JP2022170865A - 反射型マスクブランク及び反射型マスクの製造方法 - Google Patents

反射型マスクブランク及び反射型マスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱処理を実施した場合でも反射率低下が少なく、高反射率を維持した反射型マスクブランク及び当該反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法を提供する。【解決手段】反射型マスクブランクは、基板10と、前記基板10に設けられ、露光光を反射する多層反射膜20と、前記多層反射膜20に設けられた金属酸化膜51を含む保護膜50と、前記保護膜50に設けられ、露光光を吸収する吸収体膜70と、を有している。前記多層反射膜20が、Mo層22とSi層21とが交互に積層され、前記基板10から最も離間する側の層がSi層21である。前記金属酸化膜50において、前記基板10側と比較し、前記基板10と離間する側の層の酸素含有量が高くなっている。【選択図】図1A

Description

本発明は、半導体デバイス製造等に使用される反射型マスクを製造するための反射型マスクブランク及び反射型マスクの製造方法に関する。
半導体デバイス(半導体装置)の製造工程では、転写用マスクに露光光を照射し、マスクに形成されている回路パターンを、縮小投影光学系を介して半導体基板(半導体ウェハ)上に転写するフォトリソグラフィ技術が繰り返し用いられる。従来、露光光の波長は、フッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ光を用いた193nmが主流となっており、露光プロセスや加工プロセスを複数回組み合わせるマルチパターニングというプロセスを採用することにより、最終的には露光波長より小さい寸法のパターンを形成してきた。
しかし、継続的なデバイスパターンの微細化により、更なる微細パターンの形成が必要とされてきていることから、露光光としてArFエキシマレーザ光よりさらに波長の短い極端紫外(Extreme Ultraviolet:以下「EUV」と称す。)光を用いたEUVリソグラフィ技術が用いられるようになってきた。EUV光とは、波長が0.2~100nm程度の光であり、より具体的には、波長が13.5nm付近の光である。このEUV光は物質に対する透過性が極めて低く、従来の透過型の投影光学系やマスクが使えないことから、反射型の光学素子が用いられる。そのため、パターン転写用のマスクも反射型マスクが提案されている。
反射型マスクは、基板上にEUV光を反射する多層反射膜が形成され、多層反射膜の上にEUV光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成されたものである。一方、吸収体膜にパターニングする前の状態のもの(レジスト膜が形成された状態を含む。)が、反射型マスクブランクと呼ばれ、これが反射型マスクの素材として用いられる(以下、EUV光を反射させる反射型マスクブランクをEUVマスクブランクとも称す。)。EUVマスクブランクは、ガラス製の基板上に形成するEUV光を反射する多層反射膜と、その上に形成されたEUV光を吸収する吸収体膜とを含むことを基本とする構造を有する。多層反射層としては、通常、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層とを交互に積層することでEUV光の反射率を確保するMo/Si多層反射膜が用いられる。一方、吸収体膜としては、EUV光に対して消衰係数の値が比較的大きいタンタル(Ta)を主成分とする材料が用いられる。
多層反射膜と吸収体膜との間には、多層反射膜を保護するための保護膜が形成される。この保護膜は、吸収体膜にパターンを形成することを目的に実施されるエッチングや、パターン形成後に欠陥が検出された際のパターン修正加工、さらには、マスクパターン形成後にマスクの洗浄等によって、多層反射膜がダメージを受けることがないように、多層反射膜を保護することを目的としたものである。この保護膜としては、特開2002-122981号公報(特許文献1)に開示されているように、ルテニウム(Ru)が用いられる。
特開2002-122981号公報
反射型マスクブランクは、最表層がSiとなるMo層とSi層とを交互に積層した多層反射膜(多層周期膜)上にRuを主成分とする保護膜を形成し、その後のプロセスを安定させるために120~200℃の温度帯で熱処理を施すのが一般的である。
しかし、Ruを含んだ保護膜と、Siを表層とする多層反射膜の組み合わせでは、熱処理によりRuSi拡散層が形成されて反射率が大幅に低下する傾向が見られる。Ru膜とSi膜の界面は熱処理による拡散層の形成を防止するため、Ru膜とSi膜の間にバッファ層としてMo膜等を形成する構成も考えられているが、保護膜は膜厚が薄いため酸素を透過し易く、バッファ層自体が酸化され、そのことが原因で反射率が大きく低下する場合がある。保護膜をあらかじめ酸素含有量の高い金属酸化膜とすれば、熱処理による反射率変動を低く抑えることができる一方で、積層させる際に多層反射膜の表層を必要以上に酸化させる恐れがあり、反射率が大幅に下がってしまう場合がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、熱処理を実施した場合でも反射率低下が少なく、高反射率を維持した反射型マスクブランク及び当該反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法を提供する。
本発明による反射型マスクブランクは、
基板と、
前記基板に設けられ、露光光を反射する多層反射膜と、
前記多層反射膜に設けられた金属酸化膜を含む保護膜と、
前記保護膜に設けられ、露光光を吸収する吸収体膜と
を備え、
前記多層反射膜が、Mo層とSi層とが交互に積層され、前記基板から最も離間する側の層がSi層であり、
前記金属酸化膜において、前記基板側と比較し、前記基板と離間する側の層の酸素含有量が高くなってもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記金属酸化膜に含まれる金属は、13.53nmの波長を有するEUV光の消衰係数kが0.02未満の金属からなってもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記保護膜は、前記吸収体膜の加工の際のエッチングストッパとして機能してもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記金属酸化膜がZr、Nb、Ti及びYのいずれか1つ以上の元素を含んでもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記金属酸化膜の基板と離間する側の層の酸素含有量は、120℃から200℃の熱処理で変化しなくてもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記金属酸化膜の厚さは0.5nm以上3.5nm未満であってもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記金属酸化膜は多層構造を有し、
前記基板側に位置する第一層と比較し、前記基板と離間する側に位置する第二層における酸素含有量が高くなってもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記金属酸化膜の酸素含有量は、前記基板から離間するにつれて連続的に増加してもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記多層反射膜のうち基板から最も離間する側のSi層は、前記金属酸化膜側に酸素以外の軽元素を含んでもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記多層反射膜のうち基板から最も離間する側のSi層と前記金属酸化膜との間に、前記金属酸化膜側に酸素以外の軽元素を含む酸化抑制層を備え、
前記酸化抑制層の厚さは0.2nm以上3nm以下であってもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
前記軽元素が窒素、炭素及びホウ素のいずれか1つ以上であってもよい。
本発明による反射型マスクブランクにおいて、
120~200℃の熱処理前における13.53nmの波長を有するEUV光に対する第一反射率と、120~200℃の熱処理後における13.53nmの波長を有するEUV光に対する第二反射率とを比較した場合、第二反射率の第一反射率に対する変化は0.5%以下であってもよい。
本発明による反射型マスクの製造方法では、
上記に記載の反射型マスクブランクを用いて反射型マスクを製造してもよい。
本発明の一態様によれば、熱処理を実施した場合でも反射率低下が少なく、高反射率を維持した反射型マスクブランクを実現できる。
本発明の実施の形態による反射型マスクブランクの一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態による反射型マスクブランクの別の例を示す断面図である。 本発明の実施の形態による、SiN含有層を有する反射型マスクブランクの例を示す断面図である。 本発明の実施の形態で用いられる多層構造からなる保護膜の一例を示した断面図である。 本発明の実施の形態で用いられる多層構造からなる保護膜の別の例を示した断面図である。 本発明の実施の形態で用いられる保護膜の一例における酸素含有量を示した断面図である。 本発明の実施の形態で用いられる保護膜の別の例における酸素含有量を示した断面図である。 本発明の実施の形態による、酸化抑制層、ハードマスク膜、反射率低減層及び導電膜を有する反射型マスクブランクの例を示す断面図である。 本発明の実施の形態による、酸化抑制層、バッファ層、ハードマスク膜及び導電膜を有する反射型マスクブランクの例を示す断面図である。 本発明の実施の形態による、レジスト膜を有する反射型マスクブランクの例を示す断面図である。 本発明の実施の形態による反射型マスクの一例を示す断面図である。
以下、本発明について説明する。
図1A及び図1Bに示すように、本実施の形態によるEUVマスクブランクは、ガラス等からなる基板10と、基板10上(一の主表面上、本態様ではおもて面上)に形成された露光光を反射する多層反射膜20、具体的には、EUV光を反射する多層反射膜20と、を有する。多層反射膜20は、基板10の一の主表面に接して設けてよい。EUV光を露光光とするEUVリソグラフィに用いられるEUV光の波長は13~14nmであり、通常、波長が13.5nm程度(例えば13.4~13.6nm)の光である。
基板10は、EUV光露光用として、低熱膨張特性を有するものであることが好ましく、例えば、熱膨張係数が、±2×10-8/℃以内、好ましくは±5×10-9/℃の範囲内の材料で形成されているものが好ましい。また、基板10は、表面が十分に平坦化されているものを用いることが好ましく、基板10の主表面の表面粗さは、RMS値で0.5nm以下、特に0.2nm以下であることが好ましい。このような表面粗さは、基板10の研磨等により得ることができる。
多層反射膜20は、低屈折率材料と高屈折率材料とを交互に積層させた多層膜であり、露光光であるEUV光を反射する膜である。本実施の形態において、多層反射膜20は、Si(ケイ素)層21とMo(モリブデン)層22とが交互に積層された多層で構成されたSi/Mo積層部25を有する。このSi/Mo積層部25には、EUV光に対して相対的に高い屈折率を有する材料であるSiの層(Si層21)と、EUV光に対して相対的に低い屈折率を有する材料であるMoの層(Mo層22)とを、周期的に積層したものが用いられる。ここで、Si層21及びMo層22は、各々、ケイ素単体及びモリブデン単体で形成されている層であってもよいし、その他の成分を10パーセント未満で含有してもよい。Si層21及びMo層22の積層数は、例えば40周期以上(各々40層以上)であることが好ましく、また、60周期以下(各々60層以下)であることが好ましい。Si/Mo積層部25のSi層21及びMo層22の厚さは、露光波長に応じて適宜設定され、Si層21の厚さは5nm以下であることが好ましく、Mo層22の厚さは4nm以下であることが好ましい。Si層21の厚さの下限は、特に限定されるものではないが、通常1nm以上である。Mo層22の厚さの下限は、特に限定されるものではないが、通常1nm以上である。Si層21及びMo層22の厚さは、EUV光に対して高い反射率が得られるように設定すればよい。また、Si層21及びMo層22の厚さの各々の厚さは、一定であっても、個々の層において異なっていてもよい。Si/Mo積層部25の全体の厚さは、通常250~450nm程度である。
本願の発明者らは、保護膜50において、多層反射膜20から離間する側の酸素含有量を多くすることで、膜の酸化を防止し、さらに多層反射膜20の表層Siと接する層は酸素含有量を低くすることで、多層反射膜20が熱によって酸化することを防止することができ、多層反射膜20を形成した後に120~200℃の熱処理を実施した場合でも反射率低下が少なく、高反射率を維持した反射型マスクブランクを作成できることを見出し、本発明をなすに至った。なお、保護膜50がZr、Nb、Ti、Y等のEUV光(13.53nm)の消衰係数kが0.02以下の金属酸化膜51からなることが特に好ましいことも確認できた。
本実施の形態において、Si/Mo積層部25は、Si層21とMo層22との間のいずれか1以上に、SiとNとを含有する層がSi層21とMo層22との双方に接して形成されていてもよい。SiとNとを含有する層は、酸素を含まないことが好ましい。SiとNとを含有する層として具体的には、SiN(ここで、SiNは構成元素がSi及びNのみからなることを意味する。)層(SiN含有層26)が好適である(図2参照)。SiとNとを含有する層のNの含有率は、1原子%以上、特に5原子%以上であることが好ましく、また、60原子%以下、特に57原子%以下であることが好ましい。また、SiとNを含有する層の厚さは2nm以下であることが好ましく、1nm以下であることがより好ましい。SiとNを含有する層の厚さの下限は、特に限定されるものではないが、0.1nm以上であることが好ましい。
本実施の形態では、多層反射膜20の基板10から最も離間する側の層がSi層21となっている。当該Si層21に設けられる保護膜50が、EUV光(13.53nm)の消衰係数kが0.02未満の金属からなる金属酸化膜51であってもよい。保護膜に消衰係数kが0.02未満の金属を用いることで保護膜形成による反射率の低減を抑えることができる。また保護膜50は金属酸化膜51以外の膜(例えば金属膜や樹脂膜)を含んでもよい。そして、金属酸化膜51において、酸素含有量は異なってもよい。金属酸化膜51において、基板10側と比較し、基板10と離間する側の層の酸素含有量が高くなってもよい。金属酸化膜51はZr、Nb、Ti及びYのいずれか1つ以上の元素を含んでもよい。このような態様を採用することで、高い反射率が得られ、基板10と離間する側の吸収体膜70のエッチング時におけるエッチング速度をより低下させることができる。このため、保護膜50は吸収体膜70の加工の際のエッチングストッパとして機能する。
金属酸化膜51の基板10と離間する側の層(典型的には基板10から最も離間したSi層21である最離間Si層21a)の酸素含有量は、120℃から200℃の熱処理を加えた場合であっても酸素含有量に変化のない安定した層、特に酸素飽和な状態が望ましい。ここで120℃から200℃の熱処理を加えた場合であっても酸素含有量に変化のないというのは、120℃から200℃の熱処理を加える前(第1状態)と120℃から200℃の熱処理を加えた後(第2状態)とを比較した場合に、第2状態における酸素含有量は第1状態における酸素含有量の95原子%以上の含有量となっていることを意味している。多層反射膜20との界面付近に酸素不飽和な層を設けた場合には、基板熱処理後の反射率変動が少なく、かつ高反射率を維持した膜の作成が可能となる。このような酸化層の厚さは0.5nm以上、特に1nm以上で、3.5nm未満、特に3nm以下、さらには2nm以下であることが好ましい。
図3A及び図3Bに示すように、保護膜50は多層構造を有してもよく、複数の金属酸化層55が積層されて形成されてもよい。そして、基板10側に位置するある金属酸化層55と比較し、基板10と離間する側に位置する別の金属酸化層55における酸素含有量が高くなってもよい。例えば、基板10側に位置する金属酸化層55における酸素含有量は、基板10と離間する側に位置する金属酸化層55における酸素含有量以下となっている。一例としては、少なくとも1つの基板10側に位置するある金属酸化層(第一金属酸化層)55と比較して、基板10と離間する側に位置する別の金属酸化層(第二金属酸化層)55における酸素含有量が高くなっている。
また、保護膜50の酸素含有量は、基板10から離間するにつれて連続的に増加してもよい(図4参照)。また、金属酸化層55内に含まれる酸素含有量が段階的に基板10から離間するにつれて増加するようにしてもよい(図5参照)。なお、金属酸化層55内に含まれる酸素含有量が段階的に基板10から離間するにつれて増加する態様の一例として、図3Aのように保護膜50が多層構造からなる態様を採用してもよい。その増加幅は1原子%~10原子%単位で増加するようにしてもよい。また、図3Bに示すように、保護膜50が2層だけ設けられ、基板10側に位置する保護膜50と比較して、板10と離間する側に位置する保護膜50での酸素含有量が高くなるようにしてもよい。保護膜50における酸素含有量の差分は15原子%~50原子%程度であってもよい。つまり、最も基板10側での保護膜50の酸素含有量をAとし、基板10から最も離間した側での保護膜50の酸素含有量をBとした場合、A×1.15≦B≦A×1.5となってもよい。
また、多層反射膜20のうち基板10から最も離間する側のSi層21(最離間Si層21a)は、金属酸化層55側に酸素以外の軽元素を含んでもよい。また、多層反射膜20のうち基板10から最も離間する側のSi層21(最離間Si層21a)と保護膜50との間に、金属酸化層55側に酸素以外の軽元素を含む酸化抑制層60が設けられてもよい(図6参照)。軽元素は、窒素、炭素、ホウ素等であり、酸素以外の軽元素であってよい。このような態様を採用することで、金属酸化膜51等からなる保護膜50の成膜時等において表層のSiの酸化を低減させることができ、高反射率の維持が可能となる。酸化抑制層60の厚さは0.2nm以上3nm以下であることが好ましい。なお、本実施の形態における軽元素とは酸素以下の重さからなる元素を意味している。また、離間Si層21aと保護膜50との間に、酸化抑制層60とSiN含有層26等のバッファ層140の両方が設けられてもよい(図2及び図7参照)。
基板10上の多層反射膜20及び保護膜50の積層体において、120~200℃の熱処理前におけるEUV光(13.53nm)に対する第一反射率と、120~200℃の熱処理後におけるEUV光(13.53nm)に対する第二反射率とを比較した場合、第二反射率の第一反射率に対する変化は0.5%以下であってもよい。
本実施の形態の反射型マスクブランクを用いて図9に示すような反射型マスクを製造することができ、本実施の形態では反射型マスクの製造方法も提供される。
Si/Mo積層部25の形成方法としては、ターゲットに電力を供給し、供給した電力で雰囲気ガスをプラズマ化(イオン化)して、スパッタリングを行うスパッタ法や、イオンビームをターゲットに照射するイオンビームスパッタ法が挙げられる。スパッタ法としては、ターゲットに直流電圧を印加するDCスパッタ法、ターゲットに高周波電圧を印加するRFスパッタ法がある。スパッタ法とはスパッタガスをチャンバーに導入した状態でターゲットに電圧を印加し、ガスをイオン化し、ガスイオンによるスパッタリング現象を利用した成膜方法で、特にマグネトロンスパッタ法は生産性において有利である。ターゲットに印加する電力はDCでもRFでもよく、また、DCには、ターゲットのチャージアップを防ぐために、ターゲットに印加する負バイアスを短時間反転するパルススパッタリングも含まれる。
Si/Mo積層部25は、例えば、複数のターゲットを装着できるスパッタ装置を用いてスパッタ法により形成することができ、具体的には、Si層21を形成するためのケイ素(Si)ターゲットと、Mo層22を形成するためのモリブデン(Mo)ターゲット)とを用い、スパッタガスとして、Si層21及びMo層22を形成する場合は、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスを用いて、SiターゲットとMoターゲットとを順次スパッタリングすることにより、Si層21及びMo層22を順次形成することができる。
金属酸化層55は、例えば、多層反射膜20と同様、イオンビームスパッタ、またはマグネトロンスパッタで成膜することができる。ターゲットを保護膜50に用いる金属材料を用い、スパッタガスとして、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスと、必要に応じて、酸素含有ガス、窒素含有ガス、炭素含有ガス等の反応性ガスとを用いて、スパッタリングすることにより形成することができる。
本実施の形態のEUVマスクブランクは保護膜50上に形成された露光光を吸収する吸収体膜70を有してもよい。より具体的には、EUV光を吸収し、反射率を低下させる吸収体膜70が設けられてもよい。吸収体膜70は、金属酸化層55に接して設けられることが好ましい。基板10の一の主表面と反対側の面である他の主表面(裏面)、好ましくは他の主表面に接して、EUVマスクを露光装置に静電チャックするために用いる導電膜120を設けてもよい。なお、本実施の形態において、基板10の一の主表面をおもて面かつ上側とし、他の主表面を裏面かつ下側としているが、両者の表裏及び上下は便宜上定めたものである。一の主表面と他の主表面とは、基板10における2つの主表面(膜形成面)のいずれかであり、表裏及び上下は置換可能である。
前述したように、最離間Si層21aと保護膜50との間に下地膜であるバッファ層140が設けられてもよい(図7参照)。なお、SiN含有層26がSi/Mo積層部25の最離間Si層21aと保護膜50(金属酸化膜51)との間に設けられる場合には、当該SiN含有層26がバッファ層として機能してもよい(図2参照)。また、バッファ層140はRu等酸化しにくい金属、あるいはC、B4C等からなってもよい。
EUVマスクブランク(EUV露光用マスクブランク)からは、吸収体膜70をパターニングして形成される吸収体パターン(吸収体膜70のパターン)を有するEUVマスク(EUV露光用マスク)が製造される(図9参照)。EUVマスクブランク及びEUVマスクは、反射型マスクブランク及び反射型マスクである。
吸収体膜70は、多層反射膜20の上に形成され、露光光であるEUV光を吸収して、露光光の反射率を低減する膜である。EUVマスクにおいては、吸収体膜70が形成されている部分と、吸収体膜70が形成されていない部分との反射率の差によって、転写パターンを形成する。
吸収体膜70の材料としては、EUV光を吸収し、パターン加工が可能な材料であれば、制限はない。吸収体膜70の材料としては、例えば、タンタル(Ta)又はクロム(Cr)を含有する材料が挙げられる。また、Ta又はCrを含有する材料は、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)等を含有していてもよい。Taを含有する材料としては、Ta単体、TaO、TaN、TaON、TaC、TaCN、TaCO、TaCON、TaB、TaOB、TaNB、TaONB、TaCB、TaCNB、TaCOB、TaCONB等のタンタル化合物が挙げられる。Crを含有する材料として具体的には、Cr単体、CrO、CrN、CrON、CrC、CrCN、CrCO、CrCON、CrB、CrOB、CrNB、CrONB、CrCB、CrCNB、CrCOB、CrCONB等のクロム化合物が挙げられる。
吸収体膜70は、スパッタリングで形成することができ、スパッタリングは、マグネトロンスパッタが好ましい。具体的には、クロム(Cr)ターゲット、タンタル(Ta)ターゲット等の金属ターゲットや、クロム化合物ターゲット、タンタル化合物ターゲット等の金属化合物ターゲット(Cr、Ta等の金属と、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)等とを含有するターゲット)等を用いることができる。また、スパッタガスとして、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスを用いることもできるし、また、希ガスと共に、酸素含有ガス、窒素含有ガス、炭素含有ガス等の反応性ガスとを用いた反応性スパッタリングにより形成することもできる。
吸収体膜70上の基板10から離間する側には、好ましくは吸収体膜70と接して、吸収体膜70とはエッチング特性が異なるハードマスク膜110(吸収体膜70のエッチングマスク膜)を設けてもよい(図6及び図7参照)。このハードマスク膜110は、吸収体膜70をドライエッチングする際のエッチングマスクとして機能する膜である。このハードマスク膜110は、吸収体パターンを形成した後には、例えばパターン検査等の検査で用いる光の波長における反射率を低減するための反射率低減層として残して吸収体膜70の一部としてもよいし、取り除いてEUVマスク上には残存させないようにしてもよい。ハードマスク膜110の材料としては、クロム(Cr)を含有する材料が挙げられる。Crを含有する材料で形成されているハードマスク膜110は、特に、吸収体膜70が、Taを含有し、Crを含有しない材料で形成されている場合に好適である。吸収体膜70の上に、パターン検査等の検査で用いる光の波長における反射率を低減する機能を主に担う層(反射率低減層)160を形成することもでき(図6参照)、この場合、ハードマスク膜110は反射率低減層160の上に形成することができる。ハードマスク膜110は、例えば、マグネトロンスパッタ法により形成することができる。ハードマスク膜110の膜厚は、特に制限はないが、通常5~20nm程度である。
裏面側に設けられる導電膜120は、シート抵抗が100Ω/□以下であることが好ましく、材質に特に制限はない。導電膜120の材料としては、例えば、タンタル(Ta)又はクロム(Cr)を含有する材料が挙げられる。また、Ta又はCrを含有する材料は、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)等を含有していてもよい。Taを含有する材料としては、Ta単体、TaO、TaN、TaON、TaC、TaCN、TaCO、TaCON、TaB、TaOB、TaNB、TaONB、TaCB、TaCNB、TaCOB、TaCONB等のタンタル化合物が挙げられる。Crを含有する材料として具体的には、Cr単体、CrO、CrN、CrON、CrC、CrCN、CrCO、CrCON、CrB、CrOB、CrNB、CrONB、CrCB、CrCNB、CrCOB、CrCONB等のクロム化合物が挙げられる。
導電膜120の膜厚は、静電チャック用として機能すればよく、特に制限はないが、通常5~100nm程度である。導電膜120の膜厚は、EUVマスクとして形成した後、即ち、吸収体パターンを形成した後に、多層反射膜20及び吸収体パターンと、膜応力がバランスするように形成することが好ましい。導電膜120は、多層反射膜20を形成する前に形成しても、基板10の多層反射膜20側の全ての膜を形成した後に形成してもよく、また、基板10の多層反射膜20側の一部の膜を形成した後、導電膜120を形成し、その後、基板10の多層反射膜20側の残部の膜を形成してもよい。導電膜120は、例えば、マグネトロンスパッタ法により形成することができる。
さらに、EUVマスクブランクは、基板10から最も離間する側に、レジスト膜170が形成されたものであってもよい(図8参照)。レジスト膜170は、電子線(EB)レジストが好ましい。ハードマスク膜110及び反射率低減層160(図6参照)の上にレジスト膜170を形成してもよい。
上記反射型マスクブランクを用い、レジスト膜170に、通常の電子線リソグラフィを用いてパターン描画とレジストパターン形成を行ない、レジストパターンをエッチングマスクとして、その下の吸収体膜70をエッチング除去すると、エッチング除去部と、吸収膜パターンとレジストパターンとからなる吸収体パターン部が形成される。その後、残ったレジスト膜パターンを除去すれば基本構造を有する反射型マスクが得られる(図9参照)。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
152mm角、6.35mm厚の石英ガラスからなる基板10に、モリブデン(Mo)ターゲットとケイ素(Si)ターゲットを用い、両ターゲットと基板10の主表面とを対向させ、基板10を自転させながら、DCパルスマグネトロンスパッタリングにより、多層反射膜20を成膜した。ターゲットを2つ装着でき、ターゲットを片方ずつ又は両方同時に放電することができるスパッタ装置に、各々のターゲットを装着し、基板10を設置した。まず、チャンバー内にアルゴン(Ar)ガスを流しながらケイ素(Si)ターゲットに電力を印加し、厚さ4nmのケイ素(Si)層を形成し、ケイ素(Si)ターゲットへの電力の印加を停止した。次に、チャンバー内にアルゴン(Ar)ガスを流しながら、モリブデン(Mo)ターゲットに電力を印加し、厚さ3nmのモリブテン(Mo)層を形成し、モリブデン(Mo)ターゲットへの電力の印加を停止した。これらケイ素(Si)層とモリブデン(Mo)層とを形成する操作を1サイクルとし、これを40サイクル繰り返して、40サイクル目のモリブデン(Mo)層を形成した後、最後に、上記の方法でケイ素(Si)層を3.5nm形成した後、さらにチャンバーに窒素(N)ガスを流し0.5nm程度の窒化ケイ素を形成して多層反射膜20とした。
次に、多層反射膜20の上に、ジルコニウム(Zr)ターゲットとニオブ(Nb)ターゲットを用い、両ターゲットと基板10の主表面とを対向させ、基板10を自転させながら、DCパルスマグネトロンスパッタリングにより、多層反射膜20に接する金属酸化層55を成膜した。多層反射膜20の成膜後に、大気中に取り出すことなく、多層反射膜20を成膜したスパッタ装置から、真空状態を維持した搬送路を経由して、多層反射膜20を成膜した基板10を設置した。ターゲットを2つ装着でき、ターゲットを片方ずつ又は両方同時に放電することができる別のスパッタ装置に、各々のターゲットを装着し、多層反射膜20を成膜した基板10を設置した。まず、チャンバー内にアルゴン(Ar)ガスを15sccmと酸素(O2)ガスを20sccm流しながらジルコニウム(Zr)ターゲットとニオブ(Nb)ターゲットに同時に各々500W電力を印加し、厚さ0.5nmのZrOとNbOとからなる層を形成し、その後ターゲットへの印可電力はそのままにして、アルゴン(Ar)ガスを12sccmと酸素(O2)ガスを50sccmに変更して、厚さ1.5nmのZrOとNbOとからなる酸素含有量の高い層を形成し金属酸化層55とした。
この保護膜50の組成は、
多層反射膜20に接する層は
ジルコニウム(Zr)が 32 原子%、
ニオブ(Nb)が 23 原子%、
酸素(O)が 45 原子%であった。
多層反射膜20から最も離間した層(酸素含有量の高い層)は、
ジルコニウム(Zr)が 25.5 原子%、
ニオブ(Nb)が 18.5 原子%、
酸素(O)が 56 原子%であった。
基板10上の多層反射膜20、保護膜50及びバッファ層であるSiN層26について、入射角6°のEUV光(波長13~14nm)に対する反射率を、euv tech.社のEUVマスク全自動反射率計LPR-1016(以下の反射率測定において同じ。)で測定したところ、65.0%であった。
また、基板10上の多層反射膜20、保護膜50及びバッファ層であるSiN層26に対して、ホットプレート方式の加熱装置で、大気雰囲気中、200℃、15分間の熱処理を施した後の、入射角6°のEUV光に対する反射率を測定したところ、65.2%であり、熱処理前後の反射率の差は0.2%であり、熱処理のよる反射率の低下は見られず、むしろ反射率は向上した。
次に、熱処理前後の多層反射膜20及び保護膜50の組成を、XPSで確認したところ金属酸化層55及び多層反射膜20の酸素含有量は変化していなかった。
[比較実験例1]
表層のSiN層26をSi層21とした(つまりSiN層26を設けなかった)以外は実験例1と同様の方法で多層反射膜20を形成した。次に実施例1と同様の方法で、チャンバー内にアルゴン(Ar)ガスを12sccmと酸素(O2)ガスを50sccm流しながらジルコニウム(Zr)ターゲットとニオブ(Nb)ターゲットに同時に各々500W電力を印加し、厚さ2.0nmのZrOとNbOとからなる実施例1と同様の酸素含有量の高い層を形成し、多層膜との間に酸素含有量の低い層は設けなかった。
基板10上の多層反射膜20及び保護膜50について、入射角6°のEUV光(波長13~14nm)に対する反射率を、euv tech.社のEUVマスク全自動反射率計LPR-1016(以下の反射率測定において同じ。)で測定したところ、63.8%であった。
また、基板10上の多層反射膜20及び保護膜50(バッファ層及び金属酸化層55)に対して、ホットプレート方式の加熱装置で、大気雰囲気中、200℃、15分間の熱処理を施した後の、入射角6°のEUV光に対する反射率を測定したところ、63.8%であり、熱処理前後の反射率の差は0.0%であり、熱処理のよる反射率の低下は見られなかった。
次に、熱処理前後の多層反射膜20及び保護膜50の組成を、XPSで確認したところ金属酸化層55及び多層反射膜20の内部での酸素含有量は変化していなかったが、実施例1と比較して、多層反射膜20のおもて面に設けられたSi層21の酸素含有量は35原子%と高くなっていたことから、このことが原因で反射率低下してしまう点で不都合が生じ得る。
[比較例1]
表層のSiN層をSi層21とした(つまりSiN層26を設けなかった)以外は実験例1と同様の方法で多層反射膜20を形成した。次に、多層反射膜20上に、ルテニウム(Ru)ターゲットを用い、基板10を自転させながら、DCパルスマグネトロンスパッタリングにより、多層反射膜20に接する保護膜を成膜した。多層反射膜20の成膜後に、大気中に取り出すことなく、多層反射膜20を成膜したスパッタ装置から、真空状態を維持した搬送路を経由して、多層反射膜20を成膜した基板10を設置した。チャンバー内にアルゴン(Ar)ガスを流しながらRuターゲットに電力を印加し、厚さ2.0nmのRu層を形成して、保護膜50とした。
基板10上の多層反射膜20及び保護膜50について、入射角6°のEUV光(波長13~14nm)に対する反射率を測定したところ、65.3%であった。
また、基板10上の多層反射膜20及び保護膜50に対して、ホットプレート方式の加熱装置で、大気雰囲気中、200℃、15分間の熱処理を施した後の、入射角6°のEUV光に対する反射率を測定したところ、59.4%であり、熱処理前後の反射率の差は5.9%であった。
次に、熱処理前後の多層反射膜20及び保護膜50の組成を、XPSで確認したところRuとSiの拡散層が形成されていたのに加え、多層反射膜20の表層の酸化が進行していた。
[比較例2]
表層のSiN層の代わりにてMo層22を0.5nm形成した以外は、実験例1と同様の方法で多層反射膜20を形成した。この場合、Mo層22は多層反射膜20を構成しており、多層反射膜20の最表面にMo層22が設けられることになる。次に、多層反射膜20上に、ルテニウム(Ru)ターゲットを用い、基板10を自転させながら、DCパルスマグネトロンスパッタリングにより、多層反射膜20に接する保護膜を成膜した。多層反射膜20の成膜後に、大気中に取り出すことなく、多層反射膜20を成膜したスパッタ装置から、真空状態を維持した搬送路を経由して、多層反射膜20を成膜した基板10を設置した。チャンバー内にアルゴン(Ar)ガスを流しながらRuターゲットに電力を印加し、厚さ2.5nmのRu層を形成して、保護膜50とした。
基板10上の多層反射膜20及び保護膜50について、入射角6°のEUV光(波長13~14nm)に対する反射率を測定したところ、65.4%であった。
また、基板10上の多層反射膜20及び保護膜50に対して、ホットプレート方式の加熱装置で、大気雰囲気中、200℃、15分間の熱処理を施した後の、入射角6°のEUV光に対する反射率を測定したところ、62.9%であり、熱処理前後の反射率の差は2.5%であった。
次に、熱処理前後の多層反射膜20及び保護膜50の組成を、XPSで確認したところ、Mo層22により、RuとSiの拡散層の形成は抑えられていたが、Mo層22の酸化が進行していた。
[比較例3]
比較例2と同様に多層反射膜20を形成した。前述したとおり、この場合には、多層反射膜20の最表面にはMo層22が設けられることになる。次に比較実験例1と同様に厚さ2.0nmのZrOとNbOとからなる実施例1と同様の酸素含有量の高い層を形成した。
基板10上の多層反射膜20及び保護膜50について、入射角6°のEUV光(波長13~14nm)に対する反射率を測定したところ、57.2%であった。また、基板10上の多層反射膜20及び保護膜50に対して、ホットプレート方式の加熱装置で、大気雰囲気中、200℃、15分間の熱処理を施した後の、入射角6°のEUV光に対する反射率を測定したところ、56.8%であり、熱処理前後の反射率の差は0.4%であった。
酸素含有量の異なる金属酸化膜51を設けた上でMo層を最表面に設けた比較例3でも熱処理した後の反射率の低下を小さくできてはいるが、反射率の絶対値は小さな値になってしまっている。他方、実施例1では、酸素含有量の異なる金属酸化膜51を設けた場合であっても、Mo層ではなくSi層を最表面に配置することで、熱処理した後の反射率の低下を小さくしつつ、高い反射率を実現できる点で非常に有益である。
10 基板
20 多層反射膜
25 Si/Mo積層部
50 保護膜
51 金属酸化膜
55 金属酸化層
70 吸収体膜

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板に設けられ、露光光を反射する多層反射膜と、
    前記多層反射膜に設けられた金属酸化膜を含む保護膜と、
    前記保護膜に設けられ、露光光を吸収する吸収体膜と
    を備え、
    前記多層反射膜が、Mo層とSi層とが交互に積層され、前記基板から最も離間する側の層がSi層であり、
    前記金属酸化膜において、前記基板側と比較し、前記基板と離間する側の層の酸素含有量が高くなっていることを特徴とする反射型マスクブランク。
  2. 前記金属酸化膜に含まれる金属は、13.53nmの波長を有するEUV光の消衰係数kが0.02未満の金属からなることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランク。
  3. 前記保護膜は、前記吸収体膜の加工の際のエッチングストッパとして機能することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
  4. 前記金属酸化膜がZr、Nb、Ti及びYのいずれか1つ以上の元素を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  5. 前記金属酸化膜の基板と離間する側の層の酸素含有量は、120℃から200℃の熱処理で変化しないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  6. 前記金属酸化膜の厚さは0.5nm以上3.5nm未満であることを特徴とする請求項1及至5のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  7. 前記金属酸化膜は多層構造を有し、
    前記基板側に位置する第一層と比較し、前記基板と離間する側に位置する第二層における酸素含有量が高くなることを特徴とする請求項1及至6のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  8. 前記金属酸化膜の酸素含有量は、前記基板から離間するにつれて連続的に増加することを特徴とする請求項1及至7のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  9. 前記多層反射膜のうち基板から最も離間する側のSi層は、前記金属酸化膜側に酸素以外の軽元素を含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  10. 前記多層反射膜のうち基板から最も離間する側のSi層と前記金属酸化膜との間に、前記金属酸化膜側に酸素以外の軽元素を含む酸化抑制層を備え、
    前記酸化抑制層の厚さは0.2nm以上3nm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  11. 前記軽元素が窒素、炭素及びホウ素のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項9又は10のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  12. 120~200℃の熱処理前における13.53nmの波長を有するEUV光に対する第一反射率と、120~200℃の熱処理後における13.53nmの波長を有するEUV光に対する第二反射率とを比較した場合、第二反射率の第一反射率に対する変化は0.5%以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の反射型マスクブランクを用いて反射型マスクを製造する反射型マスクの製造方法。
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