JP2022502111A - 架橋ポリマーから作られた3d印刷歯科矯正スプリント - Google Patents

架橋ポリマーから作られた3d印刷歯科矯正スプリント Download PDF

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Abstract

本発明は、架橋ポリマーから作られた歯科矯正スプリントに関するものであり、ここで、架橋ポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sDMAで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度Tgが≧25℃および≦60℃であり、貯蔵弾性率E’として周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、弾性率が≧500MPaおよび≦4000MPaであり、周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、損失係数tanδが≧0.08である。本発明は、更に、かかるスプリントの製造方法に関するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、架橋したポリマーを含む歯科矯正アライナーに関するものであり、前記架橋ポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度Tが≧25℃および≦60℃であり、貯蔵弾性率E’として周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、弾性率が≧500MPaおよび≦4000MPaであり、周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、損失係数tanδが≧0.08である。本発明は、更に、この種のアライナーの製造方法に関するものである。
位置異常の歯は、審美的な理由だけでなく健康上の理由からも矯正されることがある。正しい歯の位置決めは、上顎と下顎との間の無痛の機能的整列にとって重要であり得、さらに、例えば歯周炎または虫歯などの他の歯科疾患の発生は、歯の整列不良および関連する、歯のクリーニングのためのあまり好ましくない可能性によって促進され得る。これらの理由で、非常に早い段階から、ユーザーの歯列の個々の歯または全ての歯の位置を自然で美的な形態にするために、多種多様な異なる装置が使用されてきた。個々の歯の手動修正のための単純な木製へらから始まり、多かれ少なかれ複雑な顎ワイヤリングシステムを介して、そして歯科用ブレースを介して、機械的圧力を用いて、元の誤った位置から「適切な」目標位置へ歯を移動させるために、数多くの器具が利用されてきた。治療の結果は、使用期間および加えられた圧力によるものであり、後者は、補助器具の構造組成物と使用される材料との組み合わせの結果であった。
近年、結合されたワイヤブレースと並んで、複雑な位置ずれを伴う歯列の治療のために確立されているものは、アライナー(aligner)として知られる歯列矯正用スプリント(splint)であり、これは鋳造され、3D印刷によって個別に製造されてもよい。これらの方法では、典型的に、計画された治療経路上の「将来の」歯の位置が、コンピュータ制御のプロセスを介して予測され、これらターゲット歯の形状は、3D印刷プロセスによって生成される。しかしながら、次いで、矯正補助器具の製造は、印刷された3D歯モデル上に特別なフィルムが熱成形されるプロセスを介して行われる。大部分の場合、そのときアライナー自体は、3D印刷によって直接製造されない。しかしながら、従来技術では、3D印刷によってアライナーを直接生成するための様々な製造方法もある。
例えば、US 2016 025 6240 A1は、様々な3D印刷方法による直接印刷アライナーの製造を記載し、ここで、利用される材料は、ある引張弾性率を示すように意図されている。この場合に望ましいと言える材料特性は、フィルムベースのアライナーに関する文献から知られている種類の材料特性である。3D印刷形態でこれらの特性を満たす材料の例は記載されていない。
US 2013 0095 446 A1は、3D印刷方法によるアライナーの製造を記載し、商業的に利用できる方法、およびその方法に適しているおよびアライナーの製造に適している可能性がある市販の3D印刷可能な生体適合性材料の任意のリストを載せている。
US 2013 0122 448 A1は、ネガティブ形状の3D印刷によるアライナーの製品を記載しており、これは、次に、ポジティブ形状としての液体材料で満たされる。硬化されたポジティブ形状は、次いで、アライナーとして役立つ。
U.S.Pat.No.5,975,893は、熱成形された透明なアライナーの製造を記載しており、ここで、バイト(bite)のスキャンが行われ、種々の補正位置が計算される。次に、これらから、矯正される歯およびバイトのポジティブモデルが、3Dプリンターによって印刷される。フィルムは、この印刷されたモデルの周囲に熱成形され、透明なスプリントとして加工される。フィルムは、高融点の1つ以上の高弾性率熱可塑性樹脂を含む。
代わりのものが先行技術内で既に存在しているにもかかわらず、歯科矯正アライナーとしての使用に適しており、かつその適用の周囲条件に正確に適合される特性のプロファイルを有する適切な3D印刷可能な材料の必要性が依然として存在する。
US 2016 025 6240 A1 US 2013 0095 446 A1 US 2013 0122 448 A1 U.S.Pat.No.5,975,893
そこで、本発明の目的は、先行技術の少なくとも1つの欠点を少なくとも部分的に克服し、付加製造法用の材料であって、製造において高分解能を可能にし、優れた生体適合性を示し、口腔環境における物理的条件下で改善された適用特性を有する材料を提供することである。本発明のさらなる目的は、これらの項目を費用効率よく且つ資源を大切にするように提供できることである。
上記目的は、本発明によれば、請求項1に記載のアライナーおよび請求項10に記載の方法によって達成される。有利な展開は、従属請求項において特定されている。それらは、文脈が特に明確に示唆しない限り、自由に組み合わせることができる。
歯科矯正アライナーであって、前記アライナーが、架橋ポリマーを含むか又はかかるポリマーからなり、前記架橋ポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sDMAで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度Tが≧25℃および≦60℃であり、貯蔵弾性率E’として周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、弾性率が≧500MPaおよび≦4000MPaであり、周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、損失係数tanδが≧0.08である、歯科矯正アライナーが提案される。
驚くべきことに、上記のパラメータを有する歯科矯正アライナーは、典型的に使用されるアライナーよりも著しく良好な治療結果を示すことが明らかになった。理論に縛られるものではないが、これは、使用されるアライナー材料が適用温度に適合した特性のプロファイルを示すことが理由である可能性がある。このことは、使用されるポリマーが温度に依存する特性を有することを意味しており、ここで請求される好適な架橋ポリマーは、使用者の口腔内の処理温度で必要な機械的特性を適用する。
これは、その適合性が実質的に室温での特性に基づいて判断されている従来技術に記載された材料と対照的である。典型的には、次いで、材料の適合性が20〜25℃の範囲で試験され、この材料は、それについて得られた機械値に応じて、適切であるか又は不適切であるかのいずれかに分類される。
しかしながら、このアプローチは、使用されるポリマーがしばしば高度に温度依存の特性を示すという事実、および適用時の温度が室温と著しく異なるという事実を無視する。したがって、ここで請求されるアライナーは、温度に関してはるかに適合された特性のプロファイルを示す。
これに関連するものは、特に、35℃での材料のより大きな靭性であり、ここで請求されるアライナーは、従来技術から知られている材料よりも長い時間にわたって口腔内にずっと大きい力を適用することが可能にする。後者については、特に、口腔区画内の関連温度にて、ずっと低い強度および/またはより低い変形性が得られることが見出される。
適用温度において、先に記載され特徴付けられた材料は、高い弾性率と高い靭性を同時に示し、可逆的な塑性変形能を有する。温度適合性に加えて、ここで述べた物理的特性を有するポリマーの選択によって、さらなる利点が得られる。
驚くべきことに、先に特定したガラス転移温度、先に特定した35℃での弾性率、および先に特定した35℃での損失係数を有するポリマーから作製されたアライナーは、好ましい適用特性を有することが見出され、これは、受容性を増大させ、口腔領域内での着用快適性を増大させる。
その材料は、歯の上に容易に置くことができ、再び取り除くことができるように、十分に丈夫で弾力のあるものである。その材料は、歯の位置を変えるために歯に十分な圧力を加えることができるように十分に硬い。
さらに、適用の温度範囲で材料の十分な変形があり、したがって、現在の歯の位置へのアライナーの一定の適合もある。これは、全体として、位置不良の歯のより効率的な治療につながり得る。
さらに、本発明のアライナーのさらなる利点は、それらが熱可塑性でないことであり、それ故に>60℃の温度でさえも熱歪みに耐性があり、それは、それらの形状を高温にて未変形の状態で保持することを意味する。
実際、本発明によるポリマーは、形状の観点から用語印刷ジオメトリーに基づき、顕著な記憶効果を有するので、わずかな変形を受けたアライナーを元の状態に戻すために、より高い温度を利用することができることが好ましい。これもまた、本発明のアライナーの機械的特性が、先行技術からの材料と比較して、より温度安定性であることを示している。さらなる利点は、本発明のアライナーを製造するために使用されるポリマーが透明な歯科矯正アライナーを提供することができることである。
本発明の意味における歯科矯正アライナーは、1つ以上の歯のため又は歯の列全体のために形づくられた取り付け物であり、アライナーは、位置不良の歯の処置に適している。位置不良の歯を治療するために、アライナーは、歯の上に取り付けられ、特定の治療期間にわたって着用される。アライナーの物理的構造の結果として、特定の歯の接触点に圧力が加えられ、したがって、歯は、開始位置から変更された終了位置に向かってずらされる。歯の位置の変化の大きさのオーダーは、着用期間および加えられる圧力による。より詳細には、本発明に従う機械的特性を有する、本発明で使用されるアライナーを使用して、歯の位置調整のためにより大きな力を働かせることが可能であり、より良好な治療結果がより短い時間内に達成されることを可能にすることが明らかになった。
アライナーは、架橋されたポリマーを含むか又はこのようなポリマーからなる。これは、アライナーが架橋ポリマーのみからなるか又はアライナーが架橋ポリマーを含むことを意味する。したがって、アライナーは、さらなる物質ならびにポリマーを含むことが可能である。例えば、実際のポリマーの他に、架橋ポリマーネットワークの形成のために当業者に知られているさらなる補助剤を使用することも可能である。これらの補助剤は、例えば、架橋反応のための開始剤、架橋のための触媒、軟質化剤、染料、充填剤、可塑剤、またはアライナーに適合した特性プロファイルを提供する他の構造化物質であってもよい。アライナーは、好ましくは>50重量%、より好ましくは>70重量%、より好ましくは>80重量%、非常に好ましくは>90重量%の範囲の架橋ポリマーからなる。重量百分率の数値は、特に断らない限り、常にアライナーの全重量に基づく。
アライナーの架橋ポリマーのガラス転移温度Tは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって引張荷重で決定され、≧25℃から≦60℃、好ましくは≧35℃から≦48℃である。驚くべきことに、この種の架橋ポリマーは、硬化後に、口腔内でのアライナーの適用に必要な機械的特性をモデル化するのに特に適していることが見出された。
アライナーの架橋ポリマーの弾性率は、貯蔵弾性率E’として周波数1/s、35℃で動的機械分析によって引張荷重で決定され、≧500MPaおよび≦4000MPa、好ましくは≧1000MPaおよび≦2500MPaである。アライナーの弾性率について。この範囲は、短い治療期間内に歯に十分な力を働かせるのに特に適していることが判明している。したがって、この範囲は、信頼できる治療結果を比較的迅速に達成するのに適している。
アライナーの架橋ポリマーの損失係数tanδは、35℃にて引張荷重で動的機械分析によって測定され、≧0.08である。アライナーの材料の損失係数について、この大きさの範囲は、アライナーの部分上での適切な靭性−弾性挙動に全体的に貢献し得る。靭性−弾性挙動は、重要なパラメータであり、アライナーの適用特性だけでなく、アライナーの歯との相互作用にも影響を及ぼす。損失係数は、好ましくは≧0.1、好ましくは≧0.12、より好ましくは≦0.6、より好ましくは≦0.4とすることができる。
驚くべきことに、所望の機械的特性を有するアライナーの架橋ポリマーが得られる架橋性樹脂についての処方を発見することが容易であることが見出された。これは、対応する純粋なモノマー、および/または重合性成分、特に(メタ)アクリレートモノマーのホモポリマーのガラス転移温度に関する文献データを提供することによって行われる。
複数のモノマー、特に(メタ)アクリレートモノマーを含む処方が生成され、ここで、それぞれのモノマーの重量分率が特定される。この処方は、コンピュータで実施される方法で生成することができる。その処方についての理論的ガラス転移温度は、例えば(重合性成分の総重量に基づく)重量%で表される、それぞれのモノマーの重量分率に、モノマーに割り当てられたガラス転移温度を掛け、結果を合計することによって計算される。
2つのモノマーの分数加重ガラス転移温度の合計の代わりに、フォックス式を使用することができ、それからガラス転移温度Tを以下のように計算することができる。示されたケースは、2つの異なるモノマーのケースである:
Figure 2022502111
ここで、wおよびwは、成分1および2の重量分率であり、Tg,1およびTg,2は、成分1および2からそれぞれ得られたホモポリマーのガラス転移温度である。
2つより多いモノマー成分のコポリマーのガラス転移温度を予測するための更に精密なモデルも同様に使用可能であることが理解されるであろう。
この理論ガラス転移温度が所望の範囲内に位置しない場合、少なくとも1つのモノマーの割合を所望の値が得られるまで変更する。例えば、理論ガラス転移温度が目標値よりも低い場合、ホモポリマーについて現在の理論ガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有するモノマーの割合を増加させることができる。理論的ガラス転移温度の低下は、逆の方法で達成することができる。
この初期処方の理論ガラス転移温度が所望の範囲に達すると、この処方から出発して、上述のように、初期処方よりも所定量だけ高いかまたは低い理論ガラス転移温度を有する所定数の処方が生成される。例えば、最初の処方の理論的ガラス転移温度よりも10℃低い温度から30℃高い温度の範囲の理論的ガラス転移温度を有する10の処方を生成することができる。処方を生成する場合、できるだけ少ないパラメーター、例えば、ホモポリマーについて異なるガラス転移温度を有する2つのモノマーの相対分率を変更することが有用である。
次いで、このようにして生成されたこれらの処方は、実験室で作ることができ、それらから得られた架橋ポリマーは、それらの機械的特性に関して試験することができる。最終的な処方は、補間または回帰分析によって得ることができ、そのガラス転移温度は変えることができるものとして達成される。
さらに、驚くべきことに、このようにして得られた最終処方から製造されたポリマーのガラス転移温度が本発明による仕様内にある場合、その35℃での弾性率および35℃での損失係数tanδも同様に本発明による仕様を満たす可能性があることが明らかになった。これは、実際に、適切な処方に関与する試験をかなり減少させる。
アライナーの一実施形態では、架橋ポリマーが第1のモノマーおよび第2のモノマーに基づく単位を含むコポリマーであり、前記第1のモノマーが(メタ)アクリルモノマーであり、そのホモポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度が≦0℃であり、前記第2のモノマーが(メタ)アクリルモノマーまたはスチレンモノマーであり、そのホモポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度が≧60℃であり、第1のモノマーに基づく単位が、架橋ポリマーの総重量に基づいて≧5から≦40重量%の割合で存在し、第2のモノマーに基づく単位が、架橋ポリマーの総重量に基づいて≧20から≦80重量%の割合で存在する。記載された重量%の数値は、重合性組成物の≧25重量%から≦90重量%になる。第1のモノマーは「低Tモノマー」と呼ぶことができ、第2のモノマーは「高Tモノマー」と呼ぶことができる。このようなモノマーおよび対応するガラス転移温度は、知られており、商業的に入手可能である。第1のモノマーの例は、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸2−プロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、およびアクリル酸エチルである。第2のモノマーの例は、イソボルニルアクリレート(IBOA)およびイソボルニルメタクリレート(IBOMA)、メチルメタクリレート、および1つの特定の実施形態ではスチレンである。もちろん、コポリマーは、「低T」モノマーおよび/または「高T」モノマーの複数の異なる代表に基づくこともできる。
アライナーのさらなる実施形態では、架橋ポリマーが、架橋ポリイソシアネートまたはポリウレタンを含むことができる。
さらなる実施形態によれば、架橋ポリマーは、以下の成分を含む樹脂の架橋から得ることができ、ここで、その量は、重量%で、樹脂の総重量に基づいて特定され、合計で≧86重量%から≦100重量%であり:
Figure 2022502111
または、架橋性樹脂は、以下の成分を含み、ここで、その量は、樹脂の総重量に基づいて重量%で特定され、合計で≧90重量%から≦100重量%である:
Figure 2022502111
樹脂は、光開始剤、ラジカル開始剤、抑制剤、安定剤などの添加剤をさらに含んでもよい。
イソシアヌレート基を含有する適切なウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、脂肪族ジイソシアネート、より具体的には、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネート、またはそれらの少なくとも2つの混合物を三量体化してイソシアヌレートを形成し、その後、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)またはヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させてウレタンを得ることによって得ることができる。
ウレタンジオン基を含有する適切なウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、脂肪族ジイソシアネート、より具体的にはペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネート、またはそれらの少なくとも2つの混合物を二量体化してウレトジオンを得、ポリオール(より具体的にはポリエーテルポリオール)との反応を実施して、NCO末端プレポリマーを得ることによって得ることができる。次に、これらのプレポリマーをヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)またはヒドロキシプロピルアクリレートなどと反応させてウレタンを得ることができる。
アライナーの別の実施形態では、架橋ポリマーが、13C NMRによって確認された、イソシアヌレート画分が≧3%であり得る。特に、上記特定した範囲の十分なイソシアヌレート画分を有する架橋ポリマーの使用は、アライナーの好ましい温度依存特性に寄与し得る。このイソシアヌレート画分は、より詳細には、本発明に従い貯蔵弾性率によって表される、好ましい強度をもたらすことができる。さらに好ましいイソシアヌレート画分は、好ましくは>5%、より好ましくは>8%、さらに好ましくは>10%であり得る。この場合の%数字は、イソシアヌレート環の重量分率に基づく。
さらに、アライナーの1つの好ましい態様において、架橋ポリマーは、13C NMRによって確認された、ウレタン画分が≧3%であり得る。特に、上記特定した範囲の十分なウレタン画分を有する架橋ポリマーの使用は、アライナーの好ましい温度依存特性に寄与し得る。このウレタン画分は、より具体的には、本発明に従う貯蔵弾性率および本発明に従うtanδによって表される、好ましい強度および靭性−弾性をもたらすことができる。さらに好ましいウレタン画分は、好ましくは>5%、より好ましくは>7%、さらに好ましくは>8%であり得る。この場合の%数字は、ウレタン基の重量分率に基づく。
アライナーの1つの好ましい実施形態では、架橋ポリマーが、アッベ(Abbe)屈折計で測定される、屈折率が>1.48RIおよび<1.58RIである。屈折率について、この範囲は、低い水膨潤、好ましくは<3重量%、または好ましくは<2重量%、または好ましくは<1重量%、または好ましくは<0.5重量%と組み合わせて、コーヒー、マスタードおよび赤ワインなどの典型的な食品および飲料に関して良好な耐薬品性または耐汚れ性を有し、好ましくは≧3、好ましくは≧4、より好ましくは≧5、より好ましくは=5の評価を有し(その物質を製品表面に適用した後、10分の暴露時間後、製品の変色に基づく評価:塗料耐性試験と同様に、5=未着色および0=非常に着色で評価する)、口腔区画の物理的および化学的条件下、すなわち口腔区画の温度範囲および口腔区画の湿気条件下で、本発明のアライナーが実質的に不可視であることに寄与し得る。理論に縛られることなく、これは、好ましくは本発明による機械的特性をさらに有する架橋ポリマーの選択の結果である。これらの範囲は、アライナーの着用を目立たなくするのに適しており、その結果、ユーザーがアライナーを着用する動機づけを高めることが可能である。これは、より迅速に達成される所望の治療結果に寄与し得る。さらなる実施形態では、屈折率が>1.49および<1.56、より好ましくは>1.495および<1.54、さらに好ましくは>1.5および<1.53であり得る。屈折率は35℃の温度で測定される。
アライナーのさらなる特徴の範囲内で、架橋ポリマーは、フローリー(Flory)およびハギンズ(Huggins)に従う平均ネットワークアーク長が>300g/molおよび<5000g/molであり得る。その架橋ポリマーのネットワークアーク長について、これらの範囲は、アライナー部分で十分な靭性−弾性特性を得るのに特に適していることが証明されている。この範囲内では、アライナーが、必要な剛性、さらに、適用に必要な靭性および弾性を有し得る。これは、好ましい適用特性、例えば、アライナーの容易な挿入および歯の迅速な回転位置調整などに寄与し得る。平均ネットワークアーク長は、アセトン中での膨潤測定によって決定することができる。ネットワークが溶媒で膨潤される場合、溶媒の浸透は、体積の増加(溶媒とポリマーマトリックスの間の引力相互作用)をもたらし、ギブスの混合エンタルピーΔGmが上昇する。エントロピーによる復元力ΔGelは、このプロセスを妨げる。平衡状態に達すると、ギブスの自由エネルギーΔGはゼロになる。ΔGmは、Flory−Hugginsの式によって決定することができる;ΔGmは、ガウスネットワーク理論から得られる。膨潤の平衡状態についての条件ΔG=0で、Flory−Rehnerの式は、次のとおりである:
Figure 2022502111
ポリマーの密度およびハギンズ相互作用パラメータを用いて、平均ネットワークアーク長の分子量、MCを、ポリマーの体積分率を決定するための膨潤試験に基づいて決定することができる。
あるいは、平均ネットワークアーク長Mcおよび架橋密度vを、製品のTgを超える1Hzおよび0.1%の撓みでのDMA測定のゴムプラトーにおける最小値から決定することもできる。
Figure 2022502111
ネットワークアーク長は、好ましくは>400g/molおよび<2000g/mol、より好ましくは>500g/molおよび<1600g/mol、さらに好ましくは>550g/molおよび<1400g/mol、>600g/molおよび<1200g/molであってもよい。
アライナーのさらなる実施形態の一部として、ポリマーは、厚さ1mmのサンプルに対して400〜800nmの波長範囲においてUV−VIS分光計で測定される、光透過率が>50%である透明ポリマーであってもよい。この透過率は、特に好ましくは、<50、好ましくは<30、好ましくは<20のCIELab色空間におけるL*a*b*におけるb*値と組み合わせることができる。特に、製造後に透明で無色である透明材料の選択は、使用者がアライナーを着用する傾向を著しく増加させることができ、したがって、より短い時間でより良好な治療結果に寄与することができる。上記特定した波長範囲における透過率は、好ましくは>60%、好ましくは>70%、より好ましくは>80%、同様に好ましくは>90%とすることができる。CIELab値は、市販のデバイスを使用して決定できる。
アライナーのさらなる実施形態において、ポリマーは、ポリウレタンおよび/またはポリシリコーンを含む透明ポリマーであってもよく、該ポリマーのアッベ(Abbe)数が>20であってよい。純粋な透過率に加えて、架橋ポリマーについては、アッベ数もまた、驚くべきことに、着用条件下でのアライナーのユーザー関連「可視性」のための必須パラメータであることが証明されている。本発明によるアッベ数を有するアライナーは、特に目立たず、したがって、ユーザーによる使用時間の増加に寄与することができる。上記特定したアライナーのアッベ数は、好ましくは>25、好ましくは>30、より好ましくは>35、同様に好ましくは>38であり得る。
本発明のさらなる主題は、歯科矯正アライナーの製造方法であって、i)架橋性樹脂を選択する工程およびii)工程i)で選択された架橋性樹脂を架橋して架橋ポリマーを形成することによってアライナーを形づくる工程を含み、ここで、工程i)での選択には、架橋性樹脂の架橋後に得られる架橋ポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sDMAで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度Tが≧25℃および≦60℃(好ましくは≧35℃および≦48℃)であり、貯蔵弾性率E’として周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、弾性率が≧500MPaおよび≦4000MPa(好ましくは≧1000MPaおよび≦2500MPa)であり、周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、損失係数tanδが≧0.08(好ましくは≧0.1、より好ましくは≧0.12、よりさらに好ましくは≦0.6、よりさらに好ましくは≦0.4)であるという基準が含まれる、方法である。
方法の一実施形態においては、架橋性樹脂が、第1のモノマーおよび第2のモノマーを含み、前記第1のモノマーが(メタ)アクリルモノマーであり、そのホモポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度が≦0℃であり、前記第2のモノマーが(メタ)アクリルモノマーまたはスチレンモノマーであり、そのホモポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度が≧60℃であり、第1のモノマーが、樹脂の総重量に基づいて≧5から≦40重量%の割合で存在し、第2のモノマーが、樹脂の総重量に基づいて≧20から≦80重量%の割合で存在する。第1のモノマーは「低Tモノマー」と呼ぶことができ、第2のモノマーは「高Tモノマー」と呼ぶことができる。このようなモノマーおよび対応するガラス転移温度は、知られており、商業的に入手可能である。第1のモノマーの例は、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸sec−ブチルである。第2のモノマーの例は、イソボルニルアクリレート(IBOA)およびイソボルニルメタクリレート(IBOMA)である。
工程i)で選択される架橋性樹脂は、好ましくは以下の成分を含む:ここで、その量は、重量%で、樹脂の総重量に基づいて報告され、合計で≧86重量%から≦100重量%である:
Figure 2022502111
または、工程i)で選択される架橋性樹脂は、以下の成分を含み、ここで、その量は、樹脂の総重量に基づいて重量%で特定され、合計で≧90重量%から≦100重量%である:
Figure 2022502111
架橋性樹脂および好ましい組成の詳細は、アライナーに関連して、本明細書の先に既に記載されている。それらは、本発明の方法における架橋性樹脂についても同様に有効であり、繰り返しを避けるためにもう一度再生しない。
一実施形態によれば、アライナーは、ステップii)において、アライナーに対応する鋳型内で架橋性樹脂を架橋することによって形づくられる。
別の実施形態によれば、アライナーは、工程ii)において、付加製造法によって形づくられる。適切な付加製造法(「3D印刷」)の例は、DLP(動的光処理)、CLIP(連続液体インターフェース製造)、インクジェット法、またはSLA(レーザーベースのステレオリソグラフィー)である。
本発明の方法は、例えば、3D印刷法による歯科矯正アライナーの製造方法であって、化学線重合性二重結合を含有するポリマーを歯科矯正アライナーの形態で印刷し、重合させる方法であってもよい。
従来技術では、高度に架橋されたポリマーに基づく歯科矯正アライナーを製造するための3D印刷方法に用いる適した液体で、化学線硬化性の材料(樹脂配合物)の開発に関する指標が提供されていない。公表されたデータは、高温での使用特性を無視して、常に室温での特性に関してのみ材料の特性を論じている。
本発明において有用な架橋性樹脂は、好ましくは、3Dプリンターにおいて>5℃および<150℃、好ましくは>15および<120℃、より好ましくは>20および<110℃、特に好ましくは>30および<100℃の3Dプリンターの処理温度にて<10000mPas、好ましくは<5000mPas、より好ましくは<1000mPasの典型的な粘度で処理することができる。
前駆物質から対象を製造するための本発明の方法は、以下の工程を含むことができる:
I)前駆物質の第1の選択された断面に対応するキャリアに接合された構築材料のプライを得るために、キャリア上にラジカル架橋ポリマーを堆積させること;
II)前駆物質のさらなる選択された断面に対応し、先に適用されたプライに接合された構築材料のさらなるプライを得るために、先に適用された構築材料のプライの上にラジカル架橋ポリマーを堆積させること;
III)前駆物質が形成されるまで工程II)を繰り返すこと;
ここで、ラジカル架橋ポリマーの堆積は、少なくとも工程II)において、それぞれ選択された対象の断面に対応するラジカル架橋性樹脂の選択された領域にエネルギーを導入することによって行われ、そして、ラジカル架橋性ポリマーは、≧5mPasから≦100000mPasの粘度(処理温度、DIN EN ISO 2884−1)を有する。
ラジカル架橋性樹脂は、一の変形において、ブロッキング剤でブロックされたNCO基を含む硬化性成分、少なくとも2つのツェレビチノフ(Zerewitinoff)活性H原子を有する化合物、およびオレフィン性C=C二重結合を含むことができ、ここで、ブロッキング剤はイソシアネートであるか、またはブロッキング剤は、NCO基の脱ブロック化の後に遊離分子としてブロッキング剤の解放が続かないように選択される。
工程III)の後に、工程IV)を実施することも可能である:
IV)工程III)の後に得られた前駆物質を、得られた前駆物質のラジカル架橋ポリマー中に存在するNCO基を少なくとも部分的に脱ブロック化し、こうして得られた官能基を少なくとも2つのツェレビチノフ活性H原子を有する化合物と反応させるのに十分な条件下で処理し、それによって、目的物を得ること。
この方法において、対象は、2つの製造段階で得ることができる。第1の製造段階は、構築段階とみなすことができる。この構築段階は、ステレオリソグラフィーまたはDLP(デジタル光処理)プロセスなどの光線付加製造プロセスによって、または放射性架橋と組み合わされたインクジェット印刷プロセスによって実現することができ、工程I)、II)、およびIII)の主題である。第2の製造段階は、硬化段階とみなすことができ、工程IV)の主題である。構築段階の後に得られた前駆物質または中間目的物は、ここで、その形状をそれ以上変化させることなく、より機械的耐久性のある物体に変換される。付加製造プロセスにおいて前駆物質が得られる材料はまた、「構築材料」と呼ばれる場合もある。
ブロッキング剤は、有機イソシアネート、ラクタム、グリセロールカーボネート、一般式(I)の化合物からなる群から選択することができる:
Figure 2022502111
ここで、Xは、電子求引基であり、R及びRは、独立して、基H、C−C20−(シクロ)アルキル、C−C24−アリール、C−C20−(シクロ)アルキルエステル又はアミド、C−C24−アリールエステル又はアミド、1〜24個の炭素原子を有する混合した脂肪族/芳香族基(これは、4〜8員環部分でもよい)であり、nは0〜5の整数であるか、又は少なくともその2つの組合せである。
一般式(I)の好ましい化合物は、シクロペンタノン2−カルボキシメチルエステルおよび−カルボキシエチルエステル、シクロペンタノン2−カルボニトリル、シクロヘキサノン2−カルボキシメチルエステルおよび−カルボキシエチルエステルまたはシクロペンタノン2−カルボニルメチルである。シクロペンタノン2−カルボキシメチルエステルおよび−カルボキシエチルエステルならびにシクロヘキサノン2−カルボキシメチルエステルおよび−カルボキシエチルエステルが特に好ましい。シクロペンタノン系は、アジピン酸ジメチルまたはアジピン酸ジエチルのディークマン(Dieckmann)縮合によって工業的に容易に得ることができる。シクロヘキサノン2−カルボキシメチルエステルは、サリチル酸メチルの水素化によって製造することができる。
この方法のさらなる変形では、硬化性成分中における少なくとも2つのツェレビチノフ活性H原子を有する化合物は、ポリアミン、ポリオールまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される。これらは、例えば、低分子量ジオール(例えば、1,2−エタンジオール、1,3−または1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール)、トリオール(例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン)およびテトラオール(例えば、ペンタエリスリトール)、短鎖ポリアミン、ならびに高分子量ポリヒドロキシル化合物。例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリシロキサンポリオール、ポリアミンおよびポリエーテルポリアミンおよびポリブタジエンポリオールなどであってもよい。
硬化性化合物は、好ましくは、ジイソシアネートの二量体化によりNCO末端ウレトジオンを得、次いでそのNCO基をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させることで得ることができる化合物である。
この方法のさらなる変形では、工程IV)において、工程III)の後に得られた前駆物質を、得られた前駆物質のラジカル架橋ポリマー中に存在するNCO基を少なくとも部分的に脱ブロック化し、こうして得られた官能基を少なくとも2つのツェレビチノフ活性H原子を有する化合物と反応させるのに十分な条件下で処理することが、その本体を≧60℃の温度まで加熱することを含む。この温度は、好ましくは≧80℃から≦250℃、より好ましくは≧90℃から≦190℃である。工程IV)で選択される温度または選択される温度範囲は、例えば、≧5分から≦48時間、好ましくは≧15分から≦24時間、より好ましくは≧1時間から≦12時間維持することができる。
あるいは、工程III)の後に、以下の工程IV)を実施してもよい:
IV)工程III)の後に得られた前駆物質を、得られた前駆物質のラジカル架橋ポリマー中に存在するNCO基の、少なくとも部分的な三量体化、イソシアヌレート基の形成を行うのに十分な条件下で処理し、それによって、目的物を得ること。
工程IV)での処理は、最も単純なケースでは、室温(20℃)での貯蔵であってもよい。室温より高い温度での貯蔵も可能である。工程IV)の間、NCO基は互いに反応し、既にラジカル架橋された材料のさらなる架橋をもたらす。この反応は、少なくともイソシアヌレート基を形成する三量体化をある程度もたらす。本発明はまた、ウレトジオン、アロファネート、ウレア、ウレタン、ビウレット、イミノオキサジアジンジオン、および/またはオキサジアジントリオン基がNCO基から形成され得る可能性も包含する。このような副反応は、例えば得られる材料のガラス転移温度Tに影響を及ぼすために、特に使用することができる。
構築材料からアライナーを製造するためのさらなる方法(ここで、構築材料は、ラジカル架橋性基、NCO基、およびツェレビチノフ活性H原子を有する基を含み、目的物が、三次元物品および/または層である)は、目的物の製造中および/または製造後に、構築材料が≧50℃の温度に加熱される特徴であって、構築材料が、以下の環状スズ化合物のうちの1つ以上を含む特徴を有する:
4,12−ジ−n−ブチル−1,7,9,15−テトラオキサ−4,12−ジアザ−8−スタンナスピロ[7.7]ペンタデカン、4,12−ジ−n−ブチル−2,6,10,14−テトラメチル−1,7,9,15−テトラオキサ−4,12−ジアザ−8−スタンナスピロ[7.7]ペンタデカン、2,4,6,10,12,14−ヘキサメチル−1,7,9,15−テトラオキサ−4,12−ジアザ−8−スタンナスピロ[7.7]ペンタデカン、4,12−ジ−n−オクチル−2,6,10,14−テトラメチル−1,7,9,15−テトラオキサ−4,12−ジアザ−8−スタンナスピロ[7.7]ペンタデカン、4,12−ジ−n−オクチル−1,7,9,15−テトラオキサ−4,12−ジアザ−8−スタンナスピロ[7.7]ペンタデカン、4,12−ジメチル−1,7,9,15−テトラオキサ−4,12−ジアザ−8−スタンナスピロ[7.7]ペンタデカン、1,1−ジクロロ−5−メチル−5−アザ−2,8−ジオキサ−1−スタンナシクロオクタン、1,1−ジイソプロピル−5−メチル−5−アザ−2,8−ジオキサ−1−スタンナシクロオクタン、1,1−ジベンゾイル−3,3,7,7−テトラメチル5−n−オクチル−5−アザ−2,8−ジオキサ−1−スタンナシクロオクタン、1,1−ジベンゾイル−5−n−オクチル−5−アザ−2,8−ジオキサ−1−スタンナシクロオクタン、1,1−ビス(p−ドデシルフェニルスルホニル)−5−n−オクチル−5−アザ−2,8−ジオキサ−1−スタンナシクロオクタン、2−ベンゾイルオキシ−6−オクチル−4,8−ジオキソ−1,3,6,2−ジオキサザスタンノカン−2−イルベンゾエート又はこれらの混合物。
これらのスズ化合物は、熱的に不安定である。特定の温度未満では、それらは、NCO基のツェレビチノフ活性H原子を有する官能基との反応に工業的に有用な触媒活性を示さない。ここで問題となる反応は、特に、ウレタン化およびウレア形成である。しかしながら、触媒活性は、ある特定の温度を超えると著しく増加する。特定の理論に束縛されるものではないが、そのリガンドは次いでSn中心から完全にまたは部分的に解離し、したがって、Sn中心を触媒として利用可能にすると考えられる。従って、その触媒は、熱潜在性触媒と称される場合がある。構築材料中に存在するNCO基はこの温度未満では反応しないので、構築材料を容易に再使用することも可能である。本発明によれば、Sn触媒の活性化は、≧50℃、好ましくは≧65℃、より好ましくは≧80℃、特に好ましくは≧80℃から≦200℃の温度に加熱することによって達成され、その結果、NCO基の反応が起こると、物品が得られる。加熱は、≧1分、好ましくは≧5分、より好ましくは≧10分から≦24時間、好ましくは≦8時間、特に好ましくは≦4時間の期間にわたって行うことができる。
方法の1つの好ましい実施形態において、ポリマーは、13C NMRによって測定される、遊離イソシアネート基が、ポリマーに基づき、≧1重量%の濃度である。遊離イソシアネート基の濃度は、特に、アライナーの完全に反応した材料の機械的特性に有益であり得、適用条件下でのアライナーの改善された弾性に寄与し得る。1つの好ましい実施形態では、ポリマーが、≧1.5、好ましくは≧2.0、より好ましくは≧2.5、さらに好ましくは≧3.0重量%の濃度で遊離イソシアネート基を含有することができる。
方法の別の好ましい実施形態において、ポリマーは、13C NMRによって測定される、ウレトジオン基が、ポリマーに基づき、≧1重量%の濃度である。ウレトジオン基の濃度は、特に、アライナーの完全に反応した材料の機械的特性に有益であり得、適用条件下でのアライナーの改善された弾性に寄与し得る。1つの好ましい実施形態では、ポリマーが、≧1.5、好ましくは≧2.0、より好ましくは≧2.5、さらに好ましくは≧3.0重量%の濃度でウレトジオン基を含有することができる。
方法の1つの好ましい実施形態において、ポリマーは、13C NMRによって測定される、遊離アルコール基が、ポリマーの全質量に対して、≧0.5重量%の濃度である。ポリマー中の遊離アルコール基の濃度は、特に、アライナーの完全に反応した材料の機械的特性に有益であり得、適用条件下でのアライナーの改善された弾性に寄与し得る。1つの好ましい実施形態では、ポリマーが、樹脂の全質量に基づき、≧1.0重量%、好ましくは≧1.5重量%、または好ましくは≧2.0重量%、または好ましくは≧2.5重量%の濃度で遊離アルコール基を含有する。
本発明のさらなる態様では、ポリマーが、印刷プロセス中および/または印刷プロセス後に、少なくとも1つのさらなる非ラジカル架橋によって架橋されてもよく、この場合、印刷プロセス前のポリマーの特性に対して、ネットワークアーク長は少なくとも20%低下し、Tは少なくとも3℃上昇し、弾性率は少なくとも15%上昇し、耐破壊性は少なくとも10%上昇する。本発明のアライナーの製造について、アライナーの機械的強度が2段階プロセスにわたって得られることが特に好ましいことが証明されている。これは、3D印刷プロセスにおける自由度を、完全に反応したアライナーの機械的特性から切り離し、本発明によるアライナーの機械的特性を適用温度でより容易に得ることができるようにする能力を有する。生成物を形成するための本発明のポリマーの硬化は、好ましくは、最初に生の圧縮物が3Dプリンターで生成され、その後取り除かれ、未反応ポリマーを除去するために洗浄され、第2の工程において放射および/または熱後硬化に供される、2段階プロセス内で行われてもよい。好ましい一実施形態では、この場合の硬化のための生の圧縮物が、≧1分から≦72時間、好ましくは≧5分から≦24時間、または好ましくは≧10分から≦12時間、≧50℃から≦250℃、好ましくは≧80℃≦200℃、または好ましくは≧100℃≦180℃の温度に加熱される。
2段階プロセスにわたって、ネットワークアーク長は、印刷プロセス前のポリマーのネットワークアーク長に基づいて、好ましくは25%、または好ましくは30%、または好ましくは40%減少する。
2段階プロセスにわたって、ガラス転移温度Tは、印刷プロセス前のポリマーのTに基づいて、好ましくは5℃、または好ましくは7℃、または好ましくは8℃、または好ましくは9℃上昇する。
2段階プロセスにわたって、好ましくは、弾性率が、印刷プロセス前のポリマーの弾性率に基づいて、好ましくは20%、または好ましくは30%、または好ましくは50%、または好ましくは100%上昇する。
2段階プロセスにわたって、耐破壊性は、印刷プロセス前のポリマーの耐破壊性に基づいて、好ましくは≧15%、または好ましくは≧20%、≧25%、より好ましくは≧30%上昇し得る。
実施例
本発明は、以下の実施例を参照してより詳細に説明されるが、これらに限定されるものではない。表1および2における本発明による実験は、アスタリスク(*)が付けられている。
DMA測定は、DIN EN ISO 6721規格に従って行われた。既知のジオメトリーの試験片は、Mettler Toledo DMA 861装置において、引張において1Hzの一定周波数および0℃〜80℃の温度で機械的非共鳴振動を受けた。その規格に記載されるように、力と変形の測定および力と変形の信号間の位相シフトを用いて、引張貯蔵弾性率(E’)および引張損失弾性率(E’’)を計算した。試験セットアップは、ISO 6721のパート4に対応した。
例1:Desmodur(登録商標)N3600およびヒドロキシプロピルアクリレートからのウレタンアクリレート1の製造。
ガラスフラスコ中に、100gの三官能イソシアネート架橋剤Desmodur(登録商標)N3600(HDI三量体;Covestro Deutschland AG,Germanyから入手した)を最初に室温で投入した。最初にイソシアネートに添加したのは、0.040gのジブチルスズラウレートであり、その後、Sigma−Aldrich,Germanyから得たアクリル酸ヒドロキシプロピルを等モル比で添加した。その添加は、約30分間かけて滴下により行われた。次いで、反応混合物は、温度制御された油浴を用いて、0%の理論的残留NCO含量が達成されるまで、60℃に加熱した。この目的のために、サンプルを反応容器から規則的な間隔で取り出し、DIN EN ISO 11909に従って滴定測定に供した。
理論的残留NCO含有量に達した後、0.20gの抑制剤ブチルヒドロキシトルエンを添加し、その混合物を15分間ホモジナイズした。50℃に冷却した後、得られた反応混合物を、ヘキサメチレンジオールジアクリレート(HDDA)を用いて、80%に希釈した。
例2:ブロックされたイソシアネートおよびアクリレート官能性を有するプレポリマーであるウレタンアクリレート2の製造。
ガラスフラスコ中に、130.0gの線状ポリプロピレンエーテルポリオールDesmophen(登録商標)1111BD(Covestro Deutschland AG,Germanyから入手した)を最初に室温で投入した。ポリオールに最初に添加したのは、0.043gのジブチルスズラウレートであり、その後、101.9gのヘキサメチレンジイソシアネートベースのウレトジオンDesmodur(登録商標)N3400(Covestro Deutschland,AG,Germanyから入手した)を約30分間かけて滴下した。次いで、反応混合物は、温度制御された油浴を用いて、4.71%の理論的残留NCO含量が達成されるまで、80℃に加熱した。この目的のために、サンプルを反応容器から規則的な間隔で取り出し、DIN EN ISO 11909に従って滴定測定に供した。
理論的残留NCO含有量に達した後、0.20gの抑制剤ブチルヒドロキシトルエンを添加し、その混合物を15分間ホモジナイズした。50℃への冷却を行った後、次に33.8gのヒドロキシエチルメタクリレートを滴下し、残留NCO含量が0%に達するまで混合物を撹拌し続けた。得られた反応混合物をイソボルニルメタクリレート(IBOMA)で65%に希釈した。
例3:ラジカル架橋性樹脂の製造
蓋付きプラスチックビーカー中に、表1および2からの重量分率に従って、ウレタンアクリレート、光開始剤、および任意に抑制剤を秤量した。これらの投入材料を、Thinky ARE250プラネタリーミキサー中で、毎分回転数2000、室温にて約2分間混合した。次に、表1および2に示される量のn−ブチルアクリレートおよび/またはイソボルニルアクリレート(IBOA)を加え、続いてスパチュラにより手動で混合した。
必要に応じて、さらなる工程において、ブタンジオールを40℃に加熱し、スパチュラにより手動で混合しながら添加した。
例4:ラジカル架橋性樹脂の硬化
ラジカル架橋性樹脂を、異なるスロットサイズを上下に重ねて有するコーターを用いて、ガラスシートに塗布した。これは、DLP 3Dプリンタの意味で3D印刷プロセスをシミュレートした。ガラスシートは、酢酸エチル中大豆レシチンの1%溶液で予め処理され、乾燥させた。大豆レシチンは、剥離剤として作用し、硬化したフィルムが基材から再び剥離することを可能にした。スロットサイズは、300μm、200μm、および100μmであった。
塗布されたそれぞれの層を、5m/分のベルト速度で、水銀およびガリウム放射線源を有するSuperfici UV硬化ユニット中でそれぞれ硬化させた。ランプ出力およびベルト速度は、被覆された基材に作用する1300mJ/cmの放射強度をもたらした。これにより、約600μmの合計厚さを有する3層システムが生成された。サンプルは、硬化後、60℃の強制空気オーブン中で12時間コンディショニングした。
硬化したフィルムをガラス基材から慎重に取り除き、機械的特性決定のための試験片を得た。さらに、硬化フィルムの触覚および光学的評価を行った。
Figure 2022502111
Figure 2022502111
本発明の実験No.1のサンプルのDMA曲線を示す。 実験No.1b(比較例)のDMA曲線を示す。 実験No.1c(比較例)のDMA曲線を示す。 本発明の実験No.9のサンプルのDMA曲線を示す。 実験No.9c(比較例)のDMA曲線を示す。

Claims (15)

  1. 歯科矯正アライナーであって、
    前記アライナーが、架橋ポリマーを含むか又はかかるポリマーからなり、前記架橋ポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度Tが≧25℃および≦60℃であり、貯蔵弾性率E’として周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、弾性率が≧500MPaおよび≦4000MPaであり、周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、損失係数tanδが≧0.08であることを特徴とするアライナー。
  2. 前記架橋ポリマーが、第1のモノマーおよび第2のモノマーに基づく単位を含むコポリマーであり、前記第1のモノマーが(メタ)アクリルモノマーであり、そのホモポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度が≦0℃であり、前記第2のモノマーが(メタ)アクリルモノマーまたはスチレンモノマーであり、そのホモポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度が≧60℃であり、前記第1のモノマーに基づく単位が、前記架橋ポリマーの総重量に基づいて≧5から≦40重量%の割合で存在し、前記第2のモノマーに基づく単位が、前記架橋ポリマーの総重量に基づいて≧20から≦80重量%の割合で存在する、請求項1に記載のアライナー。
  3. 前記架橋ポリマーが、架橋ポリウレタンを含む、請求項1〜2のいずれかに記載のアライナー。
  4. 前記架橋ポリマーは、13C NMRによって確認されるイソシアヌレート画分が≧3%である、請求項1〜3のいずれかに記載のアライナー。
  5. 前記架橋ポリマーは、13C NMRによって確認されるウレタン画分が≧3%である、請求項3または4に記載のアライナー。
  6. 前記架橋ポリマーは、アッベ屈折計で測定される屈折率が>1.48RIおよび<1.58RIである、請求項1〜5のいずれかに記載のアライナー。
  7. 前記架橋ポリマーは、フローリーおよびハギンズに従う平均ネットワークアーク長が>300g/molおよび<5000g/molである、請求項1〜6のいずれかに記載のアライナー。
  8. 前記ポリマーが、厚さ1mmのサンプルに対して400〜800nmの波長範囲においてUV−VIS分光計で測定される光透過率が>50%である透明ポリマーである、請求項1〜7のいずれかに記載のアライナー。
  9. 前記ポリマーが、ポリウレタンおよび/またはポリシリコーンを含む透明ポリマーであり、>20のアッベ数を有する、請求項1〜8のいずれかに記載のアライナー。
  10. 歯科矯正アライナーの製造方法であって、以下の工程:
    i)架橋性樹脂を選択すること;
    ii)工程i)で選択された架橋性樹脂を架橋して架橋ポリマーを形成することによって前記アライナーを形づくること;
    を含み、
    工程i)での選択には、前記架橋性樹脂の架橋後に得られる架橋ポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sDMAで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度Tが≧25℃および≦60℃であり、貯蔵弾性率E’として周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、弾性率が≧500MPaおよび≦4000MPaであり、周波数1/s、35℃で動的機械分析によって決定される、損失係数tanδが≧0.08であるという基準が含まれることを特徴とする、方法。
  11. 前記架橋性樹脂が、第1のモノマーおよび第2のモノマーを含み、前記第1のモノマーが(メタ)アクリルモノマーであり、そのホモポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度が≦0℃であり、前記第2のモノマーが(メタ)アクリルモノマーまたはスチレンモノマーであり、そのホモポリマーは、ピークtanδとして周波数1/sで動的機械分析によって決定される、ガラス転移温度が≧60℃であり、前記第1のモノマーが、前記樹脂の総重量に基づいて≧5から≦40重量%の割合で存在し、前記第2のモノマーが、前記樹脂の総重量に基づいて≧20から≦80重量%の割合で存在する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記アライナーが、工程ii)において、前記アライナーに対応する鋳型内で前記架橋性樹脂を架橋することによって形づくられる、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記アライナーが、工程ii)において、付加製造法によって形づくられる、請求項10または11に記載の方法。
  14. 前記架橋性樹脂は、13C NMRによって測定される遊離イソシアネート基を、前記架橋性樹脂に基づき≧1重量%の濃度で有する、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
  15. 前記架橋性樹脂は、13C NMRによって測定される遊離アルコール基を、前記架橋性樹脂に基づき≧0.5重量%の濃度で有する、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
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