JP2022162486A - 成形体 - Google Patents

成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2022162486A
JP2022162486A JP2021067399A JP2021067399A JP2022162486A JP 2022162486 A JP2022162486 A JP 2022162486A JP 2021067399 A JP2021067399 A JP 2021067399A JP 2021067399 A JP2021067399 A JP 2021067399A JP 2022162486 A JP2022162486 A JP 2022162486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
hole
lightening
spacer
center line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021067399A
Other languages
English (en)
Inventor
西山弘信
Hironobu Nishiyama
剛 高口
Takeshi Takaguchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THREE PEACE KK
Original Assignee
THREE PEACE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THREE PEACE KK filed Critical THREE PEACE KK
Priority to JP2021067399A priority Critical patent/JP2022162486A/ja
Publication of JP2022162486A publication Critical patent/JP2022162486A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】ネジやピンを差込摩擦固定するための平行孔を有する環状成形体であって、型締めと型開きの方向の移動のみで成形可能な環状成形体を提供する。【解決手段】金型の型締めと型開きで材料成形されてなる、仮想中心線を有する環状成形体1であって、外側から差し込んだネジ等を摩擦固定するための平行孔21が設けられてなり、当該平行孔は、一方側肉抜き路4aの平行孔側を閉鎖する一方側閉鎖壁3eと、他方側肉抜き路4bそれぞれの平行孔側を閉鎖する他方側閉鎖壁3dと、により囲まれてなり、当該一方側肉抜き路内に露出する当該一方側閉鎖壁の壁面3eaは押し切り面でなり、当該他方側肉抜き路内に露出する当該一方側閉鎖壁の壁面3eb,3ecは食い切り面でなる。押し切り面と食い切り面で平行孔を形成するので、スライド入子やドリルなどを使用せずに型締めと型開きのみで平行孔を形成できる。【選択図】図7

Description

本明細書で開示される技術は、平行孔を有する環状成形体に関する。
従来、固定型に対する可動型の型締めと型開きによって材料成形されてなる成形体が壁体を有し、その壁体が可動型の移動方向と交差する固定長孔を有する場合、その固定長孔はアンダーカットとなるため型締めと型開き方向の移動のみでは形成されず、一般にその成形はスライド入子の移動によって行われる(特許文献1)。
固定長孔を形成するための別方法として、ドリルを用いる方法がある。つまり、スライド入子なし、つまり固定長孔なしで成形された環状成形体をクランプしてドリルで一方向ずつ順に、もしくは4方向同時に仮想中心線に向けて孔開けする。
特開平4-261802公報
このため、これに限られるものではないが、たとえば、円筒状ギアケースとモータとの間に設けられる間座のような環状成形体であって厚み方向に複数の固定長孔を成形しようとする場合、製造のコスト・手間が製品価格の設定に大きな負担となる。つまり、たとえば、固定長孔の数が4個だとし、これらを環状成形体の周方向等間隔に設けられているとする。時計の3時、6時、9時、そして12時の方向に当たる位置である。これら4個の固定長孔を1個のスライド入子で形成することはできないので、それぞれの固定長孔を個別に形成するためのスライド入子が必要となる。固定長孔の数を5個、6個というように増やせば、その分だけスライド入子の数をもっと増やさなくてはならならず、とても不経済である。ちなみに、放射状に配置されるスライド入子の数は、それぞれが所定の専有面積を必要とするため、設置できる数はケースバイケースではあるが、せいぜい6個程度である。すなわち、固定長孔の形成可能数を7個、8個、さらにそれ以上に増やすことができない。
またスライド入子により形成された固定長孔は、スライド入子から見て奥から手前方向(環状成形体の仮想中心線から放射方向)に向けて径寸法が漸増している。つまり、抜き勾配が不可避的に存在する。このような抜き勾配は、摩擦固定されるネジ又はピンと固定長孔の内周面との掛かり具合の勾配につながるため、強度保持のために好ましいとは言えない。
ドリルで形成された固定長孔の内周面は勾配のない平行孔(後ほど、定義する)となるので、スライド入子に生じる抜き勾配問題は生じないが、なにしろ手間とそのためのドリリング設備が必要となり、結局それらは製造コストに悪影響を与える。
本発明が解決しようとする課題は、ネジやピンを差込摩擦固定するための平行孔を有する環状成形体であって、スライド入子やドリルなどを使用することなく、また、孔の勾配問題を生じさせることなく、一方の金型に対する他方の金型の型締めと型開きの方向の移動のみで成形可能ものを提供することにある。
上述の課題を解決するため本発明は、次の構成作用上の特徴を有している。
(請求項1の発明の特徴)
請求項1の発明に係る環状成形体(以下、適宜「請求項1の成形体」という)は、一方の金型に対する他方の金型の型締めと型開きの方向の移動のみで材料成形されてなる仮想中心線を有する環状成形体である。当該仮想中心線の長さ方向に所定高さを、当該仮想中心線の放射方向に所定厚みを、それぞれ有している。外側から当該仮想中心線に向かう方向に差し込んだネジ又はピンを摩擦固定するための少なくとも1個の平行孔が設けられてなり、当該平行孔と連通するとともに当該一方の金型側に開放する少なくとも1個の一方側肉抜き路と、当該平行孔と連通するとともに当該他方の金型側に開放する少なくとも2個の他方側肉抜き路とが、外側から当該仮想中心線に向かって当該他方側肉抜き路・一方側肉抜き路・当該他方側肉抜き路の順で連続して設けられてなる。当該平行孔は、当該一方側肉抜き路の当該平行孔側を閉鎖する一方側閉鎖壁と、当該他方側肉抜き路それぞれの当該平行孔側を閉鎖する他方側閉鎖壁と、により囲まれてなり、当該一方側肉抜き路内に露出する当該一方側閉鎖壁の壁面は押し切り面でなり、当該他方側肉抜き路内に露出する当該一方側閉鎖壁の壁面は食い切り面でなる、ことを特徴とする。
(請求項2の発明の特徴)
請求項2の発明に係る環状成形体(以下、適宜「請求項2の成形体」という)は、請求項1の成形体の好ましい形態として、前記仮想中心線に近い方の前記他方側肉抜き路と前記仮想中心線との間に、ネジ又はピンを差し込む際に生じるバリを前記他方側肉抜き路内に留め置くためのバリ留めが設けられてなる、ことを特徴とする。
(請求項3の発明の特徴)
請求項3の発明に係る環状成形体(以下、適宜「請求項3の成形体」という)は、請求項1又は2の成形体の好ましい形態として、前記ネジ又はピンを貫通可能な貫通孔を有する所定形状の被取付体が、当該貫通孔を貫通させた前記ネジ又はピンを前記平行孔に差込摩擦固定されてなることを特徴とする。
(請求項4の発明の特徴)
請求項4の発明に係る環状成形体(以下、適宜「請求項2の成形体」という)は、請求項31の成形体の好ましい形態として、前記環状成形体は、前記被取付体を構成する円筒状ギアケースとモータとの間に設けられる間座であり、当該モータに固定されるとともに当該ギアケースの内部に一部又は全部が収納され、当該円筒状ギアケースの前記貫通孔を貫通させたネジ又はピンを前記平行孔に差込固定することで当該モータに対する当該円筒状ギアケースの抜けと回転を防止できるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ネジやピンを差込摩擦固定するための平行孔を有する環状成形体であって、スライド入子やドリルなどを使用することなく、また、孔の勾配問題を生じさせることなく、一方の金型に対する他方の金型の型締めと型開きの方向の移動のみで成形されたコストと手間が可及的に省かれたものが提供される。
環状成形体(間座)の使用例を示す分解斜視図である。 一方側から見た間座の斜視図である。 他方側から見た間座の斜視図である。 間座の側面図である。 間座の側面図である。 間座の他方側から見た平面図である。 図6に示す間座のA-A断面図である。 図6に示す間座のB-B断面図である。 間座の成形過程を示す金型の概略断面図である。 間座の成形過程を示す金型の概略断面図である。 間座の成形過程を示す金型の概略断面図である。 間座の成形過程を示す金型の概略断面図である。 間座と金型との関係を示す部分断面図である。 間座の成形過程を示す金型の概略断面図である。 間座の斜視図である。 図15に示す間座の部分拡大図である。 本実施形態の変形例に係る間座を一方側から見た斜視図である。 本実施形態の変形例に係る間座を他方側から見た斜視図である。 本実施形態の変形例に係る間座を一方側から見た平面図である。 図19に示す間座のA‘―A’断面図である。 本実施形態の変形例に係る間座の斜視図である。 図21に示す間座の部分拡大図である。
ネジやピンを差込摩擦固定するための平行孔を有する環状成形体を成形するにあたり、スライド入子やドリルなどを使用することなく、また、孔の勾配問題を生じさせることなく、一方の金型に対する他方の金型の型締めと型開きの方向の移動のみで成形可能になる。
(定義)
本出願において使用する用語の定義は、次のとおりである。
(1) 環状成形体
内周壁によって囲まれる中孔を有する中空状であって、外周壁によって外側が画定される成形体のことをいう。輪のように丸い外観が基本であるが、本出願では楕円や四角形その形も含まれる。外周壁が円形で内周壁が四角形を例とする、外周壁の形状と内周壁の形状が異なるものも含まれる。また、アンダーカットが生じない凹凸が、外周壁もしくは内周壁の一方または双方に設けられたものも含まれる。本出願では、環状成形体の一例として円筒状ギアケースとモータの間に設けられる間座を実施形態の一例として挙げている。また、円筒状ギアケースは被取付体として間座に取り付けられるようになっている。
(2)一方の金型
一方の金型とは、成型時に移動しない固定型もしくは移動する金型のうち一方の金型である。本実施形態では、説明の都合上、可動型ということにする。
(3) 他方の金型
一方の金型が固定型であるときの可動型、もしくは、一方の金型が可動型であるときの固定型である。本実施形態では、説明の都合上固定型ということにする。アンダーカットが生じる成形品の成形には、型締め時にスライド入子などが使用されることにより型締め・片開き方向以外の移動が必要となる場合があるが、本出願における金型移動は、型締めと片開き方向のみである。たとえば、エジェクタピンによる成形品突き出しが行われる場合の、このエジェクタピンの可動は、片開きに伴うものであり、本出願の「片開き」の移動に含まれる。
(4)平行孔
孔径が位置によって異ならず断面にした内周壁が平行な孔のことをいう。不可避的な寸法誤差や僅かな遊びがあっても、抜き勾配のような意図的な径勾配のない孔は、本出願の平行孔に含まれる。
(5) 摩擦固定
ネジ進行により差し込まれたネジ、圧入された平行ピン、径拡大方向に弾性的に突っ張るスプリングピンなどの差込部材を差し込んだ際の平行孔の内周壁に対して摩擦のみで固定することを摩擦固定という。摩擦固定後に接着剤などを塗布して後補強することを妨げないが、摩擦固定が主でなければならならず、接着剤等がなければ目的達成のための固定ができない場合を排除する趣旨である。
(6) 押し切り面
押し切り面とは、一方の金型と他方の金型の型締め・片開きの方向に対して、これを垂直もしくは傾斜して横切る方向に当たる面のことをいう。
(7) 食い切り面
食い切り面とは、一方の金型と他方の金型の型締め・片開きの方向に沿った(平行とは限らない)合わせ面のことをいう。
(環状成形体の用途例)
図1が示すように環状成形体1は、円筒状ギアケース103とモータ105とともに、ギアドモータ101の構成部品の一つであって、間座と呼ばれる部品である。以下、環状成形体1の代わりに間座1と呼ぶ。間座1は、モータ105に固定されるとともにギアケース103の内部に一部(形状によっては全部の場合もある)が収納される。収納された状態の間座1には、円筒状ギアケース103の貫通孔104(図1)を外側から貫通させたネジ51がネジ作用で差し込まれ、円筒状ギアケース103が摩擦固定される。したがって、間座1にとって円筒状ギアケース103は被取付体であり、かつ、後述する平行孔21へのネジ51の取り付けを補強する補強体でもある。平行孔21と円筒状ギアケース103(の貫通孔104)の協働により、モータ105に対する円筒状ギアケース103の抜けと回転を、ギアモータ101に使用範囲で有効防止できるように構成されている。なお、本実施形態のネジ51は、その一例としてタップネジを採用している。ネジの代わりに、長さ方向に隙間があるスプリングピン、その他のピンなどを採用してもよい。
円筒状ギアケース103の内部にはギア群(円筒状ギアケース103で遮られているため見えない)が収納されていて、モータ105の回転を減速して出力軸107から出力する。間座1の詳細な構造と製造方法は、後述する。なお、間座1は環状成形体の一例であり、本発明の技術的思想は他の環状成形体にも及ぶ。また、環状成形体の成形材料も様々であり、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート及びABSなどを例とする樹脂、アルミニウムや亜鉛を例とする金属、さらにセラミックや焼結用材料なども使用可能である。
(間座の概略構造)
図1~8を参考に、間座1の概略構造を説明する。間座1は、円筒状ギアケース103とモータ105の間に設けられる両者連結のための部材であり、本実施形態ではポリアセタールを成形してなる環状成形体である。強度に注意すれば、焼結製やアルミ亜鉛ダイカスト製などを用いることもできる。図2及び8において二点鎖線で示すCLは、間座1の中心を長さ方向に貫く仮想中心線を示す。仮想中心線CLは、実際に存在するものではなく、その長さ方向(図2,8の上下方向)と、仮想中心線CLから見た放射方向を示す基準とするための便宜的なものである。間座1は、仮想中心線CLの長さ方向(図2,8の上下方向)に高さ寸法を、放射方向に幅寸法を、それぞれ有している。
(間座の詳細構造)
間座1は、円筒状の間座本体3と、間座本体3の仮想中心線CLの長さ方向一端側(図2,8の下側)に、間座本体3の長さ寸法(仮想中心線CLの長さ方向)の半分弱の長さ寸法を有する鍔部5を有している。鍔部5は、間座本体3と仮想中心線CLを共通にし、放射方向の厚み寸法が間座本体3の厚み寸法より大きく設定されている。したがって、鍔部5は、間座本体3より全周に渡り放射方向に張り出した形状になっている。間座本体3の外形寸法は、円筒状ギアケース103の内径よりも差し入れに邪魔にならない程度の遊びを介して僅かに小径となっている。これにより間座本体3は、円筒状ギアケース103の中に収納することができる。一方、鍔部5の外形寸法は、円筒状ギアケース103の外形寸法よりも大径で(理由は後述)、主として見栄えの関係からモータ105の外形寸法とほぼ同じ外形寸法になっている。
(鍔部)
鍔部5は、円筒状ギアケース103よりモータ105の方が大径である場合に、その差を埋めてモータ105への取り付けをより容易にするために形成されている。このため、両者間に径差がないのであれば、設ける必要は必ずしもない。また逆に円筒状ギアケース103の方がモータより大径である場合は、図3に示す位置関係を逆にすることもできる。鍔部5と間座本体3との間にできる段部5d(図2、4,5)は、そこに円筒状ギアケース103の開放端面が突き当たり状態で接触することになるので、間座1全体に対する円筒状ギアケース103の位置決め機能も有している。
(間座の抜き勾配)
図7及び8の符号3cは、一端面3bと仮想中心線CLの長さ方向に対向する間座本体
3の他端面を示す。間座本体3と鍔部5とは、図面では見分けがつかないが、たとえば3度前後の抜き勾配が形成され、一端面側3b,5b側からに他端面3c側に向かって僅かずつ先細りしている。この抜き勾配は、間座1を金型(図示を省略)から抜き取りやすくするための勾配である。したがって、一端面側3b側からに他端面3c側に向かう方向は、後述する間座1の成形方向における型開き方向と、その逆方向は型締め方向と、それぞれ一致する。なお、間座本体3と鍔部5の全体だけでなく、たとえば、後述する肉抜き路の周壁などにも適宜、抜き勾配が設けられている。
(外周面と中心孔)
間座本体3は、その外側を画定する本体外周面3aと、その内側を画定する内周面11aを有している。鍔部5は、鍔部外周面5aによりその外側が画定され、内周面11aによりその内側が画定されている。内周面11aは、間座1の中心を貫く中心孔11を囲む面でもある。中心孔11は、モータ105のモータ軸106(図1)を、その回転を妨げることなく貫通させるための孔である。
(逃げ孔と固定孔)
符号13は、間座本体3を長さ方向に、かつ、放射方向に一部切り欠き状態で貫通する逃げ孔を示す。さらに、符号15は、固定孔を示す。固定孔15は、逃げ孔13の内径と同心に、そして、内径より小径に構成され、かつ、放射方向に一部が鍔部5に食い込むように間座本体3の長さ方向に貫通形成されている。固定孔15は、固定孔15の内径より大径で逃げ孔13の内径より僅かに小径のヘッドのついているボルト(図示を省略)を、図1の紙面左側から右側に向かって(つまり、モータ105に向かって)僅かな遊びを介して貫通させ、モータ105の該当箇所に貫通形成されたメスのネジ孔にネジ固定できるようにするための孔である。このネジ固定により間座1をモータ105に固定することができる。逃げ孔13は、ボルトのヘッドとそれを回転させるためのドライバーの通過を許すための孔である。
本実施形態の逃げ孔13は、最小複数の2個であるが、3個、4個、そして必要であれば、5個以上を設けることができる。逃げ孔13を囲む周壁も抜け方向に先細りする抜き勾配が設けられている。これに伴い、現状2個の固定孔15の数も、3個、4個、そして5個以上となる。
(平行孔)
図4乃至8を中心に説明する。平行孔21は、他端面3cの近傍に強度的必要な肉厚の可動側残り肉3e(特に図8拡大図)を残し、間座本体3の厚み方向(図7の左右方向)に貫通形成されている。平行孔21は、ネジ51(図7拡大図)をネジ進行で外側から仮想中心線CLに向かう方向に差し込んで摩擦固定できる径寸法に設定されている。平行孔21は、少なくとも1個が設けられることになるが、本実施形態では、間座1の周方向等間隔で4個設けられている。この4個という個数は、モータ105に対する円筒状ケース103の抜けと回転を防止するために必要十分と判断したからである。間座1の素材や形状等の要因に合わせて、2個、3個、もしくは、5個以上とすることもできる。後述するように平行孔21は、その長さ方向全域に渡りネジ51のネジ山が均等に掛かるのではなく、その一部が露出することになる。その点につき、以下でより具体的に説明する。
本実施形態の平行孔21は、図7、8に示すように、全長半分ほどの長さ寸法の中央部位から一方の金型(後述する可動型203)側に貫通する一方側肉抜き路4aが1個と、それぞれ全長の4分の1ほどの長さ寸法を持ち上記の中央部位を挟む両側部位が他方の金型(後述する固定型205)側に貫通する2個の他方側肉抜き路4b,4bと、各々連通している。つまり、引き続き図7、8において、外側から仮想中心線CLに向かって他方側肉抜き路4b→一方側肉抜き路4a→他方側肉抜き路4bの順で連続して設けられ、これら3つの肉抜き路を串刺しするようにして平行孔21が形成されている。異なる視点で見るなら平行孔21は、一方側肉抜き路4aの平行孔21側(図7、8の上側端)を閉鎖する一方側閉鎖壁3eと、他方側肉抜き路4bそれぞれの平行孔21側(図7の下側端)を閉鎖する他方側閉鎖壁3d,3dと、により囲まれてなっている。
上記構成により、図1に示すように円筒状ギアケース103の貫通孔104を介して差し込まれたネジ51の一部は間座本体3の他方側閉鎖壁3d,3dと一方側閉鎖壁3e(図7拡大図)に掛かる一方、他の一部は一方側肉抜き路4aと他方側肉抜き路4b4b,4bそれぞれの中で部分露出することになる。なお、上述のとおり本実施形態では、外側から仮想中心線CLに向かって他方側肉抜き路4b→一方側肉抜き路4a→他方側肉抜き路4bの順で連続して設けられているが、この仮想中心線CLに近い方の他方側肉抜き路4bに連続して別の一方側抜き路4a→他方側肉抜き路4b(以下、繰り返し)のように仮想中心線CLに向け同じ要領で肉抜き路を追加生成してもよい。
間座1に対するネジ51の固定に限らず、本出願に係る環状成形体の一般論として、部分露出により固定強度の低下が全くない訳ではないが、用途に合わせた間座1の素材硬さや使用用途の適切な選択、さらに、個々の負担を受忍限度以下に下げる平行孔の数の適切選定、加えて、本願における円筒状ギアケース103のような被固定体との併用などにより、目的達成のために十分な強度を保持させることができる。本出願に係る円筒状ギアケース103はポリアセタール製であることは前述の通りであるところ、その補強効果が相乗的に機能してモータ105に対する当該円筒状ギアケース103の抜けと回転を防止できている(図1、図7拡大図)。なお、図8に示す平行孔21は半円状態になっているが、これは、同図が図6のB-B断面図であり、この断面を形成する切断線が左から仮想中心線CLまで水平に、そして仮想中心線CLから4時半方向に、それぞれ延びているからである。
(間座の製造方法)
図9乃至14を参考にしながら、金型を用いた間座1の製造方法を説明する。金型201は、一方の金型(可動型)203と、可動型203に対して型締めと型開きの方向のみの移動を行う他方の金型(固定型)205から構成されている。説明を容易にするために、金型201の全体構造を含め、その構成部位・部品の表示も必要最小限に止め、スプルー、エジェクタピン、コイルバネなど各種部品、さらに可動型203を移動させる機構なども省略する。金型201の設計とは異なる設計の金型であっても、間座1を製造可能であることは説明を要しない。
(可動型の構造)
可動型203は、ベース部203aを1個、ベース部203aの周縁から起立する環状の周壁部203bを1個、周壁部203bに囲まれた凹部205eを1個、それぞれ有している。凹部205eの中にはベース部203aから固定型205に向かって起立する可動側肉抜き突起203cを4個と、凹部205eの中心に位置する中心突起203dを、さらに有している。周壁部203bは間座1の外周面を画定し、凹部205e内には、樹脂注入口(図示を省略)から溶融した樹脂が注入されるようになっている。可動側肉抜き突起203cは、間座1の一方側肉抜き路4a(図8)を形成するための突起である。中心突起203dは、間座1の中心孔11を形成するための突起である。
(固定型の構造)
固定型201は、可動型203から遠い側に位置するベース部205a、可動型203の周壁部203bに対応する肩部205bと、肩部205bからさらに可動型203に突き出す段部形成突起205cと、一対の固定側肉抜き突起205d,205dと、を有している。図9乃至12に示す一対の固定側肉抜き突起205d,205dは、二対であるが、紙面の手前と背面に各々一対で合計四対になる。間座1の他方側肉抜き路4b,4bが周方向等間隔に4か所(四対)設けられていることに対応するものである。
(間座の成形)
ここで、2点鎖線で示す可動型203が矢印方向に移動して型締めが行われ(図9)、溶融した樹脂Rが注入される(図10)。冷却により樹脂が固まったら可動型203を移動して型開きを行い(図11)、成型された間座1を金型201から取り出す(図12)。これにより間座1の成形が完了し、必要に応じて上記手順を繰り返す。
(押し切り面・食い切り面)
図7及び9乃至14を参考にする。一方側肉抜き路4a内に露出する一方側閉鎖壁3eの壁面3eaは押し切り面でなり、同じく一方側閉鎖壁3eの壁面で他方側肉抜き路4b内それぞれに露出する壁面3ebは食い切り面でなる。すなわち、壁面3eaは、型締めのときに可動側肉抜き突起203cの先端面が当たってできる面であり、これにより、押し切り面としての痕跡が残る面である。一方、壁面3eb,3ecは、固定側肉抜き突起205d,205d(図9乃至12)による型締め・型開き方向に沿った合わせ面である。このため、壁面3eb,3ecには、図13及び14に示すように擦れたような食い切り痕が見える。なお、図14(後述の図22も同じ)の拡大図は、 Nikon社製顕微鏡(型番:SMZ645)を用いて推測20倍ほどに拡大したものである。ちなみに、壁面3da,3dbは、押し切り面になる。
以上のとおり本実施形態における間座1の成形によれば、ネジ51やピンを差込摩擦固定するための平行孔21を、スライド入子やドリルなどを使用することなく、また、孔の勾配問題を生じさせることなく、一方の金型203に対する他方の金型205の型締めと型開きの方向の移動のみで平行孔21を形成することができる。押し切り面と食い切り面によって囲まれる平行孔21には、抜き勾配の問題も生じない。
(本実施形態の変形例)
図15乃至18を参考にして、本実施形態の変形例(本変形例)について説明する。本変形例に係る間座1´の基本構造は本実施形態の間座1と同じであり、両者異なる点は、次に説明するバリ留め12の有無である。このため、図15乃至18に示す符号は、共通する部位について本実施形態に係る図2乃至8に示す符号と同じ符号であり、同じ符号を付した部位の説明は省略する。
間座1と比べた間座1´の特徴は、先に述べたバリ留め12を有していることである。すなわち、仮想中心線CLに近い方の他方側肉抜き路4b(図18)と仮想中心線CLとの間に、ネジ又はピンを差し込む際に生じるバリ(図19,20に例示する)をこの他方側肉抜き路4b内に留め置くためのバリ留めが設けられている。バリが生じても不都合にならない場合もあり得るが、生じたバリが円筒状ギアケース103(図1)内に落下すると、中のギア群の回転に支障が生じることを未然に防ぐためである。
図18に示すようにバリ留め12は、仮想中心線CL方向を閉鎖することで他方側肉抜き路4b内にバリを留め置きするためのものである。したがって、バリを留め置くという目的が達成されるのであれば、その形態に何ら制限はない。本変形例のバリ留め12は一端面3bから他端面3cの全域に渡り形成されているが、少なくとも他方側肉抜き路4bだけ閉鎖できていれば足りる。バリ留め12の形成は、食い切りによって行うのが便利であり、これにより、他方側肉抜き路4b内に露出するバリ止め12の壁面12aには、食い切り痕が形成されることになる。
1,1´ 間座
3 間座本体
3a 本体外周面
3b 一端面
3c 他端面
3d 他方側閉鎖壁
3e 一方側閉鎖壁
3ea 壁面
3eb 壁面
3ec 壁面
4a 一方側肉抜き路
4b 他方側肉抜き路
5 鍔部
5a 鍔部外周面
5d 段部
11 中心孔
11a 内周面
12 バリ留め
12a 壁面
13 逃げ孔
15 固定孔
21 平行孔
51 ネジ
101 ギアモータ
103 円筒状ギアケース
104 貫通孔
105 モータ
107 出力軸
201 金型
203 一方の金型(可動型)
205 他方の金型(固定型)
CL 仮想中心線

Claims (4)

  1. 一方の金型に対する他方の金型の型締めと型開きで材料成形されてなる、仮想中心線を有する環状成形体であって、
    当該仮想中心線の長さ方向に所定高さを、当該仮想中心線の放射方向に所定厚みを、それぞれ有しており、
    外側から当該仮想中心線に向かう方向に差し込んだネジ又はピンを摩擦固定するための少なくとも1個の平行孔が設けられてなり、
    当該平行孔と連通するとともに当該一方の金型側に開放する少なくとも1個の一方側肉抜き路と、当該平行孔と連通するとともに当該他方の金型側に開放する少なくとも2個の他方側肉抜き路とが、外側から当該仮想中心線に向かって当該他方側肉抜き路・当該一方側肉抜き路・当該他方側肉抜き路の順で連続して設けられてなり、
    当該平行孔は、当該一方側肉抜き路の当該平行孔側を閉鎖する一方側閉鎖壁と、当該他方側肉抜き路それぞれの当該平行孔側を閉鎖する他方側閉鎖壁と、により囲まれてなり、
    当該一方側肉抜き路内に露出する当該一方側閉鎖壁の壁面は押し切り面でなり、当該他方側肉抜き路内に露出する当該一方側閉鎖壁の壁面は食い切り面でなる、
    ことを特徴とする環状成形体。
  2. 前記仮想中心線に近い方の前記他方側肉抜き路と前記仮想中心線との間に、ネジ又はピンを差し込む際に生じるバリを前記他方側肉抜き路内に留め置くためのバリ留めが設けられてなる、
    ことを特徴とする請求項1の環状成形体。
  3. 前記ネジ又はピンを貫通可能な貫通孔を有する所定形状の被取付体が、当該貫通孔を貫通させた前記ネジ又はピンを前記平行孔に差込摩擦固定されてなる
    ことを特徴とする請求項1又は2の環状成形体。
  4. 前記環状成形体は、円筒状ギアケースとモータとの間に設けられる間座を構成してなり、
    前記被取付体は、当該円筒状ギアケースを構成してなり、
    当該モータに固定されるとともに当該ギアケースの内部に一部又は全部が収納され、当該円筒状ギアケースの前記貫通孔を貫通させたネジ又はピンを前記平行孔に差し込んで摩擦固定することで当該モータに対する当該円筒状ギアケースの抜けと回転を防止できるように構成されてなる
    ことを特徴とする請求項3の成形体。

JP2021067399A 2021-04-12 2021-04-12 成形体 Pending JP2022162486A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021067399A JP2022162486A (ja) 2021-04-12 2021-04-12 成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021067399A JP2022162486A (ja) 2021-04-12 2021-04-12 成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022162486A true JP2022162486A (ja) 2022-10-24

Family

ID=83720956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021067399A Pending JP2022162486A (ja) 2021-04-12 2021-04-12 成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022162486A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6066698B2 (ja) 樹脂部品の締結部構造、およびその成形装置
JPWO2004018178A1 (ja) 結合製品の金型及びその成形方法
JP4846631B2 (ja) 樹脂製ヘリカル歯車の成形金型及びこの成形金型を用いて成形された樹脂製ヘリカル歯車
JP2022162486A (ja) 成形体
JP4314523B2 (ja) 合成樹脂製ギヤの製造方法
US6217810B1 (en) Method of manufacturing gear case
JP7006555B2 (ja) 射出成形用金型
JP2019001109A (ja) 二色成形品の製造方法および二色成形金型
JP2010274633A (ja) カセット式先抜き型射出成形用金型
EP3027398B1 (en) Insert assembly for manufacturing intraocular lenses
JP2022121031A (ja) インサート成形品及びその製造方法
JP2014133394A (ja) 射出成形型
JP5365333B2 (ja) 多角形の外径、並びに、内径を有する筒状部材を成形するキャビテーブロック、並びに、コアピン
KR950010606B1 (ko) 실린더구멍 내벽에 오목부를 형성하는 방법 및 오목부 형성용 코어
JPH11309755A (ja) 射出成形容器及び射出成形金型
JP2003154552A (ja) 糸引き防止スプルーブッシュ
JP2006181889A (ja) 金型装置
JP2003042311A (ja) 多通路バルブ・チャンバ
JP2005153332A (ja) 歯部を備えた回転体の成形用金型
JPS5833945B2 (ja) ボ−ルネジに於けるボ−ル循環路の構成方法
CN211105373U (zh) 模具、阀针模组及阀针
JP3760464B2 (ja) 成形用金型装置
JPH1128698A (ja) パンチ基台成形用金型
JP2004001676A (ja) センタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストン製造方法とピストン
JPH09285063A (ja) 軸受ホルダおよびその射出成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240311

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20240311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240311