JP2022179421A - 構造体構成部材 - Google Patents

Abstract

【課題】製造時間を短縮し、ロジスティクスにかかる手間を減らし、かつ最小限の手作業ステップを必要とする構造体構成部材と、これに関連する方法とを提供する。【解決手段】自動車の構造体構成部材１であって、構造体部分は、車両方向に対して横方向に延在しておりかつ車室と前室、好適にはエンジンルームとの間の仕切りに用いられ、構造体構成部材は、射出成形壁２と、射出成形壁の側方にそれぞれ配置された２つのＡピラー３と、射出成形壁の上側に沿って延在する横方向補強部４とを有しており、構造体構成部材は、ワンピースまたは一体の軽金属ダイカスト部品として形成されている。【選択図】図１

Description

本発明は、自動車の構造体構成部材およびその製造方法に関し、構造体構成部材は、車両方向に対して横方向に延在しておりかつ車室と前室、好適にはエンジンルームとの間の仕切りに用いられ、構造体構成部材は、射出成形壁と、射出成形壁の側方にそれぞれ配置された２つのＡピラーと、射出成形壁の上側に沿って延在する横方向補強部とを有している。

独国特許出願公開第１０２００８０６２００７号明細書に開示されたバルクヘッドは、複数部分から、つまり下側のクロスメンバと、バルクヘッド部材と、上側の補強支持体とから形成されており、この場合、下側のクロスメンバは軽金属ダイカスト構成部材として形成されており、バルクヘッド部材と上側の補強支持体とは軽金属薄板から形成されている。各部材は、例えば溶接、ねじ締結、接着またはかしめによって互いに結合される。この場合の欠点は、個々の構成部材を互いに結合する手間が大きいという点である。

独国特許出願公開第１０２００８０６２００４号明細書に開示された車体構造では、バルクヘッドはフランジを有しており、同様にフランジを有するクロスメンバに結合される。この場合、バルクヘッドは軽金属薄板から形成されており、クロスメンバに好適には溶接または接着されている。この場合も、車体構造部分を車両車体に取り付けることができるようになる前に、個々の部材相互の結合に多くの時間がかかるという欠点がある。

本発明の課題は、製造時間を短縮し、ロジスティクスにかかる手間を減らし、かつ最小限の手作業ステップを必要とする構造体構成部材と、これに関連する方法とを提案することにあり、これにより、構成部材の経済性を向上させることが望ましく、構成部材は最小限の重量を有することになる。

この課題は、本発明に基づき、構造体構成部材がワンピースまたは一体の軽金属ダイカスト部品として形成されていることによって解決される。

本発明による自動車の構造体構成部材は、車両方向に対して横方向に延在しておりかつ車室と前室、好適にはエンジンルームとの間の仕切りに用いられ、射出成形壁と、射出成形壁の側方にそれぞれ配置された２つのＡピラーと、射出成形壁の上側に沿って延在する横方向補強部とを有している。本発明による構造体構成部材は、ワンピースにまたは一体に形成されている。すなわち、射出成形壁、Ａピラーおよび横方向補強部等の部材は、互いに結合するための接合プロセスを全く必要とせず、本発明による構造体構成部材は、１つの完全体として形成されている。本発明による構造体構成部材はさらに、軽金属ダイカスト部品として形成されており、これは、薄肉の構造を可能にするにもかかわらず、所望の安定性を達成する。

射出成形壁が、射出成形壁に統合されて配置されたペダル支持体を有していると有利であることが判った。射出成形壁に統合されて配置されたとは、射出成形壁または構造体構成部材にペダル支持体が直接に組み込まれており、本発明によるダイカスト構成部材にも同様に配置されていることを意味する。つまり、本発明による構造体構成部材は、統合されたペダル支持体とワンピースにまたは一体に形成されている。

もちろん、必要に応じてさらなるまたは別の舌片およびホルダが本発明による構造体構成部材に統合されて配置されていてもよいし、車両形式に応じてさらなる別の舌片およびホルダを共に軽金属ダイカスト構成部材に統合することができる。

好適には、構造体構成部材は薄肉に形成されており、この場合、構成部材壁は１～８ｍｍ、好適には２～５ｍｍである。好適には、構成部材壁は、構造体構成部材におけるそれらの位置に相応して、異なる厚さを有している。構成部材壁の異なる厚さに基づき、構造体構成部材における流れ特性が最適化されるかまたは充填最適化が達成される。一方では、個々の構成部材壁が異なる厚さを有し、それらの配置に相応していてよく、他方では、１つの構成部材壁自体が異なる厚さを有していてもよい。すなわち、１つの構成部材壁が、上述のように充填最適化を達成するために先細になっていてもよいし、または拡幅していてもよい。

Ａピラーが、その補強用にリブ付け部を有していると、１つの好適な実施形態になることが判った。好適には、リブ付け部は、Ａピラーの一方の側に配置されており、全幅および全高にわたりまたは一部分領域にわたってのみ延在している。

横方向補強部が、補強部としてリブ付け部を有していると有利であることが判った。リブ付け部は、好適には射出成形壁と横方向補強部との間に配置されている。この場合、リブ付け部は、好適には射出成形壁の上側に沿ってリブを規則的に配置することによって形成される。

好適には、リブ付け部は、射出成形壁とＡピラーとの間の移行領域に配置されている。リブ付け部のこの配置は、構造体構成部材の個々の構成要素の間の剛性を高める。

１つの好適な実施形態によれば、本発明による構造体構成部材は、Ａｌ合金またはＭｇ合金から製造されている。

上記の課題は、本発明に基づき、本発明による構造体構成部材をダイカスト法で製造することによって解決される。

本発明による構造体構成部材をダイカスト法で製造することにより、複雑で薄肉にもかかわらず安定した形状を付与することが可能である。さらに、様々な取付け部品を、ワンピースの構造体構成部材に直接統合することができ、これにより、追加的な取付けステップを回避することができる。

本発明による構造体構成部材を、鋳造後に熱処理すると有利であることが判った。これにより、例えば構造体構成部材の強度といった所望の特性がさらに向上する。熱処理は、全体的に行われてもよいし、部分的にのみ行われてもよい。

全ての構成手段は、互いに自由に組み合わせることができる。

本発明の１つの実施例を図面に基づき説明するが、本発明は、この実施例のみに限定されない。

車室から見た本発明による構造体構成部材を示す立体図である。 車室から見た本発明による構造体構成部材を示す立体図である。 車室から見た本発明による構造体構成部材を示す平面図である。 Ａピラーを示す側面図である。 前室から見た本発明による構造体構成部材を示す立体図である。 前室から見た本発明による構造体構成部材を示す立体図である。

図１に示す図面には、自動車用の本発明による構造体構成部材１が示されている。取付け状態において、構造体構成部材は車両方向に対して横方向に延在しており、車室と前室、好適にはエンジンルームとを互いに隔離している。構造体構成部材１には、射出成形壁２と、射出成形壁２の側方にそれぞれ一体成形されたＡピラー３とが含まれている。互いに反対の側に位置する２つのＡピラー３は、好適には鏡像的に形成されている。さらに、本発明による構造体構成部材１には、射出成形壁２の上側に沿って延在する横方向補強部４が含まれている。複数の部材、つまりＡピラー３と射出成形壁２と横方向補強部４とを含む本発明による構造体構成部材１は、ワンピースでまたは一体に形成されている。つまり、構造体構成部材１は、継目箇所も結合部材も全く有していない。本発明による構造体構成部材１は、軽金属ダイカスト部品として形成されており、これにより、１回の作業ステップで製造することができる。ダイカスト構成部材として形成することによって、より薄肉の構造が可能であり、可能なリブ付けによって必要な安定性を形成する。各図面において看取されるように、ペダル支持体５もやはり構造体構成部材１に直接に統合されているかまたはこの部材が射出成形壁２に一体成形されていると有利であり、これにより、追加的な接合プロセスを回避することができる。

Ａピラー３が、安定性を高めるリブ付け部６を有していると有利であるということが、各図面において良好に認められる。好適には、リブ付け部６はＡピラー３において外面に延在している。さらに、リブ付け部６が規則的な間隔をあけて配置されていると好適である。

各図面からは同様に、横方向補強部４と射出成形壁２の上側との間にリブ付け部７が配置されていると有利であることが認められる。このリブ付け部７は、横方向補強部４の安定性を高める。さらに、本発明による構造体構成部材１は、好適には射出成形壁２と各Ａピラー３との間にリブ付け部８を有している。

さらに、本発明による構造体構成部材１は、好適にはＡピラー３のところに、シル用の接続部材９を有している。

さらに、射出成形壁２が、空調装置の配管用の一体の貫通孔１０を有していると有利である。同様に、ブレーキペダルおよび／またはステアリングコラムのプランジャ用の貫通孔１１，１２が射出成形壁２に直接に設けられていると、さらに有利であることが判った。同様に、射出成形壁２に空調装置用のサービス開口１３が統合されていると有利である。同様に、コックピットクロスメンバおよび／またはルーフピラー用の接続点がＡピラー３に統合されている場合も有利である。

１ 構造体構成部材
２ 射出成形壁
３ Ａピラー
４ 横方向補強部
５ ペダル支持体
６ リブ付け部 Ａピラー
７ リブ付け部 横方向補強部
８ リブ付け部 Ａピラー／射出成形壁
９ 接続部材 シル
１０ 貫通孔 空調
１１ 貫通孔 プランジャ ブレーキペダル
１２ 貫通孔 ステアリングコラム
１３ サービス開口 空調装置
１４ 接続点

Claims (9)

1. 自動車の構造体構成部材（１）であって、構造体部分（１）は、車両方向に対して横方向に延在しておりかつ車室と前室、好適にはエンジンルームとの間の仕切りに用いられ、当該構造体構成部材は、射出成形壁（２）と、該射出成形壁（２）の側方にそれぞれ配置された２つのＡピラー（３）と、前記射出成形壁（２）の上側に沿って延在する横方向補強部（４）とを有している、構造体構成部材（１）において、
   当該構造体構成部材は、ワンピースまたは一体の軽金属ダイカスト部品として形成されていることを特徴とする、構造体構成部材（１）。
2. 前記射出成形壁（２）は、該射出成形壁（２）に統合されて配置されたペダル支持体（５）を有している、請求項１記載の構造体構成部材（１）。
3. 当該構造体構成部材（１）は薄肉に形成されており、構成部材壁は、１～８ｍｍ、好適には２～５ｍｍである、請求項１または２記載の構造体構成部材（１）。
4. 前記Ａピラー（３）は、その補強用にリブ付け部（６）を有している、請求項１から３までのいずれか１項記載の構造体構成部材（１）。
5. 前記横方向補強部（４）は、補強用にリブ付け部（７）を有している、請求項１から４までのいずれか１項記載の構造体構成部材（１）。
6. 前記射出成形壁（２）と前記Ａピラー（３）との間の移行領域にリブ付け部（８）が配置されている、請求項１から５までのいずれか１項記載の構造体構成部材（１）。
7. 当該構造体構成部材（１）は、Ａｌ合金またはＭｇ合金から製造されている、請求項１から６までのいずれか１項記載の構造体構成部材（１）。
8. 請求項１から７までのいずれか１項記載の構造体構成部材（１）を製造する方法において、
   前記構造体構成部材（１）をダイカスト法で製造することを特徴とする、方法。
9. 前記構造体構成部材（１）を鋳造後に熱処理する、請求項８記載の方法。

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