JP2022191883A - ポリエーテル重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、十分な機械的特性を有しつつ、耐熱性と耐水性を有するポリエーテル重合体を提供することを課題とする。【解決手段】(a)主鎖がポリオキシエチレン骨格を有し、(b)20~200℃における示差走査熱量測定における融解エンタルピー変化(△H)が9~90J/gであるという特徴を有し、(c)溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を使用し、ポリスチレン換算により測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量が1.2×105以上であるポリエーテル重合体である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエーテル重合体に関する。
ポリエーテル重合体は、原料となるオキシラン化合物の種類を選択することにより、様々な性質をもつポリマーとなるため、自動車用ゴム部品、電気、電子機器用ゴム部材、土木、建築用ゴム資材、各種工業用ゴム部材、各種プラスチックブレンド用ポリマー、高分子固体電解質等の広範な分野で使用されている。
また、一般的にエピクロロヒドリン系ゴムと呼ばれるポリエーテル重合体、エピクロロヒドリン単独重合体、エピクロロヒドリン-エチレンオキサイド共重合体、エピクロロヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル三元共重合体は、優れた耐熱性、耐油性、耐燃料油性、耐オゾン性、低温特性、半導電特性などを有していることから、自動車用ゴム部品や電気、電子機器用ゴム部材として広く利用されている。
これまでのポリエーテル重合体は単独で使用する場合、架橋することにより、強度を含めた特性を満たしているが、未架橋であっても十分な強度を有するようなポリマー設計が求められている。
未架橋で用いられているポリエーテル重合体としては、ポリエチレンオキサイドがあげられる。しかし、ポリエチレンオキサイドは溶融温度が低く、水に完全に溶解する特徴を有していることから、耐熱性部材への適用や、屋外などの水に触れる用途へ展開できていない実情がある。
従って、ポリエーテル重合体においても、耐熱性や耐水性を改良することで熱可塑性樹脂としての用途が広がり、リサイクル可能な製品として持続可能な社会形成に貢献できる。
特開2006-160777
特許文献1のようなポリエーテル重合体も過去には紹介されているが、重量平均分子量が実質1万程度であり、機械的特性の面で使用は難しい。本発明は、十分な機械的特性を有しつつ、耐熱性と耐水性を有するポリエーテル重合体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意研究の結果、(a)主鎖がポリオキシエチレン骨格を有し、(b)20~200℃における示差走査熱量測定における融解エンタルピー変化(△H)が9~90J/gであるという特徴を有し、(c)溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を使用し、ポリスチレン換算により測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量が1.2×10以上であるポリエーテル重合体により課題を解決できることを見出した。
本発明は、以下のように記載することもできる。
項1 (a)主鎖がポリオキシエチレン骨格を有するポリエーテル重合体であって、(b)20~200℃における示差走査熱量測定における融解エンタルピー変化(△H)が9~90J/gの範囲であり、(c)溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を使用し、ポリスチレン換算により測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量が1.2×10以上であるポリエーテル重合体。
項2 エピハロヒドリン、アルキレンオキサイド類、及びグリシジル類から選択される少なくとも1種のブロックを有する項1記載のポリエーテル重合体。
項3 項1又は項2記載のポリエーテル重合体を用いてなるポリマー用添加剤。
項4 項1又は項2記載のポリエーテル重合体を含有するポリエーテル重合体含有組成物。
項5 項4記載のポリエーテル重合体含有組成物より作製されるポリマー材料。
本発明のポリエーテル重合体は、十分な機械的特性を有しつつ、耐熱性と耐水性を有するポリエーテル重合体であり、樹脂・ゴム等のポリマー用添加剤として非常に有用である。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエーテル重合体は、ポリオキシエチレン骨格を有し、20~200℃における示差走査熱量測定における融解エンタルピー変化(△H)が9~90J/gの範囲である。融解エンタルピー変化(△H)は10~80J/gの範囲であることが好ましく、15~70J/gの範囲であるであることが特に好ましい。10℃/分で20℃~200℃まで昇温することが例示される。融解エンタルピー変化(△H)の量について制御する方法は特に限定されないが、各構成単位のブロック比率とポリマー構成によりある程度制御することが可能である。
ポリエーテル重合体は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、n-ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド類、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、1-ブトキシ-2,3-エポキシプロパン(n-ブチルグリシジルエーテル)、アリルグリシジルエーテル、1,2-エポキシ-3-フェノキシプロパン(フェニルグリシジルエーテル)などのグリシジル類、エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリンなどのエピハロヒドリン類、スチレンオキサイドなどから選択される化合物を重合させて得られる重合体であることが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1-ブトキシ-2,3-エポキシプロパン(n-ブチルグリシジルエーテル)、1,2-エポキシ-3-フェノキシプロパン(フェニルグリシジルエーテル)から選択される少なくとも1種とエピクロロヒドリンを重合させて得られる重合体であることがより好ましい。
ポリエーテル重合体の構成比率は、先述の融解エンタルピー変化(△H)を満たすものであれば特に限定されない。具体的には以下を例示することができる。
ポリエーテル重合体は、エピクロロヒドリンに基づく構成単位を10mol%以上有することが好ましく、20mol%以上有することがより好ましく、25mol%以上有することが特に好ましく、90mol%以下有することが好ましく、80mol%以下有することがより好ましく、70mol%以下有することが特に好ましい。
ポリエーテル重合体は、エチレンオキサイドに基づく構成単位は、10mol%以上有することが好ましく、20mol%以上有することがより好ましく、30mol%以上有することが特に好ましく、90mol%以下有することが好ましく、80mol%以下有することがより好ましく、75mol%以下有することが特に好ましい。
ポリエーテル重合体は、エピクロロヒドリンに基づく構成単位を10mol%以上有することが好ましく、20mol%以上有することがより好ましく、30mol%以上有することが特に好ましく、99mol%以下有することが好ましく、97mol%以下有することがより好ましく、95mol%以下有することが特に好ましい。
ポリエーテル重合体は、エチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド類に基づく構成単位、グリシジル類に基づく構成単位は、1mol%以上有することが好ましく、3mol%以上有することがより好ましく、5mol%以上有することが特に好ましく、90mol%以下有することが好ましく、80mol%以下有することがより好ましく、70mol%以下有することが特に好ましい。
ポリエーテル重合体中は、エピハロヒドリンに基づく構成単位、アルキレンオキサイド類に基づく構成単位、及びグリシジル類に基づく構成単位の合計含有量は、ポリエーテル重合体の全構成単位中、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは90モル%以上であり、最も好ましくは95モル%以上であり、また100モル%であってもよい。
本発明のポリエーテル重合体としては、1又は2以上のブロック構成単位を有することが好ましく、エピハロヒドリン、アルキレンオキサイド類、及びグリシジル類から選択される少なくとも1種のブロックを有することが好ましく、エピクロロヒドリンに基づくブロック(構成単位)を有することが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類、1-ブトキシ-2,3-エポキシプロパン(n-ブチルグリシジルエーテル)、1,2-エポキシ-3-フェノキシプロパン(フェニルグリシジルエーテル)等のグリシジル類から選択される少なくとも1種のブロック(構成単位)とエピクロロヒドリンのブロック(構成単位)を有することが好ましい。
本発明のポリエーテル重合体としては、エピクロロヒドリンに基づくブロック(構成単位)を(X)、アルキレンオキサイド類、グリシジル類に基づくブロック(構成単位)を(Y)とした場合には、(X)-(Y)のブロック構成単位を有することが好ましく、(X)-(Y)-(X)、(Y)-(X)-(Y)のブロック構成単位を有していてもよい。
本発明のポリエーテル重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、示差屈折計(RI検出器)を用いて測定し、溶剤としてジメチルホルムアミド(DMF)を使用し、ポリスチレン換算により測定した重量平均分子量が1.2×10以上であり、重量平均分子量の下限は1.5×10以上であることが好ましく、1.8×10以上であることがより好ましく、重量平均分子量の上限は3.0×10以下であることが好ましく、2.0×10以下であることがより好ましく、1.5×10以下であることが特に好ましい。重量平均分子量が1.2×10以上であると歪み応力等の機械的特性の点で好ましい。
ポリエーテル重合体の製造方法としては、オキシラン化合物を開環重合させ得るものを触媒として使用し、モノマーを重合させることによって製造できる。重合温度は、例えば、-20~100℃の範囲である。この重合は、溶液重合、スラリー重合のいずれでもよい。前記触媒としては、例えば、有機アルミニウムを主体としこれに水やリンのオキソ酸化合物やアセチルアセトン等を反応させた触媒系、有機亜鉛を主体としこれに水を反応させた触媒系、有機錫-リン酸エステル縮合物触媒系等が挙げられる。
より具体的には、ブロック(X)を生成するモノマーを重合した後、ブロック(Y)を生成するモノマーを重合する方法(X-Y)、ブロック(X)を生成するモノマーを重合した後、ブロック(Y)を生成するモノマーを重合し、ブロック(X)を生成するモノマーを重合する方法(X-Y-X)、ブロック(Y)を生成するモノマーを重合した後、ブロック(X)を生成するモノマーを重合し、ブロック(Y)を生成するモノマーを重合する方法(Y-X-Y)等を例示することができる。
ポリエーテル重合体においては、80℃で24時間保管した後、JISK6251に従い引張試験した際の引張試験に定める引張強さTbが、5MPa以上であることが好ましく、6MPa以上であることがより好ましく、7MPa以上であることが特に好ましい。上限は特に限定されないが、25MPa以下である。
ポリエーテル重合体においては、JISK6251従い、500mm/minで引張試験を行った時の1%伸長時の応力が、0.4MPa以上であることが好ましく、0.5MPa以上であることがより好ましく、0.6MPa以上であることが特に好ましい。上限は特に限定されないが、5MPa以下である。
本発明のポリエーテル重合体は、十分な機械的特性を有しつつ、耐熱性と耐水性を有するポリエーテル重合体であり、樹脂・ゴム等のポリマー用添加剤として用いることができる。
樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル-スチレン)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、アクリル系樹脂から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
ゴムとしては、特に限定されないが、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2-ポリブタジエン(VBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(H-NBR)などの主鎖に不飽和炭素結合をもつゴム(Rグループ);エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)などのポリメチン型飽和主鎖をもつゴム(Mグループ);ウレタンゴム(AU)などの主鎖にC、N及びOをもつゴム(Uグループ);シリコーンゴム(VMQ)などの主鎖にSiとOをもつゴム(Qグループ);エピクロロヒドリンゴム(ECO)などの主鎖にCとOを持つゴム(Oグループ)などから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
ポリエーテル重合体は単独で用いることもできるが、樹脂、ゴム、架橋剤、架橋促進剤、受酸剤、老化防止剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、顔料等を任意で配合して、ポリエーテル重合体含有組成物とすることができる。
樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル-スチレン)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、アクリル系樹脂から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
樹脂の配合量は、本発明のポリエーテル重合体10質量部に対して、0.2~500質量部であることが好ましく、0.3~300質量部であることがより好ましく、0.5~200質量部であることが特に好ましい。
ゴムとしては、特に限定されないが、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2-ポリブタジエン(VBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(H-NBR)などの主鎖に不飽和炭素結合をもつゴム(Rグループ);エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)などのポリメチン型飽和主鎖をもつゴム(Mグループ);ウレタンゴム(AU)などの主鎖にC、N及びOをもつゴム(Uグループ);シリコーンゴム(VMQ)などの主鎖にSiとOをもつゴム(Qグループ);エピクロロヒドリンゴム(ECO)などの主鎖にCとOを持つゴム(Oグループ)などから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
ゴムの配合量は、本発明のポリエーテル重合体10質量部に対して、0.2~500質量部であることが好ましく、0.3~300質量部であることがより好ましく、0.5~200質量部であることが特に好ましい。
架橋剤としては、塩素原子の反応性を利用する公知の架橋剤、側鎖二重結合の反応性を利用する公知の架橋剤を挙げることができる。塩素原子の反応性を利用する公知の架橋剤としては、ポリアミン系架橋剤、チオウレア系架橋剤、チアジアゾール系架橋剤、メルカプトトリアジン系架橋剤、ピラジン系架橋剤、キノキサリン系架橋剤、ビスフェノール系架橋剤を例示することができ、側鎖二重結合の反応性を利用する公知の架橋剤としては、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤を例示することができる。
ポリアミン系架橋剤としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p-フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N,‘-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサンメチレンジアミンカーバメート等があげられる。
チオウレア系架橋剤としては、エチレンチオウレア、1,3-ジエチルチオウレア、1,3-ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等があげられる。
チアジアゾール系架橋剤としては、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール-5-チオベンゾエート等があげられる。
メルカプトトリアジン系架橋剤としては、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン、2-ヘキシルアミノ4,6-ジメルカプトトリアジン、2-ジエチルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-シクロヘキシルアミノ-4,6ジメルカプトトリアジン、2-ジブチルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-アニリノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-フェニルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン等があげられる。
ピラジン系架橋剤としては、2,3-ジメルカプトピラジン誘導体等があげられ、2,3-ジメルカプトピラジン誘導体を例示すると、ピラジン-2,3-ジチオカーボネート、5-メチル-2,3-ジメルカプトピラジン、5-エチルピラジン-2,3-ジチオカーボネート、5,6-ジメチル-2,3-ジメルカプトピラジン、5,6-ジメチルピラジン-2,3-ジチオカーボネート等があげられる。
キノキサリン系架橋剤としては、2,3-ジメルカプトキノキサリン誘導体等があげられ、2,3-ジメルカプトキノキサリン誘導体を例示すると、キノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-エチル-2,3-ジメルカプトキノキサリン、6-イオプロピルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、5,8-ジメチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート等があげられる。
ビスフェノール系架橋剤としては、4,4-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4‘-ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、1,1-シクロヘキシリデン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)、2-クロロ-1,4-シクロヘキシレン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)、2,2-イソプロピリデン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールA)、ヘキサフルオロイソプロピリデン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールAF)、および2-フルオロ-1,4-フェニレン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)等があげられる。
硫黄系架橋剤としては、硫黄、モルホリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N‘-ジメチル-N,N’-ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタンメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド等があげられる。
有機過酸化物系架橋剤としては、tert-ブチルヒドロペルオキシド、1,1,3,3,-テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシド、1,1-tert-ブチルペルオキシシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジtert-ブチルペルオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジtertジブチルペルオキシヘキシン-3、1,3-ビスtert-ブチルペルオキシイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジベンゾイルペルオキシヘキサン、1,1-ビスtert-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビスtert-ブチルペルオキシバレレート、ベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシドイソブチレート、tert-ブチルペルオキシ2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、tert-ブチルペルオキシアリルモノカルボナート、p-メチルベンゾイルペルオキシドがあげられる。
架橋剤の配合量は、本発明のポリエーテル重合体100質量部に対して0.1~20質量部であることが好ましく、0.2~10質量部であることがより好ましく、0.3~5質量部であることが特に好ましい。
また、架橋剤と共に用いられる公知の促進剤(即ち、架橋促進剤)を用いることができる。
前記架橋促進剤の例としては、チウラム系架橋促進剤、チアゾール系架橋促進剤、モルホリンスルフィド系架橋促進剤、スルフェンアミド系架橋促進剤、グアニジン系架橋促進剤、チオウレア系架橋促進剤、アルデヒド-アンモニア系架橋促進剤、ジチオカルバミン酸塩系架橋促進剤、キサントゲン酸塩系架橋促進剤、脂肪酸アルカリ金属塩系架橋促進剤、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(以下DBUと略)塩系架橋促進剤、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5(以下DBNと略)塩系架橋促進剤等をあげることができる。
チウラム系架橋促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等があげられる。
チアゾール系架橋促進剤としては、メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2-メルカプトベンゾチアゾールの各種金属塩、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2-(N,N-ジエチルチオ・カルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(4‘-モノホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等があげられる。
モルホリンスルフィド系架橋促進剤としては、モルホリンジスルフィドがあげられる。
スルフェンアミド系架橋促進剤としては、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N-第三ブチル-2-ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N-第三ブチルージ(2-ベンゾチアゾール)スルフェンイミド等があげられる。
グアニジン系架橋促進剤としては、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン等があげられる。
チオウレア系架橋促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチレンチオウレア、ジブチルチオウレア、ジラウリルチオウレア、トリメチルチオウレア、ジフェニルチオウレア等があげられる。
アルデヒド-アンモニア系架橋促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等があげられる。
ジチオカルバミン酸塩系架橋促進剤としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルカルバミン酸亜鉛、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛等があげられる。
キサントゲン酸塩系架橋促進剤としては、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等があげられる。
脂肪酸アルカリ金属塩系架橋促進剤としては、ステアリン酸ナトリウム、さて亜リン酸カリウム等があげられる。
DBU塩系架橋促進剤としては、DBU-炭酸塩、DBU-ステアリン酸塩、DBU-2-エチルヘキシル酸塩、DBU-安息香酸塩、DBU-サリチル酸塩、DBU-3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、DBU-フェノール樹脂塩、DBU-2-メルカプトベンゾチアゾール塩、DBU-2-メルカプトベンズイミダゾール塩等があげられる。
DBN塩系架橋促進剤としては、DBN-炭酸塩、DBN-ステアリン酸塩、DBN-2-エチルヘキシル酸塩、DBN-安息香酸塩、DBN-サリチル酸塩、DBN-3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、DBN-フェノール樹脂塩、DBN-2-メルカプトベンゾチアゾール塩、DBN-2-メルカプトベンズイミダゾール塩等があげられる。
架橋促進剤の配合量は、本発明のポリエーテル重合体100質量部に対して0.1~15質量部であることが好ましく、0.1~10質量部であることがより好ましく、0.1~5質量部であることが特に好ましい。
受酸剤としては、公知の受酸剤を使用できるが、好ましくは金属化合物および/または無機マイクロポーラス・クリスタルである。金属化合物としては、周期表第II族(2族および12族)金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表III族(3族および13族)金属の酸化物、水酸化物、カルボン酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、周期表第IV族(4族および14族)金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸塩等の金属化合物があげられる。
前記金属化合物の具体例としては、マグネシア、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、亜鉛華、酸化錫、リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性炭酸鉛、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜リン酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛等を挙げることができ、炭酸ナトリウム、マグネシア、水酸化マグネシウム、生石灰、消石灰、ケイ酸カルシウム、亜鉛華などが好ましい。
前記無機マイクロポーラス・クリスタルとは、結晶性の多孔体を意味し、無定型の多孔体、例えばシリカゲル、アルミナ等とは明瞭に区別できるものである。このような無機マイクロポーラス・クリスタルの例としては、ゼオライト類、アルミノホスフェート型モレキュラーシーブ、層状ケイ酸塩、合成ハイドロタルサイト、チタン酸アルカリ金属塩等があげられる。特に好ましい受酸剤としては、合成ハイドロタルサイトがあげられる。
前記ゼオライト類は、天然ゼオライトの外、A型、X型、Y型の合成ゼオライト、ソーダライト類、天然ないしは合成モルデナイト、ZSM-5などの各種ゼオライトおよびこれらの金属置換体であり、これらは単独で用いても2種以上の組み合わせで用いても良い。また金属置換体の金属はナトリウムであることが多い。ゼオライト類としては酸受容能が大きいものが好ましく、A型ゼオライトが好ましい。
前記合成ハイドロタルサイトは下記一般式(1)で表される。
MgZnAl(OH)(2(X+Y)+3Z-2)CO・wHO (1)
[式中、xとyはそれぞれx+y=1~10の関係を有する0~10の実数、zは1~5の実数、wは0~10の実数をそれぞれ示す。]
前記一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類の例として、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg4.5Al(OH)13CO、MgAl(OH)12CO・3.5HO、MgAl(OH)16CO・4HO、MgAl(OH)14CO・4HO、MgAl(OH)10CO・1.7HO、MgZnAl(OH)12CO・3.5HO、MgZnAl(OH)12CO等をあげることができる。
老化防止剤としては、公知の老化防止剤を使用できるが、例としては、フェニル-α-ナフチルアミン、p-トルエンスルホニルアミド-ジフェニルアミン、4,4-α,α-ジメチルベンジルジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンの高温反応生成品、ジフェニルアミンとアセトンの低温反応生成品、ジフェニルアミン,アニリン,アセトンの低温反応品、ジフェニルアミンとジイソブチルレンの反応生成品、オクチル化ジフェニルアミン、置換ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、ジフェニルアミン誘導体、N,N´-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N´-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N´-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N´-3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N´-ビス1-メチルヘプチル-p-フェニレンジアミン、N,N´-ビス1,4-ジメチルペンチル-p-フェニレンジアミン、N-1,3-ジメチルブチル-N´-フェニル-p-フェニレンジアミン、ジアリル-p-フェニレンジアミンの混合品、フェニル,オクチル-p-フェニレンジアミン、フェニル-α-ナフチルアミンとジフェニル-p-フェニレンジアミンの混合品、2,2,4-トリメチル-1,2ジヒドロキノリンの重合物、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、1-オキシ-3-メチル-4-イソプロピルベンゼン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6-ジ-tert-ブチル-α-ジメチルアミノ-p-クレゾール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノールと2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノールとオルト-tert-ブチルフェノールの混合物、スチレン化フェノール、アルキル化フェノール、アルキルおよびアラルキル置換フェノールの混合品、フェノール誘導体、2,2´-メチレン-ビス-4-メチル-6-tert-ブチルフェノール、2,2´-メチレン-ビス-4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール、2,2´-メチレン-ビス-4-エチル-6-tert-ブチルフェノール、4,4-メチレン-ビス-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、メチレン架橋した多価アルキルフェノール、アルキル化ビスフェノール、p-クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、ポリブチル化ビスフェノールAの混合物、4,4-チオビス-6-tert-ブチル-3-メチルフェノール、4,4-ブチリデンビス-3-メチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ビスオクチルチオメチル-O-クレゾール、ヒンダートフェノール、ヒンダートビスフェノール、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプトメチルベンズイミダゾール、2-メルカプトベンズイメダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンズイミダゾールの亜鉛塩、4と5-メルカプトメチルベンズイミダゾール、4と5-メルカプトメチルベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジオクタデシルジスルフィド、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、1,3-ビスジメチルアミノプロピル-2-チオ尿素、トリブチルチオ尿素、ビス2-メチル-4-3-n-アルキルチオプロピオニルオキシ-5-tert-ブチルフェニルスルフィド、ビス3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルスルフィド、混合ラウリルステアリンチオジプロピオネート、環状アセタール、ポリマーポリオール60%と水添シリカ40%の混合品、ポリエチレンとポリエチレングリコールの2分子構造による特殊ポリエチレングリコール加工品、不活性フィラーとポリマーポリオールの特殊設計混合品、複合系老化防止剤、エノールエーテル、1,2,3-ベンゾトリアゾール、3-N-サリチロイルアミノ-1,2,4-トリアゾル、トリアジン系誘導体複合物、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N,N´-ビス3-3,5-ジ-tert-4-ヒドロキシフェニルプロピオニルヒドラジン、テトラキス-メチレン-3-3´,5´-ジ-tert-ブチル4´ヒドロキシフェニルプロピオネートメタン等があげられる。
本発明のポリエーテル重合体含有組成物の製造方法としては、従来ポリマー加工の分野において利用されている任意の手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を用いることができる。
本発明のポリエーテル重合体含有組成物を成型等の加工、架橋等することによりポリマー材料とすることができる。成型方法は特に限定されず、金型による圧縮成型、射出成型等を例示することができる。
本発明のポリエーテル重合体含有組成物を架橋する場合には、前記ポリエーテル重合体含有組成物に所定の架橋剤等を加えて、通常100~200℃に加熱する事で得られ、架橋時間は温度により異なるが、0.5~300分の間で行われるのが通常である。架橋成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、エアーバス、赤外線あるいはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
ポリエーテル重合用触媒の製造
重合用触媒として、日本国特許第4923946号(特開2008-106104)の実施例の項で用いられた重合用触媒を製造した。
実施例1
内容量20LのSUS反応器(温度計および攪拌装置付き)の内部を窒素置換し、上記縮合物質触媒11.0g、水分10ppm以下のノルマルヘキサン3850g、エピクロロヒドリン1163gの50%量を仕込み25℃にて23時間反応させた。次に、プロピレンオキサイド487gを添加し、25時間反応させた。25時間後エピクロロヒドリンの50%量を添加し、さらに25時間反応させた。反応溶液を除去した後、減圧下60℃にて5時間乾燥し、重合体(実施例1の重合体)を得た。
実施例2
内容量20LのSUS反応器(温度計および攪拌装置付き)の内部を窒素置換し、上記縮合物質触媒11.0g、水分10ppm以下のノルマルヘキサン3850g、エピクロロヒドリン963gの50%量を仕込み25℃にて23時間反応させた。次に、エチレンオキサイド687gの50%量を添加し、25時間反応させた。なお反応時間24時間目にエチレンオキサイドの50%量を添加し、25時間目にエピクロロヒドリンの50%量を添加し、さらに25時間反応させた。反応溶液を除去した後、減圧下60℃にて5時間乾燥し、重合体(実施例2の重合体)を得た。
実施例3
内容量20LのSUS反応器(温度計および攪拌装置付き)の内部を窒素置換し、上記縮合物質触媒11.0g、水分10ppm以下のノルマルヘキサン3850g、エピクロロヒドリン629gを仕込み25℃にて23時間反応させた。次に、1,2-エポキシ-3-フェノキシプロパン1021gを添加し、25時間反応させた。反応溶液を除去した後、減圧下60℃にて5時間乾燥し、重合体(実施例3の重合体)を得た。
実施例4
内容量20LのSUS反応器(温度計および攪拌装置付き)の内部を窒素置換し、上記縮合物質触媒11.0g、水分10ppm以下のノルマルヘキサン3850g、エピクロロヒドリン1110gを仕込み25℃にて23時間反応させた。次に、1-ブトキシ-2,3-エポキシプロパン390gを添加し、25時間反応させた。反応溶液を除去した後、減圧下60℃にて5時間乾燥し、重合体(実施例4の重合体)を得た。
実施例5
内容量20LのSUS反応器(温度計および攪拌装置付き)の内部を窒素置換し、上記縮合物質触媒11.0g、水分10ppm以下のノルマルヘキサン3850g、エピクロロヒドリン853gを仕込み25℃にて23時間反応させた。次に、エチレンオキサイド947gを添加し、25時間反応させた。反応溶液を除去した後、減圧下60℃にて5時間乾燥し、重合体(実施例5の重合体)を得た。
比較例1
東京化成工業株式会社製のポリエチレンオキサイド「ポリエチレングリコール(PEG500,000)」を比較例1とした。
比較例2
内容量20LのSUS反応器(温度計および攪拌装置付き)の内部を窒素置換し、上記縮合物質触媒12.6g、水分10ppm以下のノルマルヘキサン4500g、エピクロロヒドリン1080g、エチレンオキサイド750gの60%量を仕込み25℃にて20時間反応させた。なお反応時間1.5時間目と3.5時間目におのおのエチレンオキサイドの25%量、15%量を添加した。反応溶液を除去した後、減圧下60℃にて5時間乾燥し、表重合体(比較例2の重合体)を得た。
重合体の分析
得られた重合体の共重合組成について、塩素含有量により求める。
塩素含有量はJIS K7229に記載の方法に従い、電位差滴定法によって求めた。電位差滴定は電極に複合銀電極C-878を備えた京都電子工業株式会社製AT-420N電位差滴定装置を用いて行い、得られた塩素含有量からエピクロロヒドリンに基づく構成単位のモル分率を算出し、他の成分に由来する構成単位のモル分率は、エピクロロヒドリンに基づく構成単位のモル分率より算出する。結果を表1に示す。
ポリエーテル重合体の分析
示差走査熱量測定方法としては、架橋物と基準物質の温度差から融解エンタルピー変化(△H)を求めた。すなわち、パーキン・エルマー社製の示差走査熱量計「DSC8000」を用いて、測定用アルミパンに試料10mgをつめて、10℃/分で20℃~200℃まで昇温した際のサーモグラムから△Hを求めた。結果を表2に示す。
重量平均分子量(Mw)の測定方法としては、重合体を溶剤であるジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算により測定した。すなわち、株式会社島津製作所GPC装置、 ShodexRI-501(示差屈折計(RI検出器))、ShodexカラムKD―807、KD―806M、KD―803を用いて、流量1.0mL/min、濃度を10mgポリマー/DMF8mlとし、注入量50μL、カラム温度40℃で測定を行った。結果を表2に示す。
耐熱試験
実施例1~5、比較例1~2のポリエーテル重合体を200℃で5分真空プレスすることで2mm厚のシートを得て、80℃で24時間保管した後、JISK6251に従い引張試験を実施した。Tbは引張試験に定める引張強さである。尚、比較例1、2の耐熱試験の評価は験片変形・破断により測定不能(×)となった。結果を表2に示す。
浸水試験
実施例1~5、比較例1~2のポリエーテル重合体を200℃で5分真空プレスした2mm厚シートを、2cm×2cmの形状へカットし、23℃環境で24時間イオン交換水に浸漬させた。尚、浸水試験の評価は以下で行う。結果を表2に示す。
〇 形状を維持している
△ 一部溶解しているが、部分的に形状を維持している。
× 完全に溶解する。
ひずみ1%時の応力
実施例1~5、比較例1~2のポリエーテル重合体を200℃で5分真空プレスすることで2mm厚のシートを得て、株式会社島津製作所のAUTOGRHPH AGS-Xを用い、JISK6251従い、500mm/minで引張試験を行った時の1%伸長時の応力を「ひずみ1%時の応力」とした。結果を表2に示す。
Figure 2022191883000001
Figure 2022191883000002
本発明の実施例1~5のポリエーテル重合体は、ひずみ1%時の応力等の機械的特性を有しつつ、耐水性、耐熱性に優れることが示された。
本発明のポリエーテル重合体は、樹脂・ゴム等のポリマー用添加剤として非常に有用である。

Claims (5)

  1. (a)主鎖がポリオキシエチレン骨格を有するポリエーテル重合体であって、(b)20~200℃における示差走査熱量測定における融解エンタルピー変化(△H)が9~90J/gの範囲であり、(c)溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を使用し、ポリスチレン換算により測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量が1.2×10以上であるポリエーテル重合体。
  2. エピハロヒドリン、アルキレンオキサイド類、及びグリシジル類から選択される少なくとも1種のブロックを有する請求項1記載のポリエーテル重合体。
  3. 請求項1又は請求項2記載のポリエーテル重合体を用いてなるポリマー用添加剤。
  4. 請求項1又は請求項2記載のポリエーテル重合体を含有するポリエーテル重合体含有組成物。
  5. 請求項4記載のポリエーテル重合体含有組成物より作製されるポリマー材料。
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