JP2022505257A - α-シヌクレイノパチー、タウオパチー、および他の障害を抑制および処置するための2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン - Google Patents

α-シヌクレイノパチー、タウオパチー、および他の障害を抑制および処置するための2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン Download PDF

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Abstract

Figure 2022505257000001
α-シヌクレイノパチー、タウオパチー、ALS、外傷性脳損傷、および虚血-再潅流関連損傷からなる群より選択される障害を処置または抑制する方法が、本明細書に開示され、この方法は、治療有効量の式:

Description

本出願は、全ての目的で参照によりその両方の内容全体が本明細書に組み込まれる、2,3,5-TRIMETHYL-6-NONYLCYCLOHEXA-2,5-DIENE-1,4-DIONE FOR SUPPRESSING AND TREATING ALZHEIMER'S DISEASE AND OTHER DISORDERSという名称の、2018年10月17日に出願された米国仮特許出願第62/747,080号、および2,3,5-TRIMETHYL-6-NONYLCYCLOHEXA-2,5-DIENE-1,4-DIONE FOR SUPPRESSING AND TREATING ALZHEIMER'S DISEASE AND OTHER DISORDERSという名称の、2018年11月26日に出願された米国仮特許出願第62/771,570号の、優先権および利益を主張する。
米国特許出願公開第2007/0072943号は、ある特定のキノン化合物、およびある特定のミトコンドリア障害を処置する方法について記載する。米国特許出願公開第2010/0063161号は、化合物2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン、ならびに広汎発達障害および注意欠陥過活動性障害(ADHD)を処置するための方法について記載する。
α-シヌクレイノパチー、タウオパチー、ALS、外傷性脳損傷、および虚血-再潅流関連損傷を含むある特定の障害を処置または抑制するための改善された方法が、求められている。脳対身体の他のエリア(血漿など)への優れた脳透過および/または優先的な分配を有する化合物が、さらに求められている。
さらに、医薬組成物;医薬組成物の製造;ならびにα-シヌクレイノパチー、タウオパチー、ALS、外傷性脳損傷、および虚血-再潅流関連損傷を処置または抑制するためを含む、障害を処置または抑制するための方法において使用することができる2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの安定な多形およびその粒子が、求められている。
米国特許出願公開第2007/0072943号明細書 米国特許出願公開第2010/0063161号明細書
本発明の一態様は、α-シヌクレインパチー、タウオパチー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、外傷性脳損傷、および虚血-再潅流関連損傷からなる群より選択される障害を処置または抑制する方法であって、治療有効量の式:
Figure 2022505257000002
の化合物またはそのヒドロキノン形態;またはその溶媒和物もしくは水和物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法である。一部の実施形態では、化合物は、溶媒和物でも水和物でもない。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、キノン形態にある。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、ヒドロキノン形態にある。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、α-シヌクレインパチーを処置または抑制するためのものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、α-シヌクレインパチーは:パーキンソン病、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)、多系統萎縮症(MSA)、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症(DLB)、ゴーシェ病(GD)、脳の鉄蓄積を伴う神経変性(NBIA)、および神経軸索ジストロフィー(PLA2G6関連神経変性)からなる群より選択される。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、パーキンソン病は遺伝的である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、パーキンソン病は特発性である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、パーキンソン病を抑制または処置するための方法は、患者が、下記の遺伝子:MAPT(微小管関連タンパク質タウ)、PRKN(パーキン)、PINK1(PINK1)、LRRK2(ロイシンリッチリピートキナーゼ2)、GBA(グルコセレブロシダーゼ)、SNCA(アルファシヌクレイン)、PARK7(DJ-1)、および/またはUCHL1(ユビキチンカルボキシル-末端エステラーゼL1)の1つまたは複数に変異を有する場合のものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、タウオパチーを処置または抑制するためのものである。前述の実施形態を含む一部の実施形態では、タウオパチーは:アルツハイマー病、ボクサー認知症(dementia pugilistica)、グアムの筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム-認知症(Guam ALS/PD)、ピック病、嗜銀顆粒性認知症、ニーマン-ピック病C型、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性核上麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核神経節変性(Corticobasoganlionic degeneration)、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、脳炎後パーキンソニズム(PEP)、および常染色体劣性パーキンソニズムからなる群より選択される。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、アルツハイマー病を処置または抑制するためのものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、パーキンソン病を処置または抑制するためのものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、外傷性脳損傷を処置または抑制するためのものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、虚血-再潅流関連損傷を処置または抑制するためのものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、卒中を処置または抑制するためのものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を処置または抑制するためのものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、障害を処置するためのものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、障害を抑制するためのものである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、経口投与される。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、静脈内投与される。
別の態様は、アルツハイマー病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、および虚血-再潅流関連損傷からなる群より選択される障害を処置または抑制する方法であって、治療有効量の式:
Figure 2022505257000003
の化合物またはそのヒドロキノン形態、またはその溶媒和物もしくは水和物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法である。一部の実施形態では、化合物は:
Figure 2022505257000004
またはそのヒドロキノン形態である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、キノン形態にある。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、ヒドロキノン形態にある。一部の実施形態では、方法は、アルツハイマー病を抑制または処置するためのものである。一部の実施形態では、方法は、パーキンソン病を抑制または処置するためのものである。一部の実施形態では、パーキンソン病を抑制または処置するための方法は、特発性パーキンソン病を処置または抑制することを含む。一部の実施形態では、パーキンソン病を抑制または処置するための方法は、家族性(即ち、遺伝的)パーキンソン病を処置または抑制することを含む。一部の実施形態では、パーキンソン病を抑制または処置するための方法は、患者が、下記の遺伝子:MAPT(微小管関連タンパク質タウ)、PRKN(パーキン)、PINK1(PINK1)、LRRK2(ロイシンリッチリピートキナーゼ2)、GBA(グルコセレブロシダーゼ)、SNCA(アルファシヌクレイン)、PARK7(DJ-1)、および/またはUCHL1(ユビキチンカルボキシル-末端エステラーゼL1)の1つまたは複数に変異を有する場合のものである。一部の実施形態では、方法は、外傷性脳損傷を抑制または処置するためのものである。一部の実施形態では、方法は、虚血-再潅流関連損傷を抑制または処置するためのものである。一部の実施形態では、虚血-再潅流関連損傷は、卒中である。一部の実施形態では、虚血-再潅流関連損傷は、虚血再潅流-関連網膜損傷である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、経口投与される。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、注射によって投与される。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、静脈内投与される。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、障害を抑制する方法である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、障害を処置する方法である。
別の態様は、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの無水物の多形であり、多形に関する粉末X線回折パターンは、少なくとも下記の角度位置で特徴的ピークを含み、角度位置は、±0.2変動し得る:4.10、12.12、および16.14。一部の実施形態では、データは、Cu Kα1供給源、1.540598Åの波長、および23~25℃の温度で得られる。一部の実施形態では、多形は、少なくとも下記の角度位置で特徴的ピークを含み、角度位置は、±0.2変動し得る:4.10、11.77、12.12、および16.14。一部の実施形態では、多形は、少なくとも下記の角度位置で特徴的ピークを含み、角度位置は、±0.2変動し得る:4.10、11.77、12.12、16.14、および22.41。一部のまたはいずれかの実施形態では、多形に関する粉末X線回折パターンは、下記の角度位置の少なくとも1つで特徴的ピークを含み、角度位置は、±0.2変動し得る:4.10、11.77、12.12、16.14、および22.41。一部のまたはいずれかの実施形態では、多形に関する粉末X線回折パターンは、下記の角度位置の少なくとも2つで特徴的ピークを含み、角度位置は、±0.2変動し得る:4.10、11.77、12.12、16.14、および22.41。一部のまたはいずれかの実施形態では、多形に関する粉末X線回折パターンは、下記の角度位置の少なくとも2つで特徴的ピークを含み、角度位置は、±0.2変動し得る:4.10、11.77、12.12、および16.14。一部のまたはいずれかの実施形態では、多形に関する粉末X線回折パターンは、下記の角度位置の少なくとも2つで特徴的ピークを含み、角度位置は、±0.2変動し得る:4.10、12.12、および16.14。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、角度位置は±0.1変動し得る。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、角度位置は±0.05変動し得る。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、多形は、実質的に図5、11、14、および16のいずれか1つに示されるような粉末x線回折パターンを有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、多形は、実質的に図7に示されるような示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、DSCサーモグラムは、約47℃から約53℃で単一の吸熱ピークを有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、DSCサーモグラムは、約49℃から約53℃で単一の吸熱ピークを有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、DSCサーモグラムは、約50℃から約52℃で単一の吸熱ピークを有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、DSCサーモグラムは、約50.5℃で単一の吸熱ピークを有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、多形は、実質的に図8に示されるような熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、多形は、実質的に図6に示されるようなH NMRスペクトルを有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの少なくとも約95モル%は多形である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの少なくとも約99モル%は多形である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、組成物のHPLCにより測定された少なくとも約95%a/aは、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、組成物のHPLCにより測定された少なくとも約99%a/aは、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンである。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの効力は、少なくとも約95%である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの効力は、少なくとも約99%である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、多形は複数の粒子として存在し、粒子は、約11:1未満のD90:D10の比を有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、多形は複数の粒子として存在し、粒子は、約7:1未満のD90:D10の比を有する。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、多形は、約75~85%のIPA/水を含む溶媒によって再結晶化された。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、多形は、約80~85%のIPA/水を含む溶媒によって再結晶化された。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、多形は、約85%のIPA/水を含む溶媒によって再結晶化された。
本発明の別の態様は、本明細書に記載される多形、または本明細書に記載される組成物、および薬学的に許容される溶媒、担体、もしくは賦形剤を含む医薬組成物、あるいは本明細書に記載される多形、または本明細書に記載される組成物、および薬学的に許容される溶媒、担体、もしくは賦形剤で調製された医薬組成物である。
別の態様は、α-シヌクレインパチー、タウオパチー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、外傷性脳損傷、または虚血-再潅流関連損傷を処置または抑制する方法であって、治療有効量の本明細書に記載される多形または本明細書に記載される組成物を、それを必要とする個体に投与することを含む、方法である。
別の態様は、組成物から2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを再結晶化させる方法であって、a)約40~45℃の温度で、組成物とIPAおよび水とを接触させて、得られるIPAの水に対する比が約75~87%のイソプロパノール(IPA)/25~13%の水(v:v)になるようにすること;b)混合物を約32℃に冷却すること;およびc)2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを混合物から濾過することを含む、方法である。一部の実施形態では、ステップ(a)は:a1)組成物とIPAとを接触させること;a2)混合物を約40~45℃に温めること;およびa3)水を混合物に添加して、IPAの水に対する比が約75~85%のIPA:25~15%の水(v:v)になるようにすることを含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、ステップ(a)は、組成物が溶解するように撹拌することを含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、IPA:水の比は、約80~85%のIPA:20~15%の水(v:v)である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、IPA:水の比は、約85%のIPA:15%の水(v:v)である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、ステップ(a3)は、混合物の温度を約40~45℃に戻すことを含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、ステップ(a)の後に混合物をポリッシュフィルタリング(polish filtering)することを含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、ステップ(b)は、約2~10時間にわたって約32℃に冷却することを含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、ステップ(b)は、約6時間にわたって約32℃に冷却することを含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、ステップ(b)の後に、混合物を約2~24時間、約32℃で保持することを含むステップ(b1)を含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、ステップ(b)の後に、混合物を約6時間、約32℃で保持することを含むステップ(b1)を含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、存在する場合にはステップ(b)または(b1)の後に、混合物を約0℃に冷却することを含むステップ(b2)を含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、ステップ(b2)は、混合物を約3~24時間にわたって約0℃に冷却することを含む。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、ステップ(b2)は、混合物を約1時間、約0℃で保持することをさらに含む。
別の態様は、直前のパラグラフの方法により作製された、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを含む組成物である。
別の態様は、医薬組成物を作製する方法であって、先行するパラグラフのいずれか1つに記載される多形または先行するパラグラフのいずれか1つの組成物を、液体またはエマルジョン形態に変換することを含む、方法である。一部の実施形態では、医薬組成物は、経口溶液、液体充填カプセル、または注射可能な溶液として提供される。これらの方法により生成された医薬組成物が提供される。
別の態様は、実質的に図31に示されるようなXRPDプロットを有する、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの準安定融解非晶質形態である。
一態様は、アルツハイマー病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、および虚血-再潅流関連損傷からなる群より選択される障害を処置または抑制する方法であって、治療有効量の、式:
Figure 2022505257000005
の化合物、またはそのヒドロキノン形態;またはその溶媒和物もしくは水和物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法である。一部の実施形態では、化合物は:
Figure 2022505257000006
またはそのヒドロキノン形態である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、キノン形態にある。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、ヒドロキノン形態にある。一部の実施形態では、方法は、アルツハイマー病を抑制または処置するためのものである。一部の実施形態では、方法は、パーキンソン病を抑制または処置するためのものである。一部の実施形態では、パーキンソン病を抑制または処置するための方法は、特発性パーキンソン病を処置または抑制することを含む。一部の実施形態では、パーキンソン病を抑制または処置するための方法は、家族性(即ち、遺伝的)パーキンソン病を処置または抑制することを含む。一部の実施形態では、パーキンソン病を抑制または処置するための方法は、患者が下記の遺伝子:MAPT(微小管関連タンパク質タウ)、PRKN(パーキン)、PINK1(PINK1)、LRRK2(ロイシンリッチリピートキナーゼ2)、GBA(グルコセレブロシダーゼ)、SNCA(アルファシヌクレイン)、PARK7(DJ-1)、および/またはUCHL1(ユビキチンカルボキシル-末端エステラーゼL1)の1つまたは複数で変異を有する場合のものである。一部の実施形態では、方法は、外傷性脳損傷を抑制または処置するためのものである。一部の実施形態では、方法は、虚血-再潅流関連損傷を抑制または処置するためのものである。一部の実施形態では、虚血-再潅流関連損傷は、卒中である。一部の実施形態では、虚血-再潅流関連損傷は、虚血再潅流関連網膜損傷である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、経口投与される。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、注射によって投与される。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、化合物は、静脈内投与される。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、障害を抑制する方法である。前述の実施形態のいずれかを含む一部の実施形態では、方法は、障害を処置する方法である。
前述の化合物の全てを含む本明細書に記載される化合物のいずれか1つまたは複数は、薬学的に許容される担体、薬学的に許容される賦形剤、または薬学的に許容されるビヒクルを含む組成物に使用することができる。一部の実施形態では、組成物は、内部使用に製剤化される。前述の化合物の全てを含む本明細書に記載される化合物のいずれか1つまたは複数は、単位用量製剤に製剤化することができる。
本明細書に記載される化合物、組成物、製剤、および方法の全てに関し、キノン形態にある任意の化合物は、所望の場合、その還元形態(ヒドロキノン)で使用することもできる。即ち、シクロヘキサジエンジオン化合物(酸化キノン)形態として本明細書に挙げられた化合物は、所望されるようにそれらのベンゼンジオール(還元ヒドロキノン)形態で使用することもできる。
本明細書に記載される全ての化合物、組成物、および製剤、ならびに本明細書に記載される化合物または組成物または製剤を使用する全ての方法に関して、化合物または組成物は、列挙された構成成分もしくはステップのいずれかを含むことができるか、または列挙された構成成分もしくはステップ「から本質的になる」ことができるか、または列挙された構成成分もしくはステップ「からなる」ことができる。即ち、「含むこと(comprising)」または「含む(comprises)」という移行句は、「~から本質的になること(consisting essentially of)」または「~から本質的になる(consists essentially of)」という移行句によって置き換えることができる。あるいは、「含むこと(comprising)」または「含む(comprises)」という移行句は、一部または任意の実施形態では、「~からなること(consisting of)」または「~からなる(consists of)」という移行句によって置き換えることができる。組成物が列挙された構成成分「から本質的になる」と記載される場合、組成物は、列挙された構成成分を含有し、処置されている状態に実質的に影響を及ぼさない他の構成成分を含有していてもよいが、明らかに列挙されたそれらの構成成分以外に、処置されている状態に実質的に影響を及ぼす任意の他の構成成分を含有しないか;または組成物が処置されている状態に実質的に影響を及ぼす列挙されたもの以外の余分な構成成分を含有する場合、組成物は、処置されている状態に実質的に影響を及ぼす十分な濃度もしくは量の余分な構成成分を含有しない。方法が列挙したステップ「から本質的になる」と記載される場合、方法は、列挙されたステップを含有し、処置されている状態に実質的に影響を及ぼさない他のステップを含有していてもよいが、方法は、明らかに列挙されたそれらのステップ以外に、処置されている状態に実質的に影響を及ぼす任意の他のステップを含有しない。非限定的な具体的な例として、組成物が構成成分「から本質的になる」と記載された場合、組成物は、任意の量の薬学的に許容される担体、ビヒクル、賦形剤、または希釈剤、および処置されている状態に実質的に影響を及ぼさないような他の構成成分を、追加として含有していてもよい。
図1Aは、化合物2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(「C9」)、2,3,5-トリメチル-6-オクチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(「C8」)、2,3,5-トリメチル-6-ヘプチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(「C7」)、またはビヒクルのみの、準化学量論的な比での存在下での、組換えヒトαシヌクレイン(αSyn)凝集の動態を示す。
図1Bは、C9、C8、またはC7の非存在(ビヒクル)または存在下での、フィブリル化のt=24時間での、αSynのフィブリル含量を示す。フィブリル含量は、相対的ThT蛍光強度に基づいて評価した(100%は、ビヒクルで処理したαSyn試料の平均の、t=45.5時間でのエンドポイント値に設定した)。
図2は、94時間のインキュベーション後の、タウ予備形成フィブリル含量に対する、ビヒクル、C9、C8、またはC7処理の効果を示す。
図3Aは、C9、C8、またはC7同時処置の非存在または存在下での、RSL3で処置したN27ラットドーパミン作動性細胞における核および凝集αシヌクレインを示す。
図3Bは、N27細胞での、RSL3誘発型αシヌクレイン凝集に対する、C9、C8、またはC7処置の効果を示す。
図4Aおよび4Bは、C57BL/6マウスのオープンフィールド自発運動アッセイにおける、1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)で抑制された垂直活動(それぞれ、全体的な垂直カウントおよび垂直時間)に対する、C9投薬の効果を示す。 図4Aおよび4Bは、C57BL/6マウスのオープンフィールド自発運動アッセイにおける、1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)で抑制された垂直活動(それぞれ、全体的な垂直カウントおよび垂直時間)に対する、C9投薬の効果を示す。
図5は、長時間スキャン法により分析した、受け取ったままの材料(ID 1-1)、パターンAのXRPDディフラクトグラムを示す。
図6は、MeODにおける、受け取ったままの材料(ID 1-1)のH NMRスペクトルを示す。
図7は、受け取ったままの材料(ID-1-1)の自立型DSCサーモグラムを示す。
図8は、受け取ったままの材料(ID-1-1)のTGAおよびDCSサーモグラムを示す。
図9A(100μmスケールが、右下の隅に示される)および9B(20μmスケールが、右下の隅に示される)は、受け取ったままの材料(ID-1-1)の、それぞれ100×および400×倍率での顕微鏡画像を示す。 図9A(100μmスケールが、右下の隅に示される)および9B(20μmスケールが、右下の隅に示される)は、受け取ったままの材料(ID-1-1)の、それぞれ100×および400×倍率での顕微鏡画像を示す。
図10は、受け取ったままの材料(ID-1-1)に関するDVS等温線プロットを示す。
図11は、DVS機器での加湿サイクル後の固体(上)と比較した、受け取ったままの固体(ID-1-1)、パターンA(下)のXRPDディフラクトグラムを示す。
図12は、受け取ったままの材料(ID-1-1)のHPLCクロマトグラムを示す。
図13は、ID 1-1の熱処理後の、ID-10-1のDSCサーモグラムを示す。
図14は、熱処理から回収された固体(ID 10-1)(上)と比較した、受け取ったままの材料(ID-1-1)、パターンA(下)のXRPDディフラクトグラムを示す。
図15は、安定性試料ID-4-1のHPLCクロマトグラムを示す。
図16は、75%RHおよび40℃で1週間後、固体形態安定性試料ID-4-1(上)と比較した、受け取ったままのID-1-1のXRPDディフラクトグラム(下)を示す。
図17A(100μmスケールが、右下の隅に示される)および17B(20μmスケールが、右下の隅に示される)は、それぞれ100×および400×倍率での、ID-4-1の顕微鏡画像を示す。 図17A(100μmスケールが、右下の隅に示される)および17B(20μmスケールが、右下の隅に示される)は、それぞれ100×および400×倍率での、ID-4-1の顕微鏡画像を示す。
図18は、25×倍率でのID-38-1の顕微鏡画像を示し、500μmスケールが右下の隅に示される。
図19は、100×倍率でのID-38-1の顕微鏡画像を示し、100μmスケールが右下の隅に示される。
図20は、400×倍率でのID-38-1の顕微鏡画像を示し、20μmスケールが右下の隅に示される。
図21は、25×倍率でのID-38-2の顕微鏡画像を示し、500μmスケールが右下の隅に示される。
図22は、100×倍率でのID-38-2の顕微鏡画像を示し、100μmスケールが右下の隅に示される。
図23Aおよび23Bは、400×倍率でのID-38-2の顕微鏡画像を示し、20μmスケールが右下の隅に示される。 図23Aおよび23Bは、400×倍率でのID-38-2の顕微鏡画像を示し、20μmスケールが右下の隅に示される。
図24は、25×倍率で両方のロットID-38-1(上)およびID-38-2(下)を比較する、顕微鏡法を示し、500μmスケールが右下の隅に示される。
図25は、100×倍率で両方のロットID-38-1(上)およびID-38-2(下)を比較する、顕微鏡法を示し、100μmスケールが右下の隅に示される。
図26は、400×倍率で両方のロットID-38-1(上)およびID-38-2(下)を比較する、顕微鏡法を示し、20μmスケールが右下の隅に示される。
図27および28は、それぞれ、材料の実施例3A、調製物1および2の代表的な実験に関する粒径分布を示す。 図27および28は、それぞれ、材料の実施例3A、調製物1および2の代表的な実験に関する粒径分布を示す。
図29および30は、それぞれ、材料の実施例3B、調製物1および2の代表的な実験に関する粒径分布を示す。 図29および30は、それぞれ、材料の実施例3B、調製物1および2の代表的な実験に関する粒径分布を示す。
図31は、室温に5分間冷却した液体C9のXRPDディフラクトグラムである。
図32は、ストレスがそれほどない条件での、温度サイクル実験からのDSCサーモグラムである。
本発明は、α-シヌクレイノパチー、タウオパチー、ALS、外傷性脳損傷、および虚血-再潅流関連損傷を処置または抑制するための化合物、組成物、および方法を提供する。α-シヌクレイノパチーは、ニューロン、神経線維、またはグリア細胞におけるアルファ-シヌクレインタンパク質の凝集体の異常な蓄積によって特徴付けられる神経変性疾患である。タウオパチーは、アルツハイマー病など、ヒト脳における神経原線維またはグリオ原線維変化でのタウタンパク質の病理学的凝集に関連する神経変性疾患のクラスに属する(例えば、Cellular and Molecular Neurobiology (2018) 38:965-980を参照)。実施例に示されるように、特許請求される化合物は、アルファ-シヌクレインタンパク質の凝集体を低減させる際の、およびタウタンパク質の凝集を低減させる際の、有効性が示されている。理論に束縛されることを望まないが、それに対する効果が主張される疾患の場合、脳への薬物の浸透を有することが有益であり得、加えて他の組織に比べて脳へ薬物を優先的な分配させることが有益であり得る。例えば、これはオフターゲットおよび副作用を低減し得る。出願人は意外にも、特許請求される化合物が、血漿に対して脳への化合物の、優れた脳透過および優れた分配を有することを見出した。
本発明はさらに、化合物2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの固体形態、固体形態をより高い純度で含みより好ましい粒子モルホロジーおよび粒度分布などの好ましい特徴を有する組成物、ならびにこれを作製するためのプロセスを提供する。本明細書で提供される詳細な説明、実験セクション、および図に、より詳細に示されるように、組成物は、改善された純度(例えば、より低い銀含量)、改善された取扱い特徴(例えば、流動性)、および医薬品に製剤化するための改善された能力(例えば、ミリングするための改善された能力)など、有益な特性を有する。粒子は、初期のプロセスと比較して、良好な流動およびモルホロジー特性を有する。本粒子の使用は、薬物製品製造、例えばカプセル充填を容易にする。さらに、本発明の粒子を使用すれば、費用、時間、およびプロセスの効率に関して利点を提供する、薬物製品製造に必要とされる賦形剤の量を低減させることが、可能になり得る。事実、薬物物質が粘着性であるかまたは容易に流動しない場合、前記薬物物質の取扱いを改善するために、より多くの賦形剤が必要であり得る。また、薬物物質のミリングが必要である場合、粘着性の材料は、ミリング設備の表面での損失に起因して収率が低下し得、ミリングされた生成物はより多くのまたはより壊れにくい凝集体も形成し得る。これらの特徴は、薬物製品製造の処理において望ましくなく、記載されるプロセスで改善される。
本明細書で使用される略語は、他に指定されない限り、化学および生物学的技術分野内におけるそれらの従来の意味を有する。
本明細書で、「約(about)」値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とする変動を含む(および記載する)。例えば、「約X」への言及の記載は、「X」の記載を含む。
本明細書で使用される場合、他に指定されない限り、「約(about)」および「およそ(approximately)」という用語は、組成物または剤形の成分の温度、用量、量、または重量パーセントなどの様々な用語に関連して使用される場合、例えば、指定された温度 用量、量、または重量パーセントから得られたものと同等の効果をもたらすことが当業者により理解される温度、用量、量、または重量パーセントを意味する。具体的に、「約」および「およそ」という用語は、この文脈で使用される場合、指定された温度、用量、量、または重量パーセントなどの15%以内、10%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内、または0.5%以内の温度、用量、量、または重量パーセントなどを企図する。
本明細書で使用される「a」または「an」という用語は、文脈が他のことを明示しない限り、1つまたは複数を意味する。
「被験体」、「個体」、または「患者」とは、個々の生体、好ましくは脊椎動物、より好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
本明細書で論じられる化合物および方法で障害を「処置すること(treating)」とは、本明細書で論じられる化合物の1種または複数を、追加の治療剤と共にまたは追加の治療剤なしで、障害または障害の1つもしくは複数の症状のいずれかを低減または無くすために、あるいは障害または障害の1つもしくは複数の症状の進行を遅延させるために、あるいは障害または障害の1つもしくは複数の症状の重症度を低減させるために、投与することと定義される。本明細書で論じられる化合物および方法による障害の「抑制」は、本明細書で論じられる化合物の1種または複数を、追加の治療剤と共にまたは追加の治療剤なしで、障害の臨床的症状発現を抑制するために、または障害の有害症状の症状発現を抑制するために、投与することと定義される。処置と抑制との間の区別は、処置は、障害の有害症状が被験体で表れた後に行われ、一方、抑制は、障害の有害症状が被験体で表れる前に行われることである。抑制は、部分的、実質的に全体的、または全体的であってもよい。一部の実施形態では、遺伝子スクリーニングを使用して、障害のリスクのある患者を特定することができる。次いで本明細書に開示される化合物および方法は、任意の有害症状の出現を抑制するために、障害の臨床症状を発症するリスクのある無症候性患者に投与することができる。
本明細書で論じられる化合物の「治療的使用」は、本明細書で定義される障害を処置または抑制するために本明細書で論じられる化合物の1種または複数を使用することと定義される。化合物の「治療有効量」は、被験体に投与されたとき、障害または障害の1つもしくは複数の症状のいずれかを低減または無くすために、あるいは障害または障害の1つもしくは複数の症状の進行を遅延させるために、あるいは障害または障害の1つもしくは複数の症状の重症度を低減させるために、あるいは障害の臨床的症状発現を抑制するために、あるいは障害の有害症状の症状発現を抑制するために、十分な化合物の量である。治療有効量は、1回または複数の投与で与えることができる。
「2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン」および「C9」は、本明細書では同義で使用される。
「2,3,5-トリメチル-6-オクチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン」および「C8」は、本明細書では同義で使用される。
「2,3,5-トリメチル-6-ヘプチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン」および「C7」は、本明細書では同義で使用される。
「ヒドロキノン形態」は、キノン環の2電子還元が行われた場合の化合物の形態を示し、2個のオキソ基から2個のヒドロキシル基への正味の変換が提供される。例えば、キノン化合物:
Figure 2022505257000007
のヒドロキノン形態は、下記:
Figure 2022505257000008
である。
「アルファ-シヌクレイン」および「α-シヌクレイン」は、本明細書では同義で使用される。
本明細書の化合物の記載は、全ての同位体置換体(isotopologue)も含み、一部の実施形態では、本明細書の全ての化合物の部分的に重水素化されたまたは過重水素化された(perdeuterated)類似体を含む。
虚血-再潅流関連損傷には、限定するものではないが卒中および虚血再潅流関連網膜損傷が含まれる。
「卒中」には、虚血性脳卒中(非限定的な例には、血栓性脳卒中、塞栓性脳卒中が含まれる)、出血性脳卒中(非限定的な例には、脳内出血、くも膜下出血が含まれる)、および一過性虚血性発作が含まれる。一部の実施形態では、卒中は、虚血性脳卒中である。一部の実施形態では、卒中は、出血性脳卒中である。一部の実施形態では、卒中は、一過性虚血性発作である。
本明細書の特許請求の範囲に記載される全ての特徴付けデータ(例えば、XRPDピーク、DSC、TGA、粒径分布など)に関し、一部の実施形態では、データは、実質的に本明細書で記載されるように行われる方法によって得られる(例えば、XRPD、DSC、およびTGAに関して、例えば具体的な方法論に関しては実施例7を参照)。「実質的に本明細書で記載されるように」は、当業者が、指定された方法から得られたものに実質的に等しい結果を提供するため当業者によって理解される方法を使用することができることを示す。
医薬製剤
特許請求される結晶形態に関し、残留溶媒は許容限度内にあり、医薬組成物への製剤化に十分適したものにする。固体状態の形態は、結晶化技法を介した精製を容易にすることも可能である。特許請求される結晶形態は、吸湿性でも水和物/溶媒和物でもなく、これは湿度曝露に関して特殊な取扱いを必要としないことを意味する。さらに、再結晶化プロセスから得られる改善されたモルホロジーは、製造中のより容易な取扱いを可能にする(本明細書で、より詳細に記載されるように)。本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容される担体、および薬学的に許容されるビヒクルなどの添加剤との製剤化によって、医薬組成物として製剤化することができる。適切な薬学的に許容される賦形剤、担体、およびビヒクルには、加工剤(processing agent)および薬物送達改質剤および増強剤、例えば、一部の実施形態では、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、単糖、二糖、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストロース、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ポリビニルピロリドン、低融点ワックス、およびイオン交換樹脂など、ならびにこれらの2種またはそれよりも多くの組合せが含まれる。他の適切な薬学的に許容される賦形剤は、参照により本明細書に組み込まれる"Remington's Pharmaceutical Sciences," Mack Pub. Co., New Jersey (1991)、および"Remington: The Science and Practice of Pharmacy," Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 20th edition (2003) and 21st edition (2005)に記載される。
医薬組成物は、単位用量が治療効果を有するのに十分な用量である、単位用量製剤を含むことができる。
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、一部の実施形態では、液剤、懸濁剤、またはエマルジョンを含む、意図される投与方法に適した任意の形態にあってもよい。液体担体は、典型的には、液剤、懸濁剤、およびエマルジョンを調製するのに使用される。本発明の実施における使用が企図される液体担体には、一部の実施形態では、水、食塩水、薬学的に許容される有機溶媒(複数可)、および薬学的に許容される油または脂肪など、ならびにこれらの2種またはそれよりも多くの混合物が含まれる。液体担体には、他の適切な薬学的に許容される添加剤、例えば、可溶化剤、乳化剤、栄養剤、緩衝液、保存剤、懸濁化剤、増粘剤、粘度調節剤、および安定化剤などが含有されてもよい。適切な有機溶媒には、一部の実施形態では、エタノールなどの1価アルコール、およびグリコールなどの多価アルコールが含まれる。適切な油には、一部の実施形態では、ゴマ油、ダイズ油、ココナツ油、オリーブ油、サフラワー油、および綿実油などが含まれる。非経口投与では、担体は、油状エステル、例えば、オレイン酸エチル、およびミリスチン酸イソプロピルなどとすることもできる。本発明の組成物は、微粒子、マイクロカプセル、およびリポソームカプセル化物質(liposomal encapsulate)など、ならびにこれらの任意の2種またはそれよりも多くの組合せの形態にあってもよい。
例えば:Lee, "Diffusion-Controlled Matrix Systems", pp. 155-198ならびにRon and Langer, "Erodible Systems", pp. 199-224, in "Treatise on Controlled Drug Delivery", A. Kydonieus Ed., Marcel Dekker, Inc., New York 1992に記載されるような、拡散制御マトリックス系または侵食系などの、時間放出または制御放出送達系を使用してもよい。マトリックスは、一部の実施形態ではin situおよびin vivoで自発的に、一部の実施形態では加水分解または酵素切断によって、例えば、プロテアーゼによって分解することができる、生分解性材料であってもよい。送達系は、一部の実施形態では、天然に存在するまたは合成のポリマーまたはコポリマーであってもよく、一部の実施形態では、ヒドロゲルの形態にあってもよい。切断可能な連結を有する例示的なポリマーには、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物、多糖、ポリ(ホスホエステル)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(イミドカーボネート)、およびポリ(ホスファゼン)が含まれる。
本発明の化合物は、経腸的に、経口的に、非経口的に、舌下的に、吸入によって(例えば、ミストまたはスプレーとして)、直腸的に、または局所的に、従来の無毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを所望されるように含有する投薬単位製剤で投与されてもよい。一部の実施形態では、適切な投与様式には、経口、皮下、経皮、経粘膜、イオン導入、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内(例えば、鼻腔粘膜を介して)、硬膜下、直腸、および胃腸など、ならびに特定のまたは罹患した臓器または組織に直接が含まれる。局所投与用の製剤には、ローション剤、チンキ剤、クリーム剤、エマルジョン、軟膏、スプレー剤、およびゲル剤などが含まれてもよく、日焼け止め、保湿ローション剤およびクリーム剤、顔用ゲル剤およびクリーム剤など、他の適切な製剤にさらに製剤化されてもよい。これらの組成物では、活性生成物は、例えば、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン1,3ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、およびこれらの混合物を含む1種または複数の不活性賦形剤と混合される。局所投与は、経皮投与、例えば経皮パッチまたはイオン導入デバイスの使用を含んでもよい。本明細書で使用される場合、非経口という用語には、皮下、静脈内、筋肉内、および胸骨内注射または注入技法が含まれる。化合物は、所望の投与経路に適切な、薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルと混合される。経口投与が好ましい投与経路であり、経口投与に適した製剤が好ましい製剤である。局所投与が別の好ましい投与経路であり、局所投与に適した製剤が好ましい製剤である。本明細書での使用のために記載される化合物は、固体形態で、液体形態で、エアロゾル形態で、または錠剤、丸剤、粉末混合物、カプセル剤、顆粒剤、注射剤、クリーム剤、液剤、坐剤、浣腸、結腸洗浄、エマルジョン、分散物、食品プレミックスの形態で、および他の適切な形態で投与することができる。化合物は、リポソーム製剤で投与することもできる。追加の投与方法は、当技術分野で公知である。
局所投与用の組成物は、エマルジョンまたは滅菌液剤であることができる。溶媒またはビヒクルとして、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、特にオリーブ油、または注射可能な有機エステル、ある特定の実施形態では、オレイン酸エチルが使用されてもよい。これらの組成物は、アジュバント、特に湿潤剤、等張化剤、乳化剤、分散剤、および安定化剤を含有することもできる。滅菌は、いくつかの方式で、ある特定の実施形態では、細菌学的フィルターを使用して、放射線によって、または加熱によって実施することができる。それらは滅菌水または任意の他の注射可能な滅菌媒体での使用時に溶解することができる、滅菌固体組成物の形態で調製することもできる。
注射可能な調製物、一部の実施形態では滅菌の注射可能な水性または油性懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して公知の技術に従い製剤化されてもよい。滅菌の注射可能な調製物は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌の注射可能な溶液または懸濁物、一部の実施形態では、プロピレングリコール中の溶液であってもよい。用いられ得る許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来より用いられている。この目的のため、任意の無刺激の固定油は、合成モノ-またはジグリセリドを含めて用いられてもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製での使用を見出している。
経口投与用の固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤を含んでいてもよい。そのような固体剤形では、活性化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンブンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混ぜられてもよい。そのような剤形は、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も含んでいてもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は緩衝化剤も含んでいてもよい。錠剤および丸剤は、さらに、腸溶コーティングと共に調製することができる。
経口投与用の液体剤形は、水などの当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含有する薬学的に許容されるエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤を含んでいてもよい。そのような組成物は、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化および懸濁化剤、シクロデキストリン、および甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤も含んでいてもよい。
本発明の化合物は、リポソームの形態で投与することもできる。当技術分野で公知のように、リポソームは一般に、リン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体中に分散された単層または多層水和液晶によって形成される。リポソームを形成することが可能な、任意の無毒性の生理学的に許容されるおよび代謝可能な脂質を、使用することができる。リポソーム形態にある本組成物は、本発明の化合物に加え、安定化剤、保存剤、および賦形剤などを含有することができる。好ましい脂質は、天然および合成の両方の、リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は、当技術分野で公知である。例えば、Prescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.W., p. 33 et seq. (1976)を参照されたい。
本発明の製剤は、本明細書に記載される2種またはそれよりも多くの化合物または組成物を含んでいてもよい。
本発明は、本明細書に記載される方法のいずれかでの使用のための、本発明の化合物のいずれか1種または複数を含む、製造物品およびキットも提供する。
単一剤形を生成するのに担体材料と組み合わせてもよい活性成分の量は、活性成分が投与される宿主および特定の投与様式に応じて変動する。しかしながら、任意の特定の個体に関する具体的な用量レベルは、用いられる特定の化合物の活性、患者の年齢、体重、体面積、ボディマス指数(BMI)、全体的な健康、性別、および食事;投与時間、投与経路、排出率、または薬物の組合せ;ならびに特定の疾患または状態のタイプ、進行、および重症度を含む、様々な要因に依存することが理解されよう。選択される医薬品単位投薬量は、身体の標的領域で薬物の定められた最終濃度を提供するように製作され投与されてもよい。所与の状況に関する治療有効量は、通常の実験によって容易に決定することができ、通常の臨床医の技量および判断の範囲内にある。
使用することができる単回および複数回投薬量には、約0.1mg/kgから約600mg/kg体重、または約1.0mg/kgから約500mg/kg体重、または約1.0mg/kgから約400mg/kg体重、または約1.0mg/kgから約300mg/kg体重、または約1.0mg/kgから約200mg/kg体重、または約1.0mg/kgから約100mg/kg体重、または約1.0mg/kgから約50mg/kg体重、または約1.0mg/kgから約30mg/kg体重、または約1.0mg/kgから約10mg/kg体重、または約10mg/kgから約600mg/kg体重、または約10mg/kgから約500mg/kg体重、または約10mg/kgから約400mg/kg体重、または約10mg/kgから約300mg/kg体重、または約10mg/kgから約200mg/kg体重、または約10mg/kgから約100mg/kg体重、または約50mg/kgから約150mg/kg体重、または約100mg/kgから約200mg/kg体重、または約150mg/kgから約250mg/kg体重、または約200mg/kgから約300mg/kg体重、または約250mg/kgから約350mg/kg体重、または約200mg/kgから約400mg/kg体重、または約300mg/kgから約400mg/kg体重、または約250mg/kgから約300mg/kg体重、または約300mg/kg体重から独立して選択される量が含まれる。本発明の化合物は、単一の1日用量で投与されてもよく、または1日当たりの総投薬量が、1日2回、3回、または4回の分割投薬量で投与されてもよい。
単回または複数回用量を投与することができる。一部の実施形態では、用量は、1回、2回、3回、4回、5回、または6回投与される。一部の実施形態では、用量は、1日当たり1回、1日当たり2回、1日当たり3回、または1日当たり4回投与される。一部の実施形態では、用量は、毎時間、2時間ごと、3時間ごと、4時間ごと、6時間ごと、12時間ごと、または24時間ごとに投与される。
本発明の化合物は、単独の活性医薬剤として投与することができるが、本明細書に記載される障害の処置または抑制に使用される1種または複数の他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。一部の実施形態では、本発明の化合物(複数可)は、治療有効量で存在する単独の活性医薬剤として投与される。
追加の活性剤が本発明の化合物と組み合わせて使用される場合、追加の活性剤は、一般に、Physicians' Desk Reference (PDR) 53rd Edition (1999)に示されるような治療量で、または当業者に公知であり得るような治療上有用な量で用いられてもよい。
本発明の化合物および他の治療上活性な薬剤または予防上有効な薬剤は、推奨される最大臨床投薬量でまたはより低い用量で投与することができる。本発明の組成物における活性化合物の投薬量レベルは、投与経路、障害の重症度、および個体の応答に応じて所望の応答が得られるように、変動し得る。他の治療または予防剤と組み合わせて投与される場合、治療剤もしくは予防剤は、同時にもしくは異なる時間で与えられる別々の組成物として製剤化することができるか、または治療剤もしくは予防剤は、単一組成物として与えることができる。
本発明の化合物の調製
本発明の化合物は、本明細書に提供される開示に鑑み当業者に明らかになる一般的な方法および手順を使用して、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。典型的なまたは好ましいプロセス条件(即ち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、他に記述しない限り、他のプロセス条件も使用することができることが理解されよう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒と共に変動し得るが、そのような条件は、通常の最適化手順によって当業者が決定することができる。C9の溶液は光感受性であり;室内照明は、理想的には波長<450nmを除去するようにフィルタリングされるべきである(暗室灯フィルター)。暗室照明が利用できない場合には、適切な制御、例えばアルミ箔のラッピング、琥珀色のガラス製品を使用して、溶液の光曝露を最小限に抑えるべきである。
本明細書に記載される化合物および方法の全てに関し、所望の場合、キノン形態をその還元(ヒドロキノン)形態で使用することもできる。同様に、ヒドロキノン形態は、所望の場合、その酸化(キノン)形態で使用することもできる。還元(ヒドロキノン)形態は、当技術分野で公知の方法を使用して、酸化(キノン)形態に容易に変換され得る。例えば、air, silica Miller et al PCT国際出願2006130775 7 Dec 2006を参照されたい。酸化(キノン)形態は、当技術分野で公知の方法を使用して、還元ヒドロキノン形態に容易に変換され得る。例えば、Zn, AcOH Fuchs et al EJOC 6 (2009) 833-40を参照されたい。
本発明は、下記の非限定的な実施例および実施形態によってさらに記載される。
再結晶化。実施例1Aおよび3Aに示されるように、C9を作製するための合成方法は、高い銀含量、生成物の粘着性、ならびに望ましくない粒径および分布など、1つまたは複数の望ましくない特徴を有する生成物をもたらした。一般に、医薬品の使用では、狭い粒径分布を有する固体の生成物を有することが好ましい。実施例3Aの生成物の粘着性は、ミリングを難しくすることおよび篩い分けが可能ではないことも含めて生成物の取扱いを難しくした。
再結晶化は、改善された特性、例えば、その後の製剤化中に生成物の性能を改善するために、生成物の固体から不純物を除去すること、ならびにより均質なサイズおよび分布の材料を生成することをもたらし得る。実施例に示されるように、再結晶化手順は、例えば:改善された純度、より高い融点、より低い銀含量、より良好な流動性、少ない粘着性、ならびにより均質な粒径および分布を含む、生成物の固体の品質の改善をもたらすことが発見された。さらに、再結晶化法は、種結晶を必要とせず、C9のオイリングアウトの問題もなかった。
再結晶化手順は一般に、C9を溶媒に溶解すること、約40~45℃に混合物を温めるて、C9を溶解すること、混合物を結晶化が生じる約32℃に冷却すること、および生成物を濾過することを含む。
一部の実施形態では、再結晶化溶媒は、約75~85%のIPA/水である。一部の実施形態では、再結晶化溶媒は、約80~85%のIPA/水である。一部の実施形態では、再結晶化溶媒は、約80~87%のIPA/水である。一部の実施形態では、再結晶化溶媒は、約83~87%のIPA/水である。一部の実施形態では、再結晶化溶媒は、約85%のIPA/水である。一部の実施形態では、比は、(v:v)と測定される。一部の実施形態では、比は、「重量:重量」と測定される。一部の実施形態では、再結晶化溶媒は、メタノールと水との組合せである。一部の実施形態では、再結晶化溶媒は、メタノールとヘプタンとの組合せである。
再結晶化溶媒がIPA/水である場合、一部の実施形態では、方法は、C9をIPAに溶解すること(例えば、混合物を約40~45℃に加熱することによって)、次いで水を添加することを含む。水の添加後、混合物の温度を約40~45℃に戻してもよい。他の実施形態では、方法は、C9をIPA/水の混合物に溶解することを含む。
一部の実施形態では、溶解したC9を含有する混合物は、ポリッシュフィルタリングされる。ポリッシュフィルタリングは、約40~45℃で、またはC9を溶液で維持するのに必要な温度で行ってもよい。
一部の実施形態では、混合物を約32℃に冷却することは、数時間にわたって、例えば約2~10時間、または約4~8時間、または約6時間行われる。一部の実施形態では、混合物は次いで、C9を結晶化させるために約32℃で数時間、例えば約2~24時間、または約4~8時間、または約6時間保持される。
一部の実施形態では、混合物は次いで、さらに冷却される。一部の実施形態では、温度は、約-5℃から約5℃、または約0℃に冷却されてもよい。冷却は、単一ステップで、または複数のステップ(例えば、約24℃に、次いで約16℃に、次いで約0℃に冷却する)で行ってもよい。一部の実施形態では、混合物は、約3~24時間の期間にわたって冷却される。一部の実施形態では、混合物は、約0℃で、例えば少なくとも1時間、または約1時間保持される。
再結晶化手順は、C9生成物の改善された純度をもたらした。様々な実施形態では、生成物は、HPLCにより測定した場合、あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、少なくとも約95%a/a、または少なくとも約96%a/a、または少なくとも約97%a/a、または少なくとも約98%a/a、または少なくとも約99%a/a、または少なくとも約99.5%a/aのC9を含む。
手順は、高純度の、特許請求される多形ももたらし得る。様々な実施形態では、あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの少なくとも約95モル%、または少なくとも約96モル%、または少なくとも約97モル%、または少なくとも約98モル%、または少なくとも約99モル%、または少なくとも約99.5モル%が多形である。
手順は、C9の高い効力ももたらし得る。効力=(100%-HPLCによる総不純物)×(100%-含水量%-全残留溶媒%-強熱残分%)。効力は、下記(HPLCによる面積純度%/100)×(100-%wt/wt含水量(KF)-%wt/wt残留溶媒-%wt/wt=強熱残分(ROI))の通り計算され得る。様々な実施形態では、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの効力は、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.5%である。
手順は、より狭い粒径分布ももたらし得る。D10は、10%累積(0から100%)篩下粒径分布に相当する粒子径を表す(即ち、D10よりも小さい粒子のパーセンテージは10%である)。D90は、90%累積(0から100%)篩下粒径分布に相当する粒子径を表す(即ち、D90よりも小さい粒子のパーセンテージは90%である。一部の実施形態では、粒子は、約11:1未満のD90:D10の比を有する。一部の実施形態では、粒子は、約10:1未満のD90:D10の比を有する。一部の実施形態では、粒子は、約9:1未満のD90:D10の比を有する。一部の実施形態では、粒子は、約8:1未満のD90:D10の比を有する。一部の実施形態では、粒子は、約7:1未満のD90:D10の比を有する。一部の実施形態では、粒子は、約6:1未満のD90:D10の比を有する。一部の実施形態では、粒子は、約5:1未満のD90:D10の比を有する。一部の実施形態では、粒子は、約4:1未満のD90:D10の比を有する。
Figure 2022505257000009
(実施例1A 2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(3)の合成)
Figure 2022505257000010
温度計および撹拌子を備えた50Lの反応器に、2,3,5-トリメチル-ベンゼン-1,4-ジオール(1)(1.39kg、9.1mol)およびエーテル(15L)を23℃で添加した。30分間撹拌した後、透明溶液になった。塩化第2鉄(5.6kg、34.5mol)の水(20L)中溶液を、3時間にわたって滴下添加した。反応混合物をさらに2時間、この温度で撹拌した。有機相を分離した。取り出された水性層をエーテルで抽出した(3×5L)。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物をジクロロメタン(DCM)(1L)で希釈し、シリカゲルクロマトグラフィー(1カラム)で精製して、所望の生成物2(1.27kg、95%)を得た。TLC(石油エーテル(PE)/酢酸エチル(EA)=30/1)。R(化合物1)=0.2。R(生成物2)=0.6。
温度計および撹拌子を備えた50Lの反応器に、2,3,5-トリメチル-[1,4]ベンゾキノン(2)(780g、5.2mol、1.0当量)、デカン酸(895g、5.2mol、1.0当量)、およびアセトニトリル(15L)を添加した。室温で30分間撹拌した後、透明溶液になった。硝酸銀(882g、5.2mol、1.0当量)を一度に添加した。反応混合物を、75℃まで加熱した。過硫酸カリウム(1.54kg、5.7mol、1.1当量)の水(30L)中溶液を、2時間にわたって滴下添加した。添加後、反応物をさらに3時間、75℃で撹拌した。溶液を室温に冷却した。水性層を取り出し15Lの水中に加え、これを酢酸エチルで抽出した(3×5L)。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して黄色の残留物を得、これを高温メタノール(800mL)で結晶化した。固体を濾過し、少量のメタノールおよびエーテルで洗浄し、真空中で乾燥して、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(3)(447g)を黄色の結晶凝集体として得た。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル、100:1)によって精製して、さらに155gの2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(3)(総量:602g、42%)を得た。TLC(石油エーテル/酢酸エチル(PE/EA)=30/1)。R(化合物2)=0.5。R(生成物3)=0.6。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.46 (s, 2H), 2.02-2.01(m, 9H), 1.35-1.26 (m, 22H), 0.88-0.86 (m, 5H).Ag=45ppm。融点49.9。
生成物は高い銀含量を有しており、一方はMeOHからの粉砕から、他方はカラムクロマトグラフィーからの2つの単離の組合せに起因し、生成物は、微細な粒子ならびに大きな塊の化合物を含む不均質な混合物であった。
(実施例1B 2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(C9)の再結晶化)
概要。生成物を、NaCl前処理後、2-プロパノール(IPA)/水(HO)から再結晶化した後、消化、収集、ならびに空気および真空を介して乾燥することによって調製した。出発材料(実施例1Aで調製されたC9、99.9g)は高いAg含量(45ppm)を有しており、したがってブライン洗浄および2回の水洗浄を、C9化合物のメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)溶液に行った後、乾燥し再結晶化した。C9のMTBE溶液を、2.7μmのフィルターに通して濾過して、塩化ナトリウム(NaCl)洗浄後に存在するいかなる微粒子も除去した。MTBEから再結晶化溶媒IPAへの溶媒交換中、褐色の固体が溶液中に形成され、高温濾過して除去する必要があった。黄褐色の固体は、キノン溶液の光曝露から生じた可能性が高く、さらに分析しなかった。次いで濾過した鮮黄色の溶液を光から保護し、濃縮し、85%のIPA/HO(486g/98g)に40℃で溶解した。熱を除去し、結晶が35℃で形成した。スラリーを48時間、16℃で撹拌し、0℃に冷却し、固体を収集し、洗浄し、乾燥して、空気および真空下(約125mmHg)で一定の重量にして、82.1gの微細な黄色の針を得た(82.1%)。材料を、NMR、UPLC、LCMS、IR、およびMPによって分析した。
NaCl洗浄によるAg除去。混合粉末および結晶の黄色の集合体としての粗製C9(実施例1Aで調製した99.9g)を、500mLのメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)に溶解し、小さな(1~2mm)黒色の薄片のある濁った黄色の液体を、ブライン(100mL、HO中20wt%NaCl)で洗浄した。混濁した黄色の有機上層を保持し、残留層および無色透明な水性相を廃棄した。有機相を水で洗浄し(2×100mL)、無水硫酸ナトリウム(NaSO、35g)で乾燥させた。透明な黄色の溶液を、55mmのWhatman GF/Dフィルター(2.7μm)の上部に積層された55mmのWhatmanタイプ3フィルター(6μm)に通して濾過し、容器をMTBEですすいだ(2×20mL)。IPA(100mL)を添加し、ロータリーエバポレーター(125~90mmHg、40~25℃浴)を介して濃縮し、鮮黄色のスラリー(180g)を得た。IPA(348g)を添加し、スラリーを20分間加熱して透明にし(35℃、120mmHg)、次いで圧力を60mmHgに低減し、結晶が形成し始めるまで体積を低減させた(約45分)。得られたスラリーに、MTBEの臭いはなかった。スラリーを35℃で182gの重量に濃縮し、IPA(404g)を添加し、溶解するまで40℃に加熱し、黄色の固体(35mmHg)に濃縮した。IPA(500mL)を添加し、一晩撹拌した。
黄褐色の固体を除去するための濾過。褐色の薄片が、IPA溶液中に認められ、積層された55mmのWhatmanタイプ3(8μm)およびWhatman GF/D(2.7μm)フィルターを通した高温濾過(約40℃)によって除去した。粘着性の黄褐色の残留物をフィルター上に置き、透明な鮮黄色の溶液を、ロータリーエバポレーターを介して黄色の固体に濃縮した。
再結晶化。黄色の固体にIPA(486g)を添加し、容器を40℃に加熱し、水(98g)を透明な黄色の溶液に添加した。熱を2時間にわたって21℃に下げて、針の鮮黄色のスラリーを得た。スラリーを16℃で48時間撹拌し、0℃に冷却し、濃厚な黄色のスラリーを濾過した(Whatman #54、150mm Buchner)。微細な黄色の針を、氷冷85%IPA/HO(2×250mL、0℃)およびIPA(100mL、0℃)ですすいだ。固体を吸引下に1時間置き、ニトリルダムをBuchner漏斗上に設置し、ハウスバキュームの下で(約100mmHg)一晩保持した。黄色の結晶(88.9g)は依然としてIPAの臭いを有し、したがって新しいBuchner/フィルターに移し(漏斗は、C9残留物で詰まるようになった)、真空下(100mmHg、6時間)で保持して一定の重量にした(82.1g、82.1%)。保存のため、500mLのAmberタイプI Schott-Duranボトルに、室温で移した。結晶の体積は約280mL(82.1g)。
適格な方法によるCoA分析:含水量(KF)=0.05%;溶媒含量=0.23%;HPLC純度=100%AUC;DSCによる融点=53.0℃;Ag含量<2.00ppm;強熱残分=0.02%;効力(計算値)=99.71%、パターンAに一致した結晶形態。
効力は、下記の通り計算する(HPLCによる面積純度%/100)×(100-%wt/wt含水量(KF)-%wt/wt残留溶媒-%wt/wt=強熱残分(ROI))。
(実施例2 再結晶化スクリーニング)
実施例1Aおよび3Aに示されるように、C9を作製するための合成方法は、高い銀含量、生成物の粘着性、ならびに望ましくない粒径および分布など、1つまたは複数の望ましくない特徴を有する生成物をもたらした。上で論じたように、再結晶化は、生成物の特性を改善し得る。したがって、様々な溶媒を、C9の再結晶化における適切さに関してスクリーニングした。
100mgのC9を試験管に入れ、溶媒を添加し、あらゆる変化を記した。次いで試料を、ヒートガンで短時間加熱し(およそ45~50℃に加熱した)、溶解度を記し、室温に冷却し、溶解度を記し、次いで0℃に冷却し、溶解度を記した。結果は、以下の表にある。
Figure 2022505257000011
下記の溶媒は、C9が低い温度で過剰に溶解するので、不適切であるとして廃棄した:MeCN、THF。
下記の溶媒は、C9がより高い温度で十分な溶媒ではないので、不適切であるとして廃棄した:水。
下記の溶媒は、溶解前にC9材料が融解したので、不適切であるとして廃棄した:80%EtOH。これは溶液に懸濁した油を形成するので、好ましくない。冷却すると、結晶化し得るが、結晶は一般に均質ではなく、純度も高くならない。
95%EtOHは、医薬品として問題があり得るMeOHおよびアセトンを含有するので、不適切であるとして廃棄した。
メタノールおよびエタノールは、それらの低い沸点に起因してそれほど好ましくなかった。さらに、MeOHからの長い針は、長い針の結晶が、よりコンパクトな粒子よりも移動および濾過するのが難しいので、それほど好ましくなかった。
エタノールは、高温の場合、ほぼ完全な可溶性材料を、低温の場合、部分的に可溶な材料を生成することに留意した。IPAは、類似の挙動も示したが、100mg/mLで高い温度で可溶であり、室温/低温では部分的に可溶であった。エタノール/水の混合物を、溶解度特性に関して最初に調査したが、C9化合物は>40℃でオイリングアウトするので却下した。IPAは、完全溶解の前により高い温度でオイリングアウトすることなく僅かに良好な溶解度を有し、IPAは良好な逆溶媒(HO)と混和できるので、エタノールが不適切であると分かった後に調査した。70%IPA/HOは、融解の問題およびオイリングアウトをもたらし、それに対して100%IPAは、低い温度で理想的に不溶性ではなかった。したがって、70~100%の間のIPAの濃度を試験した。
1gスケールの試験溶液は、75~85%IPA/水が、良好な溶解度(約10:1 体積:重量)の、濾過可能な微細な結晶および予測可能な融解/結晶化をもたらすように加熱および冷却することができる溶液を、もたらすことを決定した。播種は、必要であるように見えなかった。高温濾過は、溶液が室内灯に>1時間曝露されたままである場合に褐色の材料が結晶化中に形成されるので、必要とされた。これは溶液が光に曝露された場合のみ観察された。回収は、微細な針に関して92.7%であり、上清のUHPLC分析は、固体の99%に対して91%a/aであり、上清が不純物を除去したことを示した。容易に濾過され洗浄され、良好な回収を有する、微細な黄色の針がもたらされた。UHPLCは、UHPLC面積%の改善を示し、結晶は全て、サイズが類似しており、一旦乾燥させると容易に流動した。
(実施例3A 2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの合成)
Figure 2022505257000012
化合物1(2.0kg、13.15mol、1.0当量)のジクロロメタン(20L)中撹拌溶液を、23℃で30分間撹拌した。塩化第2鉄(5.33kg、32.88mol、2.5当量)の水(19.04L)中溶液を、22時間にわたって滴下添加した。反応混合物をさらに2時間、この温度で撹拌した。HPLCは、化合物1が完全に消費されたことを示した。有機相を分離した。取り出された水性層を、ジクロロメタンで抽出した(2×10L)。合わせた有機相を、水(2×20L)、ブライン(2×10L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(約5kg)で乾燥させ、濃縮して粗製化合物2(1.95kg、粗製)を得、これをさらに精製することなく次のステップで直接使用した。
化合物2(1.25kg、8.33mol、1.0当量)およびデカン酸(1.44kg、8.33mol、1.0当量)のアセトニトリル(25L)中混合物を、室温で30分間撹拌した。硝酸銀(353.9g、2.08mol、0.25当量)を一度に添加した。反応混合物を75℃まで加熱した。過硫酸カリウム(2.48kg、9.17mol、1.1当量)の水(100mL)中溶液を滴下添加した。添加後、反応物を、75℃でさらに3.5時間撹拌した。HPLCは、化合物2が完全に消費されたことを示した。溶液を室温に冷却した。水性層を取り出し、50Lの水中に加え、これを酢酸エチルで抽出した(3×10L)。合わせた有機相を水性塩化ナトリウム(5L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(約5kg)で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した。残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(PE、PE/EA、50/1)により精製して、粗製生成物を得た。生成物は、フラッシュカラムクロマトグラフィー(FCC)の後に油として得られた(静置後に凝固)。これを、凝固する前に素早く3つ口フラスコに投入した。油を撹拌し、撹拌により固体が形成された。固体を一晩(約15時間)、室温(20~30℃)で、メタノールで粉砕し(カラム精製後、粗製生成物の量として、2体積、滴下添加した)、濾過した。得られたケーキをメタノール(500mL)で洗浄し、真空中で乾燥した:残留溶媒:アセトニトリル、メタノール、ジクロロメタン、および酢酸エチル)を除去するために、固体を、水浴(<30℃)内で、真空ポンプ(0.5mmHg)で20Lのロータリーエバポレーターに、7日間、8時間/日で投入して、C9(1.28kg、56%)を黄色の結晶として得た。生成物をステンレス容器内に広げ、乳鉢で破砕して類似のサイズを得た。ミリングプロセスを数回繰り返した。固体を篩い分けしようとする試みに挑戦した。しかしながら固体は、生成物が篩(100メッシュ)上に粘着したために篩い分けすることができなかった。この材料のミリングは難しいので、誘導された粒子は大きく、製剤化するのが難しくなる。
TLC(PE/EA=30/1)。R(化合物2)=0.5。R(C9)=0.8。LC-MS:n/a。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.45-2.42 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.99-1.94 (m, 9H), 1.24 (m, 16H).
アッセイ=HPLC 92.2%w/w対参照標準。
(実施例3B 2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの再結晶化)
概要。この実施例は、10gのエンジニアリングバッチ上でのC9の再結晶化、およびその後に続く2.4kgのC9の再結晶化についてまとめる(両方の試料は実施例3Aから提供された通りである)。材料を2-プロパノールに40℃で溶解した後、水を添加して曇った溶液を達成し、これをジャケット付きフィルターに40℃で通してポリッシュフィルタリングした。得られた透明溶液をゆっくりと32℃に冷却し、それによって生成物は、微細な黄色の針として自発的に結晶化した。さらに段階的に16℃に、次いで0℃に冷却することによりスラリーを得、これを濾過により収集し、水中85%の2-プロパノールですすいだ。得られた固体を25℃で真空乾燥して、一定の重量にして、82%の回収で生成物(1.975kg)を得た。単離された固体を、DSC、IR、およびH NMRで試験し、合格であった。
考察
本明細書に記載される処理の利点は:オイリングなしに、真に結晶質の固体の制御された形成を可能にする;種結晶の必要なし;アッセイ/純度の上昇;良好な流動特性による粘着性の欠如;より緊密な粒径分布;ならびに単離および乾燥することがより容易な規則的な形状粒子、である。必要な場合、この材料のミリングは、単純になることが予想される。
供給されたC9(実施例3Aに従い作製され、純度92.2%)のLCMS分析は、UV254で、または蒸発光散乱検出器(ELSD)では検出できない、全イオンカウント(TIC)による主要な不純物を示した。不純物は、母液中の不純物の高い回収で、再結晶化した生成物において効率的にパージされた。
制定された冷却プロトコールは、オイリングアウトなしでまたは種結晶の使用を必要とせずに結晶を生成し、結晶化は32℃で生じた。
最終生成物の単離は湿潤ケーキをもたらし、これを、ニトリルダムを使用せずに25℃の乾燥オーブンに移した。
再結晶化(2.4kg)。
オーバーヘッド機械式撹拌子、アルゴン入口、およびTeflonコーティングされた温度プローブを備えた50Lのジャケット付き反応器に、C9(2400g)および2-プロパノール(15.6L、Fisher A416)を添加した。混合物をアルゴン下で75rpmで撹拌し、反応器をアルミ箔で覆った。反応器のジャケットを41℃に温め(内部温度40℃)、60分間撹拌すると、透明溶液になった。
反応物に、脱イオン水(2.5L、Ricca 9150-5)を添加し、溶液を90分間撹拌した。溶液を、正のアルゴン圧力(8psi)を使用して、40℃で、P4(10~16um)焼結ガラスジャケット付き漏斗に通してポリッシュフィルタリングし、20Lのガラスカーボイに収集した。
50Lの反応器を、2-プロパノール(2L、Fisher A416)ですすぎ、液体を有機廃棄物として除去した。
透明な上清(36℃)を、オーバーヘッド機械式撹拌子、アルゴン入口、およびTeflonコーティングされた温度プローブを備えた50Lのジャケット付き反応器に戻し、40℃に加熱し直した。溶液を75rpmで撹拌し、6時間にわたって32℃に冷却し、次いで32℃でさらに6時間保持した。結晶が形成された。スラリーを、24℃に1時間冷却し、さらに16℃に1時間冷却し、0℃に1時間冷却した。
固体を、正のアルゴン圧力(8psi)を使用して、P4(10~16um)焼結ガラス漏斗上に収集した。フィルターケーキを2-プロパノール/水(85/15v/v、2×6L)ですすぎ、アルゴン流下で2時間乾燥して、3450gの黄色の固体を得た。固体を真空オーブンに移し、25℃で240時間、真空乾燥した。重量を、一定の重量が達成されるまで約24時間の間隔でチェックして、最終生成物C9(1975g、収率82.2%)を自由に流動する黄色の結晶質固体として得た。固体のDSC分析は、48.66℃での融解の開始および50.13℃の融点を示した。HPLCによるアッセイは、99.4%a/aの純度を示した。
母液を減圧下で濃縮して、400gの赤色の油を得た。油の分析は、254nmで認識可能な吸光度を有するようには見えない、TICによる主要な不純物ピークを有する、いくらかの生成物を示した。不純物の分子量は、373であるように見えた(M+H=374amu)。
適格な方法によるCoA分析:含水量(KF)=0.06%;溶媒含量=0.24%;HPLC純度=100%AUC;DSCによる融点=53.0℃;Ag含量<2.00ppm;強熱残分=<0.01%;効力(計算値)=99.69%、結晶形態は、形態Aに一致する。
(実施例4 2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの多形)
概要
受け取ったままのパターンAおよびその融解物の概要を、以下に示す。
Figure 2022505257000013
特徴付け
受け取ったままの固体(ID 1-1、実施例1Aおよび1Bに従い生成された)は、僅かに粘着性のある黄色の粉末であった。容器を、冷蔵庫内で5℃で保存した。材料は感光性であるので、容器および全ての試料バイアルは、琥珀色のまたは箔で覆われたバイアルにより光曝露から保護した。材料(ID 1-1)のXRPD分析は、材料が結晶質であり、4、12、および16°2θでの高い強度ピーク、ならびにいくつかの他のより低い強度ピークを有することを示し;このパターンをパターンAと指定した(図5)。d-間隔および強度を有するピークリストを、表2に示す。
Figure 2022505257000014
材料(ID 1-1)をMeODに溶解し、H NMRによって分析した(図6)。NMRスペクトルは、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの構造に一致していた。これが無水物であり、溶媒和物ではないこととも一致している。
材料(ID 1-1)のDSCは、48.70℃で融解の開始を示した(図7)。同時のTGA/DSCは、0.26%の重量損失の関連するステップにより、DSCに一致する融解の開始を示した(図8)。方法の詳細を含むDSCデータの概要を、表3に示す。
Figure 2022505257000015
受け取ったままの材料(ID 1-1)の顕微鏡画像を、100×(図9A)および400×(図9B)の倍率で獲得した。材料は、長方形の、プレート状モルホロジーを示した。
含水量に関するKarl Fischer(KF)滴定を、受け取ったままの材料(ID 1-1)の2つの試料:第1は24mg、および第2は43mgで行った;しかしながら、どちらの試料も、滴定装置による測定値を提供しなかった。このことは、材料の含水量が、機器に関する検出限界(>1ppm)の下にあることを示した。この結果は、無水物である材料と一致する。ppm)。
受け取ったままの材料(ID 1-1)を、動的蒸気収着(DVS)機器によって加湿サイクルに供した。材料は、15~75%の相対湿度の範囲で0.01%の質量変化、および2~95%の相対湿度の全範囲にわたって0.08%の質量変化を受けた。等温線プロットを図10に示す。加湿サイクル後、固体をXRPDにより分析した。観察されたパターンは、受け取ったままの固体(ID 1-1)、パターンAから変化しなかった;XRPDデータを図11に示す。これらの結果は、材料が吸湿性ではないことを示す。
受け取ったままの固体の試料を、0.5mg/mLの濃度に溶解し、純度分析のためにHPLCにより注入した。不純物は観察されなかった。クロマトグラムを図12に示す。
熱処理
15mgの受け取ったままの材料(ID-1-1)をDSCパンに計量し、10℃/分で60℃に加熱し次いで2℃/分で10℃に冷却する方法により、自立型DSC機器上で熱処理に供した。得られた材料をパンから回収し、XRPD分析のためにプレーティングした(ID-10-1)。48.74℃になると材料は融解し、22.58℃で発熱が生じると再結晶化した。回収された材料は、XRPDによりパターンAを示した。DSC処理からのサーモグラムを図13に示す。XRPDデータを図14に示す。
ホットステージ顕微鏡法
Linkamホットステージシステムを用いて、融解中に受け取ったままの固体(ID-1-1)の画像を獲得した。少量の材料を、ホットステージ内の顕微鏡用スライド上に置き、温度上昇法を用いて、1℃/分の速度で30℃から55℃にした。一連の画像を、上昇中に200×倍率で獲得した。モルホロジー変化は、融解まで観察されなかった(データは図示せず)。融解後、ホットステージを元の室温まで自然に冷まし、材料を、再結晶化に関して200×倍率でモニターしたが、固体は観察されず;試料はガラスのように見えた。材料を、21ゲージ針で操作して、結晶核生成を試みた。次いでスライドをホットステージから取り出し、200×倍率で画像を獲得した;得られた材料は変化していないように見えた(データは図示せず)。このことは、化合物が、室温で融解液体形態(非晶質)として存在することができることを示す。
固体形態の安定性。
材料の固体形態の安定性を、1週間にわたって評価した。49.0mgのID-1-1を、箔で覆われた4mLバイアルの内部に入れ、これをKimWipeで覆った。このバイアルを、飽和水性塩化ナトリウムが入っている20mLバイアル内に入れた。バイアルを、40℃で7日間、ホットプレート上に置き、系内に75%相対湿度の雰囲気を創出した。7日後、固体をHPLC用に試料採取した(ID-4-1)。
得られたクロマトグラムは、安定性試料においていかなる不純物も示さなかった。クロマトグラムを図15に示す。ストレスがかかった材料の試料をプレーティングし、XRPDにより分析した;観察されたパターンはパターンAであった。XRPDデータを図16に示す。ID-4-1の顕微鏡画像を、100×および400×倍率で獲得した。画像を図17A(100×)および図17B(400×)に示す。
固体形態の試料を、融解するまで55℃で加熱し、次いで室温に5分間冷却し、XRPDディフラクトグラムは、それが非晶質であることを示した(図31)。20℃で、融解物は、温度サイクルDSC実験に見られるように、最終的にはパターンAに凝固した(図32)。これは非晶質液体形態が準安定であり、パターンAに変換されることを示す。
人工流体(simulated fluid)および水への溶解度。
パターンAおよび融解した固体の溶解度を、空腹時人工胃液(FaSSGF)、摂食時人工腸液(FeSSIF)、および空腹時人工腸液(FaSSIF)、水、および水中0.5%メチルセルロース+2% Tween80で評価した。5つの箔で覆われた4mLバイアルを、11~13mgの受け取ったままの材料(ID-1-1)で調製し、10mmの撹拌棒を含めた。11~13mgの間のC9が入っている5つの箔で覆われた4mLバイアルを、ホットプレート上で、70℃で10分間融解し、室温に5分間冷却し、10mmの撹拌棒を含めた。
スラリーを、それぞれ2.5mLの人工流体(水中0.5%メチルセルロース+2%Tween80を含む)または水中で、受け取ったままの材料ID-1-1(パターンA)および融解したC9で調製した。融解した活性医薬成分(API)を含有する試料を、それらが材料の塊を含有するように見えたので、短時間超音波処理した。pHおよび溶解度の両方を、30分および24時間で評価した。溶解度分析では、1mLの各試料をシリンジフィルター内にピペットで移し、最初の0.5mLをソースバイアル内に濾過し戻し、残りの0.5mLを、低体積インサートによりHPLCバイアル内に濾過した。
較正点で計算された応答因子を使用して、人工流体および水におけるAPIの濃度を決定した。較正試料は、ACN中の受け取ったままの材料(ID-1-1)で調製した。各較正点に関する濃度およびピーク面積をプロットし、溶解度の評価のために、応答因子を計算した。
実験設計および得られたデータを表5に示す。各スラリーの残りを濾過し、XRPD分析のために、プレーティングした。観察された全てのパターンは、パターンAであった(データは図示せず)。
Figure 2022505257000016
UPLCカラムで観察された高圧に起因して、異なるカラムおよび修正方法を、水中0.5%メチルセルロース+2%Tween80で24時間データポイントに関して、水中で24時間用いた(ID-30-4、ID-30-9、およびID-30-10)。ID-30-4および30-9のHPLC試料(メチルセルロース/Tween80混合物を含有するもの)を、ACNで10×希釈した。これらの試料に、較正点の注入の新しい組を加えたものを分析し、新しい応答因子を決定し、残りの試料の溶解度を計算した(応答因子:8084.7908;R2:0.9989)。
(実施例5 実施例3Aおよび3BからのC9の結晶モルホロジー)
概要。
実施例3Aおよび3Bに記載されるロットからの材料は、視覚的に黄色の、結晶質固体であった。
複数の顕微鏡画像を、3つの異なる倍率(25×、10×、400×)で各ロットについて撮影して、画像を獲得するときのバイアスを回避した。第1のロット、ID-38-1(実施例3B)は、顕微鏡法により、ほとんど、およそ100μmから600μmを越える範囲の大きい粒子を示した。全体として、粒子は規則的な形状の長方形であり、形状はいくらか平面状であり、良好な複屈折を示した。
第2のロット、ID-38-2(実施例3A)は、第1のロットと比較した場合、全体的に著しく小さい粒子を示した。およそ50~350μmの間の粒子の範囲が観察され、これらの粒子は形状がより顆粒状または不規則になる傾向があった。これらは、個々の粒子が一貫して観察される第1のロットとは異なって、より小さい粒子がより大きい粒子に粘着している注目すべき凝集も存在した。
結果。
顕微鏡法を、ID-38-1(実施例3B)に対して、3つの異なる倍率:25×、100×、および400×で実施した。C9のこの特定のロットは、顕微鏡法によって広範な粒径を示した。
図18では、25×倍率で、粒径および形状に分散を見ることが可能であった。主に、長方形のプレートが観察された;しかしながら、いくらかぎざぎざの2次元形状も存在した。100×倍率の図19で、長さはおよそ100μm~600μmの範囲であり;複屈折が観察された。400×倍率で、粒子は、枠内に適合するのに大き過ぎたが、滑らかな長方形の複屈折形状も同様に観察された(図20)。
顕微鏡法は、ID-38-2(実施例3A)に対して、3つの異なる倍率:25×、100×、および400×で実施した。C9のこの特定のロットは、ID-38-1(実施例3B)と比較した場合、粒子が全体的により小さく、複屈折がより小さく、より小さい凝集粒子が、観察されたより大きい粒子の一部に「粘着している」ことを示した。
図21では、小さい凝集粒子が25×倍率で観察された。100×倍率の図22で、およそ50μm~350μmの範囲の顆粒形状粒子が、よりはっきりと視認可能になった。いくつかのより小さい凝集粒子も同様に観察された。400×倍率の図23Aおよび23Bで、粒子は、ID-38-1(実施例3B)とは異なって枠内に観察された。半透明粒子が、球状のような形状で観察され、複屈折も、粒子の多くで観察された。複数の画像をこの倍率で獲得して、観察された広範な粒径を示すと共に、より大きい固体の一部に凝集したより小さい粒子を表示した。
ロットの比較。
ID-38-1(実施例3B)およびID-38-2(実施例3A)の直接比較を、以下に示した。25×倍率で、モルホロジーおよびサイズの差を、2つのロット間で素早く観察した、図24。図25では、100×倍率で、小さい粒子がより大きい粒子に凝集しているのが観察されるID-38-02と比較した場合、より多くの個々の粒子がID-38-1に関して観察された。400×倍率の図26で、粒子は、ID-38-1(実施例3B)に関する枠内に適合するのに大き過ぎたが、滑らかなプレート状モルホロジーが明らかに観察され、それに対して、より大きい固体上の小さい凝集粒子が、ID-38-2(実施例3A)に関して再度観察された。
顕微鏡法
光学顕微鏡法を、2.5×、10×、20×、および40×の対物レンズおよび偏光子を備えたZeiss AxioScope A1デジタル撮像顕微鏡を使用して行った。画像は、内蔵Axiocam 105デジタルカメラを通して獲得し、Zeissにより提供されるZEN 2(ブルーエディション)ソフトウェアを使用して処理する。
(実施例6 実施例3Aおよび3Bからの粒径分布C9)
概要。実施例3A(粗製)および3B(再結晶化)からのC9に関する粒径分布を、Malvern 3000 Mastersizerを使用して決定した。
実施例3A、調製物1。24.4mgのC9試料をバイアルに計量した。およそ20mLの水を添加した。20滴の5%オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(IGEPAL)水中溶液を、バイアルに添加した。溶液にキャップをし、穏やかに混合した。
実施例3A、調製物2。25.2mgのC9試料をバイアルに計量した。およそ20mLの水を添加した。20滴の5%IGEPALの水中溶液をバイアルに添加した。溶液にキャップをし、穏やかに混合した。
実施例3B、調製物1。24.7mgのC9試料をバイアルに計量した。およそ20mLの水を添加した。20滴の5%IGEPALの水中溶液をバイアルに添加した。溶液にキャップをし、穏やかに混合した。
実施例3B、調製物2。25.2mgのC9試料をバイアルに計量した。およそ20mLの水を添加した。20滴の5%IGEPALの水中溶液をバイアルに添加した。溶液にキャップをし、穏やかに混合した。
PSD試料の目視観察。
実施例3Aの試料は、非常に不均一な固体であることが観察された。多くの大きい粒子が試料中に観察された。両方の調製物は、類似の不均一性を含有していた。
非常に大きい結晶が、実施例3Bの試料で観察された。目視観察は、両方の試料の調製物において、非常に小さい結晶からより大きい結晶までのいずれかを示した。試料2の調製物は、試料1の調製物よりも視覚的に小さい/微細な粒子を含有していた。
粒径分布。
粒径分布を、Malvern 3000 Mastersizerを使用するレーザー回折によって決定した。設定を表6に示す。同じ設定を、他の試料に関して使用した。結果を表7に示す。
Figure 2022505257000017
Figure 2022505257000018
Figure 2022505257000019
表7に示されるように、両方の実施例は非常に大きい粒子から構成されるが、3Bは平均してかなり大きく:3Aに関して平均d(v、0.5um)=278μm、3Bに関して433μmである。しかしながら3Aは、おそらくは部分的ミリングに起因して、より広いサイズ分布を有する(3Aに関してd(v、0.1から0.9)=約60μmから925μm、それに対して3Bに関してd(v、0.1から0.9)=約133から878μm)。各分析の代表的な例を、図27および28(実施例3Aの調製物1および2)ならびに図29および30(実施例3Bの調製物1および2)に示す。図27および29に見られるように、実施例3Aの試料は、実施例3B(再結晶化)試料と比較して、より広い粒度分布を有し、二峰性特徴も有する。実施例3Bの試料のD90とD10との間には、実施例3Aの試料(15.5:1の比)と比較して、より狭い分布範囲がある(6.6:1の比)。D10は、10%累積(0から100%)篩下粒径分布に相当する粒子径を表す(即ち、D10よりも小さい粒子のパーセンテージは10%である)。D90は、90%累積(0から100%)篩下粒径分布に相当する粒子径を表す(即ち、D90よりも小さい粒子のパーセンテージは90%である)。各調製物の代表例を、図27~30に示す(それぞれ、実施例3Aの調製物1、実施例3Aの調製物2、実施例3Bの調製物1、実施例3Bの調製物2)。図27~30に見られるように、実施例3Aの試料は、実施例3B(再結晶化)試料よりも広い粒径分布を有する。
(実施例7 パーキンソン病(PD)およびアルツハイマー病(AD)患者からのヒト皮膚線維芽細胞における化合物のスクリーニング)
初期スクリーニングを行って、PDおよびADの改善のための化合物の有効性を同定した。試験試料および溶媒対照を、Jauslin et al., Hum. Mol. Genet. 11(24):3055 (2002)、Jauslin et al., FASEB J. 17:1972-4 (2003)、および国際特許出願WO 2004/003565に記載されるものに類似の手法でL-ブチオニン-(S,R)-スルホキシミン(BSO、GSHシンセターゼの特異的阻害剤)および鉄(例えば、クエン酸鉄)の添加によってストレスがかかったPDおよびAD線維芽細胞をレスキューする能力に関して試験した。この特異的BSO媒介細胞死は、本明細書に記載される化合物の投与によって予防または改善された。
AD実験を下記の通り行った。PD実験は、類似の手法で行った;ある特定の条件を以下の表1Aに記す。
Earle平衡塩(EBS)を含むがフェノールレッドを含まない、MEM(アミノ酸およびビタミンに富む培地)およびMedium 199(M199)を、Invitrogenから購入した。ウシ胎仔血清をCorningから得た。塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)および上皮増殖因子(EGF)をPeproTechから購入した。ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミンミックス、L-ブチオニン(S,R)-スルホキシミン、クエン酸鉄、およびウシ膵臓からのインスリンを、Sigmaから購入した。カルセインAMはAnaspecから購入した。細胞培養培地は、450mLのMEM、50mLのウシ胎仔血清、100U/mLのペニシリン、および100マイクログラム/mLのストレプトマイシンを合わせることによって調製した。アッセイ培地は、125mLのM199、50mLのウシ胎仔血清、100U/mLのペニシリン、100マイクログラム/mLのストレプトマイシン、2mMのグルタミン、10マイクログラム/mLのインスリン、10ng/mLのEGF、および10ng/mLのbFGFを合わせることによって調製し;MEMを添加して体積を最大500mLにした。10mLのBSOおよび10mMのクエン酸鉄溶液を、水中で調製し、その後、フィルター滅菌し、-20℃で保存した。
試験試料を、1.5mLのガラスバイアルまたはポリプロピレンバイアルに供給した。化合物をDMSOで希釈して、1mMのストック溶液を得た。溶解したら、それらを-20℃で保存した。
試験試料を、下記のプロトコールに従いスクリーニングした:
ADまたはPD患者由来の線維芽細胞の培養は、液体窒素中に保存されたおよそ500,000細胞を含むバイアルから開始した。細胞を細胞培養培地で増殖させ、3日ごとに、1:3の比でトリプシン処理によって継代培養した。コンフルエントになったら、線維芽細胞をトリプシン処理によって収集し、アッセイ培地に再懸濁し、標準の96ウェル組織培養プレートのウェル当たり2,500細胞/0.1mLの最終細胞密度で播種した。プレートを、37℃で5時間、95%の湿度および5%のCOの雰囲気中でインキュベートして、培養プレートに細胞を付着させ、次いでクエン酸鉄溶液(水中)を所望の最終濃度に添加した。
試験試料(DMSO中1mM)を10%DMSO:水溶液中で5マイクロMの最終濃度に希釈し、次いで10%DMSO中で所望の濃度に系列希釈した。次いで細胞を様々な化合物希釈物で処置し、1%の最終DMSO濃度を得、次いで37℃で、95%の湿度および5%のCOの雰囲気中で18時間インキュベートした。
翌日、BSO溶液をウェルに添加して、所望の最終濃度を得た。48時間後、培地を廃棄し、残りの液体を、プレートをペーパータオル上に倒立させて軽く叩くことにより除去した。プレートを、ウェル当たり100マイクロリットルの、カルシウムおよびマグネシウム(+Ca +Mg)を含有するPBSで、1回洗浄した。
次いでPBS+Ca+Mg中の100マイクロリットルのカルセインAM(1マイクロM)を、各ウェルに添加した。プレートを37℃で30分間インキュベートした。その後、蛍光(励起/放出波長がそれぞれ485nmおよび525nm)を、Spectramax蛍光リーダーで読み取った。データを、標準の4パラメーター曲線当て嵌めアルゴリズム(XLFitまたはPrism)を使用して分析して、各化合物のEC50濃度を決定した。
溶媒(DMSO、水)には、非BSO処置細胞の生存度に対する有害効果がなく、試験された最高濃度(1%)であってもBSOおよび鉄で処置した線維芽細胞に対する有益な影響もなかった。
本明細書に記載される試験試料は、パーキンソン病およびアルツハイマー病患者からの線維芽細胞を、BSOおよび鉄誘発型酸化ストレスからレスキューすることが見出された。
Figure 2022505257000020
Figure 2022505257000021
表8に記載されるように、C9化合物(2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン)は、BSOおよび鉄媒介酸化ストレスからのPD線維芽細胞のレスキューにおいて、C6およびC8類似体よりも大きい効力を有した。
C9化合物も、AD患者線維芽細胞の酸化ストレスからのレスキューにおいて活性を示した(表9)。
(実施例8 α-シヌクレイン凝集の阻害のための化合物のスクリーニング)
概要:化合物2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(「C9」)およびそのC8(2,3,5-トリメチル-6-オクチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン)およびC7(2,3,5-トリメチル-6-ヘプチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン)類似体を、タンパク質凝集の動態における誘導期の存在および程度によって測定される、αシヌクレイン凝集の阻害剤としてのそれらの機能に関して試験した。凝集体結合フルオロフォア、チオフラビンTによる蛍光強度の変化を追跡して、時間の関数としてのタンパク質凝集に関して報告した。
実験方法:無細胞αシヌクレイン凝集アッセイを、100μMの化合物(DMSO中10mMストック溶液から)またはビヒクルとしての1%(v/v)DMSOの存在下、200μMの組換えヒトαシヌクレイン(Proteos,Inc.)でセットアップした。全ての溶液は、タンパク質または化合物の添加前にマスターミックスとして調製した0.03%(v/v)NaNおよび5μMチオフラビンT(ThT)を含むDulbeccoのリン酸緩衝食塩水(DPBS)緩衝液(pH7.4)中に調製した。次いでタンパク質マスターミックスを調製し、4本の管に分離した(条件当たり1本)。並行して、マスターミックスを、溶液にタンパク質が添加されないこと以外は同一の条件下で、バックグラウンド測定用に創出した。化合物またはDMSOを各試料にロードし、10秒間ボルテックスし、3秒間遠心分離した。
次いでタンパク質溶液+/-化合物およびバックグラウンド試料を、黒色の壁を備えた光学的に透明な96ウェルプレート(Corning Costar)のウェルにロードし、LightCycler(登録商標)480シール(Roche Life Science)でシールし、37℃で15分間インキュベートして平衡化し、その後、データ収集を開始した。Tecan M1000分光計を使用して、ThT蛍光(ex/em 450/490nm)に関するデータポイントを30分ごとに収集した。プレートを、蛍光の読取り間で振盪させることによってかき混ぜた。
データ分析および結果:蛍光強度データを、全ての試料に関して経時的に収集した。ビヒクルで処理したαSyn試料の平均の、エンドポイント蛍光強度単位(FIU)値を100%に設定し、他の全てのFIU値をそれに対して正規化した(図1Aを参照)。最終結果を、時間に関して正規化したThT蛍光(%)としてプロットした。
t=24時間で正規化したThT蛍光値(%FIU)を使用して、試料を比較した(図1Bを参照)。少なくとも2つの技術的複製物を、条件ごとに使用した。試料の統計分析を、通常の一元配置ANOVA分析を介して行った。Tukeyの多重比較検定を、全てのタンパク質含有試料に対して実行し、ビヒクルとC9で処理した試料との間で(p=0.0041)、C9で処理した試料対C7で処理した試料(p=0.0085)およびC9で処理した試料対C8で処理した試料(p=0.0437)の統計的有意性を示した。他の全ての比較は、p>0.05で、統計的に有意ではなかった(即ち、ns)。
図1Aおよび1Bに示されるように、C9化合物は、αシヌクレイン凝集に対して著しい阻害効果を有し、C7またはC8のいずれかの類似体よりも大きい阻害を示す。
(実施例9 タウK18WT予備形成フィブリル脱凝集における2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(C9)およびその構造類似体の効力)
概要:化合物2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(C9)、2,3,5-トリメチル-6-オクチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(C8)、および2,3,5-トリメチル-6-ヘプチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(C7)を、経時的な凝集体結合フルオロフォア、チオフラビンTの蛍光強度の減少によって測定される、ヒト野生型タウK18断片の予備形成フィブリル(PFF)を脱凝集するそれらの能力に関して試験した。
実験方法:ヒト組換えタウK18WT断片の予備形成フィブリル(PFF)を、Dulbeccoのリン酸緩衝食塩水(DPBS)緩衝液(pH7.4)中、還元剤として過剰な(50×)トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の存在下、1:1の比でタウK18モノマー(Bio-Techne(登録商標))をナトリウムヘパリンと共にインキュベートすることによって発生させた。混合物を、37℃で4日間、かき混ぜずにインキュベートして、PFFを、100μMの最終濃度で得た。
無細胞タウ脱凝集アッセイは、30μMの化合物(DMSO中10mMストックから)またはビヒクルとして0.3%(v/v)DMSOの存在下、10μMのタウPFFでセットアップした。全ての溶液は、タンパク質または化合物の添加前にマスターミックスとして調製した0.03%(v/v)NaNおよび5μMチオフラビンT(ThT)を含むDPBS緩衝液(pH7.4)中で調製した。タンパク質マスターミックスをアッセイ前日に最初に調製して、周囲温度および雰囲気で10μMのタウPFFを予備平衡化させた。翌日、予備混合したタンパク質溶液を、4本の管に分離した(条件当たり1本)。化合物またはDMSOを各試料にロードし、10秒間ボルテックスし、3秒間遠心分離した後、周囲温度で15分間インキュベートした。並行して、マスターミックスを、タンパク質を添加しないこと以外は同一の条件下で、バックグラウンド測定用に創出した。
次いでタウPFF溶液+/-化合物およびバックグラウンド試料を、黒色の壁を備えた光学的に透明な96ウェルプレートのウェルにロードし、LightCycler(登録商標)480シール(Roche Life Science)でシールし、37℃で15分間インキュベートして平衡化し、データ収集を開始した。Tecan M1000分光計を使用して、ThT蛍光(ex/em 450/490nm)に関するデータポイントを、かき混ぜずに30分ごとに収集した。
データ分析および結果:ビヒクルで処理したタウ試料の最大蛍光強度単位(FIU)値を100%に設定し、それに対して他の全てのFIU値を相対的に正規化した。少なくとも2つの技術的反復を、条件当たりで使用した。アッセイ開始後94時間の全ての試料のフィブリル含量のエンドポイント値を報告した(図2)。
試料の統計分析を、通常の一元配置ANOVA分析を介して行った。Dunnettの多重比較検定を、ビヒクルで処理したタウPFF試料対化合物で処理したタウPFF試料の間で実行し、ビヒクルとC9で処理した試料との間で統計的有意性を示した(p=0.0478)。
図2に示されるように、C9で処理した試料は、94時間で、タウフィブリル含量に著しい低減があった。対照的に、C7およびC8で処理した試料は、94時間でフィブリル含量に著しい低減がなかった。
(実施例10 RSL3誘発型αシヌクレイン凝集の阻害)
N27ラットドーパミン作動性細胞(EMD Milliporeから購入、SCC048)を形質転換して、Origeneから得たプラスミド構築物(RG221446)で緑色の蛍光タンパク質(GFP)と融合した切断型α-シヌクレインを安定的に過剰発現させた。細胞を、10%(v/v)ウシ胎仔血清(Millipore、ES-009-B)、1%(v/v)ペニシリン-ストレプトマイシン(Gibco、15140-122)、1%(v/v)L-グルタミン(Gibco、25030-081)、および500μg/mLのG418(Gibco、10131-027)を補充したRPMI 1640培地からなる選択培地中で維持した。
上述の切断型(112アミノ酸)ヒトαシヌクレイン-GFP融合タンパク質を過剰発現するN27ラットドーパミン作動性細胞を、上述の通常の培養条件で維持した。実験前日に、細胞を、96ウェル光学底部黒色壁プレートに3,000細胞/ウェルでプレーティングし、37℃で24時間維持した。実験は、D300e化合物プリンター(Tecan)を使用して、(1S,3R)-メチル2-(2-クロロアセチル)-1-(4-(メトキシカルボニル)フェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール-3-カルボキシレート(1S,3R-RSL3、Yang et al., Cell 156:317-331 (2014)により記載される)(60nM)および70nMの化合物(2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(C9)、2,3,5-トリメチル-6-オクチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(C8)、または2,3,5-トリメチル-6-ヘプチルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(C7))で細胞を同時処置することによって開始し、インキュベーターに戻し37℃で24時間置いた。細胞を、4%のパラホルムアルデヒドで15分間、室温で固定し、Dulbeccoのリン酸緩衝食塩水(DPBS)緩衝液で3回洗浄し、次いで室温で48時間、1%のTriton-X100溶液(DPBS中)と共にインキュベートして、凝集αシヌクレインの選択的標識を可能にした。次いで細胞を洗浄し、標準の免疫細胞化学(ICC)法を用いて、全αシヌクレイン(マウス抗αシヌクレイン、1:250、BD Biosciences)を標識した。細胞を一次抗体と共に一晩、4℃でインキュベートし、次いで翌日、DPBSで3回洗浄した。次いで細胞を、室温で、蛍光的にコンジュゲートされた二次抗体(ヤギ抗マウスAlexa 647、Invitrogen)と共に2時間、室温でインキュベートした。10nMのHoechstも添加して核を標識し、細胞を、高含量イメージングプラットフォーム(ThermoFisher、HSC Cellomics Arrayscan)で撮像して、全凝集αシヌクレインを定量した(図3Aを参照)。
図3Bは、化合物C7、C8、およびC9による、RSL3誘発型αシヌクレイン凝集の阻害を示す。試料の統計分析を、Dunnettの多重比較検定による通常の一元配置ANOVA分析を介して行い、RSL3のみで処置した細胞対RSL3および化合物で処置した細胞を比較した。C7は、αシヌクレイン凝集のいかなる阻害も示さなかった(p>0.05)。C8およびC9は、αシヌクレイン凝集の著しい阻害を示し(p値はそれぞれ0.01および0.0003であり、C9は、C8よりもおよそ5.45倍高いレベルの凝集阻害を示す。
(実施例11 パーキンソン病のマウスMPTPモデルにおける2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの有効性)
概要
(1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン)(MPTP)(60mg/kg)による動物の処置は、文献の報告および内部検証研究に則して、線条体におけるドーパミンの著しい欠乏(約74%)をもたらした。
C9(300mg/kg)の投与は、垂直活動(図4Aおよび4Bに示されるような、垂直カウントおよび時間)に対して、処置の著しい効果をもたらした。
序論
MPTPは、ヒト、非ヒト霊長類、およびマウスにおけるパーキンソン病(PD)の神経病理学的特色の多くをもたらす、強力かつ選択的な黒質線条体ドーパミン作動性神経毒である。マウスでは、MPTPは、黒質線条体ドーパミン作動性変性をもたらす。ドーパミン作動性機能を増大させるまたはMPTPの神経毒性を遮断する薬理学的薬剤は、MPTP関連自発運動不全も減衰させ、パーキンソン病を処置するための臨床において有用であった。さらにMPTP媒介毒性は、疾患におけるドーパミン作動性損失に関連付けられたメカニズムとの関係を有することがあり、このモデルが、黒質線条体ドーパミン作動性損失を遅くまたは低減させる薬剤を同定するのに潜在的に有用でもあり得ることを示す。
この研究では、C9は、PDのMPTP誘発型モデルで試験した。研究のエンドポイントは、オープンフィールド試験での自発運動活性パラメーターであった。
実験手順
動物。種:マウス。系統:C57Bl/6。動物の供給源:Charles River。年齢:6から7週。性別:オス。無作為化:動物を、無作為に処置群に割り当てた。研究の盲検化:実験者は、実験処置に関して盲検化された。
収容および給餌。順化/条件付け:3日以上。収容:マウスを、12時間の明/暗サイクル(6:00AMに点灯)で収容した。ケージ当たりマウスは4匹以下。換気ケージラックシステム。食餌:適宜、標準的なげっ歯類固形飼料および水。
設計パラメーター。投与経路(複数可):PO。用量体積:PO:5mL/kg。製剤(複数可):BioElectronからの指示に従いMeliorにより製剤化。ビヒクル-ゴマ油(Spectrum Chemical、NF Catalog #SE130、CAS#8008-74-0)。用量レベル:300mg/kg。用量頻度:QD開始-2日目(MPTP=0日目)および7日目まで。研究継続期間:11日。前処置時間(2時間まで):0日目に関し(MPTP日):30分、オープンフィールドアッセイ/自発運動活性(OFA/LMA)アッセイに関する前処置時間:1時間。群の数:3。群当たりの動物数:10。動物の総数:30(研究において)、合計42匹の動物(適正な検定力分析を確実にするため、少なくとも10匹の動物/群とし、MPTPで誘発された致死率がある場合の研究への影響を減じるために、MPTPを受ける全ての群に関し、4匹の追加の動物を加えた)。
MPTP処置。MPTPを、リン酸緩衝食塩水中に製剤化し、20mg/kgの用量でマウスに3回(20mL/kgで送達される1mg/mL)、2時間の間隔で投与した(MPTPの最終用量=60mg/kg)。
自発運動活性。MPTP投与の1日前(ベースライン)および7日後((-1)日目および7日目)、マウスを、完全自動化オープンフィールド装置(Med-Associates,Inc)を使用して様々な態様の自発運動機能に関してモニターした。装置は、ファンおよび屋内灯を備えた、音響減衰ボックスで囲まれた10.75”×10.75”の活動領域(arena)からなるものであった。活動領域は、位置追跡用にXおよびY軸上に、および立ち上がり検出用にZ軸上に位置させた3つの16ビームIRアレイを備える。
全てのマウスに、投薬スケジュールに従って、オープンフィールドアッセイの1時間前に最終用量のC9またはビヒクル-ゴマ油を投薬した。ドーパミン作動性欠損に関連付けられた重要な自発運動パラメーターは、立ち上がり挙動(立ち上がり回数/15分セッション)および移動した総距離(15分当たり)を含んでいた。
データ分析。データを平均し、平均±SEMと表す。データを、一元配置ANOVAおよびその後の事後検定により分析した。0.05未満のp値は、対照から統計的に有意であるとみなした。
結果
オープンフィールド自発運動アッセイに対する処置の効果(垂直カウント)。食塩水+ビヒクル、MPTP+ビヒクル、またはMPTP+C9で処置した動物におけるオープンフィールド装置での活動(垂直カウント)を、測定した。動物は、上で示したように処置を受けた。図4Aに示されるように、食塩水+ビヒクルで処置した動物と比較して、垂直カウントは、MPTP+ビヒクルで処置した動物において減少した(p=0.06)。MPTP負荷した動物のC9処置は、垂直カウントを、食塩水+ビヒクル対照動物で観察されたものに回復させた(MPTP+ビヒクル対MPTP+C9、p<0.01;食塩水+ビヒクル対MPTP+C9、p=0.312)。データは、平均+SEM、各群n=12~14として提示する。統計分析:多重比較に関する事後Tukey検定による一元配置ANOVA;**p<0.01;ns、統計的に有意でない(p>0.05)。
オープンフィールド自発運動アッセイに対する処置の効果(垂直時間)。食塩水+ビヒクル、MPTP+ビヒクル、またはMPTP+C9で処置した動物におけるオープンフィールド装置での活動(垂直時間)を、測定した。動物は、上で示したように処置を受けた。図4Bに示されるように、食塩水+ビヒクルで処置した動物と比較して、垂直時間は、MPTP+ビヒクルで処置した動物において減少した(p<0.05)。MPTP負荷した動物のC9処置は、垂直時間を、食塩水+ビヒクル対照動物で観察されたものに回復させた(MPTP+ビヒクル対MPTP+C9、p<0.001;食塩水+ビヒクル対MPTP+C9、p=0.315)。データは、平均+SEM、各群n=12~14として提示する。統計分析:多重比較に関する事後Tukey検定による一元配置ANOVA;、p<0.05;***、p<0.001;ns、統計的に有意でない(p>0.05)。
PDのMPTPマウスモデルにおけるC9投薬は、線状体におけるドーパミン作動性機能を反映する2つの挙動測定基準である垂直カウントおよび時間により測定される自発運動活性の著しい改善を示した(Meredith and Rademacher, J Parkinsons Dis. 1(1):19-33 (2012)およびその中の参考文献)。
(実施例12 オスC57マウスへの急性経口投与後のC9のPKプロファイル)
300mg/kg用量のC9を、4匹のC57BL/6マウスに、経口強制給餌を介してゴマ油溶液として投与した。化合物投与の8時間後、血漿および脳の曝露を測定した(表10)。
Figure 2022505257000022
本発明の非限定的な実施形態は、下記を含む:
実施形態1. アルツハイマー病、パーキンソン病、外傷性脳損傷、および虚血-再潅流関連損傷からなる群より選択される障害を処置または抑制する方法であって、治療有効量の式:
Figure 2022505257000023
の化合物またはそのヒドロキノン形態;またはその溶媒和物もしくは水和物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法。
実施形態2. 化合物が、溶媒和物でも水和物でもない、実施形態1の方法。
実施形態3. 化合物が、キノン形態にある、実施形態1または2の方法。
実施形態4. 化合物が、ヒドロキノン形態にある、実施形態1または2の方法。
実施形態5. アルツハイマー病を処置または抑制するためのものである、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
実施形態6. パーキンソン病を処置または抑制するためのものである、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
実施形態7. 外傷性脳損傷を処置または抑制するためのものである、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
実施形態8. 虚血-再潅流関連損傷を処置または抑制するためのものである、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
実施形態9. 卒中を処置または抑制するためのものである、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
実施形態10. 障害を処置するためのものである、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
実施形態11. 障害を抑制するためのものである、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
実施形態12. 化合物が、経口投与される、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
実施形態13. 化合物が、静脈内投与される、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
引用を明らかにすることによって本明細書で言及される全ての刊行物、特許、特許出願、および公開特許出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
前述の発明は、理解を明瞭にする目的で、説明および例としていくらか詳細に記載してきたが、ある特定の少しの変化および修正が実施されることが当業者に明らかである。したがって、本記載および例は、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。

Claims (62)

  1. α-シヌクレインパチー、タウオパチー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、外傷性脳損傷、および虚血-再潅流関連損傷からなる群より選択される障害を処置または抑制する方法であって、治療有効量の式:
    Figure 2022505257000024
    の化合物またはそのヒドロキノン形態;またはその溶媒和物もしくは水和物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法。
  2. 前記化合物が、溶媒和物でも水和物でもない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記化合物が、キノン形態にある、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記化合物が、ヒドロキノン形態にある、請求項1または2に記載の方法。
  5. α-シヌクレインパチーを処置または抑制するためのものである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記α-シヌクレインパチーが:パーキンソン病、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)、多系統萎縮症(MSA)、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症(DLB)、ゴーシェ病(GD)、脳の鉄蓄積を伴う神経変性(NBIA)、および神経軸索ジストロフィー(PLA2G6関連神経変性)からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記パーキンソン病が、遺伝的である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記パーキンソン病が、特発性である、請求項6に記載の方法。
  9. タウオパチーを処置または抑制するためのものである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記タウオパチーが:アルツハイマー病、ボクサー認知症、グアムの筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム-認知症(Guam ALS/PD)、ピック病、嗜銀顆粒性認知症、ニーマン-ピック病C型、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性核上麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核神経節変性、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、脳炎後パーキンソニズム(PEP)、および常染色体劣性パーキンソニズムからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  11. アルツハイマー病を処置または抑制するためのものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  12. パーキンソン病を処置または抑制するためのものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  13. 外傷性脳損傷を処置または抑制するためのものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  14. 虚血-再潅流関連損傷を処置または抑制するためのものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  15. 卒中を処置または抑制するためのものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  16. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)を処置または抑制するためのものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  17. 障害を処置するためのものである、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 障害を抑制するためのものである、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記化合物が、経口投与される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記化合物が、静脈内投与される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  21. 2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの無水物の多形であって、前記多形に関する粉末X線回折パターンが少なくとも次の角度位置:4.10、12.12、および16.14で特徴的ピークを含み、前記角度位置が±0.2変動し得る、多形。
  22. 少なくとも次の角度位置:4.10、11.77、12.12、および16.14で特徴的ピークを含み、前記角度位置が、±0.2変動し得る、請求項21に記載の多形。
  23. 少なくとも次の角度位置:4.10、11.77、12.12、16.14、および22.41で特徴的ピークを含み、前記角度位置が、±0.2変動し得る、請求項21に記載の多形。
  24. 前記角度位置が、±0.1変動し得る、請求項21から23のいずれか一項に記載の多形。
  25. 前記角度位置が、±0.05変動し得る、請求項21から23のいずれか一項に記載の多形。
  26. 図5、11、14、および16のいずれか1つで実質的に示されるような粉末x線回折パターンを有する、請求項21から25のいずれか一項に記載の多形。
  27. 図7に実質的に示されるような示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項21から26のいずれか一項に記載の多形。
  28. DSCサーモグラムが、約47から約53℃で単一の吸熱ピークを有する、請求項21から27のいずれか一項に記載の多形。
  29. 図8に実質的に示されるような熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、請求項21から28のいずれか一項に記載の多形。
  30. 図6に実質的に示されるようなH NMRスペクトルを有する、請求項21から29のいずれか一項に記載の多形。
  31. 請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物であって、あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、前記2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの少なくとも約95モル%が、前記多形である、組成物。
  32. 請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物であって、あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、前記2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの少なくとも約99モル%が、前記多形である、組成物。
  33. あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、前記組成物のHPLCにより測定された少なくとも約95%a/aが、前記2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンである、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物または請求項31もしくは32に記載の組成物。
  34. あらゆる溶媒、担体、または賦形剤を除き、前記組成物のHPLCにより測定された少なくとも約99%a/aが、前記2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンである、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物または請求項31もしくは32に記載の組成物。
  35. 前記2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの効力が、少なくとも約95%である、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物または請求項31から34のいずれか一項に記載の組成物。
  36. 前記2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの効力が、少なくとも約99%である、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物または請求項31から34のいずれか一項に記載の組成物。
  37. 前記多形が、複数の粒子として存在し、前記粒子が、約11:1未満のD90:D10の比を有する、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物または請求項31から36のいずれか一項に記載の組成物。
  38. 前記多形が、複数の粒子として存在し、前記粒子が、約7:1未満のD90:D10の比を有する、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物または請求項31から36のいずれか一項に記載の組成物。
  39. 前記多形が、約75~85%のIPA/水を含む溶媒によって再結晶化された、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物または請求項31から38のいずれか一項に記載の組成物。
  40. 前記多形が、約80~85%のIPA/水を含む溶媒によって再結晶化された、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物または請求項31から39のいずれか一項に記載の組成物。
  41. 前記多形が、約85%のIPA/水を含む溶媒によって再結晶化された、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形を含む組成物または請求項31から39のいずれか一項に記載の組成物。
  42. 請求項21から30のいずれか一項に記載の多形、または請求項31から41のいずれか一項に記載の組成物、および薬学的に許容される溶媒、担体、もしくは賦形剤を含む医薬組成物、あるいは請求項21から30のいずれか一項に記載の多形、または請求項31から41のいずれか一項に記載の組成物、および薬学的に許容される溶媒、担体、もしくは賦形剤で調製される医薬組成物。
  43. α-シヌクレインパチー、タウオパチー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、外傷性脳損傷、または虚血-再潅流関連損傷を処置または抑制する方法であって、治療有効量の請求項21から30のいずれか一項に記載の多形または請求項31から42のいずれか一項に記載の組成物を、それを必要とする個体に投与することを含む、方法。
  44. 組成物から2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを再結晶化させる方法であって、
    a)約40~45℃の温度で、前記組成物をIPAおよび水と接触させて、得られるIPAの水に対する比が、約75~87%のイソプロパノール(IPA)/25~13%の水(v:v)になるようにすること、
    b)混合物を約32℃に冷却すること、および
    c)前記2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを前記混合物から濾過すること
    を含む、方法。
  45. ステップ(a)が、
    a1)前記組成物をIPAと接触させること、
    a2)前記混合物を約40~45℃に温めること、および
    a3)水を前記混合物に添加して、前記IPAの水に対する比が約75~85%のIPA:25~15%の水(v:v)になるようにすること
    を含む、請求項54に記載の方法。
  46. ステップ(a)が、前記組成物が溶解するように撹拌することを含む、請求項54に記載の方法。
  47. 前記IPA:水の比が、約80~85%のIPA:20~15%の水(v:v)である、請求項54から56のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記IPA:水の比が、約85%のIPA:15%の水(v:v)である、請求項54から56のいずれか一項に記載の方法。
  49. ステップ(a3)が、前記混合物の温度を約40~45℃に戻すことを含む、請求項54から58のいずれか一項に記載の方法。
  50. ステップ(a)後に前記混合物をポリッシュフィルタリングすることを含む、請求項54から58のいずれか一項に記載の方法。
  51. ステップ(b)が、約2~10時間にわたって約32℃に冷却することを含む、請求項54から59のいずれか一項に記載の方法。
  52. ステップ(b)が、約6時間にわたって約32℃に冷却することを含む、請求項54から59のいずれか一項に記載の方法。
  53. ステップ(b)の後に、前記混合物を約2~24時間、約32℃で保持することを含むステップ(b1)を含む、請求項54から61のいずれか一項に記載の方法。
  54. ステップ(b)の後に、前記混合物を約6時間、約32℃で保持することを含むステップ(b1)を含む、請求項54から61のいずれか一項に記載の方法。
  55. 存在する場合にはステップ(b)または(b1)の後に、前記混合物を約0℃に冷却することを含むステップ(b2)を含む、請求項54から63のいずれか一項に記載の方法。
  56. ステップ(b2)が、前記混合物を約3~24時間にわたって約0℃に冷却することを含む、請求項54から63のいずれか一項に記載の方法。
  57. ステップ(b2)が、前記混合物を約1時間、約0℃で保持することをさらに含む、請求項64から65のいずれか一項に記載の方法。
  58. 請求項54から67のいずれか一項に従って作製された2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを含む組成物。
  59. 医薬組成物を作製する方法であって、請求項21から30のいずれか一項に記載の多形または請求項31から42もしくは68のいずれか一項に記載の組成物を、液体形態またはエマルジョン形態に変換することを含む、方法。
  60. 前記液体形態または前記エマルジョン形態が、経口溶液、液体充填カプセル、または注射可能な溶液として提供される、請求項69に記載の方法。
  61. 請求項69または70により生成された医薬組成物。
  62. 図31に実質的に示されるようなXRPDプロットを有する、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの準安定融解非晶質形態。
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