JP2022162291A - 鋼管の継手構造 - Google Patents

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Kazumasa Hisazumi
真治 妙中
Shinji Myonaka
淳 阿形
Atsushi Agata
吉郎 石濱
Yoshiro Ishihama
雅司 北濱
Masashi Kitahama
裕貴 日下
Hirotaka Kusaka
悦孝 柳
Etsutaka Yanagi
辰昭 黒澤
Tatsuaki Kurosawa
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Abstract

【課題】溝部の変形を抑制することができ、引張耐力を満足させることができる。【解決手段】第1鋼管1の一端において管軸方向Xに沿って延びる複数の山部を有する外嵌段部11が管周方向に間隔をあけて複数形成された外嵌端部1Aと、第2鋼管2の一端において管軸方向に沿って延びる複数の山部を有する内嵌段部21が管周方向に間隔をあけて複数形成された内嵌端部2Aと、を備え、外嵌端部1Aは、管周方向で隣り合う外嵌段部11同士の間に外嵌溝部12を有し、内嵌端部2Aは、管周方向で隣り合う内嵌段部21同士の間に内嵌溝部22を有し、外嵌溝部12の溝幅Wjbと外嵌溝部12における周方向中央の板厚tjbとの比(Wjb/tjb)、および内嵌溝部22の溝幅Wjpと内嵌溝部22における周方向中央の板厚tjpとの比(Wjp/tjp)のうち少なくとも一方が20以下となる構成の鋼管の継手構造を提供する。【選択図】図5

Description

本発明は、鋼管の継手構造に関する。
従来、鋼管杭などの鋼管の継手構造では、一方の鋼管の外嵌端部の管周方向に設けられる外嵌段部の山部の管軸方向に沿う長さ寸法と、他方の鋼管の内嵌端部の管周方向に設けられる山部の管軸方向に沿う長さ寸法と、をそれぞれ管軸方向に隣接して離散的に設けられた山部よりも長くする構成のものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
このような鋼管の継手構造では、先端山部の表面積が相対的に大きくなり、管軸方向の引張力が作用した際の半径方向応力を低減することが可能となる。すなわち、外嵌端部のフープ変形および内嵌端部の座屈変形を防止することができ、引張耐力を向上できる合理的な形状となっている。
また、この場合には、外嵌端部および内嵌端部における管軸方向の基端側から管端側に向けて伝達される引張力が低下するため、基端側から管端側に向けて板厚を徐々に小さくして部材のコストを抑制している。
特許文献1には、鋼管杭の継手が外嵌端部および内嵌端部の基端側から管端側に向けて伝達される引張力が低下する構成について記載されている。特許文献1では、段部に相当する係合凸部の板厚を基端側から管端側に向けて徐々に小さくした形状であり、これにより部材のコストの上昇を抑えている。
特許文献2には、継手における、第1外嵌段部の外嵌山部および第1内嵌段部の内嵌山部の長さにおいて、それぞれ第2段部の同山部の長さよりも長く設定される構成について記載されている。これによって、第1段部の表面積が相対的に大きくなり、管軸方向の引張力が作用した際の管軸直角方向の応力を小さくすることが可能となる。したがって、第1外嵌段部のフープ変形、および第1内嵌段部の座屈変形を防止できることになり、引張耐力を向上させることができる。
特開平11-43936号公報 特許第6079933号公報
しかしながら、従来の鋼管の継手構造では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1では、外嵌端部の内壁部や内嵌端部の外壁部は係合部の板厚よりもさらに小さくなるため、引張力が作用した場合に径方向の変形が大きくなり、耐力が低下するという問題があった。
また、特許文献2の場合には、第1外嵌段部および第1内嵌段部の外嵌山部の先端山部、内嵌山部の先端山部における管軸方向の長さを管軸方向に隣接して離散的に設けられた山部よりも大きくすることにより管軸直角方向への応力の低減を図っている。しかしながら、応力は板厚が最も薄くなる外嵌溝部および内嵌溝部にも同様に作用する。そのため、山部の長さに関係なく切削される溝部では応力低減ができず、その結果、溝部で生じる変形によって引張耐力が低下するおそれがある。
このように全強が求められる本設用継手の場合、継手の板厚を薄くすることで剛性が減少することになる。その結果、引張力が作用した際に、継手の局部的な変形を抑制することができず、全強を確保できないという問題があり、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、溝部の変形を抑制することができ、引張耐力を満足させることができる鋼管の継手構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る鋼管の継手構造では、第1鋼管と第2鋼管とを接続する鋼管の継手構造であって、前記第1鋼管の一端において管軸方向に沿って延びる複数の山部を有する外嵌段部が管周方向に間隔をあけて複数形成された外嵌端部と、前記第2鋼管の一端において管軸方向に沿って延びる複数の山部を有する内嵌段部が管周方向に間隔をあけて複数形成された内嵌端部と、を備え、前記外嵌端部は、管周方向で隣り合う前記外嵌段部同士の間に外嵌溝部を有し、前記内嵌端部は、管周方向で隣り合う前記内嵌段部同士の間に内嵌溝部を有し、前記外嵌段部同士の間の周方向間隔である前記外嵌溝部の溝幅Wjbと前記外嵌溝部における周方向中央の板厚tjbとの比(Wjb/tjb)、および前記内嵌段部同士の間の周方向間隔である前記内嵌溝部の溝幅Wjpと前記内嵌溝部における周方向中央の板厚tjpとの比(Wjp/tjp)のうち少なくとも一方が20以下となり、(1)式および(2)式のうち少なくとも一方を満たすことを特徴としている。
Figure 2022162291000002
本発明に係る鋼管の継手構造では、外嵌溝部の溝幅Wjbと外嵌溝部における周方向中央の板厚tjbとの比(Wjb/tjb)、および内嵌溝部の溝幅Wjpと内嵌溝部における周方向中央の板厚tjpとの比(Wjp/tjp)のうち少なくとも一方を20以下とすることで、外嵌溝部および内嵌溝部の変形を抑制することができ、引張耐力を満足させることができる。
また、本発明に係る鋼管の継手構造では、前記外嵌端部および前記内嵌端部それぞれの板厚、及び前記外嵌溝部および前記内嵌溝部それぞれの板厚は、管端へ向かうに従い漸次小さくなることを特徴としてもよい。
この場合には、外嵌端部および内嵌端部それぞれの板厚、及び外嵌溝部および内嵌溝部それぞれの板厚を引張耐力を満足できる無駄のない形状とすることができるため、部材のコストを抑えることができる。
また、本発明に係る鋼管の継手構造では、前記外嵌溝部の溝幅Wjbと前記外嵌溝部における周方向中央の最小板厚tjb1との比(Wjb/tjb1)、および前記内嵌溝部の溝幅Wjpと前記内嵌溝部における周方向中央の最小板厚tjp1との比(Wjp/tjp1)のうち少なくとも一方が12以下となり、(3)式および(4)式のうち少なくとも一方を満たすことが好ましい。
Figure 2022162291000003
このような構成とすることにより、外嵌溝部の溝幅Wjbと外嵌溝部における周方向中央の最小板厚tjb1との比(Wjb/tjb1)、および内嵌溝部の溝幅Wjpと内嵌溝部における周方向中央の最小板厚tjp1との比(Wjp/tjp1)のうち少なくとも一方を12以下とすることで、外嵌溝部および内嵌溝部の変形をより確実に抑制することができ、引張耐力を満足させることができる。
本発明の鋼管の継手構造によれば、溝部の変形を抑制することができ、引張耐力を満足させることができる。
本発明の実施形態による鋼管の継手構造を示す縦断面図であって、鋼管同士を締結した状態の図である。 図1に示すA-A線断面図であって、鋼管の継手構造の管軸方向から見た断面図である。 第1鋼管の外嵌端部の構成を示す斜視図である。 第2鋼管の内嵌端部の構成を示す斜視図である。 図1に示す継手構造の要部を拡大した断面図である。 図2に示す継手構造の要部を拡大した断面図である。 図6に示す外嵌溝部の構成を示す要部拡大図である。 図6に示す内嵌溝部の構成を示す要部拡大図である。 実施例による解析結果であって、外嵌端部を示す図である。 実施例による解析結果であって、内嵌端部を示す図である。 (a)~(c)は、実施例による解析結果を示す図である。 実施例による解析結果を示す図であって、溝幅/板厚と、最大荷重/設計荷重との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態による鋼管の継手構造について、図面に基づいて説明する。
図1~図4に示すように、本実施形態による鋼管の継手構造Tは、例えば鋼管杭に採用される鋼管1、2同士の接続する継手に適用される。
ここで、鋼管1、2の中心軸(軸心O)に沿う方向を管軸方向Xとし、軸心Oに直交する方向を管径方向Yといい、軸心Oから見て軸心O回りに周回する方向を管周方向Zとする。管径方向Yで軸心O側を内側、内側の反対側で軸心Oから離れる側を外側として、以下説明する。
継手構造Tは、断面円形状の第1鋼管1及び第2鋼管2を管軸方向Xに沿って互いに連結する機械式継手として用いられる。
図3及び図5に示すように、第1鋼管1は、鋼管本体10と、鋼管本体10の管軸方向Xの一端に接合された外嵌端部1Aと、を有している。外嵌端部1Aの鋼管本体10側の基端は、鋼管本体10の管軸方向Xの一端に溶接等で接合されている。外嵌端部1Aの内周面1aには、管周方向Zに間隔をあけて複数設けられた外嵌段部11と、管周方向Zで隣り合う外嵌段部11同士の間に設けられた外嵌溝部12と、を有する。外嵌段部11は、管周方向Zに延びるとともに、管軸方向Xに複数列(ここでは4列)配列された山部11Aを有している。管軸方向Xで山部11A同士の間には、谷部11Bが形成されている。
外嵌端部1Aは、管軸方向Xで鋼管本体10側の基端から管端1bに向かうに従って漸次、厚みが小さくなっている。第1鋼管1は、外嵌端部1Aにおける全体の外径寸法は管軸方向Xに一定である。外嵌端部1Aは、後述する第2鋼管2の内嵌端部2Aと互いに嵌合自在に構成されている。
図6及び図7に示すように、外嵌段部11と外嵌溝部12とは、本実施形態では管周方向Zに16分割されている。外嵌段部11と外嵌溝部12とは、それぞれ管周方向Zの長さが略同じである。外嵌溝部12の管周方向Zに延びる溝幅Wjbは、後述する内嵌端部2Aの内嵌段部21の管周方向Zの長さよりやや長いか同等である。この溝幅Wjbは、隣り合う外嵌段部11同士の間隔に相当する。すなわち、外嵌溝部12の溝幅Wjbは、内嵌段部21が管軸方向Xに嵌入可能な寸法に設定されている。ここで、図中の符号tjbで示す寸法は、外嵌溝部12の管周方向中央部12bにおける板厚を示している。
図4及び図5に示すように、第2鋼管2は、鋼管本体20と、鋼管本体20の管軸方向Xの一端に接合された内嵌端部2Aと、を有している。内嵌端部2Aの鋼管本体20側の基端は、鋼管本体20の管軸方向Xの一端に溶接等で接合されている。内嵌端部2Aの外周面2aには、管周方向Zに間隔をあけて複数設けられた内嵌段部21と、管周方向Zで隣り合う内嵌段部21同士の間に設けられた内嵌溝部22と、を有する。内嵌段部21は、管周方向Zに延びるとともに、管軸方向Xに複数列(ここでは4列)配列された山部21Aを有している。管軸方向Xで山部21A同士の間には、谷部21Bが形成されている。
内嵌端部2Aは、管軸方向Xで鋼管本体20側の基端から管端2bに向かうに従って漸次、厚みが小さくなっている。内嵌端部2Aにおける全体の外径寸法は、管軸方向Xに一定である。内嵌端部2Aは、第1鋼管1の外嵌端部1Aと互いに嵌合自在に構成されている。
図6及び図8に示すように、内嵌段部21と内嵌溝部22とは、本実施形態では管周方向Zに16分割されている。内嵌段部21と内嵌溝部22とは、それぞれ管周方向Zの長さが略同じである。内嵌溝部22の管周方向Zに延びる溝幅Wjpは、外嵌端部1Aの外嵌段部11の管周方向Zの長さよりやや長いか同等である。この溝幅Wjpは、隣り合う内嵌段部21同士の間隔に相当する。すなわち、内嵌溝部22の溝幅Wjpは、外嵌段部11が管軸方向Xに嵌入可能な寸法に設定されている。ここで、図中の符号tjpで示す寸法は、内嵌溝部22の管周方向中央部22bにおける板厚を示している。
図5に示すように、外嵌溝部12の板厚tjbおよび内嵌溝部22それぞれの板厚tjpは、管端へ向かうに従い漸次小さくなっている。
図3及び図4に示すように、第1鋼管1と第2鋼管2とは、管軸方向Xに双方を接続する際に、先ず外嵌端部1Aの外嵌溝部12に内嵌端部2Aの内嵌段部21を管軸方向Xに挿入し、同時に内嵌端部2Aの内嵌溝部22に外嵌端部1Aの外嵌段部11が挿入される。続いて、第1鋼管1と第2鋼管2とを、軸心O回りに溝部幅分(段部幅分)だけ管周方向Zに相対的に回転させる。すなわち、双方の外嵌段部11と内嵌段部21とが管周方向Zに同じ位置となるように回転させることで、双方の段部11、21同士が管軸方向Xに交互に位置して管軸方向Xへの移動が規制された状態で嵌合される。これにより第1鋼管1と第2鋼管2とが嵌合されて接合された状態となる。
図5に示すように、外嵌段部11の山部11Aと内嵌段部21の山部21Aの双方が管軸方向Xに交互に位置するように形成されており、外嵌溝部12の溝面12aと、内嵌溝部22の溝面22aとは、嵌合した状態において面一となって面接触するように設定されている。すなわち、外嵌端部1Aと内嵌端部2Aとは、管軸方向Xの所定位置における断面で同じ板厚になっている。
図5に示すように、このような継手構造Tでは、第1鋼管1と第2鋼管2とを連結させた状態において、第1鋼管1及び第2鋼管2から外嵌端部1A及び内嵌端部2Aに管軸方向Xの引張力と圧縮力が作用する際に、引張力と圧縮力に対して外嵌段部11と内嵌段部21とがそれぞれの管軸方向Xを向く面で抵抗する。また、本実施形態の継手構造Tでは、外嵌端部1A及び内嵌端部2Aに管軸方向Xに対する曲げ力が作用した場合の変形量を抑えることができる。
次に、本実施形態による継手構造Tの特徴について、さらに具体的に説明する。
図7及び図8に示すように、本実施形態の鋼管の継手構造Tでは、外嵌段部11同士の間の周方向間隔である外嵌溝部12の溝幅Wjbと外嵌溝部12における周方向中央の板厚tjbとの比(Wjb/tjb)、および内嵌段部21同士の間の周方向間隔である内嵌溝部22の溝幅Wjpと内嵌溝部22における周方向中央の板厚tjpとの比(Wjp/tjp)のうち少なくとも一方が20以下となり、(1)式および(2)式のうち少なくとも一方を満たすように設定されている。
Figure 2022162291000004
さらに、本実施形態の鋼管の継手構造Tでは、外嵌溝部12の溝幅Wjbと外嵌溝部12における周方向中央の最小板厚tjb1との比(Wjb/tjb1)、および内嵌溝部22の溝幅Wjpと内嵌溝部22における周方向中央の最小板厚tjp1との比(Wjp/tjp1)のうち少なくとも一方が12以下となり、(3)式および(4)式のうち少なくとも一方を満たすように設定されることがより好ましい。
Figure 2022162291000005
次に、上述した鋼管の継手構造Tの作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、第1鋼管1と第2鋼管2との間で管軸方向Xに引張力が作用した場合には、ポアソン効果によって管周方向Zに圧縮力が発生する。このとき、外嵌端部1Aには、管径方向Y外側に拡径するような変形を助長する力F1と、それに伴う管周方向Zへの引張力と、が付加的に作用する。一方、内嵌端部2Aには、管径方向Y内側に縮径するような変形を助長する力F2と、それに伴う管周方向Zへの圧縮力と、が付加的に作用する。すなわち、外嵌端部1Aでは管軸方向Xの引張力による管周方向Zの圧縮力と、管径方向Y外側への引張力F1による管周方向Zの引張力とが部分的に相殺し、管径方向Y外側への変形が抑制される。一方、内嵌端部2Aでは管軸方向Xの引張力による管周方向Zの圧縮力と、管径方向Y内側への引張力F2による管周方向Zの圧縮力とが加わることで内嵌溝部22に大きな圧縮力が作用する。これにより、管周方向Zにおいて相対的に板厚が薄く剛性が低い溝部が管径方向Y外側へ変形する反動(幾何学的な形状保持)で山部(段部)が溝部と対向する半径方向に面外変形する(図9及び図10参照)。とくに、図10に示すように、内嵌溝部22では座屈によって大変形すると山部も大きく内径側に変形し、継手の早期離脱または嵌合悪化による部分塑性化が発生し、引張耐力が低下する。
これに対して、図7及び図8に示すように、本実施形態による鋼管の継手構造Tは、外嵌溝部12の溝幅Wjbと外嵌溝部12における周方向中央の板厚tjbとの比(Wjb/tjb)、および内嵌溝部22の溝幅Wjpと内嵌溝部22における周方向中央の板厚tjpとの比(Wjp/tjp)のうち少なくとも一方を20以下とすることで、外嵌溝部12および内嵌溝部22の変形を抑制することができ、引張耐力を満足させることができる。
また、本実施形態では、外嵌端部1Aおよび内嵌端部2Aそれぞれの板厚、及び外嵌溝部12および内嵌溝部22それぞれの板厚tjp、tjbを引張耐力を満足できる無駄のない形状とすることができるため、部材のコストを抑えることができる。
このような構成とすることにより、外嵌溝部12の溝幅Wjbと外嵌溝部12における周方向中央の最小板厚tjb1との比(Wjb/tjb1)、および内嵌溝部22の溝幅Wjpと内嵌溝部22における管周方向中央部22bの最小板厚tjp1との比(Wjp/tjp1)のうち少なくとも一方を12以下とすることで、外嵌溝部12および内嵌溝部22の変形をより確実に抑制することができ、引張耐力を満足させることができる。
上述した本実施形態による鋼管の継手構造Tでは、溝部の変形を抑制することができ、引張耐力を満足させることができる。
次に、上述した実施形態による鋼管の継手構造Tの効果を裏付けるために行った実施例について以下説明する。
(実施例)
実施例では、数値シミュレーション解析を使用して、上述した図1に示す第1鋼管1の外嵌端部1Aと第2鋼管2の内嵌端部2Aとの継手構造に曲げ荷重をかけて、継手の破壊モードを確認するとともに、耐力と溝部の板厚比との関係において最適なものを確認した。
図9は、第1鋼管の外嵌端部と第2鋼管の内嵌端部との継手構造において、外嵌端部において管軸方向に対して曲げ力が作用した状態を示す解析結果の一例を示している。図10は、第1鋼管の外嵌端部と第2鋼管の内嵌端部との継手構造において、内嵌端部において管軸方向に対して曲げ力が作用した状態を示す解析結果の一例を示している。図9及び図10は、解析モデルを作成して数値シミュレーション解析を行い、継手構造の変形状態を確認したものである。
図9及び図10に示すように、曲げ変形が作用すると、引張部となる外嵌端部の下端部分および内嵌端部の下端部分が楕円状かつ花びら状に変形することがわかる。すなわち、図9に示すように外嵌段部11は管径方向の外側に膨らみ、外嵌溝部12は管径方向の内側に凹むように変形することがわかる。また、図10に示すように、内嵌段部21は管径方向の内側に凹み、内嵌溝部22は管径方向の外側に膨らむように変形することがわかる。
なお、図11(a)~(c)は、第1鋼管1における外嵌段部11と外嵌溝部12との管周方向の分割数の違いにおける曲げによる応力分布を示している。図11(a)は8分割の図、図11(b)は16分割の図、図11(c)は32分割の図である。図11(a)~(c)の結果から、分割数が小さいほど外嵌溝部12の周長(溝幅に相当)も長くなり、外嵌溝部12に応力がかからない部分Q1(図面で色が薄い部分)の領域が大きくなる。一方、分割数が大きくなる32分割の場合には、外嵌溝部12が全体的に応力が作用する部分Q2(図面で色が濃い部分)となる。
すなわち、分割数が多く、溝幅を小さくすることで、外嵌溝部12全体で応力が掛かる効率よい構成となる。
表1は、本実施例において曲げ解析を行って確認した11ケースの解析ケースを示している。使用した鋼管は、規格が弾性とし、鋼管径D、板厚tを変えたものである。各ケースにおける継手の構成は、対象鋼管の種類、山部の高さh、山部の幅l、内嵌溝部の最小板厚tjp1、外嵌溝部の最小板厚tjb1、外嵌溝部の溝幅Wjb、設計荷重Pである。また、内嵌溝部における溝幅溝厚比(Wjp/tjp1)と、外嵌溝部における溝幅溝厚比(Wjb/tjb1)は表1の通りである。なお、内嵌溝部の溝幅は外嵌溝部の溝幅と同等であるので、外嵌溝部の溝幅Wjbの値を使用している。また、表1には、各解析モードにおける、解析によって得られた最大荷重Pmaxと設計荷重Pの比(Pmax/P)、継手の破壊モードを示している。継手の破壊モードは、図9及び図10に示すような解析結果より「降伏先行」、「継手離脱」の2つのモードから判断したものである。
Figure 2022162291000006
図12は、表1に示す各解析ケース1~11における最大荷重Pmaxと設計荷重Pの比(Pmax/P)で示す曲げ耐力と、代表例として外嵌溝部における溝幅溝厚比(Wjb/tjb1)と、の関係を示すグラフである。図12のグラフは、溝幅溝厚比(Wjb/tjb1)を横軸とし、曲げ耐力を縦軸としている。
解析ケース7は、最大荷重Pmaxと設計荷重Pの比(Pmax/P)が1未満になっており、11ケースで最小値となっている。また、解析ケース7における継手破壊モードは継手の離脱であった。
図12において、符号G1の直線は11ケースの解析結果で最大荷重Pmaxと設計荷重Pの比(Pmax/P)が1を下回る最低値を示す直線である。また符号G2に示す直線は、最大荷重Pmaxと設計荷重Pの比(Pmax/P)が1以上となる点の下限値を結んだ直線である。そして、直線G1と直線G2との交点となる溝幅溝厚比(Wjb/tjb1)は略20となる。
表1および図12に示す結果から、外嵌溝部における溝幅溝厚比(Wjb/tjb1)を20以下に設定することで、曲げ変形を抑えることができることがわかった。
また、解析ケース1では、溝部の板厚tjp1、tjb1が最も小さく、溝幅溝厚比(Wjb/tjb1)が11.9である。そのため、溝幅溝厚比(Wjb/tjb1)を12以下とすることで、継手を離脱させずに降伏先後となる曲げ耐力を確保できることがわかった。
なお、内嵌溝部における溝幅溝厚比についても、外嵌溝部の溝幅板厚比とほぼ同じ比率で同じ傾向となる。
以上、本発明による鋼管の継手構造の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、外嵌端部1Aおよび内嵌端部2Aそれぞれの板厚、及び外嵌溝部12および内嵌溝部22それぞれの板厚が、管端へ向かうに従い漸次小さくなる構成としているが、これに限定されることはなく、管軸方向Xに沿ってこれら板厚が一定であってもかまわない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 第1鋼管
1A 外嵌端部
2 第2鋼管
2A 内嵌端部
10、20 鋼管本体
11 外嵌段部
11A 山部
11B 谷部
12 外嵌溝部
12b 管周方向中央部
21 内嵌段部
21A 山部
21B 谷部
22 内嵌溝部
22b 管周方向中央部
T 鋼管の継手構造
O 軸心
X 管軸方向
Y 管径方向
Z 管周方向

Claims (3)

  1. 第1鋼管と第2鋼管とを接続する鋼管の継手構造であって、
    前記第1鋼管の一端において管軸方向に沿って延びる複数の山部を有する外嵌段部が管周方向に間隔をあけて複数形成された外嵌端部と、
    前記第2鋼管の一端において管軸方向に沿って延びる複数の山部を有する内嵌段部が管周方向に間隔をあけて複数形成された内嵌端部と、を備え、
    前記外嵌端部は、管周方向で隣り合う前記外嵌段部同士の間に外嵌溝部を有し、
    前記内嵌端部は、管周方向で隣り合う前記内嵌段部同士の間に内嵌溝部を有し、
    前記外嵌段部同士の間の周方向間隔である前記外嵌溝部の溝幅Wjbと前記外嵌溝部における周方向中央の板厚tjbとの比(Wjb/tjb)、および前記内嵌段部同士の間の周方向間隔である前記内嵌溝部の溝幅Wjpと前記内嵌溝部における周方向中央の板厚tjpとの比(Wjp/tjp)のうち少なくとも一方が20以下となり、(1)式および(2)式のうち少なくとも一方を満たすことを特徴とする鋼管の継手構造。
    Figure 2022162291000007
  2. 前記外嵌端部および前記内嵌端部それぞれの板厚、及び前記外嵌溝部および前記内嵌溝部それぞれの板厚は、管端へ向かうに従い漸次小さくなることを特徴とする請求項1に記載の鋼管の継手構造。
  3. 前記外嵌溝部の溝幅Wjbと前記外嵌溝部における周方向中央の最小板厚tjb1との比(Wjb/tjb1)、および前記内嵌溝部の溝幅Wjpと前記内嵌溝部における周方向中央の最小板厚tjp1との比(Wjp/tjp1)のうち少なくとも一方が12以下となり、(3)式および(4)式のうち少なくとも一方を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管の継手構造。
    Figure 2022162291000008
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