JP2022162661A - レーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法 - Google Patents

レーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザービームの照射開始、照射停止を切り替えた時に、レーザービームの立ち上がり遅延や漏れ光の有無を容易に確認することが可能なこと。【解決手段】検査方法は、検査用ウエーハを準備する準備ステップ101と、準備ステップ101の後、検査用ウエーハと対面する位置にレーザービームを集光する集光器を位置付ける位置付けステップ102と、位置付けステップ102の後、レーザービームの照射を開始して検査用ウエーハとレーザービームの集光点とを相対的に移動させることで検査用ウエーハに対して所定の長さで連続する加工痕を形成するレーザー加工ステップ103と、加工痕がレーザービームの照射開始直後から加工進行方向に対して変化しているかを確認する確認ステップ104と、を含む。【選択図】図6

Description

本発明は、レーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法に関する。
半導体ウエーハを分割してチップを製造するために、ウエーハの内部にレーザービームを集光照射して改質層を形成することで分割起点を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に示された加工に使用されるレーザー加工装置では、レーザービームの照射開始と照射停止とを切り替えて、異なる形状や大きさのデバイスが混合された所謂マルチプロジェクトタイプのウエーハの加工も行うことができる(例えば、特許文献2参照)。
特許第3408805号公報 特開2012-125781号公報
ところが、レーザー加工装置は、レーザービームの照射停止の状態から照射を開始する際に、レーザービームの立ち上がり遅延によってデバイスの未分割が発生したり、レーザービームを照射している状態から照射停止する際に、レーザービームの漏れ光が生じてデバイスを破損してしまうという問題がある。
このようなレーザービームの立ち上がり遅延や漏れ光の問題は、レーザービームの照射開始、照射停止を制御するRFドライバの出力調整によって改善が可能である。
しかしながら、立ち上がり遅延や漏れ光を確認するためには、加工点にフォトディテクタを設置する必要があり、工数がかかるなど、確認するための労力が増加する傾向であった。
本願発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、レーザービームの照射開始、照射停止を切り替えた時に、レーザービームの立ち上がり遅延や漏れ光の有無を容易に確認することが可能なレーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のレーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法は、レーザービームの照射開始と照射停止を繰り返して被加工物に対して非連続的な加工を施すレーザー加工装置において、レーザービームの出力状態を検査する検査方法であって、検査用ウエーハを準備する準備ステップと、該準備ステップの後、該検査用ウエーハと対面する位置に該レーザービームを集光する集光器を位置付ける位置付けステップと、該位置付けステップの後、該レーザービームの照射を開始して該検査用ウエーハと該レーザービームの集光点とを相対的に移動させることで該検査用ウエーハに対して所定の長さで連続する加工痕を形成するレーザー加工ステップと、該加工痕がレーザービームの照射開始直後から加工進行方向に対して変化しているかを確認する確認ステップと、を含むことを特徴とする。
前記レーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法において、該確認ステップにおいて、該加工痕が該レーザービームの照射開始直後から加工進行方向に対して変化していた場合、該加工痕の変化がなくなるように該レーザービームの照射開始と照射停止を制御するRFドライバの出力を調整する調整ステップを更に含んでも良い。
本発明のレーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法は、レーザービームの照射開始と照射停止を繰り返して被加工物に対して非連続的な加工を施すレーザー加工装置において、レーザービームの出力状態を検査する検査方法であって、検査用ウエーハを準備する準備ステップと、該準備ステップの後、該レーザービームの照射しながら該検査用ウエーハと該レーザービームの集光点とを相対的に移動させるとともに、該検査用ウエーハ上で該レーザービームの照射を停止することで、該検査用ウエーハに対して所定の長さで連続する加工痕を形成するレーザー加工ステップと、レーザー加工ステップの後、該検査用ウエーハに該レーザービームの照射停止位置を超えてレーザービームの打痕が形成されているか否かを確認する確認ステップと、を含むことを特徴とする。
前記レーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法において、該確認ステップにおいて、該検査用ウエーハに該レーザービームの照射停止位置を超えてレーザービームの打痕が形成されていた場合、該照射停止位置を超えてレーザービームの打痕が形成されなくなるように該レーザービームの照射開始と照射停止を制御するRFドライバの出力を調整する調整ステップを更に含んでも良い。
前記レーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法において、該検査用ウエーハは、基板の上面に比熱又は融点が異なる第一の金属層と第二の金属層の少なくとも2層の金属層が積層されたものであり、該レーザービームは、該金属層が積層された側から照射されても良い。
本発明は、レーザー加工装置において、レーザービームの照射開始、照射停止を切り替えた時に、レーザービームの立ち上がり遅延や漏れ光の状態を容易に確認することが可能となるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る検査方法によりレーザービームの出力状態が検査されるレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。 図2は、図1に示されたレーザー加工装置のレーザービーム照射ユニットの構成を示す図である。 図3は、図2に示されたレーザービーム照射ユニットの音響光学偏向素子に印加されるRF信号の出力と、レーザービーム照射ユニットが集光レンズを通して出射するレーザービームの出力とを示す図である。 図4は、図3に示されたレーザービーム照射ユニットが立ち上がり遅延があった時のレーザービームの出力の変化を示す図である。 図5は、図3に示されたレーザービーム照射ユニットが漏れ光があった時のレーザービームの出力の変化を示す図である。 図6は、実施形態1に係る検査方法の流れを示すフローチャートである。 図7は、図6に示された検査方法の準備ステップにおいて準備される検査用ウエーハを分解して示す斜視図である。 図8は、図6に示された検査方法の準備ステップにおいて準備される検査用ウエーハの断面図である。 図9は、図7に示された検査用ウエーハに形成された単一加工痕の一例を示す平面図である。 図10は、図6に示された検査方法の位置付けステップを模式的に一部断面で示す側面図である。 図11は、図6に示された検査方法のレーザー加工ステップを模式的に一部断面で示す側面図である。 図12は、図6に示された検査方法のレーザー加工ステップ後の加工痕が形成された検査用ウエーハを模式的に示す平面図である。 図13は、図12中のXIII部を拡大して加工痕を模式的に示す平面図である。 図14は、図12中のXIV部を拡大して加工痕を模式的に示す平面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るレーザー加工装置のレーザービームの出力状態を検査する検査方法(以下、単に検査方法と記す)を図面に基づいて説明する。まず、レーザー加工装置を説明する。
図1は、実施形態1に係る検査方法によりレーザービームの出力状態が検査されるレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示されたレーザー加工装置のレーザービーム照射ユニットの構成を示す図である。図3は、図2に示されたレーザービーム照射ユニットの音響光学偏向素子に印加されるRF信号の出力と、レーザービーム照射ユニットが集光レンズを通して出射するレーザービームの出力とを示す図である。図4は、図3に示されたレーザービーム照射ユニットが立ち上がり遅延があった時のレーザービームの出力の変化を示す図である。図5は、図3に示されたレーザービーム照射ユニットが漏れ光があった時のレーザービームの出力の変化を示す図である。
(被加工物)
図1に示されたレーザー加工装置1は、被加工物200に対してパルス状のレーザービーム21を照射し、被加工物200にレーザー加工(加工に相当)を施す加工装置である。図1に示されたレーザー加工装置1の加工対象である被加工物200は、シリコン、サファイア、又はSiCなどで構成された基板201を有する円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハである。被加工物200は、基板201の表面202に互いに交差する分割予定ラインが複数設定され、表面202に複数設定された分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが形成されている。
デバイスは、例えば、IC(Integrated Circuit)、又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。
また、実施形態1において、被加工物200は、被加工物200の外径よりも大径な円板状でかつ外縁部に環状のフレーム207が貼着された粘着テープ208が表面202に貼着されて、表面202の裏側の裏面203を上方に向けてフレーム207の開口209内に支持される。実施形態1において、被加工物200は、粘着テープ208によりフレーム207の開口209内に支持された状態で、レーザー加工装置1によりレーザー加工が施されるなどして、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割される。
また、実施形態1に係る被加工物200は、分割予定ラインとして、互いに長手方向に間隔をあけて直線状の第1分割予定ラインと、第1分割予定ラインに対して直交する方向に沿って直線状でかつ互いに長手方向に間隔をあけた第2分割予定ラインと、第1分割予定ラインと第2分割予定ラインとの交点同士を連結しかつ第1分割予定ラインと第2分割予定ラインとの双方に対して交差する方向に沿って直線状でかつ互いに長手方向に間隔をあけた第3分割予定ラインとを含んでいる。
また、本発明では、被加工物200は、分割予定ラインとして互いに直交する第1分割予定ラインと第2分割予定ラインとを備えても良い。また、実施形態1では、被加工物200は、半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハであるが、本発明では、ウエーハに限定されずに、基板上に配設された複数のデバイスチップを樹脂でモールドしたパッケージ基板、ガラス基板、セラミックス基板でも良い。
(レーザー加工装置)
レーザー加工装置1は、被加工物200の裏面203から被加工物200を構成する基板201に対して透過性を有する波長のレーザービーム21を分割予定ラインに沿って照射して、基板201の内部に改質層を形成する装置である。なお、改質層とは、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲のそれとは異なる状態になった領域のことを意味し、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域、及びこれらの領域が混在した領域等を例示できる。改質層は、被加工物200の基板201の他の箇所よりも機械的な強度が低い。
なお、実施形態1では、被加工物200が分割予定ラインとして前述した第1分割予定ラインと第2分割予定ラインと第3分割予定ラインとを含んでいるので、レーザー加工装置1は、レーザービーム21の照射開始と照射停止とを繰り返して、被加工物200に対して非連続(即ち、断続的)なレーザー加工を施して、被加工物200の基板201の内部に非連続(即ち、断続的)な改質層を形成する。レーザー加工装置1は、図1に示すように、被加工物200を保持するチャックテーブル10と、レーザービーム照射ユニット20と、移動ユニット30と、図示しない撮像ユニットと、制御ユニット40とを有する。
チャックテーブル10は、被加工物200を水平方向と平行な保持面11で保持する。保持面11は、ポーラスセラミック等から形成された円盤形状であり、図示しない真空吸引経路を介して図示しない真空吸引源と接続されている。チャックテーブル10は、真空吸引源により吸引されることで、保持面11上に載置された被加工物200を吸引保持する。チャックテーブル10の周囲には、被加工物200を開口209内に支持するフレーム207を挟持するクランプ部12が複数配置されている。
また、チャックテーブル10は、移動ユニット30の回転移動ユニット34により保持面11に対して直交しかつ鉛直方向と平行なZ軸方向と平行な軸心回りに回転される。チャックテーブル10は、回転移動ユニット34とともに、移動ユニット30のX軸移動ユニット31により水平方向と平行なX軸方向に移動されかつY軸移動ユニット32により水平方向と平行でかつX軸方向と直交するY軸方向に移動される。チャックテーブル10は、移動ユニット30によりレーザービーム照射ユニット20の下方の加工領域と、レーザービーム照射ユニット20の下方から離れて被加工物200が搬入、搬出される搬入出領域とに亘って移動される。
レーザービーム照射ユニット20は、チャックテーブル10に保持された被加工物200に対してパルス状のレーザービーム21を照射して、被加工物200をレーザー加工するユニットである。
実施形態1では、レーザービーム照射ユニット20の一部は、図1に示すように、装置本体2から立設した立設壁3に支持された支柱4の先端に支持されている。レーザービーム照射ユニット20は、図2に示すように、被加工物200の基板201に対して透過性を有する波長のレーザービーム21を出射するレーザー発振器25と、チャックテーブル10の保持面11に保持された被加工物200にレーザー発振器25から出射されたレーザービーム21を集光する集光器23と、を備える。レーザー発振器25は、励起用LD22と、励起用LD22からの光によって励起されるNd:YVO結晶243と、Nd:YVO結晶243が励起され放出した光を往復させるリアミラー241および出力ミラー242と、を含む。Nd:YVO結晶243が励起され放出した光がリアミラー241と出力ミラー242との間で往復することで、光が増幅されてレーザー発振が起こる。また、レーザー発振器25は、Nd:YVO結晶243とリアミラー241との間に配置される音響光学偏向素子245を更に含み、レーザービーム21の光路を集光器23とダンパ247とに選択的に偏向させる。
音響光学偏向手段24は、RF(Radio Frequency)ドライバ244と、RF(Radio Frequency)ドライバ244により印加されるRF(Radio Frequency)信号によりレーザービーム21をパルス化するとともにレーザービーム21の進行方向を偏向する音響光学偏向素子245とを備える。
RFドライバ244は、出力調整手段246により音響光学偏向素子245に印加するRF信号の振幅が調整される。音響光学偏向素子245は、印加されるRF信号の振幅に対応してレーザービーム21の出力を調整することができる。音響光学偏向素子245は、RFドライバ244からRF信号が印加されることにより、レーザービーム21をダンパ247に導いて、図3に示すように、レーザービーム21の被加工物200等への照射を停止する。音響光学偏向素子245は、RFドライバ244のRF信号の印加が停止することにより、レーザービーム21を集光器23に導いて、図3に示すように、レーザービーム21を集光器23等を通して被加工物200等に照射する。
なお、図3の横軸は、時間の経過を示し、図3の上側の縦軸は、RFドライバ244が音響光学偏向素子245に印加するRF信号の出力を示し、図3の下側の縦軸は、レーザービーム照射ユニット20から被加工物200等に照射されるレーザービーム21の出力を示している。
集光器23は、チャックテーブル10の保持面11とZ軸方向に対向する位置に配置された集光レンズ231と、レーザービーム21を集光レンズ231に向けて反射するミラー232とを備えている。集光レンズ231は、レーザービーム21を透過して、レーザービーム21を集光点211(図11に示す)に集光する。
前述した構成のレーザービーム照射ユニット20は、チャックテーブル10に保持された被加工物200に対して透過性を有する波長のパルス状のレーザービーム21の集光点211を、被加工物200の内部に設定して、レーザービーム21を被加工物200の裏面203側から照射して、被加工物200の内部に改質層を形成する。集光器23は、少なくとも集光レンズ231が図示しない集光点移動ユニットによりZ軸方向に移動自在に設けられている。
また、前述した構成のレーザービーム照射ユニット20は、音響光学偏向素子245がRFドライバ244からRF信号が印加されることで、被加工物200へのレーザービーム21の照射を停止し、音響光学偏向素子245がRFドライバ244からのRF信号の印加が停止されることで、被加工物200に対してレーザービーム21の照射を開始する。実施形態1では、RFドライバ244が音響光学偏向素子245に印加するRF信号の出力が高いと、図4に示すように、RF信号の印加が停止されても、レーザービーム照射ユニット20が被加工物200に照射するレーザービーム21の出力の立ち上がりに、図4に破線で示す理想的な立ち上がりよりも図4に実線で示すように遅延(以下、立ち上がり遅延と記す)が生じることがある。なお、立ち上がり遅延が生じるとは、理想的な立ち上がりよりもレーザービーム21の出力が所望の出力になるまでに時間がかかることをいう。
実施形態1では、RFドライバ244が音響光学偏向素子245に印加するRF信号の出力が低いと、図5に示すように、RF信号の印加が開始されてもレーザービーム照射ユニット20が被加工物200に照射するレーザービーム21が停止されずに図5に示すように漏れ光212が生じることがある。なお、漏れ光212とは、RF信号の印加が開始されてもレーザービーム照射ユニット20のレーザービーム21が断続的に照射されることをいう。なお、レーザービーム21の漏れ光212の出力は、RF信号の印加の停止中のレーザービーム21の出力よりも弱い。
なお、図4及び図5の横軸は、時間の経過を示し、図4及び図5の縦軸は、レーザービーム照射ユニット20から被加工物200等に照射されるレーザービーム21の出力を示している。
移動ユニット30は、チャックテーブル10とレーザービーム照射ユニット20が照射するレーザービーム21の集光点211とをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びZ軸方向と平行な軸心回りに相対的に移動させるものである。X軸方向及びY軸方向は、互いに直交し、かつ保持面11(即ち水平方向)と平行な方向である。移動ユニット30は、チャックテーブル10をX軸方向に移動させる加工送りユニットであるX軸移動ユニット31と、チャックテーブル10をY軸方向に移動させる割り出し送りユニットであるY軸移動ユニット32と、チャックテーブル10をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット34とを備える。
Y軸移動ユニット32は、チャックテーブル10と、レーザービーム照射ユニット20とを相対的に割り出し送りするユニットである。実施形態1では、Y軸移動ユニット32は、レーザー加工装置1の装置本体2上に設置されている。Y軸移動ユニット32は、X軸移動ユニット31を支持した移動プレート5をY軸方向に移動自在に支持している。
X軸移動ユニット31は、チャックテーブル10と、レーザービーム照射ユニット20とを相対的に加工送りするユニットである。X軸移動ユニット31は、移動プレート5上に設置されている。X軸移動ユニット31は、チャックテーブル10をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット34を支持した第2移動プレート6をX軸方向に移動自在に支持している。第2移動プレート6は、回転移動ユニット34、チャックテーブル10を支持している。回転移動ユニット34は、チャックテーブル10を支持している。
X軸移動ユニット31、及びY軸移動ユニット32は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のパルスモータ、移動プレート5,6をX軸方向又はY軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。回転移動ユニット34は、チャックテーブル10を軸心回りに回転するモータ等を備える。
また、レーザー加工装置1は、チャックテーブル10のX軸方向の位置を検出するための図示しないX軸方向位置検出ユニットと、チャックテーブル10のY軸方向の位置を検出するための図示しないY軸方向位置検出ユニットと、レーザービーム照射ユニット20に含まれる集光器23のZ軸方向の位置を検出するZ軸方向位置検出ユニットとを備える。各位置検出ユニットは、検出結果を制御ユニット40に出力する。
撮像ユニットは、チャックテーブル10に保持された被加工物200を撮像する撮像素子を複数備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニットは、チャックテーブル10の保持面11に保持された被加工物200を撮像して、被加工物200とレーザービーム照射ユニット20との位置合わせを行うアライメントを遂行するための画像を取得し、取得した画像を制御ユニット40に出力する。実施形態1では、撮像ユニットは、支柱4の先端に支持され、レーザービーム照射ユニット20の集光レンズ231とX軸方向に並ぶ位置に配置されている。
制御ユニット40は、レーザー加工装置1の上述した構成要素をそれぞれ制御して、被加工物200に対するレーザー加工動作をレーザー加工装置1に実施させるものである。なお、制御ユニット40は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット40の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、レーザー加工装置1を制御するための制御信号を入出力インターフェース装置を介してレーザー加工装置1の上述した構成要素に出力して、制御ユニット40の機能を実現する。
また、制御ユニット40は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニットと、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力ユニットと、音と光の少なくとも一方を発してオペレータに報知する報知ユニットとが接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置との少なくとも一方により構成される。
次に、実施形態1に係る検査方法を説明する。図6は、実施形態1に係る検査方法の流れを示すフローチャートである。検査方法は、前述した構成のレーザー加工装置1において、レーザービーム21の出力状態を検査する方法である。なお、レーザービーム21の出力状態を検査するとは、前述した立ち上がり遅延の有無、漏れ光212の有無を確認することをいう。
実施形態1に係る検査方法は、図6に示すように、準備ステップ101と、位置付けステップ102と、レーザー加工ステップ103と、確認ステップ104と、調整ステップ105とを含む。
(準備ステップ)
図7は、図6に示された検査方法の準備ステップにおいて準備される検査用ウエーハを分解して示す斜視図である。図8は、図6に示された検査方法の準備ステップにおいて準備される検査用ウエーハの断面図である。図9は、図7に示された検査用ウエーハに形成された単一加工痕の一例を示す平面図である。準備ステップ101は、図7及び図8に示す検査用ウエーハ50を準備するステップである。
検査用ウエーハ50は、レーザー加工装置1の加工対象の被加工物200と対応するものである。検査用ウエーハ50は、図7及び図8に示すように、基板51の上面54に比熱又は融点の異なる第一の金属層52と第二の金属層53の少なくとも2層の金属層52,53が積層されたものである。実施形態1では、検査用ウエーハ50は、基板51と、第一の金属層52と、第二の金属層53とを備え、基板51の上面54に2層の金属層52,53が形成されている。
基板51は、両方の面54,55がそれぞれ平坦であり、互いに平行であって、厚みが一様の円板状に形成されている。基板51は、被加工物200の基板201と同様に、集光点211が内部に設定されてレーザービーム21が照射されることで、改質層が形成される材質で構成される。基板51は、検査用ウエーハ50の対応する被加工物200の基板201と同じ材質で構成され、厚みが、検査用ウエーハ50の対応する被加工物200の基板201の厚みと等しい。実施形態1では、基板51は、対応する被加工物200の基板201と同じシリコン、サファイア、又はSiCなどで構成されている。
第一の金属層52は、基板51の上面54全体に蒸着されて所定の厚みに形成されている。第二の金属層53は、第一の金属層52の上面全体に蒸着されて所定の厚みに形成されている。実施形態1では、第一の金属層52と第二の金属層53とは、基板51の上面54に比熱の小さい順に積層されている。第二の金属層53は、第一の金属層52よりも比熱が小さな金属によって形成されている。また、本発明では、第一の金属層52と第二の金属層53とは、基板51の上面54に融点の大きな順に積層されても良い。
第一の金属層52及び第二の金属層53は、被加工物200の基板51及び検査用ウエーハ50の基板51に対して透過性を有する波長のレーザービーム21が照射した照射スポット領域でアブレーション加工され、図9に示す単一加工痕56が形成される。
このように、第一の金属層52は、レーザービーム21によって融解又は熱変形される材質が使用される。実施形態1では、第一の金属層52は、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、又はアルミニウム(Al)などの金属により構成される。なお、チタンの比熱は約528J/kg℃、クロムの比熱は約461J/kg℃である。第一の金属層52として、さらに比熱が低いものを使用することも可能であるが、その場合には十分な厚みが必要である。つまり、第一の金属層52は第二の金属層53よりレーザービーム21の影響を受けにくい構成で形成されると良い。
第二の金属層53は、レーザービーム21によって完全に除去または炭化される材質が使用される。実施形態1では、第二の金属層53は、錫(Sn)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、インジウム(In)、又は鉛(Pb)などにより構成される。なお、錫の比熱は約226J/kg℃、白金の比熱は約134J/kg℃、金の比熱は約130J/kg℃、銀の比熱は約234J/kg℃、インジウムの比熱は239J/kg℃、鉛の比熱は約130J/kg℃である。
前述したように、第二の金属層53よりも第一の金属層52の比熱が大きいため、検査用ウエーハ50は、レーザービーム21が照射されると、レーザービーム21のスポット形状(レーザービーム21の集光点211における光軸に対して直交する方向の断面形状)が円形の場合、図9に示すように、単一加工痕56が円形に形成される。単一加工痕56の外縁部(図9では密な平行斜線で示す)では、第二の金属層53が除去又は炭化されて炭化した第二の金属層53が露出する。また、単一加工痕56の中央部(図9では粗な平行斜線で示す)では、第二の金属層53が完全に除去され、第一の金属層52の表層が除去されて、第一の金属層52が露出する。
また、実施形態1において、準備ステップ101では、検査用ウエーハ50の外径よりも大径な円板状の粘着テープ208を検査用ウエーハ50の基板51の下面55に貼着し、粘着テープ208の外縁部に内径が検査用ウエーハ50の外径よりの大径の環状のフレーム207を貼着する。
(位置付けステップ)
図10は、図6に示された検査方法の位置付けステップを模式的に一部断面で示す側面図である。位置付けステップ102は、準備ステップ101の後、検査用ウエーハ50と対面する位置にレーザービーム21を集光する集光器23を位置付けるステップである。
実施形態1において、位置付けステップ102では、オペレータが入力ユニット等を操作して入力した加工条件を制御ユニット40が受け付け、搬入出領域に位置付けられたチャックテーブル10の保持面11に検査用ウエーハ50の基板51が粘着テープ208を介して載置される。実施形態1において、制御ユニット40が入力ユニットからオペレータの検査動作開始指示を受け付けると、位置付けステップ102及びレーザー加工ステップ103の動作を開始する。
なお、加工条件は、レーザービーム21の波長、繰り返し周波数、出力、集光点211のZ軸方向の位置、レーザービーム21を照射する際のチャックテーブル10のX軸方向の移動速度(以下、加工送り速度と記す)、RF信号の出力等を含む。実施形態1では、レーザービーム21の波長は、1342nmで、レーザービーム21の繰り返し周波数は、90kHzである。また、レーザービーム21の出力は、0.2Wから0.5Wの間で0.05W刻みとしている(具体的には、0.2W、0.25W、0.3W、0.35W、0.4W、0.45W、0.5W)。なお、実施形態1では、レーザービーム21の出力は、0.2Wである所定値と、0.25Wである第2の所定値と、0.3Wである第3所定値と、0.35Wである第4所定値と、0.4Wである第5所定値である。
実施形態1において、検査方法では、レーザー加工装置1は、検査用ウエーハ50に所定値のレーザービーム21を照射して形成した単一加工痕56(以下、単一加工痕56同士を区別する際には、符号56-1で示す)と、第2所定値のレーザービーム21を照射して形成した単一加工痕56(以下、単一加工痕56同士を区別する際には、符号56-2で示す)と、第3所定値のレーザービーム21を照射して形成した単一加工痕56(以下、単一加工痕56同士を区別する際には、符号56-3で示す)と、第4所定値のレーザービーム21を照射して形成した単一加工痕56(以下、単一加工痕56同士を区別する際には、符号56-4で示す)と、第5所定値のレーザービーム21を照射して形成した単一加工痕56(以下、単一加工痕56同士を区別する際には、符号56-5で示す)とをそれぞれ複数形成する。
位置付けステップ102では、制御ユニット40が検査用ウエーハ50をチャックテーブル10の保持面11に粘着テープ208を介して吸引保持し、クランプ部12でフレーム207を挟持する。位置付けステップ102では、制御ユニット40が移動ユニット30を制御して検査用ウエーハ50を吸引保持したチャックテーブル10を搬入出領域から加工領域に向けて移動し、チャックテーブル10に吸引保持された検査用ウエーハ50を撮像ユニットの下方に位置付ける。
位置付けステップ102では、制御ユニット40が撮像ユニットでチャックテーブル10の保持面11に吸引保持した検査用ウエーハ50を撮像して、アライメントを遂行して、図10に示すように、レーザービーム照射ユニット20の集光器23の集光レンズ231の下方に検査用ウエーハ50を位置付ける。実施形態1において、位置付けステップ102では、レーザー加工装置1は、レーザービーム照射ユニット20をチャックテーブル10の保持面11に吸引保持した検査用ウエーハ50のY軸方向の中央部上でかつX軸方向の一端部上に位置付ける。
(レーザー加工ステップ)
図11は、図6に示された検査方法のレーザー加工ステップを模式的に一部断面で示す側面図である。図12は、図6に示された検査方法のレーザー加工ステップ後の加工痕が形成された検査用ウエーハを模式的に示す平面図である。
レーザー加工ステップ103は、位置付けステップ102の後、レーザービーム21の照射を開始して検査用ウエーハ50とレーザービーム21の集光点211とを相対的に移動させることで検査用ウエーハ50に対して所定の長さで連続する加工痕57(図7に示す)を形成するステップである。また、レーザー加工ステップ103は、準備ステップ101の後、レーザービーム21の照射しながら該検査用ウエーハ50とレーザービーム21の集光点211とを相対的に移動させるとともに、検査用ウエーハ50上で該レーザービーム21の照射を停止することで、検査用ウエーハ50に対して所定の長さで連続する加工痕57を形成するステップでもある。なお、加工痕57は、複数の単一加工痕56により構成されるものである。
実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、加工条件に基づいて、制御ユニット40が集光点211をチャックテーブル10に吸引保持された検査用ウエーハ50の表面に設定する。実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、加工条件に基づいて、制御ユニット40が、レーザービーム照射ユニット20及び移動ユニット30を制御して、レーザービーム照射ユニット20から検査用ウエーハ50に向けてパルス状のレーザービーム21の照射を開始する。
実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、加工条件に基づいて、制御ユニット40が、レーザービーム照射ユニット20及び移動ユニット30を制御して、チャックテーブル15をX軸方向に移動させて、チャックテーブル10に対してレーザービーム照射ユニット20を図11中の点線で示す位置から図11中の実線で示す位置に向かって移動させながら、レーザービーム照射ユニット20からパルス状のレーザービーム21を金属層52,53が積層された側から検査用ウエーハ50に照射する。こうして、実施形態1では、レーザービーム21は、検査用ウエーハ50の金属層52,53が積層された側から照射される。
実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、加工条件に基づいて、制御ユニット40が、レーザービーム照射ユニット20及び移動ユニット30を制御して、検査用ウエーハ50上でレーザービーム照射ユニット20からのレーザービームの照射を停止する。
実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、レーザービーム21が、検査用ウエーハ50の金属層52,53をアブレーション加工するので、レーザー加工装置1は、検査用ウエーハ50の金属層52,53に対して、図12に示すように、複数の単一加工痕56により構成され、かつ所定の長さで連続する加工痕57を形成する。なお、本明細書では、加工痕57が連続するとは、単一加工痕56が同一線上に並んで形成されることをいい、隣り合う単一加工痕56が重なっていても良く、間隔をあけていても良い。
実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、制御ユニット40が、レーザービーム照射ユニット20及び移動ユニット30を制御して、検査用ウエーハ50上のレーザービーム照射ユニット20から所定値の出力のレーザービーム21の照射を開始し、レーザービーム照射ユニット20とチャックテーブル10とをX軸方向に相対的に移動させながらパルス状のレーザービーム21を検査用ウエーハ50に照射するとともに、検査用ウエーハ50上のレーザービーム照射ユニット20からのレーザービーム21の照射を停止する。実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、所定値の出力のレーザービーム21の照射により、検査用ウエーハ50に複数の単一加工痕56-1により構成された加工痕57(以下、加工痕57同士を区別する際には、符号57-1で示す)を形成する。
実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、検査用ウエーハ50に加工痕57-1を形成した後、制御ユニット40が、移動ユニット30を制御して、チャックテーブル10をY軸方向及びX軸方向に移動して、検査用ウエーハ50の加工痕57-1を形成する際に、レーザービーム21の照射開始した位置からY軸方向に所定距離間隔をあけた位置の上方にレーザービーム照射ユニット20を位置付ける。
実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、制御ユニット40が、レーザービーム照射ユニット20及び移動ユニット30を制御して、検査用ウエーハ50上のレーザービーム照射ユニット20から第2所定値の出力のレーザービーム21の照射を開始し、レーザービーム照射ユニット20とチャックテーブル10とをX軸方向に相対的に移動させながらパルス状のレーザービーム21を検査用ウエーハ50に照射するとともに、検査用ウエーハ50上のレーザービーム照射ユニット20からのレーザービーム21の照射を停止する。実施形態1では、レーザー加工ステップ103では、第2所定値の出力のレーザービーム21の照射により、検査用ウエーハ50に複数の単一加工痕56-2により構成された加工痕57(以下、加工痕57同士を区別する際には、符号57-2で示す)を形成する。
こうして、実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、レーザー加工装置1は、パルス状のレーザービーム21を検査用ウエーハ50に照射開始してレーザービーム照射ユニット20とチャックテーブル10とをX軸方向に相対的に移動させる動作と、レーザービーム21を照射停止してチャックテーブル10をY軸方向及びX軸方向に移動して、検査用ウエーハ50の上方にレーザービーム照射ユニット20を位置付ける動作とを、レーザービーム21の出力を順に所定値、第2所定値、第3所定値、第4所定値及び第5所定値に切り替えて繰り返す。実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、レーザー加工装置1は、検査用ウエーハ50の金属層52,53側に、加工痕57-1、加工痕57-2、複数の単一加工痕56-3により構成された加工痕57(以下、加工痕57同士を区別する際には、符号57-3で示す)、複数の単一加工痕56-4により構成された加工痕57(以下、加工痕57同士を区別する際には、符号57-4で示す)、及び複数の単一加工痕56-5により構成された加工痕57(以下、加工痕57同士を区別する際には、符号57-5で示す)を形成する。
また、実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、レーザー加工装置1は、図12に示すように、複数の加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5を平行に形成する。なお、図12に示された加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5は、図中の左側の端でレーザービーム21が照射開始されて単一加工痕56-1,56-2,56-3,56-4,56-5が形成され始められている。図12に示された加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5は、図中の右側の端でレーザービーム21が照射停止されて単一加工痕56-1,56-2,56-3,56-4,56-5の形成が停止されている。
実施形態1において、レーザー加工ステップ103では、レーザー加工装置1は、検査用ウエーハ50の金属層52,53側に加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5を形成すると、移動ユニット30を制御してチャックテーブル10を搬入出領域に位置付け、チャックテーブル10の保持面11の検査用ウエーハ50の吸引保持を停止するとともに、クランプ部12のフレーム207の挟持を解除する。
(確認ステップ)
図13は、図12中のXIII部を拡大して加工痕を模式的に示す平面図である。図14は、図12中のXIV部を拡大して加工痕を模式的に示す平面図である。
確認ステップ104は、加工痕57がレーザービーム21の照射開始直後から加工進行方向に対して変化しているかを確認するステップである。確認ステップ104は、レーザー加工ステップ103の後、検査用ウエーハ50にレーザービーム21の照射停止位置を超えてレーザービーム21の打痕58が形成されているか否かを確認するステップでもある。なお、打痕58は、レーザービーム21の漏れ光212が照射されることで、主に第二の金属層53の表面がアブレーション加工されることにより形成されるものである。
確認ステップ104では、オペレータ等が加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5のレーザービーム21の照射開始直後のものを含む図13に示された単一加工痕56-1,56-2,56-3,56-4,56-5を観察する。確認ステップ104では、オペレータ等が、加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5の単一加工痕56-1,56-2,56-3,56-4,56-5が外縁部に炭化した第二の金属層531を露出させ、かつ中央部に第一の金属層52を露出させているか否かを確認して、加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5がレーザービーム21の照射開始直後から加工進行方向に対して変化しているかを確認する。
実施形態1において、確認ステップ104では、例えば、単一加工痕56-1,56-2,56-3,56-4,56-5の露出した第一の金属層52の外径が単一加工痕56-1,56-2,56-3,56-4,56-5の外径の90%以上であると、外縁部に炭化した第二の金属層531を露出させ、かつ中央部に第一の金属層52を露出させていると判定する。
実施形態1において、確認ステップ104では、オペレータ等が、加工痕57の単一加工痕56が照射開始直後から加工進行方向であるX軸方向に対して変化している際に、レーザービーム21の立ち上がり遅延が生じていると判定する。例えば、図13に示すように、加工痕57-2の単一加工痕56-2が、照射開始直後では、中央部の第一の金属層52を露出させていなく、時間の経過とともに中央部に第一の金属層52を露出させている場合には、第2所定値の出力のレーザービーム21を照射する際にレーザービーム21の立ち上がり遅延が生じていると判定する。
また、確認ステップ104では、オペレータ等が加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5のレーザービーム21の照射停止位置のものを含みかつ照射停止位置の単一加工痕56-1,56-2,56-3,56-4,56-5よりも加工進行方向の先の第二の金属層53の表面を含む例えば図14に示された領域を観察する。
確認ステップ104では、オペレータ等が、全ての加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5の全ての照射停止位置の単一加工痕56-1,56-2,56-3,56-4,56-5よりも加工進行方向の先の第二の金属層53の表面に打痕58が形成されているか否か、即ち、照射停止位置を超えてレーザービーム21の打痕58が形成されているか否かを確認する。実施形態1において、確認ステップ104では、全ての加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5の全ての照射停止位置の単一加工痕56-1,56-2,56-3,56-4,56-5よりも加工進行方向の先の第二の金属層53の表面に打痕58が形成されていないと判定すると、漏れ光212がないと判定する。
一方、実施形態1において、確認ステップ104では、照射停止位置よりも加工進行方向の先の第二の金属層53の表面に打痕58が形成されていると判定されると、打痕58が形成された加工痕57の単一加工痕56を形成する際に、漏れ光212があると判定する。例えば、図14に示すように、加工痕57-4の照射停止位置の単一加工痕56-4よりも加工進行方向の先の第二の金属層53の表面に打痕58が形成されている場合には、第4所定値の出力のレーザービーム21を照射する際にレーザービーム21の漏れ光212があると判定する。
(調整ステップ)
調整ステップ105は、確認ステップ104において、加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5がレーザービーム21の照射開始直後からX軸方向に対して変化していた場合、加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5の変化がなくなるようにレーザービームの照射開始と照射停止を制御するRFドライバ244の出力であるRF信号の出力を調整するステップである。また、調整ステップ105は、該確認ステップ104において、検査用ウエーハ50にレーザービーム21の照射停止位置を超えてレーザービーム21の打痕58が形成されていた場合、照射停止位置を超えてレーザービームの打痕58が形成されなくなるようにRFドライバ244のRF信号の出力を調整するステップでもある。
実施形態1において、調整ステップ105では、確認ステップ104において、図13に示すように、第2所定値の出力のレーザービーム21を照射する際にレーザービーム21の立ち上がり遅延が生じていると判定した場合、加工痕57の変化がなくなる、即ち、レーザービーム21の立ち上がりの遅延が小さくなるようにRFドライバ244のRF信号の出力を調整する。また、調整ステップ105は、確認ステップ104において、図14に示すように、第4所定値の出力のレーザービーム21を照射する際にレーザービーム21の漏れ光212があると判定した場合、照射停止位置を超えてレーザービームの打痕58が形成されなくなるようにRFドライバ244のRF信号の出力を調整する。
実施形態1に係る検査方法は、確認ステップ104においてレーザービームの立ち上がり遅延がなく漏れ光212がないと判定した後、又は、調整ステップ105においてRFドライバ244のRF信号の出力を調整した後、終了する。なお、本発明では、検査方法は、調整ステップ105においてRFドライバ244のRF信号の出力を調整した後、再度、準備ステップ101、位置付けステップ102、レーザー加工ステップ103及び確認ステップ104を順に実施して、レーザービーム21の立ち上がり遅延の有無、漏れ光212の有無を確認しても良い。
以上説明したように、実施形態1に係る検査方法は、チャックテーブル10に保持された検査用ウエーハ50の金属層52,53にレーザービーム21を照射するので、検査用ウエーハ50に形成された加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5を確認することで、レーザービーム21の照射開始、照射停止を切り替えた時のレーザービーム21の立ち上がり遅延の有無と漏れ光212の有無を確認することが可能である。
したがって、実施形態1に係る検査方法は、フォトディテクタを設置する必要がなくなるため、工数の削減を図ることができ、レーザービーム21のレーザービームの立ち上がり遅延の有無や漏れ光212の有無を容易に確認することが可能となるという効果を奏する。
また、実施形態1に係る検査方法は、加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5がレーザービーム21の照射開始直後からX軸方向に対して変化しているか否かを確認するので、容易に、レーザービーム21の立ち上がり遅延の有無を確認することが可能である。
また、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、確認ステップ104において、加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5がレーザービーム21の照射開始直後からX軸方向に対して変化していた場合、調整ステップ105において、加工痕57-1,57-2,57-3,57-4,57-5の変化が小さくなるようにRFドライバ244のRF信号の出力を調整するので、レーザービーム21のレーザービームの立ち上がり遅延を抑制することができる。
また、実施形態1に係る検査方法は、確認ステップ104において、照射停止位置を超えて打痕58が形成されているか否かを確認するので、容易に、レーザービーム21の漏れ光212の有無を確認することが可能である。
また、実施形態1に係る検査方法は、照射停止位置を超えて打痕58が形成されていた場合、調整ステップ105において、打痕58が形成されなくなるようにRFドライバ244のRF信号の出力を調整するので、レーザービーム21の漏れ光212を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変質して実施することができる。
1 レーザー加工装置
21 レーザービーム
23 集光器
50 検査用ウエーハ
51 基板
52 第一の金属層(金属層)
53 第二の金属層(金属層)
54 上面
57,57-1,57-2,57-3,57-4,57-5 加工痕
58 打痕
101 準備ステップ
102 位置付けステップ
103 レーザー加工ステップ
104 確認ステップ
105 調整ステップ
200 被加工物
211 集光点
244 RFドライバ

Claims (5)

  1. レーザービームの照射開始と照射停止を繰り返して被加工物に対して非連続的な加工を施すレーザー加工装置において、レーザービームの出力状態を検査する検査方法であって、
    検査用ウエーハを準備する準備ステップと、
    該準備ステップの後、
    該検査用ウエーハと対面する位置に該レーザービームを集光する集光器を位置付ける位置付けステップと、
    該位置付けステップの後、
    該レーザービームの照射を開始して該検査用ウエーハと該レーザービームの集光点とを相対的に移動させることで該検査用ウエーハに対して所定の長さで連続する加工痕を形成するレーザー加工ステップと、
    該加工痕がレーザービームの照射開始直後から加工進行方向に対して変化しているかを確認する確認ステップと、
    を含むことを特徴とする、レーザービームの出力状態を検査する検査方法。
  2. 該確認ステップにおいて、該加工痕が該レーザービームの照射開始直後から加工進行方向に対して変化していた場合、該加工痕の変化がなくなるように該レーザービームの照射開始と照射停止を制御するRFドライバの出力を調整する調整ステップを更に含む、
    請求項1に記載のレーザービームの出力状態を検査する検査方法。
  3. レーザービームの照射開始と照射停止を繰り返して被加工物に対して非連続的な加工を施すレーザー加工装置において、レーザービームの出力状態を検査する検査方法であって、
    検査用ウエーハを準備する準備ステップと、
    該準備ステップの後、
    該レーザービームの照射しながら該検査用ウエーハと該レーザービームの集光点とを相対的に移動させるとともに、該検査用ウエーハ上で該レーザービームの照射を停止することで、該検査用ウエーハに対して所定の長さで連続する加工痕を形成するレーザー加工ステップと、
    レーザー加工ステップの後、
    該検査用ウエーハに該レーザービームの照射停止位置を超えてレーザービームの打痕が形成されているか否かを確認する確認ステップと、
    を含むことを特徴とする、レーザービームの出力状態を検査する検査方法。
  4. 該確認ステップにおいて、該検査用ウエーハに該レーザービームの照射停止位置を超えてレーザービームの打痕が形成されていた場合、該照射停止位置を超えてレーザービームの打痕が形成されなくなるように該レーザービームの照射開始と照射停止を制御するRFドライバの出力を調整する調整ステップを更に含む、
    請求項3に記載のレーザービームの出力状態を検査する検査方法。
  5. 該検査用ウエーハは、
    基板の上面に比熱又は融点が異なる第一の金属層と第二の金属層の少なくとも2層の金属層が積層されたものであり、
    該レーザービームは、
    該金属層が積層された側から照射されることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のレーザービームの出力状態を検査する検査方法。
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