JP2022157431A - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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Yasuhiro Ishii
浩一 深谷
Koichi Fukaya
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Abstract

【課題】ブレーキ液圧の低圧領域の鳴きを簡潔な制御で抑制する。【解決手段】車両用制動制御装置は、車両の車輪又は車輪と共に回転する回転部材に摩擦部材を接触させて車輪に制動力を発生させるアクチュエータが複数の車輪に設けられている車両に適用され、車両の走行中に複数の車輪に制動力が付与されていない状態で制動要求を受け付けた鳴き抑制制御実行条件が成立した場合に、複数の車輪のうちの一部の第1車輪の目標制動力を、制動初期に発生する鳴き抑制の観点から許容される0を含む所定範囲の値に設定する第1制動力設定部と、鳴き抑制制御実行条件が成立した場合に、複数の車輪のうちの第1車輪以外の第2車輪の目標制動力を、制動要求と第1車輪の目標制動力とに基づいて設定する第2制動力設定部と、複数の車輪ごとに、それぞれの目標制動力に基づいて制動制御を行う制動制御部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用制動制御装置に関する。
従来から、車両においてブレーキ液圧(以下、単に「液圧」ともいう。)による制動制御を行う場合、全車輪に対して液圧を与えて制動を行うのが一般的である。また、車両において制動を行うと、いわゆる鳴き(例えば、ブレーキパッドとブレーキディスクとの間の摩擦に起因する振動による音)が発生してしまう場合がある。
また、鳴きが発生しやすい液圧の領域(範囲)はいくつか考えられる。例えば、液圧が0を含む低圧領域や、液圧が中程度の中圧領域である。
中圧領域の鳴きの対策としては、車両が四輪車の場合、全車輪の液圧を上昇させているときに各車輪の液圧が中圧領域に入りそうなときに、例えば、前輪の液圧を、その中圧領域を短時間で超えるように急激に高くするとともに、後輪の液圧を、その中圧領域を超えないように制御することで、車両全体の制動力には影響を与えずに、鳴きの発生を抑制することができる。
特開2014-69602号公報
しかしながら、上述の従来技術では、例えば、前輪の目標液圧を所定値加算し、それに伴って後輪の目標液圧を所定値減算するなど、制御が複雑になるという問題がある。また、このような手法では、低圧領域の鳴きを抑制することができない。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、低圧領域の鳴きを簡潔な制御で抑制することが可能な車両用制動制御装置を得ることである。
本発明は、例えば、車両の車輪又は前記車輪と共に回転する回転部材に摩擦部材を接触させて前記車輪に制動力を発生させるアクチュエータが複数の車輪に設けられている車両に適用される車両用制動制御装置であって、前記車両の走行中に前記複数の車輪に制動力が付与されていない状態で制動要求を受け付けた鳴き抑制制御実行条件が成立した場合に、前記複数の車輪のうちの一部の第1車輪の目標制動力を、制動初期に発生する鳴き抑制の観点から許容される0を含む所定範囲の値に設定する第1制動力設定部と、前記鳴き抑制制御実行条件が成立した場合に、前記複数の車輪のうちの前記第1車輪以外の第2車輪の目標制動力を、前記制動要求と前記第1車輪の目標制動力とに基づいて設定する第2制動力設定部と、前記複数の車輪ごとに、それぞれの前記目標制動力に基づいて制動制御を行う制動制御部と、を備える。
また、上記車両用制動制御装置では、例えば、前記車両は、前記複数の車輪として左右一組の前輪と左右一組の後輪とを有しており、前記第1制動力設定部は、前記第1車輪としての前記前輪の目標制動力を設定し、前記第2制動力設定部は、前記第2車輪としての前記後輪の目標制動力を設定する。
また、上記車両用制動制御装置では、例えば、前記鳴き抑制制御実行条件に、前記車両の走行速度が所定速度よりも低いことが含まれている。
また、上記車両用制動制御装置では、例えば、前記鳴き抑制制御実行条件に、前記制動要求が緊急制動でないことが含まれている。
図1は、実施形態のECUを搭載する車両の概略構成を示す図である。 図2は、従来技術における制動制御時の前後輪液圧等の経時変化の様子を示すタイムチャートである。 図3は、実施形態における制動制御時の前後輪液圧等の経時変化の様子を示すタイムチャートである。 図4は、実施形態のECUによる処理を示すフローチャートである。 図5は、図4のステップS5の処理の詳細を示すフローチャートである。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、以下の構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
まず、図1を参照して、実施形態のECU(Electronic Control Unit)50(車両用制動制御装置の一例)を搭載する車両の概略構成について説明する。図1は、実施形態のECU50を搭載する車両の概略構成を示す図である。
図1に示すように、車両には、車両を走行させるための駆動力発生装置11と、前輪FR,FLを転舵輪として転舵させるための操舵装置12と、各車輪FL,FR,RL,RR(以下、符号を省略して単に「車輪」という場合もある。)に制動力を付与するための制動装置13と、が設けられている。
駆動力発生装置11には、ドライバー(運転者)によるアクセルペダル20の操作量、即ちアクセル開度に基づいた駆動力を発生するエンジン21と、エンジン21の出力軸に接続された自動変速機22と、が設けられている。また、駆動力発生装置11には、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサSE1が設けられている。そして、エンジン21から出力された駆動力は、自動変速機22からディファレンシャルギヤ23に伝達され、ディファレンシャルギヤ23から駆動輪である前輪FR,FLに配分される。
なお、車両には、ドライバーによって操作されるシフト装置25が設けられている。シフト装置25のレンジが前進レンジである場合、自動変速機22からは、車両を前進させる方向の駆動力が出力される。一方、シフト装置25のレンジが後進レンジである場合、自動変速機22からは、車両を後進させる方向の駆動力が出力される。こうした前進レンジであるか又は後進レンジであるかなどのシフト情報は、シフト装置25から、制動装置13を制御するECU50に送信される。
操舵装置12には、ドライバーによって操舵されるステアリング30が固定されたステアリングシャフト31と、ステアリングシャフト31に連結された転舵アクチュエータ32とが設けられている。また、操舵装置12には、転舵アクチュエータ32により車両の左右方向に移動自在なタイロッドと、タイロッドの移動により前輪FL,FRを転舵させるリンクとを含んだリンク機構部33が設けられている。また、操舵装置12には、ステアリング30の操舵角に応じた検出信号をECU50に出力する操舵角センサSE2が設けられている。なお、操舵角センサSE2からは、例えば、車両を右方向に旋回させる場合には操舵角が正の値となるような検出信号を出力し、車両を左方向に旋回させる場合には操舵角が負の値となるような検出信号を出力する。
制動装置13には、ドライバーによるブレーキペダル40の操作力に応じたブレーキ液圧を発生する液圧発生装置41と、車輪FR,FL,RR,RL毎に個別に設けられたブレーキ装置42a,42b,42c,42dに連結されたブレーキアクチュエータ43とが設けられている。また、制動装置13には、ドライバーによるブレーキペダル40の操作状況(オンかオフか)に応じた検出信号をECU50に出力するブレーキスイッチSW1が設けられている。
ブレーキアクチュエータ43は、ドライバーがブレーキペダル40を操作しない場合であっても各車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力を付与できるように構成されている。例えば、ブレーキアクチュエータ43は、液圧発生装置41側のブレーキ液圧と、ブレーキ装置42a,42b,42c,42dに設けられたホイールシリンダ内のブレーキ液圧との間に差圧を発生させるための差圧調整弁と、ホイールシリンダ内にブレーキ液を供給するための電動ポンプとを備えている。また、ブレーキアクチュエータ43には、各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧を個別に調整するための各種弁が設けられている。つまり、本実施形態のブレーキアクチュエータ43は、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力を個別に調整可能である。
また、ECU50には、アクセル開度センサSE1、操舵角センサSE2、ブレーキスイッチSW1に加え、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE3,SE4,SE5,SE6が電気的に接続されている。また、ECU50には、車両の前後方向における加速度(以下、「前後方向加速度」という。)を検出するための前後方向加速度センサSE7と、車両の横方向(車幅方向)における加速度(以下、「横方向加速度」という。)を検出するための横方向加速度センサSE8と、車両のヨーレートを検出するためのヨーレートセンサSE9と、が電気的に接続されている。
なお、前後方向加速度センサSE7からは、車両の走行する路面が水平路である場合において、車両が加速するときには前後方向加速度が正の値となるような検出信号が出力され、車両が減速するときには前後方向加速度が負の値となるような検出信号が出力される。また、車両が降坂路で停車する場合、車両の重心が前側に移動するため、前後方向加速度センサSE7からの検出信号に基づき算出される前後方向加速度は負の値となる。
また、横方向加速度センサSE8及びヨーレートセンサSE9からは、車両が右方向に旋回する場合には、車両の横方向加速度及びヨーレートが正の値となる一方、車両が左方向に旋回する場合には、車両の横方向加速度及びヨーレートが負の値となるような検出信号がそれぞれ出力される。
また、本実施形態のECU50は、車両の車輪又は車輪と共に回転する回転部材に摩擦部材を接触させて車輪に制動力を発生させるアクチュエータが複数の車輪に設けられている車両に適用される。さらに具体的には、本実施形態のECU50は、車輪と共に回転する回転部材(例えばブレーキディスク)に対して制動時に制動用の液圧によって押圧される摩擦部材(例えばブレーキパッド)が複数の車輪にそれぞれ設けられている車両(例えば四輪車)に適用される。
車両における制動時の鳴きは、例えば、ブレーキパッドとブレーキディスクとの間の摩擦に起因する振動による音である。具体的には、ブレーキディスクにブレーキパッドが接触する場合の不均一な接触により微振動が発生し、これが原因となって自励振動が生じ、その自励振動が周辺部材にも伝達されることによって、鳴きが発生する。
また、鳴きが発生しやすいブレーキ液圧の領域(範囲)はいくつか考えられる。例えば、液圧が0を含む低圧領域や、液圧が中程度の中圧領域である。
中圧領域の鳴きの対策としては、車両が四輪車の場合、全車輪の液圧を上昇させているときに各車輪の液圧が中圧領域に入りそうなときに、例えば、前輪の液圧を、その中圧領域を短時間で超えるように急激に高くするとともに、後輪の液圧を、その中圧領域を超えないように制御することで、車両全体の制動力には影響を与えずに、鳴きの発生を抑制することができる。
しかしながら、上述の従来技術では、例えば、前輪の目標液圧を所定値加算し、それに伴って後輪の目標液圧を所定値減算するなど、制御が複雑になるという問題がある。また、このような手法では、低圧領域の鳴きを抑制することができない。
そこで、以下では、低圧領域の鳴きを簡潔な制御で抑制することが可能な技術について説明する。
ECU50は、車両に搭載されたいずれかのシステムのECUに組み込まれてもよいし、独立したECUであってもよい。ECU50は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、コントローラ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等を有することができる。ECU50は、インストールされ、ロードされたプログラムにしたがって処理を実行し、各機能を実現することができる。
ECU50は、処理部510と、記憶部520と、を備える。処理部510は、機能部として、取得部511、走行制御部512、第1液圧設定部513(第1制動力設定部)、第2液圧設定部514(第2制動力設定部)、制動制御部515を備える。つまり、ECU50は、プログラムにしたがって処理を実行することにより、各機能部を実現することができる。また、記憶部520には、各機能部の演算処理で用いられるプログラム、データや、演算処理の結果のデータ等が記憶される。なお、各機能部の少なくとも一部は、ハードウエアによって実現されてもよい。
取得部511は、各センサSE1~SE9、ブレーキスイッチSW1等からデータ(信号)を取得する。
走行制御部512は、駆動力発生装置11に対して指示信号を出力すること等によって車両の走行を制御する。
第1液圧設定部513は、車両の走行中に複数の車輪に制動力が付与されていない状態で制動要求を受け付けた鳴き抑制制御実行条件が成立した場合に、複数の車輪のうちの一部の第1車輪の目標制動力を、制動初期に発生する鳴き抑制の観点から許容される0を含む所定範囲の値に設定する。例えば、第1液圧設定部513は、車両の走行中にすべての車輪に液圧が発生していない状態で制動要求を受け付けた場合に、すべての車輪のうちの一部の車輪の目標液圧(目標制動力)を0に設定する。
第2液圧設定部514は、鳴き抑制制御実行条件が成立した場合に、複数の車輪のうちの第1車輪以外の第2車輪の目標制動力を、制動要求と第1車輪の目標制動力とに基づいて設定する。例えば、第2液圧設定部514は、車両の走行中にすべての車輪に液圧が発生していない状態で制動要求を受け付けた場合に、すべての車輪のうちの残りの車輪の目標液圧を0より大きい値に設定する。
また、以下では、車両は、車輪として、左右一組の前輪と左右一組の後輪とを有している四輪車であるものとする。そのとき、第1液圧設定部513は、車両の走行中にすべての車輪に液圧が発生していない状態で制動要求を受付けた場合に、前輪(第1車輪)の目標液圧を0に設定する。また、第2液圧設定部514は、その場合に、後輪(第2車輪)の目標液圧を0より大きい値に設定する。
また、鳴き抑制制御実行条件に、車両の走行速度が所定速度よりも低いことが含まれていてもよい。例えば、第1液圧設定部513は、車両の走行速度が所定の低速(例えば、時速10km)よりも大きい状態で制動要求を受け付けた場合、目標液圧を0よりも大きい値に設定し、車両の走行速度が所定の低速(例えば、時速10km)以下である状態で制動要求を受け付けた場合、目標液圧を0に設定するようにしてもよい。
また、鳴き抑制制御実行条件に、制動要求が緊急制動でないことが含まれていてもよい。例えば、第1液圧設定部513は、制動要求が緊急制動要求である場合、目標液圧を0よりも大きい値に設定するようにしてもよい。
制動制御部515は、制動装置13に対して指示信号を出力すること等によって、車輪ごとに、それぞれの目標液圧に基づいて制動制御を行う。
ここで、図2は、従来技術における制動制御時の前後輪液圧等の経時変化の様子を示すタイムチャートである。この従来技術では、前輪、後輪の四輪のすべてに対して液圧を与えて制動制御を行う。
図2(a)に示すように、時刻t0から、ドライバーによってブレーキペダルが踏まれ、ドライバー要求減速度が徐々に上昇するものとする。その場合、図2(b)(c)に示すように、後輪液圧と前輪液圧も徐々に上昇する。そして、図2(d)に示すように、車速は徐々に減少し、時刻t10で0となる。
また、鳴きが発生しやすい低圧領域は、図2(b)(c)の斜線部で示される。鳴きが発生しやすい低圧領域は、一例として、前輪側、後輪側ともに0~0.5MPaである。従来技術では、前輪側、後輪側ともに、時刻t0から、液圧が0.5MPaに達する時刻t1までの時間T1の間、液圧が低圧領域に入っている。
一方、図3は、実施形態における制動制御時の前後輪液圧等の経時変化の様子を示すタイムチャートである。実施形態では、制動制御を行う場合に、まず、後輪に対してだけ、液圧を与える。そして、後輪液圧が上限値に達してもなお制動力を増加させる必要がある場合に、前輪に対して液圧を与え始める。具体的には、以下の通りである。
図3(a)(d)は、図2(a)(d)と同様である。そして、図3(b)(c)に示すように、時刻t0から、まず、後輪に対してだけ液圧を与えるので、後輪液圧の上昇率は、図2(b)の場合に比べて大きい。したがって、後輪液圧が低圧領域に入っている時間は、時刻t0から、液圧が0.5MPaに達する時刻t2までの時間T2で、図2(b)の場合の時間T1よりも有意に短い。
その後、時刻t3で、後輪液圧が上限値の4MPaに達し、それ以降、後輪液圧を維持し、前輪液圧を増加させる。そして、前輪液圧だけを増加させるので、前輪液圧の上昇率は、図2(c)の場合に比べて大きい。したがって、前輪液圧が低圧領域に入っている時間は、時刻t3から、液圧が0.5MPaに達する時刻t4までの時間T3で、図2(c)の場合の時間T1よりも有意に短い。
なお、一般に、ブレーキ機構の構造上、前輪液圧だけを上昇させる場合よりも、後輪液圧だけを上昇させる場合のほうが、液圧の上昇率は高い。したがって、前半に低圧領域に入っている時間をより短くするために、最初に上昇させるのは、前輪液圧よりも後輪液圧のほうが好ましい。
次に、図4を参照して、実施形態のECU50による処理について説明する。図4は、実施形態のECU50による処理を示すフローチャートである。ここで、車両は走行しているものとする。
ステップS1において、制動制御部515は、鳴き抑制モードか否かを判定し、Yesの場合はステップS2に進み、Noの場合はステップS6に進む。一般に、ブレーキパッドの温度が低いときに鳴きが発生しやすいので、例えば、ブレーキパッドの温度が低いと考えられるときを鳴き抑制モードとすればよい。より具体的には、例えば、車両のエンジンオフの時間が所定時間以上であった場合の直後や、あるいは、ブレーキの使用履歴等からブレーキパッドの温度を推定できるときはその温度が所定の温度閾値以下の場合に、鳴き抑制モードとすればよい。
ステップS2において、制動制御部515は、車速が所定の低速(例えば時速10km)以下か否かを判定し、Yesの場合はステップS3に進み、Noの場合はステップS6に進む。このような条件を設けることで、例えば、次のような利点がある。
一般に、車両の減速時に前輪、後輪の片方にだけ液圧を与えると、車体のいわゆる前のめりや沈み込みやそれらの揺り戻し等の姿勢変化が発生しうる。そこで、車速の低速時にだけ鳴き抑制の制動制御を行うことで、姿勢変化が小さくて済む。また、車両の低速時には、車室内の環境音が車両の高速時よりも小さい。そこで、鳴きが特に目立つ車速の低速時にだけ鳴き抑制の制動制御を行うことは効果的である。
ステップS3で、ドライバーによるブレーキペダル40の操作が検出されたものとする。
次に、ステップS4において、制動制御部515は、ブレーキペダル40の操作速度(ペダルストローク速度など)が所定の操作閾値以下か否かを判定し、Yesの場合はステップS5に進み、Noの場合はステップS6に進む。これは、ブレーキペダル40の操作速度が大きい場合は、緊急時と考えられるので、そのような場合は制動力を速く大きくすることを優先させる意図である。
ステップS6において、制動制御部515は、通常制動制御を実行する。
ステップS5において、制動制御部515は、鳴き抑制の制動制御を実行する。ここで、図5は、図4のステップS5の処理の詳細を示すフローチャートである。
ステップS51において、制動制御部515は、実減速度が要求減速度よりも小さいか否かを判定し、Yesの場合はステップS52に進み、Noの場合はステップS55に進む。
ステップS52において、制動制御部515は、後輪実液圧が所定液圧(上限液圧など)以上か否かを判定し、Yesの場合はステップS53に進み、Noの場合はステップS54に進む。
ステップS53において、制動制御部515は、前輪液圧を増圧し、後輪液圧を維持する。つまり、第2液圧設定部514は、前輪の目標液圧を増加させ、また、後輪の目標液圧を維持する。
ステップS54において、制動制御部515は、前輪液圧を0に維持し、後輪液圧を増圧する。つまり、第1液圧設定部513は、前輪の目標液圧を0のままとし、第2液圧設定部514は、後輪の目標液圧を増加する。
ステップS55において、第1液圧設定部513、第2液圧設定部514は、実減速度と要求減速度との大小関係等に基づいて、各輪の液圧を調整する、つまり、各輪の目標液圧を設定する。
ステップS53、S54、S55の後、ステップS56において、制動制御部515は、制動制御の終了条件を充足したか否かを判定し、Yesの場合はステップS57に進み、Noの場合はステップS51に戻る。制動制御の終了条件は、例えば、ブレーキペダル40の操作が終了したことや、車速が0になったことなどである。
ステップS57において、制動制御部515は、制動制御を終了する。
このようにして、本実施形態によれば、車両の制動制御時に、複数の車輪の一部の液圧を0のままとすることで、液圧を与える車輪の液圧が短時間で低圧領域を超えるようになる。つまり、低圧領域の鳴きを簡潔な制御で抑制(短時間化)することができる。
特に、低圧領域の鳴きについては、ブレーキパッドとブレーキディスクの状態が不安定で、構造的な設計での対応は困難なので、上述の鳴き抑制の制動制御は非常に有用である。
また、一般に、車両の前輪と後輪は、それぞれに同じ液圧を付与した場合、後輪液圧の上昇率の方が大きいように構成されている。また、制動時に、前輪目標液圧が0に設定されることで、後輪液圧のみで制動要求を満たすことになる。そして、後輪液圧のほうが前輪液圧よりも液圧の上昇率が大きいため、後輪目標液圧を0に設定する場合よりも、低圧領域を短時間で超えることができる。
また、ブレーキパッドの温度が低いと考えられるときに鳴き抑制モードとすることで、鳴き抑制の制動制御を効果的に実施できる。
また、車速の低速時にだけ鳴き抑制の制動制御を行うことで、車体の姿勢変化が小さくて済み、さらに、鳴きが特に目立つ状況で鳴き抑制を効果的に実施できる。
また、ブレーキペダル40の操作速度が大きい場合は、緊急時と考えられる。緊急時制動が要求された場合には鳴き抑制の制動制御を実行しないことで、制動力を速く大きくすることを優先させ、安全性をさらに向上させることができる。
また、このように、制御で鳴き抑制を実施することで、キャリパの対策アイテムを使用する必要がないので、低コストで済む。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、数等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、一般に、降坂路走行時には鳴きが発生しやすいので、降坂路走行時には鳴き抑制の制動制御を実施する条件を緩くしてもよい。
また、制動要求がある程度大きい(目標減速度の微分値が大きい)場合には、後輪液圧が上限に達する前でも、前輪液圧を上昇させて低圧領域を短時間で超えさせるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、主に四輪車の場合について説明したが、六輪車、八輪車など、四輪車以外の車両等にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態では、複数の車輪のうち一部の車輪に付与する液圧を0とした。しかし、複数の車輪のうち一部の車輪に付与する液圧は、制動初期に発生する鳴き抑制の観点から許容される値であれば、0よりも大きい値でもよい。すなわち、鳴き抑制制御実行条件が成立した場合に、複数の車輪のうち一部の車輪に付与する液圧は0を含む所定範囲の値に設定されればよい。
また、上述の実施形態では、液圧を発生させる車両用制動制御装置の例を用いて説明した。しかし、本発明は、液圧を発生させない車両用制動制御装置として実現してもよい。例えば、電気モータの駆動力によって回転部材に摩擦部材を接触させて車輪に制動力を発生させるアクチュエータが複数の車輪に設け得られている車両に適用してもよい。この場合、アクチュエータにより発生させる目標制動力が、上述の実施形態における目標液圧に相当する。
11…駆動力発生装置、12…操舵装置、13…制動装置、50…ECU、510…処理部、511…取得部、512…走行制御部、513…第1液圧設定部、514…第2液圧設定部、515…制動制御部、520…記憶部、FR,FL,RR,RL…車輪

Claims (4)

  1. 車両の車輪又は前記車輪と共に回転する回転部材に摩擦部材を接触させて前記車輪に制動力を発生させるアクチュエータが複数の車輪に設けられている車両に適用される車両用制動制御装置であって、
    前記車両の走行中に前記複数の車輪に制動力が付与されていない状態で制動要求を受け付けた鳴き抑制制御実行条件が成立した場合に、前記複数の車輪のうちの一部の第1車輪の目標制動力を、制動初期に発生する鳴き抑制の観点から許容される0を含む所定範囲の値に設定する第1制動力設定部と、
    前記鳴き抑制制御実行条件が成立した場合に、前記複数の車輪のうちの前記第1車輪以外の第2車輪の目標制動力を、前記制動要求と前記第1車輪の目標制動力とに基づいて設定する第2制動力設定部と、
    前記複数の車輪ごとに、それぞれの前記目標制動力に基づいて制動制御を行う制動制御部と、
    を備える車両用制動制御装置。
  2. 前記車両は、前記複数の車輪として左右一組の前輪と左右一組の後輪とを有しており、
    前記第1制動力設定部は、前記第1車輪としての前記前輪の目標制動力を設定し、
    前記第2制動力設定部は、前記第2車輪としての前記後輪の目標制動力を設定する、請求項1に記載の車両用制動制御装置。
  3. 前記鳴き抑制制御実行条件に、前記車両の走行速度が所定速度よりも低いことが含まれている、請求項1または請求項2に記載の車両用制動制御装置。
  4. 前記鳴き抑制制御実行条件に、前記制動要求が緊急制動でないことが含まれている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用制動制御装置。
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