JP2022179058A - 被加工物の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストリートの幅が広い被加工物でもデバイスチップが所望の外形寸法の許容範囲を超えてしまうおそれを低減する被加工物の加工方法を提供すること。【解決手段】被加工物の加工方法は、被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を被加工物の内部に位置づけて、レーザビームをストリートに沿って照射してストリートに沿った改質層を形成する改質層形成ステップ1003と、レーザビームの集光点を被加工物の裏面に位置付けた状態で、改質層に対応した位置でレーザビームをストリートに沿って照射してアブレーション加工を施し裏面に開口するとともにストリートに沿った溝を形成する溝形成ステップ1004と、を備え、改質層形成ステップ1003と、溝形成ステップ1004とをストリートの幅方向の両端側で実施することでストリートに沿った二条の改質層と、二条の改質層にそれぞれ対応した二条の溝とを形成する。【選択図】図2
Description
本発明は、被加工物の加工方法に関する。
半導体ウェーハ等の被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームを照射して改質層を形成し、テープエキスパンドすることでウェーハに外力を付与して分割している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1等に記載された被加工物の加工方法は、ウェーハ表面に形成されたデバイスにレーザビームが照射されてしまうことを避けるため、通常、ウェーハの裏面側に向かってレーザビームを照射する。
レーザ加工は、切削ブレードに比べてストリートの幅を狭くできるのがメリットの1つだが、例えばブレードダイシングでの分割を見据えてストリートの幅が設計されたウェーハをレーザ加工を利用して分割するとブレードダイシングに比べて加工で除去される幅が少なく、形成されたデバイスチップが外形寸法の許容範囲を超えてしまう。
そこで、切削ブレードの幅に合わせた間隔の2条の改質層をストリートに沿って形成してウェーハを分割することが考えられる。
しかし、例えば100ミクロン以下と極めて近い距離で2条の改質層を形成すると、被加工物の裏面に至るクラックが曲がる現象が見受けられた。裏面側に到達するクラックが曲がると、形成されたデバイスチップが所望の外形寸法の許容範囲を超えてしまうおそれがある。
本発明の目的は、ストリートの幅が広い被加工物でもデバイスチップが所望の外形寸法の許容範囲を超えてしまうおそれを低減する被加工物の加工方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の被加工物の加工方法は、表面にストリートを有した被加工物の加工方法であって、被加工物の該表面側をテーブルで保持する保持ステップと、該保持ステップを実施した後、被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を被加工物の内部に位置づけた状態で、該レーザビームを該ストリートに沿って照射して該ストリートに沿った改質層を形成する改質層形成ステップと、該改質層形成ステップを実施した後、該レーザビームの該集光点を被加工物の裏面側に位置付けた状態で、該改質層に対応した位置で該レーザビームを該ストリートに沿って照射してアブレーション加工を施し該裏面に開口するとともに該ストリートに沿った溝を形成する溝形成ステップと、を備え、該改質層形成ステップと、該溝形成ステップと、を該ストリートの幅の両端側で実施することで該ストリートに沿った二条の該改質層と、二条の該改質層にそれぞれ対応した二条の該溝とを形成することを特徴とする。
前記被加工物の加工方法において、該保持ステップを実施する前に、被加工物の裏面にテープを貼着するテープ貼着ステップを備え、該改質層形成ステップと、該溝形成ステップとは、該テープを介して被加工物に該レーザビームを照射しても良い。
前記被加工物の加工方法において、該溝形成ステップを実施した後、該テープを拡張するエキスパンドステップを備えても良い。
本発明は、ストリートの幅が広い被加工物でもデバイスチップが所望の外形寸法の許容範囲を超えてしまうおそれを低減することができるという効果を奏する。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る被加工物の加工方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る被加工物の加工方法の加工対象の被加工物の斜視図である。図2は、実施形態1に係る被加工物の加工方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施形態1に係る被加工物の加工方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る被加工物の加工方法の加工対象の被加工物の斜視図である。図2は、実施形態1に係る被加工物の加工方法の流れを示すフローチャートである。
実施形態1に係る被加工物の加工方法は、図1に示された被加工物1の加工方法である。実施形態1に係る被加工物の加工方法の加工対象の被加工物1は、シリコン、サファイヤ、ガリウムヒ素、又はSiC(炭化ケイ素)等などを基板2とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等のウェーハである。被加工物1は、基板2の表面3に交差する複数のストリート4を有し、ストリート4で格子状に区画された領域にそれぞれデバイス5が形成されている。
デバイス5は、例えば、IC(Integrated Circuit)、又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。実施形態1では、被加工物1は、ストリート4に沿って個々のデバイスチップ10に分割される。なお、デバイスチップ10は、基板2の一部とデバイス5とを含む。
なお、実施形態1では、被加工物1は、ストリート4の幅が50μm以上でかつ150μm以下に形成され、ストリート4に切削ブレードにより切削加工が施されて個々のデバイスチップ10に分割されるものである。このように、実施形態1では、被加工物1は、ストリート4にレーザ加工が施されるなどして個々のデバイスチップ10に分割されるのに最適な幅のストリート4を有するものよりもストリート4の幅が広い被加工物である。なお、本発明では、被加工物1は、前述した幅のストリート4が表面3に形成されたものに限定されない。
実施形態1に係る被加工物の加工方法は、表面3にストリート4を有した被加工物1を個々のデバイスチップ10に分割する方法である。被加工物の加工方法は、図2に示すように、テープ貼着ステップ1001と、保持ステップ1002と、改質層形成ステップ1003と、溝形成ステップ1004と、エキスパンドステップ1005とを備える。
(テープ貼着ステップ)
図3は、図2に示された被加工物の加工方法のテープ貼着ステップを示す斜視図である。テープ貼着ステップ1001は、保持ステップ1002を実施する前に、被加工物1の基板2の表面3の裏側の裏面6にテープ11を貼着するステップである。
図3は、図2に示された被加工物の加工方法のテープ貼着ステップを示す斜視図である。テープ貼着ステップ1001は、保持ステップ1002を実施する前に、被加工物1の基板2の表面3の裏側の裏面6にテープ11を貼着するステップである。
実施形態1において、テープ貼着ステップ1001では、周知のマウンタが、図3に示すように、被加工物1の裏面6に被加工物1よりも大径な円板状のテープ11を貼着するとともに、テープ11の外周縁に内径が被加工物1の外径よりも大きな環状のフレーム12を貼着して、被加工物1を環状のフレーム12の内側の開口内に支持する。
(レーザ加工装置)
次に、保持ステップ1002、改質層形成ステップ1003及び溝形成ステップ1004を実施するレーザ加工装置100を説明する。図4は、図2に示された被加工物の加工方法の保持ステップ、改質層形成ステップ及び溝形成ステップを実施するレーザ装置の構成例を示す斜視図である。
次に、保持ステップ1002、改質層形成ステップ1003及び溝形成ステップ1004を実施するレーザ加工装置100を説明する。図4は、図2に示された被加工物の加工方法の保持ステップ、改質層形成ステップ及び溝形成ステップを実施するレーザ装置の構成例を示す斜視図である。
図4に示されたレーザ加工装置100は、被加工物1をレーザ加工(加工に相当する)する加工装置である。図4に示されたレーザ加工装置100は、被加工物1の裏面6から被加工物1を構成する基板2及びテープ11に対して透過性を有する波長のパルス状のレーザビーム121をストリート4に沿って照射するレーザ加工装置である。
レーザ加工装置100は、図4に示すように、被加工物1を保持するテーブル110と、レーザビーム照射ユニット120と、移動ユニット130と、撮像ユニット140と、制御手段である制御ユニット190とを有する。
テーブル110は、被加工物1を水平方向と平行な保持面111で保持する。保持面111は、ポーラスセラミック等から形成された円盤形状であり、吸引経路112及び開閉弁113を介して吸引源114と接続されている。テーブル110は、開閉弁113が開いて、吸引源114により吸引されることで、保持面111上に載置された被加工物1を吸引保持する。テーブル110の周囲には、被加工物1を開口内に支持するフレーム12を挟持するクランプ部115が複数配置されている。
また、テーブル110は、移動ユニット130の回転移動ユニット134により保持面111に対して直交しかつ鉛直方向と平行なZ軸方向と平行な軸心回りに回転される。テーブル110は、回転移動ユニット134とともに、移動ユニット130のX軸移動ユニット131により水平方向と平行なX軸方向に移動されかつY軸移動ユニット132により水平方向と平行でかつX軸方向と直交するY軸方向に移動される。テーブル110は、移動ユニット130によりレーザビーム照射ユニット120の下方の加工領域と、レーザビーム照射ユニット120の下方から離れて被加工物1が搬入、搬出される搬入出領域とに亘って移動される。
レーザビーム照射ユニット120は、テーブル110に保持された被加工物1に対してパルス状のレーザビーム121を集光して照射する集光器122を備えたレーザ照射手段である。実施形態1では、レーザビーム照射ユニット120の一部は、図4に示すように、装置本体101から立設した立設壁102に設けられた移動ユニット130のZ軸移動ユニット133によりZ軸方向に移動自在に支持されている。
レーザビーム照射ユニット120は、被加工物1の基板2及びテープ11に対して透過性を有する波長のパルス状のレーザビーム121を出射する発振器123と、テーブル110の保持面111に保持された被加工物1に発振器123から出射されたレーザビーム121を集光する集光器122と、発振器123から出射されたレーザビーム121を集光器122に向かって反射する反射ミラー124とを備える。
集光器122は、テーブル110の保持面111とZ軸方向に対向する位置に配置された集光レンズ125を備えている。集光レンズ125は、テーブル110に保持された被加工物1に対してパルス状のレーザビーム121を集光して照射する集光光学素子である。集光レンズ125は、発振器123から出射されたレーザビーム121を透過して、レーザビーム121を集光点126(図6等に示す)に集光する。
移動ユニット130は、テーブル110とレーザビーム照射ユニット120が照射するレーザビーム121の集光点126とをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びZ軸方向と平行な軸心回りに相対的に移動させるものである。X軸方向及びY軸方向は、互いに直交し、かつ保持面111(即ち水平方向)と平行な方向である。移動ユニット130は、テーブル110をX軸方向に移動させる加工送りユニットであるX軸移動ユニット131と、テーブル110をY軸方向に移動させる割り出し送りユニットであるY軸移動ユニット132と、レーザビーム照射ユニット120に含まれる集光レンズ125をZ軸方向に移動させるZ軸移動ユニット133と、テーブル110をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット134とを備える。
Y軸移動ユニット132は、テーブル110と、レーザビーム照射ユニット120のレーザビーム121の集光点126とを相対的に割り出し送りするユニットである。実施形態1では、Y軸移動ユニット132は、レーザ加工装置100の装置本体101上に設置されている。Y軸移動ユニット132は、X軸移動ユニット131を支持した移動プレート103をY軸方向に移動自在に支持している。
X軸移動ユニット131は、テーブル110と、レーザビーム照射ユニット120のレーザビーム121の集光点126とを相対的に加工送りする送り手段である。X軸移動ユニット131は、移動プレート103上に設置されている。X軸移動ユニット131は、テーブル110をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット134を支持した第2移動プレート104をX軸方向に移動自在に支持している。第2移動プレート104は、回転移動ユニット134、テーブル110を支持している。Z軸移動ユニット133は、立設壁102に設置され、レーザビーム照射ユニット120をZ軸方向に移動自在に支持している。回転移動ユニット134は、テーブル110を支持している。
X軸移動ユニット131、Y軸移動ユニット132及びZ軸移動ユニット133は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のパルスモータ、移動プレート103,104をX軸方向又はY軸方向に移動自在に支持するとともに、レーザビーム照射ユニット120をZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。回転移動ユニット134は、テーブル110を軸心回りに回転するモータ等を備える。
また、レーザ加工装置100は、テーブル110のX軸方向の位置を検出するための図示しないX軸方向位置検出ユニットと、テーブル110のY軸方向の位置を検出するための図示しないY軸方向位置検出ユニットと、レーザビーム照射ユニット120に含まれる集光レンズ125のZ軸方向の位置を検出するZ軸方向位置検出ユニットとを備える。各位置検出ユニットは、検出結果を制御ユニット190に出力する。
撮像ユニット140は、テーブル110に保持された被加工物1を撮像するものである。撮像ユニット140は、対物レンズを透過した赤外線を受光し、対物レンズがZ軸方向に対向するものを撮像するCCD(Charge Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子等の撮像素子を備えている。
撮像ユニット140は、撮像素子が赤外線を受光して撮像した画像を取得し、取得した画像を制御ユニット190に出力する。また、撮像ユニット140は、テーブル110の保持面111に保持された被加工物1を撮像して、被加工物1とレーザビーム照射ユニット120との位置合わせを行うアライメントを遂行するための画像を取得する。
制御ユニット190は、レーザ加工装置100の上述した構成要素をそれぞれ制御して、被加工物1に対するレーザ加工動作をレーザ加工装置100に実施させるものである。なお、制御ユニット190は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット190の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、レーザ加工装置100を制御するための制御信号を入出力インターフェース装置を介してレーザ加工装置100の上述した構成要素に出力して、制御ユニット190の機能を実現する。
また、レーザ加工装置100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示手段である表示ユニットと、オペレータが加工条件などを入力する際に用いる入力手段である入力ユニット等を備えている。表示ユニット及び入力ユニットは、制御ユニット190に接続している。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置との少なくとも一方により構成される。
(保持ステップ)
次に、保持ステップ1002を説明する。図5は、図2に示された被加工物の加工方法の保持ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。保持ステップ1002は、被加工物1の表面3側をテーブル110で保持するステップである。
次に、保持ステップ1002を説明する。図5は、図2に示された被加工物の加工方法の保持ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。保持ステップ1002は、被加工物1の表面3側をテーブル110で保持するステップである。
保持ステップ1002では、前述した構成のレーザ加工装置100の制御ユニット190がオペレータにより入力された加工条件を受け付けて登録し、テープ貼着ステップ1001後の被加工物1が裏面6即ちテープ11を上向きにして表面3側が搬入出領域に位置付けられたテーブル110の保持面111に載置される。保持ステップ1002では、レーザ加工装置100は、オペレータからの加工動作の開始指示を制御ユニット190が受け付けると、加工動作を開始して、保持ステップ1002を開始する。
実施形態1において、保持ステップ1002では、レーザ加工装置100は、図5に示すように、制御ユニット190が開閉弁113を開いてテーブル110の保持面111に被加工物1を吸引保持するとともに、クランプ部115にフレーム12を挟持させる。
(改質層形成ステップ)
図6は、図2に示された被加工物の加工方法の改質層形成ステップを一部断面で示す模式的に側面図である。図7は、図2に示された被加工物の加工方法の改質層形成ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
図6は、図2に示された被加工物の加工方法の改質層形成ステップを一部断面で示す模式的に側面図である。図7は、図2に示された被加工物の加工方法の改質層形成ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
改質層形成ステップ1003は、保持ステップ1002を実施した後、被加工物1に対して透過性を有する波長のレーザビーム121の集光点126を被加工物1の内部に位置づけた状態で、レーザビーム121をストリート4に沿って照射してストリート4に沿った改質層7(図6に示す)を形成するステップである。
なお、改質層7とは、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲のそれとは異なる状態になった領域のことを意味し、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域、及びこれらの領域が混在した領域等を例示できる。また、改質層7は、被加工物1の基板2の他の部分よりも機械的な強度等が低い。
改質層形成ステップ1003では、レーザ加工装置100は、制御ユニット190が移動ユニット130を制御してテーブル110を加工領域に移動し、撮像ユニット140でテーブル110に吸引保持された被加工物1を撮像して画像を取得し、アライメントを遂行する。改質層形成ステップ1003では、図6に示すように、レーザビーム照射ユニット120の集光点126を基板2の内部に位置付け、レーザ加工装置100が、テーブル110とレーザビーム照射ユニット120とをストリート4に沿って相対的に移動させながら被加工物1の裏面6側からテープ11越し即ちテープ11を介して被加工物1にストリート4に沿ってパルス状のレーザビーム121を照射する。
実施形態1において、改質層形成ステップ1003では、レーザ加工装置100が、テーブル110を移動させながらテーブル110に吸引保持された被加工物1の各ストリート4の幅方向の両端部にストリート4に沿ってレーザビーム121を照射する。即ち、被加工物の加工方法は、改質層形成ステップ1003を各ストリート4の幅方向の両端側で実施する。改質層形成ステップ1003では、レーザ加工装置100が、被加工物1の基板2及びテープ11に対して透過性を有する波長を有するレーザビーム121を照射するために、図6及び図7に示すように、基板2の内部にストリート4に沿った改質層7を形成する。
また、実施形態1では、被加工物の加工方法は、改質層形成ステップ1003を各ストリート4の幅方向の両端側で実施することで、図7に示すように、基板2の内部に各ストリート4に沿って各ストリート4の幅方向の両端部に改質層7を形成する。即ち、実施形態1では、改質層形成ステップ1003において、レーザ加工装置100は、被加工物1の各ストリート4に幅方向に間隔をあけかつ互いに平行な二条の改質層7を形成する。
また、実施形態1では、改質層形成ステップ1003において、レーザ加工装置100は、被加工物1の各ストリート4の幅方向の両端部に厚み方向に間隔をあけて複数(実施形態1では、二条)形成する。この場合、レーザ加工装置100は、厚み方向に間隔をあけて複数形成される改質層7のうち表面3側の改質層7から順に形成される。なお、本発明では、改質層形成ステップ1003において、被加工物1の各ストリート4の幅方向の両端部に一条のみ改質層7を形成しても良く、厚み方向に間隔をあけて三条以上形成しても良い。
実施形態1において、改質層形成ステップ1003では、被加工物1は、基板2の内部にストリート4に沿った改質層7が形成されると、改質層7から表面3及び裏面6に向かってクラック8(図7に示す)が伸長することがある。実施形態1において、改質層形成ステップ1003では、レーザ加工装置100は、制御ユニット190にクラック8が裏面6に到達しない(即ち、到達することが規制される)加工条件が設定される。実施形態1では、制御ユニット190に設定される加工条件は、各ストリート4の幅方向の両端部に厚み方向に間隔をあけて形成された改質層7間のクラック8が互いに連なり、裏面6と表面3との双方に到達しない(即ち、到達することが規制される)加工条件に設定される。
なお、実施形態1において、レーザ加工装置100の改質層形成ステップ1003の代表的な加工条件は、以下のとおりである。
レーザビーム121の波長 :1080nm
レーザビーム121の繰り返し周波数 :100kHz
レーザビーム121の平均出力 :1.0W
加工送り速度 :375mm/s
集光点126の位置 :120μm及び60μm
レーザビーム121の繰り返し周波数 :100kHz
レーザビーム121の平均出力 :1.0W
加工送り速度 :375mm/s
集光点126の位置 :120μm及び60μm
なお、加工送り速度とは、改質層形成ステップ1003において、レーザビーム照射ユニット120とテーブル110とをX軸方向に相対的に移動させる速度、即ち、テーブル110の移動速度である。集光点126の位置とは、集光点126の裏面6からの距離である。
なお、加工条件は、以下のように設定される。改質層7から伸長するクラック8が発生してもクラック8の長さが短ければ大きく曲がることがないので、クラック8の曲がりが許容範囲内の加工条件(レーザビーム121の平均出力や集光点126の裏面6からの距離)を予めダミーワーク等で選定し、選定した条件を加工条件とする。また、本発明では、クラック8が発生しない加工条件(レーザビーム121の平均出力や集光点126の位置)を予めダミーワーク等で選定し、選定した条件を加工条件とする。
改質層形成ステップ1003では、レーザ加工装置100は、全てのストリート4に沿って、ストリート4の幅方向の両端部の基板2の内部に改質層7を形成する。
(溝形成ステップ)
図8は、図2に示された被加工物の加工方法の溝形成ステップを一部断面で示す模式的に側面図である。図9は、図2に示された被加工物の加工方法の溝形成ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
図8は、図2に示された被加工物の加工方法の溝形成ステップを一部断面で示す模式的に側面図である。図9は、図2に示された被加工物の加工方法の溝形成ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
溝形成ステップ1004は、改質層形成ステップ1003を実施した後、レーザビーム121の集光点126を被加工物1の裏面6側に位置付けた状態で、改質層7に対応した位置でレーザビーム121をストリート4に沿って照射してアブレーション加工を施し裏面6に開口するとともにストリート4に沿った溝9を形成するステップである。
溝形成ステップ1004では、図8に示すように、レーザビーム照射ユニット120の集光点126を基板2の裏面6に位置付け、レーザ加工装置100が、テーブル110とレーザビーム照射ユニット120とをストリート4に沿って相対的に移動させながら被加工物1の裏面6側からテープ11越し即ちテープ11を介して被加工物1にストリート4に沿ってパルス状のレーザビーム121を照射する。
実施形態1において、溝形成ステップ1004では、レーザ加工装置100が、テーブル110を移動させながらテーブル110に吸引保持された被加工物1の各ストリート4の幅方向の両端にストリート4に沿ってレーザビーム121を照射する。即ち、被加工物の加工方法は、溝形成ステップ1004を各ストリート4の幅方向の両端側で実施する。溝形成ステップ1004では、レーザ加工装置100が、被加工物1の基板2及びテープ11に対して透過性を有する波長を有するレーザビーム121を集光点126を裏面6に位置付けて照射し、裏面6にテープ11が貼着されているために、図6及び図7に示すように、基板2の裏面6のごく一部がアブレーション加工されて、ストリート4に沿った裏面6から凹の溝9を形成する。
また、実施形態1では、被加工物の加工方法は、溝形成ステップ1004を各ストリート4の幅方向の両端側で実施することで、図9に示すように、各ストリート4に沿って各ストリート4の幅方向の両端部に改質層7に対応した裏面6から凹の溝9を形成する。即ち、実施形態1では、溝形成ステップ1004において、レーザ加工装置100は、被加工物1の各ストリート4に二条の改質層7にそれぞれに対応した二条の溝9を形成する。なお、改質層7に溝9が対応するとは、改質層7に溝9が基板2の厚み方向に重なることをいう。
なお、実施形態1において、レーザ加工装置100の溝形成ステップ1004の代表的な加工条件は、以下のとおりである。
レーザビーム121の波長 :1080nm
レーザビーム121の繰り返し周波数 :100kHz
レーザビーム121の平均出力 :0.8W
加工送り速度 :375mm/s
レーザビーム121の繰り返し周波数 :100kHz
レーザビーム121の平均出力 :0.8W
加工送り速度 :375mm/s
溝形成ステップ1004では、レーザ加工装置100は、全てのストリート4に沿って、ストリート4の幅方向の両端部に基板2の裏面6から凹の溝9を形成する。
なお、本発明では、レーザ加工装置100は、レーザビーム照射ユニット120がレーザビーム121をY軸方向に2本に分岐する分岐ユニットを備えていても良い。この場合、改質層形成ステップ1003及び溝形成ステップ1004において、レーザ加工装置100は、発振器123で生成されたレーザビーム121を2本に分岐して、各ストリート4に対して同時に二条の改質層7及び二条の溝9を形成しても良い。
また、実施形態1では、被加工物の加工方法は、改質層形成ステップ1003において、全てのストリート4に二条の改質層7を形成した後、溝形成ステップ1004において、全てのストリート4に二条の溝9を形成した。しかしながら、本発明でじゃ、被加工物の加工方法は、各ストリート4毎に改質層形成ステップ1003と溝形成ステップ1004とを順に実施して、各ストリート4に対応する二条の改質層7と二条の溝9を順に形成しても良く、各ストリート4の幅方向の端部毎に改質層形成ステップ1003と溝形成ステップ1004とを順に実施して、各ストリート4の各端部に対応する改質層7と溝9を順に形成しても良い。
(エキスパンドステップ)
図10は、図2に示された被加工物の加工方法のエキスパンドステップにおいてエキスパンド装置がフレームを保持した状態を一部断面で模式的に示す側面図である。図11は、図10に示されたエキスパンド装置がフレームに貼着されたテープを拡張した状態を一部断面で模式的に示す側面図である。図12は、図2に示された被加工物の加工方法のエキスパンドステップ後の被加工物の要部の断面図である。
図10は、図2に示された被加工物の加工方法のエキスパンドステップにおいてエキスパンド装置がフレームを保持した状態を一部断面で模式的に示す側面図である。図11は、図10に示されたエキスパンド装置がフレームに貼着されたテープを拡張した状態を一部断面で模式的に示す側面図である。図12は、図2に示された被加工物の加工方法のエキスパンドステップ後の被加工物の要部の断面図である。
エキスパンドステップ1005は、溝形成ステップ1004を実施した後、テープ11を面方向に拡張するステップである。エキスパンドステップ1005では、図10に示すように、エキスパンド装置200がフレーム保持ユニット201のフレーム載置プレート202上とクランプ203との間にフレーム12とテープ11の外縁部との間で挟んで保持するとともに、拡張ドラム210の上端及び拡張ドラム210の内側に設けられたチャックテーブル220の保持面221をテープ11に当接させる。
こうして、エキスパンドステップ1005では、図10に示すように、エキスパンド装置200が、テープ11が外縁部と中央部とに亘って平坦な状態で、テープ11を介して被加工物1をフレーム保持ユニット201で保持する。また、図10に示す状態では、エキスパンド装置200は、保持面221にテープ11を吸引していない。
エキスパンドステップ1005では、エキスパンド装置200が、フレーム12と、被加工物1とを被加工物1の表面3に対して交差(実施形態1では、直交)する方向に沿って相対的に移動させる。実施形態1において、エキスパンドステップ1005では、エキスパンド装置200が、フレーム保持ユニット201を下降させて、フレーム12と、被加工物1とを被加工物1の表面3に対して交差(実施形態1では、直交)する方向に沿って相対的に移動させる。すると、図11に示すように、テープ11の被加工物1の外縁とフレーム12の内縁との間を拡張ドラム210が下方から上方に向けて押圧するとともに、被加工物1をチャックテーブル220が下方から上方に向けて押圧して、テープ11が面方向に拡張される。エキスパンドステップ1005では、テープ11の拡張の結果、テープ11に放射状の引張力が作用する。
このように被加工物1の裏面6が貼着されたテープ11に放射状の引張力が作用すると、被加工物1の各ストリート4に改質層7及び溝9が形成されているので、テープ11が被加工物1を表面3及び裏面6と平行な面方向に拡張させて、改質層7と溝9とが互いに近づく方向に厚み方向に沿ってクラック8を伸長させるとともに、改質層7から表面3に向かって厚み方向に沿ってクラック8を伸長させる。改質層7と溝9とがクラック8により連なり、クラック8が基板2の表面3に到達すると、改質層7及び溝9を起点に被加工物1が個々のデバイスチップ10に分割される。
実施形態1において、エキスパンドステップ1005では、エキスパンド装置200が、拡張したテープ11を介して被加工物1即ち複数のデバイスチップ10をチャックテーブル220の保持面221に吸引保持する。実施形態1において、エキスパンドステップ1005では、エキスパンド装置200が、フレーム保持ユニット201を上昇させて、外縁部と中央部とに亘って平坦な状態にテープ11を位置付け、テープ11の被加工物1の外縁とフレーム12の内縁との間の形成された図示しない弛み部を加熱収縮させる。こうして、実施形態1において、エキスパンドステップ1005では、図12に示すように、被加工物1を個々のデバイスチップ10に分割し、隣り合うデバイスチップ10間に隙間を形成する。個々に分割されたデバイスチップ10は、テープ11から周知のピッカー等によりピックアップされる。
一般に、ストリート4に沿って改質層7が形成された被加工物1のテープ11が貼着されている面側が割れていない状態でテープ11を面方向に拡張すると、改質層7からテープ11が貼着されている面に至る領域でクラック8が厚み方向に対して交差する方向に伸長する所謂斜め割れが生じてデバイスチップ10が所望の形状に対して異形状となってしまう。なお、テープ11が貼着されている面の裏側の面は割れていなくてもテープ11の面方向の拡張によって、被加工物1がテープ11が貼着されている面側から割れていくので問題ない。このために、被加工物1を個々のデバイスチップ10に分割するためには、テープ11を面方向に拡張する時には、被加工物1のテープ11が貼着されている面側が割れている必要がある。
ここで、各ストリート4に1条の改質層7を形成する場合は、改質層7からテープ11が貼着されている面までクラックが伸長するような加工条件(レーザビーム121の出力や集光点126の位置)で加工し、クラック8によってテープ11が貼着されている面側が割れている状態とする望ましい。
また、各ストリート4に二条の改質層7を形成すると、片方の改質層7からテープ11が貼着されている面に伸長するクラック8が厚み方向に対して曲がってしまう。このクラック8が曲がる原因は、不明であるが、レーザビーム121の照射によって改質層7の周囲に何らかの影響が及んでいることが考えられる。各ストリート4に形成される二条の改質層7から伸長するクラック8は、ストリート4の内側にも外側にもランダムで曲がる、二条のうちどちらが曲がるかもランダムとなるとともに、二条のうち1本ずつ加工すると後から加工した改質層7から伸長するクラック8が曲がる。また、発振器123からのレーザビーム121を分岐して、2条の改質層7を同時に形成しても片方の改質層7から伸長するクラック8が曲がってしまう。
そこで、実施形態1に係る被加工物の加工方法は、溝形成ステップ1004において、テープ11が貼着された裏面6に改質層7に対応した溝9を形成するので、溝9によってテープ11が貼着された裏面6側が割れている状態とすることができ、エキスパンドステップ1005において改質層7と溝9とが近づく方向にクラック8を伸長させることができる。このために、実施形態1に係る被加工物の加工方法は、各ストリート4に二条の改質層7及び溝9を形成することでストリート4が広い被加工物1でも所望の外形サイズのデバイスチップ10を形成することができる。その結果、実施形態1に係る被加工物の加工方法は、被加工物1の内部に改質層7を形成するとともに改質層7に対応し裏面6に開口する溝9を形成するため、ストリート4の幅広い被加工物1であっても分割性を損なうおそれがなく、デバイスチップ10が所望の外形寸法の許容範囲を超えてしまうおそれを低減することができるという効果を奏する。
また、実施形態1に係る被加工物の加工方法は、改質層形成ステップ1003において、テープ11が貼着された裏面6までクラック8を伸長することを規制する加工条件で改質層7を形成する。このために、実施形態1に係る被加工物の加工方法は、エキスパンドステップ1005において改質層7と溝9とが近づく方向に伸長するクラック8を厚み方向に対して曲がることを抑制することができる。
また、実施形態1に係る被加工物の加工方法は、被加工物1の基板2のテープ11が貼着された裏面6に形成された溝9が改質層7に対応して形成されるために、溝9の深さが浅くても良い。このために、実施形態1に係る被加工物の加工方法は、改質層7を形成する被加工物1の基板2及びテープ11に対して透過性を有する波長のレーザビーム121の集光点126をテープ11が貼着された裏面6に位置付けて照射して、裏面6に溝9を形成することができる。その結果、実施形態1に係る被加工物の加工方法は、改質層形成ステップ1003と溝形成ステップ1004とを同一のレーザビーム121で実施することができ、同一のレーザ加工装置100で改質層7と溝9との双方を形成することができる。
また、一般的に、テープ11の面方向の拡張時のテープ11が貼着された面を被加工物1の表面3とした場合、溝9を形成するには基板2に対して吸収性を有する波長のレーザビーム121を照射することが好ましく、テープ11の拡張後にピックアップするために、被加工物1の転写が必要となる。しかしながら、実施形態1に係る被加工物の加工方法は、被加工物1の基板2のテープ11が貼着された裏面6に溝9を形成するために、エキスパンドステップ1005後に転写する必要がない。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る被加工物の加工方法を図面に基づいて説明する。図13は、実施形態2に係る被加工物の加工方法の流れを示すフローチャートである。図14は、図13に示された被加工物の加工方法の保持ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。図15は、図13に示された被加工物の加工方法の改質層形成ステップを一部断面で示す模式的に側面図である。図16は、図13に示された被加工物の加工方法の溝形成ステップを一部断面で示す模式的に側面図である。図17は、図13に示された被加工物の加工方法のテープ貼着ステップを示す斜視図である。なお、図13、図14、図15、図16及び図17は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態2に係る被加工物の加工方法を図面に基づいて説明する。図13は、実施形態2に係る被加工物の加工方法の流れを示すフローチャートである。図14は、図13に示された被加工物の加工方法の保持ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。図15は、図13に示された被加工物の加工方法の改質層形成ステップを一部断面で示す模式的に側面図である。図16は、図13に示された被加工物の加工方法の溝形成ステップを一部断面で示す模式的に側面図である。図17は、図13に示された被加工物の加工方法のテープ貼着ステップを示す斜視図である。なお、図13、図14、図15、図16及び図17は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係る被加工物の加工方法は、図13に示すように、保持ステップ1002、改質層形成ステップ1003、溝形成ステップ1004を順に実施し、その後、テープ貼着ステップ1001とエキスパンドステップ1005とを順に実施する事以外、実施形態1と同じである。保持ステップ1002では、前述した構成のレーザ加工装置100の制御ユニット190がオペレータにより入力された加工条件を受け付けて登録し、被加工物1が裏面6を上向きにして表面3側が搬入出領域に位置付けられたテーブル110の保持面111に載置される。保持ステップ1002では、レーザ加工装置100は、オペレータからの加工動作の開始指示を制御ユニット190が受け付けると、加工動作を開始して、図14に示すように、制御ユニット190が開閉弁113を開いてテーブル110の保持面111に被加工物1を吸引保持する。
実施形態2において、改質層形成ステップ1003では、レーザ加工装置100は、制御ユニット190が移動ユニット130を制御してテーブル110を加工領域に移動し、撮像ユニット140でテーブル110に吸引保持された被加工物1を撮像して画像を取得し、アライメントを遂行する。改質層形成ステップ1003では、図15に示すように、レーザビーム照射ユニット120の集光点126を基板2の内部に位置付け、レーザ加工装置100が、テーブル110とレーザビーム照射ユニット120とをストリート4に沿って相対的に移動させながら被加工物1の裏面6に直接ストリート4に沿ってパルス状のレーザビーム121を照射して、実施形態1と同様に、各ストリート4の幅方向の両端部に改質層7をする。
実施形態2において、溝形成ステップ1004では、図16に示すように、レーザビーム照射ユニット120の集光点126を基板2の裏面6に位置付け、レーザ加工装置100が、テーブル110とレーザビーム照射ユニット120とをストリート4に沿って相対的に移動させながら被加工物1の裏面6に直接ストリート4に沿ってパルス状のレーザビーム121を照射して、実施形態1と同様に、各ストリート4の幅方向の両端部に溝9をする。
実施形態2において、テープ貼着ステップ1001では、周知のマウンタが、図17に示すように、改質層形成ステップ1003及び溝形成ステップ1004後の被加工物1の裏面6にテープ11を貼着するとともに、テープ11の外周縁にフレーム12を貼着して、被加工物1を実施形態1と同様に、環状のフレーム12の内側の開口内に支持する。なお、実施形態2において、テープ貼着ステップ1001後の被加工物1は、表面3にクラック8が到達して、表面3にクラック8が到達している。
実施形態2において、エキスパンドステップ1005は、実施形態1と同様に、テープ11を拡張して、被加工物1を個々のデバイスチップ10に分割する。
実施形態2に係る被加工物の加工方法は、テープ11が貼着された裏面6に改質層7に対応した溝9を形成するので、エキスパンドステップ1005において改質層7と溝9とが近づく方向にクラック8を伸長させることができ、実施形態1と同様に、ストリート4の幅広い被加工物1であっても分割性を損なうおそれがなく、デバイスチップ10が所望の外形寸法の許容範囲を超えてしまうおそれを低減することができるという効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、本発明では、エキスパンドステップ1005前にクラック8がテープ11が貼着された裏面6側に到達しても、クラック8の厚み方向に対する曲がりが微小で溝9の幅内に収まる(アブレーションで除去できる)程度であれば問題ない。また、クラック8がストリート4の内側に向かって曲がる場合は、改質層7と溝9を連続して形成すれば問題ない。よって、本発明において、改質層形成ステップ1003の加工条件は、クラック8が裏面6まで伸長することを規制する加工条件でなくても良い。
1 被加工物
3 表面
4 ストリート
6 裏面
7 改質層
9 溝
11 テープ
110 テーブル
121 レーザビーム
126 集光点
1001 テープ貼着ステップ
1002 保持ステップ
1003 改質層形成ステップ
1004 溝形成ステップ
1005 エキスパンドステップ
3 表面
4 ストリート
6 裏面
7 改質層
9 溝
11 テープ
110 テーブル
121 レーザビーム
126 集光点
1001 テープ貼着ステップ
1002 保持ステップ
1003 改質層形成ステップ
1004 溝形成ステップ
1005 エキスパンドステップ
Claims (3)
- 表面にストリートを有した被加工物の加工方法であって、
被加工物の該表面側をテーブルで保持する保持ステップと、
該保持ステップを実施した後、被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を被加工物の内部に位置づけた状態で、該レーザビームを該ストリートに沿って照射して該ストリートに沿った改質層を形成する改質層形成ステップと、
該改質層形成ステップを実施した後、該レーザビームの該集光点を被加工物の裏面側に位置付けた状態で、該改質層に対応した位置で該レーザビームを該ストリートに沿って照射してアブレーション加工を施し該裏面に開口するとともに該ストリートに沿った溝を形成する溝形成ステップと、を備え、
該改質層形成ステップと、該溝形成ステップと、を該ストリートの幅の両端側で実施することで該ストリートに沿った二条の該改質層と、二条の該改質層にそれぞれ対応した二条の該溝とを形成する、被加工物の加工方法。 - 該保持ステップを実施する前に、被加工物の裏面にテープを貼着するテープ貼着ステップを備え、
該改質層形成ステップと、該溝形成ステップとは、該テープを介して被加工物に該レーザビームを照射する、請求項1に記載の被加工物の加工方法。 - 該溝形成ステップを実施した後、該テープを拡張するエキスパンドステップを備えた、請求項2に記載の被加工物の加工方法。
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