JP2013528245A - 耐クリープ性複合構造およびそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、複合構造、オーバーモールド成形された複合構造、およびそれらの製造方法の分野に関する。開示される複合構造は、表面樹脂組成物でできた少なくとも一部を有する表面を有し、不織構造、布地、繊維バット、およびそれらの組み合わせから選択される繊維状材料を含み、前記繊維状材料にはマトリックス樹脂組成物が含浸され、表面樹脂組成物およびマトリックス樹脂組成物は、同一または異なるものであって、a)ポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂と;b)0.5または約0.5〜6.0または約6.0重量%のナノクレイとを含む熱可塑性組成物から選択され、重量パーセント値は熱可塑性組成物の全重量を基準としている。

Description

本発明は、複合構造およびそれらの製造方法の分野に関する。
軽量化およびコスト削減のために金属部品の代替となり、同等以上の機械的性能を有することを目的として、繊維状材料を含有するポリマーマトリックスを含む複合材料を主成分とする構造が開発されている。これに対する関心が高まるにしたがって、繊維強化プラスチック複合構造が、繊維状材料とポリマーマトリックスとの組み合わせによって得られる優れた物理的性質のために設計されており、さまざまな最終用途に使用されている。複合構造の性質を最適化させるために、繊維状材料へのポリマーマトリックスの含浸を改善する製造技術が開発されている。自動車および航空宇宙用途の構造部品などの要求の厳しい用途においては、軽量、高い強度、および温度耐性の独特の組み合わせのために複合材料が望ましい。
高性能の複合構造は、ポリマーマトリックスとして熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を使用して得ることができる。熱可塑性系複合構造は、たとえば、熱および圧力を加えることによって二次成形または再加工が可能であること、、硬化ステップが不要であるため複合構造の製造に必要な時間が短いこと、および再利用の能力が高いことなど、熱硬化性系複合構造に対していくつかの利点が得られる。実際、熱硬化性樹脂の時間のかかる架橋化学反応(硬化)は、熱可塑性樹脂の加工中には不要である。熱可塑性樹脂の中では、複合構造の製造にはポリアミドおよびポリエステルが特に好適である。
熱可塑性ポリアミド組成物および熱可塑性ポリエステル組成物は、良好な機械的性質、耐熱性、耐衝撃性、および耐薬品性を有し、種々の程度の複雑性および込み入り具合の種々の物品への成形が好都合かつ柔軟に行えるため、自動車用途;レクリエーションおよびスポーツの部品;家庭用器具、電気/電子部品;電力設備;ならびに建造物、または機械装置などの多種多様な用途における使用に望ましい。
熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリアミドを主成分とする複合構造の例が、米国特許出願公開第2008/0176090号明細書に開示されている。開示される複合構造は、良好な機械的性質および平滑な外観を有するといわれている。
熱可塑性ポリエステルを主成分とする複合構造の例が、米国特許第4,549,920号明細書および米国特許第6,369,157号明細書に開示されている。
米国特許第4,549,920号明細書には、熱可塑性ポリエステル、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂と、前記樹脂中に入れられる強化フィラメントとでできた繊維強化複合構造が開示されている。
米国特許第6,369,157号明細書には熱可塑性ポリエステル複合構造が開示されている開示されている複合構造は、ポリエステルのオリゴマーを繊維状材料に含浸させ、そのオリゴマーをその場で迅速に重合させることで前記複合構造を形成することによって製造される。
米国特許出願公開第2007/0182047号明細書には、熱可塑性ポリエステル複合構造の製造方法が開示されている。開示されている方法は、繊維状材料にポリエステルのオリゴマー、特にPBTの環状オリゴマーを含浸させるステップと、外層容器の重合したポリエステルで片側または両側をコーティングするステップとを含む。ポリエステルのオリゴマーは、複合構造の製造中に迅速に重合する。
米国特許第5,011,523号明細書には、混繊された熱可塑性ポリエステル繊維およびガラス繊維から形成される混繊繊維状材料でできた熱可塑性複合材料が開示されている。繊維状材料、すなわちガラス繊維には、熱および圧力によって、混繊繊維状材料中に存在する熱可塑性ポリエステルが含浸される。
米国特許第4,255,219号明細書には、複合材料の形成に有用な熱可塑性シート材料が開示されている。開示されている熱可塑性シート材料は、ポリアミド6と、二塩基カルボン酸あるいはその無水物またはエステルと、層中に入れられるガラス長繊維の少なくとも1つの強化用マットとでできている。しかし、ポリアミド6でできた複合材料は、たとえば低温(たとえば−40℃)から高温(たとえば+120℃)などの典型的な最終用途の温度範囲にわたって、その機械的性質の低下を示すことがある。
一体型の複合構造を製造し、ポリマーの性能を向上させるために、複合構造の表面の一部または全体の上にポリマーでできた1つ以上の部分を「オーバーモールド成形」して、前記表面を取り囲むまたは封入することが望ましいことが多い。オーバーモールド成形は、複合構造の1つ以上の表面の少なくとも一部の上に直接第2のポリマー部分を、たとえば射出成形によって成形して、二部分の複合構造を形成することを含み、こらら2つの部分は、少なくとも1つの界面において互いに接着する。繊維状材料に含浸させるために使用されるポリマー組成物(すなわちマトリックスポリマー組成物)、および含浸させた繊維状材料にオーバーモールド成形するために使用されるポリマー組成物(すなわちオーバーモールド成形用ポリマー組成物)は、互いに対する良好な接着性、非常に良好な寸法安定性を有し、熱サイクルなどの悪条件下でそれらの機械的性質を維持することが望ましく、それによって、複合構造動作条件下で保護され、したがって寿命が延長される。繊維層を含浸させるため、および含浸させた層にオーバーモールド成形するために使用できるポリアミドの例は半芳香族ポリアミドである。国際公開第2007/149300号パンフレットには、ポリアミドマトリックス組成物を含む繊維強化された材料を含む構成要素と、ポリアミド組成物を含むオーバーモールド成形された構成材料と、場合によりそれらの間の結合層とを含み、少なくとも1つのポリアミド組成物が半芳香族ポリアミド組成物である、半芳香族ポリアミド複合物品が開示されている。
残念ながら、複合構造およびオーバーオールド成形された複合構造の中の1つ以上の繊維強化層に含浸させるために使用される従来のポリアミド組成物またはポリエステル組成物は、十分な耐クリープ性(すなわち、応力の影響下での永久変形に対して抵抗する傾向)を有しない場合があり、十分な寸法安定性を有さない場合があり、ほとんどの要求が厳しい用途において低い機械的性質を有することがあり、これらすべては、使用および経時により物品の耐久性および安全性を低下させうる。使用および経時によって低下する低い機械的性質の一例は曲げ弾性率、すなわち、曲げ変形における応力対ひずみの比、または材料の曲げに対する傾向である。曲げ弾性率は、曲げられるときの材料の剛性の指標の1つとして一般に使用される。複合構造の少なくとも一部の上に樹脂組成物をオーバーモールド成形する場合、複合構造とオーバーモールド成形用樹脂との間の低い接合強度のために、構造の高い機械的性能が低下することがあり、たとえば曲げ弾性率の場合、接合強度が低いために最初に界面が破壊され、したがって構造の曲げ強度はそのいずれの構成要素よりも低い。
良好な耐クリープ性と、良好な機械的性質、特に曲げ弾性率とを併せ持つ複合構造が必要とされている。
驚くべきことに、表面樹脂でできた少なくとも一部を有する表面を有し、不織構造、布地、繊維バット、およびそれらの組み合わせから選択される繊維状材料を含み、前記繊維状材料にはマトリックス樹脂組成物が含浸された複合構造であって、表面樹脂組成物およびマトリックス樹脂組成物は、同一または異なるものであって、a)ポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂と;b)0.5または約0.5〜6.0または約6.0重量%のナノクレイとを含む熱可塑性組成物から選択され、重量パーセント値は熱可塑性組成物の全重量を基準としている、複合構造によって、前述の問題を克服できることが分かった。
複合構造の製造方法も本明細書に記載される。前述の複合構造の製造方法は、i)マトリックス樹脂組成物を繊維状材料に含浸させるステップを含み、複合構造の表面の少なくとも一部は表面樹脂組成物でできている。
本明細書に記載の複合構造の製造方法も本明細書に記載される。本明細書に記載の複合構造の製造方法は、本明細書に記載のマトリックス樹脂組成物が含浸される繊維状材料の表面に表面樹脂組成物を塗布するステップを含む。
表面樹脂組成物でできた少なくとも一部を有する表面を有し、不織構造、布地、繊維バット、およびそれらの組み合わせから選択される繊維状材料を含み、前記繊維状材料にはマトリックス樹脂組成物が含浸され複合構造の曲げ強度を改善するための、a)前述のポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性組成物中での0.5または約0.5〜6.0重量%のナノクレイの使用であって、表面樹脂組成物およびマトリックス樹脂組成物は、同一または異なるものであって、a)ポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性組成物から選択され、重量パーセント値は熱可塑性組成物の全重量を基準としている、使用も、本明細書に記載される。
オーバーモールド成形された複合構造であって:
i)表面樹脂組成物でできた少なくとも一部を有する表面を有し、繊維状材料を含み、前記繊維状材料にはマトリックス樹脂組成物が含浸される第1の構成要素と、
ii)1種類以上の熱可塑性樹脂を含むオーバーモールド成形用樹脂組成物を含む第2の構成要素とを含み、
マトリックス樹脂および表面樹脂組成物は、同一または異なるものであって、a)ポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂と;b)0.5または約0.5〜6.0または約6.0重量%の本明細書に記載のナノクレイとを含む熱可塑性組成物から選択され、重量パーセント値は熱可塑性組成物の全重量を基準としており、
前記第1の構成要素の表面の少なくとも一部の上で、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素に接着される、オーバーモールド成形された複合構造も本明細書に記載される。
表面を有する第1の構成要素と、オーバーモールド成形された複合構造の第2の構成要素とを含むオーバーモールド成形された複合構造の曲げ強度を改善するための、a)前述のポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性組成物中での0.5または約0.5〜6.0重量%のナノクレイの使用であって、重量パーセント値は、ナノクレイと、ポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂との全重量を基準としており、
前記第1の構成要素の表面の少なくとも一部の上で、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素に接着され、
第1の構成要素の表面は、表面樹脂組成物でできた少なくとも一部を有し、前述のような不織構造、布地、繊維バット、およびそれらの組み合わせから選択される繊維状材料を含み、前記繊維状材料にはマトリックス樹脂組成物が含浸され、
第2の構成要素は、1種類以上の熱可塑性樹脂を含むオーバーモールド成形用樹脂組成物を含み、
マトリックス樹脂組成物および表面樹脂組成物は、同一または異なるものであって、a)前述のポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性組成物から選択される、使用も、本明細書に記載される。
本明細書に記載のオーバーモールド成形された複合構造の製造方法も本明細書に記載される。この方法は、本明細書に記載の複合構造にオーバーモールド成形用樹脂組成物をオーバーモールド成形するステップを含む。
本発明による複合構造およびオーバーオールド成形された複合構造は、改善された長期クリープ性能と、改善された曲げ弾性率、すなわち曲げられるときの剛性と、複合構造およびオーバーモールド成形用樹脂の間の界面が容易に破壊せず、したがって構造が、その構成要素の接合強度を実現することができるような、増加した接合強度との組み合わせを示す。
定義
本明細書の説明において議論され特許請求の範囲において列挙される用語の意味を説明するために以下の定義を使用できる。
本明細書において使用される場合、冠詞「a」は、1つおよび1つ以上を意味し、必ずしもその対象の名詞が単数に限定されるものではない。
本明細書において使用される場合、用語「約」および「(数字)または約(数字)」は、対応するとなる量または値が、指定の値またはそれとほぼ同じ一部の他の値であってよいことを意味する。この表現は、類似の値で同等の結果または効果が促進されることを伝えることを意図している。
複合構造
本明細書に記載の複合構造は、マトリックス樹脂組成物が含浸される繊維状材料を含む。複合構造の表面の少なくとも一部は表面樹脂組成物でできている。
繊維状材料
本発明の目的では、「マトリックス樹脂組成物を含浸させた繊維状材料」は、マトリックス樹脂組成物が繊維状材料を封入し埋め込んで、マトリックス樹脂組成物によって実質的に取り囲まれた繊維状材料の相互侵入網目を形成することを意味意味する。本発明の目的では、用語「繊維」は、長さの、長さに対して垂直の断面積にわたる幅に対する比が大きい巨視的に均一な物体として定義される。繊維の断面はあらゆる形状であってよいが、典型的には円形である。
繊維状材料は、当業者に周知のあらゆる好適な形態であってよく、好ましくは不織構造、布地、繊維バット、およびそれらの組み合わせから選択される。不織構造は、不規則な繊維配向または整列した繊維状構造から選択することができる。不規則な繊維配向の例としてはマット、ニードルマット、またはフェルトの形態であってよい細断された材料および連続材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。整列した繊維状構造の例としては、一方向繊維ストランド、二方向ストランド、多方向ストランド、多軸布が挙げられるが,これらに限定されるものではない。布地は、織物形態、編地、ブレード、およびそれらの組み合わせから選択することができる。
繊維状材料は、連続または不連続の形態であってよい。複合構造の最終用途および要求される機械的性質に依存するが、数個の同じ繊維状材料または異なる繊維状材料の組み合わせのいずれかを用いることによって、2つ以上の繊維状材料を使用することができ、すなわち本明細書に記載の複合構造は1つ以上の繊維状材料を含むことができる。異なる繊維状材料の組み合わせの一例は、中央層として配置されるたとえば平坦な不規則なパッドなどの不織構造と、外層として配置される1種類以上の織物連続繊維状材料とを含む組み合わせである。このような組み合わせによって、複合構造の加工およびその均一性を改善することができ、したがって改善された機械的性質が得られる。マトリックス樹脂組成物およびポリアミド表面樹脂組成物による含浸中に使用される加工条件に材料または材料の混合物が耐えられるのであれば、繊維状材料は、あらゆる好適な材料または材料の混合物でできていてよい。
好ましくは、繊維状材料は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、黒鉛繊維、金属繊維、セラミック繊維、天然繊維、またはそれらの混合物でできており;より好ましくは、繊維状材料は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、天然繊維、またはそれらの混合物でできており;さらにより好ましくは、繊維状材料は、ガラス繊維、炭素繊維、およびアラミド繊維、またはそれらの混合混合物でできている。前述したように、2つ以上の繊維状材料を使用することができる。たとえばガラス繊維または天然繊維でできた1つ以上の中央層と、炭素繊維またはガラス繊維でできた1つ以上の表面層とを含む複合構造などの異なる繊維でできた繊維状材料の組み合わせを使用することができる。好ましくは、繊維状材料は、織物構造、不織構造、またはそれらの組み合わせから選択され、前記構造はガラス繊維でできており、ガラス繊維は8〜30μmの間の直径、好ましくは10〜24μmの間の直径を有するEガラスフィラメントである。
繊維状材料は、熱可塑性材料と前述の材料との混合物であってよく、たとえば繊維状材料は、混繊または交織されたヤーンの形態、または織物または不織形態への後の加工に適した熱可塑性材料でできた粉末を含浸させた繊維状材料の形態、または一方向材料として使用するための混合物の形態であってよい。
好ましくは、繊維状材料と、ポリマー材料、すなわちマトリックス樹脂組成物および表面樹脂組成物の組み合わせとの間の比は、少なくとも30%、より好ましくは40〜60%の間であり、このパーセント値は複合構造の全体積を基準とした体積パーセント値である。
マトリックス樹脂組成物および表面樹脂組成物
マトリックス樹脂組成物および表面樹脂組成物は、同一または異なるものであって、a)ポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から独立して選択される1種類以上の熱可塑性樹脂と;b)0.5または約0.5〜6.0または約6.0重量%のナノクレイとを含む熱可塑性組成物から選択され、重量パーセント値は熱可塑性組成物の全重量を基準としている。最終用途ならびに所望のクリープ性能および機械的性質に依存するが、本明細書に記載の熱可塑性組成物中に含まれる1種類以上の熱可塑性樹脂は、ポリエステル、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される。
熱可塑性ポリエステルは、典型的には、1種類以上のジカルボン酸(ここで、用語「ジカルボン酸」は、エステルなどのジカルボン酸誘導体をも意味する)とジオールとから誘導される。好ましいポリエステルにおいては、ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸の1つ以上を含み、ジオール成分は、HO(CH2nOH(I);1,4−シクロヘキサンジメタノール;HO(CH2CH2O)mCH2CH2OH(II);およびHO(CH2CH2CH2CH2O)zCH2CH2CH2CH2OH(III)(式中、nは2〜10の整数であり、mは平均で1〜4であり、zは平均で約1〜約40である)の1つ以上を含む。(II)および(III)は、mおよびzのそれぞれが変動することができる複数の化合物の混合物であってよく、mおよびzは平均値であるので、これらは整数である必要はないことに留意されたい。熱可塑性ポリエステルの形成に使用できる他のジカルボン酸としては、セバシン酸およびアジピン酸が挙げられる。ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸をコモノマーとして使用することができる。本明細書に記載の組成物中に含まれることができる熱可塑性ポリエステルの例としては、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6−ナフトエート)(PEN)、ポリ(1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート)(PCT)、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンドから選択されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミドは、1種類以上のジカルボン酸と1種類以上のジアミンとの縮合生成物、および/または1種類以上のアミノカルボン酸の縮合生成物、および/または1種類以上の環状ラクタムの開環重合生成物である。1種類以上のポリアミドは好ましくは完全脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、およびそれらのブレンドから選択され、半芳香族ポリアミドが好ましい。
用語「半芳香族」は、芳香族基を含有する少なくとも一部のモノマーを含むポリアミドを意味し、脂肪族カルボン酸モノマーと脂肪族ジアミンモノマーとを含むポリアミドを意味する「完全脂肪族」ポリアミドと対照的である。
半芳香族ポリアミドは、1種類以上の脂肪族カルボン酸成分と、たとえばm−キシリレンジアミンおよびp−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン成分とから誘導されてもよいし、1種類以上の芳香族カルボン酸成分と1種類以上のジアミン成分とから誘導されてもよいし、カルボン酸成分とジアミン成分とから誘導されてもよい。
好ましくは、半芳香族ポリアミドは、1種類以上の芳香族カルボン酸成分と1種類以上のジアミン成分とから形成される。1種類以上の芳香族カルボン酸は、テレフタル酸であってよいし、あるいはテレフタル酸と、イソフタル酸、たとえば2−メチルテレフタル酸などの置換フタル酸、ならびにナフタレンジカルボン酸の非置換または置換異性体などの1種類以上の他のカルボン酸との混合物であってよく、ここでカルボン酸成分は少なくとも55モル%のテレフタル酸を含有する(このモル%はカルボン酸混合物を基準としている)。好ましくは、1種類以上の芳香族カルボン酸はテレフタル酸、イソフタル酸、およびそれらの混合物から選択され、より好ましくは、1種類以上のカルボン酸はテレフタル酸とイソフタル酸との混合物であり、この混合物は少なくとも55モル%のテレフタル酸を含有する。より好ましくは、1種類以上のカルボン酸は100%テレフタル酸である。さらに、1種類以上のカルボン酸は、アジピン酸;ピメリン酸;スベリン酸;アゼライン酸;セバシン酸、およびドデカン二酸などの1種類以上の脂肪族カルボン酸と混合することができ、アジピン酸が好ましい。より好ましくは、半芳香族ポリアミドの1種類以上のカルボン酸混合物中に含まれるテレフタル酸とアジピン酸との混合物が少なくとも55モル%のテレフタル酸を含有する。本明細書に記載の1種類以上の半芳香族ポリアミドは、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エチルテトラメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン;トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン;および/またはそれらの混合物などの4個以上の炭素原子を有するジアミンから選択することができる1種類以上のジアミンを含む。好ましくは、本明細書に記載の半芳香族ポリアミドの1種類以上のジアミンは、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、およびそれらの混合物から選択され、より好ましくは本明細書に記載の半芳香族ポリアミドの1種類以上のジアミンは、ヘキサメチレンジアミン、およびヘキサメチレンジアミンと2−メチルペンタメチレンジアミンとの混合物であって、少なくとも50モル%のヘキサメチレンジアミン(モル%はジアミン混合物を基準としている)を含有する混合物から選択される。本明細書に記載の組成物に有用な半芳香族ポリアミドの例は、本件特許出願人よりZytel(登録商標)HTNの商標で市販されている。
完全脂肪族ポリアミドは、ジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸、およびそれらの反応性同等物などの脂肪族および脂環式のモノマーから形成されるホモポリマー、コポリマー、またはターポリマーである。完全脂肪族ポリアミドは、好ましくは:
i)6〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸および4〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン;および
ii)4〜20個の炭素原子を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸
からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位からなる。
本明細書において使用される場合、用語「完全脂肪族ポリアミド」は、2種類以上のこのようなモノマーから誘導されるコポリマー、および2種類以上の完全脂肪族ポリアミドのブレンドをも意味する。
6〜20個の炭素原子を有する好適な脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸(C6)、ピメリン酸(C7)、スベリン酸(C8)、アゼライン酸(C9)、デカン二酸(C10)、ウンデカン二酸(C11)、ドデカン二酸(C12)、トリデカン二酸(C13)、テトラデカン二酸(C14)、およびペンタデカン二酸(C15)、ヘキサデカン酸(C16)、オクタデカン酸(C18)、およびエイコサン酸(C20)が挙げられる。
4〜20個の炭素原子を有する好適な脂肪族のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エチルテトラメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、およびビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンが挙げられる。
好適なラクタムはカプロラクタムおよびラウロラクタムである。
好ましい完全脂肪族ポリアミドとしては、PA46、PA6;PA66;PA610;PA612;PA613;PA614;PA 615;PA616;PA10;PA11;PA 12;PA1010;PA1012;PA1013;PA1014;PA1210;PA1212;PA1213;1214、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンドが挙げられる。本明細書に記載のマトリックス樹脂組成物および/または表面樹脂組成物および/またはオーバーモールド成形用樹脂組成物の中の完全脂肪族ポリアミドのより好ましい例は、PA66(ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、PA612(ポリ(ヘキサメチレンドデカノアミド)、およびそれらのブレンドであり、本件特許出願人よりZytel(登録商標)の商標で市販されている。
ジアミンおよびジカルボン酸を含む繰り返し単位中では、ジアミンが最初に示される。他のアミノ酸またはラクタムから誘導される繰り返し単位は、炭素原子の数を示す単独の数字で示される。以下の一覧は、ポリアミド(PA)中のモノマーおよび繰り返し単位を示すために使用される略語の例である:
HMD ヘキサメチレンジアミン(または、二酸と組み合わせ使用される場合は6)
AA アジピン酸
DMD デカメチレンジアミン
DDMD ドデカメチレンジアミン
TMD テトラメチレンジアミン
46 TMDおよびAAから形成されるポリマー繰り返し単位
6 ε−カプロラクタムから形成されるポリマー繰り返し単位
66 HMDおよびAAから形成されるポリマー繰り返し単位
610 HMDおよびデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
612 HMDおよびドデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
613 HMDおよびトリデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
614 HMDおよびテトラデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
615 HMDおよびペンタデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
616 HMDおよびヘキサデカン酸から形成されるポリマー繰り返し単位
10 10−アミノデカン酸から形成されるポリマー繰り返し単位
1010 DMDおよびデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
1012 DMDおよびドデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
1013 DMDおよびトリデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
1014 DMDおよびテトラデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
11 11−アミノウンデカン酸から形成されるポリマー繰り返し単位
12 12−アミノドデカン酸から形成されるポリマー繰り返し単位
1210 DDMDおよびデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
1212 DDMDおよびドデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
1213 DDMDおよびトリデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
1214 DDMDおよびテトラデカン二酸から形成されるポリマー繰り返し単位
ナノクレイ
本明細書に記載の熱可塑性組成物は、0.5または約0.5〜6.0または約6.0重量%、好ましくは1.0または約1.0〜5.0または約5.0重量%のナノクレイを含み、重量パーセント値は熱可塑性組成物の全重量を基準としている。ナノクレイは、種々の形態で入手可能であり、たとえば化合物自体として、あるいはポリマーマトリックス中に比較的高濃度のナノクレイを含有する濃縮物またはマスターバッチとして入手可能である。
ナノクレイは、層状シリケートであってよく、好ましくはケイ酸アルミニウムおよび/またはケイ酸マグネシウムであってよい。ナノクレイは、フィブリル、小板、またはその他の形状の形態であってよく、10または約10〜5000または約5000nmの範囲内の直径を有することができる。層の厚さは約2nm未満である。ナノクレイは、天然、または合成により製造されたものであってよい。
好ましいナノクレイは、約70ナノメートル以下の数平均直径および最長約1000ナノメートルの数平均長さを有するフィブリルである。好ましくは、本明細書に記載の熱可塑性組成物中に含まれるナノクレイは、セピオライト型クレイ、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト(beidelllite)、ノントロナイト、ベントナイト、またはサポナイトなどのスメクタイトクレイ、およびそれらの混合物から独立して選択される。より好ましくは、本明細書に記載の熱可塑性組成物中に含まれるナノクレイはセピオライト型クレイである。
セピオライト型クレイは、各層がマグネシウムイオンを含有する八面体単位の中央シートに接合した四面体シリカ単位の2つのシートで構成される層状繊維状材料である(たとえば、Polymer International,53,1060−1065(2004)、およびL.Bokobza et al.,Polymer International,53,1060−1065(2004)中の図1および2を参照されたい)。本明細書において使用される場合、用語「セピオライト型クレイ」はアタパルジャイトおよびセピオライト自体を含んでいる。
セピオライト(Mg4Si615(OH)2・6(H2O)は、その繊維状構造のために高いアスペクト比を示す水和ケイ酸マグネシウムフィラーである。シリケートの中では独特であり、セピオライトは、繊維の軸に対して平行にシリカ鎖が存在する長い木ずり状微結晶で構成される。この材料は、α型およびβ型の2つの形態で存在することが示されている。α型は長い繊維の束であることが知られており、β型は非晶質の凝集体として存在する。
アフタパルジャイト(aftapulgite)(パリゴルスカイトとも呼ばれる)は、アタパルジャイトがわずかに小さな単位セルを有することを除けば、セピオライトと構造的および化学的にほぼ同一である。
セピオライト型クレイは、高純度で未改質の形態(未被覆形態とも呼ばれる)で入手可能であり;このようなセピオライト型クレイの例としては、Tolsa Group,SpainのPangel(登録商標)S−9セピオライトクレイが挙げられる。好ましくはナノクレイは、微粒子の形態であり、その場合は熱可塑性溶融物に容易に分散させることができる。
本明細書に記載の熱可塑性組成物中に使用されるセピオライト型クレイは、未改質改質(unmodified modified)セピオライト型クレイであってよい。用語「未改質」は、セピオライト型クレイの表面が、(たとえば、表面の極性を低下させるために)オニウム化合物などの有機化合物で処理されていないことを意味する。
本明細書に記載の熱可塑性組成物中に含まれるセピオライト型クレイ繊維は、それぞれ50nm未満の幅(x)および厚さ(y)を有し、さらにある長さ(z)を有する。一実施形態においては、セピオライト型クレイは欧州特許第0454222号明細書および欧州特許第0170299号明細書に記載され、Tolsa,S.A.,SpainよりPangel(登録商標)の商標で販売されるようなレオロジーグレードである。用語「レオロジーグレード」は、120m2/g(N2、BET)を超える比表面積を有し、長さ200〜2000nm、幅10〜30nm、および厚さ5〜10nmの典型的な繊維寸法を有するセピオライト型クラシー(clasy)を意味する。レオロジーグレードのセピオライト型クレイは、セピオライト繊維の破壊が実質的に防止される特殊な微粉化プロセスによって天然セピオライト型クレイから得ることができ、それによって、セピオライト型クレイは水および他の極性液体に容易に分散し、高度に不規則な外面を有し、好ましくは300m2/gを超える高い比表面積を有し、吸着に対する高密度の活性中心を有するようになる。活性中心によって大きな水素結合が可能となり、それによってレオロジーグレードのセピオライト型クレイに高い保水能力が付与される。レオロジーグレードのセピオライト型クレイの微小繊維状の性質のために、セピオライト型クレイは、高い多孔度および低い見掛け密度を有する材料となる。さらに、レオロジーグレードのセピオライトは非常に弱い陽イオン交換能力(10〜20meq/100g)を有し、電解質との相互作用は非常に弱く、そのため、レオロジーグレードのセピオライトは、知られている媒体中の塩の存在の影響を実質的に受けず、したがって、広いpH範囲において安定のままとなる。
レオロジーグレードのセピオライトの前述の性質は、たとえばBASF,Florhan Park,N.J.07932によって製造され販売される一連のATTAGEL(登録商標)製品(たとえばATTAGEL(登録商標)40およびATTAGEL(登録商標)50アタパルジャイト)、Floridin Companyの一連のMIN−U−GELなどの40ミクロン未満の粒度を有するレオロジーグレードのアタパルジャイトでも得ることができる。
添加剤
本明細書に記載の表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物は、1種類以上の衝撃改質剤、1種類以上の熱安定剤、1種類以上の補強剤、1種類以上の紫外光安定剤、1種類以上の難燃剤、またはそれらの混合物をさらに含むことができる。
マトリックス樹脂組成物および/または表面樹脂組成物は1種類以上の熱安定剤をサライ含むことができる。
1種類以上の熱安定剤は、ヒンダードフェノール酸化防止剤、ヒンダードアミン酸化防止剤、リン酸化防止剤(たとえばホスフィットまたはホスホナイト安定剤)、芳香族アミン安定剤、チオエステル類、フェノール系酸化防止剤、およびこれらの混合物から選択することができる。1種類以上の熱安定剤が存在する場合、それらは0.1または約0.1〜5または約5重量パーセント、好ましくは0.1または約0.1〜3または約3重量パーセント、より好ましくは0.1または約0.1〜1または約1重量パーセントの量で存在し、重量パーセントは、その場合により表面樹脂組成物またはマトリックス樹脂組成物の全重量を基準としている。マトリックス樹脂組成物および/または表面樹脂組成物が1種類以上のポリアミドを含む場合、1種類以上の熱安定剤は、銅塩および/またはそれらの誘導体、たとえば銅ハロゲン化物または酢酸銅など;二価のマンガン塩および/またはそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物から選択することもできる。好ましくは、銅塩がハロゲン化化合物および/またはリン化合物と組み合わせて使用され、より好ましくは銅塩がヨウ化物または臭化物化合物と組み合わせて使用され、さらにより好ましくは、ヨウ化カリウムまたは臭化カリウムと組み合わせて使用される。銅塩および/または誘導体から選択される1種類以上の熱安定剤が存在する場合、それらは0.1または約0.1〜3または約3重量%、好ましくは0.1または約0.1〜1または約1重量%、より好ましくは0.1または約0.1〜0.7または約0.7重量%の量で存在し、重量パーセント値は、その場合により表面樹脂組成物またはマトリックス樹脂組成物の全重量を基準としている。1種類以上の熱安定剤を加えることで、その製造中の複合構造の熱安定性が改善され(すなわち分子量低下が軽減される)、使用および経時によるその熱安定正も改善される。改善された熱安定性の改善に加えて、1種類以上の熱安定剤が存在することで、複合構造の含浸中に使用される温度を上昇させることができ、したがって本明細書に記載のマトリックス樹脂および/または表面樹脂組成物の溶融粘度を低下させることができる。マトリックス樹脂および/または表面樹脂組成物の溶融粘度が低下することによって、含浸速度を増加させることができる。
本明細書に記載の表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物は、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維、カーボンナノチューブ、マイカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、タルク、焼成クレイ、カオリン、硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム、二酸化チタン、炭酸ナトリウムアルミニウム、バリウムフェライト、およびチタン酸カリウムなどの1種類以上の補強剤をさらに含むことができる。1種類以上の補強剤が存在する場合、それらは1または約1〜60または約60重量%、好ましくは1または約1〜40または約40重量%、より好ましくは1または約1〜35または約35重量%の量で存在し、重量パーセント値は、その場合により表面樹脂組成物またはマトリックス樹脂組成物の全重量を基準としている。
本明細書に記載の表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物は、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、カーボンブラック、置換レゾルシノール類、サリチレート類、ベンゾトリアゾール類、およびベンゾフェノン類などの1種類以上の紫外光安定剤をさらに含むことができる。
本明細書に記載の表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物は、金属酸化物(金属はアルミニウム、鉄、チタン、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、スズ、アンチモン、ニッケル、銅、およびタングステンであってよい)、金属粉末(金属はアルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、スズ、アンチモン、ニッケル、銅、およびタングステンであってよい)、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、および炭酸バリウムなどの金属塩、金属ホスフィン酸塩(金属はアルミニウム、亜鉛、またはカルシウムであってよい)、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン化有機化合物、ポリ(ブロモスチレン)および臭素化ポリスチレンなどのハロゲン化ポリマー、ピロリン酸メラミン、シアヌル酸メラミン、ポリリン酸メラミン、赤リンなどの1種類以上の難燃剤をさらに含むことができる。
繊維状材料の含浸速度を増加させる目的で、表面樹脂組成物の溶融粘度および/または、特にマトリックス樹脂組成物の溶融粘度を低下させることができる。一般に、繊維状材料の含浸速度を増加させることによって、加工機械を最も効率的に使用し、それによって費用を削減するために、できる限り多い材料流量を有すると好都合となる。このため、溶融状態で流動性の高いポリマー組成物への関心が高くなる。低い溶融粘度を有することによって、流動性の高いポリマー組成物は速く流れ、したがって加工がより容易になる。ポリマー組成物の溶融粘度を低下させることによって、含浸ステップの速度を短縮することができ、それによって全体の製造速度が増加し、したがって複合構造の製造の生産性が向上し、より短いサイクル時間に関連してエネルギー消費量が減少し、このことは環境問題にとっても有益である。処理量の改善に加えて、含浸速度の増加によって、ポリマー組成物の熱分解も最小限になる。表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物の溶融粘度を低下させるために、本明細書に記載の表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物は、超分岐デンドリマー、およびより好ましくは1種類以上の超分岐ポリエステルデンドリマーから選択される1種類以上のレオロジー改質剤をさらに含むことができる。超分岐デンドリマーの好ましい例が、米国特許第5,418,301号明細書 米国特許出願公開第2007/0173617号明細書に記載されている。熱可塑性樹脂中のこのようなデンドリマーの使用が、米国特許第6,225,404号明細書、米国特許第6,497,959号明細書、米国特許第6,663,966号明細書、国際公開第2003/004546号パンフレット、欧州特許第1424360号明細書、および国際公開第2004/111126号パンフレットに開示されている。この文献では、超分岐樹枝状ポリエステル高分子を熱可塑性組成物に加えることによって、組成物の溶融粘度が低下するためにレオロジーおよび機械的性質が改善され、したがって熱可塑性組成物の加工性が改善されると教示している。1種類以上の超分岐デンドリマーが存在する場合、それらは0.05または約0.05〜10または約10重量%、より好ましくは0.1または約0.1〜5または約5重量%で含まれ、重量パーセント値は、その場合により表面樹脂組成物またはマトリックス樹脂組成物の全重量を基準としている。マトリックス樹脂組成物および/または表面樹脂組成物が1種類以上のポリアミドを含み、それらの溶融粘度を低下させ、それによって複合構造の含浸速度を改善することを目的としている場合、表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物は、1種類以上の分子鎖切断剤をさらに含むことができる。分子鎖切断剤の例としては、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。それらの具体例は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸異性体である。1種類以上の分子鎖切断剤が存在する場合、それらは0.05または約0.05〜5または約5重量%、より好ましくは0.1または約0.1〜3または約3重量%で含まれ、重量パーセント値は、その場合により表面樹脂組成物またはマトリックス樹脂組成物の全重量を基準としている。
本明細書に記載の表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物は、限定するものではないが流動性向上剤、潤滑剤、帯電防止剤、着色剤(染料、顔料、カーボンブラックなどを含む)、難燃剤、核剤、結晶化促進剤、およびポリマー配合分野において周知のその他の加工助剤などの改質剤およびその他の成分をさらに含むことができる。
前述のフィラー、改質剤、およびその他の成分は、粒子の少なくとも1つの寸法が1〜1000nmの範囲内であるいわゆるナノ材料の形態などの当技術分野において周知の形態および量で組成物中に存在することができる。
組成物の製造
好ましくは、本明細書に記載の表面樹脂組成物およびマトリックス樹脂組成物は、溶融混合ブレンドであり、すべてのポリマー成分が互いに十分に分散され、すべての非ポリマー成分がポリマーマトリックス中に十分分散してポリマーマトリックスによって結合し、そのためブレンドは全体的に一体の形態となる。あらゆる溶融混合方法を使用して、本明細書に記載のポリマー成分と非ポリマー成分とを混合することができる。たとえば、ポリマー成分sおよび非ポリマー成分は、たとえば、一軸または二軸スクリュー押出機;ブレンダー;一軸または二軸スクリューニーダー;あるいははバンバリーミキサーなどの溶融混合機に、1段階の添加ですべて一度に加えるか、段階的に加えるかのいずれかで加え、次に溶融混合することができる。ポリマー成分および非ポリマー成分を段階的に加える場合は、最初にポリマー成分および/または非ポリマー成分の一部を加えて溶融混合し、続いて残りのポリマー成分および非ポリマー成分を加え、十分に混合された組成物が得られるまでさらに溶融混合する。
最終用途に依存して、本明細書に記載の複合構造はあらゆる形状を有することができる。好ましくは、本明細書に記載の複合構造はシート構造の形態である。
複合構造の製造
前述の複合構造の製造方法およびそれによって得られた複合構造も本明細書に記載される。これらの方法は、i)マトリックス樹脂組成物を繊維状材料に含浸させるステップであって、複合構造の表面の少なくとも一部が表面樹脂組成物でできているステップを含む。好ましくは、熱圧着によって繊維状材料にマトリックス樹脂が含浸される。熱圧着中は、プラスチックを溶融させ、繊維状材料中に浸透させ、それによって前記繊維状材料に含浸させるために、繊維状材料、マトリックス樹脂組成物、および表面樹脂組成物には熱および圧力が加えられる。典型的には、熱圧着は、2〜100barの間、より好ましくは10〜40barの間の圧力において、マトリックス樹脂組成物およびポリアミド組成物の融点よりも高い温度、好ましくは適切に含浸できるように融点よりも少なくとも約20℃高い温度で行われる。加熱ステップは、接触加熱、放射ガス加熱、赤外加熱、対流または強制対流空気加熱、またはマイクロ波加熱などの種々の熱的手段によって行うことができる。含浸の推進圧は、静的プロセスまたは連続プロセス(動的プロセスとも呼ばれる)によって加えることができ、連続プロセスが好ましい。含浸方法の例としては、限定するものではないが真空成形、インモールドコーティング、クロスダイ式押出成形、引出成形、ワイヤコーティング式プロセス、積層、スタンピング、ダイヤフラム成形、またはプレス成形が挙げられるが、積層が好ましい。積層中、加熱ゾーン中の互いに向かい合う加圧ローラーによって、互いに反対側の熱および圧力が繊維状材料、マトリックス樹脂組成物、および表面樹脂組成物に加えられる。積層技術の例としては、カレンダー加工、平台積層、および二重ベルトプレス積層が挙げられるが、これらに限定されるものではない。含浸プロセスとして積層が使用される場合、好ましくは積層に二重ベルトプレスが使用される。
たとえば粉末コーティング、フィルム積層、押出コーティング、またはそれらの2種類以上の組み合わせなどの従来手段によって、マトリックス樹脂組成物および表面樹脂組成物が繊維状材料に取り付けられ、但し、オーバーモールド成形用樹脂が複合構造の上に取り付けられる場合には、利用可能となるように、表面樹脂組成物は複合構造の表面の少なくとも一部の上に取り付けられる。
粉末コーティングプロセス中は、従来の粉砕方法によって得られたポリマー粉末を繊維状材料に塗布する。分散、散布、吹き付け、熱溶射またはフレーム溶射、あるいは流動床コーティング方法によって、粉末を繊維状材料の上に塗布することができる。場合により、粉末コーティングプロセスは、繊維状材料上の粉末の焼結後ステップにあるステップをさらに含むことができる。複合構造の表面の少なくとも一部がポリアミド表面樹脂組成物でできているように、マトリックス樹脂組成物および表面樹脂組成物が繊維状材料に取り付けられる。続いて、粉末コーティングされた繊維状材料に対して熱圧着が行われ、場合により加圧ゾーンの外側で粉末コーティングされた繊維状材料の予備加熱が行われる。フィルム積層中は、たとえばインフレーションフィルム押出、キャストフィルム押出、およびキャストシート押出などの当技術分野において周知の従来の押出成形方法によって得られたマトリックス樹脂組成物でできた1つ以上のフィルムおよび表面樹脂組成物でできた1つ以上のフィルムが、繊維状材料に取り付けられる。続いて、マトリックス樹脂組成物でできた1つ以上のフィルムおよび表面樹脂組成物でできた1つ以上のフィルムおよび1つ以上の繊維状材料を含む組立体に対して熱圧着が行われる。得られた複合構造中で、繊維状材料を取り囲むポリマーの連続体としてフィルム樹脂が繊維状材料中に浸透する。押出コーティング中は、マトリックス樹脂組成物でできたペレットおよび/または顆粒と、表面樹脂組成物でできたペレットおよび/または顆粒とが、1つ以上の溶融物カーテンを形成するように1つ以上のフラットダイから押し出され、次に1つ以上の溶融物カーテンが置かれることによって繊維状材料上に取り付けられる。
本明細書に記載のマトリックス樹脂組成物が含浸される繊維状材料の表面の少なくとも一部に表面樹脂組成物を取り付けるステップを含む本明細書に記載の複合構造の製造方法も本明細書に記載される。
最終用途に依存して、含浸ステップi)で得られた複合構造は、所望の形状または構成に成形したり、シート形態で使用したりすることができる。本明細書に記載の複合構造の製造方法は、複合構造を成形するステップii)をさらに含むことができ、前記ステップは含浸ステップi)の後に行われる。ステップi)で得られた複合材料を成形するステップは、圧縮成形、スタンピング、または熱と圧力とを使用するあらゆる技術によって行うことができる。好ましくは、油圧成形プレスを使用して圧力が加えられる。圧縮成形またはスタンピング中、複合構造は、表面樹脂組成物の溶融温度よりも高い温度まで予備加熱され、所望の最終形状の形のキャビティを有する金型が収容される成形プレスなどの成形手段に移され、それによって所望の構成に成形され、その後、表面樹脂組成物の溶融温度よりも低い温度まで冷却された後、プレスまたは金型から取り出される。
オーバーモールド成形された複合構造
別の一態様においては、本発明は、オーバーモールド成形された複合構造およびその製造方法に関する。本発明によるオーバーモールド成形された複合構造は、少なくとも2つの構成要素、すなわち第1の構成要素および第2の構成要素を含む。第1の構成要素は前述の複合構造からなり、第2の構成要素はオーバーモールド成形用樹脂組成物を含む。オーバーモールド成形された複合構造は、2つ以上の第1の構成要素を含むことができ、すなわち2つ以上の複合構造を含むことができる。オーバーモールド成形用樹脂組成物は1種類以上の熱可塑性樹脂を含む。オーバーモールド成形用樹脂組成物は、表面樹脂組成物に適合した1種類以上の熱可塑性樹脂を含む。好ましくは、オーバーモールド成形用樹脂組成物は、マトリックス樹脂組成物および表面樹脂組成物に関して本明細書に記載されるようなポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂を含む。
本明細書に記載のオーバーモールド成形用樹脂組成物は、表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物に関して本明細書に記載されるような1種類以上の衝撃改質剤、1種類以上の熱安定剤、1種類以上の酸化安定剤、1種類以上の補強剤、1種類以上の紫外光安定剤、1種類以上の難燃剤、またはそれらの混合物をさらに含むことができる。オーバーモールド成形用樹脂組成物中に含まれる場合、これらの添加剤は、表面樹脂組成物および/またはマトリックス樹脂組成物に関して前述した量で存在する。
第2の構成要素は、前記第1の構成要素の表面の少なくとも一部の上で第1の構成要素に接着され、表面の前記一部前述の表面樹脂組成物でできている。好ましくは、第2の構成要素は、追加の接着剤、結合層、および接着層を使用することなく、前記第1の構成要素の表面の少なくとも一部の上で第1の構成要素に接着される。第1の構成要素、すなわち複合構造は、第2の構成要素によって完全または部分的に封入することができる。好ましくは、第1の構成要素、すなわち前述の複合構造はシート構造の形態である。
本明細書に記載のオーバーモールド成形用樹脂組成物は、好ましくは溶融混合ブレンドであり、すべてのポリマー成分が互いに十分に分散され、すべての非ポリマー成分がポリマーマトリックス中に十分分散してポリマーマトリックスによって結合し、そのためブレンドは全体的に一体の形態となる。使用できる溶融混合方法は、ポリアミド表面樹脂組成物およびマトリックス樹脂組成物の調製に関して前述したものである。
オーバーモールド成形された複合構造の製造
別の一態様においては、本発明は、前述のオーバーモールド成形された複合構造の製造方法、およびそれによって得られたオーバーモールド成形された複合構造に関する。オーバーモールド成形された複合構造の製造方法は、第1の構成要素、すなわち前述の複合構造に、オーバーモールド成形用樹脂組成物をオーバーモールド成形するステップを含む。「オーバーモールド成形」とは、第1の構成要素の表面の少なくとも一部の上に第2の構成要素が成形されることを意味する。
第1の構成要素、すなわち前述の複合構造は、最終的なオーバーモールド成形された複合構造の外見構成より大きい部分を画定するキャビティを有する金型を含む成形ステーション中に入れられる。オーバーモールド成形用樹脂組成物は、複合構造の一方の側または両側の上にオーバーモールド成形することができ、第1の構成要素のすべてまたは一部を封入することができる。成形ステーション中に第1の構成要素を配置した後、次にオーバーモールド成形用樹脂組成物を溶融形態で導入する。第1の構成要素と第2の構成要素とは、オーバーモールド成形によって互いに接着される。
オーバーモールド成形方法は、第1の構成要素がすでに入れられた金型中で第2の構成要素を成形する事を含み、第1の構成要素は前述のように前もって製造されており、それによって、前記第1の構成要素の表面の少なくとも一部の上で、第1および第2の構成要素が互いに接着される。オーバーモールド成形ステップとして射出成形または圧縮成形によって、より好ましくは射出成形によって、少なくとも2つの部分が好ましくは互いに接着される。第1の構成要素と接触させるために、オーバーモールド成形用樹脂組成物が成形ステーション中に溶融形態で導入されるときに、第1の構成要素の要素の少なくとも薄い層が溶融し、、オーバーモールド成形用樹脂組成物と混合されるようになる。
最終用途に依存するが、オーバーモールド成形用樹脂組成物をオーバーモールド成形するステップの前に、第1の構成要素、すなわち複合構造を所望の形状または構成に成形することができる。前述したように、複合構造をを成形するステップは、圧縮成形、スタンピング、または熱と圧力とを使用するあらゆる技術によって行うことができ、圧縮成形およびスタンピングが好ましい。スタンピング中、複合構造は、ポリアミド表面樹脂組成物の溶融温度よりも高い温度まで予備加熱され、所望の最終形状の形のキャビティを有するスタンピングプレスまたは金型に移され、次に所望の構成にスタンピングされ、その後、プレスまたは金型から取り出される。オーバーモールド成形用樹脂とポリアミド表面樹脂組成物との間の接着性を改善するために、複合構造の表面は、オーバーモールド成形に利用可能な相対的な表面を増加させるためのテクスチャー加工された表面であってよい。このようなテクスチャー加工された表面は、表面上にたとえば孔隙またはくぼみを有するプレスまたは金型を使用することによって成形ステップ中に得ることができる。
あるいは、1つの成形ステーション中で第1の構成要素の成形およびオーバーモールド成形を行うステップを含む1段階プロセスを使用することができる。この1段階プロセスでは、金型またはプレス中で第1の構成要素の圧縮成形またはスタンピングを行うステップが回避され、場合による予備加熱ステップおよび予備加熱された第1の構成要素を成形ステーションに移すことが回避される。この1段階プロセス中、第1の構成要素、すなわち複合構造は、成形ステーションの外側、近く、または内部で、オーバーモールド成形ステップ中に第1の構成要素が適合可能または成形可能となる温度まで加熱され、好ましくは複合構造の溶融温度よりも低い温度まで加熱される。このような1段階プロセスでは、成形ステーションは、所望の最終形状の形のキャビティを有する金型を含む。それによって第1の構成要素の形状がオーバーモールド成形中に得られる。
表面樹脂組成物でできた少なくとも一部を有する表面を有し、不織構造、布地、繊維バット、およびそれらの組み合わせから選択される繊維状材料を含み、前記繊維状材料にはマトリックス樹脂組成物が含浸された複合材料の曲げ強度を改善するための、a)前述のポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性組成物中での0.5または約0.5〜6.0重量%の前述のナノクレイの使用であって、表面樹脂組成物およびマトリックス樹脂組成物は、同一または異なるものであって、a)ポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性組成物から選択され、重量パーセント値は熱可塑性組成物の全重量を基準としている、使用も、本明細書に記載される。
表面を有する第1の構成要素と、オーバーモールド成形された複合構造の第2の構成要素とを含むオーバーモールド成形された複合構造の曲げ強度を改善するための、a)前述のポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性組成物中での0.5または約0.5〜6.0重量%の前述のナノクレイの使用であって、重量パーセント値は、ナノクレイと、ポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂との全重量を基準としており、
前記第1の構成要素の表面の少なくとも一部の上で、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素に接着され、
第1の構成要素の表面は、表面樹脂組成物でできた少なくとも一部を有し、前述のような不織構造、布地、繊維バット、およびそれらの組み合わせから選択される繊維状材料を含み、前記繊維状材料にはマトリックス樹脂組成物が含浸され、
第2の構成要素は、1種類以上の熱可塑性樹脂を含むオーバーモールド成形用樹脂組成物を含み、
マトリックス樹脂組成物および表面樹脂組成物は、同一または異なるものであって、a)前述のポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種類以上の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性組成物から選択される、使用も、本明細書に記載される。
物品
本明細書に記載の複合構造およびオーバーモールド成形された複合構造は、自動車、トラック、民間航空機、航空宇宙産業、鉄道、家庭用品、コンピュータハードウェア、携帯型デバイス、娯楽、およびスポーツの構成材料、機械の構造用部品、建造物の構造用部品、光起電力設備の構造用部品、または機械装置の構造用部品などの多種多様の用途で使用することができる。
自動車用途の例としては、座席部品および座席フレーム、エンジンカバーブラケット、エンジンクレードル、サスペンションクレードル、スペアタイヤウェル、シャシー補強、フロアパン、フロントエンドモジュール、ステアリングコラムフレーム、インストルメントパネル、ドアシステム、ボディパネル(水平ボディパネルおよびドアパネルなど)、テールゲート、ハードトップフレーム構造、コンバーチブルトップフレーム構造、ルーフィング構造、エンジンカバー、トランスミッションおよび電源供給部品のハウジング、オイルパン、エアバッグハウジング缶、自動車内装インパクト構造、エンジンサポートブラケット、クロスカービーム、バンパービーム、歩行者用安全ビーム、ファイアウォール、後部荷物棚、クロス車両バルクヘッド、冷媒ボトルおよび消火器などの加圧容器およびトラック圧縮空気ブレーキ装置の容器、内燃機関/電気ハイブリッド自動車または電気自動車の電池トレイ、自動車のサスペンションウィッシュボーンおよびコントロールアーム、サスペンションスタビライザーリンク、板バネ、車輪、レクリエーション車両およびオートバイのスイングアーム、フェンダー、ルーフ用フレーム、ならびにタンクフラップが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
家庭用品の例としては、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、空調、および暖房が挙げられるが、これらに限定されるものではない。娯楽およびスポーツの例としては、インラインスケートの部品、野球用バット、ホッケー用スティック、スキーおよびスノーボードの接続器具、リュックサックの裏側およびフレーム、ならびに自動車のフレームが挙げられるが、これらに限定されるものではない。機械の構造部品の例としては、携帯型電子デバイス、コンピュータの筐体などの電気/電子部品が挙げられる。
本発明および比較例による複合構造およびオーバーオールド成形された複合構造の作製に以下の材料を使用した。
材料
以下の材料で、実施例および比較例において使用した組成物を調製する。
半芳香族ポリアミド1(PA1):テレフタル酸および1,6−ヘキサメチレンジアミン(HMD)および2−メチルペンタメチレンジアミン(MPMD)(HMD:MPMD=50:50)でできており、融点が約305〜315℃であるポリアミド(PA)。この半芳香族ポリアミドは本件特許出願人より市販される。
オーバーモールド成形用樹脂組成物:50重量%のガラス長繊維を含み、半芳香族PA1を含む組成物。この組成物は本件特許出願人より市販される。
ナノクレイ:Tolsa,SpainよりPangel(登録商標)S9の商標で供給されるナノ分散セピオライト。
フィルムの作製
97重量%の半芳香族ポリアミド PA1および3重量%のナノクレイのブレンドを含む組成物を、揮発分除去のための真空ポートが取り付けられたZSK30mm二軸スクリュー押出機中で2つの成分の混合物を溶融ブレンドすることで調製した。
半芳香族ポリアミドPA1またはナノクレイを含む半芳香族ポリアミドPA1を、フィルムダイおよびキャスティングドラムを取り付けたZSK28mm二軸スクリュー押出機中で溶融させることによって、厚さが約10ミル(254ミクロン)であり表1に記載の組成物から作製されるフィルムを作製した。これらのフィルムは、約337℃の溶融温度で処理し、約150℃の温度でキャスティングした。
複合構造の作製
複合構造C1およびE1、ならびにオーバーモールド成形用複合構造C3およびE2の作製に使用される複合構造C1およびE1は、前述のようにして得られたフィルムでできた9層を、連続ガラス繊維織物シートの8層と交互に積み重ねたものを圧縮成形して、厚さ2mmのシートにすることによって作製した。
オーバーモールド成形された複合構造の作製
複合構造C1およびE1を1.0インチ×8インチ(2.5cm×20.3cm)の長方形の棒に切断し、150℃で少なくとも15分間予備加熱し、次に射出成形機(125 ton Engel)の金型キャビティ中に入れた。金型を150℃で電気加熱し、バーゲートを有する1.0インチ×8インチ×3/16インチのバーキャビティを取り付けた。射出成形機を325℃に設定した。
結果として得られるオーバーモールド成形された複合構造が約0.18(3/16)インチ(4.5mm)の厚さを有するように、複合構造C1およびE1に、オーバーモールド成形用樹脂組成物(50重量%のガラス長繊維を含み、前述のテレフタル酸および1,6−ヘキサメチレンジアミン(HMD)および2−メチルペンタメチレンジアミン(MPMD)(HMD:MPMD=50:50)でできたポリアミド(PA)を含む組成物)をオーバーモールド成形した。
曲げ弾性率
複合構造(C1およびE1)を約0.5インチ×約5インチ(1.3cm×12.7cm)の長方形の棒(方法iso 178に準拠した試験片試験サイズ)に切断し、予備加熱せずに曲げ弾性率を測定した。
比較のため、オーバーモールド成形用樹脂組成物(C2)をそれ自体の上にオーバーモールド成形した試験片(C2:C2)を作製した。オーバーモールド成形用樹脂組成物(C2)を、複合構造から作製した場合と同じ厚さを有する部分(方法ISO 178に準拠した試験片試験サイズ)の上に射出成形した。
表1に記載のオーバーモールド成形された複合構造(C3およびE2)、オーバーモールド成形用樹脂部分(C2:C2)、および2つの複合構造(C1およびE1)を、曲げ弾性率の測定に必要な形状(方法ISO 178に準拠した試験片試験サイズ、たとえば約0.5インチ×約5インチ(1.3cm×12.7cm)の長方形の棒)にウォータージェットで切断し、対応する試験結果を表3に示している。
50mm/分のひずみ速度を使用してISO 178に準拠して曲げ試験を行った。オーバーモールド成形された複合構造C3およびE2の場合、試験片は、複合構造面またはオーバーモールド成形された複合材料の面を上向きに配置し、それぞれのこれら2つの結果を表3に報告している。
表3は、5つの試験片から得た平均値を示している。
耐クリープ性
複合構造(C1およびE1)を前述のように作製し、前述と同じ厚さを有した。ウォータージェットを用いて試験片を13×60mmの棒に切断し、これらを使用して、20mL/分の窒素パージ下でクリープモードのTA Instruments 983 DMA装置中で加速クリープ試験を行った。棒は最初に200℃で2時間アニールし、次に棒の中央部を、長さ対厚さが10:1となるようにDMA装置のジョーの間に挟んだ。3つの長さを使用して、周囲条件で長さ補正を行った。30分の温度平衡、15分の荷重、および荷重なしの60分の回復の一連の等温ステップからなる2000分の試験を設定した。25℃の温度から開始して220℃まで、平衡、荷重、および荷重除去の上記3つの等温ステップの次のサイクルのために温度を5℃上昇させた。基準温度として25℃を使用した短期コンプライアンス対時間曲線を、それらが重なるまで、対数時間目盛に沿って水平方向に移動させた。このようにしてマスターコンプライアンス曲線を作製し、ひずみのパーセント(%)の計算に使用した。
表2は、5つの試験片から得た平均値を示している。
表中、実施例の複合材料およびオーバーオールド成形されたた複合材料は「E」で示され、比較例の複合材料およびオーバーオールド成形された複合材料は「C」で示される。
Figure 2013528245
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表2に示されるように、半芳香族ポリアミド(C1)でできたマトリックス樹脂および表面樹脂組成物を含む比較例の複合構造は、本発明による複合構造よりも低い耐クリープ性を示した。比較例の複合構造(C1)は、100000時間には%ひずみの測定が不可能なほど大きな変形を示した。対照的に、複合構造のマトリックス樹脂および表面樹脂組成物の中にナノクレイを混入することで、本発明の複合構造(E1)の耐クリープ性は、ナノクレイを含有しない組成物を複合構造よりも大きく改善された。
表3に示されるように、半芳香族ポリアミド(C1)でできたマトリックス樹脂および表面樹脂組成物を含む比較例の複合構造は、低い曲げ弾性率が問題となった。対照的に、複合構造のマトリックス樹脂および表面樹脂組成物の中にナノクレイを混入することで、本発明の複合構造(E1)の曲げ弾性率は、ナノクレイを含有しない組成物を複合構造よりも改善された。実際、17.3GPaの曲げ弾性率値が本発明による複合構造(E1)で得られ、比較例の複合構造(C1)の14.4GPaの値と対照的である。表3に示されるように、半芳香族ポリアミドでできたマトリックス樹脂および表面樹脂組成物を含む比較例のオーバーモールド成形された複合構造(C3)は、低い曲げ弾性率が問題となった。対照的に、オーバーモールド成形された複合構造のマトリックス樹脂および表面樹脂組成物の中にナノクレイを混入することで、本発明(E2)のオーバーモールド成形された複合構造の曲げ弾性率が大きく改善された。実際、オーバーモールド成形された複合材料面で13.1GPaの曲げ弾性率が本発明によるオーバーモールド成形された複合構造(E2)で得られ、比較例のオーバーモールド成形された複合構造(C3)の5.5GPaの値と対照的である。曲げ弾性率の低い値は、複合構造とオーバーモールド成形用樹脂との間の接着性が低いために低い値での界面破壊が起こるためと考えられ、一方、高い曲げ弾性率は、界面が強く、複合構造またはオーバーモールド成形用樹脂の一方に破壊点が到達する前に破壊されないためと考えられる。
本発明による複合構造およびオーバーオールド成形された複合構造(E1〜E2)は、耐クリープ性の改善が示されただけでなく、機械的性質、特に曲げ弾性率の大きな改善が示された。これら両方が、使用および経時による物品の耐久性および安全性に寄与する。

Claims (15)

  1. 表面を有する複合材料であって、前記複合材料は、不織構造、布地、繊維バット、およびそれらの組み合わせから選択される繊維状材料を含み、前記繊維状材料はマトリックス樹脂組成物で含浸され、前記表面は表面樹脂組成物でできた少なくとも一部を有し、
    前記表面樹脂組成物および前記マトリックス樹脂組成物は、同一または異なるものであり、および
    前記表面樹脂組成物および前記マトリックス樹脂組成物は、a)ポリエステル、ポリアミド、およびそれらの混合物から選択される1種または複数種の熱可塑性樹脂と;b)0.5または約0.5〜6.0または約6.0重量%のナノクレイとを含む熱可塑性組成物から選択され、
    前記重量パーセントは前記熱可塑性組成物の全重量を基準する
    ことを特徴とする複合構造。
  2. 前記繊維状材料が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、天然繊維、またはそれらの混合物で作成されていることを特徴とする請求項1に記載の複合構造。
  3. 前記繊維状材料がガラス繊維で作成されていることを特徴とする請求項2に記載の複合構造。
  4. 前記ナノクレイがセピオライト型クレイであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複合構造。
  5. 前記熱可塑性組成物がa)1種または複数種のポリエステルを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の複合構造。
  6. 前記1種または複数種のポリエステルが、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6−ナフトエート)(PEN)、ポリ(1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート)(PCT)、ならびにそれらのコポリマーおよびブレンドから選択されることを特徴とする請求項5に記載の複合構造。
  7. 前記熱可塑性組成物が、a)完全脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、およびそれらのブレンドから選択される1種または複数種のポリアミドを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の複合構造。
  8. 前記1種または複数種のポリアミドが半芳香族ポリアミドから選択されることを特徴とする請求項7に記載の複合構造。
  9. 前記マトリックス樹脂組成物および/または前記表面樹脂組成物が、1種または複数種の衝撃改質剤、1種または複数種の熱安定剤、1種または複数種の酸化安定剤、補強剤、1種または複数種の紫外光安定剤、1種または複数種の難燃剤、またはそれらの混合物をさらに含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の複合構造。
  10. 前記マトリックス樹脂組成物および/または前記表面樹脂が、超分岐ポリエステルデンドリマーから選択される溶融レオロジー改質剤をさらに含むことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の複合構造。
  11. シート構造の形態にあることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の複合構造。
  12. 自動車、トラック、民間航空機、航空宇宙産業、鉄道、家庭用品、コンピュータハードウェア、携帯型デバイス、娯楽、およびスポーツの構成材料、機械の構造用部品、建造物の構造用部品、光起電力設備の構造用部品、または機械装置の構造用部品の形態にあることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の複合構造。
  13. 表面を有する複合構造の製造方法であって:
    請求項1、請求項4〜10のいずれかに記載のマトリックス樹脂組成物を、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維状材料に含浸させる工程を含み、前記複合構造の表面の少なくとも一部が、請求項1または請求項4〜10のいずれかに記載の表面樹脂組成物で作成されることを特徴とする方法。
  14. オーバーモールド成形された複合構造であって:
    i)表面を有する第1の構成要素であって、前記第1の構成要素は不織構造、布地、繊維バット、およびそれらの組み合わせから選択される繊維状材料を含み、前記繊維状材料にはマトリックス樹脂組成物が含浸され、前記表面は表面樹脂組成物でできた少なくとも一部を有する、第1の構成要素と、
    ii)1種または複数種の熱可塑性樹脂を含むオーバーモールド成形用樹脂組成物を含む第2の構成要素と
    を含み、
    前記表面樹脂組成物および前記マトリックス樹脂組成物は、同一または異なるものであって、請求項1または請求項4〜10のいずれかに記載の熱可塑性組成物から選択され、
    前記第1の構成要素の前記表面の少なくとも一部の上で、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素に接着される
    ことを特徴とするオーバーモールド成形された複合構造。
  15. 自動車、トラック、民間航空機、航空宇宙産業、鉄道、家庭用品、コンピュータハードウェア、携帯型デバイス、娯楽、およびスポーツの構成材料、機械の構造用部品、建造物の構造用部品、光起電力設備の構造用部品、または機械装置の構造用部品の形態にあることを特徴とする請求項14に記載のオーバーモールド成形された複合構造。
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