JP2022189362A - 工作機械 - Google Patents

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卓史 西本
Takuji Nishimoto
卓也 加尾
Takuya Kao
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Abstract

【課題】工具主軸モータの発熱による工具主軸の熱膨張を抑制して工具主軸の熱変位を防止することにより加工物の加工精度を向上させることができ、さらに、たとえば研削盤に適用した場合に、砥石軸モータやベルト等の汚れに起因する砥石軸モータ等の故障やベルトのスリップを防止しうる工作機械を提供する。【解決手段】工作機械を適用したNC研削盤1は、砥石軸14と、砥石軸モータ15と、砥石軸14および砥石軸モータ15を覆う全体カバー20とを備えている。砥石軸モータ15がモータカバー2によって覆われており、モータカバー2にモータカバー2の内外を通じさせる吸気口3および排気口4が設けられている。モータカバー2の吸気口3と全体カバー20の外部とが吸気ダクト5により通じさせられ、モータカバー2の排気口4と全体カバー20の外部とが排気ダクト6により通じさせられている。【選択図】図1

Description

この発明は、たとえば研削盤として用いられる工作機械に関する。
たとえばNC研削盤10としては、図6および図7に示すように、ベッド11と、ベッド11上に配置された砥石台12と、砥石台12に設けられかつ先端に砥石13を保持する回転自在な砥石軸14(工具主軸)と、砥石軸14を回転させる砥石軸モータ15(工具主軸モータ)と、ベッド11上にZ軸方向に移動自在に配置されたテーブル16と、テーブル16上に配置されかつ加工物Wの一端を保持する工作主軸台17と、テーブル16上に配置されかつ加工物Wの他端を保持する心押し台18と、加工物Wの加工時に研削液を供給する研削液供給装置19と、砥石台12、砥石軸14、砥石軸モータ15、テーブル16、工作主軸台17、心押し台18および研削液供給装置19を覆う全体カバー20を備えたものが知られている。
上述したNC研削盤10において、砥石軸モータ15は、出力軸151の一端部に取り付けられたプーリ21、砥石軸14に取り付けられたプーリ22および両プーリ21、22に掛けられたベルト23を介して砥石軸14を回転させるモータであり、一般的に砥石台12上にモータベース24を介して砥石軸14の背面に取付けられている。砥石軸モータ15としては、出力軸151の回転により回転させられる自己通風式の冷却ファン25がついたモータが一般的に使用されるが、その砥石軸モータ15には以下の問題点がある。
a.砥石軸モータ15の発熱がモータ冷却ファン25で放出されるため、砥石台12が温められて砥石台12が熱膨張し、砥石軸14が熱変位して加工物Wの寸法精度に影響を与える。
b.砥石軸モータ15のモータ冷却ファン25は、砥石軸モータ15のまわりの研削屑を含んだ研削液ミストを送風するため、砥石軸モータ15やベルト23等が汚れ、砥石軸モータ15等の故障やベルト23のスリップの原因となる。
特に、NC研削盤は、砥石13破損時の飛散防止、クーラント飛散防止、動作部分による挟まれ防止のため、機械全体を覆う全体カバー20が装備されるが、その場合は、全体カバー20で閉ざされた密閉空間となるため、上記a、bの影響がより顕著になる。
たとえば、コラムの前面に昇降移動する軸頭本体を支持し、当該軸頭本体に主軸駆動モータを固定し、防塵等の目的で主軸駆動モータおよび軸頭本体を覆う軸頭カバーを備えた工作機械において、主軸駆動モータの運転時に軸頭が熱変位するのを防止することを目的として、主軸駆動モータに排気ダクトを取り付け、当該排気ダクトの入口を主軸駆動モータの後端部に形成した排気口に連通させ、排気ダクトの出口を軸頭カバーの外部に開口させた工作機械が知られている(特許文献1参照)。
実開平2-35660号公報
しかしながら、図6および図7に示すNC研削盤10において、特許文献1記載の工作機械に基づいて、砥石軸モータ15をモータカバーで覆い、モータカバーに排気ダクトを取り付け、当該排気ダクトの入口を砥石軸モータ15のモータカバーに形成した排気口に連通させ、排気ダクトの出口を全体カバー20の外部に開口させた場合であっても、上記問題点bを解決することはできず、砥石軸モータ15やベルト等の汚れに起因する砥石軸モータ15等の故障やベルトのスリップを防止することはできない。
この発明の目的は、上記課題を解決し、工具主軸モータの発熱による砥石台の熱膨張を抑制して工具主軸の熱変位を防止することにより加工物の加工精度を向上させることができ、さらに、たとえば研削盤に適用した場合に、砥石軸モータやベルト等の汚れに起因する砥石軸モータ等の故障やベルトのスリップを防止しうる工作機械を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)先端に工具を保持する工具主軸と、前記工具主軸を回転させる工具主軸モータと、前記工具主軸および前記工具主軸モータを覆う全体カバーとを備えている工作機械において、
前記工具主軸モータがモータカバーによって覆われており、前記モータカバーに当該モータカバーの内外を通じさせる吸気口および排気口が設けられ、前記モータカバーの前記吸気口と前記全体カバーの外部とが吸気ダクトにより通じさせられ、前記モータカバーの前記排気口と前記全体カバーの外部とが排気ダクトにより通じさせられている工作機械。
2)前記工具主軸モータが、前記モータカバー内に設けられてモータ出力軸の回転により回転する冷却ファンを有する自己冷却式モータからなり、前記冷却ファンの回転によって、前記全体カバーの外部の空気が前記吸気ダクトおよび前記吸気口を通って前記工具主軸モータの前記モータカバー内に送られるとともに、前記排気口および前記排気ダクトを通って前記全体カバーの外部に排出されるようになっている上記1)記載の工作機械。
3)前記モータカバー内において前記工具主軸モータの周囲に放熱フィンが設けられ、前記冷却ファンが前記モータカバー内に設けられた冷却ファンカバーにより覆われており、前記冷却ファンカバーの一端が前記吸気口に通じ、前記冷却ファンの他端が前記工具主軸モータおよび前記放熱フィンに向かって開口しており、前記冷却ファンの回転によって、前記全体カバーの外部の空気が前記吸気ダクトおよび前記吸気口を通って前記冷却ファンカバー内に入り、前記放熱フィンを介して前記工具主軸モータから熱を奪った後、前記排気口および前記排気ダクトを通って前記全体カバーの外部に排出されるようになっている上記2)記載の工作機械。
4)ベッド、前記ベッド上に配置されたテーブル、前記テーブル上に配置されかつ加工物の一端を保持する工作主軸台、前記テーブル上に配置されかつ加工物の他端を保持する心押し台、前記ベッド上に配置された砥石台、前記砥石台に設けられかつ先端に砥石を保持する回転自在な砥石軸を備えており、前記全体カバーが前記テーブル、前記工作主軸台、前記心押し台、前記砥石台および前記砥石軸を覆っており、前記工具主軸モータが前記全体カバー内で前記砥石台上に配置されて前記砥石軸を回転させる砥石軸モータである上記1)~3)のうちのいずれかに記載の工作機械。
5)前記砥石軸モータが、ベースを介して前記砥石台に固定されており、前記ベースに冷却流体通路が形成されている上記4)記載の工作機械。
上記1)~5)の工作機械によれば、全体カバーの外部の空気を吸気ダクトおよび吸気口を通してモータカバー内に取り入れて工具主軸モータを冷却し、工具主軸モータを冷却した後の高温空気を排気口および排気ダクトを通して全体カバーの外部に排出することができる。したがって、工具主軸モータの発熱による工具主軸の熱膨張を抑制することができ、工具主軸の熱変位を防止することが可能になって加工物の加工精度を向上させることができる。
しかも、上記1)~4)の工作機械を研削盤に適用した場合、モータカバー内に取り入れる空気に研削液ミスト等が含まれないようにして、砥石軸モータやベルト等の汚れに起因する砥石軸モータ等の故障やベルトのスリップを防止することができる。
上記2)の工作機械によれば、冷却ファンの回転によって、全体カバーの外部の空気が吸気ダクトおよび吸気口を通って工具主軸モータのモータカバー内に送られ、当該空気により工具主軸モータが冷却されるので、工具主軸モータの発熱による工具主軸の熱変位を抑制することができる。また、工具主軸モータを冷却して高温になった空気は、排気口および排気ダクトを通って前記全体カバーの外部に排出される。
上記3)の工作機械によれば、冷却ファンの回転によって、全体カバーの外部の空気が吸気ダクトおよび吸気口を通って冷却ファンカバー内に入り、放熱フィンを介して工具主軸モータから熱を奪った後、排気口および排気ダクトを通って前記全体カバーの外部に排出されるようになっているので、工具主軸モータの冷却を効率よく行うことができる。
上記4)および5)の工作機械によれば、ベースの冷却流体通路に冷却流体を流すことによって、運転時の砥石軸モータから発せられる熱が、砥石台に伝わることが防止される。したがって、砥石軸モータの発熱による砥石台の熱膨張を抑制することができ、工具主軸の熱変位を防止することが可能になって加工物の加工精度を向上させることができる。
この発明による工作機械を適用した研削盤の第1実施形態を示す概略平面図である。 図1の研削盤を示す概略側面図である。 図1の部分拡大図である。 この発明による工作機械を適用した研削盤の第2実施形態を示す概略平面図である。 図4の研削盤を示す概略側面図である。 従来の研削盤を示す概略平面図である。 図6の研削盤を示す概略側面図である。
以下、この発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1および図2はこの発明による工作機械を適用したNC研削盤の第1実施形態の全体構成を概略的に示し、図3は図1の要部を示す。
以下の説明において、図6および図7に示すものと同一物および同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図1および図2に示すNC研削盤1の砥石軸モータ15(工具主軸モータ)は、全体カバー20内においてモータカバー2によって覆われている。モータカバー2に、モータカバー2の内外を通じさせる吸気口3および排気口4が設けられ、モータカバー2の吸気口3と全体カバー20の外部とが吸気ダクト5により通じさせられ、モータカバー2の排気口4と全体カバー20の外部とが排気ダクト6により通じさせられている。吸気ダクト5および排気ダクト6は、砥石台12が前後方向(X軸方向)に移動する際に伸縮するようになっている。モータカバー2と吸気ダクト5および排気ダクト6との接続部は気密状となっており、モータカバー2の内部の空気が漏れないようになっている。
図3に示すように、モータカバー2内において、砥石軸モータ15の周囲に複数の放熱フィン7が周方向に間隔をおいて設けられている。また、砥石軸モータ15のプーリ21側端面はモータカバー2の内面に接している。冷却ファン25は、砥石軸モータ15のプーリ21側端面とは反対側に設けられており、モータカバー2の内側に設けられた冷却ファンカバー8により覆われている。冷却ファンカバー8の左端は吸気口3に通じている。冷却ファンカバー8の右端は砥石軸モータ15および放熱フィン7に向かって開口しており、右側方から見て放熱フィン7が冷却ファン25の右端開口の範囲内に位置している。砥石軸モータ15および全放熱フィン7に冷却ファン25により送られる空気が当たるようになっている。そして、冷却ファン25の回転によって、全体カバー20の外部の空気が吸気ダクト5および吸気口3を通って冷却ファンカバー8内に入り、ついで放熱フィン7を介して砥石軸モータ15から熱を奪った後、排気口4および排気ダクト6を通って全体カバー20の外部に排出されるようになっている。
また、砥石軸モータ15を砥石台12に固定するベース24に冷却流体通路9が形成されている。ベース24の冷却流体通路9には冷却流体が流され、砥石軸モータ15から発せられる熱が、砥石台12に伝わることが防止されるようになっている。
上述したNC研削盤1において、NC研削盤1の運転時に砥石軸モータ15の出力軸151が回転すると、これとともに冷却ファン25が回転し、全体カバー20の外部の空気が吸気ダクト5および吸気口3を通って冷却ファンカバー8内に入り、ついで放熱フィン7を介して砥石軸モータ15から熱を奪った後、排気口4および排気ダクト6を通って全体カバー20の外部に排出される。したがって、砥石軸モータ15の発熱による砥石台12の熱膨張を抑制することができ、砥石軸14の熱変位を防止することが可能になって加工物Wの加工精度を向上させることができる。
しかも、冷却ファン25が吸い込む空気に研削液ミスト等が含まれることはないので、砥石軸モータ15やベルト等の汚れに起因する砥石軸モータ15等の故障やベルトのスリップを防止することができる。
図4および図5は、この発明による工作機械を適用したNC研削盤の第2実施形態の全体構成を概略的に示す。以下の説明において、図1および図2に示すものと同一物および同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図4および図5に示すNC研削盤30と図1および図2に示すNC研削盤1との相違点は、テーブル16に代えて、砥石台12および砥石軸モータ15を載置したサドル31がZ軸方向に移動する形式とした点である。この場合、吸気ダクト5および排気ダクト6もZ軸方向に移動することになるので、図1および図2に示すNC研削盤1のように、両ダクト5、6を全体カバー32に固定することができない。このため、この第2実施形態では、全体カバー32の背面側全体を開口するとともに、吸気ダクト5を、砥石台12全体を取り囲む砥石台カバー33を兼ねるように形成し、さらに砥石台カバー33の内部にモータカバー2や排気ダクト6を配置している。そして、全体カバー32の背面側開口の左右両側縁部と砥石台カバー33の左右両側面との間に蛇腹34を設けることで機内の研削液ミストなどの機外への漏出を防止している。
このような構成とすることで、砥石台12がZ軸方向に移動する形式のNC研削盤30であっても第1実施形態のNC研削盤1と同様に砥石軸モータ15の発熱による砥石軸14の熱膨張を抑制することができ、砥石軸14の熱変位を防止することが可能になって加工物Wの加工精度を向上させることができる。しかも、冷却ファン25が吸い込む空気に研削液ミスト等が含まれることはないので、砥石軸モータ15やベルト等の汚れに起因する砥石軸モータ15等の故障やベルトのスリップを防止することができる。
上述した2つの実施形態においては、この発明による工作機械はNC研削盤に適用されているが、これに限定されるものではなく、通常の研削盤や、その他の先端に工具を保持する工具主軸と、工具主軸を回転させる工具主軸モータと、工具主軸および工具主軸モータを覆う全体カバーとを備えている工作機械にも適用可能である。
この発明による工作機械は、研削盤として好適に用いられる。
1:NC研削盤、2:モータカバー、3:吸気口、4:排気口、5:吸気ダクト、6:排気ダクト、7:放熱フィン、8:冷却ファンカバー、9:冷却流体通路、11:ベッド、12:砥石台、13:砥石(工具)、14:砥石軸(工具主軸)、15:砥石軸モータ(工具主軸モータ)、16:テーブル、17:工作主軸台、18:心押し台、20:全体カバー、24:ベース、25:冷却ファン、30:NC研削盤、31:サドル、32:全体カバー、33:砥石台カバー、34:蛇腹

Claims (5)

  1. 先端に工具を保持する工具主軸と、前記工具主軸を回転させる工具主軸モータと、前記工具主軸および前記工具主軸モータを覆う全体カバーとを備えている工作機械において、
    前記工具主軸モータがモータカバーによって覆われており、前記モータカバーに当該モータカバーの内外を通じさせる吸気口および排気口が設けられ、前記モータカバーの前記吸気口と前記全体カバーの外部とが吸気ダクトにより通じさせられ、前記モータカバーの前記排気口と前記全体カバーの外部とが排気ダクトにより通じさせられている工作機械。
  2. 前記工具主軸モータが、前記モータカバー内に設けられてモータ出力軸の回転により回転する冷却ファンを有する自己冷却式モータからなり、前記冷却ファンの回転によって、前記全体カバーの外部の空気が前記吸気ダクトおよび前記吸気口を通って前記工具主軸モータの前記モータカバー内に送られるとともに、前記排気口および前記排気ダクトを通って前記全体カバーの外部に排出されるようになっている請求項1記載の工作機械。
  3. 前記モータカバー内において前記工具主軸モータの周囲に放熱フィンが設けられ、前記冷却ファンが前記モータカバー内に設けられた冷却ファンカバーにより覆われており、前記冷却ファンカバーの一端が前記吸気口に通じ、前記冷却ファンの他端が前記工具主軸モータおよび前記放熱フィンに向かって開口しており、前記冷却ファンの回転によって、前記全体カバーの外部の空気が前記吸気ダクトおよび前記吸気口を通って前記冷却ファンカバー内に入り、前記放熱フィンを介して前記工具主軸モータから熱を奪った後、前記排気口および前記排気ダクトを通って前記全体カバーの外部に排出されるようになっている請求項2記載の工作機械。
  4. ベッド、前記ベッド上に配置されたテーブル、前記テーブル上に配置されかつ加工物の一端を保持する工作主軸台、前記テーブル上に配置されかつ加工物の他端を保持する心押し台、前記ベッド上に配置された砥石台、前記砥石台に設けられかつ先端に砥石を保持する回転自在な砥石軸を備えており、前記全体カバーが前記テーブル、前記工作主軸台、前記心押し台、前記砥石台および前記砥石軸を覆っており、前記工具主軸モータが前記全体カバー内で前記砥石台上に配置されて前記砥石軸を回転させる砥石軸モータである請求項1~3のうちのいずれかに記載の工作機械。
  5. 前記砥石軸モータが、ベースを介して前記砥石台に固定されており、前記ベースに冷却流体通路が形成されている請求項4記載の工作機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7358026B1 (ja) 2023-03-22 2023-10-10 ヤマザキマザック株式会社 テーブル駆動装置、工作機械、および、ワーク加工方法

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