JP2022157894A - 積層フィルム、基板用積層体、回路基板、及び電子機器 - Google Patents

積層フィルム、基板用積層体、回路基板、及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2022157894A
JP2022157894A JP2021062377A JP2021062377A JP2022157894A JP 2022157894 A JP2022157894 A JP 2022157894A JP 2021062377 A JP2021062377 A JP 2021062377A JP 2021062377 A JP2021062377 A JP 2021062377A JP 2022157894 A JP2022157894 A JP 2022157894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
laminated film
film according
resin
inorganic filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021062377A
Other languages
English (en)
Inventor
和也 岡田
Kazuya Okada
一也 田中
Kazuya Tanaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2021062377A priority Critical patent/JP2022157894A/ja
Publication of JP2022157894A publication Critical patent/JP2022157894A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】低吸湿性、銅箔との接着性、寸法安定性、タフネス、誘電特性に優れ、特に高速通信向けとして有用な材料を提供すること。【解決手段】少なくともA層及びB層を有する積層フィルムであって、前記A層及びB層それぞれが、融点250℃以上、周波数10GHzにおける誘電正接が0.006以下である樹脂により構成され、前記A層が無機充填材を含むことを特徴とする積層フィルムである。【選択図】なし

Description

本発明は、積層フィルム、該積層フィルムを用いた基板用積層体、該基板用積層体を用いた回路基板、及び該回路基板を備える電子機器に関するものである。
近年、多機能携帯電話やタブレット端末等の移動体情報通信機器等には、大容量のデータを高速で送受信することが求められており、電気信号の高周波数化が検討されている。特に、移動体情報通信分野では、第五世代移動通信システム(5G)の検討が進められている。
これに対し、従来の回路基板は、主に低周波数帯域を活用した通信を前提に設計されているため、比誘電率及び誘電正接の値は高い。比誘電率は値が高いほど、電気信号の伝搬遅延が大きくなるため、電気信号の伝搬速度を高め、高速演算を可能とするためには、比誘電率は低い方が好ましい。また、誘電正接(tanδ)は、誘電体内を伝搬する電気信号が熱に変換されて失われる量を示すため、値が低いほど、信号の損失が減少し、電気信号の伝達率が向上する。
以上のように、高周波数帯域で使用される回路基板は、大容量・高速通信を可能とするため、従来よりも比誘電率と誘電正接の低い材料により、製造されることが好ましい。この点を踏まえて、比誘電率と誘電正接の低い材料として、熱硬化型のポリイミド樹脂や液晶ポリマーが注目されている。
また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が提案されており、周波数800MHz~100GHzの範囲で優れた低誘電特性を示し、かつ無機充填材を添加することで寸法安定性にも優れるとされている(特許文献1参照)。
国際公開2020/213527号パンフレット
上述のように、5G用の移動体情報通信材料としては、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー等が挙げられるが、熱硬化型のポリイミド樹脂は吸湿性が高いという問題点があり、液晶ポリマーは回路基板を形成する際に銅箔との接着性が低く、また供給安定性の面で問題がある。また、特許文献1に記載されるポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、優れた低誘電特性と耐熱性を有し、無機充填材の添加により、寸法安定性も良好となるが、無機充填材の添加により、靭性又はタフネスが低下することが問題である。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、低吸湿性、寸法安定性、タフネス、誘電特性に優れ、特に高速通信向けとして有用な材料を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に関して鋭意検討を重ねた結果、無機充填材を含有する特定の樹脂を中間層とし、表裏層として特定の樹脂を用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りの態様を有する。
[1]少なくともA層及びB層を有する積層フィルムであって、前記A層及びB層それぞれが、融点250℃以上、周波数10GHzにおける誘電正接が0.006以下である樹脂を含み、前記A層が無機充填材を含むことを特徴とする積層フィルム。
[2]前記樹脂が、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂及び液晶ポリマーからなる群から選択される1種又は2種以上である、上記[1]に記載の積層フィルム。
[3]前記無機充填材は、シリカ、マイカ(雲母)、セリサイト、イライト、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、スメクタイト、バーミキュライト、二酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸リチウム、ベーマイト及びアルミナからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物である、上記[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4]前記無機充填材が、前記A層を構成する樹脂組成物中に5質量%以上含有される、上記[1]~[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[5]3層以上の積層フィルムであり、前記A層が中間層であり、前記B層が最表層である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の積層フィルム。
[6]前記A層と前記B層の厚みの割合が90:10~10:90である上記[1]~[5]のいずれかに記載の積層フィルム。
[7]周波数12GHzにおける比誘電率が4.0以下であり、誘電正接が0.006以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の積層フィルム。
[8]200℃に加熱した際の加熱寸法変化率が-3.0%以上、3.0%以下である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の積層フィルム。
[9]吸水率が1.0%以下である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の積層フィルム。
[10]相対結晶化度が50%以上である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の積層フィルム。
[11]前記無機充填材が板状の無機充填材を含む、上記[1]~[10]のいずれかに記載の積層フィルム。
[12]前記無機充填材の平均アスペクト比が10以上である、上記[1]~[11]のいずれかに記載の積層フィルム。
[13]前記無機充填材の平均最大径が30μm以上である、上記[1]~[12]のいずれかに記載の積層フィルム。
[14]前記無機充填材の平均厚さが1μm以下である、上記[1]~[13]のいずれかに記載の積層フィルム。
[15]基板用のカバーフィルム、または、ベースフィルムである、上記[1]~[14]のいずれかに記載の積層フィルム。
[16]少なくともA層及びB層を有する積層フィルムであって、前記A層及びB層それぞれが、融点250℃以上、周波数10GHzにおける誘電正接が0.006以下である樹脂を含み、前記A層が無機充填材を含むことを特徴とする基板用積層フィルム。
[17]上記[1]~[15]のいずれかに記載の積層フィルム、及び、銅箔を含む、基板用積層体。
[18]上記[17]に記載の基板用積層体に導電回路を形成してなる、回路基板。
[19]上記[18]に記載の回路基板を備える、電子機器。
本発明によれば、低吸湿性、銅箔との接着性、寸法安定性、タフネス、誘電特性に優れ、高速通信向けとして有用な材料を提供することができる。
以下、本発明を詳しく説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、数値AおよびBについて「A~B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、少なくともA層及びB層を有する積層フィルムであって、前記A層及びB層それぞれが、融点250℃以上、周波数10GHzにおける誘電正接が0.006以下である樹脂により構成され、前記A層が無機充填材を含むことを特徴とする。
樹脂の融点が250℃未満であると、高周波回路基板の製造に際し、回路形成が容易に行うことができず、樹脂フィルムが変形したり、しわが発生するなどの問題が生じる。以上の観点から、樹脂の融点(結晶融解温度)は280℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがさらに好ましく、320℃以上であることが特に好ましい。融点の上限については、特に制限はなく、通常450℃以下である。
また、樹脂の、周波数10GHzにおける誘電正接は0.006以下である。誘電正接が0.006を超えると、誘電体内を伝搬する電気信号の損失が大きくなり、信号伝達率が低下するため、大容量通信が困難になる。以上の観点から、周波数10GHzにおける誘電正接は0.005以下であることが好ましく、0.003以下であることがさらに好ましい。下限値については、特に限定されないが、実用上0.00001以上である。
本発明の積層フィルムを構成する樹脂の周波数10GHzにおける比誘電率は、4.0以下であることが好ましい。比誘電率が4.0以下であると、十分な電気信号の伝搬速度が得られる。以上の観点から、比誘電率は3.5以下であることがより好ましく、3.2以下であることがさらに好ましい。下限値については、特に限定されないが、通常0.1以上である。
また、本発明の積層フィルムの相対結晶化度は50%以上であることが好ましい。相対結晶化度が50%以上であると、はんだ耐熱性に優れる。以上の観点から相対結晶化度は60%以上であることがさらに好ましい。
本発明の積層フィルムにおいて、B層は最表層になるとよい。また、積層フィルムは、3層以上の積層フィルムであることが好ましく、A層が中間層であり、B層がA層の表裏の最表層であることが好ましい。
本発明の積層フィルムを構成する樹脂は、上記物性を有していればよく、中間層(A層)及び最外層(B層)が同じ樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよい。また、最外層を構成する表層と裏層においても、上記物性を有していればよく、同じ樹脂であっても、異なる樹脂であってもよい。
本発明の積層フィルムは、A層(中間層)に無機充填材が含まれる。A層(中間層)に無機充填材を含むことで、寸法安定性が向上する。一方、無機充填材を含むことで、靭性及びタフネスが低下する。
これに対して、本発明の積層フィルムは、A層(中間層)にのみ無機充填材を含有し、B層(最表層;表裏両面にある場合には、両方の最表層)に無機充填材を含まないことが好ましい。このような構成をとることによって、寸法安定性を良好に保ちつつ、靭性及びタフネスを良好にし、かつ良好な誘電特性を得ることができる。
ただし、B層(最表層)は、本発明の効果を阻害しない範囲で無機充填材を含有してもよく、具体的には、例えば、10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下程度であれば、無機充填材を含有してもよい。
無機充填材としては、シリカ、マイカ(雲母)、セリサイト、イライト、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、スメクタイト、バーミキュライト、二酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸リチウム、ベーマイト及びアルミナからなる群から選択される1種、又は2種以上の混合物である。
中間層(A層)における無機充填材の含有量としては、中間層を構成する樹脂組成物中、5質量%以上であることが好ましい。5質量%以上であると、良好な靭性及びタフネスが得られる。以上の観点から、無機充填材の含有量は、8質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。
無機充填材の含有量の上限については、本発明の効果を奏する範囲であれば特に制限はないが、通常50質量%以下であり、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましく、特に35質量%以下とすることで、耐折回数が飛躍的に向上する。
中間層(A層)の厚みと最表層(B層)の厚みの割合は、90:10~10:90の範囲であることが好ましい。この範囲内であると、寸法安定性と靭性及びタフネスのバランスが良好となり、かつ良好な誘電特性が得られる。以上の観点から、中間層の厚みと最表層の厚みの割合は、85:15~30:70の範囲であることがより好ましい。
なお、ここでいう最表層の厚みとは、表裏両面にB層が設けられる場合には、両最表層の厚み合計である。
本発明の積層フィルムは、周波数12GHzにおける比誘電率が4.0以下であることが好ましい。比誘電率が4.0以下であると、十分な電気信号の伝搬速度が得られる。以上の観点から、比誘電率は3.5以下であることがより好ましく、3.2以下であることがさらに好ましい。下限値については、特に限定されないが、通常3.0以上である。
また、本発明の積層フィルムは、周波数12GHzにおける誘電正接が0.006以下であることが好ましい。誘電正接が0.006以下であると、誘電体内を伝搬する電気信号の損失が小さく、高い信号伝達率が維持でき、大容量通信が可能となる。以上の観点から、周波数12GHzにおける誘電正接は0.005以下であることが好ましく、0.003以下であることがさらに好ましい。下限値については、特に限定されないが、実用上0.0001以上である。
本発明の積層フィルムは、200℃に加熱した際の加熱寸法変化率が-3.0%以上、3.0%以下であることが好ましい。加熱寸法変化率が当該範囲内であると、電子機器として使用される際の作動安定性に優れる。以上の観点から、加熱寸法変化率は、-2.5%以上、2.5%以下であることがより好ましい。
(吸水率)
本発明に係る積層フィルムの吸水率は1.0%以下であることが好ましい。積層フィルムの吸水率が1.0%以下であると、積層フィルムからの銅箔の剥離が防止されやすくなる。また、耐マイグレーション性が高まり短絡の発生を防止しやすくなる。以上の観点から、積層フィルムの吸水率は0.9%以下であることが好ましく、0.87%以下がより好ましく、0.85%以下がさらに好ましく、0.82%以下が特に好ましい。なお、吸水率は、実施例で示すとおりに、積層フィルムから試験片を切り出し、水に23℃で24時間浸漬した際の浸漬前後の質量変化から測定できる。
<樹脂>
本発明の積層フィルムを構成する樹脂としては、融点が250℃以上であり、周波数10GHzにおける誘電正接が0.006以下であれば、特に限定されないが、具体的には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。
これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
<ポリアリーレンエーテルケトン樹脂>
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、アリーレン基、エーテル基、及びカルボニル基からなる結晶性の樹脂であり、具体例としては、化学式(1)で表されるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、化学式(2)で表されるポリエーテルケトン(PEK)樹脂、化学式(3)で表されるポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、化学式(4)で表されるポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)樹脂、化学式(5)で表されるポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)樹脂等が挙げられる。
Figure 2022157894000001
Figure 2022157894000002
Figure 2022157894000003
Figure 2022157894000004
Figure 2022157894000005
上記ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の中では、入手の容易性、製造コスト、成形性の点から、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂が好ましく、特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂が好ましい。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、上記(1)~(5)で示される化学構造を2つ以上有する共重合体であってもよい。
<熱可塑性ポリイミド樹脂>
本発明に用いる熱可塑性ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合して得られる。熱可塑性ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸成分(a-1)に由来する繰り返し単位と、脂肪族ジアミン成分(a-2)に由来する繰り返し単位とを有することが好ましい。
熱可塑性ポリイミド樹脂を構成するテトラカルボン酸成分(a-1)は、シクロブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボン酸等の脂環族テトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸、ピロメリット酸等を例示することができる。なお、熱可塑性ポリイミド樹脂の重合においては、これらのアルキルエステル体を使用することができる。
なかでも、テトラカルボン酸成分(a-1)のうち50モル%を超える成分がピロメリット酸であることが好ましい。テトラカルボン酸成分(a-1)がピロメリット酸を主成分とすることにより、本発明の基板用樹脂組成物が、耐熱性、二次加工性および低吸水性に優れる。かかる観点から、テトラカルボン酸成分(a-1)のうち、ピロメリット酸は60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが更に好ましく、90モル%以上であることが特に好ましく、とりわけテトラカルボン酸成分(a-1)の全て(100モル%)がピロメリット酸であることが好ましい。
熱可塑性ポリイミド樹脂を構成するジアミン成分は、脂肪族ジアミン(a-2)を主成分とすることが好ましい。すなわち、ジアミン成分のうち50モル%を超える成分が脂肪族ジアミン(a-2)であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが更に好ましく、90モル%以上であることが特に好ましく、とりわけジアミン成分の全て(100モル%)が脂肪族ジアミン(a-2)であることが好ましい。このことにより、本発明の基板用樹脂組成物は、耐熱性、低吸水性、成形性、二次加工性などを良好にできる。なお、本発明における脂肪族ジアミンには、脂環族ジアミンも包まれる。
脂肪族ジアミン(a-2)としては、炭化水素基の両末端にアミノ基を有するジアミン成分であれば特に制限はなく、脂環族ジアミン、直鎖状脂肪族ジアミン、分岐状脂肪族ジアミン等が挙げられる。脂肪族ジアミン(a-2)は、耐熱性、耐熱老化性などを重視する場合には、脂環族ジアミンを含むことが好ましい。脂環族ジアミンは、環状炭化水素の両末端(すなわち、環を構成し、かつ互いに隣接しない炭素原子)にアミノ基を結合させてもよいし、環状炭化水素の炭素原子と、環状炭化水素に結合される炭化水素の末端にアミノ基を結合させてもよいし、環状炭化水素に結合される2つの炭化水素それぞれの末端にアミノ基を結合させてもよい。
脂環族ジアミンの具体例としては、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、イソフォロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐熱老化性、成形性、二次加工性などの観点から、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが好適に用いられる。
一方、靭性、成形性、二次加工性を重視する場合には、脂肪族ジアミン(a-2)として、直鎖状脂肪族ジアミン及び分岐状脂肪族ジアミンの少なくとも一方を含むことが好ましい。直鎖状脂肪族ジアミン、分岐状脂肪族ジアミンは、直鎖状炭化水素の両末端、分岐状炭化水素の両末端にアミノ基を有するとよい。
直鎖状脂肪族ジアミンとしては、アルキル基の両末端にアミン基を有するジアミン成分であれば特に制限はないが、具体例としては、エチレンジアミン(炭素数2)、プロピレンジアミン(炭素数3)、ブタンジアミン(炭素数4)、ペンタンジアミン(炭素数5)、ヘキサンジアミン(炭素数6)、ヘプタンジアミン(炭素数7)、オクタンジアミン(炭素数8)、ノナンジアミン(炭素数9)、デカンジアミン(炭素数10)、ウンデカンジアミン(炭素数11)、ドデカンジアミン(炭素数12)、トリデカンジアミン(炭素数13)、テトラデカンジアミン(炭素数14)、ペンタデカンジアミン(炭素数15)、ヘキサデカンジアミン(炭 素数16)、ヘプタデカンジアミン(炭素数17)、オクタデカンジアミン(炭素数18)、ノナデカンジアミン(炭素数19)、エイコサンジアミン(炭素数20)、トリアコンタンジアミン(炭素数30)、テトラコンタンジアミン(炭素数40)、ペンタコンタンジアミン(炭素数50)等の炭素数2~50程度の直鎖状脂肪族ジアミンが挙げられる。これらの中でも、成形性や二次加工性、低吸湿性に優れるという観点から、炭素数4~20の直鎖状脂肪族ジアミンが好ましく、炭素数5~16の直鎖状脂肪族ジアミンがより好ましく、炭素数6~12の直鎖状脂肪族ジアミンがさらに好ましい。
分岐状脂肪族ジアミンとしては、これら直鎖状脂肪族ジアミンに好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10の枝分かれ構造が結合されたものが挙げられる。
脂肪族ジアミン(a-2)としては、結晶性の観点から、直鎖状脂肪族ジアミンを含むことが特に好ましい。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、脂肪族ジアミン(a-2)以外の他のジアミン成分由来の構成単位を含んでいてもよい。他のジアミン成分としては、具体的には、1,4-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミン、2,4-トルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、α,α’-ビス(4-アミノフェニル)1,4’-ジイソプロピルベンゼン、α,α’-ビス(3-アミノフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’-ジ アミノジフェニルスルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,6-ジアミノナフタレン、1,5-ジアミノナフタレン、p-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン成分、ポリエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、ポリプロピレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル等のエーテルジアミン成分、シロキサンジアミン類等が挙げられる。
脂肪族ジアミン(a-2)は、直鎖状脂肪族ジアミン及び分岐状脂肪族ジアミンの少なくとも一方か、脂環族ジアミンのいずれか、または両方を含んでもよいが、各種性能をバランスよく良好にする点から、直鎖状脂肪族ジアミン及び分岐状脂肪族ジアミンの少なくとも一方並びに脂環族ジアミンを含むことが好ましく、直鎖状脂肪族ジアミンと脂環族ジアミンの両方を含むことがより好ましい。直鎖状脂肪族ジアミン及び分岐状脂肪族ジアミンの少なくとも一方並びに脂環族ジアミンを両方含む場合、これらの含有量比はモル基準で、直鎖状脂肪族ジアミン及び分岐状脂肪族ジアミンの少なくとも一方:脂環族ジアミンが1:99~90:10の範囲であることが好ましく、1:99~80:20であることがより好ましく、1:99~70:30であることが更に好ましく、10:90~70:30であることが特に好ましく、20:80~70:30であることがとりわけ好ましく、25:75~60:40であることが最も好ましい。脂肪族ジアミン(a-2)に含まれる直鎖状脂肪族ジアミン及び分岐状脂肪族ジアミンの少なくとも一方と脂環族ジアミンとの割合がかかる範囲であれば、耐熱性、耐熱老化性、靭性、成形性などのバランスに優れやすくなる。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、結晶性を有するとよい。結晶性の熱可塑性ポリイミド樹脂は、示差走査熱量計(DSC)測定において、結晶融解ピークが観測される。熱可塑性ポリイミド樹脂の具体的な結晶融解温度は、260℃以上、350℃以下であることが好ましく、270℃以上、345℃以下であることがより好ましく、280℃以上、340℃以下であることが更に好ましい。熱可塑性ポリイミド樹脂の結晶融解温度が上記下限値以上であれば、積層フィルムの耐熱性が十分なものとなりやすい。一方、結晶融解温度が上記上限値以下であれば、比較的低温で成形または二次加工がしやすいため好ましい。
熱可塑性ポリイミド樹脂のガラス転移温度は150℃以上、300℃以下であることが好ましく、160℃以上、280℃以下であることがより好ましく、170℃以上、260℃以下であることが更に好ましく、175℃以上、250℃以下であることが特に好ましく、180℃以上、240℃以下であることが特に好ましい。熱可塑性ポリイミド樹脂のガラス転移温度が上記下限値以上であれば、積層フィルムの耐熱性が十分なものとなりやすい。一方、ガラス転移温度が上記上限値以下であれば、比較的低温で成形がしやすいため好ましい。
<ポリエーテルイミド樹脂>
ポリエーテルイミド樹脂は特に限定されることはなく、その製造方法及び特性は例えば米国特許3,905,942、米国特許3,803,085に記載されている。
本発明において用いるポリエーテルイミド樹脂は、具体的には、下記一般式(6)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。ポリエーテルイミド樹脂が以下の繰り返し単位構造を有することで、各種性能を良好にしやすい点で好ましい。
Figure 2022157894000006
一般式(6)において、Y~Yは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、Ar~Arは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子数6~24のアリーレン基を表し、Xは、直接結合、あるいは、-O-、-SO-、-S-、-C(=O)-、又は二価の脂肪族炭化水素基のいずれかを表す。
ポリエーテルイミド樹脂は、上記一般式(6)で表される繰り返し単位が、例えは10~1,000で繰り返された構造を有するとよく、繰り返し単位数はより好ましくは20~700、さらに好ましくは30~500である。繰り返し単位数がかかる範囲にあれば、溶融時の粘度が高すぎず成形性に優れ、耐熱性、耐熱老化性などの各種性能もバランスよく良好にしやすい傾向となる。
~Yにおけるアルキル基は、例えば炭素原子数1~20、好ましくは炭素原子数1~10、より好ましくは炭素原子数1~6、さらに好ましくは炭素原子数1~2のアルキル基であり、具体的に好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。また、Y~Yにおけるアルコキシ基は、例えば炭素原子数1~20、好ましくは炭素原子数1~10、より好ましくは炭素原子数1~6、さらに好ましくは炭素原子数1~2のアルコキシ基であり、具体的に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基などである。Y~Yは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。Y~Yは、水素原子であることが好ましい。
Ar~Arにおけるアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などが挙げられる。また、アリーレン基の置換基としては、アルキル基、ハロゲン、アルコキシ基、ハロゲン置換アルキル基などが挙げられる。置換基としてのアルキル基及びアルコキシ基は、例えば炭素原子数1~6、好ましくは炭素原子数1~2であり、その具体例は上記の通りである。また、ハロゲン置換アルキル基は、アルキル基の1つ又は複数の水素原子をハロゲンで置換された基である。ハロゲン置換アルキル基におけるアルキル基は上記と同様である。ハロゲンとしては塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。Ar~Arは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。Ar~Arは、置換基を有する場合、アリーレン基の炭素原子数が6~24となるとよい。
Ar~Arは、置換基を有してもよいフェニレン基が好ましく、中でも、フェニレン基が好ましい。
における二価の脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素原子数1~6の二価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは二価の飽和脂肪族炭化水素基である。
二価の飽和脂肪族炭化水素基は、-C2y-(yは1~6の整数)で表され、具体的にはメチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、エチリデン基(-CH(CH)-)、ジメチルメチレン基(-C(CH-)などが挙げられる。
は、二価の飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、中でもジメチルメチレン基(-C(CH-)がより好ましい。
上記一般式(6)において、Arは、置換基を有してもよい炭素原子数6~24の1,4-又は1,3-アリーレン基などでもよいが、好ましくは置換基を有してもよい炭素原子数6~24の1,4-アリーレン基である。イミド基との結合位置が、1,4位であることで、構造的に安定して耐熱老化性が向上し、また、優れた低吸水性、耐熱性、耐衝撃性も実現しやすい傾向となる。したがって、ポリエーテルイミド樹脂は、以下の一般式(7)で表されることが好ましい。
Figure 2022157894000007
一般式(7)において、Y~Yは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、Ar~Arは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子数6~24のアリーレン基を表し、Xは、直接結合、あるいは、-O-、-SO-、-S-、-C(=O)-、又は二価の脂肪族炭化水素基のいずれかを表す。一般式(7)中の(1,4)Arは、イミド基がAr基の1位と4位に結合している。
一般式(7)におけるY~Y、Xは、上記で説明したとおりである。
Arにおけるアリーレン基は、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、1,4-アントラセニレン基などが挙げられる。また、これらアリーレン基は、上記のとおり置換基を有してもよいが、その置換基は上記で説明したとおりである。Arは、好ましくは置換基を有してもよい1,4-フェニレン基であり、より好ましくは1,4-フェニレン基である。
また、一般式(7)において、Ar、Arは上記で説明したとおりであるが、Ar及びArは、置換基を有してもよい炭素原子数6~24の1,4-アリーレン基であることが好ましく、1,4-アリーレン基としては、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、1,4-アントラセニレン基などが挙げられる。また、これらアリーレン基は、上記のとおり置換基を有してもよいが、その置換基は上記で説明したとおりである。Ar及びArは、置換基を有してもよい1,4-フェニレン基であることがより好ましく、1,4-フェニレン基であることがさらに好ましい。
本発明において用いるポリエーテルイミド樹脂としては、具体的には、下記の式(8)で表される構造を有することが特に好ましい。ポリエーテルイミド樹脂が以下の構造を有することで、本発明の積層フィルムは、耐熱老化性が優れたものとなりやすく、優れた低吸水性、耐熱性、耐衝撃性も実現しやすい傾向となる。さらに、成形性、二次加工性なども良好となりやすい。
Figure 2022157894000008

上記一般式(8)において、n(繰り返し数)は通常10~1,000の範囲の整数であり、好ましくは20~700であり、より好ましくは30~500である。nがかかる範囲にあれば、溶融時の粘度が高すぎず成形性に優れ、耐熱性、耐熱老化性などの各種性能のバランスに優れる傾向となる。
上記構造を有するポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、例えばサビックイノベーティブプラスチックス社から商品名「Ultem」シリーズとして市販されている。
ポリエーテルイミド樹脂のガラス転移温度は、160℃以上300℃以下であることが好ましく、170℃以上290℃以下であることがより好ましく、180℃以上280℃以下であることが更に好ましく、190℃以上270℃以下であることが特に好ましく、200℃以上260℃以下であることがとりわけ好ましい。ポリエーテルイミド樹脂のガラス転移温度が上記下限値以上であることにより、積層フィルムの耐熱性が十分なものとなりやすい。一方、ポリエーテルイミド樹脂のガラス転移温度が上記上限値以下であることにより、比較的低温で成形または二次加工できるため、他の樹脂とブレンドする際に、当該他の樹脂の分解、劣化を引き起こしにくくなる。
<液晶ポリマー>
液晶ポリマーは、液晶性を有するポリマー(特に、流動性を備えている時に配向性を備えるポリマー)であればよく、好ましくは、全芳香族ポリエステルが挙げられる。
全芳香族ポリエステルを得るためのモノマーとしては、例えば、芳香族縮合環含有モノマー、芳香族単環含有モノマーなどが挙げられる。これらのモノマーは、エステル結合可能なヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を複数(特に2つ)備える。
芳香族縮合環含有モノマーとしては、好ましくは、例えば、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ナフタレンジカルボン酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸などのナフタレン系モノマーが挙げられる。
芳香族単環含有モノマーとしては、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキノン、テレフタル酸、イソフタル酸などのベンゼン系モノマー、または、例えば、4,4’-ビフェノールなどのビフェノール系モノマーが挙げられる。
特に好ましくは、全芳香族ポリエステルは、4-ヒドロキシ安息香酸を含むモノマー成分の重合により得られる4-ヒドロキシ安息香酸系ポリエステルが挙げられる。
4-ヒドロキシ安息香酸系全芳香族ポリエステルとしては、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸のみからなるモノマー成分の重合により得られる4-ヒドロキシ安息香酸ホモポリマー;例えば、4,4’-ビフェノール、ヒドロキノン、テレフタル酸などの直線型芳香族モノマーと、4-ヒドロキシ安息香酸とを含有するモノマー成分の重合により得られる直線型芳香族ポリエステルポリマー;例えば、イソフタル酸などのベント型芳香族モノマーと、4-ヒドロキシ安息香酸とを含有するモノマー成分の重合により得られるベント型芳香族ポリエステルポリマー;例えば、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ナフタレンジカルボン酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸などのクランクシャフト型芳香族モノマーと、4-ヒドロキシ安息香酸とを含有するモノマー成分の重合により得られるクランクシャフト型芳香族ポリマーなどが挙げられる。
全芳香族ポリエステルは、好ましくは、芳香族縮合環含有モノマーを含むモノマー成分の重合により得られる全芳香族ポリエステルであり、より好ましくは、芳香族縮合環含有モノマーおよび4-ヒドロキシ安息香酸を含むモノマー成分の重合により得られる全芳香族ポリエステルが挙げられ、最も好ましくは、クランクシャフト型芳香族モノマーと4-ヒドロキシ安息香酸とを含有するモノマー成分の重合により得られるクランクシャフト型芳香族ポリマーが挙げられる。積層フィルムが、このような全芳香族ポリエステルを含有することにより、耐熱性、加工性などがより一層良好となる。
また、液晶ポリマーが4-ヒドロキシ安息香酸系全芳香族ポリエステルである場合(ホモポリマーは除く)、4-ヒドロキシ安息香酸と、それ以外の芳香族モノマー(例えば、芳香族縮合環含有モノマー)とのモル比(4-ヒドロキシ安息香酸/それ以外の芳香族モノマー)は、例えば、10/90~90/10、好ましくは、60/40~90/10である。
液晶ポリマーとしては、市販品を用いることもでき、例えば、住友化学社製の商品名「スミカスーパーLCP」シリーズ、SOLVAY社製の商品名「XYDER」シリーズ、セラニーズ社の商品名「VECTRA」シリーズ、上野製薬社製の商品名「UENOLCP」シリーズなどが挙げられる。
液晶ポリマーは、1種単独で使用してもよく、または2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の積層フィルムに用いられる樹脂としては、銅箔との接着性の観点から、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、及び熱可塑性ポリイミド樹脂のいずれかが好ましい。
特に耐熱性、機械強度、耐吸水性の観点から、A層、B層を構成する樹脂のいずれもがポリアリーレンエーテルケトンであることがより好ましく、両表裏面にB層が設けられる場合には、中間層、及び両最表層を構成する樹脂のいずれもがポリアリーレンエーテルケトンであることがさらに好ましい。
<無機充填材>
本発明の積層フィルムにおける中間層(A層)は、無機充填材を含有する。無機充填材としては、シリカ、マイカ(雲母)、セリサイト、イライト、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、スメクタイト、バーミキュライト、二酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸リチウム、ベーマイト及びアルミナからなる群から選択される1種、又は2種以上の混合物を主成分とする。
これらのうち、後述する板状の無機充填材であるマイカが好ましく、不純物の少ない合成マイカが好ましい。なお、ここでいう板状には、鱗片状、薄片状等も包含される。
無機充填材としては、板状であることが好ましく、平均最大径が30μm以上であることが好ましい。平均最大径を30μm以上とすることで、積層フィルムの寸法安定性が良好となる。以上の観点から、平均最大径は40μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることがさらに好ましい。
また、板状無機充填材の平均厚さは1μm以下であることが好ましい。板状無機充填材の平均厚さを1μm以下とすることで、積層フィルムの寸法安定性が良好となる。以上の観点から、平均厚さは0.5μm以下であることがさらに好ましい。
さらに、板状無機充填材の平均アスペクト比(平均最大径/平均厚み)が10以上であることが好ましい。平均アスペクト比を10以上とすることで積層フィルムの寸法安定性が良好となる。以上の観点から、平均アスペクト比は20以上であることがより好ましく、40以上であることがさらに好ましい。
なお、上記平均最大径、平均厚さ、及び平均アスペクト比は走査型電子顕微鏡による観察で測定し、算出することができる。
上述のような無機充填材を含有させることにより、成形収縮率及び線形膨張係数が小さく、良好な寸法安定性が得られる。さらには、耐熱性及び機械的強度に優れ、成形加工性にも優れる。
中間層(A層)に無機充填材を配合する方法としては、中間層(A層)を形成するための樹脂組成物として、上述の樹脂に無機充填を含有したものを調製することにより得られる。上述の樹脂に無機充填材を含有させて樹脂組成物を得る方法としては、公知の製造方法を用いることができる。具体的には、樹脂を二軸混練機等で溶融混練しながら、無機充填材をサイドホッパーより投入し、混練する方法が挙げられる。
混練には、単軸スクリュー押出機、コニーダー、多軸スクリュー押出機等を使用することもできる。
なお、無機充填材の他に、適宜、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等をフィルム中に加えることもできる。
積層フィルムの製造方法としては、特に制限はなく、各層の樹脂組成物を共押出して積層する共押出法、各層をフィルム状に形成し、これをラミネートする押出ラミネート法、各層をフィルム状に形成し、これらを熱圧着する熱圧着法等が挙げられる。これらのうち、薄膜化、生産性の観点から、共押出法で成形することが好ましい。
[基板用積層体]
<基板>
本発明の積層フィルムは、各種の基板に使用することが好ましく、基板の少なくとも一部を構成するとよい。また、基板は典型的には回路を有する回路基板であるとよい。回路基板としては、FPC(Flexible printed circuits)、や、FCCL(Flexible Cupper Clad Laminate)などが挙げられる。
本発明の積層フィルムは、寸法安定性、タフネス、誘電特性などの各種性能がバランスよく良好であり、吸水性も低くなる。そのため、基板に必要とされる要求特性を満足し、基板に好適に用いられる。特に、本発明の積層フィルムは、はんだ耐熱性に優れ、はんだ工程などにおいて高温に加熱された後でも、折り曲げた際に割れなどが生じにくくなる。そのため、上記したFPCやFCCLなどに特に好適である。
本発明は、基板用積層体を提供する。基板用積層体は、上記した本発明の積層フィルムと銅箔とを備える積層体である。基板用積層体は、回路を形成して、回路基板を構成するとよい。銅箔は、回路基板においてはエッチングなどにより所定の形状にパターニングされ、配線などを構成するとよい。銅箔の厚みは、例えば1~80μm、好ましくは3~50μm、より好ましくは5~30μmである。
本発明の積層フィルムは、ベースフィルム及びカバーフィルムのいずれかを構成することが好ましい。ベースフィルムは、回路基板の基材となるものであり、ベースフィルム上に銅箔が設けられるとよい。銅箔は、一般的には接着層を介してベースフィルムに貼り合わされる。
接着層としては、特に限定されないが、エポキシ系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤、フェノール系樹脂接着剤などが挙げられるが、これらの中ではエポキシ系樹脂接着剤が好ましい。
また、銅箔にシランカップリング剤などの表面処理剤により表面処理をして、銅箔はその表面処理剤を介してベースフィルムに貼り合わされてもよいし、銅箔は、表面処理剤や接着層を介さずにベースフィルムに直接貼り合わされてもよい。
カバーフィルムは、カバーレイフィルムと呼ばれることがあり、ベースフィルム上に設けられた銅箔などを被覆して保護するためのフィルムである。カバーフィルムは、回路基板の基材となるベースフィルムやリジット基板などの銅箔が設けられた面に貼り合わされて使用される。
カバーフィルムは、一般的にベースフィルムやリジット基板などの基材に接着層を介して貼り合わされる。接着層に使用される接着剤は上記の通りである。また、接着層は適宜省略されてもよく、その場合、カバーフィルムは、シランカップリング剤などの表面処理剤により表面処理された銅箔に接着されてもよいし、接着層や表面処理剤を介さずに銅箔に直接接着されてもよい。
また、銅箔は一般的に基材上にパターニングされ部分的に設けられるが、基材の銅箔が設けられない部分において、カバーフィルムは基材に直接接着されてもよいし、接着層を介して基材に貼り合わされてもよい。
[回路基板]
本発明の回路基板は、上記基板用積層体に導電回路を形成してなる。導電回路の配線パターンは、エッチング法、めっき法、印刷法等を使用することができる。
[電子機器]
本発明の回路基板を用いて作製した電子機器は、誘電特性に優れるため、多機能携帯電話やタブレット端末等の移動体情報通信機器等として有効である。より具体的には、超高速大容量、低遅延、多数同時接続などの要求に対応し得る5G用端末としての利用、自動車の衝突防止ミリ波レーダー装置、先進運転支援システム、人工知能等への応用が期待される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。
(評価方法)
上記実施例及び比較例で製造した各フィルムは、以下のようにして各種項目についての評価測定を行った。ここで、フィルムの「縦」とは、Tダイからフィルム状の成形品が押し出されてくる方向を指し、また、フィルム面内でこれに直交する方向を「横」とする。
(1)相体結晶化度
各フィルムについて室温から380℃まで、10℃/分の速度で昇温し、樹脂の結晶化時の発熱ピーク面積と樹脂の結晶融解時の吸熱ピーク面積から、結晶化熱量ΔHcと結晶融解熱量ΔHmを得た。これらを用いて、以下の式から相対結晶化度を算出した。
相対結晶化度(%)={(|ΔHm|-|ΔHc|)/ΔHm}×100
(2)ガラス転移温度・結晶融解温度
JIS K7121:2012に準拠して、示差走査熱量計Pyris1 DSC(パーキンエルマー社製)を用いて、温度範囲23~400℃まで速度10℃/分で昇温した後、速度10℃/分で23℃まで降温し、再度400℃まで速度10℃/分で昇温した際に検出されるDSC曲線から各樹脂のガラス転移温度(Tg)と結晶融解温度(Tm)を求めた。
なお、結晶融解温度(Tm)は検出される吸熱ピークのピークトップの温度とし、各樹脂の融点とした。
(3)比誘電率
各実施例及び比較例で得られた積層フィルムについて、JIS C2565:1992に準拠して、温度23℃、湿度30%、周波数12GHzの条件で測定した。
(4)誘電正接
各実施例及び比較例で得られた積層フィルムについて、JIS C2565:1992に準拠して、温度23℃、湿度30%、周波数12GHzの条件で測定した。
(5)樹脂の誘電正接及び比誘電率
各樹脂の誘電正接及び比誘電率は、各樹脂ペレットを380℃で熱プレスし、厚み200μmのフィルムにして、周波数を12GHzから10GHzに変更した以外は上記と同様の方法で測定した。
(6)線膨張係数
各実施例及び比較例で得られた積層フィルムについて、フィルムの押出方向(MD)と幅方向(押出方向の直角方向、TD)について測定した。積層フィルムの線膨張係数を測定する場合は、JIS K7197:2012に準拠して測定チャック間距離10mm×幅方向6mmで測定した。線膨張係数の測定に際しては、熱分析装置(メトラー・トレド社製「TMA/SDTA841」)を用いて、引張モードにより、昇温速度:5℃/分、一旦降温した後の再昇温速度:5℃/分で、25℃から250℃まで、寸法の温度変化を測定し、25℃から125℃までの範囲の傾きにより線膨張係数を求めた。
(7)加熱寸法変化率
各実施例及び比較例で得られた積層フィルムから120mm×120mmに切り出し、JIS K7133に準拠して、標線間距離100mmで、200℃で30分間加熱し、フィルムの加熱寸法変化率を以下の式から算出した。
加熱寸法変化率(%)=(加熱後寸法―加熱前寸法)/加熱前寸法×100
(8)耐折回数
各実施例及び比較例で得られた積層フィルムについて、JIS P8115に準拠して、折り曲げ角度135度、折り曲げ速度175回/分、荷重9.8Nの条件で、MIT耐折度試験機(テスター産業社製「BE-202」)を用いて、MD方向及びTD方向における耐折回数を測定した。
(9)吸水率
各実施例及び比較例で得られた積層フィルムから直径10cmの試験片(厚さ50μm)を切り出し、測定試料とした。
JIS K7209:2000に準拠して、得られた測定試料を、23℃の水中に24時間浸漬保持し、浸漬前後の質量変化から吸水率を測定した。
吸水率(%)=((浸漬後の質量-浸漬前の質量)/浸漬前の質量)×100
(使用した材料)
<表裏層:ポリエーテルエーテルケトン>
(B)-1:ポリエーテルエーテルケトン(化学式(1)の繰り返し単位、結晶融解温度=343℃、ガラス転移温度=143℃、比誘電率=3.0、誘電正接=0.0029)
<中間層:マイカ強化ポリエーテルエーテルケトン>
(A)-1:上記(B)-1で使用したポリエーテルエーテルケトンを70質量%、下記のマイカを30質量%の割合で含むマスターバッチ
(A)-2:上記(B)-1で使用したポリエーテルエーテルケトンを76質量%、下記のマイカを24質量%の割合で含むマスターバッチ
<マイカ>
マイカ:板状、平均最大径4.0μm、平均厚さ0.13μm、平均アスペクト比33
実施例1
表裏層(以下「B層」と記載する。)の原料として(B)-1を、中間層(以下「A層」と記載する。)の原料として(A)-1をそれぞれ使用した。これらを、Φ40mm押出機2台を使用して別々に溶融させ、B層についてはフィードブロックで半分ずつに分割し、B層/A層/B層の順番となるようにフィードブロック内で積層させて2種3層構成の積層フィルムとしてTダイから押出し、両最外層を結晶化させるために、210℃のキャストロールに密着させ、積層比が1/5/1(フィルム全体に占める、B層の厚み割合=28%)となるように、積層フィルムを得た。この時、B層の押出機温度、A層の押出機温度、フィードブロック、口金の温度はいずれも380℃とした。
以上のようにして作製した、50μmの2種3層構成の積層フィルムについて、誘電率と誘電正接、加熱寸法変化率、耐折強度、吸水率の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、得られた積層フィルムの相体結晶化度は100%であった。
実施例2
キャストロール速度を調整し、フィルムの厚みを100μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でサンプルを作製した。評価結果を表1に示す。なお、得られた積層フィルムの相体結晶化度は100%であった。
実施例3
A層とB層の押出機回転数及びキャストロール速度を調整し、積層比を1/9/1(フィルム全体に占める、B層の厚み割合=18%)に変更した。また、A層をドライブブレンドした(A)-2の原料に変更した以外は、実施例2と同様の方法でサンプルを作製した。評価結果を表1に示す。なお、得られた積層フィルムの相体結晶化度は100%であった。
実施例4
A層とB層の押出機回転数及びキャストロール速度を調整し、積層比を1/5/1(フィルム全体に占める、B層の厚み割合=28%)に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法でサンプル作製した。評価結果を表1に示す。なお、得られた積層フィルムの相体結晶化度は100%であった。
実施例5
A層とB層の押出機回転数及びキャストロール速度を調整し、積層比を1/3/1(フィルム全体に占める、B層の厚み割合=40%)に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法でサンプル作製した。評価結果を表1に示す。なお、得られた積層フィルムの相体結晶化度は100%であった。
比較例1
押出機を1台のみ用い、原料として(B)-1を使用したこと以外は実施例2と同様の条件にて、ポリエーテルエーテルケトン単層フィルムを得た。このフィルムについて、実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られたフィルムの相体結晶化度は100%であった。
比較例2
押出機を1台のみ用い、原料として(A)-1を使用した以外は実施例1と同様の条件にて、マイカ強化ポリエーテルエーテルケトン単層フィルムを得た。このフィルムについて、実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られたフィルムの相体結晶化度は100%であった。
比較例3
押出機を1台のみ用い、原料としてドライブレンドした(A)-2を使用したとこ以外は実施例2と同様の条件にて、マイカ強化ポリエーテルエーテルケトン単層フィルムを得た。このフィルムについて、実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られたフィルムの相体結晶化度は100%であった。
Figure 2022157894000009

実施例2~5で得られた積層フィルムは、誘電正接がいずれも0.004以下であるため、誘電特性に優れている。この誘電特性の効果は表裏層にポリエーテルエーテルケトンを使用した効果であり、さらに、加熱寸法変化率及び吸水率にも優れていた。
また、実施例1~5で得られた積層フィルムはいずれも耐折強度が良好であったが、特に実施例3~5で得られた積層フィルムは耐折強度に優れ、タフネスに優れることがわかる。これは、フィラー量を実施例1よりも減少させることで、積層フィルムに強度が付与されたためと考えられる。
以上の結果より、本発明の積層フィルムは、誘電特性、加熱寸法安定性、耐折強度、吸水率に優れることがわかる。
一方、比較例1は、耐折強度、誘電特性に優れるものの加熱寸法安定性が十分ではない。
比較例2及び比較例3では、加熱寸法安定性に優れるものの誘電特性が十分ではない。
本発明によれば、低吸湿性、銅箔との接着性、寸法安定性、タフネス、誘電特性に優れ、高速通信向け材料として有用な材料を提供することができる。したがって、第五世代移動通信システム(5G)などのデバイスとして有用であり、自動車分野、半導体分野、医療分野、エネルギー分野、航空・宇宙分野等、幅広い産業で有用である。

Claims (19)

  1. 少なくともA層及びB層を有する積層フィルムであって、前記A層及びB層それぞれが、融点250℃以上、周波数10GHzにおける誘電正接が0.006以下である樹脂を含み、前記A層が無機充填材を含むことを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記樹脂が、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂及び液晶ポリマーからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記無機充填材は、シリカ、マイカ(雲母)、セリサイト、イライト、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、スメクタイト、バーミキュライト、二酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸リチウム、ベーマイト及びアルミナからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記無機充填材が、前記A層を構成する樹脂組成物中に5質量%以上含有される、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. 3層以上の積層フィルムであり、前記A層が中間層であり、前記B層が最表層である、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 前記A層と前記B層の厚みの割合が90:10~10:90である請求項1~5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 周波数12GHzにおける比誘電率が4.0以下であり、誘電正接が0.006以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  8. 200℃に加熱した際の加熱寸法変化率が-3.0%以上、3.0%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  9. 吸水率が1.0%以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  10. 相対結晶化度が50%以上である、請求項1~9のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  11. 前記無機充填材が板状の無機充填材を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  12. 前記無機充填材の平均アスペクト比が10以上である、請求項1~11のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  13. 前記無機充填材の平均最大径が30μm以上である、請求項1~12のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  14. 前記無機充填材の平均厚さが1μm以下である、請求項1~13のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  15. 基板用のカバーフィルム、または、ベースフィルムである、請求項1~14のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  16. 少なくともA層及びB層を有する積層フィルムであって、前記A層及びB層それぞれが、融点250℃以上、周波数10GHzにおける誘電正接が0.006以下である樹脂を含み、前記A層が無機充填材を含むことを特徴とする基板用積層フィルム。
  17. 請求項1~15のいずれか1項に記載の積層フィルム、及び、銅箔を含む、基板用積層体。
  18. 請求項17に記載の基板用積層体に導電回路を形成してなる、回路基板。
  19. 請求項18に記載の回路基板を備える、電子機器。
JP2021062377A 2021-03-31 2021-03-31 積層フィルム、基板用積層体、回路基板、及び電子機器 Pending JP2022157894A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021062377A JP2022157894A (ja) 2021-03-31 2021-03-31 積層フィルム、基板用積層体、回路基板、及び電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021062377A JP2022157894A (ja) 2021-03-31 2021-03-31 積層フィルム、基板用積層体、回路基板、及び電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022157894A true JP2022157894A (ja) 2022-10-14

Family

ID=83558977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021062377A Pending JP2022157894A (ja) 2021-03-31 2021-03-31 積層フィルム、基板用積層体、回路基板、及び電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022157894A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024166776A1 (ja) * 2023-02-09 2024-08-15 デンカ株式会社 Lcpフィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024166776A1 (ja) * 2023-02-09 2024-08-15 デンカ株式会社 Lcpフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101110007B1 (ko) 접착력-강화 폴리이미드 필름, 이것의 제조 방법 및 적층체
JP5648630B2 (ja) 多層ポリイミドフィルム
JP6726877B2 (ja) 樹脂付き金属箔、積層板、プリント配線板及び多層プリント配線板
WO2021095662A1 (ja) 非水系分散液、積層体の製造方法及び成形物
CN113265220A (zh) 热固性树脂组合物、粘合剂、膜及使用所述热固性树脂组合物的层叠板、预浸料及电路基板
WO2022065270A1 (ja) 回路基板用絶縁材料、及び金属箔張積層板
JP2022157894A (ja) 積層フィルム、基板用積層体、回路基板、及び電子機器
WO2015178365A1 (ja) 離形フィルム
JP4873903B2 (ja) 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法
JP7529450B2 (ja) 樹脂フィルム、その製造方法、金属張積層板及びプリント配線板
JP2022045273A (ja) 基板用樹脂組成物 、フィルム、基板用積層体、回路基板、及び電子機器
WO2021157507A1 (ja) 積層体の製造方法及び液状組成物
JP2006008986A (ja) 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法
JP2010264655A (ja) 多層ポリイミドフィルム
JP2022058252A (ja) 樹脂組成物、樹脂フィルム、積層体、カバーレイフィルム、樹脂付き銅箔、金属張積層板及び回路基板
JP4605950B2 (ja) ポリイミド系積層フィルム及びそれを用いてなる金属積層体並びに金属積層体の製造方法
JP2006198993A (ja) 熱可塑性樹脂積層体
TW202124564A (zh) 粉體組合物、薄膜、及薄膜之製造方法
KR101231941B1 (ko) 폴리이미드 필름 및 금속 적층체
WO2018012445A1 (ja) 金属張積層板及びプリント配線板
JP7572535B2 (ja) 液晶ポリエステル系樹脂組成物、該組成物を用いた液晶ポリエステル系フィルム、該フィルムを用いた金属ラミネートフィルム、回路基板
KR102669912B1 (ko) 연성 금속 적층체 및 이의 제조방법
JP2024053909A (ja) 樹脂フィルム、回路基板材料、回路基板及び電子機器
JP2000119607A (ja) ボンディングシートおよびそれを用いたフレキシブル銅張積層板の製造方法
JP2023081265A (ja) 樹脂フィルム、回路基板材料、回路基板及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20241022