JP2022187256A - ビデオカメラを用いた工作機械の異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】工作機械の加工領域をビデオカメラで撮影し、その画像データより工作機械の異常を検出する装置を提供する。【解決手段】工作機械の加工領域の動画をビデオカメラで撮影し、この動画の画面に特徴点を分布し、これらの特徴点の座標データを取得する。そして正規の加工工程の特徴点と実際の加工工程の特徴点の、それぞれの座標データを、共通の時間軸に沿って並べて比較し、一致か不一致かを判定する。不一致であればアラーム信号を出力して異常を報知する。画面が動画のため、リアルタイムで異常を検出できる。【選択図】図3
Description
本発明は、工作機械の加工領域をビデオカメラで撮影し、その画像データより工作機械の異常を検出する装置に関する。
従来の異常検知装置の例として、正常な振動値や電流値などの基準波形データから上下限値を設定して、これと加工中のデータを比較して上下限値を超えたら異常と判定するものがある。(特許文献1)
この場合は、上下限値のデータを作成する工程が必要で手間がかかるだけでなく、データを作成するまでは異常判定ができないという問題があった。
他の例として、機械内部にカメラを据え、カメラでワークの位置ずれを検出するものがある。(特許文献2 )
この例では、位置ずれによる補正値を演算し、これに基づいて加工台を偏倚して加工し、加工後、ワークを搬出した後の加工台の画像を複数回取得する。次に、それらの画像から加工台の偏倚量の変化を検出して、検出した偏倚量が所定値を超えたときに異常を判定する。
この場合は、ワークの位置ずれの検出と、加工台の偏倚量の検出という2度の検出が必要で異常検出が遅れるという問題があった。
この場合は、上下限値のデータを作成する工程が必要で手間がかかるだけでなく、データを作成するまでは異常判定ができないという問題があった。
他の例として、機械内部にカメラを据え、カメラでワークの位置ずれを検出するものがある。(特許文献2 )
この例では、位置ずれによる補正値を演算し、これに基づいて加工台を偏倚して加工し、加工後、ワークを搬出した後の加工台の画像を複数回取得する。次に、それらの画像から加工台の偏倚量の変化を検出して、検出した偏倚量が所定値を超えたときに異常を判定する。
この場合は、ワークの位置ずれの検出と、加工台の偏倚量の検出という2度の検出が必要で異常検出が遅れるという問題があった。
本発明が解決しようとする問題点は、従来、異常検出の前工程の準備に時間を要していた点、検出対象が複数で検出遅れがある点、および2次元平面上の偏倚(位置ずれ)に限定されていた点である。
本発明のビデオカメラを用いた工作機械の異常検出装置は、
工作機械の加工領域の動画を撮影するビデオカメラと、
前記動画の画面に分布する特徴点の座標データを取得する座標データ取得手段と、
前記座標データ取得手段が取得する、正規の加工工程の特徴点の座標データと実際の加工工程の特徴点の座標データを、共通の時間軸に沿って並べる座標データ編集手段と、
前記座標データ編集手段により並べられた座標データを比較し、一致か不一致かを判定する座標データ判定手段と、
前記座標データ判定手段が不一致を判定したときに、アラーム信号を出力するアラーム出力手段と、
から成り立っている。
工作機械の加工領域の動画を撮影するビデオカメラと、
前記動画の画面に分布する特徴点の座標データを取得する座標データ取得手段と、
前記座標データ取得手段が取得する、正規の加工工程の特徴点の座標データと実際の加工工程の特徴点の座標データを、共通の時間軸に沿って並べる座標データ編集手段と、
前記座標データ編集手段により並べられた座標データを比較し、一致か不一致かを判定する座標データ判定手段と、
前記座標データ判定手段が不一致を判定したときに、アラーム信号を出力するアラーム出力手段と、
から成り立っている。
本発明によれば、特徴点の分布区域や分布密度等を適宜に設定することで、工具の折損、ワークの位置、冷却オイルミストの有無など多様な異常を検出できる。
また、加工工程を動画で撮影して、座標データの変異をリアルタイムに識別できるので、異常の発生を直ちに検出できる。
さらに、従来のようなデータ取得の前工程が不要で作業効率が良い、など優れた効果を奏する。
また、加工工程を動画で撮影して、座標データの変異をリアルタイムに識別できるので、異常の発生を直ちに検出できる。
さらに、従来のようなデータ取得の前工程が不要で作業効率が良い、など優れた効果を奏する。
図1は、本発明を実施した工作機械の全体外観図
図2は、本発明に使用するビデオカメラの断面図
図3は、図1の機能ブロック図
図4は、本発明の制御手順を示すフローチャート
図5は、本発明における特徴点の分布を示す画面の模式図
図6は、本発明における座標データの比較を示す説明図
図2は、本発明に使用するビデオカメラの断面図
図3は、図1の機能ブロック図
図4は、本発明の制御手順を示すフローチャート
図5は、本発明における特徴点の分布を示す画面の模式図
図6は、本発明における座標データの比較を示す説明図
図1のように、2台のビデオカメラC1、C2を工作機械の定位置のベース1に離して設置する。これらのビデオカメラは、図1のように、定位置に固定してもよいし、移動する部材に取り付けて部材と一体に移動するように設置してもよい。
2は工具で、XYZ方向に移動可能で、載置台3のワークWを所定の形状に切削加工する。この加工が行われる空間すなわち加工領域には、図示しないノズルからクーラントが供給され、工具2とワークWの摩擦熱を冷却する。
2は工具で、XYZ方向に移動可能で、載置台3のワークWを所定の形状に切削加工する。この加工が行われる空間すなわち加工領域には、図示しないノズルからクーラントが供給され、工具2とワークWの摩擦熱を冷却する。
図2のビデオカメラC1(C2)には、カメラ本体Cを円筒ケース4内に格納し、その前方正面には、強化ガラス製の透明な回転円板5を設け、その中心に連結したモータ6により高速回転させる。回転速度は、回転円板5の直径が70mmなら毎秒60回転以上が好ましい。当然ながら、回転円板5の直径が小さければ回転速度を速く設定する。
7は空気の供給チューブで、回転円板5の裏側から加圧した空気を噴出する。空気は回転円板5の外周と円筒ケース4の間の狭い環状の隙間8から外に吹き出る。これにより、オイルミストやワークWの切り屑が回転円板5に付着しても、回転円板5の遠心力と隙間8から吹き出る空気流で除去されるため、カメラC1,C2は常に鮮明な動画が撮像できる。9は円筒ケース4の蓋板10に取り付けたLED光源で、その光が回転円板5を透過してビデオカメラCの正面前方の撮影対象を明るく照明する。
7は空気の供給チューブで、回転円板5の裏側から加圧した空気を噴出する。空気は回転円板5の外周と円筒ケース4の間の狭い環状の隙間8から外に吹き出る。これにより、オイルミストやワークWの切り屑が回転円板5に付着しても、回転円板5の遠心力と隙間8から吹き出る空気流で除去されるため、カメラC1,C2は常に鮮明な動画が撮像できる。9は円筒ケース4の蓋板10に取り付けたLED光源で、その光が回転円板5を透過してビデオカメラCの正面前方の撮影対象を明るく照明する。
そして工具2によるワークWに対する正常な加工工程の立体画像を2台のビデオカメラC1、C2で撮影し、図4の符号19のように、その1工程分を基準画像Aとして記録する。この基準動画Aの画面内には多数の特徴点Xaを分布し、各特徴点Xaの3次元座標データを時間軸に並べて記録する(図5・図6)。
図3において、11は座標データ取得部で、その入力側にビデオカメラC1,C2を接続し、出力側は主制御部12にバス線13を介して接続する。さらに主制御部12には、バス線13を介して、座標データ編集部14、座標データ比較部15、アラーム信号出力部16、異常画像再生部17、およびディスプレイ18をそれぞれ接続する。
座標データ取得部11は基準画像Aの特徴点Xaの3次元座標データを基準データDaとして時間軸に沿って登録すると共に、図4に示すように、実際の加工工程を撮影した測定画像Bとその特徴点Xbの3次元座標データを、符号22~24のように、測定データDbとして記録する。
座標データ編集部14は前記基準データDaと測定データDbを共通の時間軸に沿って並べる。
座標データ比較部15は並べた両データDa、Dbを比較照合し、一致か不一致かを判定する(符号25,26)。
アラーム信号出力部16は座標データ比較部15が不一致の判定信号を出力したら、アラーム信号を出力する(符号27)。
異常画像再生部17はアラーム信号を受けたときの測定画像を記録保存し、画像再生の指令を受けるとディスプレイ18に保存した測定画像を表示する。
座標データ編集部14は前記基準データDaと測定データDbを共通の時間軸に沿って並べる。
座標データ比較部15は並べた両データDa、Dbを比較照合し、一致か不一致かを判定する(符号25,26)。
アラーム信号出力部16は座標データ比較部15が不一致の判定信号を出力したら、アラーム信号を出力する(符号27)。
異常画像再生部17はアラーム信号を受けたときの測定画像を記録保存し、画像再生の指令を受けるとディスプレイ18に保存した測定画像を表示する。
本発明の構成は以上の通りで、その実施例を次に説明する。
始めに、正規の加工工程を1工程だけ開始から終了まで2台のカメラC1,C2で撮影し、3次元の基準画像Aを作成する。
この基準画像Aの画面に800個の特徴点Xaを、画面全体に縦と横に間隔を開けて均等に分布する(図5)。特徴点Xaの数は、800個に限らない。ビデオカメラの解像度や検査目的等を考慮して適宜設定する。特徴点Xaの分布区域も、画面全体に限らず、画面中央の限定した区画に設定してもよい。例えば工具2をカバーする区域に集中的に特徴点を分布すれば、高精度に工具の破損、欠損や変形を検出できる。
始めに、正規の加工工程を1工程だけ開始から終了まで2台のカメラC1,C2で撮影し、3次元の基準画像Aを作成する。
この基準画像Aの画面に800個の特徴点Xaを、画面全体に縦と横に間隔を開けて均等に分布する(図5)。特徴点Xaの数は、800個に限らない。ビデオカメラの解像度や検査目的等を考慮して適宜設定する。特徴点Xaの分布区域も、画面全体に限らず、画面中央の限定した区画に設定してもよい。例えば工具2をカバーする区域に集中的に特徴点を分布すれば、高精度に工具の破損、欠損や変形を検出できる。
次に、座標データ取得部11により、800個の特徴点Xa(Xa1~Xan)の3次元座標データ(X、Y、Z)を基準データDa(Da1~Dan)として時間軸に沿って登録する。この登録は、3次元座標値をデジタル変換し、たとえば3桁の数字列として登録する(図6)。なお図6の数字列は座標の実測値ではなく、説明の都合で仮定した架空の数字で、桁数も3桁に限らない。桁数が大きいと測定精度が高くなる。
続いて実際の加工工程を撮像した測定画像Bとその特徴点Xbの3次元座標データを測定データDb(Db1~Dbn)として、前述のDaと同様に、登録する。
このとき、測定データDbは、一定の時間巾(例えば数秒間)のデータだけ登録し、それを過ぎた過去のデータは時間の経過に従い順次消去する。このように特徴点Xbの座標データDbを直近の時間巾だけ保存し、ほかの無用なデータを消去すれば、座標データ取得部11の作業負荷が軽減できる。
次に座標データ編集部14で、特徴点Xa及びXbの3次元座標データすなわち基準データDaと測定データDbを共通の時間軸に沿って並べ、座標データ比較部15において、同じ時点のデータDa、Dbを比較照合する(図6)。
このとき、測定データDbは、一定の時間巾(例えば数秒間)のデータだけ登録し、それを過ぎた過去のデータは時間の経過に従い順次消去する。このように特徴点Xbの座標データDbを直近の時間巾だけ保存し、ほかの無用なデータを消去すれば、座標データ取得部11の作業負荷が軽減できる。
次に座標データ編集部14で、特徴点Xa及びXbの3次元座標データすなわち基準データDaと測定データDbを共通の時間軸に沿って並べ、座標データ比較部15において、同じ時点のデータDa、Dbを比較照合する(図6)。
例えば、ワークWが正規と違う位置にあった場合、すなわち3次元的な位置ずれを生じた場合には、ワークWの画面をカバーする区域において、同じ位置の特徴点XaxとXbxを比較すると、それらの基準データDaxと測定データDbxが一致しない。ワークWが存在しない場合、すなわちワークWの置き忘れの場合も、同様に基準データDaと測定データDbが一致しない箇所が出来る。
図6は基準データDaと測定データDbの比較を示すが、位置ずれなどの場合には、四角で囲んだように、基準データDaxと測定データDbxが一致しない。
換言すると、画面上の位置が同一で時間軸上の時間が同一の特徴点において、それらの座標データが一致しない。
このように座標データの不一致が生じると、座標データ比較部15は不一致の判定信号を出力し、これを受けてアラーム信号出力部16がアラーム信号を出力する。
図6は基準データDaと測定データDbの比較を示すが、位置ずれなどの場合には、四角で囲んだように、基準データDaxと測定データDbxが一致しない。
換言すると、画面上の位置が同一で時間軸上の時間が同一の特徴点において、それらの座標データが一致しない。
このように座標データの不一致が生じると、座標データ比較部15は不一致の判定信号を出力し、これを受けてアラーム信号出力部16がアラーム信号を出力する。
また、工具2の先端が破損した場合は、工具2の画像に分布する特徴点Xbの測定データDbが、これと位置・時間が同一の特徴点Xaの基準データDaと一致しない。このように、基準データDaに対し測定データDbが一致しないことから、アラーム信号出力部16がアラーム信号を出力する。
同様に、クーラントの供給系統に故障が発生し、クーラントが供給されない場合も、基準データDaと測定データDbが不一致となり、アラーム信号が出力される。
このように、アラーム信号を出力するとランプやブザーが鳴動する。このとき保存した異常時点を含む数秒間の画像が、異常画像再生部17により、動画でディスプレイ18に再生される。この再生画像により、ワークWの位置ずれなど、異常な状況を具体的に知ることができる。
このように、アラーム信号を出力するとランプやブザーが鳴動する。このとき保存した異常時点を含む数秒間の画像が、異常画像再生部17により、動画でディスプレイ18に再生される。この再生画像により、ワークWの位置ずれなど、異常な状況を具体的に知ることができる。
このように、本発明では、正規の画面の特徴点の座標データ(すなわち基準データ)と、実際の画面の特徴点の座標データ(すなわち測定データ)の不一致から、異常が検出できる。
加えて、画面が動画だから、座標データは加工工程中リアルタイムで更新される。
その結果、異常の発生を直ちに検出でき、異常の検出に遅れがない。
また2台のカメラC1,C2のうち1台だけ稼働しても異常を検出できるが、高精度な検出を実現するためには2台のカメラが好ましい。またカメラを主軸等脇に装着しカメラ自体を移動させながら異常を検出することもできる。
加えて、画面が動画だから、座標データは加工工程中リアルタイムで更新される。
その結果、異常の発生を直ちに検出でき、異常の検出に遅れがない。
また2台のカメラC1,C2のうち1台だけ稼働しても異常を検出できるが、高精度な検出を実現するためには2台のカメラが好ましい。またカメラを主軸等脇に装着しカメラ自体を移動させながら異常を検出することもできる。
本発明は、旋盤、マシニングセンタ、フライス盤など工作機械に広く利用できる。
1はベース
2は工具
3は載置台
5は回転円板
6はモータ
7は空気の供給チューブ
8は隙間
9はLED光源
Xa及びXbは特徴点
Da及びDbは座標データ
Wはワーク
Cはビデオカメラ
Aは基準画像
Bは測定画像
2は工具
3は載置台
5は回転円板
6はモータ
7は空気の供給チューブ
8は隙間
9はLED光源
Xa及びXbは特徴点
Da及びDbは座標データ
Wはワーク
Cはビデオカメラ
Aは基準画像
Bは測定画像
Claims (3)
- 工作機械の加工領域の動画を撮像するビデオカメラと、
前記動画の画面に分布する特徴点の座標データを取得する座標データ取得手段と、
前記座標データ取得手段が取得する、正規の加工工程の特徴点と実際の加工工程の特徴点の座標データを、共通の時間軸に沿って並べる座標データ編集手段と、
前記座標データ編集手段により並べられた二つの座標データを比較し、一致か不一致かを判定する座標データ比較手段と、
前記座標データ比較手段が不一致を判定したときに、アラーム信号を出力するアラーム出力手段と、
から成るビデオカメラを用いた工作機械の異常検出装置 - 前記座標データが2次元座標データであることを特徴とする請求項1記載のビデオカメラを用いた工作機械の異常検出装置
- 前記座標データが3次元座標データであることを特徴とする請求項1記載のビデオカメラを用いた工作機械の異常検出装置
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JP2021095188A JP2022187256A (ja) | 2021-06-07 | 2021-06-07 | ビデオカメラを用いた工作機械の異常検出装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2003022108A (ja) * | 2001-07-10 | 2003-01-24 | Yamazaki Mazak Corp | 工作機械の異常管理装置 |
JP2017021723A (ja) * | 2015-07-14 | 2017-01-26 | ファナック株式会社 | ワーク原点を取得可能な工作機械制御システムおよびワーク原点設定方法 |
JP2018138327A (ja) * | 2017-02-24 | 2018-09-06 | ファナック株式会社 | 工具状態推定装置及び工作機械 |
WO2018225159A1 (ja) * | 2017-06-06 | 2018-12-13 | 三菱電機株式会社 | 情報処理装置および加工不良特定方法 |
JP2021049612A (ja) * | 2019-09-26 | 2021-04-01 | Shoda株式会社 | 加工システム及びその監視方法 |
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