JP2022161399A - 電気接続箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した組付け状態に保持する。【解決手段】電気接続箱Aは、側面が開放された部品収容室12を有するベース部材10と、ベース部材10とは別体の部材であって、ベース部材10に対して部品収容室12の側面を覆うように組み付けられる側壁部材11とを備え、ベース部材10には、側壁部材11がベース部材10から側方へ離隔することを規制する離隔規制部として溝部35と嵌合凹部37と板状規制部27と引掛部24が設けられている。【選択図】図9

Description

本開示は、電気接続箱に関するものである。
特許文献1には、遮断素子を、接続箱本体に形成した遮断素子収容部内に取り付ける構造が開示されている。遮断素子収容部は接続箱本体の上面に開放された空間であり、遮断素子は、接続箱本体の上方から遮断素子収容部内に嵌め込まれる。
特開2021-002441号公報
上記の構造では、遮断素子収容部の周壁部が電気部品を前後左右から囲んでいる。そのため、遮断素子を指で摘んで遮断素子収容部に取り付ける際に、遮断素子を摘む指が、周壁部と干渉するおそれがある。この対策としては、接続箱本体のうち遮断素子収容部の側面を覆う側壁部を、別部品として成形することが考えられる。このようにすれば、遮断素子を遮断素子収容部に収容した後で、側壁部材をベース部材に組み付けることができるので、作業者の指が側壁部材と干渉することを回避できる。
側壁部材とベース部材を組み付け状態に保持する構造としては、側壁部材とベース部材のうち一方に形成した弾性係止片を、他方に形成した係止部に対して弾性的に係止させることが考えられる。しかし、弾性係止片を弾性的に係止させる構造では、側壁部材がベース部材から離隔するように変位するおそれがある。
本開示の電気接続箱は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、安定した組付け状態に保持することを目的とする。
本開示の電気接続箱は、
側面が開放された部品収容室を有するベース部材と、
前記ベース部材とは別体の部材であって、前記ベース部材に対して前記部品収容室の側面を覆うように組み付けられる側壁部材とを備え、
前記ベース部材には、前記側壁部材が前記ベース部材から側方へ離隔することを規制する離隔規制部が設けられている。
本開示によれば、安定した組付け状態に保持することができる。
図1は、実施例1の電気接続箱を斜め上前方から見た斜視図である。 図2は、電気接続箱を斜め上後方から見た斜視図である。 図3は、ベース部材を斜め上前方から見た斜視図である。 図4は、ベース部材を斜め上後方から見た斜視図である。 図5は、側壁部材を斜め上前方から見た斜視図である。 図6は、側壁部材を斜め上後方から見た斜視図である。 図7は、側壁部材を側壁本体とバスバーとに分離した状態をあらわす斜視図である。 図8は、前側嵌合部と前側嵌込み部の嵌合状態をあらわす正断面図である。 図9は、前側嵌合部の溝部と前側嵌込み部との嵌合状態をあらわす平断面図である。 図10は、前側嵌合部の嵌合凹部と前側嵌込み部の嵌合突起との嵌合状態をあらわす平断面図である。 図11は、張出部によって側壁部材の拡開を規制した状態をあらわす正断面図である。 図12は、電気接続箱の底面図である。 図13は、ベース部材と一対の側壁部材を分離した状態をあらわす平面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示の電気接続箱は、
(1)側面が開放された部品収容室を有するベース部材と、前記ベース部材とは別体の部材であって、前記ベース部材に対して前記部品収容室の側面を覆うように組み付けられる側壁部材とを備え、前記ベース部材には、前記側壁部材が前記ベース部材から側方へ離隔することを規制する離隔規制部が設けられている。本開示の構成によれば、側壁部材は、離隔規制部によってベース部材から離隔することを規制されているので、ベース部材と側壁部材を安定した組付け状態に保持することができる。
(2)前記側壁部材の外側面には、前記外側面の一部を幅方向へ部分的に凹ませた形状の凹み領域が形成され、前記凹み領域に前記離隔規制部が当接していることが好ましい。この構成によれば、側壁部材の外側面に離隔規制部が重なるように配置されるが、離隔規制部の存在に起因して側壁部材の幅寸法が大きくなることを、抑制できる。
(3)(2)において、前記離隔規制部は、前記側壁部材の前記外側面のうち、最も外側に位置する最外側領域よりも内側のみに配置されていることが好ましい。この構成によれば、側壁部材の外側面に離隔規制部が重なるように配置されても、側壁部材の幅寸法が大きくなることはない。
(4)前記ベース部材は、前記側壁部材の係止部に係止することによって前記側壁部材を組付け状態に保持する弾性係止部を有し、前記離隔規制部が前記弾性係止部に連なっていることが好ましい。この構成によれば、側壁部材は、離隔規制部によってベース部材から離隔することを規制されているので、係止部が弾性係止部から外れることを防止できる。
(5)(4)において、前記離隔規制部が、前記弾性係止部の側縁から直角に突出していることが好ましい。この構成によれば、離隔規制部が弾性係止部の撓み剛性を高めるので、弾性係止部と係止部の係止機能の信頼性が向上する。
(6)前記側壁部材は、バスバーを収容するバスバー収容室を有し、前記バスバー収容室は、前記側壁部材の外側面を構成する外壁部と、前記外壁部と前記ベース部材との間に位置する内壁部とによって区画され、前記離間規制部は、前記内壁部に対して外側から引っ掛かる引掛部を有していることが好ましい。この構成によれば、引掛部は、外壁部にではなく内壁部に引っ掛かるので、側壁部の外側方へ大きく突出することがない。したがって、側壁部材の幅方向への大型化を回避できる。
(7)(6)において、前記離隔規制部は、前記バスバーが前記バスバー収容室から離脱することを規制する位置に配置されていることが好ましい。この構成によれば、離隔規制部は、バスバーの離脱を規制する機能を兼ね備えているので、バスバーの離脱を規制するための専用の部位を形成する場合に比べると、ベース部材の形状を簡素化することができる。
(8)(6)又は(7)において、前記側壁部材は、前記バスバー収容室を外部へ連通させるバスバー取付口を有し、前記離隔規制部が、前記バスバー取付口における一部のみを覆っていることが好ましい。この構成によれば、バスバーが発する熱をバスバー取付口から放出させることができる。
(9)(6)~(8)において、前記離隔規制部には、前記バスバー収容室内を前記側壁部材の外部へ連通させる連通孔が形成されていることが好ましい。この構成によれば、バスバーが発する熱を、連通孔を通して側壁部材の外部へ放出することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
[実施例1]
本開示の電気接続箱を具体化した実施例1を、図1~図13を参照して説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本実施例1において、電気接続箱Aの前後の方向については、図1,3,5,7における斜め左下方、図2,4,6における斜め左上方、及び図9,10,12,13における左方を前方と定義する。上下の方向については、図1~8,11にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図8,11にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
<電気接続箱Aの概要>
本実施例1の電気接続箱Aは、図1,2に示すように、1つのベース部材10と、ベース部材10とは別体の部材である左右対称な一対の側壁部材11を備えている。一対の側壁部材11は、ベース部材10に対して左右から挟むように組み付けられている。電気接続箱Aは、ベース部材10と一対の側壁部材11とによって区画された部品収容室12を有している。部品収容室12は、電気接続箱Aの上面に開放されている。図11に示すように、部品収容室12内には、ヒュージブルリンク等の複数の電気部品64が収容されるようになっている。
ベース部材10の前端部には左右一対の前側嵌合部13が形成され、ベース部材10の後端部には左右一対の後側嵌合部14が形成されている。側壁部材11の前端部には左右一対の前側嵌込み部15が形成され、側壁部材11の後端部には左右一対の後側嵌込み部16が形成されている。前側嵌合部13と前側嵌込み部15との嵌合、及び後側嵌合部14と後側嵌込み部16との嵌合によって、ベース部材10と側壁部材11が組付け状態に保持されている。
<ベース部材10>
ベース部材10は、合成樹脂製の保持部材17と、保持部材17とは別体の部品である合成樹脂製の端子台18と、左右対称な一対の金属製のプレート19とを備えている。図3,4に示すように、保持部材17は、長辺を前後方向に向けた直方形をなす本体部20と、本体部20の前端縁から上方へ延出した前板部21と、本体部20の後端縁から上方へ延出した後板部22とを有する単一部品である。本体部20の上面と、前板部21の後面と、後板部22の前面とで囲まれた空間は、部品収容室12として機能する。ベース部材10に側壁部材11を組み付けいない状態では、部品収容室12が、ベース部材10の上面及びベース部材10の左右両側面においてベース部材10の外部へ開放されている。
図3,4,11~13に示すように、本体部20の後端部には、左右対称な一対の張出部23が形成されている。張出部23は、本体部20の外側面の下端縁から左右方向外方へ突出している。図3,4,11,13に示すように、張出部23の前後方向の突出端縁には、上方へ突出するリブ状の引掛部24が形成されている。図11,13に示すように、張出部23のうち本体部20と引掛部24との間には、前後方向に間隔を空けた複数の連通孔25が形成されている。
後板部22の左右両端部には、左右対称な一対の後側嵌合部14が形成されている。図3,4に示すように、後側嵌合部14は、板厚方向を前後方向に向けた板状の弾性係止部26と、板厚方向を左右方向に向けた板状規制部27とを有する。弾性係止部26の後面には、係止孔28が形成されている。図13に示すように、弾性係止部26の側縁部と板状規制部27の後縁部は、直角をなして連なっている。弾性係止部26の下端縁と板状規制部27の下端縁は、補強部29を介して本体部20の下端部外面に連なっている。本体部20と弾性係止部26と板状規制部27とに囲まれた空間は、前方及び上方へ開放されたガイド溝30として機能する。
図1,3,8,12に示すように、端子台18は、板厚方向を前後方向に向けた支持板部31と、板厚方向を上下方向に向けた受け板部32とを有する単一部品である。図12に示すように、受け板部32には、上下に貫通するボルト孔33が形成されている。端子台18は、前板部21の前面を覆う状態で、保持部材17に組み付けられている。図3,4,9,10に示すように、保持部材17の前板部21と端子台18の支持板部31との間には、左右一対の収容空間34が形成されている。収容空間34の上端部は、ベース部材10の前方へ左右方向のスリット状に開放されている。
端子台18の左右両端部には、左右対称な一対の前側嵌合部13が形成されている。図4,8,9,13に示すように、前側嵌合部13の後面には、上下方向の溝部35が形成されている。溝部35の上端は端子台18の上面に開放されている。溝部35の上端部にはテーパ状の誘導部36が形成されている。図8,10に示すように、前側嵌合部13には、前後左右の4面が囲まれた嵌合凹部37が形成されている。嵌合凹部37の上端は溝部35の下端と連通している。図8,12に示すように、前側嵌合部13の下端部には、嵌合凹部37と前側嵌合部13の下端面とを上下方向に連通させる窓孔38が形成されている。
プレート19は、細長い金属板材を曲げ加工して成形された単一部品である。プレート19は、互いに直角をなして連なる板状給電部39(図3,4,9,10参照)と板状取付部40(図1~3,8,13参照)を有する。板状給電部39は、板厚方向を前後方向に向けた平板状をなす。板状給電部39には、前後方向に貫通する給電用接続孔41(図8参照)が形成されている。板状取付部40は、板厚方向を上下方向に向けた平板状をなし、板状給電部39の上端縁から前方へ延出している。図3に示すように、板状取付部40には、上下方向に貫通する取付孔68が形成されている。
プレート19は、板状給電部39を収容空間34内に収容し、板状取付部40を収容空間34の外部へ露出させて受け板部32に載置させた状態でベース部材10に組み付けられている。板状給電部39のうち給電用接続孔41の孔縁部は、支持板部31に形成した切欠部において露出している。板状給電部39には、バッテリー(図示省略)に接続された給電端子(図示省略)が、給電用接続孔41を利用して接続されている。
<側壁部材11>
側壁部材11は、合成樹脂製の側壁本体42と、金属製のバスバー43とを組み付けて構成されている。図5~7に示すように、側壁本体42は、平面視形状が前後方向に細長く、壁厚方向を左右方向に向けた単一部品である。図9~12に示すように、側壁本体42は、壁厚方向を左右方向に向けた外壁部44と、壁厚方向を左右方向に向けた内壁部45とを有する。側壁本体42の前端縁部のうち下端側の部位は、前側嵌込み部15として機能する。図5~8に示すように、前側嵌込み部15の下端部には、下方へ突出する嵌合突起46が形成されている。図1,5,7,8に示すように、前側嵌込み部15の上端部には、前方及び側方へ段差状に突出したストッパ47が形成されている。側壁本体42の後端縁部のうち下端側の部位は、後側嵌込み部16として機能する。図2,6に示すように、側壁本体42の後端面には、突起状の係止突起48が形成されている。
図9~12に示すように、側壁本体42の内部には、外壁部44と内壁部45とに挟まれた1つのバスバー収容室49が形成されている。バスバー収容室49は、前後寸法及び上下寸法に対して左右寸法の小さい幅狭の空間である。図11,12に示すように、側壁本体42の下面には、前後方向のスリット状に開口するバスバー取付口50が形成されている。バスバー取付口50は、バスバー43をバスバー収容室49に取り付けるための開口である。
バスバー43は、所定形状に打ち抜いた金属製の平板に、曲げ加工を施して成形された単一部品である。図7に示すように、バスバー43は、板厚方向を左右方向に向けた1枚の平板状の基板部51と、1枚の平板状の放熱板部52と、複数のタブ53と、1つの平板状の接続板部54とを有する。バスバー43を左右方向から見た側面視において、基板部51と放熱板部52は長方形をなす。放熱板部52は、基板部51の下端縁から基板部51の内面に重なるように延出している。複数のタブ53は、基板部51の上端縁から上方へ突出し、前後方向に間隔を空けて並ぶように配置されている。
接続板部54は、基板部51の前端部の支持部55の上端縁から、水平方向内側へ突出している。接続板部54には、上下方向に貫通する貫通孔56が形成されている。バスバー43は、基板部51と放熱板部52とタブ53をバスバー収容室49内に収容した状態で、側壁本体42に組み付けられている。接続板部54は、側壁本体42の外部に露出し、左右方向において側壁本体42よりも内側、即ちベース部材10側へ突出している。
図1,2,5,12,13に示すように、側壁本体42の上端部には、幅広の拡幅部57が形成されている。拡幅部57内には、側壁本体42の上面に開口する複数のヒューズ収容室58が、前後方向に一列に並ぶように配置されている。複数のヒューズ収容室58の下端部は、バスバー収容室49と連通している。ヒューズ収容室58には、側壁部材11の上方からヒューズ59(図5参照)が取り付けられる。ヒューズ59の一方のリード60は、バスバー43のタブ53に接続される。拡幅部57の下端側領域内には、側壁本体42の下面に開口する複数のキャビティ61が、前後方向に一列に並ぶように配置されている(図12参照)。複数のキャビティ61の上端は、複数のヒューズ収容室58の下端に対して個別に連通している。各キャビティ61内には、ワイヤーハーネスを構成する複数の電線62に個別に接続されたハーネス端子63が収容されている。ハーネス端子63は、ヒューズ59の他方のリード60に接続される。
<電気接続箱Aの組み付け手順>
電気接続箱Aを組み付ける際には、保持部材17と端子台18を分離した状態にしておく。この状態で、板状取付部40を受け板部32に載置し、端子台18の後面に板状給電部39を重ねた状態で、プレート19を端子台18に仮保持する。次に、端子台18とプレート19を、保持部材17に対して下から圧入することによって組み付ける。端子台18を保持部材17に組み付けることによって収容空間34が構成されるとともに、収容空間34内にプレート19の板状給電部39が収容され、ベース部材10の組付けが完了する。
ベース部材10を組み付けた後、電気部品64を、ベース部材10の上方から部品収容室12に収容するようにして保持部材17に取り付ける。部品収容室12は、ベース部材10の左右両側方へ開放されているので、作業者が電気部品64を左右から摘むようにすれば、電気部品64を摘んでいる指がベース部材10と干渉することはない。したがって、電気部を取付る際の作業性が良い。電気部品64を自動機で取り付ける場合も、自動機のフィンガーで電気部品64を左右から挟むように保持すれば、フィンガーがベース部材10と干渉することはない。
次に、ベース部材10に一対の側壁部材11を組み付ける。組み付けの際には、前側嵌合部13に対して前側嵌込み部15を上から差し込むように嵌合するとともに、後側嵌合部14に対して後側嵌込み部16を上から差し込むように嵌合する。詳細には、前側嵌込み部15を溝部35に嵌合するとともに、後側嵌込み部16をガイド溝30に嵌合させる。前側嵌込み部15が前側嵌合部13に対して左右方向に位置ずれしても、誘導部36によって位置ずれが矯正される。
側壁部材11がベース部材10に対して所定の組付け状態に至ると、ストッパ47が前側嵌合部13の上端に当接するとともに、後側嵌込み部16が補強部29に当接する。同時に、嵌合突起46が嵌合凹部37に嵌合し、係止突起48が係止孔28に係止する。前側嵌込み部15が前側嵌合部13に嵌合することによって、側壁部材11がベース部材10に対して前後方向及び左右方向に位置決めされる。係止突起48と係止孔28の係止によって、側壁部材11がベース部材10に対して上方への離脱を規制される。
側壁部材11をベース部材10に取り付けると、部品収容室12が側壁部材11によって左右両側から覆われ、電気接続箱Aの組付けが完了する。部品収容室12は、前後方向及び左右方向から全周に亘って囲まれた状態になる。
側壁部材11をベース部材10に組み付けた状態では、バスバー43の接続板部54がプレート19の板状取付部40の上面に対して上から重ねられる。つまり、ベース部材10に対する側壁部材11の組み付け方向と、板状取付部40に対する接続板部54の組み付け方向は、同じ方向である。接続板部54が板状取付部40に載置された状態で、貫通孔56と取付孔68とボルト孔33にはボルト70が貫通される。ボルト70を、受け板部32の下面に設けたナット71にねじ込んで締め付けることによって、プレート19とバスバー43が端子台18に固定される。接続板部54を受け板部32に固定することによって、側壁部材11の前端部がベース部材10の前端部に固定される。
<実施例の作用及び効果>
本実施例の電気接続箱Aは、側面が開放された部品収容室12を有するベース部材10と、ベース部材10とは別体の部材であって、ベース部材10に対して部品収容室12の側面を覆うように組み付けられる側壁部材11とを備えている。側壁部材11には、前側嵌込み部15と後側嵌込み部16が形成されている。ベース部材10には、前側嵌合部13と後側嵌合部14が形成されている。側壁部材11をベース部材10に組み付ける過程では、前側嵌合部13が前側嵌込み部15をスライドさせながら嵌合させるとともに、後側嵌合部14が後側嵌込み部16をスライドさせながら嵌合させる。側壁部材11をスライドさせながらベース部材10に嵌合するので、側壁部材11とベース部材10を安定した組付け状態に保持することができる。
ベース部材10には、前側嵌込み部15を前側嵌合部13の溝部35へ誘い込む誘導部36が形成されているので、側壁部材11をベース部材10に組み付けるときの作業性に優れている。前側嵌合部13は、前側嵌込み部15を収容した状態でスライドさせる溝部35を有している。前側嵌合部13には、嵌合凹部37を介して溝部35を前側嵌合部13の外部下方へ連通させる窓孔38が形成されている。窓孔38は、溝部35における前側嵌込み部15の嵌合方向奥端部、つまり前側嵌合部13の下端部に配置されている。この構成によれば、前側嵌合部13の下から窓孔38を覗くことによって、溝部35内における前側嵌込み部15の嵌合状態、即ち、前側嵌込み部15の嵌合突起46が溝部35の奥端の嵌合凹部37に到達したか否かを、目視によって確認することができる。
ベース部材10は、板状取付部40が形成されたプレート19を有している。側壁部材11は、接続板部54が形成されたバスバー43を有している。接続板部54は、板状取付部40に対して、ベース部材10に対する側壁部材11の組み付け方向と同じ方向に重ねられている。この構成によれば、ベース部材10に側壁部材11を組み付けることによって、板状取付部40と接続板部54との接続を行うことができる。接続板部54は前側嵌込み部15に対して左右方向に近接して配置されている。この構成によれば、前側嵌込み部15を前側嵌合部13に嵌合することによって、接続板部54を板状取付部40に対して高い精度で位置決めすることができる。
前側嵌合部13とプレート19の板状取付部40は、ベース部材10の前端部に配置されている。板状取付部40とバスバー43の接続板部54は締結部材であるボルト70とナット71によって固定されている。ベース部材10の後端部には、側壁部材11に対して弾性的に係止することによって側壁部材11を組付け状態に保持する弾性係止部26が形成されている。この構成によれば、側壁部材11は、ベース部材10の前後両端部の2ヶ所においてベース部材10に保持されるので、ベース部材10と側壁部材11の組付け状態が安定する。ボルト70とナット71による締結作業は、ベース部材10の前端部だけで行えば済むので、前後両端部において締結部材の締結を行う場合に比べると、作業性が良い。
ベース部材10の前端部には、溝部35と嵌合凹部37を有する前側嵌合部13が形成されている。溝部35と嵌合凹部37は、前側嵌込み部15と嵌合突起46を嵌合させることによって、側壁部材11がベース部材10から側方へ離隔することを規制する離隔規制部として機能する。ベース部材10の後端部には、板状規制部27を有する後側嵌合部14が形成されている。板状規制部27は、後側嵌込み部16を当接させることによって、側壁部材11がベース部材10から側方へ離隔することを規制する離隔規制部として機能する。ベース部材10の下端部には、離隔規制部として機能する引掛部24を有する張出部23が形成されている。引掛部24は、側壁部材11の内壁部45に係止することによって、側壁部材11がベース部材10から側方へ離隔することを規制する離隔規制部として機能する。側壁部材11は、これらの離隔規制部によってベース部材10から離隔することを規制されているので、ベース部材10と側壁部材11を安定した組付け状態に保持することができる。
図1,2,5,11に示すように、側壁部材11の外側面には、外側面の一部を幅方向へ部分的に凹ませた形状の凹み領域66が形成されている。凹み領域66は、側壁部材11の側面のうち拡幅部57よりも下方の領域である。凹み領域66は、前側嵌込み部15と後側嵌込み部16を含む。凹み領域66には、離隔規制部としての前側嵌合部13と後側嵌合部14が当接している。この構成によれば、側壁部材11の外側面に前側嵌合部13と後側嵌合部14が重なるように配置されているが、前側嵌合部13と後側嵌合部14の存在に起因して側壁部材11の幅寸法が大きくなることを、抑制できる。
側壁部材11の外側面のうち拡幅部57が形成されている領域は、側壁部材11の外側面のうち左右方向において最も外側に位置する最外側領域67と定義される。前側嵌合部13と後側嵌合部14は、左右方向において最外側領域67よりも内側のみに配置されている。この構成によれば、側壁部材11の外側面に前側嵌合部13と後側嵌合部14が重なるように配置されても、側壁部材11の幅寸法が大きくなることはない。
ベース部材10は、側壁部材11の係止突起48に係止することによって側壁部材11を組付け状態に保持する弾性係止部26を有している。板状規制部27は弾性係止部26の側縁に連なっている。側壁部材11は、板状規制部27によってベース部材10から離隔することを規制されているので、係止突起48が弾性係止部26から外れることを防止できる。板状規制部27が、弾性係止部26の側縁から直角に突出しているので、弾性係止部26の撓み剛性が板状規制部27によって高められている。これにより、弾性係止部26と係止突起48の係止機能の信頼性が向上する。
側壁部材11は、バスバー43を収容するバスバー収容室49を有している。バスバー収容室49は、側壁部材11の外側面を構成する外壁部44と、外壁部44とベース部材10との間に位置する内壁部45とによって区画されている。張出部23は、内壁部45に対して外側から引っ掛かる引掛部24を有している。引掛部24は、外壁部44にではなく内壁部45に引っ掛かるので、側壁部の外側方へ大きく突出することがない。したがって、側壁部材11の幅方向への大型化を回避できる。
張出部23は、バスバー43がバスバー収容室49から離脱することを規制する位置に配置されている。張出部23は、側壁部材11がベース部材10から離隔することを規制する機能に加えて、バスバー43の離脱を規制する機能を兼ね備えている。張出部23とは別にバスバー43の離脱を規制するための専用の部位を形成する場合に比べると、ベース部材10の形状を簡素化することができる。
側壁部材11は、バスバー収容室49を外部へ連通させるバスバー取付口50を有している。張出部23は、バスバー取付口50における一部のみ、即ち後端部のみを覆うように配置されている。この構成によれば、バスバー43が発する熱をバスバー取付口50から効果的に放出させることができる。張出部23には、バスバー収容室49内を側壁部材11の外部へ連通させる連通孔25が形成されている。この構成によれば、バスバー43が発する熱を、連通孔25を通して側壁部材11の外部へ放出することができる。
[他の実施例]
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記のような実施形態も含まれることが意図される。
上記実施例では、離隔規制部が、弾性係止部の側縁から直角に突出しているが、離隔規制部は、弾性係止部から面一状に延出していてもよい。
上記実施例では、離隔規制部が弾性係止部に連なっているが、離隔規制部は、弾性係止部とは別の部位に配置されていてもよい。
上記実施例では、離隔規制部がバスバーの離脱を規制する機能を兼ね備えているが、ベース部材に、バスバーの離脱を規制するための専用の部位を形成してもよい。
上記実施例では、離隔規制部がバスバー取付口における一部のみを覆っているが、離隔規制部はバスバー取付口の全流域を覆っていてもよい。
上記実施例では、張出部は連通孔を有するが、張出部は連通孔を有しない形状であってもよい。
A…電気接続箱
10…ベース部材
11…側壁部材
12…部品収容室
13…前側嵌合部
14…後側嵌合部
15…前側嵌込み部
16…後側嵌込み部
17…保持部材
18…端子台
19…プレート
20…本体部
21…前板部
22…後板部
23…張出部
24…引掛部(離隔規制部)
25…連通孔
26…弾性係止部
27…板状規制部(離隔規制部)
28…係止孔
29…補強部
30…ガイド溝
31…支持板部
32…受け板部
33…ボルト孔
34…収容空間
35…溝部(離隔規制部)
36…誘導部
37…嵌合凹部(離隔規制部)
38…窓孔
39…板状給電部
40…板状取付部
41…給電用接続孔
42…側壁本体
43…バスバー
44…外壁部
45…内壁部
46…嵌合突起
47…ストッパ
48…係止突起(係止部)
49…バスバー収容室
50…バスバー取付口
51…基板部
52…放熱板部
53…タブ
54…接続板部
55…支持部
56…貫通孔
57…拡幅部
58…ヒューズ収容室
59…ヒューズ
60…リード
61…キャビティ
62…電線
63…ハーネス端子
64…電気部品
66…凹み領域
67…最外側領域
68…取付孔
70…ボルト
71…ナット

Claims (9)

  1. 側面が開放された部品収容室を有するベース部材と、
    前記ベース部材とは別体の部材であって、前記ベース部材に対して前記部品収容室の側面を覆うように組み付けられる側壁部材とを備え、
    前記ベース部材には、前記側壁部材が前記ベース部材から側方へ離隔することを規制する離隔規制部が設けられている電気接続箱。
  2. 前記側壁部材の外側面には、前記外側面の一部を幅方向へ部分的に凹ませた形状の凹み領域が形成され、
    前記凹み領域に前記離隔規制部が当接している請求項1に記載の電気接続箱。
  3. 前記離隔規制部は、前記側壁部材の前記外側面のうち、最も外側に位置する最外側領域よりも内側のみに配置されている請求項2に記載の電気接続箱。
  4. 前記ベース部材は、前記側壁部材の係止部に係止することによって前記側壁部材を組付け状態に保持する弾性係止部を有し、
    前記離隔規制部が前記弾性係止部に連なっている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気接続箱。
  5. 前記離隔規制部が、前記弾性係止部の側縁から直角に突出している請求項4に記載の電気接続箱。
  6. 前記側壁部材は、バスバーを収容するバスバー収容室を有し、
    前記バスバー収容室は、前記側壁部材の外側面を構成する外壁部と、前記外壁部と前記ベース部材との間に位置する内壁部とによって区画され、
    前記離間規制部は、前記内壁部に対して外側から引っ掛かる引掛部を有している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気接続箱。
  7. 前記離隔規制部は、前記バスバーが前記バスバー収容室から離脱することを規制する位置に配置されている請求項6に記載の電気接続箱。
  8. 前記側壁部材は、前記バスバー収容室を外部へ連通させるバスバー取付口を有し、
    前記離隔規制部が、前記バスバー取付口における一部のみを覆っている請求項6又は請求項7に記載の電気接続箱。
  9. 前記離隔規制部には、前記バスバー収容室内を前記側壁部材の外部へ連通させる連通孔が形成されている請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の電気接続箱。
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