JP2022163699A - チャック - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに垂直に延びる2つの隣接クランプジョーの間の補償運動をそれらの送り運動と挟持すべき工作物との作動接触とは無関係に補償し、チャックの構造高さを最小にする。【解決手段】工作物2を工作機械3による加工のために保持し、工作物を加工基準であるセンタリング軸4と同軸に整列するチャック1は、本体5と、本体に半径方向に可動に設置され、X軸又はY軸に二つ一組で配置され、工作物2を加工の間軸4に対して整列保持する少なくとも4つのクランプジョーと、プルピストン45であって、それの運動の間にジョーが工作物の方に半径方向に同期して送られ/離間されるように各ジョーに結合したプルピストンとを有する。プルピストンは本体内に軸4と同軸に配置され、駆動装置12,13により軸方向に作動される。各駆動装置は、直線運動可能なピストンロッド26を有し、その長手軸26’が軸4と垂直に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、請求項1のプレアンブル部分に従うチャックであって、それにより工作物が工作機械による加工のために個々に保持され、工作物を加工するための基準として機能するセンタリング軸に対して同軸に整列される(一直線になる)チャックに関する。
例えば、技術用語チャックで知られているこのようなクランプ装置は、特許文献1に見出される。ベースジョーと機械的に操作可能な駆動ユニットの間に、ロッカーとドライバーが設けられており、そのそれぞれはロッカーの1つに駆動接続している(drivingly connected)。ドライバーは結合リングを介して軸方向に移動可能な圧力ピストンに駆動結合しており(drivingly coupled)、それで圧力ピストンの作動力がドライバーに作用する。ドライバー及び結合部品の軸方向移動は、クランプジョー(クランプ顎)のための半径方向に指向する送り運動を生成する、というのもこれらがドライバーに結合しており、案内溝内で移動可能なように支持されているからである。
2組の正反対のクランプジョーによる工作物のクランプは機械的な冗長性を示すので、クランプジョー、ドライバー及び結合部品と工作物の間の運動シーケンスは必要に応じて補償されなければならない。すなわち、クランプジョーの組の1つがクランプすべき工作物に先にぶつかると、それと垂直に延びるクランプジョーがそれらクランプジョー自身と工作物の表面の間の残っている距離を覆うことを保証するために、その送り運動は停止されなければならない。4つのクランプジョーの全てが工作物の表面に接触するときのみ、対応するクランプ力が生成されるべきである。したがって、クランプジョーが工作物の方向に移動するとき、動きの間隔(遊び)がクランプジョーの補償として機能する。特に、工作物が長方形の外側輪郭を有し、それらの側面長さが異なって寸法決めされる場合、正反対のクランプジョーの組の間のこれらの異なる距離を補償する必要がある。
しかしながら、必要な動きの間隔のために、クランプ位置の相当な不正確さが生じ、それにより工作物の位置決めが不正確になる。これは次に工作物自体の不正確な加工をもたらす、というのも多数の同一の工作物のクランプの繰り返し精度が保証されないためである。
しかしながら、不都合にも、このような移動可能性はクランプ効果に関して相当な許容差偏差をしばしばもたらし、それで必要なクランプ力が正確に予測できない又は予め決定できない。すなわち、力の流れ(powerflow)に配置された構成部品間の既存の動きの間隔が、これら構成部品の間の相対運動を生じさせる。
これらの不都合は、本出願人によって特許文献2に記載のそれら自身の発展形態によって完全されている。この文献のチャックは、それぞれ2つの隣接するクランプジョーの間に配置されたロッカーを具備したチャック本体を有し、それにより特にクランプジョーのうちの1つがクランプすべき工作物と空間的に又は時間的に他のクランプジョーより早く作動接触する(operative contact)ときはいつでも、2つのクランプジョーの間の運動補償が行われる。駆動装置の軸方向送り運動が対応するはすば歯車装置(helical gearings)、傾斜表面又は把持フック接続部(grab-hook connection)を介してそれぞれのクランプジョーに伝達されたとしても、クランプすべき工作物は一方で、長方形の断面形状又は他の断面形状を有してもよく、それにより2つの反対側のクランプジョーはそれらと垂直に延在するクランプジョーの前に工作物と作動接触(操作接触)し、又は他方で工作物は最初は基準として機能するセンタリング軸と同軸に整列しておらず、同期して駆動される4つのクランプジョーの送り移動のために、クランプすべき工作物の位置決めが実現される。
上述した特許出願に従う装置に関して不都合だと考えられる点は、駆動装置がチャック本体の長手軸と同軸に整列しており、その結果それらが相当な構造的スペースを必要とし、それがさらに工作機械の作業領域に直接位置している点である。すなわち、チャックは通常、パレット又は工作機械テーブルに固定され、加工すべき工作物はチャックに予め設置される。工作機械の基準に関するチャックの位置決めは、チャックの取り外し及び組み立てにおいて正確に予め決定され、対応的に繰り返し精度を有する。ゆえに、工作物が4つのクランプジョーによってチャック本体の長手軸と同軸に整列されるとすぐに、それも、チャック本体の長手軸に通常一致する基準として機能する工作機械のセンタリング軸に関して同軸に延びる。しかしながら、圧力ピストンは加工平面の直下に配置されている。
しかしながら、工作機械の作業領域に存在するスペースが駆動装置のこのような装置には存在しないことがしばしば必要である。
さらには、従来技術では補償運動の形態として与えられる、2つの隣接するクランプジョーの間の補償運動が、他のチャックに直ぐに伝わらない。
DE102015204502B4 EP3623085A1
ゆえに本発明の課題は、上述したタイプのチャックをさらに発展させ、一方で互いに垂直に延びる2つの隣接するクランプジョーの間の補償運動が、それらの送り運動とクランプすべき工作物との作動接触とは無関係に補償され、他方でこのようなチャックの構造的高さができるだけ小さくなるようにすることである。
この課題は特許請求項1の特徴部分の特徴によって解決される。
本発明の更なる有利な実施形態は従属請求項から理解できる。
各駆動装置が直線移動可能なピストンロッド又はねじ式スピンドルを有し、そのそれぞれの長手軸がセンタリング軸と垂直に配置されており、このチャックのための構造的高さが極めて小さい、というのも駆動装置は特にチャック本体により形成される平面内に延在し、それでセンタリング軸と平行な構造的高さが駆動装置の空間的伸長に影響されないからである。それぞれの駆動装置の長さは実際にチャックの構造的高さに影響を与えず、駆動装置がチャック本体の外側エッジを越えて延びるように駆動装置の長さが寸法決めされたとしても、チャックの構造的高さは影響されない。
駆動装置の空間的伸長並びに必要な軸方向運動が対応的に水平面内に延び、それで有利にはチャックの構造的高さは駆動装置の装置・配置によって影響されない、というのは駆動装置がチャックの外側エッジを越えて延びてもよく、その結果チャックの長手軸に関して平行に延びる構造的スペースを全く必要としないからである。
構造措置のために、駆動装置の軸方向運動はクランプジョーに向け直され又は伝達され、それらはクランプすべき工作物に向かって半径方向に同期して移動でき、同時に、存在する全てのクランプジョーのためのクランプ工程が開始され得る。すなわち、クランプジョーは、はすば歯車装置又はウェッジフックフレームを介して駆動装置の少なくとも1つに駆動結合している。ゆえに、駆動装置の軸方向運動は、チャック本体内側のクランプジョーの半径方向送り又はクランプ運動に変換される。
クランプジョーのそれぞれの運動のために幾つかの駆動装置が存在する場合、これらはシンクロナイザーリング(同期リング)によって互いに同期されており、駆動装置の作動力とそれらの運動速度の両方が完全に対応して、これら物理的パラメーターが存在するクランプジョーの全てに素早く影響することが保証される。ここで、シンクロナイザーリングはその長手軸周りに回転可能であるようにチャック本体に支持されており、それで駆動装置の軸方向運動はシンクロナイザーリングの回転運動に変換される。
それぞれの駆動装置とシンクロナイザーリングの間の通常の接続を得るために、歯車装置が駆動装置の各々のためにシンクロナイザーリングの外側表面に設けられる。それはそれぞれの駆動装置に関連する歯車装置と噛み合い、それにより正の作動的な相互作用がそれぞれの駆動装置とシンクロナイザーリングの間に与えられる。存在する駆動装置とシンクロナイザーリングは対応的に、送り力、送り速度の同期のための及び必要なクランプ力を調節するためのある種の歯車機構を形成する。
さらに、クランプジョーのクランプ運動が互いに調節されることがしばしば必要である。断面形状が回転対称ではない工作物がクランプされる場合、例えば工作物が長方形の形状を有する場合、2つの反対側のクランプジョーは、それと垂直に配置された2つのクランプジョーより早く工作物の外側輪郭に接触する。したがって、第2組のクランプジョーが工作物に接触するまで、第1組のクランプジョーの送り運動は停止されなければならない。このような補償運動は、ロッカーによって2つの隣接するクランプジョーを作動的に接続することで実施できる。ここで、ロッカーは回動ピンの周りに回動可能にチャック本体に設置されている。両方のクランプジョーのうちの1つが工作物に当たるとすぐに、ロッカーをチャック本体の内側の方向に回動させる片側だけの効果(unilateral effect)をロッカーに与えるトルクが生成される。工作物にまだ接触していないクランプジョーは対応的にさらに半径方向に移動され得、また既に接触しているクランプジョーが工作物にクランプ力を加えることなく送られ得る。全てのクランプジョーが工作物の外側輪郭に同時に接触するまで、すなわち、これらがそれと作動接触してはじめて、駆動装置の更なる軸方向運動のために生成されるクランプ力が生成され、クランプ力はクランプジョーによって固定すべき工作物にさらに伝達される。
クランプジョー又はこれらクランプジョーに接続したロッカーのこのような調節・補償の運動によって、クランプすべき工作物はチャック本体の長手軸に対して正確に同軸に整列され得る。このチャック本体の長手軸は工作物を加工するためのセンタリング軸であると考えられなければならない、というのはこのセンタリング軸は工作機械のための基準として機能するからである。結局、工作機械に記録される制御プログラムはセンタリング軸の位置及び伸長・延在を正確に知っており、それでクランプすべき工作物に関する個々の作業ステップが実行され得る。
図面は、以下でより詳細に説明する2つの駆動部の選択肢を有するチャックの例示の実施形態を示す。
工作機械に関連する工具テーブルに設置された、2つの機械的な駆動装置を有するチャックであって、加工すべき工作物をセンタリング軸に関して同軸に保持する4つのクランプジョーを有するチャックを斜視図にて示す。 開いた状態のクランプジョーを有する図1に従うチャックを示す断面図である。 クランプ状態(挟持状態)のクランプジョーを有する図2aに従うチャックを示す。 センタリング軸と垂直に配置され4つのクランプジョーを同期して移動させる2つの駆動装置を具備した図1に従うチャックであり、クランプジョーは開いた状態にある。 クランプ状態にあるクランプジョーを有する図3aに従うチャックを示す。 X軸と平行な切断線に沿う図1に従うチャックを示す。 Y軸と平行な切断線に沿う図1に従うチャックを示す。 X軸及びY軸によって形成される平面への平面図における図1に従う切断平面を示す。 開いた状態における図1に従うチャックを示す斜視図である。 クランプ状態にある図6aに従うチャックを示す。 補償ロッカーを示す図6aに従うチャックであり、ロッカーは水平状態にある。 補償ロッカーを示す図6bに従うチャックであり、ロッカーは回動状態にある。 図1に従うチャックを示す分解図である。 クランプジョーの作動のための駆動装置としての電気モータを具備した図1に従うチャックを示す。
図1は、工作機械3に関連する工作機械テーブル3’に工作物2を保持するためのチャック1を示す。工作物2は任意の所望の外側輪郭、特に回転対象な長方形の又は楕円形の外側輪郭を有し得る。工作物2は工作機械3によって加工されることを意図している。同一の工作物2に対して最大限の繰り返し精度で、最高のセンタリングによってクランプ位置に達するために、センタリング軸4が定められる。それは、図示の実施形態では、チャック1の長手軸に一致する。センタリング軸4は工作機械3の基準として機能し、それにより工作物2を加工する全てのステップ(工程)がセンタリング軸4から出発して実行できる。工作機械テーブル3’でのチャック1の位置は変わらないままであり、それでそのセンタリング軸4は工作機械3の位置に関して変化せず、同一の工作物2が配置されるときはいつでも、それらのそれぞれの対称軸はセンタリング軸4に関して同軸に延びる。
したがって、クランプすべき工作物2の対称軸がセンタリング軸4に対して同軸に整列され又は延在するように、クランプすべき工作物2のそれぞれがチャック1にセンタリングして保持されることになる。
工作物2のこのようなセンタリングしたクランプを可能にするために、チャック1は、図示の実施形態では4つの案内溝20が組み込まれているチャック本体5を有する。案内溝20はここでセンタリング軸4の方向に指向しており、それゆえ半径方向に(放射状に)延びる。さらに、案内溝20は上方に開口しており、それで1つのクランプジョー6,7,8又は9が案内溝20のそれぞれに挿入できる。クランプジョー6,7,8,9の各々はセンタリング軸の方向に又はそこから離れて送られ得るように、4つのクランプジョー6,7,8,9の各々はそれぞれの案内溝20に支持されている。案内溝20間のチャック本体5の表面は、クランプすべき工作物2のための支持部(台)として機能する。
図2a及び2bによれば、チャック本体5の内部には、以下により詳細に説明する異なる機能レベルI,II,III,IVがある。
機能レベルIは、センタリング軸4の周りに中心に配置されたシンクロナイザーリング21を有する。シンクロナイザーリング21はそれぞれの駆動装置12,13と確動的に(positively)作動接続し(operative connection)、チャック本体5内で回転可能に支持されている。
第3の機能レベルIIIはロッカー18の形態の補償調心軸受(補償心合せ軸受)を有する。
まず、図3a,3b及び4の描写を用いて、2つの駆動装置12,13を介する4つのクランプジョー6,7,8及び9の作動の移動シーケンスを説明する。
駆動装置12及び13が互いに平行にセンタリング軸4に対して反対側に配置されているので、そこに二つ一組で結合されるクランプジョー6,7又は8,9の同期運動を実現するために、駆動装置12及び13を反対方向に作動させることが技術的に必要である。
第1の駆動部代替手段として、駆動装置12及び13は、油圧により又は空気圧により駆動される圧力ピストンを構成するように設計され、ゆえにそれぞれのストローク及び圧力室28を有する。ストローク及び圧力室に、それぞれの媒体が対応する弁開口A,Bを介して交互に圧入又は排出される。ストローク及び圧力室28は圧力板29によって仕切られており、その軸方向変位が参照番号30で示される牽引力を生成する。駆動装置12及び13の制御機構は従来から知られており、それで駆動装置12及び13のそれぞれの運動に割り当てられる制御は、供給される媒体を圧入することで及び圧出することで行われることが技術的に想定できる。
したがって、クランプジョー6,7,8及び9を送る移動シーケンスは、図1,2a,2b,3a及び3bから分かる。ここで、案内溝20に挿入されたクランプジョー6,7,8及び9は、ウェッジフックフレーム40を介して駆動ピストン10に結合している。伝達板11が駆動ピストン10に設置されており、ピストンロッド26に割り当てられた外側に指向した歯車22を有する。伝達板は、結合部品27を介して互いに接続した駆動装置12又は13の1つに割り当てられている。したがって、駆動装置12又は13の本質的な部品としての油圧ピストンが弁開口A及びBを介して対応的に制御されて、それぞれのストローク及び圧力室28が媒体を充填され又は空にされるときはいつでも、先ず、ピストンロッド26が対応して所定の方向に直線的に移動する。結合ロッド26が結合部品27と接続しており、結合部品27のはすば歯車装置がシンクロナイザーリング21とウェッジフック接続部40の両方に接続しているので、それぞれのスライドブロック(滑り子)14~17が、下方に移動されるプルピストン45に作用する牽引力30によってセンタリング軸4の方向に半径方向に移動される。
さらに、ピストンロッド26は、センタリング軸4と垂直に整列された長手軸26’を有する。好ましくは、支持部5’はセンタリング軸4に関して垂直であり、長手軸26’は支持部5’と平行に延びる。
クランプジョー6,7,8及び9は案内溝20内で半径方向に案内されるので、及びこれらとスライドブロック14~17の間のはすば歯車装置のために、センタリング軸4の方向における半径方向送り運動が生成され又は4つのクランプジョー6,7,8,9はセンタリング軸4から外側に移動される。駆動装置12及び13を介して、駆動ピストン10は図4に従う牽引力30によって下方に引っ張られ、それにより4つのクランプジョー6,7,8及び9は上述した説明に従ってそれぞれの案内溝20内を半径方向に移動される。
2以上の駆動装置12及び13が設けられている場合、交互の運動を同期させるために、駆動装置12及び13の運動が同期されると好ましい。2つの駆動装置12及び13の間の運動のこのような調整は、図5に示されるシンクロナイザーリング21によって行われる。この目的のために、シンクロナイザーリング21は2つの案内溝41,42を有し、その各々はスライドブロック32,33を確動的に包囲する。スライドブロック32,33は、それぞれの駆動装置12又は13に固定して接続された結合部品27に割り当てられている。それゆえに結合部品27はそれぞれの駆動装置12又は13と共に移動し、対応してシンクロナイザーリング21は2つの駆動装置12又は13の運動の調節のためのある種の歯車装置を意味する。駆動装置12又は13のうちの1つがストローク及び圧力室28の充填のためにより速く又はよりゆっくり移動するときはいつでも、シンクロナイザーリング21は駆動装置12及び13の移動速度又は移動力の差異を補償する。したがって、駆動ピストン31は、はすば歯車装置22,23のために駆動装置12及び13とシンクロナイザーリング21の両方を介して駆動結合している。
さらに、図7,7bから、駆動ピストン10の内側にロッカー18の形式の4つの補償調心軸受が設けられていることが分かる。その際、軸受ピン19を介して、それぞれのロッカー18は駆動ピストン10に回転可能に又は回動可能に接続しており、2つのそれぞれの隣接するクランプジョー6,7又は8,9は、スライドブロック14,15,16又は17を介してロッカー18の2つの自由端面の1つに接続している。したがって、駆動ピストン10はスライドブロック14,15,16,17と共に構造ユニットを形成する。
図6a及び6bによれば、2つの反対側のクランプジョー6,8又は7,9が隣接するクランプジョー7,9又は6,8よりも早く工作物2に作動接触するときはいつでも、運動補償が生じることになる。長方形の工作物2の場合、エッジの長さが異なり、それで4つのクランプジョー6,7,8,9の接触の時間が各々の組で異なる。第1組のクランプジョー6,8が工作物2に作動接触し、作動力が駆動装置12,13によってさらに維持され又は保存され、2つの他のクランプジョー7及び9がクランプすべき工作物2の表面からまだ離間しているとすぐに、運動補償がロッカー18を介してもたらされる。ここで、ロッカー18は軸受ピン19の周りを回動し、それによりこれらの運動が工作物に当接する(載る)クランプジョー6,8で停止され、2つの他のクランプジョー7,9はさらに工作物2の方向に送られる。4つのクランプジョー6,7,8及び9の全てが工作物2に作動接触しているときのみ、実際のクランプ工程がもたらされる、というのもロッカー18の回動運動が終わり、駆動装置12,13とクランプジョー6,7,8及び9の間のはすば歯車装置のために、クランプ力が生成され、それにより工作物2が保持されるからである。
2つの隣接するクランプジョー6,7,8及び9の間のそれぞれのロッカー18を介する上述した補償運動のため、クランプジョー6~9を送る際に運動の同期が実行され、それにより異なるエッジ長さを有する工作物2だけでなく、チャック本体5の支持面5’に非対称にまず支持される工作物2もセンタリング軸4と同軸に整列され得る。これは、4つのクランプジョー6,7,8及び9が工作物2をチャック本体5の中心に押し込み、それで工作物2の対称軸が変位され、センタリング軸4と同軸に整列されるという事実による。
図7a、7b~8から、クランプジョー6,7,8及び9、駆動装置12,13及びロッカー18の間の機械的接続が示されている。ロッカー18が図7bに従って一方向に軸受ピン19の周りを回動するとすぐに、スライドブロック14,15,16又は17のうちの1つがセンタリング軸4と平行に下方に移動し、そこに設置されたクランプジョー6,7,8又は9の対応する送り運動がロッカー18のこの工程の間に終了され、全てのクランプジョー6,7,8,9がクランプすべき工作物2の外側輪郭に当接した後でのみ、クランプ力が生成される。
4つの機能レベルI,II,III,IVは以下のように互いに異なる。機能レベルIはシンクロナイザーリング21とそれぞれの駆動装置12,13の間の駆動作動接続(driving operative connection)を有する。結合部品27に搭載されたスライドブロック32及び33は、シンクロナイザーリング21に確動接続される。この作動接続は、駆動装置12,13の作動力とそれらの移動速度の両方が正確に互いに一致することを保証する。
機能レベルIIは、結合部品27に組み込まれ、シンクロナイザーリング21に作動接続したはすば歯車装置22によって形成される。駆動装置12及び13の対向直線運動によって、それぞれの結合部品27に設けられた、駆動ピストン10又は伝達板11のはすば歯車装置22に係合する歯車22は、駆動ピストン10の軸方向上下運動のための作動接続を生成する。駆動ピストン10はそのときに案内溝43及び44内の捩れに対して保護される。
機能レベルIIIは、ロッカー18の形式の補償機構と駆動ピストン10の内部に設けられたその割り当てられた構成部品に関する。ロッカー18の自由端面は伝達ピン34,35によってスライドブロック14~17の自由端面にそれぞれ接続しており、それらはヘッド36の周りに回転可能であるようにロッカー18に設置されている。全部で4つのロッカー18が設置されており、その各々は駆動ピストン10において軸受ピン19の周りを回転可能又は回動可能であるように支持されている。ロッカー18の両方の端面に、スライドブロック14,15,16及び17が設置されている。ロッカー18を一方の側に回動させることで、スライドブロック14,15,16及び17は軸方向に上下に移動する。ロッカー18とスライドブロック14,15又は16及び17の間の接続が、スライドブロック14,15,16及び17の同期した上下運動を二つ一組で生成する。したがって、反対側のスライドブロック14及び16又は15及び17が同期して移動する。よって、プルピストン45、ロッカー18、軸受ピン19及びスライドブロック14,15,16及び17は、駆動ピストン10の構造ユニットを形成する。
機能レベルIVは、ウェッジフックフレーム40を介して互いに駆動結合したスライドブロック14,15,16及び17とクランプジョー6,7,8及び9の作動機構によって形成される。スライドブロック14,15,16及び17の軸方向運動のために、センタリング軸4に対して半径方向に送り方向の又はそこから離れて移動する、クランプジョー6,7,8及び9の運動が生成される。
図9では、クランプジョー6,7,8及び9を移動させる別な駆動部が示されている。ここで、圧力ピストンは電気モータ54で置換されている。駆動装置は参照番号52及び53で示されている。ここでのそれぞれの電気モータ54は2つの角度方向、すなわち時計回り方向及び反時計回り方向に移動可能である。
それぞれの電気モータ54は、その長手軸55’の周りに回転可能なようにスピンドル軸受57に回転可能に支持されたねじ込みスピンドル55により移動可能である。ここで、スピンドル軸受57はチャック本体5に組み込まれている。したがって、ねじ込みスピンドル55はただ(もっぱら)その長手軸55’の周りに回転し得る。ねじ込みスピンドル55の外側に、ねじ込みスピンドル55の回転から直線運動に変換される結合部品56が設置されている。ここで、結合部品56は、チャック本体5の内部で軸方向に移動可能であるように支持されており、ねじ込みスピンドル55の回転運動は従来の方法で結合部品56の軸方向運動に変換される。結合部品56は、シンクロナイザーリング21又は駆動ピストン10に機械的に作動接続した対応する歯車装置31を具備している。
したがって、電気モータ54が所定の回転方向に移送されるとすぐに、ねじ込みスピンドル55はその長手軸55’の周りに回転し、それにより結合部品56は直線運動に変換される。チャック本体5内の更なる機械的な送り力及び移動シーケンスは図1~8に一致する。
両方の駆動の変形例では、共通して、ピストンロッド26とねじ込みスピンドル55がセンタリング軸4に対して垂直に延びる又は整列されている。よって、必要な運動力を生成して伝達するために、センタリング軸と平行に延びる、したがって、チャック本体5の構造高さを実質的に増大させる構造的なスペースは必要でないことが保証される。
1 チャック
2 工作物
3 工作機械
4 センタリング軸
5 チャック本体
6,7,8,9 クランプジョー
12,13,52,53 駆動装置
26’,55’ 長手軸
45 プルピストン
55 ねじ込みスピンドル

Claims (7)

  1. 工作物(2)を工作機械(3)による加工のために個々に保持し、前記工作機械(3)によって前記工作物(2)を加工するための基準として機能するセンタリング軸(4)に対して同軸に整列するチャック(1)であって、
    -チャック本体(5)を有し、
    -前記チャック本体(5)に半径方向に移動可能に設置された少なくとも4つのクランプジョー(6,7,8,9)であって、X軸又はY軸に二つ一組でそれぞれ配置されたクランプジョーを有し、それにより前記工作物(2)が加工工程の間前記センタリング軸(4)に対して整列して保持され、
    -直線運動可能であるように前記チャック本体(5)内に又は前記チャック本体(5)に設置されたプルピストン(45)を有し、ここで当該プルピストン(45)の直線運動の間に前記クランプジョー(6,7,8,9)がクランプすべき前記工作物(2)の方向に半径方向に同期して送られるか、そこから離間されるように、前記プルピストン(45)はそれぞれのクランプジョー(6,7,8,9)に駆動結合しており、
    -前記プルピストン(45)は前記チャック本体(5)内に前記センタリング軸(4)に関して同軸に配置され、1又は複数の駆動装置(12,13,52,53)によって軸方向に作動される、チャック(1)において、
    前記駆動装置(12,13,52,53)の各々が、直線運動可能なピストンロッド(26)又はねじ込みスピンドル(55)を有し、そのそれぞれの長手軸(26’又は55’)が前記センタリング軸(4)に関して垂直に配置されているチャック(1)。
  2. 前記チャック本体(5)内に、前記クランプジョー(6,7,8,9)のそれぞれ1つに割り当てられてこれと結合したスライドブロック(14,15,16,17)のうちの1つとロッカー(18)とからなる構造ユニットが設置されており、
    前記ロッカー(18)は、前記チャック本体(5)に軸受ピン(19)の周りを回動可能に支持されており、それにより2つのそれぞれの隣接するスライドブロック(14,15又は16,17)が互いに駆動結合している、ことを特徴とする請求項1に記載のチャック。
  3. 前記駆動装置(12,13又は52,53)の2つが互いに平行であって、前記チャック本体(5)の外側に又は前記チャック本体(5)の内側に前記センタリング軸(4)から離間して配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のチャック。
  4. 前記チャック本体(5)の内側に、シンクロナイザーリング(21)が回転可能に支持されており、
    前記シンクロナイザーリング(21)は少なくとも2つの案内溝(41,42)を有し、
    結合部品(27)が前記駆動装置(12,13;52,53)の各々に設置され、
    スライドブロック(32,33)がそれぞれの結合部品(27)に形成され、当該スライドブロックは、前記シンクロナイザーリング(21)の前記案内溝(41,42)に確動係合しており又はこれに挿入されている、ことを特徴とする請求項3に記載のチャック。
  5. 前記スライドブロック(14,15,16,17)の各々が前記クランプジョー(6,7,8,9)の1つに駆動結合している、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載のチャック。
  6. 前記シンクロナイザーリング(21)の前記スライドブロック(32,33)が、前記チャック本体(5)内で前記センタリング軸(4)に関して同軸であってそれに対して移動可能であるように支持されている、ことを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載のチャック。
  7. 前記駆動装置(12,13)が、ピストンロッド(26)を有する油圧駆動される圧力ピストンとして設計されており、前記駆動装置(52,53)が、電気モータ(54)とそこに駆動結合したねじ込みスピンドル(55)として設計されており、その各々が前記結合部品(27)に設置されている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のチャック。
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