JP2022169402A - 電子制御式機械時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部磁界の影響を受けずに調速機を正しく動作させて調速精度を向上でき、指針による時刻指示精度も向上できる電子制御式機械時計の提供。【解決手段】電子制御式機械時計は、ぜんまいと、ぜんまいによって回転される輪列と、輪列により駆動されて時刻を指示する指針と、輪列の回転速度を調速する調速機と、を備え、調速機は、静電力によって輪列の回転を制動する静電式制動機と、静電式制動機の制動状態を制御する調速回路と、を備える。【選択図】図8

Description

本発明は、電子制御式機械時計に関する。
ぜんまいの機械エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーによって輪列を調速する調速機を駆動する電子制御式機械時計が知られている(例えば特許文献1参照)。
この電子制御式機械時計は、ぜんまいが解けることで発生する回転力を輪列で増速して磁石付きのローターを回転させ、ローターの周囲に配置されるステーターに設けられたコイルから電力を取り出す電磁誘導式の発電機を備えている。この発電機は、コイルの両端をショートさせることでローターの回転を制動できるため、電磁ブレーキとしても機能させて輪列の回転速度を調速する調速機として使用している。この構成により、輪列に連動する指針の運針速度を精度良く調整でき、指針で指示される時刻精度をクオーツ時計のレベルに向上させることができる。
特開2008-267979号公報
特許文献1の電子制御式機械時計は、電磁誘導式の発電機を調速機としても用いているため、外部磁界の影響を受けてしまう。例えば、時計外部から強力な交流磁界が印加されると、調速機が正しく動作せずに調速精度が低下し、指針による時刻指示精度も低下する課題がある。
本開示の電子制御式機械時計は、ぜんまいと、前記ぜんまいによって回転される輪列と、前記輪列により駆動されて時刻を指示する指針と、前記輪列の回転速度を調速する調速機と、を備え、前記調速機は、静電力によって前記輪列の回転を制動する静電式制動機と、前記静電式制動機の制動状態を制御する調速回路と、を備えることを特徴とする。
静電式発電機の原理を説明する図である。 静電式発電機の原理を説明する図である。 静電式発電機における対向電極の電圧波形と、全波整流回路での整流後の電圧波形とを示すグラフである。 静電ブレーキの原理を説明する図である。 静電ブレーキの構成を説明する図である。 第1実施形態の電子制御式機械時計の正面図である。 第1実施形態の電子制御式機械時計のムーブメントの要部を示す模式図である。 第1実施形態の調速機の構成を示す図である。 第1実施形態の調速回路を示すブロック図である。 第2実施形態の電子制御式機械時計のムーブメントの要部を示す模式図である。 第2実施形態の調速機の構成を示す図である。 第3実施形態の調速機の構成を示す図である。 第4実施形態の電子制御式機械時計のムーブメントの要部を示す模式図である。 第4実施形態の調速機の構成を示す図である。 第5実施形態の電子制御式機械時計のムーブメントの要部を示す模式図である。 第5実施形態の調速機の構成を示す図である。
[静電誘導による発電および静電ブレーキの原理]
本開示の電子制御式機械時計は、電磁誘導による調速機を使わずに、静電誘導を使った調速機で調速することで、耐磁性の高い時計を実現したものである。
そこで、静電誘導による発電と、静電ブレーキ(制動機)の原理について説明する。
図1および図2は、静電式発電機1の原理を説明する図である。図1、2において、対向配置される2つの基板2、4のうち、下側の基板2は導電性の基板であり、左右方向に移動可能とされている。基板4に対向する基板2の表面には、エレクトレット膜3A、3Bが形成されている。エレクトレット膜3A、3Bは、基板2の移動方向つまり矢印方向に沿って所定間隔で配置され、表面はマイナスに帯電している。基板2は、GND電位(グランド電位)に接続されている。
図1、2において、上側の基板4は絶縁基板であり、下側の基板2に対向する表面に対向電極5A、5Bが形成されている。対向電極5A、5Bは、ダイオードによる全波整流回路6に接続されており、全波整流回路6は負荷回路7に接続されている。負荷回路7は、コンデンサー8と抵抗9が並列に接続された回路である。
静電式発電機1では、基板2を矢印方向に動かして、エレクトレット膜3Aが対向電極5Bに対向し、対向電極5Aに対向しない図1の状態になった時、エレクトレット膜3Aの表面のマイナスの電荷により対向電極5Bにプラスの電荷が誘起される。
基板2を矢印方向に動かして、エレクトレット膜3Aが対向電極5Aに対向し、対向電極5Bに対向しない図2の状態になった時は、対向電極5Aにプラスの電荷が誘起される。このように、基板2を動かして、エレクトレット膜3A、3Bを対向電極5A、5Bに対して動かすことで、誘導電荷が移動し、交流電流を発生させることができる。この交流電流を全波整流回路6で整流した電流が負荷回路7に流れ、コンデンサー8に充電される。
図3は、静電式発電機1における対向電極5A、5B間の電圧波形と、全波整流回路6での整流後の電圧波形とを示すグラフである。なお、全波整流回路6では、ダイオードの順方向電圧降下が生じるため、発電電圧が順方向電圧以下の期間は出力電圧が0Vとなる。
次に、図4および図5を用いて静電ブレーキについて説明する。図4は、静電ブレーキの原理を説明する図であり、図5は、静電ブレーキの構成を示す図である。
図4は、距離dで対向する2つの平板電極11,12に電源13から電圧Vを印加する例である。平板電極11、12は奥行寸法Wであり、下側の平板電極11が紙面に沿った左右方向つまり矢印方向に移動して、平板電極11、12の左右方向の重なり寸法Lを変化できるように構成されている。
図4の状態で、電極端部の電界の乱れを無視して、寸法Lの電極重なり部に発生する垂直方向の力Fは、次の式(1)となる。
=(εWL/2)(V/d)…(1)
ここで、εは、真空の誘電率である。一方、下側の平板電極11が左右方向に可動して重なり寸法Lを変化できる場合、水平方向に働く力(平行力)Fは次の式(2)となる。
=εWV/2d…(2)
このように、互いに平行な平板電極11、12に電圧Vを与えた際に働く平行力Fは、平板電極11、12の重なり寸法Lに関係なく一定であり、平板電極11、12の重なり寸法Lを増やす方向に力が働く。これを利用することで、静電ブレーキを実現することができる。
図5は、エレクトレットを使った静電ブレーキの構成を説明する図である。図5の下側の基板15は導電性であり、上側の基板16に対向する対向面にエレクトレット膜17が形成されている。エレクトレット膜17の表面はマイナスに帯電しており、表面の電位は-Vである。基板15は左右方向に移動可能であり、GND電位に接続されている。
一方、図5の上側の基板16は絶縁性の基板であり、対向電極18が形成されている。対向電極18は、スイッチ19によってGND電位に接続する状態と、開放状態とを選択できる。スイッチ19を閉じて電極をGND電位にすると、電極間にVの電位差が発生し、電極間に電極の重なりを増やすように力が発生する。これにより、左右方向に可動な基板15を制動することができる。
一方、スイッチ19を開放すると対向電極18は浮遊状態となり、静電力はほとんど発生せず、基板15の動きを制動することは無い。このように、静電力を使って電気的に制御可能な静電ブレーキを実現することができる。図5の例では、対向電極18を定電位と開放(浮遊)状態とで切り替えることで制御を行ったが、対向電極18を異なる二つ以上の電位で切り替えることで制動の有無や制動力を切り替える構成でも良い。また、図5では、エレクトレット膜17を設けて静電力を発生していたが、図4で示した通り、基板15、16にそれぞれ電極を設け、各電極間に外部から直接電圧を与えて制動力を発生させてもよい。
[第1実施形態]
次に、本開示の第1実施形態の電子制御式機械時計20について説明する。
図6は電子制御式機械時計20の正面図であり、図7は電子制御式機械時計20のムーブメント30の要部を示す模式図であり、図8は調速機40の構成を示す図である。
電子制御式機械時計20は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、円筒状の外装ケース21を備え、外装ケース21の内周側に、文字板22が配置されている。外装ケース21の二つの開口のうち、表面側の開口はカバーガラスで塞がれており、裏面側の開口は裏蓋で塞がれている。
電子制御式機械時計20は、外装ケース21内に収容されたムーブメント30と、図6に示す時刻情報を指示する時針23、分針24、秒針25とを備えている。文字板22には、カレンダー小窓26が設けられており、カレンダー小窓26から、日車27が視認可能となっている。また、文字板22には、時刻を指示するためのアワーマーク28が設けられている。さらに、外装ケース21の側面には、りゅうず29が設けられている。
ムーブメント30は、図7に示す輪列300を備えている。なお、電子制御式機械時計20では、図6に示すように、時針23、分針24、秒針25は同軸上に配置されているが、図7では、説明のために輪列300を横に展開して示している。
ムーブメント30は、動力源となるぜんまい310と、ぜんまい310の機械エネルギーで駆動する輪列300と、輪列300の各歯車の回転速度を調速する調速機40とを備える。
ぜんまい310は、香箱車31に収納されている。香箱車31は、ぜんまい310を収納する香箱311と、香箱真312とを備える。香箱真312は、図示略の角穴車が取り付けられ、角穴車と一体に香箱真312を回転することでぜんまい310が巻き上げられる。ぜんまい310の巻き上げ機構は、従来の機械時計と同じであるため、説明を省略する。なお、ぜんまい310の巻き上げ機構は、りゅうず29を操作する手巻きの巻き上げ機構でもよいし、回転錘を用いた自動巻きの巻き上げ機構でもよい。
香箱車31は、ぜんまい310から解放される機械エネルギーで回転する。香箱車31の回転は、輪列300に伝達される。輪列300は、二番車32、三番車33、四番車34を備える。そして、香箱車31の回転は、増速されて二番車32に伝達される。二番車32には分針24が取り付けられている。二番車32の回転は、三番車33を介して四番車34に増速されて伝達される。四番車34には秒針25が取り付けられている。二番車32から四番車34までの増速比は60倍となっている。なお、時針23は、二番車32から減速輪列を介して駆動される。この減速輪列は、従来の機械時計と同じ構成であるため図示を省略するが、例えば、筒カナ、日の裏車、筒車で構成され、筒車に時針23が取り付けられる。なお、指針の代わりにディスクで時刻を表示してもよい。
秒針25が取り付けられた四番車34の先には、さらに調速機車41が設けられ、四番車34から増速されて回転される。
調速機車41には円盤状の回転基板50が取り付けられている。回転基板50と対向する位置には、円盤状の固定基板60が設けられている。回転基板50は、調速機車41と一体に回転する。固定基板60は、図示略の輪列受けや回路基板などに固定されている。
調速機40は、調速機車41と、回転基板50と、固定基板60とを備えて構成されている。調速機40は、回転基板50および調速機車41の回転速度を調整することで、輪列300の回転速度を制御し、時針23、分針24、秒針25の各指針の運針速度を制御する。すなわち、調速機40がない場合、ぜんまい310が高速で解けてしまい、各指針は時刻の進みよりも早く進んでしまう。電子制御式機械時計20では、調速機40により、回転基板50の回転を制動することで、時針23、分針24、秒針25が時刻の進みと合うように調速される。
図8にも示すように、調速機40は、調速機車41、回転基板50、固定基板60に加えて、発電電流を充電する充電回路70と、調速回路80とを備える。
充電回路70は、発電された交流電流を整流する整流回路71と、整流回路71で整流された電流を定電圧化する電源回路72と、電源回路72で定電圧化された電圧を印加することで電気エネルギーが蓄電される蓄電装置であるコンデンサー73とを備える。整流回路71は、ダイオードを用いたブリッジ回路による全波整流回路である。また、蓄電装置は、コンデンサー73の代わりに、二次電池を用いてもよい。
回転基板50は導電性基板であり、GND電位に接続されている。回転基板50の回転軸51の軸方向に直交して設けられ、固定基板60に対向する回転対向面52には、エレクトレット膜で形成される帯電膜53が放射状に配置されている。帯電膜53の表面は負電荷が保持されてマイナスに帯電している。
帯電膜53は、回転基板50の回転中心から外周縁に向かって放射状に形成されている。すなわち、回転基板50の回転対向面52の平面中心部分には、平面円形の中心面部54が設けられている。そして、中心面部54の外周から回転対向面52の外周縁まで放射状に帯電膜53が設けられている。このため、帯電膜53は、回転対向面52の半径方向に沿った2本の区画線に挟まれた領域に形成され、内周から外周に向かうに従って幅寸法が徐々に大きくされている。
また、帯電膜53は、回転対向面52の円周方向に沿って所定角度毎に形成されている。本実施形態では、図8に示すように、回転対向面52の円周方向に沿って30度間隔で12本の帯電膜53が設けられている。すなわち、各帯電膜53は、角度α=30度の間隔で配置されている。
各帯電膜53間には、帯電膜が設けられていない間隔部55が設けられている。間隔部55は、回転対向面52が露出する部分であり、各間隔部55も帯電膜53と同じ角度α=30度の間隔で配置されている。
ここで、帯電膜53の円周方向の幅寸法は、間隔部55の円周方向の幅寸法よりも小さい寸法である。すなわち、帯電膜53の外周縁の角度範囲をβ1、間隔部55の外周縁の角度範囲をβ2とした場合、β1<β2である。β1は例えば14度、β2は例えば16度である。
固定基板60は、絶縁性基板である。固定基板60の回転基板50に対向する固定対向面61には、対向電極が放射状に配置されている。
対向電極は、回転基板50の回転によって移動する帯電膜53により発電を行う発電電極63と、回転基板50の回転を静電力で制動するための制動電極64とを備えている。
発電電極63および制動電極64は、帯電膜53と同様に、固定基板60の回転中心から外周縁に向かって放射状に形成されている。すなわち、固定基板60の固定対向面61の平面中心部分には、平面円形の中心面部65が設けられている。そして、中心面部65の外周から固定対向面61の外周縁まで放射状に発電電極63、制動電極64が設けられている。このため、発電電極63、制動電極64は、帯電膜53と同じく、固定対向面61の半径方向に沿った2本の区画線に挟まれた領域に形成され、内周から外周に向かうに従って幅寸法が徐々に大きくされている。
また、固定基板60の平面中心には、回転軸51が挿通される貫通孔65Aが形成されている。
制動電極64は、固定対向面61の円周方向に沿って帯電膜53と同じく30度間隔で形成されている。なお、本実施形態では、図8に示すように、固定対向面61の円周方向に沿って30度間隔で9本の制動電極64が設けられている。これらの制動電極64間には、間隔部66が設けられている。間隔部66は、固定対向面61が露出する部分であり、間隔部55と同じく30度の間隔で配置されている。固定対向面61において、制動電極64が配置された領域によって制動電極領域64Aが構成される。
発電電極63は、2つの第1電極631と、2つの第2電極632とを備えている。第1電極631および第2電極632は、固定対向面61の円周方向に沿って交互に配置されている。2つの第1電極631は帯電膜53と同じく30度間隔で配置され、2つの第2電極632も30度間隔で配置され、第1電極631とその隣の第2電極632とは15度間隔で配置されている。ここで、第1電極631とその隣の第2電極632とで一対の発電電極63が構成されている。したがって、固定基板60には、二対の発電電極63が設けられている。
固定対向面61において、発電電極63が配置された領域によって発電電極領域63Aが構成される。また、固定対向面61において、制動電極領域64Aと発電電極領域63Aとの間には、第1間隔部67および第2間隔部68が設けられている。
第1電極631、第2電極632および制動電極64の円周方向の幅寸法は、帯電膜53と同じであり、間隔部66、第1間隔部67、第2間隔部68の円周方向の幅寸法よりも小さい寸法である。間隔部66および第1間隔部67の円周方向の幅寸法は、間隔部55と同じであり、第2間隔部68の円周方向の幅寸法は、間隔部55や間隔部66、第1間隔部67よりも大きい寸法とされている。
このため、回転基板50の回転に伴い、回転基板50の回転軸51に沿った方向から見た平面視で、帯電膜53が第1電極631と重なり、かつ、第2電極632と重ならない第1状態と、帯電膜53が第2電極632と重なり、かつ、第1電極631と重ならない第2状態とが交互に生じることになる。
固定基板60の2つの第1電極631は第1配線635に接続され、2つの第2電極632は第2配線636に接続され、9本の制動電極64は第3配線641に接続されている。
第1配線635および第2配線636は、充電回路70の充電配線74に接続されている。充電配線74は、整流回路71および調速回路80に接続されている。整流回路71は、電源回路72およびGND電位にも接続され、発電電極63で発電された電流を整流して電源回路72に出力する。電源回路72は、調速回路80を駆動するための定電圧を発生する。電源回路72と調速回路80との間には、電気エネルギーが蓄電されるコンデンサー73が設けられている。
第3配線641は、制動配線86を介して調速回路80に接続されている。調速回路80は、発電電極63の電圧変動から検出した回転基板50の回転速度が基準速度になるように、制動電極64に制動信号を出力する。
図9は、調速回路80のブロック図である。調速回路80は、基準周波数発生回路81と、コンパレーター82と、位相周波数比較器83と、タイミング発生回路84と、制動制御回路85とを備える。なお、図9では、位相周波数比較器83をPFDと表記する。PFDは、Phase Frequency Detectorの略語である。
基準周波数発生回路81は、振動子811を使った発振回路と分周回路とを備える。振動子811は、水晶振動子やMEMS振動子などであり、例えば、32.768kHzの音叉水晶振動子を使って発振回路を構成する。なお、MEMSは、Micro Electro Mechanical Systemsの略語である。基準周波数発生回路81は、振動子811の発振周波数を分周し、タイミング発生回路84に出力するクロック信号と、位相周波数比較器83に出力する調速用の基準周波数信号とを発生する。
発電電極63から調速回路80に入力される電圧信号は、コンパレーター82により基準電圧と比較されて方形波に整形され、回転基板50の回転速度を表す回転速度信号となる。
基準周波数発生回路81で発生した基準周波数信号と回転速度信号とは、位相周波数比較器83で比較される。位相周波数比較器83は、PLL回路などで使われている公知の比較器であり、FIN端子に入力される回転速度信号の周波数が、REF端子に入力される基準周波数信号より高ければDOWN出力に信号を出力するものである。このため、位相周波数比較器83は、回転速度信号が基準周波数信号より高い周波数の場合には、タイミング発生回路84に回転速度信号の進みを示す信号を出力する。なお、PLLはPhase-Locked Loop の略語である。
タイミング発生回路84は、基準周波数発生回路81で生成したクロック信号をもとに、制動電極64に制動信号を送るタイミングを生成する。本実施形態の調速機40は、ぜんまい310が高速で解けることを防止するため、回転基板50の速度を減速する制御のみを行う。このため、タイミング発生回路84は、回転基板50の回転が制動される方向にのみ静電力が働く制動信号が送られるように、波形のタイミングを調整する。
制動制御回路85は、タイミング発生回路84からの制御信号によってスイッチ851をオン、オフする。本実施形態では、スイッチ851をオンして制動電極64をGND電位に接続することで、回転基板50を制動する制動状態に制御し、スイッチ851をオフすることで回転基板50を非制動状態に制御する。
制動制御回路85から出力される制動信号は制動配線86を介して制動電極64に与えられ、回転基板50の回転を制動する。このため、回転基板50は、回転速度信号と基準周波数信号とが一致する回転数で安定する。このようにして、電子制御式機械時計20の調速を行うことができる。
以上のとおり、調速機40は、回転基板50の回転により、静電誘導による発電を行うとともに、発電した電力を使って回転基板50の調速を行うことができる。
このため、調速機40は、静電式制動機42と、調速回路80と、静電式発電機43と、充電回路70とを備えて構成される。静電式制動機42は、回転基板50と、固定基板60とを備えて構成される。特に、帯電膜53が放射状に配置された回転基板50と、制動電極64が放射状に配置された制動電極領域64Aを有する固定基板60とで静電式制動機42が構成される。
静電式発電機43は、回転基板50と、固定基板60とを備えて構成される。特に、帯電膜53が放射状に配置された回転基板50と、発電電極63が放射状に配置された発電電極領域63Aを有する固定基板60とで静電式発電機43が構成される。
次に、電子制御式機械時計20における調速制御動作について説明する。電子制御式機械時計20のぜんまい310を手巻きあるいは自動巻きで巻き上げた後、ぜんまい310が解けて香箱車31が回転すると、輪列300を介して調速機車41および回転基板50が回転する。回転基板50が回転すると、対向する固定基板60の発電電極63および制動電極64に対して、回転基板50の帯電膜53が移動する。
回転基板50の回転に伴い、帯電膜53が第1電極631に対向する第1状態と、帯電膜53が第2電極632に対向する第2状態とが交互に発生し、これにより前述したように、第1電極631および第2電極632に交互に電荷が誘起されて発電電流が発生する。発生した交流電流は、整流回路71で整流され、電源回路72で定電圧とされてコンデンサー73に充電され、調速回路80を駆動する。
調速回路80は、前述したように、発電電極63から出力される発電電極信号に基づく回転速度信号が、振動子811の発振信号を分周した基準周波数信号に一致するように、制動電極信号を制動電極64に出力する。基準周波数信号は、秒針25が取り付けられた四番車34が60秒で1回転する速度に合わせて設定されている。これにより、回転基板50に制動が加わり、調速機車41を介して輪列300も一定速度に調速され、時針23、分針24、秒針25も一定速度で運針される。また、回転基板50が一定速度で回転することで、発電電極63における発電電流も一定レベルで継続して発生し、調速回路80を安定して駆動する。
[第1実施形態の作用効果]
本実施形態の電子制御式機械時計20によれば、静電式制動機42で輪列300の回転速度を調速しているので、外部磁界の影響を受けずに安定した調速を行うことができ、耐磁性能の高い時計を実現できる。
制動電極64が配置された固定対向面61に発電電極63も設けているので、回転基板50および固定基板60を、静電式制動機42および静電式発電機43で兼用でき、構造を簡易にでき、調速機40の小型化に寄与できる。さらに、回転基板50および固定基板60は1枚ずつ設ければよいため、調速機40の薄型化にも寄与できる。
静電式発電機43を備えているので、発電機も外部磁界の影響を受けないため、耐磁性能をより向上できる。また、調速回路80を駆動する一次電池を不要にできるため、電子制御式機械時計20の更なる小型化に寄与できる。
回転基板50に帯電膜53を設けているので、帯電膜53の代わりに電極を設け、この電極および制動電極64間に電位差を与える場合のように、制動のために高電位を発生する必要が無いため、調速回路80の構成を簡易化できる。
固定基板60に発電電極63、制動電極64を設けているので、これらの電極を回転基板50に設ける場合に比べて、第1電極631、第2電極632、第3配線641、充電配線74、制動配線86等も容易に配線できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電子制御式機械時計20Bについて、図10および図11を参照して説明する。
図10は、電子制御式機械時計20Bのムーブメント30Bの要部を示す図であり、図11は、電子制御式機械時計20Bの調速機40Bの構成を示す図である。なお、電子制御式機械時計20Bにおいて、第1実施形態の電子制御式機械時計20と同じ構成には同一符号を付して説明を省略または簡略する。
調速機40Bは、調速機車41に一体に取り付けた回転基板50Bと、第1固定基板610および第2固定基板620とを備えて構成されている。回転基板50Bは、第1固定基板610および第2固定基板620の間に配置されている。なお、ぜんまい310を収納する香箱車31や輪列300の構成は、第1実施形態のムーブメント30と同じであるため説明を省略する。
調速機40Bの回転基板50Bは、輪列300により駆動されて回転し、回転軸51に直交する第1回転対向面521および第2回転対向面522を有する。第1回転対向面521は、第1固定基板610に対向する面であり、第2回転対向面522は、第2固定基板620に対向する面である。
第1回転対向面521および第2回転対向面522には、第1実施形態の回転基板50の回転対向面52と同じく帯電膜53が放射状にそれぞれ配置されている。帯電膜53の配置数や配置間隔などは回転基板50と同じである。また、回転軸51、中心面部54、間隔部55等も回転基板50と同じである。
第1固定基板610は、第1回転対向面521に対向して配置され、第2固定基板620は、第2回転対向面522に対向して配置されている。第1固定基板610は、第1回転対向面521に対向する第1固定対向面611を備える。第2固定基板620は、第2回転対向面522に対向する第2固定対向面621を備える。
第1固定対向面611、第2固定対向面621の平面中心には、固定基板60と同様に、中心面部65と、回転軸51が挿通される貫通孔65Aとが形成されている。
第1固定対向面611には、制動電極64および間隔部66が放射状に配置されている。第1固定対向面611は全面が制動電極領域とされており、制動電極64は、対向する第1回転対向面521の帯電膜53と同じ配置数および配置間隔で配置されている。各制動電極64は、第3配線641に接続され、第3配線641は制動配線86に接続されている。
第2固定対向面621には、発電電極63が放射状に配置されている。第2固定対向面621は全面が発電電極領域とされている。発電電極63は、第1電極631と第2電極632とを備え、第1電極631および第2電極632は円周方向に沿って交互に配置されている。
第1電極631は、帯電膜53と同じく、円周方向に沿って30度間隔で12個配置されている。第2電極632も帯電膜53と同じく、円周方向に沿って30度間隔で12個配置されている。したがって、第2固定対向面621には、第1電極631および第2電極632の対で構成される発電電極63が12対設けられている。
第1電極631は第1配線635に接続され、第2電極632は第2配線636に接続され、第1配線635および第2配線636は充電配線74に接続されている。
図11に示すように、調速機40Bは、第1実施形態の調速機40と同じく、充電回路70と調速回路80とを備える。充電回路70および調速回路80は第1実施形態と同じ構成であるため、説明を省略する。
電子制御式機械時計20Bにおいては、回転基板50Bの回転に伴い、第2固定基板620の第2固定対向面621に配置された第1電極631、第2電極632に対して、第2回転対向面522の帯電膜53が移動することで、第1電極631および第2電極632に交互にプラスの電荷が誘起され、第1配線635、第2配線636、充電配線74を介して誘導電荷が移動して交流電流が充電回路70に出力される。この交流電流は、整流回路71で整流され、電源回路72で定電圧とされ、コンデンサー73に蓄電される。調速回路80は、コンデンサー73に蓄電された電気エネルギーで駆動される。
調速回路80から出力される制動電極信号は、制動配線86および第3配線641を介して第1固定基板610の制動電極64に入力される。これにより、第1固定基板610の第1固定対向面611に配置された制動電極64と、回転基板50Bの第1回転対向面521に配置された帯電膜53との間で静電ブレーキ力が発生し、回転基板50Bの回転速度を一定速度に調速でき、輪列300も一定速度で回転し、時針23、分針24、秒針25も一定速度で運針される。
このため、調速機40Bは、静電式制動機42Bと、調速回路80と、静電式発電機43Bと、充電回路70とを備えて構成される。静電式制動機42Bは、回転基板50Bと、第1固定基板610とを備えて構成される。特に、帯電膜53が放射状に配置された回転基板50Bの第1回転対向面521と、制動電極64が放射状に配置された第1固定基板610とで静電式制動機42Bが構成される。
静電式発電機43Bは、回転基板50Bと、第2固定基板620とを備えて構成される。特に、帯電膜53が放射状に配置された回転基板50Bの第2回転対向面522と、発電電極63が放射状に配置された第2固定基板620とで静電式発電機43Bが構成される。
[第2実施形態の作用効果]
本実施形態の電子制御式機械時計20Bによれば、第1実施形態と同様の構成により同様の作用効果を奏することができる。すなわち、静電式制動機42Bで輪列300の回転速度を調速しているので、外部磁界の影響を受けずに安定した調速を行うことができ、耐磁性能の高い時計を実現できる。
また、回転基板50Bの両面に帯電膜53を配置し、回転基板50Bを挟んで第1固定基板610および第2固定基板620を設けたので、第1固定基板610の第1固定対向面611の全面に制動電極64を配置でき、第2固定基板620の第2固定対向面621の全面に発電電極63を配置できる。このため、第1固定基板610、第2固定基板620に静電式制動機42Bと静電式発電機43Bとの機能を独立して割り当てることができる。このため、制動効率および発電効率を共に高めることができ、回転基板50Bおよび第1固定基板610、第2固定基板620の直径も小さくでき、回転基板50Bも1枚でよいため、調速機40Bの小型化、薄型化に寄与できる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の電子制御式機械時計20Cについて説明する。電子制御式機械時計20Cは、第1実施形態の電子制御式機械時計20に対して調速機40Cを変更したものであり、ぜんまい310が収納される香箱車31や輪列300は同じ構成であるため、説明を省略する。なお、電子制御式機械時計20Cにおいて、第1、2実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略または簡略する。
図12は、電子制御式機械時計20Cの調速機40Cの構成を示す図である。調速機40Cは、回転基板50Cと、回転基板50Cに対向して配置された固定基板60Cと、切替回路90と、充電回路70と、調速回路80とを備える。
回転基板50Cは、第1実施形態の回転基板50と同じ構成であり、図示略の調速機車41と一体で回転し、固定基板60Cに対向する回転対向面52Cには、帯電膜53が放射状に配置されている。回転基板50Cの回転軸51、中心面部54、間隔部55も回転基板50と同じ構成である。
固定基板60Cは、第2実施形態の第2固定基板620と同様の構成であり、回転基板50Cに対向する固定対向面61Cには、第1電極631および第2電極632が交互にかつ放射状に配置されている。これらの第1電極631、第2電極632は、発電のための発電電極と、制動のための制動電極とを兼用するものであり、切替回路90によって時間的に機能を切り替えることで発電と制動による調速を両立させている。固定基板60Cの中心面部65、貫通孔65Aも第2固定基板620と同じ構成である。
切替回路90は、第1電極631に接続された第1配線635と、第2電極632に接続された第2配線636とを、充電回路70および調速回路80に選択的に接続するスイッチ91、92を備えている。スイッチ91、92は、調速回路80から切替配線87を介して出力される切替信号によって、第1配線635、第2配線636を、充電配線74に接続する発電状態と、制動配線86に接続する制動状態とを切り替える。
このため、回転基板50Cおよび固定基板60Cは、切替回路90で発電状態とされている場合は静電式発電機43Cとして機能し、制動状態とされている場合は静電式制動機42Cとして機能する。
充電回路70および調速回路80は、第1実施形態と同じ構成であるため説明を省略する。
調速回路80は、一定の周期、例えば、1秒間に、スイッチ91、92を充電配線74に接続する発電期間と、スイッチ91、92を制動配線86に接続する制動期間との割合を調整することで制動ブレーキ力を制御できる。すなわち、ぜんまい310が巻き上げられて蓄積された機械エネルギーが大きい状態では、香箱車31から輪列300に伝達される機械エネルギーも大きいため、調速回路80は、制動期間を長くすることで制動ブレーキ力を大きくする。一方、ぜんまい310が解けて機械エネルギーが低下した状態では、調速回路80は、制動期間を短くすることで制動ブレーキ力を小さくする。
また、調速回路80は、制動期間では、第1電極631をGND電位に接続し、第2電極632を開放状態にする第1制動状態と、第2電極632をGND電位に接続し、第1電極631を開放状態にする第2制動状態とを、交互に切り替えることで、第1電極631および第2電極632の両方を用いて制動ブレーキを加えることができる。これにより、短時間で制動ブレーキ力を高めることができる。
[第3実施形態の作用効果]
電子制御式機械時計20Cによれば、前記各実施形態と同様の構成により同様の作用効果を奏することができる。すなわち、静電式制動機42Cで輪列300の回転速度を調速しているので、外部磁界の影響を受けずに安定した調速を行うことができ、耐磁性能の高い時計を実現できる。
また、固定基板60Cの固定対向面61Cに設けた第1電極631および第2電極632を、調速回路80および充電回路70に選択的に接続する切替回路90を設けたので、第1電極631および第2電極632を発電電極および制動電極に兼用できる。このため、第1電極631および第2電極632の機能を切替回路90で時間的に切り替えることで、静電式制動機42Cおよび静電式発電機43Cを実現できるため、調速機40Cの構造を簡易化できて小型化、薄型化に寄与できる。
さらに、固定基板60Cの固定対向面61Cの全面に設けた第1電極631および第2電極632を、時間的に切り替えて発電電極および制動電極に利用できるので、発電のための電極面積と制動のための電極面積を最大限大きくすることができ、発電効率および制動効率を高めることができる。このため、回転基板50Cおよび固定基板60Cの直径を小さくすることもでき、調速機40Cの小型化に貢献することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の電子制御式機械時計20Dについて、図13および図14を参照して説明する。
図13は、電子制御式機械時計20Dのムーブメント30Dの要部を示す図であり、図14は、電子制御式機械時計20Dの調速機40Dの構成を示す図である。なお、電子制御式機械時計20Dにおいて、前記各実施形態の電子制御式機械時計20、20B、20Cと同じ構成には同一符号を付して説明を省略または簡略する。
調速機40Dは、輪列300で駆動される調速機車41と、調速機車41から増速されて回転する発電機車45と、静電式制動機42Dと、静電式発電機43Dとを備える。
静電式制動機42Dは、調速機車41と一体で回転する第1回転基板510Dと、第1回転基板510Dに対向する第1固定基板610Dと、調速回路80とを備える。
静電式発電機43Dは、発電機車45と一体で回転する第2回転基板520Dと、第2回転基板520Dに対向する第2固定基板620Dと、充電回路70とを備える。
なお、ぜんまい310を収納する香箱車31や、輪列300の構成は第1実施形態のムーブメント30と同じであるため説明を省略する。
第1回転基板510Dは、第1固定基板610Dに対向する第1回転対向面511Dを有する。第1回転対向面511Dには、第1実施形態の回転基板50の回転対向面52と同じく帯電膜53が放射状にそれぞれ配置されている。帯電膜53、間隔部55の配置数や配置間隔などは回転基板50と同じである。
第1固定基板610Dは、第2実施形態の第1固定基板610と同じ構成であり、第1回転対向面511Dに対向する第1固定対向面611Dを備え、第1固定対向面611Dには、制動電極64および間隔部66が放射状に配置されている。制動電極64は、第3配線641に接続され、第3配線641は制動配線86に接続されている。
第2回転基板520Dは、第2固定基板620Dに対向する第2回転対向面522Dを有する。第2回転対向面522Dには、第1実施形態の回転基板50の回転対向面52と同じく帯電膜53が放射状にそれぞれ配置されている。帯電膜53、間隔部55の配置数や配置間隔などは回転基板50と同じである。
第2固定基板620Dは、第2実施形態の第2固定基板620と同じ構成であり、第2回転基板520Dに対向する第2固定対向面621Dを備え、第2固定対向面621Dには、第1電極631および第2電極632の対で構成される発電電極63が放射状に配置されている。
第1電極631は第1配線635に接続され、第2電極632は第2配線636に接続され、第1配線635および第2配線636は充電配線74に接続されている。
図14に示すように、調速機40Dは、第1実施形態の調速機40と同じく、充電回路70と調速回路80とを備える。充電回路70および調速回路80は第1実施形態と同じ構成であるため、説明を省略する。
電子制御式機械時計20Dにおいては、輪列300に連動して調速機車41および発電機車45が回転すると、第1回転基板510Dおよび第2回転基板520Dが回転する。第2回転基板520Dの回転に伴い、第2固定基板620Dの第2固定対向面621Dに配置された第1電極631、第2電極632に対して、第2回転対向面522Dの帯電膜53が移動することで、第1電極631および第2電極632に交互にプラスの電荷が誘起され、第1配線635、第2配線636、充電配線74を介して誘導電荷が移動して交流電流が充電回路70に出力される。交流電流は、整流回路71で整流され、電源回路72で定電圧とされ、コンデンサー73に蓄電される。調速回路80は、コンデンサー73に蓄電された電気エネルギーで駆動される。
調速回路80から出力される制動電極信号は、制動配線86および第3配線641を介して第1固定基板610Dの制動電極64に入力される。これにより、第1固定基板610Dの第1固定対向面611Dに配置された制動電極64と、第1回転基板510Dの第1回転対向面511Dに配置された帯電膜53との間で静電ブレーキ力が発生し、第1回転基板510Dの回転速度を一定速度に調速でき、輪列300も一定速度で回転し、時針23、分針24、秒針25も一定速度で運針される。
[第4実施形態の作用効果]
電子制御式機械時計20Dによれば、前記各実施形態と同様の構成により同様の作用効果を奏することができる。すなわち、静電式制動機42Dで輪列300の回転速度を調速しているので、外部磁界の影響を受けずに安定した調速を行うことができ、耐磁性能の高い時計を実現できる。
また、静電式制動機42Dを構成する第1回転基板510Dおよび第1固定基板610Dと、静電式発電機43Dを構成する第2回転基板520Dおよび第2固定基板620Dとを独立して設けたので、第1回転基板510Dと第2回転基板520Dの回転速度を別々に設定できる。このため、第1回転基板510Dの回転速度を制動に適した速度に設定し、第2回転基板520Dの回転速度を発電に適した速度に設定することができ、発電効率と調速効率を共に高めることができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態の電子制御式機械時計20Eについて、図15および図16を参照して説明する。
図15は、電子制御式機械時計20Eのムーブメント30Eの要部を示す図であり、図16は、電子制御式機械時計20Eの調速機40Eの構成を示す図である。なお、電子制御式機械時計20Eにおいて、前記各実施形態の電子制御式機械時計20、20B、20C、20Dと同じ構成には同一符号を付して説明を省略または簡略する。
調速機40Eは、輪列300で駆動される調速機車41と、調速機車41から増速されて回転する発電機車45と、静電式制動機42Eと、電磁誘導式発電機200とを備える。すなわち、調速機40Eは、調速機40Dの静電式発電機43Dの代わりに電磁誘導式発電機200を設けたのものである。
静電式制動機42Eは、調速機車41と一体で回転する回転基板50E、回転基板50Eに対向する固定基板60Eと、調速回路80とを備える。
回転基板50Eは、第1実施形態の回転基板50と同じ構成であり、固定基板60Eに対向する回転対向面52Eを有する。回転対向面52Eには、第1実施形態の回転対向面52と同じく帯電膜53が放射状にそれぞれ配置されている。帯電膜53、間隔部55の配置数や配置間隔などは回転基板50と同じである。
固定基板60Eは、第2実施形態の第1固定基板610と同じ構成であり、回転対向面52Eに対向する固定対向面61Eを備え、固定対向面61Eには、制動電極64および間隔部66が放射状に配置されている。制動電極64は、第3配線641に接続され、第3配線641は制動配線86に接続されている。
電磁誘導式発電機200は、一般的な電子時計におけるステッピングモーターと同様の構成であり、調速機車41から増速されて回転する発電機車45と、発電機車45と一体で回転するローター220と、ローター220の周囲に配置されたステーター230と、コイル240とを備える。コイル240は、充電配線74を介して充電回路70に接続されている。
電子制御式機械時計20Eにおいては、輪列300に連動して調速機車41および発電機車45が回転すると、回転基板50Eおよびローター220が回転する。ローター220の回転に伴い、ステーター230に流れる磁束が変化し、コイル240に誘起電力を発生させて発電する。コイル240で発生した交流電流は、充電配線74を介して充電回路70に出力され、整流回路71で整流され、電源回路72で定電圧とされ、コンデンサー73に蓄電される。調速回路80は、コンデンサー73に蓄電された電気エネルギーで駆動される。
調速回路80から出力される制動電極信号は、制動配線86および第3配線641を介して固定基板60Eの制動電極64に入力される。これにより、固定基板60Eの固定対向面61Eに配置された制動電極64と、回転基板50Eの回転対向面52Eに配置された帯電膜53との間で静電ブレーキ力が発生し、回転基板50Eの回転速度を一定速度に調速でき、輪列300も一定速度で回転し、時針23、分針24、秒針25も一定速度で運針される。
[第5実施形態の作用効果]
電子制御式機械時計20Eによれば、静電式制動機42Eを用いているので、前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、発電機として一般的な電子時計のステッピングモーターと同様の構成である電磁誘導式発電機200を用いているので、発電電力を高めることができ、コストも低減できる。
さらに、電磁誘導式発電機200は外部磁界の影響を受けるが、調速回路80を駆動できるだけの発電は十分に可能であり、輪列300の回転速度を調速する調速機40Eは静電式であるため、外部磁界の影響を排除して安定して高精度の調速を行うことができて耐磁性能の高い時計を実現できる。
[他の実施形態]
なお、本開示は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、回転基板50、50B、50C、50E、第1回転基板510D、第2回転基板520Dに帯電膜53を設け、固定基板60、60C、60E、第1固定基板610、610D、第2固定基板620、620Dに制動電極64や発電電極63を設けているが、回転基板に制動電極や発電電極を設け、固定基板に帯電膜を設けてもよい。
静電式制動機42、42B、42C、42D、42Eでは、制動電極64に出力する制動信号は、制動状態がGND電位、非制動状態が開放となるようにしているが、上述の静電ブレーキの原理のところで説明したように、異なる電位で切り替える方式でもよい。
また、前記各実施形態では、帯電膜53つまりエレクトレット膜を設けていたが、帯電膜53の代わりに制動電極64に対向する電極を設け、これらの電極間に電位差を与えることで静電ブレーキを加える方式を採用してもよい。
調速回路80は一次電池や二次電池で駆動してもよい。なお、二次電池を設けた場合は、電子制御式機械時計に輪列300の駆動に連動せずに発電するソーラーパネルや電磁誘導式発電機などの発電装置を設けても充電してもよいし、電子制御式機械時計の外部から非接触で充電するためのコイル等を設けて充電してもよいし、電子制御式機械時計に充電用の外部端子を設けて充電してもよい。
前記実施形態では、時針23、分針24、秒針25の運針の調速に静電式調速機を用いていたが、クロノグラフ用の指針の運針などの調速に静電式調速機を利用してもよい。
回転基板50、50B、50C、50E、第1回転基板510D、第2回転基板520Dは絶縁性基板で構成してもよく、また、円盤状に限らず、帯電膜53の形状に合わせて帯電膜53部分のみに基板がある風車状の形状でもよい。
固定基板60、60C、60E、第1固定基板610、610D、第2固定基板620、620Dは導電性基板で構成してもよく、この場合は、絶縁膜を介して発電電極63や制動電極64を形成すればよい。
第1電極631および第2電極632で構成される発電電極63の対の数は、前記各実施形態の2対や12対に限定されず、少なくとも1対あればよく、その数は調速回路80を駆動するために必要となる発電能力に応じて設定すればよい。
[本開示のまとめ]
本開示の電子制御式機械時計は、ぜんまいと、前記ぜんまいによって回転される輪列と、前記輪列により駆動されて時刻を指示する指針と、前記輪列の回転速度を調速する調速機と、を備え、前記調速機は、静電力によって前記輪列の回転を制動する静電式制動機と、前記静電式制動機の制動状態を制御する調速回路と、を備えることを特徴とする。
本開示の電子制御式機械時計によれば、輪列の回転速度を調速する調速機を、静電式制動機を用いて構成しているので、外部磁界の影響を無くすことができ、安定した調速を行うことができて耐磁性能の高い時計を実現できる。
本開示の電子制御式機械時計において、前記静電式制動機は、前記輪列により駆動されて回転する回転基板と、前記回転基板に対向して配置された固定基板と、を備え、前記回転基板の前記固定基板に対向する回転対向面には、帯電膜が放射状に配置され、前記固定基板の前記回転基板に対向する固定対向面には、制動電極が放射状に配置され、前記調速回路は、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御することを特徴とする。
本開示の電子制御式機械時計によれば、静電式制動機に帯電膜を使うことで、制動のために高電圧を発生する必要が無くなり、調速回路の構成を簡易化できる。
また、固定基板に制動電極を設けたので、制動電極の電気的状態を変化させる配線も容易に配置できる。
本開示の電子制御式機械時計において、前記静電式制動機は、前記輪列により駆動されて回転する回転基板と、前記回転基板に対向して配置された固定基板と、を備え、前記回転基板の前記固定基板に対向する回転対向面には、制動電極が放射状に配置され、前記固定基板の前記回転基板に対向する固定対向面には、帯電膜が放射状に配置され、前記調速回路は、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御することを特徴とする。
本開示の電子制御式機械時計によれば、静電式制動機に帯電膜を使うことで、制動のために高電圧を発生する必要が無くなり、調速回路の構成を簡易化できる。
本開示の電子制御式機械時計において、前記制動電極が配置された前記固定対向面または前記回転対向面には、前記制動電極が配置された制動電極領域と、第1電極および第2電極で構成される発電電極が一対または複数対設けられた発電電極領域とが設けられ、前記静電式制動機は、前記回転基板の回転に伴い、前記回転基板の回転軸に沿った方向から見た平面視で、前記帯電膜が前記第1電極および前記第2電極に交互に重なることで発電する静電式発電機を兼用し、前記調速回路は、前記静電式発電機で発電される電力で駆動されることを特徴とする。
本開示の電子制御式機械時計によれば、静電式発電機を備えるため、一次電池等を用いずに調速回路を動作させることができる。また、発電機も静電式とすることで、発電機も外部磁界の影響を受けないため、耐磁性能のより高い時計を実現できる。
さらに、制動電極が配置された固定対向面または回転対向面に発電電極も設けているので、制動機と発電機を一体化することができ、構造を簡易にでき、電子制御式機械時計の小型化に寄与できる。
本開示の電子制御式機械時計において、前記輪列により駆動されて回転し、回転軸に直交する第1回転対向面および第2回転対向面を有する回転基板と、前記第1回転対向面に対向して配置された第1固定基板と、前記第2回転対向面に対向して配置された第2固定基板と、とを備え、前記第1回転対向面および前記第2回転対向面には、それぞれ帯電膜が放射状に配置され、前記第1固定基板の前記第1回転対向面に対向する第1固定対向面には、制動電極が放射状に配置され、前記第2固定基板の前記第2回転対向面に対向する第2固定対向面には、第1電極および第2電極で構成される発電電極が一対または複数対設けられ、前記回転基板と前記第1固定基板とで前記静電式制動機が構成され、前記回転基板と前記第2固定基板とで静電式発電機が構成され、前記調速回路は、前記静電式発電機で発電される電力で駆動され、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御することを特徴とする。
本開示の電子制御式機械時計によれば、回転基板の両面に帯電膜を配置し、回転基板を挟んで第1固定基板および第2固定基板を設け、それぞれに制動電極および発電電極を設けることで、各固定基板に制動機と発電機の機能を独立して割り当てることができる。このため、制動効率および発電効率を共に高めることができ、回転基板および固定基板の直径を小さくでき、回転基板も1枚でよいため、調速機の小型化に寄与できる。
本開示の電子制御式機械時計において、前記輪列により駆動されて回転し、帯電膜が放射状に配置された回転対向面を有する回転基板と、前記回転基板に対向して配置され、制動電極および発電電極を兼用する第1電極および第2電極が周方向に沿って交互に配置されて前記回転対向面に対向する固定対向面を有する固定基板と、前記第1電極に接続する第1配線と、前記第2電極に接続する第2配線と、前記第1電極および前記第2電極で発電した発電電流を整流する整流回路および蓄電する蓄電装置を有する充電回路と、前記第1配線および前記第2配線を前記調速回路に接続して前記回転基板および前記固定基板を前記静電式制動機として機能させる制動状態と、前記第1配線および前記第2配線を前記充電回路に接続して前記回転基板および前記固定基板を静電式発電機として機能させる発電状態とに切り替える切替回路と、を備え、前記調速回路は、前記静電式発電機で発電されて前記蓄電装置に蓄電された電力で駆動され、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御することを特徴とする。
本開示の電子制御式機械時計によれば、固定基板の固定対向面に設けた第1電極および第2電極を、調速回路および充電回路に選択的に接続する切替回路を設けたので、第1電極および第2電極を発電電極および制動電極に兼用できる。このため、第1電極および第2電極の機能を切替回路で時間的に切り替えることで、静電式制動機および静電式発電機の構造を簡易化でき、小型化に寄与できる。
本開示の電子制御式機械時計において、前記輪列により駆動されて発電する前記静電式制動機および静電式発電機を備え、前記静電式制動機は、前記輪列により駆動されて回転する第1回転基板と、前記第1回転基板に対向して配置された第1固定基板と、を備え、前記第1回転基板の前記第1固定基板に対向する第1回転対向面には、帯電膜が放射状に配置され、前記第1固定基板の前記第1回転基板に対向する第1固定対向面には、制動電極が放射状に配置され、前記静電式発電機は、前記輪列により駆動される回転する第2回転基板と、前記第2回転基板に対向して配置された第2固定基板と、を備え、前記第2回転基板の前記第2固定基板に対向する第2回転対向面には、帯電膜が放射状に配置され、前記第2固定基板の前記第2回転基板に対向する第2固定対向面には、第1電極および第2電極で構成される発電電極が一対または複数対設けられ、前記調速回路は、前記静電式発電機で発電される電力で駆動され、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御することを特徴とする。
本開示の電子制御式機械時計によれば、静電式制動機を構成する第1回転基板および第1固定基板と、静電式発電機を構成する第2回転基板および第2固定基板とを独立して設けたので、第1回転基板と第2回転基板の回転速度を別々に設定できる。このため、第1回転基板の回転速度を制動に適した速度に設定し、第2回転基板の回転速度を発電に適した速度に設定することができ、発電効率と調速効率を共に高めることができる。
本開示の電子制御式機械時計において、前記輪列により駆動されて発電する電磁誘導式発電機を備え、前記電磁誘導式発電機は、前記輪列により駆動される回転するローターと、ステーターと、コイルとを備え、前記調速回路は、前記電磁誘導式発電機で発電される電力で駆動されることを特徴とする。
本開示の電子制御式機械時計によれば、発電機として一般的な電子時計のステッピングモーターと同様の構成である電磁誘導式発電機を用いているのでコストを低減できる。
また、電磁誘導式発電機は外部磁界の影響を受けるが、調速回路を駆動できるだけの発電は十分に可能であり、輪列の回転速度を調速する調速機は静電式であるため、外部磁界の影響を排除して安定して高精度の調速を行うことができて耐磁性能の高い時計を実現できる。
本開示の電子制御式機械時計において、前記調速回路を駆動する一次電池または二次電池を備えることを特徴とする。
本開示の電子制御式機械時計によれば、一次電池や二次電池で調速回路を駆動するため、時計の回路構成を簡単にできる。
1…静電式発電機、2…基板、3A…エレクトレット膜、3B…エレクトレット膜、4…基板、5A…対向電極、5B…対向電極、6…全波整流回路、7…負荷回路、8…コンデンサー、9…抵抗、11…平板電極、12…平板電極、13…電源、15…基板、16…基板、17…エレクトレット膜、18…対向電極、19…スイッチ、20…電子制御式機械時計、20B…電子制御式機械時計、20C…電子制御式機械時計、20D…電子制御式機械時計、20E…電子制御式機械時計、23…時針、24…分針、25…秒針、30…ムーブメント、30B…ムーブメント、30D…ムーブメント、30E…ムーブメント、31…香箱車、32…二番車、33…三番車、34…四番車、40…調速機、40B…調速機、40C…調速機、40D…調速機、40E…調速機、41…調速機車、42…静電式制動機、42B…静電式制動機、42C…静電式制動機、42D…静電式制動機、42E…静電式制動機、43…静電式発電機、43B…静電式発電機、43C…静電式発電機、43D…静電式発電機、45…発電機車、50…回転基板、50B…回転基板、50C…回転基板、50E…回転基板、51…回転軸、52…回転対向面、52C…回転対向面、52E…回転対向面、53…帯電膜、55…間隔部、60…固定基板、60C…固定基板、60E…固定基板、61…固定対向面、61C…固定対向面、61E…固定対向面、63…発電電極、63A…発電電極領域、64…制動電極、64A…制動電極領域、65A…貫通孔、66…間隔部、67…第1間隔部、68…第2間隔部、70…充電回路、71…整流回路、72…電源回路、73…コンデンサー、74…充電配線、80…調速回路、81…基準周波数発生回路、82…コンパレーター、83…位相周波数比較器、84…タイミング発生回路、85…制動制御回路、86…制動配線、87…切替配線、90…切替回路、91…スイッチ、92…スイッチ、200…電磁誘導式発電機、220…ローター、230…ステーター、240…コイル、300…輪列、310…ぜんまい、510D…第1回転基板、511D…第1回転対向面、520D…第2回転基板、521…第1回転対向面、522…第2回転対向面、522D…第2回転対向面、610…第1固定基板、610D…第1固定基板、611…第1固定対向面、611D…第1固定対向面、620…第2固定基板、620D…第2固定基板、621…第2固定対向面、621D…第2固定対向面、631…第1電極、632…第2電極、635…第1配線、636…第2配線、641…第3配線、811…振動子、851…スイッチ。

Claims (9)

  1. ぜんまいと、
    前記ぜんまいによって回転される輪列と、
    前記輪列により駆動されて時刻を指示する指針と、
    前記輪列の回転速度を調速する調速機と、を備え、
    前記調速機は、
    静電力によって前記輪列の回転を制動する静電式制動機と、
    前記静電式制動機の制動状態を制御する調速回路と、を備える
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
  2. 請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
    前記静電式制動機は、
    前記輪列により駆動されて回転する回転基板と、
    前記回転基板に対向して配置された固定基板と、を備え、
    前記回転基板の前記固定基板に対向する回転対向面には、帯電膜が放射状に配置され、
    前記固定基板の前記回転基板に対向する固定対向面には、制動電極が放射状に配置され、
    前記調速回路は、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御する
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
  3. 請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
    前記静電式制動機は、
    前記輪列により駆動されて回転する回転基板と、
    前記回転基板に対向して配置された固定基板と、を備え、
    前記回転基板の前記固定基板に対向する回転対向面には、制動電極が放射状に配置され、
    前記固定基板の前記回転基板に対向する固定対向面には、帯電膜が放射状に配置され、
    前記調速回路は、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御する
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
  4. 請求項2または請求項3に記載の電子制御式機械時計において、
    前記制動電極が配置された前記固定対向面または前記回転対向面には、前記制動電極が配置された制動電極領域と、第1電極および第2電極で構成される発電電極が一対または複数対設けられた発電電極領域とが設けられ、
    前記静電式制動機は、前記回転基板の回転に伴い、前記回転基板の回転軸に沿った方向から見た平面視で、前記帯電膜が前記第1電極および前記第2電極に交互に重なることで発電する静電式発電機を兼用し、
    前記調速回路は、前記静電式発電機で発電される電力で駆動される
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
  5. 請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
    前記輪列により駆動されて回転し、回転軸に直交する第1回転対向面および第2回転対向面を有する回転基板と、
    前記第1回転対向面に対向して配置された第1固定基板と、
    前記第2回転対向面に対向して配置された第2固定基板と、とを備え、
    前記第1回転対向面および前記第2回転対向面には、それぞれ帯電膜が放射状に配置され、
    前記第1固定基板の前記第1回転対向面に対向する第1固定対向面には、制動電極が放射状に配置され、
    前記第2固定基板の前記第2回転対向面に対向する第2固定対向面には、第1電極および第2電極で構成される発電電極が一対または複数対設けられ、
    前記回転基板と前記第1固定基板とで前記静電式制動機が構成され、
    前記回転基板と前記第2固定基板とで静電式発電機が構成され、
    前記調速回路は、前記静電式発電機で発電される電力で駆動され、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御する
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
  6. 請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
    前記輪列により駆動されて回転し、帯電膜が放射状に配置された回転対向面を有する回転基板と、
    前記回転基板に対向して配置され、制動電極および発電電極を兼用する第1電極および第2電極が周方向に沿って交互に配置されて前記回転対向面に対向する固定対向面を有する固定基板と、
    前記第1電極に接続する第1配線と、
    前記第2電極に接続する第2配線と、
    前記第1電極および前記第2電極で発電した発電電流を整流する整流回路および蓄電する蓄電装置を有する充電回路と、
    前記第1配線および前記第2配線を前記調速回路に接続して前記回転基板および前記固定基板を前記静電式制動機として機能させる制動状態と、前記第1配線および前記第2配線を前記充電回路に接続して前記回転基板および前記固定基板を静電式発電機として機能させる発電状態とに切り替える切替回路と、を備え、
    前記調速回路は、前記静電式発電機で発電されて前記蓄電装置に蓄電された電力で駆動され、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御する
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
  7. 請求項1に記載の電子制御式機械時計において、
    前記輪列により駆動されて発電する前記静電式制動機および静電式発電機を備え、
    前記静電式制動機は、
    前記輪列により駆動されて回転する第1回転基板と、
    前記第1回転基板に対向して配置された第1固定基板と、を備え、
    前記第1回転基板の前記第1固定基板に対向する第1回転対向面には、帯電膜が放射状に配置され、
    前記第1固定基板の前記第1回転基板に対向する第1固定対向面には、制動電極が放射状に配置され、
    前記静電式発電機は、
    前記輪列により駆動される回転する第2回転基板と、
    前記第2回転基板に対向して配置された第2固定基板と、を備え、
    前記第2回転基板の前記第2固定基板に対向する第2回転対向面には、帯電膜が放射状に配置され、
    前記第2固定基板の前記第2回転基板に対向する第2固定対向面には、第1電極および第2電極で構成される発電電極が一対または複数対設けられ、
    前記調速回路は、前記静電式発電機で発電される電力で駆動され、前記制動電極の電気的状態を変化させて前記静電式制動機の制動状態を制御する
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
  8. 請求項2または請求項3に記載の電子制御式機械時計において、
    前記輪列により駆動されて発電する電磁誘導式発電機を備え、
    前記電磁誘導式発電機は、前記輪列により駆動される回転するローターと、ステーターと、コイルとを備え、
    前記調速回路は、前記電磁誘導式発電機で発電される電力で駆動される
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
  9. 請求項2または請求項3に記載の電子制御式機械時計において、
    前記調速回路を駆動する一次電池または二次電池を備える
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
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