JP2022181006A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成条件の調整への記録媒体の使用可否を判断して画像調整精度を安定させる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、画像形成条件に基づいて記録媒体に画像を形成するエンジン部1011と、記録媒体に形成された画像を検知する測色ユニット138と、記録媒体の特性に基づいて記録媒体が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断し、使用可能である場合にエンジン部1011に画像形成条件の調整のためのテスト画像を記録媒体に形成させ、測色ユニット138によるテスト画像の検知結果に基づいて画像形成条件を調整し、使用不可である場合に前記記録媒体を用いた画像形成条件の調整を行わないプリンタコントローラ300と、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】画像形成装置は、画像形成条件に基づいて記録媒体に画像を形成するエンジン部1011と、記録媒体に形成された画像を検知する測色ユニット138と、記録媒体の特性に基づいて記録媒体が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断し、使用可能である場合にエンジン部1011に画像形成条件の調整のためのテスト画像を記録媒体に形成させ、測色ユニット138によるテスト画像の検知結果に基づいて画像形成条件を調整し、使用不可である場合に前記記録媒体を用いた画像形成条件の調整を行わないプリンタコントローラ300と、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、複写機、複合機、プリンタ等の画像形成装置に関する。
近年、オンデマンド画像形成装置の市場が拡大している。例えば、オフセット印刷市場では、電子写真方式の画像形成装置が広がりつつある。また、ラージフォーマット、低イニシャルコスト、超高速等の理由で幅広い市場開拓に成功したインクジェット方式の画像形成装置も、オンデマンド画像形成装置での市場が拡大している。しかし市場拡大は容易なものではなく、その市場を担ってきた先行の画像形成装置の画像品質(以下、「画質」と呼ぶ。)を維持しなければならない。画質を維持するために、画像形成装置が記録媒体に画像を形成する際の画像形成条件が適宜補正される。
例えば画像形成装置の階調補正を行う場合、画像形成装置の階調特性が目標の階調特性に一致するように、画像形成条件が補正される。階調特性の補正は、画像形成装置の階調特性と目標の階調特性とを紐付けた階調補正テーブルが用いられる。画像形成装置の階調特性は、気温、湿度等の環境条件や画像形成に用いる部品、部材の経時変化により変動する。そのために画像形成装置は、定期的に階調特性の調整(キャリブレーション)を行い、階調補正テーブルを最適化する必要がある。
キャリブレーションは、記録媒体に形成したテスト画像の読取結果を用いて行う場合と、記録媒体に転写する前の像担持体上のテスト画像の読取結果を用いて行う場合とがある。いずれの場合も、テスト画像の測定結果から得られる階調特性と目標の階調特性との誤差に応じて階調補正テーブルを更新する処理である。テスト画像を記録媒体或いは像担持体に形成するために、印刷ジョブ中であってもリアルタイムにキャリブレーションを行うことができる。そのために、適切な階調特性を維持しつつ、生産性の低下を防止することができる。
特許文献1に開示される画像形成装置は、ユーザからの指示に応じた画像(ユーザ画像)が形成される記録媒体上の余白領域にテスト画像を形成してキャリブレーションを行う。これによりリアルタイムにキャリブレーションが行われる。テスト画像が形成される余白領域は、記録媒体の外縁の断裁される領域である。そのために、成果物にテスト画像は含まれない。
電子写真方式の画像形成装置では、成果物の画像やテスト画像は、トナー等の現像剤(以下、単に「トナー」という。)を像担持体から記録媒体に静電的に転写し(転写工程)、転写されたトナーが定着工程により記録媒体に定着されることで形成される。記録媒体の表面性が一様ではない場合、トナーが転写工程の際に記録媒体に均一に付着せずに画像ムラが生じることがある。また、転写工程が適切に行われた場合であっても、定着工程で加圧する際に圧力が均一にかからずに画像ムラが生じることがある。画像ムラが生じた場合、テスト画像の測定結果のバラツキが大きくなり、画像調整精度が低下する。
また、テスト画像に画像ムラが生じていない場合であっても、画像調整精度が低下することがある。テスト画像は、一般的に画像濃度センサや色度センサ等の光学センサで検知される。オンデマンド用の画像形成装置は、光学センサの検知精度の要求が高い。光学センサに対する要求精度を達成するためには、特性上、光学センサから記録媒体までの距離を一定に保つ必要がある。しかし、例えば記録媒体の剛度が低い場合には、記録媒体の挙動が不安定(波うち)になり、光学センサが適切にテスト画像を検知できなくなる。
本発明は、上述の問題に鑑み、画像形成条件の調整への記録媒体の使用可否を判断して画像調整精度を安定させる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、画像形成条件に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記記録媒体に形成された画像を検知する検知手段と、前記記録媒体の特性に基づいて該記録媒体が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断し、使用可能である場合に前記画像形成手段に画像形成条件の調整のためのテスト画像を該記録媒体に形成させ、前記検知手段による前記テスト画像の検知結果に基づいて前記画像形成条件を調整し、使用不可である場合に前記記録媒体を用いた前記画像形成条件の調整を行わない制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、画像形成条件の調整への記録媒体の使用可否を判断して画像調整精度を安定させることができる。
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成図である。本実施形態の画像形成装置100は、プリンタ101、リーダ400、及び処理装置600により構成される。画像形成装置100(プリンタ101)は、電子写真方式によりシート状の記録媒体110に画像を形成する。なお、本実施形態のプリンタ101は、インクジェットプリンタや昇華型プリンタであってもよい。
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成図である。本実施形態の画像形成装置100は、プリンタ101、リーダ400、及び処理装置600により構成される。画像形成装置100(プリンタ101)は、電子写真方式によりシート状の記録媒体110に画像を形成する。なお、本実施形態のプリンタ101は、インクジェットプリンタや昇華型プリンタであってもよい。
画像形成装置100は、プリンタ101内に画像形成のためのエンジン部を構成する各機構、各機構の動作を制御するエンジン制御部102、及びプリンタコントローラ300を収納する制御ボード収納部104を備える。プリンタ101の上部には操作パネル180が設けられる。操作パネル180はユーザインタフェースであり、ユーザからの指示を受け付ける入力装置と、操作画面等の画面を表示する出力装置とを備える。入力装置は、各種キーボタンやタッチパネル等である。出力装置は、ディスプレイやスピーカである。リーダ400は、画像が形成された記録媒体(原稿)から該画像を読み取る画像読取装置である。
エンジン部を構成する各機構は、帯電露光処理機構、現像処理機構、転写処理機構、定着処理機構、記録媒体110の給紙処理機構、及び記録媒体110の搬送処理機構を含む。帯電露光処理機構は、レーザ光の走査により静電潜像を形成する。現像処理機構は、静電潜像を顕像化する。転写処理機構は、顕像化により生成したトナー像を記録媒体110へ転写する。定着処理機構は、記録媒体110に転写されたトナー像を定着させる。これらの各機構は、プリンタ101内の画像形成部120、121、122、123、中間転写体106、定着器150、給紙カセット113等により構成される。
画像形成部120、121、122、123は、形成する画像の色が異なるのみであり、同様の構成で同様の動作を行う。画像形成部120はイエロー(Y)の画像を形成する。画像形成部121はマゼンタ(M)の画像を形成する。画像形成部122はシアン(C)の画像を形成する。画像形成部123はブラック(K)の画像を形成する。画像形成部120、121、122、123は、それぞれ、感光ドラム105、帯電器111、レーザスキャナ107、及び現像器112を備える。
帯電露光処理機構は、感光ドラム105の表面を帯電器111により一様に帯電し、レーザスキャナ107により感光ドラム105の表面に静電潜像を形成する。感光ドラム105は、表面に感光層を有するドラム形状の感光体であり、ドラム軸を中心に回転する。帯電器111は、回転する感光ドラム105の表面の感光層を一様に帯電させる。
レーザスキャナ107は、半導体レーザから出射されるレーザ光を一方向に走査する発光部108と、発光部108からのレーザ光を感光ドラム105に向けて反射する反射ミラー109とを含む。レーザスキャナ107は、プリンタコントローラ300から供給された画像データに応じて発光部108から出射されるレーザ光を駆動するレーザドライバを備える。半導体レーザから出射されたレーザ光は、発光部108内の回転多面鏡の回転に応じて一方向に振られる。一方向に振られたレーザ光は、反射ミラー109を介して感光ドラム105を照射する。これによりレーザ光が感光ドラム105の表面を一方向(ドラム軸方向)に走査して静電潜像を形成する。レーザスキャナ107が感光ドラム105を走査する一方向(図中奥行き方向)が主走査方向である。
現像処理機構は、現像器112から供給されるトナーにより、静電潜像を顕像化して感光ドラム105上にトナー像を形成する。感光ドラム105上のトナー像は、トナー像とは逆極性の電圧を印加された像担持体である中間転写体106上に転写される。カラー画像形成時には、画像形成部120、121、122、123のそれぞれの感光ドラム105から、順次、重畳するように各色のトナー像が中間転写体106に転写される。本実施形態では、中間転写体106は、図中時計回りに回転しており、画像形成部120(イエロー)、画像形成部121(マゼンタ)、画像形成部122(シアン)、画像形成部123(ブラック)の順にトナー像が転写される。これによりフルカラーのトナー像(可視像)が中間転写体106上に形成される。なお、感光ドラム105及び現像器112は、プリンタ101の筐体に対して着脱可能である。
転写処理機構は、中間転写体106上に形成された可視像(トナー像)を給紙カセット113から給送された記録媒体110に転写する。転写処理機構は、中間転写体106から記録媒体110にトナー像を転写するために転写ローラ114を備える。各画像形成部120、121、122、123から中間転写体106に転写されたトナー像は、中間転写体106が図中時計回りに回転することで転写ローラ114まで搬送される。記録媒体110は、トナー像が転写ローラ114に搬送されるタイミングに合わせて、転写ローラ114へ搬送される。転写ローラ114は、記録媒体110を中間転写体106に圧接すると同時に、トナー像と逆極性のバイアスが印加されることで、記録媒体110にトナー像を転写する。
中間転写体106の周囲には、画像形成開始位置検出センサ115及び画像濃度センサ117が配置される。画像形成開始位置検出センサ115は、記録媒体110へのトナー像の転写開始位置の決定に用いられる。画像形成開始位置検出センサ115は、中間転写体106の回転方向で転写ローラ114の上流側に設けられる。画像濃度センサ117は、画像濃度制御時に、中間転写体106に形成される階調補正用のテスト画像の検出に用いられる。画像濃度センサ117は、中間転写体106の回転方向で画像形成部123の下流側に設けられる。
給送処理機構は、記録媒体110を収納する給紙カセット113と、記録媒体110が給送される搬送パスと、記録媒体110を搬送するための各種ローラとを備える。記録媒体110は、給紙カセット113から給紙され、搬送パスを搬送されながらトナー像が転写及び定着されることで画像が形成され、プリンタ101の外部に排出される。記録媒体110の搬送方向は、主走査方向に直交する副走査方向となる。
記録媒体110は、給紙カセット113から給紙されて、搬送パスを転写ローラ114まで搬送される。給紙カセット113から転写ローラ114までの搬送パスの途中には、記録媒体110の搬送タイミングを調整するための給紙タイミングセンサ116が設けられる。画像形成開始位置検出センサ115が中間転写体106上の画像を検出するタイミングと、給紙タイミングセンサ116が記録媒体110を検出するタイミングとにより、記録媒体110が転写ローラ114へ搬送されるタイミングが調整される。これにより記録媒体110の所定の位置に、中間転写体106からトナー像が転写される。
トナー像が転写された記録媒体110は、定着処理機構へ搬送される。本実施形態の定着処理機構は、定着器150を備える。定着器150は、記録媒体110にトナー像を熱圧着するために、記録媒体110を加熱するための定着ローラ151、記録媒体110を定着ローラ151に圧接させるための加圧ベルト152、及び定着完了を検知する定着後センサ153を含む。定着ローラ151は中空ローラであり、内部にヒータを有し、回転することで記録媒体110を搬送するように構成されている。加圧ベルト152は、記録媒体110を定着ローラ151に圧接する。定着後センサ153は、画像定着後の記録媒体110を検出する。
定着器150で画像定着された記録媒体110は、そのまま排出される場合と、搬送パス135に搬送される場合とがある。そのために、定着器150の後にフラッパ132が設けられる。フラッパ132は、記録媒体110を搬送パス135と搬送パス201とのいずれかに誘導する。搬送パス201は搬送ローラ140、141を備える。搬送パス201へ誘導された記録媒体110は、搬送ローラ140、141により搬送され、画像が形成された面を上に向けてプリンタ101から処理装置600へ排出される。搬送パス201の搬送ローラ140と搬送ローラ141との間には、記録媒体110の画像を検出可能な位置に測色ユニット138が設けられる。
測色ユニット138は、CMOSラインセンサや、CCDラインセンサ等の光学センサである。測色ユニット138は、搬送ローラ140、141により搬送パス201を搬送される記録媒体110に形成された画像の読み取りを行う。測色ユニット138は、読取結果として赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の輝度値を含む読取信号を出力する。これらの読取信号の輝度値は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色の濃度値へ変換して用いられる。一般的に、シアンは赤センサの輝度値、マゼンタは緑センサの輝度値、イエローは青センサの輝度値、ブラックは緑センサの輝度値から算出される。その際、RGBの各輝度値とCMYKの各濃度値との関係性を事前に取得して生成されたLUT(Look Up Table)を用いて、各輝度値から各色濃度値への変換が行われる。このようなLUTは、予め画像形成装置100内に保存される。
搬送パス135は、記録媒体110の表裏面の反転に用いられる反転パス136まで記録媒体110を搬送するための経路である。反転パス136には、記録媒体110を検出する反転センサ137が設けられる。反転センサ137が記録媒体110の後端を検出すると、記録媒体110は反転パス136で搬送方向が反転される。搬送方向が反転した記録媒体110は、搬送パス135と反転パス139とのいずれかに搬送される。そのために搬送パス135と反転パス139との分岐点にフラッパ133が設けられる。搬送パス135に搬送される場合、記録媒体110は、フラッパ133により搬送パス135へ誘導され、さらにフラッパ134により搬送パス201へ誘導される。これにより記録媒体110は、表裏面が反転されて(画像が形成された面を下に向けて)プリンタ101から処理装置600へ排出される。反転パス139に搬送される場合、記録媒体110は、フラッパ133により反転パス139へ誘導される。反転パス139へ誘導された記録媒体110は、表裏面が反転されて、再度、転写ローラ114へ搬送される。これにより記録媒体110は、裏面への画像形成が行われる。
処理装置600は、画像が形成された記録媒体110(成果物)をプリンタ101から取得する。処理装置600は、取得した成果物に対してステイプル処理、製本処理等の後処理を行い、トレイへ排出する。
(測色ユニット)
図2は、測色ユニット138の説明図である。測色ユニット138は、記録媒体110の搬送方向に対して直交する主走査方向に一部が重なる配置された二つのラインセンサ138a、138bを備える。ラインセンサは、一般的にA3サイズ以上の記録媒体110が読取可能なサイズの需要が少なく高額である。安価なA3サイズ以下の記録媒体110が読取可能なサイズのラインセンサを2本使用することで、A3サイズ以上の記録媒体110を読み取る場合であっても、コストを抑制して読み取りが可能となる。
図2は、測色ユニット138の説明図である。測色ユニット138は、記録媒体110の搬送方向に対して直交する主走査方向に一部が重なる配置された二つのラインセンサ138a、138bを備える。ラインセンサは、一般的にA3サイズ以上の記録媒体110が読取可能なサイズの需要が少なく高額である。安価なA3サイズ以下の記録媒体110が読取可能なサイズのラインセンサを2本使用することで、A3サイズ以上の記録媒体110を読み取る場合であっても、コストを抑制して読み取りが可能となる。
図3は、ラインセンサ138aの構成説明図である。ラインセンサ138bも同様の構成である。ラインセンサ138aは、記録媒体110上に形成されたテスト画像520の分光反射率を検知して測色を行う光学センサである。ラインセンサ138aは、白色LED(Light Emitting Diode)501と、回折格子502と、受光素子列503と、演算部504と、メモリ505と、レンズ506と、を備える。
白色LED501は、発光部であり、搬送パス201を搬送される記録媒体110に対して光を照射する。回折格子502は、テスト画像520による反射光を波長毎に分光する。レンズ506は、白色LED501から照射される光をテスト画像520に集光し、且つテスト画像520による反射光を回折格子502に集光する。受光素子列503は、n画素分の受光素子503-1~503-nを有する受光部である。受光素子列503の各受光素子503-1~503-nは、回折格子502により波長毎に分光された反射光を受光する。各受光素子503-1~503-nは、検出結果として、例えば受光した反射光の強度と相関のある電圧(電気信号)を出力する。
演算部504は、各受光素子503-1~503-nから出力された電圧の値をデジタル信号(光強度値)へ変換する。各受光素子503-1~503-nと波長との対応関係は予め決まっている。そのため、各受光素子503-1~503-nの光強度値は波長ごとの反射光強度(分光データ)に相当する。演算部504は、光強度値の分光演算やLab値の演算等を行う。これにより演算部504は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の輝度値を含む読取信号を生成する。メモリ505には、各受光素子503-1~503-nが基準部材(不図示)からの反射光を受光したときの波長ごとの光強度等の各種データを保存する。
本実施形態の測色ユニット138は、測色前に光源(白色LED501)の強制発光を行っている。強制発光により受光素子列503の出力値の安定化がはかられるため、測色ユニット138は、温度特性の影響を受けにくい構成となっている。
(プリンタコントローラ)
図4は、本実施形態のプリンタコントローラ300の説明図である。プリンタコントローラ300は、画像形成装置100の外部に設けられた装置であるホストコンピュータ301と通信可能に接続される。ホストコンピュータ301と画像形成装置100とはUSB2.0High-Speed、1000Base-T/100Base-TX/10Base-T(IEEE 802.3準拠)等の通信線や無線によって通信可能に接続されている。
図4は、本実施形態のプリンタコントローラ300の説明図である。プリンタコントローラ300は、画像形成装置100の外部に設けられた装置であるホストコンピュータ301と通信可能に接続される。ホストコンピュータ301と画像形成装置100とはUSB2.0High-Speed、1000Base-T/100Base-TX/10Base-T(IEEE 802.3準拠)等の通信線や無線によって通信可能に接続されている。
プリンタコントローラ300は、プリンタ101全体の動作を制御する。そのためにプリンタコントローラ300は、操作パネル180、リーダ400、及びエンジン部1011に接続される。エンジン部1011は、プリンタコントローラ300からの指示に応じて、プリンタ101内の各機構の動作を制御して、記録媒体110への画像形成処理を行う。エンジン部1011は、エンジン制御部102を備える。エンジン制御部102は、エンジン部1011の各機構の動作を制御する。エンジン制御部102は、画像濃度センサ117及び測色ユニット138によるテスト画像の検知動作も制御する。エンジン制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。
プリンタコントローラ300は、ホストインタフェース(I/F)302、パネルインタフェース(I/F)312、リーダインタフェース(I/F)313、エンジンインタフェース(I/F)319、及び入出力バッファ303を備える。ホストI/F302は、ホストコンピュータ301との間の通信インタフェースである。パネルI/F302は、操作パネル180との間の通信インタフェースである。リーダI/F313は、リーダ400との間の通信インタフェースである。エンジンI/F319は、エンジン部1011との間の通信インタフェースである。入出力バッファ303は、各インタフェースを介して制御コードやデータの送受信を行うための一時記憶領域である。
プリンタコントローラ300は、CPU314、プログラムROM(Read Only Memory)304、及びRAM(Random Access Memory)310を備える。CPU314は、プログラムROM304に格納されるコンピュータプログラムを実行することで、プリンタコントローラ300の動作を制御する。RAM310は、プリンタコントローラ300が処理を実行する際の作業領域を提供する。
プログラムROM304は、モジュールとして、画像情報生成部305、主走査ムラ補正テーブル生成部306、自動階調補正生成部307、多次色テーブル生成部308、及び画像欠陥検出部309を有する。画像情報生成部305は、ホストコンピュータ301から取得したデータの設定により、各種の画像オブジェクトを生成する。主走査ムラ補正テーブル生成部306は、主走査方向の画像濃度ムラをレーザ発光強度の補正により抑制するための主走査ムラ補正テーブルを生成する。自動階調補正生成部307は、単色の濃度階調補正を行う階調補正テーブル(γLUT)を生成する。多次色テーブル生成部308は、多次色の変動を補正するために、多次元LUTであるICCプロファイルを生成する。画像欠陥検出部309は、測色ユニット138により読み取られた画像中の画像欠陥を検出する。
RAM310は、画像情報生成部305、主走査ムラ補正テーブル生成部306、自動階調補正生成部307、及び多次色テーブル生成部308による処理結果を一時格納する。RAM310は、テーブル格納部311を有する。テーブル格納部311は、主走査ムラ補正テーブル、γLUT、及びICCプロファイルを格納する。
プリンタコントローラ300は、RIP(Raster Image Processor)部315、色処理部316、階調補正部317、及び擬似中間調処理部318を備える。RIP部315は、画像オブジェクト(画像データ)をビットマップ画像に展開する。色処理部316は、RIP部315でビットマップ画像に展開された画像データに対して、ICCプロファイルを用いて多次色の色変換処理を行う。階調補正部317は、γLUTを用いて、色処理部316で色変換処理された画像データに対して、単色の階調補正処理を実行する。擬似中間調処理部318は、階調補正部317で階調補正された画像データに対して、ディザマトリクスや誤差拡散法等の擬似中間調処理を実行する。擬似中間調処理部318で擬似中間処理された画像データは、エンジンI/F319を介してエンジン部1011へ送信される。エンジン部1011のエンジン制御部102は、エンジンI/F319から取得した画像データに基づいて画像形成処理を行う。
以上のようなプリンタコントローラ300の各部は、システムバス320に接続されており、システムバス320を介して通信可能である。CPU314は、システムバス320を介して、画像形成時に使用されるICCプロファイル、γLUT、及び主走査ムラ補正テーブルを管理更新する。CPU314は、色処理部316や階調補正部317等に最新のテーブルを反映させることで所望の色の画像を出力可能にする。
(記録媒体110に形成された階調補正用のテスト画像)
図5は、ユーザからの指示に応じたユーザ画像とともに記録媒体110に形成される階調補正用のテスト画像の例示図である。記録媒体110は、図5に示す矢印方向(搬送方向)に搬送される。記録媒体110に形成される階調補正用のテスト画像(階調補正パターン1104)は、ユーザ画像が形成される画像領域1101を除く記録媒体110の端部領域(非画像領域1102)に形成される。本実施例の階調補正パターン1104は、搬送方向において記録媒体110の端部領域(非画像領域1102)に形成される。画像領域1101は、図5においてドットで示された領域である。記録媒体110には、断裁用マーク1103が予め付与される。断裁用マーク1103は、L字形のマークが2つ組み合わされて構成され、画像領域1101の四隅に設けられる。記録媒体110は、断裁用マーク1103で断裁される。なお、画像領域1101のドットは説明のために示したものであり、実際には記録媒体110に印字されない。
図5は、ユーザからの指示に応じたユーザ画像とともに記録媒体110に形成される階調補正用のテスト画像の例示図である。記録媒体110は、図5に示す矢印方向(搬送方向)に搬送される。記録媒体110に形成される階調補正用のテスト画像(階調補正パターン1104)は、ユーザ画像が形成される画像領域1101を除く記録媒体110の端部領域(非画像領域1102)に形成される。本実施例の階調補正パターン1104は、搬送方向において記録媒体110の端部領域(非画像領域1102)に形成される。画像領域1101は、図5においてドットで示された領域である。記録媒体110には、断裁用マーク1103が予め付与される。断裁用マーク1103は、L字形のマークが2つ組み合わされて構成され、画像領域1101の四隅に設けられる。記録媒体110は、断裁用マーク1103で断裁される。なお、画像領域1101のドットは説明のために示したものであり、実際には記録媒体110に印字されない。
階調補正パターン1104は、記録媒体110の一方の面に色毎に形成される。階調補正パターン1104は、通常は画像領域1101に重複しないようにその外側の非画像領域1102に形成される。しかし、CPU314が画像領域1101に重複して形成すると判定した場合、階調補正パターン1104は、画像領域1101に重複して形成されてもよい。本実施形態において画像領域1101に重複するとは、画像領域1101のみに重複して形成される場合のみならず、画像領域1101と非画像領域1102とに跨って形成される場合も含む。
階調補正パターン1104は、記録媒体110の周縁部のいずれに形成されてもよい。本実施形態では、階調補正パターン1104は、記録媒体110の搬送方向(記録媒体110の長手方向)に直交する方向(記録媒体110の短手方向)の記録媒体110の両端部に形成される。すなわち、2色の階調補正パターン1104が記録媒体110の短手方向の一端部に形成され、残りの2色の階調補正パターン1104が記録媒体110の短手方向の他端部に形成される。本実施形態では、シアン及びマゼンタの階調補正パターン1104が記録媒体110の短手方向の一端部に形成され、イエロー及びブラックの階調補正パターン1104が記録媒体110の短手方向の他端部に形成される。これにより、記録媒体110の搬送方向の先端部に階調補正パターン1104が形成されず、定着処理時の記録媒体110の巻き付きの発生をより確実に抑制することができる。
階調補正パターン1104は、各色の階調値を段階的に異ならせた複数の階調パッチ(図5では11階調)から構成される。複数の階調パッチは、それぞれが例えば一辺が約8[mm]の正方形状であり、搬送方向に一列に配列されている。
各色の階調パッチは、記録媒体110の地合いを検知するための階調パッチ(つまり階調値が0の階調パッチ)が、記録媒体110の搬送方向の両端に配置される。階調値が0の階調パッチに挟まれて、階調値が均等に割り振られた9個の階調パッチが配置される。階調値が0~255で表される場合、階調補正パターン1104は、階調値が0、16、32、64、86、104、128、176、224、255、0の各色の階調パッチにより構成される。なお、階調補正パターン1104は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに限らず、赤、緑、青の各色やプロセスブラックにより構成されてもよい。また、サイズや階調順序も限定されるものではない。
(使用可能な記録媒体の判断処理)
記録媒体110は、表面性等の理由により測色ユニット138によるテスト画像の測定結果に大きなバラツキが生じることがある。これは画像調整精度が低下する原因となる。そのために、階調補正のような画像形成条件の調整に用いる記録媒体110は、使用可能な種類が選別される。図6は、記録媒体110が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断する処理を表すフローチャートである。給紙カセット113にこれまでとは異なる種類の記録媒体を収容する場合、ユーザは操作パネル180により記録媒体110の登録を行う。
記録媒体110は、表面性等の理由により測色ユニット138によるテスト画像の測定結果に大きなバラツキが生じることがある。これは画像調整精度が低下する原因となる。そのために、階調補正のような画像形成条件の調整に用いる記録媒体110は、使用可能な種類が選別される。図6は、記録媒体110が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断する処理を表すフローチャートである。給紙カセット113にこれまでとは異なる種類の記録媒体を収容する場合、ユーザは操作パネル180により記録媒体110の登録を行う。
CPU314は、操作パネル180から給紙カセット113に収容される記録媒体110の銘柄情報を受け付ける(S1)。CPU314は、受け付けた銘柄がすでに登録済みの銘柄であるか否かを判断する(S2)。登録されていない場合(S2:N)、CPU314は、登録情報の取得処理を行う。登録情報は、記録媒体110の坪量や表面性等の特性情報である。CPU314は、図7に例示する坪量の設定画面を操作パネル180に表示して、ユーザに坪量の入力を促す。ユーザは、操作パネル180に表示された設定画面から該当する坪量を入力する。CPU314は、操作パネル180から入力された坪量の情報を取得する(S3)。
坪量は、記録媒体110の画像調整への使用の判断以外にも、画像形成装置100における各種制御値(例えば転写時の高圧設定や定着時の温度設定)を最適化するために使用されている。本実施形態では、記録媒体110が上質紙の際に画像調整に使用可能な坪量の範囲を56「g/m^2」以上に限定している。
図8は、上質紙の坪量と測色ユニット138で検知した白地部(画像形成されていない部分)の反射光量のノイズ成分量との関係の説明図である。図8から明らかなように、坪量が低くなるほど白地部のノイズ成分量が多くなる。これは、記録媒体110の剛度が低く、測色ユニット138の検知位置で記録媒体110の挙動が不安定になることで、記録媒体110による反射光の光量が不安定になることに起因する。
本実施形態では、白地部の検知精度のバラツキの目標値を3[%]以下としている。これは画像濃度補正のような画像調整の目標精度をΔE≦1としており、目標精度を達成するための閾値である。この閾値(目標値)は3[%]に限定されるものではなく、検知するセンサの特性や補正処理精度により違うものであってもよい。
坪量の情報を取得したCPU314は、図9に例示する記録媒体110の表面性の設定画面を操作パネル180に表示して、ユーザに表面性の入力を促す。ユーザは、操作パネル180に表示された設定画面から該当する表面性を入力する。CPU314は、操作パネル180から入力された表面性の情報を取得する(S4)。
図10は、記録媒体110の表面性の種類毎の平均反射光量率と白地部の反射光量の振れ量の例示図である。平均反射光量率は、所定の規格を満たす上質紙を測色ユニット138で検知した際の反射光量を基準として算出されている。図10から明らかなように、エンボス紙や再生紙の一部では振れ量が大きくなる。これは記録媒体110の表面の凹凸による反射光の散乱や、記録媒体110を形成する紙繊維の不均一性が原因である。
本実施形態では、画像形成条件の調整に用いる記録媒体110の必要条件(閾値)として、平均反射光量率を85[%]以上としている。この値よりも低くなると白地部とテスト画像の信号値差(ダイナミックレンジ)が小さくなり補正精度が目標を満たせなくなるためである。また信号値振れは3[%]以下としている。本実施形態では、上質紙、片面コート紙、両面コート紙が使用可能となる。
CPU314は、登録情報として、取得した坪量及び表面性を記録媒体110の銘柄に関連付けてプログラムROM304或いはRAM310の不揮発な記憶領域に保存する。この記憶領域には、既に登録されている銘柄の登録情報も保存されている。S2の処理では、この記憶領域が参照されて登録の有無が判断される。
受け付けた銘柄がすでに登録済みである場合(S2:Y)、或いは新たに登録情報を登録した後に、CPU314は、当該銘柄の登録情報(坪量、表面性)を参照する(S5)。CPU314は、参照した登録情報により、当該銘柄の記録媒体110が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断する(S6)。CPU314は、坪量と表面性をそれぞれの閾値と比較し、その比較結果に基づいて使用可否を判断する。例えば、CPU314は、白地部の検知精度のバラツキが目標値以下となる坪量で、反射光量率が所定値以上で白地部の検知精度のバラツキが目標値以下となる表面性であれば、当該銘柄の記録媒体110が使用可能であると判断する。
使用不可である場合(S6:N)、CPU314は、中間転写体106を用いた画像形成条件の調整を行う(S8)。図11は本実施の中間転写体106上に形成される階調補正用のテスト画像の例示図である。画像濃度センサ117は、中間転写体106の回転方向に直行する方向に4つ配置されており、それぞれの測定色が決められている。テスト画像(階調補正パターン)は、色毎に、階調値が異なる10個の階調パッチにより構成される、階調補正パターンは、画像濃度センサ117に読み取られる。画像濃度センサ117の読取結果から得られる階調特性と、目標とする階調特性との差分に応じて画像形成条件を補正することで、画像濃度が安定維持される。本実施例では200枚の記録媒体110を通紙する毎に紙間を広げて中間転写体106を用いた画像形成条件の調整を行うことで、画像品位の安定化がはかられている。
画像濃度センサ117及び階調パッチの配置は当然これに限るものではなく、中間転写体106上の画像が形成される範囲よりも回転方向に直行する方向の外側にあってもよい。その場合、通常の画像形成を行いながら中間転写体106を用いた画像形成条件の調整が可能になる。そのために生産性を維持することができる。
使用可能である場合(S6:Y)、CPU314は、図12に例示する選択画面を操作パネル180に表示する(S7)。選択画面では、使用可能と判断された種類の記録媒体110を用いた画像形成条件の調整(紙上調整)と、画像濃度センサ117による中間転写体106を用いた画像形成条件の調整(エンジン内調整)とのいずれかが選択可能である。ユーザが操作パネル180によりいずれかを選択することで、選択された方法により画像形成条件が調整される。CPU314は、選択画面からいずれの調整方法が選択されたかを判断する(S9)。エンジン内調整が選択された場合(S9:エンジン内調整)、CPU314は、S8の処理を行う。紙上調整が選択された場合(S9:紙上調整)、CPU314は、記録媒体110にテスト画像(階調補正パターン)を形成する。CPU314は、記録媒体110上のテスト画像の測色ユニット138による測定結果に基づいて、画像形成条件を調整する(S10)。
このように、記録媒体110の特性に基づいて、該記録媒体110が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かが判断される。使用不可である場合、記録媒体110を用いた画像形成条件の調整が行われない。これにより記録媒体110の種類によりテスト画像の測定結果のバラツキが大きくなり、画像調整精度が低下することを防止することができる。なお、記録媒体110の特性は、坪量や表面性の他に、記録媒体110の色を追加してもよい。図13は、記録媒体110の色の設定画面の例示図である。記録媒体110の色が濃い場合、特定色のテスト画像の階調パッチの画像濃度を測定した結果のダイナミックレンジが小さくなり、調整精度が低下することがある。そのために色が濃い記録媒体110は、画像形成条件の調整に使用不可であると判断される。
(第2実施形態)
近年、ユーザニーズを満たすために様々な特性を持った記録媒体110が画像形成に用いられるようになっている。この場合、記録媒体110の特性を登録する他に、測色ユニット138の検知結果により記録媒体110の特性を検知してもよい。図14は、測色ユニット138の検知結果に基づいて記録媒体110が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断する処理を表すフローチャートである。なお、第2実施形態の画像形成装置100及びプリンタコントローラ300の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
近年、ユーザニーズを満たすために様々な特性を持った記録媒体110が画像形成に用いられるようになっている。この場合、記録媒体110の特性を登録する他に、測色ユニット138の検知結果により記録媒体110の特性を検知してもよい。図14は、測色ユニット138の検知結果に基づいて記録媒体110が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断する処理を表すフローチャートである。なお、第2実施形態の画像形成装置100及びプリンタコントローラ300の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
給紙カセット113に記録媒体110を収容する場合、ユーザは操作パネル180により記録媒体110の登録を行う。CPU314は、操作パネル180から給紙カセット113に収容される記録媒体110の銘柄情報を受け付ける(S11)。CPU314は、受け付けた銘柄がすでに登録済みの銘柄であるか否かを判断する(S12)。登録されている場合(S12:Y)、CPU314は、既に該記録媒体110が画像調整に使用できるか否かを判断済みであり、判断結果も登録されている。使用不可である場合(S16:N)、CPU314は、図6のS8の処理と同様に、中間転写体106を用いた画像形成条件の調整を行う(S18)。使用可能である場合(S16:Y)、CPU314は、図12に例示する選択画面を操作パネル180に表示する(S17)。CPU314は、選択画面からいずれの調整方法が選択されたかを判断する(S19)。エンジン内調整が選択された場合(S19:エンジン内調整)、CPU314は、S18の処理を行う。紙上調整が選択された場合(S9:紙上調整)、CPU314は、図6のS20の処理と同様に、記録媒体110を用いた画像形成条件の調整を行う(S20)。
登録されていない場合(S12:N)、CPU314は、記録媒体110を通紙して画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断する。そのためにCPU314は、まず、エンジン部1011を制御して、記録媒体110に画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断するためのテスト画像を形成する(S13)。図15は、テスト画像の例示図である。図15のテスト画像は、階調補正パターン1105の位置が図5のテスト画像の階調補正パターン1104の位置と同じである。画像領域1101にはユーザ画像は形成されていない。階調補正パターン1105の階調パッチの色が階調補正パターン1104の階調パッチの色とは異なる。
具体的には、階調パッチは白地部(非画像形成部)を多く含む。高精度で画像濃度を検知するためには、反射光量における白地部のレベルの安定性が重要である。従って階調補正パターン1105は、全11の階調パッチのうち6パッチ分を白地部として白地の範囲を広くとる構成となっている。また、色の付いた階調パッチは同階調値の高画像濃度を多く配置している。図15の例では、全11の階調パッチのうち5パッチ分が255レベルの階調値である。このような階調補正パターン1105により、記録媒体110の抵抗に依存する転写性や、熱容量に依存する定着性が安定しているか否かが判断可能となる。
記録媒体110に形成されたテスト画像は通常の搬送経路を搬送される。CPU314は、測色ユニット138によりテスト画像を検知する(S14)。CPU314は、測色ユニット138による検知結果に基づいて検知精度を演算する(S15)。CPU314は、検知精度に基づいて記録媒体110が紙上画像調整に使用可能であるか否かを判断する(S16)。
本実施形態では、検知精度は、検知結果の白地部のバラツキとダイナミックレンジの二項目で表される。二項目ともに条件を満たす場合、CPU314は、記録媒体110が画像調整に使用可能であると判断する。それぞれの判断基準(閾値)は検知誤差ΔE≦1である。白地部のバラツキは各色所定個数(ここでは5個)の白地部の検知結果を用いて行われる。CPU314は、各検知結果のバラツキが所定の範囲内(例えば2[%]以下)であるか否かにより白地部のバラツキを判断する。また、CPU314は、白地部の検知結果から画像濃度を検知し、ベタ部との画像濃度との差分(ダイナミックレンジ)が所定値よりも小さいか否かによりダイナミックレンジのバラツキを判断する。ダイナミックレンジが所定値よりも小さい場合、画像濃度の変化量を読み取る感度が低下し、補正精度が低下する。本実施形態では、所定の規格を満たす上質紙のダイナミックレンジを基準値として、その90[%]以上が確保できているか否により、ダイナミックレンジのバラツキを判断する。
使用不可である場合(S16:N)、CPU314は、S18の処理を行う。使用可能である場合(S16:Y)、CPU314は、S17~S20の処理を行う。
このように記録媒体110の特性が入力されない場合であっても、測色ユニット138による検知結果に基づいて、記録媒体110が画像調整に使用可能であるか否かの判断が適切に可能である。使用不可である場合、記録媒体110を用いた画像形成条件の調整が行われない。なお、使用可否の判断基準は一例であり、例えば測色ユニット138の読取位置における記録媒体110の挙動をさらに高精度に判断するために、階調補正パターン1104を全部白地としてもよい。また、記録媒体110の転写性や定着性を判断基準とするために、記録媒体110全体をベタの画像としてもよい。さらに、通紙する記録媒体110の枚数を多くして他の階調域における判断を加えてもよい。
Claims (10)
- 画像形成条件に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体に形成された画像を検知する検知手段と、
前記記録媒体の特性に基づいて該記録媒体が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断し、使用可能である場合に前記画像形成手段に画像形成条件の調整のためのテスト画像を該記録媒体に形成させ、前記検知手段による前記テスト画像の検知結果に基づいて前記画像形成条件を調整し、使用不可である場合に前記記録媒体を用いた前記画像形成条件の調整を行わない制御手段と、を備えることを特徴とする、
画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記記録媒体の坪量と表面性とに基づいて、該記録媒体が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断することを特徴とする、
請求項1記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記記録媒体の前記坪量と前記表面性をそれぞれの閾値と比較し、その比較結果に基づいて該記録媒体が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断することを特徴とする、
請求項2記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記記録媒体の色に基づいて、該記録媒体が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断することを特徴とする、
請求項2又は3記載の画像形成装置。 - 前記記録媒体の前記坪量と前記表面性を入力する入力手段をさらに備えることを特徴とする、
請求項2~4のいずれか1項記載の画像形成装置。 - 前記記録媒体の特性を登録する登録手段をさらに備えており、
前記制御手段は、前記登録手段に登録された特性に基づいて、前記記録媒体が画像形成条件の調整に使用できるか否かの判断を行うことを特徴とする、
請求項1~5のいずれか1項記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記検知手段による前記記録媒体の検知結果に基づいて、該記録媒体が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断することを特徴とする、
請求項1記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記画像形成手段に第2テスト画像を該記録媒体に形成させ、前記検知手段による前記第2テスト画像の検知結果に基づいて該記録媒体が画像形成条件の調整に使用可能であるか否かを判断することを特徴とする、
請求項7記載の画像形成装置。 - 前記第2テスト画像は、前記テスト画像よりも非画像形成部を多く含むことを特徴とする、
請求項8記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、所定の登録手段に前記記録媒体が画像形成条件の調整に使用できるか否かの判断結果を登録することを特徴とする、
請求項7~9のいずれか1項記載の画像形成装置。
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