JP2022188473A - 釣竿用ガイド - Google Patents
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Abstract
【課題】フレーム枠とガイドリングとの位置決めが容易になり、双方の固定力の低下を防止でき、しかも軽量化を図ることができる。【解決手段】中心軸より竿径方向で外側に位置する外周縁に沿う外周溝21が設けられ、釣糸が挿通されるガイドリング2と、竿体に固定され、竿径方向の外側に延びて設けられ、ガイドリング2を保持するリング状の線材によって構成されたフレーム枠30を有するガイドフレーム3と、外周溝21に接着される外周接着面41と、フレーム枠30の内周面30aに接着される内周接着面42と、を有するスペーサ4と、を備えた釣竿用ガイドを提供する。【選択図】図4
Description
本発明は、釣竿用ガイドに関する。
従来の釣竿用ガイドとして、釣糸が挿通されるガイドリングと、竿体に固定され、竿径方向の外側に延びて設けられ、ガイドリングを保持するガイドフレームと、を備え、ガイドフレームには、ガイドリングを保持するリング状の線材によって構成されたフレーム枠を有するものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1には、ガイドリングの外周面を平坦面とし、フレーム枠の内周面に相当する部分にDカット状の平坦部を形成した構成について記載されている。
また、特許文献2には、ガイドリングの外周面に曲面状の周溝を設け、断面円形の金属線材からなるフレーム枠が収まる構成について記載されている。
また、特許文献2には、ガイドリングの外周面に曲面状の周溝を設け、断面円形の金属線材からなるフレーム枠が収まる構成について記載されている。
しかしながら、上述した特許文献1に示すような釣竿用ガイドでは、フレーム枠自体の断面形状を変更する必要があり、加工にかかる作業の手間やコストがかかるという問題がある。
特許文献2の場合には、フレーム枠の曲面状の外周面と、周溝の曲面との形状を一致させる必要があり、双方の形状(例えば、外径)が異なる場合には、双方の接触面積を十分に確保することができず、所望の固定力が得られないという問題がある。
さらに、特許文献2では、周溝の形状(大きさ)に合わせてフレーム枠の形状(径や大きさ)を必要以上に大きいものを採用するケースが生じ、ガイドフレーム全体としての重量が大きくなることから、その点で改善の余地があった。
さらに、特許文献2では、周溝の形状(大きさ)に合わせてフレーム枠の形状(径や大きさ)を必要以上に大きいものを採用するケースが生じ、ガイドフレーム全体としての重量が大きくなることから、その点で改善の余地があった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、フレーム枠とガイドリングとの位置決めが容易になり、双方の固定力の低下を防止でき、しかも軽量化を図ることができる釣竿用ガイドを提供することである。
(1)本発明に係る釣竿用ガイドは、中心軸より竿径方向で外側に位置する外周縁に沿う外周溝が設けられ、釣糸が挿通されるガイドリングと、竿体に固定され、竿径方向の外側に延びて設けられ、前記ガイドリングを保持するリング状の線材によって構成されたフレーム枠を有するガイドフレームと、前記外周溝に接着される第1接着部と、前記フレーム枠の内周面に接着される第2接着部と、を有する接着補助具と、を備えたことを特徴としている。
本発明に係る釣竿用ガイドによれば、接着補助具がガイドリングの外周溝とフレーム枠の内周面とのそれぞれに対して第1接着部及び第2接着部によって接着することで、フレーム枠にガイドリングが固定される。そのため、接着補助具の形状を変えることによりフレーム枠の内周面と外周溝との接触面積を大きく確保することができ、フレーム枠の内周面と外周溝との固着強度を増大させて双方の固定力を高めることができる。つまり、外周溝の形状とフレーム枠の内周面の形状とが異なっていても接着補助具を介在させることで接触面積を確保することができ、所望の固定力を得ることができる。
また、本発明では、外周溝に合わせて必要以上に大きなフレーム枠を採用する必要がなくなるので、ガイドフレーム全体としての重量の増大を抑制できる。
また、本発明では、外周溝に合わせて必要以上に大きなフレーム枠を採用する必要がなくなるので、ガイドフレーム全体としての重量の増大を抑制できる。
さらに、本発明に係る釣竿用ガイドによれば、フレーム枠の外形を小さく抑えることができるので、ガイドリングの外周溝内にフレーム枠の一部を収容させた状態で固定することが可能となる。そのため、フレーム枠のうち外周溝から突出する張出部分を最小限に抑えることができ、従来のように外周溝から突出した部分のフレーム枠が破損したり、その張出部分に釣糸が絡んだり、海水が付着することによる潮だまりの発生を防ぐことができる。
(2)前記第1接着部は、前記外周溝に沿った形状に形成され前記外周溝に面接触し、前記第2接着部は、前記フレーム枠の内周面形状に沿った形状に形成され前記フレーム枠の内周面に面接触することが好ましい。
この場合には、接着補助具がフレーム枠とガイドリングの外周溝とに面接触により固着されるので、双方の固着強度をより増大させて固定力を高めることができる。
(3)前記第1接着部は、前記外周溝との間に接着剤の充填領域を空けて対向し、前記第2接着部は、前記フレーム枠の内周面形状に沿った形状に形成され前記フレーム枠の内周面に面接触することを特徴としてもよい。
この場合には、ガイドリングとフレーム枠との間に大きな空間(領域)を確保することができ、その空間(領域)に例えば接着剤を充填することが可能となり、第1接着部と外周溝との固着強度を増大させて双方の固定力を高めることができる。
(4)前記外周溝の、前記ガイドリングの中心軸方向の断面形状は、前記中心軸方向に凹む曲面状であり、前記第1接着部は、前記ガイドリングの外周溝と対向する平面状であり、前記第1接着部は、前記外周溝との間に接着剤の充填領域を有することを特徴としてもよい。
このような構成とすることで、断面方形の第1接着部と外周溝との間に十分なスペース(充填領域)を確保できる。この充填領域に接着剤を充填することで、第1接着部と外周溝との固定力をより高めることができる。
(5)前記接着補助具は、前記フレーム枠の断面全周を覆うように設けられていることを特徴としてもよい。
この場合には、フレーム枠の線材とは別部材の接着補助具を線材に固着した状態で被せて設けられるので、接着補助具とフレーム枠との固着状態がより強固となり、接着補助具と外周溝との固定力をより高めることができる。
(6)前記接着補助具は、前記フレーム枠の前記線材が挿通され、断面形状が方形に形成されていることを特徴としてもよい。
この場合には、方形の接着補助具が例えば長方形の断面形状となるので、外周溝内に収容された部分の接着補助具の表面積を大きく取ることができ、接着補助具と外周溝との接触面積を大きく確保することができる。そのため、接着補助具と外周溝との固着強度を増大させて双方の固定力を高めることができる。
また、接着補助具を線材とは別部材とすることで、フレーム枠に細い線材を適用することができ、コストの低減を図ることができる。
さらに、本発明では、接着補助具にガイドリングやフレーム枠と異なる素材を採用することができ、例えば接着性の良い素材を使用することにより、ガイドリング及びフレームとの固定力を高めることができる。
また、接着補助具を線材とは別部材とすることで、フレーム枠に細い線材を適用することができ、コストの低減を図ることができる。
さらに、本発明では、接着補助具にガイドリングやフレーム枠と異なる素材を採用することができ、例えば接着性の良い素材を使用することにより、ガイドリング及びフレームとの固定力を高めることができる。
本発明に係る釣竿用ガイドによれば、フレーム枠とガイドリングとの位置決めが容易になり、双方の固定力の低下を防止でき、しかも軽量化を図ることができる。
以下、本発明に係る釣竿用ガイドの実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において、各構成部材を視認可能な大きさとするために必要に応じて各構成部材の縮尺を適宜変更している場合がある。
(第1実施形態)
図1乃至図3に示すように本実施形態の釣竿用ガイド1は、釣竿の竿体10の外周面10aに固定され、釣糸が挿通されるガイドリング2を保持するガイド部材である。釣竿用ガイド1は、竿体10の外周面10aにおいて竿軸方向に所定の間隔をあけて複数配置されている。
図1乃至図3に示すように本実施形態の釣竿用ガイド1は、釣竿の竿体10の外周面10aに固定され、釣糸が挿通されるガイドリング2を保持するガイド部材である。釣竿用ガイド1は、竿体10の外周面10aにおいて竿軸方向に所定の間隔をあけて複数配置されている。
釣竿用ガイド1は、釣糸が挿通され釣糸を案内するガイドリング2と、竿体10に固定され、竿径方向の外側に延びて設けられ、ガイドリング2を保持するガイドフレーム3と、ガイドリング2とガイドフレーム3との間で双方に接着した状態で介在されるスペーサ4(接着補助具)と、を備えている。
ここで、図面の釣竿用ガイド1において、竿体10の軸線方向を前後方向Xと称すると共に、竿先側(前側)を符号X1で示し、竿尻側(後側)を符号X2で示す。また、竿体10の軸線方向と直交する方向であってガイドリング2の中心軸2Cを通る平面上の方向を上下方向Zとし、竿体10から離れる方向を上側として符号Z1で示し、竿体10に近づく方向を下側として符号Z2で示す。また、上側Z1を先端側と、下側Z2を基端側と称する場合がある。また、上側Z1から見た平面視において竿体10の軸線方向と直交する方向を左右方向Yとする。なお、竿体10の軸線方向(前後方向X)は竿体10の中心軸10Cの方向であって、後述するガイドフレーム3の取付脚部32の長手方向であり、左右方向Yは取付脚部32の短手方向(幅方向)である。また、以下の説明において、ガイドリング2を中心軸2C方向から見て中心軸2C回りに周回する方向を周方向とし、中心軸2Cに直交する方向を径方向と定義する。
[ガイドリング]
ガイドリング2は、ガイドリング2の中心軸2Cより竿径方向で外側に位置する外周縁に沿う外周溝21を有し、ガイドフレーム3の後述するフレーム枠30と同軸に保持されている。すなわち、ガイドリング2の内周面2aを釣糸が摺動することで釣糸を直接案内する。
ガイドリング2は、円環状に形成され、その内周側の案内面において例えば、チタン、アルミ、SUS、セラミックス等の釣糸の摺動抵抗が小さい材料によって形成されている。なお、ガイドリング2は、本実施形態において円形の環状である一例としているが、楕円形や長円形等であってもよい。ガイドリング2 は、例えば金属板を所定形状にプレス加工することにより形成されている。
ガイドリング2は、ガイドリング2の中心軸2Cより竿径方向で外側に位置する外周縁に沿う外周溝21を有し、ガイドフレーム3の後述するフレーム枠30と同軸に保持されている。すなわち、ガイドリング2の内周面2aを釣糸が摺動することで釣糸を直接案内する。
ガイドリング2は、円環状に形成され、その内周側の案内面において例えば、チタン、アルミ、SUS、セラミックス等の釣糸の摺動抵抗が小さい材料によって形成されている。なお、ガイドリング2は、本実施形態において円形の環状である一例としているが、楕円形や長円形等であってもよい。ガイドリング2 は、例えば金属板を所定形状にプレス加工することにより形成されている。
図4(a)に示すように、ガイドリング2の内周面2aは、断面視において、内側(図2に示す中心軸2C側)に凸となるように前後方向Xに湾曲した曲面を形成している。ガイドリング2の外周溝21には、フレーム枠30(後述する)の少なくとも一部と対向する凹曲面21Aを有している。凹曲面21Aは、ガイドリング2の中心方向(中心軸2C側)に向かって凹む凹形状部をなしている。
ガイドリング2は、上下方向Zに沿う断面視において、中心軸2C側が凸となるように弧状に湾曲した凸状の内周面2aと、中心軸2C側が凸となるように弧状に湾曲した凹状の外周面(外周溝21)と、を有している。
ガイドリング2は、上下方向Zに沿う断面視において、中心軸2C側が凸となるように弧状に湾曲した凸状の内周面2aと、中心軸2C側が凸となるように弧状に湾曲した凹状の外周面(外周溝21)と、を有している。
具体的にガイドリング2の外周溝21は、断面視において前後方向Xの中央部の底部21aを挟んだ両側がそれぞれ径方向外側に突出した鍔部21b、21cが形成されている。これによって、ガイドリング2の外周面には、両鍔部21b、21c同士の間に凹状の外周溝21が全周にわたって形成されることになる。
ガイドリング2の外周溝21には、両鍔部21b、21cの間において、ガイドリング2における円形断面の全周のうち中心軸2Cから上側Z1の略180度の角度範囲に、ガイドフレーム3のフレーム枠30が係合される。
ガイドリング2の外周溝21には、両鍔部21b、21cの間において、ガイドリング2における円形断面の全周のうち中心軸2Cから上側Z1の略180度の角度範囲に、ガイドフレーム3のフレーム枠30が係合される。
[ガイドフレーム]
図1乃至図3に示すように、ガイドフレーム3は、ガイドリング2を保持するリング状の線材によって構成されたフレーム枠30と、竿体10に固定されフレーム枠30に連結して支持する支持脚部31と、支持脚部31に連結され、竿体10の外周面10aに固定される取付脚部32と、を備えている。
ガイドフレーム3は、取付脚部32に対してフレーム枠30を竿先側(前側X1)に向けた状態で竿体10の外周面10aに固定されている。このとき、取付脚部32は、前後方向Xに延在している。
図1乃至図3に示すように、ガイドフレーム3は、ガイドリング2を保持するリング状の線材によって構成されたフレーム枠30と、竿体10に固定されフレーム枠30に連結して支持する支持脚部31と、支持脚部31に連結され、竿体10の外周面10aに固定される取付脚部32と、を備えている。
ガイドフレーム3は、取付脚部32に対してフレーム枠30を竿先側(前側X1)に向けた状態で竿体10の外周面10aに固定されている。このとき、取付脚部32は、前後方向Xに延在している。
ガイドフレーム3は、取付脚部32の前端部から湾曲しつつ上側Z1に向かった後、直線的に上側Z1に延びている。ガイドフレーム3において湾曲しつつ上側Z1に向かっている部分が支持脚部31である。なお、本実施形態においては、取付脚部32に対して支持脚部31が直角に立ち上がり、ガイドリング2の中心軸2Cが竿体10の中心軸10Cと平行になっているが、ガイドリング2の中心軸2Cが竿体10の中心軸10Cと平行ではなく傾斜するように支持脚部31が立ち上がっていてもよい。例えば、支持脚部31が前傾姿勢で立ち上がった構成であってもよい。
支持脚部31は、フレーム枠30と取付脚部32との間に位置してフレーム枠30と取付脚部32とを連結している。支持脚部31は、図1に示すように左右に二本並んだ二本足の構成である。左右一対の支持脚部31は、互いに左右対称形状とされている。左右一対の支持脚部31は、フレーム枠30の周方向の両端部から下方に向けてそれぞれ延びていて、全体として正面視あるいは背面視においてV字状になっている。
左右一対の支持脚部31は、フレーム枠30の周方向の両端部を接点とする接線に沿う直線状に延びるとともに、取付脚部32に向かうに従い漸次、互いに接近するように、即ち、互いの間隔を狭くするように左右方向Yの内側に向けて延びていて、下端部において互いに当接した状態にある。
支持脚部31の上端部31aは、フレーム枠30の中心軸(ガイドリング2の中心軸2C)に対して直交する平面上に位置している。
左右一対の支持脚部31は、フレーム枠30の周方向の両端部を接点とする接線に沿う直線状に延びるとともに、取付脚部32に向かうに従い漸次、互いに接近するように、即ち、互いの間隔を狭くするように左右方向Yの内側に向けて延びていて、下端部において互いに当接した状態にある。
支持脚部31の上端部31aは、フレーム枠30の中心軸(ガイドリング2の中心軸2C)に対して直交する平面上に位置している。
取付脚部32は、支持脚部31の下端部から後側X2(竿尻側)に向けて平面視一直線状に延びている。取付脚部32は、本実施形態では一本の金属線材の両端部所定長さ領域から構成された二本足構成である。すなわち、取付脚部32は、一本の金属線材の両端部所定長さ領域からなる左右一対の線状体が間隔を空けずに左右平行に揃えられて構成されており、各線状体は支持脚部31の下端部31bから後側に延びている。左右一対の線状体は互いに接合されて一体化されている。接合方法は任意であるが、好ましくは溶接による。
取付脚部32は、図3のように巻糸11によって竿体10の外周面10aに巻き付けられる。
取付脚部32は、図3のように巻糸11によって竿体10の外周面10aに巻き付けられる。
フレーム枠30は、竿体10の外周面10aから離れた位置で支持脚部31によって支持され、釣糸を案内するガイドリング2を内周面で保持するものである。フレーム枠30は、U字状に湾曲された金属線材からなり、周方向の両端部がそれぞれ一対の支持脚部31の上端部31aに接続されている。フレーム枠30は、ガイドリング2の外周面に形成される外周溝21に係合することにより、フレーム枠30の内周部でガイドリング2を保持している。
フレーム枠30を構成する金属線材は、例えばチタン合金やステンレス、アルミニウム合金からなる。とくに軽量化の観点からはチタン合金が好ましい。金属線材は、円形の断面形状をなしている。フレーム枠30は、本実施形態において樹脂材等の充填材301が充填された中実のものを採用している。
なお、フレーム枠30の金属線材として、軽量化と強度の両立の観点と、ガイドリング2との接触面積を確保しやすいことから、中空状のもの、即ち線状パイプ材が好ましく、また、中空部分に充填材301を充填していない空洞のものであっても良い。金属線材の線径(外径)としては、例えば0.3~6mm程度のものが採用できる。
なお、フレーム枠30の金属線材として、軽量化と強度の両立の観点と、ガイドリング2との接触面積を確保しやすいことから、中空状のもの、即ち線状パイプ材が好ましく、また、中空部分に充填材301を充填していない空洞のものであっても良い。金属線材の線径(外径)としては、例えば0.3~6mm程度のものが採用できる。
図4(a)に示すように、フレーム枠30は、内周部がガイドリング2の外周溝21内に収容され、外周溝21との間に形成される空間Sに介在される接着補助具としてのスペーサ4を介してガイドリング2に一体的に接着されている。
フレーム枠30の外径は、ガイドリング2の外周溝21の内径より小さい径寸法となっている。フレーム枠30の内周側の周面(内周面30a)は、ガイドリング2の外周溝21内に進入した状態で、所定の間隔(空間S)をあけて外周溝21に形成される凹曲面21Aと対向している。フレーム枠30の内周面30aとガイドリング2の外周溝21との間の空間Sには、スペーサ4が配置されている。
フレーム枠30の外径は、ガイドリング2の外周溝21の内径より小さい径寸法となっている。フレーム枠30の内周側の周面(内周面30a)は、ガイドリング2の外周溝21内に進入した状態で、所定の間隔(空間S)をあけて外周溝21に形成される凹曲面21Aと対向している。フレーム枠30の内周面30aとガイドリング2の外周溝21との間の空間Sには、スペーサ4が配置されている。
接着補助具としてのスペーサ4は、外周溝21に接着される外周接着面41(第1接着部)と、フレーム枠30の内周面30aに接着される内周接着面42(第2接着部)と、を有し、断面視において径方向の内側に凸となるように湾曲している。
外周接着面41は、外周溝21に沿った形状に形成され外周溝21の凹曲面21Aに面接触する。外周接着面41は、接着剤によって外周溝21に接着されている。なお、外周接着面41は、外周溝21との間に接着剤の充填領域を空けて対向させて配置するようにしてもよい。
内周接着面42は、フレーム枠30の内周面形状である内周面30aに沿った形状に形成されフレーム枠30の内周面30aに面接触する。内周接着面42は、接着剤によってフレーム枠30の内周面30aに接着されている。なお、内周接着面42は、内周面30aとの間に接着剤の充填領域を空けて対向させて配置するようにしてもよい。
ガイドリング2をフレーム枠30に固定する組み付け方法としては、ガイドリング2の外周溝21の凹曲面21Aに接着剤を塗布、あるいは充填する。そして、凹曲面21Aにスペーサ4を配置し、そのスペーサ4の内周接着面42に接着剤を塗布、あるいは充填する。その後、スペーサ4の内周接着面42にフレーム枠30の内周面30aを係合させる。接着剤が硬化するとこでガイドリング2の外周溝21がフレーム枠30の内周面30aに固定されて組み付けられる。
なお、本実施形態では、スペーサ4をフレーム枠30の内周面30aとガイドリング2の外周溝21との間の一部に設けたものであるが、例えば、図4(b)に示すようにフレーム枠30の全周を覆う筒状(チューブ状)の形状のスペーサ4A(接着補助具)を採用してもよい。図4(b)に示すスペーサ4Aの場合には、フレーム枠30を保護するカバーとして機能する。
次に、このように構成される釣竿用ガイドの作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、図4(a)に示すように、スペーサ4がガイドリング2の外周溝21とフレーム枠30の内周面30aとのそれぞれに対してスペーサ4の外周接着面41と内周接着面42によって接着することで、フレーム枠30にガイドリング2が固定される。そのため、スペーサ4の形状を変えることによりフレーム枠30の内周面30aと外周溝21との接触面積を大きく確保することができ、フレーム枠30の内周面30aと外周溝21との固着強度を増大させて双方の固定力を高めることができる。つまり、外周溝21の形状とフレーム枠30の内周面の形状とが異なっていてもスペーサ4を介在させることで接触面積を確保することができ、所望の固定力を得ることができる。また、本実施形態では、外周溝21に合わせて必要以上に大きなフレーム枠30を採用する必要がなくなるので、ガイドフレーム3全体としての重量の増大を抑制できる。
さらに、本実施形態によれば、フレーム枠30の外形を小さく抑えることができるので、ガイドリング2の外周溝21内にフレーム枠30の一部を収容させた状態で固定することが可能となる。そのため、フレーム枠30のうち外周溝21から突出する張出部分を最小限に抑えることができ、従来のように外周溝から突出した部分のフレーム枠30が破損したり、その張出部分に釣糸が絡んだり、海水が付着することによる潮だまりの発生を防ぐことができる。
また、本実施形態では、スペーサ4の外周接着面41が外周溝21に沿った形状に形成されて外周溝21に面接触し、内周接着面42がフレーム枠30の内周面30a形状に沿った形状に形成されフレーム枠30の内周面30aに面接触する構成である。そのため、スペーサ4がフレーム枠30とガイドリング2の外周溝21とに面接触により固着されるので、双方の固着強度をより増大させて固定力を高めることができる。
また、本実施形態では、スペーサ4の外周接着面41が外周溝21との間に接着剤の充填領域を空けて対向し、内周接着面42がフレーム枠30の内周面30a形状に沿った形状に形成されフレーム枠30の内周面30aに面接触する構成となっている。これにより、ガイドリング2とフレーム枠30との間に大きな空間S(領域)を確保することができ、その空間Sに例えば接着剤を充填することが可能となり、外周接着面41と外周溝21との固着強度を増大させて双方の固定力を高めることができる。
上述のように構成された本第1実施形態による釣竿用ガイドでは、フレーム枠30とガイドリング2との位置決めが容易になり、双方の固定力の低下を防止でき、しかも軽量化を図ることができる。
(第2実施形態)
図5及び図6に示す第2実施形態による釣竿用ガイド1Aは、フレーム枠30Aが円形断面の金属線材であり、フレーム枠30Aの一部を収容するスリーブ5(接着補助具)を有する構成となっている。
第2実施形態によるガイドリング2は、上記実施形態と同様の凹曲面21Aが形成された外周溝21を有する構成であるため、詳しい説明は省略する。
図5及び図6に示す第2実施形態による釣竿用ガイド1Aは、フレーム枠30Aが円形断面の金属線材であり、フレーム枠30Aの一部を収容するスリーブ5(接着補助具)を有する構成となっている。
第2実施形態によるガイドリング2は、上記実施形態と同様の凹曲面21Aが形成された外周溝21を有する構成であるため、詳しい説明は省略する。
フレーム枠30Aは、金属線材で中空状のパイプ材で内部に樹脂などの充填材331が充填された中実なものが採用されている。そして、フレーム枠30Aは、全長にわたってほぼ同一断面形状となっている。
図6に示すように、接着補助具としてのスリーブ5は、断面視において、前後方向Xに長い中空の貫通孔5cを有した略方形状に形成されている。貫通孔5cの内側には、フレーム枠30Aが挿通されて収容されている。つまり、スリーブ5は、フレーム枠30Aに沿ってU字状に延在している。スリーブ5は、フレーム枠30Aの断面全周を覆うように設けられている。
スリーブ5は、スリーブ5の内周部がガイドリング2の外周溝21内に配置され、外周溝21との間に形成される空間Sに充填される接着剤6を介してガイドリング2に一体的に接続される。
なお、本第2実施形態では、スリーブ5に貫通孔5cを有する構成としているが、貫通孔5cであることに限定されることはなく、例えばフレーム枠30Aを係合可能な溝を有するものであってもよい。
また、本第2実施形態では、スリーブ5の貫通孔5c内が中空となっているが、発泡剤等の軽量材で充填して、スリーブ5の貫通孔5c内でフレーム枠30Aを保持するようにしてもよい。
なお、本第2実施形態では、スリーブ5に貫通孔5cを有する構成としているが、貫通孔5cであることに限定されることはなく、例えばフレーム枠30Aを係合可能な溝を有するものであってもよい。
また、本第2実施形態では、スリーブ5の貫通孔5c内が中空となっているが、発泡剤等の軽量材で充填して、スリーブ5の貫通孔5c内でフレーム枠30Aを保持するようにしてもよい。
スリーブ5は、内周壁5A、外周壁5B、前壁5C、及び後壁5Dを有している。そして、スリーブ5は、全長にわたってほぼ同一断面形状となっている。すなわち、内周壁5Aは、竿体10から離れた側の半周部分(図1及び図2に示すLの範囲)の全体に設けられているが、半周部分のいずれか一部に設けられていてもよい。
スリーブ5における内周壁5Aの内周面5a(第1接着部)は、ガイドリング2の外周溝21内に進入した状態で、この外周溝21に形成される凹曲面21Aと対向している。内周壁5Aの内周面5aは、断面視において、ガイドリング2の中心軸2C方向に沿う平面形状部51を有する。平面形状部51の前後方向Xの両側(前側X1、後側X2)には、それぞれ前壁5C、後壁5Dに連設するテーパ面52が形成されている。スリーブ5は、両テーパ面52の一部(テーパ面52の角部52a、52b)が外周溝21の凹曲面21Aに接触している。
また、スリーブ5における内周壁5Aの貫通孔5c側に位置する孔内面5b(第2接着部)は、貫通孔5cに挿通されるフレーム枠30Aの外周面30eに対して例えば接着剤等で接着されている。
また、スリーブ5における内周壁5Aの貫通孔5c側に位置する孔内面5b(第2接着部)は、貫通孔5cに挿通されるフレーム枠30Aの外周面30eに対して例えば接着剤等で接着されている。
このように、スリーブ5の内周面5aと外周溝21の凹曲面21Aとは互いに形状が異なっている。つまり、第2実施形態による釣竿用ガイド1Aには、曲面状のガイドリング2の凹曲面21Aと、スリーブ5における3つの平面(平面形状部51、一対のテーパ面52、52)から形成される内周面5aとの間に空間S(充填領域)が形成されている。この空間Sには、接着剤6が充填されている。接着剤6によってスリーブ5を介してフレーム枠30Aにガイドリング2が固着された状態で保持されている。
上述した本第2実施形態では、フレーム枠30Aの線材とは別部材のスリーブ5を線材に固着した状態で被せて設けられるので、スリーブ5とフレーム枠30Aとの固着状態がより強固となり、スリーブ5と外周溝21との固定力をより高めることができる。
また、本第2実施形態では、方形のスリーブ5が例えば長方形の方形の断面形状となるので、外周溝21内に収容された部分のスリーブ5の表面積を大きく取ることができ、スリーブ5と外周溝21との接触面積を大きく確保することができる。そのため、スリーブ5と外周溝21との固着強度を増大させて双方の固定力を高めることができる。
また、スリーブ5を線材とは別部材とすることで、フレーム枠30Aに細い線材を適用することができ、コストの低減を図ることができる。
さらに、本第2実施形態では、スリーブ5にガイドリング2やフレーム枠30Aと異なる素材を採用することができ、例えば接着性の良い素材を使用することにより、ガイドリング2とフレーム枠30Aとの固定力を高めることができる。
さらに、本第2実施形態では、外周溝21のガイドリング2の中心軸2C方向の断面形状は、中心軸方向に凹む曲面状であり、スリーブ5の内周面5aがガイドリング2の外周溝21と対向する平面状であり、スリーブ5の内周面5aが外周溝21との間に接着剤6の充填領域を有する構成となっている。これにより、断面方形のスリーブ5の内周面5aと外周溝21との間に十分なスペース(充填領域)を確保できる。この充填領域に接着剤6を充填することで、内周面5aと外周溝21との固定力をより高めることができる。
以上、本発明による釣竿用ガイドの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、本実施形態では、スペーサ4の外周接着面41及びスリーブ5の内周面5aが竿体10から離れた側の半周部分のいずれか一部に設けられているが、上記の実施形態のように半周全部でも良いし、周方向に断続的でもよい。
本実施形態では、フレーム枠とガイドリングとの固定において接着剤を使用する例を示しているが、接着剤であることに限定されることはなく、例えばカシメによる固着方法としてもよい。
本実施形態では、釣竿用ガイドの突出先端側を上下方向で竿体10から離れる方向を上側として定義しているが、これは両軸リール用の竿体の上側に釣竿用ガイドが設けられる場合であって、スピニングリール用の竿体の場合には、釣竿用ガイドが竿体10の下側に取り付けられるため、この場合、釣竿用ガイドの突出先端側は竿体から離れる方向が上側となる。
本実施形態ではフレーム枠として金属線材を対象としているが、板金によるフレーム枠であってもかまわない。
また、本実施形態では支持脚部31および取付脚部32が二本足の構成としているが、であったが、一本足の構成であってもよい。
また、本実施形態では支持脚部31および取付脚部32が二本足の構成としているが、であったが、一本足の構成であってもよい。
1、1A、1B 釣竿用ガイド
2 ガイドリング
2C 中心軸
3 ガイドフレーム
4、4A スペーサ(接着補助具)
5 スリーブ(接着補助具)
5a 内周面(第1接着部)
5e 孔内面(第2接着部)
6 接着剤
10 竿体
10a 外周面
21 外周溝
21A 凹曲面
30、30A フレーム枠
30a 内周面
31 支持脚部
41 外周接着面(第1接着部)
42 内周接着面(第2接着部)
S 空間
2 ガイドリング
2C 中心軸
3 ガイドフレーム
4、4A スペーサ(接着補助具)
5 スリーブ(接着補助具)
5a 内周面(第1接着部)
5e 孔内面(第2接着部)
6 接着剤
10 竿体
10a 外周面
21 外周溝
21A 凹曲面
30、30A フレーム枠
30a 内周面
31 支持脚部
41 外周接着面(第1接着部)
42 内周接着面(第2接着部)
S 空間
Claims (6)
- 中心軸より竿径方向で外側に位置する外周縁に沿う外周溝が設けられ、釣糸が挿通されるガイドリングと、
竿体に固定され、竿径方向の外側に延びて設けられ、前記ガイドリングを保持するリング状の線材によって構成されたフレーム枠を有するガイドフレームと、
前記外周溝に接着される第1接着部と、前記フレーム枠の内周面に接着される第2接着部と、を有する接着補助具と、
を備えた釣竿用ガイド。 - 前記第1接着部は、前記外周溝に沿った形状に形成され前記外周溝に面接触し、
前記第2接着部は、前記フレーム枠の内周面形状に沿った形状に形成され前記フレーム枠の内周面に面接触する、請求項1に記載の釣竿用ガイド。 - 前記第1接着部は、前記外周溝との間に接着剤の充填領域を空けて対向し、
前記第2接着部は、前記フレーム枠の内周面形状に沿った形状に形成され前記フレーム枠の内周面に面接触する、請求項1に記載の釣竿用ガイド。 - 前記外周溝の、前記ガイドリングの中心軸方向の断面形状は、前記中心軸方向に凹む曲面状であり、
前記第1接着部は、前記ガイドリングの外周溝と対向する平面状であり、
前記第1接着部は、前記外周溝との間に接着剤の充填領域を有する、請求項3に記載の釣竿用ガイド。 - 前記接着補助具は、前記フレーム枠の断面全周を覆うように設けられている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の釣竿用ガイド。
- 前記接着補助具は、前記フレーム枠の前記線材が挿通され、断面形状が方形に形成されている、請求項3に記載の釣竿用ガイド。
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