JP2022175485A - プロテクタを具えた身装ウェア - Google Patents

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Atsushi Ochiai
佳孝 山本
Yoshitaka Yamamoto
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Abstract

【課題】 モーターサイクルでの走行中、たとえ転倒によって路面滑走しても擦り切れ難く、また保護すべき身体部位を確実に守ることができる新規な、プロテクタを具えた身装ウェアの開発を技術課題とした。【解決手段】 本発明の身装ウェア1は、身体部位を被覆する複数のスリーブ2を具え、各スリーブ2は、耐切創生地21とストレッチ生地22とが配置されて成り、スリーブ全体として径方向に伸縮自在に形成され、且つスリーブ2には、要保護部位にプロテクタ3が配されることを特徴とする。また身装ウェア1はインナートップ1Tであり、プロテクタ3は、スリーブ2とは別体のプロテクタピース31を、スリーブ2の内周側において、伸縮可能なストレッチ生地22によって形成したポケット部24に、緩保持状態に収容する構成が好ましい。【選択図】図1

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、モーターサイクルや自転車等のライディング時における転倒事故に備えるために着用することが好ましい、プロテクタを具えた身装ウェアに関するものである。
日常的なモーターサイクルや自転車等のライディング時、更にはこれらを用いた競技等の際には、ライダーは転倒事故に備えて、プロテクタを具えた身装ウェア(ライディングギア)を着用している。
このような場合、具体的にはモーターサイクルによるロードレース、オフロードレース等の場合、一定のレギュレーションの下に、安全且つ保護機能が充分保たれるライディングギアが規定されている(例えば特許文献1・2参照)。
一方で、このような厳格な安全性が求められているライディングギアは、日常的なモーターサイクル等の利用時には、雰囲気や手軽な使い勝手、コーディネートのし易さ等の点で、必ずしも適していない。
しかしながら、一般路であっても、モーターサイクルの転倒事故等を考慮すると、日常的な使い勝手の中にも、その事故特性に対応した機能が求められ、単に手軽な使い勝手のみに着眼したものであるべきではない。
すなわち、モーターサイクルの転倒事故等の際には、ライダーは路面等との衝突による衝撃を受けるほか、走行エネルギーによる慣性により、路面等を転倒しながら滑走することも多く見られる。このような事故状況の場合、比較的手軽なプロテクタ付きの身装ウェアであると、プロテクタのズレによって、保護すべき身体部位が充分に守られなかったり、路面滑走によって身装ウェアが擦り切れたりして、擦過傷を負う等の問題があった。
特開2021-11652号公報 実用新案登録第3063086号公報
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、転倒時に路面滑走しても擦り切れ難く、また保護すべき身体部位を確実に守ることができる新規な、プロテクタを具えた身装ウェアの開発を技術課題としたものである。
まず請求項1記載の、プロテクタを具えた身装ウェアは、
滑走摩擦を伴う衝撃から身体を保護するプロテクタを具えた身装ウェアであって、
この身装ウェアは、各身体部位を被覆する複数のスリーブを具え、各スリーブは、耐切創生地とストレッチ生地とが配置されて成り、スリーブ全体として径方向に伸縮可能に構成されるものであり、
且つ前記スリーブには、要保護部位にプロテクタが配されることを特徴として成るものである。
また請求項2記載の、プロテクタを具えた身装ウェアは、前記請求項1記載の要件に加え、
前記身装ウェアは、インナートップであり、
複数のスリーブは、胴スリーブと左右両方の袖スリーブとであり、
このうち胴スリーブは、このものの背中側を要保護部位としてプロテクタが設けられ、
一方、両方の袖スリーブは、装着者の肩部から袖口の間を被覆するものであって、且つ関節外側において肘部と肩部とを要保護部位としてプロテクタが設けられることを特徴として成るものである。
また請求項3記載の、プロテクタを具えた身装ウェアは、前記請求項2記載の要件に加え、
前記胴スリーブには、スリーブ内周側に、胸部を保護するプロテクタが、更に配されることを特徴として成るものである。
また請求項4記載の、プロテクタを具えた身装ウェアは、前記請求項1から3のいずれか1項記載の要件に加え、
前記プロテクタは、スリーブとは別体で形成されるプロテクタピースにより構成され、このプロテクタピースは、前記スリーブの内周側において、伸縮可能なストレッチ生地によって形成されたポケット部に、緩保持状態に収容されることを特徴として成るものである。
請求項5記載の、プロテクタを具えた身装ウェアは、前記請求項1から4のいずれか1項記載の要件に加え、
前記耐切創生地は、HPPE繊維(超高分子量ポリエチレン繊維)であり、
且つ前記ストレッチ生地は、スパンデックス繊維であることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、耐切創生地とストレッチ生地とを組み合わせてスリーブが形成され、スリーブ全体として径方向に伸縮性を有し、且つ胸・背中・肩・肘などの要保護部位がプロテクタによって保護されるため、プロテクタが使用者(装着者)の身体各部にフィットし、違和感の極めて少ない(ほとんど感じさせない)着心地のよい身装ウェア(プロテクト機能付きの身装ウェア)を提供することができる。また、伸縮性を有するため、身装ウェアを着用して長時間走行しても(走行操作を行っても)、プロテクタがずれてしまうことがほとんどないものである。
また、本身装ウェアには、路面と滑走摩擦し易い部位(耐擦傷性要部)に、耐切創生地が適用されているため、例えば使用者が、モーターサイクルでの走行中に転倒した場合でも、身装ウェアが擦り切れ難く、使用者(ライダー)の被る擦過傷などの外傷を極力、軽減することができる。すなわち、本身装ウェアは、プロテクタはもちろん、耐切創生地によっても使用者の身体をより高度にガードすることができ、更には良好な着心地をも実現したものである。
また請求項2記載の発明によれば、本発明の身装ウェアは、インナートップ(上半身用のインナー着衣)であるから、使用者(装着者)がモーターサイクルに乗る場合、シャツ(アンダーシャツ)のように、上着の下側に着用することができる(いわゆるインナー)。そのため、このインナートップの上に、アウターとして普段使いのジャンパー等の上着を着用することができ、上着装着後は、外観上、プロテクトスーツを着用しているのが分からないようにしながら、転倒時の外傷軽減も図ることができる。すなわち、外観上、明らかにプロテクトスーツであることが分かるライディングギアを敬遠するライダーも多いため、本身装ウェアは、このようなニーズにあった着用形態が採れ、アウターにお洒落着を着たいライダーにとって、目的に合致したインナーウェアとなる。
また請求項3記載の発明によれば、胴スリーブにもプロテクタが設けられるため、たとえ使用者(装着者)がモーターサイクルでの走行中に転倒しても、心臓や肺に加わるダメージ(ショック)や外傷を、より一層、軽減することができる。
また請求項4記載の発明によれば、プロテクタがスリーブとは別体で形成されたプロテクタピースであり、これをスリーブの内周側においてストレッチ生地で形成されたポケット部に収容してプロテクタとする構成であるから、プロテクタピースをスリーブ(身装ウェア)に対し、容易に着脱することができる。またプロテクタピースをポケット部に収めて、プロテクタを構成するため、プロテクタピースは、スリーブの伸縮可能なポケット部内で、幾らか移動させることができ(これが緩保持状態)、これによってプロテクタピースの収容位置を微調整することができる。そのため、使用者は思い通りの所望位置にプロテクタピースをセッティングすることができ、より一層、プロテクタピースを肘等の要保護部位にフィットさせることができる。
もちろん、プロテクタピースがスリーブ(身装ウェア)から取り外せるため、身装ウェアが汗などで汚れた場合には、ポケット部からプロテクタピースを取り出して、身装ウェアを洗濯することができ、身装ウェアを長期にわたって清潔に維持することができる。
またプロテクタピースだけを新たなものに交換することもでき、使い勝手のよい、プロテクト機能を有した身装ウェアを提供することができる。
また請求項5記載の発明によれば、ポケット部を含め各スリーブを形成する耐切創生地とストレッチ生地との具体的素材を現実のものとする。
本発明の、プロテクタを具えた身装ウェアの一例(インナートップ)を着用状態で示す正面側斜視図(a)、並びに背面側斜視図(b)である。 プロテクタピースと身装ウェア(インナートップの各スリーブ)とを併せて示す説明図であって、背中側のポケット部に背部プロテクタピースを収容する様子も示す説明図である。 下半身着衣タイプの身装ウェアの一例としてインナーボトムを示す斜視図である。
本発明は、以下の実施例に示すとおりであるが、これらの実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
以下、本発明のプロテクタを具えた身装ウェア1(以下、単に「身装ウェア1」とする)について説明する。
本発明の身装ウェア1は、これを着用した使用者(装着者)Mが、例えばモーターサイクルでの走行中に転倒した場合、路面との滑走摩擦によって使用者Mが受ける衝撃や擦過傷などを極力軽減するためのものである。
このように身装ウェア1は、使用者Mが着用するものであるから、胴や腕などの身体各部を被覆する筒状のスリーブ2を複数具えて成り、このスリーブ2には、胸部・背中・肩・肘等の要保護部位をガードするプロテクタ3が設けられている。すなわち、本発明の身装ウェア1は、転倒時に衝撃を受け易い要保護部位にプロテクタ3を設けるものであり、これにより使用者Mの身体を保護するようにしたものである。
そして本実施例では、一例として図1・図2に示すように、上半身に着用するタイプである上半身着衣用の身装ウェア1を例示するものであり、特にここではシャツ(アンダーシャツ)のように、上着の下側に着るタイプを示すことから、これをインナートップ1Tと称することがある。
このため身装ウェア1(インナートップ1T)のスリーブ2は、胴スリーブ2Dと袖スリーブ2S(左右両方とも同じ符号)とを具えて成るものである。
また各スリーブ2には、耐切創生地21と、伸縮性を有するストレッチ生地22とが配置されており、スリーブ2全体として径方向に伸縮できるように構成されている。具体的には、例えばこれら耐切創生地21及びストレッチ生地22を、スリーブ2の周方向に接続するように縫製しており、これにより各スリーブ2の径方向に伸縮性を付与している。
ここで耐切創生地21とは、例えば先端が鋭利なナイフ等で切り付けても、切り裂き難い切創抵抗を有する生地を意味する。
ただし、実際の身装ウェア1たるインナートップ1Tにあっては、上記のような胴スリーブ2Dと袖スリーブ2Sというスリーブ分けが、実際のウェアの製作方法とは必ずしも合致しないことがある。すなわち、実際の製作においては、胴スリーブ2Dと袖スリーブ2Sとを予め形成しておいてから、これらを縫製して身装ウェア1を完成させるのではなく、インナートップ1Tの各パーツ、例えば正面部(胸部)・背面部(背中部)・袖部等を、耐切創生地21またはストレッチ生地22のいずれか一方または双方で形成しておき、これら各パーツをつなぎ合わせるように縫製して、インナートップ1T全体を形成することがある。従って、実際にはこれら各パーツの縫製痕23が各スリーブ2の境目に存在しないことがあり得る(図1参照)。また、そのため各パーツを見れば、袖スリーブ2Sを構成したパーツ生地の一部(上部)が、胴スリーブ2Dを構成するパーツ生地の一部(首回りの一部)となることがあり得る。
以下、胴スリーブ2Dと袖スリーブ2Sとについて更に説明する。
まず胴スリーブ2Dは、装着者Mの首部から胴部までを被覆するスリーブ2であって、このものは、例えば図1(a)に示すように、装着者Mの胸部を覆うように設けられる前面側が、伸縮可能なストレッチ生地22によって形成される。一方、この反対側に位置する背面側(背中側)が、例えば図1(b)に示すように、耐切創生地21によって形成され、これら両生地が胴スリーブ2Dの側部(脇部)において長手方向(筒長手方向)に沿うように縫製されて成るものである。
ここで胴スリーブ2Dの背面側(背中側)に耐切創生地21を配置した理由について説明する。身装ウェア1を装着したライダー(使用者M)が転倒した場合、ライダーは背中を路面に擦りながら、路面上を滑走して行くことが多い。このため胴スリーブ2Dにおいては、正面の胸部よりも背中側において耐擦傷性を高める必要がある。すなわち胴スリーブ2Dでは、背中側が耐擦傷性要部となるため、背中側に耐切創生地21を設けたものである。なお、背中側だけでなく、本身装ウェア1では、転倒した場合に路面滑走し易い部位、つまり耐擦傷性要部に耐切創生地21を配置するものである。
これにより路面との滑走摩擦が生じても、摩擦に起因する擦り切れを極力防止し、使用者Mが受ける擦過傷を極力軽減することができる。
また、このような構成から、胴スリーブ2Dでは、上述したように耐切創生地21とストレッチ生地22との縫製痕23は、必然的にこれらの生地の境界たる脇部分に位置することになるが、本実施例では、脇部分でも特に背中側に近い部位で両生地が縫製されている(図1(b)・図2参照)。
次に、上記耐切創生地21及びストレッチ生地22の素材について説明する。
耐切創生地21としては、一例としてHPPE繊維(超高分子量ポリエチレン繊維)が適用され、このものは機械的防護手袋の要求性能試験「EN 388:2016」の回転刃試験においてレベル4を取得した生地と同等の生地である。因みに、上記「EN 388」とは、EU(欧州連合)において制定されている保護手袋の機械的物性強度を評価する規格基準である。
またストレッチ生地22としては、一例としてスパンデックス繊維(ポリウレタン弾性繊維)が適用され、このものは非常に伸縮性が高く、例えばゴムのように約5~8倍も伸びる性質を持っているが、ゴムと違ってすぐに戻るのではなく、ゆっくりと締め付けるように戻る素材である。
また胴スリーブ2Dは、一例として図1・図2に示すように、前面側がファスナー25によって開閉できるように形成されており、これは使用者Mが着衣・脱衣し易いようにするためである。
ここで図中符号251は、ファスナー25を開閉させる際のスライダーである。また図中符号252は、このスライダー251をスライドさせるための引き手である。更に、図中符号253は、ファスナー25を閉鎖した際に、引き手252を首下部の肌に接触させないようにするための収容フラップである。
また胴スリーブ2Dには、要保護部位たる胸部や背中にプロテクタ3が設けられるものであり、このプロテクタ3は、胴スリーブ2Dとは別体で形成されるプロテクタピース31によって構成される。ここで図中符号31Mが胸部プロテクタピースであり、図中符号31Sが背部プロテクタピースを示している。なお、胴スリーブ2Dは、上述したようにファスナー25によって前開きできるように構成されるため、胸部プロテクタピース31Mも、左右別々に設けられる。
また、胴スリーブ2Dの内周側には、上述した伸縮可能なストレッチ生地22によってポケット部24が形成され、上記各プロテクタピース31は、このポケット部24に着脱自在に収容される。
なおプロテクタピース31は、胴スリーブ2Dのポケット部24に対し緩保持状態に収容される。ここで緩保持状態とは、伸縮自在に形成されたポケット部24内で、ここに収容されたプロテクタピース31が幾らか移動できることを意味しており、このような緩保持状態によってプロテクタピース31の収容位置を微調整することができるものである。このため使用者Mは、思い通りの位置にプロテクタピース31をセッティングすることができ、要保護部位に確実にプロテクタ3(プロテクタピース31)をフィットさせることができる。
もちろんプロテクタ3のフィット感向上という点では、ストレッチ生地22の伸縮性も寄与している。すなわち、本身装ウェア1(インナートップ1T)のスリーブ2は、耐擦傷性要部に耐切創生地21が配置される一方、これ以外の部位には、伸縮性を有するストレッチ生地22が配置されており、このストレッチ生地22の伸縮性によって装着したプロテクタ3(プロテクタピース31)が、より一層、要保護部位に密着するようになり、フィット感を向上させるものである。
次に、上記ポケット部24の構成と、このポケット部24にプロテクタピース31を収容する態様について説明する。なお、ポケット部24の構成や、プロテクタピース31の収容態様は、主に図2の背部プロテクタピース31Sについて説明するが、どのプロテクタピース31についても同様である。
まずポケット部24は、一例として図2に示すように、二つのパーツで構成され(ここでは上下)、これらをポケット上部パーツ241、ポケット下部パーツ242とする。またポケット上部パーツ241の下端縁は、ポケット下部パーツ242の上端縁に、上から覆い被さるように構成され、この覆い被さる重合部をオーバーラップ部243とする。
そして、プロテクタピース31をポケット部24に収める(収容する)際には、一例として図2に示すように、ポケット上部パーツ241の下端縁をめくり上げるようにして上方に引き上げて、ポケット下部パーツ242の上端縁を露出・開放させる。次いで、このようにして開放させたポケット部24(ポケット下部パーツ242)の開口部からプロテクタピース31(ここでは背部プロテクタピース31S)をポケット部24内に入れ込むように収容する。
このようにしてプロテクタピース31をポケット部24内に収容したら、上方に引っ張っていたポケット上部パーツ241の下端縁を、収容後のプロテクタピース31の上方に被せるようにしながら、自身の伸縮性によって元に戻す。これによりポケット上部パーツ241の下端縁が、ポケット下部パーツ242の上端縁、つまりポケット部24の開口を閉鎖するようになり、プロテクタピース31がどこも露出することなく、ポケット部24内に収容される。
なお、ポケット部24は、上述したようにストレッチ生地22によって形成された二つパーツを互いにオーバーラップするように形成されるため、このポケット部24に収容したプロテクタピース31が、使用時にポケット部24から飛び出してしまうことはないが、例えばオーバーラップ部243の重合面に面ファスナー(オス・メス)を設けておけば、プロテクタピース31の収容状態を、より一層確実に維持することができる。
ここでプロテクタピース31自体の素材等について説明する。
プロテクタピース31は、例えば粘弾性ビスコエラスティック素材で形成された瞬間硬化型プロテクタを適用することができる。このものは、通常は柔らかい状態であるが、衝撃を受けると硬化する素材である。より詳細には、このようなプロテクタピース31として、ドイツの「SAS-TEC」社製のプロテクタピース31を適用することができ、このプロテクタピース31は、CE規格をクリアーしている。因みに、「CE規格(をクリアー)」とは、EUの法律で定められた安全性能基準を満たしたものであり、「EU加盟国28カ国」+「EFTA加盟国4カ国」の計32カ国が加盟しており、信頼性の高いものである。
なお、プロテクタ3として上記のように柔らかいプロテクタピース31を適用することによって、プロテクタピース31をポケット部24に収容する作業が、より行い易くなり、また収容後のプロテクタピース31も、使用者Mの身体各部(要保護部位)に、一層なじみ易く、フィットし易いものである。
次に、袖スリーブ2Sについて説明する。
袖スリーブ2Sは、身装ウェア1(インナートップ1T)を着用した使用者Mの肩部から袖口までの間を被覆するスリーブであって、このものは上記図1に示すように、スリーブ外サイドとなる肘側(腕の外側部)に耐切創生地21が配置され、スリーブ内サイドとなる肘関節内側(腕の内側部)にストレッチ生地22が配置される。
因みに、耐切創生地21及びストレッチ生地22をこのように配置するのは、胴スリーブ2Dと同様の理由である。すなわち転倒したライダー(使用者M)は、スリーブ外サイドとなる肘側を路面に擦りながら、滑走摩擦することが多いため、こちら側を耐擦傷性要部として、耐切創生地21を配置したものである。
なお、袖スリーブ2Sにおける耐切創生地21の配置割合は、袖口と肩部とにおいて異なるのが一般的である。具体的には、一例として図1(a)に示すように、袖口では周方向(手首回り)の70%程度を耐切創生地21が占める一方、肩部では周方向(腕付け根回り)の50%程度を耐切創生地21が占めるように形成され、袖口の方が、耐切創生地21の配置割合が高い。これは手首回りにおいて広範囲に耐切創生地21を配置することにより、当該部位をより確実に擦過傷から保護するように意図したためである。
また、袖スリーブ2Sでは、肩部と肘部とにプロテクタ3が設けられるものであり、ここでもストレッチ生地22で形成されたポケット部24に、プロテクタピース31を収容する形態を採る。ここで図中符号31Kが肩部プロテクタピースを示し、図中符号31Hが肘部プロテクタピースを示している。
このように本身装ウェア1では、各スリーブ2の耐擦傷性要部において耐切創生地21を設けているため、例えばライダーたる使用者Mが転倒し、路面滑走しても摩擦による擦り切れを極力防止し、使用者Mが受ける擦過傷を極力軽減することができる。
また、各スリーブ2は、上記耐切創生地21に加え、ストレッチ生地22も設けられているため、各スリーブ2が径方向に伸縮自在となり、肩・肘・背中・胸部等の要保護部位に設けるプロテクタ3を、的確に要保護部位に位置させることができ、従来、走行に伴い生じることがあったプロテクタ3の位置ズレも極力防止することができる。また、スリーブ2が径方向に伸縮自在であり、且つプロテクタ3(プロテクタピース31)も柔らかい素材で形成されるため、例えばプロテクタ3が使用者Mの走行操作を阻害してしまうこともないものである。
また、本身装ウェア1はインナータイプ、つまりインナートップ1Tであるから、この上に、好みのジャンパーなどの上着を着用することができ、外観上、普通の服装に見えるが、インナートップ1Tによってしっかりと身体を保護することができる。すなわち、従来のプロテクトウェアは、外観上、プロテクタの存在が明確に認識できるものが多く、競技やレース等では気にならなくても、日常的なプライベート走行(ツーリング)を楽しむ際には、プロテクタの存在があからさまに分かってしまうウェアを敬遠するライダーも多かった。その点、本身装ウェア1(インナートップ1T)は、このようなライダーの思考に充分合致したインナーウェアと言え、アウターにお洒落着を着たいライダー(使用者M)にぴったりの身装ウェア1である。
本発明の身装ウェア1は、以上のような基本構造を有するものであり、以下、この身装ウェア1を使用者Mが身に付ける装着態様(使用状況)について説明する。
(1)各プロテクタピースの収容
身装ウェア1に各プロテクタピース31が収容されていない場合には、まず各プロテクタピース31をポケット部24に収容する。なお、この収容作業自体は、上記背部プロテクタピース31Sで説明した通りであり、これは各プロテクタピース31において同様であるため、この収容作業については説明を省略する。
(2)身装ウェアの着用
各プロテクタピース31の収容が完了した後、使用者Mが身装ウェア1を着用する。ここで本実施例では身装ウェア1は、インナートップ1Tであるため、アンダーシャツのように上着の着用に先立ち、インナーに着用する。
また、インナートップ1Tを着用したら、各プロテクタピース31が肘などの要保護部位に確実にフィットするように、各プロテクタピース31の位置を微調整するものである。
(3)上着の着用
その後、身装ウェア1たるインナートップ1Tの上から、例えば使用者Mが気に入っているジャンパーなどの上着を着用する。これにより外観上は、プロテクトウェアたる身装ウェア1(インナートップ1T)を着用していることが、第三者からは分からない。そのため、外観上、明確にプロテクトウェアであることを敬遠するライダーでも、例えば躊躇なく種々の店舗に立ち寄ることができる。もちろん、このような服装でモーターサイクルに乗車中、たとえ転倒しても、滑走摩擦による衝撃や擦過傷は、インナートップ1Tによって極力軽減することができるものである。
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず、上述した基本の実施例では、身装ウェア1として上半身着衣タイプのインナートップ1Tを例示したが、身装ウェア1としては、例えば図3に示すように、下半身着衣タイプも想定できる。なお、ここでも下半身着衣タイプの身装ウェア1は、ズボンの下側(インナー)に装着する、いわゆるタイツタイプを例示するものであり、これをインナーボトム1Bと称する。
ここでインナーボトム1Bにおけるスリーブ2は、腰スリーブ2Kと脚スリーブ2Yとを具えて成るものである。
また、プロテクタ3が設けられる要保護部位としては、例えば太もも外側部、腰側部、膝部が挙げられる。もちろん、ここでもスリーブ2とは別体で形成されたプロテクタピース31を、伸縮性を有したストレッチ生地22で形成されたポケット部24に収容する構成を基本とする。
また、このインナーボトム1Bにおいても腰スリーブ2K及び脚スリーブ2Yは、耐切創生地21とストレッチ生地22との双方が配置されて成るものであり、少なくともスリーブ2の径方向において伸縮可能に形成される。因みに、上記図3では、耐切創生地21が、腰スリーブ2K及び脚スリーブ2Yにおいてスリーブ外サイドに配置されている。一方、ストレッチ生地22は、腰スリーブ2K及び脚スリーブ2Yにおいてスリーブ内サイドに配置されている。また、両スリーブ2K・2Yにおける各生地の配置割合は、スリーブ2の周方向で視た場合、耐切創生地21の占める割合が大きくなるように形成される。このため縫製痕23は、脚部(脚スリーブ2Y)のやや内側寄りに位置するものである。
また先に述べた基本の実施例では、一つのスリーブ2の周方向において、耐切創生地21とストレッチ生地22とをつなげるように縫製する構成を基本的に例示した。
このため、基本の実施例では、一つのスリーブ2を周方向に輪切り状態とした場合には、周方向の全体が耐切創生地21またはストレッチ生地22のみで形成される部位は存在しない。しかしながら、部分的には一つのスリーブ2の周方向全体が、例えばストレッチ生地22のみで形成される部位があっても構わないし、耐切創生地21のみで形成される部位があっても構わない。要は、一つのスリーブ2として、全体的に径方向に伸縮できればよいものである。
本発明の身装ウェア1は、上述したようにモーターサイクルに乗車する使用者Mが転倒事故に備えて着用すると効果的であるが、必ずしもモーターサイクルに限定されるものではなく、例えば自転車競技、モーターボート、スキー・スノーボード、衝撃・衝突を伴うスポーツ(ラグビー、アメリカンフットボール、カーレース)、乗馬(騎乗)などにおいても適用できる。更には、このようなスポーツに限らず、例えば警備員等が巡回時に装着する護身用着衣としても適用することができ、この場合には暴漢に襲われた際の衝撃を、できる限り軽減するのに極めて有効である。
1 身装ウェア(プロテクタを具えた身装ウェア)
1T インナートップ
1B インナーボトム
2 スリーブ
2D 胴スリーブ
2S 袖スリーブ
2K 腰スリーブ
2Y 脚スリーブ
21 耐切創生地
22 ストレッチ生地
23 縫製痕
24 ポケット部
25 ファスナー

241 ポケット上部パーツ
242 ポケット下部パーツ
243 オーバーラップ部

251 スライダー
252 引き手
253 収容フラップ

3 プロテクタ
31 プロテクタピース
31K 肩部プロテクタピース
31H 肘部プロテクタピース
31S 背部プロテクタピース
31M 胸部プロテクタピース

M 使用者(装着者)

Claims (5)

  1. 滑走摩擦を伴う衝撃から身体を保護するプロテクタを具えた身装ウェアであって、
    この身装ウェアは、各身体部位を被覆する複数のスリーブを具え、各スリーブは、耐切創生地とストレッチ生地とが配置されて成り、スリーブ全体として径方向に伸縮可能に構成されるものであり、
    且つ前記スリーブには、要保護部位にプロテクタが配されることを特徴とする、プロテクタを具えた身装ウェア。

  2. 前記身装ウェアは、インナートップであり、
    複数のスリーブは、胴スリーブと左右両方の袖スリーブとであり、
    このうち胴スリーブは、このものの背中側を要保護部位としてプロテクタが設けられ、
    一方、両方の袖スリーブは、装着者の肩部から袖口の間を被覆するものであって、且つ関節外側において肘部と肩部とを要保護部位としてプロテクタが設けられることを特徴とする請求項1記載の、プロテクタを具えた身装ウェア。

  3. 前記胴スリーブには、スリーブ内周側に、胸部を保護するプロテクタが、更に配されることを特徴とする請求項2記載の、プロテクタを具えた身装ウェア。

  4. 前記プロテクタは、スリーブとは別体で形成されるプロテクタピースにより構成され、このプロテクタピースは、前記スリーブの内周側において、伸縮可能なストレッチ生地によって形成されたポケット部に、緩保持状態に収容されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の、プロテクタを具えた身装ウェア。

  5. 前記耐切創生地は、HPPE繊維(超高分子量ポリエチレン繊維)であり、
    且つ前記ストレッチ生地は、スパンデックス繊維であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の、プロテクタを具えた身装ウェア。
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