JP4873903B2 - 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4873903B2 JP4873903B2 JP2005239126A JP2005239126A JP4873903B2 JP 4873903 B2 JP4873903 B2 JP 4873903B2 JP 2005239126 A JP2005239126 A JP 2005239126A JP 2005239126 A JP2005239126 A JP 2005239126A JP 4873903 B2 JP4873903 B2 JP 4873903B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- component
- thermoplastic resin
- resin
- cooling body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
このようなブレンドとして、結晶性ポリアリールケトン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂との混合組成物が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、これらの組成物が回路板基材に有用であることも開示されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、上記混合組成物を用いたプリント配線基板及びその製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、フィルム厚さ(t)を押出機のダイス先端の開口度(T)で割って得られる値(t/T)が特定範囲にあり、且つ、特定の冷却条件を選択することにより、MD収縮率を制御することができることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
1. (A)熱可塑性ポリイミド樹脂と(B)ポリアリールケトン樹脂との合計量100質量部に対して、(C)充填材5〜50質量部を含む樹脂組成物からなり、200℃にて20分間加熱した際のフィルム成形方向の熱収縮率が0.01〜6.5%であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
2. (A)成分と(B)成分の混合質量比が、(A)/(B)=95/5〜5/95である上記1に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
3. (A)成分の熱可塑性ポリイミド樹脂が、ポリエーテルイミド樹脂を主成分とするものであり、(B)成分のポリアリールケトン樹脂が、結晶性ポリエーテルエーテルケトン樹脂を主成分とするものである上記1又は2に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
4. (C)成分の充填材が無機系のものである上記1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
5. (C)成分の充填材が板状である上記4に項記載の熱可塑性樹脂フィルム。
6. (C)成分の充填材の平均粒子径が0.01〜50μmの範囲にある上記1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
7. (C)成分の充填材がマイカである上記5又は6に項記載の熱可塑性樹脂フィルム。
8. 押出機により溶融押出しされたフィルムを冷却体に接触させて冷却する押出しキャスト法において、フィルムが冷却された後、温度25℃±5℃、相対湿度50%±10%の雰囲気下で測定されるフィルム厚さ(t:単位mm)を押出機のダイス先端の開口度(T:単位mm)で割って得られる値(t/T)が0.1〜0.5の範囲にあり、フィルムが押出機のダイス先端から押し出された後0〜10秒の間に、フィルムの一方の面を、表面温度が50〜175℃の範囲にある冷却体(1)に接触させ、フィルムの他の面を表面温度が50〜175℃の範囲にある冷却体(2)に接触させることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
本発明に係る樹脂組成物における(A)成分の熱可塑性ポリイミド樹脂は、その構造単位に芳香核結合及びイミド結合を含む熱可塑性樹脂であり、特に制限されるものでない。具体的には、下記構造式(1)
これらのうちで、好ましくは非晶性のものであり、さらに好ましくは、上記構造式(1)又は(2)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルイミドである。
ポリエーテルイミド樹脂の製造方法は特に限定されるものではないが、通常、上記構造式(1)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物とm−フェニレンジアミンとの重縮合物として、また上記構造式(2)で表される繰り返し単位を有する非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重縮合物として公知の方法によって合成される。
また、本発明で用いるポリエーテルイミド樹脂は、本発明の主旨を超えない範囲でアミド基、エステル基、スルホニル基など共重合可能な他の単量体単位を含むものであってもかまわない。なお、ポリエーテルイミド樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分が95質量比以下で、(B)成分が5質量比以上であると、(B)成分のポリアリールケトン樹脂が持つ、優れた耐熱性や低い吸水特性を充分に発揮させることができる。また、(A)成分が5質量比以上で、(B)成分が95質量比以下であると、本発明の熱可塑性樹脂フィルムにおいて、金属との接着性や、フィルム同士の熱融着などの加工性が良好である。
充填材の形状としては、板状が好ましく、平均粒径は0.01〜50μm程度、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは1〜10μm、平均アスペクト比(粒径/厚み)は20程度以上、好ましくは50以上の無機充填材が好適に用いられる。
表面処理剤の使用量は、通常、(C)成分の充填材100質量部に対して0.1〜8質量部程度、好ましくは0.5〜3質量部の範囲である。この使用量を0.1質量部以上とすることにより、充分な表面処理の効果が得られるため、樹脂組成物の機械的強度が充分となる。また、表面処理剤の使用量が8質量部を超えても表面処理の効果が向上するものでもないので、8質量部までで充分である。
上記表面処理方法により、充填材と、溶媒で希釈した又は希釈しない表面処理剤を接触混合した後、数時間から数日間空気中に放置し、空気中の水分と接触させて加水分解を起こさせるとともに、使用した溶媒を蒸発除去することが推奨される。
この蒸発除去の処理は、アルコキシシリル基の加水分解反応や生成したヒドロキシルシリル基を充填材表面のヒドロキシル基と脱水縮合反応させ、かつ、発生したアルコールや使用した溶媒除去のため、常圧下ないし減圧下に、通常、温度80〜150℃程度、好ましくは100〜130℃で行なう。処理時間は通常4〜200時間程度であり、好ましくは24〜100時間である。
(I)(A)成分、(B)成分と(C)成分の3成分を同時に混合・分散させる方法、
(II)(A)成分と(B)成分をあらかじめ混合し、この混合物に(C)成分を混合・分散させる方法、
(III)(A)成分又は(B)成分に、(C)成分をあらかじめ混合分散させて、(A)成分と(C)成分の混合物又は(B)成分と(C)成分の混合物を調製し、次いで(A)成分と(C)成分の混合物に(B)成分を混合するか、あるいは(B)成分と(C)成分の混合物に(A)成分を混合する方法、
(IV)(A)成分及び(B)成分それぞれに(C)成分を混合分散させた混合物を調製し、これらの混合物を混合する方法[この場合、(A)成分に対する(C)成分の比率と(B)に対する(C)成分の比率は同じでも異なっていてもよい。]、
(V)複数種の(A)成分及び/又は複数種の(B)成分を使用する場合、これらのう
ちの少なくとも1種に、高濃度に(C)成分を混合分散させた混合物と、配合すべき他の(A)成分及び/又は(B)成分を混合するか、あるいは上記混合物と、配合すべき他の(A)成分及び/又は(B)成分に低濃度に(C)成分を混合分散させた混合物を混合分散させる方法
などが挙げられる。
混合された樹脂組成物は、成分の溶融混合分散に続いて直接フィルム状に成形してもよく、また、一旦ストランドないしはシート状に押し出され、カッティングされてペレット、顆粒、粉体等の成形加工に適した形態で得られる。
押出キャスト法における成形温度は、樹脂組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ねガラス転移温度ないしは融点以上、具体的には430℃以下、好ましくは340〜430℃、さらに好ましくは350〜390℃である。また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、特に制限されるものではないが、通常10〜800μm程度、好ましくは20〜200μmである。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの、フィルム成形方向に対して直角な方向の収縮率(以下、「TD収縮率」ということもある。)は、通常0〜3%程度、好ましくは0.1〜1.2%、より好ましくは0.2〜1%の範囲である。TD収縮率が3%以下であるとボコつきの発生が少ない。
また、上記の200℃のオーブンにて行う熱可塑性樹脂フィルムの熱処理操作は、熱可塑性樹脂フィルムの熱風による飛散やカールを防ぐため、各辺に接した内側に厚さ約1mmのスペーサー(各辺に平行な方向に長さ10cm、各辺に直角な方向に幅5mm、厚さ約1mm)を有し、このスペーサーにより間隔が約1mmに保たれた2枚のアルミニウム板(縦17cm、横17cm、厚さ1mm)の間に挟んで200℃の通風オーブンに入れ、200℃にて20分間熱処理した後にオーブンより取り出し、そのまま他の室温のアルミニウム板(厚さ1mm)2枚の間に約10秒間挟んで冷却し、次いですぐに2枚の室温の冷却用アルミニウム板を別の室温の冷却用アルミニウム板2枚に取り替えてさらに10〜20秒間冷却し、この操作を5〜6回繰り返して2分以内に室温まで冷却し、スペーサーを有する2枚のアルミウム板の間よりフィルムを取り出す。引き続いて室温にて60〜180分間放置した後、隣り合う2点の距離(M)を測定する。
熱可塑性樹脂フィルムのMD収縮率を0.01〜6.5%の範囲とするために、フィルムが押出機のダイス先端から押し出された後、このフィルムの2面が上記冷却体(1)及び上記冷却体(2)に接触するまでの時間(「冷却前時間」と略記する。)は、通常0〜3秒、好ましくは0.05〜1秒である。0〜3秒の範囲であれば、本発明の熱可塑性樹脂フィルムのプレス積層の接着性が良好となる。冷却前時間は、ダイスを離れたフィルムが冷却体(1)に接触するまでの距離(「冷却前距離」と略記する。)を成形速度(フィルム引取速度)で割って得られる商として求められる。
ダイスから押し出されたフィルムが上記冷却体(1)に接触した後、上記冷却体(2)に接触するまでの時間は、0〜3秒、好ましくは0〜1秒の範囲である。この範囲であればフィルムの冷却体(2)に接触した面の平坦性悪化を避けることができる。冷却体(2)に接触するまでの時間が0秒とは、冷却体(1)への接触と同時であることを意味する。
冷却体(1)の外層材質としては、アルミニウム、銅、チタン及びそれらの合金;鉄、ステンレス鋼、クロム合金ステンレス鋼、クロムメッキや硬質クロムメッキされた鉄やステンレス鋼;セラミック熔射された金属;金属層の上に押出されるフィルムの高温条件に適するゴム層などが挙げられる。ここで、ゴム層の素材の具体例としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、具体的にはパーフロロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー、エチレンテトラフルオロコポリマーなどが挙げられ、ゴム層の硬度は、JIS K6253−1997に規定される、スプリング式タイプAデュローメータを用いて測定される硬度が、通常A25〜A90の範囲、好ましくはA40〜A90の範囲である。
冷却体(1)の外層材質としては、これらのうちで、ステンレス鋼、クロム合金ステンレス鋼及びこれらの表面にクロムメッキ又は硬質クロムメッキが施されたものが好ましい。
冷却体(1)の表面温度の好適範囲が実現されるように、ロールの温度制御機構や、オイル、水などの循環冷媒等熱媒体の温度が選択される。
冷却体(2)の温度調節や冷却の方式として、オイル、水、蒸気などの熱媒体により冷却する方式やこれらの冷媒を循環させる方式、電気抵抗ヒート式、誘電発熱ジャケットロール式などが挙げられる。また、冷却体(2)がゴムロールである場合は、冷却体(2)の表面に、金属ロール、金属ベルト又はゴムロールを接触させて冷却体(2)の表面を冷却する方法を採用することができる。また、ロール内部の冷却と、表面の冷却とを組み合わせることも推奨される。
冷却体(2)表面温度の好適範囲温度が実現されるように、冷却体の温度制御機構や、熱媒体の温度が選択される。
上記と同様に冷却体に接触して得られた光沢を低下させないという目的のために、フィルムが冷却体(1)及び(2)に接触した後そのまま接触を続けてもよく、引き続いて他の冷却体に接触する、気体状や液体状の熱媒体(例えば、空気、窒素、水など)で冷却するなどの冷却過程を経てもよい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの成形速度は、フィルム表面温度が上記の範囲を満足するように選択され、通常0.5〜400m/分程度、好ましくは、2〜20m/分である。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを用いると、例えば配線基板の一括積層の工程において、両面粗化銅箔を2枚のフィルムに挟んで事前のプレス積層を行う場合に、得られる3層積層体のボコつきが少ない。
温度23℃±2℃、相対湿度50%±10%において測定した。
(2)MD収縮率とTD収縮率
各実施例と比較例のフィルムにおけるMD収縮率の測定は以下のように行った。すなわち、巻物状のフィルムより、一辺の長さが12cmの正方形のフィルムを切り出し、その各辺端部より内側2cmの位置に、その各辺に平行な直線を仮定し、さらにその直線で囲まれる正方形を仮定して、その4個の頂点に目印を描き、恒温恒湿雰囲気下(温度23℃±2℃、相対湿度50%±10%)にて、フィルム成形方向に隣り合う2点間の距離(L)をマイクロメートル(μm)の単位まで測定した。
次いで、測定済みの熱可塑性樹脂フィルムを、熱可塑性樹脂フィルムの熱風による飛散やカールを防ぐため、各辺に接した内側に厚さ約1mmのスペーサー(辺に平行な方向に長さ10cm、辺に直角な方向に幅5mm、厚さ約1mm)を有し、このスペーサーにより間隔が約1mmに保たれた2枚のアルミニウム板(縦17cm、横17cm、厚さ1mm)の間に挟んで200℃の通風オーブンに入れ、200℃にて20分間熱処理した後にオーブンより取り出し、そのまま他の室温のアルミニウム板(厚さ1mm)2枚の間に約10秒間挟んで冷却し、次いですぐに2枚の室温の冷却用アルミニウム板を別の室温の冷却用アルミニウム板2枚に取り替えてさらに10〜20秒間冷却した。この操作を6回繰り返して2分以内に室温まで冷却し、スペーサーを有する2枚のアルミウム板の間よりフィルムを取り出した。引き続いて上記恒温恒湿雰囲気下にて60〜180分間放置した後、隣り合う2点間の距離(M)を測定した。
MD収縮率(単位:%)は、このようにして得られた(L)及び(M)を用い、熱処理前後の寸法差(L−M)に100を乗じ、熱処理前の寸法(L)で割って得られる値、すなわち、MD収縮率=[(L−M)×100]/L、により算出した。フィルム成形方向2箇所について測定し、その平均値をMD収縮率とした。
TD収縮率(単位:%)は、200℃にて20分間行う熱処理の前後にフィルムの成形方向と直角な方向に隣り合う2点の距離を測定する以外は、上記MD収縮率の測定と同様の方法により測定し、同様の計算式により算出した。
各実施例と比較例のフィルムをそれぞれ縦20cm、横20cmの正方形に2枚切り出し、それぞれを20ワットの蛍光灯より約40cm下に置き、フィルム平面より約30度の角度で、フィルム面の蛍光灯直下より約30cm離れた位置よりを目視にて検査し、ワイピングクロスにより異物を拭き取った後、その2枚の間に、一辺が20cmの正方形に切り出した厚さ18μmの両面粗化銅箔を挟み、外側2枚のフィルムのさらに外側(上下)にそれぞれ厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、商品名「ユーピレックス50S」、厚さ50μm、一辺が22cmの正方形)を敷き、さらにその両側(上下)に厚さ1mmのステンレス板とクッション紙を敷き、高性能高温真空プレス成形機(北川精機株式会社製、成型プレス、型式:VH1−1747)を使用し、最高温度190℃、最高温度圧力保持時間10分、プレス圧力10.1MPaにて成形し、熱可塑性樹脂フィルム/両面粗化銅箔/フィルムよりなる3層の積層体を得た。
この3層積層体を20ワットの蛍光灯より約40cm下に置き、3層積層体平面より約30cm離れた位置で約30〜45度の角度で表面のボコつきの状態を目視にて検査した。ボコつきの判定基準として、ボコ付きが発生していないものを1、かすかなボコ付きが一部にあり約30度の角度で充分注意して見れば識別できるものを2、45度の角度で充分注意すれば識別できるものを3、ボコ付きが全面に発生しており容易に識別できるものを4とした。
各実施例と比較例のフィルムをそれぞれ縦10cm、横10cmの正方形に切り取り、20ワットの蛍光灯より約40cm下にフィルムを置き、フィルム平面より約30度の角度でフィルム面蛍光灯直下より約30cm離れた位置よりを目視にて検査し、ワイピングクロスにより異物を拭き取った後、4枚重ね、厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、商品名「ユーピレックス50S」、厚さ50μm)2枚の間に挟み、さらにその両側を厚さ1mmのステンレス板とクッション紙にはさみ、高性能高温真空プレス成形機(北川精機株会社製、成型プレス、型式:VH1−1747)を使用し、最高温度260℃、最高温度圧力保持時間30分、プレス圧力2.1MPaにて成形し、積層体を得た。このものを5cm×5cmのサイズの試験片に切り出し、JIS C6481における常態のはんだ耐熱性測定方法に準拠し、260℃のはんだ浴に、試験片をとはんだ浴とが接触するように20秒間浮かべ、室温まで冷却した後、膨れやはがれ等の有無を目視によって観察し、耐熱性の良否を判定した。
表1に示すように、ポリエーテルイミド樹脂[ゼネラルエレクトリック社製、Ultem−1000、Tg:216℃](以下、PEI−1と略記する)2kg(20質量%)、ポリエーテルイミド樹脂[ゼネラルエレクトリック社製、Ultem−1010、Tg:216℃](以下、PEI−2と略記する)0.5kg(5質量%)、ポリエーテルイミド樹脂[ゼネラルエレクトリック社製、Ultem−CRS5001、Tg:226℃](以下、PEI−3と略記する)3.5kg(35質量%)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂[ビクトレックス社製、PEEK450G、Tg:143℃、Tm:334℃](以下、PEEK−1と略記する)3.5kg(35質量%)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂[ビクトレックス社製、PEEK381G、Tg:143℃、Tm:334℃](以下、PEEK−2と略記する)0.5kg(5質量%)、及び合成マイカ(平均粒径:6μm、アスペクト比:25)2.5kg(樹脂成分合計10kgを100質量部とし、これに対して25質量部)とからなる混合組成物を、二軸押出機を用いて設定温度380℃で混練し、ストランド状に押出し、カッティングしてペレットとした。
表面温度測定用の熱電対型温度計を用いて表面温度を測定したところ、冷却体(1)の表面温度は146℃、冷却体(2)の表面温度は124℃、冷却体(1)を離れる時点でのフィルムの表面温度(冷却到達温度)は154℃であった。フィルム押し出しの前に、Tダイの開口度を0.35mmに調整した。
得られたフィルムについて、厚さ、MD収縮率、TD収縮率、3層積層体のボコつき及びはんだ耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1において、PEI−1を4.6kg(46質量%)、PEI−2を1kg(10質量%)、PEEK−1を3.8kg(38質量%)、PEEK−2を0.6kg(6質量%)とし、Tダイの開口度を0.4mmとし、成形速度を6.3m/分に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ80μmの非晶状態のフィルムを得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
表1に示すように、樹脂組成物の配合と成形条件を変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、非晶状態のフィルムを得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
表1に示すように、成形条件を変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、非晶状態のフィルムを得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
表1に示すように、成形条件を変更した以外は実施例2と同様の操作を行い、非晶状態のフィルムを得た。実施例2と同様の評価を行った結果を表1に示す。
また、本発明の範囲のt/Tの範囲にあるダイスを使用し、本発明の範囲の冷却条件を採用して成形されたフィルムは、MD収縮率が小さく、ボコ付きの発生が皆無で、本発明の効果が明らかである。
2:Tダイ
3:金属ロール
4:ゴムロール
5:フィルム
6:ゴムロール冷却用金属ロール
Claims (8)
- (A)熱可塑性ポリイミド樹脂と(B)ポリアリールケトン樹脂との合計量100質量部に対して、(C)充填材5〜50質量部を含む樹脂組成物からなり、200℃にて20分間加熱した際のフィルム成形方向の熱収縮率が0.01〜6.5%であることを特徴とする非晶状態の熱可塑性樹脂フィルム。
- (A)成分と(B)成分の混合質量比が、(A)/(B)=95/5〜5/95である請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- (A)成分の熱可塑性ポリイミド樹脂が、ポリエーテルイミド樹脂を主成分とするものであり、(B)成分のポリアリールケトン樹脂が、結晶性ポリエーテルエーテルケトン樹脂を主成分とするものである請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- (C)成分の充填材が無機系のものである請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- (C)成分の充填材が板状である請求項4に項記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- (C)成分の充填材の平均粒子径が0.01〜50μmの範囲にある請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- (C)成分の充填材がマイカである請求項5又は6に項記載の熱可塑性樹脂フィルム。
- 押出機により溶融押出しされたフィルムを冷却体に接触させて冷却する押出しキャスト法において、フィルムが冷却された後、温度25℃±5℃、相対湿度50%±10%の雰囲気下で測定されるフィルム厚さ(t:単位mm)を押出機のダイス先端の開口度(T:単位mm)で割って得られる値(t/T)が0.1〜0.5の範囲にあり、フィルムが押出機のダイス先端から押し出された後0〜10秒の間に、フィルムの一方の面を、表面温度が50〜175℃の範囲にある冷却体(1)に接触させ、フィルムの他の面を表面温度が50〜175℃の範囲にある冷却体(2)に接触させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005239126A JP4873903B2 (ja) | 2005-08-19 | 2005-08-19 | 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005239126A JP4873903B2 (ja) | 2005-08-19 | 2005-08-19 | 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007051256A JP2007051256A (ja) | 2007-03-01 |
JP4873903B2 true JP4873903B2 (ja) | 2012-02-08 |
Family
ID=37915915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005239126A Expired - Fee Related JP4873903B2 (ja) | 2005-08-19 | 2005-08-19 | 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4873903B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101487023B1 (ko) | 2007-11-27 | 2015-01-28 | 에스카보 시토 가부시키가이샤 | 압출 수지판 및 그 제조 방법, 그리고 표면 도공판 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6164132B2 (ja) * | 2014-03-26 | 2017-07-19 | 三菱マテリアル株式会社 | 熱線遮蔽用チタン酸リチウム粒子 |
JP6806141B2 (ja) * | 2016-03-30 | 2021-01-06 | コニカミノルタ株式会社 | ポリイミドフィルムの製造方法 |
EP4299654A1 (en) * | 2021-02-25 | 2024-01-03 | Mitsubishi Chemical Corporation | Prepreg and production method therefor, and molded object |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4017394B2 (ja) * | 1999-11-30 | 2007-12-05 | 大塚化学株式会社 | 樹脂組成物及びフレキシブルプリント配線板 |
JP2001323078A (ja) * | 2000-03-10 | 2001-11-20 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 配線基板の金属箔担体用絶縁フィルムおよび配線基板 |
JP2005220335A (ja) * | 2004-01-09 | 2005-08-18 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 樹脂組成物及びこれを用いた成形体 |
JP2006008986A (ja) * | 2004-03-31 | 2006-01-12 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 |
-
2005
- 2005-08-19 JP JP2005239126A patent/JP4873903B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101487023B1 (ko) | 2007-11-27 | 2015-01-28 | 에스카보 시토 가부시키가이샤 | 압출 수지판 및 그 제조 방법, 그리고 표면 도공판 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007051256A (ja) | 2007-03-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10377110B2 (en) | Copper clad laminate | |
JP4216433B2 (ja) | 回路基板用金属張積層板の製造方法 | |
JP6590568B2 (ja) | 絶縁性フィルム、絶縁性フィルムの製造方法、および金属張積層板の製造方法 | |
JP5119401B2 (ja) | 熱可塑性ポリイミド層を有するフレキシブル積層板及びその製造方法 | |
JPWO2017154811A1 (ja) | 金属張積層板の製造方法および金属張積層板 | |
EP1369450B1 (en) | Polyaryl ketone resin film and laminates therof with metal | |
JP2002053749A (ja) | 耐熱性樹脂組成物及びこれよりなる耐熱性フィルムまたはシート並びにこれを基材とする積層板 | |
JP4873903B2 (ja) | 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 | |
JP5119402B2 (ja) | 積層用フィルム | |
JP2010234556A (ja) | グラファイト・ポリイミド積層体 | |
JP2006008986A (ja) | 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 | |
JP2022045273A (ja) | 基板用樹脂組成物 、フィルム、基板用積層体、回路基板、及び電子機器 | |
JPWO2007083526A1 (ja) | ポリイミドフィルムおよびその利用 | |
JP2006341596A (ja) | 耐熱性樹脂板 | |
WO2022065285A1 (ja) | 回路基板用絶縁材料及びその製造方法、並びに金属箔張積層板 | |
WO2022065270A1 (ja) | 回路基板用絶縁材料、及び金属箔張積層板 | |
WO2022080314A1 (ja) | 複層ポリイミドフィルム、金属張積層板、及び複層ポリイミドフィルムの製造方法 | |
JP2008221739A (ja) | 樹脂金属積層体 | |
JP4410021B2 (ja) | 生産性が向上されたフレキシブル金属張積層板の製造方法ならびにそれにより得られるフレキシブル金属張積層板 | |
JP2022148546A (ja) | 積層体及びその製造方法 | |
JP4605950B2 (ja) | ポリイミド系積層フィルム及びそれを用いてなる金属積層体並びに金属積層体の製造方法 | |
JP3714876B2 (ja) | 耐熱性フィルム | |
JP2009238919A (ja) | フレキシブルプリント配線板補強用シート及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板 | |
US7498086B2 (en) | Heat resistant film and metal laminate thereof | |
JP2007050599A (ja) | 寸法安定性に優れるフレキシブル金属張積層板およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080428 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101027 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101102 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101227 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111025 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111122 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |