JP2022505172A - カルバメート化合物の糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療のための使用 - Google Patents

カルバメート化合物の糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療のための使用 Download PDF

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Abstract

Figure 2022505172000001
本発明は、式(1)のカルバメート化合物を含む薬剤又は医薬組成物を投与することにより、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害を予防、緩和又は治療する目的での使用に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、下記式(1)
Figure 2022505172000002
(1)
(式中、R1、R2、A1及びA2は、本明細書で定義されたものと同義である)
で示されるカルバメート化合物を含む薬剤又は医薬組成物を投与することにより、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療する目的での使用に関する。
末梢神経障害(neuropathy)は、運動神経、感覚神経、自律神経からなる末梢神経の構造的・機能的障害を指し、障害が発生する神経の種類によって様々な症状が現れる。末梢神経障害は、それ自体の疾患である場合もあれば、虚血や糖尿病などの他の疾患によって引き起こされる場合もあり、化学療法及び放射線療法の副作用に起因する場合もある。症状には、無気力、自律神経系、感覚の変化などの様々な組み合わせが含まれる場合がある。特に、感覚神経障害は、影響を受ける神経や器官に応じて、感覚の喪失、疼き、痛みなどの陽性症状を示す。
末梢神経障害の中で、糖尿の合併症として引き起こされる神経障害が最も一般的であり、糖尿病患者の約34%が糖尿病性末梢神経障害(DPN)に苦しんでいる。しかし、糖尿病性末梢神経障害の50%は無症候性であることが知られており、これが症状を化悪化させている。糖尿病性末梢神経障害には、感覚異常及び痛み、異痛、痛覚過敏、しびれ、筋肉低下、けいれんなどが含まれる。患者は、体温や傷の変化を感じないか、感覚異常による痺れ、疼き、刺痛、灼熱痛を感じ、筋肉低下による反射、バランス、協調能力が低下される。有痛性糖尿病性末梢神経障害の場合、病理学的に悪化する痛みが生活の質を低下させる主な要因であり、うつ病を伴うこともある。
糖尿病性末梢神経障害の進行を根本的に予防又は遅延させるためには、末梢神経の損傷を防止するために血糖調節が本質的に必要である。治療には病因治療と対症治療が含まれる。
ノルトリプチリン(nortriptyline)やアミトリプチリン(amitriptyline)などの低用量三環系抗うつ剤、デュロキセチンなどのセロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、ガバペンチン(gabapentin)やプレガバリン(pregabalin)などの抗けいれん剤療法が一般的に使用されている。さらに、鎮痛剤として、アセトアミノフェン(acetaminophen)やビステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)などが使用されている。しかし、現在の治療法は、患者の20~40%で30%未満の痛みの軽減レベルであるため、満足のいく効果を示すには不十分である(非特許文献1)。
化学療法は、多くの癌患者の生残率を高めるが、様々な副作用を引き起こす。その中で、化学療法剤誘発性末梢神経障害(CIPN)の有病率は68%であり、治療後数週間から数カ月間症状が続き、長年にわたって疼痛症候群に苦しむ化学療法の代表的な副作用である。化学療法剤の中で、白金系薬物、タキサン及びビンカアルカロイドはCIPNを引き起こすことが知られており、それらは主に大腸癌、胃癌、乳癌及び血液癌患者に使用される。CIPNは、化学療法による神経軸索周囲の髄鞘の損傷による神経細胞の変性によって引き起こされ、主な症状には、痛み、感覚異常、異痛、痛覚過敏、痺れなどの感覚障害、筋肉低下、けいれん、筋力低下などの運動神経障害、及び低血圧、発汗、胃腸の異常などの自律神経障害がある。
化学療法では、投与量が多いほど、薬物投与の周期が短くなり、一緒に投与される薬物の数が多いほど、発生の可能性が高くなる。患者が以前に他の神経障害を患ったことがある場合、発生率が高いことも知られている。
CIPNが発症すると、末梢神経の生存率を高めるために、化学療法を中断したり、用量を減らしたりする方式で、全米統合ガン治療指針で提示された様々な試みがなされてきた。CIPNの治療には、デュロキセチンが適度に推奨されている。その他にも、三環系抗うつ剤、ガバペンチンとオピオイドの組み合わせ、バクロフェン+アミトリプチリン+ケタミンの三重の組み合わせが可能な治療法として提示されている。さらに、薬効は証明されていないが、α-リポ酸、アミフォスチン、アミトリプチリン、カルシウムとマグネシウムなどの様々な薬物の組み合わせが使用されている。
Lancet Neurol. 2015; 14: 162-173
本発明は、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害を予防、緩和又は治療するための方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療のために、下記式(1)
Figure 2022505172000003
(1)
(式中、R1、R2、A1及びA2は、本明細書で定義されたものと同義である)
で示されるカルバメート化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物の使用を提供することを目的とする。
本発明は、治療有効量の下記式(1)
Figure 2022505172000004
(1)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル、C1-C8チオアルコキシ及びC1-C8アルコキシからなる群から選ばれ、A1及びA2の一つは、CHであり、他の一つはNである)
で示されるカルバメート化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物を含む、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療用薬剤を提供する。
また、本発明は、治療有効量の前記式(1)のカルバメート化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物を含み、さらに薬学的に許容される担体を1種またはそれ以上含む、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療用医薬組成物を提供する。
さらに、本発明は、前記式(1)のカルバメート化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物を治療有効量で治療対象に投与することを含み、対象における糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害を予防、緩和又は治療する方法を提供する。
また、本発明は前記式(1)のカルバメート化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物の、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害を予防又は治療するか、これと関連する兆候を改善するための使用を提供する。
本発明の一実施形態によれば、前記式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して水素、ハロゲン及びC1-C8アルキルからなる群から選ばれる。
一実施形態において、C1-C8ハロアルキルはペルフルオロアルキルである。
本発明の別の実施形態によれば、前記式(1)のカルバメート化合物は、下記式(2)
Figure 2022505172000005
(2)
で示されるカルバミン酸(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-テトラゾール-2-イル)エチルエステルである。
前記式(1)及び(2)のカルバメート化合物の製造は、当業界で化合物合成に関する通常の知識を有した者であれば、公知の化合物又はそれから容易に製造できる化合物を用いて製造することができる。特に、前記式(1)化合物の製造方法は、国際公開特許WO2006/112685A1、WO2010/150946A1及びWO2011/046380A2に詳細に記載されており、前記文献は、本明細書に参考として援用される。前記式(1)化合物は、前記文献に記載された方法のいずれかにより化学合成することができるが、その方法は単なる例示であり、必要に応じて単位操作等の順序を選択的に変更することができる。従って、前記方法は、発明の範囲を限定することを意図するものではない。
前記式(1)のカルバメート化合物は、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療に使用することができる。
糖尿病性末梢神経障害は、慢性感覚運動神経障害の一つであり、有痛性糖尿病性末梢神経障害又は糖尿病性自律神経障害が含まれる。
化学療法性末梢神経障害は、化学療法を受けている患者の約40%を苦しめ、症状は、使用された化学療法剤(例えば、抗癌剤の機序と用量、投与期間など)によって異なる。化学療法剤誘発性末梢神経障害を引き起こす化学療法剤の主な種類には、白金系薬物、タキサン、ビンカアルカロイドなどがある。
前記疾患の予防、軽減又は治療のための式(1)のカルバメート化合物の投与量は、通常、疾患の重症度、治療対象の体重及び代謝状態に応じて変わる。個々の患者に対する「治療有効量」とは、前記した薬理学的効果、すなわち、前記治療効果を達成するのに十分な量を意味する。式(1)化合物の治療有効量は、ヒトに投与時、遊離形態に基づいて、1日1回投与基準50~500mg、50~400mg、50~300mg、100~400mg、100~300mg、50~200mg、又は100~200mgである。好ましくは5、0~300mg、より好ましくは50~200mgである。
本発明の化合物は、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下又は直腸投与などの治療剤の投与に使用される任意の方法によって投与することができる。
前記式(1)の化合物の治療有効量は、適切な滴定法(titration method)によって達成することができる。本発明の一実施形態によれば、前記滴定法は、(1)患者に式(1)の化合物12.5mgを1日1回2週間投与するステップ;(2)次に、患者に式(1)の化合物25mgを1日1回2週間投与するステップ;(3)次に、患者に式(1)の化合物50mgを1日1回2週間投与するステップ;及び(4)次に、治療有効量が得られまで、2週間隔で、式(1)の化合物50mg以下を1日1回増量するステップ;を含むことができる。本発明の別の実施形態によれば、前記滴定法は、(1)患者に式(1)の化合物50mgを1日1回2週間投与するステップ;(2)次に、式(1)の化合物200mgが1日1回投与されるまで、2週間間隔で、式(1)の化合物50mgを1日1回増量するステップであり、このとき、式(1)の化合物は、6週間投与され、治療有効量は200mg/日である方法であってもよい。また別の実施形態によれば、前記滴定法は、(1)患者に式(1)の化合物50mgを1日1回投与し、ここで、投与量が100mg/日になるまで、量は毎週50mgずつ増量するステップを含むことができ、前記ステップ(1)の後、さらに(2)当容量が200mg/日になるまで、量は毎週50mgずつ増量するステップ;又は(3)投与量が400mg/日にあるまで、毎週100mgずつ増量するステップを含むことができ、このとき、求められる式(1)の化合物の治療有効量(100mg/日、200mg/日又は400mg/日)に応じて2週、4週又は6週間投与する方法であってもよい。
前記方法に加えて、式(1)の化合物の治療有効量を達成するための適切な滴定方法を使用することができる。
本発明の別の実施形態によれば、治療有効量の前記式(1)のカルバメート化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物を含む、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の症状の予防、緩和又は治療用薬剤が提供される。
前記糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の症状の例には、感覚異常、痛覚過敏、異痛、しびれ、振動又は位置感覚の喪失、筋肉低下、筋力低下、けいれん、低血圧、発汗又は胃腸の異常が含まれるが、これに限定されない。
本発明の一実施形態による薬剤又は医薬組成物は、治療有効量の本発明のカルバメート化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる化合物を含むことができる。
前記式(1)のカルバメート化合物の薬学的に許容可能な塩には、例えば、独立して、アセテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ビタルトラート、酢酸カルシウム、カンシラート、カーボネート、シトラート、エデタート、エジシラート、エストレート、エシレート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルタメート、グリコロイルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、ヒドロブロミド、ヒドロクロリド、ヒドロゲンカーボネート、ヒドロキシナフトアート、ヨージド、イセチオナート、ラクテート、ラクトビオナート、マレート(malate)、マレエート(maleate)、マンデラート、シレート、メチルニトラート、メチルスルフェート、ムカート、ナプシラート、ニトラート、パモアート(エンボナート)、パントテナート、ホスフェート/ジホスフェート、ポリガラクツロナート、サリチル酸塩、ステアレート、サブアセテート、スクシナート又はヘミ-スクシナート、スルフェート又はヘミ-スルフェート、タンネート、タルトラート、オキサレート(oxalate)又はヘミ-タルトラート、テオクレート、トリエチオジド、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、プロカイン、アルミニウム、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛などが含まれる。
本発明の一実施形態による薬剤又は医薬組成物は、経口又は非経口的に投与することができる。非経口投与は、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、腹腔内注射、内皮投与、局所投与、鼻腔内投与、膣内投与、肺内投与及び直腸内投与などを含む。経口投与時、本発明の一実施形態による医薬組成物は、素錠として、又は活性薬剤をコーティングされているか、又は胃での分解から保護されるように製剤化することができる。さらに、前記組成物は、活性物質が標的細胞に移動できる任意の装置によって投与することができる。投与経路は、治療対象の一般的な状態及び年齢、治療状態の性質、及び選択された有効成分に応じて変わる。
本発明の一実施形態による薬剤又は医薬組成物の適合した投与量は、製剤化方法、投与方法、患者の年齢、体重及び性別、病状、食餌、投与時間、投与経路、排せつ速度及び反応感受性などの要因に応じて変えることができ、通常の技術を有する医師は、所望の治療又は予防に効果的な投与量を容易に決定及び処方することができる。一実施形態による前記医薬組成物は、1回又は数回の投与量で、例えば、1日1回~4回投与することができる。一実施形態による前記医薬組成物は式(1)の化合物は、遊離形態に基づいて、50~500mg、50~400mg、50~300mg、100~400mg、100~300mg、50~200mg、又は100~200mgを含んでもよく、好ましくは、50~300mg、より好ましくは50~200mgを含むことができる。
本発明の一実施形態による薬剤又は医薬組成物は、当業者が容易に実施することができる方法に従って、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を使用して製剤化することができ、それにより、単位剤形で製造されるか、又は複数回投与容器に含まれる。このとき、製剤は、油性又は水性媒質中の溶液、懸濁液又は乳化液形態、抽出剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤又はカプセル剤の形態であってもよく、分散剤又は安定化剤をさらに含むことができる。さらに、前記医薬組成物は、座薬、スプレー、軟膏、クリーム、ゲル、吸入剤又は皮膚パッチの形態で投与することができる。また、前記医薬組成物は、哺乳動物投与用に、より好ましくはヒト投与用に製造することができる。
薬学的に許容される担体は、固体又は液体であってもよく、賦形剤、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、分散剤、吸着剤、界面活性剤、結合剤、防腐剤、崩壊剤、甘味剤、香味剤、流動促進剤、放出調節剤、湿潤剤、安定化剤、懸濁化剤及び潤滑剤から選ばれる1種またはそれ以上であってもよい。また、薬学的に許容される担体は、生理食塩水、滅菌水、リンガー液、緩衝食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びそれらの混合物から選ぶことができる。
一実施形態において、適切な賦形剤(filler)としては、糖(例えば、デキストロース、スクロース、マルトース及びラクトース)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)、糖アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、エリトリトール及びキシリトール)、デンプン加水分解物(例えば、デキストリン及びマルトデキストリン)、セルロース又はセルロース誘導体(例えば、微晶質セルロース)又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、適切な結合剤(binder)としては、ポビドン、コポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ガム類、スクロース、デンプン又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、適切な防腐剤(preservative)としては、安息香酸、ナトリウムベンゾエート、ベンジルアルコール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、クロルブトール、ガレート(gallate)、ヒドロキシベンゾエート、EDTA又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、適切な崩壊剤(disintegrant)としては、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、デンプン、微晶質セルロース又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、適切な甘味剤としては、スクラロース、サッカリン、ナトリウム又はカリウム又はカルシウムサッカリン、アセスルファムカリウム又はナトリウムシクラメート、マンニトール、フルクトース、スクロース、マルトース又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、適切な流動促進剤(glidant)としては、シリカ、コロイド状シリコーンジオキシド、タルクなど含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、適切な潤滑剤(lubricant)としては、長鎖脂肪酸及びその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸、タルク、グリセリドワックス又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
前記式(1)のカルバメート化合物は、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療のための追加の薬物と一緒に使用することができる。
本発明のさらに別の実施形態によれば、糖尿病性末梢神経障害または化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和または治療のために、治療有効量の前記式(1)のカルバメート化合物及びそのような追加の薬物を含む複合製剤が提供される。
本発明のさらに別の実施形態によれば、追加の薬物の例には、糖尿病性末梢神経障害の場合、アセトアミノフェン又は非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)などの鎮痛剤、ノルトリプチリンやアミトリプチリンなどの三環系抗うつ剤又はMAO阻害剤などの抗うつ剤、ガバペンチンやプレガバリンなどの抗けいれん剤、バクロフェン+アミトリプチリン+ケタミンの複合剤などと一緒に使用可能であり、化学療法剤誘発性末梢神経障害の場合、アセトアミノフェン又は非ステロイド性消炎鎮痛剤などの鎮痛剤、ノルトリプチリンやアミトリプチリンなどの三環系抗うつ剤又はMAO阻害剤などの抗うつ剤、ガバペンチン又はプレガバリン、オピオイド、又はカプサイシンなどの抗けいれん剤が挙げられるが、これに限定されない。
本発明のさらに別の実施形態において、本発明の薬剤又は医薬組成物が上記した複合剤制である場合、前記式(1)のカルバメート化合物[成分(a)]及び追加の薬物[成分(b)]の配合重量比(a:b)は、例えば、1,000:1~1:1,000、又は500:1~1:500、又は100:1~1:100、又は50:1~1:50、又は10:1~1:10の範囲内であってもよいが、これに限定されない。
本明細書に使用される場合、用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」は、疾患の可能性を低減又は排除することを指す。
本明細書に使用された場合、用語「軽減する」、「軽減すること」及び「軽減」は、疾患及び/又はそれに付随する症状を全部又は一部緩和すること指す。
本明細書に使用され場合、用語「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、疾患及び/又はそれに付随する症状を全部又は一部除去することを指す。
本明細書に使用される場合、用語「対象」は、治療、観察又は実験の対象である動物、好ましくは、哺乳動物(例えば、霊長類(primates)(例えば、ヒト))、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなど)、最も好ましくは、ヒトを意味する。
本明細書に使用される場合、用語「治療有効量」は、研究員、獣医師、擬似又は他の臨床医によって求められており、治療される疾患又は障害の症状の軽減を含む、システム、動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的反応を誘導する活性化合物又は医薬製剤の量を意味する。
本明細書に使用される場合、用語「組成物」は、特定の量の特定の成分を含む生成物、及び特定の量の特定成分の配合物から直接又は間接的に生成される任意の生成物を含む。
本発明による薬剤又は組成物は、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害を効果的に予防、緩和又は治療することができる。
ストレプトゾトシンを投与したラットの糖尿病誘発を確認するために、すべての動物で測定された平均血糖値(BGL)を示す図である。ベースライン時の平均BGLは、102.52±0.93mg/dlであったが、ストレプトゾトシン投与の3日後に385.33±7.28mg/dlに増加した。高いBGLは試験期間を通して維持され、平均BGLは14日目で405.05±12.74mg/dlであり、23日目まで412.52±10.77mg/dlであった。以上のことから、試験期間中に糖尿病が誘発・維持されていることが確認された。 製造例で製造されたカルバミン酸(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-テトラゾール-2-イル)エチルエステル(以下、「試験化合物」という)と陽性対照群の化合物であるガバペンチンをストレプトゾトシンで機械的異痛を誘発したラットに投与し、Von Freyテストにより機械的異痛の予防及び治療効果を、ビヒクル(vehicle)を投与した陰性対照群と比較した結果を示す図である。 試験化合物と陽性対照群をタキソール(taxol)で誘発したラットに投与し、Von Freyテストにより機械的異痛の発生を抑制する効果を、ビヒクル投与陰性対照群と比較した結果を示す図である。タキソール-誘発性末梢神経障害は、1、3、5、7及び9日目に、タキソール2mg/kgをラットに0.5mL/kg用量で腹腔内(IP)投与して誘発した。
発明を実施するための最良の形態
以下で、本願発明について、実施例を通じてより詳細に説明する。しかし、以下の実施例は、一つ以上の実施形態を例示的に説明することのみを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
製造例:カルバミン酸(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-テトラゾール-2-イル)エチルエステルの製造
カルバミン酸(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-テトラゾール-2-イル)エチルエステル(以下、「試験化合物」という)を国際公開番号WO2010/150946号の製造例50に記載された方法に従って製造した。
実施例1:糖尿病性末梢神経障害モデル実験
糖尿病及び糖尿病性末梢神経障害のモデルとして広く知られているストレプトゾトシン(STZ)誘発ラットモデルにより、試験化合物による糖尿病性末梢神経障害緩和効果を確認した。
実験動物
雄ラット(Sprague-Dawley, 160-180g, Harlan Laboratories, Israel)を購入し、動物実験室で1週間以上馴化させた。実験動物は12時間の明暗周期、20~24℃の温度、40~60%の相対湿度に維持され、水と餌への自由なアクセスできるようにした。
機械的異痛の測定(Von Freyテスト)
痛みの程度は、Von Freyフィラメントを使用した離脱(回避反応)で評価した。機械的刺激は、up-down方法を使用して右後足に刺激を加え、回避反応を示す最小の曲げ力を足引っ込め閾値(paw withdrawal threshold)と定義した(J Neurosci Methods, 1994; 53 (1): 55-63)。まず、ラットを床から約35cmの高さに金網の底があるアクリルボックス(13×25×13cm3)に入れ、20分以上安定させた。様々な曲げ力(0.008、0.02、0.04、0.07、0.16、0.4、0.6、1.0、1.4、2.0、4.0、6.0、8.0、10.0、15.0、26.0、60.0、100、180及び300g)のVon Freyフィラメント中で、刺激は2.0gのフィラメントで開始した。足底表面に垂直方向に僅かに曲がる程度に刺激を加え、反応の有無に応じて、曲げ力を弱めたり強めたりするフィラメントでラットを刺激した。
糖尿病性末梢神経障害性の痛みの誘導
この実験は、ストレプトゾトシン(STZ)により誘発されたラットの糖尿病性末梢神経障害性の痛みモデルにおいて、2種類の異なる用量(10mg/kg及び30mg/kg)での化合物治療の鎮痛効果を調査するために行われた。
糖尿病は、クエン酸塩緩衝液(pH=6)に溶解したストレプトゾトシン(60mg/kg)をラットの尾静脈に0.5mL注射することによって誘発した。動物は注射前に赤色ランプの下に置かれ、投与のために拘束装置に閉じ込めた。
ストレプトゾトシン(STZ)-誘導糖尿病性末梢神経障害性の痛みラットモデルでは、ラットの尾血管を通してSTZを注射してから14日から24日後に、糖尿病性末梢神経障害が誘導された。試験3日目のすべての動物の血糖値(GBT)を用いて、糖尿病が誘発されたかどうかを決定し、14日目に、Von Freyテストによって機械的異痛の兆候を示した動物を、実験の14日目と23日目にBGLの測定によって確認した(図1)。
試験化合物、陽性対照群及び陰性対照群は、実験14日から24日まで(投与経路;陰性対照群及び試験化合物-PO、陽性対照群-IP)毎日投与した。痛みの検査は、実験14日と24日目に、陰性対照群、試験化合物及び陽性対照群において、投与直線及び投与2時間後に行った。実験後、すべての動物はCO2で安楽死させた。
結果
1)試験化合物10mg/kgと30mg/kgのVon Freyテスト結果:
14日及び24日目にビヒクルを投与した群と比較して、ベースラインで陰性対照群の動物の回避反応を誘発するのに必要な平均曲げ力は、60.00±0.00gであった。実験14日目に、薬物投与前に、機械的異痛による離脱曲げ力(18.55±2.47g)が有意に低下し、実験24日目に、薬物投与前に、機械的異痛はまだ存在していた(23.00±5.35g)。
実験14日目に、陽性対照群(150mg/kgIPの用量でのガバペンチン投与)の平均曲げ力は51.85±4.91gであり、ビヒクルの34.50±6.61gと比較して有意的異痛抑制効果を示さなかった。試験化合物(10mg/kgPO)を投与したものは46.09±4.48gであり、ビヒクルの34.50±6.61gと比較して異痛抑制効果の傾向を示した。試験化合物30mg/kgPOの投与もまた異痛抑制効果の傾向を示した(試験化合物30mg/kg50.23±3.89g対ビヒクル34.50±6.61g)。
実験24日目に、陽性対照群(150mg/kgIPの用量でのガバペンチン)の平均曲げ力は45.30±4.63gであり、ビヒクルの22.85±3.86gと比較して有意な誘発抑制効果を示した。試験化合物(10mg/kgPO)を投与したものは44.36±3.63gであり、ビヒクル投与群の22.85±3.86gと比較して有意な異痛誘発抑制効果を示した。試験化合物(30mg/kgPO)を投与したものは46.91±4.46gであり、ビヒクル投与群の22.85±3.86gと比較して有意な異痛誘発抑制効果を示した(図2)。
2)14日と24日目の試験化合物10mg/kgと30mg/kgでのVon Freyテスト結果(前処理対後処理):
実験14日目に、陽性対照群投与前の18.15±2.07gの曲げ力をガバペンチン(150mg/kgIP)投与後51.85±4.91gに変更し、異痛誘発が有意に抑制されたことを示した。試験化合物(10mg/kgPO)投与後、投与前の18.23±2.66gの曲げ力を46.09±4.48gに変更し、異痛誘発が有意に抑制されたことを示した。試験化合物(30mg/kgPO)投与の場合、投与前の18.23±2.17gの曲げ力が投与後に50.23±3.89gに変更し、異痛誘発が有意に抑制されたことも示された。
実験24日目に、陽性対照群投与前の25.50±3.95gの曲げ力をガバペンチン(150mg/kgIP)投与後45.30±4.63gに変更し、異痛の誘発が有意に抑制された。試験化合物(10mg/kgPO)の投与後、投与前の25.18±2.96gの曲げ力を44.36±3.63gに変更し、異痛の誘発が有意に抑制されたことを示した。試験化合物30mg/kgPO投与の場合も、投与前の23.55±2.52gの曲げ力が、投与後に46.91±4.46gに変化し、異痛の誘発が有意に抑制されたことを示している(図2)。
結論
本発明によれば、DPNのストレプトゾトシン誘発ラットモデルにおいて、異痛に対するDPN治療に使用される陽性対照群であるガバペンチンの最高用量(150mg/kg)と比較したとき、低用量の試験化合物(10mg/kg)は、陰性対照群と比較して約75%の痛み減少を示しており、これは、ガバペンチン150mg/kgと同様の効果である。このような結果か、ら試験化合物10mg/kg及び30mg/kgの投与は、機械的異痛の抑制に効果的であることが確認された。このことから、試験化合物の投与は糖尿病性末梢神経障害に有効であることが分かる。
実施例2:化学療法剤誘発性末梢神経障害モデル実験
実験動物
雄ラット(Sprague-Dawley, 160-180g, Harlan Laboratories, Israel)を購入し、動物実験室で1週間以上馴化させた。実験動物は12時間の明暗周期、20~24℃の温度、40~60%の相対湿度に維持され、水と餌への自由なアクセスできるようにした。
機械的異痛の測定(Von Freyテスト)
痛みの程度は、Von Freyフィラメントを使用した離脱(回避反応)で評価した。機械的刺激は、up-down方法を使用して右後足に刺激を加え、回避反応を示す最小の曲げ力を足引っ込め閾値(paw withdrawal threshold)と定義した(J Neurosci Methods, 1994; 53 (1): 55-63)。まず、ラットを床から約35cmの高さに金網の底があるアクリルボックス(13×25×13cm3)に入れ、20分以上安定させた。様々な曲げ力(0.008、0.02、0.04、0.07、0.16、0.4、0.6、1.0、1.4、2.0、4.0、6.0、8.0、10.0、15.0、26.0、60.0、100、180及び300g)のVon Freyフィラメント中で、刺激は2.0gのフィラメントで開始した。足底表面に垂直方向に僅かに曲がる程度に刺激を加え、反応の有無に応じて、曲げ力を弱めたり強めたりするフィラメントでラットを刺激した。
タキソール誘発疼痛神経障害の誘導
末梢神経障害を誘導するために、固形癌の治療に一般的に使用される抗癌剤であるタキソール(2mg/kg)を1、3、5、7及び9日目に0.5mL/kgの容量で腹腔内(IP)投与した。異痛の誘発を確認するために、Von Freyテストが使用しており、この研究では、後足の平均疼痛閾値が43g以下の動物のみを含めた。
実験13日目に、Von Freyテストを通じて異痛が検証された動物のみが実験群として選択された。試験化合物(10mg/kgと30mg/kg)及び陰性対照群としてのビヒクルを、13日目及び14日目の異通試験の2時間前に経口投与した。陽性対照群としてのモルヒネ(5mg/kg)は、実験13日目及び14日目に腹腔内投与による疼痛試験の30分前に投与された。実験後、すべての動物をCO2で安楽死させた。
結果
ラットへのタキソール投与による疼痛誘発モデルは、広く知られた化学療法剤誘発性末梢神経障害のモデルである。1日、3日、5日、7日及び9日目にタキソールを投与することによる痛覚過敏の誘発は、薬物治療前のVon Freyテストによって確認されており、実験期間中の痛覚過敏状態の維持は、13日目及び14日目の薬物治療後の陰性対照群(ビヒクル投与群)のデータから確認された。
実験13日目に、モルヒネ投与(5mg/kg IP)群は、ビヒクル投与群と比較して、異痛の誘発に対して有意な抑制効果を示した。試験化合物(10mg/kg)投与群は、ビヒクル投与群と比較して、異痛の誘発を抑制する傾向を示しており、試験化合物(30mg/kg)投与群は、ビヒクル投与群と比較して、異痛の誘発に対して有意な抑制効果を示した。
実験14日目に、モルヒネ投与(5mg/kg IP)群は、ビヒクル投与群と比較して、異痛の誘発に対して有意な抑制効果を示した。試験化合物(10mg/kg)投与群は、ビヒクル投与群と比較して、異痛の誘発を抑制する傾向を示しており、試験化合物(30mg/kg)投与群は、異痛の誘発に対して有意な抑制効果を示した。
結論
本試験の条件下で得られた結果及び生活習慣データに限定された結果を考慮すると、試験化合物(10mg/kg)用量での投与は、末梢神経障害モデルにおいて機械的異痛を抑制する傾向を示すことが確認され、試験化合物(30mg/kg)用量での投与は、タキソール誘発性末梢神経障害モデルにおいて機械的異痛の有意な抑制を示した。このことから、試験化合物の投与が化学療法剤誘発性末梢神経障害に有効であることが分かった。
統計
各実験群は、一元配置分散分析とテューキーの検定(Prism(登録商標)GraphPad)を使用して、陰性対照群と比較した。

Claims (14)

  1. 治療有効量の下記式(1)
    Figure 2022505172000006
    (1)
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル、C1-C8チオアルコキシ及びC1-C8アルコキシからなる群から選ばれ、ならびにA1及びA2の一つは、CHであり、他の一つはNである)
    で示されるカルバメート化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を含む、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療用薬剤。
  2. 1及びR2が、それぞれ独立して、水素、ハロゲン及びC1-C8アルキルからなる群から選ばれる、請求項1に記載の薬剤。
  3. 前記式(1)のカルバメート化合物が、下記式(2)
    Figure 2022505172000007
    (2)
    で示されるカルバミン酸(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-テトラゾール-2-イル)エチルエステルである、請求項1に記載の薬剤。
  4. 哺乳動物投与用である、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬剤。
  5. 前記式(1)のカルバメート化合物の治療有効量が、遊離形態の1日1回投与に基づいて、50~500mgである、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬剤。
  6. 前記糖尿病性末梢神経障害が、有痛性糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性自律神経障害、又はその両方である、請求項1に記載の薬剤。
  7. 前記化学療法剤誘発性末梢神経障害が、白金系薬物、タキサン及びビンカアルカロイドからなる群から選ばれる1種またはそれ以上である化学療法剤によって引き起こされる、請求項1に記載の薬剤。
  8. 治療有効量の下記式(1)
    Figure 2022505172000008
    (1)
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-C8アルキル、C1-C8ハロアルキル、C1-C8チオアルコキシ及びC1-C8アルコキシからなる群から選ばれ、ならびにA1及びA2の一つは、CHであり、他の一つはNである)
    で示されるカルバメート化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物を含み、さらに、薬学的に許容される担体を1種またはそれ以上含む、糖尿病性末梢神経障害又は化学療法剤誘発性末梢神経障害の予防、緩和又は治療用医薬組成物。
  9. 1及びR2が、それぞれ独立して、水素、ハロゲン及びC1-C8アルキルからなる群から選ばれる、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 前記式(1)のカルバメート化合物が、下記式(2)
    Figure 2022505172000009
    (2)
    で示されるカルバミン酸(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-テトラゾール-2-イル)エチルエステルである、請求項8に記載の医薬組成物。
  11. 哺乳動物投与用である、請求項8~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  12. 前記式(1)のカルバメート化合物の治療有効量が、遊離形態の1日1回投与に基づいて、50~500mgである、請求項8~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  13. 前記糖尿病性末梢神経障害が、有痛性糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性自律神経障害、又はその両方である、請求項8に記載の医薬組成物。
  14. 前記化学療法剤誘発性末梢神経障害が、白金系薬物、タキサン及びビンカアルカロイドからなる群から選ばれる1種またはそれ以上である化学療法剤によって引き起こされる、請求項8に記載の医薬組成物。
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