JP2022151706A - 積層フィルム - Google Patents

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明子 熊野谿
Akiko Kumanotani
達也 鈴木
Tatsuya Suzuki
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Abstract

【課題】一方の面に加熱処理を行った際に発生するカールを低減できる積層フィルムを提供する。【解決手段】積層フィルムは、上面層(B1)、基材層(A)及び下面層(B2)がこの順に積層される。前記基材層(A)はオレフィン系樹脂とフィラーとを含有する。前記上面層(B1)は結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含有する。前記下面層(B2)は、少なくとも結晶性樹脂を含有し、さらに非晶性樹脂を含有するか、又は前記非晶性樹脂を含有しない。前記上面層(B1)における単位面積あたりの前記非晶性樹脂の含有量C1(g/m2)が、前記下面層(B2)における単位面積あたりの前記非晶性樹脂の含有量C2(g/m2)よりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、積層フィルムに関する。
従来、ラベル用紙や印刷用紙等として、ポリプロピレン等の樹脂フィルムが用いられている。このような樹脂フィルムは、片面へのエンボス加工又は溶融樹脂の積層等によって一方の面が加熱されることがある。
樹脂フィルムの一方の面を加熱処理すると、その一方の面が優先的に加熱される。そのため、一方の面の方が他方の面よりも強く熱収縮し、カールが発生することがある。カール抑制の方法としては、樹脂フィルムにアニール処理を施してフィルム中の残留応力を除去することが知られている。また、樹脂フィルム中に比較的熱収縮しにくい非晶性樹脂を配合することで、樹脂フィルム全体の熱収縮を抑える手法も知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2016-107504号公報 特開2012-066434号公報
アニール処理を行う場合、製造工程が増えるため、製造コストが増加する。
また、非晶性樹脂の配合によってカールを抑えようとすると、使用できる材料が限られる。非晶性樹脂は、結晶性樹脂に比べて一般的にコストも高く、配合量が増えるほど製造コストが上昇する。
本発明は、一方の面に加熱処理を行った際に発生するカールを低減できる積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、基材層の両側にカール調整用の樹脂層を設け、各樹脂層中の非晶性樹脂の含有量を調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]上面層(B1)、基材層(A)及び下面層(B2)がこの順に積層された積層フィルムであって、
前記基材層(A)が、オレフィン系樹脂とフィラーとを含有し、
前記上面層(B1)が、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含有し、
前記下面層(B2)が、少なくとも結晶性樹脂を含有し、さらに非晶性樹脂を含有するか、又は前記非晶性樹脂を含有せず、
前記上面層(B1)における単位面積あたりの前記非晶性樹脂の含有量C1(g/m)が、前記下面層(B2)における単位面積あたりの前記非晶性樹脂の含有量C2(g/m)よりも大きい
積層フィルム。
[2]前記非晶性樹脂が、環状オレフィン系樹脂又は石油樹脂である
前記[1]に記載の積層フィルム。
[3]前記非晶性樹脂の含有量C1及びC2が、下記式(1)を満たす
(1) 0.1≦C1-C2≦10
前記[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4]前記結晶性樹脂が、プロピレン系樹脂である
前記[1]~[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[5]前記オレフィン系樹脂が、プロピレン系樹脂である
前記[1]~[4]のいずれかに記載の積層フィルム。
[6]前記上面層(B1)又は前記下面層(B2)が、さらにフィラーを含有する
前記[1]~[5]のいずれかに記載の積層フィルム。
[7]前記上面層(B1)上にコート層(D)を備え、
前記コート層(D)が、エチレンイミン系樹脂を含有する
前記[6]に記載の積層フィルム。
[8]前記積層フィルムの前記上面層(B1)側の表面が加熱処理される面である
前記[1]~[7]のいずれかに記載の積層フィルム。
本発明によれば、一方の面に加熱処理を行った際に発生するカールを低減できる積層フィルムを提供することができる。
逆カールが生じた積層フィルムを例示する図である。 積層フィルムの一例を示す断面図である。 積層フィルムの他の一例を示す断面図である カール性の評価方法を説明する図である。
以下、本発明の積層フィルムについて詳細に説明する。以下は本発明の一例(代表例)であり、本発明はこれに限定されない。
以下の説明において、「(メタ)アクリル」の記載は、アクリルとメタクリルの両方を示す。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、上面層(B1)、基材層(A)及び下面層(B2)をこの順に備える。具体的には、基材層(A)の一方の面上に上面層(B1)が設けられ、もう一方の面上に下面層(B2)が設けられる。
本発明において、基材層(A)は、オレフィン系樹脂を含有する。上面層(B1)は、結晶性樹脂と、単位面積あたりの含有量(g/m)がC1(C1>0)の非晶性樹脂とを含有する。一方、下面層(B2)は、結晶性樹脂と、単位面積あたりの含有量(g/m)がC2(C2≧0)の非晶性樹脂とを含有する。上面層(B1)中の非晶性樹脂の含有量C1は、下面層(B2)中の非晶性樹脂の含有量C2よりも大きい。
通常、結晶性樹脂を含有するフィルムは、一方の面へのエンボス加工又は溶融樹脂の積層等によって一方の面が加熱処理されると、加熱された一方の面が凹むカールが生じる。これは、直接加熱された一方の面が他方の面に優先して加熱され、当該一方の面側のフィルム中の結晶性樹脂が他方の面よりも強く熱収縮するためである。本明細書において、この加熱された面が凹むカールを正カールという。本発明の積層フィルムにおいても、上面層(B1)側の面が加熱処理されると、上面層(B1)側が優先的に加熱されるため、上面層(B1)に下面層(B2)よりも強い熱収縮が生じて、上面層(B1)側の面が凹む正カールが生じる。
しかし、本発明の積層フィルムは、予め正カールとは逆方向のカール、つまり下面層(B2)の面が凹む弱いカールが生じている。本明細書において、この加熱処理される面と反対側の面が凹むカールを逆カールという。このような逆カールは、上面層(B1)と下面層(B2)の非晶性樹脂の含有量の差等の種々の違いによって製造過程で生じる。また、上面層(B1)よりも非晶性樹脂の含有量が少ない下面層(B2)の方が熱収縮しやすいことから、製造過程で生じた逆カールは、フィルム全体をオーブン等で加熱するとさらに大きくなる。この現象は、片面へのエンボス加工又は溶融樹脂の積層等の片面加熱を行った場合であっても、伝導伝熱によってフィルム全体が不均一ながらも加熱されることから、程度は弱いもののある程度生じる。よって、片面に対する加熱処理により積層フィルムに生じた正カールは、元々備わっていた逆カール及びフィルム全体が加熱されることによって生じる追加の逆カールによって打ち消され、低減する。したがって、片面へのエンボス加工又は溶融樹脂の積層等の加熱処理を伴う加工を行っても、カールが少ない積層フィルムを提供することが可能である。
図1は、逆カールが生じた積層フィルムを例示する。
図1において、積層フィルム11は、上面層B1、基材層A及び下面層B2を有する。図1に示すように、下面層B2と上面層B1の組成差により、積層フィルム11には下面層B2側の表面が凹む逆カールが製造時に生じている。
例えば、片面の一部に溶融樹脂を積層する際、上面層B1の表面に溶融樹脂が矢印の方向に熱圧着され、樹脂層1aが設けられる。このとき、結晶性樹脂を含む各層は熱収縮し、加熱された上面層B1側の面が凹む、つまり正カールが生じる。しかし、本発明の積層フィルムでは、正カールだけでなく、下面層B2と上面層B1の収縮差による逆カールがさらに発生する。製造時に生じた逆カールと接着時に生じた逆カールにより正カールが打ち消され、正カールが低減する。
本発明の積層フィルムが延伸フィルムである場合、残留応力によって正カールがより生じやすい。しかし、本発明の積層フィルムによれば、アニール処理によらず、正カールを低減させることができるため、アニール処理工程を不要にでき、生産プロセスの効率化及び低コスト化に貢献できる。また、本発明の積層フィルムによれば、上面層(B1)及び下面層(B2)中の非晶性樹脂の含有量によってカールを容易に制御することができる。
なお、製造時に生じた逆カールだけでなく、製造後の加熱処理時に生じる追加の逆カールによっても、正カールを打ち消すことができるため、製造時に生じる逆カールを低めに設定することが可能となる。これにより、製造時で生じた逆カールがその後の積層フィルムの取扱性に与える影響を低減できる。
本発明はどのような構造の積層フィルムにおいても上記の効果を発揮するが、フィルム内部に残存応力を有する場合、例えば積層フィルムが延伸フィルムを含む場合や、延伸後にアニーリング処理されていないフィルムを含む場合に特に顕著な効果が得られる。具体的には、縦方向(MD:Machine Direction)の延伸倍率が2倍以上である延伸フィルムを含む積層フィルム、なかでも当該延伸フィルムを通常厚みの割合が大きい基材層として含む積層フィルムに、本発明は好適である。
上述した上面層(B1)、基材層(A)及び下面層(B2)以外にも、本発明の積層フィルムは、必要に応じて他の層を有することができる。例えば、本発明の積層フィルムは、印刷に用いられるインクとの密着性を高める観点から、上面層(B1)上にコート層(D)を有することができる。なお、コート層(D)は、下面層(B2)上に設けられてもよい。
図2は、コート層(D)が設けられた積層フィルム12を例示する。
積層フィルム12は、基材層Aと、基材層Aの両面に上面層B1及び下面層B2とを備える。積層フィルム12の例において、上面層B1上にはコート層Dが設けられる。
このコート層D上に印刷を施すことにより、印刷層2が形成され得る。印刷層2は、印刷によって転写されたインク成分からなる。また、コート層D上には、溶融接着される樹脂層3が設けられ得る。樹脂層3は、例えば片面の一部に溶融状態で積層することにより、デコレーション用に設けられた熱可塑性樹脂や、ホットメルト型の接着剤、又はラベルの接着面に使用されるヒートシール樹脂等の層である。加工の容易性の観点からは、樹脂層3に用いられる樹脂は低融点を有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。
以下、各層について説明する。
(基材層(A))
基材層(A)は、オレフィン系樹脂とフィラーとを含有し、積層フィルムに優れた機械的強度を付与する。
<オレフィン系樹脂>
オレフィン系樹脂の具体的な例としては、プロピレン系樹脂又はエチレン系樹脂等が挙げられる。
プロピレン系樹脂としては、主なモノマーにプロピレンが用いられるのであれば特に限定されない。例えば、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体又はシンジオタクティック重合体等が挙げられる。また、主成分となるプロピレンと、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、又は1-ヘキセン等のα-オレフィンとの共重合体である、プロピレン-α-オレフィン共重合体等を使用することもできる。共重合体は、モノマー成分が2元系でも3元系以上の多元系でもよく、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。また、プロピレン単独重合体とプロピレン共重合体とを併用してもよい。
エチレン系樹脂としては、例えば密度が0.940~0.965g/cmの高密度ポリエチレン、密度が0.920~0.935g/cmの中密度ポリエチレン、密度が0.900g/cm以上0.920g/cm未満の直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン等を主体とし、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のα-オレフィンを共重合させた共重合体、マレイン酸変性エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン-メタクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体の金属塩、エチレン-環状オレフィン共重合体、又はマレイン酸変性ポリエチレン等が挙げられる。
また、オレフィン系樹脂としては、成形性向上の観点から、そのグラフト変性物を必要に応じて使用することもできる。
グラフト変性には公知の手法を用いることができる。具体的には、グラフトモノマーとして不飽和カルボン酸又はその誘導体を用いたグラフト変性物を挙げることができる。上記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、又はシトラコン酸等を挙げることができる。上記不飽和カルボン酸の誘導体としては、上記不飽和カルボン酸の酸無水物、エステル化物、アミド化物、イミド化物、又は金属塩等を挙げることができる。
具体的なグラフトモノマーとしては、無水マレイン酸等を挙げることができる。
グラフトモノマーは、オレフィン系樹脂に対して、通常0.005~10質量%、好ましくは0.01~5質量%用いることができる。
基材層(A)に用いるオレフィン系樹脂としては、上記の中から1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。防湿性、成形性、機械的強度又はコスト等の観点からは、基材層(A)は、プロピレン系樹脂又はエチレン系樹脂の樹脂フィルムであることが好ましく、プロピレン系樹脂がより好ましい。なかでも、プロピレン単独重合体が基材層(A)の主原料として取扱いやすく、好ましい。
プロピレン系樹脂には、フィルム成形性の観点から、プロピレン単独重合体と融点が同等程度以下の樹脂を併用することが可能である。そのような樹脂としてはエチレン系樹脂、具体的には高密度又は低密度のポリエチレンが挙げられる。エチレン系樹脂の配合量は、樹脂成分の全量に対して2~25質量%とすることができる。
<フィラー>
基材層(A)に使用できるフィラーとしては、例えば無機フィラー又は有機フィラー等が挙げられる。なかでも好ましくは無機フィラーである。フィラーの配合により、フィルムの白色度又は不透明度の調整が容易となる。また、フィルム内部にフィラーを起点として空孔が形成されやすく、基材層(A)、ひいては積層フィルムの軽量化が可能となる。基材層(A)が多孔質であると、積層フィルムの断熱性も向上しやすい。基材層(A)がプロピレン系樹脂にエチレン系樹脂が配合された樹脂フィルムであると、フィラーの配合によりフィブリル状の空孔が形成されやすく、好ましい。
<<無機フィラー>>
無機フィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、白土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、アルミナ、ゼオライト、又はガラスファイバー等の無機粒子を使用することができる。なかでも好ましくは炭酸カルシウムである。無機フィラーのレーザー回折による粒度分布計で測定した平均粒径は、通常は0.01~15μmであり、好ましくは0.1~5μmである。
<<有機フィラー>>
有機フィラーとしては、基材層(A)の主成分であるオレフィン系樹脂とは異なる種類の樹脂を選択することが好ましい。そのような有機フィラーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン-6、ナイロン-6,6、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、又はポリメタクリレート等のポリマーであって、オレフィン系樹脂の融点よりも高い融点(例えば170~300℃)又は高いガラス転移温度(例えば170~280℃)を有し、かつ非相溶の有機粒子を使用できる。
フィラーとしては、上記無機フィラー及び有機フィラーをそれぞれ単独で用いることもできるし、併用することもできる。
基材層(A)におけるフィラーの含有量(無機フィラーと有機フィラーを併用する場合は、その合計量)は、0~60質量%であることが好ましく、0~50質量%がより好ましい。
<その他の成分>
基材層(A)は、必要に応じて、熱安定剤(酸化防止剤)、光安定剤、分散剤、滑剤、又は核剤等をさらに含有することができる。
熱安定剤としては、例えば立体障害フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、又はアミン系酸化防止剤等を、通常0.001~1質量%の範囲内で使用することができる。
光安定剤としては、例えば立体障害アミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系光安定剤、又はベンゾフェノン系光安定剤を、通常0.001~1質量%の範囲内で使用することができる。
分散剤又は滑剤としては、例えばシランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はそれらの塩等が挙げられる。これらは、例えばフィラーを分散させる目的で、通常0.01~4質量%の範囲内で使用することができる。
<層構成>
基材層(A)は、単層構造であってもよく、2層又は3層以上の多層構造のものであってもよい。多層化により、機械特性、筆記性、耐擦過性又は2次加工適性等の様々な機能を基材層(A)に付与することが可能となる。
基材層(A)は、少なくとも1軸方向に延伸された延伸フィルムを含むことが好ましく、白色度又は不透明度を高める観点からは、基材層(A)は内部に空孔を有する多孔質延伸フィルムを含むことがより好ましい。延伸フィルムを含む基材層(A)は、防湿性及び機械的強度が高く、厚みの均一性に優れるため、後加工性に優れた積層フィルムを得ることができる。
基材層(A)が多層構造である場合、各層の延伸軸数は、1軸/1軸、1軸/2軸、2軸/1軸、1軸/1軸/2軸、1軸/2軸/1軸、2軸/1軸/1軸、1軸/2軸/2軸、2軸/2軸/1軸、又は2軸/2軸/2軸であってもよい。
<空孔率>
軽量化又は白色度の向上等の観点からは、基材層(A)の空孔率は、0%を超えることが好ましい一方、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。空孔率が50%以下であれば、強度を保ちやすい。
上記空孔率は、電子顕微鏡で観察したフィルムの断面の一定領域において、空孔が占める面積の比率より求めることができる。
(上面層(B1)及び下面層(B2))
上面層(B1)及び下面層(B2)は、積層フィルムのカールを調整するため、基材層(A)の両側にそれぞれ設けられる。
本発明において、上面層(B1)は、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含有する。詳細は後述するが、本明細書において、結晶性樹脂は、配向した分子鎖部分(結晶部分)を有する樹脂をいう。これに対し、非晶性樹脂は、上記結晶部分を有しないか、上記結晶部分を有していてもその量が極めて少ない樹脂をいう。樹脂が結晶性を有する程度に結晶部分を有しているか否かは、当該樹脂が融点を有するか否か、すなわち、一定速度で昇温した示差走査熱量測定(DSC:Differential scanning calorimetry)で明瞭な融解ピークを有するか否かで判断することができる。本明細書では、DSCで融解ピークのピーク面積が20J/g以上であった場合、明瞭な融解ピークを有すると判断することとする。
また、本発明において、下面層(B2)は、結晶性樹脂を含有し、さらに非晶性樹脂を含有してもよい。上述のように、下面層(B2)における単位面積あたりの非晶性樹脂の含有量が上面層(B1)よりも小さくなるのであれば、下面層(B2)は非晶性樹脂を含有しなくてもよい。
<非晶性樹脂の含有量の差>
具体的には、上面層(B1)の単位面積あたりの非晶性樹脂の含有量C1(g/m)と、下面層(B2)の単位面積あたりの非晶性樹脂の含有量C2(g/m)とは、C1>C2を満たす。ここで、C1>0、C2≧0である。
正カールを効果的に打ち消す観点からは、上記非晶性樹脂の含有量C1及びC2が、下記式(1)を満たすことが好ましい。
(1) 0.1≦C1-C2≦10
上面層(B1)及び下面層(B2)中の非晶性樹脂の含有量の調整方法としては種々の方法を選択できる。例えば、上面層(B1)中のある1層(ML)における非晶性樹脂の含有量を増減させることで調整できる。また、上面層(B1)全体の厚みを一定に維持しながらも、そのうちの1層(ML)の坪量だけを増減させることでも調整できる。
各層の厚みや、含有量C1及びC2の大きさにもよるが、差(C1-C2)が大きいほど逆カールが生じやすい。よって、逆カールを大きくする観点からは、差(C1-C2)は0.2以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましい。正カールが大きくない場合は過剰な逆カールを抑える観点から、差(C1-C2)は8以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。
上記含有量(C1)及び(C2)は、上面層(B1)と下面層(B2)との間で、層中の結晶性樹脂と非晶性樹脂の質量比、又は層の厚み等を異ならせることにより、調整することができる。
上面層(B1)又は下面層(B2)は、フィラーをさらに含有することが好ましく、上面層(B1)及び下面層(B2)の両層にフィラーを含有することがより好ましい。フィラーの含有により、高コストである樹脂成分の含有量を減らすことができる。また、フィラーは、不透明度も向上させ、シャークスキンや界面荒れと呼ばれる外観不良が発生することを抑制できる。
<層構成>
上面層(B1)は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。多層構造の場合、各層の材料の成分及び配合比率は同じでも異なっていてもよい。
また、上面層(B1)及び下面層(B2)は、少なくとも一軸方向に延伸された延伸フィルムを含むことが好ましい。延伸により、ばらつきが抑えられた均一な厚みを有し、強度に優れたフィルムが得られやすい。
上面層(B1)及び下面層(B2)において、非晶性樹脂を含む層は、最外層ではなく、最外層よりも基材層側に配置されることが好ましい。非晶性樹脂を含む層は、含まない層に比べて空孔が形成されにくく、インクの吸収量が少ない。このような層は基材層側に配置することにより、最外層のインクの吸収量の低下、ひいては印刷性能の低下を防ぐことができる。なお、印刷しない用途であれば最外層に非晶性樹脂を含む層が配置されても特に問題はない。
図3は、上面層(B1)及び下面層(B2)が多層構造の場合の積層フィルム13を例示する。
積層フィルム13では、上面層B1及び下面層B2がそれぞれ3層構造を有する。上面層B1は、基材層側から順にスキン層B11、コア層B12及びスキン層B13を有する。下面層B2は、基材層側から順にスキン層B21、コア層B22及びスキン層B23を有する。
積層フィルム13において、コア層B12及びB22は結晶性樹脂及び非晶性樹脂を含有する。一方、スキン層B11、B13、B21及びB23は、結晶性樹脂を含有するが、非晶性樹脂を含有しない。コア層B12及びB22中の非晶性樹脂の含有量(質量%)は同じである。また、上面層B1及び下面層B2の全層の厚みは同じだが、コア層B12はコア層B22より厚い。したがって、上面層B1の単位面積あたりの非晶性樹脂の含有量C1が、下面層B2の単位面積あたりの非晶性樹脂の含有量C2よりも大きい。
また、積層フィルム13においては、下面層B2上にもコート層Dが設けられている。このコート層D上に印刷を施すことにより、印刷層2が形成され得る。
<上面層(B1)>
上面層(B1)は、片面へのエンボス加工又は溶融樹脂の積層等に伴って、積層フィルムの加熱処理される表面側に設けられる。正カールを効果的に打ち消す観点からは、上面層(B1)の表面のみが加熱処理されることが好ましい。
<<結晶性樹脂>>
上面層(B1)に使用できる結晶性樹脂としては、例えばオレフィン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、及び(メタ)アクリル酸系樹脂等の一般的な常用の樹脂が挙げられ、なかでもオレフィン系樹脂が好ましい。
オレフィン系樹脂としては、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、及び1-ヘキセン等の炭素数2~8のα-オレフィンの単独重合体;これらα-オレフィンのうちの2~5種の共重合体等が挙げられる。これらのなかでも、プロピレンを原料モノマーとして含むプロピレン系樹脂及びエチレンを原料モノマーとして含むエチレン系樹脂の少なくとも一方を用いることが好ましい。成形性の観点からは、プロピレン系樹脂が好ましく、プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の併用がより好ましい。エチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレンが、成形加工性が良好であるため好ましい。
ポリエステル系重合体としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
ポリアミド系重合体としては、例えばナイロン-6及びナイロン-6,6等が挙げられる。
結晶性樹脂は非晶性樹脂ではない樹脂であり、結晶性樹脂の結晶化度は40~95%であることが好ましい。例えば、結晶性樹脂がプロピレン単独重合体である場合、逆カール発生の観点から、その結晶化度は45~70%であることが好ましく、45~60%であることがより好ましい。樹脂の結晶化度は、DSC(示差走査熱量計)により測定した当該樹脂の融解熱量Hm(J/g)と、当該樹脂が完全結晶体(結晶化度100%)である場合の融解熱量Hp(J/g)とから、下記式(a)より導くことができる。
結晶化度(%)=Hm/Hp×100 ・・・(a)
式(a)中のHpは各樹脂に固有の理論値として求められ、ポリプロピレン単独重合体のHpは209(J/g)であり、高密度ポリエチレンのHpは293(J/g)である。また、Hmは、樹脂の融点を30℃超える温度まで、昇温速度10℃/分及び窒素流量100mL/分の条件下で当該樹脂を加熱し20℃/分で冷却した後、上記と同条件で再加熱した際の融解ピーク面積として測定及び算出される。
上面層(B1)において、非晶性樹脂が結晶性樹脂中に均一に分散していることが好ましい。これにより、熱収縮が積層フィルムに均一に生じやすく、波打ちを抑えやすい。
非晶性樹脂が結晶性樹脂中に均一に配置される構造は、所定の割合で非晶性樹脂と結晶性樹脂の両方を含んだ混合樹脂を押出成形すること、延伸すること等によって得ることができる。樹脂の相構造は、積層体を厚み方向に切断した際の断面を、TEM等の電子顕微鏡により観察することにより確認することができる。
<<非晶性樹脂>>
非晶性樹脂は、実質的に結晶化した部分を有さない樹脂であり、通常は結晶化度が10%以下であり、好ましくは5%以下であり、より好ましくは1%であり、さらに好ましくは0%である。
上面層(B1)に使用できる非晶性樹脂としては、例えば環状オレフィン系樹脂、石油樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、非晶性プロピレン系共重合体樹脂及びポリメチル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これら非晶性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。逆カール発生の観点からは、環状オレフィン系樹脂又は石油樹脂がより好ましく、石油樹脂がさらに好ましい。
環状オレフィン系樹脂としては、例えば下記一般式(1)で表される環状オレフィンから誘導される開環重合体、該重合体の水素化物、及び一般式(1)で表される環状オレフィン系モノマーとエチレンの付加重合体等が挙げられる。
Figure 2022151706000002
〔一般式(1)において、nは0又は正の整数を表す。R~R12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子及び炭化水素基からなる群から選択される原子又は置換基を表す。R~R12は互いに結合して単環又は多環の基を形成していてもよく、かつ、該単環又は多環の基は二重結合を有していてもよい。RとR10とが、又はR11とR12とが、ともに1つのアルキリデン基を形成してもよい。〕
石油樹脂としては、ナフサ等の高温熱分解油中に存在する高級不飽和炭化水素化合物、例えば分解油中から必要な留分を採取した残りの留分のうち主にC5又はC9留分、具体的にはブタジエン、ピペリレン、イソプレン、ジシクロペンタジエン、テルペン、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、及びこれらの混合物等を原料とし、酸性触媒により重合させて得られる不飽和炭化水素樹脂、及び該不飽和炭化水素樹脂を水素化して得られる飽和炭化水素樹脂が挙げられる。石油樹脂のなかでも、スチレン又はメチルスチレンなどのスチレン系成分を主成分として構成されるポリスチレン系樹脂を使用することが好ましい。
ポリスチレン系樹脂としては、例えばポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレングラフト-ポリエチレン共重合体、スチレングラフト-ポリプロピレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン樹脂等が挙げられ、なかでもホモポリスチレンが好ましい。
<<結晶性樹脂と非晶性樹脂の質量比>>
上面層(B1)において、結晶性樹脂と非晶性樹脂の質量比は、下面層(B2)における非晶性樹脂の含有量C2との関係に基づいて適宜設定することができる。十分な逆カールを発生させる観点からは、上面層(B1)における非晶性樹脂の含有量は、結晶性樹脂100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、4質量部以上がさらに好ましい。過剰な逆カールの抑制又はコストの観点からは、同含有量は、結晶性樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましい。
<<フィラー>>
上面層(B1)におけるフィラーとしては、上述した基材層(A)と同様のフィラーを使用することができ、好ましいフィラーの種類も基材層(A)と同じである。
上面層(B1)におけるフィラーの含有量は特に限定されないが、低コスト化又は白色化の観点から、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。同含有量は、強度維持の観点からは、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
<下面層(B2)>
下面層(B2)は、下面層(B2)に使用できる結晶性樹脂、非晶性樹脂及びフィラーとしては、上面層(B1)と同様の結晶性樹脂、非晶性樹脂及びフィラーが挙げられ、各材料の好ましい種類も同じである。下面層(B2)に使用する結晶性樹脂、非晶性樹脂及びフィラーの種類は、上面層(B1)と同じでも異なっていてもよい。
<<結晶性樹脂と非晶性樹脂の質量比>>
下面層(B2)における結晶性樹脂と非晶性樹脂の質量比は、上面層(B1)における非晶性樹脂の含有量C1との関係に基づいて適宜設定することができる。下面層(B2)に非晶性樹脂を配合することでより細やかな逆カールの調整が可能になるという観点からは、下面層(B2)における非晶性樹脂の含有量は、結晶性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。過剰な逆カールの抑制又はコストの観点からは、同含有量は、結晶性樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましい。
(コート層(D))
コート層(D)は、上面層(B1)又は下面層(B2)上に設けられ得る。コート層(D)上には印刷によってインク転写や、溶融樹脂の積層等が行われる。
コート層(D)は、塗工液を、上面層(B1)又は下面層(B2)の表面に塗工し、乾燥することにより、形成され得る。
コート層(D)を形成する塗工液は、密着性を有する樹脂を含む。密着性を有する樹脂としては、エチレンイミン系樹脂、又はエマルジョン系樹脂粒子等が挙げられ、なかでもエチレンイミン系樹脂が好ましい。
<エチレンイミン系樹脂>
コート層(D)は、エチレンイミン系樹脂に由来する成分を含むことが好ましい。エチレンイミン系樹脂は、各種のインクとの親和性が高く、コート層(D)表面のインクとの密着性を高める作用を有すると推測される。また、コート層(D)上に積層された樹脂との密着性を高めると考えられる。
塗工液中のエチレンイミン系樹脂の含有量は、固形分換算で、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい一方、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。同含有量が上記下限値以上であれば、インク密着性が向上しやすく、上記上限値以下であれば積層フィルムのブロッキングを減らしやすい。
<エマルジョン>
コート層(D)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、樹脂粒子のエマルジョン(以下、単にエマルジョンということがある。)由来の成分を含んでいてもよい。
ここで、エマルジョン由来の成分とは、コート層(D)用の塗工液中のエマルジョンの分散媒が揮発した後の残留成分である。例えば、残留成分は、エマルジョン中の樹脂粒子、及び必要に応じて添加されるその他の成分である。これらの成分はコート層(D)を形成する過程で変性した変性体を含んでいてもよい。残留成分中の樹脂粒子は、コート層(D)において粒子状に存在するが、印刷時の過熱によって溶融し、変形することがある。
エマルジョンは、分散媒中に微粒子状の樹脂粒子が乳化又は分散した液体である。本発明において、樹脂粒子とは、分散媒中に分散してエマルジョンを構成する微粒子状の樹脂をいう。取り扱いの容易性の観点からは、水性分散媒中に樹脂粒子が乳化又は分散したO/W系エマルジョンが好ましい。
コート層(D)がエマルジョンに由来する成分を含むことにより、オフセット印刷方式、溶融熱転写印刷方式、又は電子写真印刷方式等の各種印刷方式において良好なインク密着性及び印刷画像の経時安定性を得ることができる。
<<樹脂の種類>>
エマルジョン中の樹脂粒子として使用できる樹脂の種類としては、例えばウレタン系樹脂、オレフィン系共重合体又はスチレン系樹脂等が挙げられる。なかでも、インクとの密着性の観点から、ウレタン系樹脂又はオレフィン系共重合体が好ましく、ウレタン系樹脂がさらに好ましい。オレフィン系共重合体のなかでは、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)が好ましい。
<その他の成分>
コート層(D)は、必要に応じて帯電防止剤等のその他の添加剤を、印刷性を損なわない範囲で含有してもよい。
<<帯電防止剤>>
帯電防止剤は、フィルム表面の帯電による埃の付着、又は印刷時の静電気によるトラブル等を減らすことができる。
帯電防止剤としては、特に限定されるものではなく、カチオン型、アニオン型、両性型、又はノニオン型の帯電防止剤等を用いることができる。また、低分子量型の帯電防止剤であってもよく、高分子量(ポリマー)型の帯電防止剤であってもよい。
カチオン型の帯電防止剤としては、アンモニウム塩構造、又はホスホニウム塩構造等を有する帯電防止剤が例示できる。
アニオン型の帯電防止剤としては、スルホン酸、リン酸、又はカルボン酸等のアルカリ金属塩の構造を有する帯電防止剤が例示できる。これらの酸のアルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩等が例示できる。アニオン型の帯電防止剤は、分子構造中に、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸等のアルカリ金属塩の構造を有していてもよい。
両性型の帯電防止剤としては、同一分子中に、カチオン型の帯電防止剤及びアニオン型の帯電防止剤の両方の構造を含有する帯電防止剤が例示できる。両性型の帯電防止剤は、ベタイン型の帯電防止剤であってもよい。
ノニオン型の帯電防止剤としては、アルキレンオキシド構造を有するエチレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合成分を分子鎖中に有する重合体等が例示できる。
その他の帯電防止剤としては、分子構造中にホウ素を有するポリマー型帯電防止剤が例示できる。
帯電防止剤として、好ましくは窒素含有ポリマー型帯電防止剤が用いられ、より好ましくは第三級窒素又は第四級窒素含有アクリル系樹脂が用いられる。
これらの帯電防止剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
塗工液における帯電防止剤の添加量は、固形分換算で、5質量部以上であることが好ましい一方、80質量部以下であることが好ましい。帯電防止剤の添加量が上記下限以上であれば帯電防止性能を得られやすく、上記上限以下であれば印刷時に十分なインク転移性が得られやすい。
[積層フィルムの特性]
(全体の厚み)
積層フィルム全体の厚みは、10μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。積層フィルム全体が厚いほど、カールへの抵抗力が生じてカールしにくくなる。積層フィルム全体の厚みは、1500μm以下が好ましく、1000μm以下がより好ましく、300μm以下がさらに好ましい。積層フィルム全体が1500μm以下であると、軽量化が可能であり、取り扱い性が向上する傾向がある。
(各層の厚み)
基材層(A)の厚みは、10μm以上であることが好ましく、30μm以上がより好ましい。基材層(A)の厚みが上記下限値以上であれは、基材としての剛度やコシが得られやすい傾向がある。基材層(A)の厚みは、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下がより好ましく、200μm以下がさらに好ましい。基材層(A)の厚みが上記上限値以下であれば、カールの発生源の1つである基材層(A)そのものが薄くなるので、加熱処理後の正カールを抑制しやすい。
積層フィルム全体の厚みに対する基材層(A)の厚みの割合は、90%以下が好ましく、75%以下が好ましく、65%以下がより好ましい。オレフィン系樹脂を含有し、機械的強度が高く、カールの発生要因となり得る基材層の割合が少ないほど、加熱処理後の正カールを抑制しやすい。特に基材層が2軸延伸フィルムである場合、無延伸又は1軸延伸フィルムよりも内部応力が高く、熱収縮率が大きいため、基材層の割合が上記上限値以下であることが好ましい。上記基材層(A)の厚みの割合は、20%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましい。当該割合が20%以上であると、搬送しやすい十分な機械的強度が得られやすい。
上面層(B1)及び下面層(B2)の厚みは、各層の単位面積あたりの非晶性樹脂の含有量C1及びC2の調整のため、適宜決定することができる。製造のしやすさ及び十分な逆カールを発生させる観点から、上面層(B1)及び下面層(B2)の厚みは、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。カールのバランスの調整の観点からは、上面層(B1)及び下面層(B2)の厚みは、500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。
コート層(D)の厚みは、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい一方、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。厚みがこの範囲内であれば、一般的な印刷用紙に似た風合いの積層フィルムを得ることができる。
[積層フィルムの製造方法]
本発明の積層フィルムは、上面層(B1)、基材層(A)及び下面層(B2)をこの順に積層することにより製造することができ、その製造方法は特に限定されない。例えば、本発明の積層フィルムは、上面層(B1)、基材層(A)及び下面層(B2)のフィルムを形成して積層することにより、製造することができる。さらに、上面層(B1)又は下面層(B2)上にコート層(D)形成用の塗工液を塗工することにより、コート層(D)を形成することができる。
(フィルム成形と積層)
フィルムの成形方法としては、例えばスクリュー型押出機に接続された単層又は多層のTダイ、Iダイ等により溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、又はインフレーション成形等を用いることができる。熱可塑性樹脂と有機溶媒又はオイルとの混合物を、キャスト成形又はカレンダー成形した後、溶媒又はオイルを除去することにより、フィルムが成形されてもよい。
フィルムの積層方法としては、共押出法、押出ラミネーション法、又は塗工法等が挙げられ、これらを組み合わせることもできる。共押出法は、別々の押出機において溶融混練された各層の樹脂組成物をフィードブロック又はマルチマニホールド内で積層して押し出し、フィルム成形と積層を並行に行う。押出ラミネーション法は、予め形成されたフィルム上に樹脂組成物を押出成形してフィルムを積層する。塗工法は、樹脂の溶液、エマルジョン又はディスパージョンをフィルム上に塗工して乾燥することにより、フィルムを形成及び積層する。
(延伸)
各層は、積層前に個別に延伸されていてもよいし、積層後にともに延伸されてもよい。また、無延伸層と延伸層とが積層された後に再び延伸されてもよい。
フィルムを延伸する場合の延伸方法としては、例えばロール群の周速差を利用した縦延伸法、テンターオーブンを利用した横延伸法、これらを組み合わせた逐次二軸延伸法、圧延法、テンターオーブンとパンタグラフの組み合わせによる同時二軸延伸法、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸法等が挙げられる。また、スクリュー型押出機に接続された円形ダイを使用して溶融樹脂をチューブ状に押し出し成形した後、これに空気を吹き込む同時二軸延伸(インフレーション成形)法等も使用できる。
延伸を実施するときの延伸温度は、フィルムに使用する熱可塑性樹脂が、非晶性樹脂の場合は当該熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上の範囲であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂が結晶性樹脂の場合の延伸温度は、当該熱可塑性樹脂の非結晶部分のガラス転移点以上であって、かつ当該熱可塑性樹脂の結晶部分の融点以下の範囲内であることが好ましく、具体的には熱可塑性樹脂の融点よりも2~60℃低い温度が好ましい。
延伸速度は、特に限定されるものではないが、安定した延伸成形の観点から、20~350m/分の範囲内であることが好ましい。
また、延伸倍率についても、使用する熱可塑性樹脂の特性等を考慮して適宜決定することができる。例えば、プロピレンの単独重合体又はその共重合体を含む樹脂フィルムを一方向に延伸する場合、その延伸倍率は、下限が通常は1.2倍以上であり、好ましくは2倍以上であり、より好ましくは4倍以上である一方、上限が通常は12倍以下であり、好ましくは10倍以下である。二軸延伸する場合の延伸倍率は、面積延伸倍率で、下限が通常は1.5倍以上であり、好ましくは10倍以上である一方、上限が通常は60倍以下であり、好ましくは50倍以下である。
(表面処理)
上面層(B1)又は下面層(B2)は、コート層(D)との密着性を高める観点から、表面処理が施されて表面が活性化していることが好ましい。
表面処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、又はオゾン処理等が挙げられ、これら処理は組み合わせることができる。なかでも、コロナ放電処理又はフレーム処理が好ましく、コロナ処理がより好ましい。
コロナ放電処理を実施する場合の放電量は、好ましくは600J/m(10W・分/m)以上であり、より好ましくは1,200J/m(20W・分/m)以上である一方、好ましくは12,000J/m(200W・分/m)以下であり、より好ましくは10,800J/m(180W・分/m)以下である。フレーム処理を実施する場合の放電量は、好ましくは8,000J/m以上であり、より好ましくは20,000J/m以上である一方、好ましくは200,000J/m以下であり、より好ましくは100,000J/m以下である。
(コート層(D)の形成)
コート層(D)は、コート層(D)形成用の塗工液を調製し、上面層(B1)又は下面層(B2)上に塗工することにより、形成することができる。
<塗工液の調製>
コート層(D)形成用の塗工液は、上述したエチレンイミン系樹脂の水溶液等に必要に応じて添加剤などを配合することにより、調製できる。
塗工液の固形分濃度は、塗工液全量に対して0.1質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましく、また、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
塗工液の塗工は、例えば、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等の塗工装置を用いて行うことができる。
塗工液の塗工量は、乾燥後の固形分量として0.05g/m以上であることが好ましく、0.10g/m以上であることがより好ましく、0.15g/m以上であることが特に好ましく、また、1.40g/m以下であることが好ましく、0.50g/m以下であることがより好ましく、0.30g/m以下であることがより好ましく、0.24g/m以下であることが特に好ましい。
塗工量が上記下限値以上であることにより、一般的に密着性が乏しいとされるオフセット印刷用紫外線硬化型インクとの密着性が向上しやすい。一方、エマルジョンは粘着性が高くないことから、多すぎる塗工量によるオフセット印刷用インクの密着性の低下を抑えることができる。
コート層(D)の形成は、ロール・トゥ・ロール法によって連続的に行うことが好ましい。これにより、積層フィルムの生産性を向上させることができる。また、ロール・トゥ・ロール法では、コート層(D)の厚みを比較的容易に調整することができるので、印刷適性を維持しながらコート層(D)を薄くするなど、希望する風合いの積層フィルムを容易に製造することができる。
コート層(D)の形成は、コート層(D)以外の各層を形成するためのラインと同じラインで行ってもよいし、別のラインで行ってもよい。
(印刷)
本発明の積層フィルムのコート層(D)の表面に印刷することにより、印刷層が形成され得る。
使用できる印刷方式としては、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、インクジェット記録方式、感熱記録方式、熱転写記録方式、又は電子写真記録方式等の種々の公知の手法が挙げられる。これらのなかでも、耐候性と耐水性が優れた印刷物を得やすいオフセット印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷方式が好ましく、パッケージ用途としてはグラビア印刷が好ましい。さらに印刷インクとしては、油性インク、水性インク又は紫外線硬化型インク等を用いることが可能である。
(積層フィルムへの加熱処理)
本発明の積層フィルムは、上面層(B1)側の表面に加熱処理を伴う加工を行うことができる。具体的には意匠性の付与するエンボス加工や、溶融樹脂を積層する加工が挙げられる。溶融樹脂は部分的に積層される場合と全面的に積層される場合がある。例えば、デコレーション用の文字や絵等を描くように、加熱処理によって溶融した熱可塑性樹脂が部分的に積層される。また、上面層(B1)側の表面の全部又は一部にホットメルト型接着剤が塗工又は溶融押出しされた後、加熱処理されて溶融した接着剤が積層される。この溶融した接着剤を介して被着体に積層フィルムを接着することができる。また、ラベルに設けられたヒートシール樹脂層が上面層(B1)側の表面の全部又は一部に重ねられた後、加熱処理されて溶融したヒートシール樹脂層が積層される。この溶融したヒートシール樹脂層を介して、ラベルを積層フィルムに接着させることができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」、「%」等の記載は、断りのない限り、質量基準の記載を意味する。
[原料]
実施例及び比較例にて使用した原料は以下のとおりである。
(結晶性樹脂)
<PP>プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP MA3、日本ポリプロ社製)
<PE>高密度ポリエチレン樹脂(商品名:ノバテック HD US070G、日本ポリエチレン社製)
(非晶性樹脂)
<APEL>環状オレフィン樹脂(商品名:アペル 6011T、三井化学社製)
<PS>ホモポリスチレン(MFR:7.5g/min(測定条件:200℃、5kgf)、密度:1.05g/cm、ビカット軟化温度:94℃(測定条件:50℃/hr、50N))
(フィラー)
重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン 1800、備北粉化工業社製、平均粒子径:1.25μm)
下記表1は、上記材料の一覧を示す。
Figure 2022151706000003
コート層(D)の材料は、次のようにして調製した。
(エチレンイミン系樹脂)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、および窒素ガス導入管を取り付けた四つ口フラスコ内に、ポリエチレンイミン水溶液(商品名:エポミンP-1000、重合度:1600、(株)日本触媒社製)の100質量部、グリシドール10質量部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル10質量部を添加した。系内を窒素置換後、窒素気流下で80℃の温度で16時間変性反応を行い、固形分20質量%のグリシドール変性ポリエチレンイミン水溶液を得て、これをエチレンイミン系樹脂として用いた。
(帯電防止剤)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、および窒素ガス導入管を取り付けた四つ口フラスコ内に、ジメチルアミノエチルメタクリレート35質量部、エチルメタクリレート20質量部、シクロヘキシルメタクリレート20質量部、ステアリルメタクリレート25質量部、エチルアルコール150質量部、及びアゾビスイソブチロニトリル1質量部を添加した。系内を窒素置換後、窒素気流下で80℃の温度で6時間重合反応を行った。
次いで、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドの60質量%エチルアルコール溶液70質量部を加え、更に80℃の温度で15時間反応させた。水を滴下しながらエチルアルコールを留去し、最終的に固形分30%の第四級アンモニウム塩含有アクリル系樹脂水溶液を得て、これを帯電防止剤として用いた。
(塗工液)
上記エチレンイミン系樹脂を0.5質量%、帯電防止剤を1.2質量%含む水溶液を調製し、塗工液として用いた。なお、上記各成分の濃度は、塗工液全体に対する各成分の固形分濃度を表す。
[積層フィルムの製造]
(実施例1)
67質量部のポリプロピレン樹脂(PP)(ノバテックPP MA3)と、10質量部のポリエチレン樹脂(PE)(ノバテックHD US070G)と、23質量部の重質炭酸カルシウム(ソフトン1800)とからなる樹脂組成物(a)を、230℃に設定した押出機にて溶融混練した。その後、250℃に設定した押出ダイに供給してシート状に共押出しし、これを冷却装置により60℃まで冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを135℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸し、基材層(A)を形成した。
次いで、49.4質量部のポリプロピレン樹脂(PP)(ノバテックPP MA3)と、3.5質量部のポリエチレン樹脂(PE)(ノバテックHD US070G)と、1.8質量部の非晶性樹脂(APEL)(アペル6011T)と、45.3質量部の重質炭酸カルシウム(ソフトン1800)とからなる樹脂組成物(b1)を、230℃に設定した押出機にて溶融混練した。また、50.3質量部のポリプロピレン樹脂(PP)(ノバテックPP MA3)と、3.5質量部のポリエチレン樹脂(PE)(ノバテックHD US070G)と、0.9質量部の非晶性樹脂(APEL)(アペル6011T)と、45.3質量部の重質炭酸カルシウム(ソフトン1800)とからなる樹脂組成物(b2)を、230℃に設定した別の押出機にて溶融混練した。
各押出機により、上記樹脂組成物(b1)及び(b2)をそれぞれ基材層(A)の両面に押し出して、冷却装置により60℃まで冷却した。これにより、樹脂組成物(b1)からなる上面層(B1)と、基材層(A)と、樹脂組成物(b2)からなる下面層(B2)とがこの順に積層された3層シートを得た。この3層シートを、テンターオーブンを用いて約150℃に加熱して横方向に8.5倍延伸した。160℃まで加熱して加熱処理を行った後、60℃まで冷却し、耳部をスリットした。
次に、連続塗工設備を用い、3層シートの上面層(B1)表面に、印加エネルギー密度を4200J/mに設定してコロナ放電処理を施した。次いで、上面層(B1)上に塗工液を塗工し、60℃の熱風送風乾燥設備において乾燥し、コート層(D)を形成した。乾燥後のコート層(D)の固形分は、0.23g/mであった。
次いで、ロール巻取装置により巻き取り、コート層(D)/上面層(B1)/基材層(A)/下面層(B2)の順に積層された3層の積層フィルム(全層厚み:250μm、各層厚み:-/50.5μm/150μm/50μm)、各層の延伸軸数:-/1軸/2軸/1軸)を得た。
(実施例2、3及び比較例1)
上面層(B1)及び下面層(B2)の各材料の含有量及び厚みを表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3及び比較例1の積層フィルムを得た。
(実施例4)
上面層(B1)及び下面層(B2)に用いた非晶性樹脂を、0.9質量部のポリスチレン(PS)(ホモポリスチレン)に変更し、各層の厚みを表2に示すように変更した以外は、実施例3と同様にして実施例4の積層フィルムを得た。
[評価]
各実施例及び比較例の積層フィルムのカール性を次のようにして評価した。
(カール性)
各実施例及び比較例で得られた積層フィルムを35mm×35mmのサイズにカットし、サンプルを作製した。
<加熱処理前>
図4に示すように、作製したサンプル51を平らなガラス板52の上に置き、ガラス板52から浮き上がった四隅の高さd(mm)を定規で測定した。次に、サンプル51を裏返して、同様にガラス板52から浮き上がった四隅の高さdを定規で測定した。両面のうち、高さdがより高かった面の四隅の高さd(mm)の平均値を、加熱処理前のカール性を表す評価値として求めた。
<加熱処理後>
図4に示すように、作製したサンプル51を平らなガラス板52の上に置いた。次いで、サンプル51の上面層(B1)側の全面に、ホットスタンプ機により100℃で1秒間、片面加熱処理を施した。図4中の矢印は、ホットスタンプ機により熱が加えられた方向を示す。その後、加熱処理前と同様にして四隅の高さd(mm)の平均値を、加熱処理後のカール性を表す評価として求めた。
なお、カール性を表す評価値の符号として、正カールの場合は正の符号、逆カールの場合は負の符号を用いた。
表2は、評価結果を示す。
Figure 2022151706000004
比較例1によれば、積層フィルムの両面における非晶性樹脂の含有量C1及びC2が同じであると、加熱処理前はカールが発生しないが、加熱処理後は3mmを超える大きな正カールが発生することが分かる。これに対し、C1>C2を満たす実施例1~4は、加熱処理後のカールが3mm以下であり、正カールを打ち消すことができている。加熱処理前に逆カールが生じているが、逆カールの大きさはいずれも2mm以下と小さく、印刷のための搬送など、積層フィルムの取扱性に影響はなかった。
11~13・・・積層フィルム、A・・・基材層、B1・・・上面層、B2・・・下面層

Claims (8)

  1. 上面層(B1)、基材層(A)及び下面層(B2)がこの順に積層された積層フィルムであって、
    前記基材層(A)が、オレフィン系樹脂とフィラーとを含有し、
    前記上面層(B1)が、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含有し、
    前記下面層(B2)が、少なくとも結晶性樹脂を含有し、さらに非晶性樹脂を含有するか、又は前記非晶性樹脂を含有せず、
    前記上面層(B1)における単位面積あたりの前記非晶性樹脂の含有量C1(g/m)が、前記下面層(B2)における単位面積あたりの前記非晶性樹脂の含有量C2(g/m)よりも大きい
    積層フィルム。
  2. 前記非晶性樹脂が、環状オレフィン系樹脂又は石油樹脂である
    請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記非晶性樹脂の含有量C1及びC2が、下記式(1)を満たす
    (1) 0.1≦C1-C2≦10
    請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記結晶性樹脂が、プロピレン系樹脂である
    請求項1~3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  5. 前記オレフィン系樹脂が、プロピレン系樹脂である
    請求項1~4のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  6. 前記上面層(B1)又は前記下面層(B2)が、さらにフィラーを含有する
    請求項1~5のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  7. 前記上面層(B1)上にコート層(D)を備え、
    前記コート層(D)が、エチレンイミン系樹脂を含有する
    請求項6に記載の積層フィルム。
  8. 前記積層フィルムの前記上面層(B1)側の表面が加熱処理される面である
    請求項1~7のいずれか一項に記載の積層フィルム。

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