JP2022176396A - 炊飯方法とそれに用いる米飯用風味改良変質防止剤 - Google Patents

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【課題】本発明は生米に特別な米飯用風味改良変質防止剤を添加して炊飯し、炊きあがり時の風味が良好で酢酸臭や酸味がなく、歩留まりが高く、保存性もよく、冷所保存後の電子レンジによるレンジアップにより炊き立て時と遜色のない風味を蘇らせる米飯の製造法およびその米飯用風味改良変質防止剤を得ることを目的とする。【解決手段】炊飯時、生米の130~185重量%の水に、酢酸1.0~18.2重量%、還元デンプン加水分解物3.3~45.0重量%、還元糖3.3~45.0重量%および食塩を0~17重量%を含有してなる米飯用風味改良変質防止剤を生米に対し1~3.5重量%添加して炊飯することによりその目的を達成した。【選択図】 なし

Description

本発明は食品の中でも生米に米飯の風味改良変質防止剤を添加して炊飯し、炊きあがり時の風味が良好で、水分の歩留まりが高く、保存性もよく、冷所保存後の電子レンジによるレンジアップにより炊き立て時と遜色のない風味を蘇らせる米飯の製造法およびその米飯の風味改良変質防止剤に関する。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売される弁当やおにぎりなどには日持ちや食感改良の目的で多くの添加物が用いられている。中でも米飯について昨今のニーズは、味に影響なく日持ちすること、低温でも老化しにくいこと、水分の歩留まりが良く経済的なこと、そしてレンジアップ後には炊きたてに近い美味しさを長く保つこと、オリジナルレシピ本来の味を阻害しないこと等、多くの要望を満たすことが求められている。
このような中で炊飯後に味付けされる従来の米飯類と同等の風味を付与し、芯の発生を抑制することのできる米飯類の製造方法、その方法に用いられる調味液、及び米飯類の芯の抑制方法(特許文献1)、や特定の分子量を持つ低分解澱粉と特定のDE値を持つデキストリンを、特定の質量比で混合して得られた混合物を、米飯に添加させることにより、風味及び/又はその持続性が顕著に向上された米飯(特許文献2)、食酢、糖類、塩、および高甘味度甘味料を主成分とする合わせ酢として、従来のものよりカロリーが低く、コストも低減でき、米飯に混ぜ合わせて寿司飯としたときの風味や質感が損なわれないもの(特許文献3)等、先行文献の記載は何れも寿司飯用のものであるが、本願の米飯は酸味や酢臭が感じられない白飯や色飯を対象としたものである。寿司飯用の製剤は炊き上げた米飯の酸味や甘みが強く、寿司飯を除くその他の米飯には酸味、甘みの強すぎるものである。
特許第6842075 特開2017-077223 特開2010-29175
本発明の課題は炊飯時、米飯の風味改良変質防止剤を添加して炊飯することにより、炊きあがり時の風味が良好で、酢酸臭や酸味がなく、水分の歩留まりが高く(標準量より多めの炊飯水を用いてもべとつかず良好な食感の米飯が得られる)、保存性がよく、冷所保存後の電子レンジによるレンジアップにより炊き立て時と遜色のない風味を蘇らせる米飯の製造法およびその米飯の風味改良変質防止剤を提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、炊飯時、生米の130~185重量%の水に、酢酸1.0~18.2重量%、還元デンプン加水分解物3.3~45.0重量%、及び還元糖3.3~45.0重量%、必要によりさらに食塩を含有してなる米飯用風味改良変質防止剤を生米に対し1~3.5重量%を添加または含有させて炊飯することにより、酢酸臭や酸味がなく、風味が良好で、保存性が高く、歩留まりも高く、更に保存による老化が起きにくく、レンジアップ後の優れた食感再現性を示す米飯を得ることができることを発見した。本発明はこの知見をもとに完成したものである。
すなわち本発明は、
1. 炊飯時、生米に対して130~185重量%の水に、酢酸1.0~18.2重量%、還元デンプン加水分解物3.3~45.0重量%、還元糖3.3~45.0重量%および食塩を0~17.0重量%含有してなる米飯用風味改良変質防止剤を生米に対して1.0~3.5重量%添加して炊飯する米飯の製造法。
2. 米飯用風味改良変質防止剤が、酢酸1.4~15.6重量%、還元デンプン加水分解物6.6~40.0重量%、還元糖6.6~40.0重量%および食塩を5~14重量%を含有してなる米飯用風味改良変質防止剤である請求項1に記載の米飯の製造法。
3. 酢酸1.0~18.2重量%、還元デンプン加水分解物3.3~45.0重量%、還元糖3.3~45.0重量%および食塩を0~17重量%を含有してなる米飯用風味改良変質防止剤。
4. 酢酸1.4~15.6重量%、還元デンプン加水分解物6.6~40.0重量%、還元糖6.6~40.0重量%および食塩を5~14重量%を含有してなる請求項3に記載の米飯用風味改良変質防止剤。
である。
本発明に用いる酢酸は食に供する食酢であれば何れでも良く、醸造酢、合成酢のどちらでも使用することができる。醸造酢としては黒酢、米酢、穀物酢、りんご酢、ぶどう酢、果実酢、醸造酢が挙げられるが、中でも甘みや癖の少ない合成酢、醸造酢(穀物酢、果実酢の何れでもない醸造酢)が良く、天然の醸造酢(穀物酢、果実酢の何れでもない醸造酢)がより好ましい。またその形態は液状、粉末状の何れの形態でも使用する事が出来る。本発明では醸造酢に還元デンプン加水分解物を水に溶かした後、スプレードライにより任意の酸度に調製した粉末酢を使用することもできる。
本発明に用いる米飯用風味改良変質防止剤(製剤ということがある。)中の酢酸の配合割合(酢酸換算酸度)は製剤成分の合計に対し1.0~18.2重量%、好ましくは1.4~15.6重量%であり、炊飯時の生米に対する酢酸の添加範囲としては0.036~0.182重量%、好ましくは0.044~0.156重量%である。
本発明に用いる還元デンプン加水分解物はその糖化度により高糖化還元水あめ、中糖化還元水あめ、低糖化還元水あめ等に分類され、その何れも用いることができるが、米飯はなるべく甘味度の低いものが良い。即ち中糖化還元水あめおよび低糖化還元水あめが好ましく、低糖化還元水あめがより好ましい。
本発明における還元デンプン加水分解物の製剤全体に対する配合割合は、液体製剤の場合、3.3~45.0重量%、好ましくは6.6~40.0重量%、より好ましくは11.0~33.3重量%である。炊飯時の生米に対する還元デンプン加水分解物の割合は0.033~1.575重量%、好ましくは0.066~1.400重量%、より好ましくは0.11~1.166重量%である。
本発明における還元デンプン加水分解物の甘味度は、砂糖を1とした場合、高糖化還元水あめは0.6~0.7、中糖化還元水あめは0.4~0.5、低糖化還元水あめは0.1~0.3であるが、実施例で用いた松谷化学工業株式会社製「H-パインデックス」の甘味度は0.17である。
本発明に用いる還元糖は、具体的にはパラチニット、エリスリトール、ラクチトール、ソルビトール、マルチトールなどであるが、好ましくはパラチニット、エリスリトール、より好ましくはパラチニットである。
本発明における還元糖の製剤に対する配合割合は液体製剤の場合、製剤全体に対し3.3~45.0重量%、好ましくは6.6~40.0重量%、より好ましくは11.0~33.3重量%である。また、生米に対する還元糖の割合は0.033~1.575重量%、好ましくは0.066~1.400重量%、より好ましくは0.11~1.166重量%である。
本発明における還元糖の甘味度は、砂糖を1とした場合、パラチニットは0.45、エリスリトールは0.85、ラクチトールは0.35、ソルビトールは0.54、マルチトールは0.95である。
本発明において還元デンプン加水分解物と還元糖の合計量(甘味成分の合計量)は製剤全体に対し33.0~50.0重量%、好ましくは33.0~40.0重量%である。
本発明の米飯用風味改良変質防止剤中、還元デンプン加水分解物と還元糖の配合比率は重量比で5:45~45:5、好ましくは1:4~4:1、より好ましくは1:2~2:1である。
本発明において、米飯用風味改良変質防止剤を米飯に含有させるには、炊飯前の生米に対して水(添加水)やそれを含む調味液に製剤を添加し炊飯すると製剤が充分に米に浸透する。
本発明における炊飯方法としては、従来から知られている一般的な方法で行うことができ、特に限定されない。炊飯の前処理としては、生米を洗米し、水に浸漬すればよく、無洗米の場合は洗米する必要はない。
本発明の実施例では、炊飯窯としてタイガー魔法瓶株式会社製炊飯器(JAI-H)を使用したが、特に限定するものではない。
通常の炊飯時における添加水の量は、生米を速やかに洗米後、水切りし、生米重量に対し120~160重量%(標準量)の添加水(洗米時の吸水重量分を含む)を加えた後に炊飯するが、本発明の製剤を添加した炊飯においては、生米に対し130~185重量%、好ましくは140~180重量%の添加水を用いる。米の質感(硬さ、柔らかさなど)に人の好みも有るため、本試験では生米重量に対し150重量%の添加水量を主な基準量とした。
本発明において米飯用風味改良変質防止剤の添加量(X)は生米に対して1.0~3.5重量%(粉末製剤の場合0.6~2.1重量%)、好ましくは1.2~3.0重量%(粉末製剤の場合は0.7~1.8重量%)、より好ましくは1.5~3.0重量%(粉末製剤の場合は0.9~1.8重量%)である。
本発明における米飯炊飯時の添加水上乗せ量(Y)重量%は標準量の上乗せ分で、生米に対して3~42重量%である。
詳しくは米飯用風味改良変質防止剤の添加量に関連し、(X)が1~3.5重量%の場合、数式:米飯炊飯時の添加水上乗せ量(Y) 重量%=(X)×3~(X)×12(加水係数3~12)の式に準じた範囲である。好ましくは(X)が1.5~3.0重量%の場合も同様の数式に準じ、(Y)=(X)×3~(X)×12 重量%の範囲である。
粉末製剤の場合製剤中に水分が無いため、製剤の添加量が液体製剤の60%程度になるため、添加水量は、液体製剤として換算した量を加えるとよい。
本発明における米飯用風味改良変質防止剤の甘味成分とは製剤中に含まれる還元デンプン加水分解物と還元糖である。製剤の甘味度とはそれらの甘味を表す指標であり、ショ糖1質量%(20℃)の甘味の強さを1とした場合の相対値で表される。
本発明の米飯用風味改良変質防止剤は甘味度が6~29、好ましくは10~20、より好ましくは11~19である。
本発明に用いる食塩としては、特級塩、並塩、白塩、焼き塩、精製塩、岩塩、藻塩などの天然品のほか合成塩もあるが、食に供するものならば合成品、天然物の何れでもよい。本発明における食塩の配合割合は製剤全体に対し0~17重量%、好ましくは5~14重量%である。
本発明に用いる米飯用風味改良変質防止剤は粉末状でもペースト状でも良いが、米飯の製造工程上液体状の方が使用しやすい。
本発明に用いる液体製剤を調製する方法は特に制限するものではなく、秤量した各原料を水に溶解する事によって調製することが出来る。実際製造する際は攪拌機の付いたタンクで製造するのが望ましい。またその際原料個々では溶けにくい場合がある。一部の成分が吸水時に凝集し難溶解性の固体を生じさせると考えられるが、一旦これらが生じると容易に溶かすことができない。その際予め原料の必要量を計量し、必要により篩過、粉砕し均一に混合し製剤化しておく事で大幅に改善する事が出来る。
本発明品の製造に用いる水は浄水ならば特に制限はないが、ミネラル成分の少ない浄水が望ましい。浄水の温度も特に制限はないが、温水ならば各原料が溶けやすいので望ましい。また本発明品は0℃で再結晶しない程度の濃厚溶液を調製する事で安定な液体製剤を調製することが出来る。また、これを希釈して必要な濃度に調整することもできる。
本発明の米飯用風味改良変質防止剤を更に有機酸または、及びその塩類を添加することにより一層効果が増強される。
用いることができる有機酸または、及び無機酸その塩類としては、例えばフマル酸、フマル酸一ナトリウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸水素カリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、フェルラ酸、フィチン酸、アジピン酸、乳酸、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸(グルコノデルタラクトンを含む)グルコン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等があげられる。
本発明の米飯用風味改良変質防止剤及びこれを含む食品は、目的に応じ各種の添加物、例えばグリシン、DL-アラニン、グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸、塩化カリウムや食塩等の調味料、酢酸ナトリウム等のpH調整剤、甘味料、糖類、サトウキビ抽出物、糊料、酸味料、油脂、香辛料及びその抽出物、エタノール、ポリリジン、プロタミン、ナイシン、ホップ抽出物、リゾチーム等の抗菌剤、保存料、各種ビタミン、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、栄養強化剤や酸化防止剤、酵素(α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ等)等を製剤に加えてもよく、製剤使用時に併用してもよい。
本発明の米飯用風味改良変質防止剤は、炊飯しただけの米飯、炊飯時に調味する食品(炊き込みご飯など)、炊飯後に調味する食品(焼き飯など)、おにぎり等の成型米など様々な米飯加工食品に用いることができる。
本願方法により炊飯された米飯は、炊きあがり時の風味が良好で、炊飯後の常温から冷蔵の温度帯での米飯の保存性〈静菌性〉を高め、かつ水分の歩留まりを向上させる結果炊き立て時のふっくらとした食感を長期に渡り保持させ、保存による米飯の老化を極力抑制、防止するとともに、レンジアップによって、再び炊き立て直後に近い優れた食感、保存性、水の歩留まりなどを再現させることができる。
以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説明する。
本発明の米飯用風味改良変質防止剤(本願明細書においてはこれを「製剤」と称することがある。)として、表1に掲げる各成分を混合溶解し、(a)から(n)の各製剤を調製した。
Figure 2022176396000001
米飯の炊飯方法
1.炊飯時製剤を添加しないで通常の電気炊飯器によって炊飯した(常法)。
生米150gを計量し、速やかに水洗いした。水洗い時の吸水分も合わせ添加水を225g(生米の150重量%)になるように調製した。20分間吸水後に炊飯し、その後さらに20分間蒸らした。
2.表1の製剤(f)を添加し、電気炊飯器によって炊飯した。
以下の数式に基づいて生米に対する添加水の上乗せ重量%を試算した。
(X): 製剤の添加量(重量%)
(Y): 米飯炊飯時の添加水上乗せ量(重量%)
数式:(Y) =(X)×3~(X)×12
ただし、(Y)の上限は35重量%とした。
生米150gを計量し、速やかに水洗いをした。この生米に、水洗い時の吸水分も合わせ添加水が生米重量の〔標準量+(Y)〕重量%となる様に水を添加した。添加水に米飯用風味改良変質防止剤(f)を加えてよく撹拌し、20分間水に浸した後、電気炊飯器で炊飯し、その後さらに20分間蒸らした。
上記方法で白米を炊飯し、炊きあがりの米飯を計量した。その結果を表2に示す。
Figure 2022176396000002
※米飯重量は炊飯後20分間蒸らした後の重量(g)であり、歩留りは米飯を標準量150%で炊飯した無添加品の重量を100%とした時の重量%である。
3.米飯の炊きあがり時の食感と保存による老化状態の観察
熟練したパネリスト10名による炊き立て米飯および10℃で24、48時間保存後の米飯の電子レンジ加熱によるレンジアップ前後の官能検査をおこなった。結果を表3に示す。
Figure 2022176396000003
※軟らかすぎる検体は商品としての価値が見いだせないため、10℃保存試験を中止した。

老化状態の評価基準
A:炊きたての状態に近く、良好
B:ほとんど老化は見られず、良好
C:老化はわずかで、良好
D:やや老化が進んでいる
E:老化が進んでいる
F:極めて老化が進んでいる
実施例2の炊飯方法に基づき、実施例1の表1に掲げた製剤(a)及び(j)を添加して炊飯した米飯と、無添加や酢酸のみを添加して炊飯した米飯の歩留まりを計測した。その結果を表4に示す。
Figure 2022176396000004
熟練したパネリスト10名による官能検査結果は表5の通りであった。
Figure 2022176396000005
※軟らかすぎる検体は商品としての価値が見いだせないため、10℃保存試験を中止した。
保存試験
方法:蒸らし後室温(15℃)まで冷ました米飯を無菌的に各10gにとりわけ、セレウス菌液(300 CFU/ml) 0.1mlを接種し、15℃にて保存した。
経過時間と一般生菌数を表6に示した。
Figure 2022176396000006
実施例2の炊飯方法に準じて、表1の製剤を用いて白米を炊飯し、歩留り(表7)と炊き上がりの状態および保存後の老化状態(表8)を官能試験で比較した。
Figure 2022176396000007
官能検査(熟練したパネリスト10名による)の結果
Figure 2022176396000008
※軟らかすぎる検体は商品としての価値が見いだせないため、10℃保存試験を中止した。

老化状態の評価
A:炊きあがりの状態に近く、良好
B:ほとんど老化は見られず、良好
C:老化はわずかで、良好
D:やや老化が進んでいる
E:老化が進んでいる
F:極めて老化が進んでいる
実施例2の炊飯方法に準じて、表1の製剤を用いて白米を炊飯し、歩留り(表9)と炊き上がりの状態および保存後の老化状態(表10)を官能試験で比較した。
Figure 2022176396000009
官能検査(熟練したパネリスト10名による)
Figure 2022176396000010
老化状態の評価
A:炊きあがりの状態に近く、良好
B:ほとんど老化は見られず、良好
C:老化はわずかで、良好
D:やや老化が進んでいる
E:老化が進んでいる
F:極めて老化が進んでいる
保存試験
方法:蒸らし後室温程度まで冷ました米飯を無菌的に各10gにとりわけ、セレウス菌液(300 CFU/ml)0.1mlを接種し、25℃にて保存した。保存時間と一般生菌数の関係を表11に示した。
Figure 2022176396000011
実施例2の炊飯方法に準じて、表1の製剤を用いて白米を炊飯し、歩留り(表12)と炊き上がりの状態および保存後の老化状態(表13)を官能試験で比較した。
Figure 2022176396000012
製剤(n)は溶質が不溶で製剤化できなかったが、甘味比較のため各成分をそれぞれ添加水に添加し、試験を行った。

官能検査(熟練したパネリスト10名による)結果
Figure 2022176396000013
老化状態の評価
A:炊きあがりの状態に近く、良好
B:ほとんど老化は見られず、良好
C:老化はわずかで、良好
D:やや老化が進んでいる
E:老化が進んでいる
F:極めて老化が進んでいる
保存試験
方法:蒸らし後室温程度まで冷ました米飯を無菌的に各10gにとりわけ、セレウス菌液(300 CFU/ml)0.1mlを接種し、10℃にて24時間~96時間保持した後一般生菌数を調べた
その結果を表14に示す。
Figure 2022176396000014
実施例2の炊飯方法に準じ、さらにα-アミラーゼ製剤(ナガセケムテックス株式会社製「スピターゼR」)を炊飯開始前の工程で対生米0.1%加え表1の製剤(f)を用いて白米を炊飯し、歩留り(表15)と炊き上がりの状態および保存後の老化状態(表16)を官能試験で比較した。なおこの実験では炊飯水の基準量を生米の130重量%とした。
Figure 2022176396000015
※7-2を除くすべての検体にスピターゼRを0.1%添加
官能検査(熟練したパネリスト10名による)の結果
Figure 2022176396000016
老化状態の評価
A:炊きあがりの状態に近く、良好
B:ほとんど老化は見られず、良好
C:老化はわずかで、良好
D:やや老化が進んでいる
E:老化が進んでいる
F:極めて老化が進んでいる
本発明の方法によって得られた米飯は、実質的に酢酸臭や酸味がなく、歩留まりがよく、かつ風味が良好で、常温での保存性が高い。しかも常温または低温で保存したのち電子レンジや蒸し器で再加熱した際の風味食感が炊き立て米飯に遜色のないほど良好である。したがって、米飯を主体とした食品、例えばパック詰めの白飯、赤飯、かやく飯、おにぎりなどを製造販売するスーパー、コンビニ、食堂、料理店などで実施することができる。

Claims (4)

  1. 炊飯時、生米の130~185重量%の炊飯水に、酢酸1.0~18.2重量%、還元デンプン加水分解物3.3~45.0重量%、還元糖3.3~45.0重量%および食塩を0~17重量%含有してなる米飯用風味改良変質防止剤を生米に対して1.0~3.5重量%添加して炊飯する米飯の製造法。
  2. 米飯用風味改良変質防止剤が、酢酸1.4~15.6重量%、還元デンプン加水分解物6.6~40.0重量%、還元糖6.6~40.0重量%および食塩を5~14重量%を含有してなる米飯用風味改良変質防止剤である請求項1に記載の米飯の製造法。
  3. 酢酸1.0~18.2重量%、還元デンプン加水分解物3.3~45.0重量%、還元糖3.3~45.0重量%および食塩を0~17重量%を含有してなる米飯用風味改良変質防止剤。
  4. 酢酸1.4~15.6重量%、還元デンプン加水分解物6.6~40.0重量%、還元糖6.6~40.0重量%および食塩を5~14重量%を含有してなる請求項3に記載の米飯用風味改良変質防止剤。

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