JP2022166105A - 容量性高周波微小電気機械スイッチのシステム及び動作方法 - Google Patents

容量性高周波微小電気機械スイッチのシステム及び動作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波システム用の容量性機械加工超音波トランスデューサ(CMUT)セルなどの容量性高周波微小電気機械スイッチのためのシステム及び動作方法を提供する。【解決手段】CMUTセルの超音波アレイである容量性高周波微小電気機械スイッチ100’(RFMEMS)において、各CMUTセルが、基板112と、基板に接続された第1の電極122と、メンブレン又はダイヤフラム114と、メンブレン又はダイヤフラムに接続された第2の電極120と、を含む。CMUTセルを含む超音波アレイに結合された電圧源は、CMUTセルの電極に電圧プロファイルのシーケンスを供給するように構成され、各プロファイルはバイアス電圧と刺激電圧とを含み、シーケンスにおける各後続の電圧プロファイルの極性は、前のプロファイルの極性と反対である。【選択図】図6

Description

本発明は、容量性高周波微小電気機械スイッチRFMEMSに関し、特に、超音波イメージングシステムで使用するための容量性機械加工超音波トランスデューサCMUTに関する。
本発明は、さらに、前記容量性RFMEMS及びCMUTを動作させる方法に関する。
医用イメージングに使用される超音波トランスデューサは、高品質診断画像の生成をもたらす多数の特性を有する。これらの中に、高解像度及び高感度を可能にする広い帯域幅と、超音波周波数の音響信号の大きい焦点深度を可能にする大きい圧力出力とがある。従来、これらの特性を有する圧電材料はPZT及びPVDF材料で作られており、PZTは、特に、選り抜きの材料として普及している。しかしながら、PZTには多くの注目すべき欠点がある。
第1に、セラミックPZT材料は、ダイシング、整合層接合、充填材、電気めっき、及び相互接続を含む製造プロセスを必要とし、製造プロセスは、明確に異なり複雑であり、多彩な取扱いを必要とし、製造プロセスのすべては、所望よりも低いトランスデューサスタックユニットの歩留りをもたらす。この製造の複雑さは、最終のトランスデューサプローブのコストを増加させ、要素間の最小間隔並びに個々の要素のサイズにデザイン制限を課す。
その上、PZT材料は、水又は生物組織に対する整合インピーダンスが不十分であり、その結果、関心媒体に整合する所望の音響インピーダンスを得るには整合層をPZT材料に追加する必要がある。
超音波システムメインフレームが、より小さくなり、信号処理機能の大部分のためのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及びソフトウェアによって支配されるようになるにつれて、システムメインフレームのコストはシステムのサイズとともに低下している。超音波システムは、現在、例えば、超音波診断イメージングシステムとして、又は高エネルギー超音波パルスを使用して特定の(組織)異常を除去する超音波治療システムとして使用するために、安価な携帯、デスクトップ、及びハンドヘルド形態で利用可能である。その結果、トランスデューサプローブのコストは、システムの全コストに占める割合が絶えず増加しており、その増加は、超音波診断イメージングシステムの場合に3Dイメージングで使用される要素数のよい多いアレイの出現によって加速されている。
電子ステアリングによる超音波3Dイメージングで使用されるプローブは、トランスデューサ要素の2次元(2D)アレイのためのマイクロビーム形成を行う専用の半導体デバイス特定用途向け集積回路(ASIC)に依拠する。したがって、低コスト超音波システムの必要性に役立つように改善された歩留り及びより低いコストで及び好ましくは半導体製造と両立する製造プロセスによりトランスデューサアレイを製造できることが望ましい。
最近の開発により、医用超音波トランスデューサが半導体プロセスによってバッチ製造されるという見通しがもたらされた。望ましくは、これらのプロセスは、超音波プローブによって必要とされるASIC回路を製作するために使用されるプロセス、例えば、CMOSプロセスなどと同じものであるべきである。これらの開発により、微細加工超音波トランスデューサ、すなわちMUTが製作されている。好ましい形態は容量性MUT(CMUT)である。CMUTトランスデューサは、受信した超音波信号の音波振動を変調されたキャパシタンスに変換する電極を有する小さいダイヤフラム様デバイスである。
送信のために、電極に印加される容量性電荷を変調して、デバイスのダイヤフラムを振動/移動させ、それによって、超音波を送信する。これらのダイヤフラムは半導体プロセスによって製造されるので、デバイスは、一般に、10~500マイクロメートル範囲の寸法を有することができ、ダイヤフラム直径は、例えば、ダイヤフラム直径をダイヤフラムの所望の共振周波数(範囲)に整合させるように選択され、個々のダイヤフラム間の間隔は、数マイクロメートル未満である。多くのそのような個々のCMUTセルは、一緒に接続され、単一のトランスデューサ要素として調和して動作することができる。例えば、4個から16個のCMUTセルが一緒に結合されて、単一のトランスデューサ要素として調和して機能することができる。典型的な2Dトランスデューサアレイは、例として、2000~10000個のCMUTトランスデューサ要素又はセルを有することができる。
それゆえに、CMUTトランスデューサベース超音波システムの製造は、PZTベースシステムと比較してより費用対効果が高い。その上、そのような半導体プロセスで使用される材料のために、CMUTトランスデューサは、水及び生物組織への非常に改善された音響インピーダンス整合を示し、それは、(多数の)整合層の必要性を取り除き、有効帯域幅の改善をもたらす。
CMUTセルによって作り出される音響出力(出力圧力)を最適化するために、CMUTセルはいわゆる崩潰モード(collapse mode)で動作され得る。CMUTセルは、ダイヤフラム又は可撓性メンブレンの中央部分を間隙を横切って対向する基板上に駆動するバイアス電圧によって駆動され、設定周波数を有する刺激が供給され、それにより、ダイヤフラム又は可撓性メンブレンが設定周波数で共振する。メンブレンが崩潰状態になる電圧は崩潰電圧VCと呼ばれる。しかしながら、崩潰モードでCMUTセルを動作させる欠点は、CMUTセルの寿命に悪影響を与えることである。これは、主として、帯電の影響、すなわち、分極、電荷注入、空間電荷配向によって引き起こされ、それは、崩潰電圧によって引き起こされる高い電界の存在下で、CMUTセルの電極を分離している誘電体層内で生じる。これのさらなる影響は、時間とともに崩潰電圧VCがシフトすることである。CMUTセルは、セルの動作窓を規定するバイアス電圧及びセルキャパシタンスの動作範囲を有する。バイアス電圧又はセルキャパシタンスのシフトは、CMUTセルの送信特性及び受信特性のシフトを引き起こし、それは、超音波画像品質に悪影響をもたらす。
CMUTセルは、本質的に、容量性RFMEMSスイッチとして機能する。CMUTセル特性のドリフトに関連する上述の問題は、より一般には、MEMSスイッチに、特に、共振動作モードに基づく容量性RFMEMSスイッチに当てはまる。
本発明は特許請求の範囲によって定義される。
本発明の一態様による例によれば、超音波システムが提供され、超音波システムは、
CMUTセルの超音波アレイであって、各CMUTセルが、基板、基板に結合された第1の電極、第1の電極から少なくとも部分的に空間的に分離された可撓性メンブレン、及び可撓性メンブレンに結合された第2の電極を含む、CMUTセルの超音波アレイと、
アレイに結合される電圧源であり、電圧源が、各CMUTセルの電極にバイアス電圧及び刺激電圧を供給するように構成される、電圧源と、
CMUTのキャパシタンスの指標値を導き出し、キャパシタンスの指標値に基づいてCMUTセルのドリフト電圧の指標値を決定するように構成されたキャパシタンス感知回路と
を備える。
各々がそれ自体内の帯電効果を低減するか又は除去するように構成されているCMUTセルのアレイを超音波システムに設けることによって、超音波システムの寿命と、システムによって作り出された画像品質とが、向上する。
CMUTセルの帯電は、セルの電極間のドリフト電圧として知られている崩潰電圧のシフトを作り出し、それは、セルのキャパシタンスの変化をもたらす。これは、トランスデューサの動作が駆動電圧とセルのキャパシタンスの両方に依存するので、定電圧で動作したときセルのトランスデューサ特性に変化をもたらす。超音波システムにキャパシタンス感知回路を設けることによって、CMUTアレイ内の各CMUTセルのキャパシタンス、したがって、帯電効果をモニタすることが可能である。これにより、システムは、各セルの状態をモニタし、セルの帯電がいつシステムの性能に悪影響を及ぼすかの指標値をシステムに提供することができる。
より詳細には、キャパシタンス感知回路は、キャパシタンス(又はインピーダンス)の導き出された指標値に基づいてCMUTセルのドリフト電圧の指標値を決定するように構成される。これは、いくつかの例ではドリフト電圧の定量的尺度である。
キャパシタンス感知回路は、特に、キャパシタンスの変化の決定に基づいて、すなわち、キャパシタンスの導き出された指標値とキャパシタンスの以前に測定された指標値との間の差に基づいて、CMUTセルのドリフト電圧を決定するように構成される。したがって、システムは、キャパシタンスの指標値を周期的に(例えば、規則的時間間隔で)導き出し、ある期間にわたる導き出されたキャパシタンスの量の変化に基づいてドリフト電圧の指標値を導き出すように構成される。
キャパシタンスの指標値は、バイアス電圧が印加され、一方、刺激電圧が印加されていない間に導き出される。例えば、刺激電圧は単極性RFパルスを含み、これは、各々が所与のパルス周波数で印加される単極性電圧パルスの断続的に印加されるセット又はシーケンスからなる。次いで、キャパシタンスは、印加されたパルスのセットの間であるが、刺激電圧が印加されていない間に導き出される。
誤解を避けるために、ドリフト電圧はCMUTセルの崩潰電圧のシフト又は変化を意味し、崩潰電圧はCMUTセルが崩潰モードに入る電圧である。
崩潰モードは、CMUTセルが対向する基板上の間隙を越えた所のダイヤフラム又は可撓性メンブレンの中央部分を駆動するバイアス電圧によって駆動される動作モードである。次いで、刺激電圧が印加され、それにより、ダイヤフラム又は可撓性メンブレンが所与の周波数で共振する。メンブレンが崩潰状態になる電圧は崩潰電圧Vと呼ばれる。
例では、ドリフト電圧は、キャパシタンスとドリフト電圧との間の既知の(例えば、予め格納された)関係に基づいて導き出される。
ドリフト電圧は、キャパシタンスの変化とドリフト電圧との間の既知の(例えば、予め格納された)関係に基づいて導き出される。
ドリフト電圧は、キャパシタンスと崩潰電圧との間の既知の(例えば、予め格納された)関係に基づいて導き出される。キャパシタンスの変化を測定することによって、ドリフト電圧の変化が確認される。
例では、ドリフト電圧は、キャパシタンスと印加バイアス電圧との間の既知の関係に基づいて、特に、この既知の関係に基づく、特定の印加バイアス電圧が与えられた場合の予測されるキャパシタンスからのずれに基づいて、決定される。特に、CMUTが崩潰モードにあるときキャパシタンスと印加バイアス電圧との間にほとんど線形の関係がある。この関係は、例えば、EPROMなどのローカルメモリに格納され、崩潰電圧のドリフトは、格納された関係に基づいて印加バイアスに対して予測されるものと比較してキャパシタンスのずれの大きさから確認される。
誤解を避けるために、すべての実施形態において、バイアス電圧はDC電圧である。しかしながら、バイアス電圧は、実施形態では、崩潰電圧のドリフトに対抗するために変更される。したがって、この意味では、それは、厳密にはDC電圧ではなく、むしろ、大きさが変化する(刺激電圧よりも非常にゆっくりであるが)バイアス電圧である。
刺激電圧は、例では、AC電圧である。しかしながら、有利な実施形態では、それは、代わりに、単極性RFパルス、すなわち、断続的に印加される電圧パルスのシーケンスからなる。これを以下でより詳細に説明する。
要約すると、ドリフト電圧は、CMUTセルの間隙又は空胴を横切って対向する第1の電極上にメンブレンを移動させるバイアス電圧のシフト、変化、又は変動である。
一実施形態では、キャパシタンス感知回路は、
テスト信号を生成することであり、テスト信号が所定の電圧を有する、生成することと、
テスト信号の減衰信号を測定することであり、テスト信号が少なくともCMUTセルのインピーダンスによって減衰される、測定することと、
減衰信号とテスト信号とに基づいてCMUTセルのインピーダンスを決定することと、
決定されたインピーダンスに基づいてCMUTセルのドリフト電圧を決定することと
を行うように構成される。
テスト信号がシステムを通って進むとき、テスト信号は、低雑音増幅器、超音波プローブを超音波システムに接続する同軸ケーブル、及びCMUTセルなどのシステムの様々な構成要素のインピーダンスによって減衰される。
既知のテスト信号と測定された減衰信号とを使用して、回路のインピーダンスを計算することが可能である。低雑音増幅器及び同軸ケーブルなどの構成要素のインピーダンスは既知であるので、CMUTセルのインピーダンスを抽出することが可能である。
CMUTセルのインピーダンスは、セルのキャパシタンスに依存し、したがって、セルの帯電に依存する。このようにして、キャパシタンス感知回路は、超音波システムがCMUTセルのドリフト電圧、したがって、帯電のレベルをモニタできるようにする。
一構成では、ドリフト電圧の絶対値が所定の値を超えていることに応じて、電圧源は、さらに、バイアス電圧の極性を反転させるように構成される。
バイアス電圧の極性を反転させることによって、CMUTセルによって保持されている電荷は消散する。この機能を定期的に実行することによって、CMUTセルは、超音波システムの超音波画像品質及び寿命に悪影響をもたらす過剰な量の電荷を蓄積しないようにする。
さらなる又は他の構成では、ドリフト電圧の絶対値が所定の値を超えていることに応じて、電圧源は、さらに、刺激電圧の極性を反転させるように構成される。
このようにして、CMUTセル内の電荷をさらに消散させることが可能であり、一方、さらに、セルは対象者に超音波を送信することができる。
上記のように、刺激電圧は、単極性RFパルス、すなわち、すべてが同じ極性の断続的に印加される電圧パルスのセット又はシーケンスを含む。パルスのこれらのシーケンスの極性を反転させることによって、電荷は消散される。
いくつかの場合には、電圧源は、1マイクロ秒未満で極性を反転させるように構成される。
この時間枠内で電圧反転を実行すると、最終超音波画像における音響アーチファクトが防止される。
例によれば、超音波システムは超音波プローブを含み、超音波プローブはCMUTセルのアレイを含む。
本発明のさらなる態様による例によれば、CMUTセルを動作させるための方法が提供され、CMUTセルは、
基板と、
基板に接続された第1の電極と、
単一の電極から空間的に分離されている可撓性メンブレンと、
可撓性メンブレンに接続された第2の電極と
を備え、
この方法は、超音波生成サイクルのシーケンスを実行するステップを有し、各サイクルが、
CMUTセルの電極のどちらかにバイアス電圧を供給するステップであり、バイアス電圧がCMUTセルを崩潰モードへと駆動する、供給するステップと、
CMUTセルの電極のどちらかに刺激電圧を供給するステップであり、刺激電圧が可撓性メンブレンの一部分を所定の周波数で振動させる、供給するステップと、
刺激電圧を取り除き、それによって、CMUTセルが入来音響信号を受信できるようにするステップと
を有し、
シーケンスが、
第1の極性のバイアス電圧を有する第1のサイクル、及び反対の第2の極性のバイアス電圧を有する第2のサイクル、又は
第1の極性の刺激電圧を有する第3のサイクル、及び反対の第2の極性の刺激電圧を有する第4のサイクル
を含む。
典型的な超音波送信シーケンスは、送信セットアップステップ、送信ステップ、及び受信ステップからなる。反対極性のサイクルを使用することによって、CMUTセルのより安定な性能がある期間にわたって得られるように崩潰電圧のドリフトが修正される。
シーケンスは、交互の第1及び第2のサイクル(すなわち、交番極性のバイアス電圧プロファイル)、又は交互の第3及び第4のサイクル(すなわち、交番極性の刺激電圧プロファイル)を含む。
このように、交番サイクルが自動的に実施されてもよい。代わりに、フィードバック制御があってもよい。例えば、各超音波生成サイクルは、CMUTセルのドリフト電圧を決定することを含んでもよい。
送信セットアップステップにCMUTセルのドリフト電圧を決定することによって、送信ステップが始まる前に、CMUTセルの帯電を防止するか又は打ち消すバイアス電圧を供給することが可能である。このようにして、CMUTセルは超音波システムの通常の動作の間に放電され、これは、別個の放電ステップを必要としないことを意味する。
決定された電圧に基づいて選択されたバイアス電圧は、送信セットアップステップの間に大きさと極性が変わってもよい。
刺激電圧は、CMUTセルの可撓性メンブレンを所定の周波数で振動させるために供給される。このようにして、超音波RFパルスが、生成され、対象者、例えば、患者に送られる。
これに続いて、刺激電圧が取り除かれ、可撓性メンブレンは、対象者から戻った反射超音波に応じて自由に振動できるようになる。
一実施形態では、CMUTセルのドリフト電圧を決定するステップは、
テスト信号を生成するステップであり、テスト信号が所定の電圧を有する、生成するステップと、
テスト信号の減衰信号を測定するステップであり、テスト信号が少なくともCMUTセルのインピーダンスによって減衰される、測定するステップと、
減衰信号とテスト信号とに基づいてCMUTセルのインピーダンスを決定するステップと、
決定されたインピーダンスに基づいてCMUTセルのドリフト電圧を決定するステップと
を有する。
いくつかの実施形態では、この方法は、ドリフト電圧の絶対値が所定の値を超えていると決定したことに応じて、バイアス電圧の極性を反転させるステップをさらに有する。
さらなる又は他の実施形態では、この方法は、ドリフト電圧の絶対値が所定の値を超えていると決定したことに応じて、刺激電圧の極性を反転させるステップをさらに有する。
例によれば、容量性高周波微小電気機械スイッチRFMEMSが提供され、容量性高周波微小電気機械スイッチRFMEMSは、
基板と、
基板に接続された第1の電極と、
第1の電極から空間的に分離されている可撓性メンブレンと、
可撓性メンブレンに接続された第2の電極と
第1の電極と第2の電極との間の誘電体スタックであり、
第1の密度の電気的に活性な欠陥を有する第1の誘電体層、及び
第1の密度よりも低い第2の密度の電気的に活性な欠陥を有する第2の誘電体層
を含む、誘電体スタックと
を含む。
上で略述したCMUTセルアレイのCMUTセルは、各々、この例によるRFMEMSである。
例えば、容量性RFMEMSスイッチが第1の電極に印加されたバイアス電圧を有するとき、電界が、第1の電極と第2の電極との間に生成される。バイアス電圧が容量性RFMEMSスイッチの崩潰電圧を超える場合、スイッチは、超音波システム内のCMUTセルで使用されるような崩潰モードで動作する。電界密度は、スイッチの崩潰部分内において、この点で2つの電極が最も接近しているので、最も強くなる。電界は、誘電体スタックの第1の誘電体層及び第2の誘電体層の帯電をもたらす。電界により、誘電体層は分極され、それは、スイッチの崩潰電圧に負のシフトをもたらす。分極の程度は、誘電体層の電気的に活性な欠陥密度に依存する。崩潰電圧のシフトは、ドリフト電圧として知られている。したがって、ドリフト電圧、及びドリフト電圧の測定値は、崩潰電圧の変化を指す。
電界のさらなる影響は、誘電体層内の空間電荷の配向である。誘電体層内の電荷担体、すなわち、誘電体層の伝導帯内の電荷担体は、スイッチの電極に向かって配向し、それは、誘電体層を横切って空間電荷を生成する。空間電荷の配向は正のドリフト電圧をもたらす。この影響は、低い電気的に活性な欠陥密度を有する誘電体において支配的である。
加えて、第1の電極及び第2の電極からの電荷担体のトンネリングに起因して、電荷注入が両方の誘電体層に生じる。電荷注入は、負のドリフト電圧をもたらし、それによって、誘電体層の分極の効果を増大させる。それぞれ崩潰電圧に負のシフト及び正のシフトを生成する第1の誘電体層及び第2の誘電体層を設けることによって、2つのドリフト電圧が互いに相殺することが可能である。言い換えれば、全ドリフト電圧は、第1の誘電体層及び第2の誘電体層の相反する帯電効果によって最小化される。
誘電体スタックは第1の電極(すなわち、基板電極)に接続され、その結果、誘電体スタックは、可撓性メンブレンから空間的に分離される。一実施形態では、第1の誘電体層及び第2の誘電体層は、同じ材料から構成される。2つの層を異なるやり方で準備することによって、同じ材料が異なる誘電特性を示すことが可能である。一実施形態では、第1の誘電体層及び第2の誘電体層は、二酸化ケイ素SiOを含む。
二酸化ケイ素SiOは、市販の誘電体材料である。二酸化ケイ素の誘電特性は、製造方法に応じて変わる。
いくつかの実施形態では、第1の誘電体層は原子層堆積ALDを使用して構成され、それにより、電界の下での分極効果への感受性が大きくなる。
SiOの原子層堆積により第1の誘電体層を製造することによって、第1の誘電体層は、第2の層と比較してより高い程度の分極効果を示し、それは、負の電圧ドリフトの生成をもたらす。一構成では、第2の誘電体層は、化学気相堆積CVD使用して構成され、それは、より大きい感受性空間電荷配向をもたらす。
SiOの化学気相堆積により第2の誘電体層を製造することによって、第2の誘電体層は、第1の誘電体層と比較してより高いレベルの空間電荷配向を示し、それは、正の電圧ドリフトの生成をもたらす。
いくつかの構成では、第2の誘電体層は、第1の誘電体層よりも厚く、例えば少なくとも2倍厚い、例えば3倍厚い。
第1の誘電体層及び第2の誘電体層が、それぞれ、SiOのALD及びCVDによって製造されると、第1の誘電体層に関連する負の電圧ドリフトは、第2の誘電体層に関連する正の電圧ドリフトよりもかなり大きい。より厚い第2の誘電体層を設けることによって、これを補償し、ドリフト電圧をさらに最小化することが可能である。
いくつかの実施形態では、第1の誘電体層及び第2の誘電体層は、アルミニウムジオキシドAl又は酸化ハフニウム(IV)HfOを含む。Al及びHfOは、異なる誘電特性を示す第1の層及び第2の層に処理される市販の誘電体のさらなる例である。
いくつかのデザインでは、誘電体スタックは、
第1の誘電体層及び第2の誘電体層の誘電特性に基づいて選択された第3の誘電体層
をさらに含む。
第1の誘電体層及び第2の誘電体層の誘電特性に基づいて第3の誘電体層を設けることによって、電圧ドリフトの最小化がさらに最適化される。これは、スイッチの空間的要件が第1の誘電体層及び第2の誘電体層になされる厚さの変化を制限する場合に、より重要になる。
第1の誘電体層及び第2の誘電体層がSiOを含むさらなるデザインでは、第3の誘電体層は酸化アルミニウムAlを含む。このように、第3の誘電体層は、第1の誘電体及び第2の誘電体層と同じ材料から構成される必要はなく、これは、崩潰電圧、すなわち、ドリフト電圧のシフトが誘電特性の最適な組合せにより最小化されることを意味する。
上記のように、様々な実施形態において、容量性RFMEMSは、容量性微細加工超音波トランスデューサCMUTセルである。
容量性微細加工超音波トランスデューサセルは、超音波高周波パルスを生成するために超音波システムの超音波プローブで使用される容量性RFMEMSの一例である。
例によれば、超音波システムが提供され、超音波システムは、
超音波プローブであり、超音波プローブが、
上述で論じたようなCMUTセルのアレイ
を含む、超音波プローブと、
超音波プローブに結合された電圧源であり、電圧源が、
CMUTセルの第1の電極にバイアス電圧を供給することであり、バイアス電圧がCMUTセルを崩潰モードへと駆動するように構成される、供給することと、
CMUTセルの第2の電極に刺激電圧を供給することと
を行うように構成される、電圧源と
を備える。
超音波システムによって必要とされるように、崩潰モードでセルを駆動することに関連する電圧ドリフトを最小化することができる誘電体層を含むCMUTセルを超音波プローブに設けることによって、システムの寿命とシステムによって作り出される画像品質とが改善される。
CMUTセルを崩潰モードで動作させることによって、CMUTアレイの圧力出力、帯域幅、及び動作安定性は、医用超音波イメージングのために必要とされる基準を満たすことができる。CMUTセルを崩潰モードで動作させると、しばしば、ドリフト電圧として知られているセルの崩潰電圧のシフトがもたらされ、それは、超音波システムの寿命及び超音波システムによって作り出される画像品質に悪影響を及ぼすが、しかしながら、これは、前記ドリフト電圧を最小化することができる誘電体層をCMUTセルに設けることによって克服される。
いくつかのデザインでは、刺激電圧が、所定の周波数でCMUTセルの可撓性メンブレンを振動させるように構成される。
このようにして、高周波(RF)パルスを生成することが可能である。超音波システムでは、このパルスは、20kHzから数十MHzに及ぶ。様々な構成において、第2の電極は、入来振動を検出するように構成される。
RFパルスが対象者、例えば患者に放出された後、RFパルスは、障害物に出会うまで対象者を通って進む。障害物のところで、RFパルスの超音波は、部分的に反射されて超音波システムの方に戻る。次いで、超音波は、CMUTアレイを収容する超音波プローブの表面に衝撃を与え、CMUTセルの可撓性メンブレンを振動させる。
一構成では、システムは、
第2の電極によって検出された入来振動に基づいてデータを生成するように構成された信号プロセッサ
をさらに含む。
CMUTセルの可撓性メンブレンの振動は、第2の電極によって検出される。言い換えれば、可撓性メンブレンの振動は、第2の電極において電気信号を生成する。次いで、この電気信号は、信号プロセッサによって解釈され、超音波画像を構築するためのデータを生成するために使用される。
例によれば、容量性RFMEMSを動作させるための方法が提供され、容量性RFMEMSは、
基板と、
基板に接続された第1の電極と、
第1の電極から空間的に分離されている可撓性メンブレンと、
可撓性メンブレンに接続された第2の電極と
第1の電極と第2の電極との間の誘電体スタックであり、
第1の密度の電気的に活性な欠陥を有する第1の誘電体層、及び
第1の密度よりも低い第2の密度の電気的に活性な欠陥を有する第2の誘電体層
を含む、誘電体スタックと
を備え、
この方法は、
容量性RFMEMSの電極のどちらかにバイアス電圧を供給し、それによって、第1電極と第2の電極との間に電界を作り出すステップであり、バイアス電圧が容量性RFMEMSを崩潰モードへと駆動するように構成される、作り出すステップと、
電極のどちらかに刺激電圧を供給し、それによって、第1の電極と第2の電極との間の電界を増加させるステップと、
第1の誘電体層を第1の程度の分極に、及び第2の誘電体層を第1の程度よりも低い第2の程度に分極させ、それによって、第1の電極と第2の電極との間のバイアス電圧に負のドリフトを引き起こすステップと、
第1の誘電体層内の空間電荷を第1のレベルの配向に、及び第2の誘電体層内の空間電荷を第1のレベルよりも大きい第2のレベルの配向に配向させ、それによって、第1の電極と第2の電極との間のバイアス電圧に正のドリフトを引き起こし、それによって、第1の電極と第2の電極との間のバイアス電圧の全ドリフトを最小化するステップと
を有する。
例によれば、
容量性微細加工超音波トランスデューサCMUTセルが提供され、CMUTセルは、
基板と、
基板に接続され、中心軸のまわりに形成された第1の電極と、
第1の電極から空間的に分離されている可撓性メンブレンと、
可撓性メンブレンに接続された第2の電極であり、第1の電極と同心である、第2の電極と
を備え、
第1の電極及び第2の電極の一方がリングを含み、そして第3の電極があり、第3の電極は、リング電極と第3の電極とが空間的に分離されるようにリングの中央部分を占める。
崩潰モードで動作しているとき、CMUTセルの崩潰領域は、最大の電界強度を経験する。電界密度は、デバイスの両端に印加された電圧を電極間の層の厚さで除算することによって決定される。この層は、可撓性メンブレンと基板の一部とを含むことができ、1つ又は複数の誘電体層をさらに含むことができる。電界は、最も低い誘電体誘電率を有する層に集中する。これは、電界が層のすべてに悪影響を引き起こすほどの高さではないが、CMUTセルの崩潰部分の電界の集中が、最も低い誘電体誘電率を有する層に帯電を生じさせるには十分な高さであることを意味する。
電極のうちの1つをリングの形状で設け、それによって、CMUTセルの崩潰部分から第2の電極を取り除くことによって、セルの崩潰部分内の電界が低減される。このようにして、CMUTを崩潰モードで動作させるのに必要とされる電界によって引き起こされる帯電効果を低減することが可能である。
一実施形態では、CMUTセルは、可撓性メンブレンに接続された第3の電極をさらに含み、第3の電極は、第2の電極と第3の電極とが空間的に分離されるように、第2の電極によって画定されたリングの中央部分を占める。
このようにして、第3の電極は、CMUTセルの崩潰部分を占めるように可撓性メンブレンに接続される。これは、崩潰部分内の電界のより優れた制御を可能にし、それは、次いで、セルの崩潰部分の帯電効果のさらなる低減をもたらす。いくつかの実施形態では、第3の電極は電気的に接地される。
第3の電極を接地することによって、CMUTセルの崩潰部分は、セルを崩潰モードへと駆動するために必要とされるバイアス電圧に対応する電界密度のみを経験する。言い換えれば、超音波RFパルスを生成するために必要とされる刺激電圧は、もはや崩潰部分の電界密度に寄与しない。このようにして、崩潰部分の帯電、それゆえに、ドリフト電圧は、最小化されるか又はさらに完全に防止される。
様々な実施形態では、第1の電極が可撓性メンブレンに接続され、第2の電極及び第3の電極が基板に接続される。
この代替の構成において上述と同じ効果を達成することが可能である。
いくつかのデザインでは、CMUTセルには、中心軸のまわりに形成され、基板と可撓性メンブレンとの間に接続された支持体がさらに含まれる。第1の電極はリングの形状である。
CMUTセルの中央領域に支持体を設けることによって、プレストレスモードでセルを動作させることが可能であり、それは、崩潰モードでセルを動作させるのと同様の利益を提供する。加えて、第2の電極と同様にリングの形状に第1の電極を形成することによって、支持体を含む中央領域の電界密度が制限され、それによって、CMUTセル内の帯電が減少する。
方法及び装置の特徴は単独で又は組合せで使用されてもよいことに留意されたい。したがって、誘電体スタックデザインは、同心電極レイアウトの有無にかかわらず使用することができる。同様に、ドリフト電圧を決定する方法は、誘電体スタックデザインの有無にかかわらず、及び同心電極デザインの有無にかかわらず、デザインに適用することができる。
本発明を挿入している本明細書に記載の例では、電圧源は、バイアス電圧と刺激電圧とを、同じ電極(第1の電極又は第2の電極)に、又は別個の電極に(例えば、バイアス電圧を電極の一方に、刺激電圧を電極の他方に)供給するように構成されることを当業者は理解すべきである。
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、より詳細に、非限定の例として説明する。
崩潰モードで動作可能な超音波システムの典型的なCMUTセルを概略的に示す図である。 CMUTセルの動作原理を示す図である。 CMUTセルの動作原理を示す図である。 CMUTセルの音響性能の等高線図である。 CMUTセルの誘電体内の空間電荷配向及び分極の視覚的説明を示す図である。 RFMEMSの一実施形態を示す図である。 RFMEMSの別の実施形態を示す図である。 図5及び図6のRFMEMSを動作させる方法を概略的に示す図である。 一実施形態による緩和モードでのCMUTセルを示す図である。 一実施形態による崩潰モードでのCMUTセルを示す図である。 別の実施形態による緩和モードでのCMUTセルを示す図である。 別の実施形態による崩潰モードでのCMUTセルを示す図である。 一実施形態によるプレストレスCMUTセルを示す図である。 さらなる別の実施形態による緩和モードでのCMUTセルを示す図である。 さらなる別の実施形態による崩潰モードでのCMUTセルを示す図である。 超音波診断イメージングシステムの例示の実施形態を概略的に示す図である。 キャパシタンス感知回路の一例を示す図である。 CMUTセルを動作させる方法を示す図である。 図15の方法の一実施形態を示す図である。 図15の方法の別の実施形態を示す図である。 バイアス電圧プロフィルの2つの実施形態を示す図である。 印加電圧と提示キャパシタンスとの間の関係の変化を介したドリフト電圧の決定を示す図である。 ドリフト電圧の測定値と、印加バイアス及び刺激電圧の極性及び大きさの変更によるドリフト電圧への例示の補償応答とを示す図である。 ドリフト電圧の測定値と、印加バイアス及び刺激電圧の極性及び大きさの変更によるドリフト電圧への例示の補償応答とを示す図である。 ドリフト電圧の測定値と、印加バイアス及び刺激電圧の極性及び大きさの変更によるドリフト電圧への例示の補償応答とを示す図である。
図は、単に概略であり、原寸に比例して描かれていないことを理解されたい。同じ又は類似の部分を示すために図の全体にわたって同じ参照番号が使用されることも理解されたい。
本発明は、超音波システム用のCMUTセルなどの容量性高周波微小電気機械スイッチのためのシステム及び動作方法を提供する。RFMEMSは、基板と、基板に接続された第1の電極と、メンブレンと、メンブレンに接続された第2の電極とを含む。
いくつかの例では、第1の電極と第2の電極との間に誘電体スタックがある。誘電体スタックデザインは、メンブレン崩潰電圧におけるドリフトを最小化する。他の例では、電極の一方がリングの形状であり、第3の電極がリングの中央の空間を占めるように設けられる。代替として、第1の電極及び第2の電極は両方ともリングの形状であり、リングの内側の電極間に支持体がある。
図1は、本発明の実施形態による超音波システムの一態様を示し、システムは、CMUTセル100を含むトランスデューサアレイを有する超音波プローブを含む。本発明の実施形態によるCMUTセル100を、図6、図7、及び図9~図12の助けを借りてより詳細に説明する。以下でさらに詳細に説明するように、そのような超音波システムは、超音波診断イメージングシステムとすることができ、又は超音波治療システムとすることができる。
そのようなCMUTセル100は、一般に、シリコン基板112の上方に宙に浮かされた可撓性メンブレン又はダイヤフラム114を含み、それらの間に間隙又は空洞118がある。第1の電極122が、この例では、基板112の上面のセルの床に配置される。第2の電極120が、ダイヤフラム114に配置され、ダイヤフラムとともに動く。図示の例では、2つの電極は円形である。
誘電体(図示せず)が、基板112の上と、上部の(第2の)電極120の下とに設けられる。これらの2つの誘電体は、組成及び厚さが等しくしてもよいが、さらに、非対称であってもよい(異なる材料及び厚さ)。
電極120のデザインの他の具現化が考えられてもよい。例えば、電極120がメンブレン114に埋め込まれてもよい、又は電極120がメンブレン114上に追加的層として堆積されてもよい、などである。この例では、第1の電極122は、非限定の例として、円形に構成され、基板層112に埋め込まれている。他の好適な構成、例えば、第1の電極122が、間隙118に直接露出されるか、又は第2の電極120と第1の電極122との間の短絡を防止するために電気絶縁層又は膜によって間隙118から分離されるような、例えば基板層112上の第1の電極122の他の電極形状及び他の位置があってもよい。加えて、メンブレン層114は、基板層112の上面に対して固定され、メンブレン層114と基板層112との間に球状又は円筒状空胴118を画定するように構成され寸法を合わされる。誤解を避けるために、図1では、第1の電極122が非限定の例として接地されていることに留意されたい。他の構成、例えば、接地された第2の電極120、又は第2の電極120と第1の電極122の両方が浮いていることが、当然、同じように可能である。
セル100及びその間隙118は、代替の幾何学的形状を示してもよい。例えば、空洞118は、長方形若しくは正方形断面、六角形断面、楕円形断面、又は不規則な断面を示してもよい。本明細書では、CMUTセル100の直径への言及は、セルの最大横方向寸法として理解されるものとする。
図1において、円筒状空洞118の直径は、円形に構成された電極プレート122の直径よりも大きい。電極120は、円形に構成された電極プレート122と同じ外径を有してもよいが、そのような一致は必要とされず、図1はより大きい電極プレート122を示している。したがって、第2の電極120は、下方の第1の電極プレート122と整列するようにメンブレン層114の上面に対して固定される。CMUTセル100の電極は、デバイスの容量性プレートを形成し、間隙118はキャパシタのプレート間の誘電体である。ダイヤフラムが振動すると、プレート間の誘電体間隙の寸法の変化がキャパシタンスの変化をもたらし、それが、受信音響エコーに対するCMUTセル100の応答として感知される。
電極間の間隔は、電圧源101を用いて電極に静電圧、例えばDCバイアス電圧を印加することによって制御される。電圧源101は、オプションとして、例えば送信モードにおいて、CMUTセル100の駆動電圧のDC成分とAC又は刺激成分とをそれぞれ供給するための別個の段102、104を含むことができる。第1の段102は、静的(DC)電圧成分を生成するように構成され得る。第2の段104は、設定された交番周波数を有する交番可変電圧成分又は刺激を生成するように構成され得、その信号は、一般に、全体的な駆動電圧とその前記の静的成分との間の差である。印加された駆動電圧の静的又はバイアス成分は、CMUTセル100を崩潰状態に強制するために閾値電圧を満たすか又は超えることが好ましい。これには、第1の段102が、全電圧の特に低ノイズの静的成分を生成するために比較的大きいキャパシタ、例えば平滑キャパシタを含むことができるという利点がある。静的成分は、一般に、全電圧を支配し、その結果、全電圧信号のノイズ特性はこの静的成分のノイズ特性によって支配される。電圧電源101の他の好適な実施形態、例えば、電圧電源101が、CMUT駆動電圧の静的DC成分を生成するための第1の段、駆動電圧の可変DC成分を生成するための第2の段、及び信号の周波数変調又は刺激成分を生成するための第3の段、例えばパルス回路などを含む3つの別個の段を含む実施形態などは明らかであろう。要約すると、電圧電源101は任意の好適なやり方で実施されてもよい。
特定の閾値より上の静電圧を印加することによって、CMUTセル100は崩潰状態に強制され、メンブレン114が基板112上に崩潰することが知られている。この閾値は、CMUTセル100の正確なデザインによって決まり、メンブレン114が電極間の電界による力を介してセルの床に張り付く(接触する)崩潰電圧として知られているDCバイアス電圧として定義される。メンブレン114と基板112との間の接触の量(面積)は、印加されるバイアス電圧に依存する。メンブレン114と基板112との間の接触面積が増加すると、図2a及び図3aの助けを借りてより詳細に説明するように、メンブレン114の共振周波数が上昇する。
崩潰モードCMUTセル100の周波数応答は、崩潰の後にCMUT電極に印加されるDCバイアス電圧を調節することによって変更され得る。その結果、電極に印加されるDCバイアス電圧が高くなるにつれて、CMUTセルの共振周波数は上昇する。
この現象の背後にある原理が、図2a、図2b、図3a、及び図3bに示される。図2a及び図3aの断面図は、これを、1次元的に、説明図ごとに、メンブレン114の外側支持体と、メンブレンが空洞118の床に接触し始める点との間の距離D1及びD2によって示している。比較的低いバイアス電圧が印加された場合、図2aの距離D1は比較的長い距離であり、一方、図3aの距離D2は、より高いバイアス電圧が印加されたことにより非常に短い距離であることが見て分かる。これらの距離は、両端で保持され、次いで弾かれる長い弦と短い弦にたとえられる。長く緩んだ弦は、弾かれたとき、短くぴんと張った弦よりもはるかに低い周波数で振動する。同様に、図2aのCMUTセルの共振周波数は、より高いバイアス電圧を受けた図3aのCMUTセルの共振周波数よりも低い。
この現象は、図2b及び図3bの2次元図からも十分に理解でき、CMUTメンブレンの有効動作面積の関数として変化する。メンブレン114が、図2aに示すようにCMUTセルの床にちょうど接触するとき、セルメンブレン114の非接触(自由振動)部分の有効振動区域A1は、図2bに示すように大きい。中心の小さい区域115は、メンブレンの中心接触領域を示す。大きい区域のメンブレンは、比較的低い周波数で振動する。この区域115は、CMUTセルの床に崩潰されるメンブレン114の区域である。メンブレンが図3aにおけるようにより高いバイアス電圧によってより深い崩潰へと引っ張られると、より大きい中央接触区域115’が、図3bに示すようにより小さい自由振動区域A2をもたらす。この小さい区域A2は、大きいA1の区域よりも高い周波数で振動する。したがって、DCバイアス電圧が減少するとき、崩潰されたCMUTセルの周波数応答は減少し、DCバイアス電圧が増加するとき、崩潰されたCMUTセル周波数応答は増加する。
図4は、送信中の一定周波数のAC変調又は周波数変調の形態の刺激を含む印加DCバイアス電圧の関数としての崩潰モードにおける典型的なCMUTセル100の音圧出力の等高線図を示す。対応するパルス長の逆数は印加周波数の2倍である。この等高線図から分かるように、CMUTセル100が、固定又は静電圧で、例えば、静的値のDCバイアス電圧で動作するとき、最適な音響の性能は、周波数の小さい範囲でしか得られない。しかしながら、バイアス電圧信号のバイアス電圧と周波数変調とを相関して変化させると、等高線図の破線で示すように、CMUTセル100の最適音響性能が、はるかに大きい周波数範囲にわたって達成され得、それによって、CMUTセル100を含む超音波プローブの送信モードで生成される超音波パルス(又はパルス列)の有効帯域幅が増大する。
これは、崩潰状態のCMUTセル100の共振周波数が印加(DC)バイアス電圧の関数であることを説明した図2a及び図3aに戻って参照して理解することができる。適切な設定周波数を有する刺激を印加することにより特定の設定周波数の超音波パルスを生成するときに印加バイアス電圧を調節することによって、異なる周波数のパルスが生成され、パルス周波数ごとにCMUTセル100の(ほぼ)最適な音響性能を示すことができる。それゆえに、これにより、イメージングスペクトルの大きい帯域幅にわたって(ほぼ)最適なイメージング解像度が保証される。
図5a及び図5bは、それぞれ、CMUTセルのバイアス電圧への空間電荷配向及び分極の影響を示す。
図5aは、第1の電極122、第1の誘電体150、第2の電極120、及び第2の誘電体155を有する典型的なCMUTセルを示す。第1の電極122は電気的に接地され、第2の電極120には正バイアス電圧Vが印加される。CMUTセル内の位置に対する電圧のグラフ160は、バイアス電圧が最初に印加されたときのCMUTセルを横切る最初の電圧プロフィル165を示す。バイアス電圧の印加は、第1の電極と第2の電極との間に電界166を確立する。電界強度は、一般に、3.5mV/cmから6mV/cmの範囲にある。
第1の誘電体及び第2の誘電体の伝導帯内の電子及びホールなどの電荷担体は、電界に応じて移動する。この例では、第2の電極は正であり、それは、第1の誘電体150及び第2の誘電体155内の電子が第2の電極120の方に引き寄せられることを意味する。同様に、第2の電極120の正電荷は、第1の誘電体及び第2の誘電体内の正電荷担体をはねのけ、その結果、第1の電極122の近くに正電荷が集まることになる。誘電体を横切るこれらの電荷の分布は空間電荷と呼ばれる。この場合、空間電荷の配向は、第1電極と第2の電極とによって生成された電界166に対抗するように作用する電界を作り出す。これは、セルを横切る電圧プロフィルの正のシフトをもたらし、その結果として、電界166と比較して、低減した電界強度を有する低減した電界171がもたらされる。電極間の電界強度は、電極間の電圧と距離とに比例するので、電圧プロフィル165及び170の勾配は、電界強度の変化の指標値として使用される。
このようにして、CMUTセル内の空間電荷の配向は、崩潰電圧Vcの正のシフト(すなわち、正のドリフト)をもたらす。間隙の電界が減少するので、メンブレンを崩潰状態にするのにより大きい電圧が必要とされる。言い換えれば、一定のバイアス電圧では、メンブレンは崩潰からドリフトする。
図5bは、同じバイアス電圧Vの下で図5aに示したものと同じCMUTセルに生じる誘電分極を示す。グラフ180は、バイアス電圧の印加によって生成されたセルを横切る電圧プロフィル165を示す。今度の場合も、バイアス電圧は電界166の生成をもたらす。
誘電体層を構成する分子は電気双極子185として振る舞い、電気双極子185の各々は関連する双極モーメントを有する。外部電界がないときには、すべての分子の電気双極子モーメントはランダムに並ぶ。外部電界166が誘電体に印加されると、分子の電気双極子モーメントは、図5bに示されるように電界と一致する。これは、誘電体層内の電界186の減少と、電極間の電界187の増大とをもたらす。これは、グラフ180において電圧プロフィル190として表される。電界による誘電体層の分極は、セルを横切る崩潰電圧Vcの負のシフトをもたらす。間隙の電界が誘電体の分極によって増加するので、メンブレンを崩潰状態にするのに必要とされる電圧が低くなる。言い換えれば、接触バイアス電圧において、メンブレンは、間隙内の電界の増加のためにより深く崩潰する。
この負の電圧ドリフトは、トンネル効果による電極から誘電体層への電荷担体195及び196の注入によってさらに強化される。
図6は、本発明の一態様による、容量性高周波微小電気機械スイッチ100’RFMEMSを示す。それは、CMUTセル、又は圧力センサ及びマイクロホンで使用される容量性スイッチなどの別のタイプの容量性MEMSを含むことができる。上述のCMUTセルとの類似性を示すために、対応する構成要素には同じ参考番号が使用される。
スイッチは、基板112と、前記基板に接続された第1の電極122とを含む。第1の電極は、図6に示すように基板の上面に接続され得るが、しかしながら、それは、さらに、基板内に配置されるか、又は基板自体の層を形成してもよい。加えて、第1の電極に接続された誘電体スタック200が設けられ、その結果、誘電体スタックは、間隙118から第1の電極及び基板を分離する。間隙は、ガスで満たされてもよく、又は部分真空であってもよい。
スイッチは、可撓性メンブレン114と、前記メンブレンに接続された第2の電極120とをさらに含む。可撓性メンブレン及び第2の電極は、間隙118によって誘電体スタック、第1の電極、及び基板から空間的に分離される。図6は、第2の電極が可撓性メンブレンの上面に接続されているように示しているが、しかしながら、第2の電極は、メンブレン内に設けられてもよく、メンブレンの層を形成してもよく、又はメンブレンの底面に接続されてもよい。
誘電体スタックは、第1の誘電体層210と第2の誘電体層220とを含む。図6は、第1の誘電体層を、第2の誘電体層の上面に接続されているように示しているが、しかしながら、誘電体層はまた、第2の誘電体層が第1の誘電体層の上面に接続されるように逆転されてもよい。
第1の誘電体層210は、第1の密度の電気的に活性な欠陥を含むように構成される。トラップとしても知られている電気的に活性な欠陥は、電界の影響下で誘電体材料内に生じる分極効果の強さに寄与する。第1の誘電体層は、空間電荷の配向を支配する分極効果をもたらす電気的に活性な欠陥の密度を含むように構成される。このようにして、第1の誘電体層は、容量性RFMEMSの崩潰電圧に負のシフトをもたらすことが可能である。
言い換えれば、第1の誘電体層210は、負のドリフト電圧を作り出す。
第2の誘電体層220は、第1の誘電体層内の第1の密度よりも低い第2の密度の電気的に活性な欠陥を含むように構成される。第2の層の電気的に活性な欠陥密度は、電界の影響下で分極効果を支配する空間電荷の配向をもたらす。このようにして、第2の誘電体層は、容量性RFMEMSの崩潰電圧に正のシフトを作り出すことができる。
言い換えれば、第2の誘電体層220は、正のドリフト電圧を作り出す。
誘電体スタック200における第1の誘電体層210と第2の誘電体層220との組合せによって、負のドリフト電圧と正のドリフト電圧とが、互いに相殺するように作用する。このようにして、スイッチの誘電体帯電によって作り出される全ドリフト電圧が低減され、寿命と機能の両方が改善され得る。第1の誘電体層と第2の誘電体層とは、同じ材料から造られてもよい。
一般に使用される誘電体材料は、二酸化ケイ素SiOであり、それは、異なる誘電特性を作り出すために異なるやり方で準備され得る。第1の誘電体層は原子層堆積ALDを使用して造られてもよく、第2の誘電体層は化学気相堆積CVDを使用して造られてもよい。
原子層堆積は薄膜堆積法であり、所与の材料の薄膜が、表面を交互のガス種にさらすことによって表面に成長する。SiOの場合には、原子層堆積は、材料のバルク内により多くの電気的に活性な欠陥をもたらし、それにより、電界の下での分極効果への感受性が大きくなる。このようにして、第1の誘電体層210は、負のドリフト電圧を示す。
ALDと同様に、CVDは、表面が揮発性前駆体ガスにさらされるときに表面に所望の材料を堆積させるものである。SiOの場合には、テトラエチルオルソシリケートTEOSの前駆体ガスが使用され得る。このように作り出された誘電体層は、電気的に活性な欠陥の数が少ないことにより、ALDによって作り出されたものよりも分極効果を受けにくい。これにより、空間電荷の配向は、電界による誘電体帯電効果を支配することができる。このようにして、第2の誘電体層220は、正のドリフト電圧を示す。
この構成において、ALDを使用してSiOから製造された第1の誘電体層210の分極効果は、CVDを使用してSiOから製造された第2の誘電体層220によって作り出された正のドリフト電圧と比較して、より大きい負のドリフト電圧を作り出す。容量性RFMEMS100の全ドリフト電圧を最小化するために、第2の誘電体層は、第1の層の電圧ドリフトの大きさと一致させるようにより厚くされ得る。この場合、第2の誘電体層は、第1の層よりも、例えば少なくとも2倍厚い、例えば3倍厚い。誘電体層間の相対的厚さに加えて、誘電体スタックの絶対的厚さが、ドリフト電圧を低減するために最適化され得る。
異なる材料、例えばアルミニウムジオキシドAl又は酸化ハフニウム(IV)など、及び/又は製造方法が使用される場合、第1の層と第2の層の厚さの比は、ドリフト電圧の最小化をさらに最適化するように変更され得る。
図7は、本発明の一態様による容量性RFMEMS100’の別の実施形態を示す。図に示すように、誘電体スタック200は、第3の誘電体層215をさらに含み得る。他の層は、図6を参照して説明した通りである。この層215は、第1の誘電体層210及び第2の誘電体層220の誘電特性に基づいて選択され得る。材料の誘電特性は、電荷注入と感知によるトラップ分光法TSCIS、又は漏洩電流分光法(LCS)により確認され得る。TCISは材料の界面状態に敏感である。材料が正のドリフト電圧を作り出す指標として、少数の界面状態が役立ち得る。LCSは、材料のバルク状態に敏感である。材料内のより多くのバルク状態が、電界の影響下でより大きい分極効果をもたらす。
第3の誘電体層を含めることにより、ドリフト電圧の最小化がさらに最適化され得る。第1の誘電体層と第2の誘電体層が両方ともSiOから製作される場合、第3の誘電体層は、酸化アルミニウムAlから造られてもよい。
図6及び図7に示した容量性RFMEMSは、超音波イメージングシステムで使用される容量性微細加工超音波トランスデューサCMUTセルとすることができる。典型的な超音波イメージングシステムの詳細な説明は、図13に関連して以下でさらに説明する。
基本的な超音波システムは、図6及び図7を参照して説明したようなCMUTセルのアレイと、バイアス電圧を第1の電極122に及び刺激電圧を第2の電極120に供給するように構成された電圧源とを含む超音波プローブを含み得る。他の場合には、バイアス電圧は第2の電極に供給され得、刺激電圧は第1の電極に供給され得る。
バイアス電圧はCMUTセルを崩潰モードへと駆動し得、可撓性メンブレン114は誘電体スタック200に接触し、間隙118のサイズを減少させる。これはCMUTの崩潰部分の電界密度を増加させ、有害な帯電効果をもたらす。有害な帯電効果を相殺するように構成された誘電体スタックをCMUTセルに設けることによって、超音波プローブの寿命及び性能が向上し得る。
刺激電圧は、CMUTセルの可撓性メンブレンを所定の周波数で振動させ得る。このようにして、CMUTセルは、超音波パルスを生成することができる。この特徴はさらに逆にも当てはまり、入来振動に応じて可撓性メンブレンが振動できることを意味する。振動はCMUTセルのキャパシタンスの変化を引き起こし、それは第2の電極120によって電気信号の形態で検出され得る。次いで、これらの電気信号は、信号プロセッサによって解釈され得、超音波画像を構築するための画像データを生成するために使用され得る。
図8は、図6及び図7を参照して説明したような容量性RFMEMSを動作させる方法300を示す。
ステップ310において、バイアス電圧が、容量性RFMEMSの第1の電極120に供給される。このバイアス電圧は、崩潰電圧として知られている所定の値を超えている可能性があり、それはCMUTセルを崩潰モードにする。このバイアス電圧は、第1の電極と第2の電極との間に電界を確立する。
ステップ320において、可撓性メンブレンの非崩潰部分を振動させることによって超音波RFパルスを作り出すために、刺激電圧が第2の電極に供給される。この刺激電圧は、特に崩潰部分において、スイッチ内の電界密度を増加させる。
ステップ330において、増加した電界は、第1の誘電体層を第1の程度の分極に、及び第2の誘電体層を第1の程度よりも低い第2の程度に分極させる。これにより、負のドリフト電圧が生成される。
ステップ340において、第1の誘電体層は、空間電荷配向を第1のレベルにされ、第2の誘電体層は、空間電荷配向を、第1のレベルよりも大きい第2のレベルにされる。電界による2つの誘電体層を横切る空間電荷の配向は、正のドリフト電圧を生成する。このようにして、スイッチの全ドリフト電圧は低下する。
誘電体スタック構成は、円形基板電極及びリング形状メンブレン電極に関して上述された。しかしながら、これは、単に一例である。誘電体スタックデザインは、図1の例のように中実(すなわち、環状でない)電極とともに使用されてもよい。
図9a及び図9bは、それぞれ、緩和モード及び崩潰モードにおけるCMUTセル100の一実施形態を示す。再び、前の例と同じ機能を実行する層は、同じ参考番号が与えられている。CMUTセル100は、基板112と、前記基板に接続された第1の電極122とを含む。CMUTセルは、追加とし、可撓性メンブレン114と第2の電極120とを含み、それらは、第1の電極及び基板から間隙118によって空間的に分離されている。第2の電極は、リングの形状に形成される。第2の電極120のリング形状は、純粋な円形に限定されるのでなくて、形状の中央部分が除去された任意の形状をとることができる。
言い換えれば、第2の電極120は、電極が可撓性メンブレンの中央部分を占めないように形成される。より具体的には、第2の電極は、図9bに示されるような崩潰モードにあるときに第1の電極に接触している可撓性メンブレンの部分が、第2の電極に接続されないように形成される。図9bは、第1の電極が接地されバイアス電圧が第2の電極に印加されたときに生成される電界を描く電界線123を示す。電界密度は、電極間で最も高く、電界線間の小さい間隔によって示されている。第2の電極の中央部分を取り除くことによって、電界密度は、電界線間の大きい間隔によって示されるようにCMUTセルの崩潰部分では低減され、それによって、誘電分極、電化注入、及び空間電荷配向などの帯電効果のレベルが低下する。これは、CMUTセルのより長い寿命及び改善された性能をもたらす。
図9aのデザインには誘電体スタックがない。しかしながら、上述の単層誘電体又は2層若しくは3層誘電体スタックが、図12を参照して以下でさらに説明するように、追加として使用されてもよい。例えば、下部電極122上に単層又は多層誘電体があってもよく、さらに、上部電極120の下に単層又は多層誘電体があってもよい。
図10a及び図10bは、それぞれ、本発明のさらなる態様による緩和モード及び崩潰モードにおけるCMUTセルの一実施形態を示す。図9a及び図9bで使用されたものと同じ層には同じ参考番号を与え、説明を繰り返さない。この場合、CMUTセルは、第2の電極の中央部分を占める第3の電極124を含む。第3の電極は、CMUTセルの崩潰された部分の電界密度のより高いレベルの制御を可能にし得る。
例えば、第3の電極は電気的に接地され得る。このようにして、刺激電圧による電界は取り除かれ、それは、バイアス電圧による電界のみがCMUTセルの崩潰された部分に残ることを意味する。これは、セルのこの部分の電界密度をさらに低減し、それによって、セル内の帯電効果をさらに減少させる。
リング電極及び中央(第3の)電極は、代わりに、下部の第1の電極122として基板上に形成されてもよく、そのとき、上部メンブレン電極120は連続電極であってもよい。
このようにして、第1の電極及び第2の電極の一方はリングを含み、そして第3の電極があり、第3の電極は、リング電極と第3の電極とが空間的に分離されるようにリングの中央部分を占める。
図11は、本発明のさらなる態様によるCMUTセル100の別の実施形態を示す。この実施形態は、図9a及び図9bに示したものに類似するCMUTセルを示し、追加の支持体350が、可撓性メンブレン114と基板との間に接続される。支持体を収容するために、第1の電極122はリングの形状にされ、支持体はリングの中央部分を占める。したがって、このデザインでは、第1の電極と第2の電極の両方は各々リングを含み、支持体350は、中心軸のまわりに形成され、基板と可撓性メンブレンとの間に接続される。
支持体350は、CMUTセルが、プレストレスモードで動作できるようにし、それは、電極間の減少した電界密度を用いて崩潰モードでCMUTセルを動作させる利点の多くを提供する。このようにして、CMUTセルの帯電効果は低減される。
図12a及び図12bは、それぞれ、本発明のさらなる態様による緩和モード及び崩潰モードおけるCMUTセルのさらなる別の実施形態を示す。この構成によれば、CMUTセルは、リングの形状の第2の電極120と、図10a及び図10bに示したような電気的に接地された第3の電極124と、図6に示したように第1の誘電体層210及び第2の誘電体層220を含む誘電体スタック200とを備える。
このデザインでは、CMUTセルが崩潰モードで動作されるときに電界の帯電効果を最小化するように構成された電極構成が、残りの帯電効果を相殺するように構成された誘電体スタックと組み合わされる。このようにして、CMUTセルの帯電効果、それゆえに、電圧ドリフトを最小化し(又は除去し)、それによって、なおも、セルの寿命と性能の両方をさらに改善することが可能である。
図13には、本発明の例示の実施形態によるアレイトランスデューサプローブ400を有する超音波診断イメージングシステムが、ブロック図形式で示される。図13において、上述で論じたようなCMUTセルを含むCMUTトランスデューサアレイ410が、超音波を送信しエコー情報を受信するために超音波プローブ400に設けられる。トランスデューサアレイ410は、3Dイメージングのために2D平面又は3次元で走査することができるトランスデューサ要素の1次元又は2次元アレイとすることができる。
トランスデューサアレイ410はプローブ410内のマイクロビームフォーマ412に結合され、マイクロビームフォーマ412はCMUTアレイセルによる信号の送信及び受信を制御する。マイクロビームフォーマは、例えば、米国特許第5,997,479号(Savord等)、米国特許第6,013,032号(Savord)、及び米国特許第6,623,432号(Powers等)に記載されているように、トランスデューサ要素のグループ又は「パッチ」によって受信された信号を少なくとも部分的にビーム形成することができる。
マイクロビームフォーマ412は、送信/受信(T/R)スイッチ416にプローブケーブル、例えば同軸ワイヤによって結合される。送信/受信(T/R)スイッチ416は、マイクロビームフォーマが存在せず又は使用されずトランスデューサアレイ410がメインシステムビームフォーマ420によって直接動作されるとき、送信モードと受信モードとの間を切り替え、高エネルギー送信信号からメインビームフォーマ420を保護する。マイクロビームフォーマ412の制御下でのトランスデューサアレイ410からの超音波ビームの送信は、T/Rスイッチ416によりマイクロビームフォーマに結合されたトランスデューサコントローラ418と、ユーザインタフェース又はコントロールパネル438のユーザ操作からの入力を受信するメインシステムビームフォーマ420とによって誘導される。トランスデューサコントローラ418によって制御される機能の1つは、ビームをステアリングし集束させる方向である。ビームは、トランスデューサアレイ410から前方にまっすぐに(トランスデューサアレイ410に垂直に)ステアリングされるか、又はより広い視野のために様々な角度にステアリングされ得る。トランスデューサコントローラ418は、CMUTアレイ用の前記の電圧源101を制御するように結合され得る。例えば、電圧源101は、例えば、上記のように送信モードにおいて超音波RFパルスを生成するためにCMUTアレイ410のCMUTセルに印加されるDC及びACバイアス電圧を設定する。
マイクロビームフォーマ412によって作り出される部分的にビーム形成された信号は、メインビームフォーマ420に転送され、トランスデューサ要素の個々のパッチからの部分的にビーム形成された信号は、完全にビーム形成された信号に組み合わされる。例えば、メインビームフォーマ420は128チャネルを有し得、それらの各々が、数十又は数百のCMUTトランスデューサセル100のパッチから部分的にビーム形成された信号を受信する。このようにして、トランスデューサアレイ410の数千のトランスデューサ要素によって受信された信号は、単一のビーム形成された信号に効率的に寄与することができる。
ビーム形成された信号は、信号プロセッサ422に結合される。信号プロセッサ422は、バンドパスフィルタ処理、デシメーション、I及びQ成分分離、並びに組織及びマイクロバブルから返された非線形(基本周波数の高調波)エコー信号の識別を可能にするために線形信号と非線形信号とを分離するように働く高調波信号分離などの様々なやり方で受信エコー信号を処理することができる。
信号プロセッサ422は、オプションとして、スペックル低減、信号合成、及びノイズ除去などの追加の信号増強を実行してもよい。信号プロセッサ422内のバンドパスフィルタは、トラッキングフィルタであってもよく、その通過帯域は、受信されるエコー信号の深さが増加するにつれて高い周波数帯域から低い周波数帯域にスライドし、それによって、より大きい深さからのより高い周波数のノイズを阻止する。より高い周波数には解剖学的情報がない。
処理された信号は、Bモードプロセッサ426と、オプションとしてドップラプロセッサ428とに結合される。Bモードプロセッサ426は、体内の臓器及び血管の組織などの体内の構造をイメージングするために、受信した超音波信号の振幅の検出を用いる。体の構造のBモード画像は、例えば、米国特許第6,283,919号(Roundhill等)及び米国特許第6,458,083号(Jago等)に記載されているように、高調波画像モード又は基本画像モード又は両方の組合せのいずれかで形成され得る。
ドップラプロセッサ428は、存在する場合、画像フィールド内の血球の流れなどの物質の動きを検出するために組織移動及び血流からの時間的に異なる信号を処理する。ドップラプロセッサは、一般に、体内の選択された種類の材料から戻されたエコーを通過及び/又は阻止するように設定され得るパラメータをもつウォールフィルタを含む。例えば、ウォールフィルタは、高速材料からの比較的低い振幅の信号を通過させるとともに低速又はゼロ速度材料からの比較的強い信号を阻止する通過帯域特性を有するように設定され得る。
この通過帯域特性は、血流からの信号を通過させ、一方、心臓の壁などの近くの静止しているか又はゆっくり動く物体からの信号を阻止する。逆特性は、組織ドプライメージングと呼ばれるもののために、心臓の動いている組織からの信号を通過させ、一方、血流信号を阻止し、組織の動きを検出し描写する。ドップラプロセッサは、画像フィールド内の異なる点からの時間的に離散したエコー信号のシーケンスを受信し処理する。特定の点からのエコーのシーケンスは、アンサンブルと呼ばれる。比較的短い間隔わたって立て続けに受信したエコーのアンサンブルを使用して、血流のドップラシフト周波数を推定することができる。ドップラ周波数の速度への対応は、血流速度を示す。より長い期間にわたって受信したエコーのアンサンブルを使用して、より遅い血流又はゆっくり動いている組織の速度を推定する。
Bモード(及びドップラ)プロセッサによって作り出された構造信号及び動き信号は、スキャンコンバータ432及びマルチプレーナリフォーマッタ444に結合される。スキャンコンバータ432は、受信した空間的関係のエコー信号を所望の画像フォーマットに配列する。例えば、スキャンコンバータは、エコー信号を2次元(2D)セクタ形状フォーマット、又はピラミッド形状3次元(3D)画像に配列し得る。
スキャンコンバータは、画像フィールド内のドップラ推定速度をもつ点の動きに対応する色をBモード構造画像に重ね合わせて、画像フィールド内の組織及び血流の動きを描くカラードップラ画像を作り出すことができる。マルチプレーナリフォーマッタ444は、例えば米国特許第6,443,896号(Detmer)に記載されているように、体のボリューム領域の共通平面内の点から受信したエコーを、その平面の超音波画像に変換する。ボリュームレンダラ442は、米国特許第6,530,885号(Entrekin等)に記載されているように、3Dデータセットのエコー信号を所与の基準点から見たような投影3D画像に変換する。
2D又は3D画像は、画像ディスプレイ440で表示するためのさらなる強調、バッファリング、及び一時記憶のために、スキャンコンバータ432、マルチプレーナリフォーマッタ444、及びボリュームレンダラ442から画像プロセッサ430に結合される。イメージングのために使用されることに加えて、ドップラプロセッサ428によって作り出された血流値と、Bモードプロセッサ426によって作り出された組織構造情報とは、定量化プロセッサ434に結合される。定量化プロセッサは、血流の容積流量などの様々なフロー条件の測定値、並びに臓器のサイズ及び妊娠期間などの構造測定値を作り出す。定量化プロセッサは、ユーザ制御パネル438から、測定が行われる画像の解剖図の中の点などの入力を受信し得る。
定量化プロセッサからの出力データは、ディスプレイ440上の画像を用いて測定グラフィックス及び測定値を再生するためにグラフィックスプロセッサ436に結合される。グラフィックスプロセッサ436は、さらに、超音波画像とともに表示するためのグラフィックオーバーレイを生成することができる。これらのグラフィックオーバーレイは、患者名、画像の日時、イメージングパラメータなどの標準識別情報を含み得る。これらの目的のために、グラフィックスプロセッサは、患者名などのユーザインタフェース438からの入力を受信する。
ユーザインタフェースは、さらに、トランスデューサアレイ410からの超音波信号の生成、したがって、トランスデューサアレイ及び超音波システムによって作り出される画像の生成を制御するために、送信コントローラ418に結合される。ユーザインタフェースは、さらに、マルチプレーナリフォーマット(MPR)画像の画像フィールドにおいて定量化測定を実行するために使用され得る多数のMPR画像の平面の選択及び制御のために、マルチプレーナリフォーマッタ444に結合される。
当業者には理解されるように、超音波診断イメージングシステムの上述の実施形態は、そのような超音波診断イメージングシステムの非限定の例を与えるように意図されている。当業者は、超音波診断イメージングシステムの構成におけるいくつかの変形が、本発明の教示から逸脱することなく可能であることを直ちに理解されよう。例えば、上述の実施形態においても示されたように、マイクロビームフォーマ412及び/又はドップラプロセッサ428が省略されてもよい、超音波プローブ410が3Dイメージング能力を有していなくてもよい、など。他の変形が当業者には明らかであろう。
その上、本発明は、超音波診断イメージングシステムに限定されないことが理解されよう。本発明の教示は、超音波治療システムに等しく適用可能であり、プローブ400のCMUTセル100は、パルスエコーを受信する必要がないので送信モードでのみで動作させることができる。当業者には直ちに明らかであるように、そのような治療システムでは、図12の助けを借りて説明されており、パルスエコーを受信、処理、及び表示するために必要とされるシステム構成要素は、本出願の教示から逸脱することなく、省略することができる。
本発明のさらなる態様によれば、超音波システムは、キャパシタンス感知回路441をさらに含む。図14は、キャパシタンス感知回路の一実施形態を示す。キャパシタンス感知回路は、既知の電圧を用いてテスト信号を作り出すように構成され得る。例えば、発生器450は、超音波システムを通って伝搬する既知の電圧Vmeassigの小さい正弦波テスト信号を生成するために使用されることができる。テスト信号は、大きい抵抗器Rmeasを経由して超音波システムに注入される。Rmeasの抵抗は、例えば、500Ωである。
信号がキャパシタンス感知回路を通って進むとき、信号は、低雑音増幅器(RX_LNA)、同軸ケーブル451、及びCMUTセル(CMUT)などの超音波システムの様々な構成要素のインピーダンスに起因する減衰を受ける。構成要素のインピーダンスは、構成要素のキャパシタンスに比例する。上述で論じた帯電効果によって引き起こされるCMUTセルのドリフト電圧は、セルのキャパシタンスの変化をもたらす。CMUTセルのキャパシタンスをモニタすることによって、セル内の電界によって引き起こされる帯電のレベルをモニタすることが可能である。CMUTセルのインピーダンスは、以下の式によって与えられる。
Figure 2022166105000002
ここで、|ZCMUT|は、CMUTセルのインピーダンスの大きさであり、fは、テスト信号の周波数であり、テスト信号はCMUTセル及びキャパシタンス感知回路の動作に適した信号の範囲から選択され、CCMUTは、CMUTセルのキャパシタンスである。
キャパシタンス感知回路のテスト信号が、低雑音増幅器(RX_LNA)、同軸ケーブル451、及びCMUTセルによって減衰される例では、減衰信号は、以下の式を使用して記述されることができる。
Figure 2022166105000003
ここで、Vmeasは、減衰信号の電圧(振幅)であり、Zlnaは、低雑音増幅器のインピーダンスであり、Zinは、同軸ケーブルとCMUTセルの組合せインピーダンスであり、Rmeasは、超音波システムにテスト信号を注入するために使用される抵抗器の抵抗であり、Vmeassigは、テスト信号の電圧(振幅)である。
同軸ケーブルのインピーダンスは同軸ケーブルの長さと特性とから分かるので、CMUTセルのインピーダンスは、Zinの値から抽出される。図14に示した例では、同軸ケーブルの長さは、2メートルであり、50Ωのインピーダンスがもたらされる。上述で示したように、CMUTセルのインピーダンスの値は、セルのキャパシタンスを計算するために使用される。次いで、これは、CMUTセルのドリフト電圧をもたらし、それは、セル内に生じている帯電のレベルを示す。キャパシタンス感知回路は、CMUTセルの全アレイに対して実施され、それによって、アレイの平均ドリフト電圧、又はアレイ中の各CMUTセルごとの平均ドリフト電圧を決定し、それによって、個々のセルのドリフト電圧を決定する。キャパシタンス感知回路は、アレイ中のCMUTセルのいくつかのサブグループに対して使用することもできる。
帯電効果が超音波システムの機能にとって有害になる値であるように選択された所定の値、例えば、10V又は5Vなどを絶対電圧ドリフトが超えているとキャパシタンス感知回路が決定した場合、電圧源45は、バイアス電圧、刺激電圧、又は両方の極性を反転させるように構成される。CMUTセルに供給される電圧の極性を反転させることによって、電極間に生成される電界が反転される。このようにして、誘電分極及び空間電荷配向は、低減されるか又は除去される。1マイクロ秒未満で極性反転を実行することによって、システムによって作り出された超音波画像の最終画像では音響アーチファクトが避けられる。
図15がCMUTセルを動作させる方法500を示すことを当業者なら理解されよう。
ステップ510において、ドリフト電圧が、CMUTセルに対して決定される。このステップを実行するための方法を、図16を参照して説明する。
ステップ520において、バイアス電圧がCMUTセルの第1の電極に供給される。バイアス電圧は、決定された電圧ドリフトに基づいて選択される。バイアス電圧の大きさは、CMUTセルを崩潰モードへと駆動するための閾値を超える。
決定された電圧ドリフトに基づいてバイアス電圧を選択することによって、CMUTセルによって経験される帯電効果は、低減されるか又は除去され得る。例えば、決定された電圧ドリフトに基づいて、方法はステップ525に進み得、セルの電極間の電界方向を反転させるために、バイアス電圧の極性が前のサイクルから反転される。これは、ステップ510において、電圧ドリフトの大きさが所定の値を超えていると決定された場合に行われ得る。このステップは、図17及び図18を参照してさらに以下でより詳細に説明する。
ステップ530において、可撓性メンブレンを所定の周波数で振動させるために、刺激電圧がCMUTセルの第2の電極に供給され得る。このようにして、超音波RFパルスが、CMUTセルによって生成され得る。
上述と同様に、電圧ドリフトが所定の値を超えていると決定された場合、刺激電圧の極性はステップ535において反転され得る。このようにして、帯電効果は、さらに低減されるか又は除去され得る。このステップは、図17及び図18を参照してさらに以下でより詳細に説明する。
ステップ540において、入来信号に応じて可撓性メンブレンが自由に振動できるようにするために、刺激電圧が除去される。この入来信号は、ステップ530で生成された反射超音波であり得る。受信期間に続いて、方法は、周期的に動作するためにステップ510に戻る。
図16は、CMUTセルの電圧ドリフトを決定するための方法600を示す。
ステップ610において、テスト信号が、所定の電圧で生成される。次いで、このテスト信号は、超音波システムに注入され得る。
ステップ620において、テスト信号の減衰信号が測定される。減衰信号は、測定される前に少なくともCMUTセルのインピーダンスによって減衰される。
ステップ630において、CMUTセルのインピーダンスが、テスト信号及び減衰信号に基づいて決定される。
ステップ640において、CMUTセルの電圧ドリフトが、CMUTセルの決定されたインピーダンスに基づいて決定される。
これらのステップを、図13及び図14のキャパシタンス感知回路441を参照して上記に詳細に説明する。
図17は、バイアス電圧(V)及び刺激電圧(RF駆動)の極性を反転させるための方法700を示す。第1のイメージングシーケンス701の間、バイアス電圧及び刺激電圧が、超音波RFパルスを送信するためにCMUTセルに印加される。次いで、CMUTセルは、刺激電圧が取り除かれるので、バイアス電圧によって受信モードに保持される。イメージングシーケンスに続いて、CMUTセルのドリフト電圧が、図16を参照して上記に説明したように決定される。ドリフト電圧はCMUTセルのキャパシタンスに依存するので、ドリフトキャパシタンス(ΔC)が決定され得る。ΔCが限界値(Ccr)よりも大きい場合、バイアス電圧及び刺激電圧の極性は、CMUTセルのドリフト電圧を低減するために第2のイメージングシーケンス702では反転され得る。ΔCがCcrよりも小さい場合、極性は、ドリフト電圧が超音波システムの画像品質への有害な影響をもたらすほどの高さではないので、第1のイメージングシーケンスと同じままであり得る。このようにして、ドリフトが閾値を超えているかどうかが決定される(図17におけるY=はい、N=いいえ)。
図18は、セルを崩潰モードへと駆動するためにCMUTセルの第1の電極に印加され得るバイアス電圧プロフィルの2つの実施形態を示す。第1のバイアス電圧プロフィル720は、CMUTセルがイメージングシーケンス721、722を実行していないときに減少したバイアス電圧を印加する方法を示す。このようにして、CMUTセル内の電界密度を低減し、それによって、帯電効果を減少させることが可能である。減少したバイアス電圧が崩潰電圧(VC+)を超えているので、CMUTセルは崩潰モードのままであり、それは、CMUTセルが次のイメージングシーケンスのために準備されていることを意味する。
第2のバイアス電圧プロフィル730は、第1のイメージングシーケンス731と第2のイメージングシーケンス732との間にバイアス電圧を低下させる類似の方法を示すが、しかしながら、この場合、バイアス電圧の極性が、図17を参照して説明したように第2のイメージングシーケンス732において反転される。このようにして、帯電効果は、減少したバイアス電圧と反転された極性の両方によって低減され得る。
バイアス電圧の反対極性への切替えは、迅速に、例えば1マイクロ秒以内に実行される。
キャパシタンス感知回路441によるドリフトキャパシタンスの決定なしに、反転極性の説明した方式を実施することも可能である。方法700及び方法730の電圧バイアスプロフィルから分かるように、反対極性のCMUTセル電圧の印加は、ゼロ電圧を基準にして対称にすることができる。それによって、電圧源は、イメージングシーケンスを交番させて各々が701及び702などの同じ電圧振幅プロファイル及び反対極性を有するように構成される。言い換えれば、超音波アレイに結合される電圧源は、CMUTセルの電極に電圧プロファイルのシーケンスを供給するように構成され、各プロファイルはバイアス電圧と刺激電圧とを含み、シーケンスにおける各後続の電圧プロファイルの極性は、前のプロファイルの極性と反対である。電圧プロファイル振幅の変動が(その極性に関係なく)シーケンス内の各プロファイルに対して同じままである場合、CMUTセルへの帯電効果は、印加電圧プロファイルの対称性のために最小化される。それはまた、この実施形態では追加の回路を省略することができるので、超音波システム構成にとって有益である。
極性の変更は、後続の送信イベントごとに行われる。このように、送信パルスが重畳された対称的な方形波バイアス電圧がある。このように、図17におけるように極性切替えがキャパシタンス測定に依存する代わりに、極性切替えが、逐次送信ごとに行われる。
したがって、極性(異なる時間に、バイアス電圧若しくは刺激電圧の、又は両方の)を反転させるという概念は、自動化シーケンスとして適用される(送信イベントごとに1回、又はさらにN個の送信イベントごとに1回)か、或いはキャパシタンス感知を使用する適応的なやり方でフィードバック制御入力として適用される。
上述で論じたように、本発明のシステム及び方法は、ドリフト電圧の指標値を決定することを含む。これは、様々なやり方で行われる。
上記のように、キャパシタンスの変化はドリフト電圧と関連するので、ドリフトキャパシタンスΔCが、決定され、ドリフト電圧の指標値として使用される。
代替として、ドリフト電圧は、電圧とキャパシタンスとの間の所定の、例えば格納された、関係に基づいて直接決定される。これが図19に示される。図19は、電圧とキャパシタンスとの間の関係が帯電効果の結果としてどのように変化するかを示す。この関係のこのシフトが、崩潰電圧の変化を引き起こすものである。このシフトは、所与の固定した印加バイアス電圧に対して、提示キャパシタンスが変化する効果を有する。
図19において、ライン802は、キャパシタンスと電圧との間のオリジナルの関係を示し、一方、ライン804は、シフトした関係を示す。所与の印加バイアス電圧Ubiasに対して、提示キャパシタンスはΔCだけ変化することが分かる。オリジナルの関係が格納されている場合、新しい提示キャパシタンスを得るには、どれくらいの電圧Vcapが印加される必要があるかを、オリジナルの関係に基づいて、決定することが可能である。これから、電圧シフトが導き出され(Vcap-Ubias)、これは、崩潰電圧のシフト(ドリフト電圧)の指標値を与える。
代替として、測定されたキャパシタンスの変化と対応する崩潰電圧のドリフトとの間の直接的な関係が前もって決定され格納され、観察されたキャパシタンスの変化に基づいてドリフト電圧を直接決定するために使用されてもよい。
キャパシタンス及びドリフト電圧は、バイアス電圧が印加されている間であるが、刺激電圧が印加されていない間に、例えば刺激電圧パルス間に決定されることが好ましい。
例が図20~図22に示されている。
図20は、時間の関数としての印加電圧を示す。t=0において、バイアス電圧808と刺激電圧806の両方が印加される。刺激電圧は、単極性RFパルス、すなわち、すべてが同じ極性の断続的に印加される電圧パルスのセット又はシーケンスの形態をとる。説明のために、6つの単極性パルスのシーケンスが図20に示されている。キャパシタンス及びドリフト電圧は、これらのパルスのシーケンスの中間で、刺激電圧が印加されていない間に決定されることが好ましい。矢印812は、決定がなされる例示の時点を示す。
図20に示すように、決定されたドリフト電圧が所与の閾値を超えるならば、バイアス電圧又は刺激電圧の一方又は両方が反転される。図20では、バイアス電圧とドリフト電圧の両方の極性が反転されている。反転された極性の刺激電圧は、負電圧パルスのシーケンスで現れる。
図21はさらなる例を示す。再び、単極性RFパルス刺激電圧806が、バイアス電圧808と組み合わせて印加される。ドリフト電圧は、刺激電圧パルスシーケンス806の停止の後、例えば、ポイント812において決定される。この例では、所与の閾値を超えるドリフト電圧に応じて、バイアス電圧は、段階的に減少し、オリジナルのバイアス電圧と等しく反対の大きさの反転された極性の電圧で終了する。刺激電圧極性も反転される。
図22は最後の例を示す。ここでは、刺激電圧806もバイアス電圧808も極性は反転されない。むしろ、測定されたドリフト電圧(例えば、ポイント812における)が所与の閾値を超えたことに応じて、バイアス電圧は、単に一時的に大きさが低減され(大きさの降下)、その後、再び、オリジナルのバイアス電圧に上昇される。次いで、刺激電圧が、前の通りに同じ電圧極性で再度印加される(すなわち、パルスのシーケンスが、同じ大きさ及び同じ極性で印加される)。
1つ又は複数の実施形態によれば、ドリフト電圧は、追加として、振動サイクル(パルスエコー)の全体にわたるCMUTセルでの測定圧力に基づいて得られる。測定圧力は、崩潰電圧に比例する。それゆえに、崩潰電圧のドリフトは、測定圧力の変化に基づいて決定される。次いで、ドリフト電圧が所与の閾値を超えた場合に、例えば、バイアス電圧と刺激電圧の一方若しくは両方の極性を反転させることによって、又はバイアス電圧を一時的に低減することによって、補正が適用される。
上記の実施形態は本発明を限定するのではなく例証していることと、当業者は添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく多くの代替実施形態を設計できることとに留意されたい。特許請求の範囲において、括弧間に置かれたいかなる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されないものとする。「備えている、含んでいる(comprising)」という用語は、請求項に列記されたもの以外の要素又はステップの存在を排除しない。要素に先行する「a」又は「an」という用語は、複数のそのような要素の存在を排除しない。本発明は、いくつかの別個の要素を含むハードウェアによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙する装置請求項において、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの同一の項目によって具現される。特定の手段が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用できないことを示さない。



Claims (17)

  1. CMUTセルの超音波アレイであって、各CMUTセルが、基板、前記基板に結合された第1の電極、前記第1の電極から少なくとも部分的に空間的に分離された可撓性メンブレン、及び前記可撓性メンブレンに結合された第2の電極を含む、CMUTセルの超音波アレイと、
    前記超音波アレイに結合された電圧源であって、各CMUTセルの前記電極にバイアス電圧及び刺激電圧を供給する、電圧源と、
    前記CMUTセルのうちの少なくとも1つのCMUTセルのキャパシタンスの指標値を導き出し、前記キャパシタンスの前記指標値に基づいて前記CMUTセルのドリフト電圧の指標値を決定するキャパシタンス感知回路と
    を備える、超音波システム。
  2. 前記電圧源が、
    各CMUTセルの前記電極の一方にバイアス電圧を供給し、
    前記CMUTセルの前記電極の他方に刺激電圧を供給する、
    請求項1に記載の超音波システム。
  3. 前記キャパシタンス感知回路が、
    所定の電圧を有するテスト信号を生成することと、
    前記テスト信号の減衰信号を測定することであって、前記テスト信号が少なくとも前記CMUTセルのインピーダンスによって減衰される、測定することと、
    前記減衰信号と前記テスト信号とに基づいて前記CMUTセルのインピーダンスを決定することと、
    決定された前記インピーダンスに基づいて前記CMUTセルの前記ドリフト電圧を決定することと
    を行う、請求項1又は2に記載の超音波システム。
  4. 前記ドリフト電圧の絶対値が所定の値を超えていることに応じて、前記電圧源が、さらに、前記バイアス電圧の極性を反転させる、請求項3に記載の超音波システム。
  5. 前記ドリフト電圧の前記絶対値が所定の値を超えていることに応じて、前記電圧源が、さらに、前記刺激電圧の極性を反転させる、請求項3に記載の超音波システム。
  6. 前記電圧源が、前記極性を1マイクロ秒未満で反転させる、請求項4又は5に記載の超音波システム。
  7. CMUTセルの超音波アレイであって、各CMUTセルが、基板、前記基板に結合された第1の電極、前記第1の電極から少なくとも部分的に空間的に分離された可撓性メンブレン、及び前記可撓性メンブレンに結合された第2の電極を含む、CMUTセルの超音波アレイを備える、超音波システムであって、
    前記超音波システムが、
    前記超音波アレイに結合された電圧源であって、前記電圧源が電圧プロファイルのシーケンスを前記CMUTセルの前記電極に供給し、各電圧プロファイルがバイアス電圧と刺激電圧とを含む、電圧源
    をさらに備え、
    前記シーケンスにおける各後続の電圧プロファイルの極性が、前の電圧プロファイルの極性と反対である、超音波システム。
  8. 前記電圧源が、さらに、各後続の電圧プロファイルの極性を1マイクロ秒未満で反転させる、請求項7に記載の超音波システム。
  9. 各CMUTセルの前記第2の電極が、前記第1の電極と同心であり、
    前記第1の電極及び前記第2の電極の一方がリングを含み、前記リングの電極と第3の電極とが空間的に分離されるように前記リングの中央部分を占める当該第3の電極がある、請求項1、2又は7に記載の超音波システム。
  10. 前記電圧源が、
    前記第1の電極に前記バイアス電圧を供給し、
    前記CMUTセルの前記第2の電極に前記刺激電圧を供給する、請求項2乃至6に記載の超音波システム。
  11. CMUTセルを動作させるための方法であって、前記CMUTセルが、
    基板と、
    前記基板に接続された第1の電極と、
    前記第1の電極から空間的に分離されている可撓性メンブレンと、
    前記可撓性メンブレンに接続された第2の電極と
    を備え、
    前記方法が、超音波生成サイクルのシーケンスを実行するステップを有し、各超音波生成サイクルが、
    前記CMUTセルの前記電極のどちらかにバイアス電圧を供給するステップであって、前記バイアス電圧が前記CMUTセルを崩潰モードへと駆動する、供給するステップと、
    前記CMUTセルの前記電極のどちらかに刺激電圧を供給するステップであって、前記刺激電圧が前記可撓性メンブレンの一部分を所定の周波数で振動させる、供給するステップと、
    前記刺激電圧を取り除き、それによって、前記CMUTセルが入来音響信号を受信できるようにするステップと
    を有し、
    前記シーケンスが、
    第1の極性の前記バイアス電圧を有する第1のサイクル、及び第1の極性とは反対の第2の極性の前記バイアス電圧を有する第2のサイクル、又は
    第1の極性の前記刺激電圧を有する第3のサイクル、及び第1の極性とは反対の第2の極性の前記刺激電圧を有する第4のサイクル
    を含む、方法。
  12. 前記バイアス電圧がCMUTセルの前記第1の電極に供給され、前記刺激電圧が前記CMUTセルの前記第2の電極に供給される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記シーケンスが、交互の前記第1及び第2のサイクル又は交互の前記第3及び第4のサイクルを含む、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 各前記超音波生成サイクルが、前記CMUTセルのドリフト電圧を決定するステップを有する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記CMUTセルの前記ドリフト電圧を決定するステップが、
    所定の電圧を有するテスト信号を生成するステップと、
    前記テスト信号の減衰信号を測定するステップであって、前記テスト信号がキャパシタンス感知回路のインピーダンスによって減衰される、測定するステップと、
    前記減衰信号と前記テスト信号とに基づいて前記CMUTセルのインピーダンスを決定するステップと、
    決定された前記インピーダンスに基づいて前記CMUTセルの前記ドリフト電圧を決定するステップと
    を有する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ドリフト電圧の絶対値が所定の値を超えていると決定したことに応じて、前記バイアス電圧の前記極性を反転させるステップをさらに有する、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 前記ドリフト電圧の絶対値が所定の値を超えていると決定したことに応じて、前記刺激電圧の前記極性を反転させるステップをさらに有する、請求項14又は15に記載の方法。

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