JP2022163221A - 滅菌人乳製品を生成するための方法およびシステム - Google Patents

滅菌人乳製品を生成するための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

【課題】人乳の栄養品質も維持しながら、セレウス菌およびボツリヌス菌等の有害な病原体を低減または排除する人乳滅菌プロセスを提供する。【解決手段】本開示は、滅菌人乳製品の滅菌および生成のための方法を提供する。未加工人乳が、少なくとも1人のドナーから提供される。未加工人乳は、セレウス菌およびボツリヌス菌の両方を有し得る。未加工人乳は、滅菌人乳製品を生成するために、閉鎖インライン滅菌システムに提供される。未加工人乳は、少なくとも1つの細菌浄化器を通過し、クリーム画分およびスキム画分にさらに分離される。スキム画分は、次いで、保持液を生成するためにさらに濃縮されることができる。標準化された乳製品が、所望の濃度の成分および/または栄養素を達成するために、クリーム画分の一部ならびに保持液の一部を組み合わせることによって設計される。【選択図】図1A

Description

1.関連出願への相互参照
本出願は、2016年10月4日に出願された米国仮出願番号第62/404,097号、2016年12月27日に出願された米国仮出願番号第62/439,408号、および2017年4月18日に出願された米国仮出願番号第62/486,884号に基づく利益を主張している。上記で参照した出願の各々の内容は、それらの全体が参考として援用される。
2.発明の分野
本発明は、滅菌人乳製品を生成するための人乳の連続流滅菌のための方法に関する。より具体的には、本発明は、幼児、特に、未熟児による遠隔消費のために好適な滅菌人乳製品を提供するために選定された条件下の滅菌による、人乳中のバチルスセレウス(セレウス菌)およびクロストリジウムボツリヌム(ボツリヌス菌)の低減のための方法に関する。
3.背景
成人、青少年、または幼児等の個人による遠隔消費のためのヒト母乳の提供は、摂取されると、個人のために有益である乳内の栄養および生物学的活性物質の同時保持とともに、細菌、ウイルス、カビ、芽胞、および酵母等の病原体の含有量の許容レベルまでの低減を要求する。
消費のためのヒト母乳の供給における主なリスクは、供給物中のセレウス菌およびボツリヌス菌のうちの一方または両方の存在である。セレウス菌は、人乳ドナーに由来する。全てのドナーが保菌者であるわけではないであろうが、人乳製品の生産の間のドナー乳の貯留は、より広範囲の汚染をもたらし得る。セレウス菌は、摂取されると、有害であり、バンコマイシン、トブラマイシン、メロペネム、およびクリンダマイシン等の抗生物質を用いた処置を要求する、血流、肺、ならびに中枢神経系の感染をもたらす、耐熱性の芽胞形成グラム陽性細菌である。ボツリヌス菌は、ボツリヌス中毒症を引き起こす。ボツリヌス菌によって産生される毒素は、神経機能を遮断し得、種々の形態の麻痺をもたらし、したがって、重篤で潜在的に致死的な疾患であり得る。
多くの人乳バンクは、人乳加工の間に低温殺菌を使用する。人乳に適用される際、低温殺菌は、典型的には、乳を62.5℃において30分にわたって加熱することを伴う(「ホルダー低温殺菌」)。Guidelines of the Establishment and Operation of a Donor Human Milk Bank, Human Milk Banking Association of North America(2015年)を参照されたい。セレウス菌およびボツリヌス菌を排除する方法は、より極端な加工条件を採用する。これらの極端な加工条件ならびにホルダー低温殺菌のために採用される条件は、多くの場合、滅菌人乳の品質に有害な影響を及ぼす。すなわち、本プロセスは、栄養タンパク質、脂質、および炭水化物(例えば、オリゴ糖)を不可逆的に損傷する。したがって、滅菌人乳は、病原体が除かれ、消費のために安全であるが、栄養含有量もまた、滅菌人乳の消費によってもたらされる利益が失われるように、実質的に改変される。さらに、セレウス菌およびボツリヌス菌含有量を低減させるために使用されるいくつかのプロセスは、乳の中への加熱流の直接注入を含み、これは、汚染物質の導入の危険があり、乳からの水の下流分離を必要とする。
故に、人乳の栄養品質も維持しながら、セレウス菌およびボツリヌス菌等の有害な病原体を低減または排除する人乳滅菌プロセスの必要性がある。
Guidelines of the Establishment and Operation of a Donor Human Milk Bank, Human Milk Banking Association of North America(2015年)
4.要旨
本開示は、滅菌人乳製品の滅菌および生成のための方法を提供する。未加工人乳が、少なくとも1人のドナーから提供される。未加工人乳は、セレウス菌およびボツリヌス菌の両方を有し得る。未加工人乳は、滅菌人乳製品を生成するために、閉鎖インライン滅菌システムに提供される。未加工人乳は、少なくとも1つの細菌浄化器を通過し、クリーム画分およびスキム画分にさらに分離される。スキム画分は、次いで、保持液を生成するためにさらに濃縮されることができる。標準化された乳製品が、所望の濃度の成分および/または栄養素を達成するために、クリーム画分の一部ならびに保持液の一部を組み合わせることによって設計される。いくつかの実施形態では、標準化された乳製品は、付加的成分および/または栄養素を用いて強化される。標準化された乳製品はさらに、向流熱交換プロセスを通して滅菌される。標準化された乳製品の温度を標的温度まで急速に上昇させ、ある持続時間にわたってこれを標的温度に保持することは、滅菌乳製品の栄養品質も維持しながら、病原体含有量を排除する。重要なこととして、本開示の標準化された乳製品は、少なくともボツリヌス菌含有量の12Logの低減およびセレウス菌の1,000Logを上回る低減を呈する。標準化された乳製品は、成人、青少年による消費のため、特に、未熟児のために安全にされる。
故に、滅菌人乳製品を生産するために人乳を滅菌する方法が、本明細書に開示される。本方法は、閉鎖インラインシステム内に位置する滅菌器によって、入力として、人乳サンプルを受容するステップと、滅菌器の管を通して人乳サンプルを第1の流速において第1の方向に流動させるステップと、管内の人乳サンプルを、第2の流速において第2の方向に加熱流体を流動させることによって加熱するステップであって、加熱流体は、管の外面と接触する、ステップと、滅菌器によって、加熱された人乳サンプルを冷却するステップとを含む。
いくつかの実施形態では、管内の人乳サンプル加熱するステップは、人乳サンプルの温度を130℃~150℃の温度範囲内まで上昇させることと、人乳サンプルの温度を温度範囲内で3~15秒の持続時間にわたって保持することとを含む。いくつかの実施形態では、管内の人乳サンプルを加熱するステップは、人乳サンプルの温度を135℃~145℃の温度範囲内まで上昇させることと、人乳サンプルの温度を温度範囲内で6~14秒の持続時間にわたって保持することとを含む。いくつかの実施形態では、管内の人乳サンプルを加熱するステップは、人乳サンプルの温度を138℃~142℃の温度範囲内まで上昇させることと、人乳サンプルの温度を温度範囲内で8~13秒の持続時間にわたって保持することとを含む。いくつかの実施形態では、管内の人乳サンプルを加熱するステップは、人乳サンプルの温度を140℃~141℃の温度範囲内まで上昇させることと、人乳サンプルの温度を温度範囲内で12~13秒の持続時間にわたって保持することとを含む。
種々の実施形態では、管の一部の長さおよび強化人乳サンプルの第1の流速は、それぞれ、強化人乳の温度をその持続時間にわたって温度範囲内に保持するように前もって選定される。
いくつかの実施形態では、医薬品等級滅菌器の第1の管は、0.25インチ~10インチの直径を有する。いくつかの実施形態では、医薬品等級滅菌器の管を通した強化人乳サンプルの第1の流速は、1分あたり0.25ガロン~1分あたり25ガロンである。いくつかの実施形態では、管内の人乳サンプルを加熱するステップは、人乳サンプルを管の第1の部分の中で80℃~100℃の第1の温度まで予熱することと、人乳サンプルを管の第2の部分の中で130℃~150℃の第2の温度まで加熱することとを含む。
いくつかの実施形態では、医薬品等級滅菌器によって受容される人乳サンプルは、均質化されていない。いくつかの実施形態では、人乳サンプルは、滅菌器によって受容されることに先立って均質化される、または滅菌器によって冷却された後に均質化される。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品を生産するために人乳を滅菌する方法は、滅菌器が人乳サンプルを受容することに先立って、1つまたはそれを上回る浄化プロセスを通して、未加工ヒト母乳サンプルから病原体を排除するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、浄化された人乳サンプルをクリームサンプルおよびスキムサンプルに分離するステップと、スキムサンプルに濃縮プロセスを実施することによって、保持液を生成するステップと、クリームサンプルの一部を取得された保持液の一部と組み合わせることによって、標準化された人乳サンプルを設計し、強化人乳製品を生産するステップとを含む。いくつかの実施形態では、クリームサンプルの一部を取得された保持液の一部と組み合わせる方法は、クリームサンプルの初期特性を検出するステップと、クリームサンプルの検出された初期特性を強化人乳製品のための標的特性と比較するステップと、比較に基づいて、クリープサンプルの一部および取得された保持液の一部を判定するステップとを含む。
種々の実施形態では、本方法はさらに、加熱された強化人乳の冷却に続くステップを含み、このステップは、無菌プロセスを通して、滅菌人乳製品を包装することを含む。種々の実施形態では、滅菌器は、商業用等級滅菌器または医薬品等級滅菌器のうちの1つである。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品の100ミリリットルあたり少なくとも63カロリーを有する。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品は、少なくとも3.0g/100mL(3重量%)の総脂肪含有量を有する。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、88%を上回る免疫グロブリンA(IgA)を保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、77%を上回る免疫グロブリンM(IgM)を保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、93%を上回る免疫グロブリンG(IgG)を保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、64%を上回るアンチトリプシンを保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、81%を上回るラクトフェリンを保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、78%を上回るリゾチームを保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、72%を上回るラクトアルブミンを保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、92%を上回るアルファカゼインを保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、92%を上回るベータカゼインを保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、92%を上回るカッパカゼインを保持する。他の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、87%を上回るオステオポンチンを保持する。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、92%を上回る総人乳オリゴ糖を保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回るフコシル化人乳オリゴ糖を保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回る2′-フコシルラクトースを保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回る3′-フコシルラクトースを保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回るシアル酸付加人乳オリゴ糖を保持する。種々の実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回る非フコシル化人乳オリゴ糖を保持する。
故に、閉鎖インライン加工システムもまた、本明細書に開示される。本システムは、人乳サンプルを第1の流速において第1の方向に流動させるように構成される、管と、管の一部がその中に存在する、容器であって、管の一部の外面と接触する加熱流体を第2の流速において第2の方向に流動させ、第1の管の一部を通して流動する人乳サンプルをある持続時間にわたって所定の温度まで加熱するように構成される、容器とを備える、滅菌器を備える。
いくつかの実施形態では、所定の温度は、130℃~150℃の温度範囲内であり、所定の持続時間は、3~15秒である。いくつかの実施形態では、所定の温度は、135℃~145℃の温度範囲内であり、所定の持続時間は、6~14秒である。いくつかの実施形態では、所定の温度は、138℃~142℃の温度範囲内であり、所定の持続時間は、8~13秒である。いくつかの実施形態では、所定の温度は、140℃~141℃の温度範囲内であり、所定の持続時間は、12~13秒である。種々の実施形態では、滅菌器の管は、螺旋管であり、人乳サンプルが所定の温度に保持される持続時間は、螺旋管の螺旋の数に依存する。いくつかの実施形態では、医薬品等級滅菌器の管を通した人乳サンプルの第1の流速は、1分あたり0.25ガロン~1分あたり25ガロンである。
種々の実施形態では、本システムはさらに、1つまたはそれを上回る細菌浄化器であって、各細菌浄化器は、未加工ヒト母乳サンプルから病原体を排除するように構成される、1つまたはそれを上回る細菌浄化器と、一連の少なくとも1つの細菌浄化器のうちの最後のものと流体連通する、乳分離器であって、浄化された人乳サンプルをクリームサンプルおよびスキムサンプルに分離するように構成される、乳分離器と、乳分離器と流体連通する、乳濃縮器であって、乳分離器から受容されたスキムサンプルに逆浸透プロセスを実施することによって、保持液を生成するようにさらに構成される、乳濃縮器と、乳分離器からのクリームサンプルの一部および乳濃縮器からの保持液の一部を組み合わせるように構成される、乳コンバイナとを備える。
いくつかの実施形態では、乳標準化器は、滅菌器と流体連通し、ホモジナイザが、滅菌器に先立って閉鎖インライン加工システム内に位置していない。いくつかの実施形態では、本システムは、洗浄の定置洗浄(CIP)方法を受けることが可能である。いくつかの実施形態では、滅菌器は、医薬品等級滅菌器である。いくつかの実施形態では、滅菌器は、商業用等級滅菌器である。
故に、滅菌人乳製品の1グラムあたり10CFU未満の細菌好気性平板菌数と、滅菌人乳製品の1リットルあたり0.81グラム~1リットルあたり13.28グラムの濃度のラクトフェリンを含む、滅菌人乳製品もまた、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品はさらに、滅菌人乳製品の1リットルあたり0.012グラム~1リットルあたり0.105グラムの濃度のリゾチームを含む。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品はさらに、滅菌人乳製品の1リットルあたり1.87グラム~1リットルあたり2.68グラムの濃度のラクトアルブミンを含む。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品はさらに、滅菌人乳製品の1リットルあたり0.057グラム~1リットルあたり0.40グラムの濃度のアンチトリプシンを含む。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品はさらに、滅菌人乳製品の1リットルあたり8.8グラム~1リットルあたり20.0グラムの濃度の人乳オリゴ糖を含む。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品はさらに、滅菌人乳製品の1リットルあたり0.72グラム~1リットルあたり4.3グラムの濃度の2′-フコシルラクトースを含む。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品は、100ミリリットルあたり、(a)63~67カロリー、(b)脂肪からの30~34カロリー、(c)1.2~1.8グラムの飽和脂肪、(d)10~16mgのコレステロール、(e)10~20mgのナトリウム、(f)4~10グラムの総炭水化物、(g)4~7グラムの糖、(h)1.2~1.6グラムのタンパク質、(i)160~200国際単位のビタミンA、および(j)27~35mgのカルシウムを有する。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品は、100ミリリットルあたり63を上回るカロリーを有する。例えば、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品の100ミリリットルあたり64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100カロリーを有し得る。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品がそれから滅菌された未加工ヒト母乳サンプル中のバチルスセレウスの量と比較して、低減された量のバチルスセレウスを有し、低減された量は、バチルスセレウスの少なくとも500logの低減である。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品は、滅菌人乳製品がそれから滅菌された未加工ヒト母乳サンプル中のクロストリジウムボツリヌムの量と比較して、低減された量のクロストリジウムボツリヌムを有し、低減された量は、クロストリジウムボツリヌムの少なくとも12logの低減である。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品は、無菌包装製品内に含まれる。いくつかの実施形態では、無菌包装製品は、瓶、ブースターカップ、紙箱、紙ブリック、またはパウチのうちの1つの中に包装される。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品は、賞味期限延長包装製品内に含まれる。いくつかの実施形態では、賞味期限延長包装製品は、瓶、ブースターカップ、紙箱、紙ブリック、またはパウチのうちの1つの中に包装される。
本発明の種々の目的、特徴、側面、および利点は、同様の番号が同様の構成要素を表す、付随の図面とともに、本発明の実施形態の以下の詳細な説明からより明白となる。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
滅菌人乳製品を生産するために人乳を滅菌する方法であって、
閉鎖インラインシステム内に位置する滅菌器によって、入力として、人乳サンプルを受容するステップと、
前記滅菌器の管を通して前記人乳サンプルを第1の流速において第1の方向に流動させるステップと、
前記管内の前記人乳サンプルを、第2の流速において第2の方向に加熱流体を流動させることによって加熱するステップであって、前記加熱流体は、前記管の外面と接触する、ステップと、
前記滅菌器によって、前記加熱された人乳サンプルを冷却するステップと、
を含む、方法。
(項目2)
前記管内の前記人乳サンプルを加熱するステップは、
前記人乳サンプルの温度を130℃~150℃の温度範囲内まで上昇させることと、
前記人乳サンプルの温度を前記温度範囲内で3~15秒の持続時間にわたって保持することと、
を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記管内の前記人乳サンプルを加熱するステップは、
前記人乳サンプルの温度を135℃~145℃の温度範囲内まで上昇させることプと、
前記人乳サンプルの温度を前記温度範囲内で6~14秒の持続時間にわたって保持することと、
を含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記管内の前記人乳サンプルを加熱するステップは、
前記人乳サンプルの温度を138℃~142℃の温度範囲内まで上昇させることと、
前記人乳サンプルの温度を前記温度範囲内で8~13秒の持続時間にわたって保持することと、
を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記管内の前記人乳サンプルを加熱するステップは、
前記人乳サンプルの温度を140℃~141℃の温度範囲内まで上昇させることと、
前記人乳サンプルの温度を前記温度範囲内で12~13秒の持続時間にわたって保持することと、
を含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記管の一部の長さおよび前記人乳サンプルの前記第1の流速は、それぞれ、前記人乳サンプルの温度を前記持続時間にわたって前記温度範囲内に保持するように前もって選定される、項目1-5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記滅菌器の前記第1の管は、0.25~10インチの直径を有する、項目1-6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記滅菌器の前記管を通した前記人乳サンプルの第1の流速は、1分あたり0.25ガロン~1分あたり25ガロンである、項目1-7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記滅菌器によって受容される前記人乳サンプルは、均質化されていない、項目1-8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記人乳サンプルは、前記滅菌器によって受容されることに先立って均質化される、または前記滅菌器によって冷却された後に均質化される、項目1-8のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記滅菌器が前記人乳サンプルを受容することに先立って、1つまたはそれを上回る浄化プロセスを通して、未加工ヒト母乳サンプルから病原体を排除するステップをさらに含む、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記1つまたはそれを上回る浄化プロセス後、かつ前記滅菌器が前記人乳サンプルを受容するステップに先立って、
浄化された人乳サンプルをクリームサンプルおよびスキムサンプルに分離するステップと、
前記スキムサンプルに濃縮プロセスを実施することによって、保持液を生成するステップと、
前記クリームサンプルの一部を前記取得された保持液の一部と組み合わせるステップによって、標準化された人乳サンプルを設計し、強化人乳製品を生産するステップと、
をさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記クリームサンプルの一部を前記取得された保持液の一部と組み合わせるステップは、
前記クリームサンプルの初期特性を検出することと、
前記クリームサンプルの前記検出された初期特性を前記強化人乳製品のための標的特性と比較することと、
前記比較に基づいて、前記クリープサンプルの一部および前記取得された保持液の一部を判定することと、
を含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記滅菌人乳製品の冷却に続けて、無菌プロセスを通して、前記滅菌人乳製品を包装するステップをさらに含む、項目1-13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記滅菌器は、医薬品等級滅菌器である、項目1-14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品の100ミリリットルあたり少なくとも63カロリーを有する、項目1-15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記滅菌人乳製品は、少なくとも3.0g/100mL(3重量%)の総脂肪含有量を有する、項目1-16のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、88%を上回る免疫グロブリンAを保持する、項目1-17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、77%を上回る免疫グロブリンMを保持する、項目1-18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、93%を上回る免疫グロブリンGを保持する、項目1-19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、64%を上回るアンチトリプシンを保持する、項目1-20のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、81%を上回るラクトフェリンを保持する、項目1-21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、78%を上回るリゾチームを保持する、項目1-22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、72%を上回るラクトアルブミンを保持する、項目1-23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、92%を上回るアルファカゼインを保持する、項目1-24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、92%を上回るベータカゼインを保持する、項目1-25のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、92%を上回るカッパカゼインを保持する、項目1-26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、87%を上回るオステオポンチンを保持する、項目1-27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、92%を上回る総人乳オリゴ糖を保持する、項目1-28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回るフコシル化人乳オリゴ糖を保持する、項目1-29のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回る2′-フコシルラクトースを保持する、項目1-30のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回る3′-フコシルラクトースを保持する、項目1-31のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回るシアル酸付加人乳オリゴ糖を保持する、項目1-32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記滅菌人乳製品は、前記滅菌人乳製品が由来する未加工ヒト母乳サンプルと比較して、90%を上回る非フコシル化人乳オリゴ糖を保持する、項目1-33のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
閉鎖インライン加工システムであって、
滅菌器であって、
人乳サンプルを第1の流速において第1の方向に流動させるように構成される、管と、
前記管の一部がその中に存在する、容器であって、前記管の一部の外面と接触する加熱流体を第2の流速において第2の方向に流動させ、前記第1の管の一部を通して流動する前記人乳サンプルを所定の持続時間にわたって所定の温度まで加熱するように構成される、容器と、
を備える、滅菌器を備える、システム。
(項目36)
前記所定の温度は、130℃~150℃の温度範囲内であり、前記所定の持続時間は、3~15秒である、項目35に記載のシステム。
(項目37)
前記所定の温度は、135℃~145℃の温度範囲内であり、前記所定の持続時間は、6~14秒である、項目35に記載のシステム。
(項目38)
前記所定の温度は、138℃~142℃の温度範囲内であり、前記所定の持続時間は、8~13秒である、項目35に記載のシステム。
(項目39)
前記所定の温度は、140℃~141℃の温度範囲内であり、前記所定の持続時間は、12~13秒である、項目35に記載のシステム。
(項目40)
前記滅菌器の前記管を通した前記人乳サンプルの前記第1の流速は、1分あたり0.25ガロン~1分あたり25ガロンである、項目35-39のいずれか1項に記載のシステム。
(項目41)
1つまたはそれを上回る細菌浄化器であって、各細菌浄化器は、未加工ヒト母乳サンプルから病原体を排除するように構成される、1つまたはそれを上回る細菌浄化器と、
一連の少なくとも1つの前記細菌浄化器のうちの最後のものと流体連通する、乳分離器であって、浄化された人乳サンプルをクリームサンプルおよびスキムサンプルに分離するように構成される、乳分離器と、
前記乳分離器と流体連通する、乳濃縮器であって、前記乳分離器から受容された前記スキムサンプルに逆浸透プロセスを実施することによって、保持液を生成するようにさらに構成される、乳濃縮器と、
前記乳分離器からの前記クリームサンプルの一部および前記乳濃縮器からの前記保持液の一部を組み合わせるように構成される、乳コンバイナと、
をさらに備える、項目35-40のいずれか1項に記載のシステム。
(項目42)
前記乳コンバイナは、前記滅菌器と流体連通し、ホモジナイザが、前記滅菌器に先立って前記閉鎖インライン加工システム内に位置していない、項目41に記載のシステム。
(項目43)
前記システムは、洗浄の定置洗浄(CIP)方法を受けることが可能である、項目35-42のいずれか1項に記載のシステム。
(項目44)
前記滅菌器は、医薬品等級滅菌器である、項目35-43のいずれか1項に記載のシステム。
(項目45)
前記滅菌器は、商業用等級滅菌器である、項目35-43のいずれか1項に記載のシステム。
(項目46)
滅菌人乳製品であって、
前記滅菌人乳製品の1グラムあたり10CFU未満の細菌好気性平板菌数と、
前記滅菌人乳製品の1リットルあたり0.81グラム~1リットルあたり13.28グラムの濃度のラクトフェリンと、
を含む、滅菌人乳製品。
(項目47)
前記滅菌人乳製品の1リットルあたり0.012グラム~1リットルあたり0.105グラムの濃度のリゾチームを含む、項目46に記載の滅菌人乳製品。
(項目48)
前記滅菌人乳製品の1リットルあたり1.87グラム~1リットルあたり2.68グラムの濃度のラクトアルブミンをさら含む、項目46または47に記載の滅菌人乳製品。
(項目49)
前記滅菌人乳製品の1リットルあたり0.057グラム~1リットルあたり0.40グラムの濃度のアンチトリプシンをさらに含む、項目46-48のいずれか1項に記載の滅菌人乳製品。
(項目50)
前記滅菌人乳製品の1リットルあたり8.8グラム~1リットルあたり20.0グラムの濃度の人乳オリゴ糖をさらに含む、項目46-49のいずれか1項に記載の滅菌人乳製品。
(項目51)
前記滅菌人乳製品の1リットルあたり0.72グラム~1リットルあたり4.3グラムの濃度の2′-フコシルラクトースをさらに含む、項目46-50のいずれか1項に記載の滅菌人乳製品。
(項目52)
前記製品は、100ミリリットルあたり、(a)63~67カロリー、(b)脂肪からの30~34カロリー、(c)1.2~1.8グラムの飽和脂肪、(d)10~16mgのコレステロール、(e)10~20mgのナトリウム、(f)4~10グラムの総炭水化物、(g)4~7グラムの糖、(h)1.2~1.6グラムのタンパク質、(i)160~200国際単位のビタミンA、および(j)27~35mgのカルシウムを有する、項目46-51のいずれか1項に記載の滅菌人乳製品。
(項目53)
前記製品は、前記滅菌人乳製品がそれから滅菌された未加工ヒト母乳サンプル中のバチルスセレウスの量と比較して、低減された量のバチルスセレウスを有し、前記低減された量は、バチルスセレウスの少なくとも500logの低減である、項目46-52のいずれか1項に記載の滅菌人乳製品。
(項目54)
前記製品は、前記滅菌人乳製品がそれから滅菌された前記未加工ヒト母乳サンプル中のクロストリジウムボツリヌムの量と比較して、低減された量のクロストリジウムボツリヌムを有し、前記低減された量は、クロストリジウムボツリヌムの少なくとも12logの低減である、項目46-53のいずれか1項に記載の滅菌人乳製品。
(項目55)
項目46-54のいずれか1項に記載の滅菌人乳製品を備える、無菌包装製品。
(項目56)
前記無菌包装製品は、瓶、ブースターカップ、紙箱、紙ブリック、またはパウチのうちの1つの中に包装される、項目55に記載の無菌包装製品。
(項目57)
項目46-54のいずれか1項に記載の滅菌人乳製品を含む、賞味期限延長包装製品。
(項目58)
前記賞味期限延長包装製品は、瓶、ブースターカップ、紙箱、紙ブリック、またはパウチのうちの1つの中に包装される、項目57に記載の賞味期限延長包装製品。
5.図面の簡単な説明
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する付随の図面は、下記に説明されるいくつかの側面を図示する。
図1Aは、本発明の実施形態による、滅菌人乳製品を生成するために未加工ヒト母乳を加工するためのシステム内のフロープロセスを描写する。 図1Bは、本発明の実施形態による、本システムの随意の細菌浄化器(同義的に、乳浄化器)のデバイスを描写する。 図1Cは、本発明の実施形態による、本システムの随意の乳標準化器のデバイスを描写する。 図2は、本発明の実施形態による、閉鎖インライン滅菌システム内の乳滅菌器システム図を描写する。 図3は、本発明の実施形態による、乳滅菌器を通して流動している間の乳製品温度のグラフを描写する。 図4は、本発明の実施形態による、滅菌人乳製品を生成するためのフローチャートを描写する。 図5は、本発明の実施形態による、乳製品を滅菌するためのフローチャートを描写する。 図6Aは、本発明の実施形態による、実施例7.1にさらに説明される滅菌プロセスの複数のパイロットスケール工程からのパラメータを表化する。 図6Bは、本発明の実施形態に従って調製される、未加工人乳サンプルおよび滅菌人乳製品の比較栄養データを提示する。 図6Cは、各組成特性の保持が未加工乳製品の第1のバッチに対して計算される、未加工乳サンプルの第1のバッチおよび図6Aに定義されるような滅菌工程4ならびに工程11からもたらされる滅菌人乳製品の組成特性を提示する。 図6Dは、各組成特性の保持が未加工乳製品の第2のバッチに対して計算される、未加工乳サンプルの第2のバッチおよび図6Aに定義されるような滅菌工程7ならびに工程14からもたらされる滅菌人乳製品の組成特性を提示する。 図6Eは、未加工人乳および滅菌人乳製品に関する定量化された細菌、カビ、ならびに酵母含有量を提示する。 図7Aおよび7Bは、強化乳サンプルを取得するために乳サンプルの1リットルあたりに添加される種々の補助剤の量を提示する。 図7Aおよび7Bは、強化乳サンプルを取得するために乳サンプルの1リットルあたりに添加される種々の補助剤の量を提示する。 図7Cは、各強化乳サンプルを滅菌するために使用される加工パラメータおよび滅菌後の各強化乳サンプルのセレウス菌log低減を描写する。 図8Aは、実施例7.3において加工される滅菌人乳製品の組成物の分析データを描写する。 図8Bは、未加工人乳と比較した瓶158、1888、および3151からの微生物数を描写する。 図9Aは、分析データを提示し、実施例7.4において生産される商業スケールの滅菌および強化人乳製品の種々の対応する組成成分を判定するために使用される方法基準を識別する。 図9Bは、未加工強化人乳と比較した無菌瓶詰された滅菌強化人乳製品の微生物数を描写する。
図は、同様の要素を識別するために、同様の参照番号を使用する。「135A」等の参照番号の後の文字は、テキストがその特定の参照番号を有する要素を具体的に指すことを示す。「135」等の続く文字を伴わないテキスト中の参照番号は、その参照番号を帯びる図の要素のうちのいずれかまたは全てを指す(例えば、テキスト中の「細菌浄化器135」は、図の参照番号「細菌浄化器135A」および/または「細菌浄化器135B」を指す)。
6.詳細な説明
(6.1.定義)
本発明は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためにすぎず、本発明の範囲が添付の請求項によってのみ限定されるであろうため、限定的であることを意図しないことを理解されたい。
本発明の詳細な説明は、読者の便宜のみのために種々の節に分割され、任意の節に見出される開示は、別の節におけるものと組み合わせられてもよい。別様に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。
本開示全体を通して、本発明の種々の側面は、範囲形式で提示されることができる。範囲は、列挙される終点を含む。範囲形式における説明は、単に、便宜および簡潔化のためであることを理解されたく、本発明の範囲に関する柔軟性のない限定として解釈されるべきではない。故に、範囲の説明は、具体的に開示される全ての可能性として考えられる部分的範囲ならびにその範囲内の個々の数値を有すると見なされるべきである。例えば、1~6等の範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の具体的に開示される部分的範囲、ならびにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、および6を有すると見なされるべきである。これは、範囲の広さにかかわらず適用される。
具体的に記載されない、または文脈から明白でない限り、本明細書で使用されるように、用語「または」は、包括的であると理解される。
具体的に記載されない、または文脈から明白でない限り、本明細書で使用されるように、用語「a」、「an」、および「the」は、単数形または複数形であると理解される。すなわち、冠詞「a」および「an」は、冠詞の文法上の目的語のうちの1つまたは1つを上回るもの(すなわち、少なくとも1つ)を指すように本明細書で使用される。実施例として、「要素(an element)」は、1つの要素または1つを上回る要素を意味する。
本開示では、「~を備える(comprises)」、「~を備える(comprising)」、「~を含有する(containing)」、「~を有する(having)」、「~を含む(includes)」、「~を含む(including)」、およびそれらの言語変形は、米国特許法におけるそれらに帰する意味を有し、明示的に列挙されるもの以外の付加的構成要素の存在を可能にする。
具体的に記載されない、または別様に文脈から明白でない限り、本明細書で使用されるように、用語「約」または「およそ」は、当技術分野の一般公差の範囲内、例えば、平均の2標準偏差内として理解され、記載される値から±20%または±10%、より好ましくは、±5%、さらに好ましくは、±1%、なおもより好ましくは、±0.1%の変動を包含するように意図されている。
用語「未加工人乳」または「未加工ヒト母乳」組成物は、いずれの形態の低温殺菌、滅菌、もしくは汚染除去も行われることなく、1人またはそれを上回るヒト女性から取得される人乳を意味すると理解される。未加工組成物は、1人または複数のドナーから取得され、随意に、貯留され、随意に、セレウス菌および他の細菌、ウイルス、カビ、芽胞、もしくは酵母病原体で汚染されている場合がある。
用語「滅菌人乳製品」組成物は、本発明の種々の実施形態による、滅菌の方法の適用後に取得される乳組成物を意味すると理解される。
(6.2. 滅菌人乳製品を生成するためのシステムおよび方法)
(6.2.1. 滅菌システムのデバイス)
図1Aは、本発明の実施形態による、滅菌人乳製品を生成するために未加工ヒト母乳を加工するためのフロープロセスを描写する。
図1Aに描写されるように、未加工ヒト母乳110が、滅菌人乳製品175を生産する閉鎖インライン滅菌システム100に提供される。種々の実施形態では、いったん未加工ヒト母乳110が閉鎖インライン滅菌システム100に進入すると、乳は、これが滅菌人乳製品175として回収されるまで、再び外部環境に暴露されない。
本システムは、乳滅菌器130を備える。
種々の実施形態では、閉鎖インライン滅菌システム100はさらに、細菌浄化器(同義的に、乳浄化器)115、乳標準化器120、強化器125等の図1Aに示されるもの、または乳サンプルを均質化する乳ホモジナイザもしくは乳サンプルから酸素を除去する脱気器等の図1Aに示されない付加的デバイス等の1つまたはそれを上回る付加的デバイスを含む。
実施例として、未熟児による遠隔消費のために好適な強化乳製品を生産するために好ましいもの等のいくつかの実施形態では、システム100は、細菌浄化器115と、乳標準化器120とを含む。これらの実施形態のうちのあるものでは、システム100はさらに、強化器125および/または乳ホモジナイザを含む。成人消費のために設計される強化乳製品を生産するために好ましいもの等の他の実施形態では、システム100は、強化器125を含むが、乳標準化器120を含まない。これらの後者の実施形態のうちのあるものでは、システム100はさらに、細菌浄化器(乳浄化器)115を含む。いくつかの実施形態では、閉鎖インライン滅菌システム100内のデバイスは、異なるように順序付けられてもよい。例えば、システム100内の細菌浄化器(乳浄化器)115、乳標準化器120、および強化器125の位置は、入れ替えられてもよい。
種々の実施形態では、閉鎖インライン滅菌システム100のデバイスは、未加工ヒト母乳110の連続流加工が、これがシステム100を通して加工される際に起こり得るように、相互と流体連通する。図1Aに描写されるように、例えば、細菌浄化器(乳浄化器)115は、乳標準化器120と流体連通してもよく、これは、強化器125とさらに流体連通し、これは、乳標準化器130とさらに流体連通する。管、パイプ、または同等物が、溶接、ねじ山、もしくは他の適切な接続を通してシステム100の個別のデバイスに接続されてもよい。種々の実施形態では、閉鎖インライン滅菌システム100は、1つの入口(例えば、未加工ヒト母乳110が入力される)と、1つの出口(例えば、滅菌人乳製品175が出力される)とを含む。
(6.2.1.1. 未加工ヒト母乳)
システム100は、未加工ヒト母乳110のバッチを受容する。
典型的な実施形態では、未加工ヒト母乳110のバッチは、複数の個々の乳寄付物を貯留することによって調製される。いくつかの実施形態では、複数の乳寄付物は、単一のドナーからのものである。典型的な実施形態では、複数の乳寄付物は、複数のドナーからの乳を含む。
典型的な実施形態では、各ドナーは、複数の未加工人乳サンプルを収集し、完全に搾乳されるとすぐに各サンプルを凍結させる。複数の凍結された未加工人乳サンプルは、次いで、凍結出荷され、貯留され、加工のためにシステム100に提供される。
受容後、各ドナーからの未加工ヒト母乳は、検証される、すなわち、ある要件を満たすことが判定される。典型的な実施形態では、官能試験、沸騰時塊試験、アルコール試験、酸性度試験、レサズリン試験、薬物試験、および乳阻害物質試験のうちの1つまたはそれを上回るものが、実施される。典型的には、検証試験に合格しない未加工乳寄付物は、寄付物がシステム100に提供される、貯留された未加工ヒト母乳110を汚染または悪混しないように防止するために廃棄される。
種々の実施形態では、閉鎖インラインシステム100に提供されることに先立って、未加工ヒト母乳110は、未加工ヒト母乳110の成分の特性または濃度を判定するために、サンプリングされる。以降で使用されるように、未加工ヒト母乳110(および下記に説明される他の乳製品)の特性は、乳の密度と、乳の総カロリーとを含む。加えて、未加工ヒト母乳110(および下記に説明される他の乳製品)の成分は、脂質/脂肪と、タンパク質(ホエー、カゼイン、アルブミン等)と、ビタミンと、コレステロールと、イオン性塩(例えば、ナトリウム、カルシウム、鉄等)と、炭水化物と、免疫グロブリンと、オリゴ糖とを含む。未加工ヒト母乳110の成分のこれらの初期特性および/または濃度は、標準化された人乳製品を設計するために、乳コンバイナ150に提供され得る。標準化された人乳製品を設計するプロセスは、下記にさらに詳細に説明される。
一実施形態では、未加工ヒト母乳110バッチの全体積は、1,200リットルである。他の実施形態では、未加工ヒト母乳110バッチの全体積は、1,200リットルを上回る、または下回る。
(6.2.1.2. 細菌浄化器(乳浄化器))
細菌浄化器(また、同義的に、乳浄化器)115は、未加工ヒト母乳110中の病原性物質および/または病原体(例えば、細菌、カビ、芽胞、ならびに/もしくは酵母汚染物質)の一部または全てを除去することが可能なデバイスもしくは装置である。本システムの一実施形態では、細菌浄化器115は、未加工ヒト母乳110を受容し、いくつかの実施形態では、乳標準化器120である、次のデバイスに浄化された乳を出力する、システム100の第1のデバイスである。他の実施形態では、細菌浄化器115は、浄化された乳を強化器125に出力する。他の実施形態では、細菌浄化器115は、浄化された乳を乳滅菌器130に直接出力する。
いくつかの実施形態では、細菌浄化器115は、システム100内の次のデバイスの中への入力のために浄化された乳122を出力する、単一の細菌浄化器デバイス135を含む。いくつかの実施形態では、単一の細菌浄化器は、乳から、セレウス菌芽胞および/またはボツリヌス菌芽胞等の病原体の最大90%を除去する。
いくつかの実施形態では、細菌浄化器115は、複数の細菌浄化器デバイスを含む。ここで、本発明の実施形態による、直列に接続される2つの個々の細菌浄化器135Aおよび135Bを描写する図1Bが、参照される。本実施形態では、第1の細菌浄化器135Aは、病原体および/または病原性物質の第1の部分を除去する。乳は、次いで、第2の細菌浄化器135Bに流動され、これはさらに、病原体および/または病原性物質の第2の部分を除去する。種々の実施形態では、第1の細菌浄化器135Aおよび第2の細菌浄化器135Bを通して未加工ヒト母乳110を流動させることは、乳から病原体の最大90%を除去する二重細菌浄化プロセスをもたらす。いくつかの実施形態では、二重細菌浄化プロセスは、乳からセレウス菌芽胞の最大90%を除去する。いくつかの実施形態では、二重細菌浄化プロセスは、乳からボツリヌス菌芽胞の最大90%を除去する。これらの実施形態における二重細菌浄化プロセスの結果は、浄化された乳122であり、これは、システム100内の次のデバイスに提供される。
他の実施形態では、細菌浄化器115は、病原体浄化の量をさらに増加させるために、2つを上回る細菌浄化器135を直列に採用する。
種々の実施形態では、各細菌浄化器135は、遠心濾過デバイスである。好適な細菌浄化器135の実施例は、GEAパスファインダ等のGEA細菌分離器である。そのような実施形態では、細菌浄化器135に提供されるヒト母乳は、ある持続時間にわたって所定の速度で遠心分離される。ヒト母乳110が遠心分離されるにつれて、特定の密度を上回る固体が、遠心分離速度および遠心分離の持続時間に従って収集される。これらの固体は、より大きい病原性微生物(例えば、細菌、ウイルス)ならびにドナー細胞および他の細胞物質を含む。固体は、次いで、細菌浄化器135から周期的間隔においてさらに排出されることができる。浄化されたヒト母乳は、次いで、システム100内の次のデバイスに提供されることができる。
(6.2.1.3. 乳標準化器)
図1Aに再び目を向けると、乳標準化器120が、標的量の成分(例えば、具体的栄養素)および/または標的特性を保有するように、標準化された人乳製品を設計する。乳標準化器120は、したがって、生成される各滅菌人乳製品175バッチが別の滅菌人乳製品175バッチと比較して低減された変動を有するように、随意の強化のために、かつ滅菌のために提供される乳が、標準化されることを確実にする。乳標準化器120の使用は、幼児、特に、未熟児による遠隔消費のために設計された無菌乳製品のために好ましい。
図1Cは、本発明の実施形態による、システム100の乳標準化器120のデバイスを描写する。例えば、乳標準化器120は、乳分離器140と、濃縮器145と、システム100の次のデバイスに提供される標準化された乳製品170を生成する乳コンバイナ150とを含む。乳分離器140は、浄化された乳サンプルをクリーム画分155およびスキム画分160に分離する。クリーム画分155は、脂質(例えば、脂肪)の混合物を含む乳サンプルの部分を指す一方、スキム画分160は、イオン性塩、タンパク質(例えば、ラクトース、ホエー、カゼインミセル、免疫グロブリン、アルブミン、および同等物)、水溶性ビタミン、ならびに人乳オリゴ糖(HMO)等の成分を含む。種々の実施形態では、乳分離器140は、特定の温度において浄化された乳、クリーム画分155、およびスキム画分160の温度を保持することが可能である。例えば、乳分離器140は、浄化された乳および各画分の温度を約4℃~20℃に保持するために、冷蔵を適用してもよい。他の実施形態では、乳分離器140は、浄化された乳および各画分の温度を約45~65℃に保持するために、加熱を適用してもよい。乳が分離される温度に応じて、乳分離器140は、浄化された乳の粘度が異なる温度で実質的に変動し得ることを考慮して、それに応じて設計されてもよい。例えば、乳分離器125は、スキム画分160からクリーム画分155を分離することに関与するディスクを含んでもよい。したがって、冷温乳分離器が、冷温における乳のより高い粘度が乳分離器140を閉塞しないことを確実にするために、高温乳分離器と比較してより少ないディスク(ディスク間のより広い空間)とともに設計されることができる。
種々の実施形態では、乳分離器140は、50,000×gおよびそれを上回る遠心速度を適用することが可能である高速遠心分離機(別様に超遠心分離機として公知である)である。乳分離器140の実施例は、Tetra Pak Separatorである。クリーム画分155がスキム画分160のものよりも低い密度を保有することを考慮して、ある持続時間にわたる所定の遠心分離速度の適用は、クリーム画分155からスキム画分160を効果的に分離する。したがって、各個々の画分は、個別に収集され、続けて加工されることができる。図1Cに描写されるように、スキム画分160は、濃縮器145に提供される一方、クリーム画分155は、乳コンバイナ150に直接提供される。ある実施形態では、クリーム画分155は、スキム画分160がさらなる加工を受ける間、一時的に貯蔵または保持される。
濃縮器145はさらに、スキム画分160を保持液に濃縮する。ある実施形態では、濃縮器145は、スキム画分160中に存在する成分(例えば、塩、タンパク質、HMO)を濃縮するために、スキム画分160に逆浸透を実施する膜濾過デバイスである。
いくつかの実施形態では、濃縮器145は、標的濃度の成分を有する保持液を取得するために、スキム画分160を濃縮する。例えば、濃縮器145は、センサまたは類似するデバイスを通して、スキム画分160中の成分の初期濃度を検出してもよい。例示的成分濃度は、タンパク質濃度、個々のアミノ酸濃度、またはビタミン濃度であり得る。標的濃度の成分を伴う保持液は、次いで、乳コンバイナ150に提供される。
乳コンバイナ150は、クリーム画分155および保持液(例えば、濃縮されたスキム画分160)の一部を組み合わせることによって、標準化された人乳製品を設計する。種々の実施形態では、標準化された人乳製品において所望の濃度を達成するために、乳コンバイナ150はさらに、スキムサンプル160を濃縮するときに濃縮器145によって最初に除去された水を補完してもよい。
いくつかの実施形態では、乳コンバイナ150は、クリーム画分155、保持液、もしくは両方の特性を検出するための1つまたはそれを上回るセンサとともに構成される。例えば、検出可能特性は、クリーム画分155または保持液の溶液密度もしくは総カロリーであり得る。代替として、または加えて、センサは、クリーム画分155または保持液中の成分の濃度を検出するように構成されてもよい。より具体的には、乳コンバイナ150のセンサは、保持液中のタンパク質の濃度およびクリーム画分155中の脂質(例えば、脂肪)の濃度を検出してもよい。センサによって検出可能な他の成分は、具体的アミノ酸、ビタミン、炭水化物、オリゴ糖、および免疫グロブリンを含む。
種々の実施形態では、乳コンバイナ150はさらに、算出を実施するように、またはコンピューティングシステムと通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、乳コンバイナ150は、コンピューティングシステムを含む。そのようなコンピューティングシステムは、以降では、乳コンバイナ150のコンピューティングシステムと称される。コンピューティングシステムは、乳コンバイナ150のセンサによって検出されたクリーム画分155および保持液の成分の検出された特性または濃度に従って組み合わせられる、クリーム画分155および保持液の所望の部分を計算することができる。加えて、コンピューティングシステムは、いくつかの実施形態では、標準化された人乳製品の成分の標的特性または濃度を記憶するメモリとともに構成されてもよい。
上記に説明されるように、成分の記憶される標的特性または標的濃度の一実施例は、前もってサンプリングされた未加工ヒト母乳110の成分の初期特性または初期濃度である。別の実施例として、成分の記憶される標的特性または標的濃度は、事前判定される固定数であってもよい。したがって、乳コンバイナ150は、成分の標的特性または標的濃度を達成する標準化された乳製品を設計しようと試みる。種々の実施形態では、成分の標的特性または濃度を達成することは、未加工ヒト母乳110の成分の初期特性または初期濃度と比較して、あるパーセンテージ差未満である成分の特性または濃度を達成することを指す。他の実施形態では、成分の標的特性または濃度を達成することは、固定された所定の数と比較して、あるパーセンテージ差未満である成分の特性または濃度を達成することを指す。
より具体的な実施例として、標的密度を達成することは、標準化された人乳製品が、記憶された標的密度と比較して、10%差未満である密度を保有することを意味する。別の実施例として、標的タンパク質濃度を達成することは、標準化された人乳製品が、記憶された標的タンパク質濃度と比較して、5%差未満であるタンパク質濃度を保有することを意味する。第3の実施例として、標的脂質濃度を達成することは、標準化された人乳製品が、記憶された標的脂質濃度と比較して、5%差未満である脂質濃度を保有することを意味する。
例示的実施形態では、乳コンバイナ150は、クリーム画分155および保持液を受容し、1つまたはそれを上回るセンサを使用して、クリーム画分155および保持液中の成分の特性ならびに/もしくは濃度を検出する。乳コンバイナ150のコンピューティングシステムは、成分の検出された特性および/または濃度を成分の記憶された標的特性および/または濃度と比較する。一実施形態では、コンピューティングシステムは、単一の特性または成分を標準として識別し、標準化された人乳製品が所望の標準特性または成分濃度を達成するように組み合わせられる、クリーム画分155および保持液の一部を判定する。例えば、標準化された人乳製品は、標準化された乳製品中に標的濃度のタンパク質を保有するために、クリーム画分155および保持液の一部を組み合わせることによって設計されることができる。
種々の実施形態では、標準化された人乳製品を設計するために、コンピューティングシステムは、達成される標準化された人乳製品の特性および/または成分に優先順位を付ける。一実施形態では、特性の優先順位は、以下の通りであり、すなわち、1)密度、2)タンパク質濃度、および3)脂質濃度である。他の実施形態では、他の優先順位が、確立される。本優先順位の実施例として、コンピューティングシステムは、最初に、(例えば、事前指定されたパーセンテージ差以内の)所望の密度を達成するために組み合わせられる、クリーム画分155の第1の部分および保持液の第1の部分を判定することができる。次に、コンピューティングシステムは、クリーム画分155の第1の部分および保持液の第1の部分を組み合わせることがまた、(例えば、そのパーセンテージ差以内の)所望のタンパク質濃度を達成するかどうかを判定する。該当しない場合、コンピューティングシステムは、所望の密度も維持しながら、所望のタンパク質濃度を満たすために、クリーム画分155の第1の部分および保持液の第1の部分の体積を調節してもよい。同様に、コンピューティングシステムは、脂質濃度に関して同一のチェックを実施することができる。したがって、いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、特性の優先順位に含まれる全ての特性を達成する標準化された人乳製品を計算してもよい。他の実施形態では、コンピューティングシステムは、特性の優先順位に従って特性のサブセットを満たす、標準化された人乳製品を生成してもよい。
乳コンバイナ150は、乳コンバイナ150のコンピューティングシステムによって計算されるように、クリーム画分155および保持液の一部を組み合わせる。種々の実施形態では、乳コンバイナ150はさらに、クリーム画分155および保持液の組み合わせられた部分を水和させる。したがって、乳コンバイナ150は、標準化された人乳製品170を設計する。標準化された人乳製品170は、システム100内の次のデバイスに提供される。
いくつかの実施形態では、乳標準化器120は、図1Aに示されるように、標準化された人乳製品を強化器125に出力する。強化器125は、下記に説明されるように、補助栄養素を標準化された人乳製品に提供することができる。
いくつかの実施形態では、乳標準化器120は、標準化された乳製品を乳コンバイナ150と乳滅菌器130との間に一直線に位置する乳ホモジナイザ(図1Aに図示せず)に提供する。
他の実施形態では、乳コンバイナ150は、標準化された乳製品をさらなる滅菌のために乳滅菌器130に直接提供する。具体的には、これらの実施形態では、乳滅菌器130に提供される標準化された乳製品は、閉鎖インライン滅菌システム100内のいずれの事前デバイスによっても前もって均質化されない。均質化ステップの欠如は、そうでなければ均質化によって破壊または損傷され得る標準化された乳製品中の成分(例えば、タンパク質、HMO、脂質、および同等物)の完全性を保全することに役立ち得る。
(6.2.1.4. 乳ホモジナイザ)
システム100内に含まれる場合、乳ホモジナイザは、それに入力される人乳製品を均質化する。
例えば、乳ホモジナイザは、圧力駆動流を使用して、高速において小さい物理的通路を通して標準化された人乳製品を押進し、それによって、標準化された乳製品の脂肪球を破壊する。標準化された人乳製品の均質化は、乳製品の長期安定性を改良する、乳製品の風味を改良する、および/または乳製品の外観を改良し得る。
滅菌人乳製品の意図される使用に応じて、栄養値の喪失が、これらの利点を上回り得る。未熟児による遠隔消費を意図される滅菌人乳製品175では、乳ホモジナイザによる均質化は、現在、好ましくない。
(6.2.1.5. 強化器)
種々の実施形態では、強化器125が、補助栄養素を提供し、添加された補助栄養素の標的濃度を達成する。
種々の実施形態では、強化器125は、脂肪、抗体(例えば、IgA、IgG、IgE、および同等物)、ウシ初乳等の初乳、タンパク質(アミノ酸、ホエー、カゼイン、アルブミン等)、ビタミン、コレステロール、イオン性塩(例えば、ナトリウム、カルシウム、鉄等)、炭水化物、ならびに人乳オリゴ糖のうちの1つまたはそれを上回るものを補助栄養素として標準化された人乳製品に提供する。いくつかの実施形態では、強化器125は、2016年12月27日に出願された米国仮出願第62/439,408号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように、高純窒素利用(NNU)タンパク質組成物を添加する。
(6.2.1.6. 乳滅菌器)
乳滅菌器130は、滅菌人乳製品175が、成人、青少年、幼児、特に、未熟児等の個人による遠隔消費のために好適であることを確実にするために、それに入力される乳中に存在する病原体を根絶する。
上記に議論されるように、いくつかの実施形態では、乳滅菌器130は、入力として、未加工ヒト母乳110を直接受容する。他の実施形態では、乳滅菌器130は、入力として、浄化されたヒト母乳122を受容する。他の実施形態では、乳滅菌器130は、入力として、浄化される前または浄化された後のいずれかの標準化された乳製品170を受容する。いくつかの実施形態では、乳滅菌器130の中に入力される乳は、強化されており、他の実施形態では、乳滅菌器130の中に入力される乳は、強化されていない。いくつかの実施形態では、入力乳は、均質化されない。他の実施形態では、入力乳は、均質化される。
好ましい実施形態では、乳滅菌器130は、滅菌人乳製品175を生成するために、超高温滅菌プロセスを実施する。
例えば、乳滅菌器130は、人乳製品を標的温度まで急速に加熱する。加えて、人乳製品は、以降では保持時間と称される特定の時間の量にわたって標的温度に保持される。人乳製品に適用される標的温度、加熱速度、および保持時間は、人乳製品内の栄養成分の完全性を最大限にしながら、病原体含有量の低減を達成するように選択される。
本発明の実施形態による、閉鎖インライン滅菌システム100内の乳滅菌器130のシステム図を描写する図2が、参照される。描写される実施形態では、滅菌器130の中に入力される乳は、乳標準化器120によって出力され、随意に、強化器125によって強化される、標準化された乳製品である。
乳滅菌器130は、予熱器205と、最終ヒータ210と、保持管215と、冷却器220とを含んでもよい。加えて、乳滅菌器130は、乳滅菌器130を通して流動する乳の温度が滅菌プロセスの各ステップにおいて判定および/または監視され得るように、乳滅菌器130内の各デバイス間にサーモカップルを含んでもよい。図2に示されるように、乳滅菌器130はさらに、乳滅菌器130の後続デバイスを通して入力乳製品を駆動する容積式ポンプ225を含んでもよい。乳滅菌器130の種々の実施形態は、図2においてここで開示されるものよりも少ないデバイスを含んでもよい。実施例として、乳滅菌器130は、予熱器205および最終加熱器210の両方と対照的に、入力乳製品を標的温度まで加熱するために単一の加熱プロセスを実施する単一のヒータを含んでもよい。乳滅菌器130の種々の実施形態はまた、図2においてここで開示されるものに加えたデバイスを含んでもよい。例えば、乳滅菌器130は、図2に描写されるデバイスのうちのいずれか2つの間に位置するホモジナイザを含んでもよい。
種々の実施形態では、乳滅菌器130は、優良製造規範(GMP)基準を満たす。例えば、入力乳製品と接触する管類およびコネクタは、GMP基準を満たす。他の実施形態では、乳滅菌器130は、乳滅菌器130によって実施される滅菌プロセスが医薬品等級滅菌プロセスであるように、医薬品等級基準を満たす医薬品等級デバイスである。
乳滅菌器130は、好ましい実施形態では、入力として乳製品を受容し、出力として滅菌人乳製品を提供する、閉鎖インタインプロセスの一部である。乳滅菌器130によって実施される滅菌プロセスは、連続フロープロセスであり得る。より具体的には、乳滅菌器130を通して流動する乳は、単一の一定の流速において流動することができる。一連の実施形態では、乳流速は、1分あたり0.25ガロン~25ガロンである。種々の実施形態では、乳流速は、1分あたり0.25ガロン~15ガロンである。種々の実施形態では、乳流速は、1分あたり0.25ガロン~5ガロンである。いくつかの実施形態では、乳流速は、1分あたり5~100ガロンである。
予熱器205は、入力乳製品を第1の標的温度まで予熱する。ここで図3を参照すると、本発明の実施形態による、乳滅菌器130を通して流動している間の乳製品温度のグラフが、示される。具体的には、予熱器205は、入力乳製品を初期温度(例えば、0~25℃)から90℃の第1の標的温度まで予熱してもよい。他の実施例では、標的温度は、80℃~100℃であってもよい。
予熱器205は、乳入口を通して入力乳製品を受容するように構成される、大桶等の容器であってもよい。予熱器205は、乳出口を通して予熱された乳製品を出力する。加えて、予熱器205は、加熱入口を通して予熱媒体230を受容し、加熱出口を通して予熱媒体230を出力するように構成されることができる。種々の実施形態では、乳入口、乳出口、加熱入口、および加熱出口はそれぞれ、向流熱交換が、乳入口および乳出口を通して流動する入力乳製品と加熱入口および加熱出口を通して流動する予熱媒体との間で起こり得るように、予熱器205上に位置する。例えば、乳入口および加熱出口は、予熱器205の片側にある。乳入口および加熱出口は、相互に隣接し得る。加えて、乳出口および加熱入口は、予熱器205の反対側にある。ここでは、乳出口および加熱入口もまた、相互に隣接し得る。したがって、予熱器205内の入力乳製品の流動および予熱媒体230の流動は、相互に方向的に対向し、それによって、予熱器205内の入力乳製品と予熱媒体230との間の効率的な向流熱交換を可能にすることができる。
種々の実施形態では、加熱入口を通して予熱器205の中に給送される予熱媒体230は、第1の標的温度にある、またはそれを上回る。すなわち、予熱媒体230は、電気加熱手段を使用して、乳滅菌器130の別個のチャンバ内で第1の標的温度まで、またはそれを上回って加熱されてもよい。他の実施形態では、予熱媒体230は、予熱器205内に存在する別個のチャンバ内で第1の標的温度まで、またはそれを上回って加熱されることができる。いったん予熱媒体230が第1の標的温度になる、またはそれを上回ると、これは、次いで、向流熱交換を通して入力乳製品を加熱するために、予熱器205を通して流動される。
予熱媒体230は、水、鉱油、ならびに合成または有機系溶液等の高比熱容量を伴う任意のタイプの加熱流体であってもよい。いくつかの実施形態では、予熱媒体230は、加熱された蒸気を含んでもよい。他の実施形態では、予熱媒体230は、予熱媒体230が、ガス形態(例えば、蒸気)にあることと対照的に、液体形態(例えば、液体水)であることを確実にする標的圧力に保持されてもよい。これは、向流熱交換が予熱器205内の液体予熱媒体230と液体乳との間で起こることを確実にする。
乳入口および乳出口は、それを通して標準化された乳が流動する管によって予熱器205内で接続される。いくつかの実施形態では、管は、線形管である。種々の実施形態では、管は、螺旋管であってもよい。予熱器205内の螺旋管は、螺旋管内の予熱媒体230と入力乳製品との間の熱交換のために利用可能である管の表面積を増加させる。
管はさらに、入力乳製品が第1の標的温度まで加熱されることを確実にするように構成される。例えば、管の長さは、入力乳製品が、第1の標的温度まで予熱され、依然として螺旋管内にある間に第1の標的温度の閾値範囲内で平衡化することが可能であるように、選択されてもよい。別の実施例として、螺旋管の螺旋の数は、入力乳製品が、第1の標的温度まで予熱され、依然として螺旋管内にある間に第1の標的温度の閾値範囲内で平衡化することが可能であるように、選定される。加えて、管の直径は、0.25インチ~10インチであってもよい。いくつかの実施形態では、管の直径は、0.25インチ~5インチである。いくつかの実施形態では、管の直径は、0.25インチ~1インチである。いくつかの実施形態では、管の直径は、0.25インチ~0.5インチである。いくつかの実施形態では、管の直径は、0.25インチ、0.5インチ、0.75インチ、1インチ、2インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、7インチ、8インチ、9インチ、または10インチである。
ここで乳滅菌器130の最終ヒータ210を参照すると、種々の実施形態では、最終ヒータ210は、予熱器205と比較して同様に構成されてもよい。概して、予熱器205に関する上記の説明はまた、ここで別様に明示的に記載されない限り、最終ヒータ210に適用されてもよい。
例えば、最終ヒータ210は、予熱器205から予熱された乳製品を受容する乳入口を含むことができ、乳出口を通して最終加熱乳製品を出力する。同様に、最終ヒータ210は、最終加熱媒体235を受容する加熱入口と、最終加熱媒体235を出力する加熱出口とを含む。乳入口、乳出口、加熱入口、および加熱出口はそれぞれ、向流熱交換が、乳入口および乳出口を通して流動する予熱された乳製品と加熱入口および加熱出口を通して流動する最終加熱媒体235との間で起こり得るように、最終ヒータ210上に位置する。乳入口および加熱出口は、最終ヒータ210の片側にあり得る一方、乳出口および加熱入口は、最終ヒータ210の反対側にあり得る。したがって、向流熱交換は、最終ヒータ210内で最終加熱媒体235と予熱された乳製品との間で起こることができる。
最終ヒータ210は、最終ヒータ210が(例えば、80℃~100℃の第1の標的温度における)予熱された乳製品の温度を第2の標的温度まで上昇させる点において、予熱器205と異なる。再び図3を参照すると、第2の標的温度は、130℃~150℃であってもよい。一実施形態では、第2の標的温度は、138℃~142℃であってもよい。一特定の実施形態では、第2の標的温度は、140℃~141℃である。予熱された乳製品を第2の標的温度まで加熱するために、最終ヒータ210は、別個のチャンバ内で第2の標的温度まで、またはそれを上回って前もって加熱された最終加熱媒体235を受容する。種々の実施形態では、最終加熱媒体235は、向流熱交換が予熱された乳製品と最終加熱媒体235との間で起こるとき、最終加熱媒体235が液体形態にあることを確実にするために、大気圧よりも高い標的圧力下で保持されてもよい。最終加熱媒体235がその下で保持される圧力は、最終加熱媒体235の温度がより高いことを考慮して、予熱媒体230がその下で保持される圧力よりも高くあり得る。
保持管215は、加熱された乳製品の温度をある保持時間(例えば、所定の時間の量)にわたって第2の標的温度またはその付近に保持する断熱管である。所定の時間の量は、細菌(例えば、セレウス菌およびボツリヌス菌)レベルが、滅菌乳製品中の栄養成分(例えば、タンパク質、脂肪、免疫グロブリン、オリゴ糖)の完全性を維持しながら低減されるように、選択される。一実施形態では、保持時間は、最大50秒である。別の実施形態では、保持時間は、2秒~20秒である。いくつかの実施形態では、保持時間は、3秒~15秒である。いくつかの実施形態では、保持時間は、6~14秒である。いくつかの実施形態では、保持時間は、8~13秒である。一実施形態では、保持時間は、12~13秒である。
所望の保持時間を達成するために、保持管215は、具体的に構成されることができる。図2に描写されるように、保持管215は、螺旋管であってもよい。管を通した乳の一定の流速を考慮して、螺旋管は、保持時間を増加または減少させるために、付加的もしくはより少ない螺旋(例えば、付加的または短縮された長さ)とともに設計されることができる。代替として、管の一定の長さに関して、管を通した乳の流速は、保持管215の直径を調節することによって調整されることができる。したがって、管直径を増加または減少させることは、保持時間の対応する増加または減少をもたらす。乳滅菌器130は、種々の異なる保持時間を達成するために、最終ヒータ210と冷却器220との間に設置され得る、1つまたはそれを上回る交換可能保持管215を有することができる。
冷却器220は、保持管215から加熱された乳製品を受容し、標的温度まで冷却する。いくつかの実施形態では、冷却後の標的温度は、15℃~25℃である。他の実施形態では、標的温度は、室温(例えば、23℃)である。他の実施形態では、標的温度は、冷蔵温度等の1℃~8℃(例えば、4℃)である。
種々の実施形態では、冷却器220は、加熱された乳製品を冷却するために、予熱器205および最終ヒータ210のものと同様に、向流熱交換を採用することができる。概して、予熱器205の構成に関する上記の説明はまた、ここで別様に明示的に記載されない限り、冷却器220に適用されてもよい。すなわち、冷却器220は、乳入口と、乳出口と、冷却媒体入口と、冷却媒体出口とを有してもよい。入口/出口は、加熱された乳製品と冷却媒体240との間の向流熱交換が起こるように位置付けられてもよい。予熱器205および最終ヒータ210と同様に、乳入口および冷却媒体出口は、冷却器220の片側にあり得る一方、乳出口および冷却媒体入口は、反対側にあり、向流熱交換を可能にする。他の実施形態では、冷却器220は、加熱された乳製品を標的温度まで冷却するために、他の冷却方法を採用することもできる。冷却媒体240によって出力される冷却された乳製品は、以降では、滅菌人乳製品175と称される。
(6.2.1.7. さらなる加工および包装)
閉鎖インライン滅菌システム100から取得された滅菌人乳製品175はさらに、加工および/または包装されることができる。
実施例として、滅菌人乳製品175はさらに、包装ステップを受けてもよい。種々の実施形態では、本包装ステップは、滅菌人乳製品175が悪混されないままであり、消費のために安全であることを確実にする、無菌包装プロセスである。そのような無菌包装プロセスは、包装整頓、滅菌人乳製品175を用いた包装の無菌充填、包装の熱シール、包装の標識化およびコード化、包装のタンパーエビデントシール、ならびに容器結束のステップを含んでもよい。無菌包装は、現在、未熟児等の幼児による消費を意図される滅菌人乳製品175のために好ましい。他の実施形態では、包装プロセスは、賞味期限延長(ESL)包装プロセスである。種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、未熟児等の幼児への滅菌人乳製品175の授乳を促進する瓶またはブースターカップの中に包装される。いくつかの実施形態では、包装は、紙箱、紙ブリック(例えば、TETRA PAK無菌ブリック)、またはパウチであってもよい。
幼児、特に、未熟児による遠隔消費のために好適な滅菌人乳製品175のために好ましいものを含む、いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175は、無菌包装され、医薬品滅菌基準を満たす。より具体的には、滅菌人乳製品175が酸素に暴露される(例えば、包装が開封される)場合であっても、滅菌人乳製品175は、病原性微生物が滅菌プロセスの間に十分に根絶されているため、無菌かつ消費のために安全なままである。他の実施形態では、滅菌人乳製品175は、ESL包装され、したがって、包装後の長い時間周期にわたって消費のために安全なままであることができる。
(6.2.1.8. デバイス滅菌基準)
全体的に、システム100のデバイスは、それぞれ、ある基準を満たすように設計される。
例えば、一実施形態では、細菌浄化器135Aおよび135B、乳分離器140、濃縮器145、ならびに乳コンバイナ150は、それぞれ、等級「A」低温殺菌乳法令(PMO)基準を満たす。乳滅菌器130は、PMO基準を満たすように設計されることができる。いくつかの実施形態では、乳滅菌器130は、さらに高い基準を満たすように設計され、すなわち、滅菌器130は、GMP基準または医薬品等級基準を満たすように設計されることができる。実施例として、GMPまたは医薬品等級基準を満たすために、衛生的溶接が、採用される一方、ねじ山付き継手が、乳滅菌器130内で回避される。種々の実施形態では、閉鎖インライン滅菌システム100は、定置洗浄(CIP)システムであり、閉鎖インラインシステム100が洗浄されるために分解される必要がないことを意味する。
(6.2.2. 滅菌人乳製品を生成する方法)
ここで、本発明の実施形態による、滅菌人乳製品175を生成するためのフローチャートを描写する図4が、参照される。
未加工ヒト母乳110が、最初に取得される。典型的な実施形態では、例えば、個々の未加工母乳寄付物(サンプル)が、複数のヒトドナーから受容される(405)。未加工ヒト母乳寄付物はそれぞれ、任意の寄付物が品質制御基準を満たすことができないかどうかを判定するために、検証される(410)。寄付物が品質制御基準に合格しない場合、これは、次いで、廃棄される。検証されたサンプルは、貯留される(415)。貯留される検証されたサンプルは、次いで、入力としてシステム100の中に提供される、未加工ヒト母乳110を表す。種々の実施形態では、本システムは、閉鎖インライン滅菌システム100である。
(6.2.2.1. 幼児による遠隔消費のための滅菌人乳製品を生成する方法)
未熟児等の幼児による遠隔消費を意図される滅菌人乳製品に関して、(i)最大限の滅菌および病原体の除去、(ii)標準化、ならびに(iii)栄養素の保持が、好ましい。
故に、継続して図4を参照すると、好ましい実施形態では、システム100は、浄化プロセスを通して未加工ヒト母乳110から病原体の一部(例えば、最大90%)を排除する(420)。種々の実施形態では、本プロセスは、システム100の単一の細菌浄化器135によって実施される単一の細菌浄化プロセスである。種々の実施形態では、本プロセスは、システム100の細菌浄化器135によって実施される二重細菌浄化プロセスである。
未熟児等の幼児による遠隔消費を意図される典型的な実施形態では、浄化された乳122は、次いで、乳標準化器120の中に入力される。
図1Cを参照すると、乳標準化器120は、次いで、浄化された人乳をクリーム画分155およびスキム画分160に分離する。種々の実施形態では、本分離プロセスは、システム100の乳分離器140によって実施される。
システム100はさらに、スキム画分160を濃縮することによって保持液を生成する。種々の実施形態では、システム100の濃縮器145は、保持液を生成するために、スキム画分160に逆浸透プロセスを実施する、膜濾過デバイスである。システム100は、クリーム画分155の一部を保持液の一部と組み合わせることによって、標準化された人乳製品を設計する(435)。種々の実施形態では、クリーム画分155および保持液の一部を組み合わせるステップは、システム100の乳コンバイナ150によって実施される。組み合わせられるクリーム画分155および保持液の一部を判定するために、乳コンバイナ150は、クリーム画分155および保持液のそれぞれの中の成分の特性または濃度を検出する。したがって、ある比率のクリーム画分155および保持液が、標準化された人乳製品中の成分の標的特性または濃度を達成するように組み合わせられることができる。
栄養値の保持に関して、現在、均質化を省略することが、好ましい。
システム100は、標準化された人乳製品を滅菌する(440)。種々の実施形態では、滅菌プロセスは、システム100の乳滅菌器130によって実施される向流熱交換プロセスである。ここで、本発明の実施形態による、乳製品を滅菌するフローチャートを描写する図5が、参照される。特に、図5のフロープロセスは、図4の滅菌ステップ440をさらに詳細に描写する。
システム100の乳滅菌器130は、医薬品等級デバイスであってもよい。乳滅菌器130は、いくつかの実施形態では、均質化されていない標準化された人乳製品を受容する(505)。乳滅菌器130は、向流熱交換滅菌プロセスを通して滅菌を実施する。すなわち、標準化された人乳製品は、乳滅菌器130の管を通して第1の流速において第1の方向に流動される(510)。種々の実施形態では、管は、0.25~10インチの直径を有する。標準化された人乳製品は、0.25ガロン/分~25ガロン/分の速度において管を通して流動される。
乳滅菌器130は、加熱流体を第2の流速において第2の方向に流動させることによって、管内に位置する標準化された人乳製品を加熱する(515)。加熱流体は、管の外面と接触する。種々の実施形態では、加熱流体は、加熱された水であり、加熱された水が流動している第2の方向は、標準化された人乳製品が流動している第1の方向と対向する。したがって、標準化された人乳製品が管を通して流動するにつれて、第2の管を通して流動する加熱された水からの熱は、管の表面を通して容易に伝達され、標準化された人乳製品を加熱することができる。
種々の実施形態では、乳滅菌器130は、標準化された乳製品を予熱し、次いで、予熱された乳製品を標的温度までさらに加熱し、乳製品をある持続時間にわたって標的温度に保持する。標的温度は、130℃~150℃であり、標準化された人乳製品は、6~14秒にわたって標的温度に保持されてもよい。本プロセスは、標準化された人乳製品中の成分および栄養素も維持しながら、標準化された人乳製品中に存在し得る病原体をさらに排除するように精緻化される。
乳滅菌器130は、滅菌人乳製品175を取得するために、加熱された人乳製品を加熱された温度から下げるように冷却する(520)。種々の実施形態では、人乳製品は、15℃~25℃の室温まで冷却される。他の実施形態では、人乳製品は、1℃~8℃の冷蔵温度まで冷却される。
滅菌人乳製品175は、乳滅菌器130によって提供される(525)。例えば、図4のフロープロセスに再び目を向けると、滅菌人乳製品175は、乳滅菌器130から取得され、包装される(445)。種々の実施形態では、これは、滅菌人乳製品が幼児への授乳のために提供されることに先立って汚染されないことを確実にするための無菌包装プロセスであってもよい。そのような実施形態では、無菌包装された滅菌人乳製品は、冷蔵を伴わずに分配されてもよい。
ある実施形態では、本方法はさらに、滅菌前に標準化された乳製品を強化するステップを含む。
具体的実施形態では、本方法はさらに、初乳を用いて標準化された乳製品を強化するステップを含む。典型的な実施形態では、初乳は、ウシ初乳である。ある実施形態では、初乳は、ヒツジまたはヤギ初乳である。ある実施形態では、本方法は、2016年12月27日に出願された米国仮出願第62/439,408号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように、タンパク質または高純窒素利用(NNU)タンパク質組成物を用いて標準化された乳製品を強化するステップを含む。ある実施形態では、本方法は、抗体、ビタミン、イオン性塩(例えば、ナトリウム、カルシウム、鉄等)、コレステロール等の脂肪、および/または人乳オリゴ糖等の炭水化物を用いて標準化された乳製品を強化するステップを含む。
(6.2.2.2. 成人による遠隔消費のための滅菌人乳製品を生成する方法)
成人による遠隔消費のための滅菌人乳製品を生成する方法のある実施形態では、システム100は、浄化プロセスを通して未加工ヒト母乳110から病原体の一部(例えば、最大90%)を排除する(420)。種々の実施形態では、本プロセスは、システム100の1つまたはそれを上回る細菌浄化器135によって実施される単一または二重細菌浄化プロセスである。しかしながら、成人による遠隔消費を意図される滅菌人乳製品は、幼児、特に、未熟児による遠隔消費を意図される滅菌人乳製品ほど厳重な滅菌性を要求しない。故に、いくつかの実施形態では、本方法は、細菌浄化を省略する。
成人による遠隔消費を意図されるいくつかの実施形態では、ヒト母乳が、事前浄化の有無を問わず、次いで、幼児による遠隔消費のための滅菌人乳製品に関して上記に説明されるように、乳標準化器120の中に入力され、標準化される。しかしながら、成人による遠隔消費を意図される滅菌人乳製品は、幼児、特に、未熟児による遠隔消費を意図される滅菌人乳製品ほど厳重な標準化を要求しない。故に、いくつかの実施形態では、本方法は、標準化を省略する。
成人による遠隔消費を意図される滅菌人乳製品は、有用に強化されることができる。種々の実施形態では、したがって、本方法は、乳滅菌器130による滅菌の前に乳を強化するステップを含む。
具体的実施形態では、本方法はさらに、初乳を用いて乳製品を強化するステップを含む。典型的な実施形態では、初乳は、ウシ初乳である。ある実施形態では、初乳は、ヒツジまたはヤギ初乳である。
ある実施形態では、本方法は、タンパク質を用いて乳製品を強化するステップを含む。特定の実施形態では、本方法は、2016年12月27日に出願された米国仮出願第62/439,408号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように、高純窒素利用(NNU)タンパク質組成物を用いて乳製品を強化するステップを含む。本明細書に説明される説明では、高純窒素利用(NNU)タンパク質組成物は、遊離アミノ酸、すなわち、ペプチド結合によっていずれの他のアミノ酸にも結合されていないアミノ酸から成る。
典型的なNNU強化の実施形態では、高NNU組成物中のアミノ酸の少なくとも重量比95%が、遊離アミノ酸である。ある実施形態では、高NNU組成物中のアミノ酸の少なくとも96%、97%、98%、さらには少なくとも99%が、遊離アミノ酸である。典型的な実施形態では、高NNU組成物中のアミノ酸の重量比5%未満が、ペプチドに組み込まれる。ある実施形態では、アミノ酸の重量比4%、3%、2%未満、さらには1%未満が、ペプチドに組み込まれる。特定の実施形態では、組成物は、いかなる検出可能なペプチドも含有していない。
典型的な実施形態では、高NNU組成物は、それぞれ、L-異性体として、イソロイシンと、ロイシンと、リジンと、メチオニンと、フェニルアラニンと、トレオニンと、トリプトファンと、バリンとから成る。いくつかの実施形態では、高NNU組成物はさらに、L-ヒスチジンから成る。いくつかの実施形態では、高NNU組成物はさらに、1つまたはそれを上回る非必須アミノ酸から成る。
典型的な実施形態では、アミノ酸は、米国特許第5,132,113号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される比率で存在する。これらの実施形態のうちのあるものでは、アミノ酸は、10グラムの組成物あたりグラムにおいて以下の割合で存在する。
(a)1.217~1.647のイソロイシン
(b)1.827~2.735のロイシン
(c)1.260~2.359のリジン
(d)0.232~0.778のメチオニン
(e)0.843~1.314のフェニルアラニン
(f)0.970~1.287のトレオニン
(g)0.208~0.467のトリプトファン
(h)1.260~1.900のバリン
ある実施形態では、アミノ酸は、10グラムの組成物あたりグラムにおいて、表1の8つの組成物(I-VIII)のうちの1つに記載される割合で存在する。
Figure 2022163221000002
典型的な実施形態では、高NNU組成物は、少なくとも1.0g/100g(1.0重量%)、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、または少なくとも1.4重量%の最終加工組成物のタンパク質濃度(F=6.38)を確実にするために十分な量において添加される。ある実施形態では、高NNU組成物は、少なくとも1.30重量%、1.31重量%、1.32重量%、1.33重量%、1.34重量%、1.35重量%、1.36重量%、1.37重量%、1.38重量%、1.39重量%、または少なくとも1.40重量%の最終加工組成物のタンパク質濃度を確実にするために十分な量において添加される。
いくつかの実施形態では、高NNU組成物は、1.4重量%を上回る最終加工組成物のタンパク質濃度を確実にするために十分な量において添加される。これらの高タンパク質実施形態のうちのあるものでは、高NNU組成物は、1.40重量%、1.41重量%、1.42重量%、1.43重量%、1.44重量%、1.45重量%、1.46重量%、1.47重量%、1.48重量%、1.49重量%を上回る、さらには1.50重量%を上回る最終加工組成物のタンパク質濃度を確実にするために十分な量において添加される。これらの高タンパク質実施形態のうちのあるものでは、高NNU組成物は、1.6重量%、1.7重量%、1.8重量%、1.9重量%を上回る、またはさらには2.0重量%を上回る最終加工組成物のタンパク質濃度を確実にするために十分な量において添加される。
種々の実施形態では、高NNU組成物は、最終加工組成物のタンパク質含有量の少なくとも5%を提供する量において添加される。ある実施形態では、高NNU組成物は、最終加工組成物のタンパク質含有量の少なくとも6%、7%、8%、9%、または少なくとも10%を提供する量において添加される。特定の実施形態では、高NNU組成物は、最終加工組成物のタンパク質含有量の少なくとも15%、20%、さらには少なくとも25%を提供する量において添加される。ある実施形態では、高NNU組成物は、最終加工組成物のタンパク質含有量の少なくとも30%、35%、40%、45%、またはさらには少なくとも50%を提供する量において添加される。
種々の実施形態では、高NNU組成物は、最終加工組成物のタンパク質含有量の50%未満を提供する量において添加される。具体的実施形態では、高NNU組成物は、最終加工組成物のタンパク質含有量の45%、40%、35%、30%、または25%未満を提供する量において添加される。
種々の実施形態では、高NNU組成物は、最終乳製品のタンパク質含有量の50%を上回るものを提供する量において添加される。これらの後者の実施形態は、単独で使用されてもよい、またはいくつかの実施形態では、投与前に強化されていない乳と混合されるであろう。これらの実施形態のうちのあるものでは、高NNU組成物は、最終プロセス乳製品の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、さらには少なくとも80%、85%、90%、または95%を提供する量において添加される。
いくつかの実施形態では、乳製品は、香味料を用いて強化される。いくつかの実施形態では、乳製品は、天然着色料を用いて強化される。
いくつかの実施形態では、乳製品は、ビタミンを用いて強化される。具体的実施形態では、乳製品は、ビタミンCを用いて強化される。具体的実施形態では、乳製品は、ビタミンDを用いて強化される。
いくつかの実施形態では、乳製品は、ミネラルを用いて強化される。特定の実施形態では、乳製品は、カルシウムを用いて強化される。ある実施形態では、乳製品は、マグネシウムを用いて強化される。
いくつかの実施形態では、乳製品は、乳製品からガスを除去するために脱気されることができる。種々の実施形態では、したがって、本方法は、乳滅菌器130による滅菌前に乳製品を脱気するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、乳製品を強化した後に乳製品を脱気するステップを含む。
成人による遠隔消費を意図される滅菌人乳製品を生産する方法の種々の実施形態では、均質化は、省略される。他の実施形態では、乳製品は、均質化される。ある実施形態では、乳製品は、滅菌前に均質化される。他の実施形態では、乳製品は、滅菌後に均質化される。
(6.3. 滅菌人乳製品の組成物)
種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、40~80カロリー/100mL、50~70カロリー/100mL、または60~70カロリー/100mLを有する。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175は、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70カロリー/100mLを有する。特定の実施形態では、滅菌人乳製品175は、63.0~67.0カロリー/100mLを有する。ある実施形態では、滅菌人乳製品175は、65.0~66.0カロリー/100mLを有する。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、100ミリリットル(mL)あたり脂肪からの24~40カロリーを有する。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175は、脂肪からの24~28カロリー/100mL、脂肪からの28~32カロリー/100mL、脂肪からの32~36カロリー/100mL、または脂肪からの36~40カロリー/100mLを有する。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175は、脂肪からの28~36カロリー/100mLを有する。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175は、脂肪からの28カロリー/100mL、脂肪からの29カロリー/100mL、脂肪からの30カロリー/100mL、脂肪からの31カロリー/100mL、脂肪からの32カロリー/100mL、脂肪からの33カロリー/100mL、脂肪からの34カロリー/100mL、脂肪からの35カロリー/100mL、または脂肪からの36カロリー/100mLを有する。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、少なくとも3.0g/100mL(3重量%)、3.1重量%、3.2重量%、3.3重量%、3.4重量%、3.5重量%、3.6重量%、3.7重量%、3.8重量%、3.9重量%、または4.0重量%の総脂肪含有量を有する。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175は、4.0重量%を上回る総脂肪含有量を有する。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の100mLあたり1.2ミリグラム(mg)、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、または1.8mgの飽和脂肪を含む。種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の100mLあたり10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、または16mgのコレステロールを含む。種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の100mLあたり10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、または20mgのナトリウムを含む。種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の100mLあたり4g、5g、6g、7g、8g、9g、または10gの炭水化物を含む。種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の100mLあたり4g、5g、6g、または7gの糖を含む。種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の100mLあたり1.2g、1.3g、1.4g、1.5g、または1.6gのタンパク質を含む。種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の100mLあたり160国際単位(IU)、170IU、180IU、190IU、または200IUのビタミンAを含む。種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の100mLあたり27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、または35mgを含む。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、1人またはそれを上回るヒトドナーから取得された未加工ヒト母乳110中のボツリヌス菌の量と比較して、低減された量のクロストリジウムボツリヌム(ボツリヌス菌)を有する。いくつかの実施形態では、ボツリヌス菌の低減は、12~50logの低減、20~45logの低減、または30~42logの低減である。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175は、未加工ヒト母乳110中のボツリヌス菌のレベルと比較して、ボツリヌス菌のレベルの30log、31log、32log、33log、34log、35log、36log、37log、38log、39log、40log、41log、または42logの低減を有する。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、1人またはそれを上回るヒトドナーから取得された未加工ヒト母乳110中のセレウス菌の量と比較して、低減された量のセレウス菌を有する。種々の実施形態では、セレウス菌の低減は、未加工ヒト母乳110中のセレウス菌のレベルと比較して、セレウス菌のレベルの1,000logを上回る低減である。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の1グラムあたり10コロニー形成単位(CFU)未満の細菌好気性平板菌数を有する。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175は、滅菌人乳製品175の1グラムあたり10CFUを下回る酵母およびカビ数を有する。
種々の実施形態では、滅菌人乳製品175は、未加工ヒト母乳110と比較して、あるパーセンテージを上回る成分を保持する。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンA(IgA)の保持率は、73%を上回る。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンM(IgM)の保持率は、74%を上回る。いくつかの実施形態では、免疫グロブリンG(IgG)の保持率は、93%を上回る。いくつかの実施形態では、アンチトリプシンの保持率は、55%を上回る。いくつかの実施形態では、ラクトフェリンの保持率は、74%を上回る。いくつかの実施形態では、リゾチームの保持率は、64%を上回る。いくつかの実施形態では、ラクトアルブミンの保持率は、65%を上回る。いくつかの実施形態では、アルファカゼインの保持率は、86%を上回る。いくつかの実施形態では、ベータカゼインの保持率は、89%を上回る。いくつかの実施形態では、カッパカゼインの保持率は、81%を上回る。いくつかの実施形態では、オステオポンチンの保持率は、80%を上回る。いくつかの実施形態では、総HMOの保持率は、79%を上回る。いくつかの実施形態では、フコシル化HMOの保持率は、90%を上回る。さらに、いくつかの実施形態では、2′-フコシルラクトースの保持率は、90%を上回る。いくつかの実施形態では、3′-フコシルラクトースの保持率は、90%を上回る。いくつかの実施形態では、シアル酸付加HMOの保持率は、90%を上回る。いくつかの実施形態では、非フコシル化HMOの保持率は、89%を上回る。
滅菌人乳製品175中の成分の絶対濃度を参照すると、いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のラクトフェリンの濃度は、0.81g/L~13.28g/Lである。他の実施形態では、滅菌人乳製品175中のラクトフェリンの濃度は、1g/L~12g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のラクトフェリンの濃度は、2g/L、3g/L、4g/L、5g/L、6g/L、7g/L、8g/L、9g/L、10g/L、または11g/Lである。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のリゾチームの濃度は、0.012g/L~0.105g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のリゾチームの濃度は、0.015g/L~0.105g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のリゾチームの濃度は、0.021g/L、0.022g/L、0.023g/L、0.024g/L、0.025g/L、0.026g/L、0.027g/L、0.028g/L、0.029g/L、0.030g/L、0.031g/L、0.032g/L、0.033g/L、0.034g/L、0.035g/L、0.036g/L、0.037g/L、0.038g/L、0.039g/L、0.040g/L、0.041g/L、0.042g/L、0.043g/L、0.044g/L、0.045g/L、0.046g/L、0.047g/L、0.048g/L、0.049g/L、0.050g/L、0.051g/L、0.052g/L、0.053g/L、0.054g/L、0.055g/L、0.056g/L、0.057g/L、0.058g/L、0.059g/L、0.060g/L、0.061g/L、0.062g/L、0.063g/L、0.064g/L、0.065g/L、0.066g/L、0.067g/L、0.068g/L、0.069g/L、0.070g/L、0.071g/L、0.072g/L、0.073g/L、0.074g/L、0.075g/L、0.076g/L、0.077g/L、0.078g/L、0.079g/L、0.080g/L、0.081g/L、0.082g/L、0.083g/L、0.084g/L、0.085g/L、0.086g/L、0.087g/L、0.088g/L、0.089g/L、0.090g/L、0.091g/L、0.092g/L、0.093g/L、0.094g/L、0.095g/L、0.096g/L、0.097g/L、0.098g/L、0.099g/L、0.100g/L、0.101g/L、0.102g/L、0.103g/L、0.104g/L、または0.105g/Lである。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のラクトアルブミンの濃度は、1.87g/L~2.68g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のラクトアルブミンの濃度は、2.0g/L~2.6g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のラクトアルブミンの濃度は、2.2g/L~2.4g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のラクトアルブミンの濃度は、2.21g/L、2.22g/L、2.23g/L、2.24g/L、2.25g/L、2.26g/L、2.27g/L、2.28g/L、2.29g/L、2.30g/L、2.31g/L、2.32g/L、2.33g/L、2.34g/L、2.35g/L、2.36g/L、2.37g/L、2.38g/L、または2.39g/Lである。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のアンチトリプシンの濃度は、0.057g/L~0.40g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のアンチトリプシンの濃度は、0.10g/L~0.30g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のアンチトリプシンの濃度は、0.11g/L、0.12g/L、0.13g/L、0.14g/L、0.15g/L、0.16g/L、0.17g/L、0.18g/L、0.19g/L、0.20g/L、0.21g/L、0.22g/L、0.23g/L、0.214g/L、0.25g/L、0.26g/L、0.27g/L、0.28g/L、または0.29g/Lである。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のHMOの濃度は、8.8g/L~20.0g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のHMOの濃度は、10g/L~18g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のHMOの濃度は、14g/L~16g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のHMOの濃度は、10g/L、11g/L、12g/L、13g/L、14g/L、15g/L、16g/L、17g/L、または18g/Lである。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のフコシル化HMOの濃度は、5.46g/L~5.6g/mLである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のフコシル化HMOの濃度は、5.47g/L、5.48g/L、5.49g/L、5.50g/L、5.51g/L、5.52g/L、5.53g/L、5.54g/L、5.55g/L、5.56g/L、5.57g/L、5.58g/L、または5.59g/Lである。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中の2′-フコシルラクトースの濃度は、0.72g/L~4.3g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中の2′-フコシルラクトースの濃度は、1g/L~4g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中の2′-フコシルラクトースの濃度は、1.1g/L、1.2g/L、1.3g/L、1.4g/L、1.5g/L、1.6g/L、1.7g/L、1.8g/L、1.9g/L、2.0g/L、2.1g/L、2.2g/L、2.3g/L、2.4g/L、2.5g/L、2.6g/L、2.7g/L、2.8g/L、2.9g/L、3.0g/L、3.1g/L、3.2g/L、3.3g/L、3.4g/L、3.5g/L、3.6g/L、3.7g/L、3.8g/L、3.9g/L、または4.0g/Lである。
いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中の3′-フコシルラクトースの濃度は、0.92g/L~0.93g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のシアル酸付加HMOの濃度は、1.08g/L~1.11g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中のシアル酸付加HMOの濃度は、1.09g/L~1.10g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中の非フコシル化HMOの濃度は、2.46~2.56g/Lである。いくつかの実施形態では、滅菌人乳製品175中の非フコシル化HMOの濃度は、2.47g/L、2.48g/L、2.49g/L、2.50g/L、2.51g/L、2.52g/L、2.53g/L、または2.54g/Lである。
(7. 実施例)
以下の実施例は、当業者に本発明を作製および使用する方法の完全な開示ならびに説明を提供するように記載され、本発明と見なされるものの範囲を限定することを意図していない。使用される数字(例えば、量、温度、濃度等)に関する正確度を確実にするための努力が、成されているが、ある程度の実験誤差および偏差は、許容されるべきである。別様に示されない限り、部分は、重量比部分であり、分子量は、平均分子量であり、温度は、摂氏度にあり、圧力は、大気圧またはその付近にある。
(7.1. 実施例1:人乳のパイロットスケール超高温滅菌)
14回の異なる滅菌工程が、超高温滅菌が人乳に適用され、人乳の所望の成分の同時保全とともに高レベルの滅菌を達成し得るかどうかを判定するために、超高温Lab-25電気高粘度ハイブリッドユニット(MicroThermics, Raleigh, NC)を使用して、ヒトドナーから取得された人乳に実施された。
人乳は、滅菌に先立って、検証および貯留された。
人乳は、向流熱交換を受けながら標的温度まで加熱され、ある持続時間にわたって標的温度に保持された。図6Aは、種々の滅菌工程からのパラメータ(例えば、温度および保持時間)を描写する。概して、流体要素滞留時間(FERT)の観点から列挙される保持時間は、135℃~145℃の温度範囲で6.6秒~最大12.6秒に及んだ。FERTは、保持管の中心を通して流動する要素(例えば、乳)の滞留時間を指す。人乳製品の0.25ガロン/分の流速が、全ての工程を横断して一定に保持された。加えて、工程毎のボツリヌス菌およびセレウス菌のlog低減が、図6Aに描写される。概して、データは、ボツリヌス菌含有量の12~50logの低減およびセレウス菌の1,000logを上回る低減を確認する。これは、所与の食品の滅菌に関する標準的な12logの低減(12D概念)を満たし、それを超える。
注目すべきこととして、付加的人乳サンプルが、工程8に関して示される加工パラメータ(例えば、保持時間=8.1秒、温度=286F/141.1℃)を使用して超高温滅菌を受けた。滅菌後、付加的滅菌人乳製品はまた、セレウス菌の1,000logを上回る低減を呈した。
ここで、未加工人乳サンプルならびに8.1秒の保持時間および144.1℃の標的温度を含んだ工程11からの滅菌人乳製品の比較栄養データを描写する図6Bが、参照される。図6Bに示されるように、100gサンプルに関して、最小差が、未加工人乳と比較して、総カロリー、総脂肪、コレステロール、ナトリウム、炭水化物、タンパク質、ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、鉄、アミノ酸、ビタミンを含む、重要な栄養成分および性質において観察された。すなわち、滅菌人乳製品の成分(ナトリウムを除く)および性質の大部分は、未加工人乳サンプルの成分および特性と比較して、6%またはそれ未満の差異を呈した。
工程8の加工パラメータ(例えば、保持時間=8.1秒、温度=286F/141.1℃)を使用して超高温滅菌を受けた付加的滅菌人乳製品はさらに、標準化された食糧農業機構(FAO)方法(例えば、FAO文書51(1991年))を使用して、タンパク質品質に関して分析された。本滅菌人乳製品のタンパク質消化率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)は、73.3(重量比%)であった。
ここで、実験工程のうちの2つ、すなわち、工程4および工程11に関する滅菌人乳製品と比較して、未加工ヒト母乳の第1のバッチ中の質量分析によって測定された成分の比較濃度ならびに存在度を描写する図6Cが、参照される。工程4および11から取得された滅菌人乳製品はそれぞれ、未加工ヒト母乳の第1のバッチに由来した。質量分析によって定量化された成分は、免疫グロブリン(IgA、IgM、およびIgG)と、タンパク質(アンチトリプシン、ラクトフェリン、リゾチーム、ラクトアルブミン、アルファカゼイン、ベータカゼイン、カッパカゼイン、およびオステオポンチン)と、人乳オリゴ糖(HMO)とを含む。個別の滅菌工程毎の標準化された人乳製品中の成分のそれぞれの保持率が、図6Cにさらに描写される。
具体的には、工程4滅菌プロセスは、IgM(78%保持)およびアンチトリプシン(68%保持)を除いて、80%を上回る成分の大部分の保持率をもたらした。重要なこととして、図6Cは、多くの場合、滅菌人乳製品において見過ごされる人乳の成分である、総HMOの濃度および保持数を含む。ここでは、工程4滅菌プロセスを使用して生成された滅菌人乳製品は、総HMOの92%を保持する。工程11滅菌プロセスは、93%の総HMOを保持した。
ここで、第2の未加工乳バッチと比較して、滅菌人乳製品中の質量分析によって測定された成分の比較濃度および存在度をさらに描写する図6Dが、参照される。具体的には、図6Dは、図6Aに示されるように、工程7および工程14の結果として取得された滅菌乳製品を描写する。工程7および14から取得された滅菌人乳製品はそれぞれ、未加工ヒト母乳の第2のバッチに由来した。ここでは、滅菌乳製品の測定された成分は、免疫グロブリン(IgA、IgM、およびIgG)と、タンパク質(アンチトリプシン、ラクトフェリン、リゾチーム、ラクトアルブミン、アルファカゼイン、ベータカゼイン、カッパカゼイン、およびオステオポンチン)と、人乳オリゴ糖(HMO)とを含む。さらに、HMOの個々の要素の存在度がさらに、特性評価され、個々の要素は、フコシル化HMOと、シアル酸付加HMOと、非フコシル化HMOとを含んでいた。加えて、2′-フコシルラクトース(2-FL)と、3′-フコシルラクトース(3-FL)とを含む、フコシル化HMOの個々の要素の存在度がさらに、定量化された。2-FLおよび3-FLが感染性疾患に対する防御および炎症の低減に関与していることを考慮して、滅菌プロセスを通した2-FLおよび3-FLの保持は、着目される。
ここでは、工程7および工程14滅菌プロセスは、それぞれ、80%を上回る成分の保持率をもたらし、成分の大部分は、90%を上回る保持率を被った。いくつかの成分の保持率は、100%を超えることが留意されるが、これらの結果は、測定誤差の影響であり得る。注目すべきこととして、工程7および工程14の両方に関する総HMOの保持率は、ほぼ100%であった。同様に、工程7および工程14に関する2-FLならびに3-FLの保持率もまた、それぞれ、ほぼ100%であった。これは、滅菌プロセスがHMOを損傷せず、したがって、消費されると治療効果を有し得る、2-FLおよび3-FL等の重要なHMOの生物学的利用能を確実にし得ることを実証する。
図6Cおよび図6Dの両方に示されるように、滅菌プロセスは、滅菌人乳製品中の成分の高い保持率を達成する。図6Cおよび6Dは、それぞれ、成分毎に保持率を列挙することを考慮して、滅菌人乳製品中の各成分の絶対濃度は、ドナーから取得されるときの未加工ヒト母乳中の各成分の濃度に依存するであろう。未加工人乳サンプルの第1および第2のバッチ(例えば、図6Cおよび6D)によって示され、先行文献によってさらに確認されるように、未加工ヒト母乳中の種々の成分(例えば、図6Cおよび6Dに描写される成分)の濃度は、広く変動する。例えば、先行文献は、母乳中のラクトフェリンレベルが、分娩後の時間(例えば、1日、14週間、および6カ月)の関数として異なることを示している。Shashiraj, F. M. et al., European Journal of Clinical Nutrition 60:903-908(2006年)を参照されたい。加えて、母乳中の成分のレベルは、出産が早産または満期産であったかどうかに基づいて異なる。Mehta, R. et al., Journal of Perinatology 31:58-62(2011年)を参照されたい。
具体的には、未加工ヒト母乳中のラクトフェリンの濃度は、最大14.92g/Lに及ぶことが示されている。Turn, C.G. et al., Journal of Perinatology 37(5):507-512(2017年)を参照されたい。加えて、未加工ヒト母乳中のラクトフェリンの濃度は、1g/Lと同程度に低いことが示されている。Montagne, P. et al., Advances in Experimental Medicine and Biology, vol 501(Springer, Boston, MA)を参照されたい。したがって、滅菌プロセスの(図6Cに描写されるような)工程11において達成された81%保持を考慮して、滅菌乳製品中のラクトフェリンの濃度は、0.81g/L~最大13.28g/Lに及ぶことができる。加えて、未加工ヒト母乳中のリゾチーム濃度は、0.015g/Lであり得る。Hsu, Y. et al., Pediatrics and Neonatology 55:449-454(2014年)を参照されたい。したがって、滅菌プロセスの工程7において達成された91%保持を考慮して、滅菌乳製品中のリゾチームの濃度は、0.012g/L~0.105g/L(図6Dの工程7)に及ぶことができる。加えて、未加工ヒト母乳中のラクトアルブミンの濃度は、2.28g/L~最大3.27g/Lに及ぶことができる。Affolter, M. et al., Nutrients 8(8):504(2016年)を参照されたい。したがって、滅菌プロセスの工程4において達成された82%保持を考慮して、滅菌乳製品中のラクトアルブミンの濃度は、1.87g/L~2.68g/Lに及ぶことができる。加えて、未加工ヒト母乳中のアンチトリプシン濃度は、0.1g/L~0.4g/Lに及ぶことができる。Chowanadisai, W. et al., Am. J. Clin. Nutr. 76(4):828-833(2002年)を参照されたい。したがって、工程7および工程11において達成されたアンチトリプシンのほぼ100%保持を考慮して、滅菌乳製品中のアンチトリプシンの濃度は、0.057(工程7)~最大0.4g/Lに及ぶことができる。
加えて、ヒト母乳中の人乳オリゴ糖濃度は、最大20g/Lに及ぶことができる。Gabrielli, O. et al., Pediatrics, 128(6):e1520-31(2011年)を参照されたい。図6Cは、12g/Lの人乳オリゴ糖を伴う未加工乳サンプルを描写する一方、図6Dは、8.8g/Lの人乳オリゴ糖を伴う未加工乳サンプルを描写する。したがって、工程7および14において観察されたほぼ100%保持を考慮して、滅菌乳製品中のHMOの濃度は、8.8g/L(工程14参照)~最大20g/Lに及ぶことができる。加えて、ヒト母乳中の2′-フコシルラクトース濃度は、1.1~4.3g/Lに及ぶことができる。Puccio, J. Pediatr. Gastroenterol. Nutr. 64(4): 624-631(2017年)を参照されたい。したがって、工程7および工程14において達成されたほぼ100%保持を考慮して、滅菌乳製品中の2′-フコシルラクトース濃度は、0.72g/L(工程7)~4.3g/Lに及ぶことができる。
図6Eは、未加工人乳および滅菌人乳製品に関する定量化された細菌、カビ、ならびに酵母含有量を描写する。ここでは、滅菌人乳製品は、上記に説明されるような滅菌プロセスの工程4に対応する。未加工人乳は、滅菌に先立つ同一のサンプルに対応する。各サンプルの標準好気性平板菌数が、サンプル中の微生物のレベルを判定するために実施された。各サンプルの段階希釈物が、微生物コロニー形成を可能にするために、寒天ペトリ皿上に塗布され、培養された(37℃において48時間)。各段階希釈物のコロニー形成単位(CFU)が、各ペトリ皿サンプルの好気性平板菌数を判定するために、可視化および定量化された。具体的には、滅菌人乳製品は、未加工人乳(1グラムあたり>250,000CFU)と比較して、有意により低い細菌数(1グラムあたり<10CFU)を実証した。
本明細書に開示されるようなシステムおよび方法は、セレウス菌およびボツリヌス菌含有量の低いバイオバーデンを伴う滅菌人乳製品を提供する。したがって、滅菌人乳製品は、未熟児による消費のために安全である。加えて、滅菌人乳製品は、未加工人乳組成物に匹敵するレベルの栄養成分を保持する。したがって、滅菌人乳製品は、未熟児による消費のために好適である。
(7.2. 実施例2:強化人乳のパイロットスケール超高温滅菌)
人乳が、ヒトドナーから取得され、検証され、貯留された。貯留された人乳は、13個のバッチに分割され、各バッチは、1つまたはそれを上回る補助剤を用いて強化された。補助剤は、アミノ酸と、ウシ初乳と、ビタミンプレーンと、ビタミンCと、ビタミンDと、ビスグリシン酸マグネシウムと、グリシン酸マグネシウムと、乳酸カルシウムと、L-テアニンと、ステビアと、ラクトエンザイメディカと、ビタミンチェリーと、風味付けアミノ酸と、メチルスルホニルメタンとを含む。各強化乳サンプルの調合を提示する図7Aおよび7Bが、参照される。具体的には、図7Aおよび7Bは、各強化乳サンプルを取得するために人乳の各リットルに添加された、各補助剤の量をグラムにおいて提示する。
各強化乳サンプルは、超高温Lab-25電気高粘度ハイブリッドユニット(MicroThermics, Raleigh, NC)を使用して超高温滅菌を受けた。各強化乳サンプルを滅菌するために使用された加工パラメータを提示する図7Cが、参照される。具体的には、各強化人乳サンプルは、向流熱交換を受けながら286F/141.1℃の標的温度まで加熱され、8.1秒にわたって標的温度に保持された。各強化人乳製品の0.25ガロン/分の流速が、全ての工程を横断して一定に保持された。
加えて、工程毎のセレウス菌のlog低減が、図7Cに描写される。滅菌強化乳サンプル毎に、セレウス菌の1,000logを上回る低減が、対応する未加工強化乳サンプル対応物と比較して観察された。
(7.3. 実施例3:人乳の商業スケール超高温滅菌)
人乳の商業スケールバッチの超高温滅菌が、実施された。種々のヒトドナーからの合計50,000液量オンス(約1,480リットル)の人乳が、滅菌に先立って、検証および貯留された。貯留された50,000液量オンスの人乳は、FDA登録食品生産施設であるTetra Pak Pilot Plant(Denton, TX)において、超高温処理を提供するためにTetra Therm Aseptic Flexを使用して滅菌された。
50,000液量オンスの人乳は、向流熱交換を受けながら289.4F/143℃の標的温度まで加熱され、10.3秒にわたって標的温度に保持された。人乳は、8ガロン/分の流速において滅菌システムを通して流動された。人乳の滅菌後、滅菌乳製品は、1,800~2,500psiにおいてインライン均質化を受けた。均質化された滅菌乳製品は、次いで、3つの330mL瓶の中に無菌瓶詰された。
一連の瓶が、滅菌人乳製品の組成物の判定のためにMerieux Nutrisciences(Crete, IL)に提供された。具体的には、サンプリングされた滅菌人乳製品は、以下の特性および成分、すなわち、密度(g/mL)、カロリー(g)、総脂肪(g)、一価不飽和脂肪(g)、多価不飽和脂肪(g)、飽和脂肪(g)、トランス脂肪(g)、コレステロール(mg)、ナトリウム(g)、カリウム(mg)、総炭水化物(g)、糖(g)、フルクトース(g)、グルコース(g)、ラクトース(g)、マルトース(g)、スクロース(g)、ガラクトース(g)、タンパク質(g)、カルシウム(mg)、鉄(mg)、水分(g)、灰(g)、ビタミンD2(mcg)、およびビタミンD3(mcg)に関して試験された。加えて、滅菌人乳製品はさらに、タンパク質消化率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)を使用して定量化されるタンパク質品質に関して試験された。図8Aは、分析データを提示する。加えて、図8Aは、種々の対応する分析成分を判定するために使用される方法基準を識別する。成分は、公式の公式農業化学者協会(AOAC)方法、食糧農業機構(FAO)方法、内部高速液体クロマトグラフィ、またはデータベース計算を使用して検出された。滅菌人乳製品のサンプルの密度は、1.016g/mLであった。
注目すべきこととして、滅菌乳製品のタンパク質消化率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)は、72.4(重量比%)であった。比較すると、30分にわたって145F/62.8℃において従来の低温殺菌処理を前もって受けていた、Mothers Milk Bank(San Jose, CA)から取得された低温殺菌人乳サンプルは、64.9(重量比%)のPDCAASを有していた。全体的に、滅菌乳製品は、従来の低温殺菌人乳サンプルと比較して、タンパク質品質において10%の改良を保有する。
選択された瓶はまた、無菌瓶詰された滅菌人乳製品中のセレウス菌、好気性平板菌数、総微生物数、酵母、およびカビの判定のためにMerieux NutriSciences(Salida, CA)に提供された。瓶は、滅菌工程の間の早期(瓶番号158)、滅菌工程の間の後期(瓶番号1888)、および滅菌工程の間のさらに後期(瓶番号3151)から選択された。
ここで、未加工人乳と比較して、瓶158、1888、および3151からの微生物数を描写する図8Bが、参照される。セレウス菌数は、食品中のセレウス菌を判定するための標準化されたAOAC 980.31方法を使用して判定された。各サンプルの好気性平板菌数は、標準化されたAOAC 966.23方法を使用して判定された。総微生物数は、総好気性微生物数に関する標準化されたUSP<61>試験を使用して判定された。酵母およびカビは、非無菌製品の微生物検査に関する標準化されたUSP<61>試験を使用して判定された。
3つの無菌瓶詰された滅菌均質化人乳製品はそれぞれ、有意により高いレベル(300CFU/g)の推定的セレウス菌を呈した未加工人乳サンプルと比較して、低レベル(<100CFU/g)の推定的セレウス菌を呈した。さらに、3つの無菌瓶詰された滅菌均質化人乳製品はそれぞれ、低い(<10CFU/g)好気性平板菌数および低い総微生物数(<10CFU/g)を呈した。対照的に、未加工人乳サンプルは、有意により高い(780,000CFU/g)好気性平板菌数を呈した。3つの無菌瓶詰された滅菌および均質化人乳製品はそれぞれさらに、有意により高いレベル(4,200CFU/g)の酵母を呈した未加工人乳サンプルと比較して、より低いレベル(<10CFU/g)の酵母を呈した。瓶158、1888、および3151内に含有される無菌瓶詰された滅菌および均質化人乳製品は、業界標準品質制御要件に合格し、商業的に無菌と見なされる。
(7.4. 実施例4:強化人乳の商業スケール超高温滅菌)
種々のヒトドナーからの合計27,000液量オンス(800リットル)の人乳が、超高温滅菌に先立って、検証、貯留、および強化された。具体的には、人乳は、ウシ初乳(人乳の1リットルあたり50.7g)、アミノ酸(人乳の1リットルあたり70.5g)、アスコルビン酸(人乳の1リットルあたり3.1g)、およびビタミンD(人乳の1リットルあたり4.0g)を用いて強化された。有機ステビア抽出物もまた、添加された。27,000液量オンスの強化人乳は、FDA登録食品生産施設であるTetra Pak Pilot Plant(Denton, TX)において、超高温処理を提供するためにTetra Therm Aseptic Flexを使用して滅菌された。
27,000液量オンスの強化人乳は、向流熱交換を受けながら289.4F/143℃の標的温度まで加熱され、10.3秒にわたって標的温度に保持された。強化人乳は、8ガロン/分の流速において滅菌システムを通して流動された。強化人乳の滅菌後、滅菌強化乳製品は、1,800~2,500psiにおいてインライン均質化を受けた。滅菌強化乳製品は、次いで、取得され、330mL瓶の中に無菌瓶詰された。
瓶が、滅菌強化人乳製品の組成物の判定のために、Crete(IL)に位置するMerieux Nutrisciencesに提供された。具体的には、滅菌強化人乳製品は、以下の特性および成分、すなわち、密度(g/mL)、カロリー(g)、総脂肪(g)、一価不飽和脂肪(g)、多価不飽和脂肪(g)、飽和脂肪(g)、トランス脂肪(g)、コレステロール(mg)、ナトリウム(g)、カリウム(mg)、総炭水化物(g)、糖(g)、フルクトース(g)、グルコース(g)、ラクトース(g)、マルトース(g)、スクロース(g)、ガラクトース(g)、タンパク質(g)、カルシウム(mg)、鉄(mg)、水分(g)、灰(g)、ビタミンD2(mcg)、およびビタミンD3(mcg)に関して試験された。加えて、滅菌強化人乳製品はさらに、PDCAASを使用してタンパク質品質に関して試験された。図9Aは、分析データを提示し、種々の対応する分析成分を判定するために使用される方法基準を識別する。成分は、公式AOAC方法、内部高速液体クロマトグラフィ、またはデータベース計算を使用して検出された。滅菌人乳製品のサンプルの密度は、1.052g/mLであった。注目すべきこととして、滅菌強化乳製品のPDCAASは、100.0(重量比%)であり、これは、強化プロセスに起因する可能性が高い滅菌強化乳製品の高タンパク質品質を示す。
滅菌強化人乳製品の瓶が、セレウス菌、酵母、およびカビの存在を判定するために、Salida(CA)に位置するMerieux NutriSciencesに提供された。ここで、未加工強化人乳と比較して、無菌瓶詰された滅菌強化人乳製品の微生物数を描写する図9Bが、参照される。セレウス菌数は、食品中のセレウス菌を判定するための標準化されたAOAC 980.31方法を使用して判定された。酵母およびカビは、非無菌製品の微生物検査に関する標準化されたUSP<61>試験を使用して判定された。
無菌瓶詰された滅菌強化人乳製品は、低レベル(<100CFU/g)の推定的セレウス菌、低レベル(<10CFU/g)の酵母、および低レベル(<10CFU/g)のカビを呈した。特に、無菌瓶詰された滅菌強化人乳製品中の酵母のレベル(<10CFU/g)は、未加工強化人乳対応物(10,000CFU/g)と比較して、有意により低かった。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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