JP2022157389A - オーバーロックミシンの上ルーパー機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】 構成部品の加工上、組立上の精度を緩和し、上ルーパーの針に対する運動軌跡を布送り方向またはその逆方向に調節可能とする。【解決手段】 ミシンフレームに回動可能に支持された揺動軸と、揺動軸に一端を取り付けられた揺動レバーと、揺動レバーの他端に連結される上ルーパー軸と、上ルーパー軸の自由端に取り付けられた上ルーパーと、上ルーパー軸をその軸方向に摺動可能かつ回動可能に支持する軸受とからなるオーバーロックミシンの上ルーパー機構であって、前記軸受が、球状駒と球状駒を回動可能に嵌合する支持体とからなり、球状駒には上ルーパー軸を摺動可能に嵌合する貫通穴が設けられており、支持体はミシンフレームに取り付けられ、前記揺動レバー他端の連結部と上ルーパー軸の揺動レバー他端との連結部は互いの連結部が交差する軸を中心に回動可能に連結され、球状駒の位置と連結部の位置との互いの位置関係を調整することにより、針に対する上ルーパーの軌跡を布送り方向またはその逆方向に変更可能にする。【選択図】 図1
Description
本発明は、オーバーロックミシンの上ルーパー機構に関する。
従来のオーバーロックミシンの上ルーパー機構では、ミシンフレームに一軸を中心に揺動可能に取り付けられた揺動腕の端部に回動可能にルーパー軸が取り付けられている。ルーパー軸の他端にはルーパーが取り付けられている。円筒状の軸駒が、このルーパー軸を軸方向に摺動可能かつ軸駒の軸を中心に回動可能に支持している。この軸駒は、ミシンフレームに取り付けられた支持体の円筒状孔により円筒の軸を中心に回動可能に支持されている(例えば、特許文献1参照。)。
上記のような構成の上ルーパー機構では、各部品等の加工上、組立上の誤差により、ルーパー軸と軸駒の孔の軸線が正確に合致しないことがあり、部品が摩耗してガタつきの原因になるとして、軸駒と支持体の孔を球状とした考案が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、従来の上ルーパー機構では、ルーパー軸の端部に取り付けられるルーパーを針の太さに応じて取り換える必要があった。
本発明は、構成部品の加工上、組立上の精度を緩和し、上ルーパーの針に対する運動軌跡を布送り方向またはその逆方向に調節可能とすることを目的とする。。
請求項1記載の発明は、
ミシンフレームに回動可能に支持された揺動軸と、
揺動軸に一端を取り付けられた揺動レバーと、
揺動レバーの他端に連結される上ルーパー軸と、
上ルーパー軸の自由端に取り付けられた上ルーパーと、
上ルーパー軸をその軸方向に摺動可能かつ回動可能に支持する軸受とからなるオーバーロックミシンの上ルーパー機構において、
前記軸受が、球状駒と球状駒を回動可能に嵌合する支持体とからなり、球状駒には上ルーパー軸を摺動可能に嵌合する貫通穴が設けられており、支持体はミシンフレームに取り付けられ、
前記揺動レバー他端の連結部と上ルーパー軸の揺動レバー他端との連結部は互いの連結部が交差する軸を中心に回動可能に連結され、球状駒の位置と連結部の位置との互いの位置関係を調整することにより、針に対する上ルーパーの軌跡を布送り方向またはその逆方向に変更可能にしたことを特徴とする。
ミシンフレームに回動可能に支持された揺動軸と、
揺動軸に一端を取り付けられた揺動レバーと、
揺動レバーの他端に連結される上ルーパー軸と、
上ルーパー軸の自由端に取り付けられた上ルーパーと、
上ルーパー軸をその軸方向に摺動可能かつ回動可能に支持する軸受とからなるオーバーロックミシンの上ルーパー機構において、
前記軸受が、球状駒と球状駒を回動可能に嵌合する支持体とからなり、球状駒には上ルーパー軸を摺動可能に嵌合する貫通穴が設けられており、支持体はミシンフレームに取り付けられ、
前記揺動レバー他端の連結部と上ルーパー軸の揺動レバー他端との連結部は互いの連結部が交差する軸を中心に回動可能に連結され、球状駒の位置と連結部の位置との互いの位置関係を調整することにより、針に対する上ルーパーの軌跡を布送り方向またはその逆方向に変更可能にしたことを特徴とする。
本発明は、上ルーパー軸を摺動かつ回動可能に軸支する軸受が球状であり、上ルーパー軸と揺動レバーとの連結を互いの連結部が交差する軸を中心に回動可能にしたので、構成部品の加工上、組立上の精度を緩和し、針の太さに応じた上ルーパーの交換を少なくすることが可能となる。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1について図面を参照して説明する。図1と図2は、ミシンフレーム(図示せず)に軸支される揺動軸1に取り付けられた揺動レバー2を示している。上ルーパー軸3の自由端には上ルーパー4が取り付けられている。
以下、本発明の実施例1について図面を参照して説明する。図1と図2は、ミシンフレーム(図示せず)に軸支される揺動軸1に取り付けられた揺動レバー2を示している。上ルーパー軸3の自由端には上ルーパー4が取り付けられている。
上ルーパー軸3は、球状駒5の貫通穴5aに摺動可能に嵌合している。球状駒5の球面5bは支持体6の球状軸受面6aに回動可能に嵌合している。支持体6はミシンフレーム(図示せず)に取り付けられている。上ルーパー軸3は、支持体6の孔6b、6bを上下に貫通し、上下に摺動かつ回動する。
揺動レバー2と上ルーパー軸3との連結部7は、第一軸8、第二軸9とホルダー10からなる。ホルダー10は、第一軸8と第二軸9を上下の位置で交差するよう固定している。
ホルダー10から延びる第一軸8の両端は、上ルーパー軸の二又状軸受部3a、3aに回動可能に軸支されている。ホルダー10から延びる第二軸9の両端は、揺動レバー2の自由端に形成されたコ字状軸受部2a、2aに回動可能に軸支されている。
ホルダー10から延びる第一軸8の両端は、上ルーパー軸の二又状軸受部3a、3aに回動可能に軸支されている。ホルダー10から延びる第二軸9の両端は、揺動レバー2の自由端に形成されたコ字状軸受部2a、2aに回動可能に軸支されている。
図3~5は、揺動レバーを示し、揺動レバーの長手方向には孔2bが形成され、揺動レバーの質量を軽減している。
図6~7は、球状駒5を示し、上ルーパー軸3を摺動可能に嵌合する貫通穴5aは、長手方向の長さが球面5bを形成する球の直径より短く形成されている。
図8~10は、支持体6を示し、球状軸受面6aを形成する開口部6cの一側面に切欠部6dが上下に形成されている。この切欠部6d、6dの上下間隔(例えば、Φ19.5mm)は球状駒5の球の直径(例えば、Φ19.05mm)より僅かに大きくなっている。更に、切欠部6dの幅(例えば、10.5)も球状駒5の厚み(例えば、10mm)より僅かに大きくなっている。これにより、球状駒5が支持体6の球状軸受面に挿入され嵌合可能となっている。このような構成により、球状駒5を一体成型でき、支持体6に球状軸受面6aを設けても支持体6に球状駒5を組み付ける作業が効率的になる。
図11は、上ルーパー4が上死点の時の機構作動図であり、Nは針(図示せず)の中心線、Pはオーバーロックミシンの針板(図示せず)の上面、Tは上ルーパー4先端の運動軌跡を表す。図12は、上ルーパー4が下死点の時の機構作動図である。
従来のオーバーロックミシンの上ルーパー機構(特許文献1、特許文献2)では、上ルーパーの先端運動軌跡は平面(Y-Z)を形成していた。
従来のオーバーロックミシンの上ルーパー機構(特許文献1、特許文献2)では、上ルーパーの先端運動軌跡は平面(Y-Z)を形成していた。
本発明では、図2に示すX方向またはその逆方向(布送り方向)に、球状駒5の位置と、上ルーパー軸3と揺動レバー2の連結部7の位置との互いの位置関係を調整することにより、針に対する上ルーパー4の先端軌跡Tを布送り方向またはその逆方向(X方向)に変更することができる。
例えば、それらの位置関係を、上ルーパー軸3と揺動レバー2の連結部7から球状駒5を布送り逆方向(X方向)に従来より1.5mmずらすことにより、上ルーパー4の上死点での先端位置は従来より0.86mm布送り逆方向(X方向)に変位する。
例えば、それらの位置関係を、上ルーパー軸3と揺動レバー2の連結部7から球状駒5を布送り逆方向(X方向)に従来より1.5mmずらすことにより、上ルーパー4の上死点での先端位置は従来より0.86mm布送り逆方向(X方向)に変位する。
(実施例2)
次に、本発明による実施例2について図面を参照して実施例1と相違する部分のみを説明する。図13~16は、実施例2を示す。
揺動レバー22と上ルーパー軸23との連結部27は、第一軸28と第二軸29からなる。第二軸29は、軸の長手方向と直行する方向に貫通穴29bが設けられ、軸の両端に軸の長手方向と直行する方向に軸端部29a、29aが設けられている。第一軸28は、第二軸29の貫通穴29bに嵌合して貫通し第二軸29に固定されている。第一軸28と第二軸29は軸心が一致するよう交差している。第二軸29の貫通穴29bから延びる第一軸28の両端は、上ルーパー軸の二又状軸受部23a、23aに回動可能に軸支されている。第二軸29の軸端部29a、29aは、揺動レバー22の自由端に形成されたコ字状軸受部22a、22aに回動可能に軸支されている。
次に、本発明による実施例2について図面を参照して実施例1と相違する部分のみを説明する。図13~16は、実施例2を示す。
揺動レバー22と上ルーパー軸23との連結部27は、第一軸28と第二軸29からなる。第二軸29は、軸の長手方向と直行する方向に貫通穴29bが設けられ、軸の両端に軸の長手方向と直行する方向に軸端部29a、29aが設けられている。第一軸28は、第二軸29の貫通穴29bに嵌合して貫通し第二軸29に固定されている。第一軸28と第二軸29は軸心が一致するよう交差している。第二軸29の貫通穴29bから延びる第一軸28の両端は、上ルーパー軸の二又状軸受部23a、23aに回動可能に軸支されている。第二軸29の軸端部29a、29aは、揺動レバー22の自由端に形成されたコ字状軸受部22a、22aに回動可能に軸支されている。
例えば、実施例2では、上ルーパー軸23と揺動レバー22の連結部27から球状駒5を布送り逆方向(X方向)に従来より1mmずらすことにより、上ルーパー4の上死点での先端位置は従来より1.83mm布送り逆方向(X方向)に変位する。
更に、上ルーパー軸23の二又軸受部における他の態様として、図17に示すように、軸受部23b、23bの軸心Cbが軸受部23a、23aの軸心Caと10°をなすように設けると、球状駒5を布送り逆方向(X方向)に従来より1mmずらすことにより、上ルーパー4の上死点での先端位置は従来より1.93mm布送り逆方向(X方向)に変位する。
1 揺動軸
2 揺動レバー
2a、2a コ字状軸受部
2b 孔
3 上ルーパー軸
3a、3a 二又状軸受部
4 上ルーパー
5 球状駒
5a 貫通穴
5b 球面
6 支持体
6a 球状軸受面
6b、6b 孔
6c 開口部
6d、6d 切欠部
7 連結部
8 第一軸
9 第二軸
10 ホルダー
N 針の中心線
P 針板の上面
T 上ルーパー先端の軌跡
22 揺動レバー
22a、22a コ字状軸受部
23 上ルーパー軸
23a、23a 二又状軸受部
23b、23b 二又状軸受部の他の態様
Ca 23a、23a二又状軸受部の軸心
Cb 23b、23b二又状軸受部の他の態様の軸心
27 連結部
28 第一軸
29 第二軸
29a、29a 軸端部
29b 貫通穴
2 揺動レバー
2a、2a コ字状軸受部
2b 孔
3 上ルーパー軸
3a、3a 二又状軸受部
4 上ルーパー
5 球状駒
5a 貫通穴
5b 球面
6 支持体
6a 球状軸受面
6b、6b 孔
6c 開口部
6d、6d 切欠部
7 連結部
8 第一軸
9 第二軸
10 ホルダー
N 針の中心線
P 針板の上面
T 上ルーパー先端の軌跡
22 揺動レバー
22a、22a コ字状軸受部
23 上ルーパー軸
23a、23a 二又状軸受部
23b、23b 二又状軸受部の他の態様
Ca 23a、23a二又状軸受部の軸心
Cb 23b、23b二又状軸受部の他の態様の軸心
27 連結部
28 第一軸
29 第二軸
29a、29a 軸端部
29b 貫通穴
Claims (1)
- ミシンフレームに回動可能に支持された揺動軸と、
揺動軸に一端を取り付けられた揺動レバーと、
揺動レバーの他端に連結される上ルーパー軸と、
上ルーパー軸の自由端に取り付けられた上ルーパーと、
上ルーパー軸をその軸方向に摺動可能かつ回動可能に支持する軸受とからなるオーバーロックミシンの上ルーパー機構において、
前記軸受が、球状駒と球状駒を回動可能に嵌合する支持体とからなり、球状駒には上ルーパー軸を摺動可能に嵌合する貫通穴が設けられており、支持体はミシンフレームに取り付けられ、
前記揺動レバー他端の連結部と上ルーパー軸の揺動レバー他端との連結部は互いの連結部が交差する軸を中心に回動可能に連結され、球状駒の位置と連結部の位置との互いの位置関係を調整することにより、針に対する上ルーパーの軌跡を布送り方向またはその逆方向に変更可能にしたことを特徴とするオーバーロックミシンの上ルーパー機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021061580A JP2022157389A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | オーバーロックミシンの上ルーパー機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021061580A JP2022157389A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | オーバーロックミシンの上ルーパー機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022157389A true JP2022157389A (ja) | 2022-10-14 |
Family
ID=83558628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021061580A Pending JP2022157389A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | オーバーロックミシンの上ルーパー機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022157389A (ja) |
-
2021
- 2021-03-31 JP JP2021061580A patent/JP2022157389A/ja active Pending
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