JP2022516954A - 有機金属化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I):[(アレーン)RuXL]式(I)のルテニウム錯体に関し、ルテニウムは、次の配位子、すなわち、(アレーン)(アレーンであって、任意に置換されていてもよい)、X(H又はC1~C8炭化水素基)、及びL(R2N-CR1=NR3)を含み、式中、R1は、H、任意に置換されていてもよいC1~C8炭化水素基、及び-NR4R5から選択され、R4及びR5は、H及び任意に置換されていてもよいC1~C8炭化水素基から互いに独立して選択され、R2及びR3は、任意に置換されていてもよいC1~C8炭化水素基から互いに独立して選択され、R2及びR3は同一であるか又は互いに異なっており、R1はR2に直接結合されてもよく、R1はR3に直接結合されてもよく、及び/又はR2はR3に直接結合されてもよい。

Description

本発明は、式(I)によって記載されるルテニウム錯体に関する。本発明は更に、CVDプロセス及びALDプロセスにおいてルテニウムを堆積させるためのかかるルテニウム錯体の製造方法及びその使用に関する。本発明は更に、かかるルテニウム錯体がルテニウム層を生成するための前駆体として使用される方法に関する。本発明はなお更に、気相から表面上にルテニウムを堆積させることによって得られるルテニウムめっき表面に関し、このとき気相はかかるルテニウム錯体を含む。
従来技術
化学蒸着(CVD)プロセス及び原子層堆積(ALD)プロセスは、基材をコーティングするために使用される。所望の材料は、気相から基材の表面上に堆積される。気相中では、所望の材料は、典型的には、簡潔に前駆体(precursor)とも呼ばれる前駆体化学物質の形態で存在する。堆積される材料に応じて、異なる前駆体が使用される。
従来技術では、例えば、金属錯体は、一般に金属の前駆体として使用される。欧州特許第3 026 055(A1)号は、例えば、様々な金属のNアミノグアニジナート錯体について記載しており、これらはとりわけ、例えばCVDによる薄層の製造に使用される。独国特許出願公開第10 2011 012 515(A1)号は、CVDなどの気相薄膜プロセスにおいて同様に使用される、Nアミノアミジナート配位子を有する金属錯体について記載している。
ルテニウム錯体は、とりわけ、従来技術でルテニウムの前駆体として使用される。金属アミジナートを使用した金属フィルムの形成に関連して、米国特許第7,737,290(B2)号は、トリス(N,N’-ジイソプロピルアセトアミジナート)ルテニウムの合成を開示している。欧州特許第1 884 517(A1)号は、CVD及びALDプロセスの前駆体として好適であると考えられる有機金属化合物に関する。欧州特許第1 884 517(登録商標)A1)号の理論的な例は、(1-ジメチルアミノ)アリル(η-p-シメン)ルテニウムジイソプロピルアセトアミジナートの調製について記載している。ここに記載されている前駆体は、[(p-シメン)RuCl(N,N’-ビス-イソ-プロピルアミノアセトアミナート)]の理論的調製物である。
気相薄膜プロセスにおけるルテニウムの前駆体としてのルテニウム錯体の更なる例は、[(メチルシクロペンタジエニル)Ru]、[(ジメチルペンタジエニル)Ru]及び[(アレーン)Ru(1,4-ジアザ-1,3-ブタジエン)]である。
従来技術で使用されるルテニウムの前駆体の一部は、依然として改善を必要とする。これらの前駆体の一部は、薄層の製造において、合成容易性が低い、分解温度が非常に高い、並びに、炭素及び他の不純物の取り込み率が非常に高いなどの欠点を有する。更に、先行技術で使用されるルテニウムの前駆体の一部は、これらの前駆体の弱結合配位子のみが優先して脱離するため、ALDプロセスには不適切である。一部の前駆体の更なる欠点は、揮発性が高く、かつ/又は室温で液体ではないことである。
工業用途では、可能な限り少ない工程が、ルテニウムの前駆体の合成における所望の生成物につながることもまた、特に興味深い。また、苛酷な反応条件を回避する必要がある。更に、前駆体は、最適化され、可能な限り高い収率で得られるべきである。前駆体が室温で長期間安定している場合、特に有利である。加えて、前駆体はまた、例えば、いわゆるバブラーなどのCVD又はALDプロセス用の貯蔵容器を、蒸気圧を上昇させるために最大100℃の温度まで加熱することに容易に耐えなくてはならない。しかしながら、更なる高温では、前駆体は、典型的なCVD又はALDプロセスの条件下で、特に高温下で、発熱的に分解されなくてはならない。
独国特許出願公開第10 2011 012 515(A1)号 欧州特許第1 884 517(A1)号
発明の目的
本発明の目的は、上記の欠点を少なくとも部分的に又は可能であれば完全に克服するルテニウム錯体を提供することである。
本発明の更なる目的は、上記の望ましい特性を有するルテニウム錯体を提供することである。ルテニウム錯体は、高い揮発性を有し、室温で可能な限り液体であり、更に高温で安定であるべきであるが、分解温度が高すぎてはならない。
本発明の目的はまた、特に少ない工程による合成を介して、ルテニウム錯体の良好な合成容易性を確実にすることである。別の目的は、あらゆる苛酷な反応条件を必要とせず、可能な限り高い収率をもたらすルテニウム錯体の合成である。
発明の開示
驚くべきことに、本発明の目的は、本特許請求の範囲に記載のルテニウム錯体によって達成される。
本発明は、式(I)のルテニウム錯体に関する。
[(アレーン)RuXL] 式(I)
このルテニウム錯体は、次の配位子;
(アレーン) =任意に置換されていてもよいアレーン、
X =H又はC~C炭化水素ラジカル、及び
L =RN-CR=NR
を含み、
式中、
は、H、任意に置換されていてよいC~C炭化水素ラジカル、及び-NRから選択され、R及びRは、H及び任意に置換されていてよいC~C炭化水素ラジカルから互いに独立して選択され、
及びRは、任意に置換されていてよいC~C炭化水素ラジカルから互いに独立して選択され、R及びRは同じであっても互いに異なっていてもよく、
はRに、RはRに、及び/又は、RはRに、直接結合されていてもよい。
式(I)のルテニウム錯体は、揮発性であってもよく、室温で液体であってもよい。式(I)のルテニウム錯体は、更に高温で安定であってもよく、高すぎる分解温度を呈さない。式(I)のルテニウム錯体は、穏やかな条件下で少ない工程で高収率を示し得る。
式(I)のルテニウム錯体は中性であり、これは、角括弧([])上に電荷表示がないことで表されている。
式(I)の錯体において、ルテニウム(Ru)は中心原子を形成し、(アレーン)、X及びLは錯体の配位子を形成する。
International Union of Pure and Applied Chemistryによると、アレーンは芳香族炭化水素を意味する。アレーンは、単環式及び多環式芳香族炭化水素の両方を含む。かかる芳香族炭化水素は、任意に置換されていてもよい。下記の一般的な反応スキームでは、配位子(アレーン)上の任意の置換基は、(Rによって示される。指数nは、好ましくは0、1、2、3、4、5又は6、より好ましくは0又は2、特に好ましくは2であってもよい。本発明によれば、Rは、炭化水素ラジカル、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基及びハロゲン、より好ましくは炭化水素ラジカルから選択される。
配位子Xは、ヒドリド配位子(H)又はC~C炭化水素ラジカル、好ましくはH又はC~C炭化水素ラジカル、更により好ましくはH又はC~C炭化水素ラジカルのいずれかである。
本発明の文脈において、炭化水素ラジカルは、通常どおり、炭素及び水素のみからなるラジカルを指す。本発明の文脈において、任意に置換されていてもよい炭化水素ラジカルは、置換基として炭素及び水素とは異なる原子(ヘテロ原子)を有し得るラジカルを指す。
本発明の文脈において、C~C炭化水素ラジカルは、1~8個の炭素原子を有する、すなわち1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を有する炭化水素ラジカルを指す。本発明の文脈において、C~C炭化水素ラジカルは、1~6個の炭素原子を有する、すなわち1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有する炭化水素ラジカルを指す。本発明の文脈において、C~C炭化水素ラジカルは、1~4個の炭素原子を有する、すなわち1、2、3又は4個の炭素原子を有する炭化水素ラジカルを指す。
本発明の文脈において、炭化水素ラジカルは、一般に、飽和又は不飽和であり得る炭化水素ラジカルを指す。飽和炭化水素ラジカルが好ましい。
本発明の文脈において、炭化水素ラジカルは、一般に、直鎖、分枝鎖、又は環状であり得る炭化水素ラジカルを指す。直鎖及び分枝鎖炭化水素ラジカルが好ましい。
Lと示される配位子は、構造RN-CR=NRによって形成される。形式的には、この構造は、一価の負電荷を有する。負電荷は、ラジカルR及びRを有する2つの窒素原子、並びにラジカルRを有する中央の炭素原子の間で非局在化されている。式(I)の錯体において、Lは、好ましくは電子供与体を形成する。
H及びC~C炭化水素ラジカルに加えて、Rはまた、ラジカル「-NR」、すなわちアミノ基であってもよい。アミノ基のR及びRは、互いに独立して、H又はC~C炭化水素ラジカルのいずれである。アミノ基「-NR」は、R及びRがHのとき、第一級アミノ基であり得る。アミノ基は、R及びRのうち1つのみがHの場合、第二級アミノ基であり得る。アミノ基は、R及びRがHでない場合、第三級アミノ基であり得る。本発明によれば、R及びRの両方がC~C炭化水素ラジカル、より好ましくは両方がC~C炭化水素ラジカル、更により好ましくは両方がC~C炭化水素ラジカルであることが好ましい。本発明によれば、R及びRの両方がメチル又はエチルであることが特に好ましく、両方がメチルであることがより好ましい。
構造RN-CR=NRは、環状基を有してもよい。例えば、RがRに直接結合されている場合、CR及びRNは共に、環状基の一部であってもよい。したがって、RがRに直接結合されている場合、CR及びNRは共に、環状基の一部であってもよい。最後に、RがRに直接結合されている場合、RN及びNRは共に、環状基の一部であってもよい。直接結合するとは、R、R、及びR以外の更なる原子又は基がそれぞれの結合に関与しないことを意味する。
本発明によれば、好ましくは、ルテニウム錯体中、
(アレーン) は、アレーン、又は、1~6個の同一若しくは異なるC~C炭化水素ラジカルで置換されたアレーンであり、
は、H、C~C炭化水素ラジカル、及び-NRから選択され、式中、R及びRは、H及びC~C炭化水素ラジカルから互いに独立して選択され、
及びR は、C~C炭化水素ラジカルから互いに独立して選択される。
好ましいルテニウム錯体では、C~C炭化水素ラジカルのいずれも置換されていない。これは、揮発性及び室温での流動性の改善をもたらし得る。
好ましいルテニウム錯体中の(アレーン)が置換アレーンである場合、置換基はC~C炭化水素ラジカル、より好ましくはC~C炭化水素ラジカル、更により好ましくはC~C炭化水素ラジカルである。これらの場合、アレーンは、好ましくは1~6個の置換基、すなわち1、2、3、4、5又は6個の置換基、より好ましくは2個の置換基を有する。
本発明によれば、配位子(アレーン)がベンゼノイド構造を有することが好ましい。3つの二重結合が単一の6員炭素環内に形式的に依然として存在する環状化学構造は、一般にベンゼノイド構造と呼ばれる。本発明の文脈において、ベンゼン、及び、1~6個のC~C炭化水素ラジカル、好ましくは1~6個のC~C炭化水素ラジカル、より好ましくは1~6個のC~C炭化水素ラジカルで置換されたベンゼンは、ベンゼノイド構造を有する。本発明によれば、配位子(アレーン)は、そのようなベンゼノイド構造を介して、すなわちベンゼノイド構造の非局在化π電子系を介してルテニウムに配位することが好ましい。錯体化合物について慣例的なハプト数命名法では、このような配位は、η配位と呼ばれる。
本発明によれば、Ruにηで配位したベンゼノイド構造を含むことが好ましい。この配位は、錯体の安定性の改善に寄与することができる。
本発明によれば、Lは、RNの窒素を介して、及びNRの窒素を介して、Ruに配位することが好ましい。この配位は、錯体の安定性の改善に寄与することができる。
本発明によれば、(アレーン)は、Ruにηで配位したベンゼノイド構造を同時に含み、Lは、RNの窒素を介して、及びNRの窒素を介して、Ruに配位することが好ましい。このような同時配位は、下記の一般的な反応スキームで示される。この同時配位は、錯体の安定性の改善に寄与することができる。
本発明によれば、好ましくは、ルテニウム錯体中、
(アレーン) は、ベンゼン、又は、1~6個のC~Cの同一又は異なる炭化水素ラジカルで置換されたベンゼンであり、
X は、H又はC~C炭化水素ラジカルであり、
は、H、メチル、エチル、-N(メチル)又は-N(エチル)であり、
、R は、それぞれ、C~C炭化水素基である。
かかるルテニウム錯体は、穏やかな条件下で少ない工程で調製することができる。
本発明によれば、一般式(I)のルテニウム錯体中の配位子(アレーン)は、炭化水素ラジカルで置換されたアレーン、特に、異なる炭化水素ラジカルで置換されたアレーンであることが好ましい。本発明によれば、(アレーン)は、2つの異なる炭化水素ラジカルで置換されることが好ましい。この理論に束縛されるものではないが、異なる炭化水素ラジカル、特に4-イソプロピルトルエンなどの2つの異なる炭化水素ラジカルによるアレーンの異なる置換、つまり非対称置換は、ルテニウム錯体の結晶化をより困難にすると想定される。したがって、アレーンの非対称置換は、本発明によるルテニウム錯体の室温での流動性に寄与することができる。
本発明によれば、(アレーン)は、ベンゼン及び1~6個のC~C炭化水素ラジカルで置換されたベンゼンから選択されることが好ましい。本発明によれば、(アレーン)は、ベンゼン及び1~6個のC~C炭化水素ラジカルで置換されたベンゼンから選択されることがより好ましい。本発明によれば、(アレーン)は、ベンゼン及び1~6個のC~C炭化水素ラジカルで置換されたベンゼンから選択されることが更により好ましい。本発明によれば、(アレーン)は、ベンゼン及び4-イソプロピルトルエンから選択されることが更に好ましい。4-イソプロピルトルエンは、p-シメン又はパラ-シメンとも呼ばれる。(アレーン)としてのベンゼン及び置換ベンゼン、特に4-イソプロピルトルエンは、本発明による安定なルテニウム錯体を得ることができる。
本発明によれば、配位子Xは、H及びC~C炭化水素ラジカル、より好ましくはH及びC~C炭化水素ラジカルから選択されることが好ましい。本発明によれば、配位子Xは、ヒドリド配位子(H)、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソプロピル(IPPr)及びtert-ブチル(tBu)から選択されることが特に好ましい。Xは、より好ましくは、H、メチル、及びエチルから選択される。好ましい実施形態では、XはHである。更なる好ましい実施形態では、Xはメチルである。更に別の好ましい実施形態では、Xはエチルである。配位子Xがより小さく、より軽くなると、対応するルテニウム錯体は、より揮発性が高く、室温でより容易に液体化であり得る。
本発明によると、配位子LのRは、メチル及び-N(メチル)から選択されることが好ましい。本発明では、ジメチルアミノ基-N(メチル)をNMeと称することもある。メチル及び-N(メチル)は、Rとして、配位子Lを合成的により容易にルテニウム錯体中間体に導入することに寄与し得る。
本発明によると、R及びRは、C~C炭化水素ラジカル、好ましくはC~C炭化水素ラジカル、より好ましくはC~C炭化水素ラジカルから互いに独立して選択される。炭化水素ラジカルは、例えば、アミノ基で任意に置換されてもよい。本発明によれば、RもRもアミノ基を含まないことが好ましい。これにより、より良好な揮発性及び室温での流動性がもたらされ得る。
本発明によると、R及びRは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、及びtert-ブチルから互いに独立して選択されることが好ましい。ラジカルR及びRがより小さく、より軽くなると、対応するルテニウム錯体は、より揮発性が高く、室温でより容易に液状となり得る。
本発明によれば、R及びRが同じであることが好ましい場合がある。本発明によれば、R及びRの両方がイソプロピルであることが特に好ましい場合がある。R及びRが同じである場合、特に両方がイソプロピルである場合、配位子Lは、ルテニウム錯体中間体中の金属オルガニルとしてより良好に導入され得る。
本発明によれば、R及びRが互いに異なっていることが好ましい場合があり、例えば、Rはエチルであり、Rは、tert-ブチルである。これにより、Lの非対称構造がもたらされる。Lの非対称構造は、室温でのルテニウム錯体の固化防止に寄与することができる。
本発明によれば、RがRに直接結合されず、RがRに直接結合されず、かつ、RがRに直接結合されない、すなわち、配位子Lが対応する環状基を有さないことが好ましい場合がある。これにより、本発明によるルテニウム錯体の合成に必要な工程の数を減らすことができる。
本発明によれば、R及びRが互いに直接結合されることが好ましい場合がある。本発明によれば、R及びRが互いに直接結合されることが好ましい場合がある。本発明によれば、R及びRが互いに直接結合されることが好ましい場合がある。本発明によれば、R及びR並びにR及びRの両方が互いに直接結合され、R及びR並びにR及びRの両方が互いに直接結合され、R及びR並びにR及びRの両方が互いに直接結合され、R及びR、R及びR並びにR及びRが互いに直接結合されることが好ましい場合がある。これにより、本発明によるルテニウム錯体の合成の可変性を増すことができる。
本発明によれば、ルテニウム錯体が標準条件下で液体であることが好ましい。標準条件は、25℃の温度及び1・10Paの絶対圧力である。凝集状態である「液体」には、油性稠度のルテニウム錯体が含まれる。標準条件下でのルテニウム錯体の流動性は、CVD及びALDプロセスにおけるルテニウム錯体の適合性を向上させることができる。
本発明によれば、ルテニウム錯体が固体として存在しないことが好ましい。本発明によれば、ルテニウム錯体は、1.013・10Paの絶対圧力で≦25℃、より好ましくは≦10℃、より好ましくは≦0℃の融点を有することが特に好ましい。このようなルテニウム錯体は、CVD及びALDプロセスにより好適であり得る。
本発明によるルテニウム錯体は、好ましくは、溶媒中での合成後、濾過及び/又は昇華によって分離することができない。本発明によれば、本発明によるルテニウム錯体は、凝縮(condensation)により単離可能であることが好ましい。本発明によれば、ルテニウム錯体は、凝縮により高真空(FV)で単離可能であることが特に好ましい。本発明の文脈において、高真空は、10~10Pa(0.001~0.1bar)の圧力範囲を含む。凝縮によって単離され得るルテニウム錯体は、CVD及びALDプロセスでの使用に好適であり得る。
本発明によれば、ルテニウム錯体は、100~200℃の範囲、より好ましくは100~150℃の範囲、又は150~200℃の範囲の温度で分解することが好ましい。これらの温度でのルテニウム錯体の分解は、CVD及びALDプロセスにおけるルテニウム錯体の適合性を向上させることができる。
本発明によれば、本発明によるルテニウム錯体の分解の開始は、熱分析により決定されることが好ましい。熱分析は、好ましくは熱重量分析(TGA)である。熱重量分析は、温度及び時間の関数としてサンプルの質量変化を測定する分析方法である。熱重量分析では、サンプルをるつぼ内で加熱する。るつぼのホルダーを、加熱プロセス中の質量変化を記録するスケールに連結する。加熱プロセス中に質量減少が生じる場合に、サンプルの崩壊が示され得る。
本発明によれば、1・10Pa(1bar)での熱重量分析(TGA)で測定される分解を伴わない蒸発による質量減少の開始温度は、分解点よりも少なくとも10~30℃低いことが好ましい。TGAは、典型的には、25℃~600℃又は25℃~700℃の温度範囲で行われる。TGA中の加熱速度は、典型的には10℃/分である。蒸発及び/又は分解によって引き起こされる質量減少は、好ましくは、TGAによって、及び同時示差熱分析(SDTA)によって追跡される。SDTAは、吸熱ピーク(例えば、融点、液相からの蒸発、融点未満での昇華)又は発熱ピーク(例えば、発熱分解反応)を使用して、熱流を決定する。質量の損失を伴わない吸熱ピークは、通常は融点に対応する。質量の損失を伴う吸熱ピークは、蒸発に対応する。質量の損失を伴う発熱ピークは、分解に対応する。これらのパラメータは、開始値によって実験的に決定することができる。特定されるのは、分析されるルテニウム錯体のサンプルの質量が3重量%減少する(3%減少)TGA/SDTAの温度である。本発明によれば、この1・10Paでのルテニウム錯体の3重量%の最初の質量減少の温度は、熱重量分析において80~200℃、より好ましくは80~150℃の範囲であることが好ましい。
本発明はまた、本発明によるルテニウム錯体の製造方法に関し、この方法は、
(i)式RN=C=NRの化合物を式Li-Rの化合物と反応させて、式Li(RN-CR=NR)の化合物を生成する工程と、
(ii)化合物Li(RN-CR=NR)を式[RuCl(アレーン)]の化合物と反応させて、式[(アレーン)RuCl(RN-CR=NR)]の化合物を生成する工程と、
(iii)化合物[(アレーン)RuCl(RN-CR=NR)]を化合物MXと反応させる工程であって、式中、M=金属であり、n=1、2、3又は4である、工程と、を含む。
本発明による方法では、工程(i)、(ii)及び(iii)は、示される順序で行われる。ここで、化合物Li(RN-CR=NR)をin situで形成し、式[RuCl(アレーン)]の化合物と直接反応させることが特に好ましい。換言すれば、化合物Li(RN-CR=NR)は、化合物[RuCl(アレーン)]との反応前に単離されない。
本発明によれば、MXは、LiAlH、MeLi又はEtMgBrから選択されることが好ましい。
本発明はまた、CVDプロセス又はALDプロセスにおいてルテニウムを堆積させるための、本発明によるルテニウム錯体の使用にも関する。
本発明はまた、ルテニウム層を製造するための前駆体として本発明のルテニウム錯体を用いる方法に関する。
本発明はまた、表面上に気相からルテニウムを堆積させることによって得られるルテニウムめっき表面にも関する。気相は、本発明によるルテニウム錯体を含む。
一般的合成スキーム
本発明によるルテニウム錯体の合成は、塩化ルテニウム化合物[(アレーン)RuClL]をそれぞれ合成し、その後Me、Etなどのアルキル基、又はヒドリド配位子HによってClを置換置換することによって実施することができる。
塩化物中間体の調製は、LiNMeなどの二級リチウムアミドを、カルボジイミドRN=C=NR(R、R=iPr、又は他の異なるアルキル基)に添加することによって、例えば、好ましくはin situで形成されるグアニジナートのリチウム塩から、その反応溶液を[RuCl(アレーン)]の種類の化合物と反応させることによる、ワンポット合成において達成される。アミジナートでは、リチウムオルガニル、LiR(好ましくはR=Me)を、カルボジイミドRN=C=NR(R、R=iPr又は他のアルキル基)に添加することによって、任意選択的にin situで形成されるアミジナートのリチウム塩から、その反応溶液を[RuCl(アレーン)]の種類の化合物と反応させることによる、ワンポット合成において達成される。その後のClの置換は、例えば、LiAlH、MeLi又はEtMgBrとの反応によって、合成に関する大巾合な試行錯誤なしに達成される。塩化物中間体の単離を必要としない、[RuCl(アレーン)]を出発材料とするワンポット合成は、全てが既知の内容物の反応物質の溶液を使用する場合に可能である。
本発明によるルテニウム錯体の可能な合成経路を、以下の一般的な反応スキームに要約する。
Figure 2022516954000001
反応スキームにおいて、ラジカルR、R、R及びRは、本明細書に記載される通りである。
このスキーム中の反応工程は、エーテル、好ましくはジエチルエーテル(EtO)又はテトラヒドロフラン(THF)中で、任意選択的に、更にヘキサン又はトルエンなどの炭化水素(HC)との混合物中で、それぞれの場合において0℃で行うことができる。溶媒を除去した後、塩化物錯体を減圧下でnヘキサンによって抽出し、昇華させることによってより純粋な形態で得ることができる。しかし、中間体の分離は必須ではなく、これは溶媒の変更も最後の工程に必須ではないためである。
ルテニウムに配位した塩化物配位子の代表的な置換反応は、エチル基を導入するためのグリニャール試薬、メチル基を導入するためのMeLi、及び水素化物を導入するためのLiAlHによって進行する。水酸化物標的化合物の調製のためのRed-Al(登録商標)(Na[HAl(OCHCHOMe)])、LiBH及びLi[HBEt]の使用も考えられる。塩化物配位子の置換は、有利には、0℃で実施され、処理(例えば、nヘキサンでの抽出、CELITE(登録商標)による濾過)、溶媒の蒸発、及び任意選択的な凝縮による精製の後、典型的には、帯黄色の揮発性油が得られる。
本発明による錯体の用途
本発明によるルテニウム錯体は、ルテニウム又はルテニウム層の前駆体として使用される。これらは、具体的には、CVD及びALDなどの気相薄膜法によるルテニウムからの薄層の製造に使用することができる。
化学蒸着法(CVD)は、基材の表面又はその付近で一般的に起こる気相反応である。反応に関与する反応物質又は前駆体は、気体の形態でコーティングされることとなる基材に供給される。基材は、反応チャンバ内に配置され、加熱される。大部分が予熱された気体は、加熱された基材によって熱活性化され、互い又は基材と反応する。気体中に含まれる前駆体は、加熱された基材によって熱分解される。これにより、所望の材料が堆積され、化学的に結合される。所望の材料の化学吸着、すなわち本発明のルテニウムの化学吸着が生じる。
原子層堆積とも呼ばれるALDプロセスは、改変CVDプロセスである。ALDプロセスでは、表面における反応又は吸着は、表面の完全な占有後に停止する。この自己制限反応は、工程間のすすぎ工程を伴ういくつかのサイクルで実施される。このようにして、非常に正確な層厚が達成される。
上述したように、本発明によるルテニウム錯体は、試行錯誤をほとんど必要としない技術的合成によって調製することができる。単純な技術的合成は、蒸着プロセスにおける本発明によるルテニウム錯体の工業用途において重要な利点である。CVD及び/又はALDプロセスに対して本発明によるルテニウム錯体が特に好適である別の重要な理由は、本発明によるルテニウム錯体が、室温で部分的に液体である揮発性化合物であることである。加えて、対応する元素ルテニウムへと成功裏に分解され得る。したがって、元素ルテニウムの堆積に関して、既知のルテニウム前駆体に対する有利な代替物に相当する。
このことは、以下の実施例によって、特に本文脈で実施される熱重量分析及び粉末回折分析の結果によっても実証される。化合物の一部については、TGA/SDTAによる分析により、25℃で液体であり、25℃超の融点を有さないことが最初に示される。加えて、X=Me及びHを有する化合物は、1・10Pa以下の圧力で未分解のまま蒸発し得ることが明らかである。更に、このような化合物の分解は200℃未満で可能である。X線粉末回折法(X-RPD)は、るつぼ内の残留物について、熱重量分析中の分解後の粉末中の微結晶相を調べることを可能にする。本発明による観察された結果は、既知の相の元素ルテニウムの形成の検出である。相は、反射角で実験的に見出されるパターンを、ルテニウムにおける反射角データベースのデータと比較することによって検出される。既知の相の元素ルテニウムの形成により、CVD及び/又はALDプロセスに対する際立った適合性が示され得る。
したがって、本発明は、ルテニウムを堆積させる方法であって、
- 本発明による少なくとも1種の化合物を提供する工程と、
- かかる化合物をCVDプロセス又はALDプロセスに供する工程と、
を含む方法によって使用することもできる。
例示的な実施形態
以下の実施例において、
・bima:N,N’ビス(イソプロピルアミノ)アセトアミジナート
・bidmg:N,N’-ビス(イソプロピルアミノ)-N’’ジメチルグアニジナート
・dmfa:N,N’-ジメチルホルムアミジナート
である。
実施例1(参照)-Li(bima)[1]の調製及び特性評価
Figure 2022516954000002
N,N-ジ-イソ-プロピルカルボジイミド(4.20g、33.3mmol、1.0当量)をEtO(50.0mL)中に準備し、MeLi(EtO、1.60mL、33.3mmol、1.0当量)を0℃で滴下して加えた。反応混合物を16時間撹拌し、室温に到達させた。全ての揮発性成分を高真空で除去した後、残留物をnヘキサン(2・20mL)で洗浄し、高真空で乾燥させた。Li(bima)を無色固体として得た(3.62g、24.3mmol、73%)。
H-NMR (THF-d,300.2MHz):δ/ppm=3.42(sept,2H,Pr)、1.75(s,3H,Me)、0.96(d,HH=6.2Hz,12H,Pr)。
13C-NMR (THF-d,75.5MHz):δ/ppm=168.6(C)、47.6(Pr)、27.3(Pr)、10.4(Me)。
元素分析 C17Li(148.18g/mol)
計算値: C:64.85%、H:11.56%、N:18.91%
実測値: C:63.20%、H:11.21%、N:18.46%。
IR (物質)
Figure 2022516954000003
=2958(m)、2926(m)、2861(m)、1484(vs)、1416(s)、1373(m)、1356(m)、1332(s)、1311(s)、1170(m)、1123(m)、1047(w)、1013(m)、975(w)、940(w)、822(w)、790(w)、611(w)、501(m)、443(w)。
実施例2(参照)-[RuCl(p-シメン)(bidmg)]の調製及び特性評価
Figure 2022516954000004
LiNMe(83.1mg、1.63mmol、2.00当量)をTHF(80mL)中に準備し、N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(206mg、1.63mmol、2.00当量)を0℃で加えた。混合物を16時間撹拌し、室温まで温めた。[Ru(p-シメン)Cl(500mg、0.82mmol、1.00当量)をこの透明な無色の溶液に添加し、再度16時間撹拌した。全ての揮発性成分を真空中で除去した後、残留物をnヘキサン(50mL)に溶け込ませ、CELITE(登録商標)を通して濾過した。濾過ケークを更なる量のnヘキサン(30mL)で抽出し、濾液を減圧下で溶媒除去した。黄色橙色結晶生成物(6.25g、14.2mmol、91%)を更に、昇華(FV/70℃)によって更に精製することができ、その結果、標的化合物を黄色橙色固体として最終的に単離できた(1.92g、4.36mmol、28%)。
H-NMR C,300.2MHz:δ/ppm=4.99(d,HH=5.8Hz,2H,H-5)、4.77(d,HH=5.8Hz,2H,H-6)、3.61(sept,2H,H-1)、2.60(sept,1H,H-9)、2.45(s,6H,NMe)、2.07(s,3H,H-8)、1.43(d,HH=6.6Hz,6H,Pr)、1.26(d,HH=6.3Hz,6H,Pr)、1.06(d,HH=7.3Hz,6H,Pr)。
13C-NMR C,75.5MHz:δ/ppm=166.8(C-3)、97.9(C-4)、97.7(C-7)、79.1(C-6)、79.0(C-5)、47.5(C-1)、40.6(NMe)、32.5(C-10)、26.7(C-2)、25.6(C-2)、22.7(C-8)、19.4(C-9)。
HR-EI(+)-MS 計算値[M+H]=441.1485m/z、実測値:441.1488m/z。
元素分析 C1934ClRu(441.02g/mol)
計算値: C:51.75%、H:7.77%、N:9.53%
実測値: C:51.93%、H:7.85%、N:10.13%。
IR (物質)
Figure 2022516954000005
=2956(s)、2919(m)、2861(m)、2789(w)。1610(w)、1494(vs)、1448(s)、1419(m)、1371(m)、1357(m)、1321(s)、1199(s)、1165(m)、1141(m)、1115(w)、1091(s)、1057(w)、1004(w)、973(m)、933(m)、849(w)、802(w)、753(w)、706(w)、667(w)、544(w)、446(w)。
TGA (T=25℃、T=700℃、10℃/分、m=9.40mg)工程:1、T=155.1℃(3%減少)、T=183.6℃、(最大減少率)、総質量減少:4.83mg(51.4%)。
SDTA (T=25℃、T=700℃、10℃/分、m=9.40mg)T(オンセット)=77.0℃、T(最大)=81.0℃(吸熱)、T(オンセット)=174.4℃、T(最大)=182.9℃(発熱)。
実施例3-[RuMe(p-シメン)(bidmg)]の調製及び特性評価
Figure 2022516954000006
[RuCl(p-シメン)(bidmg)](300mg、0.68mmol、1.00当量)を0℃でEtO(20mL)中に溶解し、メチルリチウム(1.725M、EtO中、1.17mL、0.68mmol、1.0当量)のEtO(5mL)中溶液を加えた。混合物を16時間撹拌し、室温までゆっくりと温めた。次いで、透明な淡黄色溶液の揮発性成分を減圧下で除去し、残留物をnヘキサン(10mL)中に回収し、シリンジフィルタで濾過した。濾液を減圧下で溶媒除去し、ゲル状の原料を再凝縮した(FV/45℃)。標的化合物を黄色橙色の粘性液体として単離した(120mg、0.29mmol、43%)。
H-NMR C,300.2MHz:δ/ppm=4.90(d,HH=5.5Hz,2H,H-5)、4.26(d,HH=5.7Hz,2H,H-6)、3.67(sept,2H,H-1)、2.65(sept,2H,H-9)、2.50(s,6H,NMe)、2.02(s,3H,H-8)、1.21(d,HH=7.1Hz,6H,Pr)、1.16(d,HH=6.3Hz,6H,Pr)、0.97(d,HH=6.5Hz,6H,Pr)、0.89(s,3H,RuMe)。
13C-NMR C,75.5MHz:δ/ppm=160.2(C-3)、106.8(C-4)、95.8(C-7)、81.0(C-6)、73.2(C-5)、46.8(C-1)、41.1(NMe)、32.9(C-10)、26.2(C-2)、25.0(C-2)、23.7(C-8)、18.7(C-9)、6.73(RuMe)。
HR-EI(+)-MS 計算値[M+H]=421.2031m/z、実測値:421.2017m/z。
元素分析 C2037Ru(420.61g/mol)
計算値: C:57.11%、H:8.87%、N:9.99%
実測値: C:57.07%、H:8.75%、N:10.79%。
化合物の液体凝集状態のため、最終的な分析には追加の外側るつぼにサンプルが含まれなければならず、これは、より多くの窒素を包含し、その結果、この測定値の破損につながる。
IR (物質)
Figure 2022516954000007
=3051(m)、2959(m)、2924(m)、2787(w)、1504(vs)、1447(s)、1417(m)、1373(m)、1354(m)、1328(s)、1280(w)、1203(s)、1163(s)、1145(s)、1116(m)、1084(w)、1055(s)、1004(w)、969(m)、835(m)、802(m)、655(w)、540(w)、503(w)、446(w)。
TGA (T=25℃、T=600℃、10℃/分、m=10.0mg)工程:1、T=166.7℃(3%減少)、T=198.9℃(最大減少率)、総質量減少:5.92mg(59.2%)。
SDTA (T=25℃、T=600℃、10℃/分、m=9.40mg)T(オンセット)=160.4℃、T(最大)=196.1℃(発熱)。
実施例4-[RuH(p-シメン)(bidmg)]の調製及び特性評価
Figure 2022516954000008
[RuCl(p-シメン)(bidmg)](0.40g、0.91mmol、1.00当量)及びLiAlH(10.0mg、0.27mmol、0.30当量)を共に準備し、-78℃でTHF(20mL)中に懸濁した。混合物を16時間撹拌し、室温までゆっくりと温めた。揮発性成分を減圧下で除去し、残留物をnヘキサン(10mL)中に回収し、CELITE(登録商標)で濾過した。濾液を減圧下で溶媒除去し、標的化合物を残留物(FV/45℃)から濃縮し、[RuH(p-シメン)(bidmg)]を、強黄色液体として分離することが可能であった(0.17g、0.42mmol、46%)。
H-NMR C,300.2MHz:δ/ppm=4.83(d,HH=5.0Hz,2H,H-5)、4.73(d,HH=5.3Hz,2H,H-6)、3.52(sept,2H,H-1)、2.61(sept,2H,H-9)、2.41(s,6H,NMe)、2.20(s,3H,H-8)、1.32(d,HH=7.1Hz,6H,Pr)、1.16(d,HH=6.1Hz,6H,Pr)、1.01(d,HH=6.6Hz,6H,Pr)、-4.66(s,1H,RuH)。
13C-NMR C,75.5MHz:δ/ppm=160.1(C-3)、105.7(C-4)、96.7(C-7)、77.0(C-6)、76.2(C-5)、46.2(C-1)、40.2(NMe)、33.4(C-10)、26.5(C-2)、25.6(C-2)、24.2(C-8)、21.2(C-9)。
HR-EI(+)-MS 計算値[M+H]=407.1875m/z、実測値:407.1888m/z。
元素分析 C1935Ru(406.56g/mol)
計算値: C:56.13%、H:8.68%、N:10.34%
実測値: C:56.36%、H:8.67%、N:11.23%。
化合物の液体凝集状態のため、最終的な分析には追加の外側るつぼにサンプルが含まれなければならず、これは、より多くの窒素を包含し、その結果、この測定値の破損につながる。
IR (物質)
Figure 2022516954000009
=3052(w)、2959(vs)、2918(s)、2864(s)、2788(m)、1884(m)、1638(w)、1493(vs)、1445(s)、1411(s)、1371(m)、1352(m)、1329(m)、1282(w)、1198(s)、1166(m)、1142(m)、1117(m)、1083(w)、1054(vs)、1004(w)、971(m)、834(s)、803(m)、677(m)、539(m)、444(w)。
TGA (T=25℃、T=600℃、10℃/分、m=15.1mg)工程:1、T=119.5℃(3%減少)、T=167.6℃、(最大減少率)、総質量減少:7.55mg(50.0%)。
SDTA (T=25℃、T=600℃、10℃/分、m=15.1mg)T(オンセット)=161.0℃、T(最大)=169.7℃(発熱)。
実施例5(参照)-[RuCl(p-シメン)(bima)][2]の調製及び特性評価
Figure 2022516954000010
Li(bima)(403mg、2.70mmol、2.3当量)をTHF(20mL)中に準備し、[RuCl(p-シメン)](735mg、1.20mmol、1.0当量)を-78℃で加えた。混合物を16時間撹拌し、室温に達したとき、深赤色を呈した。全ての揮発性成分を高真空中で除去した後、残留物をnヘキサン(20mL)に懸濁し、CELITE(登録商標)を通して濾過した。濾過ケークを更なる量のnヘキサン(30mL)で抽出し、続いて得られた濾液を高真空で乾燥させた。[RuCl(p-シメン)(bima)]を、昇華(FV/120℃)によって暗赤色固体として得た(149mg、0.45mmol、29%)。
H-NMR (C,300.2MHz):4.97(d,HH=5.9Hz,2H,H-5)、4.70(d,HH=5.9Hz,2H,H-6)、3.32(sept,2H,H-1)、2.64(sept,1H,H-9)、2.06(s,3H,H-8)、1.38(d,HH=5.7Hz,6H,Pr)、1.38(s,3H,Me)、1.18(d,HH=6.7Hz,6H,Pr)、1.10(d,HH=6.8Hz,6H,Pr)。
13C-NMR (C,75.5MHz):δ/ppm=173.5(C-3)、98.4(C-4)、97.6(C-7)、79.2(C-6)、78.6(C-5)、48.0(C-1)、32.4(Me)、26.2(C-10)、25.9(C-2)、22.8(C-2)、19.3(C-8)、13.5(C-9)。
HR-EI(+)-MS 計算値:[M]=412.1220m/z、実測値:441.1219m/z。
元素分析 C1831ClRu(406.56g/mol)
計算値: C:52.48%、H:7.58%、N:6.80%
実測値: C:52.32%、H:7.39%、N:6.50%。
IR (物質)
Figure 2022516954000011
=2955(s)、2922(m)、2861(m)、2593(w)、1507(s)、1468(m)、1447(m)、1422(m)、1373(m)、1358(m)、1331(vs)、1310(m)、1275(m)、1213(s)、1169(m)、1143(m)、1119(m)、1089(m)、1054(m)、1012(m)、928(w)、885(w)、847(m)、803(m)、732(w)、703(w)、662(w)、630(w)、577(w)、548(w)、521(w)、483(w)、445(w)。
TGA (T=25℃、T=700℃、10℃/分、m=9.75mg)工程:1、T=179.3℃(3%減少)、TMA=205.8℃(第1のプロセス)、TMA=292.5℃(第2のプロセス)、総質量減少:7.32mg(75.0%)。
SDTA (T=25℃、T=700℃、10℃/分、m=9.75mg)T(オンセット)=61.0℃、T(最大)=65.0℃(吸熱)、TD1(オンセット)=186.3℃、TD1(最大)=189.2℃(吸熱)、TD2(オンセット)=202.1℃、TD2(最大)=210.0℃(発熱)。
実施例6-[RuMe(p-シメン)(bima)]の調製及び特性評価
Figure 2022516954000012
[RuCl(p-シメン)(bima)](632mg、1.53mmol、1.0当量)をEtO(20mL)中に準備し、MeLi(1.725M、EtO中、0.96mL、1.53mmol、1.0当量)を0℃で添加した。混合物を16時間撹拌し、室温に到達させ、次いでCELITE(登録商標)で濾過した。濾過ケークを更なる量のEtO(15mL)で抽出し、高真空中で濾液の全ての揮発性成分を除去した。縮合(FV/110℃)を用いて、残留物から黄色油として[RuMe(p-シメン)(bima)]を単離した(216mg、0.55mmol、36%)。
H-NMR (C,300.2MHz):4.85(d,HH=5.7Hz,2H,H-5)、4.21(d,HH=5.7Hz,2H,H-6)、3.37(sept,2H,H-1)、2.70(sept,1H,H-9)、2.04(s,3H,Me)、1.42(s,3H,H-8)、1.23(d,HH=7.2Hz,6H,Pr)、1.11(d,HH=6.5Hz,6H,Pr)、1.05(s,3H,RuMe)、0.91(d,HH=6.5Hz,6H,Pr)。
13C-NMR (C,75.5MHz):δ/ppm=164.7(C-3)、106.8(C-4)、96.7(C-7)、80.7(C-6)、72.9(C-5)、47.5(C-1)、32.7(Me)、26.1(C-10)、25.2(C-2)、23.8(C-2)、18.7(C-8)、12.2(C-9)、5.39(RuMe)。
HR-EI(+)-MS 計算値:[M]=392.1766m/z、実測値:392.1751m/z。
元素分析 C1934Ru(391.57g/mol)
計算値: C:58.28%、H:8.75%、N:7.15%
実測値: C:57.59%、H:8.67%、N:11.30%。
化合物の液体凝集状態のため、最終的な分析には追加の外側るつぼにサンプルが含まれなければならず、これは、より多くの窒素を包含し、その結果、この測定値の破損につながる。
IR
Figure 2022516954000013
=3052(w)、2958(vs)、2924(s)、2865(s)、2791(w)、2594(w)、1651(w)、1521(vs)、1447(m)、1373(m)、1356(m)、1329(s)、1274(w)、1217(s)、1168(m)、1145(m)、1116(m)、1083(w)、1054(m)、1012(m)、921(w)、886(w)、836(m)、803(w)、655(w)、628(w)、567(w)、545(w)、501(w)、443(w)、420(w)。
TGA (T=25℃、T=600℃、10℃/分、m=8.48mg)工程:1、T=147.3℃(3%減少)、TMA=228.4℃、総質量減少:6.67mg(78.6%)。
SDTA (T=25℃、T=600℃、10℃/分、m=8.48mg)T(オンセット)=224.4℃、T(最大)=231.5℃(発熱)。
実施例7-[RuH(p-シメン)(bima)]の調製及び特性評価
Figure 2022516954000014
[RuCl(p-シメン)(bima)](440mg、1.07mmol、1.0当量)及びLiAlH(20.0mg、0.53mmol、0.5当量)を-78℃でTHF(40mL)中に準備し、16時間撹拌し、混合物を室温に到達させた。次いで、還流条件下で24時間更に加熱して、変換を完了した。全ての揮発性成分を高真空下で除去し、残留物をnヘキサン(15mL)中に回収し、CELITE(登録商標)で濾過した。濾過ケークを更なる量のnヘキサン(10mL)で抽出し、続いて濾液を高真空で溶媒除去した。化合物[RuH(p-シメン)(bima)]を、100℃の高真空中において残留物から褐色油として凝縮させた(117mg、0.31mmol、29%)。
H-NMR (C,300.2MHz):4.78(d,HH=5.7Hz,2H,H-6)、4.71(d,HH=5.6Hz,2H,H-5)、3.23(sept,2H,H-1)、2.64(sept,1H,H-9)、2.22(s,3H,Me)、1.34(d,HH=6.9Hz,6H,Pr)、1.30(s,3H,H-8)、1.26(d,HH=6.4Hz,6H,Pr)、1.13(d,HH=6.3Hz,6H,Pr)、-3.99(s,1H,RuH)。
13C-NMR (C,75.5MHz):δ/ppm=165.7(C-3)、105.4(C-4)、97.7(C-7)、77.1(C-6)、75.4(C-5)、47.1(C-1)、33.4(Me)、26.4(C-10)、25.5(C-2)、24.4(C-2)、21.3(C-8)、10.9(C-9)。
元素分析 C1832Ru(377.54g/mol)
計算値: C:57.27%、H:8.54%、N:7.42%
実測値: C:57.45%、H:8.41%、N:10.05%。
化合物の液体凝集状態のため、最終的な分析には追加の外側るつぼにサンプルが含まれなければならず、これは、より多くの窒素を包含し、その結果、この測定値の破損につながる。
IR
Figure 2022516954000015
=3052(w)、3052(vs)、2960(m)、2922(m)、2866(m)、1878(m)、1649(w)、1516(vs)、1447(m)、1373(m)、1355(m)、1331(m)、1272(w)、1217(m)、1172(m)、1146(m)、1118(m)、1083(m)、1054(w)、1016(m)、835(m)、812(m)、678(w)、624(w)、594(w)、544(m)、478(w)、448(w)。
TGA (T=25℃、T=700℃、10℃/分、m=10.1mg)工程:1、T=130.6℃(3%減少)、TMA=194.1℃、総質量減少:8.39mg(80.2%)。
SDTA (T=25℃、T=700℃、10℃/分、m=6.50mg)T(オンセット)=183.6℃、T(最大)=192.4℃(発熱)。
実施例8(参照)-[RuCl(ベンゼン)(bidmg)]の調製及び特性評価
Figure 2022516954000016
LiNMe(62.4mg、1.20mmol、1.0当量)をTHF中に準備し、N,N-ジ-イソ-プロピルカルボジイミド(151mg、1.20mmol、1.0当量)を0℃で添加した。混合物を16時間撹拌し、室温に到達させた。再び0℃に冷却した後、[RuCl(ベンゼン)](300mg、0.60mmol、0.5当量)を加え、混合物を16時間撹拌し、室温に到達させた。次いで、懸濁液をCELITE(登録商標)で濾過し、得られた濾液を高真空で乾燥させた。[RuCl(ベンゼン)(bidmg)]を、昇華(FV/120℃)によるプロセス中で得られた残留物から暗赤色固体として得た(222mg、0.56mmol、46%)。
H-NMR (C,300.2MHz):4.96(d,6H,H-6)、3.63(sept,2H,H-1)、2.44(s,6H,NMe)、1.43(d,HH=6.4Hz,6H,Pr)、1.27(d,HH=6.3Hz,6H,Pr)。
13C-NMR (C,75.5MHz):δ/ppm=166.8(C-3)、81.0(C-4)、47.7(C-1)、40.5(NMe)、26.3(C-2)、25.5(C-2)。
HR-EI(+)-MS 計算値:[M]=385.0859m/z、実測値:385.0859m/z。
元素分析 C1526ClRu(384.91g/mol)
計算値: C:46.81%、H:6.67%、N:10.92%
実測値: C:47.05%、H:6.67%、N:10.85%。
IR (物質)
Figure 2022516954000017
=3053(m)、2958(m)、2915(m)、2857(m)、2789(m)、1481(vs)、1450(s)、1416(m)、1373(m)、1356(m)、1323(m)、1194(m)、1167(m)、1138(m)、1118(m)、1059(s)、1007(w)、974(m)、879(w)、821(s)、755(w)、703(w)、619(w)、546(w)、467(w)、442(w)。
TGA (T=25℃、T=700℃、10℃/分、m=6.50mg)工程:1、T=152.2℃(3%減少)、TMA=166.7℃(第1のプロセス)、TMA=243.3℃(第2のプロセス)、総質量減少:3.38mg(52.0%)。
SDTA (T=25℃、T=700℃、10℃/分、m=6.50mg)T(オンセット)=143.9℃、T(最大)=150.0℃(吸熱)、T(オンセット)=162.6℃、T(最大)=169.9℃(発熱)。
RPD (TGA分析の残留物)2ΘLit [44]/°(2Θobs/°):38.39(38.34)、42.13(42.15)、43.99(44.01)、58.33(58.26)、69.41(69.34)、78.30(n.b.)、82.22(81.73)、84.71(84.58)、85.96(n.b.)、92.04(n.b.)、97.09(n.b.)→検出:元素ルテニウム。
実施例9-[RuMe(ベンゼン)(bidmg)]の調製及び特性評価
Figure 2022516954000018
[RuCl(ベンゼン)(bidmg)](200mg、0.52mmol、1.0当量)を、THF(10mL)中に準備し、MeLi溶液(1.725M、EtO中、0.33mL、0.52ミリモル、1.0当量)を0℃で添加した。混合物を16時間撹拌し、室温に到達させた。濾液を減圧下で溶媒除去し、残留物をnヘキサン(10mL)中に回収した。懸濁液をCELITE(登録商標)で濾過し、それについて、濾過ケークを更なる量のnヘキサン(10mL)で抽出した。濾液を高真空で乾燥させた後、残留物から標的化合物を濃縮し(FV/45℃)、[RuMe(ベンゼン)(bidmg)]を、数時間後に固化した褐色油として単離した(92.9mg、0.25mmol、49%)。
H-NMR (C,300.2MHz):4.82(s,6H,H-4)、3.69(sept,2H,H-1)、2.48(s,6H,NMe)、1.17(d,HH=6.9Hz,6H,Pr)、0.89(s,3H,RuMe)、i1.16(d,HH=6.4Hz,6H,Pr)。
13C-NMR (C,75.5MHz):δ/ppm=80.8(C-4)、46.9(C-1)、41.0(NMe)、25.8(C-2)、24.9(C-2)、2.5(RuMe)。13C-NMR実験において、第四級炭素原子C-3の共鳴は検出されなかった。
HR-EI(+)-MS 計算値:[M]=365.1405m/z、実測値:365.1416m/z。
元素分析 C1629Ru(364.50g/mol)
計算値: C:52.72%、H:8.02%、N:11.53%
実測値: C:53.05%、H:7.92%、N:11.46%。
IR
Figure 2022516954000019
=3065(w)、2957(m)、2921(m)、2865(m)、2785(m)、1623(w)、1597(w)、1497(vs)、1445(s)、1415(m)、1369(m)、1352(m)、1328(m)、1277(m)、1201(m)、1162(m)、1140(m)、1117(m)、1053(s)、968(m)、858(w)、799(w)、780(m)、697(w)、608(w)、539(w)、506(w)。
TGA (T=25℃、T=600℃、10℃/分、m=5.43mg)工程:1、T=152.9℃(3%減少)、TMA=189.6℃、総質量減少:3.61mg(66.3%)。
SDTA (T=25℃、T=600℃、10℃/分、m=5.43mg)T(オンセット)=85.1℃、T(最大)=89.6℃(吸熱)、T(オンセット)=180.7℃、T(最大)=193.7℃(発熱)。
実施例10(参照)-[RuCl(p-シメン)(dmfa)]の構造特性評価
錯体[RuCl(p-シメン)(dmfa)]は、本発明による低分子量錯体の中間体として機能し得る。錯体を、X線分析によって特性評価した。フーリエ解析において、R=Hの位置を求めた。
単結晶X線構造分析の結晶データ:
Figure 2022516954000020
調べた結晶は、C、H、N、及びClについて正確な元素分析を示した。
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Claims (17)

  1. 式(I)のルテニウム錯体であって、
    [(アレーン)RuXL] 式(I)
    前記ルテニウム錯体は、以下の配位子:
    (アレーン) =任意に置換されていてもよいアレーン、
    X =H又はC~C炭化水素ラジカル、及び
    L =RN-CR=NR
    を含み、
    式中、
    は、H、任意に置換されていてもよいC~C炭化水素ラジカル、及び-NRから選択され、R及びRは、H及び任意に置換されていてもよいC~C炭化水素ラジカルから互いに独立して選択され、
    及びRは、任意に置換されていてもよいC~C炭化水素ラジカルから互いに独立して選択され、R及びRは同じであっても互いに異なっていてもよく、
    はRに、RはRに、及び/又は、RはRに、直接結合していてもよい、ルテニウム錯体。
  2. (アレーン)は、アレーン、又は、1~6個の同一若しくは異なるC~C炭化水素ラジカルで置換されたアレーンであり、
    は、H、C~C炭化水素ラジカル、及び-NRから選択され、R及びRは、H及びC~C炭化水素ラジカルから互いに独立して選択され、
    及びRは、C~C炭化水素ラジカルから互いに独立して選択される、請求項1に記載のルテニウム錯体。
  3. (アレーン)は、Ruにηで配位したベンゼノイド構造を含み、かつ/あるいは、Lは、RNの窒素を介して、かつNRの窒素を介してRuに配位している、請求項1~2のいずれか一項に記載のルテニウム錯体。
  4. (アレーン)は、ベンゼン、又は、1~6個のC~Cの同一又は異なる炭化水素ラジカルで置換されたベンゼンであり、
    Xは、H又はC~C炭化水素ラジカルであり、
    は、H、メチル、エチル、-N(メチル)又は-N(エチル)であり、
    、Rは、それぞれ、C~C炭化水素基である、請求項1~3のいずれか一項に記載のルテニウム錯体。
  5. (アレーン)は、ベンゼン及び4-イソプロピルトルエンから選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のルテニウム錯体。
  6. Xは、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びtert-ブチルから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のルテニウム錯体。
  7. は、メチル、及び-N(メチル)から選択され、かつ/あるいは、R及びRは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びtert-ブチルから互いに独立して選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載のルテニウム錯体。
  8. はRに直接結合しておらず、RはRに直接結合しておらず、かつ、RはRに直接結合していない、請求項1~7のいずれか一項に記載のルテニウム錯体。
  9. 25℃かつ1・10Paの標準条件下で液体であり、かつ/あるいは、1.013・10Paの圧力で25℃以下の融点を有し、かつ/あるいは、100~200℃の範囲の温度で分解する、請求項1~8のいずれか一項に記載のルテニウム錯体。
  10. 熱重量分析において、前記ルテニウム錯体の3重量%の第1の質量減少の温度は、1・10Paで80~200℃の範囲である、請求項1~9のいずれか一項に記載のルテニウム錯体。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載のルテニウム錯体を製造する方法であって、
    (i)式RN=C=NRの化合物を式Li-Rの化合物と反応させて、式Li(RN-CR=NR)の化合物を生成する工程と、
    (ii)化合物Li(RN-CR=NR)を式[RuCl(アレーン)]の化合物と反応させて、式[(アレーン)RuCl(RN-CR=NR)]の化合物を生成する工程と、
    (iii)化合物[(アレーン)RuCl(RN-CR=NR)]を化合物MXと反応させる工程であって、式中、M=金属であり、n=1、2、3又は4である、工程と、を含む、方法。
  12. 前記化合物Li(RN-CR=NR)をin situで形成し、式[RuCl(アレーン)]の化合物と直接反応させる、請求項11に記載の方法。
  13. CVDプロセス又はALDプロセスにおけるルテニウムの堆積のための、請求項1~10のいずれか一項に記載のルテニウム錯体の使用。
  14. 請求項1~10のいずれか一項に記載のルテニウム錯体を、ルテニウム層を製造するための前駆体として使用する、方法。
  15. 請求項1~10のいずれか一項に記載のルテニウム錯体を含む気相から、表面にルテニウムを堆積させることにより得られるルテニウムめっき表面。
  16. ルテニウムを堆積する方法であって、
    -請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物の少なくとも1種を提供する工程と、
    -請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物をCVDプロセス又はALDプロセスに供する工程と、を含む、方法。
  17. 請求項4に記載の化合物を提供し、CVD又はALDプロセスに供する、請求項16に記載の方法。
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