JP2022504971A

JP2022504971A - 剃刀刃およびその製造方法

Info

Publication number: JP2022504971A
Application number: JP2021520610A
Authority: JP
Inventors: サンドラベッカー; スヴェンウィルツ
Original assignee: Edgewell Personal Care Brands LLC
Current assignee: Edgewell Personal Care Brands LLC
Priority date: 2018-10-19
Filing date: 2019-10-17
Publication date: 2022-01-13
Also published as: EP3867026A1; US20210387367A1; WO2020081763A1; EP3867026C0; CN116967039A; EP3867026B1; CN112867591A; AU2019361982A1; EP3639991A1

Abstract

剃刀刃を潤滑材料でコーティングするための方法において、本体部分と、少なくとも１つの先端面および刃先によって定められた先端端部と、を有する剃刀刃が提供される。潤滑材料は、剃刀刃の先端端部上に噴霧され、潤滑材料の噴霧は、剃刀刃の先端端部に向けて配向される過熱水蒸気に潤滑材料が導入されるという点において蒸気支援で実施される。さらに、剃刀刃に潤滑材料をコーティングするための上述の方法を用いて剃刀刃を製造する方法が提供される。最後に、これらの方法に従ってコーティングされた剃刀刃およびこのような剃刀刃を備えた髭剃り剃刀について記載される。
【選択図】図１

Description

本開示は、剃刀刃およびその製造方法に関する。

最新の剃刀刃は、多層コーティングを使用して、極めて接近した快適な髭剃りを可能にしている。髭剃りを快適にするために、刃の最先端部上でＰＴＦＥなどの潤滑材料の最終層が、１９０年代の前半に業界標準となった（たとえば、英国特許出願公告第９６６０８４号明細書および米国特許出願公開第２００７／０１２４９４４号明細書を参照）。それ以来、ＰＴＦＥコーティングは、剃刀刃の一体的要素である（たとえば、国際公開第２０１０／０８１１１８号、国際公開第２０１０／０８１１１９号、国際公開２０１１／０４７７２７号、および米国特許第９３９３５８８号明細書）。ＰＴＦＥは通常、液体分散による噴霧プロセスを通じて施工されて、液体キャリア部分が蒸発するので、刃の先端端部上にＰＴＦＥ粒子が付着したままになる。ＰＴＦＥの付着を増大させるために、ポリマーの融点を超えて粉体が加熱され、縁部に沿ってＰＴＦＥの連続層が生成される。このプロセスは、この技術分野において焼結として知られている。

このＰＴＦＥコーティングは、縁部が皮膚の上を移動するときに極めて優れた滑り特性を提供し、髭剃り中の切断力を低減する。

これらの低い切断力および滑り力により、髭剃り中の高い快適度がもたらされる。ＰＴＦＥコーティングのない刃は、現在では髭剃りに適さないと判断される。

ＰＴＦＥ施工において、施工されるＰＴＦＥ層の厚みに関してバランスを見出す必要がある。ＰＴＦＥ層が薄すぎる場合、または噴霧されるＰＴＦＥの量が少なすぎる場合、粒子間に空隙が生じ、焼結中に修復されない可能性がある。これにより、対象範囲が不適切になり、髭剃りが最適以下となる。従って、空隙のリスクを排除するために、ＰＴＦＥの量および厚みを増やす傾向がある。

一方、ＰＴＦＥ層が厚すぎると、最初の髭剃りが最適以下となり、これは、剃刀刃自体の極めて鋭利な先端によって頬の髭が理想的な方法で穿通状態になるように、ＰＴＦＥを最先端部から押し戻す必要があるためである。過剰なＰＴＦＥ層は、先端が幾分鈍くなると思われる。ＰＴＦＥの凝集力は、その化学的性質が比較的低いことに起因しており、髭剃りの行為の際に、所望の快適な髭剃りを提供するために最先端部に留まる必要がある極薄の「単分子層」を除いて、この過剰なＰＴＦＥが除去される。この作用は、長い間ピールバックまたはプッシュバックとして知られていたが、ＰＴＦＥ材料の変更および最新の髭剃りシステムにおける縁部（つまり刃）の数の増加に伴って、単分子層を生成する時間が長くなり、この快適さに僅かに劣る最初の髭剃りが引き起こされる。この現象は、「最初の髭剃り作用」と要約される。

内部および外部の髭剃りテストでは、刃縁が（負の）最初の髭剃り作用に悩まされていることが示されており、これを排除すると、髭剃り性能が大幅に向上することになる。新しいカートリッジを使用するときに、消費者の期待に応えるには、新しい刃を使用した最初の髭剃りが最良の髭剃りとすべきであることが知られている。

望ましい快適な最初の髭剃りを達成するための１つの選択肢は、余分なＰＴＦＥ材料を機械的（たとえば、国際公開第２０１６／０５７３０２号、国際公開第２０１６／０５７４７３号、および米国特許出願公開第２０１６／００９６２８２号明細書を参照）または化学的（たとえば、米国特許第５９８５４５９号明細書および米国特許第７２４７２４９号明細書を参照）に除去することである。これらのプロセスは、材料および労力を要し、特に化学物質の除去は、機器への投資並びに化学物質除去のランニングコストの両方の点で極めてコストのかかるプロセスである。刃先に少量のＰＴＦＥ粒子をもってくるだけでほぼＰＴＦＥ単分子層が得られ、結果として得られる縁部には、「慣らし」期間が不要なため、最初の髭剃り以降で優れた髭剃り快適性が得られることは理にかなっている。

水蒸気アシストラッカー法は、国際公開第２００５／０８７３８７号、独国特許出願公開第１０２００６０１９３６５号明細書、国際公開第２００７／１２２０９３号、英国特許出願公告第６６０２３３号明細書および英国特許出願公開第００６０８号明細書に記載されている。

また、剃刀刃のＰＴＦＥコーティングの前に、たとえば、米国特許第３７４３５５１号明細書、米国特許第３８３８５１２号明細書、米国特許第５４８８７７４号明細書、米国特許出願公開第２００７／０１８６４２４号明細書、国際公開第８７／０４４７１号、および欧州特許第２７３１７６０号明細書にて開示されているような、他の材料で剃刀刃をコーティングできることも周知である。

本開示は、剃刀刃を潤滑材料でコーティングするための方法であって、
本体部分と、少なくとも１つの先端面および刃先によって定められる先端端部と、を有する剃刀刃を提供することと、
剃刀刃の先端端部に潤滑材料を噴霧することと、
を含み、
潤滑材料を噴霧することは、潤滑材料が剃刀刃の先端端部に向けられた過熱水蒸気に導入されるという点において蒸気支援で（ｓｔｅａｍ－ａｉｄｅｄ）実施される、
方法を提供する。

本発明によれば、潤滑材料、特に好ましくは０．５μｍ以下、より好ましくは０．２μｍ以下の粒径を有する粒子の形態の潤滑材料が、剃刀刃の先端端部に配置され、ここで先端端部は、少なくとも１つの先端面および刃先によって、好ましくは刃先と剃刀刃の対向する側部上で刃先に隣接して両方が配置された２つの先端面とによって定義される。潤滑材料粒子を堆積させるステップが、粒子が過熱水蒸気に導入されるという点において蒸気支援で実施され、この水蒸気は、剃刀刃の先端端部に向けられて、剃刀刃の先端端部に衝突する。過熱水蒸気または水蒸気と潤滑材料とを共に噴霧するステップは、過熱蒸気を排出するための少なくとも１つのノズルを含むことが好ましい噴霧アプリケータを用いて行われる。この少なくとも１つのノズルに隣接してその近傍で、潤滑材料を流出蒸気に導入する潤滑材料流出ノズルが配置されている。蒸気ノズルは、潤滑材料ノズルを囲む環状のスリット状の開口部を有することができる。過熱水蒸気と潤滑材料のストリームを成形するため過熱蒸気を排出するために、追加の蒸気ノズルが、過熱蒸気と潤滑材料の流出蒸気の下流側に設けることができる。これらの実施形態は、本発明の方法を実施するための代替のおよび／または好ましい変形形態である。

本発明の噴霧プロセスは、ウェットまたはドライ髭剃り剃刀以外の目的のための剃刀または同様のカッティング刃デバイス用の一枚刃または二枚もしくは複数枚刃の潤滑材料コーティングに使用することができる。

噴霧プロセスは、潤滑材料の粒子が剃刀刃の先端端部に滑らかに沈降するように調整される。過熱水蒸気が剃刀刃に滑らかに接触して、剃刀刃の先端端部に潤滑材料の粒子が沈降または結露するようになる。このような噴霧結果を得るために調整される噴霧プロセスのパラメータは、特に：
出口ノズルを出るときの水蒸気の圧力と、
出口ノズルを出るときの潤滑材料または分散体の圧力と、
出口ノズルからの剃刀刃の距離と、
である。

好ましい実施形態では、その先端端部で潤滑材料を噴霧することによって処理される剃刀刃が予熱される。

潤滑材料を運ぶ過熱水蒸気に起因して、潤滑材料は、ほぼ（または準）乾燥状態にある間、剃刀刃の先端端部に堆積される。噴霧プロセス後、剃刀刃の先端端部には水は残っていない。剃刀刃に水が確実に結露しないように、剃刀刃が予熱される。従って、剃刀刃への衝突時には、蒸気と潤滑材料の混合物で失われる熱エネルギーがないか、少なくとも僅かであり、これは水の凝縮を防止または低減するのに有利である。剃刀刃は、約９０°Ｃおよび約１８０°Ｃの間、好ましくは１１０°Ｃおよび１４０°Ｃの間まで予熱される。

本発明の別の好ましい実施形態では、過熱水蒸気は、１または複数の出口ノズルにおいて約１０５°Ｃおよび約２００°Ｃの間、好ましくは約１２０°Ｃおよび約１９０°Ｃの間、および最も好ましくは約１３０°Ｃおよび約１７０°Ｃの間の温度まで加熱され、および／または蒸気発生器内の過熱水蒸気は、約１．５バールから約２バールの圧力である。

本発明の別の実施形態では、剃刀刃の先端で潤滑材料を噴霧するために、先端端部が同じ方向を向いた状態で複数の剃刀刃がスタックとして並んで配置され、または複数の剃刀刃が一体型の剃刀刃のリボンとして配置され、剃刀刃のリボンがコイル状になっている。どちらの場合も、スタックまたはコイルの刃全ての先端端部をコーティングするために、噴霧アプリケータと刃材料（スタックまたはコイル）が互いに対して変位している。スタックの場合、相対的な動きは、ストローク間の横方向のシフトにより前後に動かすことができる。刃材料がコイル状になっている場合、噴霧アプリケータをコイルの中心からその周辺に（またはその逆に）螺旋状に移動させることができ、或いは、コイルを回転させて噴霧アプリケータをコイルに対して半径方向でその上を移動させる。この場合、コイルの回転速度は、コイル状剃刀刃リボンの先端端部に噴霧される潤滑材料の量が剃刀刃リボンの長さ単位当たりに同じになるように調整されることになる。つまり、コイルの回転速度は、噴霧アプリケータが半径方向外側に移動するほど減少し、または噴霧アプリケータが半径方向内側に移動するほど増加する。代替として、剃刀刃のコイルと噴霧アプリケータの相対的な動きは、同心円で実行され、たとえば、幾つかの円の各円について完了した後、半径方向内向きまたは半径方向外向きに変位する。剃刀刃のコイルが静止しており、噴霧アプリケータが同心円または螺旋状に動く場合、噴霧アプリケータの速度を一定に保つことができる。しかしながら、複数の分離した剃刀刃が順々に処理される点、または複数の剃刀刃が、噴霧ステーションまたは噴霧アプリケータに沿って噴霧アプリケータまたは噴霧ステーションから出る過熱水蒸気を介して通過する一体型の剃刀刃のリボンとして配置される点で、剃刀刃を個別に処理することも可能である。

本発明のさらなる実施形態では、潤滑材料は、特に水を含む液体中の潤滑材料粒子の分散体として提供され、分散体は水蒸気に導入される。さらに、この好ましい実施形態では、分散体が、約２０°Ｃおよび約５０°Ｃの間の温度に保たれ、および／または、前記分散体（７３）が、潤滑材粒子の約１％の分散重量および約５％の分散重量の間、好ましくは潤滑材粒子の１．５％の分散重量から約２．５％の分散重量、および液体、特に水、の少なくとも約９５％の分散重量および約９９％の分散重量の間、好ましくは液体の約９７．５％の分散重量を含み、前記液体が、約９９％および約９９．８％の間の液体重量水、好ましくは９９．５％の液体重量水、および約１％および約０．２％の間の液体重量安定剤、好ましくは約０．５％の液体重量安定剤を含み、前記安定剤は、好ましくは界面活性剤である。安定剤は、潤滑材料粒子と液体の混合物である、すなわち分散体がより均質化されるという点で有利である。

また、分散体は、水蒸気と分散体の混合物の乾燥状態を維持することをサポートするように予熱することができ、蒸気量と比較したその液体の重量パーセントがかなり低い。

分散体を水蒸気または蒸気に導入するステップは、分散体を水蒸気に噴霧することによっておよび／またはベンチュリ効果に従って水蒸気の流れの速度に起因して分散体を水蒸気に吸引することによって実行することができる。

本発明の別の好ましい実施形態では、水蒸気は、蒸気発生器によって提供され、加熱導管を通って噴霧アプリケータに導かれ、ここで潤滑材料が水蒸気に合流され、これによって両方が剃刀刃の先端端部に噴霧される。これにより、噴霧アプリケータから出るときに、水蒸気が過熱温度に保たれるようになる。

本発明の剃刀刃および本発明の方法を用いると、驚くべきことに、潤滑材料粒子の極めて薄い層が剃刀刃の先端端部に堆積することができる。理想的には、この層は、剃刀刃の先端端部上に並んで配置された潤滑材料粒子のみを含む。この理想的な単層の潤滑材料粒子を機械的に安定させるために、潤滑材料粒子が先端端部の表面に付着し、先端端部に潤滑材料粒子を備えた剃刀刃は、潤滑材料を焼結して先端端部の潤滑材料コーティングを生成するように処理される。本発明に関連して行われた試験によれば、剃刀刃上の潤滑材料コーティングの厚みは、約１．５μｍ未満、好ましくは約０．１μｍおよび約１μｍの間、最も好ましくは約０．２５μｍおよび約０．７５μｍの間であり、刃先は、ほぼ完全に潤滑材料により覆われており、少なくとも１つの先端面または各先端面の少なくとも７０％が、刃先から１００μｍ、好ましくは７０μｍの距離まで潤滑材料により覆われている。

一般に、本発明によれば、髭剃りされる皮膚上での剃刀刃の滑動を改善するために使用される全ての既知の種類の潤滑材料を使用することができる。最も好ましくは、潤滑材料は、フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、ポリトリフルオロクロロエチレン（ＰＣＴＦＥ）、ポリビニリデンフルオリド（ＰＶＤＦ）、テトラフルオロエチレン－パーフルオロ－メチルビニルエーテル（ＭＦＡ）、ポリ［テトラフルオロエチレン－パーフルオロ（アルコキシビニルエーテル）］）ＰＦＡ、エチレン－を含む。テトラフルオロエチレン－ヘキサフルオロプロピレン－ターポリマーＥＦＥＰ、パーフルオロ－メチル－ビニル－エーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、パーフルオロブチル－ビニルエーテル、パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、エチレン－テトラ－フルオロエチレン－コポリマー（ＥＴＦＥ）、テトラフルオロエチレン－ヘキサ－フルオロ－プロピレン－コポリマー（ＦＥＰ）およびパーフルオロエチレンとパーフルオロプロピレンのコポリマーを含む。

剃刀刃では、既に上述したように、極めて近くて快適な髭剃りを可能にする多層コーティングは、基本的に既知である。従って、これらの多層コーティングおよび対応するコーティング技術は、本発明による潤滑材料によりコーティングされるように（通常は最終コーティングステップとして）剃刀刃を調製するのに使用することができる。従って、本発明の好ましい実施形態では、剃刀刃を提供するステップは、本体部分と、少なくとも１つの先端面および刃先によって定められる先端端部とを有する基材（典型的には金属製）を提供するステップを含み、刃先と刃先に隣接する少なくとも１つの先端面の少なくともある領域は、中間層、中間層上のハードコーティング層、および任意選択的にハードコーティング層上のオーバーコート層でコーティングされ、或いは、刃先と刃先に隣接する少なくとも１つの先端面の少なくとも領域とに施工されるハードコーティング層、および任意選択的にハードコーティング層上に施工されたオーバーコート層でコーティングされる。

従って、コーティングの以下の変形
基材－潤滑材料
基材－ハードコーティング－潤滑材料
基材－中間層－ハードコーティング－潤滑材料
基材－中間層－ハードコーティング－オーバーコーティング－潤滑材料
が可能である。

より具体的には、本発明によれば、剃刀刃を提供するステップは、本体部分と少なくとも１つの先端面および刃先によって定められる先端端部とを有する基材を提供するステップを含み、刃先と、刃先に隣接する少なくとも１つの先端面の少なくともある領域は、ニオブ、クロム、チタン、銀、ジルコニウム、クロムとチタンまたは銀などの異なる金属の混合物、またはこれらの金属および合金または他のセラミックの窒化物または炭化物を含む中間層と、たとえば、窒化クロム、炭化クロム、窒化チタン、炭化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化タングステン、窒化タングステンまたは他のセラミックである、ダイヤモンド、ダイヤモンド様材料またはセラミックコーティング層を含む、中間層上のハードコーティング層と、任意選択的に、たとえばクロム、チタン、銀、金、ニオブ、ジルコニウム、タングステン、または上記の金属の混合物である、金属または金属合金を含む、ハードコーティング層上のオーバーコート層と、でコーティングされる。しかしながら、本発明は、プレコートされていない基材、すなわち露出基材（通常は金属）上の潤滑材料コーティングにも使用することができる。

前述の本発明の利点に加えて、水蒸気と潤滑材料粒子の混合物を噴霧するステップは、自然大気内で実行できる点に留意されたい。剃刀刃の先端端部に潤滑材料粒子を堆積させるステップには、たとえば、保護雰囲気のような特定のガス雰囲気は必要ではない。

本発明の別の変形形態では、剃刀刃を製造する方法であって、
本体部分と少なくとも１つの先端面および刃先によって定められる先端端部とを有する、非コーティングのまたはプレコーティングされた基材を提供することと、
上記の方法に従って、基材の先端端部に潤滑材料を噴霧することと、
噴霧された潤滑材料を焼結して、潤滑材料コーティングを提供することと、
を含む方法が提供される。

さらに、本発明は、
本体部分と少なくとも１つの先端面および刃先によって定められる先端端部とを有する非コーティングまたはプレコーティングされた基材と、
外側潤滑材料コーティング層と、
を備え、剃刀刃が、上記で定められた製造方法によって入手可能である、剃刀刃を提供する。

好ましい実施形態では、剃刀刃は、中間層、金属またはハードコーティング層、および任意選択的にオーバーコート層のうちの少なくとも１つを含み、１または複数の層は、基材と外側コーティング層との間に配置される。

さらに好ましい実施形態では、外側潤滑材料コーティング層の厚みは、約１．５μｍ未満、好ましくは約０．１μｍおよび約１μｍの間、最も好ましくは約０．２５μｍおよび約０．７５μｍの間である。

さらに、別の好ましい実施形態では、刃先は、潤滑材料によりほぼ完全に覆われており、少なくとも１つの先端面または各先端面の少なくとも７０％が、刃先から１００μｍ、好ましくは７０μｍの距離まで潤滑材料により覆われている。

別の好ましい実施形態では、ハードコーティング層は、たとえば、窒化クロム、炭化クロム、窒化チタン、炭化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化タングステン、窒化タングステンまたは他のセラミックである、ダイヤモンド、ダイヤモンド様材料またはセラミックコーティング層を含む。

さらに好ましい実施形態では、基材上の層の順序は、中間層、ハードコーティング層、および外側潤滑材料コーティング層であり、或いは、基材上の層の順序は、中間層、ハードコーティング層、オーバーコート層、および外側の潤滑材料コーティング層である。

最後に、本発明は、ハンドル、ハウジング、および上記で説明した方法に従って製造されたおよび／または上記で定められた特徴を有する少なくとも１つの剃刀刃を含む髭剃り剃刀を提供する。剃刀は、フレームを有する交換可能または非交換可能なカートリッジの形態のハウジングを含むことができ、少なくとも１つおよび好ましくは２つ以上の剃刀刃が、好ましくは射出成形技術によって製造されたプラスチックまたは他の既知の材料のフレームに取り付けられている。また、剃刀は、少なくとも１つの交換可能な両刃剃刀刃を収容できるハウジングを有することができる。

さらに好ましい実施形態では、上記ハウジングは、互いに平行に配置された少なくとも２個から１０個の剃刀刃を含む。

好ましい実施形態では、複数の刃セグメントが、上記ハウジング内に配置される。

本発明によれば、潤滑材料粒子は、過熱水蒸気ストリームによって運ばれて、好ましくは予熱された刃に接触したときまたは接触した後にのみ溶融し、水蒸気が、その凝集状態を変化させない、従って凝縮しないようになり、これは、刃または潤滑材料粒子層上で水がほとんど沈降しないことを意味する。たとえば、過熱水蒸気の温度、予熱刃の温度、水蒸気流の流量、潤滑材料粒子のサイズ、表面単位および／または体積単位あたりの粒子の密度、水蒸気の体積あたりの潤滑材料粒子の量、噴霧アプリケータの出口開口部からコーティングされる刃までの距離、および噴霧アプリケータと刃リボンとの間の相対移動速度またはコーティングされる刃の長さのような個々のパラメータは、刃メーカーによって定義された望ましい特性を有する刃の潤滑性オーバーコーティングを得るために、実験的に決定されなければならない。

本発明について、図面を参照しながらより詳細に説明する。

図１は、剃刀カートリッジおよびハンドルを含む剃刀組立体の平面正面図である。図２は、図１に示した剃刀カートリッジの平面上面図である。図３は、剃刀カートリッジの斜視図である。図４は、本発明の方法で使用することができる例示的な剃刀刃の平面上面図である。図５は、本発明の方法で使用することができる例示的な剃刀刃の平面側面図である。図６は、噴霧アプリケータによって噴霧された初期潤滑材料の粒子層を備えた剃刀刃の先端の概略図である。図６ａは、図６の噴霧アプリケータのノズル部分の拡大図である。図７は、図６に示されるような粒子層を焼結した後の潤滑材料表面コーティングを備えた剃刀刃の先端の概略図である。図８は、固定具と噴霧アプリケータの両方の相対的な動きが示されている、固定具の実施形態内に配置された剃刀刃のスタックの概略図である。図９は、固定具と噴霧アプリケータの両方の相対的な動きが示されている、コイル状の剃刀刃のリボンの概略図である。

本開示は、表面コーティングを備えた剃刀刃を製造するための方法およびその実施形態を含み、より具体的には、剃刀刃の表面に配置された表面コーティングを施工するための方法を含む。

図１および３を参照すると、本明細書で提供される説明を容易にするために、ハウジング１３を有する例示的な剃刀カートリッジ１０が示されている。本開示は、この特定の剃刀カートリッジの実施形態に限定されず、交換可能または交換可能ではない少なくとも１つの両刃剃刀刃を有する剃刀のハウジングに使用することもできる。ハウジングという用語は、ハンドルに枢動式または非枢動式に接続できる交換可能なハウジングおよび非交換可能なハウジングの両方を含むものとする。剃刀、剃刀ハンドル、ハウジング、並びに剃刀刃は、何れかの設計を有することができ、何れかの適切な材料で作ることができ、また、ウェットおよびドライ髭剃り剃刀の分野において知られた何れかの技術で製造することができる。

例示の剃刀カートリッジ１０は、ハンドル１２（図１の破線で示されている）に枢動可能にまたは固定して取り付けられる。一部の用途では、剃刀カートリッジ１０は、再利用可能なハンドル１２から取り外し可能であることを目的とした、剃刀組立体１１の使い捨て部分である。他の用途では、剃刀カートリッジ１０およびハンドル１２は、単体構造の使い捨て剃刀組立体１１に組み合わされる。後者の場合、ハンドル１２およびカートリッジ１０は、通常の使用中に互いから取り外すことを意図していない。カートリッジは、ドライおよびウェット髭剃り剃刀の分野で基本的に知られているように、何れかの材料および何れかの技術により製造された何れかの種類のハウジング１３を有することができる。

剃刀カートリッジ１０は、本体１４および１または２以上の剃刀刃１６を含み、長さ１８および幅２０を有する。１または２以上の剃刀刃１６の各々は、長さ方向に延びる刃先２２を有する。本開示は、何れかの特定の刃先および／または剃刀刃の構成に限定されないが、たとえば、本開示は、線形刃先、非線形刃先、アパーチャの周囲に延びる刃先、一体的に湾曲した剃刀刃、湾曲または非湾曲した剃刀支持体に取り付けられた剃刀刃などに適用可能である。剃刀カートリッジ１０はまた、好ましくは、ガード２４を含む。明確にするために、本明細書で使用される「前方」および「後方」という用語は、刃が従来通りに使用されるときに刃がユーザの皮膚にぶつかる向きに関して定義され、たとえば、剃刀刃１６が従来の方法で使用される場合、刃は、ユーザの皮膚上の点に対して前方から後方への方向に移動することになり、前方の刃要素は、後方の刃要素よりも前の時点でぶつかることになる。本体１４は、前方部２６、後方部２８、第１の側部３０、第２の側部３２を含む。前方部２６は、ガード２４と１または２以上の剃刀刃１６との間に配置されている。後方部２８（「キャップ」と呼ばれることもある）は、１または２以上の剃刀刃１６の後方に配置されている。第１の側部３０および第２の側部３２は、１または２以上の剃刀刃１６の対向する側面に配置され、両方ともが前方部２６と後方部２８との間に延びる。カートリッジまたはハウジング１３はまた、刃間ガードおよび剃刀刃を備え、全て同じ方向に向いているか、または異なる方向を向いておりその中に対向する方向も存在する複数のグループを含むことができる。

本開示による剃刀刃１６は、様々な構成をとることができ、各々が、先端端部３８と後方端部４０との間に延びる幅３６と、第１の側縁４４と第２の側縁４６との間に延びる長さ４２とを有する本体３４を含む。本体３４はさらに、上側本体面４８および下側本体面５０を含み、これら本体面４８、５０は、先端端部３８と後方端部４０との間で幅方向に延在し、第１および第２の側縁４４、４６の間で長さ方向に延在する。本明細書に提供され且つ図に示される剃刀刃の記載は、本開示の理解を容易にするために含まれている。本開示は、この特定の剃刀刃の実施形態に限定されない。

図４および５を参照すると、先端端部３８は、典型的には、第１の先端面５２、第２の先端面５４、および刃先２２によって定められる。第１および第２の先端面５２、５４は、刃先２２で収束し、各々が、剃刀刃１６のそれぞれの本体面４８、５０まで後方に延びる。厳密に言えば、多くの場合、第１および第２の先端面５２、５４の収束点にて小さな丸みのある面（「先端半径」と呼ばれることもある）が存在する可能性がある。代替的に、先端端部３８はまた、剃刀刃１６の刃先２２と本体面との間に延びる単一の先端面を有するように構成することもできる。本開示は、何れかの特定の刃先構成に限定されない。図４に示す剃刀刃１６は、刃の本体面の間で、刃を貫通して延びる複数のアパーチャを含む。一部のアパーチャ５６は、剃刀カートリッジ内の刃１６を位置決め／固定するのに使用することができ、他のアパーチャ５８は、髭剃りデブリの除去を容易にするウォッシュスルーポートである。剃刀刃１６はまた、少なくとも先端端部３８に近接する領域において、典型的には本体面４８、５０に平行である幅方向に延びる中心線６０を有すると説明することができる。剃刀刃１６は、常にではないが、多くの場合、ステンレス鋼材料から製造され、上記のように、ダイヤモンド、アモルファスダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン（ＤＬＣ）材料、窒化物、炭化物、酸化物、セラミックまたは同様のものなどの１または２以上の材料を含むコーティングを含み、強度、耐食性、および髭剃り能力を向上させることができる。剃刀刃１６の表面に接着された表面コーティングを形成する方法を含む、表面コーティングを備えた剃刀刃１６を製造する本発明の方法は、特定の剃刀刃の構成にも、特定の剃刀刃先の構成または刃先形状、もしくは刃の材料の実施にも限定されるものではない。

図６および図６ａを参照すると、本発明による噴霧プロセスの実施形態が示されている。噴霧プロセスの結果は、潤滑材料粒子６３の初期表面コーティング６２であり、これは、並んで配置されて剃刀刃１６の先端端部３８または先端端部３８の少なくとも一部を覆う潤滑材料粒子６３のほぼ単層もしくはほんの数層を形成する。潤滑材料粒子６３は、本体６８にねじ込まれるノズルプレート７１内の少なくとも２つのノズル７０、７２を備えた本体６８を有する噴霧アプリケータ６６によって噴霧される水の蒸気６７のストリーム６４によって運ばれる。約１０５°Ｃおよび約２００°Ｃの間、または約１２０°Ｃおよび約１９０°Ｃの間、好ましくは１３０°Ｃおよび１７０°Ｃの間まで加熱された、蒸気発生器５５内の過熱蒸気は、流量計５７（または流量調整器）を介してまたは直接的に、噴霧アプリケータ６６の内部リングチャネルまたは同様のマニホルド５９に流入し、さらにチャネル６１を通って、好ましくは環状スリットのような形状にされたノズル７０に流れる。ノズル７０の周囲には、水、安定剤、潤滑材粒子の分散体７３を排出するためのノズル７２が配置されている。噴霧アプリケータ６６内のチャネル４９を介して、ポンプ５３（またはリザーバ５１内の分散体７３が圧力下にある場合は流量計または圧力調整器）によってリザーバ５１から噴霧アプリケータ６６に供給される。過熱蒸気と分散体の両方が、噴霧アプリケータ６６（図示せず）に供給される。分散体は、タンク（図示せず）に貯蔵され、ポンプまたは同様の供給装置によって噴霧アプリケータの本体６８に供給される。過熱蒸気は、蒸気発生器で発生し、管体を介して本体６８に供給され、ここで管体が加熱されて過熱蒸気を所望の温度に保つ。代替形態として、分散体はまた、恒久的に特定の圧力下状態にすることもでき、ノズルからを出る時間単位当たりの分散体の量（すなわち、流量）は、流量調整器または調整装置を介して流量計などによって制御することができる。蒸気ノズルから出る過熱水蒸気の流量制御についても同様である。

本開示による初期潤滑材粒子表面コーティング６２は、様々な異なる材料を含むことができる。有用な表面コーティング材料は、限定ではないが、フルオロポリマーを含む。特に有用なフルオロポリマー表面コーティング材料は、ポリテトラフルオロエチレン（「ＰＴＦＥ」）である。フルオロポリマーの具体例としては、ＺＯＮＹＬ（登録商標）ＭＰ１１００、ＭＰ１２００、ＭＰ１６００、ＫＲＹＴＯＸ（登録商標）ＬＷ１２００、Ｅ．ＩＤｕＰｏｎｔｄｅＮｅｍｏｕｒｓａｎｄＣｏｍｐａｎｙ、米国、現在はＣｈｅｍｏｕｒｓＣｏｍｐａｎｙ製のＤｒｙＦｉｌｍ（登録商標）ＬＷ２１２０ブランドのポリテトラフルオロエチレン粉末などが挙げられる。表面コーティング材料の他の非限定的な実施例には、シリコン、オルガノシロキサンゲルなどが挙げられる。本方法は、以下に記載される方式で材料を加工できる場合、何れかの特定のタイプの表面コーティング材料を使用することに限定されない。本方法の説明を容易にするために、表面コーティング材料はＰＴＦＥとして説明する。しかしながら、上記の通り、本発明の方法は、ＰＴＦＥタイプの表面コーティング材料での使用に限定されない。

本方法は、霧化プロセスを使用しており、上記で説明したように、蒸気ストリームに噴霧された分散体を含む過熱蒸気ストリーム６４を含む。しかしながら、本発明は、分散体を蒸気ストリームに噴霧することにより潤滑材粒子を蒸気ストリーム６４に導入することに限定されない。但し、特に有用な施工プロセスは、表面コーティング材料（たとえば、ＰＴＦＥ粒子）が最初に分散体に配置されるプロセスである。分散体は、ほぼ単層として、または数層の潤滑材料粒子６３として先端端部３８に堆積される。

さらに本開示によれば、堆積された初期潤滑材粒子表面コーティング６２を有する１または複数の刃１６は、ＰＴＦＥ粒子が互いに融合して剃刀刃１６に付着し、場合によっては分散媒体を追い出すのに十分な時間期間の間で所定の温度まで刃および堆積された表面材料コーティングを加熱し、これにより上述の初期潤滑材粒子表面コーティング６２の焼結形態を形成することを含む熱焼結プロセスを受ける。焼結プロセス中、表面コーティングの厚さは、初期潤滑材粒子表面コーティング６２の厚さよりも減少する可能性がある。

図７は、焼結プロセス後の厚さを有する最終的な表面コーティング層６５（参照番号７４を参照）を示している。

図６および７の両方において、参照番号６９は、表面コーティング層６５によってオーバーコーティングされた、上記のような１または２以上の（たとえば、硬質の）アンダーコート層または中間層を表す。しかしながら、このような追加のアンダーコート層または中間層は任意選択であり、従って、表面コーティング層６５はまた、刃の材料（たとえば、鋼またはステンレス鋼もしくは他の金属またはセラミックなど）に直接施工することができる。

刃先端端部３８に向けられた過熱蒸気ストリーム６４は、実質的に長さ方向に延びる刃先端端部３８全てに衝突する単一の定義されたストリーム、または長さ方向に延びる刃先端端部３８の実質的に全てに全体的に衝突するように配向された複数のストリーム６４或いは刃１６の長さよりも小さく且つ刃１６に対して移動する（またはその逆も同様）幾何形状（たとえば、直径）を有するストリーム６４、もしくはこれらの何れかの組み合わせにおいて構成することができる。蒸気ストリーム６４は、絶えずまたは断続的に、たとえばパルス状に適用することができる。蒸気ストリーム６４は、通常、処理される刃先端端部３８から所定の距離に位置付けられたノズル出口オリフィスを有する１または２以上のノズルスタンプから生成される。ノズルオリフィスから出る蒸気ストリーム６４の幾何形状は、流体および流れのパラメータの関数であり、また、ノズルオリフィスの幾何形状の関数である。ノズルオリフィスの幾何形状は、選択された蒸気ストリーム６４が先端端部３８で初期潤滑材粒子表面コーティング６２を沈降させるのに適切であるように、流体およびストリームパラメータと協調して選択される。噴霧アプリケータにあるか、または蒸気流れの下流側にある追加の流体出口ノズル（図示せず）を使用して、蒸気流れを成形することができ、また、蒸気流れのサイズを変更して、潤滑剤で覆われる表面に採用することができる。

図８を参照すると、本開示の一態様によれば、剃刀刃１６上に潤滑材料表面コーティングを生成する方法は、刃先端端部３８が露出した状態で、刃１６を同じ方向に積み重ねることができる固定具８２内に複数の剃刀刃１６（すなわち、刃の「スタック８６」）を取り付けることを含む。一実施形態では、固定具８２は、１または２以上の刃保持部材、たとえば、刃１６内のアパーチャ（たとえば、位置決め／取付アパーチャ５６、またはウォッシュアウトポート５８）を通って延びる少なくとも２つのロッドを含むことができる。固定具８２は、各剃刀刃１６の間に配置されたスペーサー（図示せず）を設けることができ、または剃刀刃１６は、それぞれの隣接する刃が互いに接触するように配置される。本方法では、蒸気ストリーム６４は、粒子６３が先端端部３８にて初期潤滑材粒子表面コーティング６２を形成するように、固定具８２に配置された刃先端端部３８に向けられる。上記の固定具８２は、単一の刃表面処理プロセスとは対照的に、単一のプロセスで複数の刃１６を処理するのに使用することができる固定具の非限定的な実施例である。

固定具８２は、固定具８２内の剃刀刃１６をある温度、具体的には約９０°Ｃおよび約１８０°Ｃの間、好ましくは１１０°Ｃおよび１４０°Ｃの間の温度まで予熱し、過熱された蒸気ストリーム６４の凝縮を防ぐように動作可能な装置に対して選択的に取り付けすることが可能である。加えて、たとえば、刃１６のスタック８６を保持する固定具８２は、初期潤滑材粒子表面コーティング６２を焼結するために、表面コーティング材料で剃刀刃１６のスタック８６を加熱するように動作可能な炉内に選択的に取り付けることができる。焼結後、焼結された潤滑材表面コーティング層６５は、約１．５μｍ未満、好ましくは約０．１μｍおよび約１μｍの間、最も好ましくは約０．２５μｍおよび約０．７５μｍの間の厚み７６を有することができ、好ましくは先端端部を完全に覆い、ここで、刃先は、ほぼ完全に潤滑材で覆われており、少なくとも１つの先端面または各先端面の少なくとも７０％が、１００μｍ、好ましくは刃先から７０μｍの距離まで潤滑材で覆われている。厚み７６は、原子間力顕微鏡（ＡＦＭ）などの適切な方法で測定することができる。

図８において、矢印８４、８５は、噴霧アプリケータ６６および固定具８２の相対的な前後の動きを示しており、各前方および／または後方の移動経路の後に横方向に変位している。しかしながら、相対的な前後の動きはまた、矢印８４、８５に直交して発生することができる。

図９は、本発明の別の実施形態による噴霧プロセスを概略的に示しており、噴霧アプリケータ６６は、コイル状の剃刀刃リボン８８の先端端部に堆積物のように潤滑剤の粒子を施工するのに使用される。コイル９０と噴霧アプリケータ６６は、リボンの先端端部の長さ全てを潤滑材粒子で覆うことができるように、互いに対して移動される。たとえば、コイル９０は、矢印９２の方向（または逆方向）で、噴霧アプリケータ６６の下方で回転することができる。回転速度は、噴霧アプリケータ６６を半径方向に動かす（矢印９４を参照）ときのコイル半径上の噴霧アプリケータ６６の位置に応じて採用する必要がある。これにより、噴霧される媒体の流量／量を調整することなく、コイルの外側から内側まで時間単位当たりおよび／または先端端部長単位当たりの噴霧量を一定に保つことができる。代替として、噴霧アプリケータ６６は、同心円（たとえば、各円の後に半径方向の変位を伴う）状にまたは螺旋状パターンでコイルの上に移動することができる。

本発明は、その特定の例示的な実施形態を参照して説明および例示してきたが、本発明は、これらの例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の真の範囲から逸脱することなく、変形および修正を行い得ることは認識するであろう。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内にある全てのこのような変形および修正を本発明に含めることが意図されている。

１０剃刀カートリッジ
１１組立体
１２ハンドル
１３ハウジング
１４本体
１６刃
１８長さ
２０幅
２２刃先
２４ガード
２６前方部
２８後方部
３０側部
３２側部
３４本体
３６幅
３８先端端部
４０後方端部
４２長さ
４４側縁
４６側縁
４８本体面
４９チャネル
５０本体面
５１リザーバ
５２先端面
５３ポンプ
５４先端面
５５蒸気発生器
５６アパーチャ
５７流量計
５８アパーチャ
５９リングチャネル（マニホルド）
６０中心線
６１チャネル
６２初期潤滑材粒子表面コーティング
６３粒子
６４ストリーム
６５焼結されたコーティング層
６６噴霧アプリケータ
６７蒸気
６８噴霧アプリケータの本体
６９アンダーコート層および／または中間層
７０ノズル
７１ノズルプレート
７２ノズル
７３分散体
７４焼結されたコーティング層の厚み
７６初期潤滑材粒子表面コーティング層の厚み
８２剃刀刃スタックのための固定具
８４移動矢印
８５移動矢印
８６スタック
８８コイル状の剃刀刃リボン
９０コイル
９２移動矢印
９４移動矢印

Claims

剃刀刃を潤滑材料でコーティングするための方法であって、
本体部分（１４）と、少なくとも１つの先端面（５２、５４）および刃先（２２）によって定められる少なくとも１つの先端端部（３８）と、を有する剃刀刃（１６）を提供することと、
前記剃刀刃（１６）の先端端部（３８）上に潤滑材料を噴霧することと、
を含み、
前記潤滑材料を噴霧することは、前記潤滑材料が前記剃刀刃（１６）の先端端部（３８）に向けられた過熱水蒸気（６７）に導入されるという点において蒸気支援で実施される、
方法。
前記剃刀刃（１６）が予熱される、
請求項１に記載の方法。
前記過熱水蒸気（６７）が、最大で約１０５°Ｃおよび約２００°Ｃの間、好ましくは約１２０°Ｃおよび約１９０°Ｃの間、好ましくは約１３０°Ｃおよび約１７０°Ｃの間まで加熱され、および／または、前記過熱水蒸気（６７）が、約１．２バールおよび約２．５バールの間、好ましくは約１．５バールおよび約２バールの間の値で加圧される、
請求項１または２に記載の方法。
前記剃刀刃（１６）が、最大で約９０°Ｃおよび約１８０°Ｃの間、好ましくは約１１０°Ｃおよび約１４０°Ｃの間まで予熱される、
請求項１から３のうちいずれか１項に記載の方法。
複数の剃刀刃（１６）が、前記先端端部（３８）が同じ方向を向いた状態でスタック（８６）として並んで配置されるか、または複数の剃刀刃（１６）が、一体型の剃刀刃リボン（８８）として配置され、前記剃刀刃リボン（８８）がコイル状になっている、
請求項１から４のうちいずれか１項に記載の方法。
前記潤滑材料が、特に水を含む液体中の潤滑材粒子（６３）の分散体（７３）として提供され、前記分散体（７３）が、水蒸気（６７）に導入される、
請求項１から５のうちいずれか１項に記載の方法。
前記分散体（７３）が、前記水蒸気（６７）に噴霧され、および／または、前記分散体（７３）が、前記水蒸気（６７）の流れに起因して前記水蒸気（６７）に吸引される、
請求項６に記載の方法。
前記分散体（７３）が、約２０°Ｃおよび約５０°Ｃの間の温度に保たれ、および／または、前記分散体（７３）が、潤滑材粒子の約１％の分散重量および約５％の分散重量の間、好ましくは潤滑材粒子の１．５％の分散重量から約２．５％の分散重量の間および液体、特に水、の少なくとも約９５％の分散重量および約９９％の分散重量の間、好ましくは液体の約９７．５％の分散重量を含み、前記液体が、約９９％および約９９．８％の間の液体重量水、好ましくは９９．５％の液体重量水、および約１％および約０．２％の間の液体重量安定剤、好ましくは約０．５％の液体重量安定剤を含み、前記安定剤は、好ましくは界面活性剤である、
請求項６に記載の方法。
前記水蒸気（６７）が、蒸気発生器（５５）によって提供され、前記潤滑材料が水蒸気（６７）に合流されるとともに前記潤滑材料および水蒸気の両方が前記剃刀刃（１６）の先端端部（３８）に噴霧される噴霧アプリケータ（６６）に加熱導管を通って導かれる、
請求項１から８のうちいずれか１項に記載の方法。
前記剃刀刃（１６）の先端端部（３８）上に潤滑材料コーティング（６５）を作製するように前記剃刀刃（１６）の先端端部（３８）に噴霧された前記潤滑材料を焼結することをさらに含む、
請求項１から９のうちいずれか１項に記載の方法。
前記剃刀刃（１６）上の前記潤滑材料コーティング（６５）の厚みが、約１．５μｍ未満、好ましくは約０．１μｍおよび約１μｍの間、最も好ましくは約０．２５μｍおよび約０．７５μｍの間である、
請求項１から１０のうちいずれか１項に記載の方法。
前記剃刀刃（１６）を提供することは、本体部分（４８、５０）と、少なくとも１つの先端面（５２、５４）および刃先（２２）によって定められる先端端部（３８）と、を有する基材を提供することを含む、
請求項１から１１のうちいずれか１項に記載の方法。
前記刃先（２２）と前記刃先（２２）に隣接する前記少なくとも１つの先端面（５２、５４）の少なくともある領域とが、中間層、前記中間層上に施工されるハードコーティング層、および任意選択的に前記ハードコーティング層上に施工されるオーバーコート層でコーティングされるか、または、前記刃先（２２）と前記刃先（２２）に隣接する前記少なくとも１つの先端面（５２、５４）の少なくともある領域とに施工されるハードコーティング層、および任意選択的に前記ハードコーティング層上に施工されるオーバーコート層でコーティングされる、
請求項１２に記載の方法。
前記剃刀刃（１６）を提供することが、本体部分（３４）と少なくとも１つの先端面（５２、５４）および刃先（２２）によって定められる先端端部（３８）とを有する基材を提供することを含み、前記刃先（２２）と前記刃先（２２）に隣接する前記少なくとも１つの先端面（５２、５４）の少なくともある領域とが、ニオブ、クロム、チタン、銀、ジルコニウム、クロムとチタンまたは銀のような異なる金属の混合物、および／またはこれらの金属および合金または他のセラミックの窒化物または炭化物を含む中間層と、たとえば、窒化クロム、炭化クロム、窒化チタン、炭化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化タングステン、窒化タングステンまたは他のセラミックである、ダイヤモンド、ダイヤモンド様材料、またはセラミックコーティング層を含む、前記中間層に施工されたハードコーティング層と、任意選択的に、たとえばクロム、チタン、銀、金、ニオブ、ジルコニウム、タングステン、または上記の金属の混合物である、金属または金属合金を含む、前記ハードコーティング層に適用されるオーバーコート層と、でコーティングされる、
請求項１から１３のうちいずれか１項に記載の方法。
前記噴霧するステップが、自然大気内で行われる、
請求項１から１４のうちいずれか１項に記載の方法。
剃刀刃を製造する方法であって、
本体部分（３４）と、少なくとも１つの先端面（５２、５４）および刃先（２２）によって定められる先端端部（３８）と、を有する非コーティングのまたはプレコーティングされた基材を提供することと、
請求項１から１５のうち何れか１項に記載の方法に従って、前記基材の前記先端端部（３８）上に潤滑材料を噴霧することと、
前記噴霧された潤滑材料を焼結して、潤滑材料コーティング層（６５）を提供することと、
を含む、方法。
剃刀刃であって、
本体部分（３４）と、少なくとも１つの先端面（５２、５４）および刃先（２２）によって定められる少なくとも１つの先端端部（３８）と、を有する非コーティングのまたはプレコーティングされた基材と、
外側潤滑材料コーティング層（６５）と、
を備え、
前記剃刀刃（１６）が、請求項１６に記載の前記方法によって入手可能である、
剃刀刃。
前記外側潤滑材料コーティング層（６５）の厚みが、約１．５μｍ未満、好ましくは約０．１μｍおよび約１μｍの間、最も好ましくは約０．２５μｍおおび約０．７５μｍの間である、
請求項１７に記載の剃刀刃。
前記刃先（２２）が潤滑材料によって完全に覆われ、前記少なくとも１つの先端面（５２、５４）または前記先端面（５２、５４）の各々の少なくとも７０％が、前記刃先（２２）から１００μｍ、好ましくは７０μｍの距離まで前記潤滑材料により覆われている、
請求項１８に記載の剃刀刃。
ハンドル（１２）と、ハウジング（１３）と、請求項１６に従って製造された、および／または請求項１７から１９のうちいずれか１項により定められた少なくとも１つの剃刀刃（１６）と、を備え、前記少なくとも１つの剃刀刃（１６）が前記ハウジング（１３）に取り付けられる、
髭剃り剃刀。