JPH10108450A - エネルギー変換装置、ステッピングモーター、計時装置、発電装置および電子機器 - Google Patents

エネルギー変換装置、ステッピングモーター、計時装置、発電装置および電子機器

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JPH10108450A
JPH10108450A JP25518596A JP25518596A JPH10108450A JP H10108450 A JPH10108450 A JP H10108450A JP 25518596 A JP25518596 A JP 25518596A JP 25518596 A JP25518596 A JP 25518596A JP H10108450 A JPH10108450 A JP H10108450A
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JP
Japan
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rotor
rotation axis
stepping motor
stator
distance
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Application number
JP25518596A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Iijima
好隆 飯島
Kinya Matsuzawa
欣也 松澤
Hiroichi Sekino
博一 関野
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステーター内のローターを回転して発電する
発電装置などのエネルギー変換装置において、ローター
のコギングトルクを非正弦状にしてそれぞれの用途に適
したエネルギー変換装置を提供する。 【解決手段】 発電装置10のローター13を楕円状と
し、中心軸13aを中心に円形の収納部22の内部で回
転する。楕円状のローター13は、短軸方向が磁化方向
13bとなっているので、ローター13の磁化方向13
bとヨーク部24aおよび24bとの間のギャップ23
aが、ローター13の磁化方向13bに直交する方向1
3cと磁気飽和部26aおよび26bとの間のギャップ
23bより長くなる。このため、ローター13に巻きつ
いたタイプ1の磁束の影響がコギングトルクに強く現
れ、回転の初期にピークを持った発電装置に適したコギ
ングトルクを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転錘などによっ
て得られる運動エネルギーによりローターを回転して発
電を行う発電装置、あるいは、腕時計装置などの小型の
電子機器の動力源として適したステッピングモーターに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】腕時計装置のような小型で携帯に適した
電子機器において、発電装置を内蔵することによって電
池の交換をなくし、あるいは電池自体を無くすことがで
きる携帯型の電子機器が考案され、実用化されている。
図19に、その一例として発電装置10を内蔵した腕時
計装置1の概略構成を示してある。この携帯型電子機器
(腕時計装置)1においては、腕時計装置のケース内で
旋回運動を行う回転錘11と、回転錘11の回転運動を
発電装置10のローター13に伝達する伝達手段である
輪列機構12と、発電装置10を備えている。発電装置
10は、2極の永久磁石を備えたディスク状のローター
13と、このローター13を収納するステーター14を
備えており、ローター13が回転するとステーター14
の出力用コイル15に起電力が発生し、交流出力が取り
出せるようになっている。さらに、この携帯型電子機器
は、発電装置10から出力された交流を整流する整流回
路2と、発電装置10から得られた電力を蓄積するコン
デンサ5などによって構成された供給部4と、この供給
部4からの電力によって動作する計時装置7などの処理
装置6を備えている。
【0003】図20に発電装置10の概略構成を示して
ある。この発電装置10は、2極磁化された円盤状のロ
ーター13と、このローター13を回転可能に収納し、
ローター13の回転エネルギーを電気エネルギーに変換
して出力するステーター14を備えている。ステーター
14は、長い板状の磁性体からなるヨーク板20と、こ
のヨーク板20と並列に配置され、ヨーク板20の両端
21aおよび21bに接続された出力コイル15を備え
ている。ヨーク板20のほぼ中央には、ローター13を
収納するための円形に開いた収納部22が設けられてお
り、ローター13が一定のギャップ23を保持しながら
回転軸13aを中心に収納部22の内部で回転できるよ
うになっている。ヨーク板20の出力コイル15の接続
された端21aおよび21bの方向が出力コイル15に
繋がる磁路を形成するための幅の広いヨーク部24aお
よび24bである。これに対し、収納部22の周囲のヨ
ーク部24aおよび24bとほぼ直角な幅方向は狭く、
さらに、この部分にヨーク板の外縁から凹んだ外ノッチ
25aおよび25bを設けることにより、磁路幅が狭く
磁束密度が増加するとすぐに飽和する磁束飽和部26a
および26bが形成されている。従って、ローター13
が回転すると、磁束飽和部26aおよび26bによって
磁束をヨーク部24aおよび24bの方向に広げること
ができ、ローター13の回転エネルギーを電気エネルギ
ーに変えて出力コイル15から出力できるようになって
いる。
【0004】また、このようなローター13およびステ
ーター14を備えた発電装置10とほぼ同様の構成で、
2極のステッピングモーターを構成することが可能であ
り、そのようなステッピングモーターでは、発電装置1
0の出力コイル15に相当する駆動コイルに駆動パルス
を供給することによりローター13を所定のタイミング
で回転駆動することができる。これにより、小型で薄い
ステッピングモーターを提供できるので、上述した腕時
計装置1の計時装置7における運針機構などに用いられ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ロータ
ーを回転して発電を行う発電装置や、ローターを駆動し
て運針などを行うステッピングモータといった、機械エ
ネルギーを電気エネルギーに変換したり、電気エネルギ
ーを機械エネルギーに変換するエネルギー変換装置にお
いては、ヨーク部の磁束密度を上げて変換効率を上げる
ために急速に磁気を飽和できるように磁路幅の狭い磁気
飽和部を設けるようにしている。一方、磁気飽和部にお
いて磁気が急速に飽和するようになるとコギング現象が
強く現れ、ローターの回転角度に応じてほぼ正弦波状に
トルクが変動し、回転ムラが発生する。このようなトル
ク変動は、ローターを回転させるための機械的な損失が
増加するので、ローターを介して行われる機械エネルギ
ーから電気エネルギー、あるいは電気エネルギーから機
械エネルギーへのエネルギー変換の効率が低下する要因
となる。このため、ローターの収納部の内側に内ノッチ
を設けてコギング現象の原因となるコギングトルク(無
励磁保持トルク、ディテントトルク)を全体に小さくす
るなどの対策がとられている。
【0006】一方、コギングトルクは正弦波状に変化す
るので、これを利用することも可能である。例えば、最
初の抵抗成分を上回る駆動トルクが得られれば、コギン
グトルクが正に転じ、回転方向に引力として作用する加
速成分によってローターの軸摩擦などの抵抗成分に逆ら
ってローターを所定の角度まで回転させることができ
る。これに対し、コギングトルクを単に小さくしてしま
うと、コギングトルクの加速成分を有効に用いることが
できなくなってしまい、コギングトルクを減少するとス
テッピングモーターにおける回転ミスや逆転が起きる頻
度が増加することがある。また、コギングトルクを減少
すると安定点がばらつきやすくなるので、1ステップア
ングル毎に確実に回転することを要求されるステッピン
グモーターとしては安定した性能が得られなくなる。
【0007】さらに、回転錘の回転エネルギーを電気エ
ネルギーに変換する発電装置においては、回転錘が停止
する直前の微弱なトルクを有効に利用することを考える
と、ローターの回転初期にコギングトルクのピークをも
ってきたほうがローターの回転数を多くでき、発電効率
を向上できる。
【0008】このように、ローターの回転を用いてエネ
ルギー変換装置においては、コギングトルクを正弦波状
から変形することにより、機械−電気エネルギー変換
時、あるいは電気−機械エネルギー変換時の効率を向上
できる。そこで、本発明においては、コギングトルクを
非正弦波状にできるエネルギー変換装置を提供すること
を目的としている。そして、電気エネルギーを機械エネ
ルギーに変換するステッピングモーターにおいては、起
動性が良く、回転ミスの少ない安定した性能と低消費電
力のステッピングモーターを提供することを目的として
いる。また、機械エネルギーを電気エネルギーに変換す
る発電装置においては、回転錘などのローターを駆動す
る駆動系の小さな機械エネルギーでも電気エネルギーに
変換できる発電効率の高い発電装置を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、ローターとステーターの磁場の2つの異なる相互
作用に着目し、これらの作用によるコギングトルクへの
影響を制御することにより、非正弦波状のコギングトル
クを備えたエネルギー変換装置を実現している。すなわ
ち、本発明のステーターと、このステーターに対し相対
的に回転する多極磁化されたローターとを有するエネル
ギー変換装置においては、ステーターが、ローターを回
転可能に収納する中空の収納部と、磁路幅が広くコイル
に接続されるヨーク部と、磁路幅の狭い磁気飽和部とを
備えており、これらヨーク部および磁気飽和部は収納部
の周囲に交互に形成されており、さらに、ローターの回
転角によってローターとヨーク部および磁気飽和部との
間の距離が変化することを特徴としている。ローターと
ヨーク部あるいは磁気飽和部との間の距離を変化させる
ことは、ローターの回転軸に垂直な断面、および、収納
部の回転軸に垂直な断面の少なくともいずれか一方を非
円形にすることによって可能である。
【0010】ローターがステーターの収納部内を回転す
るエネルギー変換装置は、ローターによってヨーク部お
よび磁気飽和部に生ずる2つの種類の磁束を考えること
によって定性的に説明することができる。図1にエネル
ギー変換装置の例として、図20に示した発電装置を模
式的に示してある。この発電装置10は、ステーター1
4の収納部22に2極磁化された円盤状のローター13
が回転可能に収納されており、収納部22の図面上の左
右が磁路幅が広くコイル15に繋がったヨーク部24a
および24bが構成され、図面上の上下に外ノッチ25
aおよび25bによって磁路幅がさらに狭くなった磁気
飽和部26aおよび26bが構成されている。このよう
に、ヨーク部と磁気飽和部が交互に形成されたステータ
ー内でローターを回転すると、図2に示すようなほぼ正
弦波状のコギングトルクが得られる。図3に、図2に示
したコギングトルクの原因となると考えられる磁束の様
子を模式的に示してある。
【0011】図3に示したタイプ1の磁束は、ローター
13に巻きついた状態の磁束であり、ローター13が回
転して磁路幅の狭くなった磁気飽和部26aおよび26
bに入り込んでいくときにローター13の運動を妨げる
方向に作用し、逆に磁路幅の広いヨーク部24aおよび
24bに出ていくときはローター13の運動を促進する
方向に力が働く。一方、タイプ2の磁束は、ヨーク部2
4aおよび24bに沿ってコイル15に向かって延びた
磁束であり、できるかぎり短くなろうとする。このた
め、ローター13の磁化方向13bがヨーク部24aお
よび24bの方向を向いたときが最も安定する。従っ
て、ローター13の磁化方向13bがヨーク部24aお
よび24bから離れる向きに回転するとそれを妨げる方
向に作用し、一方、ヨーク部24aおよび24bに近づ
く向きに回転するとそれを促進する方向に作用する。
【0012】従って、ステーター14が無励磁の状態で
は、ローター13は、タイプ1の磁束による力とタイプ
2の磁束による力が釣り合った角度で停止する。例え
ば、図3に示した発電装置10においてローター13が
反時計方向に回転しようとすると、タイプ1の磁束が磁
気飽和部26aおよび26bに入り込む際の斥力と、タ
イプ2の磁束がヨーク部24aおよび24bにおいてで
きるだけ短くなろうとする引力が釣り合った角度で停止
する。反時計方向にローター13を回転すると、図2に
示すように、ローターの回転角θが0度から増加するに
つれてタイプ1による斥力が増加し、負(回転方向に対
し斥力あるいは反力となる方向)のコギングトルクが発
生する。さらに、ローター13が反時計方向に回転する
と、タイプ2の磁束が伸びるため、タイプ1の磁束が狭
い磁路に入り込む抵抗に加えて、タイプ2の磁束による
抵抗が加わる。このため、ローターの回転角θがほぼ4
5度でコギングトルクは負のピークに達する。
【0013】この状態で回転が進むと、タイプ1の磁束
が磁路の広いヨーク部24aおよび24bに出てくる。
このため、ローターの回転角θが45度から増加するに
つれてタイプ1の磁束による力が回転方向に対し引力
(正の方向)として働き、コギングトルクは減少する。
さらに、回転が進むと、ローターの回転角θが90度近
傍において、タイプ2の磁束が急激に変化し、反転した
磁束がヨーク部24aおよび24bに現れて縮もうとす
るので回転方向に対し引力として働き、コギングトルク
は正に転じる。さらに、タイプ2の磁束が縮もうとする
ので、ローターの回転角θが135度付近でコギングト
ルクは正のピークに達する。さらに回転が進むとタイプ
1の磁束が抵抗となるので、コギングトルクは減少し、
回転角θが180度付近でローター13に加わる力が平
衡になる安定点に達する。
【0014】このように、本発明の発明者らは、コギン
グトルクがタイプ1およびタイプ2の2つの磁束によっ
てほぼ正弦的に変化することを定性的に説明できること
を見いだした。さらに、タイプ1およびタイプ2の磁束
の強度を制御することによって、コギングトルクのロー
ターの角度依存性を自由に制御できることも見いだし
た。例えば、タイプ1の磁束密度をタイプ2の磁束密度
より小さくすることにより、タイプ2の磁束による影響
がコギングトルクに大きく現れる。従って、タイプ1の
磁束が斥力となって大きくコギングトルクに影響するロ
ーターの回転角θが0度〜45度程度、および、135
度〜180度程度の範囲ではコギングトルクの変化を緩
やかにでき、それと共にコギングトルク自体の値も減少
できる。これに対し、タイプ2の磁束の影響が大きく現
れるローターの回転角θが45度〜135度の範囲で
は、コギングトルクの変動を大きくでき、ピークも90
度に近い位置に移動できる。従って、起動時のトルクが
小さくなり、コギングトルクカーブに囲われた面積も小
さくなるのでローターを回転するためのトータルの回転
エネルギーも小さくできる。その一方で、コギングトル
クのピークの大きさはそれほど変化せず、45度〜13
5度の変化が急になるので、この間のコギングトルクに
よる加速を用いて確実にローターを回転させることがで
きる。このため、回転に必要がエネルギーが小さくて中
立点(不安定点)となる90度近傍でのローターの止ま
りのない、小さな消費電力で高出力が得られるステッピ
ングモーターに適したコギングトルクが得られる。
【0015】このようなコギングトルクを得るには、ロ
ーターが回転したときに、ローターの磁化方向とヨーク
部との間の距離を、ローターの磁化方向に直交する方向
と磁気飽和部との間の距離より短くしてタイプ1の磁束
による影響を弱めることが望ましい。このためには、ロ
ーターにおいては、回転軸に垂直な断面の磁化方向をそ
れに直交する方向に比べて長くし、収納部においては、
回転軸に垂直な断面をほぼ円形にすることができる。あ
るいは、ローターの回転軸に垂直な断面はほぼ円形と
し、収納部の回転軸に垂直な断面を、回転軸から磁気飽
和部までの距離を回転軸からヨーク部までの距離より長
くしても良い。
【0016】一方、タイプ2の磁束密度をタイプ1の磁
束密度より小さくすることにより、タイプ2の磁束によ
るコギングトルクの影響を弱めることができる。この場
合もコギングトルクカーブに囲われた面積を小さくでき
るので、トータルの回転エネルギーを小さくすることが
できる。また、タイプ1の磁束が斥力となって大きくコ
ギングトルクに影響するローターの回転角θが0度〜4
5度程度、および、135度〜180度程度の範囲では
コギングトルクの変化が大きくなり、タイプ2の磁束の
影響が大きく現れるローターの回転角θが45度〜13
5度の範囲では、コギングトルクの変動を小さくでき
る。従って、コギングトルクのピークの大きさは殆ど変
わらずに位置が0度および180度の方向に移動でき
る。このため、安定点がばらつかず、所定の位置で確実
にローターが停止するステッピングモーターに適したコ
ギングトルクカーブが得られ、回転に必要な入力エネル
ギーを小さくできるので、消費電力を低くすることがで
きる。
【0017】このようなコギングトルクを得るには、ロ
ーターが回転したときに、ローターの磁化方向とヨーク
部との間の距離を、ローターの磁化方向に直交する方向
と磁気飽和部との間の距離より長くすることが望まし
い。このためには、ローターは、回転軸に垂直な断面を
磁化方向がその方向に直交する方向に比べて短くし、収
納部の回転軸に垂直な断面はほぼ円形にすることができ
る。また、ローターの回転軸に垂直な断面をほぼ円形と
し、収納部の回転軸に垂直な断面を、回転軸から磁気飽
和部までの距離が回転軸からヨーク部までの距離より短
くすることができる。
【0018】このような起動性が良くて消費電力が少な
く、さらに、確実に回転するステッピングモーター、あ
るいは、消費電力が少なく安定した位置で確実に停止す
る運針に適したステッピングモーターと、一定の時間間
隔で時間信号を出力する時間信号発生手段と、この時間
信号によりステッピングモーターの駆動コイルに駆動パ
ルスを供給する駆動手段とを用いることにより、比較的
大型の計時装置から腕時計のような小型で軽量の計時装
置に至る様々なタイプの低消費電力で運針が確実に行わ
れる計時装置を提供することができる。
【0019】さらに、タイプ2の磁束密度をタイプ1の
磁束密度より小さくすることにより、タイプ2の磁束に
よるコギングトルクの影響を弱めることができ、タイプ
1の磁束が斥力となって大きくコギングトルクに影響す
るローターの回転角θが0度〜45度程度、および、1
35度〜180度程度の範囲ではコギングトルクの変化
が大きく、タイプ2の磁束の影響が大きく現れるロータ
ーの回転角θが45度〜135度の範囲では、コギング
トルクの変動を小さくできる。従って、ピークも0度お
よび180度の方向に移動できるので、発電装置に適し
たコギングトルクが得られる。このコギングトルクにお
いては、起動時のトルクの立ち上がりが速く、その後の
トルク変動は小さく緩やかとなるので、回転錘などの小
さな運動エネルギーを活かしてローターを回転させ電気
エネルギーに変換することができる。
【0020】このようなコギングトルクを得るには、上
記のステッピングモーターと同様に、ローターが回転し
たときに、ローターの磁化方向とヨーク部との間の距離
を、ローターの磁化方向に直交する方向と磁気飽和部と
の間の距離より長くすることが望ましい。このために
は、ローターは、回転軸に垂直な断面を磁化方向がその
方向に直交する方向に比べて短くし、収納部の回転軸に
垂直な断面はほぼ円形にすることができる。また、ロー
ターの回転軸に垂直な断面をほぼ円形とし、収納部の回
転軸に垂直な断面を、回転軸から磁気飽和部までの距離
が回転軸からヨーク部までの距離より短くすることがで
きる。
【0021】このような発電効率が高く、微弱な運動エ
ネルギーからも発電可能な発電装置を用いて、その出力
コイルから出力された電力によって動作可能な処理装置
を設けることにより、電池がなくても機能を発揮できる
腕などに装着可能な小型で携帯に適した電子機器を構成
することができ、何時でも何処でも使用できる電子機器
を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕以下に図面を参照しながら本発明
をさらに詳しく説明する。図4に、本発明のエネルギー
変換装置を発電装置に適応した例を模式的に示してあ
る。本例の発電装置10は、上記にて説明した発電装置
とほぼ同じ構成であり、ステーター14の収納部22に
2極磁化された円盤状のローター13が回転可能に収納
されている。さらに、この収納部22の図面上の左右に
は、磁路幅が広く出力コイル15に繋がったヨーク部2
4aおよび24bが構成されており、また、図面上の上
下に外ノッチ25aおよび25bによって磁路幅がさら
に狭くなった磁気飽和部26aおよび26bが構成され
ている。従って、本例の発電装置10を図19に基づき
説明したような携帯型の電子機器の発電装置として採用
することができ、回転錘11によってローター13を回
転させることにより回転錘11の捉えた運動エネルギー
を電気エネルギーに変換して計時装置7などを作動させ
ることができる。
【0023】本例の発電装置10は、ローター13の中
心軸13aに垂直な断面が楕円状であり、その短軸およ
び長軸の中心を回転の中心13aとしてほぼ円形の収納
部22の内部で回転するように構成されている。楕円状
のローター13は、その短軸方向に沿って磁化されてお
り、短軸方向が磁化方向13bとなっている。従って、
図4に示すように、ローター13が回転すると、ロータ
ー13の磁化方向13bとヨーク部24aおよび24b
との間の距離(ギャップ23a)が、ローター13の磁
化方向13bに直交する方向13cと磁気飽和部26a
および26bとの間の距離(ギャップ23b)より長く
なっている。このため、上述したように、ヨーク部24
aおよび24bに伸びるタイプ2の磁束の影響を弱める
ことができ、ローター13に巻きついたタイプ1の磁束
の影響がコギングトルクに残るようにできるので、発電
装置に適したコギングトルクを得ることができる。
【0024】図5に、本例の発電装置10のコギングト
ルクを実線で示し、従来の発電装置のコギングトルクを
一点鎖線で示してある。本図から判るように、本例の発
電装置10のコギングトルクのピークはローターの回転
角θが0度および180度の方向にずれており、非正弦
波のコギングトルクが得られていることが判る。従っ
て、本例の発電装置においては、回転錘の僅かな動きで
もローター13はコギングトルクのピークを越えて回転
を始めるので、微弱な運動エネルギーを電気エネルギー
に変換することができ、発電効率の高い発電装置を提供
できる。
【0025】図6に、図19の電子装置において回転錘
11が回転した場合に得られる半波整流の波形を示して
ある。回転錘が回転を開始すると、徐々に回転速度が増
すので起電力も大きくなる。そして、回転の終わりで
は、徐々に回転速度が低下するので起電力も弱くなる。
しかしながら、回転錘の動きの少ない状態では、起電力
として得られる最後の1山を得られるか否かによりトー
タルの発電量に約10%程度の差が生ずる。本例の発電
装置10においては、コギングトルクを非正弦状にして
ピークを回転の非常に早い段階に持ってきている。この
ため、回転錘が止まる直前のトルクの減少した状態の中
でも、まだ比較的大きなトルクの残った時刻t1にコギ
ングトルクのピークを越えることができる。従って、回
転錘が止まる寸前の微小な運動エネルギーによってロー
ター13を回転させることができるので、回転錘の運動
エネルギーをより有効に活かした発電効率の高い発電を
行うことができる。図19に示した携帯用電子機器1
は、ユーザーの腕の動きなどを捉えて発電を行うように
なっているので、回転錘の微小な動きであっても発電を
効率良く行えることが重要であり、本例の発電装置10
はこのような用途に非常に適している。
【0026】さらに、本例の発電装置10においては、
ローター13の磁化方向13bとヨーク部24aおよび
24bとのギャップ23aが大きくなっているので、タ
イプ2の磁束の影響が小さい。従って、コギングトルク
の値は全体的に小さくなっており、ローター13は回転
し易く、機械的な損失の少ないエネルギー変換効率の高
い発電装置である。
【0027】図7に、本発明の発電装置10の異なる例
を模式的に示してある。本例の発電装置10はローター
13がほぼ円形であり、収納部22の回転軸13aに垂
直な断面がヨーク部24aおよび24bの方向に長い楕
円状になっている。このような発電装置10において
も、ローター13の磁化方向13bとヨーク部24aお
よび24bとの間のギャップ23aが、ローター13の
磁化方向13bに直交する方向13cと磁気飽和部26
aおよび26bとの間のギャップ23bより長くなる。
このため、上述したように、タイプ2の磁束の影響を弱
め、ローター13に巻きついたタイプ1の磁束の影響を
コギングトルクに強く現せられるので、発電装置に適し
たコギングトルクを得ることができる。
【0028】本例の発電装置10は、図19に示した腕
装着型の計時装置に限定されることはなく、ユーザーの
脚部に装着されたり、さらに、車両に搭載され、その振
動などによってローターを回転させて発電を行う機器な
どのように様々な機器に適応することができる。また、
本発明の発電装置から電力を供給されて処理を行う処理
装置として、上述した計時装置に限らず、例えばページ
ャー、電話機、無線機、補聴器、万歩計、電卓、電子手
帳などの情報端末、ICカード、ラジオ受信機などがあ
り、これらの携帯型機器に本発明の発電装置を適用する
ことによって、これらの処理装置に対し十分な電力を供
給することが可能である。そして、これらの携帯型の電
子機器に本発明の発電装置を採用することにより、人間
の動きなどを捉えて効率良く発電を行い、電池の消費を
抑制したり、あるいは電池その物を不要にすることも可
能である。従って、ユーザーは電池切れを心配せずに、
これらの携帯型機器を使用することができ、電池切れに
よってメモリーに記憶した内容が失われるなどのトラブ
ルも未然に防止できる。さらに、電池や充電装置が容易
に入手できない地域や場所、あるいは災害などによって
電池の補充が困難な事態であっても電子機器の機能を発
揮させることが可能となる。
【0029】〔第2の実施の形態〕図8に、本発明のエ
ネルギー変換装置をステッピングモーター30として用
いて運針を行う計時装置7の概要を示してある。本例の
計時装置7は、ステッピングモーター30と、このステ
ッピングモーター30を駆動する制御装置40と、ステ
ッピングモーター30の動きを伝達する輪列50、およ
び輪列50によって運針される秒針61、分針62およ
び時針63を備えている。本例のステッピングモーター
30は、制御装置40から供給される駆動パルスによっ
て磁力を発生する駆動コイル16と、この駆動コイル1
6によって励磁されるステーター14と、さらに、ステ
ーター14の収納部22で回転するローター13を備え
ている。このローター13は上述した発電装置と同様に
2極の永久磁石によって構成されており、PM型(永久
磁石回転型)のステッピングモーター30となってい
る。
【0030】ステッピングモーター30の概略構成は上
述した発電装置とほぼ同様であり、模式的には図9にも
示してあるように、ステーター14には、駆動コイル1
6で発生した磁力によって異なった磁極がローター13
の回りのそれぞれのヨーク部24aおよび24bに発生
するように外ノッチ25aおよび25bを用いて磁気飽
和部26aおよび26bが設けられている。また、ロー
ター13の回転方向を規定するために、ステーター12
の内周の適当な位置に内ノッチ18が設けられており、
これによってコギングトルクの安定点を適当に定め、ヨ
ーク部24aおよび24bを反転磁化したときにロータ
ー13が所定の方向に回転するようにしている。
【0031】ステッピングモーター30のローター13
の回転は、図8に示すように、かなを介してローター1
3に噛合された五番車51、四番車52、三番車53、
二番車54、日の裏車55および筒車56からなる輪列
50によって各針に伝達される。四番車52の軸には秒
針61が接続され、二番車54には分針62が接続さ
れ、さらに、筒車56には時針63が接続されており、
ロータ13の回転に連動してこれらの各針によって時刻
が表示される。輪列50には、さらに、年月日などの表
示を行うための伝達系など(不図示)を接続することも
もちろん可能である。
【0032】本例の計時装置7は、ステッピングモータ
ー30の回転によって運針を行い時刻を表示するため
に、ステッピングモーター30には所定の時間信号に従
って出力された駆動パルスが供給される。このようなス
テッピングモーター30を制御する本例の制御装置40
は、水晶振動子などの基準発振を分周して1Hzなどの
適当な時間信号を生成する時間信号発生回路41と、時
間信号などから駆動パルスを成形してスッテピングモー
ター30の駆動コイル16に供給する駆動回路42を備
えている。この駆動回路42からはさらに、消磁用のパ
ルスや回転検出用のパルスなどもステッピングモーター
30に供給される。
【0033】図9に模式的に示してあるように、本例の
ステッピングモーター30は、ローター13の中心軸1
3aに垂直な断面が楕円状であり、その短軸および長軸
の中心を回転の中心13aとしてほぼ円形の収納部22
の内部で回転するように構成されている。楕円状のロー
ター13は、その長軸方向に沿って磁化されており、長
軸方向が磁化方向13bとなっている。従って、図9に
示すように、ローター13が回転すると、ローター13
の磁化方向13bとヨーク部24aおよび24bとの間
の距離(ギャップ23a)が、ローター13の磁化方向
13bに直交する方向13cと磁気飽和部26aおよび
26bとの間の距離(ギャップ23b)より短くなって
いる。このため、上述したように、ローター13に巻き
ついたタイプ1の磁束の影響が減り、ヨーク部24aお
よび24bに伸びたタイプ2の磁束の影響がコギングト
ルクに強く残すことができる。従って、低消費電力で高
出力のステッピングモーターに適したコギングトルクを
得ることができる。
【0034】図10に、本例のステッピングモーター3
0のコギングトルクを実線で示し、従来のスッテピング
モーターのコギングトルクを一点鎖線で示してある。本
図から判るように、本例のステッピングモーター30の
コギングトルクのピークはローターの回転角θが90度
の方向に近づいており、非正弦波のコギングトルクが得
られている。従って、本例のスッテピングモーター30
においては、回転初期のコギングトルクが低いため起動
性が良く、その一方、ピークの大きさはほとんど変わら
ずに不安定点となる回転角θが90度近辺に移動する。
このため、ローターの不安定領域をコギングトルクの慣
性を用いて通過しやすいので安定した回転を得ることが
できる。この結果、ローターを回転するために必要な回
転エネルギーは小さくて良く、起動性が良く安定した回
転が得られる高出力のステッピングモーターを得ること
ができる。
【0035】図11に示すように、スッテピングモータ
ーのローター13には、軸の摩擦や伝達歯車の負荷など
により抵抗Rが常に発生する。従って、コギングトルク
Tcを単に小さくして破線で示すようなカーブTc’に
すると、抵抗Rよりトルクの小さな不安定範囲Wが広が
ってしまうことになる。従って、ローターの回転角が9
0度を越してコギングトルクTcが正に転じても抵抗R
によりローター13が180度まで回転せずに90度で
止まってしまう可能性が大きくなる。例えば、図12
(a)に示した位置からローター13が時計方向に回転
する場合、本来、180度回転すべきところが、実線で
示すように回転角θが90度で停止する可能性がある。
このような状態で、図12(b)に示すように、次の駆
動パルスがステーター14に供給されてヨーク部24a
および24bの磁極が反転すると、本来はローター13
が時計方向に回転するところ、ローター13が反時計方
向に逆転する結果となり、2秒の運針遅れが発生する。
【0036】これに対し、図13に拡大して示すよう
に、本例のステッピングモーター30のコギングトルク
Tcのカーブは、ピークが90度方向にずれており、コ
ギングトルクTcが抵抗Rより小さくなる不安定範囲W
が非常に狭くできる。従って、上記のように駆動パルス
によってローター13の得た駆動力が小さい場合であっ
て、不安定領域Wで停止する可能性は非常に小さく、正
に転じたコギングトルクによって所定の回転角、本例に
おいては180度、ローター13を回転させることがで
きる。
【0037】さらに、本例のスッテピングモーター30
は、ローター13の磁化方向に垂直な方向13cと、磁
気飽和部26aおよび26bとのギャップ23bが大き
くなっているので、タイプ1の磁束の影響が小さい。従
って、コギングトルクカーブで囲われる回転に必要なエ
ネルギーの値を従来よりも小さくすることができ、特
に、タイプ1の影響を低減することにより、起動時のコ
ギングトルクの変動を非常に小さくすることができる。
このため、起動特性が良く、安定して回転し、さらに、
低消費電力のステッピングモーターを提供することがで
きる。
【0038】図14ないし図16に、本発明のステッピ
ングモーター30の異なった例を模式的に示してある。
図14に示すステッピングモーター30は、ローター1
3の回転軸13aに垂直な断面がほぼ長方形であり、こ
の長方形の長手方向に磁化されている。また、図15に
示すステッピングモーター30は、ローター13の回転
軸13aに垂直な断面が1方向に長い多角形(8角形)
であり、長手方向に磁化されている。従って、上記のス
テッピングモーターと同様にローター13の磁化方向1
3bとヨーク部24aおよび24bとの間のギャップ2
3aが、ローター13の磁化方向13bに直交する方向
13cと磁気飽和部26aおよび26bとの間のギャッ
プ23bより短くできる。さらに、図16に示したステ
ッピングモーター30においては、ローター13の中心
軸13aに垂直な断面がほぼ円形であり、収納部22の
回転軸13aに対する断面が磁気飽和部26aおよび2
6bの方向に長い楕円状になっている。このようなステ
ッピングモーター30においても、ローター13の磁化
方向13bとヨーク部24aおよび24bとの間のギャ
ップ23aを、ローター13の磁化方向13bに直交す
る方向13cと磁気飽和部26aおよび26bとの間の
ギャップ23bより短くできる。このため、上述したよ
うに、ローター13に巻きついたタイプ1の磁束の影響
が薄れ、ヨーク部24aおよび24bに伸びるタイプ2
の磁束の影響が強く現れ、低消費電力で高出力のステッ
ピングモーターに適したコギングトルクを得ることがで
きる。従って、これらのステッピングモーターは、低消
費電力で大型の針を運針することができるので、比較的
大型の計時装置の動力源として適している。
【0039】〔第3の実施の形態〕図17に、本発明の
エネルギー変換装置をステッピングモーター30として
用た上記と異なった例を示してある。本例のステッピン
グモーター30も上記と同様に計時装置の運針用に用い
ることが可能であり、計時装置の詳しい説明は以下では
省略する。本例のステッピングモーター30も、ロータ
ー13の中心軸13aに垂直な断面が楕円状であり、そ
の短軸および長軸の中心を回転の中心13aとしてほぼ
円形の収納部22の内部で回転するように構成されてい
る。本例の楕円状のローター13は、その短軸方向に沿
って磁化されており、短軸方向が磁化方向13bとなっ
ている。従って、図17に示すように、ローター13が
回転すると、ローター13の磁化方向13bとヨーク部
24aおよび24bとの間の距離(ギャップ23a)
が、ローター13の磁化方向13bに直交する方向13
cと磁気飽和部26aおよび26bとの間の距離(ギャ
ップ23b)より長くなる。このため、上記の実施の形
態のステッピングモータと異なり、ヨーク部24aおよ
び24bに伸びたタイプ2の磁束の影響が減り、コギン
グトルクローター13に巻きついたタイプ1の磁束の影
響を強く残すことができる。従って、低消費電力で、停
止位置の安定したステッピングモーターに適したコギン
グトルクを得ることができる。
【0040】図18に、本例のステッピングモーター3
0のコギングトルクを実線で示し、従来のスッテピング
モーターのコギングトルクを一点鎖線で示してある。本
図から判るように、本例のステッピングモーター30の
コギングトルクのピークはローターの回転角θが0度お
よび180度の安定点の方向に近づいた非正弦波のコギ
ングトルクとなっている。従って、安定点の近傍におい
て、回転角θの変動に対するコギングトルクの変動が大
きくなり、ローター13を安定点で停止させる力が強く
なる。このため、油の粘性抵抗や軸摩擦などの摩擦負荷
に対して強く、ローター13を安定点で確実に停止させ
ることが可能となり、安定点のばらつきの少ないステッ
ピングモーターを実現できる。さらに、本例のステッピ
ングモーター30においても、コギングトルクのピーク
の大きさはそれほど変化ないが、コギングトルクカーブ
に囲われた面積は非常に小さくなり、ローター13を回
転するために必要なエネルギーが削減されていることが
判る。従って、本例のステッピングモーター30によ
り、低消費電力で、安定点のバラツキの少ないステッピ
ングモーター30を得ることができる。
【0041】なお、このようなコギングトルクカーブ
は、上記の発電装置で図7に基づき説明したように、ほ
ぼ円形のローター13を、回転軸13aに垂直な断面が
ヨーク部24aおよび24bの方向に長い楕円状になっ
ている収納部22に収納したステッピングモーターなど
でも得られることはもちろんである。このような低消費
電力で安定点のばらつきの少ないステッピングモーター
は、低消費電力で確実に運針することができるので、比
較的小型の腕時計などの計時装置の動力源として適して
いる。
【0042】なお、上記の例においては、計時装置7の
動力源として用いられているステッピングモーターを例
に説明しているが、これに限定されず、本発明のステッ
ピングモーターは気圧計や高度計などの計器や、小型の
展示台の駆動源などのステッピングモーターとしても適
用可能であり、本発明により、省電力で、起動特性に優
れた高出力のスッピングモーターや、確実に回転し安定
点で止まる信頼性の高いステッピングモーターを提供す
ることができる。
【0043】また、上記の例では、計時装置に好適な2
相のステッピングモータや発電装置を例に本発明を説明
しているが、3相以上のステッピングモータや発電装置
に対しても本発明を同様に適用できることはもちろんで
ある。また、上記の例では、ステーターに対しローター
が回転する発電装置あるいはステッピングモーターとい
ったエネルギー変換装置を例に説明しているが、ロータ
ーに対しステーターが回転するエネルギー変換装置であ
っても良いことはもちろんである。
【0044】
【発明の効果】このように、本発明においては、ロータ
ーによって発生するステーターのタイプ1およびタイプ
2の2つの磁場によるコギングトルクへの影響に着目
し、タイプ1およびタイプ2の磁束の影響を制御するこ
とにより、非正弦波状のコギングトルクを備えたエネル
ギー変換装置を実現し、用途に適した特性を備えたエネ
ルギー変換装置を提供できるようにしている。このた
め、本発明のステッピングモーターにおいては、ロータ
ーの磁化方向とヨーク部との距離を、磁化方向に直交す
る方向と磁気飽和部との距離よりも短くしてタイプ1の
磁束の影響を弱めることにより、起動性が良く、さら
に、所定のステップアングルを確実に回転できる高出力
のステッピングモーターを提供できる。また、ローター
の磁化方向とヨーク部との距離を、磁化方向に直交する
方向と磁気飽和部との距離よりも長くしてタイプ2の磁
束の影響を弱めることにより、低消費電力で安定点のば
らつきが少なく信頼性の高いステッピングモーターも提
供することができる。
【0045】さらに、本発明の発電装置においては、ロ
ーターの磁化方向とヨーク部との距離を、磁化方向に直
交する方向と磁気飽和部との距離よりも長くしてタイプ
2の磁束の影響を弱めることにより、回転錘などの機械
エネルギー供給系の停止際の微弱なトルクでもローター
が回転できる発電効率の高い発電装置を提供することが
できる。
【0046】このように、本発明の高効率の発電装置を
用いることにより、発電装置と共に収納された処理装置
の機能を何時でも何処でも充分に発揮させることが可能
な携帯型に適した電子機器を提供でき、さらに、処理装
置として本発明のステッピングモーターを用いた省電力
タイプで確実に運針を行え、また、指針の精度の高い信
頼性の高い計時装置を搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の説明のために従来の発電装置を模式的
に示す図である。
【図2】図1に示した発電装置で得られたコギングトル
クカーブを示す図である。
【図3】図1に示した発電装置で発生する磁束の様子を
模式的に示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る発電装置を模
式的に示す図である。
【図5】図4に示した発電装置で得られたコギングトル
クカーブを示す図である。
【図6】回転錘の回転によって発電された電力の変化を
示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る発電装置の異
なる例を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るステッピング
モーターを備えた計時装置の概略構成を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るステッピング
モーターを模式的に示す図である。
【図10】図9に示したステッピングモーターで得られ
たコギングトルクカーブを示す図である。
【図11】コギングトルクカーブと、ローターの軸抵抗
などの抵抗成分Rとの関係を示す図である。
【図12】ローターが回転ミスのために逆転する様子を
示す図である。
【図13】図9に示したステッピングモーターのコギン
グトルクカーブと、ローターの軸抵抗などの抵抗成分R
との関係を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係るステッピン
グモーターの異なる例を模式的に示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係るステッピン
グモーターのさらに異なる例を模式的に示す図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係るステッピン
グモーターのさらに異なる例を模式的に示す図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係るステッピン
グモーターを模式的に示す図である。
【図18】図17に示したステッピングモーターで得ら
れたコギングトルクカーブを示す図である。
【図19】発電装置を備えた携帯型電子機器の概要を示
す図である。
【図20】ローターおよびステーターを備えた発電装置
の概要を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1・・電子機器 2・・整流回路 4・・供給部 5・・大容量キャパシタ 6・・処理装置 7・・計時装置 10・・発電装置 11・・回転錘 12・・輪列 13・・ローター 13a・・ローターの回転軸 13b・・磁化方向 13c・・磁化方向に直交する方向 14・・ステーター 15・・出力コイル 16・・駆動コイル 18・・内ノッチ 20・・ヨーク板 21・・コイルとの接続部 22・・収納部 23・・ギャップ 24・・ヨーク部 25・・外ノッチ 26・・磁気飽和部 30・・ステッピングモーター 40・・制御装置 41・・時間信号発生回路 42・・駆動回路 50・・運針用の輪列

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステーターと、このステーターに対し相
    対的に回転する多極磁化されたローターとを有し、 前記ステーターは、前記ローターを回転可能に収納する
    中空の収納部と、磁路幅が広くコイルに接続されるヨー
    ク部と、磁路幅の狭い磁気飽和部とを備え、これらヨー
    ク部および磁気飽和部は前記収納部の周囲に交互に形成
    されており、 前記ローターの回転角によって前記ローターと前記ヨー
    ク部および前記磁気飽和部との間の距離が変化すること
    を特徴とするエネルギー変換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ローターの回転
    軸に垂直な断面、および、前記収納部の前記回転軸に垂
    直な断面の少なくともいずれか一方が非円形であること
    を特徴とするエネルギー変換装置。
  3. 【請求項3】 ステーターと、このステーターに対し相
    対的に回転する多極磁化されたローターとを有し、 前記ステーターは、前記ローターを回転可能に収納する
    中空の収納部と、磁路幅が広く駆動コイルに接続される
    ヨーク部と、磁路幅の狭い磁気飽和部とを備え、これら
    ヨーク部および磁気飽和部は前記収納部の周囲に交互に
    形成されており、 前記ローターが回転したときに、前記ローターの磁化方
    向と前記ヨーク部との間の距離が、前記ローターの前記
    磁化方向に直交する方向と前記磁気飽和部との間の距離
    より短いことを特徴とするステッピングモーター。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ローターの回転
    軸に垂直な断面は、前記磁化方向が、この磁化方向に直
    交する方向に比べて長く、 前記収納部の前記回転軸に垂直な断面はほぼ円形である
    ことを特徴とするステッピングモーター。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記ローターの回転
    軸に垂直な断面はほぼ円形であり、 前記収納部の前記回転軸に垂直な断面は、前記回転軸か
    ら前記磁気飽和部までの距離が前記回転軸から前記ヨー
    ク部までの距離より長いことを特徴とするステッピング
    モーター。
  6. 【請求項6】 ステーターと、このステーターに対し相
    対的に回転する多極磁化されたローターとを有し、 前記ステーターは、前記ローターを回転可能に収納する
    中空の収納部と、磁路幅が広く駆動コイルに接続される
    ヨーク部と、磁路幅の狭い磁気飽和部とを備え、これら
    ヨーク部および磁気飽和部は前記収納部の周囲に交互に
    形成されており、 前記ローターが回転したときに、前記ローターの磁化方
    向と前記ヨーク部との間の距離が、前記ローターの前記
    磁化方向に直交する方向と前記磁気飽和部との間の距離
    より長いことを特徴とするステッピングモーター。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記ローターの回転
    軸に垂直な断面は、前記磁化方向が、この磁化方向に直
    交する方向に比べて短く、 前記収納部の前記回転軸に垂直な断面はほぼ円形である
    ことを特徴とするステッピングモーター。
  8. 【請求項8】 請求項6において、前記ローターの回転
    軸に垂直な断面はほぼ円形であり、 前記収納部の前記回転軸に垂直な断面は、前記回転軸か
    ら前記磁気飽和部までの距離が前記回転軸から前記ヨー
    ク部までの距離より短いことを特徴とするステッピング
    モーター。
  9. 【請求項9】 請求項3ないし8のいずれかに記載のス
    テッピングモーターと、一定の時間間隔で時間信号を出
    力する時間信号発生手段と、この時間信号により前記ス
    テッピングモーターの駆動コイルに駆動パルスを供給す
    る駆動手段とを有することを特徴とする計時装置。
  10. 【請求項10】 ステーターと、このステーターに対し
    相対的に回転する多極磁化されたローターとを有し、 前記ステーターは、前記ローターを回転可能に収納する
    中空の収納部と、磁路幅が広く出力コイルに接続される
    ヨーク部と、磁路幅の狭い磁気飽和部とを備え、これら
    ヨーク部および磁気飽和部は前記収納部の周囲に交互に
    形成されており、 前記ローターが回転したときに、前記ローターの磁化方
    向と前記ヨーク部との間の距離が、前記ローターの前記
    磁化方向に直交する方向と前記磁気飽和部との間の距離
    より長いことを特徴とする発電装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記ローターの
    回転軸に垂直な断面は、前記磁化方向が、この磁化方向
    に直交する方向に比べて短く、 前記収納部の前記回転軸に垂直な断面はほぼ円形である
    ことを特徴とする発電装置。
  12. 【請求項12】 請求項10において、前記ローターの
    回転軸に垂直な断面はほぼ円形であり、 前記収納部の前記回転軸に垂直な断面は、前記回転軸か
    ら前記磁気飽和部までの距離が前記回転軸から前記ヨー
    ク部までの距離より短いことを特徴とする発電装置。
  13. 【請求項13】 請求項10ないし12のいずれかに記
    載の発電装置と、前記出力コイルから出力された電力に
    よって動作可能な処理装置とを有することを特徴とする
    電子機器。
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