JP2022189501A - パルス光整形器およびパルス光発生器 - Google Patents

パルス光整形器およびパルス光発生器 Download PDF

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Abstract

【課題】より高パワーでの使用に適するパルス光整形器を提供する。【解決手段】入力されるパルス光のパルス幅を圧縮して出力するパルス光整形器であって、パルス光が入力される側に位置する高非線形ファイバと、高非線形ファイバから出力されたパルス光が入力される分散ファイバとの対で構成されるファイバ対が2段以上接続されて成り、高非線形ファイバは入力されるパルス光の波長においてゼロ分散または正常分散であり、分散ファイバは入力されるパルス光の波長において高非線形ファイバよりも非線形定数が低くかつ分散の絶対値が高い異常分散であり、2段以上のファイバ対に含まれる2つのファイバ対のうちパルス光が入力される側から遠い第2ファイバ対の分散ファイバの入力されるパルス光の波長における分散の絶対値が、パルス光が入力される側に近い第1ファイバ対の分散ファイバの入力されるパルス光の波長における分散の絶対値の1/2よりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、パルス光整形器およびパルス光発生器に関する。
非線形媒体である高非線形ファイバ(High Non-Linear Fiber:HNLF)と、分散媒体である異常分散ファイバとを交互に組み合わせて構成し、光ソリトンを断熱圧縮するCPF(Comb-like Profiled Fiber)に関しては、これまでに様々な技術開発が行われてきている(特許文献1)。
CPFの特徴は、全長が比較的短いにもかかわらず、高効率で高品質なパルス整形が可能なことである。ここでいう高品質なパルス整形とは、高次ソリトン圧縮の際に生じるような、ペデスタル増大現象や変調不安定利得による著しい雑音増幅現象、およびそれに伴うタイミングジッタ付加が発生しないパルス整形を意味する。
特許第5242014号公報
ところで、近年の光増幅技術の発展に伴い、CPFに入力されるパルス光のピークパワーがより高くなったり、CPFからの出力パワーにより高パワーが求められたりする場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、より高パワーでの使用に適するパルス光整形器およびこれを用いたパルス光発生器を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、入力されるパルス光のパルス幅を圧縮して出力するパルス光整形器であって、前記パルス光が入力される側に位置する高非線形ファイバと、前記高非線形ファイバから出力された前記パルス光が入力される分散ファイバとの対で構成されるファイバ対が2段以上、接続されて成り、前記高非線形ファイバは、前記入力されるパルス光の波長においてゼロ分散または正常分散であり、前記分散ファイバは、前記入力されるパルス光の波長において前記高非線形ファイバよりも非線形定数が低くかつ分散の絶対値が高い異常分散であり、前記2段以上のファイバ対に含まれる2つのファイバ対のうち、前記パルス光が入力される側から遠い第2ファイバ対の前記分散ファイバの、前記入力されるパルス光の波長における分散の絶対値が、前記パルス光が入力される側に近い第1ファイバ対の前記分散ファイバの、前記入力されるパルス光の波長における分散の絶対値の1/2よりも小さい、パルス光整形器である。
前記第1ファイバ対の前記分散ファイバの前記波長における分散が、13.3ps/nm/km以上23ps/nm/km以下であるものでもよい。
前記第1ファイバ対の前記分散ファイバは、ITU-T G.652またはG.654で勧告される規格に準拠する光ファイバであるものでもよい。
前記入力されるパルス光のピークパワーが20W以上であるものでもよい。
前記入力されるパルス光の波長を含む、設計された出力パルス光のパワーの90%を含む波長範囲において、前記高非線形ファイバの分散が-4ps/nm/km以上0ps/nm/km以下であるものでもよい。
前記入力されるパルス光の波長を含む、設計された出力パルス光のパワーの90%を含む波長範囲において、前記第2ファイバ対の前記分散ファイバの分散の絶対値が、前記第1ファイバ対の分散の絶対値の1/2以下であるものでもよい。
前記高非線形ファイバと前記分散ファイバとの接続損失が0.2dB以下であるものでもよい。
本発明の一態様は、前記パルス光を出力するパルス光源と、前記パルス光整形器と、を備えるパルス光発生器である。
本発明によれは、より高パワーでの使用に適するパルス光整形器およびこれを用いたパルス光発生器を実現できるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係るパルス光発生器の模式的な構成図である。 図2は、計算例1における各光ファイバの光学特性を示す図である。 図3は、計算例1における各光ファイバの長さ、総長、パルス光の特性などを示す図である。 図4は、計算例1における異なる入力ピークパワーに対するパルス波形を示す図である。 図5は、計算例1における異なる入力ピークパワーに対するパルス波形を示す図である。 図6は、計算例1における入力ピークパワーと出力ピークパワーとの関係を示す図である。 図7は、計算例1における入力ピークパワーとピークパワー拡大率との関係を示す図である。 図8は、計算例1における入力ピークパワーと出力パルス幅との関係を示す図である。 図9は、計算例2における各光ファイバの光学特性を示す図である。 図10は、計算例2における各光ファイバの長さ、総長、パルス光の特性を示す図である。 図11は、計算例2における入力ピークパワーと出力ピークパワーとの関係を示す図である。 図12は、計算例2における入力ピークパワーとピークパワー拡大率との関係を示す図である。 図13は、計算例2における入力ピークパワーと出力パルス幅との関係を示す図である。 図14は、計算例2における入力ピークパワーと第1分散ファイバの長さとの関係を示す図である。 図15は、計算例3における第2分散ファイバの分散と出力パルスの特性との関係を示す図である。 図16は、計算例3における第2分散ファイバの分散と出力ピークパワーとの関係を示す図である。 図17は、計算例3における第2分散ファイバの分散と出力パルス幅との関係を示す図である。 図18は、計算例3における第2分散ファイバの分散と長さとの関係を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する構成要素には適宜同一の符号を付している。また、本明細書においては、カットオフ波長または実効カットオフ波長とは、国際通信連合(ITU)のITU-T G.650.1で定義するケーブルカットオフ波長(λcc)をいう。また、その他、本明細書で特に定義しない用語についてはG.650.1およびG.650.2における定義、測定方法に従うものとする。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るパルス光発生器の模式的な構成図である。パルス光発生器100は、パルス光源10と、パルス光整形器20とを備えている。
パルス光源10は、パルス光L1を出力する。パルス光源10は、たとえば、パルスレーザ光源や、連続波(CW)のレーザ光源と強度変調器と変調信号発生器とを組み合わせた公知の構成のものでよい。
パルス光整形器20は、入力されるパルス光L1のパルス幅を圧縮し、パルス光L2として出力する。パルス光整形器20は、ファイバ対21、・・・、2nが接続されて成る。ここで、nは2以上の整数である。ファイバ対21、・・・、2nは、2段以上接続されたファイバ対の一例である。
ファイバ対21は、パルス光L1が入力される側に位置する高非線形ファイバ21-1と、高非線形ファイバ21-1から出力されたパルス光が入力される分散ファイバ21-2との対で構成される。ファイバ対21は、2段以上のファイバ対に含まれる2つのファイバ対のうち、パルス光L1が入力される側から近い第1ファイバ対の一例である。
ファイバ対2nは、パルス光L1が入力される側に位置する高非線形ファイバ2n-1と、高非線形ファイバ2n-1から出力されたパルス光が入力される分散ファイバ2n-2との対で構成される。ファイバ対2nは、2段以上のファイバ対に含まれる2つのファイバ対のうち、パルス光が入力される側から遠い第2ファイバ対の一例である。
高非線形ファイバ21-1、2n-1は、非線形定数γ[W-1km-1]が比較的高いファイバである。γは好ましくは8W-1km-1以上の値である。また、高非線形ファイバ21-1、2n-1は、入力されるパルス光L1の波長においてゼロ分散または正常分散であり、その分散は、入力されるパルス光L1の波長においてたとえば-4ps/nm/km以上0ps/nm/km以下である。
また、パルス光L1のパルス幅が圧縮して出力されたパルス光L2のパワースペクトルは、パルス光L1の波長を含むパワースペクトル幅よりも拡大する。この場合、高非線形ファイバ21-1、2n-1の分散は、パルス光L2のパワースペクトルに応じた波長範囲で所定の範囲であることが、理想的なパルス圧縮の点から好ましい。具体例としては、高非線形ファイバ21-1、2n-1の分散は、入力されるパルス光L1の波長を略中心に含む波長範囲であって、設計された出力パルス光のパワーの90%を含む波長範囲において、-4ps/nm/km以上0ps/nm/km以下であることが好ましい。また、高非線形ファイバ21-1、2n-1は分散スロープの絶対値が小さいことが好ましい。分散スロープの絶対値が小さければ、より広い波長範囲にて、所定の分散の範囲が満たされるからである。
ここで、「設計された出力パルス光」とは、目標とするパルス幅となるように設計された出力パルス光を意味する。チャープのないフーリエ限界パルスであるパルス光では、パルス幅(半値全幅)Δtとパワースペクトルの周波数幅(半値全幅)Δνとの積が一定値になるという関係式がある。たとえば、Gauss型パルスの場合はΔt×Δν=0.411であり、sech型パルスの場合はΔt×Δν=0.315である。そこで、目標とするパルス幅をΔtとし、このΔtと出力パルス光のスペクトル分布形状とに応じてフーリエ限界パルスとしての出力パルス光のパワースペクトルの周波数幅を求め、さらに波長幅を求め、その波長幅に基づいて、高非線形ファイバ21-1、2n-1の分散を、出力パルス光のパワーの90%を含む波長範囲において、-4ps/nm/km以上0ps/nm/km以下とすることが好ましい。なお、Gauss型パルスの場合、偏差値σに対して半値全幅は2.35σであり、パワーの90%を含む範囲は3.3σである。したがって、出力パルス光のパワーの90%を含む波長範囲とは、波長の半値全幅を3.3/2.35=約1.4倍した値である。また、sech型パルスの場合、パワーの90%を含む範囲は半値全幅の1.4倍程度である。したがって、出力パルス光のパワーの90%を含む波長範囲とは、波長の半値全幅を約1.4倍した値であり、少なくとも2倍よりも小さい。
また、高非線形ファイバ21-1、2n-1は、入力されるパルス光L1の波長においてシングルモードファイバであることが好ましい。したがって、高非線形ファイバ21-1、2n-1のカットオフ波長は、入力されるパルス光L1の波長以下であることが好ましい。
分散ファイバ21-2、2n-2は、入力されるパルス光L1の波長において高非線形ファイバ21-1、2n-1よりも非線形定数γが低い。γはたとえば4W-1km-1より小さい。
また、分散ファイバ21-2、2n-2は、入力されるパルス光L1の波長において分散の絶対値が高い異常分散である。
ここで、ファイバ対2n(第2ファイバ対の一例)の分散ファイバ2n-2の、入力されるパルス光L1の波長における分散の絶対値は、ファイバ対21(第1ファイバ対の一例)の分散ファイバ21-2の、入力されるパルス光L1の波長における分散の絶対値の1/2よりも小さい。これにより、分散ファイバ21-2にて好適にソリトン圧縮を発生させつつ、分散ファイバ2n-2でも好適にソリトン圧縮を発生させることができるので、好適にパルス圧縮を実現することができる。
なお、パルス光L1の波長における分散ファイバ2n-2の分散の絶対値が分散ファイバ21-2の分散の絶対値の1/2以上の場合、分散ファイバ2n-2でもソリトン圧縮を発生させるためには、非線形性と分散とのバランスを取るために分散ファイバ2n-2を短くしなければならず、適正な長さ(ファイバ長)に精度良く調整することが困難になる。特に、パルス光L1のピークパワー高いほど、分散ファイバ2n-2の長さをより短くしなければならないので、調整はより困難である。
また、高非線形ファイバ21-1、2n-1の場合と同様に、パルス光L1の波長を略中心に含む波長範囲であって、設計された出力パルス光のパワーの90%を含む波長範囲において、分散ファイバ2n-2の分散の絶対値が、分散ファイバ21-2の分散の絶対値の1/2以下であることが好ましい。また、分散ファイバ21-2、2n-2は分散スロープの絶対値が小さいことが好ましい。
入力されるパルス光L1の波長における分散ファイバ21-2の分散は、たとえば13.3ps/nm/km以上23ps/nm/km以下である。このような分散ファイバ21-2としては、ITU-T G.652またはG.654で勧告される規格に準拠する光ファイバを利用できる。ITU-T G.652またはG.654で勧告される規格に準拠する光ファイバは、標準シングルモードファイバ(SMF)と呼ばれる場合がある。
入力されるパルス光L1の波長における分散ファイバ2n-2の分散は、たとえば11.5ps/nm/km以下である。入力されるパルス光L1の波長が1.55μm帯にある場合、このような分散ファイバ2n-2としては、たとえば分散シフトファイバと呼ばれる光ファイバを利用できる。分散シフトファイバとは、1.55μm帯に零分散波長をシフトさせたシングルモードの光ファイバである。
また、分散ファイバ21-2、2n-2は、入力されるパルス光L1の波長においてシングルモードファイバであることが好ましい。したがって、分散ファイバ21-2、2n-2のカットオフ波長は、入力されるパルス光L1の波長以下であることが好ましい。
また、高非線形ファイバと分散ファイバとの接続損失は、光エネルギー損失の低減の観点から、0.2dB以下であることが好ましい。0.2dB以下の接続損失は、たとえばTEC(Thermally Expanded Core)融着によって実現できる。
(計算例)
以下、シミュレーション計算による計算例を用いて本実施形態の効果について説明する。計算例は、n=2の場合、すなわち、パルス光整形器20が、ファイバ対が2段接続された構成の場合である。
(計算例1)
図2は、計算例1における各光ファイバの光学特性を示す図である。なお、「分散」、「分散スロープ」、「分散スロープの傾き」、「非線形定数」、「ラマン定数」、「伝搬損失」は、いずれも波長1550nmでの値である。また、「HNLF」は、高非線形ファイバ21-1、2n-1を意味し、「1st dispersion fiber」は、分散ファイバ21-2を意味し、「2nd dispersion fiber」は、分散ファイバ2n-2を意味する。
計算例1では、分散ファイバ2n-2の分散は4.23ps/nm/kmであり、分散ファイバ21-2の分散である16.3945ps/nm/kmの1/2より小さい。
図3は、計算例1における各光ファイバの長さ、総長、パルス光の特性などを示す図である。「Input peak power」は、パルス光L1のピークパワーすなわちパルス光整形器20への入力ピークパワーを意味する。パルス光L1は、波長が1550nm、パルス幅が4psのGauss型パルスとし、入力ピークパワーは2Wから100Wまで変化させた。「1st stage」、「2nd stage」は、それぞれ、1段目であるファイバ対21、2段目であるファイバ対2nを意味する。「HNLF length」は、高非線形ファイバ21-1または2n-1の長さを意味し、「1st dispersion fiber length」は、分散ファイバ21-2の長さを意味し、「2nd dispersion fiber length」は、分散ファイバ21-2の長さを意味する。なお、高非線形ファイバ21-1の長さ、高非線形ファイバ2n-1の長さは、出力ピークパワーに対するペデスタル成分のピークパワーの割合が10%以下となるように最適化した長さである。また、分散ファイバ21-2の長さ、および分散ファイバ2n-2の長さは、その直前の高非線形ファイバで発生した周波数チャープがゼロとなるように最適化した長さである。
「Output peak power」は、パルス光L2のピークパワーすなわちパルス光整形器20からの出力ピークパワーを意味する。「ピークパワー拡大率」は、(出力ピークパワー)/(入力ピークパワー)を意味する。「総長」は、高非線形ファイバ21-1の長さ、高非線形ファイバ2n-1の長さ、分散ファイバ21-2の長さ、および分散ファイバ21-2の長さの総和を意味する。「出力パルス幅」は、パルス光L2のパルス幅すなわちパルス光整形器20からの出力パルスのパルス幅を意味する。
図4、5は、計算例1における異なる入力ピークパワーに対するパルス波形を示す図である。図4(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、入力ピークパワーが60W、50W、40W、30Wの場合を示し、図5(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、入力ピークパワーが20W、10W、5W、2Wの場合を示す。また、凡例において、「入力パルス」とは、パルス光L1のパルス波形であり、「1段目出力」とは、ファイバ対21から出力されファイバ対2nに入力されるパルス光のパルス波形であり、「2段目出力」とは、パルス光L2のパルス波形である。
図3~5に示すように、計算例1では、入力ピークパワーが10Wから出力ピークパワーおよびピークパワー拡大率が顕著に増加するとともに出力パルス幅が顕著に圧縮され、入力ピークパワーが20Wからは出力ピークパワーおよびピークパワー拡大率がさらに顕著に増加するとともに出力パルス幅がさらに顕著に圧縮されることが確認された。したがって、計算例1の場合は、入力ピークパワーが10W以上であれば出力ピークパワーの増大およびパルス圧縮の効果が顕著に現れ、20W以上であれば出力ピークパワーの増大およびパルス圧縮の効果がより顕著に現れることが確認された。
図6は、計算例1における入力ピークパワーと出力ピークパワーとの関係を示す図であり、図3に示す値をグラフ化したものである。図6では、破線は、出力ピークパワーが、顕著に増加した後に入力ピークパワーに対して略線形に増加する領域にて、データ点にフィットする直線を、出力ピークパワーがゼロである軸線まで延長した線である。破線と軸線との交点における入力ピークパワーは約10Wであった。図6からも、出力ピークパワーの増大の顕著な効果が約10Wから現れ、20W以上であればより顕著に効果が発揮されることが確認された。
図7は、計算例1における入力ピークパワーとピークパワー拡大率との関係を示す図である。図8は、計算例1における入力ピークパワーと出力パルス幅との関係を示す図である。図7、8はいずれも、図3に示す値をグラフ化したものである。図7、8からも、入力ピークパワーが20W以上であればより顕著に出力ピークパワーの増大およびパルス圧縮の効果が発揮されることが確認された。たとえば、図7によれば、ピークパワー拡大率は、入力ピークパワーが約20Wまでは顕著に増加するが、その後は増加が鈍化し、100W程度で十分に飽和する。同様に、図8によれば、出力パルス幅は、入力ピークパワーが約20Wまでは顕著に圧縮するが、その後は圧縮が鈍化し、100W程度で十分に飽和する。
(計算例2)
つぎに、計算例2について説明する。計算例2は、計算例1とは、分散ファイバ21-2の特性が異なる。
図9は、計算例2における各光ファイバの光学特性を示す図である。計算例1では、分散ファイバ2n-2の分散の値は4.23ps/nm/kmであり、分散ファイバ21-2の分散の値である21.7ps/nm/kmの1/2より小さい。
図10は、計算例2における各光ファイバの長さ、総長、パルス光の特性などを示す図である。パルス光L1は、波長が1550nm、パルス幅が4psのGauss型パルスとし、入力ピークパワーは5Wから100Wまで変化させた。なお、高非線形ファイバ21-1の長さ、高非線形ファイバ2n-1の長さ、分散ファイバ21-2の長さ、および分散ファイバ21-2の長さは、それぞれの入力ピークパワーにおいて出力ピークパワーが最大になるように最適化した長さである。
図10に示すように、計算例2では、入力ピークパワーが20Wから出力ピークパワーおよびピークパワー拡大率が顕著に増加するとともに出力パルス幅が顕著に圧縮されることが確認された。したがって、計算例2の場合は、入力ピークパワーが20W以上であれば出力ピークパワーの増大およびパルス圧縮の効果がより顕著に表れることが確認された。
図11は、計算例1における入力ピークパワーと出力ピークパワーとの関係を示す図であり、図10に示す値をグラフ化したものである。図11では、破線は、出力ピークパワーが、顕著に増加した後に入力ピークパワーに対して略線形に増加する領域にて、データ点にフィットする直線を、出力ピークパワーがゼロである軸線まで延長した線である。破線と軸線との交点における入力ピークパワーは約20Wであった。図11からも、出力ピークパワーの増大の顕著な効果が約20Wから現れることが確認された。
図12は、計算例2における入力ピークパワーとピークパワー拡大率との関係を示す図である。図13は、計算例2における入力ピークパワーと出力パルス幅との関係を示す図である。図12、13はいずれも、図10に示す値をグラフ化したものである。図12、13からも、入力ピークパワーが20W以上であれば顕著に出力ピークパワーの増大およびパルス圧縮の効果が発揮されることが確認された。
次に、図14は、入力ピークパワーと第1分散ファイバ(分散ファイバ21-2)の長さとの関係を示す図である。図14に示すように、分散ファイバ21-2の長さは、入力ピークパワーが20Wまでは入力ピークパワーの増加につれて増加するが、20W以上では入力ピークパワーの増加につれて減少する。このことは、入力ピークパワーが20Wまでは、分散ファイバ21-2では主に分散補償の効果がパルス圧縮に対して効いているのに対して、入力ピークパワーが20W以上では、その高ピークパワーのために、分散ファイバ21-2の非線形性が寄与してソリトン圧縮が起こっているので、ピークパワーの増大に従う長さの減少が起こっていると考えられる。
(計算例3)
つぎに、計算例3として、計算例1における第2分散ファイバ(分散ファイバ2n-2)の分散の値を変化させて、出力パルスの特性を調べた。なお、分散ファイバ2n-2の長さについては、変化させた各分散値に合わせて、出力パルス幅が最少になるように最適化した。なお、その他の高非線形ファイバ21-1の長さ、高非線形ファイバ2n-1の長さ、分散ファイバ21-2の長さは、それぞれ、図3に示す入力ピークパワーが50Wの場合の長さ、すなわち、それぞれ、5m、37m、0.55mに固定した。
図15は、計算例3における第2分散ファイバ(分散ファイバ2n-2)の分散と出力パルスの特性との関係を示す図である。「Dispersion」は、分散ファイバ2n-2の波長1550nmでの分散を意味し、「fiber length」は、分散ファイバ2n-2の長さを意味し、「Peak Power」は、出力ピークパワーを意味し、「Pulse Width」は、出力パルス幅を意味する。
図16は、計算例3における第2分散ファイバ(分散ファイバ2n-2)の分散と出力ピークパワーとの関係を示す図である。図17は、計算例3における第2分散ファイバ(分散ファイバ2n-2)の分散と出力パルス幅との関係を示す図である。図16、17はいずれも、図15に示す値をグラフ化したものである。
図15~17に示すように、分散ファイバ2n-2の分散が小さいほど出力ピークパワーが高く、出力パルス幅が短いことが確認された。特に、分散ファイバ2n-2の分散が分散ファイバ21-2の分散である16.3945ps/nm/kmの1/2より小さい8ps/nm/kmの場合、分散ファイバ2n-2の分散が分散ファイバ21-2の分散と同程度の16ps/nm/kmの場合よりも、出力ピークパワーとしては(1674.8W/1159.6W)=1.44、つまり140%以上増加し、出力パルス幅としては(100.2fs/64.7fs)=1.55、つまり150%以上圧縮された。
また、図18は、計算例3における第2分散ファイバの分散と長さとの関係を示す図である。図18は、図15に示す値をグラフ化したものである。図18に示すように、分散ファイバ2n-2の分散が小さいほど長さが長いことが確認された。特に、分散ファイバ2n-2の分散が分散ファイバ21-2の分散である16.3945ps/nm/kmの1/2より小さい8ps/nm/kmの場合、長さは1m程度となり、分散ファイバ2n-2の分散が分散ファイバ21-2の分散と同程度の16ps/nm/kmの場合の0.59mよりも長くなった。
なお、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
10 :パルス光源
21、2n :ファイバ対
21-1、2n-1 :高非線形ファイバ
21-2、2n-2 :分散ファイバ
20 :パルス光整形器
100 :パルス光発生器
L1 :パルス光
L2 :パルス光

Claims (8)

  1. 入力されるパルス光のパルス幅を圧縮して出力するパルス光整形器であって、
    前記パルス光が入力される側に位置する高非線形ファイバと、前記高非線形ファイバから出力された前記パルス光が入力される分散ファイバとの対で構成されるファイバ対が2段以上、接続されて成り、
    前記高非線形ファイバは、前記入力されるパルス光の波長においてゼロ分散または正常分散であり、
    前記分散ファイバは、前記入力されるパルス光の波長において前記高非線形ファイバよりも非線形定数が低くかつ分散の絶対値が高い異常分散であり、
    前記2段以上のファイバ対に含まれる2つのファイバ対のうち、前記パルス光が入力される側から遠い第2ファイバ対の前記分散ファイバの、前記入力されるパルス光の波長における分散の絶対値が、前記パルス光が入力される側に近い第1ファイバ対の前記分散ファイバの、前記入力されるパルス光の波長における分散の絶対値の1/2よりも小さい
    パルス光整形器。
  2. 前記第1ファイバ対の前記分散ファイバの前記波長における分散が、13.3ps/nm/km以上23ps/nm/km以下である
    請求項1に記載のパルス光整形器。
  3. 前記第1ファイバ対の前記分散ファイバは、ITU-T G.652またはG.654で勧告される規格に準拠する光ファイバである
    請求項1に記載のパルス光整形器。
  4. 前記入力されるパルス光のピークパワーが20W以上である
    請求項1~3のいずれか一つに記載のパルス光整形器。
  5. 前記入力されるパルス光の波長を含む、設計された出力パルス光のパワーの90%を含む波長範囲において、前記高非線形ファイバの分散が-4ps/nm/km以上0ps/nm/km以下である
    請求項1~4のいずれか一つに記載のパルス光整形器。
  6. 前記入力されるパルス光の波長を含む、設計された出力パルス光のパワーの90%を含む波長範囲において、前記第2ファイバ対の前記分散ファイバの分散の絶対値が、前記第1ファイバ対の分散の絶対値の1/2以下である
    請求項1~5のいずれか一つに記載のパルス光整形器。
  7. 前記高非線形ファイバと前記分散ファイバとの接続損失が0.2dB以下である
    請求項1~6のいずれか一つに記載のパルス光整形器。
  8. 前記パルス光を出力するパルス光源と、
    請求項1~7のいずれか一つに記載のパルス光整形器と、
    を備えるパルス光発生器。
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