JP2022151717A - 流体キャビネットの排気制御方法および基板処理装置 - Google Patents

流体キャビネットの排気制御方法および基板処理装置 Download PDF

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Kazunari Nada
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祥司 吉田
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Abstract

【課題】流体キャビネット内の漏液状態に応じて流体キャビネット内の雰囲気を適切に排気する。【解決手段】流体キャビネット(120)の排気制御方法は、標準排気条件で流体キャビネット(120)内の雰囲気を排気する標準排気工程と、流体キャビネット(120)内の異常を検知する異常検知工程と、異常検知工程における検知結果に基づいて、流体キャビネット(120)内の異常状態を判定する異常状態判定工程と、異常状態判定工程における判定結果に基づき、標準排気条件の排気量よりも大きい排気量に設定された強制排気条件を決定する強制排気条件決定工程と、強制排気条件決定工程において決定された強制排気条件で流体キャビネット(120)内の雰囲気を排気する強制排気工程とを包含する。【選択図】図6

Description

本発明は、流体キャビネットの排気制御方法および基板処理装置に関する。
基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の処理に好適に用いられる。典型的には、基板処理装置は、薬液等の処理液を用いて基板を処理する。
処理液を用いる場合、容器内において圧力変動等が生じると、薬液が周辺大気と触れてしまい、薬液の特性が変動することがある。このため、特定ガスを薬液キャビネットに供給することで薬液が周辺大気と触れることを抑制することが検討されている(特許文献1参照)。特許文献1には、有機汚染量を制御した有機物非含有ガスを薬液調製キャビネットに供給して薬液が周辺大気と触れることを抑制する基板洗浄装置が記載されている。特許文献1の基板洗浄装置では、濃度温度調整容器内の薬液液面上方の空間に供給された有機物非含有ガスは、濃度温度調整容器の上部に設けられた配管から排気ダクトを介して排気される。
特開2010-56209号公報
特許文献1の基板洗浄装置では、薬液調製キャビネットに薬液配管および濃度温度調整容器が配置されている。薬液配管および濃度温度調整容器を流通する薬液が薬液調製キャビネット内に漏れた場合、排気ダクトによって排気される。しかしながら、排気ダクトを流れる排気の排気量が低いと、漏れた薬液を充分に排気できない。一方で、排気ダクトの排気量を高く設定してしまうと、送風機構を高速に駆動することが必要となり、環境に過剰な負荷をかけることになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体キャビネット内の状態に応じて流体キャビネット内の雰囲気を適切に排気可能な流体キャビネットの排気制御方法および基板処理装置を提供することにある。
本発明の一局面によれば、流体キャビネットの排気制御方法は、基板処理ユニットに供給される流体が流通する流体配管が配置された流体キャビネットにより区画された空間内の雰囲気を排気する方法であって、標準排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する標準排気工程と、前記流体キャビネット内の異常を検知する異常検知工程と、前記異常検知工程における検知結果に基づいて、前記流体キャビネット内の異常状態を判定する異常状態判定工程と、前記異常状態判定工程における判定結果に基づき、前記標準排気条件の排気量よりも大きい排気量に設定された強制排気条件を決定する強制排気条件決定工程と、前記強制排気条件決定工程において決定された前記強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する強制排気工程とを包含する。
ある実施形態では、前記異常検知工程は、前記流体キャビネット内で生じた漏液を検知する漏液検知工程を含み、前記異常状態判定工程は、前記漏液検知工程における検知結果に基づいて、前記流体キャビネット内の漏液状態を判定する漏液状態判定工程を含む。
ある実施形態では、前記異常検知工程は、前記流体キャビネット内の排気圧の低下を検知する排気圧低下検知工程を含み、前記異常状態判定工程は、前記排気圧低下検知工程における検知結果に基づいて、前記流体キャビネットの排気圧の低下状態を判定する排気圧低下状態判定工程を含む。
ある実施形態では、前記強制排気工程は、前記標準排気工程から移行して、前記標準排気条件の排気量よりも大きい第1強制排気量に設定された第1強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する第1強制排気工程と、前記標準排気工程から前記第1強制排気工程に移行してから所定時間経過した後、前記流体キャビネット内において異常が検知されない場合、前記標準排気条件の排気量よりも大きく前記第1強制排気量よりも小さい第2強制排気量に設定された第2強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する第2強制排気工程とを含む。
ある実施形態では、前記標準排気工程において、前記標準排気条件は、前記流体キャビネット内の前記流体配管を流れる流体の種類または前記流体配管を流れる流体の流量に基づいて設定される。
ある実施形態では、前記強制排気工程は、前記強制排気工程において判定された前流体キャビネット内の異常状態の時間的変化に基づいて、前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するための排気条件を前記標準排気条件に戻すか否かを判定する工程を含む。
ある実施形態では、前記流体キャビネットは、第1流体筐体と、前記第1流体筐体と共通する共通排気配管に接続された第2流体筐体とを含み、前記異常検知工程において、前記第1流体筐体内の異常が検知された場合、前記強制排気工程において、前記強制排気条件で前記第1流体筐体内の雰囲気を排気する。
ある実施形態では、前記強制排気工程において、前記共通排気配管を流通する排気の排気量を増加させる。
ある実施形態では、前記異常検知工程において、前記第1流体筐体内の異常が検知された場合、前記強制排気工程において、前記共通排気配管を流通する排気の排気量を変更することなく前記第1流体筐体の排気量を増加させる。
ある実施形態では、前記異常状態判定工程は、既定の基準値と前記検知結果とを比較することによって前記異常状態を判定し、前記第1流体筐体に対応する判定における基準値である第1基準値と、前記第2流体筐体に対応する判定における基準値である第2基準値は異なる。
ある実施形態では、前記強制排気条件決定工程において、前記第1流体筐体に対応する第1筐体強制排気条件と、前記第2流体筐体に対応する第2筐体強制排気条件とを決定し、前記第1筐体強制排気条件と、前記第2筐体強制排気条件とは異なる。
ある実施形態では、前記異常検知工程において、前記流体キャビネット内の異常が検知された場合、前記強制排気工程において、前記流体キャビネットと共通する共通排気配管に接続されたダミーキャビネットの排気量を前記標準排気工程の排気量よりも低減させるとともに前記流体キャビネットの排気量を前記標準排気工程の排気量よりも増加させる。
本発明の別の局面によれば、基板処理装置は、基板を処理する基板処理ユニットと、前記基板処理ユニットに供給される流体が流通する流体配管が配置された流体キャビネットと、前記流体キャビネット内の異常を検知する異常検知部と、前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する排気部と、前記排気部を制御する制御部を備える。前記制御部は、標準排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御し、前記制御部は、前記異常検知部が前記流体キャビネット内の異常を検知した検知結果に基づいて、前記流体キャビネット内の異常状態を判定し、前記制御部は、前記異常状態の判定結果に基づき、前記標準排気条件の排気量よりも大きい排気量に設定された強制排気条件を決定し、前記制御部は、前記強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御する。
ある実施形態では、前記異常検知部は、前記流体キャビネット内の漏液を検知する漏液検知部を含む。
ある実施形態では、前記異常検知部は、前記流体キャビネット内の排気圧を検知する排気圧検知部を含む。
ある実施形態では、前記制御部は、前記標準排気条件から移行して前記標準排気条件の排気量よりも大きい第1強制排気量に設定された第1強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御し、前記標準排気条件から前記第1強制排気条件に移行してから所定時間経過した後、前記流体キャビネット内において異常が検知されない場合、前記標準排気条件の排気量よりも大きく前記第1強制排気量よりも小さい第2強制排気量に設定された第2強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御する。
ある実施形態では、前記制御部は、前記標準排気条件を、前記流体キャビネット内の前記流体配管を流れる流体の種類または前記流体配管を流れる流体の流量に基づいて設定する。
ある実施形態では、前記制御部は、前記強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する際に判定された前記流体キャビネット内の異常状態の時間的変化に基づいて、前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するための排気条件を前記標準排気条件に戻すか否かを判定する。
ある実施形態では、前記流体キャビネットは、第1流体筐体と、前記第1流体筐体と共通する共通排気配管に接続された第2流体筐体とを含み、前記制御部は、前記異常検知部が前記第1流体筐体内の異常が検知された場合、前記強制排気条件で前記第1流体筐体内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御する。
ある実施形態では、前記制御部は、強制排気条件において、前記共通排気配管を流通する排気の排気量を増加させる。
ある実施形態では、前記制御部は、前記異常検知部が前記第1流体筐体内の異常を検知した場合、前記強制排気条件において、前記共通排気配管を流通する排気の排気量を変更することなく前記第1流体筐体の排気量を増加させる。
ある実施形態では、前記制御部は、既定の基準値と、検知結果とを比較することによって前記異常状態を判定し、前記第1流体筐体に対応する判定における基準値である第1基準値と、前記第2流体筐体に対応する判定における基準値である第2基準値は異なる。
ある実施形態では、前記制御部は、前記強制排気条件として、前記第1流体筐体に対応する第1筐体強制排気条件と、前記第2流体筐体に対応する第2筐体強制排気条件とを決定し、前記第1筐体強制排気条件と、前記第2筐体強制排気条件とは異なる。
ある実施形態では、前記基板処理装置は、ダミーキャビネットと、前記流体キャビネットおよび前記ダミーキャビネットのそれぞれに接続された共通排気配管とをさらに備え、前記制御部は、前記異常検知部が前記流体キャビネット内の異常を検知した場合、前記ダミーキャビネットの排気量を前記標準排気条件の排気量よりも低減させるとともに前記流体キャビネットの排気量を前記標準排気条件の排気量よりも増加させる。
本発明によれば、流体キャビネット内の漏液状態に応じて流体キャビネット内の雰囲気を適切に排気できる。
本実施形態の基板処理装置の模式図である。 本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。 本実施形態の基板処理装置における流体キャビネットの模式図である。 本実施形態の基板処理装置のブロック図である。 (a)~(c)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法を説明するための模式図である。 本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法のフロー図である。 本実施形態の基板処理装置のブロック図である。 (a)~(c)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法を説明するための模式図である。 (a)および(b)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法における検知量の時間的変化を示すグラフである。 本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法のフロー図である。 (a)および(b)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法における検知量の時間的変化を示すグラフである。 本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法のフロー図である。 (a)および(b)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法における検知量の時間的変化を示すグラフである。 (a)~(c)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法を説明するための模式図である。 (a)~(c)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法を説明するための模式図である。 本実施形態の基板処理装置における流体キャビネットの模式図である。 (a)および(b)は、本実施形態の基板処理装置における流体キャビネットの模式図である。 (a)および(b)は、本実施形態の基板処理装置における流体キャビネットの模式図である。 (a)および(b)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法における検知量の時間的変化を示すグラフである。 (a)および(b)は、本実施形態の基板処理装置における流体キャビネットおよび共通排気配管の模式図である。 (a)および(b)は、本実施形態の基板処理装置における流体キャビネットおよび共通排気配管の模式図である。 (a)は、本実施形態の基板処理装置における流体キャビネット、ダミーキャビネットおよび共通排気配管の模式図であり、(b)は、本実施形態の基板処理装置における流体キャビネットの模式図であり、(c)は、本実施形態の基板処理装置におけるダミーキャビネットの模式図であり、(d)は、本実施形態の基板処理装置における流体キャビネット、ダミーキャビネットおよび共通排気配管の模式図である。 本実施形態の基板処理装置における流体キャビネット、ダミーキャビネットおよび共通排気配管の模式図である。 (a)および(b)は、本実施形態の基板処理装置におけるダミーキャビネットの模式図である。 本実施形態の基板処理装置のブロック図である。 本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法のフロー図である。 (a)は、本実施形態の基板処理装置における流体キャビネットの模式図であり、(b)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法における排気圧の時間的変化を示すグラフである。 (a)~(c)は、本実施形態による流体キャビネットの排気を説明するための模式図である。 (a)~(d)は、本実施形態の基板処理装置における排気部の動作を説明するための模式図である。 (a)~(c)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法を説明するための模式図である。 (a)~(c)は、本実施形態による流体キャビネットの排気制御方法を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して、本発明による流体キャビネットの排気制御方法および基板処理装置の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。典型的には、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
まず、図1を参照して、本発明による基板処理装置100の実施形態を説明する。図1は、本実施形態の基板処理装置100の模式的な平面図である。
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去および洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
基板Wは、半導体基板として用いられる。基板Wは、半導体ウエハを含む。例えば、基板Wは略円板状である。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する。
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10と、流体ボックス110と、流体キャビネット120と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理ユニット10との間で基板Wを搬送する。流体キャビネット120は、流体ボックス110を介して基板Wの処理に用いる流体を基板処理ユニット10に供給する。例えば、流体キャビネット120は、流体ボックス110を介して処理液を基板処理ユニット10に供給する。基板処理ユニット10の各々は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。流体キャビネット120は、処理液を収容する。
具体的には、複数の基板処理ユニット10は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(図1では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理ユニット10(図1では3つの基板処理ユニット10)を含む。流体ボックス110は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。流体キャビネット120内の流体は、いずれかの流体ボックス110を介して、流体ボックス110に対応するタワーTWに供給される。なお、基板処理ユニット10および流体キャビネット120には、処理液または気体のいずれかが供給されてもよい。
処理液は、いわゆる薬液を含んでもよい。薬液は、フッ酸を含む。例えば、フッ酸は、40℃以上70℃以下に加熱されてもよく、50℃以上60℃以下に加熱されてもよい。ただし、フッ酸は、加熱されなくてもよい。また、薬液は、水または燐酸を含んでもよい。
さらに、薬液は、過酸化水素水を含んでもよい。また、薬液は、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)または王水(濃塩酸と濃硝酸との混合物)を含んでもよい。
または、処理液は、いわゆるリンス液を含んでもよい。例えば、リンス液は、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)のいずれかを含んでもよい。
流体キャビネット120により、基板処理装置100内の特定の空間が区画される。基板処理装置100において、センターロボットCRおよび基板処理ユニット10の設置された領域と、流体キャビネット120の設置された領域との間には、境界壁BWが配置される。流体キャビネット120は、基板処理装置100のうちの境界壁BWの外側部分の領域の一部の空間を区画する。
流体キャビネット120は、筐体によって、基板処理装置100内の特定の空間を区画する。流体キャビネット120は、筐体内に、流体が流通する流体配管を有する。例えば、流体キャビネット120は、筐体内に、処理液が流通する処理液配管を有する。また、典型的には、流体キャビネット120は、処理液を調製するための調製槽(タンク)を有する。流体キャビネット120は、一種類の処理液のための調製槽を有してもよく、複数種類の処理液のための調製槽を有してもよい。また、流体キャビネット120は、処理液を流通するためのポンプ、ノズルおよび/またはフィルターを有してもよい。
ここでは、流体キャビネット120は、第1流体筐体122aと、第2流体筐体122bとを有する。第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bは互いに対向して配置される。第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bにより、基板処理装置100内の特定の空間が区画される。なお、図1では、図面が過度に複雑になることを避けるために、第1流体筐体122a内の流体が、いずれかの流体ボックス110を介して、流体ボックス110に対応するタワーTWに供給される流れを示しており、第2流体筐体122b内の流体の流れを省略している。
制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、プロセッサーを有する。制御部102は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
記憶部104は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。データは、流体キャビネット120内の雰囲気を排気するための排気条件を含む。排気条件は、標準排気条件および強制排気条件を含んでもよい。
制御部102は、記憶部104に記憶された排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。例えば、制御部102は、記憶部104に記憶された標準排気条件または強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
例えば、記憶部104は、流体キャビネット120に対応する流体の種類および流体の流量の少なくとも一方に応じて分類されたテーブルを有してもよい。例えば、記憶部104は、流体キャビネット120に対応する流体の種類および流体の流量の少なくとも一方と、流体キャビネット120内の異常状態との組合わせに応じて分類されたテーブルを有してもよい。また、記憶部104は、流体キャビネット120に対応する流体の種類および流体の流量の少なくとも一方と、流体キャビネット120内の漏液状態との組合わせに応じて分類されたテーブルを有してもよい。
さらに、記憶部104は、排気条件を判定する際の基準となる既定の基準値を記憶してもよい。既定の基準値は、流体キャビネット120内の異常の検知結果と比較することによって流体キャビネット120内の異常状態を判定する。例えば、既定の基準値は、閾値であってもよい。
記憶部104は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部104はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
次に、図2を参照して、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10を説明する。図2は、基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。
基板処理ユニット10は、チャンバー12と、基板保持部20と、処理液供給部30とを備える。チャンバー12は、基板Wを収容する。基板保持部20は、基板Wを保持する。
チャンバー12は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー12は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー12には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー12内に収容され、チャンバー12内で処理される。チャンバー12には、基板保持部20および処理液供給部30のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
基板保持部20は、基板Wを保持する。基板保持部20は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの裏面(下面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。基板保持部20は、基板Wを保持したまま基板Wを回転させる。
例えば、基板保持部20は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部20は、基板Wを裏面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部20は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部20は、非デバイス形成面である基板Wの裏面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部20は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
例えば、基板保持部20は、スピンベース21と、チャック部材22と、シャフト23と、電動モーター24と、ハウジング25とを含む。チャック部材22は、スピンベース21に設けられる。チャック部材22は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース21には、複数のチャック部材22が設けられる。
シャフト23は、中空軸である。シャフト23は、回転軸Axに沿って鉛直方向に延びている。シャフト23の上端には、スピンベース21が結合されている。基板Wは、スピンベース21の上方に載置される。
スピンベース21は、円板状であり、基板Wを水平に支持する。シャフト23は、スピンベース21の中央部から下方に延びる。電動モーター24は、シャフト23に回転力を与える。電動モーター24は、シャフト23を回転方向に回転させることにより、回転軸Axを中心に基板Wおよびスピンベース21を回転させる。ハウジング25は、シャフト23および電動モーター24を取り囲んでいる。
処理液供給部30は、基板Wに処理液を供給する。典型的には、処理液供給部30は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。
処理液供給部30は、配管32と、バルブ34と、ノズル36とを含む。ノズル36は基板Wの上面Waに処理液を吐出する。ノズル36は、配管32に接続される。配管32には、供給源から処理液が供給される。バルブ34は、配管32内の流路を開閉する。ノズル36は、基板Wに対して移動可能に構成されていることが好ましい。ノズル36は、制御部102によって制御される移動機構にしたがって水平方向および/または鉛直方向に移動できる。なお、本明細書において、図面が過度に複雑になることを避けるために移動機構を省略していることに留意されたい。
バルブ34は、配管32の開度を調節して、配管32に供給される処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ34は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
基板処理装置100は、カップ80をさらに備える。カップ80は、基板Wから飛散した処理液を回収する。カップ80は昇降する。例えば、カップ80は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ80は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する処理液を回収する。また、カップ80は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、基板保持部20、処理液供給部30および/またはカップ80を制御する。一例では、制御部102は、電動モーター24およびバルブ34を制御する。
本実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
なお、図2に示した基板処理ユニット10において、処理液供給部30は、1種類の処理液を基板Wに供給可能であるが、処理液供給部30は、複数種類の処理液を基板Wに供給可能であってもよい。例えば、処理液供給部30は、配管32、バルブ34およびノズル36をそれぞれ複数含んでもよい。
次に、図1~図3を参照して、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120を説明する。図3は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120の模式図である。
図3に示すように、流体キャビネット120は、筐体122と、吸気口123と、排気部124と、異常検知部130と、処理液配管132と、調製槽134とを有する。
筐体122には、吸気口123および排気部124が設けられる。また、筐体122は、異常検知部130を収容する。筐体122により、流体キャビネット120は区画される。
筐体122は、開閉可能な扉122dを有する。扉122dを開けることにより、作業者は、筐体122内に進入できる。
筐体122に吸気口123が設けられる。吸気口123から筐体122内に外気が吸い込まれる。ここでは、吸気口123は、扉122dに設けられる。
排気部124は、筐体122内の雰囲気を排気する。排気部124は、単位時間あたりの排気量を変化させて筐体122内の雰囲気を排気できる。なお、本明細書において、単位時間あたりの排気量を単に「排気量」と記載することがある。
筐体122内の吸気口123と排気部124との位置により、筐体122内に気流が形成される。吸気口123から筐体122内に吸気された気体は、排気部124から外部に排気される。筐体122内における気体の淀みを防ぐために、吸気口123および排気部124は、互いに離れた位置に配置されることが好ましい。例えば、吸気口123および排気部124を対向する壁面に配置する場合、吸気口123および排気部124の一方は、比較的高い位置に配置し、吸気口123および排気部124の他方は比較的低い位置に配置することが好ましい。ここでは、吸気口123は、調製槽134の底部と同程度の高さに配置され、排気部124は、調製槽134の上部よりも高い位置に配置される。
また、筐体122に、1つの排気部124を設けるとともに、複数の吸気口123を設けてもよい。これにより、筐体122内において気体の淀みを好適に抑制できる。
排気部124は、排気配管125と、排気量調整機構126とを有してもよい。典型的には、流体キャビネット120内の気圧は、排気配管125を介した外部の気圧よりも高い。筐体122内の雰囲気を排気する際に、筐体122内の気体は、排気配管125を流れて外部に排出される。
排気量調整機構126は、排気配管125を流れる気体の流通量(排気量)を調整する。排気量調整機構126により、排気配管125を流れる排気量を増加または低減できる。排気量調整機構126は、流体キャビネット120内に配置されてもよく、流体キャビネット120の外部に配置されてもよい。例えば、排気量調整機構126は、排気配管125の端部に配置されてもよい。または、排気量調整機構126は、排気配管125内に配置されてもよい。
例えば、排気量調整機構126は、排気配管125の開度を調整するダンパーを含んでもよい。あるいは、排気量調整機構126は、排気配管125内を流通する排気の流量を決定するファンを含んでもよい。
異常検知部130は、流体キャビネット120内の異常を検知する。異常検知部130の検知結果により、制御部102は、流体キャビネット120内の異常を判定する。例えば、異常検知部130によって検知される異常は、流体キャビネット120内の漏液である。この場合、異常検知部130は、流体キャビネット120内の漏液を検知してもよい。あるいは、異常検知部130によって検知される異常は、流体キャビネット120内の排気圧の低下である。この場合、異常検知部130は、排気圧を検知してもよい。
異常検知部130は、液検知センサーを含んでもよい。典型的には、液検知センサーは、流体キャビネット120内において漏れた処理液を検知する。
異常検知部130は、ガス検知センサーを含んでもよい。典型的には、ガス検知センサーは、流体キャビネット120内において生じた処理液が気化することによって生じたガスを検知することにより、流体キャビネット120内において生じた漏液を検知する。
異常検知部130は、カメラを含んでもよい。カメラは、撮像素子を有する。典型的には、カメラは、流体キャビネット120内を撮像して、撮像結果を画像解析することにより、流体キャビネット120内において生じた漏液を検知する。
異常検知部130は、2以上の流量計を含んでもよい。典型的には、2以上の流量計の差分に応じて流体キャビネット120内において生じた漏液を検知してもよい。
異常検知部130は、微差圧計またはマノメータを含む。異常検知部130は、流体キャビネット120内の気圧と流体キャビネット120と外部とを連絡する排気配管125の気圧との差分により、流体キャビネット120内における排気圧の異常を検知してもよい。
異常検知部130は、検知結果を数値化した検知量を取得してもよい。検知量は、異常の程度に応じて変化する。あるいは、制御部102は、異常検知部130からの検知結果を数値化することによって流体キャビネット120内の異常の程度を示す検知量を取得してもよい。
処理液配管132は、処理液を流通する。典型的には、処理液配管132は、基板処理ユニット10の処理液供給部30に連絡し、処理液供給部30まで処理液を流通する。
調製槽134は、処理液を貯留する。処理液は、処理液配管132を介して調製槽134に流れ、その後、処理液配管132を介して調製槽134から流れる。
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、排気部124および異常検知部130を制御する。例えば、制御部102は、異常検知部130の検知結果に基づいて流体キャビネット120内の異常状態を判定する。一例では、制御部102は、異常検知部130の検知結果に基づいて流体キャビネット120内の漏液状態を判定する。あるいは、制御部102は、異常検知部130の検知結果に基づいて流体キャビネット120内の排気圧の低下状態を判定する。制御部102は、流体キャビネット120内の異常状態に基づいて排気条件を決定し、決定した排気条件にしたがって排気部124を制御する。
次に、図1~図4を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図4は、基板処理装置100のブロック図である。
図4に示すように、制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20および処理液供給部30を制御する。具体的には、制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20および処理液供給部30に制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30、排気部124および異常検知部130を制御する。
具体的には、制御部102は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
制御部102は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、基板処理ユニット10のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wを基板処理ユニット10から受け取って、基板Wを搬出する。
制御部102は、基板保持部20を制御して、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部102は、基板保持部20を制御して、基板保持部20の回転数を変更することができる。具体的には、制御部102は、基板保持部20の電動モーター24の回転数を変更することによって、基板Wの回転数を変更できる。
制御部102は、処理液供給部30のバルブ34を制御して、バルブ34の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、処理液供給部30のバルブ34制御して、バルブ34を開状態にすることによって、ノズル36に向かって配管32内を流れる処理液を通過させることができる。また、制御部102は、処理液供給部30のバルブ34を制御して、バルブ34を閉状態にすることによって、ノズル36に向かって配管32内を流れる処理液の供給を停止させることができる。
制御部102は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気するための排気条件を切り替えて排気部124の排気を制御できる。具体的には、制御部102は、排気条件を標準排気条件または強制排気条件のいずれかに切り替えて、排気部124を制御できる。さらに、制御部102は、複数の強制排気条件のうちのいずれかの強制排気条件を決定し、決定した強制排気条件にしたがって排気部124を制御できる。なお、制御部102は、排気部124による排気を停止してもよい。
制御部102は、異常検知部130を制御して、流体キャビネット120内の異常を検知できる。また、制御部102は、異常検知部130からの検知結果に基づいて、流体キャビネット120内の異常状態を判定できる。
本実施形態の基板処理装置100は、半導体素子を形成するために好適に用いられる。例えば、基板処理装置100は、積層構造の半導体素子として用いられる基板Wを処理するために好適に利用される。半導体素子は、いわゆる3D構造のメモリ(記憶装置)である。一例として、基板Wは、NAND型フラッシュメモリとして好適に用いられる。
次に、図1~図5を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図5(a)~図5(c)は、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明するための模式図である。なお、図5(a)~図5(c)では、図面を簡略化する目的で、処理液配管132および調製槽134を省略している。
図5(a)に示すように、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量に設定された標準排気条件で排気される。制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定する。例えば、標準排気条件は、流体キャビネット120内の処理液配管132を流れる処理液の種類または配管を流れる処理液の流量に基づいて設定される。
排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。排気部124による排気に伴い、吸気口123から流体キャビネット120内に空気が吸気される。標準排気により、筐体122内の雰囲気が筐体122の外部に漏れることを抑制できる。
図5(b)に示すように、流体キャビネット120内において異常が検知されると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも排気量の大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。詳細には、流体キャビネット120内において異常が生じると、異常検知部130は、流体キャビネット120内の異常を検知する。制御部102は、異常検知部130の検知結果に基づいて、流体キャビネット120内の異常状態を判定する。制御部102は、異常状態に応じて強制排気条件を決定する。例えば、強制排気条件は、流体キャビネット120内の処理液配管132を流れる処理液の種類または処理液配管132を流れる処理液の流量と、異常状態との組合せに基づいて設定される。排気部124は、決定された強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
ここでは、異常検知部130は、流体キャビネット120内において比較的小さい異常を検知する。この場合、制御部102は、異常状態に応じて標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
図5(c)に示すように、流体キャビネット120内において比較的大きい異常が生じると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。ここでは、異常検知部130が、流体キャビネット120内において比較的大きい異常を検知すると、制御部102は、異常状態に応じてさらに大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を強制的に排気できる。
以上のように、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法によれば、流体キャビネット120内の異常状態に応じて排気部124の排気量を制御できる。このため、流体キャビネット120内の異常状態の程度に応じて、流体キャビネット120内の雰囲気を適切に排気できる。
なお、図5を参照した上述の説明では、流体キャビネット120内の異常状態および強制排気条件は、2段階に分けられたが、本実施形態はこれに限定されない。流体キャビネット120内の異常状態および強制排気条件は、3以上の多くの段階に分けられてもよい。
次に、図1~図6を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図6は、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法のフロー図である。
図6に示すように、ステップS102において、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量に設定された標準排気条件で排気する。制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定し、排気部124は、標準排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
ステップS104において、流体キャビネット120内で異常が検知されるか否かを判定する。流体キャビネット120内で異常が生じた場合、異常検知部130は、異常を検知する。
流体キャビネット120内で異常が検知されない場合(ステップS104においてNo)、処理は、ステップS102に戻る。これにより、排気部124は、標準排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気しながら、異常の検知判定を繰り返すことができる。一方、流体キャビネット120内で異常が検知された場合(ステップS104においてYes)、処理は、ステップS106に進む。
ステップS106において、制御部102は、流体キャビネット120内の異常状態を判定する。制御部102は、異常検知部130の検知結果に基づいて流体キャビネット120内の異常状態を判定する。例えば、制御部102は、異常検知部130の検知結果に基づく検知量に応じて、流体キャビネット120内の異常状態を判定してもよい。
ステップS108において、制御部102は、強制排気条件を決定する。制御部102は、複数の強制排気条件から異常状態に応じた強制排気条件を決定する。複数の強制排気条件は、標準排気量よりも大きい強制排気量に設定される。例えば、制御部102は、2段階の強制排気条件から異常状態に応じた強制排気条件を決定する。または、制御部102は、3以上の段階の強制排気条件から異常状態に応じた強制排気条件を決定する。
ステップS110において、制御部102は、決定された強制排気条件にしたがって排気部124を制御して流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。このため、流体キャビネット120は、強制排気される。
ステップS112において、流体キャビネット120内で異常が検知されるか否かを再び判定する。流体キャビネット120内で処理液の排気が完了していない場合、異常検知部130は、異常を検知する。
流体キャビネット120内で異常が検知された場合(ステップS112においてYes)、処理は、ステップS110に戻る。この場合、排気部124は、流体キャビネット120の強制排気を継続する。流体キャビネット120内で異常が検知されない場合(ステップS112においてNo)、処理は、ステップS114に進む。
ステップS114において、排気処理を終了するか否かを判定する。制御部102は、排気処理を終了する旨の指示を受けた場合、排気処理を終了する。または、基板処理装置100全体のメンテナンスを行う場合、制御部102は、排気処理を終了する。
排気処理を終了しない場合(ステップS114においてNo)、処理は、S102に戻る。この場合、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。一方、排気処理を終了すると判定した場合(ステップS114においてYes)、処理は、終了する。
以上のようにして、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法によれば、流体キャビネット120内の異常状態に応じて流体キャビネット120の強制排気条件を変更できる。これにより、流体キャビネット120内の異常の程度に応じて、流体キャビネット120内の雰囲気を排気できる。
なお、図1~図6を参照した説明では、異常検知部130は、流体キャビネット120内の異常を検知したが、異常検知部130は、流体キャビネット120内で生じた漏液を検知してもよい。
次に、図1~図7を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図7は、基板処理装置100のブロック図である。図7に示した基板処理装置100は、異常検知部130に代えて、流体キャビネット120内で生じた漏液を検知する漏液検知部130pを備える点を除いて、図4に示した基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
図7に示すように、基板処理装置100は、漏液検知部130pを備える。漏液検知部130pは、流体キャビネット120内の漏液を検知する。漏液検知部130pの検知結果により、制御部102は、流体キャビネット120内の漏液状態を判定する。
漏液検知部130pは、液検知センサーを含んでもよい。典型的には、液検知センサーは、流体キャビネット120内において漏れた処理液を検知する。
漏液検知部130pは、ガス検知センサーを含んでもよい。典型的には、ガス検知センサーは、流体キャビネット120内において生じた処理液が気化することによって生じたガスを検知することにより、流体キャビネット120内において生じた漏液を検知する。
漏液検知部130pは、カメラを含んでもよい。カメラは、撮像素子を有する。典型的には、カメラは、流体キャビネット120内を撮像して、撮像結果を画像解析することにより、流体キャビネット120内において生じた漏液を検知する。
漏液検知部130pは、2以上の流量計を含んでもよい。典型的には、2以上の流量計の差分に応じて流体キャビネット120内において生じた漏液を検知してもよい。
漏液検知部130pは、検知結果を数値化した検知量を取得してもよい。あるいは、制御部102は、漏液検知部130pからの検知結果を数値化することによって流体キャビネット120内の漏液の程度を示す検知量を取得してもよい。
次に、図1~図8を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図8(a)~図8(c)は、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明するための模式図である。なお、図8(a)~図8(c)では、図面を簡略化する目的で、処理液配管132および調製槽134を省略している。
図8(a)に示すように、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量に設定された標準排気条件で排気される。制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定する。例えば、標準排気条件は、流体キャビネット120内の処理液配管132を流れる処理液の種類または配管を流れる処理液の流量に基づいて設定される。
排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。排気部124による排気に伴い、吸気口123から流体キャビネット120内に空気が吸気される。標準排気により、筐体122内の雰囲気が筐体122の外部に漏れることを抑制できる。
図8(b)に示すように、流体キャビネット120内において処理液が漏れると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも排気量の大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。詳細には、流体キャビネット120内において処理液が漏れると、漏液検知部130pは、流体キャビネット120内において漏液を検知する。制御部102は、漏液検知部130pの検知結果に基づいて、流体キャビネット120内の漏液状態を判定する。制御部102は、漏液状態に応じて強制排気条件を決定する。例えば、強制排気条件は、流体キャビネット120内の処理液配管132を流れる処理液の種類または処理液配管132を流れる処理液の流量と、漏液状態との組合せに基づいて設定される。排気部124は、決定された強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
ここでは、漏液検知部130pは、流体キャビネット120内において少量の処理液を検知する。この場合、制御部102は、漏液状態に応じて標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
図8(c)に示すように、流体キャビネット120内において大量の処理液が漏れると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。ここでは、漏液検知部130pが、流体キャビネット120内において大量の漏液を検知すると、制御部102は、漏液状態に応じてさらに大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を強制的に排気できる。
以上のように、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法によれば、流体キャビネット120内の漏液状態に応じて排気部124の排気量を制御できる。このため、流体キャビネット120内において漏れた処理液の量に応じて、流体キャビネット120内の雰囲気を適切に排気できる。
なお、図8を参照した上述の説明では、流体キャビネット120内の漏液状態および強制排気条件は、2段階に分けられたが、本実施形態はこれに限定されない。流体キャビネット120内の漏液状態および強制排気条件は、3以上の多くの段階に分けられてもよい。
次に、図1~図9を参照して、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法における検知量の時間的変化および排気条件の変更を説明する。図9(a)および図9(b)は、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法における検知量の時間的変化を示すグラフである。図9(a)および図9(b)のグラフにおいて、横軸は、時間を示し、縦軸は、検知状態を数値化した検知量を示す。流体キャビネット120内で漏れた処理液の量が多いほど、検知量は高い値を示す。
図9(a)に示すように、ここでは、はじめ流体キャビネット120内で処理液は漏れていない。このとき、制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。標準排気条件では、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量で排気される。
所定の時間が経過して流体キャビネット120内において処理液が漏れ始めると、検知量が増加する。検知量が閾値t1を超えると、排気条件は、標準排気条件から強制排気条件に変更される。閾値t1は、流体キャビネット120内における漏液の有無の基準として用いられる。閾値t1は、既定の基準値の一例である。
制御部102は、排気条件を標準排気条件から強制排気条件に変更し、排気部124は、強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。強制排気条件の排気量は、標準排気量よりも大きい。その後、強制排気条件に従った強制排気により、検知量は、減少し始める。
検知量が閾値t1よりも低くなると、排気条件は、強制排気条件から標準排気条件に戻る。詳細には、検知量が閾値t1よりも低くなると、制御部102は、排気条件を強制排気条件から標準排気条件に変更して、排気部124は、標準排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。標準排気条件の排気量は、強制排気量よりも小さい。
本実施形態では、流体キャビネット120内の漏液状態を示す検知量に応じて強制排気条件を変更することにより、流体キャビネット120内の雰囲気を効率的に排気できる。以上のように、検知量が閾値t1を超えるか否かに応じて排気条件を標準排気条件および強制排気条件のいずれかに切り替えてもよい。
なお、図9(a)では、流体キャビネット120内で処理液が漏れた量を示す検知量は、比較的少なかったが、流体キャビネット120内でさらに多くの処理液が漏れることがある。例えば、流体キャビネット120内の処理液配管132から多くの処理液が漏れると、排気量がかなり大きくしないと、検知量を低減できない。
図9(b)に示すように、ここでは、はじめ流体キャビネット120内で処理液は漏れていない。このとき、制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。標準排気条件では、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量で排気される。このため、検知量は、低い値に維持される。
所定の時間が経過して流体キャビネット120内において処理液が漏れ始めると、検知量が増加する。例えば、検知量が閾値t1を超えると、制御部102は、排気条件を標準排気条件から第1強制排気条件に変更して、排気部124は、第1強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。ここでは、排気部124は、標準排気量よりも大きい第1強制排気量に設定された第1強制排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。排気条件を標準排気条件から第1強制排気条件に変更することにより、検知量の増加の傾きは低減するが、検知量自体は増加する。
その後、検知量が閾値t2を超えると、制御部102は、排気条件を第1強制排気条件から第2強制排気条件に変更し、排気部124は、第2強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。閾値t2は、既定の基準値の一例である。ここでは、排気部124は、第1強制排気量よりも大きい第2強制排気量に設定された第2強制排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。排気条件が第1強制排気条件から第2強制排気条件に変更することにより、検知量自体も減少し始める。
その後、検知量が閾値t2よりも低くなると、制御部102は、排気条件を第2強制排気条件から第3強制排気条件に変更し、排気部124は、第3強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。ここでは、排気部124は、第3強制排気量に設定された第3強制排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。第3強制排気量は、第2強制排気量よりも小さく標準排気量よりも大きい。なお、第3強制排気量は、第1強制排気量と等しくてもよく、第3強制排気条件は、第1強制排気条件と等しくてもよい。排気条件を第2強制排気条件から第3強制排気条件に変更することにより、検知量自体の減少は続くが、検知量の減少の傾きは低下する。
その後、検知量が閾値t1よりも低くなると、制御部102は、排気条件を第3強制排気条件から標準排気条件に変更し、排気部124は、標準排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。ここでは、排気部124は、第3強制排気量よりも小さい標準排気量に設定された標準排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。排気条件が第3強制排気条件から標準排気条件に変更することにより、検知量の減少の傾きはさらに低下する。
以上のように、流体キャビネット120内の漏液状態を示す検知量に応じて強制排気条件を変更することにより、流体キャビネット120の環境に応じて流体キャビネット120内の雰囲気を効率的に排気できる。
次に、図1~図10を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図10は、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法のフロー図である。
図10に示すように、ステップS102において、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量に設定された標準排気条件で排気する。制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定し、排気部124は、標準排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
ステップS104において、流体キャビネット120内で漏液が検知されるか否かを判定する。流体キャビネット120内で処理液が漏れた場合、漏液検知部130pは、漏液を検知する。
漏液検知部130pが液検知センサーを含む場合、漏液検知部130pは、処理液配管132から漏れた処理液を検知する。漏液検知部130pは、液検知センサーに接触した処理液の液量を検知してもよい。
漏液検知部130pがガス検知センサーを含む場合、漏液検知部130pは、流体キャビネット120内に発生したガスを検知する。ガス検知センサーは、流体キャビネット120内に発生した処理液のガスの濃度を検知してもよい。
漏液検知部130pがカメラを含む場合、漏液検知部130pは、流体キャビネット120内を撮像する。カメラまたは制御部102は、撮像した画像を処理することにより、流体キャビネット120内の漏液を検知してもよい。
処理液として室温よりも高い温度の液体が用いられることがある。この場合、漏液検知部130pは、温度センサーを含んでもよい。漏液検知部130pが温度センサーを含む場合、漏液検知部130pは、流体キャビネット120内の温度を測定する。この場合、流体キャビネット120内で処理液が漏れると、温度センサーにより、漏液を検知できる。温度センサーは、接触型であってもよく、非接触型であってもよい。温度センサーは、処理液の発する赤外線を検知してもよい。
流体キャビネット120内で漏液が検知されない場合(ステップS104においてNo)、処理は、ステップS102に戻る。これにより、排気部124は、標準排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気しながら、漏液の検知判定を繰り返すことができる。一方、流体キャビネット120内で漏液が検知された場合(ステップS104においてYes)、処理は、ステップS106に進む。
ステップS106において、制御部102は、流体キャビネット120内の漏液状態を判定する。制御部102は、漏液検知部130pの検知結果に基づいて流体キャビネット120内の漏液状態を判定する。例えば、制御部102は、漏液検知部130pの検知結果に基づく検知量に応じて、流体キャビネット120内の漏液状態を判定してもよい。
ステップS108において、制御部102は、強制排気条件を決定する。制御部102は、複数の強制排気条件から漏液状態に応じた強制排気条件を決定する。複数の強制排気条件は、標準排気量よりも大きい強制排気量に設定される。例えば、制御部102は、2段階の強制排気条件から漏液状態に応じた強制排気条件を決定する。または、制御部102は、3以上の段階の強制排気条件から漏液状態に応じた強制排気条件を決定する。
ステップS110において、制御部102は、決定された強制排気条件にしたがって排気部124を制御して流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。このため、流体キャビネット120は、強制排気される。
ステップS112において、流体キャビネット120内で漏液が検知されるか否かを再び判定する。流体キャビネット120内で処理液の排気が完了していない場合、漏液検知部130pは、漏液を検知する。
流体キャビネット120内で漏液が検知された場合(ステップS112においてYes)、処理は、ステップS110に戻る。この場合、排気部124は、流体キャビネット120の強制排気を継続する。流体キャビネット120内で漏液が検知されない場合(ステップS112においてNo)、処理は、ステップS114に進む。
ステップS114において、排気処理を終了するか否かを判定する。制御部102は、排気処理を終了する旨の指示を受けた場合、排気処理を終了する。または、基板処理装置100全体のメンテナンスを行う場合、制御部102は、排気処理を終了する。
排気処理を終了しない場合(ステップS114においてNo)、処理は、S102に戻る。この場合、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。一方、排気処理を終了すると判定した場合(ステップS114においてYes)、処理は、終了する。
以上のようにして、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法によれば、流体キャビネット120内の漏液状態に応じて流体キャビネット120の強制排気条件を変更できる。これにより、流体キャビネット120内の漏液の程度に応じて、流体キャビネット120内の雰囲気を排気できる。
なお、図9(a)および図9(b)のグラフを参照した上述の説明では、検知量の変化に応じて排気条件を即座に変更したが、本実施形態はこれに限定されない。検知量の変化に応じて排気条件を即座に変更しなくてもよい。
次に、図1~図11を参照して、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法における検知量の時間的変化および排気条件の変更を説明する。図11(a)および図11(b)は、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法における検知量の時間的変化を示すグラフである。
図11(a)に示すように、ここでは、はじめ流体キャビネット120内で処理液は漏れていない。このとき、制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。標準排気条件では、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量で排気される。このため、検知量は、低い値に維持される。
所定の時間が経過して流体キャビネット120内において処理液が漏れ始めると、検知量が増加する。ここでは、検知量が閾値t1を超えても、すぐには排気条件を変更せずに所定時間にわたって検知量の取得を継続する。その後、検知量が閾値t1を超えてから所定時間Taが経過した後の検知量にしたがって排気条件を制御する。ここでは、所定時間Taが経過した後の検知量が閾値t1よりも高く閾値t2よりも低いため、制御部102は、排気条件を検知量に応じた強制排気条件に変更し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも排気量の大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。排気条件を標準排気条件から強制排気条件に変更することにより、検知量自体が減少し始める。
その後、検知量が閾値t1よりも低くなると、制御部102は、排気条件を強制排気条件から標準排気条件に変更し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。排気条件が強制排気条件から標準排気条件に変更しても、検知量はさらに減少する。ただし、排気条件の変更により、検知量の減少の傾きは小さくなる。
なお、図11(a)に示したグラフでは、検知量が閾値t1を超えてから所定時間を経過した後で、排気量が増加するように排気条件を変更したが、本実施形態はこれに限定されない。検知量が閾値に達してから排気量が増加するように排気条件を変更し、排気条件を変更してから所定の期間を経過した後で、排気量が減少するように排気条件を変更してもよい。
図11(b)に示すように、ここでは、はじめ流体キャビネット120内で処理液は漏れていない。このとき、制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。標準排気条件では、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量で排気される。このため、検知量は、低い値に維持される。
所定の時間が経過して流体キャビネット120内において処理液が漏れ始めると、検知量が増加する。ここでは、制御部102は、検知量が閾値t1を超えても、すぐには排気条件を変更せずに所定時間にわたって検知量の取得を継続する。その後、制御部102は、検知量が閾値t2を超えてから排気条件を変更する。この場合、制御部102は、検知量が閾値t2を超えると、排気条件を標準排気条件から第1強制排気条件に変更して、排気部124は、第1強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。ここでは、排気部124は、標準排気量よりも大きい第1強制排気量に設定された第1強制排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。検知量は、排気条件が標準排気条件から第1強制排気条件に変更してからもいったん増加し、その後、減少し始める。
その後、検知量が減少して閾値t2に達しても、制御部102は、すぐには排気条件を変更せずに所定時間にわたって検知量の取得を継続する。その後、制御部102は、検知量が閾値t1に達してから所定時間Tbが経過した後に取得した検知量にしたがって排気条件を制御する。本実施形態では、所定時間Tbが経過した後の検知量が閾値t1よりも低いため、制御部102は、排気条件を第1強制排気条件から第2強制排気条件に変更し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を第2強制排気条件で排気する。ここでは、排気部124は、標準排気量よりも大きく第1強制排気量よりも小さい第2強制排気量に設定された第2強制排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。排気条件が第1強制排気条件から第2強制排気条件に変更しても、検知量自体の減少は継続する。
その後、第1強制排気条件から第2強制排気条件に変更してから所定時間Tcが経過した後に取得した検知量にしたがって排気条件を制御する。本実施形態では、所定時間Tcが経過した後の検知量が閾値t1よりも低いため、制御部102は、排気条件を第2強制排気条件から標準排気条件に変更し、排気部124は、第2強制排気量よりも小さい標準排気量に設定された標準排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。典型的には、排気条件が第2強制排気条件から標準排気条件に変更しても、検知量はさらに減少する。ただし、排気条件の変更により、検知量の減少の傾きはさらに小さくなる。
次に、図1~図12(主として図11(b)および図12)を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図12は、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法のフロー図である。図12のフロー図は、強制排気工程(ステップS110)が複数のステップに分けられる点を除いて、図10に示したフロー図と同様の工程を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
図12に示すように、ステップS102~ステップS106は、図10に示したステップS102~ステップS106と同様であり、説明を省略する。
ステップS108において、制御部102は、強制排気条件を決定する。制御部102は、漏液状態に応じて強制排気条件を決定する。例えば、制御部102は、漏液状態に応じて、2段階以上の強制排気条件から漏液状態に応じた強制排気条件を決定する。
ステップS110において、制御部102は、決定された強制排気条件にしたがって排気部124を制御して流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。このため、流体キャビネット120は、標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件で強制排気される。
詳細には、ステップS110aにおいて、検知量に基づいて、排気条件を制御する。例えば、検知量が閾値t2を超えると、制御部102は、排気条件を標準排気条件から第1強制排気条件に変更し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を第1強制排気条件で排気する。第1強制排気条件の排気量は、標準排気条件の排気量よりも大きい。
ステップS110bにおいて、所定時間Tbが経過した否かを判定する。所定時間Tbが経過していない場合(ステップS110bにおいてNo)、処理は、ステップS110aに戻る。このため、所定時間Tbが経過するまで強制排気が継続される。所定時間Tbが経過した場合(ステップS110bにおいてYes)、処理は、ステップS110cに進む。
ステップS110cにおいて、流体キャビネット120内で漏液が検知されるか否かを判定する。流体キャビネット120内で漏液が生じた場合、漏液検知部130pは、漏液を検知する。例えば、制御部102は、検知量が閾値t1よりも低いか否かを判定する。
流体キャビネット120内で漏液が検知された場合(ステップS110cにおいてYes)、処理は、ステップS110aに戻る。この場合、制御部102は、流体キャビネット120の強制排気を継続する。流体キャビネット120内で漏液が検知されない場合(ステップS110cにおいてNo)、処理は、ステップS110dに進む。
ステップS110dにおいて、排気条件を第1強制排気条件から第2強制排気条件に変更する。ここでは、第2強制排気条件に設定された第2強制排気量は、標準排気量よりも大きく、第1強制排気量よりも小さい。
ステップS110eにおいて、所定時間Tcが経過した否かを判定する。所定時間Tcが経過していない場合(ステップS110eにおいてNo)、処理は、ステップS110dに戻る。この場合、所定時間Tcが経過するまで、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を第2強制排気条件で排気し続ける。所定時間Tcが経過した場合(ステップS110eにおいてYes)、処理は、ステップS112に進む。
ステップS112以降のステップは、図10を参照した上述の説明と同様である。以上のようにして、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法によれば、流体キャビネット120内の漏液状態に応じて流体キャビネット120の排気量を制御できる。また、本実施形態では、所定時間を経過した後の検知量に基づいて排気条件を変更するため、検知量の変動に応じて排気条件を過度に変更することを抑制できる。
なお、図9(a)、図9(b)、図11(a)および図11(b)に示したグラフを参照した上述の説明では、排気条件は、検知量および/または経過時間に基づいて変更されたが、本実施形態はこれに限定されない。排気条件は、検知状態の時間変化に基づいて変更されてもよい。
次に、図1~図13を参照して、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法における検知量の時間的変化および排気条件の変更を説明する。図13(a)および図13(b)は、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法における検知量の時間的変化を示すグラフである。
図13(a)に示すように、ここでは、はじめ流体キャビネット120内で処理液は漏れていない。このとき、制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。標準排気条件では、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量で排気される。このため、検知量は、低い値に維持される。
所定の時間が経過して流体キャビネット120内において処理液が漏れ始めると、検知量が増加する。検知量が閾値t1を超えると、制御部102は、排気条件を標準排気条件から強制排気条件に変更し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を強制排気条件で排気する。強制排気条件の排気量は、標準排気条件の排気量よりも大きい。その後、強制排気条件に従った強制排気により、検知量は、減少し始める。
ここでは、強制排気により、検知量は速やかに減少する。例えば、検知量のピーク値と閾値t1との差分(ΔS)と、検知量のピーク値に達した時間から閾値t1に達するまでの時間(ΔT)との比率(ΔS/ΔT)は、比率閾値よりも大きい。
この場合、検知量が閾値t1よりも低くなると、排気条件を、強制排気条件から標準排気条件に戻す。詳細には、制御部102は、排気条件を強制排気条件から標準排気条件に変更し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。ここでは、排気部124は、強制排気量よりも小さい標準排気量に設定された標準排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。排気条件が強制排気条件から標準排気条件に変更しても、検知量はさらに減少する。ただし、排気条件の変更により、検知量の減少の傾きは小さくなる。
なお、図13(a)に示したグラフを参照した上述の説明では、検知量が閾値t1よりも低くなると、排気条件を変更したが、本実施形態はこれに限定されない。排気条件は、検知量だけでなく検知量の時間的変化に基づいて変更されてもよい。
図13(b)に示すように、ここでは、はじめ流体キャビネット120内で処理液は漏れていない。このとき、制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。標準排気条件では、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量で排気される。このため、検知量は、低い値に維持される。
所定の時間が経過して流体キャビネット120内において処理液が漏れ始めると、検知量が増加する。検知量が閾値t1を超えると、排気条件は、標準排気条件から強制排気条件に変更される。強制排気条件の排気量は、標準排気量よりも大きい。その後、強制排気条件に従った強制排気により、検知量は、減少し始める。
ここでも、強制排気により、検知量は減少する傾向を示す。ただし、検知量は、時間の経過に伴い大きく変動しており、検知量は、変動しながら徐々に減少する。検知量のピーク値と閾値t1との差分(ΔS)と、検知量のピーク値に達した時間から閾値t1に達するまでの時間(ΔT)との比率(ΔS/ΔT)は、比率閾値よりも小さい。
この場合、検知量が閾値t1に達しても、制御部102は、排気条件を強制排気条件から標準排気条件に戻さない。このため、検知量が閾値t1に達しても、制御部102は、排気条件を強制排気条件のまま維持し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を強制排気条件で排気し続ける。
ここでは、検知量が閾値t1よりも低い閾値t1sに達すると、制御部102は、排気条件を強制排気条件から標準排気条件に変更し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。この場合、排気部124は、強制排気量よりも小さい標準排気量に設定された標準排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。排気条件が強制排気条件から標準排気条件に変更しても、検知量はさらに減少する。ただし、排気条件の変更により、検知量の減少の傾きは小さくなる。
なお、図13(a)および図13(b)を参照して上述したように、板検知量のピーク値と閾値t1との差分(ΔS)と、検知量のピーク値に達した時間から閾値t1に達するまでの時間(ΔT)との比率(ΔS/ΔT)に基づいて排気条件を変更するための条件を変更してもよい。このように、漏液状態の時間的変化のパターンに基づいて排気条件を制排気条件から標準排気条件に戻すか否かを判定してもよい。
なお、流体キャビネット120において、排気量調整機構126は、排気配管125の開度を調整するダンパーであってもよい。
次に、図14を参照して実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図14(a)~図14(c)は、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法を説明するための模式図である。
図14(a)に示すように、排気部124は、排気配管125と、ダンパー127とを有する。筐体122内の雰囲気を排気する際に、筐体122内の空気は、排気配管125を流れる。ダンパー127は、排気配管125の開度を制御する。ダンパー127は、排気配管125の排気量調整機構として機能する。ダンパー127は、シリンダーまたはモーターによって開度を制御してもよい。あるいは、ダンパー127は、ロックピンをオフすることによって開度を制御してもよい。
ここでは、ダンパー127は、排気配管125の外側に位置する。詳細には、ダンパー127は、排気配管125の端部を覆う位置に配置される。ダンパー127の開度は、制御部102によって制御される。
図14(a)では、流体キャビネット120内には漏液が検知されていない。このため、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量に設定された標準排気条件で排気される。制御部102は、ダンパー127の開度を比較的狭く制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。排気部124による排気に伴い、吸気口123から流体キャビネット120内に空気が吸気される。
図14(b)に示すように、流体キャビネット120内において処理液が漏れると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも排気量の大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。詳細には、流体キャビネット120内において処理液が漏れると、漏液検知部130pは、流体キャビネット120内において漏液を検知する。制御部102は、漏液検知部130pの検知結果に基づいて、流体キャビネット120内の漏液状態を判定する。制御部102は、漏液状態に応じて強制排気条件を決定してダンパー127の開度を広くする。排気部124は、決定された強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
ここでは、漏液検知部130pは、流体キャビネット120内において少量の処理液を検知する。この場合、制御部102は、漏液状態に応じて標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
図14(c)に示すように、流体キャビネット120内において大量の処理液が漏れると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。ここでは、漏液検知部130pが、流体キャビネット120内において大量の漏液を検知すると、制御部102は、漏液状態に応じてさらに大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定する。この場合、制御部102は、ダンパー127の開度をさらに広くする。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を強制的に排気できる。
以上のように、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法によれば、流体キャビネット120内の漏液状態に応じてダンパー127の開度を調整することにより、排気部124の排気量を制御できる。このため、流体キャビネット120内において漏れた処理液の量に応じて、流体キャビネット120内の雰囲気を適切に排気できる。
なお、図1~図14を参照した上述の説明では、排気部124が、流体キャビネット120内の雰囲気を排気することにより、吸気口123から流体キャビネット120内に空気が吸気されたが、本実施形態はこれに限定されない。排気部124の排気にともなって流体キャビネット120内に気体が供給されてもよい。
次に、図1~図15を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図15(a)~図15(c)は、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明するための模式図である。
図15(a)に示すように、排気部124は、給気部128をさらに備える。給気部128は、筐体112内に配置される。給気部128は、流体キャビネット120に気体を供給する。ここでは、流体キャビネット120は、吸気口123を有しない。上述したように、ダンパー127は、開度に応じて流体キャビネット120内の雰囲気を排気するが、給気部128によって流体キャビネット120に給気する。給気部128が、流体キャビネット120に給気することにより、ダンパー127の開度が一定であっても、流体キャビネット120内の雰囲気を外部に排気する排気量を制御できる。一例では、ダンパー127を開いた状態でダンパー127の開度を一定に維持した場合でも、給気部128が、流体キャビネット120に所定量の気体を供給することにより、流体キャビネット120内の雰囲気を外部により排気できる。
給気部128は、不活性ガスを給気してもよい。不活性ガスは、窒素を含む。あるいは、給気部128は、空気を給気してもよい。この場合、給気部128は、クリーンルームのダウンフローに用いられる空気を給気してもよい。
流体キャビネット120が吸気口123を有しないことにより、流体キャビネット120内で処理液が漏れたとしても、処理液が外部に漏洩するすることを抑制できる。また、流体キャビネット120内に外光が進入することを抑制でき、処理液の特性が変動することを抑制できる。
例えば、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量で排気し、給気部128は、流体キャビネット120を標準給気量で給気する。これにより、流体キャビネット120内を一定の気圧に維持できる。
図15(b)に示すように、流体キャビネット120内において漏液が生じると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも大きい強制排気量で排気する。
ここでは、漏液検知部130pは、流体キャビネット120内において少量の漏液を検知する。この場合、制御部102は、漏液状態に応じて標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定し、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を強制排気条件で排気する。また、制御部102は、漏液状態に応じて標準給気量よりも大きい強制給気量に設定し、給気部128は、流体キャビネット120内に強制給気量で給気する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御するとともに設定された強制給気量で給気部128を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を清浄化できる。
図15(c)に示すように、流体キャビネット120内において比較的多くの処理液が漏れると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも大きい排気量で排気する。ここでは、漏液検知部130pは、流体キャビネット120内において大量の漏液を検知する。この場合、制御部102は、漏液状態に応じて標準排気量よりも大きい強制排気量に設定する。また、給気部128は、漏液状態に応じて流体キャビネット120にさらに大きい給気量で給気する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御するとともに設定された給気量で給気部128を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気できる。
なお、図15を参照した上述の説明では、流体キャビネット120内の漏液状態は、2段階に分けられたが、本実施形態はこれに限定されない。流体キャビネット120内の漏液状態は、3以上の多くの段階に分けられてもよい。
次に、図16を参照して、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120を説明する。図16は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120の模式図である。
図16に示すように、流体キャビネット120は、筐体122、吸気口123、排気部124、漏液検知部130p、処理液配管132および調製槽134に加えて、ポンプ136a、温調機器136bと、フィルター136cとをさらに備える。処理液配管132は、調製槽134に処理液を供給する。また、処理液配管132は、調製槽134から処理液を外部に流す。
処理液配管132は、流体キャビネット120の外部から流体キャビネット120の内部に延びる。また、処理液配管132は、流体キャビネット120の内部から流体キャビネット120の外部に延びる。本明細書において、処理液配管132のうち、流体キャビネット120の外部から流体キャビネット120の内部に向かって処理液が流通する境界部分を流入口132pと記載し、流体キャビネット120の内部から流体キャビネット120の外部に向かって処理液が流通する境界部分を流出口132qと記載する。また、本明細書において、処理液配管132のうち、流入口132pから調製槽134までの部分を上流側処理液配管132aと記載することがあり、調製槽134から流出口132qまでの部分を下流側処理液配管132bと記載することがある。
ポンプ136a、温調機器136bおよびフィルター136cは、処理液配管132に取り付けられる。詳細には、ポンプ136a、温調機器136bおよびフィルター136cは、下流側処理液配管132bに取り付けられる。
ポンプ136aは、処理液配管132に処理液を送る。温調機器136bは、処理液配管132を流れる処理液を加熱する。温調機器136bにより、処理液の温度が調整される。フィルター136cは、処理液配管132を流れる処理液をろ過する。
漏液検知部130pは、調製槽134の下方に配置されてもよい。あるいは、漏液検知部130pは、処理液配管132の近傍に配置されてもよい。
筐体122の上部には、電装部品を配置するための空間が設けられてもよい。
また、流体キャビネット120内に複数種類の漏液検知部130pを配置してもよい。この場合、複数種類の漏液検知部130pのいずれかの検知結果または複数の検知結果の組み合わせに基づいて流体キャビネット120内の漏液が判定されてもよい。
次に、図17を参照して、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120を説明する。図17(a)は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120の模式図である。図17(a)に示した流体キャビネット120は、漏液検知部130pが液検知センサー130aおよびカメラ130bを含む点を除いて、図16に示した流体キャビネット120と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
図17(a)に示すように、漏液検知部130pは、液検知センサー130aと、カメラ130bとを含む。液検知センサー130aは、筐体122の下方に配置される。カメラ130bは、筐体122の上方に配置される。
漏液検知部130pは、液検知センサー130aおよびカメラ130bのいずれかの検知結果に基づいて流体キャビネット120の漏液を検知してもよい。あるいは、漏液検知部130pは、液検知センサー130aおよびカメラ130bの両方の検知結果に基づいて流体キャビネット120の漏液を検知してもよい。
なお、漏液検知部130pは、処理液配管132を流れる流量に基づいて流体キャビネット120の漏液を検知してもよい。
図17(b)は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120の模式図である。図17(b)に示した流体キャビネット120は、漏液検知部130pが、液検知センサー130aおよびカメラ130bに代えて流量計136dおよび流量計136eを含む点を除いて、図17(a)に示した流体キャビネット120と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
図17(b)に示すように、流体キャビネット120は、流量計136dおよび流量計136eをさらに備える。流量計136dは、上流側処理液配管132aに取り付けられ、上流側処理液配管132aを流れる処理液の流量を測定する。流量計136eは、下流側処理液配管132bに取り付けられ、下流側処理液配管132bを流れる処理液の流量を測定する。
処理液配管132の流入口132pから流出口132qまで一定量の処理液が流れる場合、流量計136dにおいて測定された流量は、流量計136eにおいて測定された流量と等しい。典型的には、処理液が流体キャビネット120を循環する場合、流量計136dにおいて測定された流量は、流量計136eにおいて測定された流量と等しい。
しかしながら、上流側処理液配管132aおよび下流側処理液配管132bのいずれかにおいて処理液が漏れると、流量計136dにおいて測定された流量は、流量計136eにおいて測定された流量と等しくならない。このため、流量計136dおよび流量計136eにより、流体キャビネット120における漏液を検知でき、流量計136dおよび流量計136eは、漏液検知部130pとして機能できる。
なお、図1~図17を参照した上述の説明では、流体キャビネット120は、1つの区画された空間を有したが、流体キャビネット120は、複数に区画された空間を有してもよい。
次に、図18を参照して、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120を説明する。図18(a)および図18(b)は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120の模式的な上面図である。
図18(a)に示すように、流体キャビネット120は、第1流体筐体122aと、第2流体筐体122bとを有する。ここでは、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bは互いに隣接して配置される。流体キャビネット120は、他の部材と区画される。また、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bはそれぞれ区画される。これにより、流体キャビネット120は、複数に区画された空間を有する。
第1流体筐体122aには、処理液配管132および調製槽134が配置される。また、第2流体筐体122bには、処理液配管132および調製槽134が配置される。
なお、第1流体筐体122aを流通する処理液は、第2流体筐体122bを流通する処理液と同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、第1流体筐体122aの処理液は、第2流体筐体122bの処理液と異なる種類であってもよい。または、第1流体筐体122aの処理液の濃度は、第2流体筐体122bの処理液の濃度と異なってもよい。あるいは、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bの処理液の一方が基板処理ユニット10に処理液を供給し、他方が基板処理ユニット10に処理液を供給する前に処理液を循環させてもよい。
第1流体筐体122aは、排気部124aを有する。排気部124aは、排気配管125aと、ダンパー127aとを有する。
第2流体筐体122bは、排気部124bを有する。排気部124bは、排気配管125bと、ダンパー127bとを有する。
流体キャビネット120には、共通排気配管140が取り付けられる。共通排気配管140は、第1流体筐体122aの排気配管125aおよび第2流体筐体122bの排気配管125bと接続する。このため、第1流体筐体122a内の雰囲気は、排気配管125aおよび共通排気配管140を介して排気され、第2流体筐体122b内の雰囲気は、排気配管125bおよび共通排気配管140を介して排気される。
共通排気配管140は、連絡配管142と、主配管144とを有する。連絡配管142は、第1流体筐体122aの排気配管125aと、第2流体筐体122bの排気配管125bと、主配管144とを接続する。第1流体筐体122a内の雰囲気は、排気配管125a、連絡配管142および主配管144を介して排気される。第2流体筐体122b内の雰囲気は、排気配管125b、連絡配管142および主配管144を介して排気される。
図18(b)に示すように、第1流体筐体122a内において処理液が漏れると、第1流体筐体122aの漏液検知部130pは、流体キャビネット120内において漏液を検知する。制御部102は、流体キャビネット120内の漏液状態を判定する。制御部102は、漏液状態に応じて強制排気量を設定する。ここでは、制御部102は、漏液状態に応じてダンパー127aの開度を増加させる。
一方で、第2流体筐体122b内では処理液は漏れていない。このため、第2流体筐体122bの漏液検知部130pは、流体キャビネット120内において漏液を検知しない。したがって、制御部102は、漏液状態に応じてダンパー127bの開度を一定に維持したままである。
このように、共通排気配管140を介して、互いに異なる第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122b内の雰囲気を排気することにより、比較的簡易な構成で、互いに区画された第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122b内の雰囲気を一体的に排気できる。なお、上述したように、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bをそれぞれ流通する処理液は異なってもよい。ただし、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bをそれぞれ流通する処理液は、酸性、アルカリ性および有機溶剤のいずれかの点で共通していることが好ましい。この場合、共通排気配管140を流通した排気をまとめて処理できる。
なお、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bの容積、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bを流れる処理液の種類、温度、用途のいずれかが異なる場合、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bにおける漏液の判定基準および/または漏液状態の判定基準は異なってもよい。また、第1流体筐体122aの強制排気条件は、第2流体筐体122bの強制排気条件と異なってもよい。
次に、図1~図19(主として、図18および図19)を参照して、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法における検知量の時間的変化および排気条件の変更を説明する。図19(a)は、本実施形態による流体キャビネット120の第1流体筐体122aの排気制御方法における検知量の時間的変化を示すグラフであり、図19(b)は、本実施形態による流体キャビネット120の第2流体筐体122bの排気制御方法における検知量の時間的変化を示すグラフである。
図19(a)に示すように、ここでは、はじめ第1流体筐体122a内で処理液は漏れていない。
所定の時間が経過して第1流体筐体122a内において処理液が漏れ始めると、検知量が増加する。例えば、検知量が閾値t1aを超えると、制御部102は、排気条件を標準排気条件から第1強制排気条件に変更して、排気部124aは、第1強制排気条件にしたがって第1流体筐体122a内の雰囲気を排気する。ここでは、排気部124aは、標準排気量よりも大きい第1強制排気量に設定された第1強制排気条件で第1流体筐体122a内の雰囲気を排気する。
その後、検知量が閾値t2aを超えると、制御部102は、排気条件を第1強制排気条件から第2強制排気条件に変更し、排気部124aは、第2強制排気条件にしたがって第1流体筐体122a内の雰囲気を排気する。ここでは、排気部124aは、第1強制排気量よりも大きい第2強制排気量に設定された第2強制排気条件で第1流体筐体122a内の雰囲気を排気する。
その後、検知量が閾値t2aよりも低くなると、制御部102は、排気条件を第2強制排気条件から第3強制排気条件に変更し、排気部124aは、第3強制排気条件にしたがって第1流体筐体122a内の雰囲気を排気する。ここでは、排気部124aは、第2強制排気量よりも小さく標準排気量よりも大きい第3強制排気量に設定された第3強制排気条件で第1流体筐体122a内の雰囲気を排気する。
その後、検知量が閾値t1aよりも低くなると、制御部102は、排気条件を第3強制排気条件から標準排気条件に変更し、排気部124aは、標準排気条件にしたがって第1流体筐体122a内の雰囲気を排気する。
なお、第2流体筐体122bは、第1流体筐体122aとは異なる排気条件に設定されてもよい。また、第2流体筐体122bにおける排気条件を判定するための閾値は、第1流体筐体122aにおける排気条件を判定するための閾値とは異なってよい。
図19(b)に示すように、ここでは、はじめ第2流体筐体122b内で処理液は漏れていない。
所定の時間が経過して第2流体筐体122b内において処理液が漏れ始めると、検知量が増加する。例えば、検知量が閾値t1bを超えると、制御部102は、排気条件を標準排気条件から強制排気条件に変更して、排気部124bは、強制排気条件にしたがって第2流体筐体122b内の雰囲気を排気する。なお、閾値t1bは、閾値t1aとは異なってもよい。また、排気部124bによる強制排気条件は、排気部124aによる第1強制排気条件とは異なってもよい。
その後、検知量が閾値t2bを超えないため、制御部102は、排気条件を強制排気条件に維持し、排気部124bは、強制排気条件にしたがって第2流体筐体122b内の雰囲気を排気する。また、閾値t2bは、閾値t2aとは異なってもよい。
その後、検知量が閾値t1bよりも低くなると、制御部102は、排気条件を強制排気条件から標準排気条件に変更し、排気部124bは、標準排気条件にしたがって第2流体筐体122b内の雰囲気を排気する。
以上のように、制御部102は、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bに応じて漏液の検知、漏液状態の判定および/または排気条件を個別に設定してもよい。
なお、図18に示した流体キャビネット120では、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bは隣接して配置されたが、本実施形態はこれに限定されない。第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bは、異なる場所に配置されてもよい。また、第1流体筐体122aおよび第2流体筐体122bが共通排気配管140に接続される場合、共通排気配管140を流れる排気の排気量を変更してもよい。
次に、図1~図20(特に、図18~図20)を参照して、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120および共通排気配管140を説明する。図20(a)および図20(b)は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120および共通排気配管140の模式図である。
図20(a)に示すように、流体キャビネット120は、共通排気配管140に接続される。流体キャビネット120は、第1流体筐体122aと、第2流体筐体122bと、第3流体筐体122cとを含む。ここでは、第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cは、離れて位置する。第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cは、それぞれ同じ構成を有する。なお、第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cは、隣接して配置されてもよい。
共通排気配管140には送風機構146が配置される。送風機構146は、共通排気配管140内の気体が第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cから離れる方向に流れるように送風する。このため、送風機構146により、共通排気配管140内の気体が流通し、第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cをそれぞれ排気できる。例えば、送風機構146は、ファンを有する。
ここでは、第1流体筐体122a、第2流体筐体122b、第3流体筐体122c内のそれぞれにおいて漏液は検知されていない。図19(a)に、第1流体筐体122a、第2流体筐体122b、第3流体筐体122cおよび共通排気配管140のそれぞれの排気量を示す。第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの排気量はそれぞれ1.0、1.0、1.0であり、共通排気配管140の排気量は3.0である。
図20(b)に示すように、第1流体筐体122a内において処理液が漏れると、第1流体筐体122aの漏液検知部130pは、第1流体筐体122a内において漏液を検知する。一方で、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122c内において処理液は漏れていない。
この場合、制御部102は、第1流体筐体122a内の漏液状態を判定する。その後、制御部102は、漏液状態に応じて第1流体筐体122aの強制排気条件を決定し、第1流体筐体122aの排気部124は、第1流体筐体122a内の雰囲気を強制排気条件で排気する。また、制御部102は、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの標準排気条件を維持し、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cのそれぞれの排気部124は、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122c内の雰囲気を標準排気条件で排気する。
このとき、制御部102は、第1流体筐体122aの排気部124の排気量の増加に伴って送風機構146による共通排気配管140の排気量を増加させる。この場合、第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの排気量はそれぞれ1.5、1.0、1.0であり、共通排気配管140の排気量は3.5である。
本実施形態では、制御部102は、第1流体筐体122a内の漏液状態に応じて第1流体筐体122aの排気量を増加させるとともに、共通排気配管140の排気量を増加させる。これにより、漏液の生じた第1流体筐体122aを効率的に排気できる。
なお、図20を参照して上述した説明では、漏液の発生に応じて送風機構146を制御して共通排気配管140の排気量を調整したが、本実施形態はこれに限定されない。漏液の発生の有無に関わらず共通排気配管140の排気量を調整しなくてもよい。
次に、図21を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図21(a)および図21(b)は、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明するための模式図である。
図21(a)に示すように、流体キャビネット120は、共通排気配管140に接続される。流体キャビネット120は、第1流体筐体122aと、第2流体筐体122bと、第3流体筐体122cとを含む。ここでは、第1流体筐体122a、第2流体筐体122b、第3流体筐体122c内のそれぞれにおいて漏液は検知されていない。
図21(a)に、第1流体筐体122a、第2流体筐体122b、第3流体筐体122cおよび共通排気配管140のそれぞれの排気量を示す。第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの排気量はそれぞれ1.0、1.0、1.0であり、共通排気配管140の排気量は3.0である。
図21(b)に示すように、第1流体筐体122a内において処理液が漏れると、第1流体筐体122aの漏液検知部130pは、第1流体筐体122a内において漏液を検知する。一方で、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122c内において処理液は漏れていない。
この場合、制御部102は、第1流体筐体122a内の漏液状態を判定する。その後、制御部102は、漏液状態に応じて第1流体筐体122aの強制排気条件を決定し、第1流体筐体122aの排気部124は、第1流体筐体122a内の雰囲気を強制排気条件で排気する。また、制御部102は、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの標準排気条件を維持し、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cのそれぞれの排気部124は、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122c内の雰囲気を標準排気条件で排気する。
ここでは、制御部102は、送風機構146による共通排気配管140の排気量を増加させない。このため、第1流体筐体122aの排気量は増加し、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの排気量は減少する。例えば、第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの排気量はそれぞれ1.4、0.8、0.8となり、共通排気配管140の排気量は3.0のまま維持される。
本実施形態では、制御部102は、第1流体筐体122a内の漏液状態に応じて第1流体筐体122aの排気量を増加させるとともに、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの排気量を低減する。これにより、送風機構146の負荷を増加させることなく漏液の生じた第1流体筐体122aを効率的に排気できる。
なお、図20および図21を参照した上述の説明では、第1流体筐体122a~第3流体筐体122cは、同様の構成を有していたが、本実施形態はこれに限定されない。第1流体筐体122a~第3流体筐体122cは、異なる構成を有してもよい。例えば、第1流体筐体122a~第3流体筐体122cの容積は異なってもよい。
また、図20および図21を参照した上述の説明では、共通排気配管140には、処理液配管132を備えた第1流体筐体122a~第3流体筐体122cが接続されたが、本実施形態はこれに限定されない。共通排気配管140には、処理液配管132を備えないキャビネットが接続してもよい。
次に、図22を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図22(a)および図22(d)は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120、共通排気配管140およびダミーキャビネット150の模式図である。図22(b)は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120の模式図であり、図22(c)は、本実施形態の基板処理装置100におけるダミーキャビネット150の模式図である。
図22(a)に示すように、共通排気配管140には、流体キャビネット120およびダミーキャビネット150に接続される。共通排気配管140により、流体キャビネット120内の雰囲気およびダミーキャビネット150内の雰囲気を排気できる。
流体キャビネット120は、第1流体筐体122aと、第2流体筐体122bと、第3流体筐体122cとを含む。第1流体筐体122aと、第2流体筐体122bと、第3流体筐体122cは、少なくとも処理液配管132を備える。一方で、ダミーキャビネット150は、処理液配管132を備えない。
ここでは、第1流体筐体122a~第3流体筐体122cは、同じ構成を有する。このため、第1流体筐体122a~第3流体筐体122cの容積は互いに等しい。一方で、ダミーキャビネット150の容積は、第1流体筐体122a~第3流体筐体122cの容積よりも小さい。ここでは、第1流体筐体122a、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122c内のそれぞれにおいて漏液は検知されていない。
図22(a)に、第1流体筐体122a、第2流体筐体122b、第3流体筐体122c、ダミーキャビネット150および共通排気配管140のそれぞれの排気量を示す。例えば、第1流体筐体122a、第2流体筐体122b、第3流体筐体122c、ダミーキャビネット150の排気量はそれぞれ1.0、1.0、1.0、0.5であり、共通排気配管140の排気量は3.5である。
図22(b)に示すように、第1流体筐体122aは、筐体122、吸気口123、排気部124、漏液検知部130p、処理液配管132、調製槽134に加えて、ポンプ136a、温調機器136bと、フィルター136cを備える。なお、第1流体筐体122aの構成は、図16を参照して上述した流体キャビネット120と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。また、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの構成も第1流体筐体122aの構成と同様である。
図22(c)に示すように、ダミーキャビネット150は、筐体152、吸気口153、排気部154を備える。ここでは、ダミーキャビネット150には、第1流体筐体122a~第3流体筐体122cとは異なり、処理液が流れない。
排気部154は、排気配管155と、排気量調整機構156とを有する。筐体152内の雰囲気を排気する際に、筐体152内の気体は、排気配管155を流れて外部に排出される。
排気量調整機構156は、排気配管155を流れる気体の流通量(排気量)を調整する。排気量調整機構156により、排気配管155を流れる排気量を増加または低減できる。
ただし、ダミーキャビネット150は、漏液検知部130pを備えてもよい。ダミーキャビネット150が漏液検知部130pを備える場合、吸気口153を介してダミーキャビネット150内に処理液が進入したことを検知できる。
図22(d)に示すように、第1流体筐体122a内において処理液が漏れると、第1流体筐体122aの漏液検知部130pは、第1流体筐体122a内において漏液を検知する。一方で、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122c内において処理液は漏れていない。
この場合、制御部102は、第1流体筐体122a内の漏液状態を判定する。その後、制御部102は、漏液状態に応じて第1流体筐体122aの強制排気条件を決定し、第1流体筐体122aの排気部124は、第1流体筐体122a内の雰囲気を強制排気条件で排気する。また、制御部102は、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの標準排気条件を維持し、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cのそれぞれの排気部124は、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122c内の雰囲気を標準排気条件で排気する。
さらに、制御部102は、第1流体筐体122aの排気条件を標準排気条件から強制排気条件に変更したことに伴い、ダミーキャビネット150の排気部154の駆動を停止する。このため、制御部102は、送風機構146による共通排気配管140の排気量を増加させなくても、第1流体筐体122aの排気量を増加できる。例えば、図22(d)に示すように、第1流体筐体122a、第2流体筐体122b、第3流体筐体122cおよびダミーキャビネット150の排気量はそれぞれ1.5、1.0、1.0、0.5であり、共通排気配管140の排気量は3.5のまま維持される。
本実施形態では、制御部102は、第1流体筐体122a内の漏液状態に応じて第1流体筐体122aの排気量を増加させる一方で、ダミーキャビネット150の排気量を減少させる。これにより、送風機構146の負荷を増加させることなく漏液の生じた第1流体筐体122aを効率的に排気できる。
なお、図18、図20~図22に示した基板処理装置100では、流体キャビネット120は共通排気配管140に直接的に接続されたが、本実施形態はこれに限定されない。流体キャビネット120は、ダミーキャビネット150を介して共通排気配管140に接続されてもよい。
次に、図23を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図23は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120、共通排気配管140およびダミーキャビネット150の模式図である。
図23に示すように、共通排気配管140には、ダミーキャビネット150が接続されており、ダミーキャビネット150に流体キャビネット120が接続されている。ここでは、流体キャビネット120は、第1流体筐体122a~第3流体筐体122cを含む。第1流体筐体122a~第3流体筐体122cは、ダミーキャビネット150に接続される。このように、流体キャビネット120が、ダミーキャビネット150を介して共通排気配管140に接続されることにより、共通排気配管140は、流体キャビネット120およびダミーキャビネット150のそれぞれと接続してもよい。
次に、図1~図24(主として、図23および図24)を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図24(a)および図24(b)は、本実施形態の基板処理装置100における第1流体筐体122a~第3流体筐体122cの排気配管125a~125cが接続されたダミーキャビネット150の模式図である。
図24(a)に示すように、ダミーキャビネット150は、第1流体筐体122a~第3流体筐体122cに接続する。詳細には、ダミーキャビネット150は、第1流体筐体122a~第3流体筐体122cに接続される。また、ダミーキャビネット150は共通排気配管140に接続する。
排気部154は、排気配管155と、ダンパー157とを有する。排気配管155は、筐体152内に配置される。筐体152内の雰囲気を排気する際に、筐体152内の空気は、排気配管155を流れる。ダンパー157は、排気配管155の開度を制御する。ダンパー157は、排気配管155の排気量調整機構として機能する。
第1流体筐体122a~第3流体筐体122cの排気配管125a~125cを流れた排気は、ダミーキャビネット150の筐体152内の排気配管155に流入する。このため、排気配管155は、ダンパー157を介して流入した気体とともに第1流体筐体122a~第3流体筐体122cの排気配管125a~125cを介して流入する気体を外部に排出する。
例えば、第1流体筐体122a、第2流体筐体122b、第3流体筐体122cおよびダンパー157を介する排気配管155の排気量はそれぞれ1.0、1.0、1.0、0.5であると、共通排気配管140の排気量は3.5である。
図24(b)に示すように、第1流体筐体122a内において処理液が漏れると、第1流体筐体122aの漏液検知部130pは、第1流体筐体122a内において漏液を検知する。一方で、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122c内において処理液は漏れていない。
この場合、制御部102は、第1流体筐体122a内の漏液状態を判定する。その後、制御部102は、漏液状態に応じて第1流体筐体122aの強制排気条件を決定し、第1流体筐体122aの排気部124は、第1流体筐体122a内の雰囲気を強制排気条件で排気する。また、制御部102は、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cの標準排気条件を維持し、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122cのそれぞれの排気部124は、第2流体筐体122bおよび第3流体筐体122c内の雰囲気を標準排気条件で排気する。
さらに、制御部102は、第1流体筐体122aの排気条件を標準排気条件から強制排気条件に変更したことに伴い、ダンパー157を介する排気配管155の排気量を減少する。制御部102は、ダンパー157の開度をさらに狭く制御することにより、排気部154は、全体の排気量を維持でき、制御部102は、送風機構146による共通排気配管140の排気量を増加させなくてもよい。例えば、第1流体筐体122a、第2流体筐体122b、第3流体筐体122cおよびダンパー157を介する排気配管155の排気量はそれぞれ1.4、1.0、1.0、0.1であり、共通排気配管140の排気量は3.5のままでよい。これにより、送風機構146の負荷を増加させることなく漏液の生じた第1流体筐体122aを効率的に排気できる。
なお、図7~図24を参照した上述の説明では、流体キャビネット120内で生じた異常として漏液が検知した形態を説明したが、流体キャビネット120内の異常として排気圧の低下が検知されてもよい。
次に、図1~図25を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図25は、基板処理装置100のブロック図である。図25に示した基板処理装置100は、異常検知部130に代えて、流体キャビネット120内の排気圧を検知する排気圧検知部130qを備える点を除いて、図4に示した基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
図25に示すように、基板処理装置100は、排気圧検知部130qを備える。排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内における排気圧を検知する。例えば、外部配管に不具合が生じた場合、流体キャビネット120内の排気圧が低下することがある。または、共通配管に接続する配管の数が増えた場合、流体キャビネット120内の排気圧が低下することがある。この場合、排気圧検知部130qにより、流体キャビネット120内における排気圧の低下を検知できる。
例えば、排気圧検知部130qは、微差圧計またはマノメータを含む。排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内の気圧と流体キャビネット120と外部とを連絡する排気配管125の気圧との差分により、流体キャビネット120内における排気圧の低下を検知してもよい。
なお、図7~図24を参照した上述の説明では、流体キャビネット120内で生じた異常として漏液が検知した形態を説明したが、流体キャビネット120内の異常として排気圧の低下を検知する形態にもついても同様に適用可能であることは言うまでもない。
次に、図1~図26を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図26は、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法のフロー図である。
図26に示すように、ステップS102において、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量に設定された標準排気条件で排気する。制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定し、排気部124は、標準排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
ステップS104において、流体キャビネット120内で排気圧の低下が検知されるか否かを判定する。流体キャビネット120内の排気圧が低下した場合、排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内の排気圧の低下を検知する。
流体キャビネット120内で排気圧の低下が検知されない場合(ステップS104においてNo)、処理は、ステップS102に戻る。これにより、排気部124は、標準排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気しながら、異常の検知判定を繰り返すことができる。一方、流体キャビネット120内で排気圧の低下が検知された場合(ステップS104においてYes)、処理は、ステップS106に進む。
ステップS106において、制御部102は、流体キャビネット120内の排気圧の低下状態を判定する。制御部102は、排気圧検知部130qの検知結果に基づいて流体キャビネット120内の排気圧の低下状態を判定する。例えば、制御部102は、排気圧検知部130qの検知結果に基づく検知量に応じて、流体キャビネット120内の排気圧の低下状態を判定してもよい。
ステップS108において、制御部102は、強制排気条件を決定する。制御部102は、複数の強制排気条件から排気圧の低下状態に応じた強制排気条件を決定する。複数の強制排気条件は、標準排気量よりも大きい強制排気量に設定される。例えば、制御部102は、2段階の強制排気条件から排気圧の低下状態に応じた強制排気条件を決定する。または、制御部102は、3以上の段階の強制排気条件から排気圧の低下状態に応じた強制排気条件を決定する。
ステップS110において、制御部102は、決定された強制排気条件にしたがって排気部124を制御して流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。このため、流体キャビネット120は、強制排気される。
ステップS112において、流体キャビネット120内で排気圧の低下が検知されるか否かを再び判定する。流体キャビネット120内で処理液の排気が完了していない場合、排気圧検知部130qは、排気圧の低下を検知する。
流体キャビネット120内で排気圧の低下が検知された場合(ステップS112においてYes)、処理は、ステップS110に戻る。この場合、排気部124は、流体キャビネット120の強制排気を継続する。流体キャビネット120内で排気圧の低下が検知されない場合(ステップS112においてNo)、処理は、ステップS114に進む。
ステップS114において、排気処理を終了するか否かを判定する。制御部102は、排気処理を終了する旨の指示を受けた場合、排気処理を終了する。または、基板処理装置100全体のメンテナンスを行う場合、制御部102は、排気処理を終了する。
排気処理を終了しない場合(ステップS114においてNo)、処理は、S102に戻る。この場合、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。一方、排気処理を終了すると判定した場合(ステップS114においてYes)、処理は、終了する。
次に、図27を参照して実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図27(a)は、本実施形態の基板処理装置100における流体キャビネット120の模式図であり、図27(b)は、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法における排気圧の時間的変化を示すグラフである。
図27(a)に示すように、流体キャビネット120は、筐体122と、吸気口123と、排気部124と、排気圧検知部130qとを有する。筐体122により、流体キャビネット120は区画される。筐体122には、吸気口123および排気部124が設けられる。また、筐体122は、排気圧検知部130qを収容する。排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内の排気圧を検知する。
筐体122は、開閉可能な扉122dを有する。扉122dを開けることにより、作業者は、筐体122内に進入できる。
筐体122に吸気口123が設けられる。吸気口123から筐体122内に外気が吸い込まれる。ここでは、吸気口123は、扉122dに設けられる。
排気部124は、筐体122内の雰囲気を排気する。排気部124は、単位時間あたりの排気量を変化させて筐体122内の雰囲気を排気できる。
排気部124は、排気配管125と、排気量調整機構126とを有する。典型的には、流体キャビネット120内の気圧は、排気配管125を介した外部の気圧よりも高い。筐体122内の雰囲気を排気する際に、筐体122内の気体は、排気配管125を流れて外部に排出される。ここでは、排気圧検知部130qは、排気配管125に配置される。排気圧検知部130qは、排気量調整機構126よりも上流側に位置する。排気圧検知部130qは、筐体122から排気量調整機構126を介して排気配管125を流れる排気の排気圧を検知する。
排気量調整機構126は、排気配管125を流れる気体の流通量(排気量)を調整する。排気量調整機構126により、排気配管125を流れる排気量を増加または低減できる。例えば、排気量調整機構126を調整して排気配管125の開度を増加させることにより、排気配管125を流れる排気量を増加できる。
図27(b)に示すように、排気圧は、標準排気条件において目標値Gvに設定される。理想的には、標準排気条件において、排気圧は目標値Gvに維持される。ただし、この場合でも、排気圧は、目標値Gvに対して若干変動してもよい。
流体キャビネット120の排気配管125と接続する排気源に不具合が生じると、流体キャビネット120内の排気圧が低下する。例えば、排気圧が第1閾値Tv1を下回ると、制御部102は、排気条件を標準排気条件から第1強制排気条件に変更して、排気部124は、第1強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。ここでは、排気部124は、標準排気量よりも排気配管125の開度を増大させた第1強制排気量に設定された第1強制排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
その後、排気圧が第2閾値Tv2を下回ると、制御部102は、排気条件を第1強制排気条件から第2強制排気条件に変更し、排気部124は、第2強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。ここでは、排気部124は、排気配管125の開度をさらに増大させた第2強制排気量に設定された第2強制排気条件で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
このように、排気圧が第1閾値Tv1よりも低くなったことを排気圧検知部130qが検知すると、制御部102は、異常状態を判定して排気配管125の開度が増大するように排気量調整機構126を制御する。また、排気圧が第2閾値Tv2よりも低くなったことを排気圧検知部130qが検知すると、制御部102は、異常状態を判定して排気配管125の開度がさらに増大するように排気量調整機構126を制御する。なお、排気配管125の開度を増大した結果、排気圧が目標値Gvに戻る場合、制御部102は、排気配管125の開度を戻すように排気量調整機構126を制御してもよい。
次に、図28を参照して実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図28(a)~図28(c)は、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法を説明するための模式図である。
次に、図1~図28を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図28(a)~図28(c)は、本実施形態の流体キャビネット120の排気を説明するための模式図である。
図28(a)に示すように、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量に設定された標準排気条件で排気される。制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定する。例えば、標準排気条件は、流体キャビネット120内の処理液配管132を流れる処理液の種類または配管を流れる処理液の流量に基づいて設定される。
排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。排気部124による排気に伴い、吸気口123から流体キャビネット120内に空気が吸気される。標準排気により、筐体122内の雰囲気が筐体122の外部に漏れることを抑制できる。
図28(b)に示すように、流体キャビネット120内において排気圧が低下すると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも排気量の大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。詳細には、流体キャビネット120内において排気圧が低下すると、排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内の排気圧の低下を検知する。制御部102は、排気圧検知部130qの検知結果に基づいて、流体キャビネット120内の排気圧の低下状態を判定する。制御部102は、排気圧の低下状態に応じて強制排気条件を決定する。例えば、強制排気条件は、流体キャビネット120内の処理液配管132を流れる処理液の種類または処理液配管132を流れる処理液の流量と、排気圧の低下状態との組合せに基づいて設定される。排気部124は、決定された強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
ここでは、排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内において比較的小さい程度の排気圧の低下を検知する。この場合、制御部102は、排気圧の低下状態に応じて標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
図28(c)に示すように、流体キャビネット120内において比較的大きく排気圧が低下すると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。ここでは、排気圧検知部130qが、流体キャビネット120内において比較的大きく排気圧が低下したことを検知すると、制御部102は、排気圧の低下状態に応じてさらに大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を強制的に排気できる。
以上のように、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法によれば、流体キャビネット120内の排気圧の低下状態に応じて排気部124の排気量を制御できる。このため、流体キャビネット120内において排気圧の低下に応じて、流体キャビネット120内の雰囲気を適切に排気できる。
なお、図28を参照した上述の説明では、流体キャビネット120内の排気圧の低下状態および強制排気条件は、2段階に分けられたが、本実施形態はこれに限定されない。流体キャビネット120内の排気圧の低下状態および強制排気条件は、3以上の多くの段階に分けられてもよい。
次に、図29を参照して本実施形態の基板処理装置100における排気部124の動作を説明する。図29(a)~図29(d)は、本実施形態の基板処理装置100における排気部124および/または流体キャビネット120を説明するための模式図である。
図29(a)に示すように、排気部124は、排気配管125と、排気量調整機構126とを有する。排気量調整機構126は、排気配管125内に配置される。ここでは、排気圧検知部130qも排気配管125内に配置される。排気圧検知部130qは、排気量調整機構126の回転軸126rに対して筐体122側の気圧を検知する。排気量調整機構126は、回転軸126rを中心に回転する。排気量調整機構126の回転により、排気配管125の開度を調整できる。
なお、排気量調整機構126は、回転軸126rを中心として回転するのではなく、スライドしてもよい。
図29(b)に示すように、排気部124は、排気配管125と、排気配管125に対してスライド可能な排気量調整機構126とを有する。排気量調整機構126は、排気配管125内に配置される。排気量調整機構126は、排気配管125の少なくとも一部を部分的に遮るように配置される。ここでは、排気圧検知部130qは、排気量調整機構126の回転軸126rに対して筐体122側に位置する。排気量調整機構126がスライドすることにより、排気配管125の開度を調整できる。
なお、図15を参照した上述の説明では、排気部124は、筐体122の下方側に位置する給気部128を有したが、本実施形態はこれに限定されない。
図29(c)に示すように、排気部124は、排気配管125と、給気部128uとを有する。給気部128uは、筐体122の上方に位置する。給気部128uは、筐体122に気体を供給する。給気部128uは、いわゆるダウンフローを形成してもよい。給気部128uは、排気圧検知部130qの検知結果に基づいて給気量を変更する。給気部128uからの給気量に応じて、排気部124の排気圧が変更される。
流体キャビネット120内の排気圧が目標値Gvである場合、給気部128uは、流体キャビネット120内に標準給気量で気体を給気する。この場合、流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量に設定された標準排気条件で排気される。
流体キャビネット120内において排気圧の低下が検知されると、給気部128uは、標準給気量よりも給気量の大きい強制給気量で給気する。この場合、流体キャビネット120は、標準排気量よりも排気量の大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気される。
例えば、排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内において比較的小さい程度の排気圧の低下を検知すると、制御部102は、排気圧の低下状態に応じて標準給気量よりも大きい強制給気量に設定された強制給気条件を決定する。制御部102は、決定された強制給気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
さらに、排気圧検知部130qが、流体キャビネット120内において比較的大きい程度の排気圧の低下を検知すると、制御部102は、排気圧の低下状態に応じてさらに大きい強制給気量に設定された強制給気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気部124を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を強制的に排気できる。
なお、上述した説明では、排気配管125は直線状に延びていたが、本実施形態はこれに限定されない。排気配管125は、途中から分岐されてもよい。
図29(d)に示すように、排気部124は、排気配管125と、排気量調整機構126とを有する。排気配管125は、本体配管125pと、分岐配管125qとを有する。本体配管125pは、鉛直方向に直線状に延びる。本体配管125pは、本体配管125pから分岐される。本体配管125pと分岐配管125qとの分岐点は、排気量調整機構126よりも下流側に位置する。このため、排気量調整機構126により、本体配管125pを流れる排気量を調整できる一方で、分岐配管125qにより、排気量調整機構126に関わらず一定量の気体が排気される。
分岐配管125qは、本体配管125pから斜め上方に延びる。分岐配管125qの通路の断面積は、本体配管125pの通路の断面積よりも小さい。なお、分岐配管125qに別途送風機構を設置してもよい。
図27および図28を参照して上述した説明では、排気部124は、流体キャビネット120と外部とを連絡する排気配管125の開度を変更したが、本実施形態はこれに限定されない。排気部124は、流体キャビネット120に気体を供給する給気部を有してもよい。
次に、図30を参照して実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図30(a)~図30(c)は、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法を説明するための模式図である。
次に、図1~図30を参照して、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図30(a)~図30(c)は、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法を説明するための模式図である。図30に示した流体キャビネット120は、給気部128をさらに備える点を除いて、図28に示した流体キャビネット120と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
図30(a)に示すように、ここでは、排気部124は、排気配管125、排気量調整機構126および給気部128を有する。給気部128は、吸気口123に取り付けられる。給気部128は、例えば、ファンを含む。排気量調整機構126は、排気配管125の開度を調整できる。排気量調整機構126および給気部128の少なくとも一方を制御することにより、流体キャビネット120から外部に排気される排気量を調整できる。なお、排気量調整機構126は、基板処理装置100の駆動を開始した後、排気配管125の開度を一定に維持してもよい。
流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量に設定された標準排気条件で排気される。制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定する。流体キャビネット120の排気圧が目標値Gvに維持されている場合、給気部128は、標準給気量で流体キャビネット120に気体を供給する。なお、この場合、給気部128は、駆動しなくてもよい。
排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。排気部124による排気に伴い、吸気口123から流体キャビネット120内に空気が吸気される。標準排気により、筐体122内の雰囲気が筐体122の外部に漏れることを抑制できる。
図30(b)に示すように、流体キャビネット120内において流体キャビネット120からの排気圧が低下すると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも排気量の大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。詳細には、流体キャビネット120内の排気圧が低下すると、排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内の排気圧の低下を検知する。制御部102は、排気圧検知部130qの検知結果に基づいて、流体キャビネット120内の排気圧の低下状態を判定する。制御部102は、排気圧の低下状態に応じて強制排気条件を決定する。詳細には、制御部102は、標準給気量よりも大きい強制給気量で気体を供給するように給気部128を制御する。これにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
ここでは、排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内において排気圧が比較的小さく低下したことを検知する。この場合、制御部102は、排気圧の低下状態に応じて標準給気量よりも大きい強制給気量に設定された強制給気条件を決定する。制御部102は、決定された強制給気条件で給気部128を制御することにより、流体キャビネット120内の雰囲気は強制的に排気される。
図30(c)に示すように、流体キャビネット120内において排気圧が比較的大きく低下すると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制給気条件で排気する。ここでは、排気圧検知部130qが、流体キャビネット120内において排気圧が比較的大きく低下したことを検知すると、制御部102は、排気圧の低下状態に応じてさらに大きい強制給気量に設定された強制給気条件を決定する。制御部102は、決定された強制給気条件で給気部128を制御する。これにより、流体キャビネット120内の雰囲気を強制的に排気できる。
以上のように、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法によれば、流体キャビネット120内の排気圧の低下状態に応じて排気部124の排気量を制御できる。このため、流体キャビネット120内の排気圧の低下に応じて、流体キャビネット120内の雰囲気を適切に排気できる。
次に、図31を参照して実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法を説明する。図31(a)~図31(c)は、本実施形態による流体キャビネット120の排気制御方法を説明するための模式図である。図31に示した流体キャビネット120は、分岐配管125qおよび排気ファン129をさらに備える点を除いて、図28に示した流体キャビネット120と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
図31(a)に示すように、ここでは、排気部124は、排気配管125と、排気量調整機構126と、排気ファン129とを有する。排気配管125は、本体配管125pと、分岐配管125qとを有する。本体配管125pは、直線状に延びる。分岐配管125qは、本体配管125pの途中から分岐する。排気量調整機構126は、排気配管125の開度を調整する。排気量調整機構126は、本体配管125pの分岐点よりも上流側に位置する。排気ファン129は、流体キャビネット120からの排気量を増加させる。排気ファン129は、分岐配管125qに位置する。排気量調整機構126および排気ファン129の少なくとも一方を制御することにより、流体キャビネット120から外部に排気される排気量を調整できる。なお、排気量調整機構126は、基板処理装置100の駆動を開始した後、排気配管125の開度を一定に維持してもよい。
流体キャビネット120内の雰囲気は、標準排気量に設定された標準排気条件で排気される。制御部102は、排気条件を標準排気条件に設定する。流体キャビネット120の排気圧が目標値Gvに維持されている場合、排気ファン129は、標準排気量で流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。なお、この場合、排気ファン129は、駆動しなくてもよい。
排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気条件で排気する。排気部124による排気に伴い、吸気口123から流体キャビネット120内に空気が吸気される。標準排気により、筐体122内の雰囲気が筐体122の外部に漏れることを抑制できる。
図31(b)に示すように、流体キャビネット120内において流体キャビネット120からの排気圧が低下すると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも排気量の大きい強制排気量に設定された強制排気条件で排気する。詳細には、流体キャビネット120内の排気圧が低下すると、排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内の排気圧の低下を検知する。制御部102は、排気圧検知部130qの検知結果に基づいて、流体キャビネット120内の排気圧の低下状態を判定する。制御部102は、排気圧の低下状態に応じて排気ファン129による標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された強制排気条件を決定する。詳細には、制御部102は、決定された強制排気条件で排気ファン129を制御することにより、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。排気部124は、決定された強制排気条件にしたがって流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
ここでは、排気圧検知部130qは、流体キャビネット120内において排気圧が比較的小さく低下したことを検知する。この場合、制御部102は、排気圧の低下状態に応じて標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された排気ファン129の強制排気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気ファン129を制御することにより、排気ファン129は、流体キャビネット120内の雰囲気を排気する。
図31(c)に示すように、流体キャビネット120内において排気圧が比較的大きく低下すると、排気部124は、流体キャビネット120内の雰囲気を標準排気量よりも大きい強制排気量に設定された排気ファン129の強制排気条件で排気する。ここでは、排気圧検知部130qが、流体キャビネット120内において排気圧が比較的大きく低下したことを検知すると、制御部102は、排気圧の低下状態に応じてさらに大きい強制排気量に設定された排気ファン129の強制排気条件を決定する。制御部102は、決定された強制排気条件で排気ファン129を制御することにより、排気ファン129は、流体キャビネット120内の雰囲気を強制的に排気できる。
以上のように、本実施形態の流体キャビネット120の排気制御方法によれば、流体キャビネット120内の排気圧の低下状態に応じて排気部124の排気量を制御できる。このため、流体キャビネット120内において漏れた処理液の量に応じて、流体キャビネット120内の雰囲気を適切に排気できる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明は、流体キャビネットの排気に好適に用いられる。
10 基板処理ユニット
12 チャンバー
20 基板保持部
30 処理液供給部
100 基板処理装置
110 流体ボックス
120 流体キャビネット
W 基板

Claims (24)

  1. 基板処理ユニットに供給される流体が流通する流体配管が配置された流体キャビネットにより区画された空間内の雰囲気を排気する方法であって、
    標準排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する標準排気工程と、
    前記流体キャビネット内の異常を検知する異常検知工程と、
    前記異常検知工程における検知結果に基づいて、前記流体キャビネット内の異常状態を判定する異常状態判定工程と、
    前記異常状態判定工程における判定結果に基づき、前記標準排気条件の排気量よりも大きい排気量に設定された強制排気条件を決定する強制排気条件決定工程と、
    前記強制排気条件決定工程において決定された前記強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する強制排気工程と
    を包含する、流体キャビネットの排気制御方法。
  2. 前記異常検知工程は、前記流体キャビネット内で生じた漏液を検知する漏液検知工程を含み、
    前記異常状態判定工程は、前記漏液検知工程における検知結果に基づいて、前記流体キャビネット内の漏液状態を判定する漏液状態判定工程を含む、請求項1に記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  3. 前記異常検知工程は、前記流体キャビネット内の排気圧の低下を検知する排気圧低下検知工程を含み、
    前記異常状態判定工程は、前記排気圧低下検知工程における検知結果に基づいて、前記流体キャビネットの排気圧の低下状態を判定する排気圧低下状態判定工程を含む、請求項1に記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  4. 前記強制排気工程は、
    前記標準排気工程から移行して、前記標準排気条件の排気量よりも大きい第1強制排気量に設定された第1強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する第1強制排気工程と、
    前記標準排気工程から前記第1強制排気工程に移行してから所定時間経過した後、前記流体キャビネット内において異常が検知されない場合、前記標準排気条件の排気量よりも大きく前記第1強制排気量よりも小さい第2強制排気量に設定された第2強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する第2強制排気工程と
    を含む、請求項1から3のいずれかに記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  5. 前記標準排気工程において、前記標準排気条件は、前記流体キャビネット内の前記流体配管を流れる流体の種類または前記流体配管を流れる流体の流量に基づいて設定される、請求項1から4のいずれかに記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  6. 前記強制排気工程は、前記強制排気工程において判定された前流体キャビネット内の異常状態の時間的変化に基づいて、前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するための排気条件を前記標準排気条件に戻すか否かを判定する工程を含む、請求項1から5のいずれかに記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  7. 前記流体キャビネットは、
    第1流体筐体と、
    前記第1流体筐体と共通する共通排気配管に接続された第2流体筐体と
    を含み、
    前記異常検知工程において、前記第1流体筐体内の異常が検知された場合、前記強制排気工程において、前記強制排気条件で前記第1流体筐体内の雰囲気を排気する、請求項1から6のいずれかに記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  8. 前記強制排気工程において、前記共通排気配管を流通する排気の排気量を増加させる、請求項7に記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  9. 前記異常検知工程において、前記第1流体筐体内の異常が検知された場合、前記強制排気工程において、前記共通排気配管を流通する排気の排気量を変更することなく前記第1流体筐体の排気量を増加させる、請求項7に記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  10. 前記異常状態判定工程は、既定の基準値と前記検知結果とを比較することによって前記異常状態を判定し、
    前記第1流体筐体に対応する判定における基準値である第1基準値と、前記第2流体筐体に対応する判定における基準値である第2基準値は異なる、請求項7から9のいずれかに記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  11. 前記強制排気条件決定工程において、前記第1流体筐体に対応する第1筐体強制排気条件と、前記第2流体筐体に対応する第2筐体強制排気条件とを決定し、
    前記第1筐体強制排気条件と、前記第2筐体強制排気条件とは異なる、請求項7から10のいずれかに記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  12. 前記異常検知工程において、前記流体キャビネット内の異常が検知された場合、前記強制排気工程において、前記流体キャビネットと共通する共通排気配管に接続されたダミーキャビネットの排気量を前記標準排気工程の排気量よりも低減させるとともに前記流体キャビネットの排気量を前記標準排気工程の排気量よりも増加させる、請求項1から11のいずれかに記載の流体キャビネットの排気制御方法。
  13. 基板を処理する基板処理ユニットと、
    前記基板処理ユニットに供給される流体が流通する流体配管が配置された流体キャビネットと、
    前記流体キャビネット内の異常を検知する異常検知部と、
    前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する排気部と、
    前記排気部を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、標準排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御し、
    前記制御部は、前記異常検知部が前記流体キャビネット内の異常を検知した検知結果に基づいて、前記流体キャビネット内の異常状態を判定し、
    前記制御部は、前記異常状態の判定結果に基づき、前記標準排気条件の排気量よりも大きい排気量に設定された強制排気条件を決定し、
    前記制御部は、前記強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御する、基板処理装置。
  14. 前記異常検知部は、前記流体キャビネット内の漏液を検知する漏液検知部を含む、請求項13に記載の基板処理装置。
  15. 前記異常検知部は、前記流体キャビネット内の排気圧を検知する排気圧検知部を含む、請求項13に記載の基板処理装置。
  16. 前記制御部は、
    前記標準排気条件から移行して前記標準排気条件の排気量よりも大きい第1強制排気量に設定された第1強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御し、
    前記標準排気条件から前記第1強制排気条件に移行してから所定時間経過した後、前記流体キャビネット内において異常が検知されない場合、前記標準排気条件の排気量よりも大きく前記第1強制排気量よりも小さい第2強制排気量に設定された第2強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御する、請求項13から15のいずれかに記載の基板処理装置。
  17. 前記制御部は、前記標準排気条件を、前記流体キャビネット内の前記流体配管を流れる流体の種類または前記流体配管を流れる流体の流量に基づいて設定する、請求項15または16に記載の基板処理装置。
  18. 前記制御部は、前記強制排気条件で前記流体キャビネット内の雰囲気を排気する際に判定された前記流体キャビネット内の異常状態の時間的変化に基づいて、前記流体キャビネット内の雰囲気を排気するための排気条件を前記標準排気条件に戻すか否かを判定する、請求項13から17のいずれかに記載の基板処理装置。
  19. 前記流体キャビネットは、
    第1流体筐体と、
    前記第1流体筐体と共通する共通排気配管に接続された第2流体筐体と
    を含み、
    前記制御部は、前記異常検知部が前記第1流体筐体内の異常が検知された場合、前記強制排気条件で前記第1流体筐体内の雰囲気を排気するように前記排気部を制御する、請求項13から18のいずれかに記載の基板処理装置。
  20. 前記制御部は、強制排気条件において、前記共通排気配管を流通する排気の排気量を増加させる、請求項19に記載の基板処理装置。
  21. 前記制御部は、前記異常検知部が前記第1流体筐体内の異常を検知した場合、前記強制排気条件において、前記共通排気配管を流通する排気の排気量を変更することなく前記第1流体筐体の排気量を増加させる、請求項19に記載の基板処理装置。
  22. 前記制御部は、既定の基準値と、検知結果とを比較することによって前記異常状態を判定し、
    前記第1流体筐体に対応する判定における基準値である第1基準値と、前記第2流体筐体に対応する判定における基準値である第2基準値は異なる、請求項19から21のいずれかに記載の基板処理装置。
  23. 前記制御部は、前記強制排気条件として、前記第1流体筐体に対応する第1筐体強制排気条件と、前記第2流体筐体に対応する第2筐体強制排気条件とを決定し、
    前記第1筐体強制排気条件と、前記第2筐体強制排気条件とは異なる、請求項19から22のいずれかに記載の基板処理装置。
  24. ダミーキャビネットと、
    前記流体キャビネットおよび前記ダミーキャビネットのそれぞれに接続された共通排気配管と
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記異常検知部が前記流体キャビネット内の異常を検知した場合、前記ダミーキャビネットの排気量を前記標準排気条件の排気量よりも低減させるとともに前記流体キャビネットの排気量を前記標準排気条件の排気量よりも増加させる、請求項13から23のいずれかに記載の基板処理装置。
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