れ、氷浴で塩酸エタノール溶液(5.0 mL)を滴下し、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。その後、減圧濃縮させ、DCM(40 mL)と15% NaOH水溶液(40 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、薄層クロマトグラフィーにより分離、精製して(DCM:MeOH=10:1)、(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-t-ブチル-1H-ピロール-3-ホルムアミド(77.0 mg, 収率:65.1%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 7.31 (s, 1H), 7.01 (s, 0.5H), 6.96 (s, 1H), 6.79 (s, 0.5H), 6.72-6.71 (t, 1H), 6.44-6.43 (d, 1H), 4.50-4.49 (d, 2H), 3.03-3.02 (d, 2H), 1.71 (s, 2H), 1.33 (s, 9H).
分子式:C13H20FN3O 分子量:253.32 LC-MS(Pos, m/z)= 254.24[M+H]+.
実施例23:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-エチル-1H-ピラゾール-3-ホルムアミド(化合物B20)の合成
工程1:(E)-(2-((3-(エチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(233.5 mg, 0.78 mmol, 1.0 eq.)をDMF(3 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(604.5 mg, 4.68 mmol, 6.0 eq.)とHATU(444.8 mg, 1.17 mmol, 1.5 eq.)を入れ、2時間攪拌し、さらにエチルアミン塩酸塩(159.0 mg, 1.95 mmol, 2.5 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。EA(40 mL)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(50 mL)を入れ、分液し、有機相を飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(153.0 mg, 収率:60.2%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-エチル-1H-ピラゾール-3-ホルムアミドの合成
(E)-(2-((3-(エチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(153.0 mg, 0.46 mmol, 1.0 eq.)をEtOH(3.0 mL)に入れ、氷浴で塩化水素エタノール溶液(3.0 mL)を滴下し、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、DCM(25 mL)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(25 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(30.1 mg, 収率:28.6%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.01-8.03 (m, 1H), 7.81 (m, 1H), 7.00 (s, 0.5H), 6.79 (s, 0.5H), 6.61-6.62 (m, 1H), 4.79 (m, 2H), 3.20-3.26 (m, 2H), 3.06-3.07 (m, 2H), 1.69 (s, 2H), 1.06-1.10 (m, 3H).
分子式:C10H15FN4O 分子量:226.26 LC-MS(Pos, m/z)=227.21[M+H]+.
実施例24:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-(t-ブチル)-1H-ピラゾール-3-ホルムアミド(化合物B21)の合成
工程1:(E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルの合成
(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(3.0 g, 10.0 mmol, 1.0 eq.)、炭酸カリウム(2.0 g, 15.0 mmol, 1.5 eq.)と1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチル(1.5 g)をDMF(10 mL)に入れ、室温で2時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、DMFを除去し、EA(100 mL)と水(200 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=6:1~1:1)、製品(E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチル(2.25 g, 収率:66.1%)、及び位置異性体の(E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(772.5 mg, 収率:22.7%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-クロロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルの合成
(E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチル(2.25 g, 6.55 mmol, 1.0 eq.)とヒドラジン水和物(984.2 mg, 19.6 mmol, 3.0 eq.)をエタノール(20 mL)に入れ、室温で12時間攪拌し、吸引濾過させ、濾液を濃縮させ、エタノール(20 mL)でパルプ化させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(1.79 g 粗製品)を得る。
工程3:(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルの合成
(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-クロロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチル(1.79 g 粗製品)、トリエチルアミン(993.6 mg, 9.82 mmol, 1.5 eq.)と二炭酸ジt-ブチル(1.85 g, 8.51 mmol, 1.3 eq.)をTHF(40 mL)に入れ、室温で2時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。EA(100 mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(150 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=8:1~5:1)、製品(545.1 mg, 2工程の収率:27.2%)を得る。
工程4:(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチル(545.0 mg, 1.73 mmol, 1.0 eq.)をメタノール(5 mL)に溶解させ、NaOH水溶液(6 mol/L, 2.5 mL)を入れ、40℃で1時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、5%クエン酸水溶液を入れ、系のpH値が4となるまで調整し、DCM(50 mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(490.7 mg 粗製品)を得る。
工程5:(E)-(2-((3-(t-ブチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(296.0 mg, 0.98 mmol, 1.0 eq.)をDMF(5 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(382.8 mg, 2.96 mmol, 3.0 eq.)とHATU(563.5 mg, 1.48 mmol, 1.5 eq.)を入れ、2時間攪拌し、t-ブチルアミン(86.8 mg, 1.18 mmol, 1.2 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、12時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、EA(60 mL)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(50 mL)を入れ、分液し、有機相を飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(200.0 mg, 2工程の収率:32.6%)を得る。
工程6:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-(t-ブチル)-1H-ピラゾール-3-ホルムアミドの合成
(E)-(2-((3-(t-ブチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(200.0 mg, 0.56 mmol, 1.0 eq.)をEtOH(3.0 mL)に入れ、氷浴で塩化水素エタノール溶液(3.0 mL)を滴下、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、DCM(40 mL)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(40 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(118.0 mg, 収率:82.5%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 7.81-7.82 (d, 1H), 7.04 (s, 1H), 7.02(s, 0.5H), 6.81 (s, 0.5H), 6.60-6.61 (d, 1H), 4.78-4.79 (d, 2H), 3.06-3.07 (d, 2H), 1.36 (s, 9H).
分子式:C12H19FN4O 分子量:254.31 LC-MS(Pos, m/z)=255.25[M+H]+.
実施例25:(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-p-クロロフェニル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド(化合物B28)の合成
工程1:(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-p-クロロフェニル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミドの合成
(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(190.0 mg, 0.64 mmol, 1.0 eq.)をDMF(2 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(246.1 mg, 1.90 mmol, 3.0 eq.)とHATU(362.1 mg, 0.95 mmol, 1.5 eq.)を入れ、氷浴で1時間攪拌し、p-クロロアニリン(89.1 mg, 0.70 mmol, 1.1 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、一晩攪拌する。TLCにより反応完了と検出したら、減圧濃縮させ、EA(60 mL)で溶解させ、飽和NaHCO3水溶液(50 mL)、飽和NH4Cl水溶液(50 mL)と飽和食塩水(50 mL×4)の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(90.0 mg, 収率:34.7%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-p-クロロフェニル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミドの合成
(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-N-p-クロロフェニル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド(90.0 mg, 0.22 mmol)をEtOH(5.0 mL)に入れ、氷浴で塩化水素エタノール溶液(5.0 mL)を滴下し、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、DCM(40 mL)と15% NaOH水溶液(40 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(48.0 mg, 収率:70.6%)を得る。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 9.96 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.75-7.73 (d, 2H), 7.41-7.38 (d, 2H), 7.09 (s, 0.5H), 6.87 (s, 0.5H), 4.82 (s, 2H), 3.09 (s, 2H), 1.81 (s, 2H).
分子式:C14H14N4ClFO 分子量:308.74 LC-MS(Pos, m/z)= 309.09[M+H]+.
実施例26:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N,N-ジメチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミド(化合物B29)
工程1:(E)-(2-((4-(ジメチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(150.0 mg, 0.501 mmol, 1.0 eq)とDIPEA(272.0 mg, 2.105 mmol, 4.2 eq)をDMF(2.0 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で、0℃でHATU(286.0 mg, 0.752 mmol, 1.5 eq)を入れ、0.5 h攪拌し、ジエチルアミンのメタノール溶液(90.4 mg, 0.601 mmol, 1.2 eq, 30%)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、一晩静置し、TLCにより反応完了と表示される。反応液に酢酸エチル(40.0 mL)を入れ、飽和炭酸ナトリウム水溶液(4.0 mL)、飽和塩化アンモニウム水溶液(4.0 mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(4.0 mL)の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=120:1~30:1)、製品(132.0 mg, 収率:80.7%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N,N-ジメチル-1H-ピラゾール-4-ホルムアミドの合成
(E)-(2-((4-(ジメチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(132.0 mg, 0.404 mmol, 1.0 eq)をエタノール(1.0 mL)に溶解させ、塩化水素エタノール溶液(1.5 mL)を滴下し、室温で2 h反応させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(37.0 mg, 収率:40.4%)を得る。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.16 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.03-6.81 (d, 1H), 4.77 (s, 2H), 3.35-2.95(m, 8H), 1.75 (s, 2H).
分子式:C10H15FN4O 分子量:226.26 LC-MS(Pos, m/z)=227.19[M+H]+
実施例27:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-(t-ブチル)-1H-ピラゾール-5-ホルムアミド(化合物B30)の合成
工程1:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-クロロアリル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチルの合成
(E)-1-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(772.5 mg, 2.25 mmol, 1.0 eq.)をエタノール(20 mL)に入れ、ヒドラジン水和物(337.5 mg, 6.75 mmol, 3.0 eq.)を入れ、室温で5時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。DCM(150 mL)と水(80 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(441.6 mg粗製品)を得る。
工程2:(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチルの合成
(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-クロロアリル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(441.6 mg 粗製品)をTHF(7 mL)に溶解させ、トリエチルアミン(290.0 mg, 2.86 mmol)と二炭酸ジt-ブチル(541.9 mg, 2.48 mmol)を入れ、室温で2時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。EA(50 mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(60 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=6:1~1:1)、製品(176.6 mg, 2工程の収率:27.2%)を得る。
工程3:(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸の合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸メチル(176.6 mg, 0.56 mmol, 1.0 eq.)をメタノール(2 mL)に溶解させ、NaOH水溶液(6 mol/L, 1 mL)を入れ、40℃で2時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、5%クエン酸水溶液を入れ、系のpH値が4となるまで調整し、DCM(20 mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させて、製品(124.3 mg, 収率:74.1%)を得る。
工程4:(E)-(2-((5-(t-ブチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-1-(2-(((t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-フルオロアリル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(124.3 mg, 0.41 mmol, 1.0 eq.)をDMF(3 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(160.7 mg, 1.24 mmol, 3.0 eq.)とHATU(236.6 mg, 0.62 mmol, 1.5 eq.)を入れ、2時間攪拌し、さらにt-ブチルアミン(36.4 mg, 0.49 mmol, 1.2 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、EA(50 mL)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(50 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(100.0 mg, 収率:68.0%)を得る。
工程5:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-N-(t-ブチル)-1H-ピラゾール-5-ホルムアミドの合成
(E)-(2-((5-(t-ブチルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(100.0 mg, 0.28 mmol, 1.0 eq.)をEtOH(2.5 mL)に入れ、氷浴で塩化水素エタノール溶液(2.5 mL)を滴下し、室温まで緩やかに昇温し、2時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、DCM(30 mL)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(40 mL)を入れ、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(23.0 mg, 収率:32.3%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.0 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 6.92 (s, 0.5H), 6.80-6.81 (d, 1H), 6.70 (s, 0.5H), 5.07 (d, 2H), 3.05-3.06 (d, 2H), 1.36 (s, 9H).
分子式:C12H19FN4O 分子量:254.31 LC-MS(Pos, m/z)=255.22[M+H]+.
実施例28:(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ホルムアミド(化合物B31)塩酸塩の合成
工程1:(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ホルムアミドの合成
(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ギ酸(200.0 mg, 0.67 mmol, 1.0 eq.)をDMF(2 mL)に入れ、氷浴でDIPEA(259.9 mg, 2.01 mmol, 3.0 eq.)とHATU(382.4 mg, 1.01 mmol, 1.5 eq.)を入れ、1時間攪拌し、アミノメタノール溶液(5%, 685.1 mg, 2.01 mmol, 3.0 eq.)を入れ、室温まで緩やかに昇温し、2 h攪拌する。TLCにより反応完了と検出したら、減圧濃縮させ、EA(60 mL)で溶解させ、飽和NaHCO3水溶液(50 mL)、飽和NH4Cl水溶液(50 mL)と飽和食塩水(50 mL×4)の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(155.0 mg, 収率:77.8%)を得る。
工程2:(E)-1-(2-アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ホルムアミド塩酸塩の合成
(E)-1-(2-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノメチル-3-フルオロアリル)-1H-ピロール-3-ホルムアミド(155.0 mg, 0.52 mmol)をEtOH(5.0 mL)に入れ、氷浴で塩化水素エタノール溶液(5.0 mL)を滴下し、室温まで緩やかに昇温し、3時間攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、メチルt-ブチルエーテルを入れて2hパルプ化させ、濾過させ、ケークを集めて、製品(94.0 mg, 収率:77.2%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.54 (s, 3H), 7.64 (s, 2H), 7.41-7.40 (t, 1H), 7.31 (s, 0.5H), 7.11 (s, 0.5H), 6.88-6.87 (t, 1H), 6.50-6.49 (q, 1H), 4.74-4.73 (d, 2H), 3.25-3.23 (d, 2H).
分子式:C9H12N3FO 分子量:197.21 LC-MS(Pos, m/z)= 198.21[M+H]+.
実施例29:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A28)塩酸塩、及び(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A29)塩酸塩の調製
工程1:4-クロロ-2-(4-メトキシベンジル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンの合成
原料の4-クロロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(5.0 g, 32.55 mmol, 1.0 eq)、4-メトキシベンジルクロリド(5.58 g, 35.81 mmol, 1.1 eq)と炭酸カリウム(8.98 g, 65.1 mmol, 2.0 eq)をDMF(30 mL)に溶解させ、室温で1.5 h反応させ、LC-MSにより原料残留無しと検出する。反応液を水(50 mL)に入れ、酢酸エチル(80 mL×2)で抽出し、有機相を水(100 mL×2)で洗浄し、乾燥させ、濃縮させて、製品(8.9 g, 収率:100%)を得る。
工程2:中間体の2-(4-メトキシベンジル)-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の4-クロロ-2-(4-メトキシベンジル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(8.9 g, 32.51 mmol, 1.0 eq)を酢酸(80 mL)と水(20 mL)に溶解させ、100℃で12時間反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をメチルt-ブチルエーテル(100 mL)でパルプ化させ、吸引濾過させて、製品(8.3 g, 収率:100%)を得る。
工程3:5-エチル-2-(4-メトキシベンジル)-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の2-(4-メトキシベンジル)-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(8.3 g, 32.51 mmol, 1.0 eq)と水素化ナトリウム(1.95 g, 48.76 mmol, 1.5 eq)をDMF(80mL)に溶解させ、30 min攪拌した後、ヨードエタン(7.6 g, 48.76 mmol, 1.5 eq)を滴下し、60℃で30 min反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。フラスコに水(80 mL)を緩やかに入れ、酢酸エチル(100 mL×4)で抽出し、有機相を水(200 mL×4)で洗浄し、乾燥させ、減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=1:1)、製品(5.0 g, 収率:54%)を得る。
工程4:中間体の5-エチル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の5-エチル-2-(4-メトキシベンジル)-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(5.0 g, 17.64 mmol, 1.0 eq)をトリフルオロ酢酸(50 mL)に溶解させ、75℃で12 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をまずシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(PE:EA=1:1)、さらにメチルt-ブチルエーテル(10 mL)でパルプ化させ、吸引濾過させて、製品(1.1 g, 収率:38%)を得る。
工程5:(E)-2-(2-((5-エチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン、及び(E)-2-(2-((5-エチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の5-エチル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(500 mg, 3.06 mmol, 1.0 eq)をDMF(3 mL)に溶解させ、NaH(159 mg, 3.98 mmol, 1.3 eq)を入れ、30 min攪拌した後、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.004 g, 3.37 mmol, 1.1 eq)のDMF(2 mL)溶液を滴下し、30 min反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。水(10 mL)を入れ、酢酸エチル(20 mL×2)で抽出し、分液し、有機相を水(20 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、減圧濃縮させ、粗製品をメチルt-ブチルエーテル(10 mL)でパルプ化させ、吸引濾過させて、(E)-2-(2-((5-エチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン、及び(E)-2-(2-((5-エチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの混合物(390 mg)を得る。
工程6:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩、及び(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩
(E)-2-(2-((5-エチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン、及び(E)-2-(2-((5-エチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(390 mg, 1.02 mmol, 1.0 eq)をEtOH (8 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(178 mg, 3.57 mmol, 3.5 eq)を入れ、80℃で30 min反応させる。LC-MSにより反応完了と検出したら、室温まで冷却し、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をまず薄層クロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=10:1)、得られた製品にメタノール(1 mL)を入れて溶解させ、さらに塩化水素エタノール溶液(0.015 mL)を滴下し、5 min攪拌し、減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製し(ジクロロメタン:イソプロパノール:アンモニア水=10:1:0.5)、小さいRf値の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩(18 mg, 収率:6.1%)を得て、化合物A28の塩酸塩とし、
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.65 (s, 1H), 8.27 (s, 3H), 7.44 (s, 0.5H), 7.35-7.37 (d, 1H), 7.24 (s, 0.5H), 6.48-6.50 (m, 1H), 5.07-5.08 (d, 2H), 3.88-3.90 (m, 2H), 3.38-3.39 (m, 2H), 1.17-1.21 (m, 3H).
分子式:C12H16ClFN4O 分子量:286.74 LC-MS(Pos, m/z)=251.21[M+H]+.
及び、大きいRf値の(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩(13 mg, 収率:4.4%)を得て、化合物A29の塩酸塩とする。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.38 (s, 3H), 8.10 (s, 1H), 7.62-7.64 (d, 1H), 7.36 (s, 0.5 H), 7.16 (s, 0.5H), 6.90-6.91 (d, 1H), 5.06-5.10 (d, 2H), 3.95-3.97 (m, 2H), 3.38-3.39 (m, 2H), 1.19-1.23 (m, 3H).
分子式:C12H16ClFN4O 分子量:286.74 LC-MS(Pos, m/z)=251.19[M+H]+.
実施例30:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-4,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-6(1H)-オン(化合物A31)塩酸塩の合成
工程1:(E)-2-(2-カルバモイルヒドラゾノ)プロピオン酸エチルの合成
原料の2-オキソプロピオン酸エチル(21 g, 0.18 mol, 1.0 eq)とセミカルバジド塩酸塩(20 g, 0.18 mol, 1.0 eq)を水(150 mL)に溶解させ、酢酸ナトリウム(29 g, 0.35 mol, 1.9 eq)を入れ、室温で攪拌しながら12 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。吸引濾過させ、ケークを少量の水で洗浄し、乾燥させ、製品(29 g, 収率:94%)を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程2:4-ホルミル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチルの合成
氷浴の条件で、オキシ塩化リン(32.8 mL)をDMF(71.3 mL)に滴下し、滴下完了後に氷浴を撤去し、室温まで昇温し、攪拌しながら30 min反応させ、反応液を40℃まで加熱し、(E)-2-(2-カルバモイルヒドラゾノ)プロピオン酸エチル(26.6 g, 0.154 mol, 1.0 eq)を入れ、その後80℃まで昇温し、3 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液を氷水に入れ、攪拌しながら質量パーセント50%の水酸化ナトリウム水溶液で溶液pH=10となるまで調整し、水溶液を50℃まで加熱して完全に溶解させ、氷浴の条件で濃塩酸で溶液pH=7となるまで調整し、酢酸エチル(2×200 mL)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濃縮させ、粗製品をDCMでパルプ化させて、製品(14 g, 収率:66%)を得る。
工程3:4-ホルミル-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチルの合成
中間体の4-ホルミル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(10.5 g, 0.06 mol, 1.0 eq)をDMF(60 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(25.9 g, 0.18 mol, 3.0 eq)とp-メトキシベンジルクロリド(12.2 g, 0.078 mol, 1.3 eq)を入れ、室温で攪拌しながら3 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液に水(200 mL)を入れ、酢酸エチル(2×200 mL)で抽出し、飽和食塩水(2×200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過させ、濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより(EA:PE=0~1:2)精製して、製品(12.5 g, 収率:69%)を得る。
工程4:4-((エチルアミノ)メチル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチルの合成
エチルアミン塩酸塩(4.0 g, 48.4 mmol, 4.0 eq)をMeOH(20 mL)に溶解させ、トリエチルアミン(4.9 g, 48.4 mmol, 4.0 eq)を入れ、攪拌しながら10 min反応させ、4-ホルミル-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(3.5 g, 12.1 mmol, 1.0 eq)と酢酸(0.5 mL)を入れ、室温で攪拌しながら30 min反応させ、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.3 g, 36.3 mmol, 3.0 eq)を入れ、室温で12 h反応させ、LCMSにより反応完了と検出する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で溶液pH=10となるまで調整し、DCM(2×30 mL)で抽出し、飽和食塩水(2×20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過させ、濃縮させて、製品(4.3 g, 収率100%で計算)を得る。
工程5:4-((エチルアミノ)メチル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸の合成
中間体の4-((エチルアミノ)メチル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸エチル(4.3 g粗製品, 13.5 mmol, 1.0 eq)をMeOH(20 mL)と水(20 mL)に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(1.7 g, 40.6 mmol, 3.0 eq)を入れ、50℃で攪拌しながら3 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。2 mol/L塩酸水溶液で溶液pH=2となるまで調整し、凍結乾燥させて、製品(5 g粗製品,収率100%で計算)を得る。
工程6:5-エチル-1-(4-メトキシベンジル)-4,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-6(1H)-オンの合成
中間体の4-((エチルアミノ)メチル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(5.0 g粗製品, 17.28mmol, 1.0 eq)をDMF(30 mL)に溶解させ、HATU(8.5 g, 22.46 mmol, 1.9 eq)とDIPEA(6.7 g, 51.84 mmol, 3.0 eq)を入れ、攪拌しながら1.5 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。反応液に水(50 mL)を入れ、酢酸エチル(2×50 mL)で抽出し、濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(1.4 g, 3工程の収率:30%)を得る。
工程7:5-エチル-4,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-6(1H)-オンの合成
中間体の5-エチル-1-(4-メトキシベンジル)-4,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-6(1H)-オン(1.4 g, 5.16 mmol, 1.0 eq)をTFA(8 mL)に溶解させ、アニソール(0.15 mL)を入れ、80℃で攪拌しながら3 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液を濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(560 mg, 収率:72%)を得る。
工程8:(E)-2-(2-((5-エチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-1(4H)-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の5-エチル-4,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-6(1H)-オン(560 mg, 3.7 mmol, 1.0 eq)をDMF(10 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(1.5 g, 11.1 mmol, 3.0 eq)と(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.3 g, 4.4 mmol, 1.2 eq)を入れ、室温で攪拌しながら12 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液に水(30 mL)を入れ、酢酸エチル(2×30 mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過させ、濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(300 mg, 収率:22%)を得る。
工程9:(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-エチル-4,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-6(1H)-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-2-(2-((5-エチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-1(4H)-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(300 mg, 0.814 mmol, 1.0 eq)をEtOH(5 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(203.8 mg, 4.072 mmol, 5.0 eq)を入れ、45℃で攪拌しながら3 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液を室温まで冷却し、固体を除去し、濾液を濃縮させ、さらに固体を除去し、濾液を濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=5:1)、得られた油状物をDCM(3 mL)に溶解させ、塩化水素エタノール溶液(1 mL)を滴下し、TLCにより反応完了と検出する。溶液を濃縮させて、製品(90 mg, 収率:40%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.35(s, 3H), 7.54 (s, 1H), 7.31 (s, 0.5H), 7.11 (s, 0.5H), 4.99 (d, 2H), 4.23-4.29 (d, 2H), 3.46-3.47 (d, 4H), 1.16 (m, 3H).
分子式:C11H16ClFN4O 分子量:238.27 LC-MS(m/z)=239.21 [M+H]+.
実施例31:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1-ブロモ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(化合物A32)塩酸塩の合成
工程1:中間体の1-シクロプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
1-シクロプロピルピペリジン-2,4-ジオン(50 g, 326.6 mmol, 1 eq)を1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチルメチルアミン(42.8 g, 359 mmol, 1.1 eq)に入れ、室温で0.5 h攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。反応液をそのまま次の反応に利用する。
工程2:中間体の((1-シクロプロピル-2,4-ジオキソピペリジン-3-イリデン)メチル)グリシンの合成
前の工程で得られた1-シクロプロピル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオン溶液をエタノール(1000 mL)に溶解させ、その中にグリシン(24.5 g, 326.6 mmol, 1 eq)と酢酸ナトリウム(32.2 g, 391.8 mmol, 1.2 eq)を入れ、50℃まで昇温し、6 h反応させる。反応完了後、濃縮させ、製品を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程3:中間体の2-アセチル-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロール[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
前の工程で得られた((1-シクロプロピル-2,4-ジオキソピペリジン-3-イリデン)メチル)グリシンの粗製品を無水酢酸(1000 mL)に入れ、120℃まで加熱し、5 h反応させる。反応完了後、濃縮させ、無水酢酸を除去し、濃縮液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に入れ、pHが中性となるまで調整する。酢酸エチル(300 mL×4)で抽出し、有機相を合併し、乾燥させ、濃縮させ、製品を得て、理論収率で計算し、そのまま次の反応に利用する。
工程4:中間体の5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロール[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
2-アセチル-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロール[3,4-c]ピリジン-4-オンの粗製品をメタノール(300 mL)に溶解させ、その中に炭酸カリウム(33.9 g, 464.3 mmol, 1.5 eq)の水溶液(300 mL)を入れ、常温で20 min攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。濃縮させ、メタノールを除去し、pHが弱酸性となるまで調整し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合併し、乾燥させ、濃縮させ、粗製品(37.8 g)を得て、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(酢酸エチル:石油エーテル, 1:1~1:0, v/v)、製品(13.05 g, 4工程の収率:21.4%)を得る。
工程5:中間体の1-ブロモ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロール[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロール[3,4-c]ピリジン-4-オン(3 g, 17 mmol, 1 eq)をDCM(50 mL)に溶解させ、氷水浴の条件で、NBS(3 g, 17 mmol, 1 eq)を数回に分けて入れ、0℃で30 min反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液を水(50 mL)と飽和食塩水(50 mL)の順で洗浄し、有機相を乾燥させ、濃縮させ、粗製品(4.47 g)を得て、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:酢酸エチル=3:1, v/v)、製品(2.82 g, 収率:65.6%)を得る。
工程6:中間体の(E)-(2-((1-ブロモ-5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
1-ブロモ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロール[3,4-c]ピリジン-4-オン(2.14 g, 8.37 mmol, 1 eq)を無水THF(40 mL)に溶解させ、氷水浴の条件で、NaH(670 mg, 16.74 mmol)を数回に分けて緩やかに入れ、滴下後、0℃で30 min攪拌し、(E)-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(2.34 g, 8.74 mmol, 1.05 eq)を入れ、常温で40 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、有機相を水と飽和食塩水の順で洗浄し、乾燥させ、濃縮させ、粗製品(3.89 g)を得て、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:酢酸エチル=4:1~3:1, v/v)、製品(1.77 g, 収率:47.8%)を得る。
工程7:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1-ブロモ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
(E)-(2-((1-ブロモ-5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(350 mg, 0.791 mmol, 1 eq)を塩化水素エタノール溶液(12 mL)に溶解させ、反応が完了するまで攪拌し、濃縮させ、凍結乾燥させて、製品(134 mg, 収率:49.6%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.41 (brs, 3H), 7.55 (s, 1H), 7.30-7.02 (d, 1H), 4.76 (d, 2H), 3.42-3.47 (m, 2H), 3.29-3.30 (m, 2H), 2.56-2.65 (m, 3H), 0.71-0.77 (m, 2H), 0.56-0.60 (m, 2H).
分子式:C14H17BrFN3O 分子量:342.21 LC-MS(m/z)=343.92[M+H]+.
実施例32:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1,3-ジブロモ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(化合物A33)塩酸塩の合成
工程1:1,3-ジブロモ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロール[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロール[3,4-c]ピリジン-4-オン(3 g, 17 mmol, 1 eq)をDCM(50 mL)に溶解させ、氷水浴の条件で、NBS(6 g, 34 mmol, 2 eq)を数回に分けて入れ、常温で20 min反応させ、TLCにより反応完了と検出する。水(50 mL)と飽和食塩水(50 mL)の順で洗浄し、有機相を乾燥させ、濃縮させ、粗製品(6.03 g)を得て、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:酢酸エチル=5:1~4:1, v/v)、製品(3.33 g, 収率:58.4%)を得る。
工程2:(E)-(2-((1,3-ジブロモ-5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
1,3-ジブロモ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロール[3,4-c]ピリジン-4-オン(3.83 g, 11.4 mmol, 1.0 eq)を無水THF(60 mL)に溶解させ、氷水浴の条件で、NaH(912 mg, 22.8 mmol, 2.0 eq)を緩やかに入れ、滴下後、0℃で30 min攪拌し、(E)-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(3.06 g, 11.4 mmol, 1.0 eq)を入れ、常温で40 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、有機相を水と飽和食塩水の順で洗浄し、乾燥させ、濃縮させ、粗製品(6.17 g)を得て、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:酢酸エチル=4:1~2:1, v/v)、製品(3.98 g, 収率:67.5%)を得る。
工程3:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1,3-ジブロモ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
(E)-(2-((1,3-ジブロモ-5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(400 mg, 0.767 mmol, 1 eq)を塩化水素エタノール溶液(12 mL)に溶解させ、反応が完了するまで攪拌し、濃縮させ、凍結乾燥させて、製品(103 mg, 収率:31.9%)を得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.53 (brs, 3H), 6.58-6.85 (d, 1H), 4.81-4.82 (d, 2H), 3.43-3.45 (m, 4H), 2.60-2.62 (m, 3H), 0.71-0.78 (m, 2H), 0.56-0.61 (m, 2H).
分子式:C14H16Br2FN3O 分子量:421.11 LC-MS(m/z)=421.94[M+H]+.
実施例33:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(化合物A35)塩酸塩の合成
工程1:中間体の(E)-(2-((5-シクロプロピル-1-メチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-(2-((1-ブロモ-5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(500 mg, 1.13 mmol, 1 eq)、リン酸カリウム(720 mg, 3.39 mmol, 3 eq)、メチルボロン酸(271 mg, 4.52 mmol, 4 eq)とトリシクロヘキシルホスフィン(31.7 mg, 0.113 mmol, 0.1 eq)をマイクロ波管に入れ、トルエン(30 mL)を入れ、窒素ガスで5 minバブリングした後、Pd2(dba)3(52 mg, 0.0565 mmol, 0.05 eq)を入れ、マイクロ波により120℃で1 h反応させ、反応完了後、反応液を濃縮させ、粗製品を逆相カラムクロマトグラフィーにより精製し(CH3CN:H2O=1:4)、凍結乾燥させて、製品(230 mg, 収率:53.9%)を得る。
工程2:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
(E)-(2-((5-シクロプロピル-1-メチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(230 mg, 0.609 mmol, 1 eq)を塩化水素エタノール溶液(10 mL)に溶解させ、反応が完了するまで攪拌し、濃縮させ、凍結乾燥させて、製品(134.7 mg, 収率:79.7%)を得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.62 (brs, 3H), 7.33 (s, 1H), 6.87-7.14 (d, 1H), 4.74 (s, 2H), 3.37-3.41 (m, 2H), 3.24 (m, 2H), 2.52-2.63 (m, 3H), 2.07 (s, 3H), 0.68-0.72 (m, 2H), 0.55-0.58 (m, 2H).
分子式:C15H21ClFN3O 分子量:277.34 LC-MS(m/z)=278.09[M+H]+.
実施例34:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(化合物A36)塩酸塩の合成
工程1:(E)-(2-((5-シクロプロピル-1,3-ジメチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-オン)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-(2-((5-シクロプロピル-1,3-ジブロモ-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-オン)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(500 mg, 0.96 mmol, 1 eq)、メチルボロン酸(230 mg, 3.84 mmol, 4 eq)とリン酸カリウム(1.63 g, 7.68 mmol, 8 eq)をフラスコに入れ、1,4-ジオキサン(12 mL)を入れ、窒素ガスで置換し、Pd(PPh3)4(60 mg, 0.05 mmol, 0.05 eq)を入れ、窒素ガスの保護で5 h攪拌し、TLCにより反応完了と検出する。反応液を濃縮させ、酢酸エチルを入れ、水と飽和食塩水の順で洗浄し、乾燥させ、濃縮させ、粗製品(570 mg)を得て、逆相カラムクロマトグラフィーにより精製して(CH3CN:H2O=1:3)、製品(170 mg, 収率:45.2%)を得る。
工程2:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
(E)-(2-((5-シクロプロピル-1,3-ジメチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-オン)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(170 mg, 0.434 mmol, 1 eq)を塩化水素エタノール溶液(10 mL)に溶解させ、反応が完了するまで攪拌し、濃縮させ、凍結乾燥させて、製品(102.8 mg, 収率:81.6%)を得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.62 (brs, 3H), 5.85-6.12 (d, 1H), 4.66 (s, 2H), 3.46 (s, 2H), 3.33-3.46 (m, 2H), 2.51-2.58 (m, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 0.69-0.71 (m, 2H), 0.54 (m, 2H).
分子式:C16H23ClFN3O 分子量:291.37 LC-MS(m/z)=292.20[M+H]+
実施例35 (E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1-クロロ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(化合物A42)塩酸塩の合成
工程1:1-クロロ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オンの合成
5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(600 g, 3.4 mmol, 1 eq)をTHF(20 mL)に溶解させ、氷水浴の条件で、NCS(455 mg, 3.4 mmol, 1 eq)を数回に分けて入れ、室温で30 min反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧下でTHFを留去し、DCM(30 mL)を入れ、水(30 mL)と飽和食塩水(30 mL)の順で洗浄し、有機相を乾燥させ、濃縮させ、粗製品(820 mg)を得て、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:酢酸エチル=3:1, 1:1, v/v)、製品(540 mg, 収率:75.4%)を得る。
工程2:(E)-(2-((1-クロロ-5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
1-クロロ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン(500 mg, 2.37 mmol, 1 eq)を無水THF(20 mL)に溶解させ、氷水浴の条件で、NaH(190 mg, 4.74 mmol)を数回に分けて緩やかに入れ、滴下後、0℃で30 min攪拌し、(E)-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(668 mg, 2.49 mmol, 1.05 eq)を入れ、常温で23 h反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、有機相を水と飽和食塩水の順で洗浄し、乾燥させ、濃縮させ、粗製品(1.03 g)を得て、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル:酢酸エチル=2.5:1~2:1, v/v)、製品(320 mg, 収率:34%)を得る。
工程3:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1-クロロ-5-シクロプロピル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
(E)-(2-((1-クロロ-5-シクロプロピル-4-カルボニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(320 mg, 0.804 mmol, 1 eq)を塩化水素エタノール溶液(10 mL)に溶解させ、室温で4 h攪拌し、LC-MSにより反応完了と検出する。濃縮させ、粗製品(200 mg)を得て、C18カラムクロマトグラフィーにより精製し(CH3CN:H2O=1:4)、凍結乾燥させて、製品(34 mg, 収率:14.2%)を得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.41 (brs, 3H), 7.55 (s, 1H), 7.02-7.30 (d, 1H), 4.76 (s, 2H), 3.42-3.47(m, 2H), 3.29-3.30 (m, 2H), 2.61-2.66 (m, 1H), 2.55-2.59 (m, 2H), 0.70-0.77 (m, 2H), 0.52-0.59 (m, 2H).
分子式:C14H17ClFN3O 分子量:297.10 LC-MS(m/z)= 297.74[M+H]+.
実施例36 (E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A41)、及び(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A44)塩酸塩の合成
工程1:5-シクロプロピル-2-(4-メトキシベンジル)-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
2-(4-メトキシベンジル)-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(6.4 g, 32.51 mmol, 1.0 eq)、シクロプロピルボロン酸(10.77 g, 125.35 mmol, 5.0 eq)、酢酸銅(13.66 g, 75.21 mmol, 3.0 eq)とピリジン(9.92 g, 125.35 mmol, 5.0 eq)をトルエン(150 mL)に溶解させ、空気の条件で、100℃で47 h反応させ、減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=1:1)、製品(2.0 g, 収率:27%)を得る。
工程2:5-シクロプロピル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
5-シクロプロピル-2-(4-メトキシベンジル)-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(2.0 g, 6.77 mmol, 1.0 eq)をトリフルオロ酢酸(20 mL)に溶解させ、75℃で14 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:50)、製品(1.0 g, 収率:84%)を得る。
工程3:(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン、及び(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
5-シクロプロピル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(1.0 g, 5.71 mmol, 1.0 eq)、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.87 g, 6.28 mmol, 1.1 eq)、炭酸カリウム(867 mg, 6.28 mmol, 1.1 eq)とTBAB(184 mg, 0.57 mmol, 0.1 eq)を無水エタノール(8 mL)に溶解させ、19時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=1:1)、(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンと(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの混合物(1.8 g, 収率:80%)を得る。
工程4:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン、及び(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
前の工程で得られた混合物(1.4 g, 3.57 mmol, 1.0 eq)とヒドラジン水和物(335 mg, 5.35 mmol, 1.5 eq)をEtOH(20 mL)に溶解させ、80℃で20 min反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、室温まで冷却し、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をジクロロメタンで溶解させ、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(ジクロロメタン:イソプロパノール:アンモニア水=10:1:0.5)、
小さいRf値の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-2,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン (350 mg, 収率:37%)を得て、化合物A41とする。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 8.55 (s, 1H), 6.87-7.02(d, 1H), 4.91 (s, 2H), 3.18 (s, 1H), 3.05 (s, 2H), 1.60 (s, 2H), 0.96-0.97 (d, 2H), 0.79 (s, 2H).
分子式:C13H15FN4O 分子量:262.29 LC-MS(Pos, m/z)=263.13[M+H]+.
大きいRf値の方をエタノールで溶解させ、塩化水素エタノール溶液を入れ、減圧濃縮させ、凍結乾燥させ、(E)-1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩(220 mg, 収率:20%)を得て、化合物A44とする。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 8.48 (s, 3H), 8.08 (s, 1H), 7.44-7.46 (d, 1H), 7.35 (s, 0.5H), 7.08 (s, 0.5H), 6.86-6.88 (d, 1H), 5.10-5.11 (d, 2H), 3.36 (s, 2H), 3.22-3.26 (m, 1H), 0.98-1.00 (d, 2H), 0.81-0.84 (m, 2H).
分子式:C13H15FN4O 分子量:262.29 LC-MS(Pos,m/z)=263.10[M+H]+.
実施例37:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(モルホリノ)ケトン(化合物C1)の合成
工程1:(Z)-2-(3-フルオロ-2-((5-(モルホリン-4-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
(1H-インドール-5-イル)(モルホリノ)ケトン(1.00 g, 4.34 mmol, 1 eq)をDMF(10 mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、窒素ガスの保護で、質量パーセント60%のNaH(0.19 g, 4.77 mmol, 1.1 eq)を入れ、窒素ガスの保護で、30 min攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.55 g, 5.21 mmol, 1.2 eq)のDMF(10 mL)溶液を滴下、室温まで緩やかに昇温し、一晩反応させ、TLCにより反応完了と検出する。水(60 mL)を入れ、EA(80 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、水で逆流洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=150:1)、製品(1.42 g, 収率:73.2%)を得る。
工程2:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(モルホリノ)ケトンの合成
中間体の(Z)-2-(3-フルオロ-2-((5-(モルホリン-4-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.42 g, 3.17 mmol, 1 eq)をEtOH(35 mL)に溶解させ、85%含有量のヒドラジン水和物(0.65 g, 11.08 mmol, 3.5 eq)を入れ、還流させながら2時間反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、吸引濾過させ、濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=10:1)、製品(0.13 g, 収率:13.1%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 7.64-7.65 (t, 2H), 7.59-7.60 (d, 1H), 7.20-7.22 (m, 1H), 7.04-7.25 (d, J=84 Hz, 1H), 6.55-6.56 (d, 1H), 4.96 (d, 2H), 3.60 (s, 4H), 3.52 (s, 4H), 3.17 (s, 2H), 3.12 (d, 2H).
分子式:C17H20FN3O2, 分子量:317.36, LC-MS(Pos, m/z)=318.19 [M+H]+.
実施例38:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(アゼチジン-1-イル)ケトン(化合物C13)塩酸塩の合成
工程1:アゼチジン-1-イル(1H-インドール-5-イル)ケトンの合成
原料の1H-インドール-5-カルボン酸(1 g, 6.2 mmol, 1.0 eq)とDIPEA(2.4 g, 18.6 mmol, 3.0 eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(5 mL)に溶解させ、窒素ガスで置換し、0℃まで降温し、HATU(3.5 g, 9.3 mmol, 1.5 eq)を入れ、0.5 h反応させ、アゼチジン(708.6 mg, 12.41 mmol, 2.0 eq)を入れ、1 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。水(50 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(MeOH:DCM=1:100~1:50)、得られた固体に少量の酢酸エチルを入れ、濾過させ、ケークを乾燥させて、製品(1.1 g, 収率:88.7%)を得る。
工程2:(Z)-2-(2-((5-(アゼチジン-1-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体のアゼチジン-1-イル(1H-インドール-5-イル)ケトン(500 mg, 2.5 mmol, 1.0 eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(5 mL)に溶解させ、窒素ガスで置換し、0℃まで降温し、質量パーセント60%の水素化ナトリウム(109.8 mg, 2.75 mmol, 1.1 eq)を入れ、0.5 h攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(894.3 mg, 3 mmol, 1.2 eq)を入れ、1 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。飽和塩化アンモニウム水溶液(50 mL)と水(50 mL)を入れ、10 min攪拌し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:100~1:60)、製品(643 mg, 収率:64.3%)を得る。
工程3:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(アゼチジン-1-イル)ケトン塩酸塩の合成
中間体の(Z)-2-(2-((5-(アゼチジン-1-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(643 mg, 1.59 mmol, 1.0 eq)をEtOH (10 mL)に溶解させ、80%ヒドラジン水和物(348 mg, 5.56 mmol, 3.5 eq)を入れ、80℃で1 h反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、室温まで降温し、吸引濾過させ、濾液を濃縮させ、ジクロロメタン(10 mL)を入れてパルプ化させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=10:1)、油状液体(260 mg)を得て、ジクロロメタン(5 mL)を入れ、20%塩化水素エタノール溶液(104 mg)を滴下し、10 min攪拌し、減圧濃縮させて、製品(238 mg, 収率:46.2%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 7.88 (d, 1H), 7.67-7.64 (d, 2H), 7.47-7.43 (d, 1H), 7.38 (s, 0.5H), 7.11 (s, 0.5H), 6.60-6.59 (s, 1H), 5.04-5.03 (s, 2H), 4.34 (m, 2H), 4.06 (m, 2H), 3.23-3.17 (m, 4H), 2.31-2.21 (m, 2H).
分子式:C16H19ClFN3O 分子量:323.8 LC-MS (Pos, m/z)=287.65[M+H]+.
実施例39:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(4-メトキシピペリジン-1-イル)ケトン(化合物C14)塩酸塩の合成
工程1:(1H-インドール-5-イル)-(4-メトキシピペリジン-1-イル)ケトンの合成
原料の1H-インドール-5-カルボン酸(1 g, 6.2 mmol, 1.0 eq)とDIPEA(2.4 g, 18.6 mmol, 3.0 eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(5 mL)に溶解させ、窒素ガスで置換し、0℃まで降温し、HATU(3.5 g, 9.3 mmol, 1.5 eq)を入れ、0.5 h反応させ、4-メトキシピペリジン塩酸塩(1.88 g, 12.41 mmol, 2.0 eq)を入れ、1 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。飽和塩化アンモニウム(50 mL)、水(50 mL)を入れ、10 min攪拌し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(1.6 g, 収率:100%)を得る。
工程2:(Z)-2-(3-フルオロ-2-((5-(4-メトキシピペリジン-1-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の(1H-インドール-5-イル)-(4-メトキシピペリジン-1-イル)ケトン(500 mg, 1.94 mmol, 1.0 eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(5 mL)に溶解させ、窒素ガスで置換し、0℃まで降温し、質量パーセント60%水素化ナトリウム(85.2 mg, 2.13 mmol, 1.1 eq)を入れ、0.5 h攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(694 mg, 2.33 mmol, 1.2 eq)を入れ、18 h反応させ、TLCにより反応にまだ少量の原料があると検出する。飽和塩化アンモニウム水溶液(50 mL)と水(20 mL)を入れ、10 min攪拌し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:20)、製品(431 mg, 収率:48.1%)を得る。
工程3:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(4-メトキシピペリジン-1-イル)ケトン塩酸塩の合成
中間体の(Z)-2-(3-フルオロ-2-((5-(4-メトキシピペリジン-1-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)アリル)イソインドール-1,3-ジオン(431 mg, 0.93 mmol, 1.0 eq)をEtOH(10 mL)に溶解させ、80%ヒドラジン水和物(204.5 mg, 3.26 mmol, 3.5 eq)を入れ、80℃で1 h反応させる。TCLにより反応完了と検出したら、室温まで降温し、吸引濾過させ、濾液を濃縮させ、ジクロロメタン(10 mL)を入れてパルプ化させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=10:1)、油状液体(86 mg)を得て、ジクロロメタン(5 mL)を入れ、20%塩化水素エタノール溶液(45 mg)を滴下し、10 min攪拌し、減圧濃縮させて、製品(84 mg, 収率:23.6%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.44 (s, 3H), 7.67-7.63 (d, 3H), 7.40 (s, 0.5H), 7.27-7.18 (d, 1H), 7.13 (s, 0.5H), 6.57-6.56 (d, 1H), 5.04 (m, 2H), 3.76 (m, 2H), 3.21-3.21 (m, 7H), 1.84 (m, 2H), 1.44-1.40 (m, 2H).
分子式:C19H25ClFN3O2 分子量:381.88 LC-MS(Pos, m/z)=346.17[M+H]+.
実施例40:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)ケトン(化合物C15)塩酸塩の合成
工程1:(1H-インドール-5-イル)(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)ケトンの合成
原料の1H-インドール-5-カルボン酸(1 g, 6.2 mmol, 1.0 eq)とDIPEA(2.4 g, 18.6 mmol, 3.0 eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(5 mL)に溶解させ、窒素ガスで置換し、0℃まで降温し、HATU(3.5 g, 9.3 mmol, 1.5 eq)を入れ、0.5 h反応させ、4-メトキシ-4-メチルピペリジン塩酸塩(1.88 g, 12.41 mmol, 2.0 eq)を入れ、1 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。水(50 mL)を入れ、10 min攪拌し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、分液し、有機相を合併し、水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(1.68 g, 収率:100%)を得る。
工程2:(Z)-2-(3-フルオロ-2-((5-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の(1H-インドール-5-イル)(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)ケトン(500 mg, 1.84 mmol, 1.0 eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(5 mL)に溶解させ、窒素ガスで置換し、0℃まで降温し、質量パーセント60%水素化ナトリウム(80.9 mg, 2.13 mmol, 1.1 eq)を入れ、0.5 h攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(658.2 mg, 2.20 mmol, 1.2 eq)を入れ、1 h反応させ、TLCにより反応にまだ少量の原料があると検出する。飽和塩化アンモニウム水溶液(50 mL)と水(50 mL)を入れ、一晩攪拌し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、油状液体を得て、薄層クロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:20)、製品(421 mg, 収率:48.1%)を得る。
工程3:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)ケトン塩酸塩の合成
中間体の(Z)-2-(3-フルオロ-2-((5-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオン(421 mg, 0.88 mmol, 1.0 eq)をEtOH (15 mL)に溶解させ、80%ヒドラジン水和物(193.9 mg, 3.10 mmol, 3.5 eq)を入れ、80℃で1 h反応させる。TLCにより反応完了と検出したら、室温まで降温し、吸引濾過させ、濾液を濃縮させ、白色固体を得て、ジクロロメタン(10 mL)を入れてパルプ化させ、濾過させ、母液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=10~15:1)、製品(200 mg)を得て、ジクロロメタン(5 mL)を入れ、20%塩化水素エタノール溶液(102 mg)を滴下し、10 min攪拌し、減圧濃縮させて、製品(200 mg, 収率57%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.46 (s, 3H), 7.66-7.62 (d, 3H), 7.41 (s, 0.5H), 7.21-7.18 (d, 1H), 7.13 (s, 0.5 H), 6.56-6.55 (s, 1H), 5.04-5.04 (m, 2H), 3.43 (m, 2H), 3.26-3.20 (m, 4H), 3.12 (s, 3H), 1.67 (m, 2H), 1.49-1.42 (m, 2H), 1.14 (s, 3H).
分子式:C20H27ClFN3O2 分子量:395.9 LC+MS(Pos, m/z)=360.14[M+H]+.
実施例41:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-ネオペンチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A37)塩酸塩の合成
工程1:3-(ネオペンチルアミノ)プロピオン酸エチルの合成
ネオペンチルアミン(31.38 g, 0.36 mol, 1.2 eq)をエタノール(100 mL)に溶解させ、10℃の条件で、アクリル酸エチル(30 g, 0.3 mol, 1.0 eq)を緩やかに滴下し、滴下完了後、20℃で3 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させて、製品(56.18 g, 収率:100%)を得る。
工程2:3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)ネオペンチルアミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-(ネオペンチルアミノ)プロピオン酸エチル(56.18 g, 0.3 mol, 1.0 eq)、マロン酸モノエチルカリウム塩(61.27 g, 0.36 mol, 1.2 eq)、4-ジメチルアミノピリジン(7.33 g, 0.06 mol, 0.2 eq)とトリエチルアミン(39.46 g, 0.39 mol, 1.3 eq)をジクロロメタン(300 mL)に溶解させ、5 min攪拌した後、氷浴で1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(69.01 g, 0.36 mol, 1.2 eq)を数回に分けて入れ、15時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。水(200 mL)を入れ、分液し、水相をジクロロメタン(200 mL)で抽出し、有機相を合併し、減圧濃縮させ、粗製品を酢酸エチル(200 mL)で溶解させ、塩酸でpH値が5となるまで調整し、分液し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過させ、減圧濃縮させて、製品(85 g, 収率:94%)を得る。
工程3:1-ネオペンチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチルの合成
中間体の3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)ネオペンチルアミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(85 g, 0.282 mmol, 1.0 eq)とナトリウムt-ブトキシド(32.48 g, 0.338 mol, 1.2 eq)をエタノール(400 mL)に溶解させ、60℃で30 min反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、製品を得て、そのまま次の反応に利用する。
工程4:1-ネオペンチルピペリジン-2,4-ジオンの合成
前の工程で得られた粗製品を水に溶解させ、pH値が3となるまで調整し、90℃まで昇温し、3 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。室温まで冷却し、飽和するまで塩化ナトリウムの固体を入れ、酢酸エチル(300 mL×3)で抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮させ、粗製品をMTBE:PE(1:1)でパルプ化させ、吸引濾過させ、ケークを乾燥させて、製品(42 g, 2 工程の収率:81%)を得る。
工程5:1-ネオペンチル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(3.58 g, 30 mmol, 1.1 eq)に1-ネオペンチルピペリジン-2,4-ジオン(5 g, 27.28 mmol, 1.0 eq)を数回に分けて入れ、30 min反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をイソプロパノールで処理して、製品(6.5 g, 収率:100%)を得る。
工程6:5-ネオペンチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の1-ネオペンチル-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオン(6.5 g, 27.28 mmol, 1.0 eq)とヒドラジン水和物(1.77 g, 30 mmol, 1.1 eq)をイソプロパノール(30 mL)に溶解させ、80℃で1 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(酢酸エチル)、製品(4.4 g, 収率:77%)を得る。
工程7:(E)-2-(3-フルオロ-2-((5-ネオペンチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
5-ネオペンチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(4.4g, 21.22 mmol, 1.0 eq)、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(6.96 g, 23.34 mmol, 1.1 eq)、炭酸カリウム(3.22 g, 23.34 mmol, 1.1 eq)とTBAB(684 mg, 2.12 mmol, 0.1 eq)を無水エタノール(50 mL)に溶解させ、17時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=1:1)、製品(4.0 g, 収率:44%)を得る。
工程8:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-ネオペンチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-2-(3-フルオロ-2-((5-ネオペンチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオン(4.0 mg, 9.42 mmol, 1.0 eq)とヒドラジン水和物(884 mg, 14.13 mmol, 1.5 eq)をEtOH (40 mL)に溶解させ、80℃で1 h反応させる。LC-MSにより反応完了と検出したら、室温まで冷却し、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を酢酸イソプロピル(20 mL)でパルプ化させ、吸引濾過させ、さらに氷浴で濾液に20%塩化水素エタノール溶液(2.06 g, 1.2 eq)を入れ、10 min攪拌し、大量の白色固体が析出され、吸引濾過させ、ケークを40℃で乾燥させて、製品(2.32 g, 収率:74%)を得る。
1HNMR(300 MHz, DMSO-d6)δ(ppm):8.49(s, 3H), 8.27(s, 1H), 7.41(s, 0.5H),7.13(s, 0.5H), 4.94(d, 2H), 3.55-3.59(t, 2H), 3.34-3.35(d, 2H),3.20(s, 2H) 2.81-2.85(t, 2H), 0.91(s, 9H).
分子式:C15H24ClFN4O 分子量:330.83 LC-MS(Pos, m/z)=295.12[M+H]+.
実施例42:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(ピロリジン-1-イル)ケトン(化合物C7)塩酸塩の合成
工程1:(Z)-2-(3-フルオロ-2-((5-(ピロリジン-1-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の(1H-インドール-5-イル)(ピロリジン-1-イル)ケトン(500 mg, 2.33 mmol, 1.0 eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(3 mL)に溶解させ、窒素ガスで置換し、0℃まで降温し、質量パーセント60%水素化ナトリウム(102.6 mg, 2.56 mmol, 1.1 eq)を入れ、0.5 h攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(833.5 mg, 2.80 mmol, 1.2 eq)のN,N-ジメチルアセトアミド(2 mL)溶液を滴下し、1 h反応させ、LC-MSにより原料<10%と検出する。飽和塩化アンモニウム水溶液(50 mL)を入れ、10 min攪拌し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、水(50 mL)で洗浄し、分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=20:1)、製品(755 mg, 収率:77.8%)を得る。
工程2:(E)-(1-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-1H-インドール-5-イル)(ピロリジン-1-イル)ケトン塩酸塩の合成
中間体の(Z)-2-(3-フルオロ-2-((5-(ピロリジン-1-カルボニル)-1H-インドール-1-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオン(755 mg, 1.81 mmol, 1.0 eq)をEtOH (10 mL)に溶解させ、質量パーセント80%ヒドラジン水和物(397 mg, 6.34 mmol, 3.5 eq)を入れ、80℃で2 h反応させる。TLCにより原料無しと検出したら、室温まで降温し、吸引濾過させ、エタノールで洗浄し、濾液を濃縮させ、白色固体を得て、ジクロロメタン(10 mL)を入れて5 minパルプ化させ、濾過させ、ケークをDCMで洗浄し、濾液を合併し、減圧濃縮させ、油状液体(487 mg)を得て、薄層クロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=10:1)、油状液体(357 mg)を得て、ジクロロメタン(5 mL)を入れて溶解させ、20%塩化水素エタノール溶液(104.2 mg)を入れ、10 min攪拌し、減圧濃縮させ、淡黄色固体(325 mg)を得て、さらにHPLCにより精製して(0.05%塩酸:水:アセトニトリル)、製品(120 mg, 収率:19.6%)を得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.58 (s, 3H), 7.78-7.77 (s, 1H), 7.70-7.64 (d, 2H), 7.41 (s, 0.5H), 7.35-7.32 (d, 1H), 7.13 (s, 0.5H), 6.56-6.55 (d, 1H), 5.08-5.07 (d, 2H), 3.47 (m, 4H), 3.24-3.23 (d, 2H), 1.85-1.82 (m, 4H).
分子式:C17H21ClFN3O 分子量:337.82 LC-MS(Pos, m/z)=302.10 [M+H+]
実施例43:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-6,7-ジヒドロイソオキサゾロ[4,5-c]ピリジン-3,4(2H,5H)-ジオン(化合物A18)塩酸塩の合成
工程1:5-シクロプロピル-6,7-ジヒドロイソオキサゾロ[4,5-c]ピリジン-3,4(2H,5H)-ジオンの合成
1-シクロプロピル-5-(エトキシカルボニル)-6-オキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-ナトリウムアルコキシド(10.0 g, 0.040 mol, 1.0 eq)、水酸化ナトリウム(19.4 g, 0.485 mol, 12 eq)、塩酸ヒドロキシルアミン(30.9 g, 0.444 mol, 11 eq)をエタノール(100 mL)と水(10 mL)に入れ、室温でpH値が7-8となるまで調整し、50℃で17時間反応させ、LC-MSにより反応完了と表示される。室温まで冷却し、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、エタノール(100 mL)を入れ、60℃まで加熱して溶解させ、熱いうちに濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(5.1 g, 収率:64.97%)を得る。
工程2:(E)-5-シクロプロピル-2-(2-(((1,3-ジオキソイソインドール-2-イル)-2-メチル)メチル)-3-フルオロアリル)-6,7-ジヒドロイソオキサゾロ[4,5-c]ピリジン-3,4(2H,5H)-ジオンの合成
中間体の5-シクロプロピル-6,7-ジヒドロイソオキサゾロ[4,5-c]ピリジン-3,4(2H,5H)-ジオン(1.00 g, 5.15 mmol, 1 eq)をDMF(15 mL)に溶解させ、0℃で水素化ナトリウム(質量パーセント60%, 0.25 g, 6.18 mmol, 1.2 eq)を入れ、保温しながら15 min攪拌し、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.84 g, 6.18 mmol, 1.2 eq)を入れ、60℃で17時間反応させる。反応液を冷却し、水(15 mL)を入れ、ジクロロメタン(30 mL×3)で抽出し、分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離して(DCM:MeOH=200:1)、製品(688 mg, 収率:32.4%)を得る。
工程3:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-6,7-ジヒドロイソオキサゾロ[4,5-c]ピリジン-3,4(2H,5H)-ジオン塩酸塩の合成
中間体の(E)-5-シクロプロピル-2-(2-(((1,3-ジオキソイソインドール-2-イル)-2-メチル)メチル)-3-フルオロアリル)-6,7-ジヒドロイソオキサゾロ[4,5-c]ピリジン-3,4(2H,5H)-ジオン(545 mg, 1.32 mmol, 1.0 eq)を無水エタノール(20 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(85%, 273 mg, 4.64 mmol, 3.5 eq)を入れ、2時間還流させ、反応を完了させる。反応液を熱いうちに濾過させ、濾液を冷却してからさらに吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、EA(20 mL)を入れ、85℃で還流させ、熱いうちに濾過させ、濾液を冷却してからさらに濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより分離し(DCM:MeOH=10:1)、油状物製品を得て、少量のエタノールを入れて溶解させ、塩化水素エタノール溶液を滴下し、白色固体が析出され、吸引濾過させて、製品(62.92 mg, 収率:16.9%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.40 (s, 3H), 7.22-7.42 (d, J=80 Hz, 1H), 4.74 (s, 2H), 3.53-3.56 (t, 2H), 3.49 (s, 2H), 3.05-3.08 (t, 2H), 2.53-2.57 (m, 1H), 0.70-0.74 (m, 2H), 0.54-0.58 (m, 2H).
分子式:C13H17ClFN3O3 分子量:317.75 LC-MS(Pos, m/z)=282.15[M+H]+.
実施例44:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A45)の合成
工程1:3-ベンゾイル-1-シクロプロピルピペリジン-2,4-ジオンの合成
1-シクロプロピルピペリジン-2,4-ジオン(50.00 g, 0.33 mol, 1.0 eq)を反応フラスコに入れ、THF(500 mL)を入れ、0℃まで冷却し、ナトリウムt-ブトキシド(66.60 g, 0.69 mol, 2.1 eq)を入れ、30 min攪拌し、0℃でベンゾイルクロリド(55.06 g, 0.39 mol, 1.2 eq)を緩やかに滴下し、滴下完了後、室温まで緩やかに昇温し、5時間反応させ、TLCにより反応完了と表示される。水を入れて希釈し、pH=3となるまで調整し、EA(100 mL×3)を入れて抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離して(DCM:MeOH=100:1-50:1)、製品(28.3 g, 収率:33.7%)を得る。
工程2:5-シクロプロピル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
ヒドラジン水和物(85%, 9.72 g, 0.16 mol, 1.5 eq)をエタノール(100 mL)に溶解させ、塩酸を入れてpH=3となるまで調整し、3-ベンゾイル-1-シクロプロピルピペリジン-2,4-ジオン(28.30 g, 0.11 mol, 1.0 eq)を入れ、pH=6となるまで調整し、加熱して2時間還流させ、TLCにより反応完了と表示される。反応液を減圧濃縮させ、粗製品をまずシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離し(DCM:MeOH=50:1)、さらに無水エタノール(50 mL)で再結晶させて、製品(8.0 g, 収率:28.7%)を得る。
工程3:(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-3-フェニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドール-1,3-ジオンの合成
中間体の5-シクロプロピル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(3.00 g, 0.012 mol, 1 eq)、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(3.89 g, 0.013mol, 1.1 eq)、炭酸カリウム(1.80 g, 0.013 mol, 1.1 eq)とテトラブチルアンモニウムブロミド(0.39 g, 0.001 mol, 0.1 eq)を無水エタノール(30 mL)に入れ、室温で72時間攪拌し、TLCにより少量のピラゾール原料残留と表示される。反応液を吸引濾過させ、ケークにエタノールを入れて洗浄し、濾液を合併し、MTBE(5 mL)を入れ、体積が半分になるまで減圧濃縮させ、室温まで冷却し、大量の白色固体が析出され、吸引濾過させ、乾燥させ、粗製品をエタノール(15 mL)で再結晶させて、製品(1.8 g, 収率:32.1%)を得る。
工程4:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-3-フェニル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン
(E)-2-(2-((5-シクロプロピル-4-オキソ-3-フェニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.80 g, 3.83 mmol, 1.0 eq)をEtOH(18 mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(85%, 0.34 g, 5.74 mmol, 1.5 eq)を入れ、還流させながら1時間反応させる。反応完了後、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、酢酸イソプロピル(30 mL)を入れ、加熱して30 min還流させ、室温まで冷却し、少量の固体が析出され、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、大量の固体が析出され、吸引濾過させ、ケークを少量の酢酸イソプロピルで洗浄し、濃縮させ、乾燥させて、製品(850 mg, 収率:65.4%)を得る。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.06-8.08 (m, 2H), 7.32-7.40 (m, 3H), 6.82-7.04 (d, J=84 Hz, 1H), 4.76-4.77 (d, 2H), 3.57-3.60 (t, 2H), 3.32 (brs, 2H), 3.12-3.13 (d, 2H), 2.98-3.02 (t, 2H), 2.60-2.67 (m, 1H), 0.74-0.79 (m, 2H), 0.66-0.72 (m, 2H).
分子式:C19H21FN4O 分子量:340.40 LC-MS(Pos, m/z)=341.12[M+H]+.
実施例45:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1-(3-フルオロフェニル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c] ピリジン-4-オン(化合物A46)塩酸塩の合成
工程1:中間体の(E)-(2-((5-シクロプロピル-1-(3-フルオロフェニル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチルの合成
(E)-(2-((1-ブロモ-5-シクロプロピル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(150 mg, 0.339 mmol, 1 eq)、m-フルオロフェニルボロン酸(72 mg, 0.509 mmol, 1.5 eq)を1,4-ジオキサン(5 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(118 mg, 0.848 mmol, 2.5 eq)の水溶液(1 mL)を入れ、窒素ガスの保護で、Pd(dppf)Cl2(28 mg, 0.0339 mmol, 0.1 eq)を入れる。滴下後、90℃で17 h反応させ、TLCにより反応完了と検出する。反応液をセライトで濾過させ、濾液に酢酸エチル(20 mL)を入れ、水(20 mL)と飽和食塩水(20 mL)の順で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させ、粗製品(190 mg)を得て、薄層クロマトグラフィーにより精製して(PE:EA=1:1)、製品(70 mg, 収率:45%)を得る。
工程2:化合物の(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-シクロプロピル-1-(3-フルオロフェニル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
(E)-(2-((5-シクロプロピル-1-(3-フルオロフェニル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)カルバミン酸t-ブチル(70 mg, 0.153 mmol, 1 eq)を塩化水素エタノール溶液(5 mL)に溶解させ、3 h攪拌し、LC-MSにより反応完了と検出する。濃縮させ、凍結乾燥させて、製品(28 mg, 収率:51%)を得る。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.32 (brs, 3H), 7.46-7.52 (m, 2H), 7.19-7.22 (m, 3H), 6.36-6.63 (d, 1H), 4.81 (s, 2H), 3.40-3.44 (t, 2H), 3.12-3.13 (m, 2H), 2.59-2.67 (m, 3H), 0.72-0.78 (m, 2H), 0.58-0.60 (m, 2H).
分子式:C20H21F2N3O 分子量:357.17 LC-MS(m/z)=358.12 [M+H]+.
実施例46:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(2-メトキシエチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A47)塩酸塩の合成
工程1:3-((2-メトキシエチル)アミノ)プロピオン酸エチルの合成
原料の2-メトキシエタン-1-アミン(10 g, 133.14 mmol, 1.0 eq)を無水エタノール(100 mL)に溶解させ、氷浴でアクリル酸エチル(11.32 g, 113.06 mmol, 0.85 eq)を緩やかに滴下し、滴下完了後、2 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。80℃で減圧濃縮させ、粗製品を得て、理論量で計算し、次の反応に利用する。
工程2:3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)(2-メトキシエチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-((2-メトキシエチル)アミノ)プロピオン酸エチル(133.14 mmol, 1.0 eq)をジクロロメタン(100 mL)に溶解させ、氷水で0℃まで降温し、マロン酸モノエチルカリウム塩(19.2 g, 133.14 mmol, 1.0 eq)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(26 g, 135.63 mmol, 1.2 eq)、4-ジメチルアミノピリジン(1.38 g, 11.32 mmol, 0.1 eq)とトリエチルアミン(17.2 g, 169.98 mmol, 1.5 eq)をその順で入れ、滴下完了後、室温まで昇温し、16時間反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。水(200 mL)を入れ、濃塩酸(20 mL)を滴下し、約pH=5となるまで調整し、分液し、水相をジクロロメタン(100 mL)で抽出し、有機相を合併し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)と水(100 mL)の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、黄色油状液体 (26.2 g, 2 工程の収率:80.3%)を得る。
工程3:1-(2-メトキシエチル)-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチルの合成
中間体の3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)(2-メトキシエチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(26.2 g, 90.55 mmol, 1.0 eq)を無水エタノール(100 mL)に溶解させ、ナトリウムエトキシド(15.4 g, 226.38 mmol, 2.5 eq)を入れ、80℃で1 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させて、製品を得る。
工程4:1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-(2-メトキシエチル)-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチル(90.55 mmol, 1.0 eq)を水(50 mL)に溶解させ、濃塩酸(20 mL)を滴下し、80℃まで加熱し、3 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。室温まで冷却し、ジクロロメタン(100 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させ、製品を得て、理論量で次の反応に利用する。
工程5:3-((ジメチルアミノ)メチレン)-1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-2,4-ジオン(90.55 mmol, 1.0 eq)にN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(11.8 g, 99.60 mmol, 1.1 eq)を滴下し、激しく放熱し、滴下後、室温で1 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させ、製品を得て、理論量で次の反応に利用する。
工程6:5-(2-メトキシエチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の3-((ジメチルアミノ)メチレン)-1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-2,4-ジオン(20.4 g, 90.55 mmol, 1.0 eq)と質量パーセント80%ヒドラジン水和物(6.23 g, 99.60 mmol, 1.1 eq)をメタノール(20 mL)に溶解させ、70℃まで昇温し、0.5 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=100:1-60:1)、製品(10.6 g, 4工程の収率:60.2%)を得る。
工程7:(E)-2-(3-フルオロ-2-((5-(2-メトキシエチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の5-(2-メトキシエチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(5.0 g, 25.61 mmol, 1.0 eq)、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(8.4 g, 28.17 mmol, 1.1 eq)、無水炭酸カリウム (3.9 g, 28.17 mmol, 1.1 eq)とテトラブチルアンモニウムブロミド(825.6 mg, 2.56 mmol, 0.1 eq)を無水エタノール(50 mL)に入れ、室温で20 h攪拌する。TLCにより少量の原料残留と検出したら、濾過させ、ケークを酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧濃縮させ、酢酸エチル(50 mL)を入れ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品(11 g)を得て、一部の粗製品(2 g)を取り、薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=60:1)、製品(907 mg)を得る。
工程8:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(2-メトキシエチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-2-(3-フルオロ-2-((5-(2-メトキシエチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオン(900 mg, 2.18 mmol, 1.0 eq)をエタノール(10 mL)に溶解させ、加熱して溶解させ、質量パーセント85%ヒドラジン水和物(128.3 mg, 3.27 mmol, 1.5 eq)を入れ、80℃で3 h反応させる。TLCにより少量の原料残留と検出したら、室温まで降温し、吸引濾過させ、ケークをジクロロメタンで洗浄し、濾液を濃縮させ、ジクロロメタン(10 mL)を入れてパルプ化させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=10:1)、製品(338 mg)を得て、ジクロロメタン(5 mL)を入れ、質量パーセント20%塩化水素エタノール溶液(218 mg)を滴下し、10 min攪拌し、減圧濃縮させて、製品(317 mg, 収率:45.6%)を得る。
1HNMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 8.34 (s, 3H), 8.10 (s, 1H), 7.40 (s, 0.5H), 7.13 (s, 0.5H), 4.90-4.89 (d, 2H), 3.62-3.54 (m, 4H), 3.48-3.45 (m, 2H), 3.39 (m, 2H), 3.25 (s, 3H), 2.84-2.79 (m, 2H).
分子式:C13H20 ClFN4O2 分子量:318.78 LC-MS(Pos, m/z)=283.07 [M+H]+.
実施例47:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(シクロプロピルメチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A48)塩酸塩の合成
工程1:3-((シクロプロピルメチル)アミノ)プロピオン酸エチルの合成
原料のシクロプロピルメチルアミン(10 g, 99.88 mmol, 1.0 eq)をエタノール(30 mL)に溶解させ、氷浴でアクリル酸エチル(12.67 g, 89.89 mmol, 0.9 eq)を緩やかに滴下し、滴下完了後、室温で16 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させて、製品(15.39 g, 収率:100%)を得る。
工程2:3-((シクロプロピルメチル)(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-((シクロプロピルメチル)アミノ)プロピオン酸エチル(15.39 g, 89.89 mmol, 1.0 eq)、マロン酸モノエチルカリウム塩(18.36 g, 107.87 mmol, 1.2 eq)、4-ジメチルアミノピリジン(2.2 g, 17.98 mmol, 0.2 eq)とトリエチルアミン(11.83 g, 116.83 mmol, 1.3 eq)をジクロロメタン(150 mL)に溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(20.68 g, 107.87 mmol, 1.2 eq)を数回に分けて入れ、23時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。水(100 mL)と塩酸(50 mL)を入れ、分液し、水相をジクロロメタン(200 mL)で抽出し、有機相を合併し、減圧濃縮させて、製品(21 g, 収率:81.8%)を得る。
工程3:1-(シクロプロピルメチル)-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチルの合成
中間体の3-((シクロプロピルメチル)(3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(21 g, 73.59 mmol, 1.0 eq)とナトリウムt-ブトキシド(8.49 g, 88.3 mmol, 1.2 eq)をエタノール(100 mL)に溶解させ、80℃で20 min反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させて、製品(17.6 g, 収率:100%)を得る。
工程4:1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-(シクロプロピルメチル)-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボン酸エチル(17.6 g, 73.59 mmol, 1.0 eq)を塩酸(10 mL)と水(100 mL)に溶解させ、80℃で3 h反応させ、LC-MSにより反応完了と検出する。室温まで冷却し、飽和するまで塩化ナトリウムの固体を入れ、ジクロロメタン(100 mL×3)で抽出し、有機相を乾燥させ、濃縮させて、製品(11 g, 収率:89%)を得る。
工程5:1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-2,4-ジオン(11 g, 65.78 mmol, 1.0 eq)をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(8.62 g, 72.36 mmol, 1.1 eq)に溶解させ、室温で40 min反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させて、製品(15.08 g, 収率:100%)を得る。
工程6:5-(シクロプロピルメチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の(E)-1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチレン)ピペリジン-2,4-ジオン(15.08 g, 65.78 mmol, 1.0 eq)とヒドラジン水和物(4.26 g, 72.36 mmol, 1.1 eq)をイソプロパノール(100 mL)に溶解させ、80℃で30 min反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:40)、製品(8.2 g, 収率:65%)を得る。
工程7:(E)-2-(2-((5-(シクロプロピルメチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の5-(シクロプロピルメチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(4.2 g, 21.96 mmol, 1.0 eq)、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(7.18 g, 24.16 mmol, 1.1 eq)、炭酸カリウム(3.34 g, 24.16 mmol, 1.1 eq)とテトラブチルアンモニウムブロミド(709 mg, 2.2 mmol, 0.1 eq)を無水エタノール(30 mL)に入れ、15時間反応させ、TLCにより反応完了と検出する。減圧濃縮させ、エタノールを除去し、DCM(50mL)を入れ、30 min攪拌し、吸引濾過させ、母液を減圧濃縮させ、黄色油滴の粗製品8.0 gを得て、2.0 g粗製品を取り、薄層クロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:20)、製品(1.3 g, 収率:56%)を得る。
工程8:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(シクロプロピルメチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-2-(2-((5-(シクロプロピルメチル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(1.3 g, 3.18 mmol, 1.0 eq)、ヒドラジン水和物(281 mg, 4.77 mmol, 1.5 eq)をEtOH (20 mL)に溶解させ、80℃で1 h反応させる。LC-MSにより反応完了と検出したら、室温まで冷却し、吸引濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を酢酸イソプロピルで溶解させ、30 min攪拌し、吸引濾過させ、氷浴で濾液に塩化水素エタノール溶液を入れ、濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(MeOH:DCM=1:15)、製品(800 mg, 収率:80%)を得る。
1HNMR (300MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 8.47 (s, 3H), 8.28 (s, 1H), 7.40 (s, 0.5H), 7.13 (s, 0.5H), 4.93-4.94 (d, 2H), 3.61-3.65 (m, 2H), 3.33-3.34 (d, 2H), 3.27-3.29 (d, 2H), 2.82-2.86 (m, 2H), 0.96-1.00 (m, 1H), 0.40-0.50 (m, 2H), 0.20-0.30 (m, 2H).
分子式:C14H20ClFN4O 分子量:314.79 LC-MS(Pos, m/z)=279.11[M+H]+.
実施例48:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(t-ペンチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(化合物A49)塩酸塩の合成
工程1:3-(t-ペンチルアミノ)プロピオン酸エチルの合成
原料の2-メチルブチル-2-アミン(7.44 g, 85.35 mmol, 1.0 eq)を無水エタノール(75 mL)に溶解させ、氷浴でアクリル酸エチル(7.26 g, 72.54 mmol, 0.85 eq)を緩やかに滴下し、滴下完了後、自然に室温まで昇温し、9 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。80℃で減圧濃縮させ、製品を得て、理論量で次の反応に利用する。
工程2:3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)(t-ペンチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-(t-ペンチルアミノ)プロピオン酸エチル(85.35 mmol, 1.0 eq)をジクロロメタン(150 mL)に溶解させ、マロン酸モノエチルカリウム塩(14.5 g, 85.35 mmol, 1.0 eq)、トリエチルアミン(12.9 g, 128 mmol, 1.5 eq)と4-ジメチルアミノピリジン(1 g, 8.53 mmol, 0.1 eq)をその順で入れ、氷水で0℃まで降温し、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(19.6 g, 102.42 mmol, 1.2 eq)を入れ、滴下後、自然に室温まで昇温し、15時間反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。水(100 mL)を入れ、氷水で降温し、質量パーセント濃塩酸(20 mL)を滴下し、約pH=4-5となるまで調整し、分液し、水相をジクロロメタン(100 mL)で抽出し、有機相を合併し、水(100 mL)を入れ、炭酸ナトリウムを入れて、pH値が約8-9となるまで調整し、分液し、有機相を水(100 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させて、製品(14.5 g, 2工程の収率:56.4%)を得る。
工程3:3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)(t-ペンチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチルの合成
中間体の3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)(2-メトキシエチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(14.5 g, 48.11 mmol, 1.0 eq)を無水エタノール(100 mL)に溶解させ、ナトリウムエトキシド (8.2 g, 120.2 mmol, 2.5 eq)を入れ、80℃で1 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させ、製品を得て、理論量で次の反応に利用する。
工程4:1-(t-ペンチル)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)(t-ペンチル)アミノ)-3-オキソプロピオン酸エチル(48.11 mmol, 1.0 eq)を水(100 mL)に溶解させ、質量パーセント濃塩酸(10 mL)を滴下し、80℃で3 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。0℃まで冷却し、ジクロロメタン(100 mL×3)で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過させ、濾液を濃縮させて、製品(8.4 g, 2工程の収率:95.5%)を得る。
工程5:3-((ジメチルアミノ)メチレン)-1-(t-ペンチル)ピペリジン-2,4-ジオンの合成
中間体の1-(t-ペンチル)ピペリジン-2,4-ジオン(8.4 g, 45.84 mmol, 1.0 eq)にN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(6.0 g, 50.42 mmol, 1.1 eq)を滴下し、激しく放熱し、滴下後、室温で1 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させ、製品を得て、理論量で次の反応に利用する。
工程6:5-(t-ペンチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オンの合成
中間体の(E)-3-((ジメチルアミノ)メチレン)-1-(t-ペンチル)ピペリジン-2,4-ジオン(45.84 mmol, 1.0 eq)と質量パーセント80%ヒドラジン水和物(3.15 g, 50.42 mmol, 1.1 eq)をイソプロパノール(100 mL)に溶解させ、加熱して還流させながら0.5 h反応させ、TLCにより原料残留無しと検出する。減圧濃縮させ、粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=100:1-50:1)、製品(4.29 g, 2工程の収率:45.2%)を得る。
工程7:(E)-2-(3-フルオロ-2-((4-オキソ-5-(t-ペンチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオンの合成
中間体の5-(t-ペンチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン(2.0 g, 9.65 mmol, 1.0 eq)、(E)-2-(2-(ブロモメチル)-3-フルオロアリル)イソインドリン-1,3-ジオン(3.16 g, 10.61 mmol, 1.1 eq)、無水炭酸カリウム (1.46 g, 10.61 mmol, 1.1 eq)とテトラブチルアンモニウムブロミド(341.7 mg, 1.06 mmol, 0.1 eq)を無水エタノール(20 mL)に入れ、室温で48 h攪拌する。TLCにより少量の原料残留と検出したら、濾過させ、ケークを酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧濃縮させ、粗製品(4.9 g)を得て、粗製品(2g)を取り、薄層クロマトグラフィーにより精製して(DCM:MeOH=60:1)、油状液体(821 mg)を得る。
工程8:(E)-2-(2-(アミノメチル)-3-フルオロアリル)-5-(t-ペンチル)-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-オン塩酸塩の合成
中間体の(E)-2-(3-フルオロ-2-((4-オキソ-5-(t-ペンチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-2-イル)メチル)アリル)イソインドリン-1,3-ジオン(821 mg, 1.93 mmol, 1.0 eq)をエタノール(10 mL)に溶解させ、質量パーセント85%ヒドラジン水和物(398.6 mg, 6.77 mmol, 3.5 eq)を入れ、80℃で1 h反応される。TLCにより原料残留無しと検出したら、室温まで降温し、吸引濾過させ、ケークをエタノールで洗浄し、濾液を濃縮させ、ジクロロメタン(10 mL)を入れてパルプ化させ、濾過させ、濾液を減圧濃縮させ、粗製品を薄層クロマトグラフィーにより精製し(DCM:MeOH=10:1)、製品(329 mg)を得て、製品をジクロロメタン(10 mL)に溶解させ、質量パーセント20%塩化水素エタノール溶液(200 mg)を滴下し、5 min攪拌し、減圧濃縮させて、製品(352 mg, 収率:61.9%)を得る。
1HNMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 8.38 (s, 3H), 8.17 (s, 1H), 7.40 (s, 0.5H), 7.13 (s, 0.5H), 4.89-4.88 (d, 2H), 3.54-3.50 (m, 2H), 3.36-3.35 (m, 2H), 2.76-2.71 (m, 2H), 1.94-1.87 (m, 2H), 1.38 (s, 6H), 0.79-0.74 (m, 3H).
分子式:C15H24 ClFN4O 分子量:330.83 LC-MS(Pos, m/z)=295.11 [M+H]+.
本発明にかかる下記生物実施例において、用量をエピソーム化合物に換算して表示する。
生物実施例1:酵素活性測定
試験物:表1に示される本発明にかかる化合物であり、実施例の方法で調製された
1. 化合物のrhVAP-1酵素に対する抑制活性
(1)計器消耗品と試薬
多機能マイクロプレートリーダー(MD, FlexStation3)、黒色不透明96ウェルプレート(Corning)、rhVAP-1(PeproTech)
(2)化合物濃度勾配溶液の調製
適量の化合物を取り、DMSOで10mMまで溶解させて保存する。実験前に適量の10 mM化合物母液を取り、DMSOで1 mM溶液まで希釈し、さらにDMSOで3倍の勾配希釈を行い、計10個の濃度勾配を調製して、さらにPBSで100倍の希釈を行い、10×系列濃度の化合物溶液を得る。
(3)酵素溶液の調製
適量のたんぱく質希釈液をrhVAP-1粉末に入れ、1 mg/mLの母液を得て保存する。実験前にPBSで希釈し、4×濃度の酵素溶液を得る。
(4)2×濃度の基質混合液の調製
適量のベンジルアミンを量り取り、PBSを入れて溶解させ、200 mMのベンジルアミン溶液を得て、2 mMのAmplex Red母液と500 U/mLのHRP母液を入れ、PBSで希釈して、2×濃度の基質混合液を得る。
(5)試験方法
まず、96ウェルプレートに10 μLの異なる濃度の化合物溶液、25 μLの 4×rhVAP-1酵素液及び15 μLの PBSを入れ、振とうして均一に混合させた後、37℃で30 minインキュベートする。さらにウェル毎に50 μLの 2×基質混合液を入れ、マイクロプレートリーダーで早速測定し、励起光565 nm、放射光590 nmについて、各ウェルの蛍光強度を5 min/回、計25 minで測定して、阻害率を下記式で算出する。
V(RFU/min)=(Ft(RFU)-F0(RFU))/(時間(min))
阻害率(%)=100%-Vcmpd(RFU/min)/Vmax(RFU/min)×100%
V:蛍光変化速度;Ft:t時点の蛍光読み取り値;F0:初期蛍光読み取り値;時間:持続時間t;Vcmpd:受検化合物蛍光変化速度;Vmax:Maxウェル蛍光変化速度。
(6)用量反応曲線のフィッティング
濃度のlog値をX軸とし、阻害率のパーセンテージをY軸とし、解析ソフトGraphPad Prism 5のlog(inhibitor)vs. response -Variable slopeを利用して用量反応曲線をフィッティングし、各化合物の酵素活性に対するIC50値を得る。
2. 化合物のrhAOC1酵素に対する選択性
(1)計器消耗品と試薬
マイクロプレートリーダー(Perkin Elmer, Nivo 5S)、黒色不透明96ウェルプレート(Corning)及びrhAOC1(R&D)
(2)化合物濃度勾配溶液の調製
適量の化合物を取り、DMSOで10 mMまで溶解させて保存する。実験前に適量の10 mM化合物母液を取り、DMSOで3倍の勾配希釈を行い、計10個の濃度勾配を調製する。さらに各濃度勾配をそれぞれ0.1 MのPBSで10倍の希釈を行う。
(3)酵素溶液の調製
適量の濃度0.441 mg/mLのrhAOC1母液を取り、適量の50 mMのHEPES緩衝液を入れ、希釈して、4×濃度の酵素溶液を得る。
(4)2×濃度の基質混合液の調製
適量のヒスタミンを量り取り、50 mMのHEPES緩衝液を入れて溶解させ、20 mMのヒスタミン溶液を得る。2 mMのAmplex Red母液と500 U/mLのHRP母液を入れ、50 mMのHEPES緩衝液で希釈して、2×濃度の基質混合液を得る。
(5)試験方法
まず、96ウェルプレートに10 μLの異なる濃度の化合物溶液、25 μLの4×rhAOC1酵素液及び15 μLの50mM HEPES緩衝液を入れ、振とうして均一に混合させた後、37℃で30 minインキュベートする。さらにウェル毎に50 μLの2×基質混合液を入れ、マイクロプレートリーダーで早速測定し、励起光580 nm(20 nm)、放射光620 nm(10 nm)について、各ウェルの蛍光強度を5 min/回、計30 minで測定して、阻害率を下記式で算出する。
V(RFU/min)=(Ft(RFU)-F0(RFU))/(時間(min))
阻害率(%)=100%-Vcmpd(RFU/min)/Vmax(RFU/min)×100%
V:蛍光変化速度;Ft:t時点の蛍光読み取り値;F0:初期蛍光読み取り値;時間:持続時間t;Vcmpd:受検化合物蛍光変化速度;Vmax:Maxウェル蛍光変化速度。
(6)用量反応曲線のフィッティング
濃度のlog値をX軸とし、阻害率のパーセンテージをY軸とし、解析ソフトGraphPad Prism 5のlog(inhibitor)vs. response -Variable slopeを利用して用量反応曲線をフィッティングし、各化合物の酵素活性に対するIC50値を得る。
3. 試験結果が表1に示される。
上記表によれば、本発明にかかる化合物は、rhAOC1酵素よりもrhVAP-1酵素に対して優れた選択性抑制効果を示している。これにより、本発明にかかる化合物は、VAP-1酵素の発現上昇又は活性増強の関連疾患の予防及び/又は治療に適用できるとともに、VAP-1酵素に対して優れた選択性を有するため、rhAOC1酵素が抑制されることによって副作用が発生しない。
生物実施例2:酵素活性測定
試験物:表2に示される本発明にかかる化合物であり、実施例の方法で調製された
1. 化合物のrhVAP-1酵素に対する抑制活性
(1)計器消耗品と試薬
マイクロプレートリーダー(Perkin Elmer, Nivo 5S)、黒色不透明96ウェルプレート(Corning)、rhVAP-1(PeproTech)
(2)化合物濃度勾配溶液の調製
適量の化合物を取り、DMSOで10 mMまで溶解させて保存する。実験前に適量の10 mMの化合物母液を取り、DMSOで3倍の勾配希釈を行い、計10個の濃度勾配を調製する。さらに各濃度勾配をそれぞれ0.1 MのPBSで100倍の希釈を行う。
(3)酵素溶液の調製
適量のたんぱく質希釈液をrhVAP-1粉末に入れ、1 mg/mLの母液を得て保存する。実験前にPBSで希釈し、4×濃度の酵素溶液を得る。
(4)2×濃度の基質混合液の調製
適量のベンジルアミンを量り取り、PBSを入れて溶解させ、200 mMのベンジルアミン溶液を得て、2 mMのAmplex Red母液と500 U/mLのHRP母液を入れ、PBSで希釈して、2×濃度の基質混合液を得る。
(5)試験方法
まず、96ウェルプレートに10 μLの異なる濃度の化合物溶液、25 μLの 4×rhVAP-1酵素液及び15 μLの PBSを入れ、振とうして均一に混合させた後、37℃で30 minインキュベートする。さらにウェル毎に50 μLの2×基質混合液を入れ、マイクロプレートリーダーで早速測定し、励起光580 nm(20 nm)、放射光620 nm(10 nm)について、5 min/回、計30 minで測定して、阻害率を下記式で算出する。
V(RFU/min)=(Ft(RFU)-F0(RFU))/(時間(min))
阻害率(%)=100%-Vcmpd(RFU/min)/Vmax(RFU/min)×100%
V:蛍光変化速度;Ft:t時点の蛍光読み取り値;F0:初期蛍光読み取り値;時間:持続時間t;Vcmpd:受検化合物蛍光変化速度;Vmax:Maxウェル蛍光変化速度。
(6)用量反応曲線のフィッティング
濃度のlog値をX軸とし、阻害率のパーセンテージをY軸とし、解析ソフトGraphPad Prism 5のlog(inhibitor)vs. response -Variable slopeを利用して用量反応曲線をフィッティングし、各化合物の酵素活性に対するIC50値を得る。
2. 化合物のrhAOC1酵素に対する選択性
(1)計器消耗品と試薬
マイクロプレートリーダー(Perkin Elmer, Nivo 5S)、黒色不透明96ウェルプレート(Corning)及びrhAOC1(R&D)
(2)化合物濃度勾配溶液の調製
適量の化合物を取り、DMSOで10 mMまで溶解させて保存する。実験前に適量の10 mM化合物母液を取り、DMSOで3倍の勾配希釈を行い、計10個の濃度勾配を調製する。さらに各濃度勾配をそれぞれ0.1 MのPBSで10倍の希釈を行う。
(3)酵素溶液の調製
適量の濃度0.441 mg/mLのrhAOC1母液を取り、適量の50 mMのHEPES緩衝液を入れ、希釈して、4×濃度の酵素溶液を得る。
(4)2×濃度の基質混合液の調製
適量のヒスタミンを量り取り、50 mMのHEPES緩衝液を入れて溶解させ、20 mMのヒスタミン溶液を得る。2 mMのAmplex Red母液と500 U/mLのHRP母液を入れ、50 mMのHEPES緩衝液で希釈して、2×濃度の基質混合液を得る。
(5)試験方法
まず、96ウェルプレートに10 μLの異なる濃度の化合物溶液、25 μLの4×rhAOC1酵素液及び15 μLの50 mM HEPES緩衝液を入れ、振とうして均一に混合させた後、37℃で30 minインキュベートする。さらにウェル毎に50 μLの2×基質混合液を入れ、マイクロプレートリーダーで早速測定し、励起光580 nm(20 nm)、放射光620 nm(10 nm)について、各ウェルの蛍光強度を5 min/回、計30 minで測定して、阻害率を下記式で算出する。
V(RFU/min)=(Ft(RFU)-F0(RFU))/(時間(min))
阻害率(%)=100%-Vcmpd(RFU/min)/Vmax(RFU/min)×100%
V:蛍光変化速度;Ft:t時点の蛍光読み取り値;F0:初期蛍光読み取り値;時間:持続時間t;Vcmpd:受検化合物蛍光変化速度;Vmax:Maxウェル蛍光変化速度。
(6)用量反応曲線のフィッティング
濃度のlog値をX軸とし、阻害率のパーセンテージをY軸とし、解析ソフトGraphPad Prism 5のlog(inhibitor)vs. response -Variable slopeを利用して用量反応曲線をフィッティングし、各化合物の酵素活性に対するIC50値を得る。
3. 試験結果が表2に示される。
上記表によれば、本発明にかかる化合物は、rhAOC1酵素よりもrhVAP-1酵素に対して優れた選択性抑制効果を示している。これにより、本発明にかかる化合物は、VAP-1酵素の発現上昇又は活性増強の関連疾患の予防及び/又は治療に適用できるとともに、VAP-1酵素に対して優れた選択性を有するため、rhAOC1酵素が抑制されることによって副作用が発生しない。
生物実施例3 本発明にかかる化合物のMAO-A/B酵素に対する選択性
(1)計器消耗品と試薬
マイクロプレートリーダー(Perkin Elmer, EnVision)、384ウェルプレート(Perkin Elmer)、遠心分離機(Eppendorf)、MAO-GloTM (Promega)、MAO-A(Active Motif)及びMAO-B(Active Motif)。
(2)化合物濃度勾配溶液の調製
適量の化合物を取り、DMSOで10mMまで溶解させて保存する。さらにDMSOで4倍の勾配希釈を行い、計6個の濃度勾配を調製する。
(3)酵素溶液の調製
MAO-A/Bの実験緩衝液でMAO-A/B母液を2×濃度の酵素溶液に希釈する。
(4)2×濃度の基質混合液の調製
MAO-A/Bの実験緩衝液でMAO-A/B基質混合液母液を2×濃度の基質混合液に希釈する。
(5)試験方法
384ウェルプレートに200 nLの異なる濃度の化合物溶液又は溶剤、10 μLの2×MAO-A/B酵素液を入れ、1000 rpmで60 s遠心分離し、振とうして均一に混合させた後、室温で15 minインキュベートする。さらにウェル毎に10 μLの2×基質混合液を入れ、反応を開始する。384ウェルプレートを1000rpmで60s遠心分離し、振とうして均一に混合させた後、室温で60 minインキュベートする。20μLの測定中止液を入れて反応を中止し、1000 rpmで60 s遠心分離し、振とうして均一に混合させる。30 min静置した後、マイクロプレートリーダーで数値を読取る。
阻害率は例えば以下の式で計算した:
阻害率(%)=(Signal_Max-Signal_sample)/(Signal_Max-Signal_min)×100
(6)用量反応曲線のフィッティング
濃度のlog値をX軸とし、阻害率のパーセンテージをY軸とし、解析ソフトGraphPad Prism 5のlog(inhibitor)vs. response -Variable slopeを利用して用量反応曲線をフィッティングし、各化合物の酵素活性に対するIC50値を得る。
3. 試験結果が表3に示される。
上記表3によれば、本発明にかかる化合物は、rhVAP-1酵素に対して優れた抑制活性を有するとともに、モノアミン酸化酵素(MAO)よりもrhVAP-1酵素に対して優れた選択性抑制効果を示している。上記表1、2、3によれば、本発明にかかる化合物は、SSAO/VAP-1酵素の関連疾患の治療及び/又は予防において、rhAOC1酵素、MAO酵素が抑制されることによって副作用が発生しない。
生物実施例4 本発明にかかる化合物のラット血液脳関門評価
(1)動物に対する投与及びサンプリング方法
実験用化合物A1、化合物A41、PXS-4728を生理食塩水で溶解させて溶液剤を調製する。得られた溶液剤をそれぞれ10 mg/kgの用量でSDラットに対して胃内投与を行う。血液及び脳組織のサンプリング時点は0.0167 h、1 h、6 hである。各時点で3匹のSDラットを使用する。
(2)サンプリング
実験当日に動物を固定させ、各時点でそれぞれ頚静脈から0.15 mL採血して、全血サンプルをEDTA-K2が入った抗凝固チューブに入れる。血液サンプルを採取した後、動物に対して早速心筋灌流を行い、灌流完了後に脳組織のサンプルを採取する。
(3)サンプル処理
全血サンプルを1524 gの条件で10 min遠心分離し、血漿を分離して、上層の血漿サンプルをサンプル管に採取する。組織サンプルを量り、重量対体積比1:5(組織:ホモジェネート)の比率で20%メタノール水溶液を入れ、ホモジェネート処理を行う。生物サンプルを-40~-20℃の条件で解析用に保存する。
(4)サンプルの分析方法
血漿サンプル:冷蔵庫から測定用サンプルを取り出し、室温で自然に溶かしてから5 min旋回し、20 μLの血漿サンプルを1.5 mL遠心分離管に精確に吸い取る。100 μLの内部標準使用溶液(ベラパミル5 ng/mLとグリベンクラミド50 ng/mLのアセトニトリル溶液)を入れ、均一に混合させる。1 min旋回して、13000 rpmで8 min遠心分離する。40 μLの上澄液を予め水が160 μL/ウェルで入った96-ウェルプレートに精確に吸い取る。10 min旋回して均一に混合させ、LC-MS/MS測定分析を実施する。
脳組織サンプル:冷蔵庫から測定用サンプルを取り出し、室温で自然に溶かしてから5 min旋回し、50 μLの血漿サンプルを1.5 mL遠心分離管に精確に吸い取る。250 μLの内部標準使用溶液(ベラパミル 5 ng/mLとグリベンクラミド 50 ng/mLのアセトニトリル溶液)を入れ、均一に混合させる。1 min旋回して、13000 rpmで8 min遠心分離する。30 μLの上澄液を予め水が150 μL/ウェルで入った96-ウェルプレートに精確に吸い取る。10 min旋回して均一に混合させ、LC-MS/MS測定分析を実施する。
(5)データ処理方法
試験物の濃度はAB社のAnalyst 1.6.2で結果を出力する。Microsoft Excelで平均値、標準偏差、変異係数などのパラメータ(Analyst 1.6.2で直接に出力するものは算出しない)を算出する。
(6)結果が表4に示される。
上記表4によれば、本発明にかかる化合物A1、化合物A41は、時間が経過したにも関わらず、脳組織における濃度が非常に低く、測定極限値よりも低い。これにより、本発明にかかる化合物は、血液脳関門を通過しにくく、神経系に対する毒性リスクが非常に低い。
生物実施例5:化合物のラットPK評価
動物に対する投与及びサンプルの収集:
実験用化合物A1、A6、A32、A41、A42をそれぞれ生理食塩水で溶解させて溶液剤を調製する。化合物の溶液剤をそれぞれ5.0 mg/kgの用量でSDラットに対して胃内投与を行う。採血時点は15 min、30 min、1 hr、2 hr、4 hr、6 hr、8 hr、24 hrである。
実験用化合物A1、A6、A32、A41、A42をそれぞれ生理食塩水で溶解させて溶液剤を調製する。化合物の溶液剤をそれぞれ1.0 mg/kgの用量でSDラットに対して静脈注射投与を行う。採血時点は5 min、15 min、30 min、1 hr、2 hr、4 hr、6 hr、8 hr、24 hrである。
動物投与日の前日に頚静脈カテーテル挿入を行い、投与後に頚静脈から約300 μLの血液を採取して、EDTA-K2が入った抗凝固チューブに入れる。血液採取後の30 min内に調製し、4℃の条件で8000 rpmで6 min遠心分離して血漿サンプルを得る。血漿測定前に-80℃の冷蔵庫に保存する。
サンプルの分析方法:
1)-80℃の冷蔵庫から測定用サンプルを取り出し、室温で自然に溶かしてから5 min旋回する。
2)20 μLの血漿サンプルを1.5 mL遠心分離管に精確に吸い取る。
3)200 μLの濃度100 ng/mLの内部標準使用溶液(トルブタミドのメタノール溶液)を入れて、均一に混合させる。
4)5 min旋回した後、12000 rpmで5 min遠心分離する。
5)50 μLの上澄液を予め水が150 μL/ウェルで入った96-ウェルプレートに精確に吸い取る。
6)5 min旋回し均一に混合させて、LC-MS/MS測定分析を実施する。
データ処理方法:
試験物の濃度はAB社のAnalyst 1.6.3により結果を出力する。Microsoft Excelで平均値、標準偏差、変異係数などのパラメータ(Analyst 1.6.3で直接に出力するものは算出しない)を算出し、Pharsight Phoenix 6.1ソフトウェアNCAでPKパラメータを算出した(Tmaxは中央値である)。
結果:
表5の結果によれば、本発明にかかる化合物は、比較的に低いクリアランスと優れた経口投与の絶対的バイオアベイラビリティを有するため、優れた薬物動態学の性質を有する。
本発明にかかるハロゲン化アリルアミン系化合物は、SSAO/VAP-1たんぱく質に関連する又はSSAO/VAP-1たんぱく質に誘発される疾患の予防及び/又は治療に適用できる。また、本発明にかかる化合物は、rhAOC1酵素及び MAO酵素よりもVAP-1酵素に対して優れた選択性抑制効果を示しており、その他の副作用を引き起こしにくい。また、本発明にかかる化合物は、既存の医薬品よりも血液脳関門を通過しにくいため、神経系に対する毒性リスクが非常に低く、即ち、本発明にかかる化合物は優れた安全性を示している。