JP2022183820A - ロボットの制御装置及びロボットシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】自身が制御する場合と、外部制御装置によって制御される場合とを、安全性を確保しつつ容易に切り替えることが可能なロボットの制御装置を提供する。【解決手段】コントローラ3において、通信ボード7は複数の産業機器を並行的に制御する外部制御装置5との通信を行う。保存領域15の領域16には、ユーザにより設定され演算器10の動作モードを内部モード又は外部モードの何れかに設定するためのモード情報が記憶される。演算器10は外部制御装置5より送信される外部制御プログラム14の実行も可能に構成されている。モード設定値が内部モードを示す場合は演算器10による内部制御プログラム12に基づく制御を有効化すると共に外部制御プログラム14に基づく制御を無効化し、外部モードを示す場合は外部制御プログラム14に基づく制御を有効化し、内部制御プログラム12に基づく制御を無効化する。【選択図】図1
Description
本発明は、制御プログラムを実行してロボットを制御する装置に関する。
ロボットを用いた生産設備が高機能化することに伴い、ロボットを、そのロボットに付属するコントローラとは別個に存在する、より上位の制御装置の動作命令に基づいて動作させたいというニーズがある。上位の制御装置としては、例えば、ロボットを含む複数の産業機器を並行的に制御するPLC(Programable Logic Controller)等がある。従来、PLC及びロボットを含む制御システムでは、PLCは、ロボットのコントローラに、制御プログラムの実行を開始させるためのトリガ信号を出力するか、極めて簡単な命令を送信して、一時的にコントローラに実行させるものであった。
これに対して、例えばPLCにも各ロボットの制御プログラムを搭載し、PLCがコントローラに替わって各ロボットを直接的に制御することで、複数のロボットを連携させて協調的に制御することが容易に可能となる。
上記のような制御システムを想定すると、コントローラの動作モードを、自身が保持している制御プログラムを実行させるモードと、PLCが保持している制御プログラムを実行させるモードとに切り替える必要がある。この場合、ユーザにとっては、動作モードはフレキシブルに切り替え可能であることが望ましいが、安全性についても考慮する必要がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、自身が制御する場合と、外部制御装置によって制御される場合とを、安全性を確保しつつ容易に切り替えることが可能なロボットの制御装置及びロボットシステムを提供することにある。
請求項1記載のロボットの制御装置によれば、通信部は、複数の産業機器を並行的に制御すると共に、ロボットの外部制御プログラムが記憶されている外部記憶部を有する外部制御装置との通信を行う。情報記憶部には、ユーザにより設定され、制御部の動作モードを内部モード又は外部モードの何れかに設定するためのモード情報が記憶される。制御部は、外部制御装置と通信を行うことで、外部制御プログラムの実行に基づく制御も可能に構成されている。
そして、モード情報が内部モードを示す場合は、制御部による内部制御プログラムに基づく制御を有効化すると共に、外部制御プログラムに基づく制御を無効化し、外部モードを示す場合は、外部制御プログラムに基づく制御を有効化し、内部制御プログラムに基づく制御を無効化する。
このように構成すれば、制御部の動作モードを、ユーザにより設定され情報記憶部に記憶されたモード情報に基づいて、内部モード又は外部モードの何れかに設定できる。そして、内部モードであれば制御部による外部制御プログラムに基づく制御が無効化され、外部モードであれば内部制御プログラムに基づく制御が無効化されることで、常に一方の制御プログラムによる制御のみが可能な状態になる。
これにより、制御装置は、内部モードでは従来通りに内部制御プログラムを実行してロボットを制御できると共に、外部モードでは外部制御プログラムに基づく制御を行ってロボットを制御できる。したがって、ロボットの制御形態を、ユーザのニーズに応じて多様化させることが可能になる。
請求項2記載のロボットの制御装置によれば、情報記憶部を不揮発性メモリとして、 モード情報は、不揮発性メモリから、制御部が作業領域として使用する揮発性メモリに転送される。そして、制御部は、揮発性メモリに転送されたモード情報を読み込んで動作モードを決定する。このように構成すれば、ユーザにより設定されるモード情報は不揮発性メモリに記憶されるので、電源の供給が遮断されても情報の内容は保持される。したがって、ロボットの制御を開始する際に、モード情報を毎回設定する必要がなくなる。
請求項3記載のロボットの制御装置によれば、不揮発性メモリから揮発性メモリへのモード情報の転送は、電源投入後の初期化処理において行われる。これにより、一旦一方の動作モードでロボットの制御を開始した後においても、モード情報を再設定してから制御装置の電源を再投入すれば、動作モードの切り替えが可能になる。
請求項4記載のロボットシステムによれば、請求項1から3の何れか一項に記載のロボットの制御装置と、複数の産業機器を並行的に制御すると共に、前記ロボットを制御する外部制御プログラムが記憶されている外部記憶部を有する外部制御装置とを備える。このように構成すれば、制御装置に搭載された内部制御プログラムの実行と外部制御装置に搭載された外部制御プログラムの実行とを、ユーザが制御装置に設定したモード情報により切り替えることができ、ロボットの制御形態を多様化させることができる。
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すロボットシステム1は、例えば一般的な産業用ロボットシステムであり、ロボット2、ロボット2の動作を制御するコントローラ3,ロボット2に関する操作及び表示を行うための教示装置4,及び例えばPLC等の外部制御装置5を備えている。ロボット2は、例えば6軸の垂直多関節型ロボットである。コントローラ3は、通信ボード6,7を介して教示装置4,外部制御装置5と通信を行う。
図2は、図1に示す構成を一部に含むもので、外部制御装置5によって制御される他の機器も併せて示す、例えば工場における生産設備の制御システムである。外部制御装置5は、コントローラ3A,3Bを介して2台のロボット2A,2Bを制御すると共に、カメラ21や工作機械22とも通信を行うことで、これらの機器も併せて制御する。このように、外部制御装置5が複数の機器を一括して制御することで、ロボット2A,2B及び工作機械22間における同期動作の精度を向上させることが可能になる。
図1において、通信ボード6からモータ制御器11までの機能ブロックは、従来のコントローラ3が備えている機能である。教示装置4は、ユーザがコントローラ3を操作するための入力を行うもので、例えばティーチングペンダントと称される。ユーザは、教示装置4によりロボット2の動作を教示したり、教示した動作を開始させる指示等を入力する。教示装置4に入力された指示内容は、通信ボード6を介してコントローラ3に入力され、コントローラ3で処理できる内容に解釈される。
経路生成器8は、内部制御プログラム12が記憶されている内部記憶部を備えており、内部制御プログラム12に基づいてロボット2の動作経路を生成する。動作生成器9は、生成された動作経路に基づいて、ロボット2が備える6軸に対応した6つのモータ13の指令角度を、例えば8ms毎に生成する。演算器10は、生成された指令角度を、モータ13の制御周期である例えば1msに分割する。そして、分割した指令角度に応じたPWM信号等を生成してモータ制御器11に出力する。モータ制御器11は、例えばインバータ等の駆動回路であり、6つのモータ13に対応して6個ある。尚、演算器10及びモータ制御器11が制御部に相当する。
外部制御装置5は、ロボット2の制御プログラムである外部制御プログラム14が記憶されている外部記憶部を備えている。外部制御プログラム14は、ロボット2を図2に示す制御形態に対応したプログラムである。一方、内部制御プログラム12は、コントローラ3がロボット2を単体で制御する場合に対応したプログラムである。外部制御装置5は、経路生成器8及び動作生成器9に対応する機能も備えており、通信部に相当する通信ボード7からは、動作生成器9より出力される信号と同じ種類の信号が演算器10に出力される。
次に、本実施形態の作用について説明する。図3に示す動作モード設定処理では、先ずユーザが教示装置4を介して、コントローラ3に動作モードの設定要求を入力する(S1)。コントローラ3は、ユーザにより教示装置4に入力された動作モードの設定値をチェックする(S2)。そして、設定値をコントローラ3の情報記憶部である保存領域15に書き込んで記憶する(S3)。保存領域15は、例えばフラッシュROMのような不揮発性メモリの領域16と、RAMのような不発性メモリの領域17とに分かれており、動作モードの設定値は領域16に記憶される。以上で設定処理が完了する(S4)。前記設定値はモード情報に相当する。
図4に示す動作モード決定処理では、コントローラ3に電源が投入されると(S11)、初期化処理が実行される(S12)。この初期化処理では同図に示すように、領域16に記憶されているモード設定値が、領域17に転送される。続いて、演算器10は、動作モードを確認するが、その際には領域17に転送されているモード設定値を参照する(S13)。それから、各動作モードに応じた立ち上げ処理を行うと(S14)、コントローラ3の起動が完了する(S15)。
ここで、モード設定値は例えば1ビットのフラグでも良く、以下のように2つの動作モードを割り当てても良い。
<モード設定値> <動作モード>
0 内部モード
1 外部モード
ここで、モード設定値は例えば1ビットのフラグでも良く、以下のように2つの動作モードを割り当てても良い。
<モード設定値> <動作モード>
0 内部モード
1 外部モード
そして、「内部モード」であれば、演算器10は動作生成器9より指令角度を取得して、内部制御プログラム12に基づきロボット2を制御する。一方、「外部モード」であれば、演算器10は通信ボード7を介して外部制御装置5より指令角度を取得して、外部制御プログラム14に基づきロボット2を制御する。尚、「外部モード」において外部制御装置5は、演算器10を介して実質的にモータ制御器11を制御していることになる。
図5は、外部制御装置5とコントローラ3との間で行われる通信の形態を示すもので、通信プロトコルは、例えばEtherCAT(登録商標)等である。図5に示すように、通信は、一定の周期毎に行われる周期通信と、周期通信が行われてないインターバル期間に行われる非周期通信とに分かれている。周期通信では、指令位置や現在位置、現在速度などのように、外部制御装置5の制御周期毎に必要となるデータが送受信される。一方、非周期通信では、ロボット2の原点位置やモータ13の設定など、起動直後や設定が変更された際に必要となるデータが送受信される。
以上のように本実施形態によれば、コントローラ3において、通信ボード7は、複数の産業機器を並行的に制御する外部制御装置5との通信を行う。保存領域15の領域16には、ユーザにより設定され、演算器10の動作モードを内部モード又は外部モードの何れかに設定するためのモード設定値が記憶される。演算器10は、外部制御装置5より送信される外部制御プログラム14に基づく制御も可能に構成されている。
そして、モード設定値が内部モードを示す場合は、演算器10による内部制御プログラム12に基づく制御を有効化すると共に外部制御プログラム14に基づく制御を無効化し、外部モードを示す場合は、外部制御プログラム14に基づく制御を有効化し、内部制御プログラム12に基づく制御を無効化する。
このように構成すれば、演算器10の動作モードを、ユーザにより設定されたモード設定値に基づいて内部モード又は外部モードの何れかに設定できる。そして、内部モードであれば演算器10による外部制御プログラム14の実行が無効化され、外部モードであれば内部制御プログラム12の実行が無効化されることで、常に一方の制御プログラムに基づく制御のみが可能な状態になる。
これにより、コントローラ3は、内部モードでは従来通りに内部制御プログラム12に基づく制御を実行してロボット2を制御できると共に、外部モードでは外部制御プログラム14に基づいてロボット2を制御できる。したがって、ロボット2の制御形態を、ユーザのニーズに応じて多様化させることが可能になる。また、図2に示すシステム構成において、コントローラ3A,3Bが外部モードで制御を行うことで、ロボット2A,2B間に加えて、工作機械22のような他の生産設備との同期動作が高精度で実現可能となる。したがって、タクトタイムを削減したり、高難度のアプリケーションへの適用も可能になる。特に、コントローラ3A,3Bが異なる製品である場合には、それ等を同期して動作させる精度が向上する。
また、モード情報を、不揮発性メモリである領域16から演算器10が作業領域として使用する揮発性メモリの領域17に転送し、演算器10は、領域17に転送されたモード情報を読み込んで動作モードを決定する。このように構成すれば、ユーザにより設定されるモード設定値の内容は、電源の供給が遮断されても保持される。したがって、ロボット2の制御を開始する際に、モード設定値を毎回設定する必要がなくなる。そして、領域16から領域17への転送は、電源投入後の初期化処理において行われる。これにより、一旦一方の動作モードでロボット2の制御を開始した後においても、モード設定値を再設定してからコントローラ3の電源を再投入すれば、動作モードの切り替えが可能になる。
本発明は上記した、又は図面に記載した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
指令角度を生成する周期は、8msに限らない。
ロボットは、垂直6軸型に限らず、水平4軸型等でも良い。
モード設定値は、必ずしも領域16から領域17へ転送してから演算器10に読み込ませる必要はない。
通信プロトコルは、EtherCATに限らない。
カメラ21や工作機械22以外の産業機器を、外部制御装置5の制御対象としても良い。
指令角度を生成する周期は、8msに限らない。
ロボットは、垂直6軸型に限らず、水平4軸型等でも良い。
モード設定値は、必ずしも領域16から領域17へ転送してから演算器10に読み込ませる必要はない。
通信プロトコルは、EtherCATに限らない。
カメラ21や工作機械22以外の産業機器を、外部制御装置5の制御対象としても良い。
図面中、1はロボットシステム、2はロボット、3はコントローラ、4は教示装置、5は外部制御装置、7は通信ボード、10は演算器、12は内部制御プログラム、14は内部制御プログラム、15は保存領域、16,17は領域、21はカメラ、22は工作機械である。
Claims (4)
- ロボットを制御する内部制御プログラムが記憶されている内部記憶部と、
前記制御プログラムの実行に基づく制御を行う制御部と、
複数の産業機器を並行的に制御すると共に前記ロボットを制御する外部制御プログラムが記憶されている外部記憶部を有する外部制御装置との通信を行う通信部と、
ユーザにより設定され、前記制御部の動作モードを内部モード又は外部モードの何れかに設定するためのモード情報が記憶される情報記憶部とを備え、
前記制御部は、前記外部制御装置より実行される、前記外部制御プログラムに基づく制御も可能に構成されており、
前記モード情報が内部モードを示す場合は、前記制御部による前記内部制御プログラムに基づく制御を有効化すると共に、前記外部制御プログラムに基づく制御を無効化し、
前記モード情報が外部モードを示す場合は、前記制御部による前記外部制御プログラムに基づく制御を有効化し、前記内部制御プログラムに基づく制御を無効化するロボットの制御装置。 - 前記情報記憶部は、不揮発性メモリであり、
前記モード情報は、前記不揮発性メモリより、前記制御部が作業領域として使用する揮発性メモリに転送され、
前記制御部は、前記揮発性メモリに転送されたモード情報を読み込んで、前記動作モードを決定する請求項1記載のロボットの制御装置。 - 前記不揮発性メモリから揮発性メモリへの前記モード情報の転送は、電源投入後の初期化処理において行われる請求項2記載のロボットの制御装置。
- 請求項1から3の何れか一項に記載のロボットの制御装置と、
複数の産業機器を並行的に制御すると共に、前記ロボットを制御する外部制御プログラムが記憶されている外部記憶部を有する外部制御装置とを備えるロボットシステム。
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JP2021091310A JP2022183820A (ja) | 2021-05-31 | 2021-05-31 | ロボットの制御装置及びロボットシステム |
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