JP2022156454A - 化合物の製造方法、ポリチオウレタン樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本開示の一実施形態は、臭気が抑制される化合物の製造方法、当該化合物を用いるポリチオウレタン樹脂の製造方法、及び当該化合物を用いる眼鏡レンズの製造方法に関する。【解決手段】本開示に係る一実施形態は、式(1)で表される化合物の製造方法であって、式(2)で表される化合物と、式(3):HO-R1-SH(3)で表される化合物とを塩基性物質の存在下で反応させて式(4)で表される化合物を得ることと、前記式(4)で表される化合物とチオ尿素とを用いて前記式(1)で表される化合物を得ることと、を含む製造方法に関する。【選択図】なし
Description
本開示は、化合物の製造方法、ポリチオウレタン樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法に関する。
ポリチオール化合物は、各種樹脂を得るための合成原料として用いられている。例えば、ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアネート化合物との硬化反応により、ポリチオウレタン系樹脂を合成することができる。こうして得られるポリチオウレタン系樹脂は、眼鏡レンズ等の各種光学部材の材料として有用である。
特許文献1では、トリアジン骨格を有するポリチオール及び該ポリチオールと共重合可能な化合物を含有してなる硬化性樹脂組成物が記載されている。
特許文献1に記載の製造方法によれば、得られる特定のトリアジン骨格を有するポリチオールに臭気が残るという課題を有していた。
本開示の一実施形態は、臭気が抑制される化合物の製造方法、当該化合物を用いるポリチオウレタン樹脂の製造方法、及び当該化合物を用いる眼鏡レンズの製造方法に関する。
本開示に係る一実施形態は、
式(1):
(式中、R1は、それぞれ独立に、炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基である。)で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
(式中、Xは、それぞれ独立に、ハロゲン原子である。)で表される化合物と、式(3):HO-R1-SH(3)(式中、R1は、炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基である。)で表される化合物とを塩基性物質の存在下で反応させて式(4):
(式中、R1は、炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基である。)で表される化合物を得ることと、
前記式(4)で表される化合物とチオ尿素とを用いて前記式(1)で表される化合物を得ることと、
を含む製造方法に関する。
式(1):
式(2):
前記式(4)で表される化合物とチオ尿素とを用いて前記式(1)で表される化合物を得ることと、
を含む製造方法に関する。
本開示に係る一実施形態は、上述の実施形態の製造方法により得られる化合物を含むチオール成分と、イソシアナート成分とを硬化させることを含むポリチオウレタン樹脂の製造方法に関する。
本開示に係る一実施形態は、上述の実施形態の製造方法により得られる化合物を含むチオール成分と、イソシアナート成分とを含む重合性組成物を成形型内で硬化させることを含む眼鏡レンズの製造方法に関する。
本開示の一実施形態によれば、臭気の抑制される化合物の製造方法、ポリチオウレタン樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法を提供することができる。
以下、本開示に係る実施形態について詳細に説明するが、本開示はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本実施形態に係る化合物の製造方法は、
式(1):
(式中、R1は、それぞれ独立に、炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基である。)で表される化合物(以下、「化合物(1)」ともいう。)の製造方法であって、
式(2):
(式中、Xは、それぞれ独立に、ハロゲン原子である。)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう。)と、式(3):HO-R1-SH(3)(式中、R1は、炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基である。)で表される化合物(以下、「化合物(3)」ともいう。)とを塩基性物質の存在下で反応させて式(4):
(式中、R1は、炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基である。)で表される化合物(以下、「化合物(4)」ともいう。)を得ること(以下「化合物(4)生成工程」ともいう。)と、
前記式(4)で表される化合物とチオ尿素とを用いて前記式(1)で表される化合物を得ること(以下「化合物(1)生成工程」ともいう。)と、
を含む。
本実施形態によれば、臭気の抑制される化合物(1)の製造方法が提供される。
式(1):
式(2):
前記式(4)で表される化合物とチオ尿素とを用いて前記式(1)で表される化合物を得ること(以下「化合物(1)生成工程」ともいう。)と、
を含む。
本実施形態によれば、臭気の抑制される化合物(1)の製造方法が提供される。
[化合物(1)の製造方法]
本実施形態に係る化合物(1)の製造方法によれば、化合物(4)生成工程、及び化合物(1)生成工程の2段階の反応により化合物(1)を得ることで、製造過程及び生成物の臭気を抑制することができる。特許文献1に記載の製造方法によれば、臭気の強いジチオールを用いて1段階反応で化合物(1)が得られる。これに対して、当該方法によれば、臭気の弱い化合物(3)を用いて、化合物(4)生成工程、及び化合物(1)生成工程の2段階で化合物(1)を得ることで臭気の発生源の使用を回避することができる。
本実施形態に係る化合物(1)の製造方法によれば、化合物(4)生成工程、及び化合物(1)生成工程の2段階の反応により化合物(1)を得ることで、製造過程及び生成物の臭気を抑制することができる。特許文献1に記載の製造方法によれば、臭気の強いジチオールを用いて1段階反応で化合物(1)が得られる。これに対して、当該方法によれば、臭気の弱い化合物(3)を用いて、化合物(4)生成工程、及び化合物(1)生成工程の2段階で化合物(1)を得ることで臭気の発生源の使用を回避することができる。
<化合物(1)>
本実施形態に係る化合物(以下、「化合物(1)」ともいう。)は、
式(1):
(式中、R1は、それぞれ独立に、炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基である。)で表される。
本実施形態に係る化合物(1)によれば、高屈折率のチオウレタン樹脂が得られる。
本実施形態に係る化合物(以下、「化合物(1)」ともいう。)は、
式(1):
本実施形態に係る化合物(1)によれば、高屈折率のチオウレタン樹脂が得られる。
R1は、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1~3の2価の脂肪族炭化水素基、より好ましくは炭素数2の2価の脂肪族炭化水素基である。R1としては、例えば、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、プロパン-1,5-ジイル基が挙げられる。これらの中でも、屈折率を高める観点から、エタン-1,2-ジイル基が好ましい。
<化合物(4)生成工程>
化合物(4)生成工程では、化合物(2)と、化合物(3)とを塩基性物質の存在下で反応させることで、化合物(4)を得る。
式(2)のXは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも塩素原子が好ましい。化合物(2)としては、例えば、塩化シアヌル、臭化シアヌル、ヨウ化シアヌルが挙げられる。これらの中でも、塩化シアヌルが好ましい。
化合物(4)生成工程では、化合物(2)と、化合物(3)とを塩基性物質の存在下で反応させることで、化合物(4)を得る。
式(2)のXは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも塩素原子が好ましい。化合物(2)としては、例えば、塩化シアヌル、臭化シアヌル、ヨウ化シアヌルが挙げられる。これらの中でも、塩化シアヌルが好ましい。
塩基性物質としては、例えば、炭酸カルシウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、カリウムtert-ブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。これらの中でも水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましい。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、カリウムtert-ブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。これらの中でも水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましい。
式(2)で表される化合物と塩基性物質との混合物に、化合物(3)を滴下することが好ましい。
溶媒を用いてもよく、例えば水を溶媒としても用いることができる。
反応温度は、好ましくは0~100℃であり、より好ましくは10~70℃であり、更に好ましくは25~60℃である。
溶媒を用いてもよく、例えば水を溶媒としても用いることができる。
反応温度は、好ましくは0~100℃であり、より好ましくは10~70℃であり、更に好ましくは25~60℃である。
<化合物(1)生成工程>
化合物(1)生成工程では、化合物(4)とチオ尿素を用いて化合物(1)を得る。当該工程により、水酸基が、メルカプト基に置換される。当該工程では、例えば、化合物(4)とチオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩を得たのち、塩基性物質を用いて加水分解することで化合物(1)が得られる。
化合物(1)生成工程では、化合物(4)とチオ尿素を用いて化合物(1)を得る。当該工程により、水酸基が、メルカプト基に置換される。当該工程では、例えば、化合物(4)とチオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩を得たのち、塩基性物質を用いて加水分解することで化合物(1)が得られる。
イソチウロニウム塩を形成する際には、化合物(4)とチオ尿素とを反応させる。その際の反応温度は、好ましくは70~200℃であり、より好ましくは80~150℃であり、更に好ましくは100~120℃である。
加水分解に用いられる塩基性物質の例は、上述の塩基性物質と同様である。塩基性物質による加水分解後、酸性物質で中和してもよい。
[ポリチオウレタン樹脂の製造方法]
本実施形態に係るポリチオウレタン樹脂の製造方法は、上述の実施形態に係る化合物(1)の製造方法により得られる化合物(1)を含むチオール成分と、イソシアナート成分とを硬化させることを含む。
上述の実施形態に係る化合物(1)の製造方法により得られる化合物を用いることで臭気が抑制される。また、本実施形態に係るポリチオウレタン樹脂の製造方法によれば、高屈折率であり、外観が無色透明なポリチオウレタン樹脂が得らえる。
なお、チオール成分と、イソシアナート成分とを含有する組成物を指して、重合性組成物と称することがある。
本実施形態に係るポリチオウレタン樹脂の製造方法は、上述の実施形態に係る化合物(1)の製造方法により得られる化合物(1)を含むチオール成分と、イソシアナート成分とを硬化させることを含む。
上述の実施形態に係る化合物(1)の製造方法により得られる化合物を用いることで臭気が抑制される。また、本実施形態に係るポリチオウレタン樹脂の製造方法によれば、高屈折率であり、外観が無色透明なポリチオウレタン樹脂が得らえる。
なお、チオール成分と、イソシアナート成分とを含有する組成物を指して、重合性組成物と称することがある。
<ポリチオウレタン樹脂>
本実施形態に係るポリチオウレタン樹脂は、化合物(1)を含有するチオール成分と、イソシアナート成分との硬化物である。
本実施形態に係るポリチオウレタン樹脂は、化合物(1)を含有するチオール成分と、イソシアナート成分との硬化物である。
(チオール成分)
化合物(1)の量は、チオール成分中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、そして、100質量%以下である。
化合物(1)の量は、チオール成分中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、そして、100質量%以下である。
チオール成分として、他のチオールを含んでいてもよい。他のチオールとしては、例えば、ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物、直鎖又は分岐の脂肪族ポリチオール化合物(ただし化合物(1)を除く)、脂環構造を有するポリチオール化合物、芳香族ポリチオール化合物が挙げられる。
ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物において、ポリオール化合物としては、分子内に2個以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、プロパントリオール、ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ビス(2-ヒドロキシエチル)ジスルフィド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが挙げられる。
メルカプト基含有カルボン酸化合物としては、例えば、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸化合物、チオサリチル酸が挙げられる。
ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物としては、例えば、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、プロパントリオール、ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ビス(2-ヒドロキシエチル)ジスルフィド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが挙げられる。
メルカプト基含有カルボン酸化合物としては、例えば、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸化合物、チオサリチル酸が挙げられる。
ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物としては、例えば、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
直鎖又は分岐の脂肪族ポリチオール化合物としては、例えば、1,2-エタンジチオール、1,1-プロパンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、2,2-プロパンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,2,3-プロパントリチオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジチオール、3,4-ジメチルオキシブタン-1,2-ジチオール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、1,2-ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3-ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2-(2-メルカプトエチルチオ)プロパン-1,3-ジチオール、2,2-ビス(メルカプトメチル)-1,3-プロパンジチオール、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2-メルカプトエチルチオ)メタン、1,2-ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)エタン、1,3-ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン、1,1,2,2-テトラキス(メルカプトエチルチオ)エタン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトエチルチオ)プロパン、3-メルカプトメチル-1,5-ジメルカプト-2,4-ジチアペンタン、テトラキス(メルカプトエチルチオ)プロパン、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2-メルカプトエチル)ジスルフィド、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)-3-メルカプトプロパン、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールが挙げられる。
脂環構造を有するポリチオール化合物としては、例えば、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、メチルシクロヘキサンジチオール、ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2-(2,2-ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)-1,3-ジチエタン、2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン、4,8-ビス(メルカプトメチル)-1,3-ジチアンが挙げられる。
芳香族ポリチオール化合物としては、例えば、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、4,4’-ジメルカプトビフェニル、4,4’-ジメルカプトビベンジル、2,5-トルエンジチオール、1,5-ナフタレンジチオール、2,6-ナフタレンジチオール、2,7-ナフタレンジチオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、4,5-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、9,10-アントラセンジメタンチオール、1,3-ジ(p-メチルオキシフェニル)プロパン-2,2-ジチオール、1,3-ジフェニルプロパン-2,2-ジチオール、フェニルメタン-1,1-ジチオール、2,4
-ジ(p-メルカプトフェニル)ペンタンが挙げられる。
これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
-ジ(p-メルカプトフェニル)ペンタンが挙げられる。
これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
(イソシアナート成分)
イソシアナート成分としては、例えば、芳香環を有するポリイソシアナート化合物、脂環式ポリイソシアナート化合物、直鎖又は分岐鎖の脂肪族ポリイソシアナート化合物が挙げられる。
イソシアナート成分としては、例えば、芳香環を有するポリイソシアナート化合物、脂環式ポリイソシアナート化合物、直鎖又は分岐鎖の脂肪族ポリイソシアナート化合物が挙げられる。
芳香環を有するポリイソシアナート化合物としては、例えば、ジイソシアナトベンゼン、2,4-トリレンジイソシアナート、2,6-トリレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’-メチレンビス(2-メチルフェニルイソシアナート)、ビベンジル-4,4’-ジイソシアナート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチルフェニル)エーテル、2-イソシアナトフェニル-4-イソシアナトフェニルスルフィド、ビス(4-イソシアナトフェニル)スルフィド、ビス(4-イソシアナトメチルフェニル)スルフィド、ビス(4-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(2-メチル-5-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3-メチル-5-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3-メチル-6-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4-メチル-5-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3-メチルオキシ-4-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4-メチルオキシ-3-イソシアナトフェニル)ジスルフィドが挙げられる。
脂環式ポリイソシアナート化合物としては、例えば、1,3-ジイソシアナトシクロヘキサン、イソホロンジイソシアナート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5-ジイソシアナト-1,4-ジチアン、2,5-ビス(イソシアナトメチル)-1,4-ジチアン、4,5-ジイソシアナト-1,3-ジチオラン、4,5-ビス(イソシアナトメチル)-1,3-ジチオラン、4,5-ビス(イソシアナトメチル)-2-メチル-1,3-ジチオランが挙げられる。
直鎖又は分岐の脂肪族ポリイソシアナート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3-ブタジエン-1,4-ジイソシアナート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11-ウンデカントリイソシアナート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8-ジイソシアナト-4-イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、1,5-ジイソシアナト-2-イソシアナトメチル-3-ペンタン、1,2,3-トリス(イソシアナトメチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(イソシアナトエチルチオ)プロパン、3,5-ジチア-1,2,6,7-ヘプタンテトライソシアナート、2,6-ジイソシアナトメチル-3,5-ジチア-1,7-ヘプタンジイソシアナート、2,5-ジイソシアナトメチルチオフェン、4-イソシアナトエチルチオ-2,6-ジチア-1,8-オクタンジイソシアナート、1,2-ジイソチオシアナトエタン、1,6-ジイソチオシアナトヘキサンが挙げられる。
これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
イソシアナート成分は、好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、及びペンタメチレンジイソシアナートからなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、「好適イソシアナート化合物」ともいう)を含み、より好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリレンジイソシアナート、及びジフェニルメタンジイソシアナートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンは、例えば、2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくは2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物である。
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとしては、例えば、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが挙げられる。これらの中でも、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが好ましい。
ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンとしては、例えば、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンが挙げられる。これらの中でも、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンが好ましい。
トリレンジイソシアナートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアナート及び2,6-トリレンジイソシアナートが挙げられる。これらの中でも2,4-トリレンジイソシアナートが好ましい。
ジフェニルメタンジイソシアナートとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナートが挙げられる。
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートとしては、例えば、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナートが挙げられる。
ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンは、例えば、2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくは2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物である。
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとしては、例えば、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが挙げられる。これらの中でも、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが好ましい。
ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンとしては、例えば、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンが挙げられる。これらの中でも、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンが好ましい。
トリレンジイソシアナートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアナート及び2,6-トリレンジイソシアナートが挙げられる。これらの中でも2,4-トリレンジイソシアナートが好ましい。
ジフェニルメタンジイソシアナートとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナートが挙げられる。
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートとしては、例えば、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナートが挙げられる。
これらの中でも、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリレンジイソシアナート、及びジフェニルメタンジイソシアナートからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
イソシアナート成分中、上述の「好適イソシアナート化合物」の含有量は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上100質量%以下である。
チオール成分のメルカプト基と、イソシアナート成分のイソシアナト基の当量比(メルカプト基/イソシアナト基)は、好ましくは40/60以上、より好ましくは43/57以上、更に好ましくは45/55以上であり、そして、好ましくは60/40以下、より好ましくは55/45以下、更に好ましくは53/47以下である。
イソシアナート成分及びチオール成分の硬化には、重合触媒を用いてもよい。
重合触媒としては、例えば、スズ化合物、含窒素化合物が挙げられる。
スズ化合物としては、例えば、アルキルスズ化合物、アルキルスズハライド化合物が挙げられる。
アルキルスズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートが挙げられる。
アルキルスズハライド化合物としては、例えば、ジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジクロライド、モノメチルスズトリクロライド、トリメチルスズクロライド、トリブチルスズクロライド、トリブチルスズフロライド、ジメチルスズジブロマイドが挙げられる。
これらの中でも、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジクロライドが好ましく、ジメチルスズジクロライドがより好ましい。
重合触媒としては、例えば、スズ化合物、含窒素化合物が挙げられる。
スズ化合物としては、例えば、アルキルスズ化合物、アルキルスズハライド化合物が挙げられる。
アルキルスズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートが挙げられる。
アルキルスズハライド化合物としては、例えば、ジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジクロライド、モノメチルスズトリクロライド、トリメチルスズクロライド、トリブチルスズクロライド、トリブチルスズフロライド、ジメチルスズジブロマイドが挙げられる。
これらの中でも、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジクロライドが好ましく、ジメチルスズジクロライドがより好ましい。
含窒素化合物としては、例えば、3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物が挙げられる。3級アミンは、好ましくはヒンダードアミンである。
3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリイソブチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N-メチルモルホリン、N,N'-ジメチルピペラジン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)が挙げられる。
ヒンダードアミンとしては、例えば、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシエチル-4-ピペリジノール、メチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート、メチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケートとビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートとの混合物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ブタン-1,2,3,4-テトラカルボキシレートが挙げられる。
4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、1-メチル-2-メルカプト-1H-イミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、ベンジルメチルイミダゾール、2-エチル-4-イミダゾールが挙げられる。
ピラゾール系化合物としては、例えば、ピラゾール、3,5-ジメチルピラゾールが挙げられる。
これらの中でも、ヒンダードアミン等の3級アミン、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物が好ましく、イミダゾール系化合物がより好ましく、1-メチル-2-メルカプト-1H-イミダゾールが更に好ましい。
イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、1-メチル-2-メルカプト-1H-イミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、ベンジルメチルイミダゾール、2-エチル-4-イミダゾールが挙げられる。
ピラゾール系化合物としては、例えば、ピラゾール、3,5-ジメチルピラゾールが挙げられる。
これらの中でも、ヒンダードアミン等の3級アミン、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物が好ましく、イミダゾール系化合物がより好ましく、1-メチル-2-メルカプト-1H-イミダゾールが更に好ましい。
重合触媒の使用量は、イソシアナート成分及びチオール成分の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001~2質量部、より好ましくは0.005~1質量部、更に好ましくは0.007~0.5質量部である。
本実施形態に係るポリチオウレタン樹脂の製造方法における重合条件は、重合性組成物に応じて、適宜設定することができる。重合開始温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。重合開始温度から昇温し、その後、加熱して硬化形成することが好ましい。例えば、昇温最高温度は、通常110℃以上130℃以下である。
[眼鏡レンズの製造方法]
本実施形態に係る眼鏡レンズの製造方法は、本実施形態の製造方法により得られる化合物(1)を含むチオール成分と、イソシアナート成分とを含む重合性組成物を成形型内で硬化させることを含む。
上述の実施形態に係る化合物(1)の製造方法により得られる化合物を用いることで臭気が抑制される。また、本実施形態に係る眼鏡レンズの製造方法によれば、高屈折率であり、外観が無色透明なポリチオウレタン樹脂が得らえる。
本実施形態に係る眼鏡レンズの製造方法は、当該硬化後の樹脂をアニール処理することと、を含んでいてもよい。
本実施形態に係る眼鏡レンズの製造方法は、本実施形態の製造方法により得られる化合物(1)を含むチオール成分と、イソシアナート成分とを含む重合性組成物を成形型内で硬化させることを含む。
上述の実施形態に係る化合物(1)の製造方法により得られる化合物を用いることで臭気が抑制される。また、本実施形態に係る眼鏡レンズの製造方法によれば、高屈折率であり、外観が無色透明なポリチオウレタン樹脂が得らえる。
本実施形態に係る眼鏡レンズの製造方法は、当該硬化後の樹脂をアニール処理することと、を含んでいてもよい。
重合は、注型重合法であることが好ましい。レンズ基材は、例えば、重合性組成物を、ガラス又は金属製のモールドと、テープ又はガスケットとを組み合わせたモールド型に注入して重合を行うことで得られる。
重合条件は、重合性組成物に応じて、適宜設定することができる。重合開始温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。重合開始温度から昇温し、その後、加熱して硬化形成することが好ましい。例えば、昇温最高温度は、通常110℃以上130℃以下である。
重合終了後、レンズ基材を離型して、アニール処理を行ってもよい。アニール処理の温度は、好ましくは100~150℃である。
<眼鏡レンズ>
本実施形態のポリチオウレタン樹脂は、例えば、眼鏡レンズ用のレンズ基材に用いられる。
本実施形態に係る眼鏡レンズは、本実施形態のポリチオウレタン樹脂を含むレンズ基材を備える。
本実施形態のポリチオウレタン樹脂は、例えば、眼鏡レンズ用のレンズ基材に用いられる。
本実施形態に係る眼鏡レンズは、本実施形態のポリチオウレタン樹脂を含むレンズ基材を備える。
(レンズ基材)
レンズ基材は、好ましくはポリチオウレタン樹脂を90質量%以上含有し、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上含有する。
レンズ基材は、好ましくはポリチオウレタン樹脂を90質量%以上含有し、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上含有する。
レンズ基材は、ポリチオウレタン樹脂のほかに、離型剤、着色剤、抗酸化剤、着色防止剤、蛍光増白剤等のその他の添加剤を含んでいてもよい。これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
レンズ基材としては、フィニッシュレンズ、セミフィニッシュレンズのいずれであってもよい。レンズ基材の表面形状は特に限定されず、平面、凸面、凹面等のいずれであってもよい。レンズ基材は、単焦点レンズ用、多焦点レンズ用、累進屈折力レンズ用等のいずれの用途であってもよい。例えば、一例として、累進屈折力レンズについては、通常、近用部領域(近用部)及び累進部領域(中間領域)が、前述の下方領域に含まれ、遠用部領域(遠用部)が上方領域に含まれる。レンズ基材としては、通常無色のものが使用されるが、透明性を損なわない範囲で着色したものを使用することもできる。
レンズ基材の屈折率neは、好ましくは1.60以上である。レンズ基材の屈折率neは、その上限は特に限定されないが、例えば1.80以下であってもよい。
本実施形態に係る眼鏡レンズは、ハードコート層、下地層、及び反射防止層からなる群から選ばれる少なくとも1種の層を備えていてもよい。
以下、本実施形態を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。以下に記載の操作及び評価は特記しない限り、大気中室温下(20~25℃程度)で行った。
[測定方法]
<レンズの屈折率>
精密屈折率計「KPR-2000型」(カルニュー光学工業株式会社製)を用いて、e線(546.1nm)で眼鏡レンズの屈折率neを測定した。
<レンズの屈折率>
精密屈折率計「KPR-2000型」(カルニュー光学工業株式会社製)を用いて、e線(546.1nm)で眼鏡レンズの屈折率neを測定した。
<臭気の評価>
化合物の臭気は、以下の基準により判断した。
A:定常作業で耐えうる臭気(弱い臭気)
B:非定常作業で耐えうる臭気(容易に感知できる臭気)
C:非定常作業でも耐え難い臭気(強い臭気)
化合物の臭気は、以下の基準により判断した。
A:定常作業で耐えうる臭気(弱い臭気)
B:非定常作業で耐えうる臭気(容易に感知できる臭気)
C:非定常作業でも耐え難い臭気(強い臭気)
[化合物(1)の製造方法]
<実施例A1>
テトラヒドロフラン240mLに塩化シアヌル18.44g(0.10mol)、炭酸カリウム27.59g(0.2mol)を加えた。この溶液を5℃以下に保ちながら、2-メルカプトエタノール23.49g(0.30mol)を滴下した。滴下終了後、室温で36時間攪拌し、12時間加熱還流した。その後室温に戻し、テトラヒドロフラン150mLを加えた。この溶液をろ過し、ろ液を濃縮することで化合物(4-1) 14.82g(0.77mol)を得た。
次に化合物(4-1) 14.82g(0.77mol)に47質量%臭化水素酸602.5g (3.5mol)とチオ尿素228.4g(3.0mol)を加えて、110℃で3時間加熱攪拌反応した。室温に冷却後、トルエン740mLを加え、30質量%水酸化ナトリウム水溶液600.0g(0.30mol)を徐々に加え、60℃で3時間加水分解を行った。得られた有機層を水洗後、濃縮することで、TMET 22.86g(0.64)を得た。
<実施例A1>
テトラヒドロフラン240mLに塩化シアヌル18.44g(0.10mol)、炭酸カリウム27.59g(0.2mol)を加えた。この溶液を5℃以下に保ちながら、2-メルカプトエタノール23.49g(0.30mol)を滴下した。滴下終了後、室温で36時間攪拌し、12時間加熱還流した。その後室温に戻し、テトラヒドロフラン150mLを加えた。この溶液をろ過し、ろ液を濃縮することで化合物(4-1) 14.82g(0.77mol)を得た。
次に化合物(4-1) 14.82g(0.77mol)に47質量%臭化水素酸602.5g (3.5mol)とチオ尿素228.4g(3.0mol)を加えて、110℃で3時間加熱攪拌反応した。室温に冷却後、トルエン740mLを加え、30質量%水酸化ナトリウム水溶液600.0g(0.30mol)を徐々に加え、60℃で3時間加水分解を行った。得られた有機層を水洗後、濃縮することで、TMET 22.86g(0.64)を得た。
<比較例A1>
塩化シアヌル18.44g(0.10mol)、1,2-エタンジチオール197.82g(2.10mol)及び臭化-テトラ-n-ブチルアンモニウム0.19g(0.59mmol)を混合し、0~10℃に保ちながら、2時間かけて20質量%水酸化ナトリウム水溶液60g(0.30mol)を滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌し、36質量%塩酸水溶液30.42g(0.30mol)で中和した後、有機層と水槽に分液した。得られた有機層を水洗後、濃縮することで、TMET 28.97g(0.81mol)を得た。
塩化シアヌル18.44g(0.10mol)、1,2-エタンジチオール197.82g(2.10mol)及び臭化-テトラ-n-ブチルアンモニウム0.19g(0.59mmol)を混合し、0~10℃に保ちながら、2時間かけて20質量%水酸化ナトリウム水溶液60g(0.30mol)を滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌し、36質量%塩酸水溶液30.42g(0.30mol)で中和した後、有機層と水槽に分液した。得られた有機層を水洗後、濃縮することで、TMET 28.97g(0.81mol)を得た。
[眼鏡レンズの製造方法]
<実施例B1>
1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(mXDI)44質量部、硬化触媒としてジメチル錫ジクロライド0.02質量部、紫外線吸収剤「シーソーブ701」(商品名、シプロ化成株式会社製)0.50質量部、離型剤としてブトキシエチルアシッドフォスフェート「JP-506H」(商品名、城北化学工業株式会社製)0.10質量部を加えて混合し、溶解させた。
更に製造例で得られたポリチオール化合物(TMET)56質量部を添加混合した。
600Paにて1時間脱泡した後、孔径5.0μmのポリプロピレンフィルターにてろ過を行った。続いて、直径75mm、厚さ1.8mm、0.00Dのレンズ形状を有するガラスモールドとガスケットからなる成型型に注入した。
重合性組成物が注入されたガラス型は、重合炉に投入し、15℃から120℃まで24時間かけて重合させた。重合終了後、重合炉から成型型を取り出し、離型して硬化物(レンズ基材)を得た。得られたレンズ基材を更に炉内温度120℃のアニール炉において3時間アニールを行った。得られたレンズ基材は無色透明であった。次に各レンズ基材の屈折率neを測定した。結果を表2に示す。
<実施例B1>
1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(mXDI)44質量部、硬化触媒としてジメチル錫ジクロライド0.02質量部、紫外線吸収剤「シーソーブ701」(商品名、シプロ化成株式会社製)0.50質量部、離型剤としてブトキシエチルアシッドフォスフェート「JP-506H」(商品名、城北化学工業株式会社製)0.10質量部を加えて混合し、溶解させた。
更に製造例で得られたポリチオール化合物(TMET)56質量部を添加混合した。
600Paにて1時間脱泡した後、孔径5.0μmのポリプロピレンフィルターにてろ過を行った。続いて、直径75mm、厚さ1.8mm、0.00Dのレンズ形状を有するガラスモールドとガスケットからなる成型型に注入した。
重合性組成物が注入されたガラス型は、重合炉に投入し、15℃から120℃まで24時間かけて重合させた。重合終了後、重合炉から成型型を取り出し、離型して硬化物(レンズ基材)を得た。得られたレンズ基材を更に炉内温度120℃のアニール炉において3時間アニールを行った。得られたレンズ基材は無色透明であった。次に各レンズ基材の屈折率neを測定した。結果を表2に示す。
<実施例B2~B3、比較例B1~B3>
表2に示すイソシアナートを用いて、実施例B1と同様にしてレンズ基材を得た。得られたレンズ基材はいずれも無色透明であった。次に各レンズ基材の屈折率neを測定した。結果を表2に示す。
表2に示すイソシアナートを用いて、実施例B1と同様にしてレンズ基材を得た。得られたレンズ基材はいずれも無色透明であった。次に各レンズ基材の屈折率neを測定した。結果を表2に示す。
表中の略語は、以下のとおりである。
A1:1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン
A2:トリレンジイシソアネート
A3:ジフェニルメタンジイソシアナート
B1:実施例A1で得られた化合物(1-1)(TMET)
B2:比較例A1で得られた化合物(1-1)(TMET)
A1:1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン
A2:トリレンジイシソアネート
A3:ジフェニルメタンジイソシアナート
B1:実施例A1で得られた化合物(1-1)(TMET)
B2:比較例A1で得られた化合物(1-1)(TMET)
Claims (5)
- 請求項1に記載の製造方法により得られる化合物を含むチオール成分と、イソシアナート成分とを硬化させることを含むポリチオウレタン樹脂の製造方法。
- 前記イソシアナート成分が、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、及びペンタメチレンジイソシアナートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2に記載のポリチオウレタン樹脂の製造方法。
- 前記イソシアナート成分が、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリレンジイソシアナート、及びジフェニルメタンジイソシアナートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項3に記載のポリチオウレタン樹脂の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法により得られる化合物を含むチオール成分と、イソシアナート成分とを含む重合性組成物を成形型内で硬化させることを含む眼鏡レンズの製造方法。
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