JP2021014883A - 圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造 - Google Patents

圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造 Download PDF

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【課題】機能性はそのままに簡易構造でメンテナンス性向上ならびにコストパフォーマンス性に資する圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造を提供する。【解決手段】空気圧縮機1には、ドレン排出用のメイン管10が接続されると共に、該メイン管には所定中間箇所にドレントラップ12が配設され、空気圧縮機から吐出口3までの配管路2における所定中間箇所に配設された一乃至複数の各種機器30,32,34には、メイン管における空気圧縮機とドレントラップとの所定中間箇所に繋がるドレン排出用のサブ管20が接続されて成り、各種機器から排出されるドレンはサブ管を介してメイン管に送出されることで、該メイン管に配設されたドレントラップにより各種機器から排出されるドレンが空気圧縮機から排出されるドレンと共に外部へ排出される手段を採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造に関し、詳しくは、圧縮空気が空気圧縮機により生成されてから吐出されるまでに介在する各種機器にて発生するドレンを排出するための構造に関するものである。
空気圧縮機により生成された圧縮空気は、食品加工やレンズなど精密機器の仕上げ加工、清掃等の末端、その他各種用途に使用されている。かかる圧縮空気の用途によっては、空気圧縮機から圧縮空気が吐出されるまでの空気圧回路の中間に、各種機器が配設されている。例えば、水分の持ち出しが厳禁である用途に使用される場合には、空気圧回路の中間においてエアドライヤを介する構成が採られており、さらにエアドライヤの後段において除去しきれなかった水分や油分、スラッジや微生物を除去すべく、樹脂製若しくは紙製で網状乃至中空糸膜状のエアフィルタ、若しくは、活性炭を包んだエアフィルタを配設する態様が採られている。
ところで、上記のような従来の圧縮空気圧回路の構成によると、空気圧縮機が吐出する熱を帯びた圧縮空気がエアドライヤに至るまでの配管路で冷却された場合に、加圧下飽和水蒸気量も下がるため配管路内でドレンが発生して、エアドライヤをはじめ後段の各種機器に該ドレンが浸入してしまうといった問題があった。そこで、空気圧縮機とエアドライヤとを繋ぐ配管路の所定中間箇所に、ドレン排出用の遠心分離器が配設される態様も採られている。
すなわち、圧縮空気圧回路では、遠心分離器により圧縮空気から分離されたドレンが発生する。また、エアドライヤでは、熱交換器により圧縮空気が冷却されることで、加圧下飽和水蒸気量の低下によるドレンが発生する。さらに、エアフィルタでは、前段のエアドライヤで発生したドレンが圧縮空気と共に浸入したり、あるいは、そこへ至るまでの配管路での冷却など温度環境条件によって、ドレンが発生する。このように、圧縮空気圧回路では、配設される各種機器ごとドレンが発生し得ることとなる。
このような従来の圧縮空気圧回路の構成では、配管路に配設されたエアドライヤやエアフィルタ、遠心分離機といった各種機器において発生するドレンを排出すべく、ドレントラップが備える態様が一般的であり、かかるドレントラップは、各種機器1台につき1基装備され、各種機器で発生したドレンは、各種機器ごとに排出する態様が採られている。
しかしながら、圧縮空気圧回路において、各種機器ごとに夫々ドレントラップを装備するのは、配設される各種機器の台数分だけドレントラップを揃える必要があると共に、それらを全機器に配設する手間がかかるため、煩雑であってコストアップの原因となっていた。また、ドレントラップの台数増加は、定期メンテナンスや動作不良に対する修繕メンテナンスの手間を煩雑にする要因ともなっていた。
本出願人は、以上のような従来の圧縮空気圧回路における問題点に着目し、各種機器で発生するドレンを一手に排出することで、上記問題点を解決することができないものかとの着想の下、圧縮空気を吐出するという圧縮空気圧回路の機能性はそのままに、簡易構造でメンテナンス性向上ならびにコストパフォーマンス性に資するドレン排出構造を開発し、本発明における「圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造」の提案に至るものである。
特開2014−231035号公報
本発明は上記問題点に鑑み、機能性はそのままに簡易構造でメンテナンス性向上ならびにコストパフォーマンス性に資する圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造の提供を図ることを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、圧縮空気が空気圧縮機により生成されてから配管路並びに各種機器を介して最終的に吐出口から吐出されるまでの圧縮空気圧回路において、空気圧縮機には、ドレン排出用のメイン管が接続されると共に、該メイン管には所定中間箇所にドレントラップが配設され、空気圧縮機から吐出口までの配管路における所定中間箇所に配設された一乃至複数の各種機器には、メイン管における空気圧縮機とドレントラップとの所定中間箇所に繋がるドレン排出用のサブ管が接続されて成り、各種機器から排出されるドレンはサブ管を介してメイン管に送出されることで、該メイン管に配設されたドレントラップにより各種機器から排出されるドレンが空気圧縮機から排出されるドレンと共に外部へ排出される手段を採る。
また、本発明は、前記各種機器が、エアドライヤ、エアフィルタ、遠心分離機から選択される一乃至複数の機器であり、これらの各種機器が配管路における所定中間箇所に必要に応じて選択的に配設されて成る手段を採る。
さらに、本発明は、前記メイン管における空気圧縮機からドレントラップまでの所定中間箇所に、ストレーナが配設されている手段を採る。
またさらに、本発明は、前記ストレーナが、メイン管におけるサブ管との接続箇所より前段に配設されている手段を採る。
さらにまた、本発明は、前記サブ管における所定中間箇所に、逆止弁が配設されている手段を採る。
本発明にかかる圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造によれば、空気圧縮機にドレントラップを配設したドレン排出用のメイン管が接続されると共に、空気圧縮機から吐出口までの配管路に配設された各種機器にメイン管に繋がるドレン排出用のサブ管が接続される態様を採用することで、各種機器から排出されるドレンを空気圧縮機から排出されるドレンと共に一のドレントラップによって外部へ排出することが可能となるため、メイン管に配設されるドレントラップ1基のみで、各種機器ごとに夫々ドレントラップを装備する必要がなく、台数減による簡易構造で設置手間の簡略化に資すると共に、メンテナンス性向上ならびにコストパフォーマンス性に資する、といった優れた効果を奏する。
本発明にかかる圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造の実施形態を示す説明図である。
本発明にかかる圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造は、各種機器から排出されるドレンDが、サブ管20を介して空気圧縮機1に接続されたメイン管10に送出されることで、空気圧縮機1から排出されるドレンDと共に外部へ排出されることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造の実施形態を、図面に基づいて説明する。
なお、本発明にかかる圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造は、以下に述べる実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができる。
図1は、本発明にかかる圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造の実施形態を示す説明図である。
本発明にかかる圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造は、圧縮空気が空気圧縮機1により生成されてから配管路2並びに各種機器を介して最終的に吐出口3から吐出されるまでの圧縮空気圧回路における、各種機器から発生したドレンDを排出するための構造である。
本発明にかかる圧縮空気圧回路は、主に空気圧縮機1と配管路2で構成されている。配管路2の末端には、最終的に圧縮空気を吐出するための吐出口3が備えられる。配管路2における空気圧縮機1から吐出口3までの所定中間箇所には、必要に応じて一乃至複数の各種機器が配設されている。
空気圧縮機1は、空気を圧縮して所定気圧以上の圧縮空気を生成する機械であって、該圧縮空気を生成するための構造によって、往復式や回転式、遠心式など種々の方式が存在する。本発明で使用する空気圧縮機1の方式については、特に限定はなく、いずれの方式・構造のものでも使用することが可能である。該空気圧縮機1には、生成された圧縮空気を送気するための配管路2が接続されると共に、発生したドレンDを排出するためのメイン管10が接続されている。
配管路2は、圧縮空気を送気するための中空管から成り、空気圧縮機1から吐出口3まで圧縮空気を送気すべく配設される。尚、配管路2の所定中間箇所には一乃至複数の各種機器が配設されることから、具体的には、空気圧縮機1から各種機器へ圧縮空気を送気すべく配設されると共に、各種機器から先へ圧縮空気を送気すべく配設される。
メイン管10は、ドレンDを流出するための中空管から成り、空気圧縮機1において圧縮空気を生成する際に発生したドレンDを排出すべく設けられる。かかるドレンDの排出に際し、同時に圧縮空気が排出されるのを抑制すべく、メイン管10の所定中間箇所には、ドレントラップ12が配設されている。
ドレントラップ12は、その排出方法により電磁式やフロート式などが存在する。本発明で使用するドレントラップ12は、電磁式とフロート式とを問うものではなく、特に限定されない。かかるドレントラップ12は、メイン管10の所定中間箇所に配設されることとなる。
本発明に使用するドレントラップ12について、スプリングスナップアクション方式、若しくは、マグネットスナップアクション方式のフロート式ドレントラップを使用する態様が考え得る。かかる態様を採用することにより、所定量のドレンDが貯留された段階で、該ドレンDを機械的に自動で外部へ排出することが可能となり、ドレン排出の確実性が担保されることとなる。
メイン管10において、ストレーナ14を配設する態様が考え得る。該ストレーナ14は、ドレン排出に際しドレン中に含まれる異物(油分やスラッジなど)を取り除くために設けられるもので、空気圧縮機1からドレントラップまでの所定中間箇所に配設される。
尚、該ストレーナ14の配設箇所について、空気圧縮機1からドレントラップまでの所定中間箇所であれば特に限定はないが、好ましくは後述するサブ管20との接続箇所よりも前段に配設される態様を採る。サブ管20を流れるドレン中の異物は少量であり、該サブ管20中のドレンDにストレーナ14を介在させる要求は少ないためである。ストレーナ14を介在させることで、ドレントラップ12の開放によってメイン管10にて発生し得る負圧を食い止める機能としても作用する。
配管路2に配設される各種機器は、圧縮空気の用途によって種々決定されるもので、特に限定されるものではないが、常法的に配設される機器として、圧縮空気を乾燥させるためのエアドライヤ30や、圧縮空気中の異物(油分やスラッジなど)を取り除くためのエアフィルタ32、圧縮空気中のドレンDを取り除くための遠心分離機34などが存する。これら各種機器は、用途等により必要に応じて選択的に一乃至複数の機器が適宜配設されるもので、図面ではエアドライヤ30とエアフィルタ32と遠心分離機34を配設した態様について例示している。
エアドライヤ30は、圧縮空気を乾燥させ水分を取り除くための機器であって、水分の除去方式により、冷凍式や中空糸膜式、吸着式などが存在する。本発明で使用するエアドライヤ30は、冷凍式や中空糸膜式、吸着式のいずれかを問うものではなく、特に限定されるものではないが、一般に繁用されているのは、冷凍式のエアドライヤ30である。冷凍式のエアドライヤ30は、冷媒の蒸発潜熱を利用して、圧縮空気を冷却し、含有水分を凝縮して除去するための装置であって、比較的安価に導入することができる。
エアフィルタ32は、圧縮空気中の水分や油分、スラッジや微生物を除去するためのフィルタであって、樹脂製若しくは紙製で網状乃至中空糸膜状のエアフィルタ、若しくは、活性炭を包んだエアフィルタが用いられる。該エアフィルタ32は、エアドライヤ30の後段に配設されるのが一般的である。
遠心分離器34は、圧縮空気中の水分・油分を除去するための分離装置であって、ハウジング内に入った圧縮空気は、デフレクタを通ることによって発生した遠心力によって空気中の油水分や固形物をハウジング内壁に叩き付けて落下させ、エアのみ中央部に備えられるカートリッジを介して取り出される構造を有している。該遠心分離器34は、空気圧縮機1とエアドライヤ30とを繋ぐ配管路2の所定中間箇所に配設されたり、あるいは、エアドライヤ30とエアフィルタ32とを繋ぐ配管路2の所定中間箇所に配設される。
各種機器には、サブ管20が接続されている。該サブ管20は、ドレンDを流出するための中空管から成り、各種機器において発生したドレンDを排出すべく設けられる。該サブ管20は、メイン管10における空気圧縮機1とドレントラップ12との所定中間箇所に繋がっている。これにより、メイン管10に配設されたドレントラップ12の機能を、各種機器ならびにサブ管20も享受することができる。
サブ管20において、逆止弁21を配設する態様が考え得る。該逆止弁21は、メイン管10からサブ管20へのドレンDの逆流を防止するために設けられるもので、サブ管20における所定中間箇所に配設される。すなわち、ドレントラップ12が非開放の状態では、メイン管10もサブ管20も同圧状態となって均衡が保たれているが、ドレントラップ12を開放した瞬間に管内の圧は減少へ変化することとなる。このとき、ストレーナ14など機器の存在等により、メイン管10が高圧でサブ管20が低圧となる圧の不均衡が生じ得る。この状態のまま再びドレントラップ12を非開放の状態とした場合に、メイン管10に残存するドレンDが圧に押されて、低圧のサブ管20へ逆流する可能性があり、これを防止すべく各サブ管20に逆止弁21を配設する態様が好適である。
以上の各構成要素から、本発明にかかる圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造は構成される。本発明における圧縮空気の流れは、以下のとおりとなる。
すなわち、空気圧縮機1により生成された圧縮空気は、まず配管路2を通って遠心分離器34やエアドライヤ30、エアフィルタ32等の各種機器に送気される。その後、圧縮空気は、各種機器から配管路2を介して最終的に吐出口3へ送気され、各種用途に用いられる。
本発明におけるドレンDの流れは、以下のとおりである。
すなわち、空気圧縮機1で発生したドレンDは、該空気圧縮機1に接続されたメイン管10へ流出される。また、配管路2で発生したドレンDや各種機器で発生したドレンDは、各種機器に接続されたサブ管20へ流出される。サブ管20はメイン管10に繋がっているため、サブ管20内のドレンDはメイン管10のドレンDと合流する態様となっている。ドレントラップ12が開放すると、両管内のドレンDは負圧により引っ張られるように排出方向へ流れ、外部へ排出されることとなる。ドレントラップ12の閉鎖(非開放状態)により、ドレン排出は一時停止する。
ドレントラップ12が開放して管内のドレンDが放出される際、圧縮空気圧回路に存する圧縮空気の圧力に押されて放出がなされるため、一時的に圧縮空気圧回路内の空気圧は減少することとなる。この状態で、ドレントラップ12が開放から閉鎖に切り替わると、空気圧縮機1に接続されているメイン管10と、各種機器に接続されているサブ管20とで差圧が生じ、メイン管10内に残存するドレンDがサブ管20へ逆流するおそれが生じ得る。これを防止するべく、サブ管20には逆止弁21が配設される。尚、メイン管10における逆流現象については、中間にストレーナ14が介在することで、防止・抑制される。
以上のように、本発明にかかる圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造は、各種機器から排出されるドレンDを空気圧縮機1から排出されるドレンDと共に一のドレントラップ12によって外部へ排出することが可能となるため、メイン管10に配設されるドレントラップ12の1基のみで、各種機器ごとに夫々ドレントラップ12を装備する必要がない。したがって、ドレントラップ12の台数減による簡易構造で設置手間の簡略化が図れると共に、メンテナンス性向上ならびにコストパフォーマンス性にも有益なものである。
本発明は、食品加工やレンズなど精密機器の仕上げ加工、清掃等の末端のほか、圧縮空気を使用するあらゆる分野において採用することが可能である。したがって、本発明にかかる「圧縮空気圧回路のドレン排出構造」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 空気圧縮機
2 配管路
3 吐出口
10 メイン管
12 ドレントラップ
14 ストレーナ
20 サブ管
21 逆止弁
30 エアドライヤ
32 エアフィルタ
34 遠心分離器

Claims (5)

  1. 圧縮空気が空気圧縮機により生成されてから配管路並びに各種機器を介して最終的に吐出口から吐出されるまでの圧縮空気圧回路において、
    空気圧縮機には、ドレン排出用のメイン管が接続されると共に、該メイン管には所定中間箇所にドレントラップが配設され、
    空気圧縮機から吐出口までの配管路における所定中間箇所に配設された一乃至複数の各種機器には、メイン管における空気圧縮機とドレントラップとの所定中間箇所に繋がるドレン排出用のサブ管が接続されて成り、
    各種機器から排出されるドレンはサブ管を介してメイン管に送出されることで、該メイン管に配設されたドレントラップにより各種機器から排出されるドレンが空気圧縮機から排出されるドレンと共に外部へ排出されることを特徴とする圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造。
  2. 前記各種機器は、エアドライヤ、エアフィルタ、遠心分離機から選択される一乃至複数の機器であり、これらの各種機器が配管路における所定中間箇所に必要に応じて選択的に配設されて成ることを特徴とする請求項1に記載の圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造。
  3. 前記メイン管における空気圧縮機からドレントラップまでの所定中間箇所に、ストレーナが配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造。
  4. 前記ストレーナは、メイン管におけるサブ管との接続箇所より前段に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造。
  5. 前記サブ管における所定中間箇所に、逆止弁が配設されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧縮空気圧回路におけるドレン排出構造。
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