JP2022169837A - 圧縮空気圧回路システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エアコンプレッサの後段に遠心分離作用による気水分離器を備えることで、圧縮空気中の水分を分離及び除去する圧縮空気圧回路システムを提供する。【解決手段】エアコンプレッサから吐出された圧縮空気に含まれる水分を分離及び除去可能な圧縮空気圧回路の構成であって、エアコンプレッサの後段に接続される気水分離器と、気水分離器の後段に接続されるフィルタ部により構成されている。前記気水分離器は、サイクロン式遠心分離器から成り、また、前記フィルタ部は、塵埃を吸着・除去するエアフィルタと、油分の吸着・除去が可能なミストフィルタと、臭気や油の粒子を吸着・除去が可能な活性炭フィルタと、から選択される一乃至複数のフィルタで構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮空気圧回路システムに関し、詳しくは、圧縮空気が空気圧縮機により生成されてから気水分離器並びにフィルタを介して最終的に吐出されるまでの圧縮空気の空気圧回路の構成に関するものである。
従来、空気圧縮機により生成された圧縮空気は、食品加工やレンズなど精密機器の仕上げ加工、清掃等の末端において用いられている。かかる圧縮空気の用途によっては、水分の持ち出しが厳禁であることから、圧縮空気圧回路の構成は、空気圧回路の中間において冷凍式エアドライヤを介する構成が採られており、さらに冷凍式エアドライヤの後段において除去しきれなかった水分や油分、スラッジや微生物を除去すべく、樹脂製若しくは紙製で網状乃至中空糸膜状のエアフィルタ、若しくは、活性炭を包んだエアフィルタを配設する態様が採られている。
また、圧縮空気圧回路の構成中には、圧縮空気中に含まれる塵埃や油分等を分離・除去すべく、各種フィルタが装備される態様が一般的である。これら各種フィルタ内に水分が流入し浸水すると、圧縮空気の通過に抵抗をもたらし、圧縮空気の圧力降下やフィルタの機能低下、それを補うための必要電力の増大に繋がることから、フィルタの前段において圧縮空気中の水分を除去することが重要であり、その意味でも冷凍式エアドライヤを介する構成が採られている。
前記冷凍式エアドライヤは、圧縮空気の温度を意図的に低温にすることにより、圧縮空気に含まれる水蒸気の露化を促す機器である。すなわち、冷凍式エアドライヤは、圧縮空気における飽和水蒸気量を減少させる機器、換言すれば、圧縮空気の露点を下げるための機器である。
しかしながら、上記従来の圧縮空気圧回路の構成によると、空気圧縮機が吐出する熱を帯びた圧縮空気が冷凍式エアドライヤに至るまでの配管路で冷却された場合に、加圧下飽和水蒸気量も下がるために配管路内で凝固水が発生し、水分が圧縮空気と共に冷凍式エアドライヤ内に入り込んでしまうことで、該冷凍式エアドライヤは水分をも冷却・除湿することとなって、その分だけ熱交換効率を悪化させ、エネルギー消費が余分に増大してしまうといった問題があった。
また、冷凍式エアドライヤは、その多くが冷媒としてフロン類を使用しており、経年使用により冷凍エアドライヤの付近に設置されているエアコンプレッサの振動等が要因となって、かかる冷媒の空気中への漏出が生じてしまうといった問題もあった。
さらに、冷凍式エアドライヤは、冷却により圧縮空気を低温化させるだけでなく、空気の冷温収縮による相対的な圧縮空気量の減少を伴うもので、圧縮空気の最終的な用途によっては、冷却状態・減量状態と化した圧縮空気を好まない場合もあり、その際に冷凍式エアドライヤを介さずして、圧縮空気中の水分を除去する手段が望まれるところであった。
上記したような問題に対し、例えば特許第6452763号公報(特許文献1)に記載の技術提案がされている。かかる特許文献1に記載の該技術提案は、圧縮空気をエアーツールへ供給する供給管路に、気液を分離可能な凝結器とエアドライヤと複数のエアクリーナを配置した筒状容器と、筒状容器の外側に空隙部を介して配置した容器カバーにて構成され、凝結器内にて圧縮空気中の水蒸気を大量かつ勢い良く衝突させて凝縮可能にし、水蒸気を効率良く除去するとともに、容器カバーの周面に複数の開口部を形成し、該開口部から筒状容器を透視可能にして、筒状容器の内部状況やドレン水の貯留状況を視認できるようにした気液分離装置である。
しかしながら、上記技術提案では、凝固されずにそのままエアドライヤへ流入される圧縮空気や、凝結器にて凝固した水分が圧縮空気にて巻き上げられエアドライヤへと流入してしまう場合が存在するため、エアドライヤのエネルギー消費については改善できず、更に容器カバーが透明であってもエアクリーナの状態確認が容易になるのみであって、エアクリーナの浸水状態を改善するには至らなかった。
本出願人は、上記圧縮空気圧回路における問題、特に冷凍式エアドライヤにおける冷却作用による圧縮空気自体の低温化及び空気量の収縮等の問題に着目し、冷凍式エアドライヤを使用せずに圧縮空気内の水分を分離及び除去し得ないものかとの着想のもと、エアコンプレッサの後段に遠心分離作用による気水分離器を備えることで、圧縮空気中の水分を分離及び除去する圧縮空気圧回路の構成を開発し、本発明における「圧縮空気圧回路システム」の提案に至るものである。
特許第6452763号公報
本発明は、上記問題に鑑み、エアコンプレッサの後段に遠心分離作用による気水分離器を備えることで、圧縮空気中の水分を分離及び除去する圧縮空気圧回路システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、エアコンプレッサから吐出された圧縮空気に含まれる水分を分離及び除去可能な圧縮空気圧回路の構成であって、エアコンプレッサの後段に接続される気水分離器と、気水分離器の後段に接続されるフィルタ部により構成されている手段を採る。
また、本発明は、前記気水分離器が、サイクロン式遠心分離器から成る手段を採用する。
さらに、本発明は、前記フィルタ部が、塵埃を吸着・除去するエアフィルタと、油分の吸着・除去が可能なミストフィルタと、臭気や油の粒子を吸着・除去が可能な活性炭フィルタと、から選択される一乃至複数のフィルタで構成されている手段を採る。
本発明にかかる圧縮空気圧回路システムによれば、エアドライヤを使用せずに、気水分離器によって圧縮空気中の水分が分離及び除去されることにより、圧縮空気自体の低温下を抑制すると共に、相対的な圧縮空気量の減少を抑制することが可能となる。
また、本発明にかかる圧縮空気圧回路システムによれば、気水分離器としてサイクロン方式の遠心分離器を採用することで、圧縮空気中の水分の分離・除去と併せ、油分や塵埃等の一次的な分離・除去もなされることとなり、気水分離器の後段に接続される各種フィルタの浸水を防ぐと共に、各フィルタ部の高効率化と負担軽減並びに長寿命化を実現し、清浄な圧縮空気の生成に資する。
本発明にかかる圧縮空気圧回路システムの構成を示す説明図である。 本発明にかかる圧縮空気圧回路システムにおける気水分離器の構造を示す説明図である。 本発明にかかる圧縮空気圧回路システムにおけるフィルタ部の構造を示す説明図である。
本発明にかかる圧縮空気圧回路システムは、エアコンプレッサ1から吐出された圧縮空気に含まれる水分等を分離及び除去可能な圧縮空気圧回路の構成であって、エアコンプレッサ1の後段に接続される気水分離器10と、気水分離器10の後段に接続されるフィルタ部により構成されていることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる圧縮空気圧回路システムの実施形態を、図面に基づいて説する。
尚、本発明にかかる圧縮空気圧回路システムは、以下に述べる実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができる。
図1は、本発明にかかる圧縮空気圧回路システムの構成を示す説明図であり、(a)はフィルタ部の構成としてエアフィルタ20のみが配設された場合、(b)はフィルタ部の構成としてエアフィルタ20とミストフィルタ30が配設された場合、(c)はフィルタ部の構成としてエアフィルタ20とミストフィルタ30と活性炭フィルタ40が配設された場合について示している。図2は、本発明にかかる圧縮空気圧回路システムにおける気水分離器10の構造を示す説明図である。図3は、本発明にかかる圧縮空気圧回路システムにおけるフィルタ部の構造を示す説明図であり、(a)はエアフィルタ20であり、(b)はミストフィルタ30であり、(c)は活性炭フィルタ40である。
本発明にかかる圧縮空気圧回路システムは、主にエアコンプレッサ1と、その後段に配管路7を介して接続される気水分離器10と、更にその後段に配管路7を介して接続されるフィルタ部と、で構成されている。
エアコンプレッサ1は、空気を圧縮して所定気圧以上の圧縮空気を生成する機械であって、該圧縮空気を生成するための構造によって、往復式や回転式、遠心式など種々の方式が存在する。本発明で使用する空気圧縮機の方式については、特に限定はなく、いずれの方式・構造のものでも使用することが可能である。
エアコンプレッサ1によって圧縮された空気は、該コンプレッサに接続された配管路7により送気され、気水分離器10へ流入することとなる。
気水分離器10は、エアコンプレッサ1から流入した圧縮空気中の水分を分離するための機器であって、本発明では、サイクロン方式の遠心分離器から成る気水分離器10を採用する。該気水分離器10の具体的な構造については、図2に示すように、流入口と流出口を備えて配管路7に接続されるボディ11と、気水分離エレメント15を内蔵して該ボディ11に接続されるボウル12とで構成され、気水分離エレメント15は、中空状であって略円筒形あるいは下方へ末広状を成す略円錐形に成形されている。流入口から流入した圧縮空気は、ボウル12内で気水分離エレメント15の外周面を旋回しつつ下方へ流れ、下側から中空の気水分離エレメント15内に進入し、最終的に流出口を介して排出される。圧縮空気が気水分離エレメント15の外周面を旋回する際に、略円筒状若しくは略円錐状の外形に沿うことにより遠心力が徐々に増大し、圧縮空気中の水分が効率よく分離され、ボウル12の内壁に叩き付けられ水滴となって付着することとなる。
尚、遠心力が働く際、圧縮空気中に含まれる塵埃等の不純物の一部も、水分と同様に遠心力でボウル12の内壁に叩き付けられ分離される。
ボウル12の内壁に付着した水滴は、重力により内壁を伝ってボウル12内の下部領域にドレン水として溜まることとなる。貯留したドレン水をそのまま放っておけば、やがてボウル12内がドレン水で充満してしまい、気水分離機が機能不全に陥ってしまう。そこで、図示のように、ボウル12の下方にドレントラップ5を備え、ボウル12内に溜まったドレン水を適宜排出する態様を採用する。かかるドレントラップ5の具体的構造については、特に限定するものではなく、電磁式、フロート式、ディスク式などが考えられる。
フィルタ部は、圧縮空気に含まれる塵埃や油分、臭気を除去するための機器で構成され、除去対象成分に応じて、塵埃を吸着・除去するエアフィルタ20、油分の吸着・除去が可能なミストフィルタ30、臭気や油の粒子を吸着・除去が可能な活性炭フィルタ40、といった各種フィルタが装備される。かかるフィルタ部には、最終的に生成される圧縮空気の用途に応じて、一種のフィルタあるいは複数種のフィルタが連続して装備される態様となる。
エアフィルタ20は、主に塵埃を分離・除去するための機器であって、その具体的な構造については、図3(a)に示すように、流入口と流出口を備えて配管路7に接続されるボディ21と、エアフィルタエレメント25を内蔵して該ボディ21に接続されるボウル22とで構成され、エアフィルタエレメント25は、中空状であって有底の略円筒形に成形されている。流入口から流入した圧縮空気は、そのまま上方からエアフィルタエレメント25内に導かれ、その後エアフィルタエレメント25のフィルタ構造を成す側壁を通過してボウル22内へと進入し、最終的に流出口を介して排出される。圧縮空気がエアフィルタエレメント25の側壁を通過する際に、フィルタ構造により圧縮空気中の塵埃が吸着・除去されることとなる。フィルタ構造の具体的仕様については、特に限定するものではないが、一般的なエアフィルタ20に使用されるフィルタ構造として、概ね1~3μm以上の固形物を捕捉し得る程度の機能を有している。
尚、ボウル22内では、外気で冷やされることで、圧縮空気中に含まれる水分の一部が分離される場合も想定される。そこで、図示のように、ボウル22の下方にドレントラップ5を備え、ボウル22内に溜まったドレン水を適宜排出する態様を採用する。かかるドレントラップ5の具体的構造については、特に限定するものではなく、電磁式、フロート式、ディスク式などが考えられる。
ミストフィルタ30は、主に油分を分離・除去するための機器であって、その具体的な構造については、図3(b)に示すように、流入口と流出口を備えて配管路7に接続されるボディ31と、ミストフィルタエレメント35を内蔵して該ボディ31に接続されるボウル32とで構成され、ミストフィルタエレメント35は、中空状であって有底の略円筒形に成形されている。流入口から流入した圧縮空気は、そのまま上方からミストフィルタエレメント35内に導かれ、その後ミストフィルタエレメント35のフィルタ構造を成す側壁を通過してボウル32内へと進入し、最終的に流出口を介して排出される。圧縮空気がミストフィルタエレメント35の側壁を通過する際に、フィルタ構造により圧縮空気中の塵埃が吸着・除去されることとなる。フィルタ構造の具体的仕様については、特に限定するものではないが、一般的なミストフィルタ30に使用されるフィルタ構造として、概ね0.01μm以上の油分及び固形物を捕捉し、出口油分濃度が0.01wtppm程度の機能を有している。
尚、ボウル32内では、外気で冷やされることで、圧縮空気中に含まれる水分の一部が分離される場合も想定される。そこで、図示のように、ボウル32の下方にドレントラップ5を備え、ボウル32内に溜まったドレン水を適宜排出する態様を採用する。かかるドレントラップ5の具体的構造については、特に限定するものではなく、電磁式、フロート式、ディスク式などが考えられる。
活性炭フィルタ40は、主に臭気並びに油の粒子を分離・除去するための機器であって、その具体的な構造については、図3(c)に示すように、流入口と流出口を備えて配管路7に接続されるボディ41と、活性炭フィルタエレメント45を内蔵して該ボディ41に接続されるボウル42とで構成され、活性炭フィルタエレメント45は、中空状であって有底の略円筒形に成形されている。流入口から流入した圧縮空気は、そのまま上方から活性炭フィルタエレメント45内に導かれ、その後活性炭フィルタエレメント45のフィルタ構造を成す側壁を通過してボウル42内へと進入し、最終的に流出口を介して排出される。圧縮空気が活性炭フィルタエレメント45の側壁を通過する際に、フィルタ構造により圧縮空気中の塵埃が吸着・除去されることとなる。フィルタ構造の具体的仕様については、特に限定するものではないが、一般的な活性炭フィルタ40に使用されるフィルタ構造として、活性炭の作用により臭い及びオイル粒子を吸着し、出口油分濃度が0.0031wtppm程度の機能を有している。
尚、ボウル42内では、外気で冷やされることで、圧縮空気中に含まれる水分の一部が分離される場合も想定される。そこで、図示のように、ボウル42の下方にドレントラップ5を備え、ボウル42内に溜まったドレン水を適宜排出する態様を採用する。かかるドレントラップ5の具体的構造については、特に限定するものではなく、電磁式、フロート式、ディスク式などが考えられる。
フィルタ部の構成において、複数のフィルタを配設する場合、各種フィルタの配列について特に限定するものでないが、通常、フィルタ機能として相対的に捕捉径の大きいものから順に後段に行くにつれ小さくなる態様での配列が好適である。前段に捕捉径を小さく、後段に捕捉径の大きいフィルタを配列した場合、前段のフィルタで塵埃や油分等の殆どを捕捉してしまい、後段のフィルタが機能的に無意味化してしまうと共に、前段フィルタの早期目詰まりの発生が想定されるためである。そこで、上記したフィルタについては、前段からエアフィルタ20、ミストフィルタ30、活性炭フィルタ40の順で配列される態様が望ましい。
尚、フィルタ部の後段には、配管路7を介して実際に圧縮空気を使用する機器、例えば清掃用のエアガン2や塗装用のスプレーガン3、医療用のハンドピース4等が接続され、圧縮空気が各種用途へ送気・利用されることとなる。
配管路7は、圧縮空気を送気するための中空管から成り、エアコンプレッサ1から気水分離器10へ圧縮空気を送気すべく配設されると共に、気水分離器10からフィルタ部へ圧縮空気を送気すべく配設され、さらにフィルタ部から先へ圧縮空気を送気すべく配設される。また、フィルタ部が複数のフィルタで構成される場合は、各種フィルタ間も配管路7を介して接続される。本発明にて使用する配管路7の素材については特に限定はなく、常法に従い銅、鉄などの主に金属素材より構成されて成る配管が使用される。
以上の各構成要素から構成される本発明にかかる圧縮空気圧回路システムの動作態様は、以下のとおりである。
すなわち、エアコンプレッサ1にて生成された水分等を含んだ圧縮空気は、配管路7を経由しサイクロン式遠心分離器から成る気水分離器10へと送られる。送られた圧縮空気は、気水分離器10のボディ11に備わる流入口からボウル12内へ流入し、該ボウル12内に内蔵された気水分離エレメント15の外周面を旋回状に高速回転することで遠心力が発生し、圧縮空気中の含有水分が遠心力の作用でボウル12の内壁に水滴となって付着することとなる。付着した水滴は、ボウル12の内壁に沿って落滴し、該ボウル12下方に備えられたドレントラップ5により外部へと排出される。そして、水分が除去された圧縮空気は、下側から気水分離エレメント15内に進入し、最終的にボディ11に備わる流出口を介して排出され、配管路7を経由して後段のフィルタ部へ送られることとなる。
フィルタ部へ送られた圧縮空気は、装備されたフィルタの種類に応じて種々機能を発揮しながら後段機器へ送気されることとなるが、各フィルタとも概ね次のような動作態様となる。
すなわち、気水分離器10から送られてきた圧縮空気は、各種フィルタのボディ21,31,41に備わる流入口からフィルタエレメント25,35,45内へ流入し、フィルタエレメント25,35,45のフィルタ構造を成す側壁を通過する。このとき、フィルタ構造により圧縮空気中の塵埃や油分、臭気等が吸着・除去され、その状態で圧縮空気はボウル22,32,42内へと進入する。そして、塵埃や油分、臭気等が除去された圧縮空気は、最終的にボディ21,31,41に備わる流出口を介して排出され、配管路7を経由して後段機器(他のフィルタや使用機器等)へ送られることとなる。
以上のとおり、本発明にかかる圧縮空気圧回路システムによれば、気水分離器10にて予め水分を分離・除去することにより、冷凍式エアドライヤを使用せずに、後段のフィルタ部にて水分等の付着に伴う劣化や目詰まり等を防ぎ、備えられたフィルタの能力を最大限に引き出せることが可能であって、より清浄な圧縮空気を利用することが可能となる。
本発明は、圧縮空気圧回路において、清浄な圧縮空気を送気することが可能であり、また、冷凍式エアドライヤを使用した圧縮空気圧回路に比べ、消費電力の低下並びに送気温度の高温化が実現でき、加熱処理や加熱消毒など幅広い分野にて利用が可能であり、圧縮空気圧回路を使用する様々な分野における省電力化にも資することが可能である。また、冷凍式エアドライヤを使用しないことにより、必然的にフロン類の使用が無くなり、地球環境の保護に資する発明であると言える。したがって、本発明にかかる「圧縮空気圧回路システム」の産業上の利用可能性は、大であると思料する。
1 エアコンプレッサ
2 エアガン
3 スプレーガン
4 ハンドピース
5 ドレントラップ
7 配管路
10 気水分離器
11 ボディ
12 ボウル
15 気水分離エレメント
20 エアフィルタ
21 ボディ
22 ボウル
25 エアフィルタエレメント
30 ミストフィルタ
31 ボディ
32 ボウル
35 ミストフィルタエレメント
40 活性炭フィルタ
41 ボディ
42 ボウル
45 活性炭フィルタエレメント
さらに、本発明は、前記フィルタ部が、塵埃を吸着・除去するエアフィルタと、該エアフィルタの後段に配設される油分の吸着・除去が可能なミストフィルタと、で構成され、あるいは、さらに該ミストフィルタの後段に、臭気や油の粒子を吸着・除去が可能な活性炭フィルタが配設されて構成されている手段を採る。
フィルタ部は、圧縮空気に含まれる塵埃や油分、臭気を除去するための機器で構成され、除去対象成分に応じて、塵埃を吸着・除去するエアフィルタ20、油分の吸着・除去が可能なミストフィルタ30、臭気や油の粒子を吸着・除去が可能な活性炭フィルタ40、といった各種フィルタが装備される。かかるフィルタ部には、最終的に生成される圧縮空気の用途に応じて、エアフィルタ20とミストフィルタ30あるいはエアフィルタ20とミストフィルタ30と活性炭フィルタ40が連続して装備される態様となる。
フィルタ部の構成において、複数のフィルタを配設する場合、各種フィルタの配列について、通常、フィルタ機能として相対的に捕捉径の大きいものから順に後段に行くにつれ小さくなる態様での配列が好適である。前段に捕捉径を小さく、後段に捕捉径の大きいフィルタを配列した場合、前段のフィルタで塵埃や油分等の殆どを捕捉してしまい、後段のフィルタが機能的に無意味化してしまうと共に、前段フィルタの早期目詰まりの発生が想定されるためである。そこで、上記したフィルタについては、前段からエアフィルタ20、ミストフィルタ30、活性炭フィルタ40の順で配列される態様を採用する
尚、フィルタ部の後段には、配管路7を介して実際に圧縮空気を使用する機器、例えば清掃用のエアガン2や塗装用のスプレーガン3、医療用のハンドピース4等が接続され、圧縮空気が各種用途へ送気・利用されることとなる。

Claims (3)

  1. エアコンプレッサから吐出された圧縮空気に含まれる水分を分離及び除去可能な圧縮空気圧回路の構成であって、
    エアコンプレッサの後段に接続される気水分離器と、気水分離器の後段に接続されるフィルタ部により構成されていることを特徴とする圧縮空気圧回路システム。
  2. 前記気水分離器は、サイクロン式遠心分離器から成ることを特徴とする請求項1に記載の圧縮空気圧回路システム。
  3. 前記フィルタ部は、塵埃を吸着・除去するエアフィルタと、油分の吸着・除去が可能なミストフィルタと、臭気や油の粒子を吸着・除去が可能な活性炭フィルタと、から選択される一乃至複数のフィルタで構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧縮空気圧回路システム。

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