JP2022151712A - 複合成形体およびその製造方法 - Google Patents

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政人 菅森
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Abstract

【課題】接着強度と衝撃吸収性能を向上し、生産性にも優れる複合成形体とその製造方法を提供する。【解決手段】連続強化繊維にポリアミド樹脂組成物が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)、およびアルミニウム成形体(C)がこの順に積層されてなる複合成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維などの繊維で強化された繊維強化基材、熱可塑性樹脂組成物からなる成形体とアルミニウム成形体とアルミニウム成形体とを接合した複合成形体およびその製造方法に関する。
炭素繊維複合材料などの繊維複合材料は比強度、比剛性が高く極めて優れた材料として重用されており、従来マトリックスとして熱硬化性樹脂を用いた炭素繊維複合材料を異種材や金属と接合する際には機械的な接合であるボルト・ナットなど、接着剤を用いた接合が用いられている。
ボルト・ナットなどによる機械的な接合は一般に重量増が嵩むほか、特に複合材料においては接合点に応力が集中し、最初の応力集中点を起点として次々に破壊が進行していく懸念がある。接着剤を用いる接合では一般に強度を確保するため一定厚の接着剤層を確保することが必要であり、特に大型部材を接合する場合には相当量の接着剤を要し、大幅な重量増が懸念され、その強度も接着剤のみでは必ずしも充分でないという欠点がある。
さらに接着剤は一般的に実用強度を得るまでに時間を要するため養生工程を設けなければならない。
一方、熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維複合材料は、樹脂が相溶する範囲内においては材料同士が溶着接合し、マトリックス樹脂並の接合強度が期待できる。
しかしながら熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維複合材料であっても溶着による金属との接合は困難であることが多い。熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維複合材料を金属に溶着させるには、熱可塑性樹脂そのものが金属に対して溶着できる必要がある。
金属と樹脂が溶着によって接合する方法として、特許文献1のようにチューブ状のアルミニウム内側を加熱し、樹脂複合材料が接着剤を介してアルミニウム内側に押し付け接合させるバンパービームの製造方法や、特許文献2に記載の熱可塑性炭素繊維複合材料において金属と双方に親和性のある層を設け、炭素繊維複合材料との間に設けた熱可塑性樹脂層を溶融させることにより、金属と炭素繊維複合材料との接合および成形方法が記されている。また、特許文献3にはアルミニウムにポーラス構造を形成させ、複合材料間に熱可塑性樹脂層を配置し、熱可塑性樹脂層を溶融させることにより接合する方法が記されている。
特開2018-172116号公報 特開2013-240956号公報 特開2012-187861号公報
しかしながら、上記特許文献1~3に記載の発明では、炭素繊維複合材料とアルミニウム材との溶着性向上は認められるものの、その接着強度やシャルピー衝撃の面で改善の余地があり、生産性、量産性の目安である溶着速度の面では、改善すべき問題が残されていた。そこで本発明の課題は、上記のような従来技術における問題点に着目し、繊維強化基材とアルミニウム材を含む複合成形体の接着強度とシャルピー衝撃を向上させた、生産性、量産性に優れる複合成形体およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を採用する。
(1)連続強化繊維にポリアミド樹脂組成物が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)、およびアルミニウム成形体(C)がこの順に積層されてなる複合成形体。
(2)前記ポリアミド6/66共重合体が、ポリアミド6成分30~90重量%とポリアミド66成分70~10重量%を含む(1)に記載の複合成形体。
(3)前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)におけるポリアミド樹脂組成物がポリアミド6を含む(1)または(2)に記載の複合成形体。
(4)前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)における連続強化繊維が一方向に配列した連続強化繊維である(1)~(3)のいずれかに記載の複合成形体。
(5)前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)における連続強化繊維が連続炭素繊維である(1)~(4)のいずれかに記載の複合成形体。
(6)前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)における連続強化繊維含有量が10~70体積%である(1)~(5)のいずれかに記載の複合成形体。
(7)前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)に含浸させるポリアミド樹脂組成物が、ポリアミド樹脂100重量部に対し、波長が300~3000nmの光を吸収する色素(D)を0.01~1重量部含む(1)~(6)のいずれかに記載の複合成形体。
(8)前記成形体(B)を構成するポリアミド樹脂組成物が、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂100重量部に対し、波長が300~3000nmの光を吸収する色素(D)を0.01~1重量部含む(1)~(7)のいずれかに記載の複合成形体。
(9)前記アルミニウム成形体(C)と前記成形体(B)とが溶着されてなり、当該接合面における溶着深さが50μm以上300μm以下である(1)~(8)のいずれかに記載の複合成形体。
(10)複合成形体がバンパービームである(1)~(9)のいずれかに記載の複合成形体。
(11)連続強化繊維基材にポリアミド樹脂組成物が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)、およびアルミニウム成形体(C)をこの順に積層し溶着する複合成形体の製造方法。
(12)ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)、およびアルミニウム成形体(C)を積層し溶着することで予備複合成形体を得る工程、次いで、前記予備複合成形体のうち前記成形体(B)の面に、連続強化繊維基材にポリアミド樹脂が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)を積層し溶着する複合成形体の製造方法。
(13)前記成形体(B)、および前記アルミニウム成形体(C)を積層し溶着する前に、前記アルミニウム成形体(C)の前記成形体(B)との接合面に表面処理を行い、最大高さ(Rz)が50μm以上300μm以下の凹凸を形成させる(11)または(12)に記載の複合成形体の製造方法。
(14)輻射加熱手段を用いて、前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)を積層し溶着する(11)~(13)のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
(15)輻射加熱手段がレーザーである(14)に記載の複合成形体の製造方法。
このように、本発明に係る複合成形体およびその製造方法によれば、アルミニウム成形体(C)にポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)を熱溶着させ、その後繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)を溶着することにより、接着強度とシャルピー衝撃に優れ、強度、剛性にも優れる複合成形体を実現することができる。特に本発明の複合成形体は、軽量であり、安価に製造でき、また、生産性、量産性に優れており極めて有用である。
レーザーを用いてポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)に連続強化繊維基材にポリアミド樹脂を含浸させた繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)を溶着する際の模式図である。 本発明の複合成形体の構成を示す模式図である。
以下に、本発明について、実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明の実施形態の複合成形体は、連続強化繊維にポリアミド樹脂が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)、アルミニウム成形体(C)がこの順に積層され、一体となった複合成形体である。
連続強化繊維にポリアミド樹脂組成物が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)
本発明において、連続強化繊維にポリアミド樹脂組成物が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)とは、連続した強化繊維が配列したシート状物などにポリアミド樹脂組成物が含浸されてなるものである。連続した強化繊維とは、繊維強化ポリアミド樹脂基材中で強化繊維が途切れのないものをいう。シート状物の形態および配列としては、例えば、一方向に引き揃えられたもの、織物(クロス)、編み物、組み紐、トウ等が挙げられる。これらの中でも、特定方向の剛性を効率よく高められる点から、連続した強化繊維を一方向に配列したシート状物が好ましい。
連続強化繊維に用いられる繊維の種類としては特に限定されず、炭素繊維、金属繊維、有機繊維、無機繊維が例示される。これらを2種以上用いてもよい。
炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)繊維を原料とするPAN系炭素繊維、石油タールや石油ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維、ビスコースレーヨンや酢酸セルロースなどを原料とするセルロース系炭素繊維、炭化水素などを原料とする気相成長系炭素繊維、これらの黒鉛化繊維などが挙げられる。これら炭素繊維のうち、強度と弾性率のバランスに優れる点で、PAN系炭素繊維が好ましく用いられる。
金属繊維としては、例えば、鉄、金、銀、銅、アルミニウム、黄銅、ステンレスなどの金属からなる繊維が挙げられる。
有機繊維としては、例えば、アラミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンなどの有機材料からなる繊維が挙げられる。アラミド繊維としては、例えば、強度や弾性率に優れるパラ系アラミド繊維と、難燃性、長期耐熱性に優れるメタ系アラミド繊維が挙げられる。パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、コポリパラフェニレン-3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維などが挙げられ、メタ系アラミド繊維としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維などが挙げられる。アラミド繊維としては、メタ系アラミド繊維に比べて弾性率の高いパラ系アラミド繊維が好ましく用いられる。
無機繊維としては、例えば、ガラス、バサルト、シリコンカーバイト、シリコンナイトライドなどの無機材料からなる繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、例えば、Eガラス繊維(電気用)、Cガラス繊維(耐食用)、Sガラス繊維、Tガラス繊維(高強度、高弾性率)などが挙げられる。バサルト繊維は、鉱物である玄武岩を繊維化した物で、耐熱性の非常に高い繊維である。
本発明の実施形態の繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)は、補強材としての役目を期待されることが多いため、高い機械特性を発現することが望ましく、高い機械特性を発現するためには、強化繊維として炭素繊維、ガラス繊維を含むことが好ましく、炭素繊維がより好ましい。
繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)において、連続強化繊維に用いられる強化繊維は、通常、多数本の単繊維を束ねた強化繊維束を1本または複数本並べて構成される。1本または複数本の強化繊維束を並べたときの連続強化繊維の総フィラメント数(単繊維の本数)は、1,000~2,000,000本が好ましい。生産性と分散性や取り扱い性とのバランスを考慮して、連続強化繊維の総フィラメント数は、1,000~1,000,000本がより好ましく、1,000~600,000本がさらに好ましく、1,000~300,000本が特に好ましい。
1本の強化繊維束は、好ましくは平均直径5~10μmである強化繊維の単繊維を1,000~50,000本束ねて構成される。
本発明に係る繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)において、シート状物の連続強化繊維に含浸させるポリアミド樹脂組成物は、後述する要件を満たすことで、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)と良好に溶着させることができるものである。
繊維強化ポリアミド樹脂基材に含浸させるポリアミド樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂とは、(i)アミノ酸、(ii)ラクタムあるいは(iii)ジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするポリアミドである。ポリアミド樹脂の原料の代表例としては、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε-カプロラクタム、ω-ラウ_ロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミン、2-メチルオクタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。本発明の実施形態において、ポリアミド樹脂の原料として、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはポリアミドコポリマーを2種以上配合してもよい。
ポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリウンデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/11)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリキシリレンセバカミド(ナイロンXD10)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ-2-メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン5T/10T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン12T)などが挙げられる。また、ポリアミド樹脂の具体例としては、これらの混合物や共重合体なども挙げられる。ここで、「/」は共重合体を示す。以下、同様とする。上記要件を満たすポリアミド樹脂として、力学特性に優れる点でナイロン6が好ましい。
本発明で用いる繊維強化ポリアミド樹脂基材に含浸させるポリアミド樹脂組成物は、上記のポリアミド樹脂のみからなるものであってもよいが、ポリアミド樹脂100重量部に対し、波長が300~3000nmの光を吸収する色素(D)を0.01~1重量部含有することが好ましい。0.02重量部以上がより好ましく、0.05重量部以上がさらに好ましい。また0.5重量部以下がより好ましく、0.3重量部以下がさらに好ましい。波長が300~3000nmの光を吸収する色素を用いることで、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)と、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)の接着性を向上することができる。このような色素(D)としては、公知の物を制限なく用いることが出来る。好ましい例としてはカーボン系の色素を挙げることが出来る。より好ましくは、カーボンブラックである。
本発明の連続強化繊維にポリアミド樹脂が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)において、連続した連続強化繊維へのポリアミド樹脂組成物の含浸方法としては、例えば、フィルム状のポリアミド樹脂組成物を溶融し、加圧することで強化繊維束にポリアミド樹脂組成物を含浸させるフィルム法、繊維状のポリアミド樹脂組成物と強化繊維束とを混紡した後、繊維状のポリアミド樹脂組成物を溶融し、加圧することで強化繊維束にポリアミド樹脂組成物を含浸させるコミングル法、粉末状のポリアミド樹脂組成物を強化繊維束における繊維の隙間に分散させた後、粉末状のポリアミド樹脂組成物を溶融し、加圧することで強化繊維束にポリアミド樹脂組成物を含浸させる粉末法、溶融したポリアミド樹脂組成物中に強化繊維束を浸し、加圧することで強化繊維束にポリアミド樹脂組成物を含浸させる引き抜き法が挙げられる。ボイドが少なく、炭素繊維の分散に優れる繊維強化ポリアミド樹脂基材を作製できることから、引き抜き法が好ましい。
本発明の実施形態における繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)の厚さは、0.1~1.5mmが好ましい。厚さが0.1mm以上であれば、繊維強化ポリアミド樹脂基材の強度を向上させることができる。0.2mm以上がより好ましい。一方、厚さが1.5mm以下であれば、強化繊維にポリアミド樹脂をより含浸させやすい。1mm以下がより好ましく、0.7mm以下がさらに好ましく、0.6mm以下がさらに好ましい。
また、本発明の実施形態の繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)は、繊維強化ポリアミド樹脂基材全体100体積%中、強化繊維を10体積%以上70体積%以下含有することが好ましい。強化繊維を10体積%以上含有することにより、繊維強化ポリアミド樹脂基材を用いて得られる複合成形品の強度を向上させることができる。20体積%以上がより好ましく、30体積%以上がさらに好ましい。一方、強化繊維を70体積%以下含有することにより、強化繊維にポリアミド樹脂組成物をより含浸させやすい。65体積%以下がより好ましく、60体積%以下がさらに好ましい。
また、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)は、その用法や目的に応じて、所望の含浸性を選択することができる。例えば、より含浸性を高めたプリプレグや、半含浸のセミプレグ、含浸性の低いファブリックなどが挙げられる。一般的に、含浸性の高い繊維強化ポリアミド樹脂基材ほど、機械特性に優れるため好ましい。
ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)
本発明において、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)を構成するポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド6成分とポリアミド66成分を含むポリアミド6/66共重合体を含むことが重要である。このポリアミド6/66共重合体は、共重合比がポリアミド6成分30~90重量%、ポリアミド66成分70~10重量%のポリアミド6/66であることが、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)およびアルミニウム成形体(C)との溶着の点で好ましく、より好ましくはポリアミド6成分が85重量%以下、ポリアミド6成分が40重量%以上である。
また、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)を構成するポリアミド樹脂組成物には、ポリアミド樹脂基材およびアルミニウム成形体との溶着性を改善する点で、ポリアミド樹脂100重量部に対して波長が300~3000nmの光を吸収する色素(D)を0.01~1重量部含有することが好ましい。0.02重量部以上がより好ましく、0.5重量部以下がより好ましい。このような色素としては、公知の物を制限なく用いることが出来る。好ましい例としてはカーボン系の色素を挙げることが出来る。より好ましくは、カーボンブラックである。
また、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物には、ポリアミド樹脂組成物の性能を損なわない範囲で充填材を含むことができる。充填材としては繊維状充填材、非繊維状充填材のいずれを用いてもよい。
繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、PAN(ポリアクリロニトリル)系またはピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化珪素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラステナイトウィスカー、硼酸アルミウィスカー、窒化珪素ウィスカーなどの繊維状またはウィスカー状充填材が挙げられる。
非繊維状充填材としては、例えば、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケート、珪酸カルシウムなどの非膨潤性珪酸塩、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母の膨潤性雲母に代表される膨潤性層状珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、珪藻土、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの金属水酸化物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、セラミックビーズ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素、燐酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられる。上記の膨潤性層状珪酸塩は、層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換されていてもよく、有機オニウムイオンとしては、例えば、アンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。また、これら充填材を2種以上含有してもよい。
本発明のポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、各種添加剤を含有することが可能である。
また、各種添加剤の具体例としては、熱安定剤、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物などの可塑剤、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、モンタン酸ワックス類、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミ等の金属石鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物、シリコーン系化合物などの離型剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、耐衝撃改良剤、発泡剤などを挙げることができる。
本発明のポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はないが、溶融状態での製造や溶液状態での製造等が使用でき、反応性向上の点から、溶融状態での製造が好ましく使用できる。溶融状態での製造については、押出機による溶融混練やニーダーによる溶融混練等が使用できるが、生産性の点から、連続的に製造可能な押出機による溶融混練が好ましい。押出機による溶融混練については、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機、二軸単軸複合押出機等の押出機を1台以上使用できるが、混練性、反応性、生産性の向上の点から、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機が好ましく、二軸押出機を用いた溶融混練による方法が最も好ましい。
本発明のポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)の製造方法としては、特に制限はないが、上記で作製したポリアミド樹脂組成物を用いて、押出成形を用いることが好ましい。
アルミニウム成形体(C)
本発明において、アルミニウム成形体(C)は1000~700番台アルミニウムやその合金を押出加工などで得られる成形体を用いることが好ましい。ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)との接合強度に優れる点で、表面処理を行うことが好ましい。
表面処理方法としては、侵食性水溶液または侵食性懸濁液による浸漬法、陽極酸化法、ブラスト加工、レーザー加工が挙げられ、ブラスト加工が好ましい。
本発明の複合成形体は、アルミニウム成形体(C)とポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)とが溶着されてなり、当該接合面における溶着深さが50~300μmであることが好ましい。溶着深さが50~300μmであることにより、曲げ強度、衝撃強度に優れる複合成形体を得ることができる。ここで溶着深さは、X線CT装置を使用してCTスキャンを行い、得られたX線CTデータにおいて、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)が入り込んでいるアルミニウム成形体(C)の凹凸の深さの測定を50ヵ所行い、平均値を溶着深さとする。
複合成形体の製造方法
本発明の複合成形体は、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)、およびアルミニウム成形体(C)をこの順に積層して溶着により接合一体化することにより得ることができる。
アルミニウム成形体(C)にポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)を接合一体化する方法としては、公知の接合方法を用いることができ、例えば、レーザー溶着、振動溶着、超音波溶着、射出溶着、熱風溶着、熱板溶着、プレス溶着などの種々の溶着工法や、接着剤による接着などが挙げられる。その中でも、プレス溶着,レーザー溶着がより好ましく、プレス溶着が特に特に好ましい。
次にポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)に繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)を接合一体化する方法としては、輻射加熱手段を用いることが好ましい。輻射加熱手段とは、レーザーやIRランプなどの非接触の加熱が好ましく、高出力かつ高エネルギー密度でその出力制御も容易なレーザーが特に好ましい。レーザーによる溶着を行う場合、光源やマンドレルを適宜移動させて効率よく溶融、融着させることが好ましい。このような方法を取る場合、その移動速度は、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)の走査速度として、1~50m/分が好ましい。3m/分以上であることがより好ましく、30m/分以下であることがより好ましい。
繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)を積層しレーザーで溶着する際の好ましい方法を、図1を参照して説明する。繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)をフィーダー(6)によって挟持搬送し、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)に接触させ、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)およびポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)の両方の接触面に法線方向からレーザー(4)を照射し、図中矢印で示す領域に存在する成形体(B)および繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)の表面を加熱し、圧縮ローラー(5)で押圧し成形体(B)および繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)を溶着する。
前記レーザーの波長は300~3000nmであることが好ましい。この波長は、前記ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)や色素(D)の吸収波長領域を含むことが好ましい。また、レーザーの出力は50W~5kWであることが好ましい。この出力が強すぎると樹脂の劣化や変形を引き起こすことがある。一方で弱すぎると樹脂の溶融が起こらない場合がある。
本発明の複合成形体においては、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)をさらに重ねて積層し溶着することが可能である。
本発明における複合成形体の製造方法としては、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)およびアルミニウム成形体(C)を積層し溶着する前に、アルミニウム成形体(C)の成形体(B)との接合面に表面処理を行い、最大高さ(Rz)が50~300μmとなる凹凸を形成させることが好ましい。表面処理方法としては特に制限されず、連続波レーザー、パルス波レーザーなどを照射するレーザー加工、ブラスト加工、切削加工などが挙げられる。短時間で高精度に最大高さを50~300μmの範囲に加工することができる点で、レーザー加工、ブラスト加工が好ましく、レーザー加工がより好ましい。ここで最大高さ(Rz)は、接触式表面粗さ計、レーザー顕微鏡などを用いて表面粗さの測定を行い、基準長さにおける最も高い部分と最も低い部分の和の値として求める。
複合成形体の用途
本発明の複合成形体は、その優れた特性を活かし、航空機部品、自動車部品、電気・電子部品、建築部材、各種容器、日用品、生活雑貨および衛生用品など各種用途に利用することができる。とりわけ、溶着性、剛性、寸法安定性が要求される、航空機用部品、自動車ボディー部品、自動車アンダーフード部品、自動車ギア部品、自動車内装部品、バンパービーム、ドアインパクトビームなどの自動車外装部品や、自動車電装部品、電気・電子部品用途が好ましく用いられる。バンパービーム、ドアインパクトビームなどの自動車外装部品がより好ましく、バンパービームが特に好ましい。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、下記実施例は本発明を何ら制約するものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更することは、本発明の技術範囲である。本発明特性評価は下記の方法に従って行った。
(1)複合成形体の曲げ強度測定
各実施例および比較例により得られた複合成形体を用いて、曲げ試験片を作製し、3点曲げ試験冶具(圧子半径5mm)を用いて支点間距離を64mmに設定し、試験速度2mm/分の試験条件にて曲げ強度を測定した。試験機として、“インストロン(登録商標)”万能試験機5566型(インストロン社製)を用いた。測定は3回行い、その平均値を各実施例および比較例の曲げ強度として算出した。
(2)複合成形体のシャルピー衝撃強度測定
各実施例および比較例により得られた複合成形体を切り出し、株式会社東京試験機製C1-4-01型試験機を用い、ノッチなしシャルピー衝撃試験を実施した。測定は5回行い、その平均値を各実施例および比較例の衝撃強度(kJ/m)として算出した。
(3)接着性評価1
上記で実施したシャルピー衝撃試験において、剥がれの全くない場合を◎、一部で剥がれが発生した場合を○、剥がれた場合を×として評価した。
(4)接着性評価2
上記で実施した3点曲げ試験において、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)が母材破壊している場合を◎、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)の母材破壊と剥離の双方が発生している場合を○、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)の母材破壊がなく剥がれた場合を×として評価を行った。
(5)複合成形体の溶着深さ
得られた複合成形体について、X線CT装置を使用してピクセルサイズ15μmの条件で、CTスキャンを行った。得られたX線CTデータに対し、アルミニウム成形体(C)とポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)との接合部を含み、縦10mm、横10mm、厚み1mmの範囲にX線CTデータを切り出し、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)およびポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)が入り込んでいるアルミニウム成形体(C)の凹凸の深さの測定を50ヵ所行い、平均値を溶着深さとした。
(6)アルミニウム成形体の最大高さ(Rz)
表面処理を行ったアルミニウム成形体について、デジタルマイクロスコープVHX-6000((株)キーエンス製)を使用して表面の観察を行い、解析ソフトを用いて最大高さ(Rz)を算出した。
[参考例1]繊維強化ポリアミド樹脂基材(A-1)の製造
東レ(株)製炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700S(12K)を引き揃え、ナイロン6樹脂で充満された含浸ダイに投入した後、引き抜き成形によって、幅50mm、厚み0.28mm、連続繊維含有量60重量%の繊維強化ポリアミド樹脂基材(A-1)を得た。
[参考例2]ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-1)の製造
共重合比がポリアミド6成分90重量%、ポリアミド66成分10重量%からなるポリアミド樹脂100重量部に対し、カーボンブラック0.2重量部を配合した。シート押出成形機を用い、押出温度は260℃とし、口金は巾50mmを用いることで、幅50mm、厚み0.5mmのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-1)を得た。
[参考例3]ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-2)の製造
共重合比がポリアミド6成分97重量%、ポリアミド66成分3重量%からなるポリアミド樹脂100重量部に対し、カーボンブラック0.2重量部を配合した。シート押出成形機を用い、参考例2と同様の方法で幅50mm、厚み0.5mmのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-2)を得た。
[参考例4]ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-3)の製造
共重合比がポリアミド6成分90重量%、ポリアミド66成分10重量%からなるポリアミド樹脂100重量部を用い、参考例2と同様の方法で幅50mm、厚み0.5mmのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-3)を得た。
[参考例5]ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-4)の製造
共重合比がポリアミド6成分97重量%、ポリアミド66成分3重量%からなるポリアミド樹脂100重量部を用い、参考例2と同様の方法で幅50mm、厚み0.5mmのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-4)を得た。
[参考例6]ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-5)の製造
共重合比がポリアミド6成分60重量%、ポリアミド66成分40重量%からなるポリアミド樹脂100重量部を用い、参考例2と同様の方法で幅50mm、厚み0.5mmのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-5)を得た。
[参考例7]ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-6)の製造
共重合比がポリアミド6成分45重量%、ポリアミド66成分55重量%からなるポリアミド樹脂100重量部を用い、参考例2と同様の方法で幅50mm、厚み0.5mmのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-6)を得た。
[参考例8]ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-7)の製造
共重合比がポリアミド6成分35重量%、ポリアミド66成分65重量%からなるポリアミド樹脂100重量部を用い、参考例2と同様の方法で幅50mm、厚み0.5mmのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-7)を得た。
[参考例9]ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B’-1)の製造
ポリアミド6成分100重量%のポリアミド樹脂100重量部に対し、カーボンブラック0.2重量部を配合した。シート押出成形機を用い、参考例2と同様の方法で幅50mm、厚み0.5mmのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B’-1)を得た。
[参考例10]ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B’-2)の製造
ポリアミド6成分100重量%のポリアミド樹脂を用いた以外は、参考例2と同様の方法で幅50mm、厚み0.5mmのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B’-2)を得た。
[参考例11]アルミニウム成形体(A-2)の製造
長さ150mm、幅50mm、厚み3mmのA5052アルミニウム成形体について、ファイバーレーザーマーカーを用いて以下の条件でパルスレーザーを照射し、接合面の処理を行った。
(レーザー出力:200W、スポット径:25μm、走査速度:10000mm/秒、ライン間隔:50μm、繰り返し回数:5回)。
実施例1
長さ150mm、幅50mm、厚み3mmのA5052アルミニウム成形体をブラスト処理し、最大高さRzが20μmのアルミニウム成形体(C-1)を作製した。続いて、参考例2で作製した0.5mm厚みのポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-1)を、プレス成形機を用いて熱溶着させた。次に、出力3kW、波長960~1070nmのダイオードレーザーを搭載したロボットを用い、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A-1)を100mm/秒で供給しながら、ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-1)と繊維強化ポリアミド樹脂基材(A-1)の双方の界面を加熱、圧着することで、ポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B-1)に繊維強化ポリアミド樹脂基材(A-1)を溶着させた。さらにレーザー溶着装置を用いて繊維強化ポリアミド樹脂基材(A-1)を繰り返し積層・溶着し、繊維強化ポリアミド樹脂基材(A-1)が4層積層された複合成形体を得た。得られた複合成形体について、前述の方法により、曲げ強度、シャルピー衝撃強度の評価を行った。その結果、曲げ強度は500MPa、シャルピー衝撃強度は18Jであり、接着部の剥離は見られなかった。
実施例2~10、比較例1~2
表1,2に示すように、使用する成形体、溶着条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で複合成形体を作製し、評価を行った。曲げ強度、シャルピー衝撃強度、接着性などの評価結果を表1,2に示す。
比較例3
アルミニウム成形体(C-1)について、前述の方法により曲げ強度、シャルピー衝撃強度の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2022151712000001
Figure 2022151712000002
1 アルミニウム成形体(C)
2 ポリアミド6/66共重合体を含む樹脂組成物からなる成形体(B)
3 繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)
4 レーザー
5 圧縮ローラー
6 フィーダー

Claims (15)

  1. 連続強化繊維にポリアミド樹脂組成物が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)、およびアルミニウム成形体(C)がこの順に積層されてなる複合成形体。
  2. 前記ポリアミド6/66共重合体が、ポリアミド6成分30~90重量%とポリアミド66成分70~10重量%を含む請求項1に記載の複合成形体。
  3. 前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)におけるポリアミド樹脂組成物がポリアミド6を含む請求項1または2に記載の複合成形体。
  4. 前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)における連続強化繊維が一方向に配列した連続強化繊維である請求項1~3のいずれかに記載の複合成形体。
  5. 前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)における連続強化繊維が連続炭素繊維である請求項1~4のいずれかに記載の複合成形体。
  6. 前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)における連続強化繊維含有量が10~70体積%である請求項1~5のいずれかに記載の複合成形体。
  7. 前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)に含浸させるポリアミド樹脂組成物が、ポリアミド樹脂100重量部に対し、波長が300~3000nmの光を吸収する色素(D)を0.01~1重量部含む請求項1~6のいずれかに記載の複合成形体。
  8. 前記成形体(B)を構成するポリアミド樹脂組成物が、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂100重量部に対し、波長が300~3000nmの光を吸収する色素(D)を0.01~1重量部含む請求項1~7のいずれかに記載の複合成形体。
  9. 前記アルミニウム成形体(C)と前記成形体(B)とが溶着されてなり、当該接合面における溶着深さが50μm以上300μm以下である請求項1~8のいずれかに記載の複合成形体。
  10. 複合成形体がバンパービームである請求項1~9のいずれかに記載の複合成形体。
  11. 連続強化繊維基材にポリアミド樹脂組成物が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)、ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)、およびアルミニウム成形体(C)をこの順に積層し溶着する複合成形体の製造方法。
  12. ポリアミド6/66共重合体を含むポリアミド樹脂組成物からなる成形体(B)、およびアルミニウム成形体(C)を積層し溶着することで予備複合成形体を得る工程、次いで、前記予備複合成形体のうち前記成形体(B)の面に、連続強化繊維基材にポリアミド樹脂が含浸されてなる繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)を積層し溶着する複合成形体の製造方法。
  13. 前記成形体(B)、および前記アルミニウム成形体(C)を積層し溶着する前に、前記アルミニウム成形体(C)の前記成形体(B)との接合面に表面処理を行い、最大高さ(Rz)が50μm以上300μm以下の凹凸を形成させる請求項11または12に記載の複合成形体の製造方法。
  14. 輻射加熱手段を用いて、前記繊維強化ポリアミド樹脂基材(A)を積層し溶着する請求項11~13のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  15. 輻射加熱手段がレーザーである請求項14に記載の複合成形体の製造方法。
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