JP2022175721A - 荷台が傾動する重量物運搬車両 - Google Patents

荷台が傾動する重量物運搬車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2022175721A
JP2022175721A JP2021082375A JP2021082375A JP2022175721A JP 2022175721 A JP2022175721 A JP 2022175721A JP 2021082375 A JP2021082375 A JP 2021082375A JP 2021082375 A JP2021082375 A JP 2021082375A JP 2022175721 A JP2022175721 A JP 2022175721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
loading platform
transport vehicle
cargo bed
heavy goods
reinforcing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021082375A
Other languages
English (en)
Inventor
永策 井上
Eisaku Inoue
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIKOKU SHATAI KK
Original Assignee
SHIKOKU SHATAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIKOKU SHATAI KK filed Critical SHIKOKU SHATAI KK
Priority to JP2021082375A priority Critical patent/JP2022175721A/ja
Publication of JP2022175721A publication Critical patent/JP2022175721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

【課題】重量物を荷台に搭載して運搬しながら、長期間に渡って荷台の変形を防止して荷台をスムーズに前後に往復運動できる、耐久性に優れた荷台が傾動する重量物運搬車両を提供する。【解決手段】前後に移動自在に連結してなる荷台1と、一対のレール3と、一対のレール3を走行して荷台1を前後に移動させる左右の車輪4と、荷台1を前後に移動させる一対のシリンダ10と、一対のシリンダ10の駆動機構と、シャーシ2を傾動するアウトリガー9と、を備える荷台1が傾動する重量物運搬車両である。荷台1が下面の両側に荷台1の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材5を固定し、補強材5が、シリンダ10を内蔵してなる四角筒状のカバー筒5aを備え、車輪4が補強材5に連結されてなり、さらに、スライドホルダー7が、補強材5を支持できるとともに、補強材5がスライドホルダー7のスリッププレート13上をスライドして前後に移動する。【選択図】図6

Description

本発明は、主として重機を搭載して運搬する荷台が傾動する重量物運搬車両に関する。
荷台が傾動する重量物運搬車両は、荷台を後端に向かって下り勾配に傾斜する姿勢として、重機等の重量物を載せ下ろしできる。この重量物運搬車両は、荷台の後端縁に一対の歩み板を連結して、歩み板を介して重機を自走して荷台に積み下ろしできる。ただ、この重量物運搬車両は、重機が荷台後部に連結している歩み板を走行して荷台に載せ下ろしするので、安全に重機を積み下ろしするのが難しい欠点がある。本発明者は、この欠点を解消して、重機などの重量物をより安全に積み下ろしできる重量物運搬車両を開発した(特許文献1参照)。
この重量物運搬車両は、アウトリガーで車両を後端に向かって下り勾配に傾斜する姿勢とし、この状態で荷台を後方に移動して後端を地面に接触ないし接近して、従来のように重機が幅の狭い一対の歩み板を走行することなく、荷台に直接に積み下ろしできる。この重量物運搬車両は、荷台を前後に移動するために、荷台下面の両側に一対のシリンダを配置している。さらに、シリンダを保護するために、荷台の下面に縦筒を固定して、この縦筒の内部にシリンダを配置している。この重量物運搬車両は、荷台に重い重量物を搭載して運搬するので、荷台が重量物で変形し、変形した荷台が縦筒を変形し、さらに変形した縦筒がシリンダを変形して、シリンダがスムーズに荷台を往復運動できなくなる欠点があった。
実開平6-53288号公報
本発明は、以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の一目的は、重い重機などの重量物を荷台に搭載して運搬しながら、長期間にわたって荷台の変形を防止して荷台をスムーズに前後に往復運動できる、耐久性に優れた荷台が傾動する重量物運搬車両を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の一態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、車両のシャーシに前後に移動自在に連結してなる荷台と、シャーシに固定されて、荷台を前後に移動させる一対のレールと、荷台に連結されて一対のレールを走行して、荷台を前後に移動させる左右の車輪と、荷台に一端が連結されて、それ自体が伸縮して荷台を前後に移動させる一対のシリンダと、一対のシリンダを同期して前後に移動する駆動機構と、シャーシを傾動するアウトリガーとを備えている。荷台は、下面の両側に荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材を固定しており、補強材が、シリンダを内蔵してなる四角筒状のカバー筒を備え、車輪が回転軸を介して補強材に連結されている。さらに、シャーシに固定されて補強材を下方から支持するスライドホルダーを備え、スライドホルダーは、上面にスリッププレートを備えており、荷台に固定された補強材がスライドホルダーのスリッププレート上をスライドして前後に移動する。
以上の重量物運搬車両は、重い重機などの重量物を荷台に搭載して運搬しながら、長期間にわたって荷台の変形を防止して荷台をスムーズに前後に往復運動できる特長がある。それは、以上の重量物運搬車両が、荷台の下面の両側に荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材を固定しており、補強材がシリンダを内蔵してなる四角筒状のカバー筒を備え、車輪が回転軸を介して補強材に連結されるとともに、シャーシに固定されて補強材を下方から支持するスライドホルダーを備えており、荷台に固定された補強材がスライドホルダーのスリッププレート上をスライドして前後に移動するからである。
以上の重量物運搬車両は、荷台を下面から補強する補強材を、シリンダを内蔵するカバー筒に併用し、補強材が効果的に荷台を補強して変形を防止し、カバー筒によるシリンダの変形を防止できる。また、シリンダが内蔵された補強材に車輪を連結することで、シリンダに近い位置に車輪を配置して、この車輪で補強材を支持できる。さらに、以上の重量物運搬車両は、補強材に連結された車輪とは別に、シャーシに固定されたスライドホルダーで補強材を下から支持している。このように、補強材をスライドホルダーで支持することで、カバー筒の変形を防止して、カバー筒によるシリンダの変形を防止できる。また、重量物を積み降ろしの際や運搬走行する際の荷台上の重量物の荷重による補強材の振動、揺れ、たわみ、歪み、傾きなどをスライドホルダーで抑止できる。スライドホルダーによる補強材の支持及び振動等の抑止によって、車輪の負荷を小さくして、強度及び耐久性を向上できる。さらにまた、スライドホルダーの上面にスリッププレートを設けることで、スライドホルダーと補強材が金属同士で直接触れ合うよりも摩擦係数を小さくして、スムーズに補強材がスリッププレート上をスライドできる。補強材に連結された車輪がシャーシに固定されたレールを走行しつつ、補強材がスリッププレート上をスライドすることで、荷台をスムーズに前後に移動できる。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、さらに、補強材の下面に対向プレートを固定している。
以上の重量物運搬車両は、対向プレートにより補強材の下面を補強できる。また、カバー筒及び補強材の下面が直接スリッププレートに接触して摩耗するなどして強度が低下することを防止できる。また、対向プレートの材質や厚さを調整することで、強度や摩擦係数を調整して、耐久性を向上できる。さらにまた、以上の重量物運搬車両は、対向プレートの厚さで荷台の高さを微調整できる特長もある。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、さらに、シャーシに固定されて、かつ、シャーシから荷台の短手方向に伸びるサイドホルダーを備え、サイドホルダーが、補強材より外側において荷台を下方から支持している。
以上の重量物運搬車両は、補強材をスライドホルダーで支持することに加えて、シャーシに固定されたサイドホルダーにより、補強材より外側において荷台を支持するので、スライドホルダーとサイドホルダーの両方でさらに安定して荷台を支持して荷台の変形を防止できると共に、荷台の振動、揺れ、たわみ、歪み、傾きなどを効率良くサイドホルダーで抑止できる。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、さらに、補強材が、カバー筒の上面又は下面に固定してなる第1の補強バーを備えている。
以上の重量物運搬車両は、補強材をスライドホルダーで支持することに加えて、カバー筒を第1の補強バーで補強しているので、補強材が効果的に荷台を補強して変形を防止し、さらに第1の補強バーがカバー筒を補強して、カバー筒の変形を防止して、カバー筒によるシリンダの変形を防止できる。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、車両のシャーシに前後に移動自在に連結してなる荷台と、シャーシに固定されて、荷台を前後に移動させる一対のレールと、荷台に連結されて一対のレールを走行して、荷台を前後に移動させる左右の車輪と、荷台に一端が連結されて、それ自体が伸縮して荷台を前後に移動させる一対のシリンダと、一対のシリンダを同期して前後に移動する駆動機構と、シャーシを傾動するアウトリガーとを備えている。荷台は、下面の両側に荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材を固定しており、補強材が、シリンダを内蔵してなる四角筒状のカバー筒を備え、車輪が回転軸を介して補強材に連結されている。さらに、シャーシに固定されて、かつシャーシから荷台の短手方向に伸びるサイドホルダーを備え、サイドホルダーが補強材より外側において荷台を下方から支持している。
以上の重量物運搬車両は、重い重機などの重量物を荷台に搭載して運搬しながら、長期間にわたって荷台の変形を防止して荷台をスムーズに前後に往復運動できる特長がある。それは、以上の重量物運搬車両が、荷台の下面の両側に荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材を固定しており、補強材がシリンダを内蔵してなる四角筒状のカバー筒を備え、車輪が回転軸を介して補強材に連結されるとともに、シャーシに固定されて、シャーシから荷台の短手方向に伸びるサイドホルダーを備え、サイドホルダーが補強材より外側において荷台を下方から支持しているからである。
以上の重量物運搬車両は、荷台を下面から補強する補強材を、シリンダを内蔵するカバー筒に併用し、補強材が効果的に荷台を補強して変形を防止し、カバー筒によるシリンダの変形を防止できる。また、シリンダが内蔵された補強材に車輪を連結することで、シリンダに近い位置に車輪を配置して、この車輪で補強材を支持できる。さらに、以上の重量物運搬車両は、補強材に連結された車輪とは別に、シャーシに固定されたサイドホルダーで荷台を下方から支持している。特に、サイドホルダーは、補強材より外側において荷台を下方から支持するので、荷台の振動、揺れ、傾きなどを効率良く抑止できる。また、重量物を積載した重量物運搬車両の走行中においては、重量物の荷重に加えて、路面状態、車両の加速と停止の繰り返し、車両自体のサスペンションやエンジンなど様々な要因によって振動や揺れなどが大きくなるが、サイドホルダーが両側、いずれも荷台の幅方向の端側に近い外側の位置に配置されることで、より効率良く荷台の振動や揺れを抑止できる。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、サイドホルダーが、一端がシャーシに固定されて、他端が補強材より外側まで延長された支持フレームと、支持フレームに連結されて荷台を下方から支持する支持台とを備えると共に、荷台が、支持台との対向位置に、下方に突出して配置された突出プレート部を備えており、サイドホルダーの支持台が突出プレート部を介して荷台を支持して定位置に保持している。
以上の重量物運搬車両は、サイドホルダーの支持台が突出プレート部を介して荷台を下方から支持するので、前後移動する荷台の所定の位置においてサイドホルダーが荷台を確実に支持して、荷台の振動、揺れなどをサイドホルダーの位置で抑止できる。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、サイドホルダーが、前後方向に離間して複数配置されており、荷台は、前後方向に離間して複数の突出プレート部を備えると共に、荷台が最も前方まで移動された状態で、各々の支持台と対向する位置に突出プレート部を配置している。
以上の重量物運搬車両は、荷台が最も前方まで移動された状態で、サイドホルダーの各々の支持台の上面と対向する位置に突出プレート部が位置するように複数の突出プレート部を配置しているので、重量物運搬車両が走行する状態で、荷台の両側部の複数箇所を、突出プレート部を介してサイドフレームで確実に支持して、荷台の振動や揺れを効果的に抑制しながら安全に走行できる。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、さらに、補強材が、カバー筒の上面又は下面に固定してなる第1の補強バーを備えている。
以上の重量物運搬車両は、荷台をサイドホルダーで支持することに加えて、カバー筒を第1の補強バーで補強しているので、補強材が効果的に荷台を補強して変形を防止し、さらに第1の補強バーがカバー筒を補強して、カバー筒の変形を防止して、カバー筒によるシリンダの変形を防止できる。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、車両のシャーシに前後に移動自在に連結してなる荷台と、シャーシに固定されて、荷台を前後に移動させる一対のレールと、荷台に連結されて一対のレールを走行して、荷台を前後に移動させる左右の車輪と、荷台に一端が連結されて、それ自体が伸縮して荷台を前後に移動させる一対のシリンダと、一対のシリンダを同期して前後に移動する駆動機構と、シャーシを傾動するアウトリガーとを備えている。荷台は、下面の両側に荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材を固定しており、補強材が、シリンダを内蔵してなる四角筒状のカバー筒と、カバー筒の上面又は下面に固定してなる第1の補強バーとを備え、車輪が回転軸を介して補強材に連結されている。
以上の重量物運搬車両は、重い重機などの重量物を荷台に搭載して運搬しながら、長期間にわたって荷台の変形を防止して荷台をスムーズに前後に往復運動できる特長がある。それは、以上の重量物運搬車両が、荷台の下面の両側に荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材を固定しており、補強材がシリンダを内蔵してなる四角筒状のカバー筒と、カバー筒の上面又は下面に固定してなる第1の補強バーとを備え、車輪が回転軸を介して補強材に連結されているからである。
以上の重量物運搬車両は、荷台を下面から補強する補強材を、シリンダを内蔵するカバー筒に併用し、さらにカバー筒を第1の補強バーで補強して、補強材に車輪を連結するので、補強材が効果的に荷台を補強して変形を防止し、さらに第1の補強バーがカバー筒を補強して、カバー筒の変形を防止して、カバー筒によるシリンダの変形を防止できる。このため、以上の重量物運搬車両は、長期間にわたって重量物を運搬しながら、シリンダの変形を防止し、さらにシリンダとカバー筒の接触も防止して、荷台をスムーズに前後に往復運動できる特長を実現する。
さらに以上の重量物運搬車両は、角筒状のカバー筒の上面又は下面に第1の補強バーを固定するので、カバー筒を補強しながら、第1の補強バーの厚さで荷台の高さを調整できる特長もある。荷台の高さはそのまま車高に影響する。重量物運搬車両は、一方で、荷台が低い方が重心を低して車両が安定し、また積載車両の積み降ろしが容易かつ安全に行え、さらにまた車両を積載した最大高を低くでき、高速道路や一般道路などの高さ制限を回避できる。他方で、重量物を積載運搬する十分な強度を要し、また荷台が傾動して後方に移動する際に荷台と後輪が接触するなど干渉が生じないようスペースを確保する必要もあり、車両の構造、積載車両、要求される強度、用途などに応じて荷台を最適な高さとするため、以上の重量物運搬車両は、第1の補強バーの厚み及び高さで荷台の高さを調整できることは、種々の重量物運搬車両において荷台を最適な高さに設定できる特長を実現する。カバー筒及び第1の補強バーの合計の高さで、横フレームの高さと車輪の直径を調整して、荷台を支持する強度を十分なものとしながら車輪の走行具合を良好ににして荷台の前後移動をスムーズにできる。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、補強材が、カバー筒の下面に第1の補強バーを固定している。
以上の重量物運搬車両は、第1の補強バーにより補強材の下面を補強できる。また、荷台の下面にカバー筒を直接固定でき、シリンダを荷台の下面に接近して配置して、シリンダで重量物を搭載している荷台を効率よく前後方向に移動しながら、荷台の高さを最適に設定できる特長がある。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、補強材が、さらに、カバー筒と第1の補強バーとの側面に固定してなる第2の補強バーとを備え、車輪が回転軸を介して第2の補強バーに連結されている。
以上の重量物運搬車両は、荷台下面の両側に荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で補強材を固定して、この補強材を、シリンダを内蔵する角筒状のカバー筒と、このカバー筒の上面または下面に固定している第1の補強バーと、カバー筒と第1の補強バーとの側面に固定している第2の補強バーとで構成して、第2の補強バーに、レールを走行する車輪の回転軸を固定している。以上の重量物運搬車両は、荷台を下面から補強する補強材を、シリンダを内蔵するカバー筒に併用し、さらにカバー筒を第1と第2の補強バーとで補強して、第2の補強バーに車輪を連結するので、補強材が効果的に荷台を補強して変形を防止し、さらに第1の補強バーと第2の補強バーがカバー筒を補強して、カバー筒の変形を防止して、カバー筒によるシリンダの変形を防止できる。このため、以上の重量物運搬車両は、長期間にわたって重量物を運搬しながら、シリンダの変形を防止し、さらにシリンダとカバー筒の接触も防止して、荷台をスムーズに前後に往復運動できる特長を実現する。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、第1の補強バーが角筒状で、第1の補強バーをカバー筒の下面に面接触状態に固定している。
以上の重量物運搬車両は、第1の補強バーを筒状とするので、補強材を軽量化しながら荷台を補強できる特長がある。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、第1の補強バーが、互いに開口縁を溶着してなる一対の溝形鋼からなり、一対の溝形鋼は、開口縁に沿って内側に折曲してなる補強リブを有し、補強リブを垂直面内に配置して互いに面接触状態で溶着している。
以上の重量物運搬車両は、溝形鋼の補強リブでもって第1の補強バーの曲げ強度を向上して、補強材の曲げ強度をさらに向上できる。このため、補強材が荷台をより効果的に補強して、重量物を搭載した荷台の変形をより少なくできる特長がある。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、第1の補強バーが、2以上の角筒材からなり、角筒材を互いに面接触状態で溶着している。
以上の重量物運搬車両は、角筒状の第1の補強バー内に角筒の長手方向の側面と平行に補強面が入り、2面が溶着されることで、第1の補強バーの曲げ強度を向上して、補強材が荷台をより効果的に補強して、重量物を搭載しての荷台の変形をより少なくできる特長がある。
本発明の他の態様に係る荷台が傾動する重量物運搬車両は、荷台の前方にウインチを配置している。
以上の重量物運搬車両は、自走できない重量物をウインチで巻き取るワイヤーを介して荷台に引き上げることができる。
本発明の一実施形態に係る重量物運搬車両の概略側面図である。 図1に示す重量物運搬車両の概略平面図である。 図1に示す重量物運搬車両の荷台を取り除いた概略平面図である。 図1に示す重量物運搬車両が車両を傾動させた状態を示す概略断面図である。 図4に示す重量物運搬車両が荷台を後方に移動させた状態を示す概略断面図である。 図2に示す重量物運搬車両のVI-VI線垂直断面図である。 図2に示す重量物運搬車両のVII-VII線垂直断面図である。 荷台とサイドフレームの位置関係を示す垂直断面図であって、図2に示す重量物運搬車両のVIII-VIII線断面に相当する図である。 駆動機構の一例を示す油圧回路図である。 重量物運搬車両の荷台の上面に垂直荷重が加えられた状態を示す概略垂直断面図である。 本発明の他の実施形態に係る重量物運搬車両の補強材を示す一部拡大概略垂直断面図である。 本発明の他の実施形態に係る重量物運搬車両の補強材を示す一部拡大概略垂直断面図である。 本発明の他の実施形態に係る重量物運搬車両の補強材を示す一部拡大概略垂直断面図である。 本発明の他の実施形態に係る重量物運搬車両の補強材を示す一部拡大概略垂直断面図である。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
本明細書において、重量物とは、例えば、乗用車、トラックのほか、ショベルカー、ブルドーザ、ホイールローダー、クレーン車、トラクター、特殊車両などが挙げられる。ただし、車両や重機に限定されるものではなく、車輪やキャタピラの有無、自走可能か否かを問わず、パレットなどに積載されたものやコンテナなど、荷台に積載して運搬できる重量物を広く含むものとする。
本明細書において、車両の前後とは車両の長手方向において、運転席側を車両の前側とし、反対側の荷台1後端側を車両の後側とする。同様に荷台1の前後とは荷台1の長手方向において、運転席側を荷台1の前側とし、反対側の荷台1後端側を荷台1の後側とする。車両及び荷台を縦横で示す場合、長手方向を縦とし、短手方向を横とする。内側とは荷台1の短手方向の中央線側を、外側とは荷台1の短手方向の端部側を示す。
[実施形態1]
図1~図9は、本発明の一実施形態に係る重量物運搬車両100を示している。図1は重量物運搬車両100の概略側面図、図2は重量物運搬車両100の概略平面図、図3は重量物運搬車両100の荷台を取り除いた概略平面図、図4は図1の重量物運搬車両100が車両を傾動させた状態を示す概略断面図、図5は図4の重量物運搬車両100が荷台1を後方に移動させた状態を示す概略断面図、図6は図2のVI-VI線垂直断面図、図7は図2のVII-VII線垂直断面図、図8は図2のVIII-VIII線垂直断面図、図9は重量物運搬車両100の駆動機構20を示す油圧回路図をそれぞれ示している。
これらの図に示す重量物運搬車両100は、車両のシャーシ2に前後に移動自在に連結してなる荷台1と、シャーシ2に固定されて、荷台1を前後に移動させる一対のレール3と、荷台1に連結されて一対のレール3を走行して、荷台1を前後に移動させる左右の車輪4と、荷台1に一端が連結されて、それ自体が伸縮して荷台1を前後に移動させる一対のシリンダ10と、一対のシリンダ10を同期して前後に移動する駆動機構20と、シャーシ7を傾動するアウトリガー9とを備えている。荷台1は、下面の両側に荷台1の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材5を固定しており、補強材5が、シリンダ10を内蔵してなる四角筒状のカバー筒5aを備え、車輪4が回転軸8を介して補強材5に連結されている。さらに、重量物運搬車両100は、シャーシ2に固定されて、補強材5を下方から支持するスライドホルダー7を備えている。スライドホルダー7は、上面にスリッププレート13を備えており、荷台1に固定された補強材5がスライドホルダー7のスリッププレート13上をスライドして前後に移動する。
(荷台1)
荷台1は、図1ないし図5に示すように、運転席のあるキャビン19の後方に配置され、平面視において、車両の前後方向に細長い略矩形状である。重量物運搬車両100は、この荷台1に重量物が積載された状態で走行して、重量物を運搬する。この荷台1は、車両のシャーシ2に前後に移動自在に連結されている。
図4に示すように、重量物運搬車両100は、アウトリガー9でシャーシ2の前方を持ち上げることで荷台1が傾動する。さらに、図5に示すように、荷台1が後方に移動することで、重量物を容易に載せ下ろしができる。シャーシ2の前方を持ち上げた状態で荷台1を後方に移動させて、または荷台1を後方に移動させた状態でシャーシ2の前方を持ち上げることで、荷台1の後端を地面に接地または近接させ、重機などの重量物を容易に積み降ろしてきる。この構造は、従来のように重機などの重量物が幅の狭い一対の歩み板を走行することなく、荷台1に直接に積み下ろしできる。しかも、荷台1の後端に歩み板が設けられたものに比べると、荷台1自体が傾斜して地面まで移動されるので、容易に重量物が積み降ろしてきる。特に、自走できない故障車等の積み降ろしは、歩み板に比べ極めて容易となる。図に示す重量物運搬車両100は、荷台1の後端に歩み板を設けていないが、荷台1の後端には、荷台1と地面の段差をなくすための歩み板を設けても良い。この歩み板は、例えば、荷台1の横幅のほぼ全体にわたって、あるいは部分的に設けられて、地面に接近した荷台1の後端の上面と地表面とを滑らかに橋渡しするように設けることができる。
この構造の重量物運搬車両100は、荷台1上面の高さが低い程、荷台1の傾斜角を緩くでき、また、荷台1の後方への伸び出し長さを短くして、重量物を容易に積み降ろしてきる。また、荷台1が低い程、車両の重心が下がり、重量物を積載しても安定感が増し、また高速道路や一般道などの高さ制限を回避でき、さらに走行においても、便利に安定して安全かつ効率的に使用でき、荷台1をわずかでも低くすることが好ましい。
他方で、重量物運搬車両100の荷台1には相当重い重量物が積載され、荷台1及び荷台1を補強する部材に強度と耐久性が要求される。またシャーシ2が傾動し荷台1が前後に移動する構造機構を有する。そこで、さらに荷台1に後述する補強材5と横フレーム6が固定されて荷台1を支持し補強することで、強度と耐久性を有し、長期間にわたって荷台1の変形を防止して荷台1をスムーズに前後に往復運動することができる。
(アウトリガー9)
アウトリガー9は、シャーシ2の前部を持ち上げて傾動してシャーシ2を後方に向けて下り勾配にする。図1ないし図5に示すアウトリガー9は、キャビン19と荷台1の間の車両前部であって、シャーシ2の前端部の両側に垂直姿勢で固定している。重量物運搬車両100は、アウトリガー9を下方に伸長させることで、水平姿勢にあったシャーシ2の前部をシャーシ2の後部より高い位置に押し上げ、車両全体を傾動させ、荷台1を後端に向かって下り勾配に傾斜できる。さらに荷台1を後方に移動させて荷台1の後端を接地または地面に近接させることで、重機など重量物を安全かつ容易に載せ下ろしできる。
アウトリガー9は、上下方向に伸縮自在な構造として、車両のシャーシ2の前端部の両側に固定されており、伸長されるアウトリガー9が地面を押してシャーシ2の前部を持ち上げる。各々のアウトリガー9は、図9に示すように、油圧シリンダ29を内蔵しており、左右の油圧シリンダ29を駆動機構20で同期して伸縮させることにより車両全体を傾動させる。さらに、図示しないが、アウトリガーは、車体の横に張り出して接地させる構造にすることで、車両をより安定して支えることもできる。
(シリンダ10)
図1及び図4ないし図7に示す重量物運搬車両100は、荷台1を前後に移動するために、荷台1の下の両側に長手方向に伸びる一対のシリンダ10を配置している。シリンダ10は荷台1の両側に平行姿勢に配置されて荷台1に連結され、一対のシリンダ10が同期して伸縮することで荷台1を前後に移動させる。
一対のシリンダ10は、図6及び図7に示すように、荷台1の下方の両側であって、荷台1の長手方向に伸びる姿勢で平行姿勢に配設される。一対のシリンダ10は、一端がシャーシ2の前方部に固定された固定フレーム11に連結されると共に、他端が荷台1に連結されており、シリンダ10自体が伸縮して荷台1を前後に移動させる。図4及び図5に示すシリンダ10は、シリンダ本体の後端を固定フレーム11に連結し、ロッド10Aの先端を連結金具16を介して荷台1に連結している。図のシリンダ10は、ロッド10Aの先端を連結金具16を介して、補強材5のカバー筒5aに固定して、このカバー筒5aを介して荷台1に連結しているが、ロッド10Aの先端を荷台1の下面に直接連結することもできる。重量物運搬車両100は、図4及び図5に示すように、シリンダ10がロッド10Aを伸長すると、ロッド10Aの先端に連結された荷台1が後方に移動し、シリンダ10がロッド10Aを収縮すると、ロッド10Aの先端に連結された荷台1が前方に移動する。
シリンダ10には、例えば、油圧シリンダが使用できる。油圧シリンダは、図9で示すように、駆動機構20で駆動されてロッド10Aが出し入れされる。駆動機構20は、一対のシリンダ10を同期して伸縮させることで荷台1を前後に移動する。シリンダ10及び駆動機構20は、重量物を積載して荷台1を前後移動できる現在製品化されている、または今後開発される機構を使用できる。
シリンダ10は、ロッド10Aの伸縮のストロークによって、荷台1を前後に移動させるストロークを特定できる。したがって、一対のシリンダ10は、ロッド10Aを伸長させた状態で、荷台1の後端が地面に接触し、あるいは接近する所定の位置まで移動するように、シリンダ10の全長とロッド10Aのストロークが決定される。荷台1が前後に移動するストロークは、荷台1の全長とアウトリガー9によるシャーシ2の最大傾斜角(α)によっても特定される。したがって、重量物運搬車両100は、荷台1の全長(L)を約7m~12mとし、アウトリガー9によるシャーシ2の最大傾斜角(α)を約5度~30度とし、シリンダ10の全長(S)を、荷台1の全長の30%~80%、好ましくは35%~70%として、ロッド10Aの伸縮のストロークをシリンダ10の全長で調整して、シリンダ10がロッド10Aを伸長させた状態では、荷台1の後端が地面に接触し、あるいは接近する所定の位置まで移動するようにする。
本発明の重量物運搬車両100は、シリンダ10がスムーズに荷台1を往復運動するために、重量物の重さ、積載及び運搬時の衝撃、振動などによりシリンダ10が変形したりシリンダ10が直線状に伸縮できなくなることを防止するために、後述する構造と補強材5を備えている。図2、図6及び図7に示す重量物運搬車両100は、荷台1上に相当重い重量物を積載することで荷台1が湾曲変形するのを防止するために、荷台1を補強して荷台1及び重量物を下支えするフレームとして、荷台1の下面に補強材5と横フレーム6を備えている。横フレーム6は荷台1の短手方向に伸びフレームであり、補強材5は荷台1の長手方向に伸びる縦フレームである。
(横フレーム6)
横フレーム6は、図2に示すように、荷台1の短手方向に延長する姿勢で、荷台1の下面の所定の位置に複数本が間隔をもって固定されて荷台1を下支えし、補強する。図に示す横フレーム6は、例えば、角パイプとしている。角パイプである横フレーム6は、重量を軽減しながら優れた強度を実現できる特長がある。図2及び図6の横フレーム6は、2列の補強材5の両外側に配置される第1フレーム6Aを横幅と高さが等しい外形の角パイプとし、2列の補強材5の間に配置される第2フレーム6Bを横幅に対して高さが低い外形の角パイプとしている。これにより、2列の補強材5の間の領域において、横フレーム6の下方にレール3や車輪4を配置するためのスペースを確保している。以上のように、複数の横フレーム6は、同一の構造、形状、素材、幅、高さにする必要はなく、一部の横フレーム6を他の横フレーム6と異なる形状、幅、高さにしたり、また異なる素材にするなど、剛性強度を調整でき、また荷台下のシャーシ2など他の部材との位置関係に合わせることができる。さらに、横フレーム6は、必ずしも角パイプとする必要はなく、溝形鋼、L形鋼、H形鋼等を使用することもできる。
横フレーム6は、図6に示すように、途中で切断されて、この切断部分に補強材5であるカバー筒5aが連結されて、共に荷台1に固定される。カバー筒5aは、横フレーム6との連結部分の強度を低下させることがないように、直線状の横フレーム6に連結される。横フレーム6とカバー筒5aが直交して連結されると共に、荷台1下面に固定されることで、横フレーム6とカバー筒5aとの連結部分のみならず、横フレーム6の上面とカバー筒5aの上面が荷台1の下面の前後左右に至る広範囲かつ大面積で溶着でき、横フレーム6とカバー筒5aが荷台1との固定部分も含めてより強く一体化して、荷台1を面的に支持し補強でき、荷台1の強度を向上できる。また、横フレーム6の切断部分にカバー筒5aの側面が連結され、横フレーム6の上面とカバー筒5aの上面が同じ高さで荷台1の下面に固定されることで、横フレーム6とカバー筒5aを上下に連結する場合に比べ、荷台1上面の位置を低くできるメリットもある。横フレーム6とカバー筒5aとの間には、後述する第2の補強バー5cを介在させることもできる。
図10は、荷台1の上面に矢印Aで示す方向に垂直荷重が加えられた場合を示す。イメージし易いように、極端な例として鎖線は、矢印Aの方向に垂直荷重が加えられ、荷台1及び下支えするフレームが十分な強度剛性を有しないため、荷台1が湾曲した場合を示す。図6及び図10で示すように、横フレーム6及び補強材5は、荷台1が湾曲するのを防止して荷台1を補強するために、荷台1の下面に固定されている。図10で示すように、荷台1の上面に矢印Aで示す方向に垂直荷重が掛かった時、荷台1が仮に鎖線で示す方向に曲がるとすると、横フレーム6の上面には圧縮力が作用し、下面には引張力が作用する。同様に横フレーム6に連結された補強材5のカバー筒5aの上面に矢印Bで示す横向きに圧縮力が作用し、補強材5のカバー筒5aの下面には矢印Cで示す方向に引張力が作用する。横フレーム6及び補強材5のカバー筒5aの上下面に作用する力は、まず主たるフレームである横フレーム6及び補強材5のカバー筒5aの補強により強固に支持される。さらに、カバー筒5aに固定された後述する第1の補強バー5bを上面または下面、またあるいは上下両面に配置することによって強固に支持される。
(補強材5)
補強材5は、図2に示すように荷台1の長手方向に伸びる縦フレームであって、横フレーム6と共に荷台1の下面に固定されて、荷台1を下から支持し、補強する。補強材5は、荷台1の下面の両側に、荷台1の長手方向に伸びる平行姿勢で2列設けられる。図示しないが、仮に1列の補強材を荷台の下面の短手方向の中央線に設ける場合、1列の補強材には重量物及び荷台を支持補強する強度が要求され、厚みのある重い補強材が必要となる。さらに、荷台上の重量物の重心が中心に積載されない場合など、荷台の短手方向の左右のバランスをとることが困難となる場合が生じ得る。これに対し、荷台1の下面の両側に平行姿勢で2列の補強材5を設けることで、各々の補強材5の厚みと重さを抑えつつ強度と剛性を確保でき、また左右のバランスを保ち重量物を支持し荷台1を補強できる。
補強材5は、シリンダ10を内蔵してなる四角筒状のカバー筒5aを備えている。本発明の重量物運搬車両100は、荷台1の下面に補強材5を固定し、この補強材5がカバー筒5aを備えて、このカバー筒5aの内部にシリンダ10を配置する構造とする。この構造は、補強材5と別途にシリンダ10を通すスペースを荷台1の下に確保する必要がなく、荷台1上面の高さを低くでき、安全かつ容易に重量物の積載運搬できる。さらに、カバー筒5a自体が荷台1を支持補強する補強材5であり、シリンダ10が荷台1の強度を低下させることなく、また、カバー筒5aが内蔵されたシリンダ10を保護できる。
(カバー筒5a)
カバー筒5aは、補強材5のうち主たる縦フレームとして荷台1の長手方向に伸びて設けられる。図6に示すカバー筒5aは四角筒状であり、補強材5として軽量化が図られ、曲げ及び捻れに対し強度があり、質量当たりの剛性が高い。荷台1の下面の左右に2列のカバー筒5aが一対に平行姿勢で配置されることで、荷台1を支持補強する縦フレームとしての機能をより果たし、カバー筒5aが複数の横フレーム6に連結され、さらに荷台1の下面に固定されることで面的に荷台1を支持補強している。
カバー筒5aは、荷台1を前後に移動するためのシリンダ10のストロークを十分に確保できる長さであって、ロッド10Aが収縮された状態のシリンダ10のほぼ全体を被覆できる長さとしている。荷台1を後方移動させる位置は、路面の傾斜、路面状態などにより最適な位置が異なり得ることを考慮して余裕分を確保することが好ましい。ただし、カバー筒5aの長さは、荷台1の長手方向の長さを最大として、シリンダ10のストロークの長さよりも長くすることもでき、荷台1を支持補強する縦方向の補強材5としてより役割を果たすことができる。
図2、図6及び図7に示すように、荷台1の下面に縦に延長してカバー筒5aが固定され、このカバー筒5aの両側に直交する横フレーム6の端が固定されている。この状態で荷台1に固定されている横フレーム6は、途中が切除されてカバー筒5aを介して互いに連結されている。カバー筒5aは、横フレーム6との連結部分の強度を低下させることなく、直線状の横フレーム6が連結されている。この構造は、荷台1を支持補強する強度を保ちながら、横フレーム6とカバー筒5aが上下に配置される場合に比べ、およそ横フレーム6の高さに相当する高さだけ低くでき、強靭にして低い荷台1を実現できる。
カバー筒5aの横断面形状は四角形状であり、荷台1の長手方向に伸びて荷台1の下面に固定される。図6及び図7に示すカバー筒5aは、横断面形状を略正方形状とすると角パイプで、内側にシリンダ10を収納できる内形としている。カバー筒5aは、その内側にシリンダ10を非接触状態で収納できるように、カバー筒5aの内径をシリンダ10の外径よりも大きくして、カバー筒5aの内面とシリンダ10の外周面との間に隙間を設けている。これにより、シリンダ10の収縮をスムーズに行うことができるようにしている。さらに、カバー筒5aの高さで、荷台1の高さを調整することもできる。カバー筒5aの横断面形状は、例えば、一辺が10cm~20cm、好ましくは12cm~18cmの略正方形状とし、厚みは、例えば、約4mm~12mm、好ましくは5mm~9mmの角パイプとする。
一対のカバー筒5aは、荷台1の下面の左右に平行姿勢で配置され、カバー筒5a自体が荷台1を支持補強する補強材5となり、横フレーム6と連結されて共に荷台1の下面に固定され、荷台1の強度を高めている。さらに、四角筒状のカバー筒5a内にシリンダ10が内蔵されることで、シリンダ10を設置するスペースを別途に設ける必要がない。シリンダ10が縦フレームの下に別途設けられる場合に比べ、低い荷台1を実現できる。またさらに、四角筒状のカバー筒5aがシリンダ10を覆って保護し、シリンダ10を極めて荷台1に接近して配設でき、シリンダ10によるスムーズな荷台1の往復運動を実現できる。
図6及び図7に示す四角筒状のカバー筒5aは、横断面形状を四角形のリング状として外周面全体を閉塞しているが、四角筒状のカバー筒5aは、部分的に開口することもできる。例えば、カバー筒5aは、横断面形状を略C字状として、軸方向に延びる開口部を部分的に設けることもできる。したがって、本明細書において「四角筒状のカバー筒」とは、必ずしも外周面全体が閉塞された筒状には限定せず、部分的に開口された形状を含む広い意味で使用する。ここで、横断面形状を略C字状とする四角筒状のカバー筒は、例えば、開口された面に対向して後述する第1の補強バー5bを配置して、開口部を第1の補強バー5bで閉塞して補強することができ、あるいは、開口された面に対向して後述する第2の補強バー5cを配置して固定し、開口部を第2の補強バー5cで補強することもできる。
さらにまた、カバー筒5aは、シリンダ10のロッド10Aの先端を連結金具16を介して固定する構造とすることもできる。この構造は、シリンダ10のロッド10Aの先端を直接荷台1に連結する場合のように荷台1とシリンダ10の連結部分に局部的に強大な力が作用せず、シリンダ10が荷台1を駆動する力が、カバー筒5aで分散されて荷台1に広い面積にわたって均一に作用し、荷台1が歪みなくスムーズに移動できる特長がある。
カバー筒5aは、シリンダ10のロッド10Aの先端を四角筒状内に固定する長さにできる。また、カバー筒5aは、荷台1の後端まで伸びる長さとすることもできる。カバー筒5aが荷台1の後端まで伸びる長さとすることで、1本の四角筒状の縦フレームを荷台の下面に固定でき、荷台1の長手方向の強度剛性を向上でき、また、カバー筒5aとカバー筒5aに連結された横フレーム6とで荷台1全体の強度剛性を向上できる。カバー筒5aが荷台1の後端まで伸びる長さとする場合、カバー筒5aの後端側の高さを低くしたり、テーパー状にして、荷台1が後方に移動して接地した際の段差を低くしたり、荷台1の下面の後端が面的に接地できる角度にすることもできる。
図示しないが、カバー筒5a以外の位置に、カバー筒5aと平行に配置する縦フレームを設けることもできる。また、荷台1の後端部の下面であって、縦フレームとしてカバー筒5aが配置されない領域が生じる場合は、延長フレームを縦フレームとして設けて荷台1を補強できる。例えば、シリンダ10のロッド10Aの先端を直接荷台1に連結する場合において、カバー筒5aが荷台1の全長よりも短い構造の場合が挙げられる。延長フレームには、角パイプや溝形鋼、L形鋼、H形鋼等が使用できる。後述する第1の補強バー5b、第2の補強バー5cを延伸させて、延長フレームとすることもできる。延長フレームは、一対のカバー筒5aの外側に沿って配置できる。ただし、延長フレームは、一対のカバー筒5aの内側に配置することもできる。カバー筒5aと同様に、延長フレームに横フレーム6が固定されることで、荷台1の後方を強固に補強できる。以上のように、カバー筒5aが荷台1の全長よりも短い構造においては、延長フレームを設けることで、荷台1の後方部を補強できる。カバー筒5aを荷台の全体にわたって設ける構造においては、延長フレームを省略することもできる。
以上のように、重量物運搬車両100は、荷台1の短手方向に伸びる横フレーム6と、荷台1の長手方向に伸びる補強材5とを互いに連結して共に荷台1に固定されて荷台1を補強している。補強材5は、荷台1の長手方向に伸びるカバー筒5aを2列配置している。以上のように、補強材5と横フレーム6とが互いに連結して荷台1に固定されることで、長期間にわたって荷台1の変形を防止できる十分な剛性及び強度を確保できる。
さらに、強度のある四角筒状のカバー筒5a内にシリンダ10を内蔵されることで、カバー筒5aが積載した重量物の重さで変形することを防止し、積み降ろし時や運搬時の振動と衝撃に耐え得る十分な強度とすることで、カバー筒5a内に内蔵されたシリンダ10でもって荷台1をスムーズに前後に往復運動できる耐久性に優れた荷台1が傾動する重量物運搬車両を提供できる。
なお、図示しないが、重量物の積み降ろし及び運搬が繰り返される重量物運搬車両100において、長期間にわたって荷台1の変形を防止するために、繰り返し加重される部分、反り曲りが生じやすい部分、積載物の車輪やキャタピラなど重量物が荷台1に接面する部分など必要に応じて、横フレーム6同士、カバー筒5a同士、及び横フレーム6とカバー筒5aを各々縦または横もしくは斜め方向に繋いだり、面的または多角形状もしくは湾曲面で荷台1を支持補強する部材など、横フレーム6及び補強材5以外に荷台1の下面に荷台1を支持補強する部材を固定することもできる。後述する以下の実施例においても同様である。
(対向プレート5d)
カバー筒5aを含めた補強材5の下面に対向プレート5dを設けることができる。対向プレート5dは、カバー筒5aを含めた補強材5の下面を補強できる。また、カバー筒5aを含めた補強材5の下面が後述するスリッププレート13などカバー筒5aを下支えする部位に接触して摩耗するなど強度が低下することを防止できる。対向プレート5dの材質、厚さを、カバー筒5aと同様、または異なるものにでき、強度や摩擦係数を調整して、耐久性を向上できる。さらに、対向プレート5dの厚さで荷台1の高さを微調整できる。対向プレート5dの厚みは、例えば、3mm~1cmとする。
(スライドホルダー7)
図6及び図7に示す重量物運搬車両100は、カバー筒5aを含めた補強材5の下方に、補強材5を下方から支持するスライドホルダー7を備えている。スライドホルダー7は、シャーシ2に固定されて、補強材5の下面に沿って水平姿勢で配置されて、補強材5を下方から支持する。重量物運搬車両100は、前後方向に延びるシャーシ2に対して複数のスライドホルダー7を所定の間隔で配置しており、シャーシ2のほぼ全体の領域にわたって補強材5をスライドホルダー7で支持できるようにしている。図3は、荷台1を取り除いた重量物運搬車両100の平面図を示しており、図において荷台1の外周、及び補強材5を鎖線で示している。図に示す重量物運搬車両100は、シャーシ2の前後方向に4基のスライドホルダー7を設けており、前後に移動する補強材5を常に複数のスライドホルダー7で支持できるようにしている。このように、前後方向に延長されたシャーシ2の略全体にわたって複数のスライドホルダー7を設けることで、前後に移動する補強材5を安定して支持しながら補強材5をスムーズに前後に移動できる。
スライドホルダー7は、図6及び図7に示すように、所定の長さと幅を有する平面状の金属板で構成されており、内側の側縁部をシャーシ2に固定すると共に、外側の側縁部を上側に折曲して、この折曲部7Aを補強材5の外側面に沿って配置している。このスライドホルダー7は、補強材5の側面に折曲部7Aの内面を当接、または接近させることで、補強材5が固定された荷台1が左右方向に位置ずれするのを防止しながら補強材5を前後方向に移動させることができる。この構造により、補強材5の左右方向への位置ずれをスライドホルダー7で抑制し、荷台1が前後に移動する際に車輪4がレール3から脱輪するのを防止すると共に、車両の走行中においても、荷台1を定位置に保持できる特長がある。
図6及び図7に示すスライドホルダー7は、それ自体がシャーシ2に固定されると共に、ブラケット14を介してシャーシ2に固定され、シャーシ2から補強材5の下方に突き出す形で設けられている。図に示す略三角形で平面状のブラケット14をシャーシ2とスライドホルダー7に広範囲で強固に溶着することで、ブラケット14がスライドホルダー7を所定の位置に保持して、スライドホルダー7が補強材5を位置ずれしないように安定して支持できる。ブラケット14の形状は、シャーシ2及びスライドホルダー7の溶着面の形状に合わせる。ひとつのスライドホルダー7に対して複数のブラケット14が設けられることで、より効率的にスライドホルダー7を保持でき、強固にシャーシ2に固定できる。以上のスライドホルダー7及びブラケット14の形状、構造、大きさ、個数などは図示されたものに限定されるものではなく、車両の構造、荷台1下のスペース、シャーシ2及びスライドホルダー7の下面に形状、積載する重量物などに合わせて最適に定める。
スライドホルダー7は、シャーシ2に固定されて、カバー筒5aを含めた補強材5の下方に配置されて、カバー筒5aを下から支持できる。重量物運搬車両100は、補強材5に連結された車輪4とは別に、異なる位置で、シャーシ2に固定されたスライドホルダー7で下から補強材5を支持できる。重量物運搬車両100は、特に、重量物を積み降ろしする際、重量物を積載して運搬走行する際に、重量物の荷重によってカバー筒5aを含めた補強材5に衝撃が加わり、振動、揺れ、たわみ、歪み、傾きなどが生じ得るが、これらをスライドホルダー7の位置で抑止できる。重量物運搬車両100は、車輪4がレール3を走行して荷台1を前後に移動させるが、スライドホルダー7による補強材5の支持及び振動等の抑止によって、車輪4の負荷を小さくして、荷台1を支持する強度及び耐久性を向上できる。
(スリッププレート13)
図6及び図7に示すスライドホルダー7は、上面にスリッププレート13を備えている。スリッププレート13は、スライドホルダー7の上面であって、補強材5の下方に配置される。重量物運搬車両100は、荷台1に固定された補強材5をスリッププレート13上でスライドさせて荷台1を前後に移動させる。さらに、スリッププレート13を設けることで、スライドホルダー7と補強材5が金属同士で直接触れ合うよりも摩擦係数を小さくして、スムーズに補強材5がスリッププレート13上をスライドできる。補強材5に連結された車輪4がシャーシ2に固定されたレール3を走行しつつ、補強材5がスライドホルダー7で支持され、スリッププレート13上をスライドすることで荷台1をスムーズに前後に移動できる。スリッププレート13の材質は、スライドホルダー7が補強材5を支持し、荷台1の歪みなどを抑止して、長期的な使用に耐え得る素材とし、例えば樹脂、ゴムなどを使用できる。重量物運搬車両100は、荷台1に固定された補強材5がスライドホルダー7のスリッププレート13上をスライドすることを前提として、スライドホルダー7と補強材5の下面との位置関係は、車両の構造、荷台1下のスペース、積載する重量物などに応じて最適に定める。
図6及び図7に示す重量物運搬車両100は、補強材5の下面に対向プレート5dを設け、スライドホルダー7の上にスリッププレート13を設けることで、補強材5がスリッププレート13上をスムーズにスライドして荷台1をスムーズに前後に移動させながら、スライドホルダー7で補強材5を支持し、補強材5の振動や歪みなどを抑止できる構造とする。補強材5の下面とスライドホルダー7の位置関係、対向プレート5dとスリッププレート13の位置関係は、補強材5がスリッププレート13上をスムーズにスライドすることと、スライドホルダー7で補強材5を支持し、補強材5の振動や歪みなどを抑止できることを実現できる最適な範囲に定める。例えばスライドホルダー7は、補強材5の下面に対して、非接触状態で配置させることで、前後に移動する荷台1に固定された補強材5との摩擦を防止できる。スライドホルダー7が補強材5の下面に対して、接触状態で配置させることで、スライドホルダー7が補強材5を支持し、補強材5の振動や歪みなどを抑止できる。そこで、補強材5の下面とスライドホルダー7の位置関係、対向プレート5dとスリッププレート13の位置関係を、例えば、僅かに触れる位置、スライドに一定の抵抗を生じる、僅かな隙間を設けた非接触状態で配置させるなど、車両の構造、荷台1下のスペース、積載する重量物、スライドホルダー7で補強材5を支持する程度、車輪4で補強材5を支持する程度、スライドホルダー7と車輪4のバランスなどに応じた最適の範囲とする。
(レール3)
一対のレール3は、図1ないし図7に示すように、各々荷台1の長手方向に伸びる姿勢で、車両のシャーシ2に固定されている。一対のレール3は、一対の補強材5に沿って、シャーシ2の上面に互いに平行な姿勢で固定されている。ただし、一対のレール3は、シャーシ2の形状に合わせてシャーシ2の上面以外に固定することもできる。図6及び図7に示すレール3は、溝形鋼(チャンネル)としている。溝形鋼(チャンネル)であるレール3は、溝の内側に車輪4を配置し、溝内において車輪4を走行させるようにしている。この構造のレール3は、荷台1の下において車輪4が転動するスペースを確保できる特長がある。さらに、溝形のレール3は、複数の車輪4を溝に沿って直線状に走行させることにより、荷台1をレール3に沿って平行移動させることができる。ただし、図示しないが、レールは、車輪の脱輪を防止するためにC形鋼(Cチャンネル)にすることもできる。
図6及び図7に示す一対のレール3は、溝を外側に向ける姿勢として、一対の補強材5の内側に配置している。このレール3は、補強材5の内側に配置された複数の車輪4を案内して走行させることができる。ただ、一対のレールは、図示しないが、一対の補強材の外側に配置することもできる。このレールは、溝を内側に向ける姿勢で配置して、補強材の外側に配置された複数の車輪を案内して走行させる。
一対のレール3は、シリンダ10の伸縮に伴い、荷台1に連結された車輪4を走行させて荷台1を前後に移動させる。図4と図5に示すレール3は、前後に延びるシャーシ2とほぼ等しい全長として、シャーシ2の後端まで延長して設けている。これにより、荷台1が後方に移動する移動範囲を大きくしている。
(車輪4)
車輪4は、補強材5の側面に固定された回転軸8を介して荷台1に連結されており、シャーシ2に固定されたレール3を走行することで荷台1を前後に移動させる。図6に示す車輪4の回転軸8は補強材5に直接固定する。ただし、図示しないが、回転軸8と補強材5の間に、回転軸8を固定するプレートなどを介在させることで、複数の車輪4を容易に所定の位置に配置できる。例えば、後述する第2の補強バー5cを補強材5の側面に固定することで、補強材5を補強しつつ、車輪4を容易に所定の位置に配置できる。図1、図4及び図5に示す荷台1は、補強材5の側面に、複数の車輪4を前後方向に直線状に並べて配置している。複数の車輪4は、各々の回転軸8が水平姿勢であって、かつ平行となるように補強材5の側面に所定の間隔で配置されている。図に示す車輪4は金属製で、その外径を溝形のレール3の内径である溝幅とほぼ等しくし、あるいは多少小さくしている。これにより、複数の車輪4をレール3の溝に沿って、直線状に走行できるようにしている。
荷台1は、シリンダ10の伸縮に伴い、荷台1に連結された車輪4が、シャーシ2に固定されたレール3を走行することで前後に移動される。左右の補強材5に連結された車輪4は、シャーシ2に固定された一対のレール3に沿って走行する。このように、左右両側に車輪4が配置されることで、荷台1が水平状態を保って前後に移動できる。車輪4は、荷台1が前後移動する時にレール3に沿って転動するように、複数の車輪4が一定の間隔で縦に並べて配列されている。左右両側にそれぞれ複数の車輪4が一定の間隔で設けられることで、荷台1の荷重を複数の車輪4で支持し、垂直荷重に対して分散して支持しながら移動でき、各回転軸8に係る負荷を低減できる。
車輪4が回転軸8を介して補強材5に連結されることで、シリンダ10と車輪4とを互いに接近して配置でき、シリンダ10が車輪4の近傍を駆動して荷台1をスムーズに前後に移動できる。伸縮するシリンダ10が車輪4を確実に安定してレール3に走行させて荷台1を前後に移動できる。荷台1の下において、車輪4が走行するレール3の転動面は常に清澄な状態に維持できず、付着する異物が車輪4の走行抵抗を大きくするが、シリンダ10が車輪4の近傍を駆動して移動する以上の重量物運搬車両100は、シリンダ10が強制的に車輪4を前後に駆動して安定に荷台1を移動できる。とくに、荷台1の左右に配置している各々の車輪4を、近傍にあって互いに同期して伸縮するシリンダ10で駆動する構造は、荷台1を安定してレール3に沿って前後に移動できる。
(サイドホルダー15)
さらに、図3及び図7に示す重量物運搬車両100は、補強材5に連結された車輪4とは別に、異なる位置で荷台1を支持するサイドホルダー15を備えている。図3及び図7のサイドホルダー15は、シャーシ2に固定されて、かつ、シャーシ2から荷台1の短手方向に伸びており、補強材5より外側において荷台1を下方から支持している。サイドホルダー15は、一端がシャーシ2に固定されて、他端が補強材5より外側まで延長された支持フレーム31と、この支持フレーム31の他端部の上に連結されて、荷台1を下方から支持する支持台32とを備えている。補強材5に連結された車輪4は、シャーシ2上またはシャーシ2付近において補強材5を介して、荷台1の幅方向の中央付近で、荷台1を支持する。これに対し、サイドホルダー15は、荷台1の下面を支持する支持台32を荷台1の幅方向の端側に近い位置に配置して荷台1の外側付近を支持でき、荷台1の振動、揺れ、たわみ、歪み、傾き、左右の高低差などを効率良くサイドホルダー15の位置で抑止できる。特に、重量物を積載した重量物運搬車両の走行中は、重量物の荷重に加えて、路面状態、加速と停止の繰り返し、車両自体のサスペンションやエンジンなど様々な要因によって荷台の振動、揺れなどが大きくなるが、サイドホルダー15が両側、いずれも荷台1の幅方向の端側に近い位置で荷台1を支持することで、より効率良く荷台1の振動、揺れなどをサイドホルダー15の位置で抑止できる。
サイドホルダー15は、前後方向に離間して複数配置されている。このように、サイドホルダー15は、シャーシ2の長手方向に間隔をあけて複数設けることが好ましい。複数のサイドホルダー15が、各々に荷台1を支持でき、また荷台1の振動、揺れなどを各々のサイドホルダー15の位置で抑止できるからである。図に示す重量物運搬車両100は、前後方向に離間して、前方、中央、後方の3箇所にサイドホルダー15を配置している。
支持フレーム31は、シャーシ2の側面から水平姿勢で左右方向に延長された水平フレーム31Aと、この水平フレーム31Aとシャーシ2に固定されて水平フレーム31Aを水平姿勢に保持する固定プレート31Bとを備えている。図に示す水平フレーム31Aは、例えば、角パイプとしている。角パイプである水平フレーム31Aは、重量を軽減しながら優れた強度を実現できる。固定プレート31Bは、略三角形状の金属板としており、この金属板を垂直姿勢としてシャーシ2と水平フレーム31Aとに固定することで、水平フレーム31Aを所定の姿勢に保持している。
支持台32は、支持フレーム31の上であって、補強材5より外側で、荷台1の幅方向の端側に近い位置に設けられる。支持台32は、荷台1の下面、または荷台下面に固定された横フレーム6または追加の縦フレーム35、もしくはこれらに設けられた部材に接触することで荷台1を支持でき、これにより荷台1の振動、揺れなどを抑止できる。支持台32は、支持フレーム31より上方に配置される支持プレート32Aと、この支持プレート32Aを支持フレーム31から上方に離間させた状態で水平姿勢となるように支持する保持部32Bとを備えている。図に示す保持部32Bは、水平フレーム31Aの上面及び側面に至る範囲で溶着されて、垂直姿勢で固定された2枚の金属プレートで構成している。支持台32は、支持フレーム31より上方に配置された支持プレート32Aを荷台1の下面側に接触させて荷台1を下方から支持する。
(突出プレート部17)
図7及び図8に示す荷台1は、下面に横フレーム6を固定し、横フレーム6の下面側であって支持台32との対向位置に、下方に突出して配置された突出プレート部17を備えている。サイドホルダー15の支持台32は、突出プレート部17を介して荷台1を下方から支持して定位置に保持している。突出プレート部17が支持台32の上に位置することで、前後移動する荷台1の所定の位置においてサイドホルダー15が荷台1を確実に支持でき、荷台1の振動、揺れなどをサイドホルダー15の位置で抑止できる。突出プレート部17と支持台32との位置関係は、荷台1が前後移動する際に両者が僅かに接触する、接触して一定の抵抗が生ずる、僅かに隙間を設ける、非接触とするなど重量物を積載することを前提に最適な範囲に定める。いずれの場合においても、サイドホルダー15の支持台32が突出プレート部17に接触してサイドホルダー15が荷台1を支持し、荷台1の振動などを抑止できる。サイドホルダー15の支持台32は、好ましくは、荷台1の下面に対して接近するが接触しない状態、あるいは、荷台1の下面に対して低抵抗で摺動可能に接触する状態で配置される。突出プレート部17を設けることで、また突出プレート部17の配置位置により、サイドホルダー15が荷台1を支持し、荷台1の歪みなどを抑止する位置を特定できる。例えば、重量物運搬車両100が重量物を積載して運搬走行する際に生じる振動、衝撃などを荷台1下の両側において、突出プレート部17と支持台32が接触することで抑止できる。
図7及び図8に示すサイドホルダー15は、支持台32の支持プレート32Aの上面にスリッププレート33を配置している。スリッププレート33を設けることで、支持台32と荷台1の下面に設けた突出プレート部17とが金属同士で直接触れ合うよりも摩擦係数を小さくして、スムーズに突出プレート部17を支持台32上でスライドさせることで荷台1をスムーズに前後に移動できる。スリッププレート33の材質は、支持台32が荷台1を支持し、荷台1の歪みなどを抑止して、長期的な使用に耐え得る素材とし、例えば樹脂、ゴムなどを使用できる。
以上のサイドホルダー15は、前後に移動する荷台1に対して常に荷台1を支持するのではなく、荷台1が特定の位置に移動した際に荷台1を支持する構造としている。例えば、サイドホルダー15は、荷台1が最も前方に移動された状態で荷台1を下方から支持し、あるいは、荷台1が後方に移動されて後端が地面に接近した状態、言い換えると車両等を乗せ降ろしする際に荷台1を下方から支持する。このことを実現するために、図3に示す荷台1は、前後方向に離間して下面の特定の位置に複数の突出プレート部17を備えている。図3に示す荷台1は、最も前方まで移動された状態で、サイドホルダー15の各々の支持台32の上面と対向する位置に突出プレート部17が位置するように複数の突出プレート部17を配置している。これにより、荷台1が最も前方に移動された状態、言い換えると重量物運搬車両100が走行する状態では、荷台1の両側部の複数箇所を、突出プレート部17を介してサイドフレーム15で確実に支持して、荷台1の振動や揺れを効果的に抑制しながら安全に走行できる。また、荷台1は、後方に移動されて車両等を乗せ降ろしする状態でサイドホルダー15の支持台32の上面と対向する位置に突出プレート部17が位置するように複数の突出プレート部17を配置している。これにより、荷台1を後方に移動させて車両等を載せ降ろしする状態で、荷台1の両側部を、突出プレート部17を介してサイドフレーム15で確実に支持して、荷台1の振動や揺れを防止しながら安全に乗せ降ろしできる。
このように、荷台1の特定の位置に突出プレート部17を配置することにより、図8Aで示すように、前後に移動する荷台1が特定の位置に移動した状態では、支持台32が突出プレート部17を介して荷台を下方から支持し、図8Bで示すように、荷台1が特定の位置から前後方向に移動する際には、突出プレート部17が支持台32から離れて、荷台1を低抵抗な状態でスムーズに前後に移動できるようにしている。
突出プレート部17は、荷台1の長手方向に細長い略矩形状としている。図8に示す突出プレート部17は、前後の両端部を傾斜面として先端に向かって次第に低くなる形状としており、荷台1が前後移動する際に突出プレート部17が支持台32に引っ掛からないようにして、支持台32の上面の対向位置にスムーズに移動できるようにしている。突出プレート部17は、横フレーム6または荷台1の下面に設けることができる。図に示す突出プレート部17は、荷台1の下面に配置された2本の横フレーム6に跨がって固定されると共に、2本の横フレーム6の間に配置された縦フレーム35の下面に沿って前後に伸びる姿勢で配置されている。これにより、荷台1の荷重を、横フレーム6とフレーム35に固定された突出プレート部17を介して支持台32で支持することで、荷台の荷重をサイドホルダー15で安定して支持できる。
(ウインチ18)
図1に示す重量物運搬車両100は、荷台1の前方のフロントパネル12に、ウインチ18を配置している。故障車など自走できない重量物をウインチ18で巻き取るワイヤーを介して荷台1に引き上げることができる。ウインチ18を荷台1と共に前後に移動及び傾動する位置に設けることで、同じ要領で安定してワイヤーを巻き取ることができる。ウインチ18は、フロントパネル12の一部を開口して設けた開口部12Aに設けることで、荷台1の大きさを最大限に活かして重量物を積載できる。ただし、図示しないがこれ以外の位置にウインチ18を設けることもできる。
図示しないが、重量物運搬車両100は、重量物を吊り上げたり、移動するためのクレーン、ユニックを備えることもできる。クレーン、ユニックなどを備える重量物運搬車両100は、ワイヤーを介して荷台1に引き上げることができる。
(駆動機構20)
駆動機構20は、一対のシリンダ10を同期して収縮させて、荷台1を前後に移動する。図9に示す駆動機構20は、シリンダ10である油圧シリンダの油圧回路を示している。この図に示す油圧回路は、加圧流体を貯留するタンク21と、加圧流体の流路22と、加圧流体を流路22に供給するポンプ23と、加圧流体の流動を制御する制御弁24と、制御弁24とシリンダ10との間に配置されたパイロットチェックバルブ25とを備えている。図に示す油圧回路で構成される駆動機構20は、以下のようにして一対のシリンダ10に加圧流体を供給して、一対のシリンダ10を同期して伸縮させる。
[シリンダ10を伸長して荷台1を後方に移動するとき]
制御弁24を矢印aで示す方向に移動すると、ポンプ23で加圧された加圧流体が、一対のシリンダ10の後端側に供給される。シリンダ10の後端側に加圧流体が供給されると、ロッド10Aが伸長されて荷台1が後方に移動される。シリンダ10のロッド10Aが伸長されると、シリンダ10の先端側から排出される加圧流体が制御弁24を通過した後、タンク21にリターンされる。
[シリンダ10を収縮して荷台1を前方に移動するとき]
制御弁24を矢印bで示す方向に移動すると、ポンプ23で加圧された加圧流体が、一対のシリンダ10の先端側に供給される。シリンダ10の先端側に加圧流体が供給されると、ロッド10Aが収縮されて荷台1が前方に移動される。シリンダ10のロッド10Aが収縮されると、シリンダ10の後端側から排出される加圧流体が制御弁24を通過した後、タンク21にリターンされる。
[荷台1を前方又は後方で停止するとき]
制御弁24が図9で示す停止位置にあると、パイロットチェックバルブ25の逆止弁体により加圧流体の流動が阻止されて、シリンダ10の伸縮は停止される。シリンダ10のロッド10Aは、伸縮が停止された位置に保持されて、荷台1の移動が停止される。
さらに、図9に示す駆動機構20は、アウトリガー9を駆動する駆動機構に兼用している。すなわち、図の駆動機構20は、前述のシリンダ10を駆動する際と同様の構造として一対のアウトリガー9に内蔵された油圧シリンダ29を駆動することができる。さらに、図示しないが、前述のウインチ18を駆動するモータに油圧モータを使用し、この駆動機構20により、ウインチ18を駆動することもできる。
さらに、本発明の重量物運搬車両は、荷台を補強する補強材を、以下の図11ないし図14に示す形態とすることもできる。なお、以下の図11ないし図14に示す実施形態において、補強材以外の構成については、前述の実施形態1の重量物運搬車両100と同じ構成とすることができる。したがって、以下の実施形態2ないし5においては、実施形態1の重量物運搬車両100と同じ構成要素については、同符号を付してその詳細な説明は省略する。
[実施形態2]
図11は、本発明の実施形態2に係る重量物運搬車両200の補強材205を示す概略垂直断面図を示している。図に示す補強材205は、シリンダ10を内蔵してなる四角筒状のカバー筒4aと、カバー筒4aの上面又は下面に固定してなる第1の補強バー4bとを備え、回転軸を介して車輪を補強材5に連結している。図11に示す重量物運搬車両200は、荷台1の下面の両側に、荷台1の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材205を固定している。さらに、補強材205は、カバー筒5aの下面に固定される第1の補強バー5bと、カバー筒5aと第1の補強バー5bとの側面であって、荷台1の中央側の側面に固定されてなる第2の補強バー5cとを備えている。この補強材205は、車輪4を、回転軸8を介して第2の補強バー5cに連結している。
第1の補強バー5bと第2の補強バー5cは、それぞれカバー筒5aに固定される面からカバー筒5aの強度剛性を向上させる。また、カバー筒5aに第1の補強バー5bと第2の補強バー5cを固定して補強材205とする構造は、各々を別素材にしたり、異なる断面形状にすることが容易である。例えば、第1の補強バー5bまたは第2の補強バー5cのみを高張力鋼板(ハイテン材)にできる。
なお、重量物運搬車両200は、スライドホルダー7及びサイドホルダー15のいずれか、または双方を備えることができる。スライドホルダー7を備えることで、補強材205を下支えして保持できる。サイドホルダー15を備えることで、荷台1の側縁部を下支えして保持できる。以下の実施形態3~5においても同様である。
(第1の補強バー5b)
図11に示す第1の補強バー5bは、カバー筒5aの下面に固定している。第1の補強バー5bは、カバー筒5aの剛性及び強度を向上させる。ただし、図示しないが、第1の補強バーは、カバー筒5aの上面または上下両面に固定することもできる。第1の補強バー5bは平板の他、角筒、溝形鋼、C形鋼(Cチャンネル)等、または2以上の角筒、C形鋼(Cチャンネル)等を溶着したものを使用できる。第1の補強バー5bの断面形状の横幅はカバー筒5aにの幅に合わせた長さとし、高さは、例えば3cm~10cm、好ましくは4cm~7cmとする。第1の補強バー5bは、必要とされる補強の程度に応じて最適な厚さとし、例えば4mm~12mm、好ましくは5mm~9mmとする。第1の補強バー5bの厚さを、カバー筒5aと同じ厚さ、または異なる厚さにできる。第1の補強バー5b、または後述する第2の補強バー5cが面的にカバー筒5aを補強することで、カバー筒5aの厚みを抑えつつ、荷台1の強度を保持できる。
図10で示すように、荷台1に矢印Aの方向に垂直荷重が加えられ荷台1が鎖線で示す方向に曲がると、横フレーム6の上面には圧縮力が作用し、下面には引張力が作用する。この状態にあっては、カバー筒5aの上面に矢印Bで示す横向きに圧縮力が作用し、カバー筒5aの下面には矢印Cで示す方向に引張力が作用する。カバー筒5aの上下面に作用する力は、カバー筒5aの上面または下面に固定してなる第1の補強バー5bに強固に支持される。
第1の補強バー5bは、荷台1の長手方向に縦に延長して長く形成される。図2に示すように、横フレーム6の幅(W)(荷台1の前後方向の幅)に比べると、カバー筒5aの横フレーム6間の長さ(D)は十分に長いので、横フレーム6の端部に局部的に作用する力は、カバー筒5a及び第1の補強バー5bに分散される。このため、図10に示すように、カバー筒5aは、横フレーム6から矢印B及び矢印Cの方向に受ける荷重に対して極めて強い強度を有し、横フレーム6を強固に連結する。このため、横フレーム6が途中で切断されてカバー筒5aで連結されるにも拘らず、カバー筒5aを介して連結された横フレーム6は、1本の直線状の横フレーム6に勝るとも劣らない強度を有し、強靭な荷台1を実現できる。
(第2の補強バー5c)
第2の補強バー5cは、図11に示すように、カバー筒5aと第1の補強バー5bとの側面に固定される。第2の補強バー5cは、カバー筒5aと第1の補強バー5bの側面に固定されることで、カバー筒5aと第1の補強バー5bと共に補強材205全体の剛性を高めて曲げや歪みに対する強度を向上できる。第2の補強バー5cは平板の他、角筒状、C形鋼(Cチャンネル)等、または2以上の角筒状、C形鋼(Cチャンネル)等を溶着したものを使用できる。
さらに、第2の補強バー5cは、図11に示すように、車輪4の回転軸8を固定している。図に示すように、車輪4は、回転軸8を介して第2の補強バー5cに取り付けられており、第2の補強バー5cがカバー筒5aと第1の補強バー5bの側面に固定されることで、複数の車輪4が荷台1の定位置に配置される。このように、回転軸8を介して車輪4を連結している第2の補強バー5cは、カバー筒5aと第1の補強バー5bの側面の一部、例えば、車輪4を連結する部分にのみ設けることができる。図に示す補強材205は、側面に複数の車輪4を備えており、これらの車輪4をレール3に連結している。したがって、補強材205は、カバー筒5aと第1の補強バー5bの側面に、回転軸8を介して車輪4が連結された複数の第2の補強バー5cを固定することにより、複数の車輪4を定位置に配置している。ただし、第2の補強バー5cは、カバー筒と第1の補強バーの側面全面、または複数の車輪4を連結する部分にまたがって側面の一部に設けることもできる。この第2の補強バー5cは、車輪4が連結された複数の回転軸8が所定の間隔で固定される。さらに、第2の補強バー5cは、側面全体に加えて側面の一部に部分的に2層設けることもできる。車輪4は、補強材205の側面に固定された回転軸8を介して荷台1に連結されており、シャーシ2に固定されたレール3を走行することで荷台1を前後に移動させる。
図11に示す重量物運搬車両200は、一対の補強材205の内側に、レール3を配置しているので、車輪4が連結された第2の補強バー5cは、カバー筒5aの内側に固定している。ただし、第2の補強バー5cは、カバー筒5aの外側に設けることもできる。例えば、一対の補強材205の外側に、レール3を配置する構造においては、車輪4が連結された第2の補強バー5cは、カバー筒5aと第1の補強バー5bの外側の側面に固定される。さらに、第2の補強バー5cは、図示しないが、カバー筒5aと第1の補強バー5bの両側面に設けることもできる。この構造は、一方の側面に固定される第2の補強バー5cには回転軸8を介して車輪4を固定し、他方の側面に固定される第2の補強バー5cには車輪4を連結しない構造とすることができ、あるいは、両側面に固定される第2の補強バー5cに車輪4を設けても良い。
第2の補強バー5cは、必要とされる補強の程度に応じて最適な厚さ、大きさとする。第2の補強バー5cの厚さ及び大きさは、車輪4の回転軸8を確実に支持できる十分な強度が得られるように設計される。第2の補強バー5cの厚さは、例えば1cm~6cm、好ましくは2cm~4cmとする。
以上のように、重量物運搬車両200は、荷台1の短手方向に伸びる横フレーム6と、荷台1の長手方向に伸びる補強材205とを互いに連結して共に荷台1に固定されて荷台1を補強している。補強材205は、荷台1の長手方向に伸びるカバー筒5aを2列配置し、さらに、カバー筒5aに第1の補強バー5bと第2の補強バー5cとが固定されて、いずれもがカバー筒5aを面的に補強することで、荷台1を補強している。以上の構造で互いに連結して荷台1に固定することで、長期間にわたって荷台1の変形を防止できる十分な剛性及び強度を確保できる。
さらに、以上の重量物運搬車両200は、強度のある四角筒状のカバー筒5a内にシリンダ10を内蔵し、さらにカバー筒5aが第1の補強バー5bと第2の補強バー5cで面的に補強されることで、カバー筒5aが積載した重量物の重さで変形することを防止し、積み降ろし時や運搬時の振動と衝撃に耐え得る十分な強度とすることで、カバー筒5a内に内蔵されたシリンダ10でもって荷台1をスムーズに前後に往復運動できる耐久性に優れた荷台1が傾動する重量物運搬車両を提供できる。さらにまた、長期間にわたって重量物を荷台1に搭載し運搬しながら、シリンダ10の変形を防止し、さらにシリンダ10とカバー筒5aの接触も防止して、荷台1をスムーズに前後に往復運動できる特長を実現する。
なお、図示しないが、重量物の積み降ろしと運搬が繰り返される重量物運搬車両において、長期間にわたって荷台1の変形を防止するために、繰り返し加重される部分、反り曲りが生じやすい部分、積載物の車輪やキャタピラなど重量物が荷台1に接面する部分など必要に応じて、横フレーム6同士、カバー筒5a同士、及び横フレーム6とカバー筒5aを各々縦または横もしくは斜め方向に繋いだり、面的または多角形状もしくは湾曲面で荷台1を支持補強する部材など、横フレーム6及び補強材205以外に荷台1の下面に荷台1を支持補強する部材を固定することもできる。以下の実施形態においても同様である。
(対向プレート5d)
図11に示すように、第1の補強バー5bの下面に対向プレート5dを設けることができる。対向プレート5dは、第1の補強バー5b及び第2の補強バー5cを含めた補強材205の下面に設けることもできる。以下の実施例4~6においても同様である。対向プレート5dは、第1の補強バー5bを含めた補強材205の下面を補強できる。また、第1の補強バー5bを含めた補強材205の下面がスリッププレート13など補強材205を下支えする部位に接触して摩耗するなど強度が低下することを防止できる。
[実施形態3]
図12は、本発明の実施形態3に係る重量物運搬車両300の補強材305を示す概略垂直断面図を示している。この図に示す補強材305は、第1の補強バー305bが角筒状で、第1の補強バー305bがカバー筒5aの下面に面接触状態に固定されている。第1の補強バー305bを角筒状とすることで、補強材305を軽量化しながら荷台1を補強できる。第1の補強バー305bの角隅部分で補強強度を向上しつつ、平面部分でカバー筒5aに面接触状態に溶着固定でき、カバー筒5aを補強できる。
第1の補強バー305bは、高さを容易に調整できる。角筒状である第1の補強バー305bは、厚みと高さが重量物を支持補強する強度に影響し、必要とされる補強の程度に応じて最適な値とする。また、第1の補強バー305bの高さで荷台1の高さを調整することもできる。第1の補強バー305bの高さは、例えば3cm~10cm、好ましくは4cm~7cmとする。
第1の補強バー305bは、角筒状の2以上の内側面に接触する補強面、補強ブロック、補強部材などを挿入でき、また溶着することもできる。以下の実施形態4及び5においても同様である。
[実施形態4]
図13は、本発明の実施形態4に係る重量物運搬車両400の補強材405を示す概略垂直断面図を示している。この図に示す補強材405は、第1の補強バー405bが、互いに開口縁を溶着してなる一対の溝形鋼(チャンネル)405eからなり、一対の溝形鋼405eは、開口縁に沿って内側に折曲してなる補強リブ405fを有し、一対の溝形鋼405eは、補強リブ405fを垂直面内に配置して互いに面接触状態で溶着されている。溝形鋼405eの補強リブ405fでもって第1の補強バー405bの曲げ強度を向上して、補強材405の曲げ強度をさらに向上できる。このため、補強材405が荷台1をより効果的に補強して、重量物を搭載しての荷台1の変形をより少なくできる。
[実施形態5]
図14は、本発明の実施形態5に係る重量物運搬車両500の補強材505を示す概略垂直断面図を示している。この図に示す補強材505は、第1の補強バー505bが、2の角筒材505gからなり、互いに面接触状態で溶着されてなる。角筒材505gで構成される第1の補強バー505bの内部に縦方向に補強面505hが入ることで、第1の補強バー505bの曲げ強度を向上して、補強材505が荷台1をより効果的に補強して、重量物を搭載しての荷台1の変形をより少なくできる。内部に縦方向に補強面が入った角筒状の第1の補強バー505bを容易に製造調達できる。図示しないが、第1の補強バー505bは、2以上の角筒材505gとすることができる。例えば、3の角筒材505gからなり、互いに面接触状態で溶着されてなる第1の補強バー505bは、内部に2本の縦方向に補強面505hを入れることができる。また、大きさの異なる2以上の角筒材505gを内側と外側に設けて第1の補強バー505bとすることもできる。
本発明は、重い重機などの重量物を荷台に搭載して運搬しながら、長期間に渡って荷台の変形を防止して荷台をスムーズに前後に往復運動できる、耐久性に優れた荷台が傾動する重量物運搬車両として有効に利用できる。
100、200、300、400、500…重量物運搬車両
1…荷台
2…シャーシ
3…レール
4…車輪
5、205、305、405、505…補強材
5a…カバー筒
5b、305b、405b、505b…第1の補強バー
5c…第2の補強バー
5d…対向プレート
405e…溝形鋼
405f…補強リブ
505g…角筒材
505h…補強面
6…横フレーム
6A…第1フレーム
6B…第2フレーム
7…スライドホルダー
7A…折曲部
8…回転軸
9…アウトリガー
10…シリンダ
10A…ロッド
11…固定フレーム
12…フロントパネル
12A…開口部
13…スリッププレート
14…ブラケット
15…サイドホルダー
16…連結金具
18…ウインチ
19…キャビン
20…駆動機構
21…タンク
22…流路
23…ポンプ
24…制御弁
25…パイロットチェックバルブ
29…油圧シリンダ
31…支持フレーム
31A…水平フレーム
31B…固定プレート
32…支持台
32A…支持プレート
32B…保持部
33…スリッププレート
35…縦フレーム

Claims (15)

  1. 車両のシャーシに前後に移動自在に連結してなる荷台と、
    前記シャーシに固定されて、前記荷台を前後に移動させる一対のレールと、
    前記荷台に連結されて前記一対のレールを走行して、前記荷台を前後に移動させる左右の車輪と、
    前記荷台に一端が連結されて、それ自体が伸縮して前記荷台を前後に移動させる一対のシリンダと、
    前記一対のシリンダを同期して前後に移動する駆動機構と、
    前記シャーシを傾動するアウトリガーと、
    を備える荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記荷台が下面の両側に前記荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材を固定しており、
    前記補強材が、前記シリンダを内蔵してなる四角筒状のカバー筒を備え、
    前記車輪が回転軸を介して前記補強材に連結されてなり、
    さらに、前記シャーシに固定されて、前記補強材を下方から支持するスライドホルダーを備え、
    前記スライドホルダーは、上面にスリッププレートを備えており、前記荷台に固定された前記補強材が前記スリッププレート上をスライドして前後に移動することを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  2. 請求項1に記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、さらに、
    前記補強材の下面に対向プレートが固定されてなることを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  3. 請求項1または2に記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、さらに、
    前記シャーシに固定されて、かつ、前記シャーシから前記荷台の短手方向に伸びるサイドホルダーを備え、
    前記サイドホルダーが、前記補強材より外側において前記荷台を下方から支持することを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、さらに、
    前記補強材が、前記カバー筒の上面又は下面に固定してなる第1の補強バーを備える重量物運搬車両。
  5. 車両のシャーシに前後に移動自在に連結してなる荷台と、
    前記シャーシに固定されて、前記荷台を前後に移動させる一対のレールと、
    前記荷台に連結されて前記一対のレールを走行して、前記荷台を前後に移動させる左右の車輪と、
    前記荷台に一端が連結されて、それ自体が伸縮して前記荷台を前後に移動させる一対のシリンダと、
    前記一対のシリンダを同期して前後に移動する駆動機構と、
    前記シャーシを傾動するアウトリガーと、
    を備える荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記荷台が下面の両側に前記荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材を固定しており、
    前記補強材が、前記シリンダを内蔵してなる四角筒状のカバー筒を備え、
    前記車輪が回転軸を介して前記補強材に連結されてなり、
    さらに、前記シャーシに固定されて、かつ前記シャーシから前記荷台の短手方向に伸びるサイドホルダーを備え、
    前記サイドホルダーが、前記補強材より外側において前記荷台を下方から支持することを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  6. 請求項3または5に記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記サイドホルダーが、
    一端が前記シャーシに固定されて、他端が前記補強材より外側まで延長された支持フレームと、
    前記支持フレームに連結されて、前記荷台を下方から支持する支持台と、
    を備え、
    前記荷台が、前記支持台との対向位置に、下方に突出して配置された突出プレート部を備え、
    前記サイドホルダーの前記支持台が前記突出プレート部を介して前記荷台を支持して定位置に保持する重量物運搬車両。
  7. 請求項6に記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記サイドホルダーが、前後方向に離間して複数配置されており、
    前記荷台は、前後方向に離間して複数の前記突出プレート部を備えると共に、
    当該荷台が最も前方まで移動された状態で、各々の前記支持台と対向する位置に前記突出プレート部を配置してなる重量物運搬車両。
  8. 請求項5ないし7のいずれかに記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、さらに、
    前記補強材が、前記カバー筒の上面又は下面に固定してなる第1の補強バーを備える重量物運搬車両。
  9. 車両のシャーシに前後に移動自在に連結してなる荷台と、
    前記シャーシに固定されて、前記荷台を前後に移動させる一対のレールと、
    前記荷台に連結されて前記一対のレールを走行して、前記荷台を前後に移動させる左右の車輪と、
    前記荷台に一端が連結されて、それ自体が伸縮して前記荷台を前後に移動させる一対のシリンダと、
    前記一対のシリンダを同期して前後に移動する駆動機構と、
    前記シャーシを傾動するアウトリガーと、
    を備える荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記荷台が下面の両側に前記荷台の長手方向に伸びる平行姿勢で2列の補強材を固定しており、
    前記補強材が、
    前記シリンダを内蔵してなる四角筒状のカバー筒と、
    前記カバー筒の上面又は下面に固定してなる第1の補強バーとを備え、
    前記車輪が回転軸を介して前記補強材に連結されてなることを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  10. 請求項4、8、及び9のいずれかに記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記補強材が、前記カバー筒の下面に第1の補強バーを固定してなることを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  11. 請求項4、及び8ないし10のいずれかに記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記補強材が、
    さらに、前記カバー筒と前記第1の補強バーとの側面に固定してなる第2の補強バーを備え、
    前記車輪が回転軸を介して前記第2の補強バーに連結されてなることを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  12. 請求項4、及び8ないし11のいずれかに記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記第1の補強バーが角筒状で、前記カバー筒の下面に面接触状態に固定されてなることを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  13. 請求項4、及び8ないし12のいずれかに記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記第1の補強バーが、互いに開口縁を溶着してなる一対の溝形鋼からなり、
    一対の前記溝形鋼は、前記開口縁に沿って内側に折曲してなる補強リブを有し、前記補強リブを垂直面内に配置して互いに面接触状態で溶着されてなることを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  14. 請求項4、及び8ないし12のいずれかに記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記第1の補強バーが、2以上の角筒材からなり、前記角筒材が互いに面接触状態で溶着されてなることを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の荷台が傾動する重量物運搬車両であって、
    前記荷台の前方にウインチを配置してなることを特徴とする荷台が傾動する重量物運搬車両。
JP2021082375A 2021-05-14 2021-05-14 荷台が傾動する重量物運搬車両 Pending JP2022175721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021082375A JP2022175721A (ja) 2021-05-14 2021-05-14 荷台が傾動する重量物運搬車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021082375A JP2022175721A (ja) 2021-05-14 2021-05-14 荷台が傾動する重量物運搬車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022175721A true JP2022175721A (ja) 2022-11-25

Family

ID=84145089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021082375A Pending JP2022175721A (ja) 2021-05-14 2021-05-14 荷台が傾動する重量物運搬車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022175721A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1024517C (zh) 货厢厢体安装在底盘托架上、厢体下部嵌坐在托架中的翻斗式汽车结构
JP3881369B2 (ja) 貨物用ラック
JP5827289B2 (ja) 貨物用ラック
JP7211813B2 (ja) コンテナ荷役車両
US6530580B1 (en) Suspension assembly related application
JP2007076789A (ja) 門型リフター
JP2022175721A (ja) 荷台が傾動する重量物運搬車両
CN103619690A (zh) 用于可侧向位移的铁路车辆的支撑装置
US20050008468A1 (en) Self-propelled working machine
AU2011378342B2 (en) Body structure for dump truck
CN205256439U (zh) 一种低平板半挂车的可伸缩式车架
JP6223390B2 (ja) 貨物用ラック
CN107650757A (zh) 一种便捷上货、卸货的agv小车
JP2002274250A (ja) 重量物搬送台車及びそれを備えた重量物搬送装置
JPH10217828A (ja) 伸縮ステップを備えたトラック
CN215322924U (zh) 一种半挂车对接装置
KR102597345B1 (ko) 차량용 리프트
JP7458115B1 (ja) 貨物自動車及び荷台着地機構
KR200405942Y1 (ko) 시야확보가 가능한 지게차의 마스트 조립체
CN108407903A (zh) 一种厢体可移动可更换的厢式运输车
JP7417315B1 (ja) 貨物自動車の荷台機構
US11850987B2 (en) Chassis assembly for a delivery vehicle
JP4111840B2 (ja) 運搬車両
JPH07267598A (ja) フォークリフトトラック
JPH055567U (ja) 貨物運搬車

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240426