JP2022513295A - スライドスリーブ - Google Patents

Abstract

車両変速装置同期のスライドスリーブ（１）であって、スライドスリーブ（１）の歯部（２）の歯面（１０）は、摩擦を増加させるために表面処理されている、スライドスリーブ（１）。

Description

本発明は、動力車両変速装置のスライドスリーブに関する。

スライドスリーブは、遊び歯車を、主変速装置のシャフトに配置された同期装置本体に回転自在に固定して接続するために、動力車両変速装置において使用される。この目的のために、スライドスリーブは、同期装置本体の外側歯部と恒常的に係合される内側歯部を有する。ギアシフト動作中、歯車及び同期装置本体の速度は、１つの同期装置リング又は複数の同期装置リングによって互いに調整される。同期プロセス中、変速装置の構成要素は、摩擦係合される。負荷により、スライドスリーブは、表面硬化され焼戻しされる。

速度が調整される（同期）とすぐに、このように同期された歯車をギアシフトすることができる。この目的のために、スライドスリーブは、軸線方向に移動されるため、スライドスリーブはまた、歯車に固定された更なる歯部とかみ合い、高度な効率性を確実にする形状接続を生成する。

同期の第１の動作時間にギアシフトにおける行き詰まりを防止するために、独国特許出願公開第１０２３０１８９（Ａ１）号は、スライドスリーブの歯の外形にスライド層を提供することを提案している。スライド層は、金属リン酸塩、ＰＴＦＥ、グラファイト、炭素、プラスチック、硫化モリブデン、クロム、ニッケル又は銀を主体とすることができる。

欧州特許出願公開第１１５００２８（Ａ１）号は、構成要素の摩損を低減するために、スライドスリーブの表面硬化又は窒化を局所硬化で置き換える方法を示している。

同期の出力密度は、軽量構成によって更に増加させることができる。しかしながら、これは、同期の構成要素の機能信頼性及び耐用年数を損なう負荷の増加を伴う。負荷は、結合中に作用するだけではなく、ギアシフト状態における負荷もまた影響が大きい。

先行技術からの既知の方法は、ギアシフトによって生じる不要な摩損を低減するという共通の目的を有する。摩擦を低減することによって、これらの方法は、同期の構成要素に応力を付与する振動がギアシフト状態において増加して伝達されるという問題を悪化させている。

本発明の目的は、低質量の同期の構成要素を可能にし、上述の欠点を有さない同期を創出することである。

本発明の目的は、請求項１のプリアンブルに記載のスライドスリーブにおいて達成され、スライドスリーブの歯部は、表面処理されていない場合よりも、係合のために設けられた同期装置本体又は歯車若しくは結合部品に付属する対向歯部に対して、より高い摩擦係数を有するように表面処理されている。

本発明は、形状接続の結果として不要な表面処理に起因して、振動によって生じる負荷などの増加した負荷を除去することができるという技術的効果に基づいている。

スライドスリーブのみが表面処理を受け、歯部の相手部分を未処理のままとして、同期の製造コストを低減することが好ましい。これは、スライドスリーブの歯部は、ギアシフト状態において２つの歯部と係合するため、一方の表面処理のみが必要だからである。

一実施形態では、歯部の１つは、ショットブラスト処理、窒化又は硬化されている。代替的に又は追加的に、歯部は、コーティングされている。

歯部は、代替的に又はその後に続けて、微細構造化することができる。例えば、かみ合わせ構成要素の表面被覆範囲は、レーザーによって生成された表面改変によって増加させることができる。摩擦が増加する剪断により、変速装置に誘導される振動又は回転異常を低減するのに役立ち得るため、ギアシフトの構成要素は、定常動作において応力を受けない。これは、耐用年数を延ばし、機能信頼性を向上させる。あるいは、歯の群において振動を除去することによって出力密度を増加させることができる。

本発明の一実施形態では、スライドスリーブの歯部は、様々な領域において異なって処理されている。したがって、歯は、同期装置本体又は歯車若しくは結合部品と係合する歯の歯面の領域内の歯先端と比較して、異なる表面改変を受けている。目的が歯先端の領域での摩擦の低減であるのに対して、歯面領域での摩擦係数は増加されるべきである。この目的のために、例えば、歯面領域におけるレーザーの構造化によって後処理を行うことができる。

更に、表面処理は、従来技術における唯一の目的にあるような、シフトフォークとスライドスリーブの接触面との間の摩擦を二次的に低減することができる。これにより摩擦損失が低減される。したがって、場合によっては、この箇所でのコーティングを省略することができる。

内側歯部を備える第１のスライドスリーブの部分図である。 更なるスライドスリーブの斜視図である。

図１の概略図は、内側歯部として設計された歯部２を備えるスライドスリーブ１の部分図を示す。歯部２は、既知の方法で平歯部として設計されている。歯部の個々の歯３、５はそれぞれ、上方に向かって先細りとなっている傾斜歯面１０を備える平坦化断面４を有する。歯５のうちのいくつかは、端側に歯先勾配部６としての平坦化断面を有し、平坦化断面は、特に、スライドスリーブ１が、外側歯部を備える歯車（図示せず）の方向へ軸線方向に変位されるときに、事前同期を改善するのに役立つことができる。環状のスライドスリーブ１は、歯部２に加えて、歯部２を支持する閉じた歯部リング７を備え、外側ジャケット８に、ギアシフト要素（図示せず）、特に、シフトフォーク用の溝様係合部９が回転自在に固定して取り付けられている。

歯部２は、円周方向に向けられた歯面１０を有する。端側において、歯面１０は、歯先勾配部６にまとまり、歯先勾配部６は、続いてＶ字形端面１３、１４に通じる。歯先勾配部６と共に、端面１３、１４は、歯先先端を形成する。図２のスライドスリーブ１全体は、窒化されており、歯面１０は、未処理状態であった場合よりも対向歯部との摩擦がより大きくなるように表面処理されている。本例では、歯面１０の表面構造、それ故に、歯面１０の摩擦係数はまた、窒化処理の継続時間及び条件に起因して、歯先１２、歯元１１の摩擦係数並びに歯先勾配部６及び端面１３、１４の摩擦係数とは異なる。

１ スライドスリーブ
２ 内側歯部
３ 歯
４ 平坦化断面
５ 歯
６ 歯先勾配部
７ 歯部リング
８ 外側ジャケット
９ 係合部
１０ 歯面
１１ 歯元
１２ 歯先
１３ 端面
１４ 端面

Claims (7)

1. 歯部（２）を備える、車両変速装置同期のためのスライドスリーブ（１）であって、前記スライドスリーブ（１）の前記歯部は、摩擦を増加させるために表面処理されていることを特徴とする、スライドスリーブ（１）。
2. 前記歯部（２）は、ギアシフト状態において係合する前記歯部（２）が歯面（１０）上で表面処理されていることを特徴とする、請求項１に記載のスライドスリーブ。
3. 前記歯部（２）が窒化されていることを特徴とする、請求項１又は２に記載のスライドスリーブ。
4. 前記歯部（２）が強化ブラスト処理又は硬化されていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか一項に記載のスライドスリーブ。
5. 前記歯部（２）がコーティングされていることを特徴とする、請求項１から４までのいずれか一項に記載のスライドスリーブ。
6. 前記歯部（２）が微細構造化されていることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか一項に記載のスライドスリーブ。
7. 前記歯部（２）が円周方向に面する歯面（１０）と、端面の歯先先端と、を有し、前記歯面（１０）の表面構造は、前記歯先先端とは異なることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか一項に記載のスライドスリーブ。

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