JP2022182236A - 車両用ドアおよび車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】スピーカーユニットを有し低コスト化を図る車両用ドアを提供する。【解決手段】車両用ドア1は、車両の外部に面するアウターパネル2と、車室側に配置されるドアトリム3と、アウターパネル2とドアトリム3との間に配置され、第1開口部4aを有するインナーパネル4と、第1開口部4aに配置され、振動板5aを有するスピーカーユニット5と、を備える。振動板5aは、第1面FAと、第1面FAとは反対方向を向く第2面FBと、を有し、インナーパネル4とドアトリム3との間には、第1面FAを壁面の一部として用いて密閉され、スピーカーユニット5のためのエンクロージャー20として用いられる第1空間S21が設けられる。アウターパネル2とインナーパネル4との間には、第2面FBからの音を伝搬させる第2空間S10が設けられ、インナーパネル4は、第2空間S10からの音SNを車室内の空間に放出させるための第2開口部4bを有する。【選択図】図2
Description
本開示は、車両用ドアおよび車両に関する。
スピーカーユニットを有する車両用ドアは、例えば、特許文献1に開示されるように、アウターパネルとインナーパネルとドアトリムとスピーカーユニットとを有する。ここで、インナーパネルがアウターパネルとドアトリムとの間に配置されており、インナーパネルには、スピーカーユニットを配置するための開口が設けられる。
特許文献1には、スピーカーの有する振動板の車室側を向く面からの音を車室内の空間に放出させる構造が開示される。特許文献1に記載の構造では、スピーカーの背面方向への音の漏れを防ぐ略密閉構造の格納部がインナーパネルと一体に設けられる。
特許文献1では、前述の格納部がインナーパネルの開口からアウターパネルとインナーパネルとの間の空間に張り出すように設けられる。一般に、アウターパネルとインナーパネルとの間には、窓ガラス昇降機構およびドアロック機構等の機構が配置される。このため、特許文献1に記載の構造では、当該機構を組み付ける際、格納部が邪魔になるので、ドアの組み立てが複雑化し、この結果、高コスト化を招くという課題がある。
以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、スピーカーユニットを有する車両用ドアの低コスト化を図ることを目的とする。
本開示の好適な態様に係る車両用ドアは、車両の外部に面するアウターパネルと、車室側に配置されるドアトリムと、前記アウターパネルと前記ドアトリムとの間に配置され、第1開口部を有するインナーパネルと、前記第1開口部に配置され、振動板を有するスピーカーユニットと、を備え、前記振動板は、第1面と、前記第1面とは反対方向を向く第2面と、を有し、前記インナーパネルと前記ドアトリムとの間には、前記第1面を壁面の一部として用いて密閉された第1空間が設けられ、前記第1空間は、前記スピーカーユニットのためのエンクロージャーとして用いられ、前記アウターパネルと前記インナーパネルとの間には、前記第2面からの音を伝搬させる第2空間が設けられ、前記インナーパネルは、前記第2空間からの音を車室内の空間に放出させるための第2開口部を有する。
本開示の好適な態様に係る車両は、前述の態様の車両用ドアを備える。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際のものと適宜異ならせてある。また、以下に記載する実施形態は、本開示の好適な具体例である。このため、本実施形態には、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
1.車両用ドア
1-1.第1実施形態
1-1a.車両用ドアの概要
図1は、第1実施形態に係る車両用ドア1の分解斜視図である。車両用ドア1は、自動車等の車両に用いられるドアであり、スピーカー機能を有する。なお、以下では、車両用ドア1の厚さ方向での一方向をX1方向といい、X1方向とは反対方向をX2方向という場合がある。ここで、車両用ドア1が車両に用いられる状態では、X1方向が車両の外部から車室内に向かう方向であり、X2方向が車室内から車両の外部に向かう方向である。
1-1.第1実施形態
1-1a.車両用ドアの概要
図1は、第1実施形態に係る車両用ドア1の分解斜視図である。車両用ドア1は、自動車等の車両に用いられるドアであり、スピーカー機能を有する。なお、以下では、車両用ドア1の厚さ方向での一方向をX1方向といい、X1方向とは反対方向をX2方向という場合がある。ここで、車両用ドア1が車両に用いられる状態では、X1方向が車両の外部から車室内に向かう方向であり、X2方向が車室内から車両の外部に向かう方向である。
以下、図1に基づいて車両用ドア1の概略を説明する。図1に示すように、車両用ドア1は、アウターパネル2とドアトリム3とインナーパネル4とスピーカーユニット5とパッキン6とを備える。図1に示す例では、上下動可能な窓ガラス7のための枠体8がアウターパネル2およびインナーパネル4と一体に設けられる。なお、枠体8は、省略されてもよい。
アウターパネル2、インナーパネル4、ドアトリム3は、この順でX1方向に並んで配置される。このように、アウターパネル2が車両の外部に面するとともにドアトリム3が車室側に配置されており、アウターパネル2とドアトリム3との間には、インナーパネル4が配置される。
アウターパネル2とインナーパネル4との間には、「第2空間」の一例である空間S10が設けられる。空間S10は、スピーカーユニット5からの音を車室の空間内へ導く伝搬経路の一部として用いられる空間であり、スピーカーユニット5からの音を伝搬させる。図示しないが、空間S10には、例えば、窓ガラス7の昇降のための窓昇降機構とドアロック機構とが配置される。
ドアトリム3とインナーパネル4との間には、「第1空間」の一例である空間S21と「第3空間」の一例である空間S22とが設けられる。空間S21は、スピーカーユニット5を壁面の一部として用いて密閉された空間であり、スピーカーユニット5のためのエンクロージャー20として用いられる。空間S22は、空間S21と連通しない空間であり、空間S10からの音を車室の空間内へ導く伝搬経路として用いられる空間である。
インナーパネル4は、「第1開口部」の一例である開口部4aと、「第2開口部」の一例である開口部4bと、「第3開口部」の一例である開口部4cと、を有する。開口部4aは、スピーカーユニット5を配置するための孔である。本実施形態では、開口部4aは、スピーカーユニット5により塞がれる。開口部4bは、空間S10および空間S22のそれぞれに連通する孔である。このため、空間S10および空間S22は、開口部4bを介して互いに連通する。開口部4cは、空間S10に連通しており、例えば、車両用ドア1に関する組み付け作業のうち、前述の昇降機構およびドアロック機構等を空間S10に配置する作業に用いる孔である。
ドアトリム3は、「第4開口部」の一例である開口部3aを有する。開口部3aは、空間S22および車室内の空間のそれぞれに連通する孔である。このため、空間S10および空間S22は、開口部3aを介して互いに連通する。
図1に示す例では、ドアトリム3がインナーパネル4に対して複数の接続部材9により着脱可能に取り付けられる。各接続部材9は、例えば、樹脂で構成されるリベットまたはクリップである。各接続部材9は、ドアトリム3に固定される一端と、インナーパネル4の有する孔4dに挿入される他端と、を有する。
スピーカーユニット5は、インナーパネル4の開口部4aに配置される。図1に示す例では、スピーカーユニット5がインナーパネル4に対して複数のねじ10を用いたねじ留めにより取り付けられる。ここで、インナーパネル4には、各ねじ10に嵌め合う孔4eが設けられる。
パッキン6は、ドアトリム3とインナーパネル4との間に配置される。パッキン6は、空間S21が密閉されるよう、ドアトリム3とインナーパネル4との間の隙間を塞ぐ。
以上から理解されるように、車両用ドア1では、スピーカーユニット5からX2方向に放音される音が、空間S10、開口部4b、空間S22、開口部3aをこの順で経由して車室内の空間に放出される。ここで、空間S21が密閉されるので、スピーカーユニット5からX1方向に放音される音が車室内の空間に放出されることが防止される。
1-1b.車両用ドアの各部
以下、図2に基づいて、車両用ドア1の各部を詳細に説明する。図2は、第1実施形態に係る車両用ドア1の模式的断面図である。図2では、説明の便宜上、車両用ドア1について開口部4a、4b、4cを通る切断面が簡略的に示される。
以下、図2に基づいて、車両用ドア1の各部を詳細に説明する。図2は、第1実施形態に係る車両用ドア1の模式的断面図である。図2では、説明の便宜上、車両用ドア1について開口部4a、4b、4cを通る切断面が簡略的に示される。
図2に示す車両用ドア1は、前述のように、アウターパネル2とドアトリム3とインナーパネル4とスピーカーユニット5とパッキン6とを備える。
アウターパネル2およびインナーパネル4のそれぞれは、例えば、鋼板で構成される。アウターパネル2およびインナーパネル4は、溶接等により互いに接合される。なお、アウターパネル2およびインナーパネル4のそれぞれは、鋼板を用いた構成に限定されず、例えば、アルミニウム合金または炭素繊維複合材料で構成されてもよい。
インナーパネル4には、前述のように、開口部4aと開口部4bと開口部4cが設けられる。これらの開口部の位置、平面視形状および大きさは、特に限定されず、任意である。ただし、開口部4aをスピーカーユニット5により塞ぎやすくする観点から、開口部4aの平面視形状は、スピーカーユニット5の外形に沿うよう、円形またはそれに近似した多角形等の形状であることが好ましい。
なお、開口部4cは、樹脂材料等で構成されるシート部材により塞がれてもよい。また、空間S10および空間S22は、開口部4cを介して互いに連通してもよい。
前述のように、インナーパネル4とドアトリム3との間には、開口部4bを介して空間S10に連通する空間S22が設けられる。ドアトリム3は、前述のように、空間S22からの音SNを車室内の空間に放出させるための開口部3aを有する。このため、開口部4bからの音SNを車室内の空間に効率的に放出させることができる。
ドアトリム3は、例えば、樹脂等で構成される。図1に示す例では、開口部3aは、複数の孔で構成される。なお、開口部3aは、1つの孔で構成されてもよい。また、開口部3aは、サランネット等のメッシュ材で覆われてもよい。
ここで、開口部3aは、X1方向またはX2方向にみて開口部4bと重なる。このため、空間S22を介した開口部4bからの音SNを効率的に車室内の空間に放出させることができる。なお、開口部3aは、空間S22を介して開口部4bに連通すればよく、X1方向またはX2方向にみて開口部4bと重ならなくてもよい。
ドアトリム3のX2方向を向く面には、空間S21を形成するための壁部3bがX2方向に突出して設けらる。壁部3bは、X1方向またはX2方向にみて開口部4aおよびスピーカーユニット5を囲む。X1方向またはX2方向にみた壁部3bの形状は、特に限定されないが、開口部4aの外縁に沿う形状であることが好ましい。この場合、X1方向またはX2方向にみて壁部3bの内側に開口部4a以外の開口部が位置することが防止される。このため、空間S21を密封するための構成を簡単化することができる。
図2に示す例では、壁部3bは、ドアトリム3と一体に構成される。このため、壁部3bがドアトリム3と別体である構成に比べて、車両用ドア1の部品点数を低減することができる。なお、壁部3bがドアトリム3と別体で構成されてもよい。また、例えば、壁部3bとインナーパネル4とを直接的に密着させることが可能である場合、パッキン6は省略されてもよい。
壁部3bとインナーパネル4との間には、パッキン6が配置される。パッキン6は、壁部3bとインナーパネル4との間で弾性変形した状態で、これらの間の隙間を封止する。パッキン6は、壁部3bの全周に沿う環状の弾性部材であり、例えば、ゴム材料またはエラストマー材料で構成される。なお、パッキン6は、独立気泡の発泡体で構成されてもよい。
このように、ドアトリム3がエンクロージャー20の少なくとも一部と一体である。このため、エンクロージャー20がドアトリム3等と別体である構成に比べて、部品点数を低減するとともに、組み立てを簡単化することができる。
ここで、壁部3bは、エンクロージャー20の一部を構成する。すなわち、エンクロージャー20は、振動板5aの振動方向にみてスピーカーユニット5を囲む壁部3bを有する。このため、インナーパネル4に開口部4a以外の開口部4c等があったり、インナーパネル4とドアトリム3との間に車室内の空間に通じる隙間Dがあったりしても、空間S21を密閉しやすいという利点がある。
本実施形態では、ドアトリム3とインナーパネル4との間には、隙間Dが形成される。隙間Dは、空間S22および車室内の空間のそれぞれに連通する。したがって、空間S22および車室内の空間は、隙間Dを介して互いに連通する。このため、隙間Dを介して開口部4bからの音SNを車室内の空間に効率的に放出させることもできる。したがって、隙間Dは、「第4開口部」の一例であるともいえる。なお、前述のように開口部3aをドアトリム3に設ける場合、隙間Dは、ゴムまたはエラストマーで構成されるパッキン等により塞がれてもよい。また、空間S22および車室内の空間が隙間Dを介して互いに連通する場合、前述の開口部3aが省略されてもよい。
スピーカーユニット5は、空間S10と空間S21とを隔てるようにインナーパネル4の開口部4aに配置される。スピーカーユニット5は、音を示す電気的な音信号を音に変換する主要な構成要素からなるアセンブリーである。スピーカーユニット5は、振動板5aと駆動部5bとフレーム5cとを有する。
スピーカーユニット5は、振動板5aを駆動するための磁気回路5b1を有する。磁気回路5b1は、振動板5aとアウターパネル2との間に配置される。このため、磁気回路5b1が振動板5aとドアトリム3との間に配置される構成に比べて、エンクロージャー20の容積を大きくしやすいという利点がある。
振動板5aは、シート材で構成される振動体であり、振動により放音する。図2に示す例では、振動板5aは、X1方向またはX2方向に沿う方向に振動する。当該シート材は、例えば、樹脂材料を繊維基材に含浸させた状態で硬化または固化することで得られる。当該樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、変性ゴム樹脂およびフェノール樹脂等が挙げられる。当該繊維基材としては、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、シリカ繊維、金属繊維、チタン酸カリウム繊維、ジルコニア繊維、ポリアクリレート繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、綿繊維、麻繊維およびセルロース繊維等が挙げられる。
振動板5aは、面FAと、面FAとは反対方向を向く面FBと、を有する。本実施形態では、面FAは、「第1面」の一例であり、空間S21の壁面の一部として用いられる。このため、面FAは、空間S21に放音する。また、本実施形態では、面FBは、「第2面」の一例であり、空間S10に面する。このため、面FBは、空間S10に音SNを放音する。図2に示す例では、振動板5aは、コーン型であり、面FAを内壁面とするとともに面FBを外壁面とする。なお、振動板5aの形状は、コーン型に限定されず、例えば、ドーム型等でもよい。
駆動部5bは、入力される電気的な音信号に基づいて振動板5aを駆動する機構である。本実施形態では、駆動部5bは、振動板5aとアウターパネル2との間に配置される。駆動部5bは、磁気回路5b1とボイスコイル5b2とを有する。磁気回路5b1は、例えば、永久磁石およびヨークで構成されており、永久磁石からの磁束をヨークによりボイスコイル5b2に導く。ボイスコイル5b2は、振動板5aに固定されており、電気的な音信号が入力されることにより、磁気回路からの磁力との相互作用により振動板5aを振動させる。この振動により、振動板5aから当該音信号に基づく音が放音される。なお、駆動部5bは、音信号に基づいて振動板5aを駆動することができればよく、磁気回路5b1およびボイスコイル5b2を有する構成に限定されず、任意である。
フレーム5cは、振動板5aを振動可能に支持するとともに駆動部5bの磁気回路5b1に固定される構造体である。フレーム5cには、振動板5aおよび駆動部5bのそれぞれが接着剤等により適宜に接合される。フレーム5cは、例えば、金属材料または樹脂材料で構成される。フレーム5cは、前述の複数のねじ10を用いてインナーパネル4に取り付けられる。なお、フレーム5cとインナーパネル4との間には、空間S21の気密性を確保するためのパッキンが配置されてもよい。当該パッキンは、例えば、ゴムまたはエラストマーで構成される。
ここで、フレーム5cは、振動板5aからの音をX1方向およびX2方向の両方向に放音可能に構成される。すなわち、本実施形態では、面FAが空間S21に露出するとともに面FBが空間S10に露出するように、フレーム5cが構成される。なお、フレーム5cの形状は、図2に示す例に限定されず、任意である。
以上のスピーカーユニット5は、サブウーファーであることが好ましい。エンクロージャー20をインナーパネル4とドアトリム3との間に設ける構成では、エンクロージャー20をアウターパネル2とインナーパネル4との間に設ける構成に比べて、エンクロージャー20の容積を大きくしやすい。このため、サブウーファーのような超低音用のスピーカーユニットをスピーカーユニット5として用いると、低音再生能力を高めるという本開示の効果が顕著である。なお、サブウーファーとは、概ね100Hz以下(好ましくは80Hz以下)の超低音域の再生を担当するスピーカーである。
1-1c.車両用ドアの作用
以上の構成の車両用ドア1では、振動板5aの面FBから空間S10に放音された音SNは、開口部4bを介して車室内の空間に放出される。一方、振動板5aの面FAを壁面の一部として用いる空間S21が密閉されるので、面FAからの逆位相の音が車室内の空間に放出されることが低減される。この結果、面FAからの音が車室内の空間に放出される構成に比べて、低音再生能力を高めることができる。また、空間S21がエンクロージャー20として用いられるので、この点ても、低音再生能力を高めることができる。しかも、エンクロージャー20がインナーパネル4とドアトリム3との間に設けられるので、エンクロージャー20がアウターパネル2とインナーパネル4との間に設けられる構成に比べて、アウターパネル2とインナーパネル4との間に配置される機構の組み付けの作業性を向上させることができる。このため、車両用ドア1の組み立てを簡単化し、この結果、車両用ドア1の低コスト化を図ることができる。
以上の構成の車両用ドア1では、振動板5aの面FBから空間S10に放音された音SNは、開口部4bを介して車室内の空間に放出される。一方、振動板5aの面FAを壁面の一部として用いる空間S21が密閉されるので、面FAからの逆位相の音が車室内の空間に放出されることが低減される。この結果、面FAからの音が車室内の空間に放出される構成に比べて、低音再生能力を高めることができる。また、空間S21がエンクロージャー20として用いられるので、この点ても、低音再生能力を高めることができる。しかも、エンクロージャー20がインナーパネル4とドアトリム3との間に設けられるので、エンクロージャー20がアウターパネル2とインナーパネル4との間に設けられる構成に比べて、アウターパネル2とインナーパネル4との間に配置される機構の組み付けの作業性を向上させることができる。このため、車両用ドア1の組み立てを簡単化し、この結果、車両用ドア1の低コスト化を図ることができる。
これに対し、図3または図4に示す構成では、前述のような車両用ドア1の効果を得ることができない。以下、図3および図4に基づいて、この点を簡単に説明する。
図3は、参考例1に係る車両用ドア1Xの模式的断面図である。車両用ドア1Xは、面FAからの音SNaが車室内の空間に放出されるように構成される。車両用ドア1Xの有するドアトリム3Xでは、開口部3aが空間S21に連通しており、面FAからの音SNaが開口部3aから車室内に放出される。ここで、面FBからの音SNbは、隙間Dから車室内の空間に漏れてしまう。このため、車両用ドア1Xでは、車室内で音SNaと音SNbとが打ち消し合ってしまい、その結果、音質の低下を招く。ここで、隙間Dを塞ぐことが考えられるが、車両用ドア1Xの形状等によっては、隙間Dを完全に塞ぐことは、現実的に難しいか、または、高コスト化を招く。
図4は、参考例2に係る車両用ドア1Yの模式的断面図である。車両用ドア1Yは、参考例1の車両用ドア1Xと同様、面FAからの音SNaが車室内の空間に放出されるように構成される。ただし、車両用ドア1Yでは、アウターパネル2とインナーパネル4との間には、エンクロージャー20Yが設けられる。エンクロージャー20Yは、面FBを壁面の一部として用いて密閉された空間S11を形成する。このような車両用ドア1Yでは、エンクロージャー20Yが空間S10に張り出すので、空間S10に配置する窓昇降機構およびドアロック機構等の機構を組み付ける際の作業性を悪化させてしまう。また、エンクロージャー20Yの大きさが空間S10内の設置スペースおよび開口部4aの大きさにより制約されるので、エンクロージャー20Yの大容量化を図ることが難しい。このため、車両用ドア1Yでは、低音再生能力を高めることができない。
1-2.第2実施形態
以下、本開示の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
以下、本開示の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図5は、第2実施形態に係る車両用ドア1Aの模式的断面図である。車両用ドア1Aは、ドアトリム3およびパッキン6に代えてドアトリム3Aおよびパッキン6Aを有するとともに封止部材11を追加した以外は、前述の第1実施形態の車両用ドア1と同様に構成される。
ドアトリム3AのX2方向を向く面には、壁部3bに代えて壁部3cが設けられる。壁部3cは、X1方向またはX2方向にみてスピーカーユニット5、開口部4aおよび開口部4cを囲む。ここで、パッキン6Aは、壁部3cとインナーパネル4との間で弾性変形した状態で、これらの間の隙間を封止する。パッキン6Aは、壁部3cの全周に沿う環状の弾性部材であり、第1実施形態のパッキン6と同様、例えば、ゴム材料またはエラストマー材料で構成される。
ここで、空間S21は、インナーパネル4を壁面として用いる。このため、インナーパネル4とは別体の部材を用いて空間S21を形成する構成に比べて、エンクロージャー20の容積を大きくすることができる。
以上のように、壁部3cの内側に、エンクロージャー20Aとして用いる空間S21が密閉空間として設けられる。
ここで、前述のように、インナーパネル4は、「第3開口部」の一例である開口部4cを有しており、開口部4cは、空間S10に連通する。インナーパネル4とドアトリム3との間には、開口部4cを塞ぐ封止部材11が配置される。このため、開口部4cを介して空間S21と空間S10とが連通することが防止される。この結果、インナーパネル4を広範囲にわたりエンクロージャー20Aの壁面として用いることができ、この結果、エンクロージャー20の容積を大きくすることができる。
封止部材11は、X1方向またはX2方向にみて開口部4cを包含する範囲にわたり設けられる。封止部材11は、ドアトリム3Aおよびインナーパネル4のうちの一方に対して接着剤または両面テープ等により固定される。
封止部材11は、例えば、ゴム材料またはエラストマー材料等の弾性材料で構成される。ここで、封止部材11は、独立気泡の発泡体であることが好ましい。独立気泡の発泡体は、極めて優れた柔軟性を有する。したがって、封止部材11が独立気泡の発泡体であることにより、インナーパネル4の形状が複雑であっても、封止部材11をインナーパネル4に好適に密着させることができる。しかも、独立気泡の発泡体は、通気性を有しない。したがって、封止部材11が独立気泡の発泡体であることにより、開口部4cを介して空間S21と空間S10とが連通することが好適に防止される。
また、ドアトリム3AのX2方向を向く面には、壁部3cのほか、リブ3dが設けられる。リブ3dは、封止部材11をインナーパネル4に向けて押し付けるための突起である。X1方向またはX2方向にみたリブ3dの形状は、特に限定されないが、空間S21を分断しないよう構成される。例えば、リブ3dと壁部3cとの間に隙間を設けたり、リブ3dに貫通孔を設けたりする構成が採用される。
このように、ドアトリム3が封止部材11をインナーパネル4に向けて押し付けるリブ3dを有することにより、封止部材11とインナーパネル4との密着性を高めることができる。
以上の第2実施形態によっても、低音再生能力を高めるとともに、車両用ドア1Aの低コスト化を図ることができる。
1-3.第3実施形態
以下、本開示の第3実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
以下、本開示の第3実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図6は、第3実施形態に係る車両用ドア1Bの模式的断面図である。車両用ドア1Bは、スピーカーユニット5の取付姿勢およびこれに関する構成が異なる以外は、前述の第2実施形態の車両用ドア1Aと同様に構成される。ここで、車両用ドア1Bは、第2実施形態のドアトリム3Aに代えてドアトリム3Bを有する。
車両用ドア1Bでは、面FAがX2方向を向くとともに面FBがX1方向を向くようにスピーカーユニット5が配置される。本実施形態では、面FBは、「第1面」の一例であり、空間S21の壁面の一部として用いられる。また、本実施形態では、面FAは、「第2面」の一例であり、開口部4aを介して空間S10に面する。このため、面FAからの音は、空間S10に放音される。このようにスピーカーユニット5を配置することにより、空間S10へのスピーカーユニット5の張り出しが防止される。この結果、面FAがX1方向を向くとともに面FBがX2方向を向く構成に比べて、アウターパネル2とインナーパネル4との間に配置される機構の組み付けの作業性を向上させることができる。
本実施形態では、スピーカーユニット5がドアトリム3Bに対してねじ10を用いたねじ留めにより取り付けられる。このため、スピーカーユニット5をドアトリム3Bに取り付けた後に、ドアトリム3Bをインナーパネル4に取り付けることができる。このため、スピーカーユニット5がインナーパネル4に取り付けられる構成に比べて、スピーカーユニット5の取り付けの際の作業性を向上させることができる。
ここで、ドアトリム3Bは、壁部3cに代えて壁部3eを有する以外は、第2実施形態のドアトリム3Aと同様に構成される。壁部3eは、ねじ10によるねじ留めのための構成を有する以外は、壁部3cと同様に構成される。
以上の第3実施形態によっても、低音再生能力を高めるとともに、車両用ドア1Bの低コスト化を図ることができる。
2.車両
図7は、実施形態に係る車両100を示す図である。車両100は、自動車であり、5枚のドア101R、101L、102R、102L、103を有する。ドア101Rは、右側のフロントサイドドアである。ドア101Lは、左側のフロントサイドドアである。ドア102Rは、右側のリアサイドドアである。ドア102Lは、左側のリアサイドドアである。ドア103は、バックドアである。
図7は、実施形態に係る車両100を示す図である。車両100は、自動車であり、5枚のドア101R、101L、102R、102L、103を有する。ドア101Rは、右側のフロントサイドドアである。ドア101Lは、左側のフロントサイドドアである。ドア102Rは、右側のリアサイドドアである。ドア102Lは、左側のリアサイドドアである。ドア103は、バックドアである。
以上のドア101R、101L、102R、102L、103のうち、少なくとも1つのドアは、前述の車両用ドア1、1A、1Bのいずれかである。すなわち、車両100は、車両用ドア1、1A、1Bのいずれかを備える。このような車両100では、車両用ドア1、1A、1Bの低コスト化が図れるので、低コスト化を図ることができる。また、車両用ドア1、1A、1Bが優れた低音再生能力を有するので、優れた音質を車室内のユーザーに提供することができる。
3.変形例
以上の実施態様は多様に変形され得る。具体的な変形な態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相矛盾しない限り適宜に併合され得る。
以上の実施態様は多様に変形され得る。具体的な変形な態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相矛盾しない限り適宜に併合され得る。
3-1.変形例1
前述の第1実施形態および第2実施形態では、スピーカーユニット5がインナーパネル4に取り付けられる構成が例示されるが、当該構成に限定されない。例えば、スピーカーユニット5がドアトリム3にねじ留め等により取り付けられてもよい。
前述の第1実施形態および第2実施形態では、スピーカーユニット5がインナーパネル4に取り付けられる構成が例示されるが、当該構成に限定されない。例えば、スピーカーユニット5がドアトリム3にねじ留め等により取り付けられてもよい。
3-2.変形例2
前述の第3実施形態では、スピーカーユニット5がドアトリム3Bに取り付けられる構成が例示されるが、当該構成に限定されない。例えば、スピーカーユニット5がインナーパネル4にねじ留め等により取り付けられてもよい。
前述の第3実施形態では、スピーカーユニット5がドアトリム3Bに取り付けられる構成が例示されるが、当該構成に限定されない。例えば、スピーカーユニット5がインナーパネル4にねじ留め等により取り付けられてもよい。
3-3.変形例3
前述の各形態では、振動板5aの振動方向が車両用ドア1、1A、1Bの厚さ方向に平行である構成が例示されるが、当該構成に限定されない。例えば、振動板5aの振動方向が車両用ドア1、1A、1Bの厚さ方向に対して直交または傾斜してもよい。この場合、スピーカーユニット5の設置姿勢に応じて壁部3b、3c、3e等の形状が適宜に変更される。
前述の各形態では、振動板5aの振動方向が車両用ドア1、1A、1Bの厚さ方向に平行である構成が例示されるが、当該構成に限定されない。例えば、振動板5aの振動方向が車両用ドア1、1A、1Bの厚さ方向に対して直交または傾斜してもよい。この場合、スピーカーユニット5の設置姿勢に応じて壁部3b、3c、3e等の形状が適宜に変更される。
4.付記
以上に例示する形態または変形例から、例えば以下の態様が把握される。
以上に例示する形態または変形例から、例えば以下の態様が把握される。
本開示の好適な第1態様に係る車両用ドアは、車両の外部に面するアウターパネルと、車室側に配置されるドアトリムと、前記アウターパネルと前記ドアトリムとの間に配置され、第1開口部を有するインナーパネルと、前記第1開口部に配置され、振動板を有するスピーカーユニットと、を備え、前記振動板は、第1面と、前記第1面とは反対方向を向く第2面と、を有し、前記インナーパネルと前記ドアトリムとの間には、前記第1面を壁面の一部として用いて密閉された第1空間が設けられ、前記第1空間は、前記スピーカーユニットのためのエンクロージャーとして用いられ、前記アウターパネルと前記インナーパネルとの間には、前記第2面からの音を伝搬させる第2空間が設けられ、前記インナーパネルは、前記第2空間からの音を車室内の空間に放出させるための第2開口部を有する。
以上の態様によれば、振動板の第2面から第2空間に放音された音は、第2開口部を介して車室内の空間に放出される。一方、振動板の第1面を壁面の一部として用いる第1空間が密閉されるので、第1面からの逆位相の音が車室内の空間に放出されることが低減される 。この結果、第1面からの音が車室内の空間に放出される構成に比べて、低音再生能力を高めることができる。また、第1空間がスピーカーユニットのエンクロージャーとして用いられるので、この点でも、低音再生能力を高めることができる。しかも、エンクロージャーがインナーパネルとドアトリムとの間に設けられるので、エンクロージャーがアウターパネルとインナーパネルとの間に設けられる構成に比べて、アウターパネルとインナーパネルとの間に配置される機構の組み付けの作業性を向上させることができる。このため、車両用ドアの組み立てを簡単化し、この結果、車両用ドアの低コスト化を図ることができる。
以上の態様によれば、エンクロージャーがインナーパネルとドアトリムとの間に設けられるので、エンクロージャーがアウターパネルとインナーパネルとの間に設けられる構成に比べて、アウターパネルとインナーパネルとの間に配置される機構の組み付けの作業性を向上させることができる。このため、車両用ドアの組み立てを簡単化し、この結果、車両用ドアの低コスト化を図ることができる。ここで、第1空間振動板の第2面から第2空間に放音された音は、第2開口部を介して車室内の空間に放出される。一方、振動板の第1面を壁面の一部として用いる第1空間が密閉されるので、第1面からの逆位相の音が車室内の空間に放出されることが低減される 。この結果、第1面からの音が車室内の空間に放出される構成に比べて、低音再生能力を高めることができる。
第1態様の好適例である第2態様において、前記ドアトリムは、前記エンクロージャーの少なくとも一部と一体である。以上の態様では、エンクロージャーがドアトリム等と別体である構成に比べて、部品点数を低減するとともに、組み立てを簡単化することができる。
第2態様の好適例である第3態様において、前記エンクロージャーは、前記振動板の振動方向にみて、前記振動板を囲むように壁部を有する。以上の態様では、インナーパネルにサービルホール等があったり、インナーパネルとドアトリムとの間に車室内の空間に通じる隙間があったりしても、第1空間を密閉しやすいという利点がある。
第1態様から第3態様のいずれかの好適例である第4態様において、前記第1空間は、前記インナーパネルを壁面として用いる。以上の態様では、インナーパネルとは別体の部材を用いて第1空間を形成する構成に比べて、エンクロージャーの容積を大きくすることができる。
第4態様の好適例である第5態様において、前記インナーパネルは、前記第2空間に連通する第3開口部を有し、前記インナーパネルと前記ドアトリムとの間には、前記第3開口部を塞ぐ封止部材が設けられる。以上の態様では、サービスホール等の第3開口部を介した第1空間と第2空間との連通が防止される。このため、インナーパネルを広範囲にわたりエンクロージャーの壁面として用いることができ、この結果、エンクロージャーの容積を大きくすることができる。
第5態様の好適例である第6態様において、前記封止部材は、独立気泡の発泡体である。以上の態様では、独立気泡の発泡体が極めて優れた柔軟性を有するので、インナーパネル4の形状が複雑であっても、封止部材をインナーパネルに好適に密着させることができる。しかも、独立気泡の発泡体が通気性を有しないので、第3開口部を介した第1空間と第2空間との連通が好適に防止される。
第5態様または第6態様の好適例である第7態様において、前記ドアトリムは、前記封止部材を前記インナーパネルに向けて押し付けるリブを有する。以上の態様では、封止部材とインナーパネルとの密着性を高めることができる。
第1態様から第7態様のいずれかの好適例である第8態様において、前記スピーカーユニットは、前記振動板を駆動するための磁気回路を有し、前記磁気回路は、前記振動板と前記アウターパネルとの間に配置される。以上の態様では、磁気回路が振動板とドアトリムとの間に配置される構成に比べて、エンクロージャーの容積を大きくしやすいという利点がある。
第1態様から第8態様のいずれかの好適例である第9態様において、前記スピーカーユニットは、サブウーファーである。以上の態様では、エンクロージャーをインナーパネルとドアトリムとの間に設ける構成では、エンクロージャーをアウターパネルとインナーパネルとの間に設ける構成に比べて、エンクロージャーの容積を大きくしやすい。このため、サブウーファーのような超低音用のスピーカーユニットを本開示の構成に用いると、低音再生能力を高めるという本開示の効果が顕著である。
第1態様から第9態様のいずれかの好適例である第10態様において、前記インナーパネルと前記ドアトリムとの間には、前記第2開口部を介して前記第2空間に連通する第3空間が設けられ、前記ドアトリムは、前記第3空間からの音を車室内の空間に放出させるための第4開口部を有する。以上の態様では、第2開口部からの音を車室内の空間に効率的に放出させることができる。
本が維持の好適な第10態様に係る車両は、前述のいずれかの態様の車両用ドアを備える。以上の態様によれば、車両用ドアの低コスト化を図ることにより、車両の低コスト化を図ることができる。また、車両用ドアが優れた低音再生能力を有するので、優れた音質を車室内のユーザーに提供することができる。
1…車両用ドア、1A…車両用ドア、1B…車両用ドア、2…アウターパネル、3…ドアトリム、3A…ドアトリム、3B…ドアトリム、3a…開口部(第4開口部)、3b…壁部、3c…壁部、3d…リブ、3e…壁部、4…インナーパネル、4a…開口部(第1開口部)、4b…開口部(第2開口部)、4c…開口部(第3開口部)、4d…孔、4e…孔、5…スピーカーユニット、5a…振動板、5b…駆動部、5b1…磁気回路、5b2…ボイスコイル、5c…フレーム、6…パッキン、6A…パッキン、7…窓ガラス、8…枠体、9…接続部材、10…ねじ、11…封止部材、20…エンクロージャー、20A…エンクロージャー、100…車両、101L…ドア、101R…ドア、102L…ドア、102R…ドア、103…ドア、D…隙間、FA…面、FB…面、S10…空間(第2空間)、S21…空間(第1空間)、S22…空間(第3空間)、SN…音。
Claims (11)
- 車両の外部に面するアウターパネルと、
車室側に配置されるドアトリムと、
前記アウターパネルと前記ドアトリムとの間に配置され、第1開口部を有するインナーパネルと、
前記第1開口部に配置され、振動板を有するスピーカーユニットと、を備え、
前記振動板は、第1面と、前記第1面とは反対方向を向く第2面と、を有し、
前記インナーパネルと前記ドアトリムとの間には、前記第1面を壁面の一部として用いて密閉された第1空間が設けられ、
前記第1空間は、前記スピーカーユニットのためのエンクロージャーとして用いられ、
前記アウターパネルと前記インナーパネルとの間には、前記第2面からの音を伝搬させる第2空間が設けられ、
前記インナーパネルは、前記第2空間からの音を車室内の空間に放出させるための第2開口部を有する、
ことを特徴とする車両用ドア。 - 前記ドアトリムは、前記エンクロージャーの少なくとも一部と一体である、
請求項1に記載の車両用ドア。 - 前記エンクロージャーは、前記振動板の振動方向にみて、前記スピーカーユニットを囲む壁部を有する、
請求項2に記載の車両用ドア。 - 前記第1空間は、前記インナーパネルを壁面として用いる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用ドア。 - 前記インナーパネルは、前記第2空間に連通する第3開口部を有し、
前記インナーパネルと前記ドアトリムとの間には、前記第3開口部を塞ぐ封止部材が配置される、
請求項4に記載の車両用ドア。 - 前記封止部材は、独立気泡の発泡体である、
請求項5に記載の車両用ドア。 - 前記ドアトリムは、前記封止部材を前記インナーパネルに向けて押し付けるリブを有する、
請求項5または6に記載の車両用ドア。 - 前記スピーカーユニットは、前記振動板を駆動するための磁気回路を有し、
前記磁気回路は、前記振動板と前記アウターパネルとの間に配置される、
請求項1から7のいずれか1項に記載の車両用ドア。 - 前記スピーカーユニットは、サブウーファーである、
請求項1から8のいずれか1項に記載の車両用ドア。 - 前記インナーパネルと前記ドアトリムとの間には、前記第2開口部を介して前記第2空間に連通する第3空間が設けられ、
前記ドアトリムは、前記第3空間からの音を車室内の空間に放出させるための第4開口部を有する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用ドア。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の車両用ドアを備える、
ことを特徴とする車両。
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