JP2022190993A - インシュレータ、ステータ及び電動モータ - Google Patents

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孝二 米川
Koji Yonekawa
猛 金井
Takeshi Kanai
竜 大堀
Ryu Ohori
有香里 大塚
Yukari Otsuka
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Abstract

Figure 2022190993000001
【課題】成形性を向上できるインシュレータ、このインシュレータを用いたステータ及び電動モータを提供する。
【解決手段】環状のコア本体及びコア本体から径方向に沿って突出される複数のティースに装着され、ティースとティースに巻回されるコイルとの絶縁を図るためのインシュレータであって、ティースの軸方向端面を覆うティース端面被覆部71を有し、ティース端面被覆部71は、ティース端面被覆部71のティースとは反対側の表面71aに設けられ、ティースの軸方向端面からの高さが径方向に沿って漸次変化するように傾斜する傾斜部75と、ティース端面被覆部71のティース側の裏面71bに設けられ、ティースの軸方向端面から離間する方向に窪んだ傾斜部平行部95及びティース平行部96と、を有する。
【選択図】図9B

Description

本発明は、インシュレータ、ステータ及び電動モータに関する。
電動モータは、例えばコイルが巻回されたステータと、ステータに対して回転自在に設けられ永久磁石を有するロータと、を備える。ステータは磁性体により形成されており、環状のコア本体(円形コア部)と、コア本体から径方向に沿って突出するティース(磁極歯)と、を有する。ティースに、インシュレータの上からコイルが巻回されている。インシュレータは、絶縁性を有する樹脂により形成されている。インシュレータによって、ティースとコイルとの絶縁が図られる。
このような構成のもと、コイルに通電を行うとティースに磁界が形成される。この磁界と永久磁石との間で磁気的な吸引力や反発力が生じ、ロータが継続的に回転される。
ここで、電動モータのトルク性能は、磁界を発生させるためのコイルの占積率に大きく影響する。このため、コイルの占積率を向上させるためのさまざまな技術が提案されている。例えば、インシュレータを、ティースの先端部と根本部との間でティースの表面からの高さが一定方向に変化するように傾斜させた技術が開示されている。このように構成することで、インシュレータの上からコイルを巻回する際、このコイルが一定方向に寄りながら巻回される。このため、コイルをできる限り隙間なく巻回でき、コイルの占積率をできる限り向上できる。
特開2002-247789号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、インシュレータを、ティースの先端部と根本部との間でティースの表面からの高さが一定方向に変化するように傾斜させるので、ティースの肉厚も一定にならずに変化する。このため、インシュレータを樹脂成形する際に熱ヒケ等が生じ、インシュレータの成形性が低下してしまうという課題があった。
そこで、本発明は、成形性を向上できるインシュレータ、このインシュレータを用いたステータ及び電動モータを提供する。
上記の課題を解決するために、本発明に係るインシュレータは、環状のコア本体及び前記コア本体から径方向に沿って突出される複数のティースに装着され、前記ティースと前記ティースに巻回されるコイルとの絶縁を図るためのインシュレータであって、前記ティースの軸方向端面を覆うティース端面被覆部を有し、前記ティース端面被覆部は、前記ティース端面被覆部の前記ティースとは反対側の面に設けられ、前記ティースの軸方向端面からの高さが径方向に沿って漸次変化するように傾斜する傾斜部と、前記ティース端面被覆部の前記ティース側の面に設けられ、前記ティースの軸方向端面から離間する方向に窪んだ窪み部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、インシュレータの傾斜部における肉厚の増加を防止できる。このため、インシュレータを樹脂成形する際に熱ヒケ等による成形性の悪化を抑制できる。
本発明の実施形態における減速機付きモータの斜視図。 図1のII-II線に沿う断面図。 本発明の実施形態におけるステータの斜視図。 本発明の実施形態におけるステータを軸方向からみた平面図であり、端子ホルダを取り外した状態を示す。 本発明の実施形態におけるインシュレータの斜視図。 本発明の実施形態における第1インシュレータの斜視図。 図5のVII矢視図。 図6のVIII矢視図。 図7のIXA-IXA線に沿う断面図。 図7のIXB-IXB線に沿う断面図。 図7のIXC-IXC線に沿う断面図。 図6のX矢視図。 本発明の第1実施形態における第2インシュレータの斜視図。 本発明の第1実施形態における金型の比較説明図。 本発明の第1実施形態における治具を軸方向からみた平面図。 本発明の第1実施形態におけるコイルが時計回りに引き回された場合の引き込みスリットへのコイルの引き込み状態を示す平面図。 本発明の第1実施形態におけるコイルが時計回りに引き回された場合の引き込みスリットへのコイルの引き込み状態を示す斜視図。 本発明の第1実施形態におけるコイルが反時計回りに引き回された場合の引き込みスリットへのコイルの引き込み状態を示す平面図。 本発明の第1実施形態におけるコイルが反時計回りに引き回された場合の引き込みスリットへのコイルの引き込み状態を示す斜視図。 本発明の第1実施形態における引き出しスリットを介して引き出され反時計回りに引き回されるコイルの状態を示す平面図。 本発明の第1実施形態における引き出しスリットを介して引き出され時計回りに引き回されるコイルの状態を示す平面図。 本発明の第1実施形態におけるインシュレータ上のコイルの巻回状態を示す説明図。 本発明の実施形態における傾斜部の傾斜角度の説明図。 比較例における傾斜部の傾斜角度の説明図。 本発明の第2実施形態における第1インシュレータを軸方向からみた平面図。 図22のXXIII-XXIII線に沿う断面図。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<減速機付きモータ>
図1は、減速機付きモータ1の斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。
減速機付きモータ1は、例えば、車両のワイパー装置の駆動源として用いられる。
図1、図2に示すように、減速機付きモータ1は、電動モータ2と、電動モータ2の回転を減速して出力する減速部3と、電動モータ2の駆動制御を行うコントローラ4と、を備える。
なお、以下の説明において、単に「軸方向」という場合は、電動モータ2のシャフト31における中心軸(電動モータ2の回転軸線C1)と平行な方向を意味するものとする。単に「周方向」という場合は、シャフト31の周方向(回転方向)を意味するものとする。単に「径方向」という場合は、軸方向及び周方向に直交するシャフト31の径方向を意味するものとする。
<電動モータ>
電動モータ2は、モータケース5と、モータケース5内に収納された円筒状のステータ8と、ステータ8の径方向内側に配置され、ステータ8に対して回転可能に設けられたロータ9と、を備えている。電動モータ2は、ステータ8に電力を供給する際にブラシを必要としない、いわゆるブラシレスモータである。
<モータケース>
モータケース5は、アルミニウム合金等の放熱性に優れた材料によって形成されている。モータケース5は、軸方向で分割可能に構成された第1モータケース6と、第2モータケース7と、からなる。第1モータケース6と第2モータケース7とは、それぞれ有底円筒状に形成されている。
第1モータケース6は、底部10が減速部3のギアケース40と一体成形されている。底部10の径方向中央には、電動モータ2のシャフト31を挿通可能な貫通孔10aが形成されている。第1モータケース6及び第2モータケース7の各開口部6a,7aには、径方向外側に向かって張り出す外フランジ部16,17がそれぞれ形成されている。これら外フランジ部16,17同士を突き合わせ、ボルト25によって第1モータケース6と第2モータケース7とが一体化されている。モータケース5は、第1モータケース6と第2モータケース7とによって閉塞された内部空間を有し、この内部空間にステータ8及びロータ9が収納されている。
<ロータ>
ロータ9は、ステータ8の径方向内側に微小隙間を介して回転自在に配置されている。ロータ9は、シャフト31と、シャフト31に嵌合固定される円筒状のロータコア32と、ロータコア32の外周部に組付けられた図示しない複数のマグネットと、ロータコア32をマグネットの上から覆うマグネットカバー32aと、を備える。
シャフト31は、減速部3を構成するウォーム軸44と一体に形成されている。しかしながらこれに限るものではなく、ウォーム軸44は、シャフト31と別体に形成され、シャフト31の端部に連結されるものでもよい。シャフト31とウォーム軸44は、ギアケース40に軸受46,47を介して回転自在に支持されている。シャフト31とウォーム軸44は、回転軸線C1回りに回転する。なお、マグネットとしては、例えば、フェライト磁石が用いられる。しかしながらこれに限るものではなく、マグネットは、ネオジムボンド磁石やネオジム焼結磁石等を適用することも可能である。
<減速部>
減速部3は、モータケース5と一体化されたギアケース40と、ギアケース40内に収納されたウォーム減速機構41と、を備えている。ギアケース40は、アルミニウム合金等の放熱性に優れた金属材料によって形成されている。ギアケース40は、一面に開口部40aを有する箱状に形成されている。ギアケース40は、ウォーム減速機構41を内部に収容するギア収容部42を有する。また、ギアケース40の側壁40bには、第1モータケース6が一体形成されている箇所に、第1モータケース6の貫通孔10aとギア収容部42を連通する開口部43が形成されている。
ギアケース40の底壁40cには、円筒状の軸受ボス49が突出形成されている。軸受ボス49は、ウォーム減速機構41の出力軸48を回転自在に支持するためのものであり、内周側に図示しない滑り軸受が配置されている。軸受ボス49の先端部には、内周面に、図示しないOリングが装着されている。また、軸受ボス49の外周面には、剛性確保のための複数のリブ52が突設されている。
ギア収容部42に収容されたウォーム減速機構41は、ロータ9のシャフト31と一体に形成されたウォーム軸44と、ウォーム軸44に噛合されるウォームホイール45と、により構成されている。ウォーム軸44は、軸方向の両端部が軸受46,47を介してギアケース40に回転軸線C1回りに回転可能に支持されている。ウォームホイール45には、電動モータ2の出力軸48が同軸に、かつ一体に設けられている。ウォームホイール45と出力軸48とは、これらの回転軸線が、ウォーム軸44(電動モータ2のシャフト31)の回転軸線C1と直交するように配置されている。出力軸48は、ギアケース40の軸受ボス49を介して外部に突出している。出力軸48の突出した先端には、モータ駆動する対象物品と接続可能なスプライン48aが形成されている。
また、ウォームホイール45には、図示しないセンサマグネットが設けられている。このセンサマグネットは、コントローラ4に設けられた後述の磁気検出素子50によって位置を検出される。つまり、ウォームホイール45の回転位置は、コントローラ4の磁気検出素子50によって検出される。
<コントローラ>
コントローラ4は、磁気検出素子50が実装されたコントローラ基板51を有している。コントローラ基板51は、磁気検出素子50がウォームホイール45のセンサマグネットに対向するように、ギアケース40の開口部40a内に配置されている。ギアケース40の開口部40aは、カバー53によって閉塞されている。
コントローラ基板51には、ステータ8の後述するコイル24と電気的に接続される。また、コントローラ基板51には、カバー53に設けられたコネクタ11(図1参照)の端子が電気的に接続されている。コントローラ基板51には、磁気検出素子50の他に、コイル24に供給する駆動電圧を制御するFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子からなるパワーモジュール(図示しない)や、電圧の平滑化を行うコンデンサ(図示しない)等が実装されている。
<ステータ及び端子ホルダ>
図3は、ステータ8の斜視図である。図4は、ステータ8を軸方向からみた平面図であり、端子ホルダ85を取り外した状態を示している。また、図4は、インシュレータ26の一部を切り欠いて示している。
図3、図4に示すように、ステータ8は、中心軸が回転軸線C1と一致する円筒状のステータコア20と、ステータコア20に装着されるインシュレータ26と、ステータコア20にインシュレータ26の上から巻回される3相(U相、V相、W相)構造の複数のコイル24と、を備える。
ステータコア20上に、端子ホルダ85が設けられている。端子ホルダ85は、端子86と、端子86を保持するホルダ本体87と、ステータコア20の軸方向一端部を覆うカバー部88と、が一体成形されている。端子86は、各相のコイル24の端末部24aが接続されるとともに、コントローラ基板51から延びる図示しないコネクタが接続される。
カバー部88は、ステータコア20の軸方向で対向配置された円環状の端面カバー部88aと、端面カバー部88aの外周縁からステータコア20側に向かって延出されインシュレータ26を径方向外側から覆う外周カバー部88bと、が一体成形されている。
ホルダ本体87は、端面カバー部88aの一部からステータコア20とは反対側に向かって立ち上がり形成されている。端面カバー部88a及び外周カバー部88bのホルダ本体87に対応する箇所は、切除された形の切除部88cが形成されている。
ホルダ本体87は、軸方向かつ周方向に長い直方体状に形成されている。ホルダ本体87に、コントローラ基板51から延びる図示しないコネクタが装着される。ホルダ本体87には、軸方向からみて長手方向に並ぶ3個の端子収納凹部87aが形成されている。これら端子収納凹部87aに、端子86が収納されて保持されている。そして、端子86とコントローラ基板51から延びる図示しないコネクタとが接続される。
ステータコア20は、複数の電磁鋼板20pを積層することにより形成される。しかしながらこれに限られるものではなく、例えば軟磁性粉を加圧成形してステータコア20を形成してもよい。
ステータコア20は、円筒状のコア本体21と、コア本体21の内周面から径方向内側に向かって突出する複数(本第1実施形態では6個)のティース22と、コア本体21の外周面に一体成形された2つの固定部23と、を有する。ティース22は、コア本体21の内周面から径方向に沿って突出するティース本体28と、ティース本体28のコア本体21とは反対側の径方向内側端であるティース先端部28aに一体成形された鍔部29と、を有する。ティース本体28に、インシュレータ26の上からコイル24が巻回される。
鍔部29は、周方向に沿って延びている。鍔部29の内周面は、回転軸線C1を中心とする円上に沿うように形成されている。周方向で隣接するティース22の間には、コア本体21の内周面、ティース本体28の周方向側面、及び鍔部29の外周面によって軸方向からみて蟻溝状のスロット27が形成される。
固定部23は、コア本体21の外周面から径方向外側に向かって突出されており、周方向に180°間隔をあけて配置されている。固定部23には、軸方向に貫通するボルト挿通孔23aが形成されている。
このような構成のもと、コア本体21の外周面が第1モータケース6の内周面に嵌合されて収納される。そして、固定部23のボルト挿通孔23aに図示しないタッピングねじを挿入し、このタッピングねじを第1モータケース6の底部10にねじ込むことにより、第1モータケース6にステータコア20が締結固定される。このように固定されたステータコア20の上から第2モータケース7を被せる。そして、第1モータケース6に第2モータケース7を固定する。
[第1実施形態]
<インシュレータ>
図5は、インシュレータ26の斜視図である。図5は、ステータコア20に装着された状態のインシュレータ26を示している。図6は、インシュレータ26における第1インシュレータ61の斜視図である。
インシュレータ26は、ティース22とコイル24との絶縁を図るためのものであり、絶縁性を有する樹脂により形成されている。
図5、図6に示すように、インシュレータ26は、ステータコア20の軸方向両側装着されるように軸方向で2分割構成されている。すなわち、インシュレータ26は、ステータコア20の軸方向一方(図5における上方)側から装着される第1インシュレータ61と、ステータコア20の軸方向他方(図5における下方)側から装着される第2インシュレータ62と、を備える。
以下では、説明を分かりやすくするために、第1インシュレータ61側を上方とし、第2インシュレータ62側を下方として説明する。
第1インシュレータ61は、コア本体21を覆うコア本体被覆部63と、ティース22を覆うティース被覆部64と、が一体成形されたものである。コア本体被覆部63は、コア本体21の軸方向端面を覆う円環状のコア端面被覆部65と、コア端面被覆部65の下面65aから下方に向かって突出されたコア側面被覆部66と、コア端面被覆部65の上面65bから上方に向かって突出する円筒状の外壁部67と、を有する。
コア側面被覆部66は、コア端面被覆部65の内周縁に配置されている。コア側面被覆部66は、コア本体21の内周面を覆う。外壁部67は、コア端面被覆部65の外周縁寄りに配置されている。外壁部67の径方向外側に、端子ホルダ85の外周カバー部88bが配置される。
外壁部67には、各ティース被覆部64に対応する位置に、それぞれ引き込みスリット68と引き出しスリット69とが形成されている。
引き込みスリット68は、外壁部67の径方向外側から径方向内側へとコイル24を引き込むためのものである。引き出しスリット69は、外壁部67の径方向内側から径方向外側へとコイル24を引き出すためのものである。各スリット68,69を介したコイル24の引き込み又は引き出しの詳細と、各スリット68,69の詳細位置については後述する。
コア端面被覆部65及び外壁部67には、複数のティース22のうち、特定のティース22A(図4参照、以下このティース22Aを特定ティース22Aと称する)を覆うティース被覆部64A(以下、このティース被覆部64Aを特定ティース被覆部64Aと称する)の根本に、コイル引出部77が一体成形されている。
コイル引出部77は、各相のコイル24の端末部24a(図3参照)を上方へと引き出す部位である。コイル引出部77に端子ホルダ85の切除部88cが嵌るように、端子ホルダ85が配置される。すなわち、コイル引出部77の真上に端子ホルダ85の端子86が配置される。
コイル引出部77には、各相のコイル24の端末部24aの引き出し箇所を別々に規制する複数(例えば、本第1実施形態のコイル24は3相構造なので3個)のコイル案内凹部78が形成されている。これらコイル案内凹部78は、周方向に並んで集約して配置されている。各コイル案内凹部78には、周方向に沿って突出するコイル保持爪78aが一体成形されている。各コイル案内凹部78を介して各相のコイル24の端末部24aが別々に上方へと引き出される。引き出された各相のコイル24の端末部24aは、コイル保持爪78aに保持されながら端子ホルダ85の端子86へと導かれ、この端子86に接続される。
図7は、図5のVII矢視図である。図8は、図6のVIII矢視図である。図9Aは、図7のIXA-IXA線に沿う断面図である。図9Bは、図7のIXB-IXB線に沿う断面図である。図9Cは、図7のIXC-IXC線に沿う断面図である。
図5から図9Cに示すように、ティース被覆部64は、コア端面被覆部65からこのコア端面被覆部65の面方向に沿って延出され径方向に長いティース端面被覆部71と、ティース端面被覆部71の周方向両側(短手方向両端)から下方に向かって突出されたティース側面被覆部72と、ティース側面被覆部72の径方向内側端から周方向外側に突出された鍔側面被覆部73と、ティース端面被覆部71の径方向内側端及び鍔側面被覆部73の上端に接合され鍔側面被覆部73の上端から上方に向かって延出された内壁部74と、を有する。
ティース端面被覆部71は、ティース本体28の上端を覆う。ここで、ティース端面被覆部71における、ティース本体28の上端とは反対側の面を表面71a、ティース本体28の上端と対向する面を裏面71bとする。ティース端面被覆部71の表面71aの大部分には、径方向全体に渡って傾斜部75が形成されている。傾斜部75は、ティース本体28の軸方向端面からの高さが径方向外側に向かうに従って漸次低くなるように傾斜している。この結果、傾斜部75の周方向の幅は、径方向外側に向かうに従って漸次大きくなる。
ティース端面被覆部71の表面71aには、径方向内側に、軸方向からみて円形状のピン当接凹部(請求項における凹部の一例)76が形成されている。ピン当接凹部76は、第1インシュレータ61の樹脂成形時に図示しない樹脂成型機のエジェクタピンが当接する箇所である。ピン当接凹部76は、ティース本体28の軸方向端面と平行に形成されている。
ピン当接凹部76の詳細位置は、傾斜部75の径方向中央75cよりもピン当接凹部76の中心76cの位置が径方向内側に位置している。ピン当接凹部76は、傾斜部75上に収まるように形成されている。ピン当接凹部76は径方向内側に配置されているので、径方向外側に配置される場合と比較して直径が小さくなる。
ティース端面被覆部71の裏面71bには、傾斜部平行部95(窪み部)が形成されている。傾斜部平行部95は、傾斜部75の形状に対応するように形成されている。このため、傾斜部平行部95のある領域において、ティース端面被覆部71の肉厚T1は一定である。このような傾斜部75の傾斜角度θ1は、45°よりも小さい。傾斜角度θ1とは、ティース本体28の上端(仮想平面Kp)に対する傾斜角度をいう。
さらに、裏面71bには、傾斜部平行部95よりも径方向内側に、ティース平行部96(窪み部)が形成されている。ティース平行部96は、ティース本体28の軸方向端面と平行に形成されている。このため、ティース平行部96のある領域において、ティース端面被覆部71の肉厚T2は、径方向外側に向かうに従って漸次大きくなる。つまり、T1<T2となる。これにより、ティース端面被覆部71の内壁部74との接続部における肉厚が大きくなり、内壁部74の強度を増加させることができる。したがって、コイル24の巻回により内壁部74に径方向内側への応力がかかったとしても、内壁部74の変形を抑制することができる。
ここで、傾斜部平行部95とティース平行部96との境界線BLは、軸方向から見て、ピン当接凹部76の外周の一部に沿って配置されている。また、ピン当接凹部76のある領域において、裏面71bにはティース平行部96が配置されている。すなわち、ピン当接凹部76のある領域において、ティース端面被覆部71の肉厚T3は一定である。また、T1=T3に設定されている。
また、裏面71bには、コア端面被覆部65の下面65aと同一平面上に設けられた当接部97が形成されている。当接部97はティース本体28に当接している。また、傾斜部平行部95及びティース平行部96は、当接部97よりも軸方向でティース本体28から離間している。換言すれば、傾斜部平行部95およびティース平行部96は、当接部97に対して窪んでいる。
ティース側面被覆部72は、ティース22におけるティース本体28の周方向側面を覆う。鍔側面被覆部73は、ティース22における鍔部29の外周面を覆う。
これらティース側面被覆部72及び鍔側面被覆部73と、コア本体被覆部63のコア側面被覆部66と、は連なって形成され、ティース端面被覆部71及びコア端面被覆部65から下方に突出する筒状のスカート部79を成している。すなわち、スカート部79はステータコア20のスロット27に介在される。
スカート部79の下端である先端部(請求項におけるスカート先端部の一例)79aは、ティース端面被覆部71及びコア端面被覆部65からの突出高さが周方向に沿って漸次変化するように斜めに形成されている。スカート部79の先端部79aのうち、突出高さが最も低い箇所には、ティース端面被覆部71及びコア端面被覆部65と平行な平坦部79bが形成されている。
また、スカート部79には、上下方向中央よりも先端部79a寄りに、ティース側面被覆部72及び鍔側面被覆部73と平行なパーティングラインPLが設定されている。パーティングラインPLとは、第1インシュレータ61を樹脂成形する際に使用する金型90における上型91と下型92(図12参照)とが重ね合わさる箇所である。換言すれば、パーティングラインPLとは樹脂成形に使用する金型90が分割されるラインである。
スカート部79の内側面79c(ティース側面被覆部72、鍔側面被覆部73、及びコア側面被覆部66のステータコア20とは反対側の側面)には、パーティングラインPLから先端部79aに至る全体に、微小段差部80を介して凹部81が形成されている。これにより、スカート部79は、パーティングラインPLを挟んで上部の肉厚よりも下部の肉厚が僅かに薄くなる。パーティングラインPLに微小段差部80を形成することにより、樹脂成型品(スカート部79)の側面の途中にパーティングラインPLを設定した場合であっても、このパーティングラインPLでの樹脂成形時におけるバリの発生を抑制できる。なお、微小段差部80の寸法は、例えば0.04mm程度である。
図10は、図6のX矢視図である。
図5、図6、図10に示すように、スカート部79の外側面79d(ティース側面被覆部72、鍔側面被覆部73、及びコア側面被覆部66のステータコア20側の側面)のうち、コア側面被覆部66のティース側面被覆部72寄りには、一対の圧入凸部82a,82bが形成されている。一対の圧入凸部82a,82bは、ティース被覆部64を挟んで周方向両側に配置されている。これら圧入凸部82a,82bは、ステータコア20に第1インシュレータ61を装着する際、圧入して装着するためのものである。圧入凸部82a,82bによって、ステータコア20からの第1インシュレータ61の脱落を抑制できる。
一対の圧入凸部82a,82bは、特定ティース22A(特定ティース被覆部64A)に対応する箇所を除いて、1つのティース被覆部64置きに周方向に等間隔で配置されている。本第1実施形態では、ティース22(ティース被覆部64)を6個有しているので、特定ティース被覆部64Aを除いて周方向に等間隔で配置された3個のティース被覆部64に対応する箇所に、一対の圧入凸部82a,82bが配置されている。
図11は、第2インシュレータ62の斜視図である。
図5、図11に示すように、第2インシュレータ62の基本的構成は、ステータコア20の軸方向中央(上下方向中央)を中心に第1インシュレータ61とは線対称な構成である。このため、以下の説明では、第2インシュレータ62のうち、第1インシュレータ61と同一構成については第1インシュレータ61と同一符号を付して説明を省略する。
第1インシュレータ61と第2インシュレータ62との相違点は、第1インシュレータ61の外壁部67には、引き込みスリット68と引き出しスリット69とが形成されているのに対し、第2インシュレータ62の外壁部83には、引き込みスリット68と引き出しスリット69とが形成されていない点にある。
また、第2インシュレータ62のスカート部79における先端部79aは、第1インシュレータ61のスカート部79における先端部79aの傾斜方向に沿うように形成されている。このため、第1インシュレータ61と第2インシュレータ62とをステータコア20の軸方向両側から装着した際、互いに突き合わされるスカート部79の先端部79a同士の隙間S(図5参照)は一定になる。
<樹脂成形時のインシュレータの作用>
次に、図12に基づいて、樹脂成形時のインシュレータ26(第1インシュレータ61及び第2インシュレータ62)の作用について説明する。
図12は、第1インシュレータ61や第2インシュレータ62を樹脂成形する際に用いられる金型90と比較例の金型290とを比較した説明図である。
各インシュレータ61,62のスカート部79には、ティース側面被覆部72及び鍔側面被覆部73と平行なパーティングラインPLが設定されている。このため、図12に示すように、金型90における上型91と下型92との型締め、離型方向Y1に対しパーティングラインPLは直交する。したがって、金型90の型締め時に、上型91や下型92に型締め、離型方向Y1に直交する方向に力が作用されることがなく、上型91や下型92の位置ずれが防止される。よって、インシュレータ26の樹脂成形精度が向上される。
これに対し、例えば各インシュレータ61,62のスカート部79に、先端部79aに沿うようにパーティングラインPLが設定されている場合、比較例の金型290のように、上型291と下型292との型締め、離型方向Y21に対しパーティングラインPLは直交せずに斜めになる。このため、金型290の型締め時に、上型291や下型292に型締め、離型方向Y21に直交する方向に力が作用されてしまい、上型291や下型292の位置ずれが生じる可能性がある。よって、インシュレータ26の樹脂成形精度が低下してしまう。
ところで、インシュレータ26の成形精度を測定する際、とりわけスカート部79は先端部79aが斜めに形成されているので測定しにくい。すなわち、スカート部79を測定するにあたって、基準となる位置は、例えばコア端面被覆部65の下面65aとなる。この場合、下面65aから突出するスカート部79の最先端は特定しやすいが、スカート部79の突出高さが最も低い箇所は特定しにくい。
図6の拡大部を参照しながらより具体的に説明する。図6の拡大部は、説明を分かりやすくするために軸方向と直交する方向からみた図とし、縮尺を適宜変更している。
例えば三次元測定機m等を用いて、コア端面被覆部65の下面65aを基準としてスカート部79を測定する場合、スカート部79の最先端にはプローブPrを当接しやすい。これに対し、プローブPrが球形状であるのでスカート部79の突出高さが最も低い箇所には、この箇所よりも若干上の傾斜箇所にプローブPrが当接してしまい(図6の当接点Pj参照)、スカート部79の突出高さが最も低い箇所にプローブPrを当接する際の邪魔になる。このため、スカート部79の突出高さが最も低い箇所にプローブPrを確実に当接させるのが困難である。
ここで、本第1実施形態では、スカート部79の先端部79aうち、突出高さが最も低い箇所に平坦部79bが形成されている。このため、スカート部79の突出高さが最も低い箇所を特定しやすくできる。また、例えば三次元測定機m等を用いて、コア端面被覆部65の下面65aを基準としてスカート部79を測定する場合、スカート部79の突出高さが最も低い箇所にプローブPrを確実に当接させることができる。したがって、インシュレータ26を高精度に測定することができる。
<インシュレータの組み付けと組み付け時のインシュレータの作用>
次に、図6、図10、図13に基づいて、組み付け時のインシュレータ26の作用について説明する。
図13は、ステータコア20にインシュレータ26のうち、第1インシュレータ61を組み付ける際に用いられる治具93を軸方向からみた平面図である。第2インシュレータ62は、第1インシュレータ61と同様の治具93を用いて第1インシュレータ61と同様にステータコア20に組み付けられるので説明を省略する。
図6、図13に示すように、第1インシュレータ61のステータコア20への組み付け時には、ステータコア20の軸方向上方で第1インシュレータ61のスカート部79を下方(ステータコア20側)に向ける。この状態で、第1インシュレータ61の上から治具93によって第1インシュレータ61の外壁部67を押圧する。
治具93は、第1インシュレータ61の形状に対応するように、円柱状に形成されている。治具93の外径は、第1インシュレータ61のコア端面被覆部65の外径よりも若干大きい。治具93には、第1インシュレータ61のコイル引出部77に対応する位置に、平面取り部93aが形成されている。これにより、治具93によって第1インシュレータ61を押圧する際、コイル引出部77に治具93が接触してしまうことが防止でき、治具93によって第1インシュレータ61を安定して押圧できる。
治具93によって第1インシュレータ61を押圧すると、まず、ステータコア20のスロット27にスカート部79が挿入される。このとき、スカート部79の先端部79aが斜めに形成されているので、スロット27に一度にスカート部79の先端部79aが挿入されることがない。つまり、スカート部79の最先端から徐々にスロット27にスカート部79が挿入される。このため、スカート部79の先端部79aがガイドとなって、スロット27にスカート部79がスムーズに挿入される。
治具93によって第1インシュレータ61を押圧すると、ステータコア20にスカート部79の外側面79dが嵌められる。この際、スカート部79に形成された圧入凸部82a,82bによって、ステータコア20に第1インシュレータ61が圧入される。
ここで、治具93には、第1インシュレータ61のコイル引出部77に対応する位置に、平面取り部93aが形成されている。このため、コイル引出部77が配置されている特定ティース被覆部64A及びこの特定ティース被覆部64Aの周辺は治具93によって押圧されることがない。
一方、圧入凸部82a,82bは、特定ティース被覆部64Aに対応する箇所を除いて、1つのティース被覆部64置きに周方向に等間隔で配置されている。このため、各圧入凸部82a,82bが均等に押圧される。また、ステータコア20に圧入凸部82a,82bを押し込む際に生じる第1インシュレータ61の僅かな変形が、圧入凸部82a,82bが形成されていないティース被覆部64及びこのティース被覆部64の周辺に均等に分散される。この結果、ステータコア20に第1インシュレータ61が確実に圧入されて装着される。
<コイルの巻回方法と引き込みスリット及び引き出しスリットの詳細位置>
次に、図4、図14から図19に基づいて、ステータコア20に装着されたインシュレータ26の上から巻回されるコイル24の巻回方法と、インシュレータ26のうちの第1インシュレータ61に形成されている引き込みスリット68及び引き出しスリット69の詳細位置と、について説明する。
まず、図4に示すように、コイル24の巻回方法としては、上述した各インシュレータ61,62の上から、各ティース22にコイル24がいわゆる集中巻き方式により巻回される。より具体的には、各相のコイル24は、対応する相のティース22に第1インシュレータ61のコア端面被覆部65上に引き回されながら一連に巻回される。
すなわち、例えば本第1実施形態の電動モータ2は3相構造なので、周方向で2個のティース22置きに同相のティース22が配置される。例えば本第1実施形態ではティース22は6個あるので、各相のコイル24は、第1インシュレータ61のコア端面被覆部65上に引き回されながら2個のティース22に一連に巻回される。
この際、第1インシュレータ61のコア端面被覆部65上に引き回されるコイル24は、第1インシュレータ61の引き込みスリット68を介してティース被覆部64側へと引き込まれる。そして、ティース22にティース被覆部64の上からコイル24が巻回される。
この後、ティース被覆部64(ティース22)に巻回されたコイル24は、第1インシュレータ61の引き出しスリット69を介して、再びコア端面被覆部65上に引き出される。そして、コイル案内凹部78を介して端子ホルダ85の端子86へと導かれ、この端子86に接続される。
引き込みスリット68に引き込まれるコイル24は、対応するティース被覆部64(ティース22)の根本を跨ぐようにしてコア端面被覆部65上を引き回される(図4における反時計回りCCWに引き回される)場合がある。この後、引き込みスリット68を介してティース被覆部64側へと引き込まれる場合がある。以下、この場合をコイル24が反時計回りCCWに引き回された場合という。
また、引き込みスリット68に引き込まれるコイル24は、対応するティース被覆部64(ティース22)とは逆方向からコア端面被覆部65上を引き回される(図4における時計回りCWに引き回される)場合がある。この後、引き込みスリット68を介してティース被覆部64側へと引き込まれる場合がある。以下、この場合をコイル24が時計回りCWに引き回された場合という。
次に、図14から図17に基づいて、引き込みスリット68の詳細位置について説明する。
図14は、コイル24が時計回りCWに引き回された場合において、引き込みスリット68へのコイル24の引き込み状態を示す軸方向からみた第1インシュレータ61の平面図である。図15は、コイル24が時計回りCWに引き回された場合の引き込みスリット68へのコイル24の引き込み状態を示す第1インシュレータ61の斜視図である。図16は、コイル24が反時計回りCCWに引き回された場合の引き込みスリット68へのコイル24の引き込み状態を示す軸方向からみた第1インシュレータ61の平面図である。図17は、コイル24が反時計回りCCWに引き回された場合の引き込みスリット68へのコイル24の引き込み状態を示す第1インシュレータ61の斜視図である。
図14から図17に示すように、引き込みスリット68は、軸方向からみて対応するティース被覆部64のティース側面被覆部72を通る側面被覆部直線L上に配置されている。より具体的には、軸方向からみて、引き込みスリット68の周方向で対向する第1側辺68a及び第2側辺68bは、側面被覆部直線Lを挟んで両側に配置されている。
ここで、引き込みスリット68の位置は、この引き込みスリット68に引き込まれるコイル24の引き回し方向によって僅かに異なっている。
図14に示すように、時計回りCWに引き回されたコイル24が引き込まれる引き込みスリット68は、軸方向からみて、側面被覆部直線Lと第1側辺68aとの間の幅W1がコイル24の線径Dよりも小さくなるように配置されている。
このため、図14、図15に示すように、時計回りCWに引き回されたコイル24は、引き込みスリット68を介してティース被覆部64側に引き込まれた後、僅かに折り返す形で側面被覆部直線L上のティース側面被覆部72に沿いながらティース被覆部64上に巻き進められる。このため、ティース22の根本において、ティース被覆部64上でコイル24が巻き締められる。これらティース被覆部64とコイル24との間に隙間が生じてしまうことが極力抑えられる。
図16に示すように、反時計回りCCWに引き回されたコイル24が引き込まれる引き込みスリット68は、軸方向からみて、側面被覆部直線Lと第2側辺68bとの間の幅W2がコイル24の線径Dよりも大きくなるように配置されている。
このため、図16、図17に示すように、反時計回りCCWに引き回されたコイル24は、引き込みスリット68を介してティース被覆部64側に引き込まれた後、ティース端面被覆部71を乗り上げる形で側面被覆部直線L上のティース側面被覆部72に沿いながらティース被覆部64上に巻き進められる。このため、ティース22の根本において、ティース被覆部64上でコイル24が巻き締められる。これらティース被覆部64とコイル24との間に隙間が生じてしまうことが極力抑えられる。
次に、図18、図19に基づいて、引き出しスリット69の詳細位置について説明する。
図18は、時計回りCWに引き回されたコイル24が引き込みスリット68を介してティース被覆部64側に引き込まれた後、引き出しスリット69を介して引き出された状態を示す軸方向からみた第1インシュレータ61の平面図である。図19は、反時計回りCCWに引き回されたコイル24が引き込みスリット68を介してティース被覆部64側に引き込まれた後、引き出しスリット69を介して引き出された状態を示す軸方向からみた第1インシュレータ61の平面図である。
図18に示すように、時計回りCWに引き回されて引き込みスリット68を介して巻回されたコイル24は、引き出しスリット69を介して径方向外側に引き出された後、再び時計回りCWに引き回される。
図19に示すように、反時計回りCCWに引き回されて引き込みスリット68を介して巻回されたコイル24は、引き出しスリット69を介して径方向外側に引き出された後、再び反時計回りCCWに引き回される。
ここで、図18、図19に示すように、コイル24が時計回りCWに引き回された場合、及び反時計回りCCWに引き回された場合のいずれも引き出しスリット69の位置は変わらない。すなわち、引き出しスリット69は、ティース被覆部64(ティース22のティース本体28)の周方向中央C2を挟んで引き込みスリット68とは反対側に配置されている。また、引き出しスリット69は、ティース被覆部64の周方向中央C2と回転軸線C1とを通る第1直線Ld1と、ティース22における鍔部29の周方向端部と回転軸線C1とを通る第2直線Ld2との間の領域Arに配置されている。このため、引き出しスリット69を介してティース22に巻回後のコイル24を径方向外側に引き出す際に、この引き出されるコイル24と巻回されたコイル24との間が大きく離間してしまうことがない。
<コイルの巻回状態と傾斜部の作用>
次に、図20、図21A、図21Bに基づいて、コイル24の巻回状態及び各インシュレータ61,62における傾斜部75の作用について説明する。
図20は、インシュレータ26上のコイル24の巻回状態を示す説明図である。図20は、第1インシュレータ61を上方からみた平面図に相当する。図21Aは、傾斜部75の傾斜角度の説明図である。図21Bは、比較例の傾斜角度の説明図である。
図20に示すように、コイル24は、ティース22(ティース被覆部64)の根本側から径方向内側へと螺旋状に順に巻き進められる。
このとき、図21Aに示すように、ティース端面被覆部71に形成された傾斜部75によって、ティース22の根本に向かってコイル24がずり落ちるようにして巻き進められる(図21Aにおける矢印Y1参照)。すなわち、コイル24は、ティース22の根本に向かって詰められながら巻き進められる。このため、巻回されるコイル24間に余計な隙間が形成されることがない。
しかも、インシュレータ26を樹脂成形する際に利用されるピン当接凹部76は、傾斜部75の径方向中央75cよりもピン当接凹部76の中心76cの位置が径方向内側に位置している。また、ピン当接凹部76は、傾斜部75上に収まるように形成されている。ピン当接凹部76は径方向内側に配置されているので、径方向外側に配置される場合と比較して直径が小さくなる。この結果、傾斜部75の径方向中央75cよりもピン当接凹部76の中心76cの位置が径方向外側に位置する場合と比較して、傾斜部75に沿ってコイル24がスムーズにティース22の根本に向かってずり落ちる。
ここで、傾斜部75の傾斜角度θ1は、45°よりも小さい。また、コイル24の中心を通る回転軸線C1に平行な垂直直線Lsに対して45°傾いた傾斜直線をLkとする。先に巻回されたコイル24(以下、先のコイル24という)に対する後に巻回されたコイル24(以下、後のコイル24という)の接触点Spは、先のコイル24の傾斜直線Lkよりも軸方向内側に位置する。このため、後のコイル24が先のコイル24を乗り上げてしまうことがない。
例えば、図21Bに示すように、傾斜部75の傾斜角度θ1’が45°よりも大きい場合、先のコイル24に対する後のコイル24の接触点Sp’は、先のコイル24の傾斜直線Lk上か又は傾斜直線Lkよりも軸方向外側に位置する。このため、後のコイル24が先のコイル24を乗り上げてしまう可能性がある。したがって、傾斜部75の傾斜角度θ1を45°よりも小さくすることにより、巻回されるコイル24の巻き崩れが防止される。
このような構成のもと、各コイル24に、コントローラ4を介して給電が行われるとステータコア20に鎖交磁束が形成される。この鎖交磁束とロータ9の図示しないマグネットとの間で磁気的な吸引力や反発力が生じ、ロータ9が継続的に回転される。
ロータ9が回転されると、シャフト31と一体化されているウォーム軸44が回転される。さらに、ウォーム軸44に噛合されるウォームホイール45が回転される。ウォームホイール45の回転は、ウォームホイール45に連結されている出力軸48に伝達される。これにより、出力軸48に連結される所望の電装品が駆動される。
このように、上述の第1実施形態では、各インシュレータ61,62のティース端面被覆部71の表面71aに、傾斜部75を形成している。傾斜部75は、ティース本体28の軸方向端面からの高さが径方向外側に向かうに従って漸次低くなるように傾斜している。また、ティース端面被覆部71の裏面71bには、傾斜部平行部95およびティース平行部96が形成されている。傾斜部平行部95は傾斜部75と平行に形成されているため、傾斜部平行部95のある領域において、ティース端面被覆部71の肉厚T1は一定である。さらに、ティース平行部96はピン当接凹部76と平行に形成されているため、ピン当接凹部76のある領域において、ティース端面被覆部71の肉厚T3は一定である。このため、ティース本体28の軸方向端面からの傾斜部75の高さが、径方向外側に向かうに従って漸次低くなるように変化するように形成しつつ、ピン当接凹部76をティース本体28の上端と平行に形成しても、ティース端面被覆部71の大部分で肉厚を一定にできる。すなわち、インシュレータ61,62の傾斜部75における肉厚の増加を防止できる。この結果、各インシュレータ61,62を樹脂成形する際に熱ヒケ等による成形性の悪化を抑制できる。各インシュレータ61,62の樹脂成形精度を向上できる。
各インシュレータ61,62の樹脂成形精度を向上できるので、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」に貢献することが可能となる。
ティース22は、コア本体21の内周面から径方向に沿って突出している。これに対し、傾斜部75は、ティース本体28の軸方向端面からの高さが径方向外側に向かうに従って漸次低くなるように傾斜している。インシュレータ26の上から巻回されるコイル24は、ティース22の根本側から巻き始められる。このため、ティース22の根本に向かってコイル24が詰められながら巻き進められる。巻回されるコイル24間に、余計な隙間が形成されてしまうことを防止できる。よって、コイル24の占積率を確実に向上できる。
傾斜部75の傾斜角度θ1は、45°よりも小さい。このため、先のコイル24に対する後のコイル24の接触点Spを、先のコイル24の傾斜直線Lkよりも軸方向内側に位置させることができる。このため、後のコイル24が先のコイル24を乗り上げてしまうことを防止でき、コイル24の巻き崩れを防止できる。
各インシュレータ61,62に形成されたスカート部79の先端部79aは、ティース端面被覆部71及びコア端面被覆部65からの突出高さが周方向に沿って漸次変化するように斜めに形成されている。このため、ステータコア20のスロット27にスカート部79を挿入する際(コア本体21及びティース22に各インシュレータ61,62を装着する際)、スカート部79の最先端から徐々にスロット27にスカート部79を挿入できる。よって、スカート部79の先端部79aがガイドとなり、ステータコア20の各インシュレータ61,62を容易に装着できる。
また、スカート部79の先端部79aうち、突出高さが最も低い箇所には、ティース端面被覆部71及びコア端面被覆部65と平行な平坦部79bが形成されている。このため、スカート部79の突出高さが最も低い箇所を特定しやすくできる。また、例えば三次元測定機m等を用いて、コア端面被覆部65の下面65aを基準としてスカート部79を測定する場合、スカート部79の突出高さが最も低い箇所にプローブPrを確実に当接させることができる。したがって、インシュレータ26を高精度に測定することができる。
スカート部79の先端部79aが斜めに形成されているのに対し、スカート部79には、ティース側面被覆部72及び鍔側面被覆部73と平行なパーティングラインPLが設定されている。このため、金型90における上型91と下型92との型締め、離型方向Y1に対しパーティングラインPLを直交させることができる。したがって、金型90の型締め時に、上型91や下型92に型締め、離型方向Y1に直交する方向に力が作用されることがなく、上型91や下型92の位置ずれを防止できる。よって、インシュレータ26の樹脂成形精度を向上できる。
また、スカート部79の内側面79c(ティース側面被覆部72、鍔側面被覆部73、及びコア側面被覆部66のステータコア20とは反対側の側面)には、パーティングラインPLから先端部79aに至る全体に、微小段差部80を介して凹部81が形成されている。このため、樹脂成型品(スカート部79)の側面の途中にパーティングラインPLを設定した場合であっても、このパーティングラインPLでの樹脂成形時におけるバリの発生を抑制できる。
コア端面被覆部65及び外壁部67には、特定ティース22A(特定ティース被覆部64A)の根本に集約配置されたコイル引出部77が一体成形されている。ステータコア20に各インシュレータ61,62を圧入するための一対の圧入凸部82a,82bは、特定ティース22A(特定ティース被覆部64A)に対応する箇所を除いて、1つのティース被覆部64置きに周方向に等間隔で配置されている。
圧入凸部82a,82bを形成することにより、ステータコア20(コア本体21)に各インシュレータ61,62を装着する際に圧入となる。このため、ステータコア20から各インシュレータ61,62を抜けにくくできる。
また、1つのティース被覆部64置きに一対の圧入凸部82a,82bが周方向に等間隔で配置されているので、治具93によって、各圧入凸部82a,82bを均等に押圧することができる。さらに、ステータコア20(コア本体21)に圧入凸部82a,82bを押し込む際に生じる第1インシュレータ61の僅かな変形を、圧入凸部82a,82bが形成されていないティース被覆部64及びこのティース被覆部64の周辺に均等に分散できる。この結果、各インシュレータ61,62のいびつな変形を抑制できる。
しかも、例えば治具93を用いて各インシュレータ61,62を押圧する際、一部の異形状箇所であるコイル引出部77を避けて治具93で押圧する形になる(図13参照)。このため、コイル引出部77が配置された特定ティース22Aを避けて圧入凸部82a,82bを形成することにより、治具93によって各圧入凸部82a,82bを均等に押圧できる。よって、ステータコア20(コア本体21)に各インシュレータ61,62を確実に装着できる。
インシュレータ26を樹脂成形する際に利用されるピン当接凹部76は、傾斜部75の径方向中央75cよりもピン当接凹部76の中心76cの位置が径方向内側に位置している。また、ピン当接凹部76は、傾斜部75上に収まるように形成されている。ピン当接凹部76は径方向内側に配置されているので、径方向外側に配置される場合と比較して直径が小さくなる。この結果、傾斜部75の径方向中央75cよりもピン当接凹部76の中心76cの位置が径方向外側に位置する場合と比較して、傾斜部75に沿ってコイル24がスムーズにティース22の根本に向かってずり落ちる。すなわち、傾斜部75に沿ってコイル24を一方向に寄らす際に、ピン当接凹部76がコイル24の移動を阻害してしまうことを防止できる。このため、傾斜部75に隙間なくコイル24を配置することができる。
時計回りCWに引き回されたコイル24が引き込まれる引き込みスリット68は、軸方向からみて、側面被覆部直線Lと第1側辺68aとの間の幅W1がコイル24の線径Dよりも小さくなるように配置されている。このため、時計回りCWに引き回されたコイル24は、引き込みスリット68を介してティース被覆部64側に引き込まれた後、僅かに折り返す形で側面被覆部直線L上のティース側面被覆部72に沿いながらティース被覆部64上に巻き進められる。したがって、ティース22の根本において、ティース被覆部64上でコイル24が巻き締められる。これらティース被覆部64とコイル24との間に隙間が生じてしまうことを極力抑えることができる。よって、ティース22の根本において、インシュレータ26とコイル24とを確実に密着させることができ、コイル24の占積率を向上できる。
反時計回りCCWに引き回されたコイル24が引き込まれる引き込みスリット68は、軸方向からみて、側面被覆部直線Lと第2側辺68bとの間の幅W2がコイル24の線径Dよりも大きくなるように配置されている。このため、反時計回りCCWに引き回されたコイル24は、引き込みスリット68を介してティース被覆部64側に引き込まれた後、ティース端面被覆部71を乗り上げる形で側面被覆部直線L上のティース側面被覆部72に沿いながらティース被覆部64上に巻き進められる。したがって、ティース22の根本において、ティース被覆部64上でコイル24が巻き締められる。これらティース被覆部64とコイル24との間に隙間が生じてしまうことを極力抑えることができる。よって、ティース22の根本において、インシュレータ26とコイル24とを確実に密着させることができ、コイル24の占積率を向上できる。
引き出しスリット69は、ティース被覆部64の周方向中央C2と回転軸線C1とを通る第1直線Ld1と、ティース22における鍔部29の周方向端部と回転軸線C1とを通る第2直線Ld2との間の領域Arに配置されている。このため、引き出しスリット69を介してティース22に巻回後のコイル24を径方向外側に引き出す際に、この引き出されるコイル24と巻回されたコイル24との間が大きく離間してしまうことを抑制できる。よって、ティース22に巻回されるコイル24を確実に巻き締めてコイル24の占積率を向上できる。
コイル24の占積率を向上することにより、電動モータ2のトルク性能を向上できる。このため、電動モータ2を駆動する際の消費エネルギーを抑えることができる。したがって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」に貢献することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、図22、図23に基づいて、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図22は、第2実施形態における第1インシュレータ261のティース被覆部264を軸方向からみた平面図である。図23は、図22のXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
本第2実施形態において、ステータ8は、中心軸が回転軸線C1と一致する円筒状のステータコア20と、ステータコア20に装着されるインシュレータ26と、ステータコア20にインシュレータ26の上から巻回される3相(U相、V相、W相)構造の複数のコイル24と、を備える点、インシュレータ26は、ステータコア20の軸方向一方側から装着される第1インシュレータ261と、ステータコア20の軸方向他方側から装着される第2インシュレータ62と、を備える点、等の基本的構成は、前述の第1実施形態と同様である。
なお、前述の第1実施形態と同様に、第2実施形態における第2インシュレータ62の基本的構成は、ステータコア20の軸方向中央(上下方向中央)を中心に第1インシュレータ261とは線対称な構成である。このため、第2実施形態における第2インシュレータ62は、前述の第1実施形態と同一符号として説明を省略する。
図22、図23に示すように、前述の第1実施形態と本第2実施形態との相違点は、第1実施形態におけるティース端面被覆部71の形状と、第2実施形態におけるティース端面被覆部271の形状と、が異なる点にある。
より具体的には、第2実施形態のティース端面被覆部271の表面271aには、ティース端面被覆部271の径方向中央271cよりも径方向外側に形成された傾斜部275aと、ティース端面被覆部271の径方向中央271cよりも径方向内側に形成された非傾斜部275bと、が設けられている。傾斜部275aは、ティース本体28の軸方向端面からの高さが径方向外側に向かうに従って漸次低くなるように傾斜している。非傾斜部275bは、ティース本体28の軸方向端面と平行に形成されている。
また、ティース端面被覆部271の表面271aには、ピン当接凹部276が形成されている。ピン当接凹部276は、第1インシュレータ61の樹脂成形時に図示しない樹脂成型機のエジェクタピンが当接する箇所である。
ピン当接凹部276の中心276cは、ティース端面被覆部271の径方向中央271cよりも僅かに径方向外側に位置している。ピン当接凹部276の直径は、第1実施形態のピン当接凹部76の直径よりも大きい。
また、ティース端面被覆部271におけるティース本体28側の裏面271bには、傾斜部275aの形状に対応するように形成された傾斜部平行部295と、ティース本体28の軸方向端面と平行に形成されたティース平行部296と、ティース本体28の軸方向端面と当接する当接部297が設けられている。このため、傾斜部275aの肉厚T4、非傾斜部275bの肉厚T5、そしてピン当接凹部276の肉厚T6はそれぞれ一定である。さらに、ティース端面被覆部71の全体の肉厚が一定である。また、傾斜部275aの傾斜角度θ2は、45°よりも小さい。
したがって、上述の第2実施形態によれば、傾斜部275aにおいて、前述の第1実施形態と同様の効果を奏する。また、ティース端面被覆部271の全体の肉厚が一定であるので、各インシュレータ261,62を樹脂成形する際に熱ヒケ等による成形性の悪化を抑制できる。各インシュレータ261,62の樹脂成形精度を向上できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、減速機付きモータ1は、例えば、車両のワイパー装置の駆動源として用いられる場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、さまざまな駆動装置として減速機付きモータ1を適用できる。また、減速機付きモータ1のうち、上述の構成を備えた電動モータ2のみを、さまざまな電気機器に採用してもよい。
上述の第2実施形態では、非傾斜部275bがティース本体28の軸方向端面と平行に形成されている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、非傾斜部275bを、傾斜部275aの傾斜角度θ2よりも小さい角度で傾斜するように形成してもよい。
上述の実施形態では、傾斜部75,275aは、ティース本体28の軸方向端面からの高さが径方向外側に向かうに従って漸次低くなるように傾斜している場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、ティース22の突出方向に応じて傾斜部75,275aの傾斜方向を変化させてもよい。つまり、ティース22を径方向外側に向かって突出させる場合、ティース22の根本は、ティース22の先端よりも径方向内側に位置する。このような場合、傾斜部75,275aにおけるティース本体28の軸方向端面からの高さを、径方向内側に向かうに従って漸次低くなるように傾斜させてもよい。
上述の実施形態では、ステータ8のコイル24は、3相(U相、V相、W相)構造である場合について説明した。しかしながら、コイル24の相数は3相に限られるものではない。
1…減速機付きモータ、2…電動モータ、3…減速部、4…コントローラ、5…モータケース、6…第1モータケース、6a,7a…開口部、7…第2モータケース、8…ステータ、9…ロータ、10…底部、10a…貫通孔、11…コネクタ、16…外フランジ部、17…外フランジ部、20…ステータコア、20p…電磁鋼板、21…コア本体、22…ティース、22A…特定ティース、23…固定部、23a…ボルト挿通孔、24…コイル、24a…端末部、25…ボルト、26…インシュレータ、27…スロット、28…ティース本体、28a…ティース先端部、29…鍔部、31…シャフト、32…ロータコア、32a…マグネットカバー、40…ギアケース、40a…開口部、40b…側壁、40c…底壁、41…ウォーム減速機構、42…ギア収容部、43…開口部、44…ウォーム軸、45…ウォームホイール、46,47…軸受、48…出力軸、48a…スプライン、49…軸受ボス、50…磁気検出素子、51…コントローラ基板、52…リブ、53…カバー、61,261…第1インシュレータ、62…第2インシュレータ、63…コア本体被覆部、64…ティース被覆部、64A…特定ティース被覆部、65…コア端面被覆部、65a…下面、65b…上面、66…コア側面被覆部、67…外壁部、68…引き込みスリット、68a…第1側辺、68b…第2側辺、69…引き出しスリット、71,271…ティース端面被覆部、71a,271a…表面、71b,271b…裏面、271c…ティース端面被覆部の径方向中央、72…ティース側面被覆部、73…鍔側面被覆部、74…内壁部、75,275a…傾斜部、275b…非傾斜部、75c…傾斜部の径方向中央、76…ピン当接凹部(凹部)、76c,276c…ピン当接凹部の中心、77…コイル引出部、78…コイル案内凹部、78a…コイル保持爪、79…スカート部、79a…先端部(スカート先端部)、79b…平坦部、79c…内側面、79d…外側面、80…微小段差部、81…凹部、82a,82b…圧入凸部、83…外壁部、85…端子ホルダ、86…端子、87…ホルダ本体、87a…端子収納凹部、88…カバー部、88a…端面カバー部、88b…外周カバー部、88c…切除部、90,290…金型、91,291…上型、92,292…下型、93…治具、93a…平面取り部、95,295…傾斜部平行部(窪み部)、96,296…ティース平行部(窪み部)、97,297…当接部、Ar…領域、D…線径、T1,T2,T3,T4,T5,T6…肉厚、W1,W2…幅、θ1,θ2…傾斜角度

Claims (11)

  1. 環状のコア本体及び前記コア本体から径方向に沿って突出される複数のティースに装着され、前記ティースと前記ティースに巻回されるコイルとの絶縁を図るためのインシュレータであって、
    前記ティースの軸方向端面を覆うティース端面被覆部を有し、
    前記ティース端面被覆部は、
    前記ティース端面被覆部の前記ティースとは反対側の面に設けられ、前記ティースの軸方向端面からの高さが径方向に沿って漸次変化するように傾斜する傾斜部と、
    前記ティース端面被覆部の前記ティース側の面に設けられ、前記ティースの軸方向端面から離間する方向に窪んだ窪み部と、を有する
    ことを特徴とするインシュレータ。
  2. 前記ティースは、前記コア本体の内側面から径方向内側に向かって突出しており、
    前記傾斜部は、前記ティースの軸方向端面からの高さが径方向外側に向かうに従って漸次低くなるように傾斜する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインシュレータ。
  3. 前記窪み部は、
    前記傾斜部と平行に設けられた傾斜部平行部と、
    前記ティースの軸方向端面と平行に設けられたティース平行部と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインシュレータ。
  4. 前記ティース平行部は、前記傾斜部平行部よりも前記ティースの径方向内側に配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のインシュレータ。
  5. 前記コア本体の軸方向端面を覆うコア端面被覆部と、
    前記コア本体の内周面を覆うコア側面被覆部と、
    前記ティースの径方向に沿って延びるティース本体の周方向側面を覆うティース側面被覆部と、
    径方向で前記ティース本体の前記コア本体とは反対側のティース先端部に一体成形され周方向に延びる鍔部の外周面を覆う鍔側面被覆部と、
    を有し、
    前記コア側面被覆部と前記ティース側面被覆部と前記鍔側面被覆部とが連なって形成されてなるスカート部の前記コア端面被覆部とは反対側のスカート先端部は、前記コア端面被覆部からの突出高さが周方向に沿って漸次変化するように斜めに形成されており、
    前記スカート部は、前記スカート先端部のうちの前記突出高さが最も低い箇所に形成され、前記コア端面被覆部と平行な平坦部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインシュレータ。
  6. 前記コア本体の軸方向端面を覆うコア端面被覆部と、
    前記コア本体の内周面を覆うコア側面被覆部と、
    前記ティースの径方向に沿って延びるティース本体の周方向側面を覆うティース側面被覆部と、
    径方向で前記ティース本体の前記コア本体とは反対側のティース先端部に一体成形され周方向に延びる鍔部の外周面を覆う鍔側面被覆部と、
    前記コア端面被覆部に形成され、かつ複数の前記ティースのうちの1つの特定ティースの根本に集約して配置され、前記コイルの端末部が引き出されるコイル引出部と、
    前記コア側面被覆部の前記ティース側面被覆部寄りに形成され、前記コア本体に前記コア側面被覆部を圧入するための一対の圧入凸部と、
    を有し、
    前記一対の圧入凸部は、前記特定ティースを除いた複数の前記ティースで、かつ周方向で少なくとも1つ置きの前記ティースに対応する位置に、周方向に等間隔で配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインシュレータ。
  7. 樹脂成形品からなり、
    前記傾斜部における前記ティースの軸方向端面とは反対側の表面上に収まるように形成され、樹脂成型機のエジェクタピンが突き当たる凹部を有し、
    前記凹部の中心は、前記傾斜部の径方向中央よりも径方向内側に位置している
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインシュレータ。
  8. 前記窪み部は、
    前記傾斜部と平行に設けられた傾斜部平行部と、
    前記ティースの軸方向端面と平行に設けられたティース平行部と、
    を備え、
    前記ティースの軸方向から見て、前記傾斜部平行部と前記ティース平行部との境界線は、前記凹部の外周の一部に沿って配置されていることを特徴とする請求項7に記載のインシュレータ。
  9. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインシュレータと、
    前記インシュレータが装着される環状のコア本体及び前記コア本体の内周面から径方向内側に向かって突出されたティースと、
    前記コア本体に沿って引き回されながら前記ティースに前記インシュレータを介して巻回されるコイルと、
    を備え、
    前記インシュレータは、
    前記ティースの径方向に沿って延びるティース本体の周方向側面を覆うティース側面被覆部と、
    前記傾斜部の径方向外側端から軸方向に沿うように突出形成された外壁部と、
    前記傾斜部の径方向内側端から軸方向に沿うように突出形成された内壁部と、
    を有し、
    前記外壁部は、前記ティース毎に1つ形成され前記外壁部の径方向外側から径方向内側へと前記コイルを引き込むための引き込みスリットを有し、
    前記引き込みスリットの周方向で対向する第1側辺及び第2側辺は、軸方向からみて前記ティース側面被覆部を通る側面被覆部直線を挟んで両側に配置されており、
    対応する前記ティースの根本を跨ぐようにして引き回されて前記引き込みスリットに前記コイルが引き込まれる場合、軸方向からみて、前記側面被覆部直線と前記第1側辺との間の幅は、前記コイルの線径よりも小さく、
    対応する前記ティースとは逆方向から引き回されて前記引き込みスリットに前記コイルが引き込まれる場合、軸方向からみて、前記側面被覆部直線と前記第2側辺との間の幅は、前記コイルの線径よりも大きい
    ことを特徴とするステータ。
  10. 前記ティースは、
    前記ティース本体と、
    前記ティース本体の前記コア本体とは反対側のティース先端部に一体成形され周方向に延びる鍔部と、
    を有し、
    前記外壁部は、前記ティース毎に1つ形成され前記外壁部の径方向内側から径方向外側へと前記コイルを引き出すための引き出しスリットを有し、
    前記引き出しスリットは、対応する前記ティース本体の周方向中央を挟んで前記引き込みスリットとは反対側に配置され、かつ前記ティース本体の周方向中央と前記コア本体の径方向中央とを通る第1直線と前記鍔部の周方向端部と前記コア本体の径方向中央とを通る第2直線との間の領域に配置されている
    ことを特徴とする請求項9に記載のステータ。
  11. 請求項9又は請求項10に記載のステータと、
    前記ステータの径方向内側に回転自在に配置されたロータと、
    を備える
    ことを特徴とする電動モータ。
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