JP2022186473A - 半導体装置の製造方法、及び配線基板形成用フィルム - Google Patents

半導体装置の製造方法、及び配線基板形成用フィルム Download PDF

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Seiichi Isojima
智樹 山肩
Tomoki Yamakata
勝哉 坂寄
Katsuya Sakayori
誠治 俵屋
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Abstract

【課題】キャリア基板上でレーザーアブレーション層を均一な厚みで形成することが可能な、半導体装置の製造方法、及び配線基板形成用フィルムを提供する。【解決手段】レーザーアブレーション層11と、レーザーアブレーション層11上に位置する密着層12と、密着層12上に位置する保護フィルム14とを有する配線基板形成用フィルム10を準備する。配線基板形成用フィルム10の保護フィルム14を剥離し、キャリア基板21に、配線基板形成用フィルム10のレーザーアブレーション層11と密着層12とを転写し、レーザーアブレーション層11上に再配線層30を形成する。レーザーアブレーション層11にレーザー光Lを照射することによりキャリア基板21から再配線層30を剥離する。【選択図】図7

Description

本開示は、半導体装置の製造方法、及び配線基板形成用フィルムに関する。
半導体の小型パッケージング技術の一つであるファンアウトパッケージにおいて、FO-WLP(Fan-Out Wafer Level Package)の開発が進められている。FO-WLPを製造する場合、支持基板を有するキャリアの上で配線を形成し、半導体素子をマウントし、封止するなどの工程が行われる。その後、封止品から支持基板を剥離し、封止品を個片化してパッケージが完成する。
また、ファンアウトパッケージの新しい態様として、FO-PLP(Fan-out panel level package)の開発が進められている。FO-PLPは、FO-WLPのキャリアよりも大きい大型ガラス等をキャリアとして用いるものである。これにより、半導体パッケージをより低コストで量産することができる。
FO-PLPを製造する際、キャリアガラスと配線層との剥離を容易に行えるように、剥離層を有する積層体を使用することがある。しかしながら、半導体パッケージを低コスト化するためにキャリアガラスを大型化した場合、キャリアガラス上に剥離層を塗布しても、配線層をキャリアガラスから剥離する際に安定して均一に剥離することが難しい。また、キャリアガラス上に剥離層を塗布する場合、キャリアガラスの全面で均一な厚みで剥離層を形成することが難しいという課題もある。
国際公開2020/145003号
本実施の形態は、キャリア基板上でレーザーアブレーション層を均一な厚みで形成することが可能な、半導体装置の製造方法、及び配線基板形成用フィルムを提供する。
本実施の形態による半導体装置の製造方法は、レーザーアブレーション層と、前記レーザーアブレーション層上に位置する密着層と、前記密着層上に位置する保護フィルムとを有する配線基板形成用フィルムを準備する工程と、前記配線基板形成用フィルムの前記保護フィルムを剥離する工程と、キャリア基板に、前記配線基板形成用フィルムの前記レーザーアブレーション層と前記密着層とを転写する工程と、前記レーザーアブレーション層上に再配線層を形成する工程と、前記レーザーアブレーション層にレーザー光を照射することにより前記キャリア基板から前記再配線層を剥離する工程と、を備えている。
本実施の形態による半導体装置の製造方法において、前記レーザーアブレーション層の線膨張係数と、前記キャリア基板の線膨張係数との差は、20ppm/K以下であっても良い。
本実施の形態による半導体装置の製造方法において、前記レーザーアブレーション層の平均厚みは、50nm以上1000nm以下であっても良い。
本実施の形態による半導体装置の製造方法において、前記レーザーアブレーション層の厚みのばらつきは、前記レーザーアブレーション層の平均厚みを基準として±10%以内であっても良い。
本実施の形態による半導体装置の製造方法において、前記レーザー光は、エキシマレーザー光又は固体レーザー光であっても良い。
本実施の形態による半導体装置の製造方法において、前記レーザーアブレーション層上であって前記密着層の反対側に、遮蔽層が位置していても良い。
本実施の形態による半導体装置の製造方法において、前記遮蔽層と前記レーザーアブレーション層との間に、追加の密着層が配置されていても良い。
本実施の形態による半導体装置の製造方法において、前記密着層の前記レーザー光の透過率は、前記レーザーアブレーション層の前記レーザー光の透過率よりも高くても良い。
本実施の形態による半導体装置の製造方法において、前記レーザーアブレーション層のガラス転移温度Tgは、250℃以上であり、前記密着層のガラス転移温度Tgは、-30℃以上であっても良い。
本実施の形態による配線基板形成用フィルムは、配線基板を形成するための配線基板形成用フィルムであって、レーザーアブレーション層と、前記レーザーアブレーション層上に位置する密着層と、前記密着層上に位置する保護フィルムと、を備えている。
本実施の形態による配線基板形成用フィルムにおいて、前記レーザーアブレーション層の平均厚みは、50nm以上1000nm以下であっても良い。
本実施の形態による配線基板形成用フィルムにおいて、前記レーザーアブレーション層の厚みのばらつきは、前記レーザーアブレーション層の平均厚みを基準として±10%以内であっても良い。
本実施の形態による配線基板形成用フィルムにおいて、前記レーザーアブレーション層上であって前記密着層の反対側に、遮蔽層が位置していても良い。
本実施の形態による配線基板形成用フィルムにおいて、前記遮蔽層と前記レーザーアブレーション層との間に、追加の密着層が配置されていても良い。
本実施の形態による配線基板形成用フィルムにおいて、前記密着層のレーザー光の透過率は、前記レーザーアブレーション層のレーザー光の透過率よりも高くても良い。
本実施の形態による配線基板形成用フィルムにおいて、前記レーザーアブレーション層のガラス転移温度Tgは、250℃以上であり、前記密着層のガラス転移温度Tgは、-30℃以上であっても良い。
本開示の実施の形態によれば、キャリア基板上でレーザーアブレーション層を均一な厚みで形成できる。
図1は、一実施の形態による配線基板形成用フィルムを示す断面図である。 図2は、変形例による配線基板形成用フィルムを示す断面図である。 図3は、一実施の形態による配線基板を示す断面図である。 図4は、一実施の形態による半導体装置を示す断面図である。 図5(a)-(g)は、一実施の形態による配線基板形成用フィルムの製造方法を示す断面図である。 図6(a)-(d)は、一実施の形態による配線基板の製造方法を示す断面図である。 図7(a)-(c)は、一実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
以下、一実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また本明細書において、「AがB上に位置する」とは、「AがB上に直接位置する」場合と、「AがB上に間接的に位置する(AとBとの間に他の要素が介在している)」場合との両方を含む。
(配線基板形成用フィルムの構成)
まず、図1により、本実施の形態による配線基板形成用フィルムの概略について説明する。図1は、本実施の形態による配線基板形成用フィルムを示す断面図である。
図1に示す配線基板形成用フィルム10は、後述する配線基板20(図3参照)を形成するためのものである。この配線基板形成用フィルム10は、レーザーアブレーション層11と、レーザーアブレーション層11上に位置する密着層12と、密着層12上に位置する保護フィルム14とを備えている。また、レーザーアブレーション層11上であって密着層12の反対側に、遮蔽層(保護層)13が位置する。遮蔽層13上であって密着層12の反対側に、シード層15が位置する。
このうちレーザーアブレーション層11は、特定の外的エネルギー(例えば、レーザー光)を付与されることにより密着力が低下又は消失するものが用いられる。レーザー光の種類としては、エキシマレーザーArF(波長193nm)、KrF(波長248nm)、XeCl(波長308nm)、YAGレーザー(波長355nm)、グリーンレーザー(波長532nm)、IRレーザー(波長1064nm)、CO2レーザー(波長10,600nm)などが挙げられる。レーザー光の波長が短いと高エネルギーのため熱が発生しやすく、レーザー光の波長が高いと吸収する材料が限定されるため材料の選択自由度が低い。そのため、使用するレーザー光は300nm~400nmのレーザー光が好適に用いられる。レーザーアブレーション層11としては、例えば、エキシマレーザー光又は固体レーザー光等の特定波長(例えばエキシマレーザー光の場合、308nm)のレーザー光を吸収する特性を有するアモルファスシリコンやポリイミド等の剥離材料(例えばBrewer Science, Inc.社製BREWER BONDシリーズ、宇部興産(株)製UPIAシリーズ(製品名)、ユニチカ(株)製Uイミドシリーズ(製品名)、JSR(株)製オプトマーALシリーズ(製品名)、東京応化工業(株)製TZNR-Aシリーズ(製品名))を用いることができる。とりわけ、レーザーアブレーション層11は、ポリイミドを含むことが好ましい。
レーザーアブレーション層11は、レーザー光を効率良く吸収するよう、レーザー光の透過率が低いものであることが好ましい。具体的には、レーザーアブレーション層11は、レーザー光の透過率が40%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは15%以下としても良い。これにより、後述するようにキャリア基板21を再配線層30から剥離する際、キャリア基板21側からレーザー光Lを照射することにより、レーザーアブレーション層11を効果的に改質させることができる。なお、レーザー光の透過率は、例えば分光光度計(例えば、UV-2450(株式会社島津製作所製))によって測定できる。
また、レーザーアブレーション層11の平均厚みは、例えば、50nm以上1000nm以下の範囲としてもよく、50nm以上250nm以下の範囲とすることが好ましい。レーザーアブレーション層11の平均厚みを50nm以上とすることにより、レーザーアブレーション層11がレーザー光を十分に吸収でき、再配線層30を効率良く剥離できる。レーザーアブレーション層11の平均厚みを1000nm以下とすることにより、レーザー光をレーザーアブレーション層11の内部まで到達させることができ、再配線層30を効率良く剥離できる。なお、レーザーアブレーション層11の平均厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてレーザーアブレーション層11の断面から測定できる。具体的には、レーザーアブレーション層11の切り出した領域を50mm間隔で走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定し、各測定値の算術平均値により求められる。
また、レーザーアブレーション層11の厚みのばらつきは、レーザーアブレーション層11の平均厚みを基準として±10%以内としてもよく、±5%以内とすることが好ましい。レーザーアブレーション層11の厚みのばらつきを±10%以内とすることにより、後述するように、再配線層30を剥離する際、レーザー光Lの焦点がレーザーアブレーション層11の厚み方向にずれることが抑えられる。これにより、レーザー光Lのエネルギーをレーザーアブレーション層11に対して十分に吸収させることができる。なお、レーザーアブレーション層11の厚みのばらつきとは、上述したレーザーアブレーション層11の平均厚みを基準としたときの、レーザーアブレーション層11の厚みの最大値及び最小値に基づいて算出される。すなわち、((レーザーアブレーション層11の厚みの最大値/レーザーアブレーション層11の平均厚み)-1)×100(%)の値がばらつきの上限値である。また、((レーザーアブレーション層11の厚みの最小値/レーザーアブレーション層11の平均厚み)-1)×100(%)の値がばらつきの下限値である。レーザーアブレーション層11の厚みの最大値及び最小値とは、レーザーアブレーション層11の切り出した領域を50mm間隔で走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定したときの最大値及び最小値をいう。
レーザーアブレーション層11の線膨張係数(CTE)は、2ppm(10-6)/K以上50ppm/K以下であっても良く、4ppm/K以上30ppm/K以下であることが好ましい。ここで線膨張係数とは、20℃~200℃の温度範囲における線膨張係数をいう。レーザーアブレーション層11の線膨張係数は、例えば熱機械分析装置(例えばTMA-60(株式会社島津製作所製)によって算出することができる。
レーザーアブレーション層11のガラス転移温度Tgは、250℃以上であることが好ましい。これにより、後述する再配線層30を形成する工程でレーザーアブレーション層11が高温環境下(例えば約200℃)に置かれたときに、レーザーアブレーション層11が変形することを抑制できる。レーザーアブレーション層11のガラス転移温度Tgは、動的粘弾性測定装置(例えば、Rheogel-E4000(株式会社ユービーエム社製))により測定できる。
密着層12は、レーザーアブレーション層11上に直接形成された平坦な層からなる。密着層12は、接着性をもつ接着層であっても良い。密着層12は、後述する配線基板20の製造工程において、キャリア基板21と再配線層30とを密着させるとともに、その後の半導体装置70の製造工程において、再配線層30及び遮蔽層13から剥離されるものである。
密着層12は、レーザーアブレーション層11とは異なり、レーザーアブレーション層11にレーザー光を照射した後も密着力が保持されるものが用いられる。密着層12は、透明なものであっても良い。また密着層12としては、例えば、エキシマレーザー光又は固体レーザー光等の特定波長(例えばエキシマレーザー光の場合、308nm)のレーザー光を透過する特性を有することが好ましい。具体的には、密着層12は、レーザー光の透過率が50%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上としても良い。これにより、後述するようにキャリア基板21を再配線層30から剥離するとき、キャリア基板21側からレーザー光Lを照射することにより、レーザー光Lを効率良くレーザーアブレーション層11に到達させることができる。なお、レーザー光の透過率は、例えば分光光度計(例えば、UV-2450(株式会社島津製作所製))によって測定できる。
また、密着層12のレーザー光の透過率は、上述したレーザーアブレーション層11のレーザー光の透過率よりも高いことが好ましい。これにより、後述するようにキャリア基板21を再配線層30から剥離するとき、レーザー光Lを効率良くレーザーアブレーション層11に到達させ、レーザーアブレーション層11を改質させることができる。
密着層12としては、例えば、シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤、又はリモネン等に溶解する接着剤を用いることができる。密着層12の厚みは、例えば、1μm以上100μm以下程度の範囲としても良い。
密着層12は、後述するように、支持基材18上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プラズマCVD法又は熱CVD法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものである。外周の隆起部や裏面回りした塗料はEBR(エッジビードリムーブ)などで除去しても良い。このため密着層12は、全体として平坦性を高めることが可能となり、面内の凹凸の最も高い箇所と低い箇所との差であるUniformityレンジが10%以下程度の平坦性を確実に得ることができるため好ましい。これにより寸法精度の高い再配線パターンを形成することが可能となる。
密着層12のガラス転移温度Tgは、-30℃以上であることが好ましい。これにより、後述する再配線層30を形成する工程で密着層12が高温環境下(例えば約200℃)に置かれたときに、密着層12が変形することを抑制できる。密着層12のガラス転移温度Tgは、動的粘弾性測定装置(例えば、Rheogel-E4000(株式会社ユービーエム社製))により測定できる。
保護フィルム14は、キャリア基板21に転写する層(転写層16)である、レーザーアブレーション層11、密着層12、遮蔽層13及びシード層15を剥離可能に担持する。保護フィルム14は、転写層16を被転写基材であるキャリア基板21に転写するまでの間、転写層16を外部からの衝撃等から保護する。また保護フィルム14は、転写層16を被転写基材であるキャリア基板21上に接着及び積層する際に、剥離及び除去されるセパレータとしての役割を果たす。保護フィルム14は、透明又は不透明なフィルム材であっても良い。なお保護フィルム14は、全体の形状がシート形状であっても良い。また保護フィルム14は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂等の樹脂からなる樹脂性フィルム材を用いてもよい。なお保護フィルム14の厚みは、5μm以上100μm以下としても良い。
遮蔽層13は、転写層16上に形成される再配線層30を保護するためのものである。具体的には、遮蔽層13は、後述する半導体装置70の製造工程において、パターン構造体31を形成するレジスト材料とレーザーアブレーション層11とを分離し、レジスト材料とレーザーアブレーション層11とが相溶することによる相互汚染を抑止する。また遮蔽層13は、レーザーアブレーション層11をレーザー光によって改質する際、レーザー光を反射させることにより、レーザーアブレーション層11で吸収されずに透過したレーザー光から再配線層30を保護する役割を果たす。すなわち遮蔽層13は、レーザー照射に対し再配線層30にダメージを与えずレーザーアブレーション層11を改質する性質を有している。レーザーアブレーション層11の改質に用いられるレーザー光としては、エキシマレーザー光(波長308nm)や固体レーザー光(波長343nm、355nm)等が挙げられる。このため遮蔽層13は、レーザーアブレーション層11の改質に用いられるレーザー光に対する反射性を有することが好ましい。特に、エキシマレーザー光又は固体レーザー光に対する反射性を有することが好ましい。また遮蔽層13は、半導体装置70の製造工程において、レーザーアブレーション層11を改質した際、レーザーアブレーション層11側からのガスを遮蔽する役割を果たしても良い。これにより、再配線層30の配線層32や電極が酸化したり、再配線層30内に熱拡散が生じたりすることを抑制することができる。このため、遮蔽層13は、上述したレーザー光の反射性や、レーザーアブレーション層11側からのガスの遮蔽性が良好なものが用いられる。
このような遮蔽層13は、後述するように、レーザーアブレーション層11上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。遮蔽層13は、例えば、使用するレーザー光の波長に対して光学濃度(OD)が2以上、好ましくは3以上の層とすることができる。また、遮蔽層13は、再配線層30の配線層32(例えばめっき銅やアルミ)に対して選択エッチング性があるものが好ましい。すなわち、遮蔽層13の材質としては、遮蔽層13を除去する際に用いるエッチング液に対して、遮蔽層13の溶解性が配線層32の溶解性より高い材質が好ましく、なかでも遮蔽層13は可溶であり配線層32は不溶となる材質が好ましい。遮蔽層13の材質は、例えば、クロム、モリブデン、チタン、アルミニウム、銀、パラジウム、銅、ニッケル、タングステン、ベリリウム、ロジウム、ルテニウム又はこれらのうち少なくとも1つを含む合金等の金属材料を挙げることができる。遮蔽層13の厚みは、光学濃度が2以上となるように適宜設定することができ、例えば、50nm以上500nm以下程度が好ましい。
遮蔽層13が金属層からなることにより、半導体装置70の製造工程において、レーザーアブレーション層11に対してレーザー光を照射する際、レーザー光から再配線層30を保護できるので、工程歩留まりを向上させることができる。また、遮蔽層13が金属層からなることにより、遮蔽層13のレーザー光に対する反射率が全反射に近い状態に高められている。このため、遮蔽層13を薄く形成できる。さらに、遮蔽層13が金属層からなることにより、遮蔽層13の平坦性を確保できるので、その上に形成される再配線層30の平坦性も高めることができる。なお、遮蔽層13は必ずしも設けられていなくても良い。
シード層15は、遮蔽層13上に直接形成された平坦な層からなる。シード層15は、このシード層15を導通媒体として電解めっき(例えば銅めっき)を施すことにより、再配線層30の接続導体層37を形成するための層である。シード層15は、例えば、銅、ニッケル、ニッケルクロム合金等、表面抵抗が1Ω/□以下となる材料が好ましい。シード層15は、スパッタリング法等の真空成膜法により形成されても良い。シード層15の厚みは、10nm以上1000nm以下の範囲で形成しても良い。なお、シード層15は必ずしも設けられていなくても良い。
なお、図2に示すように、遮蔽層13とレーザーアブレーション層11との間に追加の密着層17が配置されていても良い。追加の密着層17は、レーザーアブレーション層11上に直接形成された平坦な層からなる。追加の密着層17は、遮蔽層13とレーザーアブレーション層11との密着性を高めることにより、後述する半導体装置70の製造工程において、遮蔽層13とレーザーアブレーション層11とが互いに剥離することを抑制する役割を果たす。追加の密着層17は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、二酸化珪素(SiO)等の酸化物からなる材料を用いても良い。追加の密着層17は、スパッタリング法等の真空成膜法により形成されても良い。追加の密着層17の厚みは、10nm以上200nm以下の範囲であっても良い。
(配線基板の構成)
次に、図3により、本実施の形態による配線基板の概略について説明する。図3は、本実施の形態による配線基板を示す断面図である。
図3に示す配線基板20は、キャリア基板21と、キャリア基板21上に位置する転写層16と、配線基板形成用フィルム10上に位置する再配線層30とを備えている。
このうちキャリア基板21は、転写層16及び再配線層30を支持するものであり、平坦な板状の部材からなる。キャリア基板21の材料は、レーザーアブレーション層11をレーザー光によって構造改質する際にレーザー光が透過可能な材料を用いる。キャリア基板21の材料は、例えば、石英ガラス、アルミノホウ珪酸系ガラス、ソーダ石灰ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。キャリア基板21の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、200μm以上10mm以下程度の範囲で適宜設定できる。キャリア基板21としては、例えば一辺が300mm以上700mm以下程度の大面積の矩形基板を用いることが可能である。
キャリア基板21の線膨張係数(CTE)は、2ppm/K以上、10ppm/K以下であっても良く、3ppm/K以上、8ppm/K以下であることが好ましい。ここでキャリア基板21の線膨張係数は、例えば熱機械分析装置(例えばTMA-60(株式会社島津製作所製)によって算出することができる。また、レーザーアブレーション層11の線膨張係数と、キャリア基板21の線膨張係数との差(絶対値)は、20ppm/K以下であっても良く、15ppm/K以下であることが好ましい。再配線層30を形成する工程でレーザーアブレーション層11及びキャリア基板21が高温環境下(例えば約200℃)と常温環境下(例えば約20℃)に交互に繰り返し置かれる場合がある。このため、レーザーアブレーション層11の線膨張係数とキャリア基板21の線膨張係数との差を上記範囲内とすることにより、線膨張係数の相違によりレーザーアブレーション層11がキャリア基板21から剥離することを抑制できる。
転写層16は、上述した配線基板形成用フィルム10のうち、保護フィルム14以外の各層を含む。すなわち、転写層16は、レーザーアブレーション層11と、密着層12と、遮蔽層13と、シード層15とを含む。なお、転写層16を構成する各層の構成は、図1に示す構成と略同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
再配線層30は、遮蔽層13上に形成されたパターン構造体31と、パターン構造体31に埋設された配線層32とを有する。また、パターン構造体31内であって、遮蔽層13上には接続導体層37が形成されている。この接続導体層37は、配線層32と同一材料から構成され、配線層32に接続されている。
パターン構造体31は、ノボラック系エポキシフェノール系樹脂からなる硬化性樹脂を含んでも良い。この硬化性樹脂は、一般に主剤、構造中にアンチモンを含むような光酸発生剤又はフェノールやフェノール系エステル、シアネート系エステルの硬化剤、開始剤、架橋剤などにより構成されても良い。具体的には、硬化性樹脂として、日本化薬株式会社製 SU-8シリーズなどが挙げられる。また、硬化性樹脂には、必要に応じてレベリング剤や離型剤や密着剤が含有されていても良い。本実施の形態で使用する硬化性樹脂には特に制限はなく、公知の硬化性樹脂からパターン構造体31の用途、要求される特性、物性等に応じて適宜選択できる。パターン構造体31の厚みは、例えば、3μm以上50μm以下程度であっても良い。
配線層32は、配線33と、パッド部34と、このパッド部34に接続された層間接続ビア35とを有している。パッド部34と層間接続ビア35とは、いずれも同一材料から構成されていても良い。パッド部34と層間接続ビア35とは、互いに一体化されている。配線層32は、例えば、銅、ニッケル、ニッケルクロム合金等、導電性の良好な金属材料からなることが好ましい。
本実施の形態では、配線層32が多層に形成されている。図3において、2層の配線層32を形成した例を示している。具体的には、配線層32は、パターン構造体31Aに配設された配線層32Aと、パターン構造体31Bに配設された配線層32Bとを含む。すなわち、配線基板形成用フィルム10上には、2層構造からなる多層配線構造体36が形成されている。
(半導体装置の構成)
次に、図4により、本実施の形態による半導体装置の概略について説明する。図4は、本実施の形態による半導体装置を示す断面図である。
図4に示す半導体装置70は、上述した再配線層30と、再配線層30上に位置する半導体素子71と、半導体素子71を封止する封止樹脂72とを備えている。
このうち再配線層30は、図3に示す構成と略同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
半導体素子71としては、従来一般に用いられている各種半導体素子を使用することが可能である。半導体素子71としては、例えば集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等を用いることができる。半導体素子71は、1個に限らず、複数個設けても良い。
封止樹脂72としては、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等にフェノールなどの硬化剤を加えた熱硬化性樹脂、あるいはPPS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。封止樹脂72の線膨張係数を半導体素子71の線膨張係数に近付ける目的で粒子フィラー(SiO等)等を添加しても良い。また、封止樹脂72の成型充填性を良化させるために小径フィラーを添加しても良い。この小径フィラーとしては、平均粒子径がφ0.1μm以上φ50μm以下、好ましくはφ10μm以下のものを選択すると良い。具体的には、小径フィラーとしては、長瀬ケムテックス株式会社製、圧縮成型用液状材料、T693/R4000series等を用いても良い。
(配線基板形成用フィルムの製造方法)
次に、図5(a)-(g)により、本実施の形態による配線基板形成用フィルムの製造方法について説明する。図5(a)-(g)は、本実施の形態による配線基板形成用フィルムの製造方法を示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、平坦な板状の部材からなる支持基材18を準備する。この支持基材18は、配線基板形成用フィルム10を製造する際の支持体となるものである。支持基材18としては、例えば、ポリイミド等の樹脂基材を用いても良い。また、支持基材18の厚みは、5μm以上100μm以下としても良い。
次に、図5(b)に示すように、支持基材18上にレーザーアブレーション層11を直接積層して形成する。レーザーアブレーション層11の材料としては、レーザー光によって改質されて密着力が低下又は消失するものが用いられる。例えば、レーザーアブレーション層11の材料は、エキシマレーザー光又は固体レーザー光等の特定波長(例えばエキシマレーザー光の場合、308nm)を吸収する特性を有する剥離材料を用いることができる。このような剥離材料としては、アモルファスシリコンやポリイミド等の剥離材料が挙げられる。
レーザーアブレーション層11は、ダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法とEBR(エッジリムーブ)法との組合せ等の手法により形成されても良い。この場合、支持基材18上に発泡型の接着フィルム、テープ等を貼着する場合と比べて、フィルム、テープ等にうねりや接着剤等の厚みムラが生じるおそれがない。また、レーザーアブレーション層11の平坦性を高めることができる。
次に、図5(c)に示すように、レーザーアブレーション層11上に密着層12を直接積層して形成する。密着層12の材料としては、レーザーアブレーション層11の改質後も密着力が保持するものが用いられる。例えば、密着層12の材料は、シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤、又はリモネン等に溶解する接着剤であっても良い。密着層12としては、専用の溶解除去液によって除去が可能なものが用いられても良い。
密着層12は、ダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法とEBR(エッジリムーブ)法との組合せ等の手法により形成されても良い。この場合、密着層12の平坦性を高めることができる。
続いて、図5(d)に示すように、密着層12上に保護フィルム14を直接積層して形成する。保護フィルム14の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムが用いられても良い。
なお、支持基材18上にレーザーアブレーション層11を積層した第1積層体と、密着層12上に保護フィルム14を積層した第2積層体とをそれぞれ準備しても良い。その後、この第1積層体と第2積層体とを貼り合わせても良い。
次に、図5(e)に示すように、レーザーアブレーション層11から支持基材18を剥離して除去する。
次いで、図5(f)に示すように、レーザーアブレーション層11上に遮蔽層13を直接積層して形成する。遮蔽層13は、後工程で形成される再配線層30を保護するためのものである。遮蔽層13の材料としては、レーザー光の反射性やレーザーアブレーション層11側からのガスの遮蔽性が良好なものが用いられる。具体的には、遮蔽層13の材料は、例えばクロム、モリブデン、チタン、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、パラジウム、タングステン、ベリリウム、ロジウム、ルテニウムのいずれか又はこれらのうち少なくとも1つを含む合金等の金属材料であっても良い。遮蔽層13は、レーザーアブレーション層11上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されても良い。この場合、薄膜状の遮蔽層13を均一かつ平坦に形成できる。
続いて、図5(g)に示すように、レーザーアブレーション層11及び遮蔽層13上にシード層15を積層する。この場合、遮蔽層13に対してシード層15を直接積層して形成する。シード層15は、後工程で形成される再配線層30を作製する際、シード層15を導通媒体として電解めっき(例えば銅めっき)を施すためのものである。シード層15の材料としては、例えば、銅、ニッケル、ニッケルクロム合金等の金属材料であっても良い。シード層15は、遮蔽層13上にスパッタリング法等の真空成膜法等により形成される。このため、薄膜状のシード層15を均一かつ平坦に形成できる。
このようにして、レーザーアブレーション層11と、密着層12と、保護フィルム14と、遮蔽層13と、シード層15とを備えた配線基板形成用フィルム10(図1参照)が得られる。
(配線基板の製造方法)
次に、図6(a)-(d)により、本実施の形態による配線基板の製造方法について説明する。図6(a)-(d)は、本実施の形態による配線基板の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば図5(a)-(g)に示す方法により、配線基板形成用フィルム10を作製する(図6(a)参照)。
次いで、図6(b)に示すように、配線基板形成用フィルム10の密着層12から保護フィルム14を剥離除去する。これにより、キャリア基板21に転写する層である転写層16が得られる。
次に、図6(c)に示すように、平坦な板状の部材からなるキャリア基板21を準備し、転写層16をキャリア基板21に対して積層する。転写層16のうち密着層12は、接着性を有する材料であっても良い。これにより密着層12を用いて転写層16がキャリア基板21に接合される。
キャリア基板21としては、例えば、石英ガラス、アルミノホウ珪酸系ガラス、ソーダ石灰ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。
本実施の形態においては、配線基板形成用フィルム10から保護フィルム14を剥離し、転写層16をキャリア基板21に転写する。これにより、キャリア基板21上にレーザーアブレーション層11を含む転写層16を容易に形成できる。このため、キャリア基板21にレーザーアブレーション層11を直接塗布して形成する場合と比較して、レーザーアブレーション層11をより均一な厚みで形成できる。とりわけ、キャリア基板21の面積が大きい場合でも、キャリア基板21の全面にわたって均一な厚みのレーザーアブレーション層11を容易に形成できる。
続いて、図6(d)に示すように、レーザーアブレーション層11上に再配線層30を形成する。具体的には、レーザーアブレーション層11上のシード層15に対して再配線層30を直接形成する。再配線層30は、シード層15上に形成されたパターン構造体31と、パターン構造体31に埋設された配線層32とを有している。この場合、再配線層30は、配線基板形成用フィルム10上に形成された複数の層構造からなる多層配線構造体36を含んでいても良い。
この場合、再配線層30は、例えばインプリント法又はセミアディティブ法によって形成されても良い。あるいは、再配線層30は、感光性フォトレジストと露光現像装置(ステッパー露光装置やレーザー直描装置)を用いたフォトリソ法、熱硬化型レジストのレーザー穴開け加工(UV-YAGやCOレーザーなど)を適宜組合せて形成しても良い。
このようにして、キャリア基板21と、キャリア基板21上に位置する転写層16と、転写層16上に位置する再配線層30とを備えた配線基板20が得られる。転写層16は、レーザーアブレーション層11と、密着層12と、遮蔽層13と、シード層15とを含む。
(半導体装置の製造方法)
次に、図7(a)-(c)により、本実施の形態による半導体装置の製造方法について説明する。図7(a)-(c)は、本実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば図6(a)-(d)に示す方法により、キャリア基板21と、転写層16と、再配線層30とを備えた配線基板20を作製する。
次に、図7(a)に示すように、配線基板20の再配線層30上に半導体素子71を設け、その後、半導体素子71を封止樹脂72によって封止する。
続いて、図7(b)に示すように、キャリア基板21及び密着層12を再配線層30及び遮蔽層13から剥離する。このとき、キャリア基板21側からエキシマレーザー光(波長308nm)や固体レーザー光(波長343nm、355nm)等のレーザー光Lを照射する。このレーザー光Lは、透明なキャリア基板21と、密着層12とを透過してレーザーアブレーション層11に到達する。上述したように、レーザーアブレーション層11は、レーザー光Lによって改質されることにより密着力が低下又は消失する。このため、レーザー光Lによって改質されることにより、レーザーアブレーション層11の密着力が低下又は消失する。この結果、レーザーアブレーション層11は、密着層12から剥離する。これに対して、密着層12は密着力を保持し、キャリア基板21に接着された状態を保持する。なお、レーザーアブレーション層11を改質するとは、レーザー光Lの照射や加熱等の外的エネルギーを付与することにより、レーザーアブレーション層11が機械的に破壊される場合や、レーザーアブレーション層11に分子構造の変化が生じる場合を含む。具体的には、レーザーアブレーション層11が光によって硬化して寸法が縮むことにより、レーザーアブレーション層11の密着力が低下しても良い。あるいはレーザーアブレーション層11の表面の官能基が破壊されることにより、レーザーアブレーション層11の密着力が低下しても良い。
一方、レーザーアブレーション層11の面のうちキャリア基板21の反対側の面には、遮蔽層13が設けられている。このため、キャリア基板21及び密着層12を透過したレーザー光Lは、遮蔽層13によって反射されて、キャリア基板21及び密着層12側に戻される。したがって、レーザー光Lが再配線層30まで達することがなく、レーザー光Lが再配線層30に悪影響を及ぼすことが抑えられる。なお、遮蔽層13及びシード層15は、再配線層30に密着した状態を維持する。
本実施の形態によれば、レーザーアブレーション層11は、配線基板形成用フィルム10の転写層16をキャリア基板21に転写することにより形成されている。このため、キャリア基板21上のレーザーアブレーション層11が均一な厚みで形成される。レーザーアブレーション層11の厚みを均一にすることにより、レーザー光Lの焦点がレーザーアブレーション層11から厚み方向にずれることが抑えられる。これにより、レーザー光Lのエネルギーをレーザーアブレーション層11に対して十分に吸収させることができる。とりわけ、キャリア基板21の面積が大きい場合でも、キャリア基板21及び密着層12を再配線層30に対して安定して剥離できる。
次いで、図7(c)に示すように、遮蔽層13上のレーザーアブレーション層11の残渣を溶解除去液によって除去し、その後例えばフラッシュエッチング等の選択エッチング法により、遮蔽層13及びシード層15を再配線層30から除去する。このようにして、図4に示す半導体装置70が得られる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、配線基板形成用フィルム10の保護フィルム14を剥離し、キャリア基板21に、配線基板形成用フィルム10のレーザーアブレーション層11と密着層12とを転写する。これにより、キャリア基板21にレーザーアブレーション層11を均一な厚みで形成できる。このため、再配線層30をキャリア基板21から剥離する際に安定して均一に剥離できる。とりわけ、キャリア基板21にレーザーアブレーション層11を塗布して形成する場合と比較して、レーザーアブレーション層11をキャリア基板21の全面で均一に形成できる。
また、本実施の形態によれば、レーザーアブレーション層11の厚みを均一にすることにより、キャリア基板21の面積が大きい場合でも、再配線層30を安定して剥離できる。またレーザーアブレーション層11の厚みが均一であることにより、レーザー光Lのエネルギーを最低限に抑えられるため、再配線層30を短時間で剥離でき、再配線層30へのダメージも抑えられる。
また、本実施の形態によれば、キャリア基板21に、配線基板形成用フィルム10のレーザーアブレーション層11と密着層12とを転写する。このため、キャリア基板21上にレーザーアブレーション層11を塗布及び硬化する工程を設ける必要がなく、処理時間を短縮できる。
また、本実施の形態によれば、レーザーアブレーション層11上に密着層12が設けられ、密着層12上に保護フィルム14が設けられている。これにより、保護フィルム14を剥離することにより密着層12が露出する。また、露出した密着層12によって、レーザーアブレーション層11をキャリア基板21に対して強固に接合することができる。
また、本実施の形態によれば、レーザーアブレーション層11上であって密着層12の反対側に、遮蔽層13が設けられている。これにより、レーザーアブレーション層11をレーザー光によって加熱する際、レーザー光から再配線層30を保護することができる。また遮蔽層13がレーザー光を反射することにより、再配線層30にダメージを与えることなくレーザーアブレーション層11を改質させることができる。
また、本実施の形態によれば、レーザー光Lを用いてキャリア基板21を再配線層30から剥離する(レーザーリフトオフ)。これにより、機械剥離を行う場合と比べて、キャリア基板21をしならせることがない。このため、剥離時に封止樹脂72に埋設された半導体素子71等のデバイスにダメージが加わることを抑制できる。
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図1に示す構成をもつ配線基板形成用フィルムを作製した。この場合、配線基板形成用フィルムは、平均厚み200nmのレーザーアブレーション層と、厚み10μmの密着層と、厚み38μmの保護フィルムと、を含んでいた。レーザーアブレーション層の材料としてはポリイミドを用い、密着層の材料としてはアクリル系接着剤を用い、保護フィルムの材料としてはポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。次に、保護フィルムを剥離し、キャリア基板(大きさ500mm×500mm、厚さ1mmのガラス基材)にレーザーアブレーション層と密着層とを転写した。次いで、レーザーアブレーション層上に再配線層を形成した。その後、レーザーアブレーション層に波長308nmのエキシマレーザー光を照射することにより、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(実施例2)
レーザーアブレーション層の平均厚みを50nmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(実施例3)
レーザーアブレーション層の平均厚みを1000nmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(実施例4)
レーザーアブレーション層の材料としてアモルファスシリコンを用いたこと、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(実施例5)
レーザーアブレーション層の平均厚みを20nmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(実施例6)
レーザーアブレーション層の平均厚みを1100nmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(比較例1)
キャリア基板(大きさ500mm×500mm、厚さ1mmのガラス基材)上に、平均厚み200nmのレーザーアブレーション層を塗布することにより形成した。レーザーアブレーション層の材料としてはポリイミドを用いた。次いで、レーザーアブレーション層上に再配線層を形成し、その後、レーザーアブレーション層に波長308nmのエキシマレーザー光を照射することにより、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(剥離性)
上記実施例1~6、比較例1のそれぞれについて、キャリア基板から再配線層を剥離するときの剥離性を評価した。具体的には、キャリア基板の剥離後に、キャリア基板の全面積に占める、再配線層側にレーザーアブレーション層及び密着層が残存した領域の面積の割合を求めた。上記割合が5%以下のサンプルを評価「A」とし、5%超10%以下のサンプルを評価「B」とし、10%超20%以下のサンプルを評価「C」とし、20%超のサンプルを評価「D」とした。この結果を下記表1に示す。
(レーザーアブレーション層の厚みのばらつき)
上記実施例1~6、比較例1のそれぞれについて、レーザーアブレーション層の厚みのばらつきを測定した。レーザーアブレーション層の厚みのばらつきは、走査型電子顕微鏡(SEM)にて測定した。この結果を下記表1に示す。
Figure 2022186473000002
表1に示すように、実施例1-6のサンプルは、比較例1のサンプルと比較して、キャリア基板から再配線層を剥離するときの剥離性が良好であった。また、実施例1-6のサンプルは、比較例1のサンプルと比較して、レーザーアブレーション層の厚みのばらつきが抑えられていた。
次に、レーザーアブレーション層の線膨張係数とキャリア基板の線膨張係数とが剥離性に及ぼす影響について評価した。
(実施例1)
上述した実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。レーザーアブレーション層の線膨張係数は4ppm/Kであり、キャリア基板の線膨張係数は3ppm/Kであった。
(実施例7)
キャリア基板の線膨張係数が8ppm/Kであること、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(実施例8)
レーザーアブレーション層の線膨張係数が15ppm/Kであること、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(実施例9)
レーザーアブレーション層の線膨張係数が15ppm/Kであり、キャリア基板の線膨張係数が8ppm/Kであること、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(実施例10)
レーザーアブレーション層の線膨張係数が30ppm/Kであること、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(実施例11)
レーザーアブレーション層の線膨張係数が30ppm/Kであり、キャリア基板の線膨張係数が8ppm/Kであること、以外は、実施例1と同様にして配線基板形成用フィルムを作製した。その後、キャリア基板にレーザーアブレーション層と密着層とを転写し、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(比較例2)
キャリア基板(大きさ500mm×500mm、厚さ1mmのガラス基材)上に、平均厚み200nmのレーザーアブレーション層を塗布することにより形成した。レーザーアブレーション層の線膨張係数は4ppm/Kであり、キャリア基板の線膨張係数は3ppm/Kであった。次いで、レーザーアブレーション層上に再配線層を形成し、その後、レーザーアブレーション層に波長308nmのエキシマレーザー光を照射することにより、キャリア基板から再配線層を剥離した。
(剥離性)
上記実施例1、7~11、比較例2のそれぞれについて、キャリア基板から再配線層を剥離するときの剥離性を評価した。剥離性の評価方法は上記と同様である。この結果を下記表2に示す。
Figure 2022186473000003
表2に示すように、実施例1、7~11のサンプルは、比較例2のサンプルと比較して、キャリア基板から再配線層を剥離するときの剥離性が良好であった。また、実施例1、7~11のサンプルについては、レーザーアブレーション層の線膨張係数と、キャリア基板の線膨張係数との差が小さいほど、上記剥離性がより良好であった。
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 配線基板形成用フィルム
11 レーザーアブレーション層
12 密着層
13 遮蔽層
14 保護フィルム
15 シード層
16 転写層
17 追加の密着層
18 支持基材
20 配線基板
21 キャリア基板
30 再配線層
70 半導体装置
71 半導体素子
72 封止樹脂

Claims (16)

  1. レーザーアブレーション層と、前記レーザーアブレーション層上に位置する密着層と、前記密着層上に位置する保護フィルムとを有する配線基板形成用フィルムを準備する工程と、
    前記配線基板形成用フィルムの前記保護フィルムを剥離する工程と、
    キャリア基板に、前記配線基板形成用フィルムの前記レーザーアブレーション層と前記密着層とを転写する工程と、
    前記レーザーアブレーション層上に再配線層を形成する工程と、
    前記レーザーアブレーション層にレーザー光を照射することにより前記キャリア基板から前記再配線層を剥離する工程と、を備えた半導体装置の製造方法。
  2. 前記レーザーアブレーション層の線膨張係数と、前記キャリア基板の線膨張係数との差は、20ppm/K以下である、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記レーザーアブレーション層の平均厚みは、50nm以上1000nm以下である、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記レーザーアブレーション層の厚みのばらつきは、前記レーザーアブレーション層の平均厚みを基準として±10%以内である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記レーザー光は、エキシマレーザー光又は固体レーザー光である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記レーザーアブレーション層上であって前記密着層の反対側に、遮蔽層が位置している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記遮蔽層と前記レーザーアブレーション層との間に、追加の密着層が配置されている、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記密着層の前記レーザー光の透過率は、前記レーザーアブレーション層の前記レーザー光の透過率よりも高い、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記レーザーアブレーション層のガラス転移温度Tgは、250℃以上であり、前記密着層のガラス転移温度Tgは、-30℃以上である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 配線基板を形成するための配線基板形成用フィルムであって、
    レーザーアブレーション層と、
    前記レーザーアブレーション層上に位置する密着層と、
    前記密着層上に位置する保護フィルムと、を備えた、配線基板形成用フィルム。
  11. 前記レーザーアブレーション層の平均厚みは、50nm以上1000nm以下である、請求項10に記載の配線基板形成用フィルム。
  12. 前記レーザーアブレーション層の厚みのばらつきは、前記レーザーアブレーション層の平均厚みを基準として±10%以内である、請求項10又は11に記載の配線基板形成用フィルム。
  13. 前記レーザーアブレーション層上であって前記密着層の反対側に、遮蔽層が位置している、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の配線基板形成用フィルム。
  14. 前記遮蔽層と前記レーザーアブレーション層との間に、追加の密着層が配置されている、請求項13に記載の配線基板形成用フィルム。
  15. 前記密着層のレーザー光の透過率は、前記レーザーアブレーション層のレーザー光の透過率よりも高い、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の配線基板形成用フィルム。
  16. 前記レーザーアブレーション層のガラス転移温度Tgは、250℃以上であり、前記密着層のガラス転移温度Tgは、-30℃以上である、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の配線基板形成用フィルム。
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