JP2022165357A - 切断装置およびコンクリートブロックの切り出し方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1、2には、被切断構造物から略直方体形状のコンクリートブロックを切り出す方法が示されている。具体的には、まず、被切断構造物に4つのガイドホールを削孔し、このうち2つのガイドホールにワイヤガイドユニットを挿入して、エンドレスの切断用ワイヤを掛け回し、その後、ワイヤを回転させることで、ガイドホール同士の間の面を切断する。この作業を繰り返すことで、コンクリートブロックの下面、両側面、背面、上面の順に切断する。
特許文献1、2のワイヤガイドユニットでは、一度の切断作業で一面しか切断できないため、ワイヤガイドユニットの盛り替え回数が多くなり、コンクリートブロックの切り出し作業に時間がかかる、という問題があった。
第1の発明の切断装置は、コンクリートを切断する切断装置(例えば、後述の切断装置1)であって、ダイヤモンドの砥粒が埋め込まれた環状のワイヤ(例えば、後述のワイヤ10)と、前記ワイヤを案内するワイヤガイドユニット(例えば、後述のクロスプーリワイヤガイドユニット11B)と、前記ワイヤを回転させる駆動装置(例えば、後述の駆動装置12)と、を備え、前記ワイヤガイドユニットは、所定方向に延びる支持ビーム(例えば、後述の支持ビーム20)と、前記支持ビームの外周面から外側に向かって放射状に延びる支持部(例えば、後述の支持部21)と、前記支持ビームの先端側に設けられて前記ワイヤが掛けられた第1プーリ(例えば、後述の第1ガイドプーリ41)および第2プーリ(例えば、後述の第2ガイドプーリ42)と、を備え、前記第1プーリは、前記支持ビームの中心軸(例えば、後述の中心軸C)に交差する方向を回転軸(例えば、後述の回転軸T)として回転自在な略円錐形状であり、前記第2プーリは、前記支持ビームの中心軸および前記第1プーリの回転軸に交差する方向を回転軸(例えば、後述の回転軸U)として回転自在な円盤形状であり、かつ、一部が前記第1プーリの内部に配置されることを特徴とする。
このとき、ワイヤガイドユニットに、回転軸が互いに交差する第1プーリおよび第2プーリ(クロスプーリ)を設けたので、ワイヤが直交する方向に移動するから、ワイヤでガイド穴同士の間のコンクリートを少なくとも二面同時に切断できる。例えば、コンクリートブロックの両側面、上面、および下面のうち少なくとも二面を同時に切断できる。よって、ワイヤガイドユニットの盛り替え回数を削減して、コンクリートブロックの切り出し作業にかかる時間を低減できる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明は、コンクリートブロック3の切り出しに用いられる切断装置1と、この切断装置1を用いて、コンクリート構造物としての鉄筋コンクリート壁2から略直方体形状のコンクリートブロック3を切り出す方法である(図8参照)。
図1は、切断装置1の構成を示す模式図である。
切断装置1は、鉄筋コンクリート壁2を切断するものである。この切断装置1は、ダイヤモンドの砥粒が埋め込まれた環状のワイヤ10と、ワイヤ10を案内する自在プーリワイヤガイドユニット11Aおよびクロスプーリワイヤガイドユニット11Bと、ワイヤ10を一方向に回転させる駆動装置12と、を備えており、ワイヤ10の冷却に水を使用しない無水ワイヤソーである。
この自在プーリワイヤガイドユニット11Aは、後述のガイド穴5A~5Dに挿入可能である。
自在プーリワイヤガイドユニット11Aは、所定方向に延びる支持ビーム20と、支持ビーム20のガイド穴5A~5Dに対する姿勢を保持する支持部21と、支持ビーム20の先端部に回転自在に設けられた回転部24と、回転部24に回転自在に設けられてワイヤ10が掛け回されたガイドプーリ23と、回転部24に設けられてワイヤ10をガイドプーリ23に案内するガイドプーリ25と、回転部24に設けられてガイドプーリ23から延びるワイヤ10を案内する一対のガイドプーリ26と、を備える。
支持部21は、支持ビーム20の先端部から外側に向かって放射状に延びており、ガイド穴5A~5Dの内面に突っ張ることで、支持ビーム20のガイド穴5A~5Dに対する姿勢を保持する。
回転部24の回転軸Qは、支持ビーム20の延出方向に略平行となっている。具体的には、回転部24の回転軸Qは、ガイド穴5A~5Dの中心軸上にある。ワイヤ10は、この回転部24の回転軸Q上に配置されている。
ガイドプーリ23は、ワイヤ10の進行方向を略90°変えるものである。このガイドプーリ23の回転軸Pは、回転部24の回転軸Q上でかつ回転軸Qに交差している。
ガイドプーリ25は、回転部24の回転軸Qを通るワイヤ10をガイドプーリ23に案内するものである。このガイドプーリ25の回転軸Rは、回転部24の回転軸Qに交差している。また、このガイドプーリ25は、ワイヤ10が掛けられる溝が回転部24の回転軸Q上に位置するように配置されている。
ガイドプーリ26は、ガイドプーリ23を通るワイヤ10がガイドプーリ23の溝から外れるのを防止するものである。このガイドプーリ26の回転軸Sは、回転部24の回転軸Qに略平行である。また、ガイドプーリ26は、ガイドプーリ23を通ったワイヤ10を両側から挟み込む位置に配置されている。
このクロスプーリワイヤガイドユニット11Bは、後述のガイド穴5A~5Dに挿入可能である。
クロスプーリワイヤガイドユニット11Bは、所定方向に延びる支持ビーム20と、支持ビーム20のガイド穴5A~5Dに対する姿勢を保持する支持部21と、支持ビーム20に回転自在に設けられてワイヤ10が掛け回された第1プーリ(コーン形状プーリ)としての第1ガイドプーリ41、第2プーリ(ディスク形状プーリ)としての第2ガイドプーリ42、第3ガイドプーリ43、第4ガイドプーリ44、第5ガイドプーリ45、および第6ガイドプーリ46と、を備える。
第1ガイドプーリ41は、略円錐形状であり、支持ビーム20の先端側に設けられている。この第1ガイドプーリ41の回転軸Tは、支持ビーム20の中心軸Cに交差している。
第2ガイドプーリ42は、円盤形状であり、一部が円錐形状の第1ガイドプーリ41の内部に配置されている。この第2ガイドプーリ42の回転軸Uは、支持ビーム20の中心軸Cおよび第1ガイドプーリ41の回転軸Tに交差している。
第3ガイドプーリ43および第4ガイドプーリ44は、円盤形状であり、これら第3ガイドプーリ43および第4ガイドプーリ44の回転軸V、Wは、第2ガイドプーリ42の回転軸Uに略平行となっている。
第5ガイドプーリ45および第6ガイドプーリ46は、円盤形状であり、これら第5ガイドプーリ45および第6ガイドプーリ46の回転軸X、Yは、第1ガイドプーリ41の回転軸Tに略平行となっている。
具体的には、図8に示すように、コンクリートブロック3は、側面3A、3B、上面3C、背面3D、下面3Eを備えている。
ステップS1では、図9に示すように、鉄筋コンクリート壁2の表面4の矩形状を成す4箇所にマーキングして削孔し、4つのガイド穴5A、5B、5C、5Dを形成する。
なお、図10~図16では、理解を容易にするため、ワイヤガイドユニット11A、11Bの構成ついて、全てを表示せず、第1ガイドプーリ41、第2ガイドプーリ42、およびガイドプーリ23を主に表示する。
この状態で、駆動装置12を駆動してワイヤ10を回転させることで、図11に示すように、ワイヤ10でガイド穴5A~5D同士の間のコンクリートを切断して、図12に示すように、コンクリートブロック3の側面3A、3Bおよび上面3Cを切断する。このとき、鉄筋コンクリート壁2の正面側から視ると、切断面である側面3A、3Bおよび上面3Cは、略コの字形状となる。
このとき、上側の隣り合う2つのガイド穴5C、5Dの奥に補助具としてのガイドブロック32を取り付けて、これらガイドブロック32にワイヤ10を掛け回す。このガイドブロック32は、図13(b)にも示すように、上側の2つのガイド穴5C、5Dの内面に嵌合する嵌合面32Aと、ワイヤ10を案内するガイド面32Bと、を備えている。
この状態で、駆動装置12を駆動してワイヤ10を回転させることで、図14(a)に示すように、ワイヤ10でコンクリートを切断する。このとき、コンクリートの切断の進行に伴ってワイヤ10の角度が変化するが、自在プーリワイヤガイドユニット11Aの回転部24が回転することで、ガイドプーリ23がワイヤ10の角度の変化に追従する。これにより、図14(b)に示すように、コンクリートブロック3の背面3Dを切断する。
ステップS5では、鉄筋コンクリート壁2からコンクリートブロック3を取り出す。
(1)切断装置1を、環状のワイヤ10、クロスプーリワイヤガイドユニット11B、および駆動装置12を含んで構成した。よって、鉄筋コンクリート壁2にガイド穴5A~5Dを形成し、ガイド穴5A、5Dにクロスプーリワイヤガイドユニット11Bを挿入し、この状態で、駆動装置12によりワイヤ10を回転させることで、ワイヤ10でガイド穴5A~5D同士の間のコンクリートを切断できる。
このとき、クロスプーリワイヤガイドユニット11Bに、回転軸T、Uが互いに交差する第1ガイドプーリ41および第2ガイドプーリ42を設けたので、ワイヤ10が直交する方向に移動するから、ワイヤ10でガイド穴5A~5D同士の間のコンクリートを三面同時に切断できる。具体的には、コンクリートブロック3の両側面3A、3Bおよび上面3Cを同時に切断できる。よって、ワイヤガイドユニットの盛り替え回数を削減して、コンクリートブロック3の切り出し作業にかかる時間を低減できる。
(2)ガイド穴5A~5Dに自在プーリワイヤガイドユニット11Aを挿入し、この状態で、駆動装置12によりワイヤ10を回転させることで、ワイヤ10でガイド穴5A~5D同士の間のコンクリートを一面切断できる。具体的には、コンクリートブロック3の背面3Dを切断できる。
例えば、上述の実施形態では、上側の2つのガイド穴5C、5Dのそれぞれに、クロスプーリワイヤガイドユニット11Bを挿入し、下側の2つのガイド穴5A、5Bのそれぞれに、自在プーリワイヤガイドユニット11Aを挿入して、駆動装置12を駆動することで、コンクリートブロック3の三面を同時に切断したが、これに限らない。例えば、上側のガイド穴5C、5Dの一方にのみ、クロスプーリワイヤガイドユニット11Bを挿入し、この一方のガイド穴に隣接するガイド穴のそれぞれに、自在プーリワイヤガイドユニット11Aを挿入して、駆動装置12を駆動することで、コンクリートブロック3の隣り合う二面を同時に切断してもよい。
3…コンクリートブロック 3A、3B…側面 3C…上面 3D…背面 3E…下面
4…鉄筋コンクリート壁の表面 5A、5B、5C、5D…ガイド穴
10…ワイヤ 11A…自在プーリワイヤガイドユニット(第2のワイヤガイドユニット)
11B…クロスプーリワイヤガイドユニット(ワイヤガイドユニット) 12…駆動装置
20…支持ビーム C…支持ビームの中心軸 21…支持部
23…ガイドプーリ P…ガイドプーリ23の回転軸
24…回転部 Q…回転部の回転軸
25…ガイドプーリ R…ガイドプーリ25の回転軸
26…ガイドプーリ S…ガイドプーリ26の回転軸
32…ガイドブロック(補助具) 32A…嵌合面 32B…ガイド面
41…第1ガイドプーリ T…第1ガイドプーリの回転軸
42…第2ガイドプーリ U…第2ガイドプーリの回転軸
43…第3ガイドプーリ V…第3ガイドプーリの回転軸
44…第4ガイドプーリ W…第4ガイドプーリの回転軸
45…第5ガイドプーリ X…第5ガイドプーリの回転軸
46 第6ガイドプーリ Y…第6ガイドプーリの回転軸
Claims (3)
- コンクリートを切断する切断装置であって、
ダイヤモンドの砥粒が埋め込まれた環状のワイヤと、前記ワイヤを案内するワイヤガイドユニットと、前記ワイヤを回転させる駆動装置と、を備え、
前記ワイヤガイドユニットは、所定方向に延びる支持ビームと、
前記支持ビームの外周面から外側に向かって放射状に延びる支持部と、
前記支持ビームの先端側に設けられて前記ワイヤが掛けられた第1プーリおよび第2プーリと、を備え、
前記第1プーリは、前記支持ビームの中心軸に交差する方向を回転軸として回転自在な略円錐形状であり、
前記第2プーリは、前記支持ビームの中心軸および前記第1プーリの回転軸に交差する方向を回転軸として回転自在な円盤形状であり、かつ、一部が前記第1プーリの内部に配置されることを特徴とする切断装置。 - 前記ワイヤを案内する第2のワイヤガイドユニットをさらに備え、
前記第2のワイヤガイドユニットは、所定方向に延びる支持ビームと、
前記支持ビームの外周面から外側に向かって放射状に延びる支持部と、
前記支持ビームの先端に設けられて前記支持ビームの延出方向を回転軸として回転自在な回転部と、
前記回転部に設けられて前記回転部の回転軸上でかつ前記回転軸に交差する方向を回転軸として回転自在なプーリと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。 - 請求項1または2に記載の切断装置を用いて、コンクリート構造物から略直方体形状のコンクリートブロックを切り出すコンクリートブロックの切り出し方法であって、
前記コンクリート構造物の表面の矩形状を成す4箇所に4つのガイド穴を形成するガイド穴形成工程と、
前記ガイド穴に、前記ワイヤを掛け回した前記切断装置のワイヤガイドユニットを挿入し、前記切断装置の駆動装置を駆動して前記ワイヤを回転させることで、前記ワイヤで前記ガイド穴同士の間のコンクリートを少なくとも二面同時に切断する作業を行って、前記コンクリートブロックの両側面、上面、および下面のうち三面を切断する第1切断工程と、
前記コンクリートブロックの背面を切断する第2切断工程と、
前記コンクリートブロックの両側面、上面、および下面のうちの残りを切断する第3切断工程と、を備えることを特徴とするコンクリートブロックの切り出し方法。
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