JP2022156322A - 遊星ローラ式動力伝達装置 - Google Patents
遊星ローラ式動力伝達装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022156322A JP2022156322A JP2021059938A JP2021059938A JP2022156322A JP 2022156322 A JP2022156322 A JP 2022156322A JP 2021059938 A JP2021059938 A JP 2021059938A JP 2021059938 A JP2021059938 A JP 2021059938A JP 2022156322 A JP2022156322 A JP 2022156322A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- axial direction
- ball
- sun shaft
- shaft
- face
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 title claims abstract description 40
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims description 31
- 238000004904 shortening Methods 0.000 abstract description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 abstract 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 31
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 30
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 12
- 239000010687 lubricating oil Substances 0.000 description 9
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 7
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 7
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 5
- 229910000746 Structural steel Inorganic materials 0.000 description 4
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 3
- 239000004519 grease Substances 0.000 description 3
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 2
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 2
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 2
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 230000007774 longterm Effects 0.000 description 2
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 2
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000008859 change Effects 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Friction Gearing (AREA)
Abstract
【課題】装置寿命の低下を抑制することができる技術を提供する。【解決手段】動力伝達装置1は、第1固定輪8と、第1固定輪8の径方向内方側に中心線C上に配置された第1太陽軸10と、第1固定輪8と第1太陽軸10との間に介在する複数の第1遊星ローラ12と、複数の第1遊星ローラ12を回転自在に支持するとともに複数の第1遊星ローラ12の公転に応じて回転する環状の第1キャリア14と、中心線C上に配置され、第1太陽軸10の軸方向一方側の端面10bと、第1キャリア14の中心孔14aに固定された第2太陽軸30の端面30bとの間に介在する第1ボール42と、を備える。第1太陽軸10の軸方向一方側の端面10bは、基部54と、基部54から軸方向一方側に突出する突出部56と、を有する。突出部56の中心線Cに直交する断面は、第1ボール42の直径よりも小さい、中心線Cを中心とする円形である。【選択図】 図3
Description
本発明は、遊星ローラ式動力伝達装置に関する。
特許文献1には、遊星ローラ式動力伝達装置が開示されている。この遊星ローラ式動力伝達装置は、二段減速遊星機構であり、第1遊星ローラ式トラクションドライブと、第2遊星ローラ式トラクションドライブとを備える。
第1遊星ローラ式トラクションドライブ(以下、第1減速機構ともいう)は、第1固定輪と、第1固定輪の中心軸上に配置されるとともにモータ軸に接続された第1太陽軸と、第1固定輪と第1太陽軸との間に介在する複数の第1遊星ローラと、複数の第1遊星ローラを回転可能に支持する環状の第1キャリアとを備える。
また、第2遊星ローラ式トラクションドライブ(以下、第2減速機構ともいう)は、第2固定輪と、第2固定輪の中心軸上に配置された第2太陽軸と、第2固定輪と第2太陽軸との間に介在する複数の第2遊星ローラと、複数の第2遊星ローラを回転可能に支持する環状の第2キャリアとを備える。
第2減速機構の第2太陽軸は、第1減速機構の第1キャリアの中心孔に固定されている。また、第2キャリアの中心孔には、出力軸が固定されている。
また、第2遊星ローラ式トラクションドライブ(以下、第2減速機構ともいう)は、第2固定輪と、第2固定輪の中心軸上に配置された第2太陽軸と、第2固定輪と第2太陽軸との間に介在する複数の第2遊星ローラと、複数の第2遊星ローラを回転可能に支持する環状の第2キャリアとを備える。
第2減速機構の第2太陽軸は、第1減速機構の第1キャリアの中心孔に固定されている。また、第2キャリアの中心孔には、出力軸が固定されている。
この遊星ローラ式動力伝達装置は、第1減速機構及び第2減速機構によって、モータ軸から伝達される回転を段階的に減速して出力軸から出力する。
よって、第1太陽軸の回転速度、第2太陽軸の回転速度、及び出力軸の回転速度は互いに異なる。
ここで、第1太陽軸、第2太陽軸、及び出力軸は、同一の中心軸上に並べて配置されている。また、各軸には、各遊星ローラのスキューによりスラスト力が作用することがある。
このため、第1太陽軸と第2太陽軸との間、及び第2太陽軸と出力軸との間には、それぞれボールが配置されている。
これらボールは、各軸間に介在することでスラスト力を負担しつつ、第1太陽軸と第2太陽軸との間、及び第2太陽軸と出力軸との間で軸端同士を離間させ、相互に回転力が伝達するのを防止している。
よって、第1太陽軸の回転速度、第2太陽軸の回転速度、及び出力軸の回転速度は互いに異なる。
ここで、第1太陽軸、第2太陽軸、及び出力軸は、同一の中心軸上に並べて配置されている。また、各軸には、各遊星ローラのスキューによりスラスト力が作用することがある。
このため、第1太陽軸と第2太陽軸との間、及び第2太陽軸と出力軸との間には、それぞれボールが配置されている。
これらボールは、各軸間に介在することでスラスト力を負担しつつ、第1太陽軸と第2太陽軸との間、及び第2太陽軸と出力軸との間で軸端同士を離間させ、相互に回転力が伝達するのを防止している。
図6は、上記従来の遊星ローラ式動力伝達装置の第1太陽軸及び第2太陽軸の一部分を示す断面図であり、図6(a)は、使用初期の状態を示す断面図、図6(b)は、長期間使用した後の状態の一例を示す断面図である。
第1太陽軸100と第2太陽軸102との間に介在するボール104は、第2太陽軸102の端面102aに設けられたセンタ穴103に保持される。センタ穴に保持されたボールは、端面102aから突出しており、第1太陽軸100の端面100aに摺接する。
第1太陽軸100と第2太陽軸102との間に介在するボール104は、第2太陽軸102の端面102aに設けられたセンタ穴103に保持される。センタ穴に保持されたボールは、端面102aから突出しており、第1太陽軸100の端面100aに摺接する。
図6(a)に示すように、遊星ローラ式動力伝達装置の使用初期においては、第1太陽軸100の端面100aは摩耗が進んでおらず比較的平坦であるため、端面100aにおける摩耗面106の直径は、極めて小さい。
しかし、遊星ローラ式動力伝達装置を長期に亘って使用すると、図6(b)に示すように、ボール104の摺接によって生じる端面100aの摩耗が進行し、摩耗面106の凹みが深くなるとともに摩耗面106の直径も大きくなる。すると、摩耗面106の径方向外側部分106aと、ボール104との間の滑り速度が使用初期と比較して大きくなり、ボール104と第1太陽軸100との間の摩耗が急激に進行することがある。
ボールと太陽軸との間の摩耗の急激な進行は、ボールを介在する両軸同士の接触を招くおそれがあり、装置寿命の低下に繋がる。
ボールと太陽軸との間の摩耗の急激な進行は、ボールを介在する両軸同士の接触を招くおそれがあり、装置寿命の低下に繋がる。
本開示に係る遊星ローラ式動力伝達装置は、固定輪と、前記固定輪の径方向内方側に前記固定輪の中心軸上に配置された太陽軸と、前記固定輪と前記太陽軸との間に介在する複数の遊星ローラと、前記複数の遊星ローラを回転自在に支持するとともに前記複数の遊星ローラの公転に応じて回転する環状のキャリアと、前記中心軸上に配置され、前記太陽軸の軸方向一方側の端面と、前記キャリアの中心孔に固定された回転軸の軸方向他方側の端面との間に介在するボールと、を備え、前記太陽軸の軸方向一方側の端面は、基部と、前記基部から軸方向一方側に突出する突出部と、を有し、前記突出部の前記中心軸に直交する断面が、前記ボールの直径よりも小さい、前記中心軸を中心とする円形である。
本開示によれば、装置寿命の低下を抑制することができる。
最初に実施形態の内容を列記して説明する。
[実施形態の概要]
(1)実施形態である遊星ローラ式動力伝達装置は、固定輪と、前記固定輪の径方向内方側に前記固定輪の中心軸上に配置された太陽軸と、前記固定輪と前記太陽軸との間に介在する複数の遊星ローラと、前記複数の遊星ローラを回転自在に支持するとともに前記複数の遊星ローラの公転に応じて回転する環状のキャリアと、前記中心軸上に配置され、前記太陽軸の軸方向一方側の端面と、前記キャリアの中心孔に固定された回転軸の軸方向他方側の端面との間に介在するボールと、を備え、前記太陽軸の軸方向一方側の端面は、基部と、前記基部から軸方向一方側に突出する突出部と、を有し、前記突出部の前記中心軸に直交する断面が、前記ボールの直径よりも小さい、前記中心軸を中心とする円形である。
[実施形態の概要]
(1)実施形態である遊星ローラ式動力伝達装置は、固定輪と、前記固定輪の径方向内方側に前記固定輪の中心軸上に配置された太陽軸と、前記固定輪と前記太陽軸との間に介在する複数の遊星ローラと、前記複数の遊星ローラを回転自在に支持するとともに前記複数の遊星ローラの公転に応じて回転する環状のキャリアと、前記中心軸上に配置され、前記太陽軸の軸方向一方側の端面と、前記キャリアの中心孔に固定された回転軸の軸方向他方側の端面との間に介在するボールと、を備え、前記太陽軸の軸方向一方側の端面は、基部と、前記基部から軸方向一方側に突出する突出部と、を有し、前記突出部の前記中心軸に直交する断面が、前記ボールの直径よりも小さい、前記中心軸を中心とする円形である。
上記構成によれば、ボールは、断面がボールの直径よりも小さい円形である突出部の先端に摺接する。よって、ボールが突出部の先端に摺接して突出部に摩耗が生じたとしても、突出部の径方向の断面が前記ボールの直径よりも小さく、突出部の摩耗が進行したとしても、突出部の摩耗面の直径が突出部の直径以上になることがない。これにより、突出部における摩耗面の径方向外側部分とボールとの間の滑り速度が一定以上に大きくなるのを抑制でき、ボールと太陽軸との間の摩耗の急激な進行を抑制することができる。
この結果、装置寿命の低下を抑制することができる。
この結果、装置寿命の低下を抑制することができる。
(2)上記遊星ローラ式動力伝達装置において、前記突出部は円筒状であることが好ましい。
この場合、突出部の摩耗が進行したとしても、摩耗面の直径が一定に維持される。これにより、突出部における摩耗面の径方向外側部分とボールとの間の滑り速度が大きくなるのを効果的に抑制することができる。
この場合、突出部の摩耗が進行したとしても、摩耗面の直径が一定に維持される。これにより、突出部における摩耗面の径方向外側部分とボールとの間の滑り速度が大きくなるのを効果的に抑制することができる。
(3)上記遊星ローラ式動力伝達装置において、前記端面は、前記基部の外周側に設けられ前記基部よりも軸方向一方側に突出する環状突起を有することが好ましい。
この場合、突出部と、環状突起との間の環状空間にグリース等の潤滑油を保持させることができ、ボールと突出部との接触部を環状空間に保持された潤滑油によって潤滑することができる上に、ボールと突出部との間の摩耗粉を環状空間内の潤滑油によって捕捉することができる。この結果、ボールと太陽軸との間の摩耗の進行をより効果的に抑制することができ、装置寿命の低下を効果的に抑制することができる。
この場合、突出部と、環状突起との間の環状空間にグリース等の潤滑油を保持させることができ、ボールと突出部との接触部を環状空間に保持された潤滑油によって潤滑することができる上に、ボールと突出部との間の摩耗粉を環状空間内の潤滑油によって捕捉することができる。この結果、ボールと太陽軸との間の摩耗の進行をより効果的に抑制することができ、装置寿命の低下を効果的に抑制することができる。
(4)上記遊星ローラ式動力伝達装置において、前記固定輪の軸方向一方側に配置されるとともに、径方向内方側に前記回転軸が配置された他の固定輪と、前記他の固定輪と前記回転軸との間に介在する複数の他の遊星ローラと、前記複数の他の遊星ローラを回転自在に支持するとともに前記複数の他の遊星ローラの公転に応じて回転する環状の他のキャリアと、をさらに備え、前記中心軸上に配置され、前記回転軸の軸方向一方側の端面と、前記他のキャリアの中心孔に固定された他の回転軸の軸方向他方側の端面との間に介在する他のボールと、をさらに備え、前記回転軸の軸方向一方側の端面は、他の基部と、前記他の基部から軸方向一方側に突出する他の突出部と、を有し、前記他の突出部の前記中心軸に直交する断面が、前記他のボールの直径よりも小さい、前記中心軸を中心とする円形であってもよい。
この場合においても、ボールと太陽軸との間の摩耗の急激な進行を抑制することができ、装置寿命の低下を抑制することができる。
この場合においても、ボールと太陽軸との間の摩耗の急激な進行を抑制することができ、装置寿命の低下を抑制することができる。
[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔全体構成について〕
図1は、本実施形態に係る遊星ローラ式動力伝達装置の断面図であり、図2は、図1中、II-II線矢視断面図である。
この遊星ローラ式動力伝達装置1は、モータ軸Mに取り付けられており、モータ軸Mにから伝達される回転を減速して出力する。以下、遊星ローラ式動力伝達装置1を単に動力伝達装置1ともいう。
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔全体構成について〕
図1は、本実施形態に係る遊星ローラ式動力伝達装置の断面図であり、図2は、図1中、II-II線矢視断面図である。
この遊星ローラ式動力伝達装置1は、モータ軸Mに取り付けられており、モータ軸Mにから伝達される回転を減速して出力する。以下、遊星ローラ式動力伝達装置1を単に動力伝達装置1ともいう。
動力伝達装置1は、ハウジング2と、第1減速機構4と、第2減速機構6とを備えている。
ハウジング2は、アルミニウム合金等の金属製であり、ハウジング本体2aと、蓋体2bとを備えている。ハウジング本体2aは一方が開口する有底円筒形状に形成されている。蓋体2bは、複数のボルト2cによってハウジング本体2aに固定され、開口を塞いでいる。
ハウジング2は、アルミニウム合金等の金属製であり、ハウジング本体2aと、蓋体2bとを備えている。ハウジング本体2aは一方が開口する有底円筒形状に形成されている。蓋体2bは、複数のボルト2cによってハウジング本体2aに固定され、開口を塞いでいる。
第1減速機構4及び第2減速機構6は、ハウジング2内に収容されている。
本実施形態の動力伝達装置1は、モータ軸Mからの回転を第1減速機構4及び第2減速機構6によって2段階で減速するように構成されている。
本実施形態の動力伝達装置1は、モータ軸Mからの回転を第1減速機構4及び第2減速機構6によって2段階で減速するように構成されている。
〔第1減速機構について〕
第1減速機構4は、第1固定輪8と、第1太陽軸10と、複数の第1遊星ローラ12と、第1キャリア14とを備える。
第1太陽軸10は、モータ軸Mにカップリング15を介して接続されている。つまり、第1太陽軸10は、モータ軸Mからの回転が入力される入力軸である。
第1太陽軸10の中心線は、動力伝達装置1の中心線Cと一致する。
本実施形態において、中心線Cに沿った方向及び中心線Cに平行な方向を「軸方向」と定義する。また、図1において、出力軸16が設けられている側(図1中、紙面左側)を「軸方向一方側」と定義し、図1において第1太陽軸10が設けられモータ軸Mが接続される側(図1中、紙面右側)を「軸方向他方側」と定義する。
さらに、中心線Cに直交する方向を「径方向」と定義し、中心線Cを中心とする円に沿う方向を「周方向」と定義する。
第1減速機構4は、第1固定輪8と、第1太陽軸10と、複数の第1遊星ローラ12と、第1キャリア14とを備える。
第1太陽軸10は、モータ軸Mにカップリング15を介して接続されている。つまり、第1太陽軸10は、モータ軸Mからの回転が入力される入力軸である。
第1太陽軸10の中心線は、動力伝達装置1の中心線Cと一致する。
本実施形態において、中心線Cに沿った方向及び中心線Cに平行な方向を「軸方向」と定義する。また、図1において、出力軸16が設けられている側(図1中、紙面左側)を「軸方向一方側」と定義し、図1において第1太陽軸10が設けられモータ軸Mが接続される側(図1中、紙面右側)を「軸方向他方側」と定義する。
さらに、中心線Cに直交する方向を「径方向」と定義し、中心線Cを中心とする円に沿う方向を「周方向」と定義する。
第1固定輪8は、ハウジング2の内周面2dに固定されている。第1固定輪8は円環状の部材であり、機械構造用鋼等を用いて形成される。第1固定輪8の中心軸は中心線Cと一致する。第1固定輪8は、複数の第1遊星ローラ12が転がり接触する内周面8aを有する。
第1太陽軸10は、機械構造用鋼等を用いて形成された部材であり、中心線C上に配置される。
第1太陽軸10は、その外周側に複数の第1遊星ローラ12が転がり接触する円筒面10aを有する。
第1太陽軸10は、機械構造用鋼等を用いて形成された部材であり、中心線C上に配置される。
第1太陽軸10は、その外周側に複数の第1遊星ローラ12が転がり接触する円筒面10aを有する。
第1キャリア14は、第1太陽軸10の軸方向一方側に配置されている。
第1キャリア14は、中心線Cを中心とする環状であり、機械構造用鋼等を用いて形成された部材である。第1キャリア14の中心孔14aには、後に説明する第2減速機構6の第2太陽軸30が圧入固定されている。これにより、第1キャリア14と、第2太陽軸30とは、一体回転可能である。
第1キャリア14は、中心線Cを中心とする環状であり、機械構造用鋼等を用いて形成された部材である。第1キャリア14の中心孔14aには、後に説明する第2減速機構6の第2太陽軸30が圧入固定されている。これにより、第1キャリア14と、第2太陽軸30とは、一体回転可能である。
第1キャリア14には複数の第1駆動ピン18が設けられている。複数の第1駆動ピン18は、第1キャリア14の軸方向他方側の端面14bから軸方向他方側へ突出している。本実施形態では、第1遊星ローラ12を3つ備えており、第1駆動ピン18は、第1遊星ローラ12に対応して3つ設けられている。
3つの第1駆動ピン18は、機械構造用鋼等を用いて形成された棒状の部材である。第1駆動ピン18の軸方向一方側の端部18aは、第1キャリア14に設けられた孔14cに差し込まれて圧入固定されている。
第1駆動ピン18の軸方向他方側の端部18bには、第1遊星ローラ12が設けられている。第1駆動ピン18の端部18bと第1遊星ローラ12との間には、一対の転がり軸受20が介在している。これにより、3つの第1駆動ピン18は、3つの第1遊星ローラ12を回転可能に支持する。
3つの第1駆動ピン18は、機械構造用鋼等を用いて形成された棒状の部材である。第1駆動ピン18の軸方向一方側の端部18aは、第1キャリア14に設けられた孔14cに差し込まれて圧入固定されている。
第1駆動ピン18の軸方向他方側の端部18bには、第1遊星ローラ12が設けられている。第1駆動ピン18の端部18bと第1遊星ローラ12との間には、一対の転がり軸受20が介在している。これにより、3つの第1駆動ピン18は、3つの第1遊星ローラ12を回転可能に支持する。
3つの第1遊星ローラ12は、第1固定輪8と第1太陽軸10との間に介在している。図2に示すように、3つの第1遊星ローラ12は、周方向に沿って等間隔に配置されている。3つの第1駆動ピン18は、3つの第1遊星ローラ12の配置に対応して、周方向に沿って等間隔となるように第1キャリア14に固定されている。
3つの第1遊星ローラ12は、第1太陽軸10の回りを周回する。つまり、3つの第1遊星ローラ12は、自転しながら第1太陽軸10の回りを公転する。
また、3つの第1遊星ローラ12は、第1固定輪8の内周面8aと、第1太陽軸10の円筒面10aとの間に所定の締め代をもって挟まれている。よって、3つの第1遊星ローラ12の外周面12aと内周面8aとは圧接している。同様に、3つの第1遊星ローラ12の外周面12aと、円筒面10aとは圧接している。
また、3つの第1遊星ローラ12は、第1固定輪8の内周面8aと、第1太陽軸10の円筒面10aとの間に所定の締め代をもって挟まれている。よって、3つの第1遊星ローラ12の外周面12aと内周面8aとは圧接している。同様に、3つの第1遊星ローラ12の外周面12aと、円筒面10aとは圧接している。
ここで、第1太陽軸10が回転すると、第1太陽軸10に接触(圧接)している3つの第1遊星ローラ12が転走し第1駆動ピン18を中心に回転する。3つの第1遊星ローラ12が第1駆動ピン18を中心に回転すると、3つの第1遊星ローラ12は、第1固定輪8の内周面8aを走行し、第1太陽軸10の回りを公転する。
3つの第1遊星ローラ12が第1太陽軸10の回りを(中心線Cの回りを)公転すると、3つの第1遊星ローラ12を支持する第1キャリア14及び第2太陽軸30は中心線Cを中心に回転する。これにより、第1減速機構4は、第1太陽軸10に伝達された回転を減速し、第2太陽軸30から出力する。
〔第2減速機構について〕
第2減速機構6は、第2固定輪28と、第2太陽軸30と、複数の第2遊星ローラ32と、第2キャリア34とを備える。第2減速機構6の構成は、第1減速機構4の構成と同様の構成を有している。
第2太陽軸30は、上述のように、第1減速機構4の第1キャリア14の中心孔14aに圧入固定されている。よって、第2太陽軸30には、第1減速機構4からの回転が伝達される。
第2減速機構6は、第2固定輪28と、第2太陽軸30と、複数の第2遊星ローラ32と、第2キャリア34とを備える。第2減速機構6の構成は、第1減速機構4の構成と同様の構成を有している。
第2太陽軸30は、上述のように、第1減速機構4の第1キャリア14の中心孔14aに圧入固定されている。よって、第2太陽軸30には、第1減速機構4からの回転が伝達される。
第2固定輪28は、ハウジング2の内周面2dに固定されている。第2固定輪28は円環状の部材であり、機械構造用鋼等を用いて形成される。第2固定輪28の中心軸は中心線Cと一致する。第2固定輪28は、複数の第2遊星ローラ32が転がり接触する内周面28aを有する。
第2太陽軸30は、機械構造用鋼等を用いて形成された部材であり、第1太陽軸10の軸方向一方側に配置されている。第2太陽軸30の中心線は中心線Cと一致する。
第2太陽軸30は、その外周側に複数の第2遊星ローラ32が転がり接触する円筒面30aを有する。
第2太陽軸30は、機械構造用鋼等を用いて形成された部材であり、第1太陽軸10の軸方向一方側に配置されている。第2太陽軸30の中心線は中心線Cと一致する。
第2太陽軸30は、その外周側に複数の第2遊星ローラ32が転がり接触する円筒面30aを有する。
第2キャリア34は、第2太陽軸30の軸方向一方側に配置されている。
第2キャリア34は、中心線Cを中心とする環状であり、機械構造用鋼等を用いて形成された部材である。第2キャリア34の中心孔34aには、出力軸16が圧入固定されている。これにより、第2キャリア34と、出力軸16とは、一体回転可能である。
第2キャリア34は、中心線Cを中心とする環状であり、機械構造用鋼等を用いて形成された部材である。第2キャリア34の中心孔34aには、出力軸16が圧入固定されている。これにより、第2キャリア34と、出力軸16とは、一体回転可能である。
出力軸16は、機械構造用鋼等を用いて形成された部材であり、第2太陽軸30の軸方向一方側に配置されている。出力軸16の中心線は中心線Cと一致する。つまり、第1太陽軸10、第2太陽軸30、及び出力軸16は、中心線C上に並べて配置されている。
出力軸16は、ハウジング2の開口2a1を通過するように設けられている。
出力軸16は、ハウジング2の開口2a1を通過するように設けられている。
出力軸16の軸方向一方側の端部16aは、ハウジング2の外部に位置し、出力軸16の軸方向他方側の端部16bは、ハウジング2の内部に位置する。出力軸16は、開口2a1に設けられた転がり軸受36によりハウジング2に対して回転自在に支持されている。
第2キャリア34には複数の第2駆動ピン38が設けられている。複数の第2駆動ピン38は、第2キャリア34の軸方向他方側の端面34bから軸方向他方側へ突出している。本実施形態では、第2遊星ローラ32を3つ備えており、第2駆動ピン38は、第2遊星ローラ32に対応して3つ設けられている。
3つの第2駆動ピン38は、機械構造用鋼等を用いて形成された棒状の部材である。第2駆動ピン38の軸方向一方側の端部38aは、第2キャリア34に設けられた孔34cに差し込まれて圧入固定されている。
第2駆動ピン38の軸方向他方側の端部38bには、第2遊星ローラ32が設けられている。第2駆動ピン38の端部38bと第2遊星ローラ32との間には、一対の転がり軸受40が介在している。これにより、3つの第2駆動ピン38は、3つの第2遊星ローラ32を回転可能に支持する。
3つの第2駆動ピン38は、機械構造用鋼等を用いて形成された棒状の部材である。第2駆動ピン38の軸方向一方側の端部38aは、第2キャリア34に設けられた孔34cに差し込まれて圧入固定されている。
第2駆動ピン38の軸方向他方側の端部38bには、第2遊星ローラ32が設けられている。第2駆動ピン38の端部38bと第2遊星ローラ32との間には、一対の転がり軸受40が介在している。これにより、3つの第2駆動ピン38は、3つの第2遊星ローラ32を回転可能に支持する。
3つの第2遊星ローラ32は、第2固定輪28と第2太陽軸30との間に介在している。3つの第2遊星ローラ32は、周方向に沿って等間隔に配置されている。3つの第2駆動ピン38は、3つの第2遊星ローラ32の配置に対応して、周方向に沿って等間隔となるように第2キャリア34に固定されている。
3つの第2遊星ローラ32は、第2太陽軸30の回りを周回する。つまり、3つの第2遊星ローラ32は、自転しながら第2太陽軸30の回りを公転する。
また、3つの第2遊星ローラ32は、第2固定輪28の内周面28aと、第2太陽軸30の円筒面30aとの間に所定の締め代をもって挟まれている。よって、3つの第2遊星ローラ32の外周面32aと内周面28aとは圧接している。同様に、3つの第2遊星ローラ32の外周面32aと、円筒面30aとは圧接している。
また、3つの第2遊星ローラ32は、第2固定輪28の内周面28aと、第2太陽軸30の円筒面30aとの間に所定の締め代をもって挟まれている。よって、3つの第2遊星ローラ32の外周面32aと内周面28aとは圧接している。同様に、3つの第2遊星ローラ32の外周面32aと、円筒面30aとは圧接している。
ここで、第2太陽軸30が回転すると、第2太陽軸30に接触(圧接)している3つの第2遊星ローラ32が転走し第2駆動ピン38を中心に回転する。3つの第2遊星ローラ32が第2駆動ピン38を中心に回転すると、3つの第2遊星ローラ32は、第2固定輪28の内周面28aを走行し、第2太陽軸30の回りを公転する。
3つの第2遊星ローラ32が第2太陽軸30の回りを(中心線Cの回りを)公転すると、3つの第2遊星ローラ32を支持する第2キャリア34及び出力軸16は中心線Cを中心に回転する。これにより、第2減速機構6は、第2太陽軸30に伝達された回転を減速し、出力軸16から出力する。
以上のように、本実施形態の動力伝達装置1は、モータ軸Mから伝達される回転を第1減速機構4及び第2減速機構6によって2段階で減速し、出力軸16から出力する。
以上のように、本実施形態の動力伝達装置1は、モータ軸Mから伝達される回転を第1減速機構4及び第2減速機構6によって2段階で減速し、出力軸16から出力する。
ここで、互いに回転速度が異なる第1太陽軸10、第2太陽軸30、及び出力軸16は、中心線C上に並べて配置されている。
第1太陽軸10と、第2太陽軸30との間には、第1ボール42が配置されている。
また、第2太陽軸30と、出力軸16との間には、第2ボール44が配置されている。
第1太陽軸10と、第2太陽軸30との間には、第1ボール42が配置されている。
また、第2太陽軸30と、出力軸16との間には、第2ボール44が配置されている。
〔第1ボール42及び第2ボール44について〕
図3は、図1中、第1太陽軸10、第2太陽軸30、及び出力軸16の部分の要部拡大図である。
図3に示すように、第1ボール42は、第1太陽軸10の軸方向一方側の端面10bと、第2太陽軸30の軸方向他方側の端面30bとの間に介在している。
第2太陽軸30の端面30bは、外縁部50と、センタ孔52とを有する。センタ孔52は、中心線C上に設けられており、内周面52aが軸方向一方に向かうにつれて小径となるテーパ面である。
第1ボール42は、セラミックスや軸受鋼等により形成された球状の部材である。第1ボール42は、内周面52aに接触した状態でセンタ孔52内に配置されている。よって、第1ボール42は、中心線C上に配置される。
図3は、図1中、第1太陽軸10、第2太陽軸30、及び出力軸16の部分の要部拡大図である。
図3に示すように、第1ボール42は、第1太陽軸10の軸方向一方側の端面10bと、第2太陽軸30の軸方向他方側の端面30bとの間に介在している。
第2太陽軸30の端面30bは、外縁部50と、センタ孔52とを有する。センタ孔52は、中心線C上に設けられており、内周面52aが軸方向一方に向かうにつれて小径となるテーパ面である。
第1ボール42は、セラミックスや軸受鋼等により形成された球状の部材である。第1ボール42は、内周面52aに接触した状態でセンタ孔52内に配置されている。よって、第1ボール42は、中心線C上に配置される。
第1ボール42は、センタ孔52内に配置された状態で、外縁部50よりも軸方向他方側へ突出している。また、第1ボール42は、第1太陽軸10の端面10bに接触している。よって、第1太陽軸10の端面10bと、第2太陽軸30の端面30bとは、第1ボール42を介して離間している。
これにより、第1ボール42は、第1太陽軸10と、第2太陽軸30との間のスラスト力を負担しつつ、第1太陽軸10と、第2太陽軸30との間で回転力が伝達するのを防止している。
これにより、第1ボール42は、第1太陽軸10と、第2太陽軸30との間のスラスト力を負担しつつ、第1太陽軸10と、第2太陽軸30との間で回転力が伝達するのを防止している。
端面30bに対向する第1太陽軸10の端面10bは、基部54と、基部54から軸方向一方側に突出する突出部56とを有する。
図4は、第1太陽軸10の端面10bの一部を示す斜視図である。
図3及び図4に示すように、突出部56は、中心線Cを中心とする円筒状に設けられている。よって、第1ボール42は、突出部56の先端面56aに接触している。
基部54は、環状平面であり、先端面56aよりも軸方向他方側へ凹んでいる。
突出部56の直径は、第1ボール42の直径よりも小さい。
図4は、第1太陽軸10の端面10bの一部を示す斜視図である。
図3及び図4に示すように、突出部56は、中心線Cを中心とする円筒状に設けられている。よって、第1ボール42は、突出部56の先端面56aに接触している。
基部54は、環状平面であり、先端面56aよりも軸方向他方側へ凹んでいる。
突出部56の直径は、第1ボール42の直径よりも小さい。
例えば、第1ボール42の直径が3mmである場合、突出部56の直径を0.5mmとすることができる。また、突出部56の基部54に対する突出長さは、未摩耗の突出部56と第1ボール42とが接触したときの第2太陽軸30の端面30bと、第1太陽軸10の端面10bとの間の隙間寸法以上の寸法に設定される。
また、第1太陽軸10の端面10bは、基部54の外周側に設けられた環状突起58をさらに有する。環状突起58は、突出部56と同じ寸法で基部54から突出している。よって、環状突起58の先端面58aの軸方向の位置と、突出部56の先端面56aの軸方向の位置とは、ほぼ同じである。
突出部56、環状突起58及び基部54は、突出部56を中心とした環状空間S1を画定している。この環状空間S1には、グリース等の潤滑油を保持させることができる。これにより、第1ボール42と突出部56との接触部を環状空間S1に保持された潤滑油によって潤滑することができる。さらに、第1ボール42と突出部56との間の摩耗粉を環状空間S1内の潤滑油によって捕捉することもできる。
上記構成によれば、第1ボール42は、径方向の断面が第1ボール42の直径よりも小さい円形である円筒状の突出部56の先端面56aに摺接する。よって、第1ボール42が突出部56の先端面56aに摺接して突出部56に摩耗が生じたとしても、突出部56の径方向の断面が第1ボール42の直径よりも小さく、突出部56の摩耗が進行したとしても、突出部56の摩耗面の直径が突出部56の直径以上になることがない。これにより、突出部56における摩耗面の径方向外側部分とボールとの間の滑り速度が一定以上に大きくなるのを抑制でき、第1ボール42と第1太陽軸10との間の摩耗の急激な進行を抑制することができる。この結果、第1太陽軸10の端面10bと第2太陽軸30の端面30bとが早期に接触してしまうのを抑制でき、装置寿命の低下を抑制することができる。
また、例えば、第1ボール42に代えて、第1太陽軸10及び第2太陽軸30のスラスト力を負担する転がり軸受を設けることが考えられるが、装置サイズの大型化を招くことになり、好ましくない。
この点、本実施形態の動力伝達装置1では、第1太陽軸10及び第2太陽軸30のスラスト力を負担する転がり軸受を設ける必要がなく、装置サイズの大型化を抑制しつつ、装置寿命の低下を抑制することができる。
この点、本実施形態の動力伝達装置1では、第1太陽軸10及び第2太陽軸30のスラスト力を負担する転がり軸受を設ける必要がなく、装置サイズの大型化を抑制しつつ、装置寿命の低下を抑制することができる。
図5は、本実施形態の動力伝達装置1を用いて試験運転を行い、摩耗量を測定したときの試験結果の一例を示す図である。
図5中、横軸は運転時間、縦軸は摩耗量であり、第1太陽軸10の端面10bと、第2太陽軸30の端面30bとの間隔の減少量(減少長さ)を摩耗量として示している。
また、図5中、実線が実施例品である本実施形態の動力伝達装置1の摩耗量を示す。破線は、比較例品である動力伝達装置の摩耗量を示す。比較例品としては、本実施形態の動力伝達装置1の第1太陽軸10の端面10bを平面とし、基部54及び突出部56を有さない動力伝達装置を用いた。
図5中、横軸は運転時間、縦軸は摩耗量であり、第1太陽軸10の端面10bと、第2太陽軸30の端面30bとの間隔の減少量(減少長さ)を摩耗量として示している。
また、図5中、実線が実施例品である本実施形態の動力伝達装置1の摩耗量を示す。破線は、比較例品である動力伝達装置の摩耗量を示す。比較例品としては、本実施形態の動力伝達装置1の第1太陽軸10の端面10bを平面とし、基部54及び突出部56を有さない動力伝達装置を用いた。
比較例品の場合、運転時間Tまでは、運転時間にほぼ比例して摩耗量が増えていくが、運転時間Tを超えると、グラフの傾きが大きく変化し、摩耗が急激に進行しているのが判る。
滑り摩耗においては、摩耗面の面圧に加えて滑り速度が摩耗の度合いに影響を与えることが知られている。摩耗面の直径が大きくなれば、摩耗面の径方向外側部分と、第1ボールとの間の滑り速度が使用初期と比較して大きくなる。運転時間Tを超えると、第1太陽軸の端面の摩耗面と、第1ボールとの間の滑り速度が大きく増加し、この滑り速度の増加が、摩耗の急激な進行の一因になっていることが考えられる。
滑り摩耗においては、摩耗面の面圧に加えて滑り速度が摩耗の度合いに影響を与えることが知られている。摩耗面の直径が大きくなれば、摩耗面の径方向外側部分と、第1ボールとの間の滑り速度が使用初期と比較して大きくなる。運転時間Tを超えると、第1太陽軸の端面の摩耗面と、第1ボールとの間の滑り速度が大きく増加し、この滑り速度の増加が、摩耗の急激な進行の一因になっていることが考えられる。
これに対して、実施例品では、運転時間Tを超えた後もグラフの傾きに大きな変化は現れない。
実施例品では、上述のように、突出部56の摩耗が進行したとしても、突出部56の摩耗面の直径が突出部56の直径以上になることがない。これにより、突出部56における摩耗面の径方向外側部分と第1ボール42との間の滑り速度が一定以上に大きくなるのが抑制され、第1ボール42と第1太陽軸10との間の摩耗の急激な進行が抑制されている。
このように、本実施形態によれば、第1ボール42と第1太陽軸10との間の摩耗の急激な進行を抑制でき、装置寿命の低下を抑制することができることが明らかである。
実施例品では、上述のように、突出部56の摩耗が進行したとしても、突出部56の摩耗面の直径が突出部56の直径以上になることがない。これにより、突出部56における摩耗面の径方向外側部分と第1ボール42との間の滑り速度が一定以上に大きくなるのが抑制され、第1ボール42と第1太陽軸10との間の摩耗の急激な進行が抑制されている。
このように、本実施形態によれば、第1ボール42と第1太陽軸10との間の摩耗の急激な進行を抑制でき、装置寿命の低下を抑制することができることが明らかである。
また、本実施形態では、突出部56を円筒状としたので、突出部56の摩耗が進行したとしても、摩耗面の直径が一定に維持される。これにより、突出部56における摩耗面の径方向外側部分と第1ボール42との間の滑り速度が大きくなるのを効果的に抑制することができる。
図3に示すように、第2ボール44は、第2太陽軸30の軸方向一方側の端面30cと、出力軸16の軸方向他方側の端面16cとの間に介在している。
出力軸16の端面16cは、外縁部60と、センタ孔62とを有する。センタ孔62は、中心線C上に設けられており、内周面62aが軸方向一方に向かうにつれて小径となるテーパ面である。
第2ボール44は、軸受鋼やセラミックス等により形成された球状の部材である。第2ボール44は、内周面62aに接触した状態でセンタ孔62内に配置されている。よって、第2ボール44は、中心線C上に配置される。
出力軸16の端面16cは、外縁部60と、センタ孔62とを有する。センタ孔62は、中心線C上に設けられており、内周面62aが軸方向一方に向かうにつれて小径となるテーパ面である。
第2ボール44は、軸受鋼やセラミックス等により形成された球状の部材である。第2ボール44は、内周面62aに接触した状態でセンタ孔62内に配置されている。よって、第2ボール44は、中心線C上に配置される。
第2ボール44は、センタ孔62内に配置された状態で、外縁部60よりも軸方向他方側へ突出している。また、第2ボール44は、第2太陽軸30の端面30cに接触している。よって、第2太陽軸30の端面30cと、出力軸16の端面16cとは、第2ボール44を介して離間している。
これにより、第2ボール44は、、第2太陽軸30と、出力軸16の間のスラスト力を負担しつつ、第2太陽軸30と、出力軸16との間で回転力が伝達するのを防止している。
これにより、第2ボール44は、、第2太陽軸30と、出力軸16の間のスラスト力を負担しつつ、第2太陽軸30と、出力軸16との間で回転力が伝達するのを防止している。
出力軸16の端面16cに対向する第2太陽軸30の端面30cは、基部64と、基部64から軸方向一方側に突出する突出部66とを有する。
突出部66は、中心線Cを中心とする円筒状に設けられている。よって、第2ボール44は、突出部66の先端面66aに接触している。
突出部66の直径は、第2ボール44の直径よりも小さい。
突出部66は、中心線Cを中心とする円筒状に設けられている。よって、第2ボール44は、突出部66の先端面66aに接触している。
突出部66の直径は、第2ボール44の直径よりも小さい。
基部64は、環状平面であり、先端面66aよりも軸方向他方側へ凹んでいる。
また、第2太陽軸30の端面30cは、基部64の外周側に設けられた環状突起68をさらに有する。環状突起68は、突出部66と同じ寸法で基部64から突出している。よって、環状突起68の先端面68aの軸方向の位置と、突出部66の先端面66aの軸方向の位置とは、ほぼ同じである。
また、第2太陽軸30の端面30cは、基部64の外周側に設けられた環状突起68をさらに有する。環状突起68は、突出部66と同じ寸法で基部64から突出している。よって、環状突起68の先端面68aの軸方向の位置と、突出部66の先端面66aの軸方向の位置とは、ほぼ同じである。
突出部66、環状突起68及び基部64は、突出部66を中心とした環状空間S2を画定している。この環状空間S2には、環状空間S1と同様、グリース等の潤滑油を保持させることができる。これにより、第2ボール44と突出部66との接触部を環状空間S2に保持された潤滑油によって潤滑することができる。さらに、第2ボール44と突出部66との間の摩耗粉を環状空間S2内の潤滑油によって捕捉することもできる。
本実施形態では、第2太陽軸30の端面30cも、第1太陽軸10の基部54及び突出部56と同様の構成である、基部64及び突出部66を有するので、突出部66における摩耗面の径方向外側部分と第2ボール44との間の滑り速度が大きくなるのを抑制でき、第2ボール44と第2太陽軸30との間の摩耗の急激な進行を抑制することができる。
〔その他〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。
例えば、上記実施形態では、突出部56、66が円筒状である場合を例示したが、突出部56、66は、中心線Cに直交する断面が、ボール42、44の直径よりも小さい、中心線Cを中心とする円形であればよく、例えば、中心線Cを中心としかつボール42、44の直径よりも小さい円錐台形状であってもよい。
また、上記実施では、第1太陽軸10の端面10b及び第2太陽軸30の端面30cが環状突起58、68を有する場合を例示したが、第1太陽軸10の端面10b及び第2太陽軸30の端面30cは、基部54、64及び突出部56、66を有していれば、環状突起58、68を有していなくてもよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。
例えば、上記実施形態では、突出部56、66が円筒状である場合を例示したが、突出部56、66は、中心線Cに直交する断面が、ボール42、44の直径よりも小さい、中心線Cを中心とする円形であればよく、例えば、中心線Cを中心としかつボール42、44の直径よりも小さい円錐台形状であってもよい。
また、上記実施では、第1太陽軸10の端面10b及び第2太陽軸30の端面30cが環状突起58、68を有する場合を例示したが、第1太陽軸10の端面10b及び第2太陽軸30の端面30cは、基部54、64及び突出部56、66を有していれば、環状突起58、68を有していなくてもよい。
また、上記実施形態では、2つの減速機構4、6を備えた動力伝達装置1を例示したが、減速機構が一つである動力伝達装置であっても、上記実施形態の太陽軸と同様の構成とすることができる。
本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 遊星ローラ式動力伝達装置
2 ハウジング
2a ハウジング本体
2a1 開口
2b 蓋体
2c ボルト
2d 内周面
4 第1減速機構
6 第2減速機構
8 第1固定輪
8a 内周面
10 第1太陽軸
10a 円筒面
10b 端面
12 第1遊星ローラ
12a 外周面
14 第1キャリア
14a 中心孔
14b 端面
14c 孔
15 カップリング
16 出力軸
16a 端部
16b 端部
16c 端面
18 第1駆動ピン
18a 端部
18b 端部
20 転がり軸受
28 第2固定輪
28a 内周面
30 第2太陽軸
30a 円筒面
30b 端面
30c 端面
32 第2遊星ローラ
32a 外周面
34 第2キャリア
34a 中心孔
34b 端面
34c 孔
36 転がり軸受
38 第2駆動ピン
38a 端部
38b 端部
40 転がり軸受
42 第1ボール
44 第2ボール
50 外縁部
52 センタ孔
52a 内周面
54 基部
56 突出部
56a 先端面
58 環状突起
58a 先端面
60 外縁部
62 センタ孔
62a 内周面
64 基部
66 突出部
66a 先端面
68 環状突起
68a 先端面
100 第2太陽軸
100a 端面
102 出力軸
102a 端面
103 センタ穴
104 ボール
106 摩耗面
106a 径方向外側部分
C 中心線
M モータ軸
S 環状空間
S1 環状空間
S2 環状空間
T 運転時間
2 ハウジング
2a ハウジング本体
2a1 開口
2b 蓋体
2c ボルト
2d 内周面
4 第1減速機構
6 第2減速機構
8 第1固定輪
8a 内周面
10 第1太陽軸
10a 円筒面
10b 端面
12 第1遊星ローラ
12a 外周面
14 第1キャリア
14a 中心孔
14b 端面
14c 孔
15 カップリング
16 出力軸
16a 端部
16b 端部
16c 端面
18 第1駆動ピン
18a 端部
18b 端部
20 転がり軸受
28 第2固定輪
28a 内周面
30 第2太陽軸
30a 円筒面
30b 端面
30c 端面
32 第2遊星ローラ
32a 外周面
34 第2キャリア
34a 中心孔
34b 端面
34c 孔
36 転がり軸受
38 第2駆動ピン
38a 端部
38b 端部
40 転がり軸受
42 第1ボール
44 第2ボール
50 外縁部
52 センタ孔
52a 内周面
54 基部
56 突出部
56a 先端面
58 環状突起
58a 先端面
60 外縁部
62 センタ孔
62a 内周面
64 基部
66 突出部
66a 先端面
68 環状突起
68a 先端面
100 第2太陽軸
100a 端面
102 出力軸
102a 端面
103 センタ穴
104 ボール
106 摩耗面
106a 径方向外側部分
C 中心線
M モータ軸
S 環状空間
S1 環状空間
S2 環状空間
T 運転時間
Claims (4)
- 固定輪と、
前記固定輪の径方向内方側に前記固定輪の中心軸上に配置された太陽軸と、
前記固定輪と前記太陽軸との間に介在する複数の遊星ローラと、
前記複数の遊星ローラを回転自在に支持するとともに前記複数の遊星ローラの公転に応じて回転する環状のキャリアと、
前記中心軸上に配置され、前記太陽軸の軸方向一方側の端面と、前記キャリアの中心孔に固定された回転軸の軸方向他方側の端面との間に介在するボールと、を備え、
前記太陽軸の軸方向一方側の端面は、基部と、前記基部から軸方向一方側に突出する突出部と、を有し、
前記突出部の前記中心軸に直交する断面が、前記ボールの直径よりも小さい、前記中心軸を中心とする円形である
遊星ローラ式動力伝達装置。 - 前記突出部は円筒状である
請求項1に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。 - 前記端面は、前記基部の外周側に設けられ前記基部よりも軸方向一方側に突出する環状突起を有する
請求項1又は請求項2に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。 - 前記固定輪の軸方向一方側に配置されるとともに、径方向内方側に前記回転軸が配置された他の固定輪と、
前記他の固定輪と前記回転軸との間に介在する複数の他の遊星ローラと、
前記複数の他の遊星ローラを回転自在に支持するとともに前記複数の他の遊星ローラの公転に応じて回転する環状の他のキャリアと、をさらに備え、
前記中心軸上に配置され、前記回転軸の軸方向一方側の端面と、前記他のキャリアの中心孔に固定された他の回転軸の軸方向他方側の端面との間に介在する他のボールと、をさらに備え、
前記回転軸の軸方向一方側の端面は、他の基部と、前記他の基部から軸方向一方側に突出する他の突出部と、を有し、
前記他の突出部の前記中心軸に直交する断面が、前記他のボールの直径よりも小さい、前記中心軸を中心とする円形である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021059938A JP2022156322A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 遊星ローラ式動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021059938A JP2022156322A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 遊星ローラ式動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022156322A true JP2022156322A (ja) | 2022-10-14 |
Family
ID=83559170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021059938A Pending JP2022156322A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 遊星ローラ式動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022156322A (ja) |
-
2021
- 2021-03-31 JP JP2021059938A patent/JP2022156322A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5870563B2 (ja) | 転がり軸受用保持器、及び転がり軸受 | |
JP6039568B2 (ja) | 歯車伝動装置 | |
WO2015111326A1 (ja) | 歯車伝動装置 | |
CN112211901A (zh) | 一种止推式圆柱滚子轴承 | |
JP2021089058A (ja) | 回転体のスラスト受け構造 | |
TW201402969A (zh) | 齒輪傳動裝置 | |
JP2022156322A (ja) | 遊星ローラ式動力伝達装置 | |
CN108071683B (zh) | 圆锥滚子轴承及动力传递装置 | |
KR20160105879A (ko) | 기어 전동 장치 | |
US10935113B2 (en) | Multi-stage planetary roller power transmission device | |
JP2005003198A (ja) | 転がり軸受、およびそれを用いたハイブリッド自動車または燃料電池自動車用トランスミッション | |
JP7187888B2 (ja) | 遊星式動力伝達装置 | |
JP2018194099A (ja) | 遊星ローラ式動力伝達装置 | |
JP7235217B2 (ja) | 摩擦伝動式減速機 | |
JP2009168171A (ja) | ころ軸受 | |
CN205371555U (zh) | 精密减速机及其偏心轴传动机构 | |
JP2014015975A (ja) | 遊星ロ−ラ型動力伝達装置 | |
CN107035774A (zh) | 矿用设备的轮毂组件 | |
JPH11336772A (ja) | 転がり軸受 | |
US20230193955A1 (en) | Tapered roller bearing | |
JP6561554B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2021179238A (ja) | 円すいころ軸受及び転がり軸受装置 | |
JP2022079274A (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP2017053448A (ja) | ころ軸受 | |
JP5919690B2 (ja) | 車両車軸用軸受装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240209 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20240924 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20241001 |