JP2022151120A - 流量制御弁 - Google Patents

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【課題】第1電磁弁の第1ムービングコアに永久磁石を用いることで、大流量と小流量との切り替えを行うのに適した電磁弁とする。【解決手段】第1電磁弁を、通電により励磁する第1コイルと、この第1コイル通電時に磁気回路を形成する磁気回路構成部材と、この磁気回路構成部材に互いに対向して配置される第1当接部及び第2当接部と、第1当接部及び第2当接部の間に第1当接部及び第2当接部のいずれかと当接可能となるよう移動可能に配置され移動を第1弁体に伝達する永久磁石製の第1ムービングコアとを備えるように構成している。そして、この第1ムービングコアの移動を第1弁体に伝達するよう構成している。そのため、本開示の第1によれば、大流量と小流量との切り替えに第1ムービングコアの磁力を利用することが可能となる。【選択図】図2

Description

本開示は、流体の流量を制御する流量制御弁に関し、例えば、キャニスタとスロットルバルブ下流の吸気通路とを連通するパージ通路に配置され、このパージ通路を流れる空気の流量を制御するパージバルブに用いて好適である。
車両のハイブリッド化に伴い、キャニスタに吸着された蒸発燃料をより短い時間でエンジンの吸気通路に流入させる(パージする)ことが求められている。一方、ハイブリッド化に伴い、パージする際のエンジンの吸気負圧は減少(大気圧に近づく)している。
そこで、特許文献1では、パージ通路を大きく開くオン位置とパージ通路を小さく絞るオフ位置との間で切り替えを行う第1電磁弁と、弁座と弁体とが当接離脱するコイルの非通電時と通電時とのデューティ比制御を行う第2電磁弁とを組み合わせて用いることを提案している。パージ空気の流量の大小を第1電磁弁で切り替え、大流量時、小流量時共にパージ空気の流量を第2電磁弁で制御するというものである。
ただ、特許文献1では、第1電磁弁と第2電磁弁とを体格等は異なるものの同様の構成からなる電磁弁としていた。換言すれば、大流量と小流量との切り替えを行う第1電磁弁と流量のデューティ比制御を行う第2電磁弁とで、電磁弁の構成を異ならすように設計することは無かった。
特開2021-38738号公報
本開示は、上記点に鑑みてなされたもので、第1電磁弁の第1ムービングコアに永久磁石を用いることで、大流量と小流量との切り替えを行うのに適した電磁弁とすることを課題とする。
本開示の第1は、流体を流入する流入通路と、流体を流出する流出通路と、この流出通路と流入通路との間に形成される通路室と、この通路室の流入通路側に形成され通路室に流入する流体の流量を切り替える第1弁座と、通路室の流出通路側に形成され通路室より流出する流体の流量を制御する第2弁座とを備えるハウジングを用いている。また、第1弁座と協働して流体の流量を切り替える第1弁体と、第2弁座より通路室側に配置され、第2弁座と当接離脱して流体の流量を制御する第2弁体とも用いている。
かつ、本開示の第1は、第1電磁弁を、通電により励磁する第1コイルと、この第1コイル通電時に磁気回路を形成する磁気回路構成部材と、この磁気回路構成部材に互いに対向して配置される第1当接部及び第2当接部と、第1当接部及び第2当接部の間に第1当接部及び第2当接部のいずれかと当接可能となるよう移動可能に配置され移動を第1弁体に伝達する永久磁石製の第1ムービングコアとを備え、第1コイルの通電により第1ムービングコアが第1当接部に当接する第1位置と第1ムービングコアが第2当接部に当接する第2位置との切り替えを行うように構成している。
そして、本開示の第1は、第2電磁弁を、通電により励磁する第2コイルと、この第2コイル通電時に磁気回路を形成する第2ステータコアと、この第2ステータコアと磁気ギャップを介して対向配置され第2コイルの励磁により移動するとともに移動に伴う変位を第2弁体に伝達する第2ムービングコアとを備え、第2コイルの通電時と第2コイルの非通電時のデューティ比制御を行うように構成している。
本開示の第1では、第1ムービングコアを永久磁石製として、第1当接部及び第2当接部の間に第1当接部及び第2当接部のいずれかと当接可能となるよう移動可能に配置している。そして、この第1ムービングコアの移動を第1弁体に伝達するよう構成している。そのため、本開示の第1によれば、大流量と小流量との切り替えに第1ムービングコアの磁力を利用することが可能となる。
本開示の第2は、第1当接部及び第2当接部はいずれも磁性材製としている。そして、第1位置は、第1当接部の極性が第1ムービングコアの極性と引き合うよう正電圧及び負電圧のいずれか一方を第1コイルに印加し、第2位置は、第2当接部の極性が第1ムービングコアの極性と引き合うよう正電圧及び負電圧のいずれか他方を第1コイルに印加するように構成している。
本開示の第2によれば、第1位置及び第2位置はいずれも第1ムービングコアの永久磁石の磁力で維持することが可能である。第1コイルは、第1位置と第2位置との切り替えを行うときのみに電圧を印加すればよい。
本開示の第3は、第1当接部は磁性材製で、第2当接部は非磁性材製としている。そして、第1位置は、第1コイルに電圧の非印加の状態で、第2位置は、第1当接部の極性が第1ムービングコアの極性と反発するよう正電圧及び負電圧のいずれかを第1コイルに印加するように構成している。
本開示の第3によれば、第1ムービングコアの永久磁石の磁力で第1位置を維持することが可能である。第2位置には第1コイルの励磁力を用いるが、その場合であっても第1ムービングコアの永久磁石の磁力を活用することができる。
本開示の第4は、第2弁体には通路室と第2電磁弁とを連通する連通穴を設けると共に、ハウジングの通路室に配置され、通路室を第2電磁弁との間を仕切るダイヤフラムを備えている。
連通穴とダイヤフラムにより、道路室と第2電磁弁との間を連通状態とする結果、圧力がキャンセルされる。そのため、第2弁体を応答性良く第2弁座から離脱させることができる。かつ、第2弁体を第2弁座から離脱させるのに要する第2コイルの磁力も小さくすることができる。
本開示の第5は、第1電磁弁の第1ムービングコアの変位を第1弁体及び第2弁体に伝達するロットを更に備えている。そして、第1電磁弁が第1位置にある状態では、第1弁座と第1弁体とは流体の流量を小流量とすると共に、第2コイルの非励磁時の第2弁座と第2弁体との距離を小さくし、第1電磁弁が第2位置にある状態では、第1弁座と第1弁体とは流体の流量を大流量とする共に、第2コイルの非励磁時の第2弁座と第2弁座との距離を大きくするように切り替えるように構成している。
本開示の第5は、ロットにより、第1ムービングコアの変位を第1弁体のみならず、第2弁体にも伝達することが可能である。これにより、第1電磁弁が第1位置にある状態では、第1弁座と第1弁体とは流体の流量を小流量とするができ、かつ、第2コイルの非励磁時の第2弁座と第2弁体との距離を小さくして小流量の流量制御をよりきめ細やかに行うことができる。一方、第1電磁弁が第2位置にある状態では、第1弁座と第1弁体とは流体の流量を大流量とすることができ、かつ、第2コイルの非励磁時の第2弁座と第2弁体との距離を大きくして大流量の流量制御を行うことができる。
本開示の第6は、ハウジングの流入通路、流出通路、通路室、第1弁座、及び第2弁座と、第1弁体、第2弁体、第1電磁弁、及び第2電磁弁とを同軸上に配置している。本開示の第6では、流量制御弁を全体としてコンパクトに配置することができる。
本開示の第7は、第1電磁弁が第1位置にある状態では、第1弁座と第1弁体とは流体の流量を小流量とし、第1電磁弁が第2位置にある状態では、第1弁座と第1弁体とは流体の流量を大流量とするように切り替えている。かつ、第1電磁弁が第1位置にある状態では、第2電磁弁はデューティ比が0%と100%との間でデューティ比御を行い、第1電磁弁が第2位置にある状態では、第2電磁弁はデューティ比が所定値X%と100%との間でデューティ比制御を行うように制御している。
そして、本開示の第7は、第1電磁弁が第1位置にある状態での100%のデューティ比制御で流れる流体の流量が、第1電磁弁が第2位置にある状態でのデューティ比が所定値X%のデューティ比制御で流れる流体の流量と略同じであるように構成している。
これにより、本開示の第7では、流体が流れない状態から最大流量迄、連続的に制御することができる。かつ、小流量時での第2電磁弁による流量の制御を、大流量時に比べてよりきめ細やかに行うことができる。
本開示の第8は、第1ムービングコアの第1当接部に当接する部位、及び第2当接部に当接する部位にはそれぞれ弾性材料製の緩衝部材が配置されている。第1ムービングコアが第1位置と第2位置とを切り替える際の衝撃を緩和することができる。
本開示の流量制御弁が用いられるパージシステムを示す構成図である。 本開示の第1実施形態の流量制御弁の第1電磁弁が第1位置で第2電磁弁が非励磁状態を示す断面図である。 図2図示流量制御弁の第1電磁弁が第1位置で第2電磁弁が励磁状態を示す断面図である。 図2図示流量制御弁の第1電磁弁が第2位置で第2電磁弁が励磁状態を示す断面図である。 図2図示流量制御弁の第1電磁弁及び第2電磁弁への通電を説明する図である。 図2図示流量制御弁の第1電磁弁及び第2電磁弁への他の通電を説明する図である。 本開示の第1実施形態での小流量時及び大流量時の第2電磁弁のデューティ比と流量との関係を示す図である。 本開示の第1実施形態での小流量時から大流量時に亘る第2電磁弁のデューティ比と流量との関係を示す図である。 本開示の第1実施形態での小流量時から大流量時に亘る制御を示すフローチャートである。 本開示の第2実施形態での第1電磁弁及び第2電磁弁への通電を説明する図である。 本開示の第2実施形態での第1電磁弁及び第2電磁弁への他の通電を説明する図である。 本開示の第2実施形態での小流量時から大流量時に亘る制御を示すフローチャートである。 本開示の第2実施形態の流量制御弁の第1電磁弁が第1位置で第2電磁弁が非励磁状態を示す断面図である。 図13図示流量制御弁の第1電磁弁が第2位置で第2電磁弁が励磁状態を示す断面図である。 本開示の第3実施形態の流量制御弁の第1電磁弁が第1位置で第2電磁弁が非励磁状態を示す断面図である。 図15図示流量制御弁の第1電磁弁が第2位置で第2電磁弁が励磁状態を示す断面図である。
図1は、本開示の流量制御弁がパージバルブ100として用いられる場合の使用態様を示す。燃料タンク10で揮発したガソリンを含むパージ空気はキャニスタ入口側パージ空気通路11を介してキャニスタ13に流入し、キャニスタ13に配置された活性炭にてガソリンを吸着する。キャニスタ13からのガソリンを含むパージ空気はパージバルブ入口側パージ空気通路14aを介してパージバルブ100に流入し、次いで、パージバルブ出口側パージ空気通路14bよりエンジン20の吸気管21に供給される。このエンジン20に供給されるパージ空気の流量を制御するのがパージバルブ100である。なお、15はORVRバルブで、燃料蒸発ガスが給油口より大気中へ放出されるのを防止し、車両が横転した時には燃料タンクから燃料がタンク外に流出するのを防止する弁である。
パージバルブ出口側パージ空気通路14bは吸気管21のうちスロットルバルブ25の下流に開口しており、スロットルバルブ25で絞られた吸入空気の負圧により、キャニスタ13からのガソリンを含むパージ空気が吸引される。キャニスタ13には必要に応じ大気に開放する大気開放弁12が設けられている。24は、エンジン20に吸入される空気中の異物を取り除くエアフィルタである。22は、エンジン20のインテークマニホールドで、計量された燃料がエンジンに噴射される。
パージバルブ100のオンオフ制御及び流量制御は、制御装置50によりコントロールされる。即ち、キャニスタ13に吸着されたガソリンは燃料タンク10からのガソリンと共にエンジン20に吸入されるため、制御装置50は、最適なエンジン燃焼状態を算出してパージバルブ100の流量を制御する。また、制御装置50は、パージバルブ100の制御により発生する異音が乗員に伝わりにくい状態を車両ECU60から受けてパージバルブ100のオンオフを制御する。例えば、高速走行時は異音が乗員に伝わりにくいので、車両ECUは車速センサ61からの信号で車両の走行状況を把握する。なお、ガソリンにはディーゼルエンジンに用いられる軽油が含まれる。
パージバルブ100の構成を、以下に各実施形態に関して説明する。
(第1実施形態)
第1電磁弁130は、ポリブチレンテレフタレートPBT、ポリフェニレンサアルファイドPPSや66ナイロン等の樹脂製の第1ボビン131に多数回巻装された第1コイル132を備えている。図示しないコネクタより駆動電圧を受けて第1コイル132に通電された際には第1コイル132は励磁する。その際の磁気回路を形成するように第1コイル132の外側には鉄製の第1ヨーク133が配置されている。
第1コイル132の内周側には同じく鉄製の第1ステータコア1340が配置されている。第1コイル132の内周側には、また、同じく鉄製のプレート1345も配置されている。第1ステータコア1340とプレート1345とは、第1ステータコア1340に形成された第1当接部1341とプレート1345に形成された第2当接部1346とが所定の距離を挟んで対向するように配置されている。本開示では、第1ヨーク133、第1ステータコア1340及びプレート1345が磁気回路構成部材1349に該当する。
第1当接部1341と第2当接部1346との間には、第1ムービングコア1350が配置されている。第1ムービングコア1350は円筒形状をしており、その軸方向の高さは、上記第1当接部1341と第2当接部1346との所定距離より1ミリメートル程度短くなっている。従って、第1ムービングコア1350は、第1当接部1341側及び第2当接部1346側に1ミリメートル程度移動可能である。
また、第1ムービングコア1350は永久磁石製であり、第1当接部1341と対向する第1面1351がN極に着磁され、第2当接部1346と対向する第2面1352がS極に着磁されている。尤も、第1面1351と第2面1352とは、S極かN極のいずれかであればよく、着磁方向は逆でもよい。
第1ムービングコア1350の第1面1351は、第1被覆部1721により被覆されており、この第1被覆部1721に弾性材料製の第1緩衝部材1353が接着されている。同様に、第1ムービングコア1350の第2面1352も、第2被覆部1722により被覆されており、この第2被覆部1722に弾性材料製の第2緩衝部材1354が接着されている。第2緩衝部材1354は、後述する第1ロット1720が貫通できるようリング形状をしている。第1緩衝部材1353及び第2緩衝部材1354は、耐ガソリン性を考えてフッ素ゴムが使用されている。
第2電磁弁150も、樹脂製の第2ボビン151に多数回巻装された第2コイル152を備えている。第2コイル152も、図示しないコネクタより駆動電圧を受けて通電された際には励磁する。その際の磁気回路を形成するように第2コイル152の外側にも鉄製の第2ヨーク153が配置されている。
第2ステータコア154は円筒形状をしており、内部には鉄製でコップ形状をした第2ムービングコア155が移動可能に配置されている。第2ステータコア154には磁気回路を絞る絞り部154aが形成されているので、第2ステータコア154と第2ムービングコア155との間に磁気ギャップ154bが形成され、第2コイル152の励磁時にはこの磁気ギャップ154bを縮めるべく、第2ムービングコア155は図中下方に吸引される。そして、第2バネ156は第2ムービングコア155を吸引方向と反する方向に付勢している。第2バネ156は第2ムービングコア155とバネ受け部材157との間に配置される。
第1電磁弁130及び第2電磁弁150は電磁弁ハウジング1100に一体モールド成形されている。電磁弁ハウジング1100は、また、ハウジング110とも一体に成形されている。上記のバネ受け部材157も電磁弁ハウジング1100に形成されている。また、電磁弁ハウジング1100の中心部には、後述する第2ロット1725を摺動自在に支持する支持穴1101が設けられている。
ハウジング110は樹脂製で、その内部には、通路室160が形成されている。また、ハウジング110の下端は底板111より閉じられ、底板111には、パージバルブ入口側パージ空気通路14aをなすホースが連結される流入通路161が形成されている。ハウジング110の上端は蓋板112より閉じられ、蓋板112には、パージバルブ出口側パージ空気通路14bをなすホースが連結される流出通路164が形成されている。
上方の蓋板112、下方の底板111含めて、ハウジング110は直径60ミリメートル程度、長さ100ミリメートル程度の円筒形状である。流入通路161は電磁弁ハウジング1100の周辺部の空間118を介して、流出通路164に連通している。従って、電磁弁ハウジング1100の周辺部の空間118は、通路室160の一部を構成している。上述の通り、ハウジング110と電磁弁ハウジング1100とは一体成形され、図示しないフランジ部により連結されている。
通路室160には径が狭まるように括れた円筒状をしたオリフィス絞り部162が突出形成されている。そして、オリフィス絞り部162の図2の下端には、第2弁座163がリング状に形成されている。オリフィス絞り部162は流出通路164と連通し、流入通路161から通路室160に流入したパージ空気は、第2弁座163から、オリフィス絞り部162を経て、流出通路164に流れる。流出通路164には、パージバルブ出口側パージ空気通路14bをなすホースが連結され、パージ空気は流出通路164からホースを経て吸気管21のスロットルバルブ25下流に吸引される。
流出通路164、オリフィス絞り部162、及び第2弁座163は蓋板112と一体に樹脂成形されている。そして、円筒形状のハウジング110の上方開口端は、蓋板112と溶着して閉じられている。
ハウジング110と底板111との間には、第1弁座113を形成する弁座プレート114が配置されている。ハウジング110の下方開口端は、底板111との間で弁座プレート114を挟持して溶着している。
弁座プレート114には、弁座プレート連通穴115が開口している。そして、弁座プレート114の下方面であって、弁座プレート連通穴115の周囲には第1弁座113が形成されている。弁座プレート114の下方には、第1弁座113と着座可能な第1弁体170が配置されている。
第1弁体170は、樹脂材料製で、円盤状をしている。第1弁体170は、内部にパージ空気を通す弁体通路部171を備える円盤形状をしている。弁体通路部171は複数形成されているが、複数の弁体通路部171の合計断面積は、直径2ミリメートル程度の穴相当である。第1弁体170の外周のうち図2の上方側は、第1弁座113に対して着座可能なシール部174を形成している。
第1弁体170と底板111との間には保持バネ175が配置されている。保持バネ175は一端が第1弁体170に当接し、他端が底板111に当接して、第1弁体170のシール部174を第1弁座113側に押圧している。
第1弁体170は、第1電磁弁130の第1ムービングコア1350と第1ロット1720を介して連結している。この第1ロット1720と、第1ムービングコア1350の第1面1351を覆う第1被覆部1721及び第2面1352を覆う第2被覆部1722とは一体形成されている。また、第1ロット1720は第1弁体170とも一体に形成されている。なお、第1ロット1720の径は1~1.5ミリメートル程度である。
通路室160のうち、第2弁座163と対向する部位には、第2弁体1800が配置されている。第2弁体1800は、ダイヤフラム181を保持する円盤部1801と、この円盤部1801を第2電磁弁150の第2ムービングコア155に連結する連結部1802を備えている。また、第2弁体1800は、第2弁座163とのシール性を得るため、ゴム材料等の弾性部材1803を円盤部1801に備えている。弾性部材1803も、耐ガソリン性を考えてフッ素ゴムが使用されている。連結部1802には連通穴185が形成され、オリフィス絞り部162側と第2電磁弁150側とを連通している。また、連結部1802と円盤部1801との間にもオリフィス絞り部162と第2電磁弁150側とを連通する連通空間1807が形成されている。
上述のダイヤフラム181は可撓性を有するゴム材料製で、フロロシリコンゴムが用いられている。ダイヤフラム181の内周182は、上述の通り、円盤部1801と接合されている。より具体的には、円盤部1801とスナップワッシャ1806とにより挟持され、スナップワッシャ1806によって保持されている。ダイヤフラム181の外周183は蓋板112と電磁弁ハウジング1100とに挟持され、圧縮されている。そして、ダイヤフラム181は第2弁体1800の移動に応じて変形する。また、第2電磁弁150とハウジング110の通路室160との間は、第2弁体1800が第2弁座163に着座した状態で、ダイヤフラム181で塞がれる。
第1電磁弁130の第1ムービングコア1350の移動は、第2ロット1725を介して、第2弁体1800にも伝達される。より具体的には、第2ロット1725の下端1727が第1ロット1720と当接しており、第2ロット1725は第1ロット1720と共に移動する。第2ロット1725の上端1726は、第2弁体1800の連結部1802と対向配置されている。第2ロット1725の上端1726と連結部1802とは、単に対向配置されているのみで、結合はしていない。ただ、第2弁体1800の連結部1802は、第2ロット1725の上端1726により、下方に向かう移動は規制され、上方への移動は第2弁座163で制限される。なお、上記の通り、第2ロット1725は電磁弁ハウジング1100の支持穴1101により支持されている。
次に、上記構成のパージバルブ100の作動を説明する。第1電磁弁130の磁気回路構成部材1349をなし、第1当接部1341を有する第1ステータコア1340と、同じく、第1電磁弁130の磁気回路構成部材1349をなし、第2当接部1346を有するプレート1345とは、共に鉄材料製である。そして、第1コイル132に通電されていない状態では、共に着磁していない。また、第1電磁弁130の第1ムービングコア1350は永久磁石製である。そのため、第1コイル132に通電されていない状態では、第1ムービングコア1350は、第1ステータコア1340の第1当接部1341、若しくは、プレート1345の第2当接部1346のいずれかに、自身の磁力で吸着している。
一方、第1コイル132に通電すれば、磁気回路構成部材1349は第1コイル132の励磁力を受けて電磁石として機能する。この場合、電磁石のN極とS極は、第1コイル132への通電方向を反転させることで交替する。例えば、第1コイル132の一方の端子に正電圧を印加した場合に、第1ステータコア1340の第1当接部1341がN極に着磁されるとすれば、第1コイル132の他方の端子に正電圧を印加すれば、第1ステータコア1340の第1当接部1341はS極に着磁されることとなる。
ここで、永久磁石製である第1ムービングコア1350は、第1当接部1341と対向する第1面1351がN極に着磁され、第2当接部1346と対向する第2面1352がS極に着磁されているとする。この場合には、第1ステータコア1340の第1当接部1341がS極に着磁されるように、第1コイル132の他方の端子に正電圧を印加すれば、第1ムービングコア1350が第1当接部1341と当接する第1位置となる。この際の第1ムービングコア1350の第1面1351と第1当接部1341との衝突は、第1被覆部1721及び第1緩衝部材1353によって緩和される。
また、上記の極性の場合に、第1コイル132の一方の端子に正電圧を印加すれば、第1ムービングコア1350が第2当接部1346と当接する第2位置となる。この際の第1ムービングコア1350の第2面1352と第2当接部1346との衝突も、第2被覆部1722と第2緩衝部材1354によって緩和される。
第1ムービングコア1350が第1当接部1341と当接する第1位置では、図2に示すように、第1弁体170のシール部174が第1弁座113に着座している。そのため、流入通路161から通路室160に向かう流れは、第1弁体170の弁体通路部171のみとなる。その結果、流入通路161からハウジング110内に流入するパージ空気は、制限される。その結果、パージバルブ100を介して流れる沿う流量は少量となる。本開示では、毎分50~60リットル程度の流量としている。
この小流量で、更にパージバルブ100を流れるパージ空気の流量が、第2弁体1800により制御される。第2電磁弁150の第2コイル152が励磁すると第2ステータコア154と第2ムービングコア155との間の磁気ギャップ154bに磁気吸引力が発生し、この磁気吸引力の方が第2バネ156の付勢力を上回るので、第2ムービングコア155は第2ステータコア154側に移動する。その結果、第2弁体1800が第2弁座163から離脱し、通路室160内のパージ空気はオリフィス絞り部162より流出通路164に流れる。図3の状態は第2コイル152が励磁して、第2弁体1800が第2弁座163を開いた状態である。
図3の状態から、第2コイル152への通電を停止すると、第2バネ156により第2ムービングコア155が図中上方へ変位し、第2弁体1800が第2弁座163に当接する。その結果、図2の状態に戻り、通路室160から流出通路164に向かうパージ空気の流れが遮断される。
第2電磁弁150は、第2弁座163を開く全開状態と第2弁座163を閉じる全閉状態との間でデューティ比制御を行う。デューティ比が100%の状態が小流量時の最大流量となり、デューティ比が0%では、パージ空気の流れは遮断される。デューティ比制御を行う時間は10ヘルツ(0.1秒)程度で、この時間内で全開状態と全閉状態との比率を可変する。
なお、第1ムービングコア1350が第1当接部1341と当接する第1位置は、第2ロット1725にも伝わり、第2ロット1725の上端1726は図の上方に変移している。図3の第2コイル152励磁状態と図2の非励磁状態との間での第2弁体1800のストロークは小さくなっている。そのため、デューティ比が100%の状態であっても、第2弁座163から流れる流量は小流量となる。換言すれば、第1弁体170でパージ空気の流量を小流量としているので、その小流量の制御に対応したストロークとしている。
この小流量時の第1電磁弁130と第2電磁弁150への制御信号を図5に示す。図5の縦軸は第1電磁弁130及び第2電磁弁に印加する電圧Vを示し、横軸は経過時間Tを示している。第1電磁弁130へは第1コイル132の他方の端子に12ボルトの正電圧を印加して、第1ムービングコア1350が第1当接部1341と当接する第1位置とする。図5は第1コイル132の一方の端子の電圧を示すので、一方の端子は相対的に-12ボルトの負電圧が印加されたこととなる。
第1電磁弁130へは、初期に一度のみ負電圧を印加する。上述の通り、第1コイル132の一方の端子に、12ボルトの負電圧を印加する。この状態では、第1ステータコア1340の第1当接部1341と第1ムービングコア1350の第1面1351とが吸引し、プレート1345の第2当接部1346と第1ムービングコア1350の第2面1352とは反発する。
これにより、第1ムービングコア1350が第1当接部1341と当接する第1位置とする。第1電磁弁130の一方の端子へ初期に一度のみ負電圧を印加すれば、第1ムービングコア1350は移動し、その後の状態は第1ムービングコア1350自身の磁力で維持できる。
一方、第2電磁弁150には、0.1秒程度の時間内で0%から100%までデューティ比制御を行う。本開示では、第2弁体1800の連結部1802に連通穴185や連通空間1807を設けているので、図2のように第2弁体1800が第2弁座163に着座した状態で、流出通路164内の圧力と第2電磁弁150の圧力とは均衡している。そのため、より少ない磁力で第2弁体1800を第2電磁弁150側に吸引することができる。かつ、第2弁体1800の移動時も連通穴185や連通空間1807により、流出通路164と第2電磁弁150とは連通している。その結果、第2弁体1800の応答性を高めることもでき、第2電磁弁150のデューティ比制御をより直線的な制御とすることができる。
以上が、小流量時のパージバルブ100の流量制御であるが、大流量時は第1ムービングコア1350をプレート1345の第2当接部1346と当接する第2位置とする。その結果、図4のように下方に第1ムービングコア1350が1ミリメートル程度移動する。その第1ムービングコア1350の移動は、第1ロット1720を介して第1弁体170に伝わり、第1弁体170は第1弁座113から離脱する。その結果、パージ空気は、第1弁体170の弁体通路部171のみでなく、第1弁体170の外周も通って通路室160に流れることとなる。この第1弁体170の移動により、大流量のパージ空気を流すことができる。本開示では、大流量時毎分300リットル程度のパージ空気が流れる。
この大流量を流す状態でも、パージ空気の流量は第2電磁弁150により制御される。デューティ比制御を行うのは、小流量時の制御と同様である。即ち、第2電磁弁150は第2弁座163を開く全開状態と第2弁座163を閉じる全閉状態との間でデューティ比制御を行い、デューティ比が100%の状態が小流量時の最大流量となり、デューティ比が0%では、パージ空気の流れは遮断される。
図4は、第2電磁弁150が第2弁座163を開く全開状態を示している。第1ムービングコア1350の移動は第2ロット1725にも伝達され、第2ロット1725の上端1726も下方に移動する。第2コイル152の励磁時の第2弁体1800の移動は、連結部1802が第2ロット1725の上端1726と当接することで規制される。そのため、図4に示すように、第2ロット1725が下方に移動すれば、第2弁体1800のストロークも大きくなる。これにより、第2弁体1800は大流量時に対応した流量制御を行うことができる。
この大流量時の第1電磁弁130と第2電磁弁150への制御信号を図6に示す。図6の縦軸、横軸は図5と同じである。第1電磁弁130へは第1コイル132の一方の端子に12ボルトの正電圧を印加して、第1ムービングコア1350が第2当接部1346と当接する第2位置とする。負電圧、正電圧の相違はあるが、第1電磁弁130へ初期に一度のみ電圧を印加するのは、上記の小流量時と同様である。また、第2電磁弁150には、0.1秒程度の時間内で0%から100%までデューティ比制御を行うことも小流量時の制御と同じである。
ただ、同じく第2電磁弁150のデューティ比制御を行っても、第1弁体170と第1弁座113との協働による流量制御と、第2弁体1800のストロークの違いとにより、流れる流量は異なる。図7に実線aで示すように、小流量時では、デューティ比を100%としても、毎分50~60リットル程度の小流量である。一方、破線bで示すように、大流量時にデューティ比を100%とすれば、毎分300リットル程度の大流量を流すことができる。
ここで、単純に流量を増すのみであれば、第2弁座163と第2弁体1800との間を通過可能なパージ空気の流量を増やすことで解決できる。しかしながら、単純に第2弁座163と第2弁体1800との間を通過可能なパージ空気の流量Qを増やしたのでは、小流量域での制御特性が悪化することになる。デューティ比制御を行う場合、小流量域でDのデューティ比変化が生じた際、図7ではその変動がQ1で済むのに対し、図8では変動はQ2となって、流量増加に比例して圧力変動も大きくなる。特にエンジン20のアイドリング時で吸気管21の負圧が大きい時には、小流量域で大きな圧力変動が生じると、気流音や脈動音の原因となって、乗員に不快感を与えることとなる。
それに対し、本開示は小流量開弁状態と大流量開弁状態とで通過可能な流量Qを異ならせているので、デューティ比制御を行う場合も、小流量開弁状態での制御(図7の実線a)と大流量開弁状態での制御(図7の破線b)とを異なる制御とすることができる。小流量域での制御には小流量開弁状態を用いるので、Dのデューティ比変化に対応する流量変化はQ1で済み、その圧力変動は相対的に小さく、大きな気流音や脈動音が発生することが抑制できる。
また、本開示では、第1位置から第2位置への切り替わりに際して、パージ空気の流量が連続して増加するようにしている。図8に線cで示すように、第1位置ではデューティ比0%(閉弁状態)とデューティ比100%(小流量開弁状態)との間でデューティ比制御を行い、最大流量のデューティ比100%(小流量開弁状態)で、最大流量Aを流すことができる。流量A以上のパージ空気を流す場合には、第2位置に切り替わり線dで示すデューティ比制御となる。
ここで、第2位置でデューティ比制御してもデューティ比0%(閉弁状態)とデューティ比100%(小流量開弁状態)との間でデューティ比制御を行ったのでは、デューティ比0%(閉弁状態)となればパージ空気は流れなくなる。即ち、第1位置から第2位置への切り替わりに応じて、流量Qが流量Aから流量無し(0)に変化してしまうこととなる。
そこで、本開示では、第2位置でのデューティ比制御は、デューティ比0%(閉弁状態)とデューティ比100%(小流量開弁状態)との間で行うのではなく、デューティ比X%(流量Aの状態)とデューティ比100%(小大流量開弁状態)との間で行うようにしている。即ち、第2位置にある場合には、デューティ比が0%からX%(図8で破線eで示す領域)での制御は使用しない。ここで、第2位置におけるデューティ比X%でのパージ空気の流量Qは、第1位置のデューティ比100%(小流量開弁状態)での流量Aと略同一であるように設定するので、第1位置から第2位置への切り替え時に過渡領域TRのように推移し、パージ空気の流量Qが不連続に変化することは無い。本開示では、デューティ比X%を30%程度にしている。
本開示の流量制御をフローチャートで示せば、図9のようになる。本フローチャートは、蒸発燃料をエンジン20へ向けて流下させる場合に開始する。パージバルブ100は、第2電磁弁150のデューティ比を0%から徐々に増加していくデューティ通電によって制御される。
本フローチャートが開始されると、制御装置50は、ステップS100で蒸発燃料の濃度学習を行う状態か否かの学習判定STDを行う。ステップS100で濃度学習を行う状態であると判定すると、制御装置50は、ステップS120で第1電磁弁130の第1コイル132の一方の端子に負電圧を1回印加する。この負電圧の印加により、第1ムービングコア1350が第1当接部1341と当接する第1位置とする。ステップS120で第1位置にすると、再びステップS100に戻り、ステップS100の判定処理を実行する。
ステップS100で濃度学習を行う状態でないと判定すると、制御装置50は、ステップS110で異音発生条件が成立するか否かの異音NVH判定を行う。異音発生条件は、蒸発燃料が流れる通路における圧力変動やORVRバルブ15のばたつき音の発生に伴って異音NVH(Noise Vibration Harshness)の発生が想定できる、予め設定された条件である。異音発生条件は、例えば、現在の車速が所定速度以下である場合に成立すると設定することができる。この場合、制御装置50は、車速センサ61によって検出される車速情報に基づいて現在の車速を取得する。車速センサ61は、車両の走行制御や車両の走行に必要な冷却系統等の制御を行う車両ECU60に車速情報を出力し、車速情報は車両ECU60から制御装置50に出力される。所定速度は、実験結果または経験則に基づいて設定されることが好ましく、異音が走行音にかき消されて車室内の乗員に認識しにくいような車速に設定されるものとする。現在の車速が所定速度を下回っている場合に異音発生条件の成立を設定することにより、車速が小さく走行音が小さいときに発生しやすい異音を抑えることができる。
例えば、車両の停止時、低速走行時、エンジン20のアイドリング状態などに該当すると、制御装置50は、ステップS110で異音発生条件が成立すると判定する。ステップS110で異音条件が成立しないとするとデューティ比制御を行う。このデューティ比制御は第1位置で開始する。この時は、流体の流量増加率が小さいため、蒸発燃料の濃度学習精度の向上を図ることができる。第1位置のモードによれば、小流量域における流量変化を小さくすることができる。さらに第1位置のモード時は、小流量を実施できるため、脈動の低減を図り、異音を抑制する効果が得られる。さらに第1位置のモード時は、流体流量が抑えられるため、ORVRバルブ15のばたつき低減を図り、異音NVHを抑制する効果が得られる。
制御装置50は、ステップS130でパージバルブ100(第2電磁弁150)のデューティ比が100%に達したか否かを判定する。ステップS130でデューティ比が100%に達していないと判定すると、ステップS100に戻り、ステップS100の判定処理を実行する。ステップS130でデューティ比が100%に達していると判定すると、ステップS140で、所定値であるX%にパージバルブ100(第2電磁弁150)のデューティ比を低下させる。次いで、ステップS150で第1電磁弁130の第1コイル132の一方の端子に正電圧を1回印加する。この正負電圧の印加により、第1ムービングコア1350が第2当接部1346と当接する第2位置とする。
第2位置にすると、ステップS100に戻り、ステップS100の判定処理を実行する。制御装置50は、ステップS140において、所定値であるX%にパージバルブ100のデューティ比を低下させているので、パージバルブ100(第2電磁弁150)のデューティ比を所定値から100%に向けて徐々に増加していく制御を実行する。ステップS140、S150の処理により、パージバルブ100が制御する流体流量を図8に示すように第1位置における増加率域から第2位置における増加率域へ滑らかに移行させることができる。第2位置における増加率域のモード時は、大きな流量域における流量変化を大きくすることができる。このため、異音NVHが発生しにくい状態において迅速に流体流量を増加でき、エンジン20の出力要求を満たす運転を実現できる。図9のフローチャートに従った制御によれば、脈動等に起因する異音NVHを抑制するとともに、大流量化も図れる流量制御を提供できる。
また、制御装置50は、ステップS110で現在のエンジン20の回転数が所定回転数を下回っている場合に異音発生条件が成立すると判定してもよい。この判定処理を採用する場合、所定回転数は、実験結果または経験則に基づいて設定されることが好ましく、異音がエンジン音にかき消されて乗員に認識されにくいような回転数に設定されるものとする。現在のエンジン20の回転数が所定回転数を下回っている場合に異音発生条件の成立を設定することにより、エンジン回転数が小さく静かなときに、圧力変動等に伴う音が異音になることを抑えることができる。
このように本開示では、小流量時の制御であれ、大流量時の制御であれ、パージ空気の流量の制御は第2電磁弁150のデューティ比制御により行う。ここで、第2弁体1800が全開位置と全閉位置との間でデューティ比制御を行うとパージ空気の流れは短い周期で流通、遮断が繰り返されることとなる。この流通、遮断はパージ空気の流れに脈動を起こすこととなる。
上記のように、パージバルブ100のデューティ比制御は異音条件が成立しない状況で行うが、パージ空気の脈動は、出口側パージ空気通路14のキャニスタ13からパージバルブ100に流れるパージバルブ上流側の出口側パージ空気通路14と、パージバルブ100からスロットルバルブ25下流の吸気管21に流れるパージバルブ下流側の出口側パージ空気通路14に伝達される。そのため、パージ空気は出口側パージ空気通路14内の全体で脈動を起こし、異音NVHの原因となる。異音NVHの程度は種々の条件で異なるが、60デシベル程度となる場合もある。これは、異音条件が成立しない状況であっても望ましくはない。
ただ、本開示では、小流量時に第1弁体170が流路を絞っているので、異音NVHの影響を抑えることができている。即ち、脈動音はパージバルブ100の上流側の出口側パージ空気通路14で影響が大きいので、このキャニスタ13側のパージバルブ上流側である出口側パージ空気通路14への脈動の影響を第1弁体170と第1弁座113とが協働して減少させている。第1弁体170が存在しない場合に比較すれば、異音NVHの影響を抑えることはでき、種々の条件に応じて異なるが、異音NVHを半減することも可能である。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、プレート1345を鉄製として、第2当接部1346も磁性材料としていた。それに対し、第2実施形態では、第2当接部1346を樹脂等の非磁性材料としている。そのため、永久磁石製の第1ムービングコア1350は、第1面1351が磁性材料である第1ステータコア1340の第1当接部1341と対向し、第2面1352は非磁性材料の第2当接部1346と対向することとなる。その結果、第1コイル132への通電がされず、第1ステータコア1340が磁性を持たない時には、第1ムービングコア1350は常に第1当接部1341側に移動して、第1位置となる。
この第1位置(小流量時)の第1電磁弁130と第2電磁弁150への制御信号を図10に示す。図10の縦軸、横軸も図5と同じである。第1電磁弁130の第1コイル132への通電は不要である。第2電磁弁150のみが、0.1秒程度の時間内で0%から100%までデューティ比制御を行う。
第1ムービングコア1350を第2当接部1346側に移動させるには、磁石の反発力を利用すべく、第1コイル132の一方の端子に正電圧を印加する。この大流量時の第1電磁弁130と第2電磁弁150への制御信号を図11に示す。この図11の縦軸、横軸も図5と同じである。第1電磁弁130へは第1コイル132の一方の端子に12ボルトの正電圧を印加し続けて、第1ムービングコア1350が第2当接部1346と当接する第2位置にあるのを維持する。また、第2電磁弁150には、0.1秒程度の時間内で0%から100%までデューティ比制御を行う。これは第1実施形態の制御と同じである。
第2実施形態のパージバルブ100の制御フローチャートを図12に示す。制御装置50は、ステップS100で蒸発燃料の濃度学習を行う状態か否かの学習判定STDを行う。ステップS100で濃度学習を行う状態であると判定すると、制御装置50は、ステップS170で第1電磁弁130の第1コイル132に電圧を印加しない。そのため、第1ムービングコア1350が第1当接部1341と当接する第1位置となる。ステップS170で第1位置にすると、再びステップS100に戻り、ステップS100の判定処理を実行する。
ステップS100で濃度学習を行う状態でないと判断し、ステップS110の異音判定NVHで異音条件が成立しない状況であると判断すると、パージバルブ100(第2電磁弁150)のデューティ比制御を行う。この状態では、第1電磁弁130へは通電されておらず、第1ムービングコア1350は第1位置にあって、パージバルブ100を流れるパージ空気の流量は小流量である。
ステップS130でパージバルブ100(第2電磁弁150)のデューティ比が100%になっているかを判断し、100%になっていれば、ステップS140で第2電磁弁150のデューティ比をX%にした上で、ステップS175で第1電磁弁130の第1コイル132への通電を開始する。この通電開始により、第1ムービングコア1350は第2位置となる。それ以降のパージバルブ100(第2電磁弁150)のデューティ比制御は、第2位置で続けられる。
(第3実施形態)
上述の実施形態では、第1弁体170を支持する保持バネ175を第1弁体170の下方に配置していた。そのため、図2及び図3で示すように、第1ムービングコア1350が第2位置に変位する際には、第1弁体170を介して保持バネ175を圧縮していた。ここで、保持バネ175は第1弁体170がその位置を保持することができる程度でよく、3ニュートン程度である。そのため、第1ムービングコア1350が第2位置に変位するさいにも、この保持バネ175により移動が阻害されることはない。
第3実施形態では、図13及び図14に示すように、保持バネ175を第1弁体170とプレート1345との間に配置している。そのため、一端がプレート1345に当接し、他端が第1弁体170に当接している。この状態で保持バネ175は5ニュートン程度の圧縮力を受けているので、第1ムービングコア1350が第1位置を保持するには、永久磁石は保持バネ175の圧縮力に打ち勝つ磁力を有している。
保持バネ175の圧縮力は、第1ムービングコア1350が第1位置から第2位置に変位する際には、移動を補助する方向に働く。図14は第2位置を示すが、この第2位置でも保持バネ175は第1位置の状態より弱い2.5ニュートン程度の圧縮力をプレート1345と第1弁体170とに与えている。この圧縮力により、第1弁体170はその位置を安定させることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、保持バネ175を廃止している。第1弁体170は第1ロット1720と一体に形成されており、かつ、第1ロット1720は第1被覆部1721及び第2被覆部1722で第1ムービングコア1350と連結している。そして、第1ムービングコア1350は第1コイル132の内周に図示しないスリーブを介して移動可能に保持されている。そのため、保持バネ175を廃止しても、第1弁体170の位置は安定している。
図15及び図16は保持バネ175を備えない実施形態を示している。図15は、第1電磁弁130が第1位置にあり、第2電磁弁150の第2コイル152が非励磁の状態を示す。また、図16は、第1電磁弁130が第2位置に移動し、第2電磁弁150の第2コイル152が励磁している状態を示す。
(その他の実施形態)
上述の開示で示した材料や大きさは一例であり、要求される性能等に応じて種々変更可能である。また、上述の開示では、第2弁体1800を第2電磁弁150の第2ムービングコア155に連結部1802を用いて固定したが、第2ムービングコア155に第2弁体1800を直接連結させてもよい。
上述の開示では、第2弁体1800に通路室と第2電磁弁150とを連通する連通穴185及び連通空間1807を設け、ハウジング110の通路室160に、通路室160と第2電磁弁150との間を仕切るダイヤフラム181を配置した。これは、第2弁体1800を小さな励磁力で駆動することができ、第2電磁弁150のデューティ比制御のリニア性を高める上で望ましい。ただ、必要に応じ、連通穴185、連通空間1807及びダイヤフラム181を用いないようにすることは可能である。
上述の開示では、第2ロット1725を用いて第1ムービングコア1350が第1位置にあるときは、第2弁体1800のストロークを小さくし、第1ムービングコア1350が第2位置にあるときは、第2弁体1800のストロークを大きくしていた。小流量時に第2弁体1800のストロークを小さくし、大流量時には第2弁体1800のストロークを大きくできるので、流量に応じたデューティ比制御を第2電磁弁150が行うことができ、望ましい。ただ、必要に応じて、第2ロット1725を廃止して、第2電磁弁150のストロークを流量に拘わらず一定とすることも可能である。
上述の開示では、流入通路161、通路室160、流出通路164、第1弁座113及び第2弁座163を全て同軸上に配置するようにハウジング110を構成した。その上で、第1弁体170、第2弁体1800、第1電磁弁130及び第2電磁弁150も同じく同軸上に配置した。全体をコンパクトに配置する上で望ましい。ただ、必要に応じて配置位置を変更することは可能である。
また、パージバルブ100は、本開示の流量制御弁の望ましい使用例であるが、本開示は大流量と小流量との切り替えが行え、かつ、大流量小流量共に流量制御が行える制御弁として広範な用途を有している。
100 バルブ
110 ハウジング
113 第1弁座
130 第1電磁弁
1341 第1当接部
1346 第2当接部
1349 磁気回路構成部材
1350 第1ムービングコア
150 第2電磁弁
155 第2ムービングコア
160 通路室
161 流入通路
163 第2弁座
164 流出通路
170 第1弁体
1800 第2弁体

Claims (8)

  1. 流体を流入する流入通路(161)と、流体を流出する流出通路(164)と、この流出通路と前記流入通路との間に形成される通路室(160)と、この通路室の前記流入通路側に形成され前記通路室に流入する流体の流量を切り替える第1弁座(113)と、前記通路室の前記流出通路側に形成され前記通路室より流出する流体の流量を制御する第2弁座(163)とを備えるハウジング(110)と、
    前記第1弁座と協働して流体の流量を切り替える第1弁体(170)と、
    前記第2弁座より前記通路室側に配置され、前記第2弁座と当接離脱して流体の流量を制御する第2弁体(1800)と、
    通電により励磁する第1コイル(132)と、この第1コイル通電時に磁気回路を形成する磁気回路構成部材(1349)と、この磁気回路構成部材に互いに対向して配置される第1当接部(1341)及び第2当接部(1346)と、前記第1当接部及び前記第2当接部の間に前記第1当接部及び前記第2当接部のいずれかと当接可能となるよう移動可能に配置され移動を前記第1弁体に伝達する永久磁石製の第1ムービングコア(1350)とを備え、前記第1コイルの通電により前記第1ムービングコアが前記第1当接部に当接する第1位置と前記第1ムービングコアが前記第2当接部に当接する第2位置との切り替えを行う第1電磁弁(130)と、
    通電により励磁する第2コイル(152)と、この第2コイル通電時に磁気回路を形成する第2ステータコア(154)と、この第2ステータコアと磁気ギャップを介して対向配置され前記第2コイルの励磁により移動するとともに移動に伴う変位を前記第2弁体に伝達する第2ムービングコア(155)とを備え、前記第2コイルの通電時と前記第2コイルの非通電時のデューティ比制御を行う第2電磁弁とを
    備えることを特徴とする流量制御弁。
  2. 前記第1当接部及び前記第2当接部はいずれも磁性材製であり、
    前記第1位置は、前記第1当接部の極性が前記第1ムービングコアの極性と引き合うよう正電圧及び負電圧のいずれか一方を前記第1コイルに印加し、
    前記第2位置は、前記第2当接部の極性が前記第1ムービングコアの極性と引き合うよう正電圧及び負電圧のいずれか他方を前記第1コイルに印加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
  3. 前記第1当接部は磁性材製であり、前記第2当接部は非磁性材製であり、
    前記第1位置は、前記第1コイルに電圧の非印加の状態であり、
    前記第2位置は、前記第1当接部の極性が前記第1ムービングコアの極性と反発するよう正電圧及び負電圧のいずれかを前記第1コイルに印加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
  4. 前記第2弁体(1800)には前記通路室と前記第2電磁弁とを連通する連通穴(185)を設けると共に、
    前記ハウジングの前記通路室に配置され、前記通路室と前記第2電磁弁との間を仕切るダイヤフラム(181)を備える
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流量制御弁。
  5. 前記第1電磁弁の前記第1ムービングコアの変位を前記第1弁体及び前記第2弁体に伝達するロット(1720、1725)を更に備え、
    前記第1電磁弁が前記第1位置にある状態では、前記第1弁座と前記第1弁体とは流体の流量を小流量とすると共に、前記第2コイルの非励磁時の前記第2弁座と前記第2弁体との距離を小さくし、
    前記第1電磁弁が前記第2位置にある状態では、前記第1弁座と前記第1弁体とは流体の流量を大流量とする共に、前記第2コイルの非励磁時の前記第2弁座と前記第2弁体との距離を大きくするように切り替える
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の流量制御弁。
  6. 前記ハウジングの前記流入通路、前記流出通路、前記通路室、前記第1弁座、及び前記第2弁座と、
    前記第1弁体、前記第2弁体、前記第1電磁弁、及び前記第2電磁弁とは同軸上に配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の流量制御弁。
  7. 前記第1電磁弁が前記第1位置にある状態では、前記第1弁座と前記第1弁体とは流体の流量を小流量とし、前記第1電磁弁が前記第2位置にある状態では、前記第1弁座と前記第1弁体とは流体の流量を大流量とするように切り替え、
    前記第1電磁弁が前記第1位置にある状態では、前記第2電磁弁はデューティ比が0%と100%との間でデューティ比御を行い、前記第1電磁弁が前記第2位置にある状態では、前記第2電磁弁はデューティ比が所定値X%と100%との間でデューティ比制御を行い、
    前記第1電磁弁が前記第1位置にある状態での100%のデューティ比制御で流れる流体の流量が、前記第1電磁弁が前記第2位置にある状態でのデューティ比が所定値X%のデューティ比制御で流れる流体の流量と略同じである
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の流量制御弁。
  8. 前記第1ムービングコアの前記第1当接部に当接する部位、及び前記第1ムービングコアの前記第2当接部に当接する部位にはそれぞれ弾性材料製の緩衝部材(1353、1354)が配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の流量制御弁。
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